JP2003303813A - プラズマ処理装置の真空処理室内部品の帯電抑制方法 - Google Patents
プラズマ処理装置の真空処理室内部品の帯電抑制方法Info
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Abstract
圧に帯電することを防止することができ、絶縁性材料が
放電等により破壊されることを防止することのできるプ
ラズマ処理装置の真空処理室内部品の帯電抑制方法を提
供する。 【解決手段】 真空処理室内に半導体ウエハWが配置さ
れず、かつ、真空処理室内にプラズマが生起されない状
態で絶縁性流体の循環が行われるアイドル状態に切り換
えられると、真空処理室内への窒素ガスパージ(N2 パ
ージ)を開始し、真空処理室内が例えば、略27Pa
(200mTorr)の所定圧力となるように圧力制御を行
う。
Description
て半導体ウエハ等のエッチング処理等を行うプラズマ処
理装置に係り、特にプラズマ処理装置の真空処理室内部
品の帯電抑制方法に関する。
ズマを被処理物に作用させて所定の処理を施すプラズマ
処理装置が多用されている。
は、半導体装置の微細な回路構造を形成する際に、半導
体ウエハ等の被処理基板にプラズマを作用させて、エッ
チングや成膜を行っている。
理室内でプラズマを発生させることから、プラズマの作
用によって温度が上昇する可能性があり、このため、所
定部位の温度を制御するための温度制御機構を備えたも
のが多い。
部電極との間に高周波電力を印加ししてプラズマを発生
させる所謂平行平板型のプラズマ処理装置では、半導体
ウエハ等の被処理基板が載置される載置台(サセプタ)
が下部電極を兼ねている。そして、この下部電極を構成
する導電性材料(例えばアルミニウム等)からなブロッ
ク内に、熱媒体の流路を形成し、この流路内に熱媒体と
しての絶縁性流体例えば、フッ素系の絶縁性流体を流し
て半導体ウエハ等の温度制御を行うようになっている。
ば、フロリナート(商品名:住友スリーエム社製)(炭
素、フッ素からなるフッ素系不活性液体)、GALDE
NHT(商品名:アウジモント社製)(フッ素、炭素、
酸素からなるパーフルオロポリエーテル)等がある。こ
れらの絶縁性流体の熱伝導率(25℃)は約0.06W
/mK、体積抵抗率(25℃)は約1E17〜1E18
Ω・m、誘電率(25℃、1kHz)は1.5〜2.0
である。
上記した下部電極を構成するアルミニウム等からなるブ
ロックの上に、静電チャックを設け、この静電チャック
によって、半導体ウエハ等を吸着保持するよう構成され
たものが多い。なお、このような静電チャックは、絶縁
性材料で形成された絶縁膜の中に、静電チャック用の電
極を介在させた構成とされている。
御を効率良くかつ精度良く行うために、下部電極及び静
電チャックを貫通して冷却ガス用供給孔を設け、この冷
却ガス用供給孔から半導体ウエハ等の裏面側にヘリウム
等の冷却ガスを供給するようにしたプラズマ処理装置も
多い。
装置では、あるロットの処理が終了し、次のロットの処
理を行うまでに時間が空くような場合は、装置を待機状
態(アイドル状態)として、真空処理室内のパーティク
ルの滞留や真空処理室壁面等への水分の吸着を防止し、
次に処理を行うロットが搬送されてきた際に、清浄な環
境で処理を開始できるようにしている。
空処理室内に窒素ガス等の不活性ガスを所定流量で供給
するとともに、圧力制御を行わない状態で真空排気を行
っており、この結果、真空処理室内は、例えば5Pa以
下の圧力となっている。
環も、停止させることなく続けて行っている。
が長時間続いた場合、絶縁性流体の循環によって流路内
壁と絶縁性流体との摩擦による静電気が発生し、下部電
極内に電荷が蓄積される一方、下部電極の上部等は静電
チャック用の絶縁性材料で覆われているため、電荷の蓄
積により帯電圧が上昇する。図6は、かかる帯電圧の時
間的な上昇を測定した結果を示すもので、図6の実線F
は絶縁性流体の流量を20l/分とした場合、実線Gは
絶縁性流体の流量を30l/分とした場合を示してい
る。
が20l/分の場合も、30l/分の場合も、どちらも
時間経過とともに帯電圧が上昇し、8000V以上とな
る。また、絶縁性流体の流量が多いほど短時間で帯電圧
が上昇し、流量が30l/分の場合は約3時間、流量が
20l/分の場合は約8時間で帯電圧が8000V以上
となった。
40℃と変えて同様な帯電圧の測定を行ったところ、帯
電圧は、絶縁性流体の温度が高くなるほど多くなるとい
う結果が得られた。これは、絶縁性流体の温度が上がり
動粘度が小さくなることによって絶縁性流体の流速が大
きくなり、流路内壁と絶縁性流体との摩擦による静電気
の発生量が大きくなるためと推測される。
示されるように、帯電圧が8000V程度となったとこ
ろで、静電チャックの電極と下部電極(アルミニウム製
ブロック)との間で放電が生じ、静電チャックの絶縁膜
が破壊されることがあることも判明した。
ドル時に下部電極を接地電位に切り換えることによって
防止することができるが、仮に、かかる切り換え動作が
確実に行われなかった場合には、上記のような帯電圧の
上昇により静電チャックの絶縁膜が破壊される等の可能
性もある。
されたもので、プラズマ処理装置の真空処理室内部品が
高電圧に帯電することを防止することができ、絶縁性材
料が放電等により破壊されることを防止することのでき
るプラズマ処理装置の真空処理室内部品の帯電抑制方法
を提供しようとするものである。
の発明は、プラズマを発生させて被処理体にプラズマ処
理を行う真空処理室と、内部に熱媒体の流路を有する導
電性材料で形成されるブロックと、前記ブロックに接す
るように配置され少なくとも一部が絶縁性材料で形成さ
れた真空処理室内部品とを有し、前記流路内に熱媒体と
しての絶縁性流体を流して前記真空処理室内部品を温度
制御するプラズマ処理装置において、前記被処理体が前
記真空処理室内になく、且つプラズマを発生させない状
態で前記流路に前記絶縁性流体を流す時に、不活性ガス
を前記真空処理室内に供給しつつ前記真空処理室内を所
定の圧力に制御することにより、前記真空処理室内部品
の帯電圧の上昇を抑制することを特徴とする。
マ処理装置の真空処理室内部品の帯電抑制方法におい
て、前記絶縁性流体はフッ素系冷媒であることを特徴と
する。
プラズマ処理装置の真空処理室内部品の帯電抑制方法に
おいて、前記絶縁性材料の体積抵抗率は109 Ω・cm
以上であることを特徴とする。
マ処理装置の真空処理室内部品の帯電抑制方法におい
て、前記絶縁性材料はセラミックであることを特徴とす
る。
マ処理装置の真空処理室内部品の帯電抑制方法におい
て、前記真空処理室内部品は静電チャックであり、前記
ブロックはアルミニウムで形成される下部電極であるこ
とを特徴とする。
マ処理装置の真空処理室内部品の帯電抑制方法におい
て、前記真空処理室には、前記下部電極と所定の距離だ
け離れた位置に平行に配置される上部電極を有し、前記
所定の圧力は、前記不活性ガスの種類に対応して求めら
れるパッシェンカーブの最小火花条件から放電距離を前
記所定距離とした場合に算出される圧力に対して、0.
6倍以上、2.0倍以下であることを特徴とする。
一項記載のプラズマ処理装置の真空処理室内部品の帯電
抑制方法において、前記不活性ガスは窒素ガスであるこ
とを特徴とする。
マ処理装置の真空処理室内部品の帯電抑制方法におい
て、前記所定の圧力は、略13Pa以上、略40Pa以
下であることを特徴とする。
一項記載のプラズマ処理装置の真空処理室内部品の帯電
抑制方法において、前記所定の圧力は間欠的に制御する
ことを特徴とする。
ズマ処理装置の真空処理室内部品の帯電抑制方法におい
て、前記間欠的な圧力の制御は、前記不活性ガスの流量
を変化させて行うことを特徴とする。
ズマ処理装置の真空処理室内部品の帯電抑制方法におい
て、前記間欠的な圧力の制御は、前記不活性ガスの流量
を一定とし、圧力制御装置で行うことを特徴とする。
態について図面を参照して説明する。
マ処理装置(エッチング装置)全体の概略構成を模式的
に示すもので、同図において、符号1は、材質が例えば
アルミニウム等からなり、内部を気密に閉塞可能に構成
され、真空処理室を構成する円筒状の真空チャンバを示
している。
れており、真空チャンバ1の内部には、導電性材料、例
えばアルミニウム等からブロック状に構成され、下部電
極を兼ねた載置台2が設けられている。
3を介して真空チャンバ1内に支持されており、載置台
2の半導体ウエハW載置面には、静電チャック4が設け
られている。この静電チャック4は、静電チャック用電
極4aを、絶縁性材料からなる絶縁膜4b中に介在させ
た構成とされており、静電チャック用電極4aには直流
電源5が接続されている。
が例えば、アルミナセラミックス(Al2 O3 )から構
成されており、溶射、あるいは焼結等によって形成され
ている。この場合の体積抵抗率は、約109 〜1014Ω
・cm以上である。また、上記絶縁膜4bの材質として
は、イットリア、窒化珪素等も用いることができ、ポリ
イミド等の樹脂を用いることもできる。
めの熱媒体としての絶縁性流体を循環させるための熱媒
体流路6と、ヘリウムガス等の温度制御用のガスを半導
体ウエハWの裏面に供給するためのガス流路7(流路断
面積165mm2 、長さ約5m)が設けられている。
ら所定温度に制御された絶縁性流体を約30l/min
で循環させることによって、載置台2を所定温度に制御
し、かつ、この載置台2と半導体ウエハWの裏面との間
にガス流路7を介して温度制御用のガスを供給してこれ
らの間の熱交換を促進し、半導体ウエハWを精度良くか
つ効率的に所定温度に制御することができるようになっ
ている。なお、絶縁性流体としては、例えば、前述した
フッ素系の絶縁性流体(例えば、フロリナート(商品
名:住友スリーエム社製)(炭素、フッ素からなるフッ
素系不活性液体)、GALDEN HT(商品名:アウ
ジモント社製)(フッ素、炭素、酸素からなるパーフル
オロポリエーテル)等)が用いられる。
料または絶縁性材料で形成されたフォーカスリング8が
設けられており、さらに、載置台2のほぼ中央には、高
周波電力を供給するための給電線9が接続されている。
この給電線9にはマッチングボックス10及び高周波電
源11が接続され、高周波電源11からは、所定の周波
数、例えば、13.56〜150MHzの範囲の周波数
の高周波電力が、載置台2に供給されるようになってい
る。
環状に構成され、多数の排気孔が形成された排気リング
12が設けられており、この排気リング12を介して、
排気ポート13に接続された排気系14により、真空チ
ャンバ1内の処理空間の真空排気が行われるよう構成さ
れている。なお、排気系14は、排気を行う真空ポンプ
及び圧力制御を行う圧力制御装置(APC)等から構成
されている。
天壁部分には、シャワーヘッド15が、載置台2と平行
に対向する如く設けられており、このシャワーヘッド1
5は接地されている。したがって、これらの載置台2お
よびシャワーヘッド15は、一対の電極(上部電極と下
部電極)として機能するようになっている。
数のガス吐出孔16が設けられており、且つその上部に
ガス導入部17を有している。そして、その内部にはガ
ス拡散用空隙18が形成されている。ガス導入部17に
はガス供給配管19が接続されており、このガス供給配
管19の他端には、処理ガス供給系20が接続されてい
る。この処理ガス供給系20は、各種の処理ガス、例え
ば、エッチング用の処理ガス等を供給する処理ガス供給
源20c、パージ用の不活性ガス(例えば、窒素ガス、
ヘリウムガス、ネオンガス、アルゴンガス等)を供給す
るガス供給源、例えば窒素ガス供給源20d、及び、こ
れらのガスの流量を制御するためのマスフローコントロ
ーラ(MFC)20a,20b等から構成されている。
空チャンバ1と同心状に、環状の磁場形成機構(リング
磁石)21が配置されており、載置台2とシャワーヘッ
ド15との間の処理空間に磁場を形成するようになって
いる。この磁場形成機構21は、回転機構22によっ
て、その全体が、真空チャンバ1の回りを所定の回転速
度で回転可能とされている。また、真空チャンバ1に
は、その内部(真空処理室)の圧力を測定するための圧
力計23が設けられている。
よるエッチング手順について説明すると、まず、真空チ
ャンバ1に設けられた図示しないゲートバルブを開放
し、このゲートバルブに隣接して配置されたロードロッ
ク室(図示せず)を介して、搬送機構(図示せず)によ
り半導体ウエハWを真空チャンバ1内に搬入し、載置台
2上に載置する。そして、直流電源5から静電チャック
4の静電チャック用電極4aに所定の電圧を印加し、半
導体ウエハWをクーロン力等により吸着する。
避させた後、ゲートバルブを閉じ、排気系14の真空ポ
ンプにより排気ポート13を通じて真空チャンバ1内を
排気しつつ、排気系14の圧力制御装置(APC)によ
って圧力制御が行われる。
になった後、真空チャンバ1内には、処理ガス供給系2
0から、所定のエッチングガスが、所定流量で導入さ
れ、真空チャンバ1内が所定の圧力、例えば略1〜略1
33Pa(10〜1000mTorr)に保持される。
載置台2に、所定周波数(例えば13.56MHz)の
高周波電力を供給する。
周波電力が印加されることにより、上部電極であるシャ
ワーヘッド15と下部電極である載置台2との間の処理
空間には高周波電界が形成されるとともに、磁場形成機
構21による磁場が形成され、この状態でプラズマによ
るエッチングが行われる。
ると、高周波電源11からの高周波電力の供給を停止す
ることによって、エッチング処理を停止し、上述した手
順とは逆の手順で、半導体ウエハWを真空チャンバ1外
に搬出する。
ットの処理を行うまでに時間が空くような場合は、次に
処理を行うロットが搬送されてきた際に、清浄な環境下
で処理を開始できるようにプラズマ処理装置は、真空処
理室内のパーティクルの滞留や真空処理室内壁面等への
水分の吸着を防止する待機状態(アイドル状態)とな
る。
とされる際の制御のタイミングチャートであり、同図に
示すとおり、真空処理室内に半導体ウエハWが配置され
ておらず、かつ、真空処理室内にプラズマが生起されて
いない状態で、真空処理室の状態が、アイドル状態に切
り換えられると、これと同時に窒素ガスパージ(N2パ
ージ)が開始される。なお、このアイドル状態では、熱
媒体流路6には前述したような絶縁性流体の循環が行わ
れており、また、静電チャック4の電極4aは接地電位
に接続された状態、ガス流路7からの温度制御用のガス
の供給は停止された状態となっている。また、上記の窒
素ガスに換えて他の不活性ガス、例えばアルゴンガス等
を用いることもできる。
ら5分後に、排気系14のAPCによる真空処理室内の
圧力制御が開始される。この圧力制御は、真空処理室内
が例えば、略27Pa(200mTorr)の所定圧力とな
るように行われる。
えられてから5分後に、真空処理室内の圧力制御を開始
するのは、アイドル状態が5分間連続したことにより、
その後しばらくアイドル状態が続くと推測されることか
ら、圧力制御を開始するものである。しかしながら、ア
イドル状態に切り換えられると同時に圧力制御を開始し
ても良く、また、5分に限らず、絶縁性流体の循環流量
に依存する帯電圧の上昇速度と静電チャック4が絶縁破
壊する帯電圧との関係に基づいて、例えば、3分後、1
0分後、15分後等から圧力制御を開始しても良い。
空処理室内の圧力制御を行った場合における静電チャッ
ク4の絶縁膜4bの帯電圧と時間との関係、及び、従来
のようにアイドル状態で真空処理室内の圧力制御を行わ
ない場合における静電チャック4の絶縁膜4bの帯電圧
と時間との関係を比較して示すものである。
状態で真空処理室内の圧力制御を行う本実施形態では、
実線Bで示されるアイドル状態で真空処理室内の圧力制
御を行わない場合に比べて、帯電圧が上昇することを大
幅に抑制することができる。したがって、帯電圧の上昇
によって、静電チャック4の絶縁膜4bに絶縁破壊が生
じ、絶縁膜4bにチッピング等が生じることを防止する
ことができる。
て真空処理室内の圧力制御を行い、真空処理室内の圧力
を26.6Pa程度に制御した場合に、圧力制御を行わ
ない場合(この場合真空処理室内の圧力は1.33Pa
程度となっている。)に比べて、帯電圧が上昇すること
を抑制することができるのは、以下のような2つのメカ
ニズムによる放電が生じているためと推測される。
室内の圧力が高くなると、載置台2を構成するアルミニ
ウム製のブロック内のガス流路7内等に入り込んでいる
ガス分子の数が多くなり、これらのガス分子によって、
載置台2からより多くの電荷が運ばれるという推測であ
り、もう一つのメカニズムは、このガス流路7と上部電
極であるシャワーヘッド15との間で放電が生じるとい
う推測である。
7とシャワーヘッド15との間で生じる放電の生じ易さ
は、図4に示すようなパッシェンカーブと称されている
曲線の如き変化を示すことが知られている。なお、図4
において縦軸は火花電圧(V)、横軸はギャップ長×気
圧(pd)(m・Pa)を示している。
花電圧は250Vで、この場合のギャップ長×気圧(p
d)は、0.76となる。また、図1に示した装置にお
いて、ギャップ長(載置台2(ガス流路7の底部)とシ
ャワーヘッド15との間の距離)は、約43mmである
ので、圧力が略21Pa(160mTorr)の時に最小火
花電圧の250Vとなり、計算上最も放電が生じ易い状
態となる。
シェンカーブは、最小火花電圧を示す点(パッシェンカ
ーブの最下点)から、ギャップ長×気圧(pd)が増加
する方向では上昇が緩やかであり、一方、減少する方向
では上昇が急激に起きる。
せて、各圧力における帯電圧を調べたところ、圧力が略
13Pa(100mTorr)〜略40Pa(300mTor
r)の範囲で、帯電圧を良好に抑制することができた。
したがって、真空処理室内の圧力は略13Pa(100
mTorr)〜略40Pa(300mTorr)とすることが好
ましい。
ブにおける最小火花電圧となる圧力の約0.6倍以上、
約2.0倍以下に相当する。したがって、放電を生じ易
くして、帯電圧を良好に抑制するためには、真空処理室
内の圧力を、パッシェンカーブにおける最小火花電圧と
なる圧力の約0.6倍以上、約2.0倍以下とすること
が好ましい。
媒体流路6内に絶縁性流体を循環させ、真空チャック4
をある程度高電圧に帯電させた状態で、真空処理室内に
窒素ガスを圧力略40Pa(300mTorr)で圧力制御
した状態で流入させた際の帯電圧の変化の様子を示すも
のである。
素ガスを圧力制御した状態で流入させると、帯電圧が瞬
間的に大幅に低下し、その後略一定となる。このような
帯電圧の変化のうち、帯電圧が瞬間的に低下するのは、
前述した2つのメカニズムのうちの後者のメカニズムに
よる放電が生じているものと推測される。また、その後
帯電圧が略一定となっている状態では、前者のメカニズ
ムによる放電が生じているものと推測される。
るとおり、アイドル状態において真空処理室内の圧力制
御を行うと、帯電圧が、ある値になるとその値で略一定
となり、その値以上上昇しなくなる。この値は、圧力を
略27Pa(200mTorr)とした場合は約740Vで
あった。また、上記した圧力範囲のうちの下限である略
13Pa(100mTorr)とした場合は約830Vとな
り、740Vよりは上昇したが、圧力制御を行わない場
合に比べて明らかな効果上の相違があった。
の流量を変化させ、286sccmと、714sccm
として帯電圧を調べた。この結果、圧力が一定の場合、
少なくとも上記の流量範囲においては、窒素ガスの流量
は帯電圧にほとんど影響を与えないという結果が得られ
た。すなわち、窒素ガスの流量を286sccmから7
14sccmに増大させても、圧力が一定の場合は、帯
電圧を低減させる効果にほとんど差が見られなかった。
このため、消費する窒素ガスの量を低減させるために
は、窒素ガスの流量を比較的低く設定することが好まし
い。
帯電圧が数千ボルト程度に上昇するまでには、少なくと
も1時間程度の時間がかかるので、上記のような圧力の
制御は、連続して行わずに、間欠的に行ってもよい。こ
のような場合、圧力の制御は、不活性ガスの流量を変化
させて行っても、不活性ガスの流量を一定として圧力制
御装置で行うこともできる。また、帯電圧が所定の値よ
り大きい場合、図5に示される通り、短時間で圧力制御
の効果が現れるので、圧力制御の時間は例えば1分間以
内でも良い。
台2に高周波電力を印加し、半導体ウエハWを吸着する
ための直流電圧を静電チャック用電極4aに印加する構
成を示したが、下部電極に高周波電力と直流電圧を重畳
して印加し、静電チャック4の代わりに絶縁性材料から
なる絶縁膜のみを配置した構成でも良い。
ドル状態において真空処理室内の圧力制御を行うことに
よって、真空処理室内部品である静電チャック4が高電
圧に帯電することを防止することができ、静電チャック
4の絶縁膜4bが放電等により破壊されることを防止す
ることができる。
下部電極にのみ高周波電力を供給するタイプのエッチン
グ装置に適用した例について説明したが、本発明はかか
る場合に限定されるものではなく、例えば、上部電極と
下部電極の双方に高周波電力を供給するタイプのエッチ
ング装置や、成膜を行うプラズマ処理装置等、あらゆる
プラズマ処理装置に適用することができる。また、上述
した実施形態では、静電チャック4の帯電について説明
したが、静電チャック4以外の真空処理室内部品につい
ても同様にして適用することができることは勿論であ
る。
プラズマ処理装置の真空処理室内部品が高電圧に帯電す
ることを防止することができ、絶縁性材料が放電等によ
り破壊されることを防止することができる。
概略構成を示す図。
作タイミングを示す図。
比較して示す図。
図。
図。
台(下部電極)、4……静電チャック、4a……静電チ
ャック用電極、4b……絶縁膜、6……熱媒体流路、7
……ガス流路、14……排気系、15……シャワーヘッ
ド(上部電極)、20……処理ガス供給系。
Claims (11)
- 【請求項1】 プラズマを発生させて被処理体にプラズ
マ処理を行う真空処理室と、 内部に熱媒体の流路を有する導電性材料で形成されるブ
ロックと、 前記ブロックに接するように配置され少なくとも一部が
絶縁性材料で形成された真空処理室内部品とを有し、 前記流路内に熱媒体としての絶縁性流体を流して前記真
空処理室内部品を温度制御するプラズマ処理装置におい
て、 前記被処理体が前記真空処理室内になく、且つプラズマ
を発生させない状態で前記流路に前記絶縁性流体を流す
時に、不活性ガスを前記真空処理室内に供給しつつ前記
真空処理室内を所定の圧力に制御することにより、前記
真空処理室内部品の帯電圧の上昇を抑制することを特徴
とするプラズマ処理装置の真空処理室内部品の帯電抑制
方法。 - 【請求項2】 請求項1記載のプラズマ処理装置の真空
処理室内部品の帯電抑制方法において、 前記絶縁性流体はフッ素系冷媒であることを特徴とする
プラズマ処理装置の真空処理室内部品の帯電抑制方法。 - 【請求項3】 請求項1又は2記載のプラズマ処理装置
の真空処理室内部品の帯電抑制方法において、 前記絶縁性材料の体積抵抗率は109 Ω・cm以上であ
ることを特徴とするプラズマ処理装置の真空処理室内部
品の帯電抑制方法。 - 【請求項4】 請求項3記載のプラズマ処理装置の真空
処理室内部品の帯電抑制方法において、 前記絶縁性材料はセラミックであることを特徴とするプ
ラズマ処理装置の真空処理室内部品の帯電抑制方法。 - 【請求項5】 請求項4記載のプラズマ処理装置の真空
処理室内部品の帯電抑制方法において、 前記真空処理室内部品は静電チャックであり、前記ブロ
ックはアルミニウムで形成される下部電極であることを
特徴とするプラズマ処理装置の真空処理室内部品の帯電
抑制方法。 - 【請求項6】 請求項5記載のプラズマ処理装置の真空
処理室内部品の帯電抑制方法において、 前記真空処理室には、前記下部電極と所定の距離だけ離
れた位置に平行に配置される上部電極を有し、前記所定
の圧力は、前記不活性ガスの種類に対応して求められる
パッシェンカーブの最小火花条件から放電距離を前記所
定距離とした場合に算出される圧力に対して、0.6倍
以上、2.0倍以下であることを特徴とするプラズマ処
理装置の真空処理室内部品の帯電抑制方法。 - 【請求項7】 請求項1〜6いずれか一項記載のプラズ
マ処理装置の真空処理室内部品の帯電抑制方法におい
て、 前記不活性ガスは窒素ガスであることを特徴とするプラ
ズマ処理装置の真空処理室内部品の帯電抑制方法。 - 【請求項8】 請求項7記載のプラズマ処理装置の真空
処理室内部品の帯電抑制方法において、 前記所定の圧力は、略13Pa以上、略40Pa以下で
あることを特徴とするプラズマ処理装置の真空処理室内
部品の帯電抑制方法。 - 【請求項9】 請求項1〜8いずれか一項記載のプラズ
マ処理装置の真空処理室内部品の帯電抑制方法におい
て、 前記所定の圧力は間欠的に制御することを特徴とするプ
ラズマ処理装置の真空処理室内部品の帯電抑制方法。 - 【請求項10】 請求項9記載のプラズマ処理装置の真
空処理室内部品の帯電抑制方法において、 前記間欠的な圧力の制御は、前記不活性ガスの流量を変
化させて行うことを特徴とするプラズマ処理装置の真空
処理室内部品の帯電抑制方法。 - 【請求項11】 請求項9記載のプラズマ処理装置の真
空処理室内部品の帯電抑制方法において、 前記間欠的な圧力の制御は、前記不活性ガスの流量を一
定とし、圧力制御装置で行うことを特徴とするプラズマ
処理装置の真空処理室内部品の帯電抑制方法。
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