JP4250899B2 - 基材の描画方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光学素子等の基材の描画方法に関し、特に、微細な形状を有する精密な光学素子の光学機能面に回折構造などを描画するものに関する
【0002】
【従来の技術】
近年、情報記録媒体として、例えばCD、DVD等が広く使用されており、これらの記録媒体を読み取る読取装置などの精密機器には、多くの光学素子が利用されている。これらの機器に利用される光学素子、例えば光レンズなどは、低コスト化並びに小型化の観点から、ガラス製の光レンズよりも樹脂製の光レンズを用いることが多い。
【0003】
このような樹脂製の光レンズは、一般の射出成形によって製造されており、射出成形用の成形型も、一般的な切削加工によって形成されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、最近では、光学素子に要求されるスペックや性能自体が向上してきており、例えば、光学機能面に回折構造などを有する光学素子を製造する際に、当該光学素子を射出成形するためには、成形型にそのような回折構造を付与するための面を形成しておく必要がある。
【0005】
しかし、現在用いていられるような成形技術や加工技術の切削バイトにて、成形型にそうした回折構造などの微細な形状を形成しようとすると、加工精度が劣るとともに、バイトの強度、寿命の点で限界があり、サブミクロンオーダーあるいはそれ以下の精密な加工を行うことができない。
【0006】
特に、CD−ROMのピックアップレンズと比較して、DVD等の媒体におけるピックアップレンズでは、記録密度の増加に対して、より精度の高い回折構造が要求され、光の波長より小さいレベル、例えばnmレベルでの加工精度が求められる。しかし、上述のように従来の切削加工ではこうした加工精度は得られなかった。
【0007】
一方、光学素子などを含む基材の表面上に所望の形状を描画加工するものとしては、光露光などの手法、例えばマスク露光を用いた露光装置などによって加工を行うことが行われている。
【0008】
例えば、半導体のウエハ基板(フォトマスク)等の基材の表面に所望を形状を描画加工するための露光装置などを上記光学素子の面への加工もしくは成形型の加工などに用いることが考えられる。しかしながら、ウエハ基板用の装置は、平坦な材料しか加工することができないという問題がある。また、ウエハ基板用の装置では、基材の加工深さは、照射する光の露光エネルギー量で制御するが、光学素子のための回折格子などの精密加工、あるいはフォトニック結晶の作成などの場合、照射される光の波長より短い構造をレンズのような非平面上に正確に形成する必要がある。そのため、上記制御手法の露光装置では求められるレベルの微細な加工には適さない。
【0009】
さらに、レーザービームによる加工が考えられるが、レーザービームではミクロンレベルの加工では用いられることがあるものの、ビーム径を光学的に制御しており、ビームの集束に限界がある。従って、サブミクロンレベル、特に光の波長に近いレベルの加工は困難である。また焦点深度についても深い焦点深度が得られず、オートフォーカス等のメカニカルな手段を常に用いる必要があり、これも精度の高い加工を阻む要因となっていた。特に、曲面形状(ここではマクロ的に変化する面を有する3次元形状を含む)を有する光学素子の描画で高い精度が要求された時にはこの問題は顕著なものとなる。
【0010】
従って、平面状の基材を描画加工する場合は良いが、光レンズ用の成形型など、曲面等のダイナミックな3次元形状を有する基材に微細な形状を描画する場合には適さないという問題があった。
【0011】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、非平面形状の光学素子等の基材上に回折格子などの微細構造の描画加工を施すことである。
【0022】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項に記載の発明は、曲面を有する被描画層を含む基材に、所定の構造を形成するため、前記被描画層を電子ビームの照射方向における位置が異なる複数のフィールドに分割し、前記被描画層の各フィールドに対して順次電子ビームを照射し、前記電子ビームの焦点位置の調整もしくは前記基材の移動による位置調整のいずれか一方又は双方により行う位置調整ステップを含んで前記基材に対する電子ビームの焦点位置を相対的に変化させることにより、前記所定の構造の描画を行う基材の描画方法であって、前記描画を行う描画位置の少なくとも高さ位置を前記位置調整ステップにより調整される前記基材に対する相対的な電子ビームの焦点位置として算出する算出ステップを備え、前記算出ステップは、予め前記基材を描画ステージ上に載置する前に測定された前記基材上の複数の基準点に基づき、前記基材における3次元の第1の基準座表系を算出するステップと、前記第1の基準座標系での描画位置の少なくとも第1の高さ位置を算出するステップと、前記基材を描画ステージ上に搭載した際に測定される複数の基準点に基づき、前記基材における3次元の第2の基準座標系を算出するステップと、前記第1の高さに相当する第2の基準座標系での第2の高さを、前記電子ビームの前記描画位置における高さ位置として算出するステップと、を含むことを特徴とする。
【0023】
また、請求項に記載の発明は、前記所定の構造は、電子ビームの露光エネルギー量の制御により形成されることを特徴とする。
【0024】
また、請求項に記載の発明は、前記露光エネルギー量は、ドーズ量に対応して制御されることを特徴とする。
【0025】
また、請求項に記載の発明は、前記露光エネルギー量の制御により、加工深さを変化させることを特徴とする。
【0026】
また、請求項に記載の発明は、前記電子ビームの前記焦点位置における焦点深度内で、前記電子ビームの前記露光エネルギー量が制御されることを特徴とする。
【0046】
また、請求項に記載の発明は、前記電子ビームは、前記基材上のレジスト層に対して照射されることを特徴とする。
【0047】
また、請求項に記載の発明は、前記基材の被描画面に形成される所定の構造は、光学素子上の特定の構造に対応するものであることを特徴とする。
【0048】
また、請求項に記載の発明は、前記特定の構造は、回折格子構造を含むことを特徴とする。
【0049】
また、請求項に記載の発明は、前記回折格子構造は、走査位置に応じた所定のドーズ量分布に基づき、形成されることを特徴とする。
【0050】
また、請求項10に記載の発明は、前記ドーズ量分布の特性は、予め定義されていることを特徴とする。
【0051】
また、請求項11に記載の発明は、前記ドーズ量分布の特性は、前記曲面部上の傾斜する傾斜角度に応じて抽出されたものであることを特徴とする。
【0060】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施の形態の一例について、図面を参照して具体的に説明する。
【0061】
[第1の実施の形態]
(電子ビーム描画装置の全体構成)
先ず、本発明の特徴である曲面を有する基材に描画を行う手法の説明に先立って、電子ビーム描画装置の全体の概略構成について、図1を参照して説明する。図1は、本例の電子ビーム描画装置の全体構成を示す説明図である。
【0062】
本例の電子ビーム描画装置1は、図1に示すように、大電流で高解像度の電子線プローブを形成して高速に描画対象の基材2上を走査するものであり、高解像度の電子線プローブを形成し、電子ビームを生成してターゲットに対してビーム照射を行う電子ビーム生成手段である電子銃12と、この電子銃12からの電子ビームを通過させるスリット14と、スリット14を通過する電子ビームの前記基材2に対する焦点位置を制御するための電子レンズ16と、電子ビームが出射される経路上に配設されたアパーチャー18と、電子ビームを偏向させることでターゲットである基材2上の走査位置等を制御する偏向器20と、偏向を補正する補正用コイル22と、を含んで構成されている。なお、これらの各部は、鏡筒10内に配設されて電子ビーム出射時には真空状態に維持される。
【0063】
さらに、電子ビーム描画装置1は、描画対象となる基材2を載置するための載置台であるXYZステージ30と、このXYZステージ30上の載置位置に基材2を搬送するための搬送手段であるローダ40と、XYZステージ30上の基材2の表面の基準点を測定するための測定手段である測定装置80と、XYZステージ30を駆動するための駆動手段であるステージ駆動手段50と、ローダを駆動するためのローダ駆動装置60と、鏡筒10内及びXYZステージ30を含む筐体11内を真空となるように排気を行う真空排気装置70と、これらの制御を司る制御手段である制御回路100と、を含んで構成されている。
【0064】
なお、電子レンズ16は、高さ方向に沿って複数箇所に離間して設置される各コイル17a、17b、17cの各々の電流値によって電子的なレンズが複数生成されることで各々制御され、電子ビームの焦点位置が制御される。
【0065】
測定装置80は、基材2に対してレーザーを照射することで基材2を測定する第1のレーザー測長器82と、第1のレーザー測長器82にて発光されたレーザー光(第1の照射光)が基材2を反射し当該反射光を受光する第1の受光部84と、前記第1のレーザー測長器82とは異なる照射角度から照射を行う第2のレーザー測長器86と、前記第2のレーザー測長器86にて発光されたレーザー光(第2の照射光)が基材2を反射し当該反射光を受光する第2の受光部88と、を含んで構成されている。なお、本例の第1のレーザー測長器と第1の受光部とで本発明の「第1の光学系」を構成し、第2のレーザー測長器と第2の受光部とで本発明の「第2の光学系」を構成している。
【0066】
ステージ駆動手段50は、XYZステージ30をX方向に駆動するX方向駆動機構52と、XYZステージ30をY方向に駆動するY方向駆動機構54と、XYZステージ30をZ方向に駆動するZ方向駆動機構56と、XYZステージ30をθ方向に駆動するθ方向駆動機構58と、を含んで構成されている。これによって、XYZステージ30を3次元的に動作させたり、アライメントを行うことができる。
【0067】
制御回路100は、電子銃12に電源を供給するための電子銃電源部102と、この電子銃電源部102での電流、電圧などを調整制御する電子銃制御部104と、電子レンズ16(複数の各電子的なレンズを各々)を動作させるためのレンズ電源部106と、このレンズ電源部106での各電子レンズに対応する各電流を調整制御するレンズ制御部108と、を含んで構成される。
【0068】
さらに、制御回路100は、補正用コイル22を制御するためのコイル制御部110と、偏向器20にて成形方向の偏向を行う成形偏向部112aと、偏向器20にて副走査方向の偏向を行うための副偏向部112bと、偏向器20にて主走査方向の偏向を行うための主偏向部112cと、成形偏向部112aを制御するためにデジタル信号をアナログ信号に変換制御する高速D/A変換器114aと、副偏向部112bを制御するためにデジタル信号をアナログ信号に変換制御する高速D/A変換器114bと、主偏向部112cを制御するためにデジタル信号をアナログ信号に変換制御する高精度D/A変換器114cと、を含んで構成される。
【0069】
さらに、制御回路100は、偏向器20における位置誤差を補正する、乃ち、位置誤差補正信号などを各高速D/A変換器114a、114b、及び高精度D/A変換器114cに対して供給して位置誤差補正を促すあるいはコイル制御部110に対して当該信号を供給することで補正用コイル22にて位置誤差補正を行う位置誤差補正回路116と、これら位置誤差補正回路116並びに各高速D/A変換器114a、114b及び高精度D/A変換器114cを制御して電子ビームの電界を制御する電界制御手段である電界制御回路118と、描画パターンなどを前記基材2に対して生成するためのパターン発生回路120と、を含んで構成される。
【0070】
またさらに、制御回路100は、第1のレーザー測長器82を上下左右に移動させることによるレーザー照射位置の移動及びレーザー照射角の角度等の駆動制御を行う第1のレ−ザー駆動制御回路130と、第2のレーザー測長器86を上下左右に移動させることによるレーザー照射位置の移動及びレーザー照射角の角度等の駆動制御を行う第2のレ−ザー駆動制御回路132と、第1のレーザー測長器82でのレーザー照射光の出力(レーザーの光強度)を調整制御するための第1のレーザー出力制御回路134と、第2のレーザー測長器86でのレーザー照射光の出力を調整制御するための第2のレーザー出力制御回路136と、第1の受光部84での受光結果に基づき、測定結果を算出するための第1の測定算出部140と、第2の受光部88での受光結果に基づき、測定結果を算出するための第2の測定算出部142と、を含んで構成される。
【0071】
さらにまた、制御回路100は、ステージ駆動手段50を制御するためのステージ制御回路150と、ローダ駆動装置60を制御するローダ制御回路152と、上述の第1、第2のレーザー駆動回路130、132・第1、第2のレーザー出力制御回路134、136・第1、第2の測定算出部140、142・ステージ制御回路150・ローダ制御回路152を制御する機構制御回路154と、真空排気装置70の真空排気を制御する真空排気制御回路156と、測定情報を入力するための測定情報入力部158と、入力された情報や他の複数の情報を記憶するための記憶手段であるメモリ160と、各種制御を行うための制御プログラムを記憶したプログラムメモリ162と、これらの各部の制御を司る例えばCPUなどにて形成された制御部170と、を含んで構成されている。
【0072】
なお、本例の第1の測定算出部と第2の測定算出部とで、本発明の「測定算出手段」を構成できる。また、制御回路100、電子レンズ16、補正用コイル22、偏向器20、ステージ駆動手段50、XYZステージ30などにより本発明にいう「移動手段」を構成できる。この移動手段は、曲面を有する前記被描画層に対応して、前記基材に対する電子ビームの焦点位置を相対的に移動する機能を有していればよい。
【0073】
上述のような構成を有する電子ビーム描画装置1において、ローダ40によって搬送された基材2がXYZステージ30上に載置されると、真空排気装置70によって鏡筒10及び筐体11内の空気やダストなどを排気したした後、電子銃12から電子ビームが照射される。
【0074】
電子銃12から照射された電子ビームは、電子レンズ16を介して偏向器20により偏向され、偏向された電子ビームB(以下、この電子レンズ16を通過後の偏向制御された電子ビームに関してのみ「電子ビームB」と符号を付与することがある)は、XYZステージ30上の基材2の表面、例えば曲面部(曲面)2a上の描画位置に対して照射されることで描画が行われる。
【0075】
この際に、測定装置80によって、基材2上の描画位置(描画位置のうち少なくとも高さ位置)、もしくは後述するような基準点の位置が測定され、制御回路100は、当該測定結果に基づき、電子レンズ16のコイル17a、17b、17cなどに流れる各電流値などを調整制御して、電子ビームBの焦点深度の位置、すなわち焦点位置を制御し、当該焦点位置が前記描画位置となるように移動制御される。
【0076】
あるいは、測定結果に基づき、制御回路100は、ステージ駆動手段50を制御することにより、前記電子ビームBの焦点位置が前記描画位置となるようにXYZステージ30を移動させる。
【0077】
また、本例においては、電子ビームの制御、XYZステージ30の制御のいずれか一方の制御によって行っても、双方を利用して行ってもよい(なお、焦点位置の移動制御の詳細については後述する)。
【0078】
(測定装置)
次に、測定装置80について、図3を参照しつつ説明する。測定装置80は、より詳細には、図3に示すように、第1のレーザー測長器82、第1の受光部84、第2のレーザー測長器86、第2の受光部88などを有する。
【0079】
第1のレーザー測長器82により電子ビームと交差する方向から基材2に対して第1の光ビームS1を照射し、基材2の平坦部2bで反射される第1の光ビームS1の受光によって、第1の光強度分布が検出される。
【0080】
この際に、図3に示すように、第1の光ビームS1は、基材2を平行移動させることで基材2の平坦部2bにて反射されるため、第1の強度分布に基づき、基材2の平坦部2b上の(高さ)位置が測定算出されることになる。しかし、この場合には、基材2の曲面部2a上の(高さ)位置を測定することができない。
【0081】
そこで、本例においては、さらに第2のレーザー測長器86を設けている。すなわち、第2のレーザー測長器86によって、第1の光ビームS1と異なる電子ビームとほぼ直交する方向から基材2に対して第2の光ビームS2を照射し、基材2を透過する第2の光ビームS2が第2の受光部88に含まれるピンホール84を介して受光されることによって、第2の光強度分布が検出される。
【0082】
この場合、図5(A)〜(C)に示すように、第2の光ビームS2が曲面部2a上を透過することとなるので、前記第2の強度分布に基づき、基材2の平坦部2bより突出する曲面部2a上の(高さ)位置を測定算出することができる。
【0083】
具体的には、第2の光ビームS2がXY基準座標系における曲面部2a上のある位置(x、y)の特定の高さを透過すると、この位置(x、y)において、図5(A)〜(C)に示すように、第2の光ビームS2が曲面部2aの曲面にて当たることにより散乱光SS1、SS2が生じ、この散乱光分の光強度が弱まることとなる。このようにして、図6に示すように、第2の受光部88にて検出された第2の光強度分布に基づき、位置が測定算出される。
【0084】
この算出の際には、図6に示すように、第2の受光部88の信号出力Opは、図7に示す特性図のような、信号出力Opと基材の高さとの相関関係を有するので、制御回路100のメモリ160などにこの特性、すなわち相関関係を示した相関テーブルを予め格納しておくことにより、第2の受光部88での信号出力Opに基づき、基材の高さ位置を算出することができる。
【0085】
そして、この基材の高さ位置を、例えば描画位置として、前記電子ビームの焦点位置の調整が行われ描画が行われることとなる。
【0086】
(描画位置算出の原理の概要)
次に、本例の特徴である電子ビーム描画装置1における、描画を行う場合の原理の概要について、説明する。
【0087】
先ず、基材2は、図2(A)(B)に示すように、例えば樹脂等による光学素子例えば光レンズ等にて形成されることが好ましく、断面略平板状の平坦部2bと、この平坦部2bより突出形成された曲面をなす曲面部2aと、を含んで構成されている。この曲面部2aの曲面は、球面に限らず、非球面などの他のあらゆる高さ方向に変化を有する自由曲面であってよい。すなわち、階段状、その他マクロ的に変化する面を有する3次元形状表面を含む。
【0088】
このような基材2において、予め基材2をXYZステージ30上に載置する前に、基材2上の複数例えば3個の基準点P00、P01、P02を決定してこの位置を測定しておく(第1の測定)。これによって、例えば、基準点P00とP01によりX軸、基準点P00とP02によりY軸が定義され、3次元座標系における第1の基準座標系が算出される。ここで、第1の基準座標系における高さ位置をHo(x、y)(第1の高さ位置)とする。これによって、基材2の厚み分布の算出を行うことができる。
【0089】
一方、基材2をXYZステージ30上に載置した後も、同様の処理を行う。すなわち、図2(A)に示すように、基材2上の複数例えば3個の基準点P10、P11、P12を決定してこの位置を測定しておく(第2の測定)。これによって、例えば、基準点P10とP11によりX軸、基準点P10とP12によりY軸が定義され、3次元座標系における第2の基準座標系が算出される。
【0090】
さらに、これらの基準点P00、P01、P02、P10、P11、P12により第1の基準座標系を第2の基準座標系に変換するための座標変換行列などを算出して、この座標変換行列を利用して、第2の基準座標系における前記Ho(x、y)に対応する高さ位置Hp(x、y)(第2の高さ位置)を算出して、この位置を最適フォーカス位置、すなわち描画位置として電子ビームの焦点位置が合わされるべき位置とすることとなる。これにより、上述の基材2の厚み分布の補正を行うことができる。
【0091】
なお、上述の第2の測定は、電子ビーム描画装置1の第1の測定手段である測定装置80を用いて測定することができる。
【0092】
そして、第1の測定は、予め別の場所において他の測定装置を用いて測定しおく必要がある。このような、基材2をXYZステージ30上に載置する前に予め基準点を測定するための測定装置としては、上述の測定装置80と全く同様の構成の測定装置200(第2の測定手段)を採用することができる。
【0093】
この測定装置200は、図4に示すように、上記測定装置80同様、第1のレーザー測長器282、第2のレーザー測長器286、ピンホール285を含む第1の受光部284、ピンホール289を含む第2の受光部288、これらの測定結果を算出するための不図示の測定算出部や、各種制御系を備えた付図示の制御手段なども含む。
【0094】
この場合、測定装置200からの測定結果は、例えば図1に示す測定情報入力部158にて入力されたり、制御回路100と接続される不図示のネットワークを介してデータ転送されて、メモリ160などに格納されることとなる。
【0095】
もちろん、後述する変形例のような場合に、この測定装置200が不要となる場合も考えられる(詳細は後述する)。
【0096】
上記のようにして、描画位置が算出されて、電子ビームの焦点位置が制御されて描画が行われることとなる。
【0097】
具体的には、図2(C)に示すように、電子ビームの焦点深度FZ(ビームウエストBW)の焦点位置を、3次元基準座標系における単位空間の1フィールド(m=1)内の描画位置に調整制御する。(この制御は、上述したように、電子レンズ16による電流値の調整もしくはXYZステージ30の駆動制御のいずれか一方又は双方によって行われる。)なお、本例においては、1フィールドの高さ分(1フィールドにおける電子ビームの照射方向の範囲)を焦点深度FZより長くなるように、フィールドを設定してあるがこれに限定されるものではない。ここで、焦点深度FZとは、図14に示すように、電子レンズ16を介して照射される電子ビームBにおいて、ビームウエストBWが有効な範囲の長さを示す。なお、電子ビームBの場合、図14に示すように、電子レンズ16の幅D、電子レンズ16よりビームウエスト(ビーム径の最も細い所)BWまでの深さfとすると、D/fは、0.01程度であり、例えば50nm程度の解像度を有し、焦点深度は例えば数十μ程度ある。
【0098】
そして、図2(C)に示すように、例えば1フィールド内をY方向にシフトしつつ順次X方向に走査することにより、1フィールド内の描画が行われることとなる。さらに、1フィールド内において、描画されていない領域があれば、当該領域についても、上述の焦点位置の制御を行いつつZ方向に移動し、同様の走査による描画処理を行うこととなる。
【0099】
次に、1フィールド内の描画が行われた後、他のフィールド、例えばm=2のフィールド、m=3のフィールドにおいても、上述同様に、測定や描画位置の算出を行いつつ描画処理がリアルタイムで行われることとなる。このようにして、描画されるべき描画領域について全ての描画が終了すると、基材2の表面における描画処理が終了することとなる。
【0100】
基材上に描画すべき所定の構造において、特に基材の加工深さは、所定の焦点深度内で照射する電子ビームの露光エネルギー量で変化するよう制御されている。なお、当該露光エネルギー量は描画されるべき構造に対応するドーズ量に対応する。当該ドーズ量分布の特性は予め定義されており、前記曲面部上の特定の構造の傾斜する傾斜角度に応じて抽出されたものである。
【0101】
なお、本例では、この描画領域を被描画層とし、この被描画層における曲面部2aの表面の曲面に該当する部分を被描画面としている。
【0102】
さらに、上述のような各種演算処理、測定処理、制御処理などの処理を行う処理プログラムは、プログラムメモリ162に予め制御プログラムとして格納されることとなる。
【0103】
(処理手順について)
次に、上述のような構成の電子ビーム描画装置にて基材上に描画を行う場合の処理手順の詳細について、図8〜図12を参照しつつ説明する。
【0104】
(描画全体処理)
先ず、描画処理の全体の概略的な処理の流れについて、図8を参照しつつ説明する。
【0105】
予め、基材の3基準点P0n=(xn、yn、zn)、n=1〜3の各測定、並びに基材の各部の高さHo(x、y)の測定を測定装置200により行う(S101)。
【0106】
次に、電子ビーム描画装置1に測定された基材2のセットを行い、描画開始準備を行う(S102)。なお、このステップでは、前記測定装置200にて測定された測定結果を、電子ビーム描画装置1の測定情報入力部158を用いて入力を行う。入力された測定結果は、メモリ160等に記憶されることとなる。
【0107】
なお、電子ビーム描画装置1と測定装置200とを一つのクリーンルームもしくはチャンバ内にてネットワーク接続し、測定装置200にて測定された測定結果が一義的に電子ビーム描画装置1内のメモリ160内に格納される「システム」を構成している場合には、上述の入力作業は不要となる。この「システム」は、上述のセット前に予め基材を測定するための測定装置(第2の測定装置)と、セット後に基材を測定するための測定装置(第1の測定装置)との都合2つの測定装置を含む電子ビーム描画装置として定義してもよい。さらには、これらの測定装置を一つにして双方の測定を兼用できる構成(例えば基材をチャックしてからステージ上に搬送する間の搬送路において、セット前の測定位置(第1位置)とセット後の測定位置(第2位置)との間を測定装置が移動するとともに、セット前測定用の測定ステージを前記第1位置に、ステージを第2位置に位置させる構成、あるいは、測定ステージとステージとを用意しておき、描画位置の測定位置に必要に応じていずれかのステージを位置させる構成等)としてもよい。
【0108】
次に、基材2の3基準点P1n(Xn、Yn、Zn)の測定を、電子ビーム描画装置1の描画領域に設けられた測定装置80を用いて測定を行う(S103)。
【0109】
すると、電子ビーム描画装置1では、上記S101にて予め測定された3基準点P0n(xn、yn、zn)の情報及び各部の高さHo(x、y)の情報(第1の座標系)と、上記S103にて測定された3基準点P1n(Xn、Yn、Zn)の情報(第2の座標系)と、に基づき、電子ビーム描画装置1内におけるビームの最適フォーカス位置Hp(x、y)の算出を行う(S104)。なお、この算出を行うための演算アルゴリズムを具現化した処理プログラムは、例えばプログラムメモリに格納されて、制御部によって他の処理プログラムとともに必要に応じて処理されることとなる。この処理プログラムは、例えば制御部170及びプログラムメモリ162を含む最適フォーカス位置算出手段を構成できる。(なお、座標系の変換処理等の詳細については後述する。)。
【0110】
ところで、このS104は、あくまでも1フィールド(例えば0.5×0.5×0.05mm等の単位空間)(m=1)についてである。因みに、この1フィールド内をビームが走査することで後述する描画が行われる。
【0111】
次いで、XYZステージ30を、m分割された特定の1フィールドに移動し、焦点深度f内にある位置について描画を実施する処理を行う(S105)。
【0112】
また、焦点深度内にある位置で、未だ描画されていない部分があれば、当該部分について描画を行うこととなる(S106)。
【0113】
そして、当該1フィールドの描画が完了したか否かの判断処理を行う(S107)。この判断処理において、当該フィールドについて描画が完了したものと判断された場合には、m←m+1とする処理を行い(S111)、次の一フィールド(第2フィールド)について同様の処理を行うこととなる。
【0114】
一方、S107の判断処理において、当該第1フィールドについて描画が完了していないものと判断された場合には、XYZステージ30及び鏡筒10のいずれか一方又は双方を相対移動させることで、Z軸を微小移動させ、電子ビームのフォーカス位置を微小移動させる(第1処理)。もしくは、電磁レンズの電流をレンズ制御部によって調整制御することでビームのフォーカス位置を微小移動させる(第2処理)。あるいは、第1処理及び第2処理の双方の制御によってフォーカス位置の調整制御を行う(S108)。
【0115】
次に、フォーカス電流を変更した場合には、この電流値に対応する描画位置x、yの補正を行う補正処理を実行する(S109)。
【0116】
そして、全ての描画が完了したか否かの判断処理を行い(S110)、全ての描画が完了していないものと判断された場合には、S108に戻り、全ての描画が完了したものと判断された場合には、処理を終了する。
【0117】
(XYZステージを制御する場合)
次に、測定装置80を用いて、基材を載置したXYZステージをZ方向に制御する場合の処理手順について、図9を参照しつつ説明する。
【0118】
なお、測定装置80を略してSHS(スロープハイトセンサー)と呼ぶことがある。
【0119】
また、1フィールドの広さは、x、yの描画範囲及びz焦点深度で規定される範囲であるが、本例では、例えば0.5×0.5×0.05mm等とすることが好ましい。
【0120】
先ず、XYZステージ30上に予め用意されている基準ゲージAの先端部によって、SHSのビームが半ば散乱されている状態(出力Op)で、基準ゲージA(図6参照)の先端部に電子線の焦点を合わせる(S201)。
【0121】
次に、XYZステージ30を移動させ、基材の平坦部に電子ビームの焦点を合わせ、平坦部を測定する高さ測定器(FHS)の出力をゼロアジャスト(調整)する(S202)。
【0122】
そして、基材2上の基準マークを検出後、電子ビーム描画装置1内での基材2の位置を認識後、XYZステージ30を余裕をもって下降させた後、最初のフィールドへステージを移動させる(S203)。
【0123】
次いで、XYZステージ30を、SHSの出力がOpになるかあるいはFHSの出力が0になるまで、上昇させる(S204)。
【0124】
さらに、このフィールド(焦点深度内)の描画を行う(S205)。そして、XYZステージ30を上昇させ、次のフィールドにステージを移動させる(S206)。
【0125】
次に、全ての描画が完了したか否かの判断処理を行う(S207)。この判断処理において、全ての描画が完了していないのと判断されると、S205に戻る。一方、前記判断処理において、すべての描画が完了していないものと判断されると、処理が終了する。
【0126】
(電子レンズを制御する場合)
次に、測定装置を用い、電子レンズに流す電流Irを制御する場合の処理手順について、図10を参照しつつ説明する。
【0127】
なお、電流Irとビームフォーカス位置の関係は、ビーム電流、電子線のエナルギーに影響され、かつ、それ自身ヒステリシスを持つことを考慮し、制御を行う必要がある(以下、ビーム電流、電子線のエネルギーを固定し、電流Irは一方向から設定することとする)。なお、この場合の処理においては、1フィールドを例えば0.5×0.5mm程度に設定することが好ましい。
【0128】
先ず、XYZステージ30上に予め用意されている基準ゲージAの先端部によって、SHSのビームが半ば散乱されている状態(出力Op)でIrを調整し、当該基準ゲージAの先端部に電子線の焦点を合わせる(S301)。なお、この調整された電流をIr1とする。なお、図7に示すように、SHSのセンサー出力がOpの位置は、丁度電子ビームのフォーカス位置に相当する。
【0129】
次に、XYZステージ30を移動し、基材2の平坦部2bに電子ビームの焦点を合わせ、平坦部2bを測定する高さ測定器(FHS)の出力をゼロアジャスト(調整)する(S302)。
【0130】
そして、基材2上の基準マークを検出後、電子ビーム描画装置1内での基材2の位置を認識後、XYZステージ30を余裕をもって下降させた後、描画すべき最初のフィールドで設計寸法上最も低い(高い)部分にSHSビームの測定位置(x、y)に合うように、XYZステージ30を移動させる(S303)。
【0131】
次いで、SHSの出力がOpになるか、あるいはFHSの出力が0になるまでステージを上昇させる(S304)。
【0132】
このフィールドで基材の設計寸法が焦点深度(ΔZ〜0.05mm)範囲のみ描画を行う(S305)。
【0133】
次に、電流Irを変更し、電子ビーム焦点を0.05mm程度短く(長く)し、予め求めたN(Ir)に基づき、ビーム偏向電圧を制御し、このフォーカス位置で焦点深度内にある範囲を描画する(S306)。
【0134】
そして、該当フィールドで全ての位置の描画が終了するまで、上記S305〜S306を繰り返す(S307)。
【0135】
さらに、電子レンズ16を調整する電流をIr1に戻し、XYZステージ30を余裕を持ち、下降させた後、次に描画すべきフィールドの設計寸法上最も低い(高い)部分にSHSビームの測定位置(x、y)に合うようにXYZステージ30を移動させる(S308)。
【0136】
そして、すべての領域の描画が終了するまで、S305〜S308までを繰り返し行うこととなる(S309)。
【0137】
なお、電子線のエネルギーとビーム電流を固定した時に、ビームの偏向電圧(Vx、Vy)と焦点部でのビーム位置(x、y)は、以下の関係で表される。
(x、y)=M(Ir)×(Vx、Vy)
(Vx、Vy)=N(Ir)×(x、y)
ここで、Nは、Mの逆行列である。また、予め使用するエネルギー、ビーム電流にて、N(Ir)をテスト描画より求めておくものとする。さらに、Ir1付近で精度を高めておくことが望ましい。
【0138】
(描画すべき位置を換算する処理)
次に、電子ビーム描画装置1にセットする前に、予め基材の各部を測定しておき、電子ビーム描画装置1内で基準点を再度測定し、該装置内で描画すべき位置(x、y、z)を換算し、描画を実施する場合の処理手順について、図11を参照しつつ説明する。
【0139】
図11には、基材2上に描画すべき位置を換算するための処理手順が開示されている。なお、本例では、フィールドの広さは、xyの描画範囲で規定される範囲(例えば0.5×0.5mm程度等)とすることが好ましい。
【0140】
先ず、描画位置に基材2をセットする前に予め基材の基準点P00(x0、y0、z0)、P01(x1、y1、z1)、P02(x2、y2、z2)、及び基材の被照射部Q0(x、y、z)を、適当なピッチ(例えば10μm×10μm等)で3次元測定機にて測定をしておく(S401)。
【0141】
次いで、基材2を電子ビーム描画装置2へセットし、基材2の基準点を描画位置の電子線像が画面中央になる位置と、ハイトセンサーの出力が0になる位置P10(X0、Y0、Z0)、P11(X1、Y1、Z1)、P12(X2、Y2、Z2)を、電子ビーム描画装置1のXYZステージ30の値から測定する(S402)。さらに、P00〜P02とP10〜P12により変換行列Mを求める(S403)。
【0142】
描画すべき点Q1(X、Y、Z)を、対応するQ0(x、y、z)からQ1=M×Q0により算出する。
【0143】
以降、Q1の値(群)によりXYZステージ30の制御を行う。ただし、該当する位置がQ1群に無い場合は、X、Y、Zそれぞれに近傍点qx1、qx2、・・・から直接近似等により算出する(S404)。
【0144】
最初に描画するフィールドの最も低い(高い)部分へXYZステージ30を移動させる。このフィールドでQ1の値が焦点深度(例えば約0.05mm等)範囲のみ描画を行う(S405)。
【0145】
XYZステージ30を、例えば約0.05mm等下降(上昇)させる該当フィールドで、未だ描画されておらず、焦点深度内の部分の描画を行う(S406)。
【0146】
該当フィールドの描画が終了するまで、S405〜S406を繰り返す。そして、次のフィールドの最も低い(高い)部分にステージを移動させる(S407)。
【0147】
全ての描画が完了するまでS405〜S407を繰り返す(S408)。
【0148】
(行列Mの算出手順)
次に、上述のS403にて演算される行列Mの算出手順について、図12を参照しつつ説明する。
【0149】
図12に示すように、基材2を電子ビーム描画装置1にセットする前では、測定結果に基づき、図示のように基準位置を算出して第1の座標系の座標軸を決定する(S501)。
【0150】
次に、基材2を電子ビーム描画装置1にセットする後では、測定結果に基づき、図示のように基準位置を算出して第2の座標系の座標軸を決定する(S502)。
【0151】
ここで、S501にて定義された各基準位置P00、P01、P02と、S502にて定義された各基準位置P10、P11、P12との関係は、第1の座標系を第2の座標系に変換する座標変換行列をMとすると、図示の式(1)〜(3)のように表すことができる。
【0152】
同様にして、S501における基材2の任意の位置Q0と、S502における基材のQ0に対応する位置Q1との関係は、図示の式(4)にて表すことができる。
【0153】
このようにして座標変換行列Mの定義を行う(S503)。すなわち、このステップを、よりハードウエアに近いレベルでの処理についてみると、予め定義された座標変換行列Mの定義式(1)〜(4)をメモリ上の所定領域から呼び出す処理を行う。
【0154】
次に、座標変換行列Mを算出するための前段階として上記定義式(1)〜(3)を一括して扱い、図示のように行列化を行う(S504)。
【0155】
そして、座標変換行列Mを算出するための演算式が導き出される(S505)。なお、本例においては、理解を容易にするために、座標変換行列Mを算出するための演算式を算出する手順を順を追って説明したが、S503〜S505は一つのステップとし、前記演算式のみを予めメモリ上の所定領域に記憶しておいて、必要に応じて、S501、S502での測定算出結果に基づき演算を行う構成としてよい。これにより、座標変換行列Mを算出することができる。
【0156】
このようにして座標変換行列Mが算出されると、上述のS404以降の処理が行われることとなる。すなわち、座標変換行列Mに基づき、S503の式(4)を用いて、電子ビーム描画装置2にセットした後の任意の位置を得ることができる。
【0157】
以上のように本実施の形態によれば、球面あるいは非球面形状の光学機能面に回折構造を有する光学素子を形成したり、あるいは光学素子を射出成形するための成形型を制作するためには、より立体的な加工を行う必要があるが、本願発明者等は、検討の結果、エネルギー線例えば電子ビームによる直接描画・直接加工技術を利用すれば、電子ビームは、例えばレーザービーム等に比べると、波長が短いことから、非常に精密な加工に適していることが判明した。
【0158】
しかも、電子ビームは、ビーム照射方向(加工物の厚さ方向)について、加工精度の点で有利であり、基材と電子ビーム照射手段(例えば光源等)とを相対的に移動させても、十分に位置精度を確保することができる。このため、3次元形状を有する立体的な対象物、特に連続した曲面を有する基材を加工することが容易に可能になる。
【0159】
従って、球面あるいは非球面形状の光学機能面に回折構造を有する光学素子を形成することができ、より立体的な加工が容易に実現できる。
【0160】
なお、この場合、予め基材の形状を測定装置により把握しておいてフィードバック等の制御により焦点位置を容易に算出できるので、曲面を有する基材においても容易に精度良く描画を行うことができる。
【0161】
[第2の実施の形態]
次に、本発明にかかる第2の実施の形態について、図13に基づいて説明する。なお、以下には、前記第1の実施の形態の実質的に同様の構成に関しては説明を省略し、異なる部分についてのみ述べる。
【0162】
上述の第1の実施の形態では、電子ビームにより基材上に回折光子などの精密加工を施す工程を開示したが、本例では、上記工程を含むプロセス全体の工程、特に、光学素子等の光レンズを成形によって製造するための金型等を製造する工程を説明する。
【0163】
先ず、機械加工により金型(無電解ニッケル等)の非球面加工を行う(加工工程)。次に、図13(A)に示すように、金型により前記半球面を有する基材200の樹脂成形を行う(樹脂成形工程)。さらに、基材200を洗浄した後に乾燥を行う。
【0164】
次いで、樹脂の基材200の表面上の処理を行う(樹脂表面処理工程)。この工程では、例えばAu蒸着などの工程を行うこととなる。具体的には、図13(B)に示すように、基材200の位置決めを行い、レジストLを滴下しつつスピナーを回転させて、スピンコートを行う。また、プリペークなども行う。
【0165】
スピンコーティングの後には、当該レジスト膜の膜厚測定を行い、レジスト膜の評価を行う(レジスト膜評価工程)。さらに、図13(C)に示すように、基材200の位置決めを行い、当該基材200をX、Y、Z軸にて各々制御しつつ、基材200上に形成すべき所定の構造(ここでは回折格子構造)に応じて、当該レジスト膜に電子ビームによる露光を行う。
【0166】
次に、基材200上のレジスト膜Lの表面平滑化処理を行う(表面平滑化工程)。さらに、図13(D)に示すように、基材200の位置決めなどを行いつつ、現像処理を行う(現像工程)。さらにまた、表面硬化処理を行う。
【0167】
次いで、SEM観察や膜厚測定器などにより、レジスト形状を評価する工程を行う(レジスト形状評価工程)。
【0168】
さらに、その後、ドライエッチングなどによりエッチング処理を行う。そして、基材200のレジスト表面への金属202の蒸着を行う(金属蒸着工程)。
【0169】
次に、表面処理がなされた基材200に対する金型204を作成するために、図13(E)に示すように、金型電鋳前処理を行った後、電鋳処理などを行い、図13(F)に示すように、基材200と金型204とを剥離する処理を行う。
【0170】
表面処理がなされた基材と剥離した金型204に対して、表面処理を行う(金型表面処理工程)。そして、金型204の評価を行う。評価後、当該金型204を用いて射出成形による成形品を作成する。その後、当該成形品の評価を行う。
【0171】
以上のように、本実施の形態によれば、上述の光学素子を射出成形するための成形型をも容易に製造できる。
【0172】
なお、本発明にかかる装置と方法は、そのいくつかの特定の実施の形態に従って説明してきたが、当業者は本発明の主旨および範囲から逸脱することなく本発明の本文に記述した実施の形態に対して種々の変形が可能である。例えば、上述の実施の形態では、光レンズ等の光学素子の基材を、直接描画する場合について説明したが、樹脂等の光レンズを射出成形により形成するための成形型(金型)を加工する場合に、上述の原理や処理手順、処理手法を用いてもよい。
【0173】
また、基材上の複数の基準点を測定し、この測定結果に基づき基準座標系を算出し、この座標系をもとに基材の厚み分布を測定するステップを、電子ビーム照射中に行う構成としてもよい。さらに、厚み分布に基づき、最適焦点位置を算出する算出ステップ並びに描画位置に当該焦点位置を合わせるように調整するステップを、電子ビーム照射中に行う構成としてもよい。この場合、ある一の描画位置にて描画を行っている電子ビーム照射中に、他の描画位置での前記焦点位置の算出等の演算処理を行いつつ、次に電子ビーム照射に備える構成とすることが好ましい。また、電子ビーム照射中に算出ステップにて算出できるものとしては、基材の厚み分布の他、厚み分布の補正等の処理も含まれる。
【0174】
さらに、上記実施形態には種々の段階が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜な組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。つまり、上述の各実施の形態同士、あるいはそれらのいずれかと各変形例のいずれかとの組み合わせによる例をも含むことは言うまでもない。この場合において、本実施形態において特に記載しなくとも、各実施の形態及び変形例に開示した各構成から自明な作用効果については、当然のことながら本例においても当該作用効果を奏することができる。また、実施形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除された構成であってもよい。
【0175】
そして、これまでの記述は、本発明の実施の形態の一例のみを開示しており、所定の範囲内で適宜変形及び/又は変更が可能であるが、各実施の形態は例証するものであり、制限するものではない。
【0176】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、電子ビームは、ビーム照射方向(加工物の厚さ方向)について、加工精度の点で有利であり、基材と電子ビーム照射手段とを相対的に移動させても、十分に位置精度を確保することができる。このため、3次元形状を有する立体的な対象物、特に連続した曲面を有する基材を加工することが容易に可能になる。
【0177】
従って、球面あるいは非球面形状の光学機能面に回折構造を有する光学素子を形成することができ、より立体的な加工が容易に実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電子ビーム描画装置の全体の概略構成を示す説明図である。
【図2】同図(A)(B)は、図1の電子ビーム描画装置にて描画される基材を示す説明図であり、同図(C)は、描画原理を説明するための説明図である。
【図3】測定装置の原理を説明するための説明図である。
【図4】測定装置の原理を説明するための説明図である。
【図5】同図(A)〜(C)は、基材の面高さを測定する手法を説明するための説明図である。
【図6】測定装置の投光と受光との関係を示す説明図である。
【図7】信号出力と基材の高さとの関係を示す特性図である。
【図8】本発明の電子ビーム描画装置にて基材を描画する場合の処理手順を示すフローチャートである。
【図9】基材を載置ずるステージをZ方向に制御する手順を示すフローチャートである。
【図10】本発明の電子ビーム描画装置にて電子レンズに流す電流を制御する処理手順を示すフローチャートである。
【図11】描画中に補正する処理手順を示すフローチャートである。
【図12】基材上の描画すべき位置を換算する場合の処理手順を示す説明図である。
【図13】同図(A)〜(F)は、基材を用いて成形用の金型を形成する場合の全体の処理手順を説明するための説明図である。
【図14】電子ビーム描画装置におけるビームウエストを説明するための説明図である。
【符号の説明】
1 電子ビーム描画装置
2 基材
10 鏡筒
12 電子銃
14 スリット
16 電子レンズ
18 アパーチャー
20 偏向器 22 補正用コイル
30 XYZステージ
40 ローダ
50 ステージ駆動手段
60 ローダ駆動装置
70 真空排気装置
80 測定装置
82 第1のレーザ測長器
84 第1の受光部
86 第2のレーザー測長器
88 第2の受光部
100 制御回路
110 コイル制御部
112a 成形偏向部
112b 副偏向部
112c 主偏向部
116 位置誤差補正回路
118 電界制御回路
120 パターン発生回路
130 第1のレーザー駆動制御回路
132 第2のレーザー駆動制御回路
134 第1のレーザー出力制御回路
136 第2のレーザー出力制御回路
140 第1の測定算出部
142 第2の測定算出部
150 ステージ制御回路
152 ローダ制御回路
154 機構制御回路
156 真空排気制御回路
158 測定情報入力部
160 メモリ
162 プログラムメモリ
170 制御部

Claims (11)

  1. 曲面を有する被描画層を含む基材に、所定の構造を形成するため
    前記被描画層を電子ビームの照射方向における位置が異なる複数のフィールドに分割し、
    前記被描画層の各フィールドに対して順次電子ビームを照射し、前記電子ビームの焦点位置の調整もしくは前記基材の移動による位置調整のいずれか一方又は双方により行う位置調整ステップを含んで前記基材に対する電子ビームの焦点位置を相対的に変化させることにより、前記所定の構造の描画を行う基材の描画方法であって、
    前記描画を行う描画位置の少なくとも高さ位置を前記位置調整ステップにより調整される前記基材に対する相対的な電子ビームの焦点位置として算出する算出ステップを備え、
    前記算出ステップは、
    予め前記基材を描画ステージ上に載置する前に測定された前記基材上の複数の基準点に基づき、前記基材における3次元の第1の基準座表系を算出するステップと、
    前記第1の基準座標系での描画位置の少なくとも第1の高さ位置を算出するステップと、
    前記基材を描画ステージ上に搭載した際に測定される複数の基準点に基づき、前記基材における3次元の第2の基準座標系を算出するステップと、
    前記第1の高さに相当する第2の基準座標系での第2の高さを、前記電子ビームの前記描画位置における高さ位置として算出するステップと、
    を含むことを特徴とする基材の描画方法。
  2. 前記所定の構造は、電子ビームの露光エネルギー量の制御により形成されることを特徴とする請求項に記載の基材の描画方法。
  3. 前記露光エネルギー量は、ドーズ量に対応して制御されることを特徴とする請求項に記載の基材の描画方法。
  4. 前記露光エネルギー量の制御により、加工深さを変化させることを特徴とする請求項に記載の基材の描画方法。
  5. 前記電子ビームの前記焦点位置における焦点深度内で、前記電子ビームの前記露光エネルギー量が制御されることを特徴とする請求項に記載の基材の描画方法。
  6. 前記電子ビームは、前記基材上のレジスト層に対して照射されることを特徴とする請求項乃至請求項のうちいずれか一項に記載の基材の描画方法。
  7. 前記基材の被描画面に形成される所定の構造は、光学素子上の特定の構造に対応するものであることを特徴とする請求項乃至請求項のうちいずれか一項に記載の基材の描画方法。
  8. 前記特定の構造は、回折格子構造を含むことを特徴とする請求項に記載の基材の描画方法。
  9. 前記回折格子構造は、走査位置に応じた所定のドーズ量分布に基づき、形成されることを特徴とする請求項に記載の基材の描画方法。
  10. 前記ドーズ量分布の特性は、予め定義されていることを特徴とする請求項に記載の基材の描画方法。
  11. 前記ドーズ量分布の特性は、前記曲面部上の傾斜する傾斜角度に応じて抽出されたものであることを特徴とする請求項に記載の基材の描画方法。
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