JP2003303947A - 半導体装置およびその製造方法 - Google Patents
半導体装置およびその製造方法Info
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Abstract
余剰接着剤を半導体チップまたはカバー板の外周部に貯
留し、はみ出しの防止と接着性の向上を図る。 【解決手段】 半導体チップ110とカバーガラス11
2は、接着剤16を介して接合される。そして、半導体
チップ110とカバーガラス112の外周端面に、接着
剤116のはみ出し防止用凹部110A、112Aが設
けられている。半導体チップ110とカバーガラス11
2の接合時に接着剤116がはみ出した場合に、その余
剰接着剤は、はみ出し防止用凹部110A、112A内
に吸収され、大きく外側にはみ出さず、はみ出し防止用
凹部110A、112A内に貯留される。これにより、
パッケージの製品品位を向上でき、開発時においては接
着剤の選定や強度確保が容易となり、また、製造時にお
いては接着剤の制御や管理も容易化する。
Description
た半導体チップと、この半導体チップにおける撮像素子
の受光面を覆うカバー板とを接着剤を介して接合した半
導体装置およびその製造方法に関する。
例えば図10に示すように、TABパッケージ構造を用
いた固体撮像装置が知られている。この固体撮像装置
は、CCD型イメージセンサやCMOS型イメージセン
サ等の撮像素子を搭載した半導体チップ10と、この半
導体チップ10における撮像素子の受光面を覆うカバー
ガラス(カバー板)12をTABテープ14によるリー
ド端子を介在させた状態で接着剤16によって接合した
ものである。
置のパッケージ構造を示す断面図である。図示のよう
に、本例においては、ほぼ同一の面積を有する半導体チ
ップ10とカバーガラス12を接着剤16で接合するも
のであり、半導体チップ10とカバーガラス12の外周
部に接着剤16が介在しており、この接着剤16に包囲
される状態でTABテープ14によるリード端子14A
が配置され、半導体チップ10にバンプ等を介して接続
されている。TABテープ14は、例えばポリイミド等
の樹脂テープ14Bによって多数のリード端子14Aを
所定間隔で保持したものである。
合、例えば予め半導体チップ10側にTABテープ14
のリード端子14Aを接続するとともに、カバーガラス
12の外周部にBステージ(半硬化状態)の接着剤16
を塗布する。なお、リード端子14Aや接着剤16は、
ともに撮像素子の受光部を避ける領域に配置されてい
る。そして、リード端子14Aおよび接着剤16を介し
て半導体チップ10とカバーガラス12とを位置決めし
て重ね合わせ、一定の圧力で両者を圧接させた状態で加
熱することにより、接着剤16を硬化し、半導体チップ
10とカバーガラス12とを接合する。これにより、半
導体チップ10の受光面がカバーガラス12や接着剤1
6によって封止され、塵等の付着から保護されるパッケ
ージ構造を得る。
ケージ構造を示す断面図である。図示のように、本例に
おいては、半導体チップ20に対して小さいサイズのカ
バーガラス22を用いたものであり、半導体チップ20
の外周部にはバンプ等を介してTABテープ24のリー
ド端子24Aが接続され、その内側領域に接着剤26を
介してカバーガラス22が接合されている。なお、接着
剤26は撮像素子の受光部を避ける領域に配置されてい
る。このような固体撮像装置を組み立てる場合、例えば
予め半導体チップ20側にTABテープ24のリード端
子24Aを接続するとともに、その内側にBステージの
接着剤26を塗布する。そして、接着剤26を介して半
導体チップ20とカバーガラス22とを位置決めして重
ね合わせ、一定の圧力で両者を圧接させた状態で加熱す
ることにより、接着剤26を硬化し、半導体チップ20
とカバーガラス22とを接合する。これにより、半導体
チップ20の受光面がカバーガラス22や接着剤26に
よって封止され、塵等の付着から保護されるパッケージ
構造を得る。
従来例の半導体チップやカバーガラスは、それぞれ外周
端面が接着面に対して垂直に形成されている。一方、上
述した接着剤による接着時には、半導体チップとカバー
ガラスとによって接着剤が押圧され、接着剤の塗布領域
が外側に拡がることになる。このため、最初に塗布され
た接着剤の配置や量によっては、余剰な接着剤が外側に
はみ出すことになり、このはみ出した接着剤が表面張力
等の作用によって半導体チップやカバーガラスの外周端
面に沿って流れることになる。ここで、このはみ出した
接着剤を積極的に活用し、半導体チップやカバーガラス
の外周端面に貯留させれば、半導体チップとカバーガラ
スとの接着強度を増大できる。
塗布量の制御は機械的に煩雑であることから、場合によ
っては、余剰な接着剤が半導体チップやカバーガラスの
外周から大きくはみ出したり、半導体チップの裏面側や
カバーガラスの表面側まで回り込んでしまい、製品の外
観を毀損したり、あるいは撮像素子の特性に悪影響を及
ぼすような可能性も生じる。特に最近では、撮像装置の
小型化が著しいため、接着剤の塗布領域や塗布量を高精
度に制御、管理することは、ますます困難になりつつあ
る。そして、これを実現するためには、プロセス開発に
おいては、接着剤粘度、接着時間等の管理をすることが
必要であり、加えて接着剤の選定においては、接着強度
の信頼性等にも関わる問題であり、撮像装置の付加価値
を高める上での本質的な問題が錯綜している。また、製
造面でも、その管理が難しくなることは明らかである。
バー板の間からはみ出した余剰接着剤を半導体チップま
たはカバー板の外周部に有効に貯留でき、はみ出しの防
止と接着性の向上を図ることができ、さらに、半導体装
置の開発、設計、製造、材料選択等の容易化を図ること
が可能な半導体装置およびその製造方法を提供すること
にある。
するため、撮像素子を搭載した半導体チップと、前記半
導体チップにおける撮像素子の受光面を覆うカバー板と
を接着剤を介して接合した半導体装置において、前記半
導体チップとカバー板の少なくともいずれか一方の外周
端面に、半導体チップとカバー板の接着面側に向かっ
て、半導体チップまたはカバー板の中央方向にへこんだ
接着剤のはみ出し防止用凹部を設けたことを特徴とす
る。
チップと、前記半導体チップにおける撮像素子の受光面
を覆うカバー板とを接着剤を介して接合する半導体装置
の製造方法において、前記半導体チップとカバー板の少
なくともいずれか一方の外周端面に、半導体チップとカ
バー板の接着面側に向かって、半導体チップまたはカバ
ー板の中央方向にへこんだ接着剤のはみ出し防止用凹部
を設ける加工工程と、前記接着剤による半導体チップと
カバー板の接着時に、余剰な接着剤を前記はみ出し防止
用凹部に貯留させる接着工程とを有することを特徴とす
る。
カバー板の少なくともいずれか一方の外周端面に、半導
体チップとカバー板の接着面側に向かって、半導体チッ
プまたはカバー板の中央方向にへこんだ接着剤のはみ出
し防止用凹部を設けたことから、半導体チップとカバー
板との間に接着剤を挟み込んで固定する際に、この接着
剤が外側にはみ出した場合でも、この接着剤がはみ出し
防止用凹部に貯留され、はみ出し防止用凹部内に保持さ
れることになる。したがって、このようなはみ出し防止
用凹部を設けない場合には半導体チップやカバー板の外
側に大きくはみ出していたものが、このはみ出し防止用
凹部によって抑制される。この結果、大きくはみ出した
接着剤により、半導体装置の外観が阻害されたり、半導
体チップの表面やカバー板の裏側に回り込んで特性上の
悪影響が生じるといったこともなくなり、また、はみ出
し防止用凹部に貯留された接着剤により、半導体チップ
とカバー板との接合強度を向上することも可能となる。
また、接着剤の塗布位置、塗布量、材料選定等に関する
開発、設計、制御、管理が容易となる。
プとカバー板の少なくともいずれか一方の外周端面に、
半導体チップとカバー板の接着面側に向かって、半導体
チップまたはカバー板の中央方向にへこんだ接着剤のは
み出し防止用凹部を設け、接着剤による半導体チップと
カバー板の接着時に、余剰な接着剤を前記はみ出し防止
用凹部に貯留させるようにしたことから、はみ出し防止
用凹部によって接着剤のはみ出し量を抑制することが可
能となる。この結果製造した半導体装置では、大きくは
み出した接着剤により、半導体装置の外観が阻害された
り、半導体チップの表面やカバー板の裏側に回り込んで
特性上の悪影響が生じるといったこともなくなり、ま
た、はみ出し防止用凹部に貯留された接着剤により、半
導体チップとカバー板との接合強度を向上することも可
能となる。また、接着剤の塗布位置、塗布量、材料選定
等に関する開発、設計、制御、管理が容易となり、特に
小型化した半導体装置においても製造が容易となり、製
造コストの削減を図ることが可能である。
よびその製造方法を固体撮像装置に適用した実施の形態
例について説明する。図1は、本発明の第1の実施の形
態例による固体撮像装置のパッケージ構造を示す断面図
である。図示のように、本例においては、ほぼ同一の面
積を有する矩形板状の半導体チップ110とカバーガラ
ス112を接着剤116で接合するものである。図10
に示した例と同様に、半導体チップ110にはCCD型
イメージセンサやCMOS型イメージセンサ等の撮像素
子が搭載されており、その受光面(図示せず)が半導体
チップ110の中央部に設けられている。
体チップ110における撮像素子の受光面を覆うもので
あり、半導体チップ110とカバーガラス112は、外
周部に配置した接着剤116によりTABテープ114
によるリード端子114Aを介して接合され、受光部の
上面領域が中空のパッケージを構成している。なお、T
ABテープ114は、例えばポリイミド等の樹脂テープ
114Bによって多数のリード端子114Aを所定間隔
で保持したものであり、半導体チップ110の外周部に
配置された電極にバンプ等を介して接続したものであ
る。
10とカバーガラス112の双方の外周端面に、接着剤
116のはみ出し防止用凹部110A、112Aが設け
られている。半導体チップ110のはみ出し防止用凹部
110Aは、半導体チップ110の接着面側、すなわち
カバーガラス112側に向かって、半導体チップ110
の中央方向にへこんだ状態に形成されており、半導体チ
ップ110とカバーガラス112との間からはみ出した
接着剤116を貯留するものである。また、カバーガラ
ス112のはみ出し防止用凹部112Aも同様に、カバ
ーガラス112の接着面側、すなわち半導体チップ11
0側に向かって、カバーガラス112の中央方向にへこ
んだ状態に形成されており、半導体チップ110とカバ
ーガラス112との間からはみ出した接着剤116を貯
留するものである。
およびカバーガラス112のはみ出し防止用凹部110
A、112Aの形状を示す拡大断面図であり、図3は、
半導体チップ110のはみ出し防止用凹部110Aを示
す概略斜視図である。図2に示すように、本例では、半
導体チップ110およびカバーガラス112のはみ出し
防止用凹部110A、112Aは、外周端面を丸みを帯
びた階段状に切り欠いた状態に形成されている。また、
本例のはみ出し防止用凹部110A、112Aは、図3
に示すように、半導体チップ110およびカバーガラス
112の外周端面の全周にわたって環状に形成されてい
る。なお、図3では、半導体チップ110側だけを示し
ているが、カバーガラス112側も同様に形成されてい
る。
110A、112Aは、半導体チップ110およびカバ
ーガラス112をそれぞれのウェーハより分離する際に
形成するハーフカット溝を用いて形成する。図4は、半
導体チップ110をウェーハより分離する加工工程を示
す断面図である。ウェーハ100には、多数の半導体チ
ップ110が形成されている。そして、各半導体チップ
110を分離する場合には、まず、図4(A)(B)に
示すように、ダイジング装置200により、分断線に沿
ってやや溝幅の広いハーフカット溝122を形成する。
この後、図4(C)に示すように、ダイジング装置20
0によってハーフカット溝102で残った部分をフルカ
ットすることにより、各半導体チップ110を分離す
る。ここで通常の工程では、半導体チップ110の外周
部を加工して板厚方向に垂直な端面を形成するが、本例
では、ハーフカット溝102の形状を残存させることに
より、上述したはみ出し防止用凹部110Aを形成す
る。なお、ここでは半導体チップ110の分離工程を例
に説明したが、カバーガラス112のはみ出し防止用凹
部112Aについても同様に形成することが可能であ
る。
合、例えば予め半導体チップ110側にTABテープ1
14のリード端子114Aを接続するとともに、カバー
ガラス112の外周部にBステージ(半硬化状態)の接
着剤116を塗布する。なお、リード端子114Aや接
着剤116は、ともに撮像素子の受光部を避ける領域に
配置されている。次に、リード端子114Aおよび接着
剤116を介して半導体チップ110とカバーガラス1
12とを位置決めして重ね合わせ、一定の圧力で両者を
圧接させた状態で加熱することにより、接着剤116を
硬化し、半導体チップ110とカバーガラス112とを
接合する。これにより、半導体チップ110の受光面が
カバーガラス112や接着剤116によって封止され、
塵等の付着から保護されるパッケージ構造を得る。
て、半導体チップ110とカバーガラス112との間の
接着剤116は、図5(A)(B)に示すように、半導
体チップ110とカバーガラス112で押圧されること
により、矢印aで示すように、徐々に外側に押し出さ
れ、半導体チップ110およびカバーガラス112の外
側にはみ出すことになるが、半導体チップ110および
カバーガラス112の外周端面には、上述したはみ出し
防止用凹部110A、112Aが形成されているため、
はみ出した接着剤116は、その粘性や表面張力等の作
用により、はみ出し防止用凹部110A、112Aの内
部に留まることになる。つまり、はみ出した接着剤11
6の量が、はみ出し防止用凹部110A、112Aの容
量を越えない範囲では、この接着剤116は、はみ出し
防止用凹部110A、112A内に全て貯留され、その
外側には、はみ出さないことになる。この結果、塗布領
域の制御や塗布量の制御が困難な接着剤116の余剰分
を、はみ出し防止用凹部110A、112Aによって有
効に吸収することが可能となる。
例による固体撮像装置のパッケージ構造を示す断面図で
ある。図示のように、本例においては、半導体チップ1
30に対して小さいサイズのカバーガラス132を用い
たものであり、半導体チップ130の外周部にはバンプ
等を介してTABテープ134のリード端子134Aが
接続され、その内側領域に接着剤136を介してカバー
ガラス132が接合されている。なお、接着剤136は
撮像素子の受光部を避ける領域に配置されている。
32の外周端面に、上述した第1の実施の形態と同様の
はみ出し防止用凹部132Aが形成されている。このは
み出し防止用凹部132Aは、カバーガラス132の接
着面側、すなわち半導体チップ130側に向かって、カ
バーガラス132の中央方向に階段状にへこんだ状態に
形成されており、半導体チップ130とカバーガラス1
32との間からはみ出した接着剤136を貯留するもの
である。なお、はみ出し防止用凹部132Aの作成方法
や接着剤136の余剰分を吸収する際の作用等は、上述
した第1の実施の形態例と同様であるので説明は省略す
る。
具体例を説明したが、本発明はさらに種々の変形、応用
が可能である。例えば、上述した第1の実施の形態例で
は、半導体チップ110およびカバーガラス112の両
方にはみ出し防止用凹部110A、112Aを設けた
が、半導体チップ110とカバーガラス112のいずれ
か一方だけにはみ出し防止用凹部を設けてもよい。ま
た、上述した第1、第2の実施の形態例では、半導体チ
ップ110およびカバーガラス112、132の外周端
面の全周にはみ出し防止用凹部110A、112A、1
32Aを設けたが、例えばはみ出し防止が特に必要とな
る箇所に部分的なはみ出し防止用凹部を設けるようにし
てもよいし、間欠的に複数のはみ出し防止用凹部を設け
てもよい。図7は、間欠的に複数のはみ出し防止用凹部
を設けた半導体チップの一例を示す平面図である。図示
のように、本例のはみ出し防止用凹部140Aは、半導
体チップ140の外周に沿って所定の間隔で複数設けら
れており、それぞれのはみ出し防止用凹部140Aが、
余剰な接着剤(図7では省略する)を吸収する。なお、
同様のはみ出し防止用凹部をカバーガラス側に設けても
よい。
では、階段状に切り欠いた形状のはみ出し防止用凹部1
10A、112A、132Aを設けたが、はみ出し防止
用凹部の形状としては、これに限定されるものではな
く、例えばテーパ面状のはみ出し防止用凹部を設けても
よい。図8は、外周端面の全周にテーパ面状のはみ出し
防止用凹部を設けた半導体チップおよびカバーガラスの
一例を示す部分断面図であり、図9は図8に示す半導体
チップの斜視図である。図示のように、本例のはみ出し
防止用凹部150A、152Aは、半導体チップ150
およびカバーガラス152の外周に沿って環状に形成さ
れており、所定の角度を有する平面状に形成されてい
る。このような形状のはみ出し防止用凹部150A、1
52Aによっても、半導体チップ150とカバーガラス
152の間の接着剤156を吸収できる。なお、TAB
テープ154等は、上述した例と同様である。なお、以
上のようなはみ出し防止用凹部の具体的形状としては、
上述した例に限定されるものではなく、接着剤のはみ出
し状況等に応じて適宜最適化し得るものである。たとえ
ば、半導体チップとカバーガラスとで異なる形態のはみ
出し防止用凹部を設けたものであってもよい。
固体撮像素子の受光面を避けるようにして、半導体チッ
プとカバーガラスの外周部に設けた例について説明した
が、透明な接着剤を半導体チップとカバーガラスの間に
充填するような構成の固体撮像装置についても、上述し
た例と同様のはみ出し防止用凹部を設けることが可能で
ある。また、上述した第1の実施の形態では、半導体チ
ップとカバーガラスの間にリード端子を介在させて固定
する構成について説明したが、リード端子を介在させる
ことなく半導体チップとカバーガラスを接合するような
パッケージ構造や、リード端子をもたないパッケージ構
造についても同様に適用できるものである。また、図1
や図8に示す例において、半導体チップとカバーガラス
の大きさ(面積)が同一の例を示したが、大きさが異な
る半導体チップとカバーガラスを接合するようなものに
ついても同様に適用し得るものである。すなわち、本発
明は半導体チップとカバー板の大小関係については何ら
限定しないものである。また、上述した実施の形態で
は、本発明の半導体装置を固体撮像装置に適用した場合
について説明したが、本発明はこれに限らず、固体撮像
装置以外の半導体装置に適用することも可能である。
以下のような効果を得ることが可能である。まず、接着
剤の塗布量、塗布位置の厳密な管理をすることなく、パ
ッケージの外側に接着剤がはみ出すことを防止できる。
これにより、パッケージの小型化を推進できる。また、
例えば接着剤のはみ出し量やはみ出し状態などは、材料
の粘度などの特性や接着のための加圧時間などにも影響
される条件であるため、これを厳格に制御する必要性を
小さくできることは、材料の選定が容易となり、プロセ
ス開発を簡素かつ容易にすることができる。特に、接着
強度という本質的な観点を優先的して材料選定を行うこ
とができるという利点があり、また、製造設備の面でも
同様に、構造や制御の簡素化や低コスト化を図ることが
可能である。
より、接着面積が大きくなることから、接着強度を向上
でき、パッケージの信頼性の向上することが可能とな
る。また、このような接着強度の向上により、上述した
材料選定についてもさらに容易になる。また、はみ出し
防止用凹部を設けることにより、特に半導体チップ側の
エッジ部の角度が緩和され、この部分に接着剤が貯留さ
れることになるので、このエッジ部によるリード端子の
損傷やショートを防止することが可能となる。すなわ
ち、上述のような半導体装置を配線基板等に実装する場
合には、ボンディング装置によってリード端子の折り曲
げと挿入等を連続作業で自動的に行うことがあるが、こ
の折り曲げの際に、リード端子が半導体チップのエッジ
部で損傷し、ショートする場合があった。しかし、本実
施の形態によるはみ出し防止用凹部を設け、ここに接着
剤を貯留する構成により、リード端子を保護する構造を
得ることができ、実装の信頼性を向上でき、歩留の向上
を図ることが可能となる。さらに、上述のようなはみ出
し防止用凹部を設ける場合に、その形状や角度を工夫す
ることにより、特に上述したカバーガラスの外周端面か
ら入射する光が撮像素子の受光面に入射しないような構
成とすることも可能であり、撮像素子への不正入射防止
機能をもたせることが可能である。
によれば、半導体チップとカバー板の少なくともいずれ
か一方の外周端面に、半導体チップとカバー板の接着面
側に向かって半導体チップまたはカバー板の中央方向に
へこんだ接着剤のはみ出し防止用凹部を設けたことか
ら、接着剤のはみ出し量を適正に抑制でき、大きくはみ
出した接着剤による美観の低下や特性状の悪影響を防止
でき、さらに、接着剤の制御、管理、材料選定を容易化
でき、かつ、接合強度を向上できる効果がある。
ップとカバー板の少なくともいずれか一方の外周端面
に、半導体チップとカバー板の接着面側に向かって半導
体チップまたはカバー板の中央方向にへこんだ接着剤の
はみ出し防止用凹部を設け、接着剤による半導体チップ
とカバー板の接着時に、余剰な接着剤を前記はみ出し防
止用凹部に貯留させるようにしたことから、接着剤のは
み出し量を適正に抑制でき、大きくはみ出した接着剤に
よる美観の低下や特性状の悪影響を防止でき、さらに、
接着剤の制御、管理、材料選定を容易化でき、かつ、接
合強度を向上できる効果がある。
置のパッケージ構造を示す概略断面図である。
およびカバーガラスのはみ出し防止用凹部の形状を示す
拡大部分断面図である。
のはみ出し防止用凹部を示す概略斜視図である。
をウェーハより分離する加工工程を示す拡大部分断面図
である。
プとカバーガラスとの間の接着剤がはみ出す様子を示す
拡大部分断面図である。
置のパッケージ構造を示す概略断面図である。
用凹部の変形例を示す半導体チップの概略平面図であ
る。
用凹部の他の変形例を示す半導体チップとカバーガラス
の部分断面図である。
を示す概略斜視図である。
である。
を示す断面図である。
示す断面図である。
出し防止用凹部、112……カバーガラス、114……
TABテープ、114A……リード端子、114B……
樹脂テープ、116……接着剤。
Claims (14)
- 【請求項1】 半導体素子を形成した半導体チップと、
前記半導体チップの上面を覆うカバー板とを接着剤を介
して接合した半導体装置において、 前記半導体チップとカバー板の少なくともいずれか一方
の外周端面に、半導体チップとカバー板の接着面側に向
かって、半導体チップまたはカバー板の中央方向にへこ
んだ接着剤のはみ出し防止用凹部を設けた、ことを特徴
とする半導体装置。 - 【請求項2】 前記半導体チップには固体撮像素子が形
成され、前記カバー板は前記半導体チップにおける固体
撮像素子の受光面を覆う透過性のカバー板であることを
特徴とする請求項1記載の半導体装置。 - 【請求項3】 前記接着剤は、半導体チップの外周部と
カバー板の外周部との間に設けられていることを特徴と
する請求項1記載の半導体装置。 - 【請求項4】 前記接着剤は、半導体チップとカバー板
との間に充填した状態で設けられていることを特徴とす
る請求項1記載の半導体装置。 - 【請求項5】 前記半導体チップの外周部にリード端子
が設けられ、前記接着剤が前記リード端子の基端部を包
囲する状態で半導体チップとカバー板との間に介在して
いることを特徴とする請求項1記載の半導体装置。 - 【請求項6】 前記はみ出し防止用凹部は、前記半導体
チップまたはカバー板の外周端面に全周にわたって環状
に形成されていることを特徴とする請求項1記載の半導
体装置。 - 【請求項7】 前記はみ出し防止用凹部は、前記半導体
チップまたはカバー板の外周端面に部分的に形成されて
いることを特徴とする請求項1記載の半導体装置。 - 【請求項8】 前記はみ出し防止用凹部は、前記半導体
チップまたはカバー板の外周端面に間欠的に複数形成さ
れていることを特徴とする請求項1記載の半導体装置。 - 【請求項9】 前記はみ出し防止用凹部は、前記半導体
チップまたはカバー板の外周端面をテーパ面状に形成し
たものであることを特徴とする請求項1記載の半導体装
置。 - 【請求項10】 前記はみ出し防止用凹部は、前記半導
体チップまたはカバー板の外周端面を階段状に切り欠い
た状態に形成したものであることを特徴とする請求項1
記載の半導体装置。 - 【請求項11】 半導体素子を形成した半導体チップ
と、前記半導体チップの上面を覆うカバー板とを接着剤
を介して接合した半導体装置の製造方法において、 前記半導体チップとカバー板の少なくともいずれか一方
の外周端面に、半導体チップとカバー板の接着面側に向
かって、半導体チップまたはカバー板の中央方向にへこ
んだ接着剤のはみ出し防止用凹部を設ける加工工程と、 前記接着剤による半導体チップとカバー板の接着時に、
余剰な接着剤を前記はみ出し防止用凹部に貯留させる接
着工程と、 を有することを特徴とする半導体装置の製造方法。 - 【請求項12】 前記半導体チップには固体撮像素子が
形成され、前記カバー板は前記半導体チップにおける固
体撮像素子の受光面を覆う透過性のカバー板であること
を特徴とする請求項11記載の半導体装置の製造方法。 - 【請求項13】 前記加工工程は、前記半導体チップま
たはカバー板を複数形成したウェーハをダイジング装置
でハーフカットした後にフルカットを行うことにより半
導体チップまたはカバー板をウェーハから分離する工程
において、前記ダイジング装置のハーフカットで形成さ
れる溝を用いて前記はみ出し防止用凹部を形成すること
を特徴とする請求項11記載の半導体装置の製造方法。 - 【請求項14】 前記接着工程は、前記半導体チップま
たはカバー板の接着面に半硬化状または液状の接着剤を
塗布し、その後、半導体チップとカバー板とを重ね合わ
せた状態で前記半硬化状または液状の接着剤を硬化処理
することにより、前記半導体チップとカバー板とを接着
することを特徴とする請求項11記載の半導体装置の製
造方法。
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