JP2003294927A - ビーム描画装置、基材の高さ測定装置、ビーム描画方法、基材の高さ測定方法、これらの装置または方法に使用するプローブ、及びこのプローブの製造方法 - Google Patents

ビーム描画装置、基材の高さ測定装置、ビーム描画方法、基材の高さ測定方法、これらの装置または方法に使用するプローブ、及びこのプローブの製造方法

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JP2003294927A
JP2003294927A JP2002096197A JP2002096197A JP2003294927A JP 2003294927 A JP2003294927 A JP 2003294927A JP 2002096197 A JP2002096197 A JP 2002096197A JP 2002096197 A JP2002096197 A JP 2002096197A JP 2003294927 A JP2003294927 A JP 2003294927A
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light beam
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Osamu Masuda
修 増田
Kazumi Furuta
和三 古田
Tadahiro Nagasawa
忠広 長澤
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Konica Minolta Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電子ビームを用いて3次元描画する際の、3
次元曲面基材の曲面高さ測定において精度よく測定で
き、高さ測定用光ビームの光軸と電子ビームの集光位置
とが直交するように高精度に調整できるビーム描画装置
及び方法を提供する。3次元形状を有する基材の高さを
精度よく測定できる基材の高さ検出装置及び方法を提供
する。これらの装置または方法に使用するプローブ及び
このプローブの製造方法を提供する。 【解決手段】 この基材の高さ測定装置は、3次元的に
形状変化する曲面部2aを含む基材2の曲面部の高さを
検出するために基材に対して略水平方向から光ビームを
照射する光照射手段86と、光照射手段からの光ビーム
を受光する受光手段88と、基材を載置する載置台90
と、載置台に支持され載置台から高さ方向に離れた自由
端に凹部を有する調整部材71と、を備え、光照射手段
から調整部材の凹部に照射した光ビームを受光手段によ
り受光することで凹部を基準にして光ビームの高さ位置
を調整する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ビーム描画装置、
基材の高さ測定装置、ビーム描画方法、基材の高さ測定
方法、これらの装置または方法に使用するプローブ、及
びこのプローブの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】例えば、光学機能面に回折構造などを有
する光学素子を製造する際には、最近の光学素子に対す
る高性能化の要求により、光学素子の曲面上に所望の描
画パターンをサブミクロンオーダーの高精度で形成する
ことが必要である。このような描画パターンは電子ビー
ムによる3次元描画で形成できるが、精度良く描画する
ために基材上の曲面の位置、特に高さ位置を精度よく測
定することが必要となる。また、かかる電子ビームを用
いて3次元描画する際の、3次元曲面基材の曲面高さ測
定において、高さ測定用光ビームの光軸が電子ビームの
集光位置と直交するように高精度な調整が必要である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記事情に
鑑み、電子ビーム等を用いて3次元描画する際の、3次
元曲面基材の曲面高さ測定において精度よく測定でき、
また高さ測定用光ビームの光軸と電子ビーム等の集光位
置とが直交するように高精度に調整できるビーム描画装
置及び方法を提供することを目的とする。また、3次元
形状を有する基材の高さを精度よく測定できる基材の高
さ検出装置及び方法を提供することを目的とする。ま
た、更に、これらの装置または方法に使用するプロー
ブ、及びこのプローブの製造方法を提供することを目的
とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明によるビーム描画装置は、ビームを照射する
ビーム照射手段と、前記ビーム照射手段から照射された
ビームの焦点位置を可変とするための可変手段と、前記
可変手段を通過して合焦されたビームの照射により描画
される被描画面に曲面部を有する基材を載置する載置台
と、前記基材上に描画される描画位置を測定するための
測定手段と、前記測定手段により測定された前記描画位
置に基づいて前記ビームの焦点位置を可変制御する制御
手段と、前記載置台に支持され前記ビームの焦点位置を
調整するための位置合わせ面を有する調整部材と、を具
備し、前記測定手段は、前記曲面部の高さを測定するた
めに前記基材に対して略水平方向から光ビームを照射す
る光照射手段と、前記光ビームが前記基材を透過した透
過光を受光する受光手段と、を備え、前記光照射手段か
ら前記調整部材の位置合わせ面近傍のエッジ部分に照射
した光ビームを前記受光手段により受光することで前記
エッジ部分を基準にして前記光ビームの高さ方向の位置
を調整することを特徴とする。
【0005】このビーム描画装置によれば、ビームの焦
点位置を調整するための位置合わせ面を有する調整部材
を用いて、そのエッジ部分を基準にして光ビームの高さ
位置を調整することにより、基材の曲面部の高さ位置を
精度よく測定できる。また、ビームの焦点位置をエッジ
部分近傍の位置合わせ面で行うので、光ビームの光軸と
ビームの集光位置とが直交するように高精度に調整で
き、このため、ビームによる3次元描画を精度よく行う
ことができる。
【0006】また、前記調整部材は前記位置合わせ面の
前記ビームの焦点位置となる中心を通り前記高さ方向に
沿った軸上に孔部を有し、前記孔部に照射し通過した光
ビームを前記受光手段により受光することで前記光ビー
ムの光軸位置及びフォーカス位置の少なくとも一方を調
整することができる。これにより、位置合わせ面の中心
と同軸上にある孔部で光ビームの光軸位置及びフォーカ
ス位置を調整してから、そのまま高さ方向に移動するだ
けで上述の光ビームの高さ調整を簡単に行うことができ
る。この孔部は例えばスリット状またはピンポール状に
構成できる。また、前記孔部の水平方向の幅が前記光ビ
ームの径よりも小さくすることで、光軸位置及びフォー
カス位置を精度よく調整できる。
【0007】また、前記調整部材は前記エッジ部分に前
記位置合わせ面から凹んだ凹部を有することが好まし
く、光ビームの高さ調整時に調整部材の基準となる部分
を特定し易い。この場合、前記調整部材は前記エッジ部
分の凹部内に前記位置合わせ面が形成された柱部を有す
ることが好ましい。また、前記孔部は前記凹部の下方に
細長く延びるようにスリット状に形成されていることが
好ましい。なお、前記調整部材は厚さ10μm以下の極
薄材から構成され、前記柱部に形成された位置合わせ面
の最大寸法が7μmであることが好ましい。
【0008】また、前記測定手段は前記基材上の平面位
置の測定のための光照射手段及び受光手段を更に備え、
前記載置台が3軸ステージにより3次元方向に移動が可
能であるように構成できる。
【0009】また、前記ビーム照射手段は電子ビームを
照射し、前記可変手段は電子レンズから構成されるよう
にできる。
【0010】また、本発明による基材の高さ測定装置
は、3次元的に形状変化する曲面部を一面に少なくとも
含む基材の前記曲面部の高さを検出するために前記基材
に対して略水平方向から光ビームを照射する光照射手段
と、前記光照射手段からの光ビームを受光する受光手段
と、前記基材を載置する載置台と、前記載置台に支持さ
れ前記載置台から高さ方向に離れた自由端に凹部を有す
る調整部材と、を備え、前記光照射手段から前記調整部
材の凹部に照射した光ビームを前記受光手段により受光
することで前記凹部を基準にして前記光ビームの高さ位
置を調整することを特徴とする。
【0011】この基材の高さ測定装置によれば、調整部
材の凹部に光ビームを照射して凹部を基準にして光ビー
ムの高さ位置を調整することにより、基材の曲面部の高
さ位置を精度よく測定できる。また、光ビームの高さ調
整時に調整部材の基準となる部分を特定し確認し易い。
【0012】また、前記調整部材は前記凹部の水平方向
の中心を通り前記高さ方向に沿った軸上に孔部を有し、
前記孔部に照射し通過した光ビームを前記受光手段によ
り受光することで前記光ビームの光軸位置及びフォーカ
ス位置の少なくとも一方を調整することができる。ま
た、前記孔部の水平方向の幅が前記光ビームの径よりも
小さくすることで、光軸位置及びフォーカス位置を精度
よく調整できる。また、前記孔部は前記凹部の下方に細
長く延びるようにスリット状に形成されていることが好
ましい。
【0013】また、前記載置台を少なくとも前記高さ方
向に移動させるステージを更に備え、前記光ビームの高
さ位置は前記ステージ上の前記載置台を高さ方向に移動
することにより調整するようにできる。
【0014】また、本発明によるビーム描画方法は、ビ
ームを照射し焦点位置に合焦し、前記合焦されたビーム
の照射により曲面部を有する基材の被描画面に描画する
ビーム描画方法であって、前記基材に関する略水平方向
から光ビームを前記ビームの焦点位置を調整する位置合
わせ面を有する調整部材の前記位置合わせ面近傍のエッ
ジ部分に照射しその光ビームを受光することで前記エッ
ジ部分を基準にして前記光ビームの高さ方向の位置を調
整するステップと、前記ビームの焦点位置を前記調整部
材の位置合わせ面で調整するステップと、前記光ビーム
が前記基材を透過した透過光を受光することで前記曲面
部の高さを測定し前記基材上に描画される描画位置を測
定するステップと、前記測定された描画位置に基づいて
前記ビームの焦点位置を可変制御するステップと、を含
むことを特徴とする。
【0015】このビーム描画方法によれば、ビームの焦
点位置を調整するための位置合わせ面を有する調整部材
を用いて、そのエッジ部分を基準にして光ビームの高さ
位置を調整することにより、基材の曲面部の高さ位置を
精度よく測定できる。また、ビームの焦点位置をエッジ
部分近傍の位置合わせ面で行うので、光ビームの光軸と
ビームの集光位置とが直交するように高精度に調整で
き、このため、ビームによる3次元描画を精度よく行う
ことができる。
【0016】また、本発明による別のビーム描画方法
は、ビームを照射し焦点位置に合焦し、前記合焦された
ビームの照射により曲面部を有する基材の被描画面に描
画するビーム描画方法であって、前記基材に関する略水
平方向から光ビームを前記ビームの焦点位置を調整する
位置合わせ面を有する調整部材に照射し、前記位置合わ
せ面の焦点位置中心を通り前記調整部材の高さ方向に沿
った軸上にある孔部を通過した光ビームを受光すること
で前記光ビームの光軸を調整するとともに前記光ビーム
のフォーカス位置を調整するステップと、前記調整部材
の位置合わせ面近傍のエッジ部分に前記光ビームを照射
しその光ビームを受光することで前記エッジ部分を基準
にして前記光ビームの高さ方向の位置を調整するステッ
プと、前記ビームの焦点位置を前記調整部材の位置合わ
せ面で調整するステップと、前記光ビームが前記基材を
透過した透過光を受光することで前記曲面部の高さを測
定し前記基材上に描画される描画位置を測定するステッ
プと、前記測定された描画位置に基づいて前記ビームの
焦点位置を可変制御するステップと、を含むことを特徴
とする。
【0017】このビーム描画方法によれば、ビームの焦
点位置を調整するための位置合わせ面を有する調整部材
を用いて、そのエッジ部分を基準にして光ビームの高さ
位置を調整することにより、基材の曲面部の高さ位置を
精度よく測定できる。また、ビームの焦点位置をエッジ
部分近傍の位置合わせ面で行うので、光ビームの光軸と
ビームの集光位置とが直交するように高精度に調整で
き、このため、ビームによる3次元描画を精度よく行う
ことができる。さらに、位置合わせ面の中心と同軸上に
ある孔部で光ビームの光軸位置及びフォーカス位置を調
整してから、そのまま高さ方向に移動するだけで上述の
光ビームの高さ調整を簡単に行うことができる。
【0018】また、前記位置合わせ面から凹んだ凹部に
前記光ビームを照射し、前記光ビームの高さ方向の位置
を調整することで光ビームの高さ調整時に調整部材の基
準となる部分を特定し易い。この場合、前記凹部内に形
成された柱部の位置合わせ面で前記ビームの焦点位置を
調整することが好ましい。また、前記描画位置を測定す
る際に前記基材上の平面位置を測定するようにできる。
【0019】また、上記ビーム描画方法では、前記基材
は光学素子に対応可能であり、また、前記基材に基づき
光学素子を射出成形するための金型作製処理を行うこと
ができる。
【0020】また、本発明による基材の高さ測定方法
は、3次元的に形状変化する曲面部を一面に少なくとも
含む基材の前記曲面部の高さを検出するために前記基材
に対して略水平方向から光ビームを照射し、前記基材を
透過した透過光を受光することで前記基材の高さ位置を
測定する方法であって、前記基材を載置する載置台に支
持された調整部材に前記水平方向から光ビームを照射す
るステップと、前記調整部材の前記載置台から高さ方向
に離れた自由端に形成された凹部に照射された前記光ビ
ームを受光することで前記凹部を基準にして前記光ビー
ムの高さ方向の位置を調整するステップと、を含むこと
を特徴とする。
【0021】この基材の高さ測定方法によれば、調整部
材の凹部に光ビームを照射して凹部を基準にして光ビー
ムの高さ位置を調整することにより、基材の曲面部の高
さ位置を精度よく測定できる。また、光ビームの高さ調
整時に調整部材の基準となる部分を特定し易い。
【0022】また、前記調整部材の前記凹部の水平方向
の中心を通り前記高さ方向に沿った軸上に設けられた孔
部に前記光ビームを照射し、前記孔部を通過した光ビー
ムを受光することで前記光ビームの光軸位置を調整する
とともに前記光ビームのフォーカス位置を調整すること
ができる。
【0023】また、前記光ビームの高さ位置は前記載置
台を高さ方向に移動することにより調整することができ
る。
【0024】また、本発明によるプローブは、上述の調
整部材または上述の方法に用いる調整部材を含むことを
特徴とし、上述の各装置に備えて、また、上述の各方法
に用いて基材の高さ測定用光ビームの高さ調整を精度よ
く行うことができる。
【0025】また、本発明による別のプローブは、上述
の調整部材の孔部がスリット状またはピンホール状に構
成されている前記調整部材を含むことを特徴とし、ビー
ムによる3次元描画において調整部材の位置合わせ面で
ビームの焦点位置を調整し、位置合わせ面の中心と同軸
上にある孔部で光ビームの光軸位置を調整するので、光
ビームの光軸とビームの集光位置とが直交するように高
精度に調整できる。
【0026】また、本発明によるプローブ製造方法は、
上述のプローブにおける前記調整部材を集束イオンビー
ム(focused ion beam)法により加工し製造することを
特徴とする。これにより、凹部、凹部内の柱部、孔部等
を短時間で高精度に加工ができ、また仕上がり状態を見
ながらの直接加工を行うことができる。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、本発明による第1及び第2
の実施の形態について図面を用いて説明する。
【0028】〈第1の実施の形態〉
【0029】図1は本実施の形態の電子ビーム描画装置
に含まれる測定装置の構成の一例であり、3次元形状を
有する基材の高さを検出測定する測定装置の全体の概略
構成を示す説明図である。
【0030】本実施の形態の測定装置は、3次元的に変
化する形状を有する基材に、電子ビーム描画を行う際
に、基材の3次元形状を測定するものであり、この測定
装置は、3次元電子ビーム描画を行う一連の工程にて利
用されるが、電子ビーム描画装置と一体的に構成しても
よいし、単独で形成してもよい。
【0031】基材2は、図1に示すように、一面が曲面
形状を有する曲面部2aと、曲面部2aの周囲に形成さ
れた周囲面部である平坦部2bと、裏面側の底部2cと
を有する。
【0032】本実施の形態の測定装置80は、図1に示
すように、基材2に対してレーザ光を照射することで基
材2を測定する第1のレーザ光照射部82と、第1のレ
ーザ光照射部82にて発光されたレーザ光(第1の照射
光)が基材2で反射しその反射光を受光する第1の受光
部84と、第1のレーザ光照射部82とは異なる照射角
度から照射を行う第2のレーザ光照射部86と、第2の
レーザ光照射部86にて発光されたレーザ光(第2の照
射光)が基材2を透過しその透過光を受光する第2の受
光部88と、を含む。ここで、「透過」とは基材の一部
をレーザ光等の一部が通過する状態を指し、「透過光」
とは後述するようにレーザ光等の光の一部が散乱した残
りの光を指すものとする。
【0033】第1のレーザ光照射部82により電子ビー
ムと交差する方向から基材2に対して第1の光ビームS
1を照射し、平坦部2b上で反射する第1の光ビームS
1の受光によって第1の光強度分布が検出される。この
際に、図1に示すように、第1の光ビームS1は、基材
2の底部2cにて反射されるため、第1の強度分布に基
づいて基材2の平坦部2b上の平面位置が測定算出でき
る。
【0034】また、第2のレーザ光照射部86によっ
て、第1の光ビームS1と異なる電子ビームとほぼ直交
する方向、即ち基材2の水平方向から基材2に対して第
2の光ビームS2を照射し、基材2を透過する第2の光
ビームS2が第2の受光部88に含まれるピンホール8
9を介して受光されて第2の光強度分布が検出される。
【0035】この場合、図2(A)〜(C)に示すよう
に、第2の光ビームS2が曲面部2a上を透過するの
で、第2の強度分布に基づいて基材2の平坦部2bより
突出する曲面部2a上の高さ位置を測定算出できる。
【0036】具体的には、第2の光ビームS2がXY基
準座標系における曲面部2a上のある位置(x、y)の
特定の高さを透過すると、この位置(x、y)におい
て、図2(A)〜(C)に示すように、第2の光ビーム
S2が曲面部2aの曲面にて当たることにより散乱光S
S1、SS2が生じ、この散乱光分の光強度が弱まる。
このため、第2の受光部88にて検出された第2の光強
度分布に基づいて高さ位置が測定算出される。
【0037】この算出の際には、第2の受光部88の信
号出力Opは、図8に示す特性図のような、信号出力O
pと基材の高さとの相関関係を有するので、第2の受光
部88での信号出力Opに基づき、基材の高さ位置を算
出することができる。そして、この基材の高さ位置を、
例えば描画位置として、電子ビームの焦点位置の調整が
行われ描画が行われることとなる。従って、後述のよう
に、測定装置80において精度良い高さ検出を行うこと
は、曲面部2aを有する基材2に対して電子ビームによ
り描画パターンを描画する際の描画精度をも向上させる
ことにもなる。
【0038】次に、図1の測定装置が搭載される電子ビ
ーム描画装置の全体の概略構成について、図3を参照し
て説明する。図3は、電子ビーム描画装置の全体構成を
概略的に示す説明図である。
【0039】本実施形態例の電子ビーム描画装置1は、
図3に示すように、大電流で高解像度の電子線プローブ
を形成して高速に描画対象の基材2上を走査するもので
あり、高解像度の電子線プローブを形成し、電子ビーム
を生成してターゲットに対してビーム照射を行う電子ビ
ーム生成手段である電子銃12と、この電子銃12から
の電子ビームを通過させるスリット14と、スリット1
4を通過する電子ビームの基材2に対する焦点位置を制
御するための電子レンズ16と、電子ビームが出射され
る経路上に配設され開口により電子ビームを所望の形状
とするためのアパーチャー18と、電子ビームを偏向さ
せることでターゲットである基材2上の走査位置等を制
御する偏向器20と、偏向を補正する補正用コイル22
と、を含む。なお、これらの各部は、鏡筒10内に配設
されて電子ビーム出射時には真空状態に維持される。
【0040】さらに、電子ビーム描画装置1は、描画対
象となる基材2を載置するための載置台であるXYZス
テージ30と、このXYZステージ30上の載置位置に
基材2を搬送するための搬送手段であるローダ40と、
XYZステージ30上の基材2の表面の基準点を測定す
るための測定手段である測定装置80と、XYZステー
ジ30を駆動するための駆動手段であるステージ駆動手
段50と、ローダを駆動するためのローダ駆動装置60
と、鏡筒10内及びXYZステージ30を含む筐体11
内を真空となるように排気を行う真空排気装置70と、
これらの制御を司る制御手段である制御回路100と、
を含む。
【0041】電子レンズ16は、高さ方向に沿って複数
箇所に離間して設置される各コイル17a、17b、1
7cの各々の電流値によって電子的なレンズが複数生成
されることで各々制御され、電子ビームの焦点位置が制
御される。
【0042】ステージ駆動手段50は、XYZステージ
30をX方向に駆動するX方向駆動機構52と、XYZ
ステージ30をY方向に駆動するY方向駆動機構54
と、XYZステージ30をZ方向に駆動するZ方向駆動
機構56と、XYZステージ30をθ方向に駆動するθ
方向駆動機構58と、を含む。これによって、XYZス
テージ30を3次元的に動作させたり、アライメントを
行うことができる。
【0043】制御回路100は、電子銃12に電源を供
給するための電子銃電源部102と、この電子銃電源部
102での電流、電圧などを調整制御する電子銃制御部
104と、電子レンズ16(複数の各電子的なレンズを
各々)を動作させるためのレンズ電源部106と、この
レンズ電源部106での各電子レンズに対応する各電流
を調整制御するレンズ制御部108と、を含む。
【0044】さらに、制御回路100は、補正用コイル
22を制御するためのコイル制御部110と、偏向器2
0にて成形方向の偏向を行う成形偏向部112aと、偏
向器20にて副走査方向の偏向を行うための副偏向部1
12bと、偏向器20にて主走査方向の偏向を行うため
の主偏向部112cと、成形偏向部112aを制御する
ためにデジタル信号をアナログ信号に変換制御する高速
D/A変換器114aと、副偏向部112bを制御する
ためにデジタル信号をアナログ信号に変換制御する高速
D/A変換器114bと、主偏向部112cを制御する
ためにデジタル信号をアナログ信号に変換制御する高精
度D/A変換器114cと、を含む。
【0045】さらに、制御回路100は、偏向器20に
おける位置誤差を補正する、乃ち、位置誤差補正信号な
どを各高速D/A変換器114a、114b、及び高精
度D/A変換器114cに対して供給して位置誤差補正
を促すあるいはコイル制御部110に対してその信号を
供給することで補正用コイル22にて位置誤差補正を行
う位置誤差補正回路116と、これら位置誤差補正回路
116並びに各高速D/A変換器114a、114b及
び高精度D/A変換器114cを制御して電子ビームの
電界を制御する電界制御手段である電界制御回路118
と、描画パターンなどを基材2に対して生成するための
パターン発生回路120と、を含む。
【0046】さらに、制御回路100は、レーザ制御系
130を含み、このレーザ制御系130は、第1のレー
ザ光照射部82及び第1の受光部84の制御を行う第1
のレーザ制御系131と、第2のレーザ光照射部86及
び第2の受光部88の制御を行う第2のレーザ制御系1
32と、を有する。これらの制御系には、図示しない
が、レーザ照射光の出力(レーザの光強度)を調整制御
するための各種制御回路が含まれている。
【0047】また、制御回路100は、第1の受光部8
4での受光結果に基づき、測定結果を算出するための第
1の測定算出部140と、第2の受光部88での受光結
果に基づき、測定結果を算出するための第2の測定算出
部142と、を含む。
【0048】さらに、制御回路100は、ステージ駆動
手段50を制御するためのステージ制御回路150と、
ローダ駆動装置60を制御するローダ制御回路152
と、上述の第1、第2のレーザ駆動回路130、132
・第1、第2のレーザ出力制御回路134、136・第
1、第2の測定算出部140、142・ステージ制御回
路150・ローダ制御回路152を制御する機構制御回
路154と、真空排気装置70の真空排気を制御する真
空排気制御回路156と、測定情報を入力するための測
定情報入力部158と、入力された情報や他の複数の情
報を記憶するための記憶手段であるメモリ160と、各
種制御を行うための制御プログラムを記憶したプログラ
ムメモリ162と、各種描画ラインの制御を行うための
制御系300と、これらの各部の制御を司る例えばCP
Uなどにて形成された制御部170と、を含む。
【0049】上述のような構成を有する電子ビーム描画
装置1において、ローダ40によって搬送された基材2
がXYZステージ30上に載置されると、真空排気装置
70によって鏡筒10及び筐体11内の空気やダストな
どを排気したした後、電子銃12から電子ビームが照射
される。
【0050】電子銃12から照射された電子ビームは、
電子レンズ16を介して偏向器20により偏向され、偏
向された電子ビームB(以下、この電子レンズ16を通
過後の偏向制御された電子ビームに関してのみ「電子ビ
ームB」と符号を付与することがある)は、XYZステ
ージ30上の基材2の表面、例えば曲面部(曲面)2a
上の描画位置に対して照射されることで描画が行われ
る。
【0051】この際に、測定装置80によって、基材2
上の描画位置(描画位置のうち少なくとも高さ位置)、
もしくは後述するような基準点の位置が測定され、制御
回路100は、その測定結果に基づき、電子レンズ16
のコイル17a、17b、17cなどに流れる各電流値
などを調整制御して、電子ビームBの焦点深度の位置、
すなわち焦点位置を制御し、その焦点位置が描画位置と
なるように移動制御される。
【0052】あるいは、測定結果に基づき、制御回路1
00は、ステージ駆動手段50を制御することにより、
電子ビームBの焦点位置が描画位置となるようにXYZ
ステージ30を移動させる。
【0053】また、本例においては、電子ビームの制
御、XYZステージ30の制御のいずれか一方の制御に
よって行っても、双方を利用して行ってもよい。
【0054】さらに、本実施の形態では、電子ビーム描
画装置1に測定装置80を搭載する場合に、第2のレー
ザ光照射部86と第2の受光部88との離間距離を、載
置台たるXYZステージ30のXY平面方向(載置面方
向)での移動ストローク以上にした状態で配設されてい
る。このような構成とすることにより、筐体11の一部
を穿設することにより、測定装置80を搭載でき、特
に、筐体11を大幅に改造することを要しない。
【0055】次に、基材の載置台に設けた電子ビーム焦
点位置と高さ検出用光ビームとの位置合わせ調整用プロ
ーブの調整部材について説明する。図15は、図3の電
子ビーム描画装置及び基材の載置台を概略的に示す斜視
図である。図16(A)は図15の調整部材を拡大して
示す図、図16(B)は図16(A)のA部を更に拡大
して示す図、図16(C)は図15の調整部材の上端面
に形成した電子ビーム焦点位置のマークを示す図、及び
図16(D)は図15の調整部材の上端面に形成した凹
部及び電子ビーム焦点位置のマークを示す図である。
【0056】図15のように、基材2を載置する載置台
90には調整用プローブの調整部材71が直立するよう
にして設けられている。載置台90は電子ビーム描画装
置1の筐体11内に導入されてステージ30に載せられ
る。なお、図15の載置台90を省略し、ステージ30
を載置台としてステージ30の表面上に調整部材71を
設けてもよい。
【0057】調整部材71は、図16(A)のように、
全体的に長方形状の厚さ5μm程度の極薄材から構成さ
れ、その上端面71aに形成された凹部72と、凹部の
下方に細長く延びるようにスリット状に形成された孔部
73と、を有する。凹部72の水平方向(図16(A)
の横方向)の中心及びスリット状孔部73の幅方向の中
心を図の一点鎖線で示す軸76が通っており、両者の各
中心は同軸上にある。
【0058】また、調整部材71の凹部72内には、図
16(B)のように、凹部72の底面から直立するよう
にして柱部74が位置し、柱部74はその中心が軸76
上に位置するように形成されている。柱部74の上端面
75は、調整部材71の上端面71aと同一平面に構成
され、電子ビームの焦点位置を調整するための位置合わ
せ面を構成する。
【0059】調整部材71のスリット状孔部73の幅s
は、例えば数μm乃至数十μmであり、第2のレーザ光
照射部86から照射されたレーザ光(第2光ビーム)の
調整部材71の位置におけるビーム径よりも小さくする
ことで、第2光ビームのスリット状孔部73における光
軸調整及びフォーカス調整を精度よく行うことができ、
好ましい。また、スリット状孔部73の上端73aと調
整部材71の上端面71aとの間の距離αは上記ビーム
半径以上であることが好ましい。また、スリット状孔部
はピンポール状に構成してもよい。また、柱部74の位
置合わせ面75における最大寸法tは数μmである。
【0060】また、本実施の形態における電子ビーム描
画装置1は、図15に示すように、ステージ30上の基
材2や調整部材71を図の上方から走査型電子顕微鏡像
により観察できるようにしたSEM(scanning type ele
ctron microscope)像モニタ92と、電子レンズ16に
よる電子ビームの焦点位置を調整するための電子ビーム
フォーカシング調整部93を更に備える。電子ビームフ
ォーカシング調整部73は図3の制御部170に含ま
れ、レンズ制御部108等を介して電子レンズ16の焦
点位置を調整するようになっている。
【0061】次に、本実施の形態の電子ビーム描画装置
1における、描画を行う場合の原理の概要について、説
明する。
【0062】先ず、基材2は、図4(A)(B)に示す
ように、例えば樹脂等による光学素子例えば光レンズ等
にて形成されることが好ましく、断面略平板状の平坦部
2bと、この平坦部2bより突出形成された曲面をなす
曲面部2aと、を含む。この曲面部2aの曲面は、球面
に限らず、非球面などの他のあらゆる高さ方向に変化を
有する自由曲面であってよい。
【0063】このような基材2において、予め基材2を
XYZステージ30上に載置する前に、基材2上の複数
例えば3個の基準点P00、P01、P02を決定して
この位置を測定しておく(第1の測定)。これによっ
て、例えば、基準点P00とP01によりX軸、基準点
P00とP02によりY軸が定義され、3次元座標系に
おける第1の基準座標系が算出される。ここで、第1の
基準座標系における高さ位置をHo(x、y)(第1の
高さ位置)とする。これによって、基材2の厚み分布の
算出を行うことができる。
【0064】一方、基材2をXYZステージ30上に載
置した後も、同様の処理を行う。すなわち、図4(A)
に示すように、基材2上の複数例えば3個の基準点P1
0、P11、P12を決定してこの位置を測定しておく
(第2の測定)。これによって、例えば、基準点P10
とP11によりX軸、基準点P10とP12によりY軸
が定義され、3次元座標系における第2の基準座標系が
算出される。
【0065】さらに、これらの基準点P00、P01、
P02、P10、P11、P12により第1の基準座標
系を第2の基準座標系に変換するための座標変換行列な
どを算出して、この座標変換行列を利用して、第2の基
準座標系におけるHo(x、y)に対応する高さ位置H
p(x、y)(第2の高さ位置)を算出して、この位置
を最適フォーカス位置、すなわち描画位置として電子ビ
ームの焦点位置が合わされるべき位置とすることとな
る。これにより、上述の基材2の厚み分布の補正を行う
ことができる。
【0066】なお、上述の第2の測定は、電子ビーム描
画装置1の測定装置80を用いて測定することができ
る。そして、第1の測定は、予め別の場所において他の
測定装置を用いて測定しおく必要がある。このような、
基材2をXYZステージ30上に載置する前に予め基準
点を測定するための測定装置としては、上述の測定装置
80と全く同様の構成の測定装置(第2の測定手段)を
採用することができる。
【0067】この場合、測定装置からの測定結果は、例
えば図3に示す測定情報入力部158にて入力された
り、制御回路100と接続される不図示のネットワーク
を介してデータ転送されて、メモリ160などに格納さ
れることとなる。もちろん、この測定装置が不要となる
場合も考えられる。
【0068】上記のようにして、描画位置が算出され
て、電子ビームの焦点位置が制御されて描画が行われる
こととなる。
【0069】具体的には、図4(C)に示すように、電
子ビームの焦点深度FZ(ビームウエストBW)の焦点
位置を、3次元基準座標系における単位空間の1フィー
ルド(m=1)内の描画位置に調整制御する(この制御
は、上述したように、電子レンズ16による電流値の調
整もしくはXYZステージ30の駆動制御のいずれか一
方又は双方によって行われる。)。なお、本例において
は、1フィールドの高さ分を焦点深度FZより長くなる
ように、フィールドを設定してあるがこれに限定される
ものではない。ここで、焦点深度FZとは、図5に示す
ように、電子レンズ16を介して照射される電子ビーム
Bにおいて、ビームウエストBWが有効な範囲の高さを
示す。なお、電子ビームBの場合、図5に示すように、
電子レンズ16の幅D、電子レンズ16よりビームウエ
スト(ビーム径の最も細い所)BWまでの深さfとする
と、D/fは、0.01程度であり、例えば50nm程
度の解像度を有し、焦点深度は例えば数十μ程度ある。
【0070】そして、図4(C)に示すように、例えば
1フィールド内をY方向にシフトしつつ順次X方向に走
査することにより、1フィールド内の描画が行われるこ
ととなる。さらに、1フィールド内において、描画され
ていない領域があれば、その領域についても、上述の焦
点位置の制御を行いつつZ方向に移動し、同様の走査に
よる描画処理を行うこととなる。
【0071】次に、1フィールド内の描画が行われた
後、他のフィールド、例えばm=2のフィールド、m=
3のフィールドにおいても、上述同様に、測定や描画位
置の算出を行いつつ描画処理がリアルタイムで行われる
こととなる。このようにして、描画されるべき描画領域
について全ての描画が終了すると、基材2の表面におけ
る描画処理が終了することとなる。
【0072】なお、本例では、この描画領域を被描画層
とし、この被描画層における曲面部2aの表面の曲面に
該当する部分を被描画面としている。
【0073】さらに、上述のような各種演算処理、測定
処理、制御処理などの処理を行う処理プログラムは、プ
ログラムメモリ162に予め制御プログラムとして格納
されることとなる。
【0074】なお、電子ビーム描画装置1のメモリ16
0には、不図示の形状記憶テーブルを有し、この形状記
憶テーブルには、例えば基材2の曲面部2aに回折格子
を傾けて各ピッチ毎に形成する際の走査位置に対するド
ーズ量分布を予め定義したドーズ分布の特性などに関す
るドーズ分布情報、その他の情報が格納されている。
【0075】また、プログラムメモリ162には、これ
らの処理を行う処理プログラム、ドーズ分布情報などの
情報をもとに、曲面部2a上の所定の傾斜角度における
ドーズ分布特性など演算により算出するためのドーズ分
布演算プログラム、その他の処理プログラムなどを有し
ている。
【0076】このため、制御部170は、測定装置80
にて測定された描画位置に基づき、電子レンズの電流値
を調整して電子ビームの焦点位置を描画位置に応じて可
変制御するとともに、焦点位置における焦点深度内につ
いて、ドーズ分布の特性に基づいて、そのドーズ量を算
出しつつ基材の描画を行うように制御する。
【0077】あるいは、制御部170は、測定装置80
にて測定された描画位置に基づき、駆動手段によりXY
Zステージ30を昇降させて、電子銃12にて照射され
た電子ビームの焦点位置を描画位置に応じて可変制御す
るとともに、焦点位置における焦点深度内について、メ
モリ160のドーズ分布の特性に基づいて、そのドーズ
量を算出しつつ基材の描画を行うように制御する。
【0078】さらに、制御系300は、例えば円描画時
に正多角形(不定多角形を含む)に近似するのに必要な
(円の半径に応じた)種々のデータ(例えば、ある一つ
の半径kmmの円について、その多角形による分割数
n、各辺の位置各点位置の座標情報並びにクロック数の
倍数値、さらにはZ方向の位置などの各円に応じた情報
等)、さらには円描画に限らず種々の曲線を描画する際
に直線近似するのに必要な種々のデータ、各種描画パタ
ーン(矩形、三角形、多角形、縦線、横線、斜線、円
板、円周、三角周、円弧、扇形、楕円等)に関するデー
タを含む。
【0079】そして、ある一の円について、正多角形に
近似され、各辺が算出されると、ある一つの辺、奇数番
目の辺が描画されると、次の辺、偶数番目の辺が描画さ
れ、さらに次ぎの辺、奇数番目の辺が描画される、とい
う具合に交互に各辺が直線的に描画(走査)されること
となる。そして、ある一の円について描画が終了する
と、他の次の円を描画するように促す処理を行なう。こ
のようにして、各円について多角形で近似した描画を行
うことができる。
【0080】次に、高さ検出において精度を向上させる
ために、第2のレーザ光照射部86より基材2に対して
照射されるビーム径を所定の値以下とし、加えて、対象
性の良いビーム形状とするような構成について、図9〜
図14を用いて説明する。
【0081】ここで、高さ検出の原理は、前述したよう
に、図6及び図7に示すように、高さ検出用ビームであ
る第2の光ビームS2が曲面部2a上のある位置の特定
の高さを透過し、その際に、曲面部2aの曲面にて当た
ることにより生じる散乱光SS1、SS2の散乱光分に
より弱められた光強度の第2の光ビームS2を、第2の
受光部88にて検出し、この検出された第2の光強度分
布に基づき、位置が測定算出される。
【0082】この算出の際には、図7に示すように、第
2の受光部88の信号出力Opは、図8に示す特性図の
ような、信号出力Opと基材の高さとの相関関係を有す
るので、制御回路100のメモリ160などにこの特
性、すなわち相関関係を示した相関テーブルを予め格納
しておくことにより、第2の受光部88での信号出力O
pに基づき、基材の高さ位置を算出できる。
【0083】そして、この基材の高さ位置を描画位置と
して、図6、図7、図15のように、調整部材71で電
子ビーム焦点位置と高さ検出用ビームとの位置を合わせ
るようにして後述のように調整することで電子ビームの
焦点位置の調整が行われ、描画が行われる。
【0084】このような前提の下、以下に測定装置80
の制御系の概要について、図9を用いて説明する。
【0085】測定装置80は、図9に示すように、第2
のレーザ光照射部86、第2の受光部88、ピンホール
89を有し、さらに、この測定装置80の第2のレーザ
に関して制御を行う第2のレーザ制御系132を構成し
ている。
【0086】第2のレーザ光照射部86は、例えば半導
体レーザ等にて形成される光源86aと、光源86aか
ら出射されたレーザビーム径のビーム径を所定の値に設
定可能(ないしは可変可能)な第1の光学系86b−1
と、光強度分布のビーム形状を任意の形状(好ましくは
常に対象性のよいビーム形状)に整形ないしは変換する
ためのビーム整形ディフューザないしはそれに類する第
2の光学系86b−2と、ビームを集束させる等各種処
理を行うためのその他の光学系86b−3と、第1の光
学系86b−1を基材の曲面部の傾斜面の傾斜角度θな
いしは(曲面部を球面に近似した場合の)半径R等に応
じてビーム径を可変制御するビーム径制御手段86c
と、第2の光学系86b−2のビーム形状を必要に応じ
て整形制御するビーム形状制御手段86dと、を含む。
【0087】第2のレーザ制御系132は、第2の受光
部88からの受光信号に基づいて、各種演算処理や後述
する光強度分布補正を行うための受光側制御系400
と、傾斜角度θないしは半径Rに応じた所定の高さ測定
理論誤差Δh以下となるビーム径情報、光強度分布のビ
ーム形状情報等を格納した記憶手段134と、ステージ
制御回路150並びに前記各部の制御を司る制御手段1
33と、を含む。
【0088】第1の光学系86b−1は、例えば、光源
86aから出射されたレーザ光を所望のビーム径に変換
する一又は複数のコリメータレンズ等にて形成すること
が好ましい。第2の光学系86b−2は、例えば対象性
のよいビーム形状に整形ないしは変換するための一又は
複数のビーム整形ディフューザないしは素子等にて形成
することが好ましい。その他の光学系86b−3は、レ
ーザ光を集光させるための集光レンズ、レーザ光を切り
出すスリット等を含むことが好ましい。なお、必要に応
じて上記いずれかの光学系がない構成であってもよい。
【0089】ビーム径制御手段86c、ビーム形状制御
手段86dは、例えば、必要に応じてビーム径、ビーム
形状を可変制御するためのものであり、(例えば、第1
の光学系86b−1に複数のレンズをR、θに応じて選
択的に使用する系を構成する場合には)設定条件に応じ
た変更制御を行うための機構等にて構成され得る。な
お、例えば、基材が特定のR、θで値が決まっているよ
うな場合には、第1、第2の光学系の可変制御を要しな
いので、ビーム径制御手段86cがない構成であっても
よい。さらに、光源86aは常に対象性の良いビーム形
状を出射することが確定的である場合には、第2の光学
系86b−2、ビーム形状制御手段86dのない構成で
あっても構わない。
【0090】上記のような構成を有する測定装置80に
おいて、光源86aから出射されたレーザ光は、第1の
光学系86b−1により所望のビーム径に変換される。
この際、記憶手段134には、基材の曲面部の傾斜角度
θないしは半径Rに応じた所定の高さ測定理論誤差Δh
以下となるビーム径情報が格納されているので、ビーム
径制御手段86cは、描画される基材2の形状に応じ
て、レーザ光のビーム径が所定の径以下となるようにす
ることのできるビーム径となるように制御する。
【0091】加えて、レーザ光は、第2の光学系86b
−2により、対象性の良いビーム形状に整形する。つま
り、光源86bから出射されるレーザ光が対象性のない
ビーム形状である場合には、対象性のある形状に整形さ
れ得る。
【0092】ここに、「対象性の良いビーム形状」と
は、例えば、ガウシアン分布に類似する形状等が挙げら
れる。これにより、ガウシアン状の滑らかな強度分布に
類似させることができる。つまり、対象性を有すること
で、図10に示すように曲面部上の傾斜面によって隠れ
る領域が断面左側の場合には右の領域を計測し、逆に反
対側のキャ面のように隠れる領域が断面右側の場合には
左の領域を計測し、これら右、左いずれの側の光強度分
布を計測したとしても、どこから計測しても中心が出せ
るようなビーム形状とすることができ、測定誤差を低減
できる。
【0093】そして、その他の光学系86b−3により
基材2の曲面部2a上の所定位置に対して集光するよう
に調整されたレーザ光は、基材2の曲面部2a上を透過
し、曲面部上の散乱成分の除いたレーザ光がピンホール
89を介して第2の受光部88に入射し、高さが測定さ
れる。なお、受光側制御系400において、必要に応じ
て、傾斜位置に応じた光量強度分布の補正等の各種補正
処理、各種演算処理が行われる。
【0094】このようにして、ステージ制御回路150
でZ軸方向に移動しつつ高さ測定が行われる。
【0095】ここで、ビーム径が100μm以下とする
と好ましい理由について説明する。図10においては、
基材の曲面部における半径をR(曲面部を円であると仮
定した場合)とした時に、高さを検出するための検出用
の照射光である高さ計測ビームが紙面に垂直な方向に直
進した際の断面の状態が描かれている。
【0096】ここで、光量強度分布の中心を必ず測定位
置とする際には、図10に示すように、実際の高さ位置
h1と検出された中心点(測定点)O1との間に測定誤
差Δhが生じてくる。つまり、光量強度分布の中心O1
(光量が最大となる中心)を算出すると、求めたい場所
の高さh1を測定できずに、実際は、点O1を測定して
いることになってしまう。
【0097】この図10から明らかなように、面積だけ
を考えた場合には、仮に、半径Rに対して相対的にビー
ム径が大きい場合には、面積S0が大きくなるため、測
定誤差Δhが大きくなり、逆にビーム径が小さい場合に
は、測定誤差Δhが小さくなる。また、照射される曲面
上の傾斜位置によっても、面積S0が変化し、特に曲面
部の中心軸Oから裾野方向Kに向かうに従い測定誤差Δ
hが大きくなる。
【0098】ただし、S0=S1+S2のとき、受光量
が1/2であると想定している。また、ビーム形状が、
ガウシアン分布に類似する形状である場合には、Δhは
小さくなることも想定されよう。
【0099】そこで、これら各パラメータと測定誤差Δ
hとの相関関係を具体的に検証すべく、本発明者等が鋭
意検討を行った結果、図11に示すような関連性がある
ことが判明した。
【0100】図11には、R=1.5mmの場合であっ
て、θ=45度、θ=60度の場合における、高さの測
定誤差Δhとビーム径との関係を示す特性図が開示され
ている。
【0101】ここで、電子ビームの焦点深度は、例えば
10μm〜数十μm程度であるために、描画時間の短
縮、つなぎ部分を少なくし、1回の高さ調整でより広い
領域の描画を持たせるために、高さ検出精度たる高さの
測定誤差Δhは、±1μm以内とすることが好ましい。
【0102】すなわち、高さ検出精度が±1μ以内であ
るのは、電子ビームの焦点深度と関係しており、焦点深
度がある特定値である際に、この測定誤差が多い分だ
け、1回に描画できる範囲が狭くなる。
【0103】つまり、3次元描画で考えた場合に、ある
一つの高さ位置において、高さの測定誤差が大きいと、
XY平面方向にて、ある狭い描画領域でしか描画できな
いこととなる。この範囲が狭まると、1回の描画領域が
小さくなるために、1回の描画層で移動するXYステー
ジの移動が何回も必要となり、ステージ移動の回数が非
常に多くなる。このため、何回も移動を行うと、何回も
繋ぎが必要になり、繋ぎの精度が落ち、描画部分の細部
は滑らかな面とならず、段差の非常に多いいびつな面と
なってしまう。
【0104】そこで、1回の描画領域を大きし、連続し
た形状を構成する必要がある。このために、特定の焦点
深度を有する電子ビームの描画位置が設定された特定の
高さ位置において、載置面方向にステージを移動させず
に描画される描画領域が、曲面部上に描画される任意の
描画パターン形状の細部が連続した面を有するような広
さとなるような、高さ位置における測定誤差とする必要
がある。
【0105】従って、電子ビームの焦点深度を例えば1
0μm〜数十μm程度とすると、高さの測定誤差Δhが
±1μm以内とする必要があるのである。このように、
測定誤差Δhは、基材の曲面部上に形成する描画パター
ンの最終的な形状に影響を及ぼす。
【0106】なお、例えば、仮に、測定誤差Δhを例え
ば2倍の±2μm以下で設定した場合には、±1μm以
内で設定した場合より多くのステージ移動回数が必要と
され、逆に半分の±0.5μm以下で設定した場合に
は、±1μm以内で設定した場合より少ないステージ移
動回数で済む。
【0107】図11に説明を戻すと、測定誤差Δhの許
容範囲(±1μm)内におさまるビーム径としては、θ
=60度の場合にはΔhが1μm以内となるビーム径b
1(130μm前後)、θ=45度の場合にはΔhが1
μm以内となるビーム径b2(175μm前後)とする
のが好ましい。
【0108】さらに、ビーム径を100μm以内とすれ
ば、さらに誤差が小さくなるので好ましい。その理由
は、100μm以上だとノイズの問題が生じるからであ
り、また、100μm程度であれば、簡単な光学系で達
成でき、ビーム径を例えば100μmに絞り込む場合に
は、普通のレンズで達成できる。このように、100μ
mであれば、充分に精度を出しながらも、構成としても
簡単になるという効果がある。なお、曲面部の傾斜面の
勾配として、θ=60以上になると、電子ビームで描画
する際に、エネルギーの分布、方向が斜めになり、散乱
するので好ましくない。
【0109】以上、R=1.5mmの場合について述べ
たが、当然のことながら、R=3、R=4、R=数ミリ
等であってもよいし、さらには、θは任意の角度であっ
てもよい。その場合も、高精度検知に必要とされるビー
ム径は変化する。
【0110】乃ち、一般的には、図12に示す符号13
4aに示すように、ビーム径条件は、(11)に示す条
件とするのが好ましく、この場合、Δhは、(12)式
のように定義される。ここで、Lは、(13)式のよう
に定義され、Tは、(14)式のように定義され、rは
ビーム半径、Rは基材曲率、αはノイズ、光量のA/D
変換分解能等を示す。
【0111】すなわち、曲面部上の測定すべき高さ位置
の高さとビーム径の光軸中心との間の測定誤差をΔh、
曲面部の曲率半径をR、照射光のビーム半径をr、基材
の底面に対する曲面部上の傾斜面のなす角度をθ、出射
光に関するノイズその他の補正値をα、とした場合に、
ビーム径は、tan(90−θ)=TとなるT、R−√
(R−r)/2+Rsin(2r/3)/(2
r)=LとなるL、で表される、Δh=(L−R)T+
√{2RL−L+(RT)}}/{(1+T )c
os(90−θ)}が、Δh+α<略1μmの条件を満
たすビーム径2rとすることが好ましい。
【0112】これらの関係を定義したテーブル等を記憶
手段134に格納しておき、必要に応じて演算可能に構
成しておくことが好ましい。
【0113】次に、本実施の形態のような測定装置を用
いた場合と、触針式による測定装置とを用いた場合の比
較例について、図14を用いて説明する。
【0114】同図に示すように、基材の曲面部の曲率R
=4mm、傾斜角度θ=49度とした場合には、触針式
の測定装置(精度0.2μm以内)との測定誤差は、±
0.75μm程度となり、レーザ光による測定装置であ
っても高い測定精度が得られることがわかる。
【0115】なお、本実施の形態の精度評価には、図1
3に示すように、縦方向では、20μm、横方向では3
0μmのビーム形状を有しるレーザ光を使用したことを
前提としている。図13は、上述のような対象性のよい
ビーム形状とした場合の基材位置でのビーム形状を、縦
(図13(A))、横(図13(B))方向の各々につ
いて開示したものである。
【0116】光学系を構成する場合には、第2の照射部
86と第2の受光部88との間の距離が接近するほどビ
ーム径が絞りやすいが、第2の照射部86とXYZステ
ージ30、及び第2の受光部88とXYZステージ30
との間の距離は、XYZステージ30が移動可能なスト
ローク分以上離間した位置(ステージ移動に干渉しない
領域)に配設する必要がある。これにより、測定装置8
0とXYZステージ30との干渉を防止することができ
る。
【0117】また、ストローク分離した構成とすること
により、電子ビーム描画装置1内の筐体11を穿設して
ガラス等で真空状態を保ちつつ、測定装置の照射部、受
光部を設置すればよいので、簡単な構成で達成できる。
【0118】ただし、測定装置の配設の仕方によって
は、上述のストロークの確保が不要となる場合も想定し
得る。
【0119】上述のような構成の電子ビーム描画装置に
て基材上に描画を行う場合の処理手順について説明す
る。
【0120】先ず、描画処理の全体の概略的な処理の流
れにおいては、予め、基材の3基準点P0n=(xn、
yn、zn)、n=1〜3の各測定、並びに基材の各部
の高さHo(x、y)の測定を他の測定装置により行
う。
【0121】次に、図15,図16に示す調整用プロー
ブの調整部材71を用いて高さ位置測定用光ビームの高
さ方向の位置調整及び電子ビームの焦点位置調整等を行
い、描画開始準備を行う。この調整部材71を用いた調
整ステップについて図17を参照して説明する。
【0122】まず、図15のように、調整部材71が取
り付けられ基材2を載せた載置台90を電子ビーム描画
装置1内に挿入し、ステージ30に載せる(S51)。
次に、図15のステージ30をXY方向に移動させて第
2のレーザ光照射部86からの第2の光ビームが調整部
材71のスリット状孔部73のある測定中心位置付近を
照射するように移動させる(S52)。そして、第2の
光ビームが調整部材71のスリット状孔部73を通過し
て入射したときの第2の受光部88からの出力(Op)
が最大になるように調整部材71の孔部73の位置をス
テージ30でXY方向に更に移動させ微調整する(S5
3)。これにより、第2の光ビームの光軸を調整すると
ともにフォーカス位置を調整する。
【0123】次に、第2の光ビームが調整部材71の上
端面71aにある凹部72を照射するようにステージ3
0をZ方向に距離α移動させる(S54)。そして、ス
テージ30をZ方向に移動させながら(S55)、第2
の光ビームが調整部材71の凹部72で通過して入射し
たときの第2の受光部88からの出力(Op)が調整部
材71のない場合の出力Opmaxの半分になるまでZ
方向に移動させ(S56)、Op=Opmax/2とな
ったZ方向位置でステージ30を停止する(S57)。
これにより、第2のレーザ光照射部86から照射される
第2の光ビームのZ方向位置(高さ位置)を基準位置に
高精度に合わせることができる。このため、第2の光ビ
ームにより基材2の曲面部2aの高さ位置を精度よく測
定できるようになる。
【0124】なお、この調整時に、調整部材71の上端
面71aからスリット状孔部73の上端73aまでビー
ム半径以上の距離αだけ離れているので、上端73aか
ら光ビームが洩れて第2の受光部88に入射することが
なく、精度が低下せず、好ましい。
【0125】次に、図15のSEM像モニタ92で載置
台90上の調整部材71の図16(B)の位置合わせ面
75を観察しながら電子ビームフォーカシング調整部9
3により図3の電子ビーム描画装置1内の電子ビームを
調整部材71の位置合わせ面75に合焦させる(S5
8)。
【0126】上述のように、高さ位置測定用の第2の光
ビームの高さ位置を凹部72で調整するとともに、凹部
72と同軸上の位置合わせ面75で電子ビームの焦点位
置を調整するので、図7のように、高さ測定用光ビーム
S2の光軸と電子ビームEBの集光位置とが直交するよ
うに高精度に調整できる。
【0127】なお、調整部材71の上端面71aには電
子ビームフォーカス調整のために図16(C)のような
位置合わせマーク77を設けたものでもよいが、第2光
ビームの高さ位置調整時に図の正面から確認するための
工夫が必要となる。このため、図16(D)のように上
端面71aに位置合わせマーク79を形成するとともに
そのマーク79の間に凹部78を形成するようにしても
よい。
【0128】以上のようにして、電子ビーム描画装置1
に測定された基材2のセットを行い、調整ステップを実
行することで描画開始準備を行う。なお、このステップ
では、前記他の測定装置にて測定された測定結果を、電
子ビーム描画装置1の測定情報入力部158を用いて入
力を行う。入力された測定結果は、メモリ160等に記
憶されることとなる。
【0129】なお、電子ビーム描画装置1と他の測定装
置とを一つのクリーンルームもしくはチャンバ内にてネ
ットワーク接続し、他の測定装置にて測定された測定結
果が一義的に電子ビーム描画装置1内のメモリ160内
に格納される「システム」を構成している場合には、上
述の入力作業は不要となる。この「システム」は、上述
のセット前に予め基材を測定するための他の測定装置
(第2の測定装置)と、セット後に基材を測定するため
の測定装置(第1の測定装置)との都合2つの測定装置
を含む電子ビーム描画装置として定義してもよい。さら
には、これらの測定装置を一つにして双方の測定を兼用
できる構成(例えば基材をチャックしてからステージ上
に搬送する間の搬送路において、セット前の測定位置
(第1位置)とセット後の測定位置(第2位置)との間
を測定装置が移動するとともに、セット前測定用の測定
ステージを第1位置に、ステージを第2位置に位置させ
る構成、あるいは、測定ステージとステージとを用意し
ておき、描画位置の測定位置に必要に応じていずれかの
ステージを位置させる構成等)としてもよい。
【0130】次に、基材2の3基準点P1n(Xn、Y
n、Zn)のうち、Znの測定を、電子ビーム描画装置
1の描画領域に設けられた測定装置80を用いて測定を
行う。
【0131】ここで、上述のような高さ検出、測定用の
照射光を、ビーム径を所定の径以下としたり、ビーム形
状(光量強度分布)をガウシアン形状としたり、場合に
よっては各種の補正演算により精度良く高さ検出を行
う。
【0132】すると、電子ビーム描画装置1では、上記
予め測定された3基準点P0n(xn、yn、zn)の
情報及び各部の高さHo(x、y)の情報(第1の座標
系)と、上記測定された3基準点P1n(Xn、Yn、
Zn)の情報(第2の座標系)と、に基づき、電子ビー
ム描画装置1内におけるビームの最適フォーカス位置H
p(x、y)の算出を行う。なお、この算出を行うため
の演算アルゴリズムを具現化した処理プログラムは、例
えばプログラムメモリに格納されて、制御部によって他
の処理プログラムとともに必要に応じて処理されること
となる。この処理プログラムは、例えば制御部170及
びプログラムメモリ162を含む最適フォーカス位置算
出手段を構成できる。
【0133】ところで、これは、あくまでも1フィール
ド(例えば0.5×0.5×0.05mm等の単位空
間)(m=1)についてである。因みに、この1フィー
ルド内をビームが走査することで後述する描画が行われ
る。
【0134】次いで、XYZステージ30を、m分割さ
れた特定の1フィールドに移動し、焦点深度f内にある
位置について描画を実施する処理を行う。
【0135】また、焦点深度内にある位置で、未だ描画
されていない部分があれば、その部分について描画を行
うこととなる。
【0136】そして、その1フィールドの描画が完了し
たか否かの判断処理を行い、この判断処理において、そ
のフィールドについて描画が完了したものと判断された
場合には、m←m+1とする処理を行い、次の一フィー
ルド(第2フィールド)について同様の処理を行うこと
となる。
【0137】一方、判断処理において、その第1フィー
ルドについて描画が完了していないものと判断された場
合には、XYZステージ30を相対移動させることで、
Z軸を微小移動させ、電子ビームのフォーカス位置を微
小移動させる(第1処理)。もしくは、電磁レンズの電
流をレンズ制御部によって調整制御することでビームの
フォーカス位置を微小移動させる(第2処理)。あるい
は、第1処理及び第2処理の双方の制御によってフォー
カス位置の調整制御を行う。
【0138】次に、フォーカス電流を変更した場合に
は、この電流値に対応する描画位置x、yの補正を行う
補正処理を実行する。そして、全ての描画が完了してい
ないものと判断された場合には戻り、全ての描画が完了
したものと判断された場合には、処理を終了する。
【0139】以上のように本実施の形態によれば、電子
ビームの焦点深度は、例えば10μm〜数十μm程度で
ある場合に、高さ検出精度たる高さの測定誤差Δhは±
1μm以内となるビーム径とすることにより、描画時間
の短縮、つなぎ部分を少なくし、1回の高さ調整でより
広い領域の描画を持たせるために、精度良い描画を行う
ことができる。これにより、測定装置としても、十分な
測定精度を得ることが出来る。特に、ビーム径を100
μm以下とすることにより、ノイズの影響も低減され、
しかも、簡単な光学系構成で実現できるので、特別高性
能なレンズ及びレンズ群が不要となる。
【0140】また、ビーム形状(光量強度分布)を、対
象性の良いビーム形状、とりわけガウシアン分布あるい
はそれに類する分布形状とすることにより、測定される
基材の曲面部の傾斜方向に関わらず計測が可能となる。
【0141】また、照射部及び受光部をXYZステージ
の移動ストローク以上離間して配設することにより、描
画装置の試料室(筐体)の大幅な改造を避けることが出
来る。しかも、光源として半導体レーザを利用すること
により、低コストでしかも、上述した作用効果を容易に
達成できる。
【0142】また、高さ測定用光ビームS2の光軸と電
子ビームEBの集光位置とが直交するように高精度に調
整できるので、基材2の曲面部2aにおける3次元描画
を精度よく行うことができる。
【0143】なお、他の効果としては、エネルギー線例
えば電子ビームによる直接描画・直接加工技術を利用す
れば、電子ビームは、例えばレーザビーム等に比べる
と、波長が短いことから、非常に精密な加工に適してい
る。しかも、電子ビームは、ビーム照射方向(加工物の
厚さ方向)について、加工精度の点で有利であり、基材
と電子ビーム照射手段(例えば光源等)とを相対的に移
動させても、十分に位置精度を確保することができる。
このため、3次元形状を有する立体的な対象物、特に連
続した曲面を有する基材を加工することが容易に可能に
なる。従って、球面あるいは非球面形状の光学機能面に
回折構造を有する光学素子を形成することができ、より
立体的な加工が容易に実現できる。そして、この場合、
予め基材の形状を高精度の測定装置により把握しておい
てフィードバック等の制御により焦点位置を容易に算出
できるので、曲面を有する基材においても容易に精度良
く描画を行うことができる。
【0144】〈第2の実施の形態〉
【0145】次に、図16のような調整用プローブの調
整部材の加工方法に関する第2の実施の形態について図
18及び図19に基づいて説明する。図18は、本実施
の形態で使用可能な集束イオンビーム装置の要部を概略
的に示す図であり、図19は図18の集束イオンビーム
装置により調整部材の凹部及び柱部を加工する手順
(A)〜(C)を説明するための図である。
【0146】図1の集束イオンビーム(focused ion be
am)装置1001では、ガリウム液体金属イオン源11
00のエミッタ11aに加速電圧を印加し電極11bに
負の高電圧を印加すると、エミッタ11aからイオンが
放出され、電極11b及び11cで構成される集束レン
ズで集束される。集束されたイオンビームBは、ビーム
を平行にするコンデンサレンズ1200と、ビーム照射
のオンオフを行うブランカ1300と、ビーム位置をア
パチャ1500に対し調整するアライナ1400と、ビ
ーム開角を決めるアパチャ1500と、ビームを対物レ
ンズ1700の中心に通すためのアライナ1600と、
ビームを被加工物1000の表面にスポット状に合焦さ
せる対物レンズ1700と、ビームを被加工物1000
の表面上で走査させるように電界または磁界によりビー
ムを偏向させる偏向走査部1800とを順に通過し、X
Yステージ2100上に取り付け固定された図16の調
整部材71を加工するための被加工物1000の表面に
照射される。
【0147】また、XYステージ2100は駆動部21
a、21bによりXY方向に微小に移動し、XYステー
ジ制御部2200の駆動部21a、21bの制御により
集束イオンビームの照射点と被加工物1000との相対
位置を微小調整できる。図18の集束イオンビーム装置
の上述の各部分全体として制御装置2300により制御
される。
【0148】次に、図16のような調整部材71の凹部
72と柱部74を加工する手順を説明する。XYステー
ジ2100上に固定された被加工物1000に対し集束
イオンビームを照射しながらXYステージ2100をX
Y方向に微小に移動させることで、図19(A)に示す
ように、図16の調整部材71の上端面71aで集束イ
オンビームを図の矢印のように移動させながら照射す
る。これにより図19(B)のように凹部72を形成す
る。このとき、2つの凹部72の間に柱部の原形部74
aが形成される。次に、図19(B)の矢印のように同
様にして集束イオンビームを原形部74aで移動させな
がら照射することで、図19(C)のように柱部74を
形成する。
【0149】以上のようにして図18の集束イオンビー
ム装置1001により微細な加工を短時間で高精度に行
うことができ、調整部材71の凹部72,柱部74を精
度よくしかも短時間で加工することができる。また、上
述のようにして柱部74を形成するので、調整部材71
の上端面71aが柱部74における位置合わせ面75と
なる。また、図16の調整部材71の孔部73をも同様
にして高精度に加工できる。
【0150】なお、本発明にかかる高さ測定装置・方法
及び電子ビーム描画装置・方法は、そのいくつかの特定
の実施の形態に従って説明してきたが、当業者は本発明
の主旨および範囲から逸脱することなく本発明の本文に
記述した実施の形態に対して種々の変形が可能である。
例えば、上述の各実施の形態では、ビーム描画装置とし
ての電子ビーム描画装置に測定装置を搭載する構成を開
示したが、測定装置単独であってもよいし、他の種々の
製造装置に測定装置を搭載した構成であってもよい。ま
た、本発明によるビーム描画装置は、電子ビームによる
描画以外にも例えばレーザビームにより描画するように
構成してもよい。
【0151】また、上述の第1の実施の形態における基
材として光学素子に対応させることができ、3次元的に
高精度の描画パターンを形成することができるので、例
えば基材上に回折輪帯等を高精度に形成することがで
き、この基材により光学性能に優れた光学素子を形成す
ることもできる。また、本実施の形態の測定装置を適用
して高さ位置測定をして電子ビーム描画を行うことで、
つなぎの少ない高精度の描画パターンの形成が可能であ
る。また、例えば、描画後は、現像、エッチング処理、
金型作成処理などを行うことで、その金型を用いて成形
品を作製することで、上述の光学素子を射出成形するた
めの成形型をも容易に高精度に製造できる。
【0152】なお、本発明にいう「曲面部」とは、3次
元的に形状が一様に(連続的に)変化する曲面である
が、世間一般ないしは当業者間で用いられる字義、辞書
的字義にとどまらず、前記のような解釈に限らず、いわ
ゆる凸部状のもの(天面が平面で側壁(側壁は曲面、鉛
直面、傾斜面(逆テーパ、テーパに限らない)、等に限
らない)を有するもの)等、不連続面で構成されるもの
を含む。さらに、一部に平面を有してもよい。また、
「少なくとも曲面部を一面に含んでなる基材」とは、基
材の一面に曲面部を有し、同じ一面に他の凸部あるいは
曲面部等の任意の形状を有してもよく、言わずもがな他
方の面の形状は任意である。
【0153】さらに、上記実施形態には種々の段階が含
まれており、開示される複数の構成要件における適宜な
組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。つまり、
上述の各実施の形態同士、あるいはそれらのいずれかと
各変形例のいずれかとの組み合わせによる例をも含むこ
とは言うまでもない。この場合において、本実施形態に
おいて特に記載しなくとも、各実施の形態及び変形例に
開示した各構成から自明な作用効果については、当然の
ことながら本例においてもその作用効果を奏することが
できる。また、実施形態に示される全構成要件から幾つ
かの構成要件が削除された構成であってもよい。
【0154】
【発明の効果】本発明によれば、ビームを用いて3次元
描画する際の、3次元曲面基材の曲面高さ測定において
精度よく測定できるとともに高さ測定用光ビームの光軸
とビームの集光位置とが直交するように高精度に調整で
きるビーム描画装置及び方法を提供できる。また、3次
元形状を有する基材の高さを精度よく測定できる基材の
高さ検出装置及び方法を提供できる。また、更に、これ
らの装置または方法に使用するプローブ、及びこのプロ
ーブの製造方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態における測定装置の概略構成
を示す説明図である。
【図2】図2(A)〜(C)は、基材の面高さを測定す
る手法を説明するための説明図である。
【図3】第1の実施の形態における電子ビーム描画装置
の全体の概略構成を示す説明図である。
【図4】図4(A)(B)は、図3の電子ビーム描画装
置にて描画される基材を示す説明図であり、同図(C)
は、描画原理を説明するための説明図である。
【図5】図3の電子ビーム描画装置におけるビームウエ
ストを説明するための説明図である。
【図6】図1の測定装置のレーザ光と電子ビームの焦点
深度との関係を説明するための説明図である。
【図7】図1の測定装置の光照射と受光との関係を示す
説明図である。
【図8】図1の測定装置の信号出力と基材の高さとの関
係を示す特性図である。
【図9】図1の測定装置の概略構成を機能的に示した機
能ブロック図である。
【図10】測定誤差を説明するための説明図である。
【図11】測定誤差とビーム径との関係を説明した説明
図である。
【図12】ビーム径の条件を説明するための説明図であ
る。
【図13】図13(A)(B)は、基材位置でのビーム
形状を示す説明図である。
【図14】第1の実施の形態の測定装置と触針式の測定
装置との測定誤差の比較を示すための説明図である。
【図15】図3の電子ビーム描画装置及び基材の載置台
を概略的に示す斜視図である。
【図16】図16(A)は図15の調整部材を拡大して
示す図、図16(B)は図16(A)のA部を更に拡大
して示す図、図16(C)は図15の調整部材の上端面
に形成した電子ビーム焦点位置のマークを示す図、及び
図16(D)は図15の調整部材の上端面に形成した凹
部及び電子ビーム焦点位置のマークを示す図である。
【図17】図15の電子ビーム描画装置における調整部
材を用いた調整ステップを説明するためのフローチャー
トである。
【図18】第2の実施の形態で使用可能な集束イオンビ
ーム装置の要部を概略的に示す図である。
【図19】図18の集束イオンビーム装置により調整部
材の凹部及び柱部を加工する手順(A)〜(C)を説明
するための図である。
【符号の説明】
1 電子ビーム描画装置 2 基材 2a 曲面部 30 XYZステージ(載置台) 71 調整部材 71a 上端面(自由端) 72 凹部 73 スリット状孔部 74 柱部 75 位置合わせ面 80 測定装置 82 第1のレーザ光照射部 84 第1の受光部 86 第2のレーザ光照射部(光照射手段) 88 第2の受光部(受光手段) 90 載置台 100 制御回路 131 第1のレーザ制御系 132 第2のレーザ制御系 140 第1の測定算出部 142 第2の測定算出部 150 ステージ制御回路 152 ローダ制御回路 154 機構制御回路 156 真空排気制御回路 158 測定情報入力部 160 メモリ 162 プログラムメモリ 170 制御部 1001 集束イオンビーム装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 長澤 忠広 東京都日野市さくら町1番地 コニカ株式 会社内 Fターム(参考) 2F065 AA24 BB05 CC21 FF23 FF41 GG04 HH04 HH12 HH14 HH15 JJ01 JJ05 JJ15 LL28 QQ25 TT08 2H049 AA31 AA33 AA37 AA68 AA69 5C034 BB02 BB07 BB08

Claims (26)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ビームを照射するビーム照射手段と、 前記ビーム照射手段から照射されたビームの焦点位置を
    可変とするための可変手段と、 前記可変手段を通過して合焦されたビームの照射により
    描画される被描画面に曲面部を有する基材を載置する載
    置台と、 前記基材上に描画される描画位置を測定するための測定
    手段と、 前記測定手段により測定された前記描画位置に基づいて
    前記ビームの焦点位置を可変制御する制御手段と、 前記載置台に支持され前記ビームの焦点位置を調整する
    ための位置合わせ面を有する調整部材と、を具備し、 前記測定手段は、前記曲面部の高さを測定するために前
    記基材に対して略水平方向から光ビームを照射する光照
    射手段と、前記光ビームが前記基材を透過した透過光を
    受光する受光手段と、を備え、前記光照射手段から前記
    調整部材の位置合わせ面近傍のエッジ部分に照射した光
    ビームを前記受光手段により受光することで前記エッジ
    部分を基準にして前記光ビームの高さ方向の位置を調整
    することを特徴とするビーム描画装置。
  2. 【請求項2】 前記調整部材は前記位置合わせ面の前記
    ビームの焦点位置となる中心を通り前記高さ方向に沿っ
    た軸上に孔部を有し、前記孔部に照射し通過した光ビー
    ムを前記受光手段により受光することで前記光ビームの
    光軸位置及びフォーカス位置の少なくとも一方を調整す
    ることを特徴とする請求項1に記載のビーム描画装置。
  3. 【請求項3】 前記孔部の水平方向の幅が前記光ビーム
    の径よりも小さいことを特徴とする請求項2に記載のビ
    ーム描画装置。
  4. 【請求項4】 前記調整部材は前記エッジ部分に前記位
    置合わせ面から凹んだ凹部を有することを特徴とする請
    求項1,2または3に記載のビーム描画装置。
  5. 【請求項5】 前記調整部材は前記エッジ部分の凹部内
    に前記位置合わせ面が形成された柱部を有することを特
    徴とする請求項4に記載のビーム描画装置。
  6. 【請求項6】 前記孔部は前記凹部の下方に細長く延び
    るようにスリット状に形成されていることを特徴とする
    請求項4または5に記載のビーム描画装置。
  7. 【請求項7】 前記測定手段は前記基材上の平面位置の
    測定のための光照射手段及び受光手段を更に備え、 前記載置台が3軸ステージにより3次元方向に移動が可
    能であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1
    項に記載のビーム描画装置。
  8. 【請求項8】 前記ビーム照射手段は電子ビームを照射
    し、 前記可変手段は電子レンズから構成されることを特徴と
    する請求項1乃至7のいずれか1項に記載のビーム描画
    装置。
  9. 【請求項9】 3次元的に形状変化する曲面部を一面に
    少なくとも含む基材の前記曲面部の高さを検出するため
    に前記基材に対して略水平方向から光ビームを照射する
    光照射手段と、 前記光照射手段からの光ビームを受光する受光手段と、 前記基材を載置する載置台と、 前記載置台に支持され前記載置台から高さ方向に離れた
    自由端に凹部を有する調整部材と、を備え、 前記光照射手段から前記調整部材の凹部に照射した光ビ
    ームを前記受光手段により受光することで前記凹部を基
    準にして前記光ビームの高さ位置を調整することを特徴
    とする基材の高さ測定装置。
  10. 【請求項10】 前記調整部材は前記凹部の水平方向の
    中心を通り前記高さ方向に沿った軸上に孔部を有し、前
    記孔部に照射し通過した光ビームを前記受光手段により
    受光することで前記光ビームの光軸位置及びフォーカス
    位置の少なくとも一方を調整することを特徴とする請求
    項9に記載の基材の高さ測定装置。
  11. 【請求項11】 前記孔部の水平方向の幅が前記光ビー
    ムの径よりも小さいことを特徴とする請求項10に記載
    の基材の高さ測定装置。
  12. 【請求項12】 前記孔部は前記凹部の下方に細長く延
    びるようにスリット状に形成されていることを特徴とす
    る請求項10または11に記載の基材の高さ測定装置。
  13. 【請求項13】 前記載置台を少なくとも前記高さ方向
    に移動させるステージを更に備え、前記光ビームの高さ
    位置は前記ステージ上の前記載置台を高さ方向に移動す
    ることにより調整することを特徴とする請求項9乃至1
    2のいずれか1項に記載の基材の高さ測定装置。
  14. 【請求項14】 ビームを照射し焦点位置に合焦し、前
    記合焦されたビームの照射により曲面部を有する基材の
    被描画面に描画するビーム描画方法であって、 前記基材に関する略水平方向から光ビームを前記ビーム
    の焦点位置を調整する位置合わせ面を有する調整部材の
    前記位置合わせ面近傍のエッジ部分に照射しその光ビー
    ムを受光することで前記エッジ部分を基準にして前記光
    ビームの高さ方向の位置を調整するステップと、 前記ビームの焦点位置を前記調整部材の位置合わせ面で
    調整するステップと、 前記光ビームが前記基材を透過した透過光を受光するこ
    とで前記曲面部の高さを測定し前記基材上に描画される
    描画位置を測定するステップと、 前記測定された描画位置に基づいて前記ビームの焦点位
    置を可変制御するステップと、を含むことを特徴とする
    ビーム描画方法。
  15. 【請求項15】 ビームを照射し焦点位置に合焦し、前
    記合焦されたビームの照射により曲面部を有する基材の
    被描画面に描画するビーム描画方法であって、 前記基材に関する略水平方向から光ビームを前記ビーム
    の焦点位置を調整する位置合わせ面を有する調整部材に
    照射し、前記位置合わせ面の焦点位置中心を通り前記調
    整部材の高さ方向に沿った軸上にある孔部を通過した光
    ビームを受光することで前記光ビームの光軸を調整する
    とともに前記光ビームのフォーカス位置を調整するステ
    ップと、 前記調整部材の位置合わせ面近傍のエッジ部分に前記光
    ビームを照射しその光ビームを受光することで前記エッ
    ジ部分を基準にして前記光ビームの高さ方向の位置を調
    整するステップと、 前記ビームの焦点位置を前記調整部材の位置合わせ面で
    調整するステップと、 前記光ビームが前記基材を透過した透過光を受光するこ
    とで前記曲面部の高さを測定し前記基材上に描画される
    描画位置を測定するステップと、 前記測定された描画位置に基づいて前記ビームの焦点位
    置を可変制御するステップと、を含むことを特徴とする
    ビーム描画方法。
  16. 【請求項16】 前記位置合わせ面から凹んだ凹部に前
    記光ビームを照射し、前記光ビームの高さ方向の位置を
    調整することを特徴とする請求項14または15に記載
    のビーム描画方法。
  17. 【請求項17】 前記凹部内に形成された柱部の位置合
    わせ面で前記ビームの焦点位置を調整することを特徴と
    する請求項16に記載のビーム描画方法。
  18. 【請求項18】 前記描画位置を測定する際に前記基材
    上の平面位置を測定することを特徴とする請求項14乃
    至17のいずれか1項に記載のビーム描画方法。
  19. 【請求項19】 前記基材は光学素子に対応することを
    特徴とする請求項14乃至18のいずれか1項に記載の
    ビーム描画方法。
  20. 【請求項20】 前記基材に基づき光学素子を射出成形
    するための金型作製処理を行うことを特徴とする請求項
    14乃至19のいずれか1項に記載のビーム描画方法。
  21. 【請求項21】 3次元的に形状変化する曲面部を一面
    に少なくとも含む基材の前記曲面部の高さを検出するた
    めに前記基材に対して略水平方向から光ビームを照射
    し、前記基材を透過した透過光を受光することで前記基
    材の高さ位置を測定する方法であって、 前記基材を載置する載置台に支持された調整部材に前記
    水平方向から光ビームを照射するステップと、 前記調整部材の前記載置台から高さ方向に離れた自由端
    に形成された凹部に照射された前記光ビームを受光する
    ことで前記凹部を基準にして前記光ビームの高さ方向の
    位置を調整するステップと、を含むことを特徴とする基
    材の高さ測定方法。
  22. 【請求項22】 前記調整部材の前記凹部の水平方向の
    中心を通り前記高さ方向に沿った軸上に設けられた孔部
    に前記光ビームを照射し、前記孔部を通過した光ビーム
    を受光することで前記光ビームの光軸位置を調整すると
    ともに前記光ビームのフォーカス位置を調整することを
    特徴とする請求項21に記載の基材の高さ測定方法。
  23. 【請求項23】 前記光ビームの高さ位置は前記載置台
    を高さ方向に移動することにより調整することを特徴と
    する請求項21または22に記載の基材の高さ測定方
    法。
  24. 【請求項24】 請求項1乃至13のいずれか1項に記
    載の前記調整部材または請求項14乃至23のいずれか
    1項に記載の方法に用いる前記調整部材を含むことを特
    徴とするプローブ。
  25. 【請求項25】 請求項2、3、10または11に記載
    の前記孔部または請求項15または22に記載の方法に
    用いる前記孔部がスリット状またはピンホール状に構成
    されている前記調整部材を含むことを特徴とするプロー
    ブ。
  26. 【請求項26】 請求項24または25に記載のプロー
    ブにおける前記調整部材を集束イオンビーム法により加
    工し製造することを特徴とするプローブ製造方法。
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