JP2003302419A - 歩行方向検出方法、歩行方向検出装置、及びプログラム - Google Patents
歩行方向検出方法、歩行方向検出装置、及びプログラムInfo
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Abstract
検出を行なう新たな手法を提供する。 【解決手段】 加速度データ管理部11は歩行運動に伴
って加速度センサ6で観測された加速度についての鉛直
方向の加速度成分、及び該鉛直方向に直交する方向であ
る水平方向の加速度成分を取得する。垂直成分ピーク検
出部13はその鉛直方向の加速度成分の変化が極大を呈
した部分及び極小を呈した部分を検出する。水平成分ピ
ーク検出部14はその鉛直方向の加速度成分の変化が極
大を呈したときと極小を呈したときとの間のときにおい
てその水平方向の加速度成分の変化が極大を呈した部分
を検出する。歩行角度算出部15はその変化が極大を呈
したときの水平方向の加速度成分が向いている方向を算
出し、角度変換部15−1がその方向に対応して特定さ
れる方向を歩行による進行方向の検出結果とする。
Description
を検出する技術に関し、特に、人などの歩行によって移
動する移動体における歩行による進行の方向を検出する
技術に関する。
てその位置を地図上に表示し、その地図上における現在
位置から目的地までの経路案内を行なうナビゲーション
装置において、現在位置の取得のためにGPS(Global
Positioning System )を利用するものがある。このよ
うな装置では、位置計測のために必要である人工衛星か
らの電波が移動体で受信できない場合、例えばトンネル
内や高層ビルの林立する市街地などの場所を輸送装置が
移動している場合に備え、輸送装置の移動速度を検出す
る速度センサや移動体の移動方向を検出するジャイロセ
ンサなど装備しておき、これらのセンサによって検出さ
れる情報を用いての慣性航法を行なうことによって、上
述したような場所でのナビゲーションを可能としている
ものがある。
小型軽量化が進み、人が携行可能なナビゲーション装置
も市場に登場している。
設置されたナビゲーション装置では輸送装置の進行方向
と装置の向きとの間の関係が基本的には予め特定されて
いるが、人が携行するナビゲーション装置ではその装置
がどのように保持されるかは不定である。そのため、ナ
ビゲーション装置の向きを基準としたときの携行者の歩
行による進行方向の推定は困難である。
動における進行方向の検出を行なう新たな手法を提供す
ることが本発明が解決しようとする課題である。
運動を行なうことによって移動するときの進行の方向の
検出を行なう方法または装置を前提とする。本発明の態
様のひとつである歩行方向検出方法は、前記歩行運動に
伴って前記移動体で観測された加速度についての鉛直方
向の加速度成分、及び該鉛直方向に直交する方向である
水平方向の加速度成分の取得を行ない、前記鉛直方向の
加速度成分の変化が極大を呈した部分及び極小を呈した
部分の検出を行ない、前記鉛直方向の加速度成分の変化
が極大を呈したときと極小を呈したときとの間のときに
おいて前記水平方向の加速度成分の変化が極大を呈した
部分の検出を行ない、前記水平方向の加速度成分の変化
が極大を呈したときの該水平方向の加速度成分が向いて
いる方向の検出を行ない、前記水平方向の加速度成分が
向いている方向に対応して特定される方向を前記進行の
方向の検出結果とすることによって前述した課題を解決
する。
動に伴って移動体で観測された加速度についての鉛直方
向の加速度成分の変化と水平方向の加速度成分の変化と
の関係を調べると、その水平方向の加速度成分の変化が
極大を呈する部分は、その鉛直方向の加速度成分の変化
が極大を呈するときの前若しくは後であって、その極大
を呈する直前若しくは直後にその鉛直方向の加速度成分
の変化が極小を呈するまでの間において発生する。ま
た、移動体の歩行運動では、その水平方向の加速度成分
の変化が極大を呈したときにおけるその水平方向の加速
度成分の向きに対応して特定される方向がその歩行によ
る進行の方向となる。
の加速度成分の変化が極大を呈したときと極小を呈した
ときとの間のときにおいてその水平方向の加速度成分の
変化が極大を呈した部分の検出を行ない、その水平方向
の加速度成分が極大を呈したときのその水平方向の加速
度成分が向いている方向の検出を行ない、この極大を呈
したときの水平方向の加速度成分の向いている方向に対
応して特定される方向を歩行による進行の方向の検出結
果とする。
動による移動における進行の方向を検出することが可能
となる。また、水平方向の加速度成分のうちその変化が
極大を呈したときのものに基づいて歩行による進行方向
の検出が行なわれるので、前述したような人が携行可能
なナビゲーション装置でこの方法を使用すると、そのナ
ビゲーション装置の携行状態に拘らず歩行による進行方
向の検出が可能となる。
方法において、前記水平方向の加速度成分の変化が極大
を呈した部分の検出は、前記鉛直方向の加速度成分の変
化が極大を呈したときから極小を呈したときまでの間の
ときにおいて行なわれ、前記進行の方向の検出結果とさ
れる前記水平方向の加速度成分の向いている方向に対応
して特定される方向は、前記水平方向の加速度成分の向
いている方向に対して正反対の方向であるようにするこ
とができる。
向の加速度成分の変化において極大を呈したときから極
小を呈したときまでの間のときに検出された、その変化
が極大を呈している水平方向の加速度成分の向きは、そ
の歩行による進行の方向についての減速方向、すなわち
その歩行による進行の方向とは正反対の方向を指してい
る。
速度成分の変化において極大を呈したときから極小を呈
したときまでの間のときに検出された、その変化が極大
を呈している水平方向の加速度成分の向きと正反対の方
向を進行の方向の検出結果とする。こうすることによ
り、その移動体の歩行運動による移動における進行の方
向を検出することが可能となる。
分の変化が極大を呈した部分の検出においては、前記鉛
直方向の加速度成分の変化が極大を呈したときより後の
所定の間のときにおける前記水平方向の加速度成分を該
検出の対象から除外することができる。
速度成分の変化において極大を呈したときより後の所定
の間においては水平方向の加速度成分の変化が極大を呈
することのないことが分かっているので、上述したよう
にすることにより、それだけその極大を呈する部分の誤
検出の可能性が低減し、またその検出のための処理量が
削減される。
方法において、前記水平方向の加速度成分の変化が極大
を呈した部分の検出は、前記鉛直方向の加速度成分の変
化が極小を呈したときから極大を呈したときまでの間の
ときにおいて行なわれ、前記進行の方向の検出結果とさ
れる前記水平方向の加速度成分の向いている方向に対応
して特定される方向は、前記水平方向の加速度成分の向
いている方向であるようにすることができる。
向の加速度成分の変化において極小を呈したときから極
大を呈したときまでの間のときに検出された、その変化
が極大を呈している水平方向の加速度成分の向きは、そ
の歩行による進行の方向についての加速方向、すなわち
その歩行による進行の方向を指している。
速度成分の変化において極小を呈したときから極大を呈
したときまでの間のときに検出された、その変化が極大
を呈している水平方向の加速度成分の向きを進行の方向
の検出結果とする。こうすることにより、その移動体の
歩行運動による移動における進行の方向を検出すること
が可能となる。
分の変化が極大を呈した部分の検出においては、前記鉛
直方向の加速度成分の変化が極大を呈したときより前の
所定の間のときにおける前記水平方向の加速度成分を該
検出の対象から除外することができる。
速度成分の変化において極大を呈したときより前の所定
の間においては水平方向の加速度成分の変化が極大を呈
することのないことが分かっているので、上述したよう
にすることにより、それだけその極大を呈する部分の誤
検出の可能性が低減し、またその検出のための処理量が
削減される。
方法において、前記極大を呈した部分及び極小を呈した
部分は、平滑微分法に従って検出するようにすることが
できる。こうすることにより、加速度成分の観測値に含
まれ得るノイズ成分の影響が軽減され、加速度成分の変
化の大局的な傾向を捉えた増加・減少の判定に基づく極
大・極小部分の検出が可能となる。
方法において、前記進行の方向の検出が繰り返し行なわ
れる度に得られた複数の前記検出結果に基づいて前記進
行の方向の検出結果の決定を行なうようにすることがで
きる。こうすることにより、例えば移動体の進行方向に
ついての複数の検出結果の平均を以って前記進行の方向
の検出結果の決定を行なうようにすることで、複数の検
出結果の傾向が最終的な歩行方向の検出結果とされるの
で、ごく一時的な歩行方向の算出結果の乱れを補償する
ことができる。
方法において、前記水平方向の加速度成分の変化が極大
を呈した部分の検出では、前記鉛直方向の加速度成分の
変化が極小を呈したときから極大を呈したときまでの間
のときにおいて該水平方向の加速度成分の変化が極大を
呈した第一の部分の検出、及び該鉛直方向の加速度成分
の変化が該極大を呈したときから次に極小を呈したとき
までの間のときにおいて該水平方向の加速度成分の変化
が極大を呈した第二の部分の検出が行なわれ、前記第一
の部分における前記水平方向の加速度成分の大きさと前
記第二の部分における前記水平方向の加速度成分の大き
さとの比較を行ない、前記進行の方向の検出結果とされ
る前記水平方向の加速度成分の向いている方向に対応し
て特定される方向は、前記比較の結果に基づき、前記第
一の部分における水平方向の加速度成分の大きさの方が
大きいときには該第一の部分における水平方向の加速度
成分の向いている方向であり、前記第二の部分における
水平方向の加速度成分の大きさの方が大きいときには該
第二の部分における水平方向の加速度成分の向いている
方向に対して正反対の方向であるようにすることができ
る。
と第二の部分とのうち、その変化がより明瞭に極大を呈
している水平方向の加速度成分に基づいて歩行による進
行方向の検出が行なわれるので、その進行方向の検出の
精度が向上する。また、本発明の別の態様のひとつであ
る歩行方向検出装置は、前記歩行運動に伴って前記移動
体で観測された加速度についての鉛直方向の加速度成
分、及び該鉛直方向に直交する方向である水平方向の加
速度成分が格納される格納手段と、前記鉛直方向の加速
度成分の変化が極大を呈した部分及び極小を呈した部分
の検出を行なう鉛直方向加速度成分ピーク検出手段と、
前記鉛直方向の加速度成分の変化が極大を呈したときと
極小を呈したときとの間のときにおいて前記水平方向の
加速度成分の変化が極大を呈した部分の検出を行なう水
平方向加速度成分ピーク検出手段と、前記水平方向の加
速度成分の変化が極大を呈したときの該水平方向の加速
度成分が向いている方向の検出を行なう水平方向加速度
成分方向検出手段と、前記水平方向の加速度成分が向い
ている方向に対応して特定される方向を前記進行の方向
の検出結果として出力する結果出力手段と、を有するよ
うに構成することによって前述した課題を解決する。
歩行方向検出方法と同様の作用・効果が得られる。ま
た、前述した本発明に係る歩行方向検出方法に相当する
処理をコンピュータに行なわせるためのプログラムであ
っても、そのプログラムをコンピュータに読み込ませて
実行させることによって、前述した本発明に係る歩行方
向検出方法と同様の作用・効果が得られ、前述した課題
が解決される。
に基づいて説明する。なお、本実施形態においては、人
が携行可能なナビゲーション装置において本発明を実施
する実施例について説明する。
球の子午線を基準としたときの方向のことを意味するも
のとする。図1は本発明を実施するナビゲーション装置
の構造を示す図であり、(a)のその外観を、(b)は
その内部構造の概略を、それぞれ示している。
装置1は大きく分けて本体2とアンテナ3とより構成さ
れている。本体2の上面部には地図が表示される表示部
4と、ナビゲーション装置1を携行する携行者によって
操作される操作ボタン5とが設けられている。また、ア
ンテナ3はGPS用の人工衛星から送信された電波の受
信のために設けられている。
内部には、ナビゲーション装置1に加わっている加速度
を同図に示すXYZの各軸方向の成分として検出する加
速度センサ6と、ナビゲーション装置1の向いている現
在の方位を地磁気に基づいて検出する方位センサ7とが
設けられている。
を実施するナビゲーション装置1の構成を示す図であ
る。同図において、図1に示した構成要素には同一の符
号を付しており、ここではその説明を省略する。歩行方
向算出部10は、加速度センサ6の3軸各軸の検出値よ
りナビゲーション装置1を基準としたときの歩行運動に
おける進行方向の算出を行なう。歩行方向算出部10の
詳細構成は後述する。
3軸各軸の検出値より歩行ピッチ、すなわち単位時間当
たりの歩数を求め、歩行速度の算出を行なう。装置方位
算出部30は、方位センサ7の検出値よりナビゲーショ
ン装置1の現在の方位の算出を行なう。
0によって算出された歩行方向と、装置方位算出部30
によって算出された現在の方位より、歩行移動の速度の
算出を行なう。GPS電波受信部50は、アンテナ3で
受信されたGPS用の人工衛星からの電波を復調してナ
ビゲーション装置1の位置のGPSによる測位のために
必要な情報を含む信号を取得する。
部50によって復調された信号に含まれている情報に基
づいてナビゲーション装置1の位置の算出を行なう。な
お、以降の説明においてはこの位置を「GPS測位位
置」と称することとする。現在位置算出部70は、GP
S測位算出部60において最近に算出されたGPS測位
位置と、歩行方向算出部10によって算出されたそのG
PS測位位置からの歩行方向及び移動速度算出部40に
よって算出されたそのGPS測位位置からの歩行移動速
度とに基づいて、ナビゲーション装置1の現在位置の算
出を行なう。
表示される地図を表現している地図情報データが予め格
納されているデータベースである。地図マッピング制御
部90は、現在位置算出部70によって算出されたナビ
ゲーション装置1の現在位置が含まれている地図を表現
している地図情報データを地図情報データベース80か
ら抽出し、その地図情報データで表現されている地図を
表示部4に表示させると共に、ナビゲーション装置1の
現在位置をその表示部4に表示させた地図上に表示する
制御を行なう。
されている。なお、図2に示したナビゲーション装置1
の構成のうち、歩行方向算出部10、移動速度算出部2
0、装置方位算出部30、歩行方位算出部40、及び現
在位置算出部70は、標準的な構成を有するコンピュー
タ、すなわち、制御プログラムを実行することで各構成
要素を制御するCPUと、ROMやRAM及び磁気記憶
装置などからなり、CPUに各構成要素を制御させる制
御プログラムの記憶やCPUが制御プログラムを実行す
る際のワークエリアあるいは各種データの記憶領域とし
て使用される記憶部と、ユーザによる操作に対応する各
種のデータが取得される入力部と、ディスプレイなどに
各種のデータを提示してユーザに通知する出力部と、ネ
ットワークに接続するためのインタフェース機能を提供
するI/F部とを備えるコンピュータで構成することも
できる。
0、GPS測位算出部60、地図情報データベース8
0、地図マッピング制御部90及び表示部4は既存のG
PSを利用した現在位置の測位装置が有しているもので
あるから、このような測位装置と上述した標準的なコン
ピュータとを組み合わせ、更に加速度センサ6及び方位
センサ7を組み合わせることによってナビゲーション装
置1を構成することもできる。
る。歩行方向算出部10は加速度センサ6の3軸各軸の
検出値より歩行運動の進行方向の算出を行なう。まず、
この歩行方向の算出の原理について説明する。歩行運動
では歩行の進行方向において前後振動が存在している。
このことについて図3を参照しながら説明する。
クルにおける一歩の歩行運動では、まず進行方向の後ろ
側の足が地面を蹴るときに、進行方向に対して前方斜め
上方への推進力が生じる。この推進力を地面に対して垂
直な成分と水平な成分とに分解すると、この水平成分は
進行方向への加速に用いられる。
りも前方に運ばれて地面に接地する。この足が接地する
と進行方向に対して後方斜め上方への地面抗力が生じ
る。この地面抗力を地面に対して垂直な成分と水平な成
分とに分解すると、この水平成分は進行方向と正反対の
向きへの加速、すなわち進行方向に対する減速に用いら
れる。
歩行運動における歩行者の上体の移動の様子を示したも
のである。同図は一歩の歩行運動の間における上体の位
置を一定の時間間隔で表したものである。同図におい
て、歩行方向に対する減速が行なわれるのは後ろ側の足
が地面を蹴ってからその足が他方の足を追い越すまでの
間であり、歩行方向に対する加速が行なわれるのは地面
を蹴った足が他方の足を追い越してからその足が地面に
着地するまでの間である。
対して垂直な方向)の加速度と水平方向(鉛直方向と直
交する方向)の加速度との関係について説明する。ここ
で図4及び図5について説明する。これらの図に示され
ているグラフは、歩行運動における水平方向加速度と垂
直方向加速度との関係を求める実験の結果を示してい
る。この実験は被験者が歩行運動を行なうというもので
あり、この歩行運動の際に被験者の着衣の胸ポケットに
設置されたXYZ3軸の加速度センサによって検出され
た加速度の時間変化をプロットしたものである。なお、
図5は、図4に示したグラフの横軸である時間軸を拡大
したものである。
Z軸が地面に対して垂直方向を向くように設置した。従
って、地面に対して水平方向の加速度は加速度センサで
検出されるX軸方向及びY軸方向の加速度を合成したも
のとなる。図4及び図5において、上側のグラフはZ軸
方向、すなわち地面に対して垂直方向の加速度の測定結
果を示したものである。この加速度の値は被験者が何ら
運動を行なっていない状態にあるときには重力加速度に
相当する「1.00」となる。従って、この加速度がこ
の値よりも大きな値であるときには加速度センサは上向
きの動きが加速若しくは下向きの動きが減速しているこ
ととなり、この加速度がこの値よりも小さな値であると
きには加速度センサは下向きの動きが加速若しくは上向
きの動きが減速していることとなる。
の加速度、すなわち歩行運動によって生じる鉛直方向
(地面に対して垂直方向)の加速度を「垂直加速度」と
称することとする。歩行運動における上体の上下動をこ
のグラフの形状に当てはめて考える。このグラフにおけ
る上方向のピークは、地面を蹴った足が他方の足よりも
前方に運ばれて地面に接地して生じる地面抗力について
の前述した垂直成分によって上体の垂直方向の移動の向
きが下向きから上向きに変化するときに発生するもので
ある。一方、このグラフにおける下方向のピークは、地
面を蹴った足が他方の足を追い越すときに上体の垂直方
向の移動の向きが上向きから下向きに変化するときに発
生するものである。
垂直加速度のピークの間隔が一歩分の歩行運動に要する
時間、すなわち歩行ピッチを示していることは明らかで
ある。一方、図4及び図5において、下方のグラフには
X軸方向の加速度及びY軸方向の加速度を示したものに
加え、X軸方向の加速度とY軸方向の加速度との合成値
を示したグラフを描いている。前述したように、この合
成値は歩行運動時における地面について水平の方向(鉛
直方向と直交する方向)の加速度を表している。
向の加速度とY軸方向の加速度との合成値を「合成加速
度」と称することとする。これらの図のうち、特に図5
を参照すると分かるように、合成加速度の上向きのピー
クは、垂直加速度の上向きのピークと下向きのピークと
の間であってその上向きのピークからある程度の周期、
例えば歩行ピッチの1/4〜1/5程度の周期だけ遅れ
て生じる。また、図3を用いて説明した歩行運動におけ
る進行方向の前後振動を考慮すれば、この合成加速度の
上向きのピークは、後ろ側の足が地面を蹴ってから他方
の足を追い越すまでの間に発生するものであって、進行
方向への移動に対する減速をもたらすもの、つまり歩行
運動における進行方向とは逆向きの加速度である。
ンサ6で観測される加速度より、まず垂直加速度の上向
きのピークを見つけ、次にその垂直加速度の上向きのピ
ークに対応して遅れて発生している合成加速度のピーク
を見つけ、地面について水平な平面においてこのピーク
である合成加速度の向いている方向と正反対の方向を歩
行方向として算出するようにする。
においてピークであるときの加速度の向きから歩行方向
が算出されるので、地面に対して垂直の方向(鉛直方
向)さえ知ることができれば、ナビゲーション装置1が
どのような状態で保持されていても、その歩行方向が算
出できるのである。
方向算出部10の詳細構成を示した図であり、加速度セ
ンサ6の3軸各軸の検出値より歩行方向の算出を上述し
た原理に従って行なうものである。加速度データ管理部
11は各軸成分算出部11−1を有している。
ン装置1が静止状態にあるときに加速度センサ6で検出
された重力加速度のXYZの3軸成分値に基づき、速度
センサ6における鉛直方向、すなわち地面に対する垂直
方向を予め算出しておく。その後、ナビゲーション装置
1が携行されているときに加速度センサ6によって検出
される加速度のXYZ3軸方向の加速度成分Ax0 、A
y0 、Az0 よりそのときの加速度センサ6の加速度A
をその加速度Aの向きと共に算出する。そして、その加
速度Aの向きと先に求めた速度センサ6における鉛直方
向との角度差を求め、この角度差に基づき、加速度Aを
地面に対して垂直な方向の成分Azと地面について水平
な平面上における直交成分Ax及びAyとに分割する。
部11−1によって以上のようにして算出されたナビゲ
ーション装置1の携行時における加速度Aについての加
速度成分Ax、Ay、及びAzと、AxとAyとを合成
した加速度成分Axyとを加速度データファイル12に
逐次格納して加速度データファイル12の管理を行な
う。
に示されているように、加速度成分Ax、Ay、Az、
及びAxyの各値が各レコードに格納可能であり、各値
が加速度データ管理部11で一定の時間間隔で取得され
る度に各レコードを特定するための番号と対応付けられ
て格納される。
ては後述する。垂直成分ピーク検出部13は、加速度デ
ータファイル12に格納されている加速度成分Azにお
ける上方向のピークを検出する。水平成分ピーク検出部
14は、垂直成分ピーク検出部13によって求められた
加速度成分Azのピークに基づいて、その加速度成分A
zのピークに対応する加速度成分Axyのピークを加速
度データファイル12に格納されている加速度成分Ax
yについてのデータから検出する。
加速度成分Axyの向きをこのときの加速度成分Ax及
びAyから算出する。この加速度成分Axyの向きは図
3に示した減速の向きであるから、この向きを角度変換
部15−1によって反転し、この反転した角度を歩行角
度、すなわち歩行運動における進行方向を示す角度の算
出結果として出力する。
出部15から出力された歩行角度を歩行角度データファ
イル17に逐次格納して歩行角度データファイル17の
管理を行なう。歩行角度データファイル17の構造は、
図8(a)に示されているように、(szMax+1)
個(図8においては10個)分のデータ格納領域が用意
されている。なお、歩行角度データファイル17は後述
する処理によっていわゆるリングバッファとして使用さ
れる。従って、図8(b)に示されているように、歩行
角度データファイル17として用意されている個数以上
の歩行角度データを格納するときには、最も古くに歩行
角度データが格納された領域に最新の歩行角度データが
上書きされて格納される。
ァイル17に格納されている歩行角度データの加算平均
の角度を算出し、この算出結果である角度θA を最終的
な歩行方向の算出結果として出力する。歩行方向算出部
10は以上のように構成されている。
る処理の手順について説明する。図9は歩行方向算出部
10で行なわれる歩行方向算出処理の処理内容を示すフ
ローチャートである。なお、説明を簡単にするために、
以下の説明においては、予め算出されている鉛直方向と
加速度センサ6によって検出されるXYZ3軸方向の加
速度成分Ax 0 、Ay0 、Az0 とに基づいて、各軸成
分算出部11−1によって算出されるナビゲーション装
置1の移動時の加速度Aについての加速度成分Ax、A
y、及びAzが、加速度センサ6から直接出力されるも
のとする。
部13において変数Y0pに初期値である「0」が代入さ
れ、更に加速度データ管理部11において変数Nに初期
値である「0」が代入される。S102では、加速度デ
ータ管理部11によってナビゲーション装置1における
現在の加速度Aについての加速度成分Ax、Ay、及び
Azが加速度センサ6から読み込まれる。
有している計時用のタイマがリセットされる。このタイ
マは一定の時間が経過するごとに1ずつインクリメント
される。S104では、加速度データ管理部11におい
て√(Ax2 +Ay2 )なる計算によって加速度成分A
xとAyとの合成加速度成分Axyが算出される。
05の処理によって得られた加速度成分Ax、Ay、A
z、及びAxyの各データが加速度データファイル12
における変数Nの値をレコード番号とするレコードに加
速度データ管理部11によって格納される。
算結果よりも大きいか否かが加速度データ管理部11に
よって判別される。そして、この判別結果がYesなら
ばS107に処理が進み、NoならばS114に処理が
進む。このS106の処理を更に説明する。後に行なわ
れるS108のピーク検出処理では、変数Pによって特
定されるデータαがピークであるか否かの判断を行なう
ためにはそのデータαの前K1+1サンプル分とそのデ
ータαの後K1サンプル分との合計である2×K1+1
サンプル分のデータを必要とする。そこで、その判断の
ために必要なデータ数が加速度データファイル12に格
納されたかどうかをピーク検出処理が行なわれる前にS
106の処理によって予め確認しているのである。な
お、加速度データファイル12にはレコード番号が
「0」であるレコードの格納領域が用意されているの
で、S106の判別処理においては変数Nと2×K1+
1との比較ではなく、変数Nと2×K1との比較が行な
われる。
分ピーク検出部13において行なわれてこの計算結果が
変数Pに代入される。S108では、加速度データファ
イル12に格納されているレコード番号がPである加速
度成分Azについてのピーク検出処理が垂直成分ピーク
検出部13によって行なわれる。このピーク検出処理の
詳細は後述する。
検出処理によって加速度成分Azについてのプラス方向
のピーク、すなわち極大であるピークが検出されたか否
かが垂直成分ピーク検出部13によって判別される。そ
して、この判別結果がYesならばS110に処理が進
み、NoならばS112に処理が進む。
において、加速度成分Azについてのプラス方向のピー
クが検出されたか否かを示すフラグであるピーク検出フ
ラグが「1」にセットされ、加速度成分Azについての
プラス方向のピークが検出されたことが示される。
おいて変数Pの値が変数Mに代入され、その後はS11
4に処理が進む。このS111の処理によって変数Mに
代入されたPの値は、図7に示すように、S108のピ
ーク検出処理によってプラス方向のピークが検出された
ときにおけるそのピークである加速度成分Azのデータ
が格納されている加速度データファイル12におけるレ
コード番号を示している。
oであったときには、S112において加速度成分Az
についてのプラス方向のピークが既に検出されていたか
否か、すなわち前述したピーク検出フラグが「1」にセ
ットされているか否かが垂直成分ピーク検出部13にお
いて判別される。そして、この判別結果がYesならば
S113に処理が進み、NoならばS114に処理が進
む。
検出処理によって加速度成分Azについてのマイナス方
向のピーク、すなわち極小であるピークが検出されたか
否かが垂直成分ピーク検出部13によって判別される。
そして、この判別結果がYesならばS116に処理が
進み、NoならばS114に処理が進む。
り、加速度成分Azについてのプラス方向のピークとマ
イナス方向のピークとの両方が検出されたときにのみS
116に処理が進み、そうでないときにはS114に処
理が進む。S114では、加速度データ管理部11にお
いて変数Nの現在の値に「1」が加算され、その結果が
改めて変数Nに代入される。
よってリセットされたタイマが所定の値になるまで一連
の処理処理がウェイト(一時停止)され、このタイマが
所定の値となったときにはS102へ処理が戻って上述
した処理が繰り返される。このタイマの計時に基づくウ
ェイトによって、ナビゲーション装置1の移動時の加速
度Aについての加速度成分Ax、Ay、及びAzの所定
時間間隔でのサンプリングが行なわれる。なお、このサ
ンプリングの時間間隔は短くするほど急激な加速度の変
化に追従できるようになるが、それだけナビゲーション
装置1におけるこの歩行方向算出処理のための処理負担
が増大してしまうので、この関係に留意して設定するこ
とが望ましい。なお、本実施の形態においてはこのサン
プリングの時間間隔を10msとする。
結果がYesであったときには、S116において歩行
角度算出処理が行なわれる。この処理の詳細は後述す
る。S117では、加速度データ管理部11において前
述したピーク検出フラグが「0」にセットされ、更に、
加速度データ管理部11によって加速度データファイル
12に格納されている全てのデータがクリア(消去)さ
れる。これらの処理を終えた後にはS101へと処理が
戻って上述した処理が繰り返される。
る。次に、図9に示した歩行方向算出処理におけるS1
08の処理において行なわれるピーク検出処理の詳細に
ついて説明する。この処理は、あるデータ列に属するひ
とつのデータがそのデータ列をグラフで表現した曲線に
おけるピーク(極大点若しくは極小点)であるか否かを
判定するものである。
フローチャートである。まず、S201では、加速度デ
ータファイル12に格納されているレコード番号がPで
あるピーク検出対象の加速度成分データを加速度データ
管理部11に読み出させ、読み出された加速度成分デー
タについての平滑微分法によるピーク判定の基礎となる
判定値Yp を算出する。
法について説明する。今、あるデータ列に属する判定対
象のデータをA(n)とし、そのデータ列においてA
(n)の前q番目のデータをA(n−q)、後q番目の
データをA(n+q)と表現する。
(n)を算出する。
ている部分に注目する。この部分は隣接データ間の差分
を算出している。従って、その差分に乗算される値kを
常に1とすると上記の式は差分の総和を算出しているも
のとなる。この場合であればこのY(n)の値が正であ
ればこのデータ列は全体として増加傾向を示し、Y
(n)の値が負であればこのデータ列は全体として減少
傾向を示していることは容易に理解できる。そこで、こ
の場合においてはデータ列におけるA(n)の直前のデ
ータA(n−1)についての判定値Y(n−1)を求め
ておくことにより、A(n)がそのデータ列をグラフで
表現した曲線におけるピークであるかどうかを判定する
ことが可能となる。
0且つY(n−1)<0ならばA(n)は下向きのピー
クの値、すなわち極小値であるということができ、ま
た、Y(n)<0且つY(n−1)>0ならばA(n)
は上向きのピークの値、すなわち極大値であるというこ
とができる。
括られている部分に乗算されている値kはその差分値に
重みを与えているものである。この重みを与えることに
よって判定対象である測定データA(n)に含まれ得る
ノイズ成分の影響が軽減されるので、判定値Y(n)に
よってデータ列の全体における大局的な増加・減少の傾
向が表現されるようになるのである。
10に示すピーク検出処理において採用されている。S
201の説明に戻る。加速度データファイル12に格納
されているレコード番号がPであるピーク検出対象の加
速度成分データをA(p)とすると、S201では下記
の式の計算が行なわれて判定値Yp が算出される。
われたときの判定値、すなわちA(p−1)についての
ピーク判定の判定値が格納されている変数Y0pの値が取
得される。S203では、S201の処理によって算出
された判定値Yp と「0」とが比較されて大小関係が判
別される。そして、この結果、Yp >0、すなわちYp
が正であればS204に、Yp <0、すなわちYp が負
であればS206に、Yp=0、すなわちYp が0であ
ればS208に、それぞれ処理が進む。
数Y0pの値が負であるか否かが判別され、この判別結果
がYesならばS205に、NoならばS208に、そ
れぞれ処理が進む。S205では、S201の処理によ
って算出された判定値Yp の値が変数Y0pに代入され
る。この変数Y0pの値は次回に行なわれるピーク検出処
理で使用される。
検出処理が終了し、元の処理へと戻る。なお、S203
及びS204の判別処理の作用により、このS205の
処理はYp >0且つY0p<0であるとき、すなわちA
(p)が下向きのピークであると判断されたときに行な
われるので、元の処理へはこの判断結果を示す値「−
1」を返すようにする。
0、すなわちYp が負であると判別されたときには、S
206において変数Y0p>0、すなわち変数Y0pの値が
正であるか否かが判別され、この判別結果がYesなら
ばS207に、NoならばS208に、それぞれ処理が
進む。
出された判定値Yp の値が変数Y0pに代入される。S2
07の処理を終えた後にはこのピーク検出処理が終了
し、元の処理へと戻る。なお、S203及びS206の
判別処理の作用により、このS207の処理はYp <0
且つY0p>0であるとき、すなわちA(p)が上向きの
ピークであると判断されたときに行なわれるので、元の
処理へはこの判断結果を示す値「+1」を返すようにす
る。
0、すなわちYp が0であると判別されたとき、又はS
204若しくはS206の判定処理の結果がNoである
ときには、S208において、S201の処理によって
算出された判定値Yp の値が変数Y0pに代入される。
検出処理が終了し、元の処理へと戻る。なお、S20
3、S204、及びS206の判別処理の作用により、
このS207の処理はA(p)がピークではないと判断
されたときに行なわれるので、元の処理へはこの判断結
果を示す値「0」を返すようにする。
なお、図9に示した歩行方向算出処理におけるS108
の処理においてこのピーク検出処理が行なわれるときに
は、ピーク検出の対象であるデータは加速度成分Azに
ついてのものであり、この場合には垂直成分ピーク検出
部13においてこのピーク検出処理が行なわれる。
けるS116の処理において行なわれる歩行角度算出処
理について説明する。この処理は、歩行算出処理によっ
て既に取得された加速度成分Azのピークに対応して遅
れて発生する加速度成分Axyのピークを検出し、この
ピークであるAxyのXY成分に基づいて歩行の進行方
向を示す歩行角度を算出し、算出された歩行角度を歩行
角度データファイル17に登録する処理である。
すフローチャートである。まず、S301では、水平成
分ピーク検出部14において変数Y0pに初期値である
「0」が代入され、更にM+K2なる加算が水平成分ピ
ーク検出部14において行なわれてこの計算結果が変数
Pに代入される。
結果が変数Pに代入される変数Mと定数K2との加算に
ついて説明する。変数Mの値は、図9に示した歩行方向
算出処理におけるS111の処理での変数Pのそのとき
の値、すなわちS108の処理として行なわれたピーク
検出処理によってプラス方向のピークが検出されたとき
におけるそのピークである加速度成分Azのデータが格
納されている加速度データファイル12におけるレコー
ド番号を示している。従って、このMの値と定数K2と
の加算結果が代入される変数Pの値をレコード番号とし
て指し示される加速度データファイル12における加速
度成分は、図7に示すように、地面に対して垂直な加速
度成分Azの上向きのピークからK2サンプル遅れたも
のとなる。
て水平方向の加速度成分の上向きのピークは、地面に対
して垂直方向の加速度の上向きのピークある程度の周期
だけ遅れて生じることは前に説明した。つまり、上向き
ピークである垂直方向加速度成分と同時刻に検出された
ものからある程度の時間が経過するまでの水平方向加速
度成分には上向きピークとなるものは存在し得ないので
ある。
ピークの検出時と同時刻のものからある程度の時間が経
過するまでに取得された加速度成分Axyのデータを、
次に行なうピーク検出の対象から除外するために導入し
たものがこの定数K2なのである。こうすることによ
り、K2サンプル分の加速度成分Axyのデータが上向
きピークの検出対象から除外されるので、それだけピー
クの誤検出の可能性が低減し、またピーク検出のための
処理量が削減される。
度データファイル12に格納されているレコード番号が
Pである加速度成分Axyのデータについてのピーク検
出処理が水平成分ピーク検出部14によって行なわれ
る。このピーク検出処理の処理内容は図10に示したも
のと同様であるが、ピーク検出の対象であるデータが加
速度成分Axyについてのものである点と、水平成分ピ
ーク検出部14においてこの処理が行なわれる点におい
て、図9に示した歩行方向算出処理におけるS108の
処理においてこのピーク検出処理が行なわれる場合と異
なっている。
検出処理によって加速度成分Axyについてのプラス方
向のピーク、すなわち極大であるピークが検出されたか
否かが水平成分ピーク検出部14によって判別される。
そして、この判別結果がYesならばS306に処理が
進み、NoならばS304に処理が進む。
において変数Pの現在の値に「1」が加算され、その結
果が改めて変数Pに代入される。S305では、変数P
の値と変数Nの値とが一致するか否かが水平方向データ
管理部14で判別され、この判別結果がYesならばこ
のままこの歩行角度算出処理が終了し、元の処理へ戻
る。一方、この判別結果がNoならばS302へ処理が
戻って上述した処理が繰り返される。
合は、加速度データファイル12に格納されている加速
度成分Axyのデータに上方向のピークを呈するものが
存在しなかった場合であり、この場合には歩行角度デー
タの算出が行なえないので、そのときに加速度データフ
ァイル12に格納されていたデータからの歩行角度デー
タの算出は行なわないようにすべくこのS305の判別
処理が設けられている。
sであるときには、S306において、S302のピー
ク検出処理によってプラス方向のピークが検出されたと
きにおけるそのピークである加速度成分Axyの向きθ
rの算出が歩行角度算出部15において行なわれる。こ
のθrは、加速度データファイル12のレコード番号P
のレコードに格納されている、そのピークである加速度
成分AxyについてのX軸方向成分Ax及びY軸方向成
分Ayを取得し、
れる。ここで、θrは地面について水平な平面上に定義
されているXY直交軸におけるX軸と加速度成分Axy
とのなす角の角度である。S307では、前ステップの
処理によって算出されたθrが角度変換部15−1によ
って180°反転され、加速度成分Axyと逆向きの方
向、すなわち歩行運動の進行方向を示す角度θが取得さ
れる。なお、ここで、角度θの取り得る値の範囲を0°
≦θ≦360゜とする。
た歩行運動の進行方向を示す角度θを歩行角度データ管
理部16が歩行角度データファイル17へ登録する歩行
角度登録処理が行なわれ、その後はこの歩行角度算出処
理が終了し、元の処理へ戻る。歩行角度登録処理の詳細
は次に述べる。
る。次に、上述した図11の歩行角度算出処理における
S308の処理である歩行角度登録処理の詳細について
説明する。図12は歩行角度データ管理部16によって
行なわれる歩行角度登録処理の処理内容を示すフローチ
ャートである。
のS307の処理によって取得された角度θが、歩行角
度データファイル17における変数posNの値をレコ
ード番号とするレコード(θdata[posN])に
格納される。なお、変数posNは、図9に示した歩行
方向算出処理の実行が開始される前に「0」が代入され
て初期化されている。
「1」が加算され、その結果が改めて変数posNに代
入される。S403では、変数posNの現在の値が、
歩行角度データファイル17に用意されている角度θの
格納のためのレコードに付されている最大のレコード番
号を示す定数szMax(図8参照)よりも小さいか否
かが判別され、この判別結果がNoのときのみ、S40
4において変数posNに「0」が代入される。このS
403及びS404の処理によって、歩行角度データフ
ァイル17における角度θの格納領域がリングバッファ
として機能するようになる。
が、前述した定数szMaxよりも大きいか否かが判別
され、この判別結果がNoのときのみ、S406におい
て変数szBufの現在の値に「1」が加算されてその
結果が改めて変数szBufに代入される。なお、この
変数szBufは、歩行角度データファイル17に格納
されている角度θのデータ数を示すものであり、歩行角
度データファイル17における角度θの格納領域全てに
データが一旦格納されるとその後はこの値はszMax
+1、すなわち歩行角度データファイル17に用意され
ている角度θの格納のためのレコード数に固定される。
なお、変数szBufは、図9に示した歩行方向算出処
理の実行が開始される前に「0」が代入されて初期化さ
れている。
た後はこの歩行角度登録処理が終了し、元の処理へ戻
る。以上までの処理が歩行角度登録処理である。次に図
13にフローチャートで示す処理について説明する。こ
の処理は、歩行角度出力部18によって行なわれる歩行
角度決定処理である。この処理は、歩行角度データファ
イル17に格納されている歩行角度データの加算平均の
角度を算出し、この算出結果である角度θA を最終的な
歩行方向の算出結果として出力する処理であり、この処
理を行なうことによって繰り返し算出された歩行方向の
算出結果の傾向が最終的な歩行方向の検出結果とされる
ので、ごく一時的な歩行方向の算出結果の乱れを補償す
ることができる。
の開始と共に開始される。まず、S501において、角
度θA の出力を歩行方位算出部40から要求されたか否
かが判別され、この判別結果がYesとなるまでこのS
501の処理が繰り返される。
502において歩行角度データファイル17の各レコー
ドに格納されている角度θを全て読み出してその総和を
算出し、算出されたその総和を前述した変数szBuf
で除算することによって角度θA が算出される。
算出された角度θA が歩行方位算出部40へと出力さ
れ、その後はS501へと処理が戻って上述した処理が
繰り返される。以上までの処理が歩行角度決定処理であ
る。
ての処理が歩行方向算出部10において行なわれること
によって、加速度センサ6の3軸各軸の検出値に基づい
た歩行運動における進行方向の算出が実現される。この
後、歩行方向算出部40では、図14(a)に例示する
ような地面について水平な平面上に定義されているXY
直交軸におけるX軸を基準として歩行方向算出部10で
算出された歩行角度θA と、図14(b)に例示するよ
うな磁北を基準として装置方位算出部20で算出された
そのX軸の方位角度θB 、すなわちナビゲーション装置
1の方位角度とを加算することにより、図14(c)に
例示するよな磁北を基準としたときの歩行運動における
歩行方向の方位、すなわち歩行方位が算出される。
0による加速度センサ6の3軸各軸の検出値に基づいた
歩行運動における進行方向の算出の別の手法について説
明する。なお、これより説明する手法と区別するため
に、以下の説明ではここまでで説明した歩行運動におけ
る進行方向の算出の手法を「第一実施例」と称すること
とする。
した図4及び図5においての合成加速度のグラフでは歩
行運動における進行方向に対して減速方向の合成加速度
の上向きのピークが明瞭であったが、被験者の違い、歩
行運動を行なう路面の違い、あるいは加速度センサの設
置位置の違い等により、他方の足を追い越した足が地面
に着地するまでに生じる合成加速度の上向きのピーク、
すなわち歩行運動における進行方向に対して加速方向の
合成加速度の上向きのピークの方がむしろ明瞭に観測さ
れる場合がある。また、この加速方向の合成加速度の上
向きのピークは、垂直加速度の下向きのピークと上向き
のピークとの間であってその上向きのピークからある程
度の周期、例えば歩行ピッチの1/4〜1/5程度の周
期だけ前に生じる。
10が加速度センサ6で観測される加速度よりまず垂直
加速度の上向きのピークを見つけ、次にその垂直加速度
の上向きのピークに対応してその前に発生していた合成
加速度のピークを見つけ、地面について水平な平面にお
いてこのピークである合成加速度の向いている方向をそ
のまま歩行方向として算出するようにする。
装置の構造は図1に示したものと同様でよい。また、第
二実施例を実施するナビゲーション装置の構成は図2及
び図6に示したものと同様でよいが、図6における角度
変換部15−1は不要である。
ナビゲーション装置1においてこの第二実施例を実施す
るときに歩行方向算出部10で行なわれる処理の手順に
ついて説明する。まず図15について説明する。同図
は、この第二実施例を実施するために歩行方向算出部1
0で行なわれる歩行方向算出処理の第二の例の処理内容
を示すフローチャートである。同図において、図9に示
した処理と同一の処理には同一のステップ名を付してい
る。
説明を簡単にするために、以下の説明においては、予め
算出されている地面に対する垂直方向と加速度センサ6
によって検出されるXYZ3軸方向の加速度成分A
x0 、Ay0 、Az0 とに基づいて各軸成分算出部11
−1によって算出されるナビゲーション装置1の移動時
の加速度Aについての加速度成分Ax、Ay、及びAz
が、加速度センサ6から直接出力されるものとする。
かけての処理は図9に示した処理と全く同一である。S
108の処理である、加速度成分Azを対象として行な
われる図10に示したピーク検出処理が完了すると、続
くS601では、このピーク検出処理によって加速度成
分Azについてのマイナス方向のピーク、すなわち極小
であるピークが検出されたか否かが垂直成分ピーク検出
部13によって判別される。そして、この判別結果がY
esならばS602に処理が進み、NoならばS603
に処理が進む。
において、加速度成分Azについてのマイナス方向のピ
ークが検出されたか否かを示すフラグであるピーク検出
フラグが「1」にセットされて加速度成分Azについて
のマイナス方向のピークが検出されたことが示され、そ
の後はS114に処理が進む。
oであったときには、S603において加速度成分Az
についてのマイナス方向のピークが既に検出されていた
か否か、すなわち前述したピーク検出フラグが「1」に
セットされているか否かが垂直成分ピーク検出部13に
おいて判別される。そして、この判別結果がYesなら
ばS604に処理が進み、NoならばS114に処理が
進む。
検出処理によって加速度成分Azについてのプラス方向
のピーク、すなわち極大であるピークが検出されたか否
かが垂直成分ピーク検出部13によって判別される。そ
して、この判別結果がYesならばS605に処理が進
み、NoならばS114に処理が進む。
り、加速度成分Azについてのマイナス方向のピークと
プラス方向のピークとの両方が検出されたときにのみS
605に処理が進み、そうでないときにはS114に処
理が進む。S114及びS115の処理はは図9に示し
た処理と全く同一である。
結果がYesであったときには、S605において垂直
成分ピーク検出部13において変数Pの値を変数Mに代
入する処理が垂直成分ピーク検出部13において行なわ
れる。この処理によって変数Mに代入されたPの値は、
図9におけるS111の処理の結果として得られるPの
値と同様に、S108のピーク検出処理によってプラス
方向のピークが検出されたときにおけるそのピークであ
る加速度成分Azのデータが格納されている加速度デー
タファイル12におけるレコード番号を示している。
る。この処理は、図9のS116において行なわれるも
のとは若干異なる処理である。この処理の詳細は後述す
る。S606に続いて行なわれるS117の処理はは図
9に示した処理と全く同一である。
の例である。次に、図15に示した歩行方向算出処理に
おけるS606の処理において行なわれる歩行角度算出
処理について説明する。この処理は、歩行算出処理によ
って既に取得された加速度成分Azのピークに対応して
その前に発生していた加速度成分Axyのピークを検出
し、このピークであるAxyのXY成分に基づいて歩行
の進行方向を示す歩行角度を算出し、算出された歩行角
度を歩行角度データファイル17に登録する処理であ
る。
図11に示した歩行角度算出処理と区別するため、これ
より説明する処理を「歩行角度算出処理の第二の例」と
称することとし、図11に示した歩行角度算出処理を
「歩行角度算出処理の第一の例」と称することとする。
行角度算出処理の第二の例の処理内容を示すフローチャ
ートである。まず、S701では、水平成分ピーク検出
部14において変数Y0pに初期値である「0」が代入さ
れ、更にM+K3なる加算が水平成分ピーク検出部14
において行なわれてこの計算結果が変数Pに代入され
る。
向算出処理におけるS605の処理での変数Pのそのと
きの値、すなわちS108の処理として行なわれたピー
ク検出処理によってプラス方向のピークが検出されたと
きにおけるそのピークである加速度成分Azのデータが
格納されている加速度データファイル12におけるレコ
ード番号を示している。
きピークの検出時からある程度の時間だけ前の時刻から
その上向きピークの検出時までの時間内に取得された加
速度成分Axyのデータを、次に行なうピーク検出の対
象から除外し、その時間よりも以前に取得された加速度
成分Axyのデータをその対象とするために導入したも
のである。これにより、K3サンプル分の加速度成分A
xyのデータが上向きピークの検出対象から除外される
ので、それだけピークの誤検出の可能性が低減し、また
ピーク検出のための処理量が削減される。
と同様の処理である、加速度成分Axyを対象として行
なわれる図10に示したピーク検出処理が水平成分ピー
ク検出部14において行なわれ、続くS703におい
て、このピーク検出処理によって加速度成分Axyにつ
いてのプラス方向のピーク、すなわち極大であるピーク
が検出されたか否かが水平成分ピーク検出部14によっ
て判別される。そして、この判別結果がYesならばS
704に処理が進み、NoならばS706に処理が進
む。
において変数Pの現在の値から「1」が減算され、その
結果が改めて変数Pに代入される。図11に示した第一
の例におけるS304の処理と異なり、このS704の
処理では減算を行なっているが、この減算は、S702
のピーク検出処理によってプラス方向のピークを検出す
る対象とする加速度成分Axyのデータが読み出される
加速度データファイル12におけるレコード番号の値
を、加速度成分Azの上向きピークが格納されていたレ
コードから1サンプルずつ遡る方向に変化させるために
なされている。
K1を下回ったか否かが水平方向データ管理部14で判
別され、この判別結果がYesならばこのままこの歩行
角度算出処理が終了し、元の処理へ戻る。一方、この判
別結果がNoならばS702へ処理が戻って上述した処
理が繰り返される。
合は、S702のピーク検出処理によってピークの検出
を行なうことのできる範囲内において加速度データファ
イル12に格納されている加速度成分Axyのデータに
上方向のピークを呈するものが存在しなかった場合であ
り、この場合には歩行角度データの算出が行なえないの
で、そのときに加速度データファイル12に格納されて
いたデータからの歩行角度データの算出は行なわないよ
うにすべくこのS705の判別処理が設けられている。
sであるときには、S706において、前述したS70
2のピーク検出処理によってプラス方向のピークが検出
されたときにおけるそのピークである加速度成分Axy
の向きθの算出が歩行角度算出部15において行なわれ
る。このθの算出式は先に示した[数3]式でのθrの
算出式と同一である。
06の処理とS308の処理との間に、θrを角度変換
部15−1によって180°反転するS307の処理が
設けられていたが、第二実施例においては、S702の
ピーク検出処理によってプラス方向のピークが検出され
たときにおけるそのピークである加速度成分Axyの向
きがそのまま歩行運動の進行方向を示すので、図16の
処理においては図11のS307に相当する処理は不要
である。
た歩行運動の進行方向を示す角度θをそのまま歩行角度
データ管理部16が歩行角度データファイル17へ登録
する歩行角度登録処理が行なわれ、その後はこの歩行角
度算出処理が終了し、元の処理へ戻る。この歩行角度登
録処理は図12に示したものと同一の処理でよい。
の例である。なお、この第二実施例を図2及び図6に示
す構成を有するナビゲーション装置1で実施するときで
あっても、歩行角度出力部18は図13に示したものと
同様の歩行角度決定処理を行なえばよい。
に図10及び図12、そして図13の処理が歩行方向算
出部10において行なわれることによって、第二実施例
による加速度センサ6の3軸各軸の検出値に基づいた歩
行運動における進行方向の算出が実現される。
三実施例は、加速度成分Axyについて、前述した第一
実施例のようにして検出されるプラス方向のピークを呈
している値、すなわち歩行運動の減速方向の加速度のピ
ークである値と、前述した第二実施例のようにして検出
されるピークを呈している値、すなわち歩行運動の加速
方向の加速度のピークである値とを比較し、その加速度
成分の値の大きい方をそのピークが明瞭であるとみなし
て進行方向の判定基準として用いることによって歩行方
向の算出を行なうというものであり、こうすることによ
って、前述した第一及び第二実施例によるものよりも算
出される歩行方向の精度が向上する。
装置の構造は図1に示したものと同様でよく、また、第
三実施例を実施するナビゲーション装置の構造は図2及
び図6に示したものと同様でよい。以下、図2及び図6
に示した構成を有するナビゲーション装置1においてこ
の第三実施例を実施するときに歩行方向算出部10で行
なわれる処理の手順について説明する。
向算出部10で行なわれる歩行方向算出処理は、図9に
示した第一実施例におけるものと同様の処理を行なえば
よいが、同図におけるS116の処理である歩行角度算
出処理は、図11に示したものとは異なる処理を行なう
必要がある。
第三実施例を実施するときに図9に示した歩行方向算出
処理のS116の処理として行なわれる、歩行角度算出
処理の第三の例の処理内容を示すフローチャートであ
る。同図において、図11に示した第一の例における処
理若しくは図16に示した第二の例における処理と同一
の処理には同一のステップ名を付している。
701からS705にかけて並びにS801及びS80
2の処理が図16に示す第二の例の処理と同様の処理で
あり、S301からS305にかけて並びにS803及
びS804の処理が図11に示す第一の例の処理と同様
の処理である。
かけての処理は、S703の判別処理の結果がYesな
らばS801に処理が進むこと、及びS705の判別処
理の結果がYesならばS301に処理が進むことを除
けば図16に示した処理と同様の処理である。
ときには、S801において、前述した加速度成分Ax
yを対象としてS702で行なわれた図10に示したピ
ーク検出処理によってプラス方向のピークが検出された
ときにおけるそのピークである加速度成分Axyの向き
θaの算出が、歩行角度算出部15において図16のS
706の処理と同様に行なわれる。このθaの算出式は
先に示した[数3]式でのθrの算出式と同一である。
てプラス方向のピークであると判別されたときの加速度
成分Axyの値が変数Axyaに代入され、その後はS
301に処理が進む。S802に続いて行なわれる、若
しくはS705の判別処理の結果がYesであるときに
行なわれるS301からS306にかけての処理は、S
305の判別処理の結果がYesならばS805に処理
が進むこと、及びS306の処理に続いてS803の処
理が行なわれることを除けば図11に示した処理と同様
の処理である。
3では、S306の処理によって算出されたθrが角度
変換部15−1によって180°反転されて加速度成分
Axyと逆向きの方向、すなわち歩行運動の進行方向を
示す角度θbの取得を行なう処理が図11のS307と
同様に行なわれる。
してS302で行なわれた図10に示したピーク検出処
理によってプラス方向のピークであるとS303の判別
処理において判別されたときの加速度成分Axyの値が
変数Axybに代入される。S805では、変数Axy
aの値が変数Axybの値以上であるか否かが判別さ
れ、この判別結果がYesならば、S806において、
前述した角度θaを歩行角度データ管理部16が歩行角
度データファイル17へ登録する歩行角度登録処理が行
なわれる。一方、S805の判定処理の結果がNoなら
ば、S807において、前述した角度θbを歩行角度デ
ータ管理部16が歩行角度データファイル17へ登録す
る歩行角度登録処理が行なわれる。このS806及びS
807で行なわれる歩行角度算出処理は、歩行角度デー
タファイル17へ登録する対象のデータがθaとθbと
で異なることを除けば、どちらの処理においても図12
に示したものが行なわれる。
aの値と変数Axybの値との大小比較を行なうことに
よって、加速度成分Axyについて、歩行運動における
減速方向の加速度のピークと加速方向の加速度のピーク
とのうちどちらが明瞭であるとみなせるかの判定が行な
われ、その判定結果に応じて選択されて行なわれるS8
06若しくはS807の歩行角度算出処理によって、角
度θa若しくは角度θbのうち、そのピークが明瞭であ
るとみなされた方で算出されたものが信頼度の高い歩行
角度であるとして歩行角度データファイル17に格納さ
れる。
ずれかの処理を終えた後にはこの歩行角度算出処理が終
了し、元の処理へ戻る。以上までの処理が歩行角度算出
処理の第三の例である。なお、この第三実施例を図2及
び図6に示す構成を有するナビゲーション装置1で実施
するときであっても、歩行角度出力部18は図13に示
したものと同様の歩行角度決定処理を行なえばよい。
図10及び図12、そして図13の処理が歩行方向算出
部10において行なわれることによって、第三実施例に
よる加速度センサ6の3軸各軸の検出値に基づいた歩行
運動における進行方向の算出が実現される。
び図15から図17にかけて示した各種の処理を前述し
たような標準的な構成を有するコンピュータに行なわせ
るための制御プログラムを作成し、その制御プログラム
をそのコンピュータに読み込ませて実行させることによ
り、上述した第一、第二、若しくは第三実施例における
歩行方向算出部10に相当する機能をそのようなコンピ
ュータに行なわせることも可能である。また、このよう
な制御プログラムをコンピュータで読み取り可能な記録
媒体に記録させ、そのプログラムを記録媒体からコンピ
ュータに読み出させて実行させることによってこれらの
第一、第二、若しくは第三実施例における歩行方向算出
部10に相当する機能をこのようなコンピュータに行な
わせることも可能である。
で読み取ることの可能な記録媒体の例を図18に示す。
同図に示すように、記録媒体としては、例えば、コンピ
ュータ1001に内蔵若しくは外付けの付属装置として
備えられるROMやハードディスク装置などの記憶装置
1002、あるいはフレキシブルディスク、MO(光磁
気ディスク)、CD−ROM、DVD−ROMなどとい
った携帯可能記録媒体1003等が利用できる。また、
記録媒体はネットワーク1004を介してコンピュータ
1001と接続される、プログラムサーバ1005とし
て機能するコンピュータが備えている記憶装置1006
であってもよい。この場合には、制御プログラムを表現
するデータ信号で搬送波を変調して得られる伝送信号
を、プログラムサーバ1005から伝送媒体であるネッ
トワーク1004を通じて伝送するようにし、コンピュ
ータ1001では受信した伝送信号を復調して制御プロ
グラムを再生することで当該制御プログラムを実行でき
るようになる。
定されることなく、種々の改良・変更が可能である。例
えば、前述した第三実施例で使用している定数K2及び
定数K3には大差ない値が設定される場合が多いので、
この変数を共通化してもよく、こうすることにより図1
5に示す処理の実行のために予め用意しておく必要のあ
る定数の個数を減らすことができる。
歩行運動に伴って移動体で観測された加速度についての
鉛直方向の加速度成分の変化が極大を呈したときと極小
を呈したときとの間のときにおいてその鉛直方向に直交
する水平方向の加速度成分の変化が極大を呈した部分の
検出を行ない、その変化が極大を呈したときの水平方向
の加速度成分が向いている方向に対応して特定される方
向を前記進行の方向の検出結果とすることで、移動体が
歩行運動を行なうことによって移動するときの進行の方
向の検出を行なう。
動による移動における進行の方向を検出することが可能
となり、また、人が携行可能なナビゲーション装置等で
この方法を使用すると、そのナビゲーション装置の携行
状態に拘らず歩行による進行方向の検出が可能となる効
果を奏する。
示す図である。
示す図である。
る。
速度との関係を求める実験の結果をグラフで示した図
(その1)である。
速度との関係を求める実験の結果をグラフで示した図
(その2)である。
る。
ートである。
ートである。
ャートである。
ャートである。
すフローチャートである。
すフローチャートである。
すフローチャートである。
読み取ることの可能な記録媒体の例を示す図である。
Claims (10)
- 【請求項1】 移動体が歩行運動を行なうことによって
移動するときの進行の方向の検出を行なう方法であっ
て、 前記歩行運動に伴って前記移動体で観測された加速度に
ついての鉛直方向の加速度成分、及び該鉛直方向に直交
する方向である水平方向の加速度成分の取得を行ない、 前記鉛直方向の加速度成分の変化が極大を呈した部分及
び極小を呈した部分の検出を行ない、 前記鉛直方向の加速度成分の変化が極大を呈したときと
極小を呈したときとの間のときにおいて前記水平方向の
加速度成分の変化が極大を呈した部分の検出を行ない、 前記水平方向の加速度成分の変化が極大を呈したときの
該水平方向の加速度成分が向いている方向の検出を行な
い、 前記水平方向の加速度成分が向いている方向に対応して
特定される方向を前記進行の方向の検出結果とする、 ことを特徴とする歩行方向検出方法。 - 【請求項2】 前記水平方向の加速度成分の変化が極大
を呈した部分の検出は、前記鉛直方向の加速度成分の変
化が極大を呈したときから極小を呈したときまでの間の
ときにおいて行なわれ、 前記進行の方向の検出結果とされる前記水平方向の加速
度成分の向いている方向に対応して特定される方向は、
前記水平方向の加速度成分の向いている方向に対して正
反対の方向である、 ことを特徴とする請求項1に記載の歩行方向検出方法。 - 【請求項3】 前記水平方向の加速度成分の変化が極大
を呈した部分の検出においては、前記鉛直方向の加速度
成分の変化が極大を呈したときより後の所定の間のとき
における前記水平方向の加速度成分を該検出の対象から
除外することを特徴とする請求項2に記載の歩行方向検
出方法。 - 【請求項4】 前記水平方向の加速度成分の変化が極大
を呈した部分の検出は、前記鉛直方向の加速度成分の変
化が極小を呈したときから極大を呈したときまでの間の
ときにおいて行なわれ、 前記進行の方向の検出結果とされる前記水平方向の加速
度成分の向いている方向に対応して特定される方向は、
前記水平方向の加速度成分の向いている方向である、 ことを特徴とする請求項1に記載の歩行方向検出方法。 - 【請求項5】 前記水平方向の加速度成分の変化が極大
を呈した部分の検出においては、前記鉛直方向の加速度
成分の変化が極大を呈したときより前の所定の間のとき
における前記水平方向の加速度成分を該検出の対象から
除外することを特徴とする請求項4に記載の歩行方向検
出方法。 - 【請求項6】 前記極大を呈した部分及び極小を呈した
部分は、平滑微分法に従って検出することを特徴とする
請求項1に記載の歩行方向検出方法。 - 【請求項7】 前記進行の方向の検出が繰り返し行なわ
れる度に得られた複数の前記検出結果に基づいて前記進
行の方向の検出結果の決定を行なうことを特徴とする請
求項1に記載の歩行方向検出方法。 - 【請求項8】 前記水平方向の加速度成分の変化が極大
を呈した部分の検出では、前記鉛直方向の加速度成分の
変化が極小を呈したときから極大を呈したときまでの間
のときにおいて該水平方向の加速度成分の変化が極大を
呈した第一の部分の検出、及び該鉛直方向の加速度成分
の変化が該極大を呈したときから次に極小を呈したとき
までの間のときにおいて該水平方向の加速度成分の変化
が極大を呈した第二の部分の検出が行なわれ、 前記第一の部分における前記水平方向の加速度成分の大
きさと前記第二の部分における前記水平方向の加速度成
分の大きさとの比較を行ない、 前記進行の方向の検出結果とされる前記水平方向の加速
度成分の向いている方向に対応して特定される方向は、
前記比較の結果に基づき、前記第一の部分における水平
方向の加速度成分の大きさの方が大きいときには該第一
の部分における水平方向の加速度成分の向いている方向
であり、前記第二の部分における水平方向の加速度成分
の大きさの方が大きいときには該第二の部分における水
平方向の加速度成分の向いている方向に対して正反対の
方向である、 ことを特徴とする請求項1に記載の歩行方向検出方法。 - 【請求項9】 移動体が歩行運動を行なうことによって
移動するときの進行の方向の検出を行なう装置であっ
て、 前記歩行運動に伴って前記移動体で観測された加速度に
ついての鉛直方向の加速度成分、及び該鉛直方向に直交
する方向である水平方向の加速度成分が格納される格納
手段と、 前記鉛直方向の加速度成分の変化が極大を呈した部分及
び極小を呈した部分の検出を行なう鉛直方向加速度成分
ピーク検出手段と、 前記鉛直方向の加速度成分の変化が極大を呈したときと
極小を呈したときとの間のときにおいて前記水平方向の
加速度成分の変化が極大を呈した部分の検出を行なう水
平方向加速度成分ピーク検出手段と、 前記水平方向の加速度成分の変化が極大を呈したときの
該水平方向の加速度成分が向いている方向の検出を行な
う水平方向加速度成分方向検出手段と、 前記水平方向の加速度成分が向いている方向に対応して
特定される方向を前記進行の方向の検出結果として出力
する結果出力手段と、 を有することを特徴とする歩行方向検出装置。 - 【請求項10】 移動体が歩行運動を行なうことによっ
て移動するときの進行の方向の検出を行なう処理をコン
ピュータに行なわせるためのプログラムであって、 前記歩行運動に伴って前記移動体で観測された加速度に
ついての鉛直方向の加速度成分、及び該鉛直方向に直交
する方向である水平方向の加速度成分の取得を行なう処
理と、 前記鉛直方向の加速度成分の変化が極大を呈した部分及
び極小を呈した部分の検出を行なう処理と、 前記鉛直方向の加速度成分の変化が極大を呈したときと
極小を呈したときとの間のときにおいて前記水平方向の
加速度成分の変化が極大を呈した部分の検出を行なう処
理と、 前記水平方向の加速度成分の変化が極大を呈したときの
該水平方向の加速度成分が向いている方向の検出を行な
う処理と、 前記水平方向の加速度成分の向いている方向に対応して
特定される方向を前記進行の方向の検出結果とする処理
と、 をコンピュータに行なわせるためのプログラム。
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