JP2003298195A - 配線基板 - Google Patents

配線基板

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JP2003298195A
JP2003298195A JP2002101771A JP2002101771A JP2003298195A JP 2003298195 A JP2003298195 A JP 2003298195A JP 2002101771 A JP2002101771 A JP 2002101771A JP 2002101771 A JP2002101771 A JP 2002101771A JP 2003298195 A JP2003298195 A JP 2003298195A
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line layer
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JP2002101771A
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Yasuhiro Sugimoto
康宏 杉本
Kazuhiro Suzuki
一広 鈴木
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Niterra Co Ltd
Original Assignee
NGK Spark Plug Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 できるだけ測定パッドやビアランド等の影響
を排除し、本来の信号線路層のみの特性に近い特性を測
定できる信号線路層評価用の配線基板、一般に使用する
配線基板においてできるだけビアランド等の影響を排除
した配線基板を提供する。 【解決手段】 配線基板100は、ストリップライン線
路層141を第1,第2絶縁層130,150を介して
挟む第1,第2接地導体層120,160を有する。ス
トリップライン線路層141の両端には、これに接続す
るビアランド142,143を備える。第1接地導体層
120には、第1絶縁層130を介して、ビアランド1
42,143と対向する対応する第1接地層開口120
K,120Lを備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、信号線路層を有す
る配線基板、及び、基板内部に信号線路層を備え、この
信号線路層の特性を測定可能としてなる信号線路層評価
用の配線基板に関する。
【0002】
【従来の技術】配線基板が所期の特性を有しているか否
かの評価や、配線層やビア導体などの導体、絶縁層とし
て使用される材料や製造手法を変更することにより、配
線基板の特性に与える影響についての評価などが、研究
開発段階や量産段階でしばしば行われる。このような評
価のために特別に設計された評価用配線基板の1つに、
ストリップライン線路やマイクロストリップライン線路
などを構成する信号線路層の特性が測定できるように設
計された信号線路層評価用の配線基板がある。このよう
な信号線路層評価用の配線基板としては、例えば、基板
内部にストリップライン線路を形成しておき、ビアラン
ド、測定ビア導体を通じ、その基板主面側に露出する一
対の測定パッドに測定機器のプローブを接続して、スト
リップライン線路の特性を測定することができるように
してある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、実際に
このような信号線路層評価用の配線基板を製作して、信
号線路層の特性を測定しても、測定される特性が予測さ
れた特性に比して大きく異なる場合がある。これは、測
定パッドやビアランドなどの配置や形状による影響で、
信号線路層のみの特性を正確に測定することは困難だか
らであると推測さされる。さらにこの知見は、評価用の
配線基板に限らず、マイクロプロセッサ用など、内部に
信号線路層を有する一般に使用される配線基板において
も、信号線路層につながるビアランドやビア導体の形状
や配置によって、信号線路層の特性に影響するというこ
とを示している。本発明は、かかる問題点に鑑みてなさ
れたものであって、できるだけ測定パッドやビアランド
等の影響を排除し、本来の信号線路層のみの特性に近い
特性を測定できる信号線路層評価用の配線基板を提供す
ることを目的とする。また、一般に使用する配線基板に
おいて、できるだけビアランド等の影響を排除した配線
基板を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段、作用及び効果】そしてそ
の解決手段は、第1主面と第1裏面とを有する第1絶縁
層と、上記第1絶縁層の上記第1主面に配置された信号
線路層と、第2主面と第2裏面とを有し、上記第2裏面
が上記第1絶縁層の上記第1主面に接して配置され、上
記第1絶縁層との層間に上記信号線路層を挟む第2絶縁
層と、上記第1絶縁層の上記第1裏面に配置され、交流
的に接地される第1接地導体層であって、上記第1絶縁
層の厚さ方向で上記第1主面から上記第1裏面に向かう
方向に上記信号線路層を投影したとき、投影された信号
線路層を少なくとも含む拡がりを有する第1接地導体層
と、上記第1絶縁層の上記第1主面に配置され、上記信
号線路層の端部に接続するビアランドと、上記第2絶縁
層を貫通し、一端で上記ビアランドに接続するビア導体
と、を備え、上記第1接地導体層は、上記第1絶縁層を
介して上記ビアランドと対向する位置に第1開口を有す
る配線基板である。
【0005】本発明の配線基板では、第1接地導体層は
第1絶縁層を介してビアランドと対向する位置に第1開
口を有している。このため、ビアランドと第1絶縁層を
挟んで対向する位置に第1接地導体層が存在しないか、
第1開口の面積分だけ対向する面積が小さくなる。従っ
て、第1開口を形成せず、ビアランドと第1絶縁層を挟
んで第1接地導体層の一部とが対向している場合に比し
て、ビアランドと第1接地導体層との間に生じる浮遊容
量を低減することができる。かくして、このような浮遊
容量の存在による信号線路層の特性に対する影響、例え
ば、特性インピーダンスが部分的に変動して反射が発生
するなどの影響を抑制することができるから、信号線路
層、ひいては配線基板における信号伝送特性を良好にす
ることができる。
【0006】なお、本明細書において、信号線路層は、
第1接地導体層と電磁的に結合してマイクロストリップ
ライン線路を構成するもの、第1接地導体層の他に第2
絶縁層の第2主面に配置された第2接地導体層を備え、
この第2接地導体層とも電磁的に結合して、ストリップ
ライン線路を構成するものなど、第1接地導体層と電磁
的に結合する部分を含む信号線路層が挙げられる。従っ
て、信号線路層と同じ層間(第1絶縁層の第1主面)に
もコプレーナ層を持つものなど、他の形態の信号線路層
をも含む。また、第1接地導体層には、ベタ状の導体層
を採用することができるほか、第1絶縁層との密着性、
製造の容易さ等を考慮して、水玉模様状、メッシュ状な
ど多数の開口を含む形状の導体層としても良い。なお、
後述する第2接地導体層についても、ベタ状の導体層を
採用することができるほか、第2絶縁層との密着性、製
造の容易さ等を考慮して、水玉模様状、メッシュ状など
多数の開口を含む形状の導体層とすることもできる。ま
た、交流的に接地されているとは、交流成分について考
慮した場合に、電位変動がないために、接地されている
のと同じ状態にされている状態を指す。従って、直流成
分について見た場合にも接地電位とされる場合がある。
さらにこのほか、直流成分について見ると、電源電位
(例えば+5V)とされるなど、接地電位とは異なる電
位とされながらも、交流成分について見ると接地されて
いるのと同じになる場合も含まれる。
【0007】さらに、上記配線基板であって、前記第1
開口は、上記第1絶縁層の厚さ方向で上記第1主面から
上記第1裏面に向かう方向に上記ビアランドを投影した
とき、投影されたビアランドを含む拡がりを有する配線
基板とすると良い。
【0008】本発明の配線基板では、第1開口が投影さ
れたビアランドを含む拡がりを有している。つまり、第
1開口は、ビアランドと対向する位置に配置され、ビア
ランドを含む大きさを有している。このため、ビアラン
ドと第1接地導体層とが第1絶縁層を挟んで対向する部
分が無い。かくして、特にビアランドと第1接地導体層
の間に生じる浮遊容量を小さくでき、この浮遊容量によ
る信号線路層の特性に対する影響を抑制することができ
る。
【0009】さらに、上記いずれかに記載の配線基板で
あって、前記ビアランドの幅または径が、前記信号線路
層の線幅よりも大きい配線基板とすると良い。
【0010】ビアランドの幅または径が、信号線路層の
線幅よりも大きい場合には、特に、ビアランドの面積が
大きくなる分、ビアランドと第1接地導体層とが第1絶
縁層を介して対向する場合には、これらの間に生じる浮
遊容量が大きくなる。これに対し、本発明の配線基板で
は、第1接地導体層に第1開口を形成してあるから、ビ
アランドの面積が大きくても、浮遊容量を十分低減し、
浮遊容量による信号線路層の特性に対する影響を抑制す
ることができる。
【0011】さらに、上記いずれかに記載の配線基板で
あって、前記第2絶縁層の前記第2主面に配置され、交
流的に接地される第2接地導体層であって、上記第2絶
縁層の厚さ方向で前記第2裏面から上記第2主面に向か
う方向に前記信号線路層を投影したとき、投影された信
号線路層を少なくとも含む拡がりを有する第2接地導体
層を備える配線基板とするのが好ましい。
【0012】この配線基板では、信号線路層は、第1接
地導体層のみならず、第2接地導体層とも電磁的に結合
して、ストリップライン線路を構成するので、より確実
に信号を伝送することができる。
【0013】さらに他の解決手段は、基板内部に信号線
路層を備え、その基板主面側に露出する測定パッドを通
じて、上記信号線路層の特性を測定可能としてなる信号
線路層評価用の配線基板であって、第1主面と第1裏面
とを有する第1絶縁層と、上記第1絶縁層の上記第1主
面に配置された上記信号線路層と、第2主面と第2裏面
とを有し、上記第2裏面が上記第1絶縁層の上記第1主
面に接して配置され、上記第1絶縁層との層間に上記信
号線路層を挟む第2絶縁層と、上記第1絶縁層の上記第
1裏面に配置され、交流的に接地される第1接地導体層
であって、上記信号線路層を上記第1絶縁層の厚さ方向
で上記第1主面から上記第1裏面に向かう方向に上記信
号線路層を投影したとき、投影された信号線路層を少な
くとも含む拡がりを有する第1接地導体層と、上記第1
絶縁層の第1主面に配置され、上記信号線路層の端部に
接続するビアランドと、上記第2絶縁層を貫通し、一端
で上記ビアランドに接続し、他端で上記測定パッドに接
続し、上記ビアランドを介して上記信号線路層と上記測
定パッドとを接続する測定ビア導体と、を備え、上記第
1接地導体層は、第1開口であって、上記第1絶縁層の
厚さ方向で上記第1主面から上記第1裏面に向かう方向
に上記ビアランドを投影したとき、投影されたビアラン
ドを含む拡がりを有する第1開口を有する信号線路層評
価用の配線基板である。
【0014】本発明の信号線路層評価用の配線基板で
は、第1接地導体層は、第1絶縁層の厚さ方向で第1主
面から第1裏面に向かう方向にビアランドを投影したと
き、投影されたビアランドを含む拡がりを有する第1開
口を有している。このため、ビアランドと第1絶縁層を
挟んで対向する位置には、第1開口が配置されており、
第1接地導体層が存在しないことになる。このため、第
1開口を形成せず、ビアランドと第1絶縁層を挟んで第
1接地導体層の一部とが対向している場合に比して、ビ
アランドと第1接地導体層との間に生じる浮遊容量を低
減することができる。従って、このような浮遊容量の存
在によって生じる、反射量の増大など、信号線路層の特
性測定に対する影響を少なくできる。
【0015】さらに、上記配線基板であって、前記ビア
ランドの幅または径が、前記信号線路層の線幅よりも大
きい配線基板とすると良い。
【0016】ビアランドの幅または径が、信号線路層の
線幅よりも大きい場合には、特に、ビアランドの面積が
大きくなる分、ビアランドと第1接地導体層とが第1絶
縁層を介して対向する場合、これらの間に生じる浮遊容
量が大きくなる。これに対し、本発明の信号線路層評価
用の配線基板では、第1接地導体層に第1開口を形成し
てあるから、ビアランドの面積が大きくても、浮遊容量
を十分低減し、浮遊容量による信号線路層の特性に対す
る影響を抑制することができる。
【0017】さらに、上記いずれかに記載の信号線路層
評価用の配線基板であって、前記測定パッドは、前記基
板主面側にそれぞれ露出する一対の測定パッドであり、
前記ビアランドは、前記信号線路層の一端と他端のそれ
ぞれに接続する一対のビアランドであり、前記測定ビア
導体は、上記ビアランドを介して上記信号線路層と上記
測定パッドとそれぞれ接続する一対の測定ビア導体であ
り、前記第1開口は、前記投影されたビアランドを含む
拡がりをそれぞれ有する一対の第1開口である配線基板
とするのが好ましい。
【0018】この配線基板では、信号線路層の一端と他
端の両方について、具体的にはその両端にそれぞれ接続
される一対のビアランドついて、第1接地導体層のうち
対応する位置に一対の第1開口を設けた。このため、ビ
アランドと第1接地導体層との間に生じる浮遊容量を信
号線路層の一端と他端の両方について低減できるので、
浮遊容量による信号線路層の特性に対する影響を抑制す
ることができ、特に好ましい。
【0019】さらに、上記いずれかに記載の信号線路層
評価用の配線基板であって、前記第2絶縁層の前記第2
主面に配置され、交流的に接地される第2接地導体層で
あって、上記第2絶縁層の厚さ方向で前記第2裏面から
上記第2主面に向かう方向に前記信号線路層を投影した
とき、投影された信号線路層を少なくとも含む拡がりを
有する第2接地導体層を備える配線基板とするのが好ま
しい。
【0020】この配線基板では、信号線路層は、第1接
地導体層のみならず、第2接地導体層とも電磁的に結合
して、ストリップライン線路を構成するので、より確実
に信号を伝送することができる。
【0021】さらに他の解決手段は、基板内部に信号線
路層を備え、その基板主面側に露出する測定パッドを通
じて、上記信号線路層の特性を測定可能としてなる信号
線路層評価用の配線基板であって、第1主面と第1裏面
とを有する第1絶縁層と、上記第1絶縁層の上記第1主
面に配置された上記信号線路層と、第2主面と第2裏面
とを有し、上記第2裏面が上記第1絶縁層の上記第1主
面に接して配置され、上記第1絶縁層との層間に上記信
号線路層を挟む第2絶縁層と、上記第1絶縁層の上記第
1裏面に配置され、交流的に接地される第1接地導体層
であって、上記第1絶縁層の厚さ方向で上記第1主面か
ら上記第1裏面に向かう方向に上記信号線路層を投影し
たとき、投影された信号線路層を少なくとも含む拡がり
を有する第1接地導体層と、上記第2絶縁層の上記第2
主面に配置され、交流的に接地される第2接地導体層で
あって、上記第2絶縁層の厚さ方向で上記第2裏面から
上記第2主面に向かう方向に上記信号線路層を投影した
とき、投影された信号線路層を少なくとも含む拡がりを
有する第2接地導体層と、上記第1絶縁層の第1主面に
配置され、上記信号線路層の端部に接続するビアランド
と、上記第2絶縁層を貫通し、一端で上記ビアランドに
接続し、他端で上記測定パッドに接続し、上記ビアラン
ドを介して上記信号線路層と上記測定パッドとを続する
測定ビア導体と、を備え、上記測定パッドは、上記第2
絶縁層の第2主面に配置され、上記第2接地導体層とは
所定の絶縁間隙を空けて絶縁されつつ、上記第2接地導
体層に包囲されてなり、円形または正多角形状を有する
信号線路層評価用の配線基板である。
【0022】本発明の信号線路層評価用の配線基板で
は、第2接地導体と測定パッドとは同じく第2絶縁層の
主面側表面に配置されている。しかも、測定パッドは、
第2接地導体層とは所定の絶縁間隙を空けて絶縁されつ
つ、第2接地導体層に包囲されてなり、しかも、円形ま
たは正多角形状を有している。例えば、測定パッドの形
状を円や正方形などにした場合、測定パッドを長円や長
方形とした場合に比して、周囲の長さを小さくすること
ができる。従って、この測定パッドの周囲を所定の絶縁
間隙を空けつつ第2接地導体層で包囲すると、測定パッ
ドと第2接地導体層とが隣り合う長さが相対的に短くな
るから、両者間に生じる浮遊容量を相対的に小さくする
ことができる。このように測定パッドの形状を円形や正
多角形とすると、周囲長さを相対的に小さくでき、第2
接地導体層との間に生じる浮遊容量を相対的に小さくで
きる。従って、このような浮遊容量の存在によって生じ
る、反射量の増大など、信号線路層の特性測定に対する
影響を少なくできる。
【0023】さらに他の解決手段は、基板内部に信号線
路層を備え、上記信号線路層の特性を測定可能としてな
る信号線路層評価用の配線基板であって、第1主面と第
1裏面とを有する第1絶縁層と、上記第1絶縁層の上記
第1主面に配置された上記信号線路層と、第2主面と第
2裏面とを有し、上記第2裏面が上記第1絶縁層の上記
第1主面に接して配置され、上記第1絶縁層との層間に
上記信号線路層を挟む第2絶縁層と、上記第1絶縁層の
上記第1裏面に配置され、交流的に接地される第1接地
導体層であって、上記第1絶縁層の厚さ方向で上記第1
主面から上記第1裏面に向かう方向に上記信号線路層を
投影したとき、投影された信号線路層を少なくとも含む
拡がりを有する第1接地導体層と、上記第2絶縁層の上
記第2主面に配置され、交流的に接地される第2接地導
体層であって、上記第2絶縁層の厚さ方向で上記第2裏
面から上記第2主面に向かう方向に上記信号線路層を投
影したとき、投影された信号線路層を少なくとも含む拡
がりを有する第2接地導体層と、上記第1絶縁層と第2
絶縁層の層間に配置され、交流的に接地されるコプレー
ナ導体層であって、上記信号線路層を所定の絶縁間隙を
空けて包囲するコプレーナ導体層と、を備え、上記信号
線路層と上記コプレーナ導体層との上記絶縁間隙を、5
0μm以上にしてなる信号線路層評価用の配線基板であ
る。
【0024】本発明の信号線路層評価用の配線基板で
は、コプレーナ導体層と信号線路層との絶縁間隙を50
μm以上にした。このようにすると、コプレーナ導体層
の存在による特性インピーダンスへの影響をごく小さく
することができる。従って、絶縁間隙を50μmよりも
小さくした場合に比して、両者間に生じる浮遊容量を低
減し、このような浮遊容量の存在によって生じる、反射
量の増大など、信号線路層の特性測定に対する影響を少
なくできる。
【0025】
【発明の実施の形態】(実施形態1)本発明の第1の実
施形態を従来形態と対比しつつ、図1〜図6を参照して
説明する。図1は、実施形態1にかかる信号線路層評価
用の配線基板100の縦端面図である。なお、従来形態
にかかる配線基板100Wの縦端面図もほぼ同じ形態で
あるので、この図1を共用する。図2は、実施形態1に
かかる配線基板100のP−P’断面、Q−Q’断面、
R−R’断面の図である。図3は、この実施形態1にか
かる配線基板100のストリップライン線路層141に
ついて、その特性をシミュレーションしたときの結果で
ある。図4は、従来形態にかかる配線基板100WのP
−P’断面、Q−Q’断面、R−R’断面の図である。
図4は、この従来形態にかかる配線基板100Wのスト
リップライン線路層141について、その特性を実測し
た結果である。図5は、従来形態にかかる配線基板10
0Wのストリップライン線路層141について、その特
性をシミュレーションしたときの結果である。なお、図
2、図4には、図1のうち図中右側部分について各断面
図を示したが、左側部分も同様の形態とされている。
【0026】まず、配線基板100の構造について説明
する。配線基板100は、コア絶縁層110の上下面
に、樹脂からなる複数の絶縁層及びCuからなる導体層
を備えるビルドアップ樹脂配線基板である。但し、コア
絶縁層110の下面に形成した絶縁層や導体層は、本発
明の説明に不要であるので、以下では、コア絶縁層11
0より上方の絶縁層や導体層についてのみ考察する。こ
のため、図1等においても下面側を省略して示してい
る。コア絶縁層110は、ガラス−エポキシ樹脂複合材
料からなり、厚さ800μmである。このコア絶縁層1
10の上面110Uには、Cuからなる厚さ25μmの
第1接地導体層120が配置されている。この第1接地
導体層120の上面には、樹脂からなる厚さ33μmの
第1絶縁層130が積層されている。さらに、この第1
絶縁層130の第1上面130Uには、Cuからなり厚
さ14.5μmのコプレーナ導体層140及びストリッ
プライン線路層141が配置されている。このストリッ
プライン線路層141の両端(図中左右端)には、後述
するビア導体との接続を確実にするためのビアランド1
42,143がそれぞれ接続している。さらに、コプレ
ーナ導体層140及びストリップライン線路層141の
上方には、樹脂からなる厚さ33μmの第2絶縁層15
0が、その第2裏面150Dを第1絶縁層130の第1
上面130Uに接するようにして積層されている。この
第2絶縁層150の第2上面150Uには、Cuからな
る厚さ14.5μmの第2接地導体層160及び測定パ
ッド161,162が配置されている。測定パッド16
1,162とビアランド142,143とは、それぞれ
第2絶縁層150を厚さ方向に貫通するビア導体18
0,181によって接続されている。さらに、第2接地
導体層160上には、ソルダーレジスト層170が積層
されている。なお、従来形態にかかる配線基板100W
も積層方向にかかる構造は、上記と同じである。
【0027】次いで、配線基板100の各層の平面方向
の形状について説明する。まず、ストリップライン線路
層141について説明する。図2(b)に示すように、
ストリップライン線路層141は、一定幅(幅30μ
m)を有し直線状に延びる線路である。その両方の端部
には、直径200μmの円形のビアランド142,14
3がそれぞれ接続されている。また、コプレーナ導体層
140には、ストリップライン線路層141及びビアラ
ンド142,143とそれぞれ絶縁間隙W1,W2を空
けてこれらを取り囲むように、コプレーナ開口140K
1,140K2が形成されている。このコプレーナ導体
層140は、接地電位に接続され、交流的にも接地され
ている。絶縁間隙W1,W2の大きさは、本実施形態で
は具体的には、W1=W2=50μmである。
【0028】これに対し、第2接地導体層160は、図
2(a)に示すように、一辺350μmの正方形状の第
2接地層開口160K,160Lを有するほかは、全面
に拡がるベタ状の導体層である。従って、図2(a)と
(b)とを対比すれば容易に理解できるように、ストリ
ップライン線路層141を第2絶縁層150の厚さ方向
(図中上下方向)で上方向に投影したとき、第2接地導
体層160は、投影されたストリップライン線路層14
1を含む形状とされている。つまり、第2接地導体層1
60とストリップライン線路層141とは、第2絶縁層
150を介して対向している。また、第2接地層開口1
60K,160Lの平面方向中心には、それぞれ一辺1
50μmの正方形状とされた測定パッド161,162
が配置されている。従って、測定パッド161,162
と第2接地層開口160K,160Lとの絶縁間隙は、
100μmである。第2接地導体層160は、接地電位
に接続され、交流的にも接地されている。
【0029】また、第1接地導体層120も、図2
(c)に示すように、一辺350μmの正方形状の第1
接地層開口120K,120Lを有するほかは、全面に
拡がるベタ状の導体層である。この第1接地層開口12
0K,120Lは、第1絶縁層130を介してビアラン
ド142,143と対向する位置に配置されている。図
2(b)と(c)とを対比すれば容易に理解できるよう
に、ストリップライン線路層141を第1絶縁層130
の厚さ方向(図中上下方向)で下方向に投影したとき、
第1接地導体層120は、投影されたストリップライン
線路層141を含む形状とされている。つまり、第1接
地導体層120とストリップライン線路層141とは、
第1絶縁層130を介して対向している。なお、第1接
地導体層120は、接地電位に接続され、交流的にも接
地されている。また、第1接地層開口120K,120
Lの大きさは、ビアランド142,143の大きさより
も大きくされており、ビアランド142,143を厚さ
方向に投影したとき、第1接地層開口120K,120
L内に含まれて、第1ビアランド142,143と第1
接地導体層120とが厚さ方向に見て重なることがない
ようにしてある。
【0030】上記説明から容易に理解できるように、ス
トリップライン線路層141は、第1絶縁層130及び
第2絶縁層150を介して、第1接地導体層120と第
2接地導体層160とに挟まれた構造となっており、い
わゆるストリップライン線路の構造となっている。
【0031】次いで、従来形態の配線基板100Wの各
層の平面方向の形状について、図4を参照して説明す
る。まず、ストリップライン線路層141について説明
する。図4(b)に示すように、配線基板100と同じ
く、ストリップライン線路層141は、一定幅(幅30
μm)を有し直線状に延びる線路である。その両端部に
は、直径200μmの円形のビアランド142,143
がそれぞれ接続されている。また、コプレーナ導体層1
40Wには、ストリップライン線路層141及びビアラ
ンド142,143を取り囲むようにコプレーナ開口1
40K1W,140K2Wを有するコプレーナ導体層1
40Wを有する。このコプレーナ導体層140Wも、接
地電位に接続され、交流的にも接地されている。但し、
このコプレーナ導体層140Wの絶縁間隙W1W,W2
Wの大きさは、本従来形態では、実施形態1よりも小さ
く、具体的には、W1W=W2W=40μmである。
【0032】また、従来形態の配線基板100Wにおけ
る第2接地導体層160Wは、図4(a)に示すよう
に、400×700μmの長方形状の第2接地層開口1
60KW,160LWを有するほかは、全面に拡がるベ
タ状の導体層である。従って、図4(a)と(b)をと
対比すれば容易に理解できるように、第2接地導体層1
60Wとストリップライン線路層141とは、第2絶縁
層150を介して対向している。また、第2接地層開口
160KW,160LW内には、それぞれ200×50
0μmの長方形状とされた測定パッド161W,162
Wが配置されている。測定パッド161W,162Wと
第2接地層開口160KW,160LWとの絶縁間隙
は、実施形態1と同じく100μmである。また、第2
接地導体層160も、接地電位に接続され、交流的にも
接地されている。
【0033】また、第1接地導体層120Wは、図4
(c)に示すように、全面に拡がるベタ状の導体層であ
る。従って、図2(b)と(c)とを対比すれば容易に
理解できるように、ストリップライン線路層141を第
1絶縁層130の厚さ方向(図中上下方向)で下方向に
投影したとき、第1接地導体層120は、投影されたス
トリップライン線路層141を含む形状とされている。
つまり、この従来形態の配線基板100Wでも、第1接
地導体層120Wとストリップライン線路層141と
は、第1絶縁層130を介して対向している。この第1
接地導体層120Wも、接地電位に接続され、交流的に
も接地されている。
【0034】上記説明から容易に理解できるように、従
来形態の配線基板100Wでも、ストリップライン線路
層141は、第1接地導体層130及び第2接地導体層
160を介して、第1接地導体層120Wと第2接地導
体層140Wとに挟まれた構造となっており、いわゆる
ストリップライン線路の構造となっている。但し、この
配線基板100Wでは、第1接地導体層120Wに第1
接地層開口120K,120Lを有さない点で実施形態
1の配線基板100と異なる。また、絶縁間隙W1W,
W2Wが配線基板100における絶縁間隔W1,W2に
比して小さい点、測定パッド161W,162Wが配線
基板100のおける測定パッド161,162に比して
大きい点でも異なる。
【0035】この従来形態の配線基板100Wについ
て、ストリップライン線路層141の特性を実測したと
ころ、図5に示す結果が得られた。なお、測定には、Ag
ilent社のネットワークアナライザHP8510を用
い、プローブには、GSGプローブCascade Microtec社
製ACP40を用いた。この結果によれば、Sパラメータの
うち反射係数であるS11については、約1.5GHz
及び6GHzの位置に極が生じるほか、周波数3GHz
以上の周波数領域において、概略−20dB以上の大き
さになっていること、つまり、反射量が大きいことが判
る。なお、透過係数であるS21については、周波数と
ともに徐々に小さな値となっている。
【0036】しかし、この特性はストリップライン線路
層141の特性を適切に示していないのではないかと考
えられる。反射係数S11の値が全体に大きすぎるから
である。そこで、この従来形態の配線基板100Wにつ
いてシミュレーションによって特性を算出したところ、
図6に示すようになった。まず、配線基板内にストリッ
プライン線路層141単体のみが存在するとして、その
特性をシミュレーションすると、破線のようになった。
つまり極の存在は認められるが、全体として、S11の
大きさは、実測より遙かに小さく、概略−40dB以下
となることが判る。一方、測定パッド161W,162
W、ビア導体180,181、ビアランド142,14
3をも含めて、ストリップライン線路層141の特性を
シミュレーションすると、実線で示すようになった。こ
れは、極の位置が若干ずれてはいるが、周波数が高い領
域(この結果では4.3GHz以上)で概ねS11が−
20dB以上となっていることから、良く実測結果と一
致していると考えられる。
【0037】つまりこの結果から、従来形態の配線基板
100Wでは、測定パッド161W,162W、ビア導
体180,181、ビアランド142,143の存在に
よって、約20〜30dB程度、反射係数S11の値が
悪化していることが推測できる。
【0038】これに対し、これと同じシミュレーション
を実施形態の配線基板100について行ったところ、図
3に示す結果となった。なお、破線で示すのは、配線基
板内にストリップライン線路層141単体のみが存在す
る場合であり、図6に示すものと同じである。図3に示
す結果によれば、実施形態にかかる配線基板100で
は、配線基板100Wより概略−10dB程度反射量が
低減でき、1〜10GHzの周波数範囲において、反射
係数S11の大きさを−25dB以下に抑制することが
できることが判る。従って、図3及び図6において実線
で示す結果を比較すれば容易に理解できるように、実施
形態にかかる配線基板100では、従来形態の配線基板
100Wより反射係数S11の大きさを小さくすること
ができ、破線で示すストリップライン線路層141単体
の特性により近づけることができることが判る。つま
り、測定パッド161,162、ビア導体180,18
1、ビアランド142,143の存在による、ストリッ
プライン線路層141に対する影響をより低減できるこ
とが判る。
【0039】このように特性を改善できたのは、以下に
よるものと考えられる。即ち、実施形態1の配線基板1
00では、従来形態の配線基板100Wには存在しない
第1接地層開口120K,120Lを、第1接地導体層
120に配置した。これによりビアランド142,14
3と第1接地導体層120との間に生じる浮遊容量を低
減させることができた。このため、ストリップライン線
路層141の両端部で特性インピーダンスの部分的な変
動が抑制でき、反射波の発生を抑制できたと考えられ
る。また、従来形態の配線基板100Wの測定パッド1
61W,162Wが長方形の比較的大きな寸法であった
のに比して、実施形態1の配線基板100では、正方形
の小さな測定パッド161,162を用いた。すると、
測定パッド161,162の周囲長も小さくなり、これ
を平面的に包囲する第2接地導体層160との間に生じ
る浮遊容量も相対的に小さくできた。ここでも、ストリ
ップライン線路層141の両端部で特性インピーダンス
の部分的な変動が抑制でき、反射波の発生を抑制できた
と考えられる。さらに、実施形態1の配線基板100で
は、従来形態の配線基板100Wに比して、絶縁間隔W
1,W2を絶縁間隙W1W,W2Wよりもそれぞれ大き
くし、W1,W2=50μmとしたためであると考えら
れる。
【0040】次いで、本実施形態1の配線基板100の
製造方法について説明する。配線基板100は、公知の
ビルドアップ配線基板の製造手法で製造すればよい。例
えば、両面銅張りのコア絶縁層110に所望のスルーホ
ールを形成し、パネルメッキ(全面メッキ)を行った
後、エッチングして所望パターンの第1接地導体層12
0を形成する(サブトラクティブ法)。その後、第1絶
縁層130を形成する。さらに、その第1上面130U
にセミアディティブ法によりコプレーナ導体層140と
ストリップライン線路層141とを形成する。これらの
上面に感光性のドライフィルムを貼り付け、その後、露
光現像して、ビア導体180,181を内部に形成する
ためのビアホールを穿孔し、硬化させて第2絶縁層15
0を形成する。次いでメッキにより、ビアホール内にビ
ア導体180,181を充填形成すると共に、第2絶縁
層150の第2上面150U上にセミアディティブ法に
より、第2接地導体層160及び測定パッド161,1
62とを形成する。その後、測定パッド161,162
を露出させるようにソルダーレジスト層170を形成す
る。かくして、配線基板100を完成させる。
【0041】(実施形態2)次いで、第2の実施形態に
かかる配線基板200について、図7〜図9を参照して
説明する。図7は、実施形態2にかかる配線基板200
の縦端面図である。図8は、実施形態2にかかる配線基
板200の横端面図である。図9は、実施形態2にかか
る配線基板200のL−L’断面、M−M’断面、N−
N’断面の図である。
【0042】上記実施形態1の配線基板100と従来形
態の配線基板100Wとを用いて、信号線路層評価用の
配線基板について説明した。しかし、マイクロプロセッ
サ用など一般の配線基板についても、内部にストリップ
ライン線路層を持つ配線基板が存在する。このような配
線基板のストリップライン線路層の端部に、ビアランド
やビア導体等が接続している場合には、同様の手法によ
って、ビアランドやビア導体等を含めたストリップライ
ン線路層の特性を向上させうることは明らかである。
【0043】そこで、本実施形態2の配線基板200で
は、以下のような構成とした。まず、配線基板200の
層構造について説明する(図7,図8参照)。配線基板
200は、コア絶縁層210の上下面に、樹脂からなる
複数の絶縁層及びCuからなる導体層を備えるビルドア
ップ樹脂配線基板であり、その層構造は、コプレーナ導
体層が存在しない点で異なるものの、他は実施形態1の
配線基板100とほぼ同様である。また、コア絶縁層2
10の下面に形成した絶縁層や導体層は、本発明の説明
に不要であるので、本実施形態2でも、コア絶縁層21
0より上方の絶縁層や導体層についてのみ考察する。こ
のため、図7,図8においても下面側を省略して示して
いる。
【0044】コア絶縁層210は、ガラス−エポキシ樹
脂複合材料からなる。このコア絶縁層210の上面21
0Uには、Cuからなる第1接地導体層220が配置さ
れている。この第1接地導体層220の上面には、樹脂
からなる第1絶縁層230が積層されている。さらに、
この第1絶縁層230の第1上面230Uには、Cuか
らなるストリップライン線路層241が配置されてい
る。このストリップライン線路層241は図中右方に延
びており、その左端には、後述するビア導体との接続を
確実にするためのビアランド242が接続している。さ
らに、ストリップライン線路層241の上方には、樹脂
からなる第2絶縁層250が、その第2裏面250Dを
第1絶縁層230の第1上面230Uに接するようにし
て積層されている。この第2絶縁層250の第2上面2
50Uには、Cuからなる第2接地導体層260及びフ
リップチップパッド261が配置されている。フリップ
チップパッド261とビアランド242とは、第2絶縁
層250を厚さ方向に貫通するビア導体280によって
接続されている。さらに、第2接地導体層260上に
は、フリップチップパッド261の周囲を覆いつつその
中央部を露出させるようにしてソルダーレジスト層27
0が積層されている。
【0045】次いで、配線基板200の各層の平面方向
の形状について説明する。まず、ストリップライン線路
層241について説明する。図9(b)に示すように、
ストリップライン線路層241は、一定幅を有し直線状
に延びる線路である。その図中左端部には、この線路の
線幅よりも大きな径を有する円形のビアランド242が
接続されている。
【0046】これに対し、第2接地導体層260は、図
9(a)に示すように、円形状の第2接地層開口260
Kを有するベタ状の導体層である。従って、図9(a)
と(b)をと対比すれば容易に理解できるように、スト
リップライン線路層241を第2絶縁層250の厚さ方
向(図中上下方向)で上方向に投影したとき、第2接地
導体層260は、投影されたストリップライン線路層2
41を含む形状とされている。つまり、第2接地導体層
260とストリップライン線路層241とは、第2絶縁
層250を介して対向している。また、第2接地層開口
260Kの平面方向中心には、この配線基板200に搭
載するICチップとの接続に用いる円形状のフリップチ
ップパッド261が配置されている。従って、このフリ
ップチップパッド261と第2接地層開口260Kとの
間には、所定の絶縁間隙が確保されている。なお、第2
接地導体層260は、接地電位に接続され、交流的にも
接地される。
【0047】また、第1接地導体層220もベタ状の導
体層であり、図9(c)に示すように、第1絶縁層23
0を介してビアランド242と対向する位置に、円形状
の第1接地層開口220Kを有する。図9(b)と
(c)をと対比すれば容易に理解できるように、ストリ
ップライン線路層241を第1絶縁層230の厚さ方向
(図中上下方向)で下方向に投影したとき、第1接地導
体層220は、投影されたストリップライン線路層24
1を含む形状とされている。つまり、第1接地導体層2
20とストリップライン線路層241とは、第1絶縁層
230を介して対向している。なお、第1接地導体層2
20は、接地電位に接続され、交流的にも接地される。
また、第1接地層開口220Kの大きさ(径)は、ビア
ランド242の大きさ(径)よりも大きくされており、
ビアランド242を厚さ方向に投影したとき、第1接地
層開口220K内に含まれて、ビアランド242と第1
接地導体層220とが厚さ方向に見て重なることがない
ようにしてある。
【0048】上記説明、及び図8に示す端面図から容易
に理解できるように、ストリップライン線路層241
は、第1絶縁層230及び第2絶縁層250を介して、
第1接地導体層220と第2接地導体層260とに挟ま
れた構造となっており、いわゆるストリップライン線路
の構造となっている。
【0049】かくして、本実施形態2の配線基板200
では、第1接地層開口220Kを第1接地導体層220
に配置した。これによりビアランド242と第1接地導
体層220との間に生じる浮遊容量を低減させることが
できる。このため、ストリップライン線路層241の左
端部での特性インピーダンスの部分的な変動が抑制で
き、反射波の発生を抑制できる。特に本実施形態2の配
線基板200では、第1接地層開口220Kの径を、ビ
アランド242の径よりも大きくしてあるからこのよう
にすることで、ビアランドやビア導体等の存在による反
射波の発生を抑制することができ、本来のストリップラ
イン線路層の特性に近づけることができる。なお、本実
施形態2の配線基板200の製造方法は、配線基板10
0と同様にすればよいので、省略する。
【0050】以上において、本発明を実施形態1,2に
即して説明したが、本発明は上記実施形態に限定される
ものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で、適宜変更
して適用できることはいうまでもない。例えば、上記実
施形態1,2の配線基板100,200では、コア絶縁
層110,210の下面にも絶縁層(図示しない)を形
成したが、コア絶縁層の一方面にのみ絶縁層や導体層を
積層した片面積層基板に適用することもできる。また、
上記配線基板100,200では、信号線路層として、
絶縁層を介して上下の接地導体層では挟まれたストリッ
プラインタイプの信号線路を形成した例を示したが、そ
の他、マイクロストリップラインタイプなど他の形態の
信号線路層に適用することもできる。また、上記配線基
板100,200では、コア絶縁層110,210とし
て、ガラス−エポキシ樹脂複合材料からなるコア絶縁層
を用いた。また、第1,第2絶縁層130,230,1
50,250として、樹脂からなる絶縁層を用いた。し
かし、これらをアルミナやAlN、ガラスセラミックな
どのセラミックで形成することもできる。さらに、コア
絶縁層にセラミック材料を用い、これに積層する第1,
第2絶縁層などの絶縁層には、ポリイミドなどの樹脂を
用いた複合基板とすることもできる。信号線路層を坦持
でき、ストリップラインタイプなど所定形態の伝送経路
を確保できればよいから、金属板あるいはホーロー板な
どを中心として配線基板を構成することもできる。
【0051】さらに、上記実施形態1,2の配線基板1
00,200では、第2接地導体層160,260の第
2上面160U,260U上には、ソルダーレジスト層
170,270をのみが形成されている例を示したが、
さらに他の絶縁層や導体層、信号線路層が形成されてい
る配線基板に適用することもできる。つまり、信号線路
層を多数の絶縁層を有する配線基板の内部に形成するこ
ともできる。さらに、上記配線基板100,200で
は、第1,第2接地導体層120,160,220,2
60として、ベタ状の導体層を用いたが、第1,第2絶
縁層などの密着性、製造の容易さ等を考慮して、水玉模
様状、メッシュ状など多数の開口を含む形状の接地導体
層とすることもできる。また、実施形態1の配線基板1
00では、ストリップライン線路層の両方の端部に、そ
れぞれ測定パッド161,162やビア導体180,1
81、ビアランド142,143を一対備えた例を示し
た。しかし、配線基板200を参照すれば容易に理解で
きるように、信号線路層の一方の端部にビアランドや測
定パッドを形成、接続している場合にも、本発明を適用
することができる。また、ストリップライン線路層の両
方の端部に、それぞれ測定パッド161,162やビア
導体180,181、ビアランド142,143を一対
備えた配線基板において、効果が少なくなるが、一方の
側にだけ本発明を適用することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態1及び従来形態にかかる信号線路層評
価用の配線基板の縦端面図である。
【図2】実施形態1にかかる信号線路層評価用の配線基
板のうち、(a)はP−P’断面図、(b)はQ−Q’
断面図、(c)はR−R’断面図である。
【図3】実施形態1にかかる信号線路層評価用の配線基
板における信号線路層の特性のシミュレーション結果で
ある。
【図4】従来形態にかかる信号線路層評価用の配線基板
のうち、(a)はP−P’断面図、(b)はQ−Q’断
面図、(c)はR−R’断面図である。
【図5】従来形態にかかる信号線路層評価用の配線基板
における信号線路層の特性の測定結果である。
【図6】従来形態にかかる信号線路層評価用の配線基板
における信号線路層の特性のシミュレーション結果であ
る。
【図7】実施形態2にかかる配線基板の縦断面図(I−
I’断面の端面図)である。
【図8】実施形態2にかかる配線基板の横断面図(J−
J’断面の端面図)である。
【図9】実施形態2にかかる配線基板のうち、(a)は
L−L’断面図、(b)はM−M’断面図、(c)はN
−N’断面図である。
【符号の説明】
100,200 配線基板 110,210 コア絶縁層 120,220 第1接地導体層 120K,120L,220K 第1接地層開口(第1
開口) 130,230 第1絶縁層 130D,230D 第1下面(第1裏面) 130U,230U 第1上面(第1主面) 140 コプレーナ導体層 140K コプレーナ開口 141,241 ストリップライン線路層(信号線路
層) 142,143,242 ビアランド 150,250 第2絶縁層 150D,250D 第2下面(第2裏面) 150U,250U 第2上面(第2主面) 160,260 第2接地導体層 160K,160L,260K 第2接地層開口 161,162 測定パッド 261 フリップチップパッド 170,27− ソルダーレジスト層 180,181 ビア導体(測定ビア導体) 280 ビア導体 W1,W2 絶縁間隙

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】第1主面と第1裏面とを有する第1絶縁層
    と、 上記第1絶縁層の上記第1主面に配置された信号線路層
    と、 第2主面と第2裏面とを有し、上記第2裏面が上記第1
    絶縁層の上記第1主面に接して配置され、上記第1絶縁
    層との層間に上記信号線路層を挟む第2絶縁層と、 上記第1絶縁層の上記第1裏面に配置され、交流的に接
    地される第1接地導体層であって、上記第1絶縁層の厚
    さ方向で上記第1主面から上記第1裏面に向かう方向に
    上記信号線路層を投影したとき、投影された信号線路層
    を少なくとも含む拡がりを有する第1接地導体層と、 上記第1絶縁層の上記第1主面に配置され、上記信号線
    路層の端部に接続するビアランドと、 上記第2絶縁層を貫通し、一端で上記ビアランドに接続
    するビア導体と、を備え、 上記第1接地導体層は、上記第1絶縁層を介して上記ビ
    アランドと対向する位置に第1開口を有する配線基板。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の配線基板であって、 前記第1開口は、上記第1絶縁層の厚さ方向で上記第1
    主面から上記第1裏面に向かう方向に上記ビアランドを
    投影したとき、投影されたビアランドを含む拡がりを有
    する配線基板。
  3. 【請求項3】請求項1または請求項2に記載の配線基板
    であって、 前記ビアランドの幅または径が、前記信号線路層の線幅
    よりも大きい配線基板。
  4. 【請求項4】基板内部に信号線路層を備え、その基板主
    面側に露出する測定パッドを通じて、上記信号線路層の
    特性を測定可能としてなる信号線路層評価用の配線基板
    であって、 第1主面と第1裏面とを有する第1絶縁層と、 上記第1絶縁層の上記第1主面に配置された上記信号線
    路層と、 第2主面と第2裏面とを有し、上記第2裏面が上記第1
    絶縁層の上記第1主面に接して配置され、上記第1絶縁
    層との層間に上記信号線路層を挟む第2絶縁層と、 上記第1絶縁層の上記第1裏面に配置され、交流的に接
    地される第1接地導体層であって、上記信号線路層を上
    記第1絶縁層の厚さ方向で上記第1主面から上記第1裏
    面に向かう方向に上記信号線路層を投影したとき、投影
    された信号線路層を少なくとも含む拡がりを有する第1
    接地導体層と、 上記第1絶縁層の第1主面に配置され、上記信号線路層
    の端部に接続するビアランドと、 上記第2絶縁層を貫通し、一端で上記ビアランドに接続
    し、他端で上記測定パッドに接続し、上記ビアランドを
    介して上記信号線路層と上記測定パッドとを接続する測
    定ビア導体と、を備え、 上記第1接地導体層は、第1開口であって、上記第1絶
    縁層の厚さ方向で上記第1主面から上記第1裏面に向か
    う方向に上記ビアランドを投影したとき、投影されたビ
    アランドを含む拡がりを有する第1開口を有する信号線
    路層評価用の配線基板。
  5. 【請求項5】請求項4に記載の配線基板であって、 前記ビアランドの幅または径が、前記信号線路層の線幅
    よりも大きい配線基板。
  6. 【請求項6】基板内部に信号線路層を備え、その基板主
    面側に露出する測定パッドを通じて、 上記信号線路層の特性を測定可能としてなる信号線路層
    評価用の配線基板であって、 第1主面と第1裏面とを有する第1絶縁層と、 上記第1絶縁層の上記第1主面に配置された上記信号線
    路層と、 第2主面と第2裏面とを有し、上記第2裏面が上記第1
    絶縁層の上記第1主面に接して配置され、上記第1絶縁
    層との層間に上記信号線路層を挟む第2絶縁層と、 上記第1絶縁層の上記第1裏面に配置され、交流的に接
    地される第1接地導体層であって、上記第1絶縁層の厚
    さ方向で上記第1主面から上記第1裏面に向かう方向に
    上記信号線路層を投影したとき、投影された信号線路層
    を少なくとも含む拡がりを有する第1接地導体層と、 上記第2絶縁層の上記第2主面に配置され、交流的に接
    地される第2接地導体層であって、上記第2絶縁層の厚
    さ方向で上記第2裏面から上記第2主面に向かう方向に
    上記信号線路層を投影したとき、投影された信号線路層
    を少なくとも含む拡がりを有する第2接地導体層と、 上記第1絶縁層の第1主面に配置され、上記信号線路層
    の端部に接続するビアランドと、 上記第2絶縁層を貫通し、一端で上記ビアランドに接続
    し、他端で上記測定パッドに接続し、上記ビアランドを
    介して上記信号線路層と上記測定パッドとを続する測定
    ビア導体と、を備え、 上記測定パッドは、 上記第2絶縁層の第2主面に配置され、 上記第2接地導体層とは所定の絶縁間隙を空けて絶縁さ
    れつつ、上記第2接地導体層に包囲されてなり、 円形または正多角形状を有する信号線路層評価用の配線
    基板。
  7. 【請求項7】基板内部に信号線路層を備え、上記信号線
    路層の特性を測定可能としてなる信号線路層評価用の配
    線基板であって、 第1主面と第1裏面とを有する第1絶縁層と、 上記第1絶縁層の上記第1主面に配置された上記信号線
    路層と、 第2主面と第2裏面とを有し、上記第2裏面が上記第1
    絶縁層の上記第1主面に接して配置され、上記第1絶縁
    層との層間に上記信号線路層を挟む第2絶縁層と、 上記第1絶縁層の上記第1裏面に配置され、交流的に接
    地される第1接地導体層であって、上記第1絶縁層の厚
    さ方向で上記第1主面から上記第1裏面に向かう方向に
    上記信号線路層を投影したとき、投影された信号線路層
    を少なくとも含む拡がりを有する第1接地導体層と、 上記第2絶縁層の上記第2主面に配置され、交流的に接
    地される第2接地導体層であって、上記第2絶縁層の厚
    さ方向で上記第2裏面から上記第2主面に向かう方向に
    上記信号線路層を投影したとき、投影された信号線路層
    を少なくとも含む拡がりを有する第2接地導体層と、 上記第1絶縁層と第2絶縁層の層間に配置され、交流的
    に接地されるコプレーナ導体層であって、上記信号線路
    層を所定の絶縁間隙を空けて包囲するコプレーナ導体層
    と、を備え、 上記信号線路層と上記コプレーナ導体層との上記絶縁間
    隙を、50μm以上にしてなる信号線路層評価用の配線
    基板。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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