以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。
<実施形態1>
<<実施形態1−1>>
図1は、本実施形態の電子機器の一例を模式的に示した断面図である。図1に示すように、本実施形態の電子機器は、基板10と、電子部品20と、放熱板30と、を有する。そして、放熱板30には、構造体40が設けられている。図2は、図1の電子機器を図中上から下に向かって見た平面図である。
電子部品20は、基板10上に搭載される。図1中では、電子部品20を模式的に四角形で示してある。電子部品20は、素子を集積した回路であり、例えばLSIなどが該当する。なお、電子部品20が搭載される基板10上の位置、数は設計的事項であり、図示するものに限定されない。
放熱板30は、電子部品20上にスペーサ50を介して設けられる。放熱板30は、熱伝導率の良い材料、例えば金属で構成される。その形状は、本実施形態においては特段制限されない。例えば、図1、2に示すように平面形状が長方形で一定の厚さを持った形状であってもよいし、または、平面形状が正方形、それ以外の多角形、円形、その他の形状であって、一定の厚さを持った形状であってもよい。スペーサ50は、熱伝導率のよい材料、例えば磁性体を含む材料等で構成される。なお、図示するようにスペーサ50を介するのでなく、電子部品20上に直接放熱板30を設けてもよい。
放熱板30の電子部品20と対向する側の第1の面(図中、下側の面)には、少なくとも一種類の構造体40が設けられている。構造体40は、放熱板30の第1の面(図中、下側の面)におけるスペーサ50(または電子部品20)と接する領域の周辺に設けられるのが望ましい。ここで、図3に、図1の電子機器の基板10と電子部品20とスペーサ50とを除いた構造を、図中下から上に向かって見た平面図を示す。図に示すように、構造体40は、放熱板30の第1の面32におけるスペーサ50(または電子部品20)と接する領域31を除いた略全面に設けられてもよい。構造体40は、以下で説明するように、放熱板30の第1の面32におけるノイズの伝播を抑制する効果を有する。このような構造体40を、放熱板30の第1の面32におけるスペーサ50(または電子部品20)と接する領域31の周辺に設ければ、電子部品20で発生し、領域31を介して放熱板30に伝わったノイズが、そこから周辺に広がっていくのを抑制することが可能となる。その結果、ノイズが放熱板30から放射されるのを抑制することが実現される。なお、構造体40は、放熱板30の第1の面32と反対側の面である第2の面(図1中、上側の面)に設けられてもよい。さらに、放熱板30の側面に設けられてもよい。
ここで、構造体40について詳細に説明する。本実施形態の構造体40は、誘電体層と、第1導体と、を備え、誘電体層の第2の面が放熱板30の第1の面(図1中、下側の面)と接するように設けられる。このように構成された構造体40は、放熱板30の第1の面(図1中、下側の面)とともに、少なくとも1種類以上のEBG構造を有するEBG構造体を構成する。そして、このEBG構造により、放熱板30の第1の面(図1中、下側の面)におけるノイズの伝播を抑制する。以下本実施形態の構造体40の具体化例についてより詳細に説明する。なお、本実施形態の構造体40は、以下で説明する具体化例に限定されない。
図4Aに、本実施形態の構造体40の一例を模式的に示す。図4Aは、構造体40を放熱板30に取り付けた状態を示す断面図である。
構造体40は、誘電体層45と、誘電体層45の第1の面46に形成され、少なくとも一部領域に繰り返し構造、例えば周期的な構造を有している第1導体と、を備える。繰り返し構造を有する第1導体は、例えば、互いに分離した複数の島状導体41で構成される。第1導体は、誘電体層45の第1の面46と反対側の面である第2の面47と対向するように設けられる。構造体40は、誘電体層45の第2の面47において放熱板30の第1の面32と接するように設けられる。
構造体40は例えばシートとして構成され、誘電体層45の少なくとも一部は、放熱板30の第1の面32に接着する接着層45Bで構成されてもよい。この接着層45Bは誘電体層45の第2の面47を構成する。また、誘電体層45の内部には、誘電体層45の第2の面47を貫通し、放熱板30の第1の面32と導通する接続部材43が設けられる。以下、各構成について、より詳細に説明する。
誘電体層45は、誘電体で構成される接着層45Bと、誘電体で構成される層45Aにより構成されている。層45Aは、例えばフレキシブル性を有する基板であってもよい。さらに具体的には、例えばガラスエポキシ基板、フッ素樹脂基板等であってもよい。層45Aは、単層であってもよいし、複層であってもよい。次に、接着層45Bは、例えば接着剤で構成することができる。接着剤の原料としては特段制限されず、例えば天然ゴム、アクリル樹脂、シリコーン等を用いることができる。なお、層45A、接着層45Bの厚さは、設計的事項である。
少なくとも一部領域に繰り返し構造、例えば周期的な構造を有している第1導体は、繰り返し構造として、互いに分離した複数の島状導体41を有する。この互いに分離した複数の島状導体41は、周期的に設けられるのが望ましい。
なお、島状導体41における「繰り返し」には、島状導体41が部分的に欠落している場合も含まれる。また「周期的」には、一部の島状導体41そのものの配置がずれている場合も含まれる。すなわち厳密な意味での周期性が崩れた場合においても、島状導体41が繰り返し配置されている場合には、島状導体41を構成要素の一部とするEBG構造のメタマテリアルとしての特性を得ることができるため、「周期性」にはある程度の欠陥が許容される。「少なくとも一部領域に」とは、構造体40の平面全面に繰り返し構造を有してもよいし、一部に繰り返し構造を有してもよいことを意味する。すなわち、互いに分離した複数の島状導体41は、構造体40の平面全面に設けられてもよいし、一部に設けられてもよい。
島状導体41の原料は特段制限されず、例えば銅等を選択できる。島状の形状についても特段制限されず、三角形、四角形、五角形、それ以上の頂点を有する多角形、円形等、あらゆる形状を選択できる。なお、大きさおよび/または形状が異なる2種類以上の島状導体41を繰り返し配置することもできる。かかる場合、2種類以上の島状導体41は、各種それぞれ周期的に配列されるのが望ましい。島状導体41の大きさ、相互間隔等は、伝播を抑制するノイズの周波数に応じて定められる設計的事項である。
接続部材43は、例えば銅、アルミニウム、ステンレス等の金属で構成することができる。この接続部材43は、放熱板30の第1の面32と導通するのみならず、一部または全部の島状導体41と導通してもよい。図4Aでは、接続部材43すべてが島状導体41と導通している。一部の島状導体41と導通するよう接続部材43が設けられる場合、この接続部材43は、周期的に設けられてもよいし、周期的に設けられなくてもよい。しかし、接続部材43を周期的に設けた場合、構造体40と放熱板30の導電性を有する第1の面32とで構成されるEBG構造体はBragg反射を起こし、バンドギャップ帯域が広がるため、周期的であるのが望ましい。ここでの「周期的」には、一部の接続部材43そのものの配置がずれている場合も含まれる。
次に、本実施形態の電子機器の製造方法の一例について、図4Bを用いて説明する。図4Bは、本実施形態の構造体40の製造工程の一例を示す断面図である。
まず、(1)に示すように、ガラスエポキシ基板、フッ素樹脂基板等の基板(層45A)の第1の面(図中、上側の面)に、銅箔41を形成する。次に、(2)に示すように、フォトリソグラフィとエッチングにより、銅箔41の一部を選択的にエッチングすることでパターン(互いに分離した複数の島状導体41)を形成する。その後、(3)に示すように、ドリルにより、島状導体41と層45Aを貫通する穴を形成する。
次に、(4)に示すように、(3)で形成した穴に、銅、アルミニウム、ステンレス等の金属で構成された貫通ピン(接続部材43)を挿入する。
その後、(5)に示すように、層45Aの第2の面(図中、下側の面)に接着層45Bを形成する。この接着層45Bは、接続部材43が接着層45Bを貫通するように形成される。このように形成する具体的手段としては特段制限されないが、以下のような手段であってもよい。例えば、(4)で挿入する接続部材43の長さを、挿入した状態で層45Aの第2の面(図中、下側の面)から一端が突出する程度に構成する。そして、接着層45Bをシート状接着剤で構成し、シート状接着剤(接着層45B)を層45Aの第2の面に形成する際に、シート状接着剤(接着層45B)を強く押し込むことで、接続部材43の一端をシート状接着剤(接着層45B)の表面から突出させる。または、接着層45Bを、流動性を有する接着剤で構成するようにし、層45Aの第2の面(図中、下側の面)にこの接着剤を塗布した後、スキージを用いて、接続部材43の表面に塗布された接着剤を取り除くことで、接続部材43を接着層45Bの表面から突出させてもよい。次に、必要に応じて、互いに分離した複数の島状導体41および層45Aの第1の面を覆う、非導電性の表面層(図示せず)を設ける。
その後、図4Aに示すように、放熱板30の第1の面32の所望の位置に、接着層45Bが放熱板30の第1の面32に接するように構造体40を貼り付ける。この時、接続部材43が放熱板30の第1の面32と接するように貼り付ける。
次に、本実施形態の作用効果について説明する。
本実施形態においては、上述の構造体40と(図4A参照)、放熱板30の第1の面32とにより、EBG構造を構成する。図5、6に、本実施形態の構造体40と、放熱板30の第1の面32とにより構成されるEBG構造体の一例を模式的に示す。図5は、EBG構造体の構成を模式的に示す斜視図であり、図6は、図5のEBG構造体の断面図である。図5、6に示すEBG構造体は、一種のEBG構造が周期的に配列されている。なお、図6に示すEBG構造体は、図4Aに示す構造体40と、放熱板30の第1の面32とにより構成されるEBG構造体の上下が逆になっている。
図5、6に示すEBG構造体は、シート状導体2と、互いに分離した複数の島状導体1と、複数の接続部材3と、を有する。シート状導体2は放熱板30の第1の面32に対応し(図4A参照)、島状導体1は構造体40の島状導体41に対応し、接続部材3は構造体40の接続部材43に対応する。
複数の島状導体1は、平面視でシート状導体2と重なる領域であって、シート状導体2から離れた位置に、誘電体層(図示せず)を挟んで配置されている。また、複数の島状導体1は、周期的に配列されている。接続部材3は、複数の島状導体1のそれぞれを、シート状導体2に接続している。このEBG構造体は、1つの島状導体1と、当該島状導体1に対応して設けられた接続部材3と、シート状導体2の中の当該島状導体1に対向する領域とを含んで単位セルAが構成されている。そして、この単位セルAが繰り返し、例えば周期的に配置されることにより、この構造体はメタマテリアル、例えばEBG(Electromagnetic Band Gap)として機能する。このEBG構造体は、いわゆるマッシュルーム構造を有するEBG構造を有し、複数の島状導体1とシート状導体2との間隔、接続部材3の太さ、複数の島状導体1の相互間隔等を調節することで、バンドギャップとなる周波数帯を調節することができる。
ここで、単位セルAの「繰り返し」には、いずれかの単位セルAにおいて構成の一部が欠落している場合も含まれる。また単位セルAが2次元配列を有している場合には、「繰り返し」には単位セルAが部分的に欠落している場合も含まれる。また「周期性」には、一部の単位セルAにおいて構成要素(島状導体1、接続部材3)の一部がずれている場合や、一部の単位セルAそのものの配置がずれている場合も含まれる。すなわち厳密な意味での周期性が崩れた場合においても、単位セルAが繰り返し配置されている場合には、メタマテリアルとしての特性を得ることができるため、「周期性」にはある程度の欠陥が許容される。なお、これらの欠陥が生じる要因としては、単位セルAの間に配線やビアを通す場合、既存の配線レイアウトにメタマテリアル構造を追加する場合において既存のビアやパターンによって単位セルAが配置できない場合、製造誤差、及び既存のビアやパターンを単位セルの一部として用いる場合などが考えられる。上述の前提は、以下のすべての実施形態において同様である。
図7は、図6に示した単位セルAの等価回路図である。図7に示すように、この単位セルAは、隣り合う島状導体1間に生じるキャパシタンスC、および、接続部材3がつくるインダクタンスL、からなる。
このEBG構造体によれば、シート状導体2の表面におけるノイズの伝播を抑制できる。すなわち、放熱板30(図4A参照)の第1の面32の表面におけるノイズの伝播を抑制できる。また、隣り合う島状導体1(41)どうしがキャパシタンスCを構成することで、EBG構造体付近におけるノイズの伝播を抑制できる。すなわち、図1に示す基板10と放熱板30とに挟まれる空間内の、構造体40付近におけるノイズの伝播を抑制できる。その結果、放熱板30に伝わったノイズが周辺に放射され、例えば周辺電子機器の正常な動作の妨げになる等の悪影響が引き起こされるのを回避できる。
また、本実施形態の構造体40は、図5、6に示すEBG構造体以外のEBG構造体を構成するための構造体40よりも構成が比較的シンプルである。このため、製造工程を少なくすることができるほか、製造コストの面でも優れている。
ここで、図5、6に示すようなEBG構造体を備えたシートを単に放熱板30の第1の面32に取り付けただけでは、上述の効果を実現することはできない。以下、図41を用い、この理由を説明する。
図41は、EBG構造体を備えたシート400を、放熱板300の面302に取り付けた状態を示す断面図である。図41に示すシート400は、図5、6に示すEBG構造体と同じEBG構造体を備えている。すなわち、このEBG構造体は、シート状導体402と、互いに分離した複数の島状導体401と、複数の接続部材403と、を有している。
図41に示すように、通常、シート400は、放熱板300との接着性を確保するため、絶縁性の接着剤による層404を備える。この接着剤による層404は、図41に示すように、EBG構造体を備えたシート400を放熱板300に取り付けた状態において、シート状導体402と放熱板300の面302との間に位置し、EBG構造体を構成するシート状導体402と放熱板300の面302とを、電気的に分離した状態とする。このように、放熱板300の面302とEBG構造体とが電気的に分離された状態においては、放熱板300の面302におけるノイズの伝播を抑制することはできない。かかる場合、放熱板300に伝わったノイズは、面302の表面を伝播して周囲に広がり、そして、空気中に放射されてしまう。
本実施形態の電子機器は、上述の課題を解決している。具体的には、本実施形態の電子機器は、図4Aに示すように、放熱板30の第1の面32がEBG構造体の一部を構成する。かかる場合、上述のように、放熱板30の第1の面32とEBG構造体とが電気的に分離した状態となることはない。すなわち、本実施形態の電子機器によれば、放熱板30の第1の面32を利用して構成したEBG構造体により、放熱板30の第1の面32の表面におけるノイズの伝播を抑制できる。また、EBG構造体付近、すなわち放熱板30の第1の面32付近におけるノイズの伝播を抑制できる。なお、以下で説明するすべての実施形態1の電子機器は、上述の課題を、上述と同様の解決手段により解決している。
<<実施形態1−2>>
本実施形態の電子機器は、実施形態1−1の電子機器を基本とし、構造体40の構成が一部異なる。他の構成については、実施形態1−1の電子機器と同様であるので、ここでの説明は省略する。
図8Aは、本実施形態の電子機器の一例を模式的に示した断面図である。この構造体40は、実施形態1−1の構造体40(図4A参照)を基本とし、接続部材43(43A、43B、43C)の形状が異なる。他の構成については、実施形態1−1の構造体40と同様であるので、ここでの説明は省略する。
本実施形態の接続部材43は、導電性の第1接続部材43Aと、導電性の第2接続部材43Bと、導電性の第3接続部材43Cと、からなる。第1接続部材43Aは、一端が誘電体層45の第2の面47を貫通し第2の面47から露出するとともに、他端側を介して第2接続部材43Bと導通する。第1接続部材43Aの他端は、誘電体層45の第1の面46を貫通してもよい。この第1接続部材43Aは、島状導体41に設けられた穴を島状導体41と非接触な状態で通過している。第2接続部材43Bは、第1接続部43Aと導通し、島状導体41と対向するように設けられる。この第2接続部材43Bの平面形状は、直線であってもよいし、曲線であってもよいし、スパイラル形状であってもよいし、その他の形状であってもよい。第3接続部材43Cは、一端側を介して第2接続部材43Bと導通し、誘電体層45の第2の面47方向に伸びた他端側を介して島状導体41と導通している。他端は、誘電体層45の第1の面46を貫通してもよい。ここで、第2接続部材43Bをスパイラル形状にした場合の一例を、図8C、8Dに示す。図8Cは、図8Dのイ−イ´の断面図であり、図8Dは、図8Cを図中下から上に見た平面図である。なお、図8C、8Dにおいては、構成をより明確にするため、各構成要素に付すハッチングを、他の図とは異なった態様にしている。また、図8Cにおいては、構造体40のみを示している。
図8A、8Cに示した構造体40と、図8Aに示した放熱板30の第1の面32とで構成されるEBG構造体は、接続部材43Bを含んで形成されるマイクロストリップ線路がショートスタブとして機能するショートスタブ型のEBG構造を有する。詳細には、接続部材43Aはインダクタンスを形成している。また、接続部材43Bは、対向する島状導体41と電気的に結合することで島状導体41をリターンパスとするマイクロストリップ線路を形成している。マイクロストリップ線路の一端は第3接続部材43Cによってショート端となっており、ショートスタブとして機能するように構成されている。
次に、本実施形態の電子機器の製造方法の一例について、図8Bを用いて説明する。図8Bは、本実施形態の構造体40の製造工程の一例を示す断面図である。
まず、(1)に示すように、ガラスエポキシ基板、フッ素樹脂基板等の基板(層45A(1))の第1の面(図中、上側の面)に銅箔43Bを形成し、第2の面(図中、下側の面)に銅箔41を形成する。次に、(2)に示すように、フォトリソグラフィとエッチングにより、銅箔41の一部を選択的にエッチングすることでパターン(互いに分離した複数の島状導体41)を形成する。また、フォトリソグラフィとエッチングにより、銅箔43Bの一部を選択的にエッチングすることでパターン(第2接続部材43B)を形成する。なお、島状導体41は、第1接続部材43Aを通過させるための穴を設けたパターンに形成される。この穴は、第1接続部材43Aの径より大きく設けられる。
その後、ドリルにより、第2接続部材43Bと層45A(1)と島状導体41とを貫通する穴を形成し、この穴に、銅、アルミニウム、ステンレス等の金属で構成された貫通ピン(第3接続部材43C)を挿入することで、(3)に示す状態を得る。
次に、(4)に示すように、層45A(1)の第2の面(図中、下側の面)の上に、さらに誘電体層45A(2)を形成する。例えば、ガラスエポキシ基板、フッ素樹脂基板等のフレキシブル性を有する新たな基板(層45A(2))を用意し、この基板(層45A(2))の第1の面(図中、上側の面)を、層45A(1)の第2の面(図中、下側の面)に貼り付けることで実現してもよい。このように、本実施形態では、島状導体41(第1導体)は、層45A(1)、45A(2)で構成される誘電体層の内部に設けられる。
その後、(5)に示すように、ドリルを用いて、第2接続部材43Bと層45A(1)、45A(2)と島状導体41とを貫通する穴を形成する。この穴は、(2)で島状導体41に設けられた穴よりも径が小さく、かつ、島状導体41に非接触な状態で、この穴を通過するようにドリルを貫通させることで形成される。その後、(6)に示すように、(5)で形成した穴に、銅、アルミニウム、ステンレス等の金属で構成された貫通ピン(第1接続部材43A)を挿入する。
その後、(7)に示すように、層45A(2)の第2の面(図中、下側の面)に接着層45Bを形成する。この接着層45Bは、接続部材43Aが接着層45Bを貫通するように形成される。このように形成する具体的手段は、実施形態1−1で説明した手段と同様の手段を用いることができる。次に、必要に応じて、互いに分離した複数の島状導体41および層45A(1)の第1の面を覆う、非導電性の表面層(図示せず)を設ける。
その後、図8Aに示すように、放熱板30の第1の面32の所望の位置に、接着層45Bが放熱板30の第1の面32に接するように構造体40を貼り付ける。この時、接続部材43の第1接続部材43Aが放熱板30の第1の面32と接するように貼り付ける。
次に、本実施形態の作用効果について説明する。
本実施形態の構造体40と、放熱板30の第1の面32とにより構成されるEBG構造体は、実施形態1−1の構造体40と、放熱板30の第1の面32とにより構成されるEBG構造体と異なる。
図8A、8Cに示すEBG構造体は、1つの島状導体41と、当該島状導体41に対応して設けられた接続部材43(43A、43B、43C)と、放熱板30の第1の面32の中の当該島状導体41に対向する領域とを含んで単位セルAが構成されている。
図9は、図8A、8Cに示した単位セルAの等価回路図である。図9に示すように、この単位セルAは、インピーダンス部23とアドミタンス部24とで構成される。インピーダンス部23は、隣り合う島状導体41間に生じるキャパシタンスC、および、島状導体41がつくるインダクタンスL、からなる。アドミタンス部24は、放熱板30の第1の面32と島状導体41とがつくるキャパシタンスC、および、第1接続部材43AがつくるインダクタンスL、および、第2接続部材43B(伝送線路)と第3接続部材43Cとを含んでなるショートスタブ、からなる。
一般に、EBG構造は、インピーダンス部23がキャパシタンス性でありかつ、アドミタンス部24がインダクタンス性となる周波数領域で電磁バンドギャップを生じることが知られている。図8A、8C、9のショートスタブ型EBG構造では、ショートスタブのスタブ長を長くすることによって、アドミタンス部24がインダクタンス性となる周波数帯域を低周波化することができる。このため、バンドギャップ帯域を低周波化することが可能である。ショートスタブ型EBG構造はバンドギャップ帯域の低周波化にスタブ長が必要であるが必ずしも面積を必要としないため、単位セルの小型化を図ることができる。
このEBG構造体によれば、放熱板30(図8A参照)の第1の面32の表面におけるノイズの伝播を抑制できる。また、隣り合う島状導体41どうしがキャパシタンスを構成することで、EBG構造体付近におけるノイズの伝播を抑制できる。すなわち、図1に示す基板10と放熱板30とに挟まれる空間内の、構造体40付近におけるノイズの伝播を抑制できる。その結果、放熱板30に伝わったノイズが周辺に放射され、例えば周辺電子機器の正常な動作の妨げになる等の悪影響が引き起こされるのを回避できる。
また、本実施形態の構造体40により構成されるEBG構造体(図8A参照)は、特徴的な接続部材43(43A、43B、43C)の構成により、図9に示したように多様なインダクタンスLおよびキャパシタンスCを形成することができる。その結果、所望の周波数帯のノイズの伝播を抑制するために要求されるインダクタンスLおよびキャパシタンスCを、島状導体41や接続部材43(43A、43B、43C)の大きさを必要以上に大きくすることなく得ることが可能となる。すなわち、単位セルAの大きさを比較的小さくすることが可能となる。かかる場合、構造体40の平面における単位面積あたりの単位セルAの数を増やすことが可能となり、より効果的にノイズの伝播を抑制することが可能となる。
<<実施形態1−3>>
本実施形態の電子機器は、実施形態1−1の電子機器を基本とし、構造体40の構成が一部異なる。他の構成については、実施形態1−1の電子機器と同様であるので、ここでの説明は省略する。
図10Aは、本実施形態の電子機器の一例を模式的に示した断面図である。この構造体40は、実施形態1−1の構造体40(図4A参照)を基本とし、接続部材43(43A、43B)の形状が異なる。他の構成については、実施形態1−1の構造体40と同様であるので、ここでの説明は省略する。
本実施形態の接続部材43は、導電性の第1接続部材43Aと、導電性の第2接続部材43Bと、からなる。第1接続部材43Aは、一端が誘電体層45の第2の面47を貫通し第2の面47から露出するとともに、他端側を介して第2接続部材43Bと導通する。第1接続部材43Aの他端は、誘電体層45の第1の面46を貫通してもよい。この第1接続部材43Aは、島状導体41に設けられた穴を島状導体41と非接触な状態で通過している。第2接続部材43Bは、第1接続部43Aと導通し、島状導体41と対向するように設けられる。この第2接続部材43Bの平面形状は、直線であってもよいし、曲線であってもよいし、スパイラル形状であってもよいし、その他の形状であってもよい。第2接続部材43Bの他端は開放端となっている。ここで、第2接続部材43Bをスパイラル形状にした場合の一例を、図10C、10Dに示す。図10Cは、図10Dのロ−ロ´の断面図であり、図10Dは、図10Cを図中下から上に見た平面図である。なお、図10C、10Dにおいては、構成をより明確にするため、各構成要素に付すハッチングを、他の図とは異なった態様にしている。また、図10Cにおいては、構造体40のみを示している。
図10A、10Cに示した構造体40と、図10Aに示した放熱板30の第1の面32とで構成されるEBG構造体は、接続部材43Bを含んで形成されるマイクロストリップ線路がオープンスタブとして機能するオープンスタブ型のEBG構造を有する。詳細には、接続部材43Aはインダクタンスを形成している。また、接続部材43Bは、対向する島状導体41と電気的に結合することで島状導体41をリターンパスとするマイクロストリップ線路を形成している。マイクロストリップ線路の一端はオープン端となっており、オープンスタブとして機能するように構成されている。
次に、本実施形態の電子機器の製造方法の一例について、図10Bを用いて説明する。図10Bは、本実施形態の構造体40の製造工程の一例を示す断面図である。
まず、(1)に示すように、ガラスエポキシ基板、フッ素樹脂基板等の基板(層45A(1))の第1の面(図中、上側の面)に銅箔43Bを形成し、第2の面(図中、下側の面)に銅箔41を形成する。次に、(2)に示すように、フォトリソグラフィとエッチングにより、銅箔41の一部を選択的にエッチングすることでパターン(互いに分離した複数の島状導体41)を形成する。また、フォトリソグラフィとエッチングにより、銅箔43Bの一部を選択的にエッチングすることでパターン(第2接続部材43B)を形成する。なお、島状導体41は、第1接続部材43Aを通過させるための穴を設けたパターンに形成される。この穴は、第1接続部材43Aの径より大きく設けられる。
次に、(3)に示すように、層45A(1)の第2の面(図中、下側の面)の上に、さらに誘電体層45A(2)を形成する。例えば、ガラスエポキシ基板、フッ素樹脂基板等のフレキシブル性を有する新たな基板(層45A(2))を用意し、この基板(層45A(2))の第1の面(図中、上側の面)を、層45A(1)の第2の面(図中、下側の面)に貼り付けることで実現してもよい。このように、本実施形態では、島状導体41(第1導体)は、層45A(1)、45A(2)で構成される誘電体層の内部に設けられる。
その後、(4)に示すように、ドリルを用いて、第2接続部材43Bと層45A(1)、45A(2)と島状導体41とを貫通する穴を形成する。この穴は、(2)で島状導体41に設けられた穴よりも径が小さく、かつ、島状導体41に非接触な状態で、この穴を通過するようにドリルを貫通させることで形成される。その後、(5)に示すように、(4)で形成した穴に、銅、アルミニウム、ステンレス等の金属で構成された貫通ピン(第1接続部材43A)を挿入する。
その後、(6)に示すように、層45A(2)の第2の面(図中、下側の面)に接着層45Bを形成する。この接着層45Bは、接続部材43Aが接着層45Bを貫通するように形成される。このように形成する具体的手段は、実施形態1−1で説明した手段と同様の手段を用いることができる。次に、必要に応じて、互いに分離した複数の島状導体41および層45A(1)の第1の面を覆う、非導電性の表面層(図示せず)を設ける。
その後、図10Aに示すように、放熱板30の第1の面32の所望の位置に、接着層45Bが放熱板30の第1の面32に接するように構造体40を貼り付ける。この時、接続部材43の第1接続部材43Aが放熱板30の第1の面32と接するように貼り付ける。
次に、本実施形態の作用効果について説明する。
本実施形態の構造体40と、放熱板30の第1の面32とにより構成されるEBG構造体は、実施形態1−1および1−2の構造体40と、放熱板30の第1の面32とにより構成されるEBG構造体と異なる。
図10A、10Cに示すEBG構造体は、1つの島状導体41と、当該島状導体41に対応して設けられた接続部材43(43A、43B)と、放熱板30の第1の面32の中の当該島状導体41に対向する領域とを含んで単位セルAが構成されている。
図11は、図10A、10Cに示した単位セルAの等価回路図である。図11に示すように、この単位セルAは、インピーダンス部23とアドミタンス部24とで構成される。インピーダンス部23は、隣り合う島状導体41間に生じるキャパシタンスC、および、島状導体41がつくるインダクタンスL、からなる。アドミタンス部24は、放熱板30の第1の面32と島状導体41とがつくるキャパシタンスC、および、第1接続部材43AがつくるインダクタンスL、および、第2接続部材43B(伝送線路)を含んでなるオープンスタブ、からなる。
一般に、EBG構造は、インピーダンス部23がキャパシタンス性でありかつ、アドミタンス部24がインダクタンス性となる周波数領域で電磁バンドギャップを生じることが知られている。図10A、10C、11のオープンスタブ型EBG構造では、オープンスタブのスタブ長を長くすることによって、アドミタンス部24がインダクタンス性となる周波数帯域を低周波化することができる。このため、バンドギャップ帯域を低周波化することが可能である。オープンスタブ型EBG構造はバンドギャップ帯域の低周波化にスタブ長が必要であるが必ずしも面積を必要としないため、単位セルの小型化を図ることができる。
このEBG構造体によれば、放熱板30(図10A参照)の第1の面32の表面におけるノイズの伝播を抑制できる。また、隣り合う島状導体41どうしがキャパシタンスを構成することで、EBG構造体付近におけるノイズの伝播を抑制できる。すなわち、図1に示す基板10と放熱板30とに挟まれる空間内の、構造体40付近におけるノイズの伝播を抑制できる。その結果、放熱板30に伝わったノイズが周辺に放射され、例えば周辺電子機器の正常な動作の妨げになる等の悪影響が引き起こされるのを回避できる。
また、本実施形態の構造体40により構成されるEBG構造体(図10A参照)は、特徴的な接続部材43(43A、43B)の構成により、図11に示したように多様なインダクタンスLおよびキャパシタンスCを形成することができる。その結果、所望の周波数帯のノイズの伝播を抑制するために要求されるインダクタンスLおよびキャパシタンスCを、島状導体41や接続部材43(43A、43B)の大きさを必要以上に大きくすることなく得ることが可能となる。すなわち、単位セルAの大きさを比較的小さくすることが可能となる。かかる場合、構造体40の平面における単位面積あたりの単位セルAの数を増やすことが可能となり、より効果的にノイズの伝播を抑制することが可能となる。
<<実施形態1−4>>
本実施形態の電子機器は、実施形態1−1の電子機器を基本とし、構造体40の構成が一部異なる。他の構成については、実施形態1−1の電子機器と同様であるので、ここでの説明は省略する。
図12Aは、本実施形態の電子機器の一例を模式的に示した断面図である。この構造体40は、実施形態1−1の構造体40(図4A参照)を基本とし、接続部材43(43A、43B)の形状が異なる。他の構成については、実施形態1−1の構造体40と同様であるので、ここでの説明は省略する。
本実施形態の接続部材43は、導電性の第1接続部材43Aと、導電性の第2接続部材43Bと、からなる。第1接続部材43Aは、一端が誘電体層45の第2の面47を貫通し第2の面47から露出するとともに、他端側を介して第2接続部材43Bと導通する。第1接続部材43Aは、島状導体41とは接触しない。第2接続部材43Bは、第1接続部43Aと導通し、島状導体41と対向するように設けられる。この第2接続部材43Bの平面形状は、直線であってもよいし、曲線であってもよいし、スパイラル形状であってもよいし、その他の形状であってもよい。第2接続部材43Bの他端は開放端となっている。
図12Aに示した構造体40と、放熱板30の第1の面32とで構成されるEBG構造体は、接続部材43Bを含んで形成されるマイクロストリップ線路がオープンスタブとして機能するオープンスタブ型のEBG構造を有する。詳細には、接続部材43Aはインダクタンスを形成している。また、接続部材43Bは、対向する島状導体41と電気的に結合することで島状導体41をリターンパスとするマイクロストリップ線路を形成している。マイクロストリップ線路の一端はオープン端となっており、オープンスタブとして機能するように構成されている。
次に、本実施形態の電子機器の製造方法の一例について、図12Bを用いて説明する。図12Bは、本実施形態の構造体40の製造工程の一例を示す断面図である。
まず、(1)に示すように、ガラスエポキシ基板、フッ素樹脂基板等の基板(層45A(1))の第1の面(図中、上側の面)に銅箔43Bを形成する。また、ガラスエポキシ基板、フッ素樹脂基板等のフレキシブル性を有する他の基板(層45A(2))の第1の面(図中、上側の面)に銅箔41を形成する。次に、(2)に示すように、フォトリソグラフィとエッチングにより、銅箔43Bの一部を選択的にエッチングすることでパターン(第2接続部材43B)を形成する。また、フォトリソグラフィとエッチングにより、銅箔41の一部を選択的にエッチングすることでパターン(互いに分離した複数の島状導体41)を形成する。
その後、(3)に示すように、ドリルにより、第2接続部材43Bと層45A(1)を貫通する穴を形成する。次に、(4)に示すように、(3)で形成した穴に、銅、アルミニウム、ステンレス等の金属で構成された貫通ピン(接続部材43A)を挿入する。
その後、(5)に示すように、層45A(1)の第1の面(図中、上側の面)に、層45A(2)の第2の面(図中、下側の面)が接するように貼り付ける。次に、(6)に示すように、層45A(1)の第2の面(図中、下側の面)に接着層45Bを形成する。この接着層45Bは、接続部材43Aが接着層45Bを貫通するように形成される。このように形成する具体的手段は、実施形態1−1で説明した手段と同様の手段を用いることができる。次に、必要に応じて、互いに分離した複数の島状導体41および層45A(2)の第1の面を覆う、非導電性の表面層(図示せず)を設ける。
その後、図12Aに示すように、放熱板30の第1の面32の所望の位置に、接着層45Bが放熱板30の第1の面32に接するように構造体40を貼り付ける。この時、接続部材43の第1接続部材43Aが放熱板30の第1の面32と接するように貼り付ける。
次に、本実施形態の作用効果について説明する。
本実施形態の構造体40と、放熱板30の第1の面32とにより構成されるEBG構造体は、実施形態1−1乃至1−3の構造体40と、放熱板30の第1の面32とにより構成されるEBG構造体と異なる。
図12Aに示すEBG構造体は、1つの島状導体41と、当該島状導体41に対応して設けられた接続部材43(43A、43B)と、放熱板30の第1の面32の中の当該島状導体41に対向する領域とを含んで単位セルAが構成されている。
図13は、図12Aに示した単位セルAの等価回路図である。この等価回路図は、実施形態1−3において説明した図11の等価回路図と同じである。よって、ここでの説明は省略する。
このEBG構造体によれば、放熱板30(図12A参照)の第1の面32の表面におけるノイズの伝播を抑制できる。また、隣り合う島状導体41どうしがキャパシタンスを構成することで、EBG構造体付近におけるノイズの伝播を抑制できる。すなわち、図1に示す基板10と放熱板30とに挟まれる空間内の、構造体40付近におけるノイズの伝播を抑制できる。その結果、放熱板30に伝わったノイズが周辺に放射され、例えば周辺電子機器の正常な動作の妨げになる等の悪影響が引き起こされるのを回避できる。
また、本実施形態の構造体40により構成されるEBG構造体(図12A参照)は、特徴的な接続部材43(43A、43B)の構成により、図13に示したように多様なインダクタンスLおよびキャパシタンスCを形成することができる。その結果、所望の周波数帯のノイズの伝播を抑制するために要求されるインダクタンスLおよびキャパシタンスCを、島状導体41や接続部材43(43A、43B)の大きさを必要以上に大きくすることなく得ることが可能となる。すなわち、単位セルAの大きさを比較的小さくすることが可能となる。かかる場合、構造体40の平面における単位面積あたりの単位セルAの数を増やすことが可能となり、より効果的にノイズの伝播を抑制することが可能となる。
<<実施形態1−5>>
本実施形態の電子機器は、実施形態1−1の電子機器を基本とし、構造体40の構成が一部異なる。他の構成については、実施形態1−1の電子機器と同様であるので、ここでの説明は省略する。
図14は、本実施形態の電子機器の一例を模式的に示した断面図である。本実施形態の構造体40は、誘電体層45と、誘電体層45の第1の面46に形成され、少なくとも一部領域に繰り返し構造、例えば周期的な構造を有している第1導体と、を備える。繰り返し構造を有する第1導体は、例えば、互いに分離した複数の島状導体41で構成される。第1導体は、誘電体層45の第1の面46と反対側の面である第2の面47と対向するように設けられる。構造体40は、誘電体層45の第2の面47が放熱板30の第1の面32と接するように、放熱板30に取り付けられる。
誘電体層45の一部は放熱板30の第1の面32に接着する接着層45Bで構成され、接着層45Bは誘電体層45の第2の面47を構成する。
そして、複数の島状導体41の一部または全部には、図15の拡大斜視図に示すように、開口41Bが設けられる。複数の島状導体41の一部に開口41Bが設けられる場合、開口41Bは、周期的に設けられるのが望ましい。この開口41Bの中には、一端が島状導体41に接続している配線41Aが設けられる。開口41Bの大きさ、配線41Aの長さ、太さなどは、伝播を抑制するノイズの周波数に応じて定められる設計的事項である。
次に、本実施形態の電子機器の製造方法の一例について説明する。本実施形態の構造体40は、図4Bの(1)に示すように、ガラスエポキシ基板、フッ素樹脂基板等の基板(層45A)の第1の面に、銅箔41を形成後、(2)に示すように、フォトリソグラフィとエッチングにより、銅箔41の一部を選択的にエッチングすることでパターン(互いに分離した複数の島状導体41)を形成する。このフォトリソグラフィおよびエッチングにより、島状導体41は、図15に示すパターンに形成される。その後の工程は、実施形態1−1に準じて実現できる。よって、ここでの説明は省略する。
次に、本実施形態の作用効果について説明する。
本実施形態の構造体40と、放熱板30の第1の面32とにより構成されるEBG構造体は、実施形態1−1乃至1−4のいずれかの構造体40と、放熱板30の第1の面32とにより構成されるEBG構造体と異なる。
図16、17に、本実施形態の構造体40と、放熱板30の第1の面32とにより構成されるEBG構造体の一例を模式的に示す。図16は、EBG構造体の構成を模式的に示す斜視図であり、図17は、図16のEBG構造体の側面図である。なお、このEBG構造体は、図14に示す構造体40と、放熱板30の第1の面32とにより構成されるEBG構造体の上下を逆にして示してある。
図16、17に示すEBG構造体は、シート状導体2と、互いに分離した複数の島状導体1と、島状導体1に設けられた開口1Bと、開口1Bの中に設けられた配線1Aと、により構成される。複数の島状導体1は、平面視でシート状導体2と重なる領域であって、シート状導体2から離れた位置に、誘電体層(図示せず)を挟んで配置されている。また、複数の島状導体1は、周期的に配列されている。複数の島状導体1には開口1Bが設けられ、開口1Bの中には、一端が島状導体1に接続している配線1Aが設けられている。配線1Aはオープンスタブとして機能しており、シート状導体2のうち配線1Aに対向する部分及び配線1Aが、伝送線路、例えばマイクロストリップ線路を形成している。
このEBG構造体は、1つの島状導体1と、この島状導体1の開口1Bの中に設けられた配線1Aと、シート状導体2の中のこれらに対向する領域とを含んで単位セルAが構成されている。この単位セルAが周期的に配置されることにより、この構造体はメタマテリアル、例えばEBG(Electromagnetic Band Gap)として機能する。図16、17に示す例では、単位セルAは平面視において2次元配列を有している。
複数の単位セルAは互いに同一のEBG構造を有しており、同一の向きに配置されている。島状導体1および開口1Bは正方形で、中心が互いに重なるように配置されている。配線1Aは開口1Bの一辺の略中央からこの辺に対して略垂直に延伸している。
図18は、図16、17に示した単位セルAの等価回路図である。図18に示すように、シート状導体2と島状導体1との間にはキャパシタンスCが形成される。また、隣り合う島状導体1の相互間にもキャパシタンスCが形成される。そして、開口1Bを有する島状導体1にはインダクタンスLが形成される。
また、上記したように配線1Aはオープンスタブとして機能しており、シート状導体2のうち配線1Aに対向する部分と配線1Aとが、伝送線路4、例えばマイクロストリップ線路を形成している。伝送線路の他端は開放端になっている。
このEBG構造体によれば、シート状導体2の表面におけるノイズの伝播を抑制できる。すなわち、放熱板30(図14参照)の第1の面32の表面におけるノイズの伝播を抑制できる。また、隣り合う島状導体1(41)どうしがキャパシタンスを構成することで、EBG構造体付近におけるノイズの伝播を抑制できる。すなわち、図1に示す基板10と放熱板30とに挟まれる空間内の、構造体40付近におけるノイズの伝播を抑制できる。その結果、放熱板30に伝わったノイズが周辺に放射され、例えば周辺電子機器の正常な動作の妨げになる等の悪影響が引き起こされるのを回避できる。
また、本実施形態の構造体40は、実施形態1−1乃至実施形態1−4の構造体40と違い、接続部材43を有さないので、接続部材43と放熱板30の第1の面32との導通を確保する手段を備える必要がない。その結果、品質安定性が高くなる。
<<実施形態1−6>>
本実施形態の電子機器は、実施形態1−5の電子機器を基本とし、構造体40の構成が一部異なる。具体的には、島状導体41の開口41Bの中の構成が異なる。他の構成については、実施形態1−5の電子機器と同様であるので、ここでの説明は省略する。
本実施形態の電子機器の一例を模式的に示した断面図は、実施形態1−5(図14参照)と同様である。次に、図19に本実施形態の構造体40の島状導体11の拡大斜視図を示す。本実施形態の構造体40は、複数の島状導体41の一部または全部に、図19に示すような、開口41Bが設けられ、一部または全部の開口41Bの中には、第2の島状導体41Cおよび島状導体41と第2の島状導体41Cを接続する配線41Aが設けられている。
本実施形態の電子機器の製造方法は、実施形態1−5で説明した電子機器の製造方法に準じて実現できるので、ここでの説明は省略する。
次に、本実施形態の作用効果について説明する。
本実施形態の構造体40と、放熱板30の第1の面32とにより構成されるEBG構造体は、実施形態1−1乃至1−5のいずれかの構造体40と、放熱板30の第1の面32とにより構成されるEBG構造体と異なる。
図20に、本実施形態の構造体40と、放熱板30の第1の面32とにより構成されるEBG構造体の一例を模式的に示す。図20は、EBG構造体の構成を模式的に示す斜視図である。このEBG構造体の側面図は、実施形態1−5で説明したEBG構造体の側面図(図17参照)と同様である。なお、このEBG構造体は、図14に示す構造体40と、放熱板30の第1の面32とにより構成されるEBG構造体の上下を逆にして示してある。
図20に示すEBG構造体は、シート状導体2と、互いに分離した複数の島状導体1と、島状導体1に設けられた開口1Bと、開口1Bの中に設けられた配線1Aおよび第2の島状導体1Cと、により構成される。複数の島状導体1は、平面視でシート状導体2と重なる領域であって、シート状導体2から離れた位置に、誘電体層(図示せず)を挟んで配置されている。また、複数の島状導体1は、周期的に配列されている。複数の島状導体1には開口1Bが設けられ、開口1Bの中には、一端が島状導体1に接続している配線1Aが設けられている。さらに、開口1Bの中には、配線1Aの他端と接続している第2の島状導体1Cが設けられている。
このEBG構造体は、1つの島状導体1と、この島状導体1の開口1Bの中に設けられた配線1Aおよび第2の島状導体1Cと、シート状導体2の中のこれらに対向する領域とを含んで単位セルAが構成されている。この単位セルAが周期的に配置されることにより、この構造体はメタマテリアル、例えばEBG(Electromagnetic Band Gap)として機能する。図20に示す例では、単位セルAは平面視において2次元配列を有している。
複数の単位セルAは互いに同一のEBG構造を有しており、同一の向きに配置されている。島状導体1および開口1Bおよび第2の島状導体1Cは正方形で、中心が互いに重なるように配置されている。配線1Aは開口1Bの一辺の略中央からこの辺に対して略垂直に延伸している。そして、配線1Aは、第2の島状導体1Cの第1の辺の中央と、開口1Bのうち第2の島状導体1Cの第1の辺に対向する辺の中央と、を接続している。
図21は、図20に示した単位セルAの等価回路図である。図21に示すように、島状導体1とシート状導体2との間には、キャパシタンスCが形成される。また、隣り合う島状導体1の相互間にもキャパシタンスCが形成される。さらに、第2の島状導体1Cとシート状導体2との間にもキャパシタンスCが形成される。そして、開口1Bを有する島状導体1にはインダクタンスLが形成される。また、島状導体1と第2の島状導体1Cとを接続する配線1Aは、インダクタンスLを有する。
このEBG構造体によれば、シート状導体2の表面におけるノイズの伝播を抑制できる。すなわち、放熱板30(図14参照)の第1の面32の表面におけるノイズの伝播を抑制できる。また、隣り合う島状導体1(41)どうしがキャパシタンスを構成することで、EBG構造体付近におけるノイズの伝播を抑制できる。すなわち、図1に示す基板10と放熱板30とに挟まれる空間内の、構造体40付近におけるノイズの伝播を抑制できる。その結果、放熱板30に伝わったノイズが周辺に放射され、例えば周辺電子機器の正常な動作の妨げになる等の悪影響が引き起こされるのを回避できる。
また、本実施形態の構造体40は、実施形態1−1乃至実施形態1−4の構造体40と違い、接続部材43を有さないので、接続部材43と放熱板30の第1の面32との導通を確保する手段を備える必要がない。その結果、品質安定性が高くなる。
<<実施形態1−7>>
本実施形態の電子機器は、実施形態1−1乃至1−6のいずれかの電子機器を基本とし、構造体40の構成が異なる。具体的には、構造体40の誘電体層45の構成が異なる。他の構成については、実施形態1−1乃至1−6のいずれかの電子機器と同様であるので、ここでの説明は省略する。
図22は、本実施形態の電子機器の一例を模式的に示した断面図である。本実施形態の構造体40の誘電体層45は接着層45Bを有さない点で、実施形態1−1乃至実施形態1−6のいずれかの構造体40と異なる。他の構成については、実施形態1−1乃至実施形態1−6のいずれかの構造体40と同様であるので、ここでの説明は省略する。
接着層45Bを有さない本実施形態の構造体40は、例えば図22の例に示すように、接着手段(接着剤など)を備えたテープ60を用いて、誘電体層45の第2の面47が放熱板30の第1の面32と接するように、放熱板30に取り付けられる。その他、糊、押しピン等の部材を用いて、誘電体層45の第2の面47が放熱板30の第1の面32と接するように、放熱板30に取り付けられてもよい。
なお、実施形態1−1乃至実施形態1−4のいずれかの構造体40を基本とする場合、例えば図22に示すように実施形態1−1の構造体40を基本とする場合には、構造体40に設けられた接続部材43が放熱板30の第1の面32と導通するように、構造体40を放熱板30に取り付ける必要がある。
本実施形態の電子機器によれば、放熱板30(図22参照)の第1の面32の表面におけるノイズの伝播を抑制できる。また、隣り合う島状導体41どうしがキャパシタンスを構成することで、EBG構造体付近におけるノイズの伝播を抑制できる。すなわち、図1に示す基板10と放熱板30とに挟まれる空間内の、構造体40付近におけるノイズの伝播を抑制できる。その結果、放熱板30に伝わったノイズが周辺に放射され、例えば周辺電子機器の正常な動作の妨げになる等の悪影響が引き起こされるのを回避できる。
<実施形態2>
本実施形態の電子機器は、実施形態1の電子機器を基本とし、構造体40の構成が異なる。構造体40以外の他の構成については、実施形態1と同様であるので、ここでの説明は省略する。また、以下では構造体40の相違する点を中心に説明し、共通する点の説明は省略する。
本実施形態の構造体40は、誘電体層と、当該誘電体層の内部または第1の面上に、誘電体層の第1の面と反対側の面である第2の面と対向するように設けられ、少なくとも一部領域に繰り返し構造を有している第1導体と、当該誘電体層の第2の面に形成された第2導体と、を備える。そして、第2導体が第1導体より放熱板の第1の面の近くに位置し、かつ、第2導体が放熱板の第1の面と導通するように設けられる。
本実施形態の構造体40は、第1導体と第2導体を構成の一部または全部とする少なくとも1種類以上のEBG構造を有するEBG構造体を備える。例えば第1導体と第2導体のみでEBG構造を構成した、図16または図20に示すようなEBG構造体を備えてもよい。または、第1導体と第2導体に、さらに接続部材を加えてEBG構造を構成した、例えば図6に示すようなEBG構造体を備えてもよい。そして、本実施形態のノイズ抑制テープは、第2導体と放熱板の第1の面とが導通するように取り付けられる。すなわち、放熱板の第1の面と構造体40が備えるEBG構造体とが電気的に繋がるように取り付けられる。
本実施形態の電子機器は、上記構成により、実施形態1において図41を用いて説明した課題を解決している。その結果、放熱板の第1の面におけるノイズの伝播を抑制し、放熱板からノイズが放射されるのを抑制することが可能となる。
次に、本実施形態の構造体40の具体化例についてより詳細に説明する。なお、本実施形態の構造体40は、以下で説明する具体化例に限定されない。
<<実施形態2−1>>
図23は、本実施形態の電子機器を模式的に示した断面図である。本実施形態の構造体40は、誘電体層45と、誘電体層45の内部または第1の面46上に、誘電体層45の第1の面46と反対側の面である第2の面47と対向するように設けられ、少なくとも一部領域に繰り返し構造を有している第1導体と、誘電体層45の第2の面47に形成された第2導体42と、を有する。繰り返し構造を有する第1導体は、例えば、互いに分離した複数の島状導体41で構成される。この構造体40は、第2導体42が、誘電体層45の第1の面46に形成された第1導体より放熱板30の第1の面32の近くに位置するように、放熱板30に取り付けられる。そして、この取り付けられた状態において、第2導体42と放熱板30の第1の面32とが導通する。第2導体42は、平面視で複数の島状導体41と対向するように誘電体層45の第2の面に延伸したシート状導体である。
本実施形態の構造体40は例えばシートとして構成され、接着層44を備えてもよい。この接着層44は、第2導体42を介して誘電体層45とは逆側に設けられ、放熱板30の第1の面32に接着する。また、本実施形態の構造体40は、導通部材を備える。この導通部材は、接着層44内に設けられ、第2導体42と放熱板30の第1の面32とを導通させる。本実施形態の導通部材は、接着層44に混入された複数の導電性フィラー44Aである。
誘電体層45の内部には、少なくとも第2導体42と導通する接続部材43が設けられてもよい。この接続部材43は、図23に示すように一部または全部の島状導体41と導通してもよい。図23に示す接続部材43は、全部の島状導体41と導通している。
なお、接続部材43の構成は図23に示すものに限定されず、例えば、図8A、8C、10A、10C、12Aに示すような構成にすることができる。これらの図に示す接続部材43については、実施形態1において説明したので、ここでの説明は省略する。
また、接続部材43を設けるかわりに、複数の島状導体41の一部または全部には、図15の拡大斜視図に示すように、開口41Bが設けられ、開口41Bの中には、一端が島状導体41に接続している配線41Aが設けられてもよい。または、複数の島状導体41の一部または全部には、図19の拡大斜視図に示すように、開口41Bが設けられ、一部または全部の開口41Bの中には、第2の島状導体41C、および、島状導体41と第2の島状導体41Cを接続する配線41Aが設けられていてもよい。
ここで、本実施形態の電子機器は、実施形態1で説明した電子機器の製造方法に準じて製造することができる。よって、ここでの製造方法の詳細な説明は省略する。
次に、本実施形態の作用効果について説明する。
本実施形態の構造体40は、第1導体と第2導体42とを構成の一部または全部とする少なくとも1種のEBG構造を有するEBG構造体を備える。そして、放熱板30の第1の面32に取り付けられた状態において、第2導体42と放熱板30の第1の面32との間に位置する複数の導電性フィラー44Aを混入された接着層44により、第2導体42と放熱板30の第1の面32とが導通する。すなわち、放熱板30の第1の面32と、構造体40が備えるEBG構造体とが導通する。
本実施形態の電子機器によれば、放熱板30(図23参照)の第1の面32の表面におけるノイズの伝播を抑制できる。また、隣り合う島状導体41どうしがキャパシタンスを構成することで、EBG構造体付近におけるノイズの伝播を抑制できる。すなわち、図1に示す基板10と放熱板30とに挟まれる空間内の、構造体40付近におけるノイズの伝播を抑制できる。その結果、放熱板30に伝わったノイズが周辺に放射され、例えば周辺電子機器の正常な動作の妨げになる等の悪影響が引き起こされるのを回避できる。
また、本実施形態の電子機器は、構造体40の接着層44に混入された複数の導電性フィラー44Aにより、第2導体42と放熱板30の第1の面32との導通をとるので、比較的安定した導通の確保を実現することができる。
<<実施形態2−2>>
図24は、本実施形態の電子機器を模式的に示した断面図である。本実施形態の電子機器は、実施形態2−1の電子機器(図23参照)を基本とし、接着層44に設けられる導通部材の構成が異なる。他の構成については、実施形態2−1の電子機器と同様であるので、ここでの説明は省略する。
本実施形態の接着層44に設けられる導通部材は、図24に示すように、接着層44内に設けられたビア44Bである。ビア44Bは、接続部材43と一体となっていてもよい。ビア44Bは、例えば銅、アルミニウム、ステンレス等の金属で構成することができ、接着層44を貫通している。このため、ビア44Bにより、第2導体42と放熱板30の第1の面32とが導通する。すなわち、放熱板30の第1の面32と、構造体40に備えられたEBG構造体とが導通する。
ここで、本実施形態の電子機器の製造方法は、実施形態1で説明した電子機器の製造方法を基本とし、さらに、構造体40の製造工程の中に、以下で説明するビア44Bの製造工程を付与することで実現することができる。
実施形態1−1乃至1−4の構造体40を基本とする実施形態2−2の構造体40の場合は、例えば、図24に示す島状導体41及び誘電体層45及び第2導体42を積層した構造体を形成後、島状導体41及び誘電体層45及び第2導体42を貫通する穴をドリルにより形成する。そして、この穴に、接続部材43およびビア44Bとなる、銅、アルミニウム、ステンレス等の金属で構成された貫通ピンを挿入する。
実施形態1−5および1−6の構造体40、すなわち接続部材43を有さない構造体40を基本とする実施形態2−2の構造体40の場合は、例えば、誘電体層45(図24参照)の一つの面に、第2導体42を所望の厚さよりも厚めに形成し、その後、第2導体42の表面に、フォトリソグラフィおよびエッチングにより、ビア44B(凸形状)が構成されたパターンを形成する。
本実施形態の電子機器によれば、放熱板30(図24参照)の第1の面32の表面におけるノイズの伝播を抑制できる。また、隣り合う島状導体41どうしがキャパシタンスを構成することで、EBG構造体付近におけるノイズの伝播を抑制できる。すなわち、図1に示す基板10と放熱板30とに挟まれる空間内の、構造体40付近におけるノイズの伝播を抑制できる。その結果、放熱板30に伝わったノイズが周辺に放射され、例えば周辺電子機器の正常な動作の妨げになる等の悪影響が引き起こされるのを回避できる。
<<実施形態2−3>>
本実施形態の電子機器は、実施形態2−1または2−2の電子機器(図23、24参照)を基本とし、構造体40が接着層44を有さない点で異なる。他の構成については、実施形態2−1または2−2の電子機器と同様であるので、ここでの説明は省略する。
接着層44を有さない本実施形態の構造体40は、例えば、接着手段(接着剤など)を備えたテープ、糊、押しピン等の部材を用いて、第2導体42が放熱板30の第1の面32に接するように、放熱板30に取り付けられる。この構成によれば、構造体40の第2導体42と放熱板30の第1の面32とが導通する。すなわち、放熱板30の第1の面32と、構造体40に備えられたEBG構造体とが導通する。
本実施形態の電子機器によれば、放熱板30の第1の面32の表面におけるノイズの伝播を抑制できる。また、隣り合う島状導体41どうしがキャパシタンスを構成することで、EBG構造体付近におけるノイズの伝播を抑制できる。すなわち、図1に示す基板10と放熱板30とに挟まれる空間内の、構造体40付近におけるノイズの伝播を抑制できる。その結果、放熱板30に伝わったノイズが周辺に放射され、例えば周辺電子機器の正常な動作の妨げになる等の悪影響が引き起こされるのを回避できる。
<<実施形態2−4>>
図25は、本実施形態の電子機器を模式的に示した断面図である。本実施形態の電子機器は、実施形態2−1の電子機器(図23参照)を基本とし、第2導体42は、複数の導電性フィラー44Aを混入された接着層44である点で異なる。他の構成については、実施形態2−1の電子機器と同様であるので、ここでの説明は省略する。
この構成によれば、構造体40が放熱板30の第1の面32に取り付けられた状態において、第2導体42と放熱板30の第1の面32とが導通する。すなわち、放熱板30の第1の面32と、構造体40に備えられたEBG構造体とが導通する。
本実施形態の電子機器は、実施形態1で説明した電子機器の製造方法に準じて製造することができる。よって、ここでの詳細な説明は省略する。
本実施形態の電子機器によれば、放熱板30(図25参照)の第1の面32の表面におけるノイズの伝播を抑制できる。また、隣り合う島状導体41どうしがキャパシタンスを構成することで、EBG構造体付近におけるノイズの伝播を抑制できる。すなわち、図1に示す基板10と放熱板30とに挟まれる空間内の、構造体40付近におけるノイズの伝播を抑制できる。その結果、放熱板30に伝わったノイズが周辺に放射され、例えば周辺電子機器の正常な動作の妨げになる等の悪影響が引き起こされるのを回避できる。
また、複数の導電性フィラーを混入された接着層44が第2導体42を構成しているので、製造工程を減らすことができるほか、原料コストを抑えることが可能となる。
<<実施形態2−5>>
図26は、本実施形態の電子機器を模式的に示した断面図である。本実施形態の電子機器は、実施形態2−2の電子機器(図24参照)を基本とし、以下の点で異なる。すなわち、「実施形態2−2の電子機器の構造体40は接続部材43を設けてもよいし設けなくてもよいが、実施形態2−5の電子機器の構造体40は接続部材43を設けない点」、および、「接着層44に設けられるビア44Bの構成、および、第2導体42の形状が異なる点」で相違する。
図27に、第2導体42の平面形状の一例を模式的に示す。第2導体42は開口42Bを有する。この開口42Bは、周期性をもって配列されている複数の島状導体41のそれぞれと対向する位置に設けられる。また、この開口42Bの中には、一端が第2導体42と接続している配線42Aが設けられる。
図28に、第2導体42の平面形状の他の一例を模式的に示す。第2導体42は開口42Bを有する。この開口42Bは、島状導体41と対向する位置に設けられる。また、この開口42Bの中には、第2の島状導体42C、および、第2導体42と第2の島状導体42Cとを接続する配線42Aが設けられる。
ここで、実施形態2−5の電子機器の製造方法は、実施形態1で説明した電子機器の製造方法を基本とし、さらに、以下で説明するビア44Bの製造工程および第2導体42の製造工程を付与することで実現することができる。例えば、誘電体層45(図26参照)の一つの面に、第2導体42となる導体膜を所望の厚さよりも厚めに形成し、その後、この導体膜の表面に、フォトリソグラフィおよびエッチングにより、ビア44Bが構成されたパターンを形成する。その後、ビア44Bをマスクで覆った状態で、フォトリソグラフィおよびエッチングにより、図27または図28に示すようなパターン(第2導体42)を形成する。
次に、上述のような第2導体42と複数の島状導体41とからなるEBG構造体を模式的に示した斜視図を図29、30に示す。なお、図29のEBG構造体が有するEBG構造の等価回路図は、図16のEBG構造体が有するEBG構造の等価回路図(図18参照)において、キャパシタンスC、インダクタンスLの位置を適当な位置に変更したものである。また、図30のEBG構造の等価回路図は、図20のEBG構造の等価回路図(図21参照)において、キャパシタンスC、インダクタンスLの位置を適当な位置に変更したものである。よって、図29、30に示すEBG構造体についての詳細な説明は省略する。
次に、ビア44Bの構成について説明する。本実施形態において、第2導体42の形状は、上述のように、開口42Bを有し、また、開口42Bの中に、配線42A、または、配線42Aおよび第2の島状導体42Cを有する。これらの電気的関係を維持するため、接着層44は導電性を有さない接着剤で構成される。そして、この接着層44の中に設けられるビア44Bの位置は、第2導体42のみと接する位置にするのが望ましい。
本実施形態の電子機器は、接着層44を貫通しているビア44Bにより、第2導体42と放熱板30の第1の面32とが導通する。すなわち、放熱板30の第1の面32と、構造体40に備えられたEBG構造体とが導通する。
本実施形態の電子機器によれば、放熱板30(図26参照)の第1の面32の表面におけるノイズの伝播を抑制できる。また、隣り合う島状導体41どうしがキャパシタンスを構成することで、EBG構造体付近におけるノイズの伝播を抑制できる。すなわち、図1に示す基板10と放熱板30とに挟まれる空間内の、構造体40付近におけるノイズの伝播を抑制できる。その結果、放熱板30に伝わったノイズが周辺に放射され、例えば周辺電子機器の正常な動作の妨げになる等の悪影響が引き起こされるのを回避できる。
<実施形態3>
本実施形態の電子機器は、実施形態1または2を基本とし、以下の点で相違する。
図31に、本実施形態の電子機器の基板と電子部品とスペーサとを除いた構造を、図中下から上に向かって見た平面図の一例を示す。図31に示すように、本実施形態の放熱板30の第1の面32は、長さpの辺と長さqの辺(p≧q)とで構成される矩形である。また、放熱板30の第1の面32の少なくとも一部領域には、スペーサ(または電子部品)と接する領域31内から長さpの辺と平行な方向に伸びる直線と交わるように構造体40が設けられている。すなわち、EBG構造体が設けられている。そして、このEBG構造体が備えるEBG構造は、波長2pの電磁波をバンドギャップ帯域に含んでいる。
このような電子機器によれば、電子部品から領域31を介して放熱板30に伝わったノイズが、矩形の放熱板30の長手方向に伝播するのを、EBG構造体により抑制することが可能となる。その結果、放熱板30に伝わったノイズが周辺に放射され、例えば周辺電子機器の正常な動作の妨げになる等の悪影響が引き起こされるのを回避できる。
ここで、ノイズの半波長およびその整数倍と、放熱板30の一辺の長さと、が略同一になると、ノイズと放熱板30とが共振状態となり、極めて強いノイズが放射されることが知られている。これに対し、本実施形態の電子機器は、EBG構造体により、共振状態となりうるノイズ(波長2pの電磁波)の伝播を抑制するよう構成されている。
その結果、ノイズと放熱板30とが共振状態となった場合であっても、放熱板30から極めて強いノイズが放射されるのを抑制することが可能となる。
なお、図31に示した構造体40の位置、すなわちEBG構造体を設ける位置はあくまで一例であり、上記条件を満たせば、その他、例えば図32に示すような放熱板30の第1の面32の端部に設けてもよい。
ここで、波長2pの電磁波をバンドギャップ帯域に含むEBG構造体を構成する手段の例を説明する。例えば、図6に示すEBG構造体の場合、隣り合う二つの島状導体1と、各島状導体1それぞれに接続した二つの接続部材3と、この島状導体1と対向するシート状導体2とで構成されるEBG構造は、図33Aに示す等価回路図で示すことができる。このような等価回路図で示されるEBG構造のバンドギャップ帯域fは図33Bに示す式により算出することができる。この式に従い、EBG構造を構成するキャパシタンスCおよび/またはインダクタンスLを適当に調節することで、所望のf値を設定することができる。さらに具体的には、例えば隣り合う島状導体1間の距離を変更したり、島状導体1の大きさを変更したり、接続部材3の長さを変更したりすることで、キャパシタンスCおよび/またはインダクタンスLを適当に調節し、所望のf値を設定することができる。なお、その他のEBG構造を有するEBG構造体の場合も同様に、それぞれのEBG構造により定まるバンドギャップ帯域fを算出するための式に基づき、キャパシタンスCおよび/またはインダクタンスLを適当に調節することで、所望のf値を設定することができる。
<実施形態4>
本実施形態の電子機器は、実施形態1または2を基本とし、以下の点で相違する。
図34に、本実施形態の電子機器の基板と電子部品とスペーサとを除いた構造を、図中下から上に向かって見た平面図の一例を示す。図34に示すように、本実施形態の放熱板30の第1の面32は、長さpの辺と長さqの辺(p≧q)とで構成される矩形である。また、放熱板30の第1の面32の少なくとも一部領域には、スペーサ(または電子部品)と接する領域31内から長さqの辺と平行な方向に伸びる直線と交わるように構造体40が設けられている。すなわち、EBG構造体が設けられている。そして、このEBG構造体が備えるEBG構造は、波長2qの電磁波をバンドギャップ帯域に含んでいる。
このような電子機器によれば、電子部品から領域31を介して放熱板30に伝わったノイズが、矩形の放熱板30の短手方向に伝播するのを、EBG構造体により抑制することが可能となる。その結果、放熱板30に伝わったノイズが周辺に放射され、例えば周辺電子機器の正常な動作の妨げになる等の悪影響が引き起こされるのを回避できる。
また、ノイズの半波長およびその整数倍と、放熱板30の一辺の長さと、が略同一になると、ノイズと放熱板30とが共振状態となり、極めて強いノイズが放射されることが知られているが、本実施形態の電子機器は、EBG構造体により、共振状態となりうるノイズ(波長2qの電磁波)の伝播を抑制するよう構成されている。
その結果、ノイズと放熱板30とが共振状態となった場合であっても、放熱板30から極めて強いノイズが放射されるのを抑制することが可能となる。
なお、波長2qの電磁波をバンドギャップ帯域に含むEBG構造体を構成する手段は、実施形態3で説明した手段に準じて実現できるので、ここでの説明は省略する。
<実施形態5>
本実施形態の電子機器は、実施形態1または2を基本とし、以下の点で相違する。
図35に、本実施形態の電子機器の基板と電子部品とスペーサとを除いた構造を、図中下から上に向かって見た平面図の一例を示す。図35に示すように、本実施形態の放熱板30の第1の面32は、長さaの辺と長さbの辺(a>b)とで構成される矩形である。また、放熱板30の第1の面32の少なくとも一部領域には、スペーサ(または電子部品)と接する領域31内から長さaの辺と平行な方向に伸びる直線と交わるように第1の構造体40Aが設けられている。すなわち、第1のEBG構造体が設けられている。この第1のEBG構造体が備えるEBG構造は、波長2aの電磁波をバンドギャップ帯域に含んでいる。さらに、放熱板30の第1の面32の少なくとも一部領域には、スペーサ(または電子部品)と接する領域31内から長さbの辺と平行な方向に伸びる直線と交わるように第2の構造体40Bが設けられている。すなわち、第2のEBG構造体が設けられている。この第2のEBG構造体が備えるEBG構造は、波長2bの電磁波をバンドギャップ帯域に含んでいる。
このような電子機器によれば、電子部品から領域31を介して放熱板30に伝わったノイズが、矩形の放熱板30の辺方向に伝播するのを、EBG構造体により抑制することが可能となる。その結果、放熱板30に伝わったノイズが周辺に放射され、例えば周辺電子機器の正常な動作の妨げになる等の悪影響が引き起こされるのを回避できる。
また、ノイズの半波長およびその整数倍と、放熱板30の一辺の長さと、が略同一になると、ノイズと放熱板30とが共振状態となり、極めて強いノイズが放射されることが知られているが、本実施形態の電子機器は、EBG構造体により、共振状態となりうるノイズ(波長2aの電磁波および波長2bの電磁波)の伝播を抑制するよう構成されている。
その結果、ノイズと放熱板30とが共振状態となった場合であっても、放熱板30から極めて強いノイズが放射されるのを抑制することが可能となる。
なお、波長2aの電磁波をバンドギャップ帯域に含むEBG構造、および、波長2bの電磁波をバンドギャップ帯域に含むEBG構造を構成する手段は、実施形態3で説明した手段に準じて実現できるので、ここでの説明は省略する。
<実施形態6>
本実施形態の電子機器は、実施形態1または2を基本とし、以下の点で相違する。
図36に、本実施形態の電子機器の基板と電子部品とスペーサとを除いた構造を、図中下から上に向かって見た平面図の一例を示す。図36に示すように、本実施形態の放熱板30の第1の面32は、長さaの辺と長さbの辺(a>b)とで構成される矩形である。また、放熱板30の第1の面32の少なくとも一部領域には、スペーサ(または電子部品)と接する領域31内から長さaの辺または長さbの辺と平行な方向に伸びる直線と交わるように構造体40が設けられている。すなわち、EBG構造体が設けられている。
このEBG構造体は、少なくとも2種類のEBG構造を備える。種類が異なるEBG構造とは、等価回路および/またはバンドギャップ帯が異なるEBG構造を意味する。そして、各種EBG構造の単位セルは周期的に配列されている。例えば、図37に示すように、第1のEBG構造の単位セルと第2のEBG構造の単位セルとが交互に配列されることで、市松模様を構成してもよい。または、図38に示すように、第1のEBG構造の単位セルが周期的に配列した領域と、第2のEBG構造の単位セルが周期的に配列した領域と、が並列的に配列されてもよい。かかる場合、図38に示すように、さらに、第3のEBG構造の単位セルが周期的に配列した領域が、並列的に配列していてもよい。また、さらに、第4のEBG構造の単位セルが周期的に配列した領域が、並列的に配列していてもよい(図示せず)。この第1のEBG構造は、波長2aの電磁波をバンドギャップ帯域に含んでいる。第2のEBG構造は、波長2bの電磁波をバンドギャップに含んでいる。第3のEBG構造および第4のEBG構造は、波長2aの整数倍または波長2bの整数倍の電磁波をバンドギャップに含んでもよい。
このような電子機器によれば、電子部品から領域31を介して放熱板30に伝わったノイズが、矩形の放熱板30の辺方向に伝播するのを、EBG構造体により抑制することが可能となる。その結果、放熱板30に伝わったノイズが周辺に放射され、例えば周辺電子機器の正常な動作の妨げになる等の悪影響が引き起こされるのを回避できる。
また、ノイズの半波長およびその整数倍と、放熱板30の一辺の長さと、が略同一になると、ノイズと放熱板30とが共振状態となり、極めて強いノイズが放射されることが知られているが、本実施形態の電子機器は、EBG構造体により、共振状態となりうるノイズ(波長2aの電磁波、および、波長2bの電磁波、および、波長が2a、2bの整数倍である電磁波)の伝播を抑制するよう構成されている。
その結果、ノイズと放熱板30とが共振状態となった場合であっても、放熱板30から極めて強いノイズが放射されるのを抑制することが可能となる。
さらに、本実施形態によれば、一種類の構造体40を用意するだけで、矩形の放熱板30の長手方向および短手方向の両方向のノイズの伝播、および共振状態となるノイズの伝播を抑制することができる。かかる場合、構造体40の在庫管理が容易になったり、製造工程の簡略化などの効果を実現することができる。
なお、波長2aの電磁波をバンドギャップ帯域に含むEBG構造、および、波長2bの電磁波をバンドギャップ帯域に含むEBG構造を構成する手段は、実施形態3で説明した手段に準じて実現できるので、ここでの説明は省略する。
<実施例>
以下、本実施形態の電子機器のシミュレーション結果を示す。
<<サンプル>>
図39にシミュレーションに用いたサンプルを示す。図39は、透過図となっている。
「サンプル1(図39(a))」
基板10の略中央にノイズ源となる信号パターン(電子部品20)を設けた2層基板構造。
「サンプル2(図39(b))」
サンプル1の構造を基本とし、さらに、信号パターン(電子部品20)の上にスペーサ50を介して放熱板30を設けた構造。放熱板30の寸法は、150mm×30mm。
「サンプル3(図39(c))」
サンプル2の構造を基本とし、放熱板30の電子部品20と対向する面に構造体40、すなわちEBG構造体を設けた構造。構造体40は、図23に示す構造で、単位セル(図中、直方体で示す)を4行×8列×2領域で配列。島状導体41(図23参照)は6mm角であり、2mmピッチで周期的に配列。このEBG構造体は、伝播を抑制する周波数帯域fが「1GHz」付近に設定(C=0.053pF、L=54.2nH)。この周波数は、放熱板30の長手方向の長さ(150mm)が半波長となる電磁波の周波数、すなわち波長300mmの電磁波の周波数に相当。
<<シミュレーション内容>>
各サンプルの位置から3m離れた位置における電界強度を求めた。3m離れた位置は、典型的な住宅環境でのEMI規格限度値に規定された距離である。
<<結果>>
シミュレーション結果を図40に示す。図40は、横軸に周波数(MHz)、縦軸に電界強度偏差(dB)をとったグラフである。電界強度偏差(dB)は、サンプル1の電界強度を0dBとして算出した。
サンプル1乃至3を比較すると、サンプル1に比べて、サンプル2、3の電界が変動していることがわかる。これは、放熱板30を介して電磁波が放射されているためと考えられる。すなわち、放熱板30を設けると、電子機器周辺の電界が変動することがわかる。
また、サンプル2と3を比較すると、サンプル3はサンプル2に比べて、広い周波数帯域において、周辺の電界強度が低減していることがわかる。すなわち、構造体40を放熱板30の電子部品20と対向する面に設けたサンプル3は、構造体40を備えないサンプル2に比べて、周辺への電磁波の放射を抑制されていることがわかる。
さらに、1GHz付近(1GHz〜1.2GHz付近)のサンプル2と3を比較すると、サンプル3はサンプル2に比べて、電界強度が大きく低減していることがわかる。具体的には、1.1GHzにおいて、電界強度が約18dB低減している。すなわち、サンプル2は、ノイズの半波長と、放熱板30の一辺の長さとが略同一になることで、ノイズと放熱板30とが共振状態となり、極めて強いノイズを放射している。これに対し、構造体40を放熱板30の電子部品20と対向する面に設けたサンプル3は、ノイズと放熱板30とが共振状態となっても、強いノイズの放射を抑制されていることがわかる。
この出願は、2009年12月8日に出願された日本特許出願特願2009−278872号を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。