JP2003297638A - コイル部品 - Google Patents

コイル部品

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JP2003297638A
JP2003297638A JP2002100971A JP2002100971A JP2003297638A JP 2003297638 A JP2003297638 A JP 2003297638A JP 2002100971 A JP2002100971 A JP 2002100971A JP 2002100971 A JP2002100971 A JP 2002100971A JP 2003297638 A JP2003297638 A JP 2003297638A
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coil component
insulating layer
layer
insulating
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JP2002100971A
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English (en)
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Akihiko Ibata
昭彦 井端
Michihisa Oba
美智央 大庭
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Publication date
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  • Coils Or Transformers For Communication (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明はコイル部品に関し、特に小型化が容
易で、優れた特性のコイル部品を提供することを目的と
する。 【解決手段】 支持体1の少なくとも一部の表面に導体
層2および絶縁層3を有し、絶縁層3は導体を絶縁化し
てなる導体絶縁化層としたコイル部品である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は各種電子機器、通信
機器などに利用されるコイル部品に関するものである。
【0002】
【従来の技術】コイル部品は各種電子機器、通信機器な
どに多用されており、近年は小型あるいは薄型、さらに
は多機能なコイル部品がますます要求されており、しか
も、回路の高周波化、高速信号化やデジタル化に伴って
ノイズ対策部品としてのコイル部品もますます重要にな
ってきている。
【0003】従来これらの要望を満たすコイル部品とし
ては、ガラスセラミック材料あるいはフェライト磁性材
料からなる素体内に螺旋状や直線状のコイル導体を埋設
したコイル部品やガラスセラミック材料あるいはフェラ
イト磁性材料からなる基板上にスパイラル状のコイル導
体を有したコイル部品などが提案されている。さらに、
ガラスセラミック材料あるいはフェライト磁性材料から
なる素体の表面に螺旋状のコイル導体を設けたコイル部
品なども提案されている。
【0004】以上のコイル部品を実現するための製造方
法としては、フェライト磁性層とコイル用導体層を交互
に積層して得る方法や、フェライト磁性層にコイル用導
体層を形成しこれらを積層する方法、さらには支持体に
導体層を形成し螺旋状に切断してコイル部品を得る方法
など種々提案されている。
【0005】支持体としてフェライトコアを用い、この
フェライトコアの表面に螺旋状導体層を形成してコイル
部品を得る方法としては、フェライトにガラスを添加し
て形成したフェライトコアを用いる方法や、フェライト
コア上にガラス層を形成し、さらに導体層を形成する方
法などが提案されている。特に、フェライトコアの表面
に螺旋状導体層を形成してコイルを形成する方法では、
フェライトコアの材質を特定のものにしたり、下地層を
特定のものにしたりする必要があった。
【0006】さらに、支持体として板状のセラミック基
板を用い、これに例えばつづら折れ状やスパイラル状の
コイルパターンを形成する方法では、第1にセラミック
基板に全面被覆パターンの導体層を形成し、第2につづ
ら折れ、スパイラル、櫛形のパターンの逆パターンを絶
縁体層で形成し(つづら折れ、スパイラル、櫛形のパタ
ーンの空隙部を形成した絶縁体層を形成し)、第3に導
体層上にさらに導体を形成し、第4に絶縁体層を除去
し、第5に全面被覆パターンの少なくとも絶縁体層と同
パターンの部分の導体を除去し、そして所望の導体パタ
ーンをセラミック基板上に形成する必要があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記構成によれば、支
持体としてフェライトコアを用いつつ、この表面に螺旋
状導体層を形成してコイル部品を得る方法としては、フ
ェライトにガラスを添加して形成したフェライトコアを
用いる方法や、フェライトコア上にガラス層を形成しさ
らに導体層を形成する方法などがあるが、フェライトコ
アの材質に起因して下地層として特定のものを形成しな
ければならないという問題点を有していた。
【0008】さらに、支持体として板状のセラミック基
板を用いつつ、このセラミック基板上に所望のコイルパ
ターンを形成するためには、セラミック基板上に形成し
た全面被覆パターンの導体を削除して所望のコイルパタ
ーンを形成しなければならないという問題点も有してい
た。
【0009】本発明は上記問題点を解決し、支持体とし
て特定の材質や形状のものを用いても特定の下地層を形
成したり、全面被覆パターンの導体を除去したりするこ
となく、所望のコイルパターンを形成したコイル部品を
提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するた
めに本発明は、以下の構成を有する。
【0011】本発明の請求項1に記載の発明は、絶縁層
は導体を絶縁化した導体絶縁化層を有する構成である。
上記構成により、支持体の表面に螺旋状導体を有する優
れたコイル部品を得ることができる。そして、支持体と
して特定の材質や形状のものを用いても特定の下地層を
形成したり、全面被覆パターンの導体を削除したりする
ことなく、所望のコイルパターンを形成したコイル部品
を容易に得ることができる。
【0012】本発明の請求項2に記載の発明は、請求項
1に記載の発明において、特に、支持体をセラミック材
料にした構成である。上記構成により、支持体の耐熱性
や機械的強度は優れたものになる。
【0013】本発明の請求項3に記載の発明は、請求項
1に記載の発明において、特に、支持体をガラス材料に
した構成である。上記構成により、支持体の耐熱性や機
械的強度さらには表面平滑性の優れたものになる。
【0014】本発明の請求項4に記載の発明は、請求項
1に記載の発明において、特に、支持体をフェライト磁
性材料にした構成である。上記構成により、支持体が磁
性を有するため電気特性が優れたものになる。
【0015】本発明の請求項5に記載の発明は、請求項
1に記載の発明において、特に、支持体をガラスとセラ
ミックの混合体にした構成である。上記構成により、支
持体の耐熱性、機械的強度が優れ、さらに支持体の形成
が容易な構成となる。
【0016】本発明の請求項6に記載の発明は、請求項
1に記載の発明において、特に、支持体をAl23を含
有した絶縁材料とした構成である。上記構成により、支
持体の耐熱性、機械的強度が優れ、さらには安価な構成
となる。
【0017】本発明の請求項7に記載の発明は、請求項
1に記載の発明において、特に、支持体を有機材料とし
た構成である。上記構成により、支持体の軽量化や薄型
化が容易な構成となる。
【0018】本発明の請求項8に記載の発明は、請求項
1に記載の発明において、特に、支持体を金属材料とし
た構成である。上記構成により、支持体の耐熱性や機械
的強度が優れ、さらに絶縁層の形成が容易な構成とな
る。また、磁性を有する場合は、さらに優れた電気特性
となる。
【0019】本発明の請求項9に記載の発明は、請求項
8に記載の発明において、特に、絶縁層を金属材料から
なる支持体の少なくとも一部表面を絶縁化した導体絶縁
化層とした構成である。上記構成により、絶縁層の形成
が容易で単純な構成となる。
【0020】本発明の請求項10に記載の発明は、請求
項1に記載の発明において、特に、絶縁層を導体層の一
部を絶縁化した導体絶縁化層とした構成である。つま
り、導体絶縁化層には絶縁化していない導体を残した構
成である。上記構成により、絶縁層の形成が容易で、か
つ導体抵抗の低減が可能な構成となる。
【0021】本発明の請求項11に記載の発明は、請求
項1に記載の発明において、特に、絶縁層を導体を絶縁
化した絶縁体であり、かつ誘電体材料からなるもので構
成したものである。上記構成により、誘電体特性も併せ
持たせることが容易な構成となり、コンデンサの形成も
可能となる。
【0022】本発明の請求項12に記載の発明は、請求
項1に記載の発明において、特に、絶縁層を導体を絶縁
化した絶縁体であり、かつ磁性材料からなるもので構成
したものである。上記構成により、電磁気特性の優れた
構成となる。
【0023】本発明の請求項13に記載の発明は、請求
項1に記載の発明において、特に、絶縁層を導体を絶縁
化した絶縁体であり、かつ抵抗材料からなるもので構成
したものである。上記構成により、等価回路的には複合
化した電気特性を有する構成となる。
【0024】本発明の請求項14に記載の発明は、請求
項1に記載の発明において、特に、導体層の一部を外部
電極とした構成である。上記構成により、接続信頼性の
優れた構成となる。
【0025】本発明の請求項15に記載の発明は、請求
項1に記載の発明において、特に、導体層の一部の表面
を外装材で覆った構成である。上記構成により絶縁性の
優れた構成となる。
【0026】本発明の請求項16に記載の発明は、請求
項15に記載の発明において、特に、外装材を導体を絶
縁化した導体絶縁化層とした構成である。上記構成によ
り、厚みなどの均一性の優れた構成となる。
【0027】本発明の請求項17に記載の発明は、請求
項16に記載の発明において、特に、外装材の少なくと
も一部の表面をさらに第2外装材で覆った構成である。
上記構成により、絶縁性の優れた構成となる。
【0028】本発明の請求項18に記載の発明は、請求
項15に記載の発明において、特に、外装材をガラスと
セラミックの混合体とした構成であり、上記構成によ
り、絶縁性と機械的強度の優れた構成となる。
【0029】本発明の請求項19に記載の発明は、請求
項15に記載の発明において、特に、外装材をフェライ
ト磁性材料とした構成である。上記構成により、電気特
性や磁気シールド性の優れた構成となる。
【0030】本発明の請求項20に記載の発明は、請求
項15に記載の発明において、特に、外装材を有機材料
と無機材料の混合体とした構成である。上記構成によ
り、被覆性や機械的強度の優れた構成となる。
【0031】本発明の請求項21に記載の発明は、請求
項1に記載の発明において、特に、絶縁層をCu系金属
を絶縁化した絶縁化Cu系金属層とするとともに、導体
層をCu系金属からなるCu系金属層とした構成であ
る。上記構成により、絶縁層の形成が容易でしかも安価
な構成となる。
【0032】本発明の請求項22に記載の発明は、請求
項1に記載の発明において、特に、絶縁層をNi系金属
を絶縁化した絶縁化Ni系金属層とするとともに、導体
層をNi系金属からなるNi系金属層とした構成であ
る。上記構成により、導体層の維持が容易でしかも安価
な構成となる。
【0033】
【発明の実施の形態】以下、図1および図2を用いて、
本発明のコイル部品について図面を参照しながら説明す
る。図1および図2は本発明の一実施の形態を示す代表
的な2つの例を示したものである。図1は本発明の一実
施の形態におけるコイル部品を示し、図1(a)は外観
斜視図を示し、図1(b)は同コイル部品の断面図であ
る。同様に、図2は別の本発明の一実施の形態における
コイル部品を示し、図2(a)は外観斜視図を示し、図
2(b)は同コイル部品の断面図である。
【0034】図1(a)、(b)に示すように本発明の
コイル部品は、支持体1の少なくとも一部の表面に導体
層2および導体を絶縁化してなる導体絶縁化層からなる
絶縁層3を設けた構造である。さらに、導体層2の螺旋
状の部分はコイル部4である。図1(b)の例ではコイ
ル部4において、絶縁層3の層も螺旋状化している。
【0035】同様に、図2(a)、(b)に示した本発
明のコイル部品は、支持体1の1つの表面に導体を絶縁
化した導体絶縁化層を有する絶縁層3およびスパイラル
状の導体層2を備えた構造である。この絶縁層3も導体
を絶縁化した導体絶縁化層である。図2において、7は
導体層2および絶縁層3上に形成した第2絶縁層であ
り、9は第2絶縁層7上に形成した引出電極、10は第
2絶縁層7および引出電極9上に形成した第3絶縁層で
ある。導体層2のほぼ中央部に位置する端部は第2絶縁
層7に存在する開口部8を通じて引出電極9と接続して
おり、導体層2の他の端部と引出電極9の他の端部はそ
れぞれ外部電極6と接続されている。
【0036】次に、図3(a)〜(e)を用いて図1に
示したコイル部品の製造方法について説明する。
【0037】まず、図3(a)に示すように、直方体状
の支持体1を形成する。次に、図3(b)に示すよう
に、支持体1の全面に導体層2を形成する。さらに、図
3(c)に示すように、導体層2の一部を絶縁化して絶
縁層3を螺旋状に形成する。絶縁層3を形成することに
よって導体層2の一部は螺旋状になり、これがコイル部
4を構成する。次に、必要に応じて、図3(d)に示す
ように、コイル部4の表面に外装材5を形成する。さら
に、図3(e)に示すように、導体層2の表面で外装材
5を形成していない露出している部分に、外部電極6を
形成する。
【0038】以上の方法によって、図4に示すような本
発明のコイル部品を得ることができる。
【0039】以上の方法で得られた本発明のコイル部品
の断面は、図3(e)に示すように、支持体1の表面に
導体を絶縁化してなる導体絶縁化層からなる絶縁層3お
よび導体層2を有し、導体層2の螺旋状のコイル部4は
外装材5で覆われ、外装材5で覆われていない導体層2
の部分には外部電極6が形成されている。導体を絶縁化
した導体絶縁化層からなる絶縁層3を得るには、局部的
な加熱処理以外に、マスキングを行って、液中や気体中
で化学的に反応させて酸化絶縁化処理するなどの方法で
もよい。
【0040】なお、外部電極6は一般に知られるようニ
ッケル電極層とはんだ電極層ないしは錫電極層などの複
層構造が一般的であり、形成方法はめっき法での形成が
通常一般的に多用されている。外装材5を形成した場合
は、このめっき法による外部電極6の形成が有利である
が、他の方法として、電極ペーストの塗布や蒸着、スパ
ッタあるいはイオンプレーティングなどの乾式による電
極形成法などがある。
【0041】支持体1を得る方法としては、粉体成型法
による方法やセラミックグリーンシートあるいは積層し
たものを切断して形成する方法などが一般的である。支
持体1を形成するためのペーストないしスラリーは、各
粉末とブチルカルビトール、テルピネオール、アルコー
ルなどの溶剤、エチルセルロース、ポリビニルブチラー
ル、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキサイド、
エチレン−酢酸ビニルなどの結合剤、さらに、各種の酸
化物あるいはガラス類などの焼結助剤を添加し、ブチル
ベンジルフタレート、ジブチルフタレート、グリセリン
などの可塑剤あるいはさらに分散剤等を添加してもよ
い。
【0042】これらを混合した混練物を用いて各層を形
成する。グリーンシートを作製する場合のスラリーとし
ては、前記の溶剤に代えて蒸発性の優れた各種の溶剤、
例えば酢酸ブチル、メチルエチルケトン、トルエン、ア
ルコールなどが望ましい。支持体1を形成するときの焼
成温度範囲としては約800℃から1600℃の範囲で
ある。
【0043】導体層2を形成する方法としては、各種の
めっき(単一金属めっき、合金めっき、複合めっきある
いは分散めっきなど)、蒸着、スパッタ、イオンプレー
ティング、塗布、転写、印刷、ディッピング、溶射、吹
き付け、描画などで形成し、螺旋状へのパターンニング
にはカット、マスキング、エッチングなどを用いて行う
ことができる。
【0044】導体層2の少なくとも一部をコイル部4と
して螺旋状にする方法、つまり絶縁層3を形成する方法
にはレーザーを用いた局部的な加熱以外に、導体層2の
表面に導体のまま残したい部分をマスキングし、液体中
や気体中で酸化、絶縁化処理を行う方法などがある。
【0045】導体層2の螺旋状に加工したコイル部4を
覆うように外装材5を設けることにより、螺旋状のコイ
ル部4の保護や絶縁さらには電気特性の改善も可能にな
る。外装材5を樹脂とした場合、この樹脂にセラミック
粉末を含有させると外装材5の強度は向上する。また、
セラミック粉末を磁性粉末にすれば、磁気シールド性や
電気特性の向上が可能になる。当然、樹脂系の外装材5
を用いて外装材5を形成した後、熱処理を行う場合は熱
処理温度の限界温度はその耐熱温度となる。外装材5を
形成した後熱処理する方法では、例えば支持体1にフェ
ライト磁性体を用い、外装材5にもフェライト磁性体を
用いることで、熱処理と外装材5の焼結も兼ねることが
でき、外装材5の形成後は磁気回路的には閉磁路構成と
なり、優れた電気特性のコイル部品を得ることができ
る。しかも、この場合は、磁気シールド性もさらに向上
する。また、絶縁層3を非磁性体とすると磁束の流れを
コントロールしたり、磁気ギャップ層として活用し、直
流重畳特性の制御も可能になる。
【0046】支持体1や外装材5は、非磁性体であって
も磁性体であってもいずれでもよい。必要なコイル部品
の特性を確保するために適宜選択すればよい。当然のこ
とながら、導体層2と直接接触する部分は絶縁性が要求
される。非磁性体としては、エポキシ、ポリイミドなど
の有機系の絶縁材料、各種のガラス材料、さらにはガラ
スとセラミックを混合したガラスセラミックス、CuZ
n系フェライトあるいはアルミナに代表されるようなセ
ラミックなどの無機系の絶縁材料などがある。磁性体と
しては、NiZn系やNiZnCu系、MnZn系など
のスピネル系や六方晶系などのフェライト材料などがあ
る。金属系としてはFe系、Co基やセンダストやパー
マロイなどがある。
【0047】支持体1や外装材5を誘電率の低いもので
構成することによって、コイル間の浮遊容量を低減する
ことができ、コイルの自己共振周波数を高めることやコ
イルの高周波特性を改善することが可能になる。
【0048】導体層2および絶縁層3の材料としては、
ニッケルや銅などが一般的で望ましい。これらはめっき
法で形成する方法が十分に確立されている。絶縁層3の
材料としてニッケルを用いた場合、例えば大気中の高温
処理で導体を絶縁化した導体絶縁化層を形成すると、導
体の一部が残る場合がある。そのため、ニッケル層を薄
くしたりする必要がある。
【0049】外部電極6としては前述したように導電性
材料であればよいが、一般的には単一層でなく複数層か
ら構成されることが望ましい。表面実装用とした場合に
はプリント配線板への実装時の実装強度あるいは実装時
の半田の濡れ性、半田くわれなどを配慮する必要があ
り、具体的には最下層は導体層2と同じ導体材料を用
い、中間層には半田くわれを防止するニッケル電極を用
い、最外層には半田に対して濡れ性の良い半田電極ある
いは錫電極などを用いる。
【0050】しかしながら、これは一例であり、必ずし
もこの構成を採用する必要はなく、金属等の導電性に優
れた材料以外に導電性樹脂材料、銀と白金の合金や銀と
パラジウムの合金などでもよい。
【0051】導体層2と外部電極6の一部の層を一体に
することによって、導体層2と外部電極6との接続信頼
性を優れたものにすることができる。
【0052】例えば、図3(a)から図3(e)を用い
て示した方法のように、支持体1の表面全面に形成する
導体層2を連続的な銅で構成する。外部電極6は銅を下
地にして、さらにニッケルと錫の積層構造とすることに
よって、接続信頼性を高めるとともに、チップ部品とし
ての実装性も優れたコイル部品になる。
【0053】また、アルミナやフェライトなどのセラミ
ック基板に所定の配線パターンを形成し、セラミック基
板に窓を設けてコイル部品を挿入し、配線パターンとコ
イル部品の外部電極6を接続させ、厚膜形成プロセスを
用いて焼成して電気的に結線してもよい。
【0054】外部電極6は外装材5を形成した後形成す
るか、または導体層2のコイル部4にマスキングを施
し、露出した部分にニッケルめっきおよび半田めっきあ
るいは錫めっきを行う方法もあるが、前述したように外
装材5をマスキングに使うのが望ましい。
【0055】次に、図2に示した本発明の代表的な別の
コイル部品を得る代表的な方法について、図5(a)〜
(g)、図6を用いて説明する。図5(a)〜(g)は
コイル部品の製造プロセスの断面図を示し、図6は同コ
イル部品の外観斜視図である。
【0056】この方法では、支持体1の1つの面にスパ
イラル状の導体層2を有し、さらにスパイラル状の導体
層2の中央から開口部8を介して引出電極9で部品端部
に位置する外部電極6に接続してなるコイル部品であ
る。
【0057】代表的な製造方法は以下の通りである。
【0058】まず、図5(a)に示したように支持体1
を形成する。次に、図5(b)に示したように支持体1
の表面に導体層2を形成する。さらに、図5(c)に示
すように導体層2の一部を絶縁化して絶縁層3を形成す
る。次に、図5(d)に示すように導体層2および絶縁
層3上に第2絶縁層7を形成する。さらに、図5(e)
に示すように第2絶縁層7のほぼ中央部に位置する導体
層2と引出電極9との結線用の開口部8を形成する。次
に、図5(f)に示すように第2絶縁層7上に引出電極
9を形成する。そして、図5(g)に示したように第3
絶縁層10を形成して引出電極9を覆い絶縁コートす
る。一般には図6に示したコイル部品を縦横に多数個を
並べた一括の面形成で行うため、図6に示したような1
つのコイル部品に個片化した後、端面に外部電極6を形
成することによって、図6に示したようなコイル部品を
得ることができる。
【0059】本発明のコイル部品は、図1や図2に示し
たように、支持体1上に導体を絶縁化してなる導体絶縁
化層からなる絶縁層3および導体層2を有する構成であ
る。そして代表的な構成としては絶縁層3は酸化銅や酸
化ニッケルからなり、導体層2は銅やニッケル電極で構
成するのが容易に実現できる構成である。この導体層2
をさらに絶縁層3と導体層2の交互の積層構造にするこ
とによって、導体としての高周波域における表皮効果に
よる抵抗の増大を低減することが可能になる。この場合
もプロセス的には例えば、ニッケルめっきと銅めっきを
交互に繰り返して、酸化のしやすさの差を利用して多層
化した導体層2を得ることが可能な構成となる。このよ
うに、導体を絶縁化した導体絶縁化層からなる絶縁層3
を適宜設けることによって、支持体1の絶縁性を不要に
したり、あるいはコイル部品の形成時の途中プロセスの
電極として活用したり、磁気回路上の磁気ギャップ層に
利用したり、さらには前記の多層導体実現のための絶縁
層3に利用したりなど様々な働きで、導体を絶縁化した
導体絶縁化層を有する絶縁層3を活用できる。
【0060】以上の例で説明した通り、支持体1の表面
に導体層2を形成した後、導体層2の一部を絶縁化して
絶縁層3を形成することによって、従来知られるような
支持体1を特定のものにすることや導体層2下に特定の
絶縁層を用いる必要はなく、あるいは別途導体層を除去
することも必要なく、所望の導体パターンを有するコイ
ル部品を容易に得ることができる構成である。さらに開
磁路回路や閉磁路回路の構成も容易な構成となる。
【0061】上記実施の形態においては、面実装タイプ
として両端等に外部電極6を設けたものについてのみ説
明してきたが、支持体1にピン端子を埋設したものや、
外部電極6の代りに端子を有するキャップ状電極を支持
体1の両端に嵌合結合したリードタイプのコイル部品と
することも容易にできる。
【0062】次に本発明の更に具体的なコイル部品の製
造方法における実施例について説明する。
【0063】(実施例1)NiZnCuフェライト粉末
100gに対してブチラール樹脂が8g、ブチルベンジ
ルフタレートが4g、メチルエチルケトンが24gおよ
び酢酸ブチル24gを混合し、ポットミルを用いて混練
して磁性体スラリーを作製する。
【0064】このスラリーを使い、コータを用いて乾燥
後厚み0.2mmの磁性体グリーンシートを作製する。
なおグリーンシートはPETフィルム上に形成する。
【0065】絶縁体グリーンシートを用いて、図3
(a)に示すような形状の支持体1になるように成型お
よび切断加工するとともに、プレス成型は室温で行い、
成型圧力は1000kgf/cm2としている。
【0066】この成型によって作製した支持体1を90
0℃で2時間保持する条件で焼成する。
【0067】焼成した支持体1の全面には湿式めっき法
で、導体層2として銅電極を形成する。さらに図3
(c)に示すような螺旋状の絶縁層3を形成する。な
お、絶縁層3の形成にはYAGレーザーを用いている。
【0068】以上の方法で得られたコイル部品には剥
離、割れ、反りなどの欠陥を生じない。また、インピー
ダンスアナライザを用いて、コイル特性を測定しても、
優れた特性を有するものである。
【0069】(実施例2)NiZnCu系フェライト粉
末とエポキシ樹脂を混合し、3本ロールを用いて混練し
てフェライト樹脂ペーストを作製する。
【0070】実施例1で作製した図1に示したようなコ
イル部4を形成した部分に外装材5としてこのフェライ
ト樹脂ペーストを塗布し、乾燥する。
【0071】以上の方法で作製したコイル部品には剥
離、割れ、反りなどの欠陥は生じない。また、インピー
ダンスアナライザなどを用いて、実施例1と同様に各種
の電気特性を測定しても、優れた特性を有するものであ
る。
【0072】(実施例3)NiZnCuフェライト粉末
100gに対してブチラール樹脂が6g、ブチルベンジ
ルフタレートが4g、メチルエチルケトンが24gおよ
び酢酸ブチル24gを混合し、ポットミルを用いて混練
して磁性体スラリーを作製する。
【0073】このスラリーを使い、コータを用いて乾燥
後厚み0.2mmの磁性体グリーンシートを作製した。
なおグリーンシートはPETフィルム上に形成する。
【0074】絶縁体グリーンシートを用いて、基板状の
支持体1になるようにプレス成型加工した。プレス成型
は室温で行い成型圧力は1000kgf/cm2で行
う。
【0075】この成型によって作製した支持体1を90
0℃で2時間保持する条件で焼成する。なお、焼成後の
支持体1は図5(a)に示すような板状で、厚みが0.
8mmとしている。
【0076】焼成した支持体1に図5(b)に示すよう
に湿式めっき法で、導体層2として銅電極を形成し、図
5(c)に示すようにYAGレーザーを照射して、絶縁
層3を形成する。次に、図5(d)に示すように導体層
2および絶縁層3上にエポキシ樹脂をコートした後、乾
燥硬化して第2絶縁層7を形成する。次に、図5(e)
に示したように第2絶縁層に開口部8を設ける。さら
に、図5(f)に示すように開口部8を介して結線し、
電極を引き出すための引出電極9を形成する。次に、図
5(g)に示すようにこれらを覆うように第3絶縁層1
0を形成して図2に示すようなコイル部品を得る。
【0077】以上の方法で得られたコイル部品には、剥
離、割れ、反りなどの欠陥は認められない。また、イン
ピーダンスアナライザを用いてコイル特性を測定しても
優れた特性を有するものである。
【0078】このように、エッチングなどで導体層を削
除しなくても所望のコイルパターンを有するコイル部品
を得ることもできる。
【0079】(実施例4)実施例3と同様に厚さ0.8
mmのアルミナ基板を支持体1にして、この支持体1に
図5(b)に示すように湿式めっき法で導体層2として
銅電極を形成し、図5(c)に示すように実施例3と同
様に絶縁層3を形成した。さらに、図5(d)に示すよ
うに第2絶縁層7を形成する。次に、図5(e)に示し
たように第2絶縁層に開口部8を形成する。さらに、図
5(f)および(g)に示すように開口部8を介して結
線し、電極を引き出すための引出電極9を形成した後、
さらに、これらを覆うように第3絶縁層10を形成して
図2に示すようなコイル部品を得る。
【0080】以上の方法で得られたコイル部品には剥
離、割れ、反りなどの欠陥は認められなかった。また、
インピーダンスアナライザを用いてコイル特性を測定し
ても優れた特性を有するものである。
【0081】このように、エッチングなどで導体層を削
除しなくても所望のコイルパターンを有するコイル部品
を得ることもできる。
【0082】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、絶縁層は
導体を絶縁化した導体絶縁化層としているので、支持体
の表面に螺旋状導体を有する優れたコイル部品を得るこ
とができる。そして、支持体として特定の材質や形状の
ものを用いても特定の下地層を形成したり、全面被覆パ
ターンの導体を削除したりすることなく、所望のコイル
パターンを形成したコイル部品を提供することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)本発明の一実施の形態におけるコイル部
品の斜視図 (b)同断面図
【図2】(a)本発明の一実施の形態におけるコイル部
品の斜視図 (b)同断面図
【図3】(a)〜(e)本発明の一実施の形態における
コイル部品の製造方法を示す断面図
【図4】同コイル部品の斜視図
【図5】(a)〜(g)本発明の一実施の形態における
他のコイル部品の製造方法を示す断面図
【図6】同コイル部品の斜視図
【符号の説明】
1 支持体 2 導体層 3 絶縁層 4 コイル部 5 外装材 6 外部電極 7 第2絶縁層 8 開口部 9 引出電極 10 第3絶縁層

Claims (22)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上の少なくとも一部の表面上に絶
    縁層および導体層を有し、前記導体層の少なくとも一部
    はコイル部を構成し、さらに前記絶縁層は導体を絶縁化
    した導体絶縁化層からなるコイル部品。
  2. 【請求項2】 支持体はセラミック材料からなる請求項
    1に記載のコイル部品。
  3. 【請求項3】 支持体はガラス材料からなる請求項1に
    記載のコイル部品。
  4. 【請求項4】 支持体はフェライト磁性材料からなる請
    求項1に記載のコイル部品。
  5. 【請求項5】 支持体はガラスとセラミックの混合体か
    らなる請求項1に記載のコイル部品。
  6. 【請求項6】 支持体はAl23を含有した絶縁材料か
    らなる請求項1に記載のコイル部品。
  7. 【請求項7】 支持体は有機材料からなる請求項1に記
    載のコイル部品。
  8. 【請求項8】 支持体は金属材料からなる請求項1に記
    載のコイル部品。
  9. 【請求項9】 絶縁層は金属材料からなる支持体の少な
    くとも一部の表面を絶縁化した導体絶縁化層からなる請
    求項8に記載のコイル部品。
  10. 【請求項10】 絶縁層は導体層の一部分を絶縁化した
    導体絶縁化層からなる請求項1に記載のコイル部品。
  11. 【請求項11】 絶縁層は導体を絶縁化した導体絶縁化
    層であり、かつ誘電体材料となるもので構成した請求項
    1に記載のコイル部品。
  12. 【請求項12】 絶縁層は導体を絶縁化した導体絶縁化
    層であり、かつ磁性材料となるもので構成した請求項1
    に記載のコイル部品。
  13. 【請求項13】 絶縁層は導体を絶縁化した導体絶縁化
    層であり、かつ抵抗材料となるもので構成した請求項1
    に記載のコイル部品。
  14. 【請求項14】 導体層の一部を外部電極部とした請求
    項1に記載のコイル部品。
  15. 【請求項15】 導体層の少なくとも一部の表面は外装
    材で覆った請求項1に記載のコイル部品。
  16. 【請求項16】 外装材を導体を絶縁化した導体絶縁化
    層で構成した請求項15に記載のコイル部品。
  17. 【請求項17】 導体を絶縁化した導体絶縁化層からな
    る外装材の少なくとも一部の表面は第2外装材で覆った
    請求項16に記載のコイル部品。
  18. 【請求項18】 外装材をガラスとセラミックの混合体
    とした請求項15に記載のコイル部品。
  19. 【請求項19】 外装材をフェライト磁性材料とした請
    求項15に記載のコイル部品。
  20. 【請求項20】 外装材を有機材料と無機材料の混合体
    とした請求項15に記載のコイル部品。
  21. 【請求項21】 導体層をCu系金属とするとともに、
    絶縁層をCu系金属を絶縁化した絶縁化金属層とした請
    求項1に記載のコイル部品。
  22. 【請求項22】 導体層をNi系金属とするとともに、
    絶縁層をNi系金属を絶縁化した絶縁化金属層とした請
    求項1に記載のコイル部品。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006324490A (ja) * 2005-05-19 2006-11-30 Matsushita Electric Ind Co Ltd 電子部品及びその製造方法
WO2012091141A1 (ja) * 2010-12-29 2012-07-05 Mori Ryutaro 巻線装置及びその製造方法

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