JP2003295052A - 赤外線レンズ - Google Patents

赤外線レンズ

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JP2003295052A
JP2003295052A JP2002095404A JP2002095404A JP2003295052A JP 2003295052 A JP2003295052 A JP 2003295052A JP 2002095404 A JP2002095404 A JP 2002095404A JP 2002095404 A JP2002095404 A JP 2002095404A JP 2003295052 A JP2003295052 A JP 2003295052A
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lens
infrared
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kinoform
depth
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JP2002095404A
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Fumio Watabe
文男 渡部
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Fujinon Corp
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Fuji Photo Optical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 比較的廉価な材料を用いて、低コスト化を図
り、かつ回折光学素子の弱点である不要次数の回折光に
よる影響を除去しつつ、明るくコンパクトな赤外線レン
ズを提供する。 【解決手段】 物体側から順に、共に硫化亜鉛(Zn
S)を材料とする第1レンズL1および第2レンズL2
の2枚のレンズで構成されている。第1レンズL1は、
物体側に凸面を向けた正メニスカス形状で、かつ凹面側
が回折作用を有する非球面形状、第2レンズL2は、少
なくとも一方の面が非球面形状とされている。レンズ材
料として硫化亜鉛を用いていることにより、回折光学素
子としての第1レンズL1の製作を比較的低コストと
し、また、色収差および球面収差の補正をしながら、不
要次数の回折光を像面で十分に拡げ、その影響を除去し
ている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、赤外線イメージン
グシステムに用いられる赤外線レンズに関し、特に、非
冷却タイプの赤外線カメラへの搭載に適した赤外線レン
ズに関する。
【0002】
【従来の技術】赤外線カメラなどの赤外線イメージング
システムに用いられる検出器としては、従来より、冷却
タイプのものと非冷却タイプのものとが知られている。
冷却タイプの検出器としては、インジウムアンチモン
(InSb)および水銀カドミウムテルル(HgCdT
e)を用いたハイブリッド方式や、ショットキー型白金
シリコン(PtSi)を用いたショットキーバリア型等
が知られている。一方、非冷却タイプの検出器として
は、サーモパイルやマイクロボロメータを用いたものが
知られている。いずれのタイプのものを使用したイメー
ジングシステムにおいても、被写体から放射される熱す
なわち赤外線をレンズで集光して検出器面上に像を形成
させ、モニターで観察するものであり、その光学系に
は、NETD(雑音等価温度差)を良くするためにF値
の小さい、すなわち明るいレンズであること、また検出
器の画素数増加に伴い、広角でかつ高解像のレンズが求
められている。
【0003】ここで、冷却タイプの検出器を用いたシス
テムには、被写体以外から放射される熱の影響を取り除
くために、一般には検出器の前に適切な大きさの“コー
ルドアパーチャ”と呼ばれる開口マスクが配置されてい
る。従って、このタイプのシステムに用いられる赤外線
光学系に対しては、その射出瞳がコールドアパーチャに
合致することが望ましい。そうでないと赤外線イメージ
ングシステムに特有の現象である“シェーディング”と
呼ばれる問題が生じる。このコールドアパーチャを配置
するため、このタイプに用いられる光学系には、ある程
度長いバックフォーカスが必要である。また、射出瞳を
コールドアパーチャに一致させるよう、射出瞳が光学系
と検出器との間にくるような工夫も必要になる。このた
め、光学系の収差補正が困難になったり、光学系のサイ
ズが大きくなってしまう傾向にある。
【0004】一方、非冷却タイプの検出器を用いたシス
テムでは、その名のとおり、検出器面を冷却する必要が
なく、大型の冷却器が不要でコールドアパーチャ等の熱
シールド構造もなくなるので、システム全体を冷却タイ
プに比べて小型化できる。従来、非冷却タイプの検出器
は、感度が低く画素数も少なかったため、主に計測など
の目的で民生用として用いられることが多かったが、最
近では高感度で画素数の多いものが開発されてきてい
る。従って、このタイプに用いられる光学系に対して
は、よりF値の小さい明るいレンズで、広角かつ高解像
の性能が求められる。非冷却タイプの場合、検出器の温
度がレンズ鏡筒とほぼ同じ室温であることから、冷却タ
イプで問題となるシェーディングの影響も少なく、従っ
てレンズの射出瞳の制約や長いパックフォーカスも必要
ないなど有利な点もある。
【0005】ところで、赤外線を透過させる光学材料と
しては、従来より、ゲルマニウム(Ge),シリコン
(Si),硫化亜鉛(ZnS),セレン化亜鉛(ZnS
e)などの金属の結晶材料が使われているが、これらの
材料は非常に高価であるため、レンズ枚数が増えるとコ
ストが高くなるといった問題がある。またレンズが厚く
なったり枚数が増えると透過率の低下が問題となり、N
ETDを悪くしてしまう。そのため赤外線光学系用のレ
ンズとしては、非球面などを用いても最小限のレンズ枚
数で構成することが望まれている。
【0006】特にゲルマニウムは、赤外線光学系でよく
使われているが、その屈折率が約4.0と高く、また、
8〜10μm帯域での色分散が非常に小さい材料として
知られている。従って、3〜5枚のレンズ構成でF値が
小さく視野の広い赤外線レンズを実現することができ、
またさらに非球面を用いることによって2〜3枚のレン
ズでもってF値が非常に小さく視野の広い赤外線レンズ
を得られることは既に知られている。
【0007】図27および図28に、このゲルマニウム
を用いた従来の赤外線レンズの一例を示す。図27は、
3枚のレンズG1〜G3を用いたものであり、図28
は、2枚のレンズG1,G2を用いたものである。
【0008】また一方で、特に赤外線レンズに限らない
が、回折光学素子(DOE:Diffractive Optical Elem
ent)を用いることにより、その波長依存性を利用して
色収差を補正したり、球面レンズだけではなかなか補正
が困難な球面収差やコマ収差などの補正が容易に行える
ことは従来より良く知られている。特に赤外線の光学系
においては、可視光に比べて波長が長いため、回折面を
ダイヤモンドバイトによる切削加工で十分製作可能であ
ることから、回折光学素子を使ってより少ないレンズ枚
数で色収差補正した事例や、色消しとアサーマル化を両
立させる手段などが従来から数多く公開されている。回
折光学素子を使った光学系や赤外レンズに関する従来技
術については、例えば以下の公報または刊行物記載のも
のが知られている。
【0009】米国特許5,229,880号公報、米国特許5,49
3,441号公報、米国特許5,737,120号公報、米国特許5,79
6,514号公報、米国特許5,808,799号公報、米国特許5,85
2,516号公報、米国特許5,880,879号公報、米国特許5,97
3,827号公報(特開2001-521635号公報)、米国特許6,15
1,170号公報、米国特許6,160,668号公報、米国特許6,16
0,668号公報、特開平10-301024号公報、特開平10-33303
6号公報、特開2001-33689号公報、特開2001-141993号公
報、A. P. Wood: "Design of infrared hybridrefracti
ve-diffractive lenses" Applied Optics, 31 (1992)
2253-2258。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】このように、回折光学
素子を用いることにより色収差を容易に補正することが
できることはよく知られている。これは、回折光学素子
はその回折力が波長に比例し、一般的なガラスの色分散
とは反対のいわゆる"負の分散"をもっているためであ
る。
【0011】しかしながら、特にゲルマニウムは8〜1
0μm帯域での色分散がもともと非常に小さく、色収差
も焦点距離の約0.13%とごくわずかな量であること
から、回折面を使って色収差補正をする必要性はさほど
大きいとはいえない。逆に、回折面を用いると、設計基
準波長(例えば10μm)以外の波長(例えば8μm,
12μm)の不要次数の回折光が、正規の結像光線の周
辺に集まってしまい、この光がフレアとなって特に低周
波領域におけるコントラストの低下を引き起こしてしま
うという問題がある。このため、回折面を用いた効果よ
りもフレアの問題の方が大きいというのが実情である。
【0012】またコストの面では、ゲルマニウムは非常
に高価な材料であるため、ポリエチレン系樹脂のプレー
ト(補正板)に回折面を施して、他の赤外材料のレンズ
と組み合わせることにより量産性やコストメリットを生
かした事例も多く公開されている。しかしながら、ポリ
エチレン系樹脂の赤外領域での透過率はかなり低いので
プレート厚を非常に薄くしないと実用にはならない。そ
のため回折面の製作方法のみならず、プレートの保持方
法、ならびに温度や衝撃などの環境対応性にも多くの課
題を残している。
【0013】他の材料、例えばシリコン(Si)、セレ
ン化亜鉛(ZnSe)、フッ化カルシウム(CaF2)
などについても、回折面を切削加工やその他の方法で生
成することが難しいなど、いくつかの問題がある。
【0014】このように、従来では、回折光学素子を用
いた赤外線レンズにおいて、良好な光学性能、特に不要
次数の回折光による影響を除去しつつ、製造性およびコ
ストの点で十分に検討のなされたものが実現されていな
い。
【0015】本発明はかかる問題点に鑑みてなされたも
ので、その第1の目的は、比較的廉価な材料を用いて、
低コスト化を図り、かつ回折光学素子の弱点である不要
次数の回折光による影響を除去しつつ、明るくコンパク
トな赤外線レンズを提供することにある。また、本発明
の第2の目的は、これらの性能に加えて、さらに、広角
化を図ることができる赤外線レンズを提供することにあ
る。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の観点に係
る赤外線レンズは、物体側より順に、共に硫化亜鉛(Z
nS)を材料とする第1レンズおよび第2レンズの2枚
のレンズで構成されている。第1レンズは、物体側に凸
面を向けた正メニスカス形状で、かつ凹面側が回折作用
を有する非球面形状であり、第2レンズは、少なくとも
一方の面が非球面形状とされている。
【0017】本発明の第1の観点に係る赤外線レンズで
は、レンズ材料として硫化亜鉛が用いられていることに
より、回折光学素子としての第1レンズの製作が比較的
低コストで行われる。また、回折光学素子のレンズ材料
に比較的分散が大きい硫化亜鉛が選択されていることに
より、色収差および球面収差の補正をしながら、不要次
数の回折光を像面で十分に拡げさせることができ、不要
次数の回折光の除去が容易になされる。さらに、回折面
が、メニスカス形状の第1レンズの凹面側に設けられて
いることにより、凸面側を回折面にした場合に比べて、
回折面に対する光線入射角(空気側の射出角)が小さく
なり、回折効率の向上が図られる。また、第2レンズの
少なくとも一方の面が非球面形状であることにより、コ
マ収差と非点収差とがバランス良く補正される。
【0018】本発明の第1の観点に係る赤外線レンズ
は、さらに、以下の条件式(1)を満足するように構成
されていることが望ましい。ただし、fは、全体の焦点
距離を示し、f1は、第1レンズの焦点距離を示す。 1.00<f1/f<1.20 ……(1)
【0019】条件式(1)を満足することにより、視野
内の諸収差がバランス良く補正され、かつコンパクトで
明るい構成にし易くなる。
【0020】本発明の第1の観点に係る赤外線レンズに
おいて、回折作用を有する面は、例えばキノフォーム形
状にすることができる。キノフォーム形状は、基本的に
ダイヤモンドバイトによる切削加工によって製作するこ
とができる。
【0021】回折作用を有する面をキノフォーム形状と
する場合、“基準非球面の法線方向の深さ(段差)”
が、レンズ面中心部から周辺部まで“一定”となるよう
に形成されていることが望ましい。このように形成する
ことにより、視野中心および周辺の光束に対して回折効
率が高められる。ただし、ここでいう深さが“一定”と
は、必ずしも厳密にレンズ面中心部から周辺部まで同じ
深さとは限らない。例えば、キノフォーム形状に変換す
る際の製造誤差や基準波長の取り方によって±5%程度
の違いが生じたとしても、それは実質的に深さが一定の
範囲内とみなすことができる。
【0022】本発明の第1の観点に係る赤外線レンズに
おいて、キノフォーム形状を、“回転対称軸方向の深さ
(段差)”が、レンズ面中心部から周辺部に行くに従っ
て徐々に“大きく”なるように形成してもよい。この場
合、以下の条件式(2)を満足していることが望まし
い。ただし、h0は、中心部のキノフォームの深さを示
し、h1は、最周辺部のキノフォームの深さを示す。 1.00<h1/h0<1.20 ……(2)
【0023】キノフォーム形状の段差を“回転対称軸方
向”にとることにより、その加工がし易くなる。また、
その深さを、条件式(2)を満たすようにレンズ面中心
部から周辺部に行くに従って徐々に“大きく”なるよう
にして形成することにより、視野中心および周辺の光束
に対しても回折効率が高められる。
【0024】また、本発明の第2の観点に係る赤外線レ
ンズは、物体側より順に、共に硫化亜鉛(ZnS)を材
料とする第1レンズ、第2レンズおよび第3レンズの3
枚のレンズで構成されている。第1レンズは、物体側に
凸面を向けた正メニスカス形状で、かつ凹面側が回折作
用を有する非球面形状であり、第2レンズは、負レンズ
で構成され、第3レンズは、正レンズで構成されてい
る。第2レンズまたは第3レンズの少なくとも1つの面
は非球面形状とされている。
【0025】本発明の第2の観点に係る赤外線レンズで
は、レンズ材料として硫化亜鉛が用いられていることに
より、第1の観点に係る赤外線レンズと同様、回折光学
素子としての第1レンズの製作が比較的安価に行われ、
また、不要次数の回折光の除去が容易になされる。ま
た、回折面が、メニスカス形状の第1レンズの凹面側に
設けられていることにより、第1の観点に係る赤外線レ
ンズと同様、回折効率の向上が図られる。また、第2レ
ンズまたは第3レンズの少なくとも1つの面が非球面形
状であることにより、コマ収差と非点収差とがバランス
良く補正される。
【0026】さらに、本発明の第2の観点に係る赤外線
レンズでは、3枚のレンズで構成されていることによ
り、画角周辺まで良好な画像が得られ、2枚のレンズで
構成した場合と比べて、広画角化が図られる。例えば半
視野角で10°以上の広画角化が図られる。
【0027】本発明の第2の観点に係る赤外線レンズ
は、さらに、以下の条件式(3)を満足するように構成
されていることが望ましい。ただし、fは、全体の焦点
距離を示し、f1は、第1レンズの焦点距離を示す。 0.70<f1/f<1.00 ……(3)
【0028】この条件式(3)を満足することにより、
視野内の諸収差がバランス良く補正され、かつコンパク
トで明るい構成にし易くなる。
【0029】本発明の第2の観点に係る赤外線レンズに
おいて、回折作用を有する面は、例えばキノフォーム形
状にすることができる。キノフォーム形状は、基本的に
ダイヤモンドバイトによる切削加工によって製作するこ
とができる。
【0030】本発明の第2の観点に係る赤外線レンズに
おいて、回折作用を有する面をキノフォーム形状とする
場合、キノフォーム形状は、“基準非球面の法線方向の
深さ(段差)”が、レンズ面中心部から周辺部に行くに
従って徐々に“小さく”なるように形成され、さらに、
以下の条件式(4)を満足するように構成されているこ
とが望ましい。ただし、h0は、中心部のキノフォーム
の深さを示し、h1は、最周辺部のキノフォームの深さ
を示す。 0.85<h1/h0<1.00 ……(4)
【0031】キノフォーム形状をこのようにすること
で、広画角化による視野周辺の光束における回折効率の
悪化や、透過光量の減少が防止され、特に視野周辺の光
束に対して回折効率が高められる。
【0032】本発明の第2の観点に係る赤外線レンズに
おいて、キノフォーム形状を、“回転対称軸方向の深さ
(段差)”が、レンズ面中心部から周辺部まで“一定”
となるように形成してもよい。このように形成すること
により、その加工が容易とされ、さらに視野周辺の光束
に対しても回折効率が高められる。ただし、ここでいう
深さが“一定”とは、必ずしも厳密にレンズ面中心部か
ら周辺部まで同じ深さとは限らない。例えば、キノフォ
ーム形状に変換する際の製造誤差や基準波長の取り方に
よって±5%程度の違いが生じたとしても、それは実質
的に深さが一定の範囲内とみなすことができる。
【0033】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して詳細に説明する。
【0034】[第1の実施の形態]図1は、本発明の第
1の実施の形態に係る赤外線レンズの構成例を示してい
る。また、図2は、本実施の形態に係る赤外線レンズの
他の構成例を示している。図1および図2に示した構成
例は、それぞれ、後述の実施例1-1,1-2(図9、図1
0)のレンズ構成に対応している。なお、図1および図
2において、符号Riは、最も物体側の構成要素の面を
1番目として、像側(結像側)に向かうに従い順次増加
するi番目(i=1〜4)の構成要素の面の曲率半径を
示す。符号Diは、i番目の面とi+1番目の面との光
軸上の面間隔を示す。Simgは、結像面を示す。
【0035】図1および図2において、(A)には、レ
ンズの配置のみを示し、(B)には、画角0°と最大画
角とについて、基準波長の1次光を光線追跡した光路
を、レンズ配置と共に示す。また図1において、(C)
には、基準波長以外の不要次数光として、波長8μm,
12μmの2次回折光を光線追跡した光路を、レンズ配
置と共に示す。
【0036】図1および図2に示した本実施の形態に係
る赤外線レンズ1A,1B(以下、1A,1Bを総称し
て1と記す。)は、必ずしもバックフォーカスの長さや
射出瞳の位置などは限定されないので、特に非冷却タイ
プの赤外線カメラに搭載して好適なものである。
【0037】この赤外線レンズ1は、光軸Z1に沿っ
て、物体側から順に、共に硫化亜鉛(ZnS)を材料と
する第1レンズL1および第2レンズL2の2枚のレン
ズで構成されている。
【0038】第1レンズL1は、物体側に凸面を向けた
正メニスカス形状で、かつ凹面側が回折作用を有する非
球面形状、すなわち回折面となっている。第2レンズL
2は、少なくとも一方の面が非球面形状とされている。
【0039】この赤外線レンズ1は、以下の条件式
(1)を満足するように構成されていることが望まし
い。ただし、fは、全体の焦点距離を示し、f1は、第
1レンズL1の焦点距離を示す。 1.00<f1/f<1.20 ……(1)
【0040】この赤外線レンズ1において、回折面(第
1レンズL1の凹面側の面)は、図5に示したように、
例えばキノフォーム形状10で形成することができる。
キノフォーム形状10は、基本的にダイヤモンドバイト
による切削加工によって製作することができる。
【0041】ここで、キノフォーム形状とは、位相変調
型の回折光学素子において、その断面を、図5に示した
ように鋸歯状に形成したものである。キノフォーム形状
の回折光学素子では、最適化された基準波長に対して
は、理論的に、その回折効率を100%にすることがで
きる。
【0042】この赤外線レンズ1において、第1レンズ
L1の凹面側の回折面をキノフォーム形状10とする場
合、基準非球面11の法線方向Pの深さ(段差)h(図
6(A)参照)が、レンズ面中心部から周辺部までほぼ
一定となるように形成されていることが望ましい。深さ
がほぼ一定というのは、実質的に深さが一定の範囲内で
あればよく、例えばキノフォーム形状に変換する際の製
造誤差や基準波長の取り方による多少の違いは許容範囲
とみなせる。
【0043】また、キノフォーム形状10を、回転対称
軸方向(光軸Z1方向)の深さ(段差)h1(図6
(B)参照)が、レンズ面中心部から周辺部に行くに従
って徐々に“大きく”なるように形成してもよい。この
場合には、以下の条件式(2)を満足していることが望
ましい。ただし、h0は、最も中心部のキノフォームの
深さを示し、h1は、最も周辺部のキノフォームの深さ
を示す。 1.00<h1/h0<1.20 ……(2)
【0044】次に、この赤外線レンズ1の光学的な作用
および効果について説明する。
【0045】この赤外線レンズ1は、2枚のレンズ構成
となっているが、視野角が10°〜20°程度であれ
ば、2枚のレンズ構成でも十分な性能を得ることができ
る。特に、第1レンズL1として、物体側に凸面を向け
た正メニスカスレンズを配置し、かつ、凹面側を回折面
とすることにより球面収差と色収差とを良好に補正でき
る。また、第2レンズL2の少なくとも一方の面を非球
面形状にすることにより、コマ収差と非点収差とをバラ
ンス良く補正することができる。
【0046】さらに、上記条件式(1)を満足すること
により、視野内の諸収差をバランス良く補正し、かつコ
ンパクトで明るいレンズ構成にすることができる。条件
式(1)の下限を下回ると、コマ収差の補正が困難とな
り、明るいレンズの構成ができない。一方、条件式
(1)の上限を上回ると、非点収差の補正が困難とな
り、視野全体で良好な画像を得ることができない。
【0047】この赤外線レンズ1では、レンズ材料とし
て硫化亜鉛が用いられていることにより、回折光学素子
としての第1レンズL1の製作が比較的低コストで行わ
れる。また、この赤外線レンズ1では、回折光学素子の
レンズ材料に比較的分散が大きい硫化亜鉛を選択し、そ
の回折力を適度に与えることにより、色収差および球面
収差の補正をしながら、不要次数の回折光を像面で十分
に拡がるようにさせることができる。これにより、不要
次数の回折光の除去が容易となり、その影響を無視しう
るほどの量にすることができる。すなわち、この赤外線
レンズ1では、図1(C)に示したように、基準波長以
外の不要次数のフレア光を、像面Simg上で十分に拡
げることができ、そのフレア光による結像性能の影響を
ほとんど無くすことができる。
【0048】一般に硫化亜鉛の人工結晶はCVD法(気
相成長法)により作られるが、粉末をホットプレスして
作る方法(イーストマン・コダック社の「Irtran-2」な
どもこれに相当する。)もあり、可視域での使用を考え
なければ後者の製法による材料はコストを安くできるメ
リットがある。
【0049】赤外線を透過させる材料としては硫化亜鉛
の他にも、シリコン(Si)、セレン化亜鉛(ZnS
e)、フッ化カルシウム(CaF2)、フッ化バリウム
(BaF2)、フッ化マグネシウム(MgF2)、酸化マ
グネシウム(MgO)、サファイヤ(Al23)などあ
げられる。しかし、CaF2,BaF2,MgF2,Mg
O,Al23などの結晶は、硫化亜鉛に比べて屈折率が
小さいため明るいレンズを構成するのが難しく、また回
折面を切削加工やその他の方法で生成することが難しい
などの問題がある。
【0050】ZnSeは、硫化亜鉛と同様に比較的分散
も大きく屈折率も大きいので色収差補正と不要次数の回
折光の除去が可能であるが、材料自体が毒性をもってい
るため製造上の取り扱いが難しく、またコストも高いの
で最適な材料とはいいがたい。また、シリコンは、3〜
5μm帯域において、8〜12μm帯域でのゲルマニウ
ムと同様に分散がかなり小さいので、回折光学素子を用
いた効果よりも不要次数の回折光による悪影響の方が大
きくなってしまう。
【0051】この赤外線レンズ1において、回折面は、
例えばキノフォーム形状10(図5)で形成することが
できるが、回折面を単純なキノフォーム形状に変換して
形成した場合、その回折効率には、波長依存性と角度依
存性とがある。すなわち、キノフォーム形状の回折面で
は、図7に示したように、その回折効率が、波長に依存
し、理論的には、ある基準波長に対してのみ効率を10
0%にすることができる。また、図8に示したように、
理論的には基準となる光線入射角に対してのみ回折効率
を100%にすることができ、基準入射角以外の光に対
しては100%の効率は得られない。これらの依存性か
ら、不要次数の回折光が生じ、これがフレア光となって
結像性能に影響を及ぼす。
【0052】この赤外線レンズ1では、回折面が、メニ
スカス形状の第1レンズL1の凹面側に設けられている
ことにより、凸面側を回折面にした場合に比べて、回折
面に対する光線入射角(空気側の射出角)が小さくな
り、回折効率の向上が図られている。すなわち、第1レ
ンズL1の凸面側を回折面にすると、面に対する光線入
射角の範囲が広くなり、上述の角度依存性の問題から、
回折効率が悪くなるので好ましくない。それに比べて凹
面側は、光線入射角が小さいので凹面側を回折面にする
ことで回折効率を高くすることができる。
【0053】ところで、第1レンズL1の凹面側をキノ
フォーム形状に変換する際、基準の光線入射角を0°と
して製作するのが基本であるが、レンズ周辺部について
はその輪帯を通過する光束に対して最適な基準入射角に
なるように、キノフォームの深さを最適化することが好
ましく、それにより回折効率をさらに高めることができ
る。
【0054】この赤外線レンズ1において、キノフォー
ム形状を形成する場合、基準非球面の法線方向Pに段差
を設け、その深さh(図6(A)参照)が、レンズ面中
心部から周辺部まで“ほぼ一定”となるように形成する
ことにより、視野中心および周辺の光束に対して回折効
率を高めることができる。これにより、赤外線用レンズ
1の透過率を高めてフレア光を少なくさせることとなっ
て、シェーディングが少なく、かつNETD(雑音等価
温度差)の良好な赤外線イメージングシステムを実現す
ることができる。
【0055】このように、キノフォーム形状10の段差
を基準非球面の法線方向Pにとった方が、回折効率の面
では有利であるが、一方で、基準非球面の曲率が大きい
と、ダイヤモンドバイトによる切削加工が困難になる。
この場合には、キノフォーム形状の段差を回転対称軸方
向(光軸Z1方向)にとることにより、その加工を容易
にすることができる。またこの場合、その深さを上記条
件式(2)を満たすように、レンズ面中心部から周辺部
に行くに従って徐々に“大きく”なるように形成するこ
とにより、視野中心および周辺の光束に対しても回折効
率を高めることができる。
【0056】このように、本実施の形態に係る赤外線レ
ンズ1によれば、比較的廉価な材料である硫化亜鉛を用
いて低コスト化を図り、かつ回折光学素子の弱点である
不要次数の回折光による影響を除去しつつ、特に非冷却
タイプの遠赤外線カメラ用に適した、明るく(F値が小
さく)コンパクトな性能を得ることができる。
【0057】[第2の実施の形態]次に、本発明の第2
の実施の形態について説明する。
【0058】図3は、本発明の第2の実施の形態に係る
赤外線レンズの構成例を示している。また、図4は、本
実施の形態に係る赤外線レンズの他の構成例を示してい
る。図3および図4に示した構成例は、それぞれ、後述
の実施例2-1,2-2(図11、図12)のレンズ構成に対
応している。図3および図4において、曲率半径Ri,
面間隔Di(i=1〜6)については、上記第1の実施
の形態に係る赤外線レンズ1(図1および図2)と同様
の規則で符号を付している。
【0059】図3および図4において、(A)には、レ
ンズの配置のみを示し、(B)には、画角0°と最大画
角とについて、基準波長の1次光を光線追跡した光路
を、レンズ配置と共に示す。また図1において、(C)
には、基準波長以外の不要次数光として、波長8μm,
12μmの2次回折光を光線追跡した光路を、レンズ配
置と共に示す。
【0060】図3および図4に示した本実施の形態に係
る赤外線レンズ2A,2B(以下、2A,2Bを総称し
て2と記す。)は、図1および図2に示した赤外線レン
ズ1と同様、特に非冷却タイプの赤外線カメラに搭載し
て好適なものである。
【0061】この赤外線レンズ2は、3枚のレンズで構
成することにより、上記2枚構成の赤外線レンズ1と比
較して、広画角化を図ったものである。すなわち、この
赤外線レンズ2は、光軸Z1に沿って、物体側から順
に、共に硫化亜鉛(ZnS)を材料とする第1レンズL
1、第2レンズL2および第3レンズL3の3枚のレン
ズで構成されている。
【0062】第1レンズL1は、物体側に凸面を向けた
正メニスカス形状で、かつ凹面側が回折作用を有する非
球面形状(回折面)となっている。第2レンズL2は、
負レンズで構成され、第3レンズL3は、正レンズで構
成されている。第2レンズL2または第3レンズL3の
少なくとも1つの面は非球面形状とされている。
【0063】この赤外線レンズ2は、以下の条件式
(3)を満足するように構成されていることが望まし
い。ただし、fは、全体の焦点距離を示し、f1は、第
1レンズL1の焦点距離を示す。 0.70<f1/f<1.00 ……(3)
【0064】この赤外線レンズ2において、回折面(第
1レンズL1の凹面側の面)は、上記赤外線レンズ1
(図1および図2)と同様、例えばキノフォーム形状1
0(図5)で形成することができる。ただし、キノフォ
ーム形状10の深さ(段差)は、上記赤外線レンズ1と
は異なり、以下のように構成されていることが望まし
い。
【0065】すなわち、この赤外線レンズ2において、
第1レンズL1の凹面側の回折面をキノフォーム形状1
0とする場合、基準非球面11の法線方向Pの深さh
(図6(A)参照)を、レンズ面中心部から周辺部に行
くに従って徐々に“小さく”なるように形成し、さら
に、以下の条件式(4)を満足するように構成すること
が望ましい。ただし、h0は、最も中心部のキノフォー
ムの深さを示し、h1は、最も周辺部のキノフォームの
深さを示す。 0.85<h1/h0<1.00 ……(4)
【0066】また、キノフォーム形状10を、回転対称
軸方向(光軸Z1方向)の深さh1(図6(B)参照)
が、レンズ面中心部から周辺部まで“ほぼ一定”になる
ように形成してもよい。
【0067】次に、この赤外線レンズ2の光学的な作用
および効果について説明する。
【0068】この赤外線レンズ2では、レンズ材料とし
て硫化亜鉛が用いられていることにより、上記第1の実
施の形態に係る赤外線レンズ1と同様、回折光学素子と
しての第1レンズL1の製作が比較的安価に行われ、ま
た、不要次数の回折光の除去が容易になされる。また、
回折面が、メニスカス形状の第1レンズL1の凹面側に
設けられていることにより、上記第1の実施の形態と同
様、回折効率の向上が図られる。
【0069】ところで、視野角が20°を越える場合に
は、2枚のレンズだけで画角周辺まで良好な画像を得る
のは難しいが、この赤外線レンズ2では、3枚のレンズ
構成にしていることにより、画角周辺まで良好な画像が
得られ、2枚のレンズで構成した場合と比べて、広画角
化を図ることができる。特に、第1レンズL1として物
体側に凸面を向けた正メニスカスレンズを配置し、凹面
側を回折面とすることにより球面収差と色収差を良好に
補正できる。また、第2レンズL2または第3レンズL
3の少なくとも1つの面を非球面形状とすることによ
り、コマ収差と非点収差をバランス良く補正することが
できる。
【0070】さらに、上記条件式(3)を満足すること
により、視野内の諸収差をバランス良く補正し、かつコ
ンパクトで明るいレンズ構成にすることができる。条件
式(3)の下限を下回ると、球面収差およびコマ収差の
補正が困難となり、明るいレンズの構成ができない。一
方、条件式(3)の上限を上回ると、非点収差の補正が
困難となり、視野全体で良好な画像を得ることができな
い。また、全体の大きさをコンパクトに構成することも
難しくなる。
【0071】この赤外線レンズ2においても、回折面
は、例えばキノフォーム形状10(図5)で形成するこ
とができるが、広画角化を図った場合、回折面への入射
角が例えば10°〜38°と大きくなる。既に図8を用
いて説明したように、キノフォーム形状10では、その
回折効率に角度依存性があるため、回折面への入射角が
大きくなると、特に視野周辺の光束に対して回折効率が
悪くなり、シェーディングの原因となる透過光量の減少
を引き起こすおそれがある。
【0072】これを解決するために、キノフォーム形状
10として、基準非球面11の法線方向Pの深さh(図
6(A)参照)を、レンズ面中心部から周辺部に行くに
従って徐々に“小さく”なるように形成し、かつその深
さhを条件式(4)を満たすようにすることで、特に視
野周辺の光束に対して回折効率を高めることができる。
【0073】このように、キノフォーム形状10の段差
を基準非球面の法線方向Pにとった方が、回折効率の面
では有利であるが、一方で、基準非球面の曲率が大きい
と、ダイヤモンドバイトによる切削加工が困難になる。
この場合には、キノフォーム形状の段差を回転対称軸方
向(光軸Z1方向)にとることにより、その加工を容易
にすることができる。またこの場合、その深さh1(図
6(B)参照)が、レンズ面中心部から周辺部まで“ほ
ぼ一定”になるように形成することにより、加工を容易
とし、さらに視野周辺の光束に対しても回折効率を高め
ることができる。
【0074】このように、本実施の形態に係る赤外線レ
ンズ2によれば、低コスト化を図り、不要次数の回折光
による影響を除去しつつ、明るく(F値が小さく)コン
パクトな性能を得ることができる。さらに、3枚のレン
ズで構成していることにより、画角周辺まで良好な画像
が得られ、2枚のレンズで構成した場合と比べて、広画
角化を図ることができる。
【0075】
【実施例】次に、上記各実施の形態に係る赤外線レンズ
の具体的な数値実施例について説明する。
【0076】<実施例1-1>まず、第1の実施の形態に
係る赤外線レンズ1についての第1の実施例を説明す
る。図9(A),(B)は、図1に示した赤外線レンズ
1Aの構成に対応する具体的なレンズデータを示してい
る。図9において、(A)は、レンズデータのうち基本
的なデータ部分(曲率半径、面間隔、屈折率およびレン
ズ材料)を示し、(B)は、回折および非球面形状に関
するデータを示す。
【0077】図9(A)に示したレンズデータにおける
面番号Siの欄には、本実施例の赤外線レンズについ
て、最も物体側の構成要素の面を1番目として、像側に
向かうに従い順次増加する構成要素の面の番号を示して
いる。曲率半径Riの欄には、図1に示した符号Riに
対応させて、物体側からi番目の構成要素の面の曲率半
径の値を示す。面間隔Diの欄についても、図1に示し
た符号に対応させて、物体側からi番目の面Siとi+
1番目の面Si+1との光軸上の間隔を示す。曲率半径
Riおよび面間隔Diの値の単位はミリメートル(m
m)である。njの欄には、物体側からj番目(j=1〜
2)のレンズ要素の基準波長(10μm)に対する屈折
率の値を示す。
【0078】図9(B)に示した回折・非球面データ
は、以下の式(X),(Y)によって表される非球面形
状および位相差の式における係数である。式(Y)にお
いて、φは、光路差関数と呼ばれるものであり、C2,
C4,C6は、この光路差関数φの2次、4次、6次の
係数を示す。
【0079】
【数1】 ただし、 Z:光軸から高さyの位置にある非球面上の点から、非
球面の頂点の接平面(光軸に垂直な平面)に下ろした垂
線の長さ(mm) y:光軸からの高さ(mm) K:離心率 R:近軸曲率半径 A4,A6:4次、6次の非球面係数
【0080】位相差を表す式(単位:rad) φ=C2・y2+C4・y4+C6・y6 ……(Y)
【0081】なお、図9(B)に示した非球面および回
折面を表す数値において、記号“E”は、その次に続く
数値が10を底とした“べき指数”であることを示し、
その10を底とした指数関数で表される数値が“E”の
前の数値に乗算されることを示す。例えば、「1.0E
−02」であれば、「1.0×10-2」であることを示
す。
【0082】図1および図9(A),(B)に示したよ
うに、本実施例は、硫化亜鉛を材料とする2枚のレンズ
で構成された、F値1.0、視野角(2ω)17.6°
の8〜12μm帯用の赤外線レンズであり、第1レンズ
L1は物体側に凸面を向けた正メニスカス形状で、凹面
側(第2面)は回折面、第2レンズL2は物体側の面
(第3面)が非球面形状とされている。回折面は、正確
には、回折作用を有した非球面形状となっている。図9
の(A)では、これらの非球面および回折面の曲率半径
として、光軸近傍(近軸領域)の曲率半径の数値を示し
ている。
【0083】図15および図16に、本実施例の赤外線
レンズについての諸収差を示す。図15(A)〜(C)
はそれぞれ、球面収差、非点収差、およびディストーシ
ョン(歪曲収差)を示している。また、図16(A)〜
(E)は、各画角ω(ω=半画角)についての横収差を
示している。図16において、(A)〜(C)は、タン
ジェンシャル方向における横収差を示し、(D),
(E)は、サジタル方向における横収差を示す。これら
の収差図は、基本的に8μmを中心波長とした収差を示
す。なお、球面収差および横収差図において、実線、破
線、一点鎖線は、それぞれ、10μm,8μm,12μ
mの波長に対する収差であることを示す。
【0084】また、図23には、波長8〜12μmで評
価した、本実施例の赤外線レンズについてのMTF(Mo
dulation Transfer Function)特性を示す。本実施例の
赤外線レンズでは、10μmの単色光で評価した場合に
は、ほぼ回折限界のMTFが得られている。また、8〜
12μmの広い波長域で評価した場合でも、視野全域で
空間周波数15(lp/mm)ぐらいまで十分高い解像
力が得られている。
【0085】図25に、第1レンズL1の凹面側の回折
面についての位相関数を示す。本実施例では、回折面を
キノフォーム形状に変換したときの輪帯数は64本程度
で、周辺部の輪帯ピッチは約0.20mmとなってい
る。また、回折格子の高さ(深さ)hは、基準波長λを
9.5μm、屈折率をNとして以下の式で求められ、約
7.9μmの高さになる。これはダイヤモンドバイトに
よる切削加工によって十分製作可能な形状である。 h=λ/(N−1)=9.5/(2.2−1)=7.9
【0086】本実施例では、第1レンズL1の凹面側の
回折面での光線角度は、空気側で最大11°程度であ
り、回折格子の深さを約7.9μmとして、段差がほぼ
一定なキノフォーム形状としても、光線入射角による回
折効率の低下の問題はほとんど無く、第1レンズL1の
凸面側を回折面にするよりも非常に有利となっている。
キノフォームの段差方向は、基準非球面の法線方向にと
るのが理想的であるが、加工の容易さの点で面の回転対
称軸方向に段差をとることも可能である。この場合は、
中央部分のキノフォームの段差h0=7.9μmに対し
て、周辺部の段差h1を8.8μmと徐々に大きくして
やることにより、さらに効率を良くすることも可能であ
る。この場合、上記条件式(2)に対応する値は、 h1/h0=8.8/7.9=1.11 となる。
【0087】本実施例では、全体の焦点距離f、第1レ
ンズL1の焦点距離をf1としたとき、 f=50.00,f1=55.06, f1/f=1.10 となり、上記条件式(1)を満足している。これによ
り、視野内の諸収差をバランス良く補正しかつコンパク
トで明るい赤外線レンズを構成している。
【0088】図13に、上述の条件式(1),(2)に
対応する値を、後述の実施例1-2についての値と共に示
す。図13に示したように、本実施例では、条件式
(1),(2)に対応する値が、その条件の範囲内とな
っている。
【0089】以上のレンズデータおよび収差図などから
分かるように、本実施例の赤外レンズでは、色収差をは
じめ球面収差・コマ収差などの諸収差が良好に補正され
ている。また基準波長以外の不要次数のフレア光は、図
1(C)に示したように、像面Simgで十分に拡がっ
ており、結像性能にほとんど影響を与えないように配慮
されている。このように本実施例によれば、回折面を用
いて、F値が1.0程度と明るく、視野全体で透過率が
良好で、フレア光が少なく、解像力の高い画質をもった
コンパクトな赤外線レンズを実現できた。
【0090】<実施例1-2>次に、第1の実施の形態に
係る赤外線レンズ1についての第2の実施例を説明す
る。図10(A),(B)は、図2に示した赤外線レン
ズ1Bの構成に対応する具体的なレンズデータを示して
いる。図10において、(A)は、レンズデータのうち
基本的なデータ部分(曲率半径、面間隔、屈折率および
レンズ材料)を示し、(B)は、回折および非球面形状
に関するデータを示す。これらのレンズデータの示す意
味は、上記実施例1-1(図9(A),(B))の場合と
同様である。
【0091】図2および図10(A),(B)に示した
ように、本実施例は、硫化亜鉛を材料とする2枚のレン
ズで構成された、F値1.0、視野角2ω=12.6°
の8〜12μm帯用の赤外線レンズであり、第1レンズ
L1は物体側に凸面を向けた正メニスカス形状で、凹面
側(第2面)は回折面、第2レンズL2は物体側の面
(第3面)が非球面形状とされている。回折面は、正確
には、回折作用を有した非球面形状となっている。
【0092】実施例1-1の場合と同様にして、実施例1-2
についての諸収差を、図17および図18に示す。各収
差図に付した符号の意味等は、実施例1-1の場合(図1
5および図16)と同様である。
【0093】また、図示しないが、本実施例の赤外レン
ズについて、実施例1-1と同様に、8〜12μmの広い
波長域でMTF評価したが、本実施例でも、視野全域で
空間周波数15(lp/mm)ぐらいまで十分高い解像
力が得られた。
【0094】また位相関数の図示は省略するが、本実施
例においては、第1レンズL1の凹面側の回折面をキノ
フォーム形状に変換したときの輪帯数は88本程度で、
周辺部の輪帯ピッチは約0.19mmとなっている。回
折格子の深さhは、実施例1-1と同様に約7.9μmと
されている。これはダイヤモンドバイトによる切削加工
によって十分製作可能な形状である。
【0095】また第1レンズL1の凹面側の回折面での
光線角度は、空気側で最大12°程度であり、回折格子
の深さが約7.9μmとして、段差がほぼ一定なキノフ
ォーム形状としても、光線入射角による回折効率の低下
の問題はほとんど無く、第1レンズL1の凸面側を回折
面にするよりも非常に有利となっている。ノフォームの
段差方向は、基準非球面の法線方向にとるのが理想的で
あるが、加工の容易さの点で面の回転対称軸方向に段差
をとることも可能である。この場合は、中央部分のキノ
フォームの段差h0=7.9μmに対して、周辺部の段
差h1を8.5μmと徐々に大きくしてやることによ
り、さらに効率を良くすることも可能である。この場
合、上記条件式(2)に対応する値は、 h1/h0=8.5/7.9=1.08 となる。
【0096】本実施例では、全体の焦点距離f、第1レ
ンズL1の焦点距離をf1としたとき、 f=70.00,f1=75.55, f1/f=1.08 となり、上記条件式(1)を満足している。これによ
り、視野内の諸収差をバランス良く補正しかつコンパク
トで明るい赤外線レンズを構成している。
【0097】図13に、上述の条件式(1),(2)に
対応する値を、上記実施例1-1についての値と共に示
す。図13に示したように、本実施例では、条件式
(1),(2)に対応する値が、その条件の範囲内とな
っている。
【0098】以上のレンズデータおよび収差図などから
分かるように、本実施例の赤外レンズにおいても、回折
面を用いて、F値が1.0程度と明るく、視野全体で透
過率が良好で、フレア光が少なく、解像力の高い画質を
もったコンパクトな赤外線レンズを実現できた。
【0099】<実施例2-1>次に、第2の実施の形態に
係る赤外線レンズ2についての第1の実施例を説明す
る。図11(A),(B)は、図3に示した赤外線レン
ズ2Aの構成に対応する具体的なレンズデータを示して
いる。図11において、(A)は、レンズデータのうち
基本的なデータ部分(曲率半径、面間隔、屈折率および
レンズ材料)を示し、(B)は、回折および非球面形状
に関するデータを示す。これらのレンズデータの示す意
味は、基本的に、上記実施例1-1(図9(A),
(B))の場合と同様である。
【0100】図3および図11(A),(B)に示した
ように、本実施例は、硫化亜鉛を材料とする3枚のレン
ズで構成された8〜12μm帯用の赤外線レンズであ
り、F値が1.0となっている。視野角2ωは、24.
8°であり、実施例1-1,1-2と比べて広画角となってい
る。第1レンズL1は物体側に凸面を向けた正メニスカ
ス形状で、凹面側(第2面)は回折面、第2レンズL2
は負レンズ、第3レンズL3は正レンズで、第3レンズ
L3の像面側の面(第6面)が非球面形状とされてい
る。回折面は、正確には、回折作用を有した非球面形状
となっている。
【0101】実施例1-1の場合と同様にして、本実施例
についての諸収差を、図19および図20に示す。各収
差図に付した符号の意味等は、実施例1-1の場合(図1
5および図16)と同様である。
【0102】また、図24には、波長8〜12μmで評
価した、本実施例の赤外線レンズについてのMTF特性
を示す。本実施例の赤外線レンズでは、10μmの単色
光で評価した場合には、ほぼ回折限界のMTFが得られ
ている。また、8〜12μmの広い波長域で評価した場
合でも、視野全域で空間周波数15(lp/mm)ぐら
いまで十分高い解像力が得られている。
【0103】図26に、第1レンズL1の凹面側の回折
面についての位相関数を示す。本実施例では、回折面を
キノフォーム形状に変換したときの輪帯数は52本程度
で、周辺部の輪帯ピッチは約0.18mmとなってい
る。回折格子の深さhは、実施例1-1と同様に約7.9
μmとされている。これはダイヤモンドバイトによる切
削加工によって十分製作可能な形状である。
【0104】第1レンズL1の凹面側の回折面での光線
角度は、空気側で17°〜38°程度であり、基準非球
面の法線方向の段差を約7.9μmとしてほぼ一定なキ
ノフォーム形状とすると、周辺部の透過光の回折効率が
低下する。この低下した分は、不要次数のフレア光とな
るものの、図3(C)に示したように、像面Simgで
は十分に拡がるため結像性能にほとんど影響を与えな
い。
【0105】しかしながら、キノフォーム形状に変換す
る際に、中央部分のキノフォームの段差h0=7.9μ
mに対して、周辺部分の段差h1を7.2μmと徐々に
小さくしてやることにより、さらに効率を良くすること
も可能である。この場合、上記条件式(4)に対応する
値は、 h1/h0=7.2/7.9=0.91 となる。このように条件式(4)を満足することによ
り、視野全体で高い透過率の赤外線を得ることができ
る。この手法は、第1レンズL1の凸面側を回折面にす
るより非常に有利となる。また、加工の容易さの点で面
の回転対称軸方向に段差をとることも可能で、この場合
は、キノフォームの段差を約7.9μmとすることで、
中心部から周辺部の透過光まで効率を良くすることが可
能である。
【0106】本実施例では、全体の焦点距離f、第1レ
ンズL1の焦点距離をf1としたとき、 f=35.00,f1=25.72, f1/f=0.73 となり、上記条件式(3)を満足している。これによ
り、視野内の諸収差をバランス良く補正しかつコンパク
トで明るい赤外線レンズを構成している。
【0107】図14に、上述の条件式(3),(4)に
対応する値を、後述の実施例2-2についての値と共に示
す。図14に示したように、本実施例では、条件式
(3),(4)に対応する値が、その条件の範囲内とな
っている。
【0108】以上のレンズデータおよび収差図などから
分かるように、本実施例の赤外レンズにおいても、回折
面を用いて、F値が1.0程度と明るく、視野全体で透
過率が良好で、フレア光が少なく、解像力の高い画質を
もったコンパクトな赤外線レンズを実現ができた。ま
た、視野角が24.8°と、実施例1-1,1-2と比べて広
画角な赤外線レンズを実現できた。
【0109】<実施例2-2>次に、第2の実施の形態に
係る赤外線レンズ2についての第2の実施例を説明す
る。図12(A),(B)は、図4に示した赤外線レン
ズ2Bの構成に対応する具体的なレンズデータを示して
いる。図12において、(A)は、レンズデータのうち
基本的なデータ部分(曲率半径、面間隔、屈折率および
レンズ材料)を示し、(B)は、回折および非球面形状
に関するデータを示す。これらのレンズデータの示す意
味は、基本的に、上記実施例1-1(図9(A),
(B))の場合と同様である。
【0110】図4および図12(A),(B)に示した
ように、本実施例は、硫化亜鉛を材料とする3枚のレン
ズで構成された8〜12μm帯用の赤外線レンズであ
り、F値が1.0となっている。視野角2ωは、30.
0°であり、実施例1-1,1-2と比べてかなり広画角化が
図られている。第1レンズL1は物体側に凸面を向けた
正メニスカス形状で、凹面側(第2面)は回折面、第2
レンズL2は負レンズ、第3レンズL3は正レンズで、
第2レンズL2の物体側の面(第3面)が非球面形状と
されている。回折面は、正確には、回折作用を有した非
球面形状となっている。
【0111】実施例1-1の場合と同様にして、本実施例
についての諸収差を、図21および図22に示す。各収
差図に付した符号の意味等は、実施例1-1の場合(図1
5および図16)と同様である。
【0112】また、図示しないが、本実施例の赤外レン
ズについて、実施例2-1と同様に、8〜12μmの広い
波長域でMTF評価したが、本実施例でも、視野全域で
空間周波数15(lp/mm)ぐらいまで十分高い解像
力が得られた。
【0113】また位相関数の図示は省略するが、本実施
例においては、第1レンズL1の凹面側の回折面をキノ
フォーム形状に変換したときの輪帯数は38本程度で、
周辺部の輪帯ピッチは約0.17mmとなっている。回
折格子の深さhは、実施例1-1と同様に約7.9μmと
されている。これはダイヤモンドバイトによる切削加工
によって十分製作可能な形状である。
【0114】第1レンズL1の凹面側の回折面での光線
角度は、空気側で10°〜36°程度であり、基準非球
面の法線方向の段差を約7.9μmとしてほぼ一定なキ
ノフォーム形状とすると、周辺部の透過光の回折効率が
低下する。この低下した分は、不要次数のフレア光とな
るものの、像面Simgでは十分に拡がるため結像性能
にほとんど影響を与えない。
【0115】しかしながら、キノフォーム形状に変換す
る際に、中央部分のキノフォームの段差h0=7.9μ
mに対して、周辺部分の段差h1を7.3μmと徐々に
小さくしてやることにより、さらに効率を良くすること
も可能である。この場合、上記条件式(4)に対応する
値は、 h1/h0=7.3/7.9=0.92 となる。このように条件式(4)を満足することによ
り、視野全体で高い透過率の赤外線を得ることができ
る。この手法は、第1レンズL1の凸面側を回折面にす
るより非常に有利となる。また、加工の容易さの点で面
の回転対称軸方向に段差をとることも可能で、この場合
は、キノフォームの段差を約7.9μmとすることで、
中心部から周辺部の透過光まで効率を良くすることが可
能である。
【0116】本実施例では、全体の焦点距離f、第1レ
ンズL1の焦点距離をf1としたとき、 f=28.00,f1=23.85, f1/f=0.85 となり、上記条件式(3)を満足している。これによ
り、視野内の諸収差をバランス良く補正しかつコンパク
トで明るい赤外線レンズを構成している。
【0117】図14に、上述の条件式(3),(4)に
対応する値を、上記実施例2-1についての値と共に示
す。図14に示したように、本実施例では、条件式
(3),(4)に対応する値が、その条件の範囲内とな
っている。
【0118】以上のレンズデータおよび収差図などから
分かるように、本実施例の赤外レンズにおいても、回折
面を用いて、F値が1.0程度と明るく、視野全体で透
過率が良好で、フレア光が少なく、解像力の高い画質を
もったコンパクトな赤外線レンズを実現ができた。ま
た、視野角が30°と、実施例1-1,1-2と比べてかなり
広画角な赤外線レンズを実現できた。
【0119】なお、本発明は、上記各実施の形態および
各実施例に限定されず種々の変形実施が可能である。例
えば、各レンズ成分の曲率半径、面間隔の値などは、上
記各数値実施例で示した値に限定されず、他の値をとり
得る。
【0120】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1ないし5
のいずれか1項に記載の赤外線レンズによれば、物体側
より順に、共に硫化亜鉛を材料とする第1レンズおよび
第2レンズの2枚のレンズで構成し、第1レンズを、物
体側に凸面を向けた正メニスカス形状で、かつ凹面側が
回折作用を有する非球面形状とし、第2レンズを、少な
くとも一方の面が非球面形状となるように構成したの
で、低コスト化を図り、かつ回折光学素子の弱点である
不要次数の回折光による影響を除去しつつ、明るくコン
パクトな構成にすることができる。
【0121】特に、比較的廉価で回折光学素子の製造に
適した材料である硫化亜鉛をレンズ材料として用いてい
るので、回折光学素子としての第1レンズの製作を比較
的低コストで行うことができる。また、硫化亜鉛は、比
較的分散も屈折率も大きいので、色収差および球面収差
の補正をしながら、不要次数の回折光を像面で十分に拡
がるようにさせて、不要次数の回折光の影響を少なくす
ることができる。さらに、メニスカス形状の第1レンズ
の凹面側を回折面にしたので、凸面側を回折面にした場
合に比べて、回折面に対する光線入射角(空気側の射出
角)を小さくすることができ、回折効率の向上を図るこ
とができる。また、第2レンズの少なくとも一方の面を
非球面形状にしたので、コマ収差と非点収差とをバラン
ス良く補正することができる。
【0122】特に、請求項2記載の赤外線レンズによれ
ば、さらに、全体の焦点距離fと、第1レンズの焦点距
離f1とに関する所定の条件式(1)を満足するように
したので、視野内の諸収差をバランス良く補正すること
ができ、かつコンパクトで明るいレンズにし易くなる。
【0123】また特に、請求項4記載の赤外線レンズに
よれば、回折作用を有する面をキノフォーム形状とし、
その基準非球面の法線方向の深さが、レンズ面中心部か
ら周辺部まで一定となるように形成したので、視野中心
および周辺の光束に対して回折効率を高めることができ
る。
【0124】また特に、請求項5記載の赤外線レンズに
よれば、回折作用を有する面をキノフォーム形状とし、
その回転対称軸方向の深さが、レンズ面中心部から周辺
部に行くに従って徐々に大きくなるように、かつ所定の
条件式(2)を満足した形状にしたので、回折面の加工
が容易となり、また、視野中心のみならず周辺の光束に
対しても回折効率を高めることができる。
【0125】また、請求項6ないし11のいずれか1項
に記載の赤外線レンズによれば、物体側より順に、共に
硫化亜鉛を材料とする第1レンズ、第2レンズおよび第
3レンズの3枚のレンズで構成し、第1レンズを、物体
側に凸面を向けた正メニスカス形状で、かつ凹面側が回
折作用を有する非球面形状とし、第2レンズを負レン
ズ、第3レンズを正レンズとし、第2レンズまたは第3
レンズの少なくとも1つの面を非球面形状にしたので、
低コスト化を図り、かつ回折光学素子の弱点である不要
次数の回折光による影響を除去しつつ、明るくコンパク
トな構成にすることができる。特に、3枚のレンズで構
成していることにより、画角周辺まで良好な画像が得ら
れ、2枚のレンズで構成した場合と比べて、広画角化を
図ることができる。
【0126】特に、請求項8記載の赤外線レンズによれ
ば、さらに、全体の焦点距離fと、第1レンズの焦点距
離f1とに関する所定の条件式(3)を満足するように
したので、視野内の諸収差をバランス良く補正すること
ができ、かつコンパクトで明るいレンズにし易くなる。
【0127】また特に、請求項10記載の赤外線レンズ
によれば、回折作用を有する面をキノフォーム形状と
し、その基準非球面の法線方向の深さが、レンズ面中心
部から周辺部に行くに従って徐々に小さくなるように、
かつ所定の条件式(4)を満足した形状にしたので、広
画角化による視野周辺の光束における回折効率の悪化
や、透過光量の減少を防止することができ、特に視野周
辺の光束に対して回折効率を高めることができる。
【0128】また特に、請求項11記載の赤外線レンズ
によれば、回折作用を有する面をキノフォーム形状と
し、その回転対称軸方向の深さが、レンズ面中心部から
周辺部まで一定となるように形成したので、その加工を
容易にし、さらに視野周辺の光束に対しても回折効率を
高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る赤外線レンズ
の構成例を示すものであり、実施例1-1に対応するレン
ズ断面図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係る赤外線レンズ
の他の構成例を示すものであり、実施例1-2に対応する
レンズ断面図である。
【図3】本発明の第2の実施の形態に係る赤外線レンズ
の構成例を示すものであり、実施例2-1に対応するレン
ズ断面図である。
【図4】本発明の第2の実施の形態に係る赤外線レンズ
の他の構成例を示すものであり、実施例2-2に対応する
レンズ断面図である。
【図5】キノフォームの形状についての説明図である。
【図6】キノフォームの深さについての説明図である。
【図7】回折効率の波長依存性についての説明図であ
る。
【図8】回折効率の角度依存性についての説明図であ
る。
【図9】本発明の実施例1-1に係る赤外線レンズのレン
ズデータを示す説明図である。
【図10】本発明の実施例1-2に係る赤外線レンズのレ
ンズデータを示す説明図である。
【図11】本発明の実施例2-1に係る赤外線レンズのレ
ンズデータを示す説明図である。
【図12】本発明の実施例2-2に係る赤外線レンズのレ
ンズデータを示す説明図である。
【図13】実施例1-1,1-2に係る赤外線レンズが満たす
条件値のデータを示す説明図である。
【図14】実施例2-1,2-2に係る赤外線レンズが満たす
条件値のデータを示す説明図である。
【図15】実施例1-1に係る赤外線レンズの球面収差、
非点収差、およびディストーションを示す収差図であ
る。
【図16】実施例1-1に係る赤外線レンズの横収差を示
す収差図である。
【図17】実施例1-2に係る赤外線レンズの球面収差、
非点収差、およびディストーションを示す収差図であ
る。
【図18】実施例1-2に係る赤外線レンズの横収差を示
す収差図である。
【図19】実施例2-1に係る赤外線レンズの球面収差、
非点収差、およびディストーションを示す収差図であ
る。
【図20】実施例2-1に係る赤外線レンズの横収差を示
す収差図である。
【図21】実施例2-2に係る赤外線レンズの球面収差、
非点収差、およびディストーションを示す収差図であ
る。
【図22】実施例2-2に係る赤外線レンズの横収差を示
す収差図である。
【図23】実施例1-1に係る赤外線レンズのMTFを示
す図である。
【図24】実施例2-1に係る赤外線レンズのMTFを示
す図である。
【図25】実施例1-1に係る赤外線レンズにおける回折
作用を有する面についての位相関数を示す図である。
【図26】実施例2-1に係る赤外線レンズにおける回折
作用を有する面についての位相関数を示す図である。
【図27】従来の赤外線レンズの構成例を示すレンズ断
面図である。
【図28】従来の赤外線レンズの他の構成例を示すレン
ズ断面図である。
【符号の説明】
L1〜L3…第1〜第3レンズ、Z1…光軸、1A,1
B,2A,2B…赤外線レンズ、10…キノフォーム形
状、11…基準非球面。
フロントページの続き Fターム(参考) 2H087 KA01 LA01 NA03 NA14 NA18 PA02 PA03 PA17 PB02 PB03 QA02 QA06 QA07 QA12 QA21 QA22 QA25 QA31 QA34 QA41 QA42 QA45 RA05 RA12 RA13 RA44 RA46 UA02

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 物体側より順に、共に硫化亜鉛を材料と
    する第1レンズおよび第2レンズの2枚のレンズで構成
    され、 前記第1レンズは、物体側に凸面を向けた正メニスカス
    形状で、かつ凹面側が回折作用を有する非球面形状であ
    り、 前記第2レンズは、少なくとも一方の面が非球面形状と
    されていることを特徴とする赤外線レンズ。
  2. 【請求項2】 さらに、以下の条件式(1)を満足する
    ように構成されていることを特徴とする請求項1記載の
    赤外線レンズ。 1.00<f1/f<1.20 ……(1) ただし、 f:全体の焦点距離 f1:第1レンズの焦点距離
  3. 【請求項3】 前記第1レンズにおいて、前記回折作用
    を有する面は、キノフォーム形状であり、切削により製
    作されていることを特徴とする請求項1または2記載の
    赤外線レンズ。
  4. 【請求項4】 前記キノフォーム形状は、基準非球面の
    法線方向の深さが、レンズ面中心部から周辺部まで一定
    となるように形成されていることを特徴とする請求項3
    記載の赤外線レンズ。
  5. 【請求項5】 前記キノフォーム形状は、回転対称軸方
    向の深さが、レンズ面中心部から周辺部に行くに従って
    徐々に大きくなるように形成されており、 さらに、以下の条件式(2)を満足するように構成され
    ていることを特徴とする請求項3記載の赤外線レンズ。 1.00<h1/h0<1.20 ……(2) ただし、 h0:中心部のキノフォームの深さ h1:最周辺部のキノフォームの深さ
  6. 【請求項6】 物体側より順に、共に硫化亜鉛を材料と
    する第1レンズ、第2レンズおよび第3レンズの3枚の
    レンズで構成され、 前記第1レンズは、物体側に凸面を向けた正メニスカス
    形状で、かつ凹面側が回折作用を有する非球面形状であ
    り、 前記第2レンズは、負レンズで構成され、 前記第3レンズは、正レンズで構成され、 前記第2レンズまたは前記第3レンズの少なくとも1つ
    の面が非球面形状とされていることを特徴とする赤外線
    レンズ。
  7. 【請求項7】 半視野角が10°以上とされていること
    を特徴とする請求項6記載の赤外線レンズ。
  8. 【請求項8】 さらに、以下の条件式(3)を満足する
    ように構成されていることを特徴とする請求項6または
    7に記載の赤外線レンズ。 0.70<f1/f<1.00 ……(3) ただし、 f:全体の焦点距離、 f1:第1レンズの焦点距離
  9. 【請求項9】 前記第1レンズにおいて、前記回折作用
    を有する面は、キノフォーム形状であり、切削により製
    作されていることを特徴とする請求項6ないし8のいず
    れか1項に記載の赤外線レンズ。
  10. 【請求項10】 前記キノフォーム形状は、基準非球面
    の法線方向の深さが、レンズ面中心部から周辺部に行く
    に従って徐々に小さくなるように形成されており、 さらに、以下の条件式(4)を満足するように構成され
    ている ことを特徴とする請求項9記載の赤外線レンズ。 0.85<h1/h0<1.00 ……(4) ただし、 h0:中心部のキノフォームの深さ h1:最周辺部のキノフォームの深さ
  11. 【請求項11】 前記キノフォーム形状は、回転対称軸
    方向の深さが、レンズ面中心部から周辺部まで一定とな
    るように形成されていることを特徴とする請求項9記載
    の赤外線レンズ。
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