JP2003294488A - レゾルバ用ステータ構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、輪状ステータに形成した樹脂モー
ルド部の外面にＢＭＣ成形による外面成形部を形成して
外形寸法精度を著しく向上させることを目的とする。 【解決手段】 本発明によるレゾルバ用ステータ構造
は、樹脂モールド部(7)の外面に不飽和ポリエステル剤
等の熱硬化性樹脂剤を用いたＢＭＣ成形による外面成形
部(10)を形成し、この外面成形部(10)によりコネクタ部
(9)の外面に突出形状の位置決め部(4)を形成した構成で
ある。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、レゾルバ用ステー
タ構造に関し、特に、輪状ステータに設けられた樹脂モ
ールド部の外面にＢＭＣ成形による外面成形部を形成
し、この外面成形部によって高精度の位置決め部等を形
成することにより、レゾルバを高精度状態で他の機器等
に取付け可能とするための新規な改良に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、用いられていたこの種のレゾルバ
用ステータ構造としては、一般に、図６から図８で示さ
れる構成を挙げることができる。すなわち、図６から図
８において符号１で示されるものは、プレス加工された
複数の輪状コア片２を積層して形成された輪状ステータ
であり、この輪状ステータ１の外周の一部には突出して
形成された突出部３が形成されている。前記突出部３の
側部に形成された位置決め部４は位置決め用に用いられ
る。

【０００３】前記輪状ステータ１には、図示しないステ
ータ巻線を巻回するための磁極５及びスロット６が交互
に配設されている。前記輪状ステータ１の外面には、図
７及び図８で示されるように、周知の一対の絶縁カバー
７及び端子８を有するコネクタ部９が樹脂モールド成形
によって形成されている。尚、図示していないが、前記
輪状ステータ１の内側には、例えば、巻線を有しないバ
リアブルリラクタンス型のロータが回転自在に内設され
ている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】従来のレゾルバ用ステ
ータ構造は、以上のように構成されていたため、次のよ
うな課題が存在していた。すなわち、レゾルバを車輛、
ロボット、工作機械等に搭載して輪状ステータを位置決
めする場合、この輪状ステータの一部に一体に形成した
位置決め部を使用しているため、コア片を転積させて回
転方向の透磁率のバラツキ等を除去して均一化する場合
においても、この位置決め部が障害となって転積が困難
又は実施できても大きく複雑なプレス型が必要となり、
コストアップの原因となっていた。また、この輪状ステ
ータに形成した熱可塑性樹脂による樹脂モールドは、成
形時の収縮において寸法が安定せず、精密が要求される
高精度の位置決めには不適であった。尚、積層型の輪状
ステータの場合、位置決めとしての公差は０．０４ｍｍ
であるが、熱可塑性樹脂モールドの場合は、公差が０．
１ｍｍである。

【０００５】本発明は、以上のような課題を解決するた
めになされたもので、特に、輪状ステータに設けられた
樹脂モールド部の外面にＢＭＣ成形による外面成形部を
形成し、この外面成形部によって高精度の位置決め部等
を形成することにより、レゾルバを高精度状態で他の機
器等に取付け可能としたレゾルバ用ステータ構造を提供
することを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明によるレゾルバ用
ステータ構造は、磁極とスロットとを交互に有する輪状
コア片を複数枚積層させて形成された輪状ステータと、
前記輪状ステータに熱可塑性樹脂により形成されコネク
タ部を含む樹脂モールド部とよりなるレゾルバ用ステー
タ構造において、前記樹脂モールド部の外面に熱硬化性
樹脂剤を用いたＢＭＣ成形による外面成形部を形成し、
前記外面成形部により前記コネクタ部の外面に突出形状
の位置決め部を形成した構成であり、また、前記輪状ス
テータの外周は突起を有しない真円形状で形成され、前
記各輪状コア片は転積によって前記輪状ステータを形成
している構成である。

【０００７】

【発明の実施の形態】以下、図面と共に本発明によるレ
ゾルバ用ステータ構造の好適な実施の形態について説明
する。尚、従来例と同一又は同等部分については同一符
号を用いて説明する。図１から図５において符号１で示
されるものは、プレス加工された複数の輪状コア片２を
積層して形成された輪状ステータであり、この輪状ステ
ータ１の外周は突起のない真円形状にて形成されてい
る。

【０００８】図２の状態では、前記輪状ステータ１の外
面に従来と同様に熱可塑性樹脂からなる樹脂モールド部
７が形成され、図３にも示されるように、この樹脂モー
ルド部７はその一部が輪状ステータ１の一部から径方向
に突出した形状で形成され端子８を一体に有するコネク
タ部９として一体成形されている。尚、この不飽和ポリ
エステル剤は線膨張がステータの鉄とほぼ同等レベルで
あり、熱による収縮による寸法変化が小さく、安定した
取付精度を確保できる。

【０００９】前記樹脂モールド部７の外面には、不飽和
ポリエステル剤等の熱硬化性樹脂剤を用いて成形を行う
周知のＢＭＣ成形（ＢＵＬＫ ＭＯＬＤＩＮＧ ＣＯＭ
ＰＯＵＮＤＳ）による外面成形部１０が形成されてい
る。この外面成形部１０の一部は図４のように、前記コ
ネクタ部９の外面にも形成されて位置決め部４が形成さ
れている。尚、この外面成形部１０は、線膨張係数が鉄
等の金属に近く衝撃に対してもろいが、他の熱可塑性樹
脂よりは小で、この樹脂モールド部７と外面成形部１０
の二重成形によって衝撃に強く寸法精度の向上の両方を
達成できる。

【００１０】前記位置決め部４は、形状及び寸法として
は、図６の位置決め部４と同一であり、この位置決め部
４はＢＭＣモールドによる樹脂モールドによって成形さ
れているため、その不飽和ポリエステル剤の成形特性
上、その公差は０．０２ｍｍとなり、従来のプレス加工
の公差０．０４ｍｍよりも大幅に向上し、かつ、形状は
自在に設定でき、形状の自由度は極めて大である。

【００１１】図５は、図４の断面状態を示しており、樹
脂モールド部７の外面にＢＭＣモールドによる外面成形
部１０を形成している状態がより明確に示されている。
尚、前述の輪状ステータ１の外周は突部のない真円の場
合について述べたが、従来の図６のような構成等各種形
状のステータにも適用することができる。

【００１２】

【発明の効果】本発明によるレゾルバ用ステータ構造
は、以上のように構成されているため、次のような効果
を得ることができる。すなわち、熱可塑性樹脂による樹
脂モールド部の外面に不飽和ポリエステル剤等の熱可塑
性樹脂を用いたＢＭＣモールド成形による外面成形部が
形成されているため、線膨張がステータの鉄とほぼ同等
レベルであり、公差０．０２ｍｍの精度で位置決め部等
を形成することができ、レゾルバ等の相手方への取付精
度を大幅に向上させることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明によるレゾルバ用ステータ構造の輪状ス
テータを示す平面図である。

【図２】図１の輪状ステータに樹脂モールド部を形成す
る状態を示す工程図である。

【図３】図２の断面図である。

【図４】図３の構成にＢＭＣ成形を行った後の状態を示
す平面図である。

【図５】図４の断面図である。

【図６】従来のステータ構造を示す平面図である。

【図７】図６の輪状ステータに樹脂モールドを行う状態
を示す工程図である。

【図８】図７の断面図である。

【符号の説明】

１ 輪状ステータ ２ 輪状コア片 ４ 位置決め部 ５ 磁極 ６ スロット ７ 樹脂モールド部 ９ コネクタ部 １０ 外面成形部

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 磁極(5)とスロット(6)とを交互に有する
   輪状コア片(2)を複数枚積層させて形成された輪状ステ
   ータ(1)と、前記輪状ステータ(1)に熱可塑性樹脂により
   形成されコネクタ部(9)を含む樹脂モールド部(7)とより
   なるレゾルバ用ステータ構造において、 前記樹脂モールド部(7)の外面に熱硬化性樹脂剤を用い
   たＢＭＣ成形による外面成形部(10)を形成し、前記外面
   成形部(10)により前記コネクタ部(9)の外面に突出形状
   の位置決め部(4)を形成したことを特徴とするレゾルバ
   用ステータ構造。
2. 【請求項２】 前記輪状ステータ(1)の外周は突起を有
   しない真円形状で形成され、前記各輪状コア片(2)は転
   積によって前記輪状ステータ(1)を構成していることを
   特徴とする請求項１記載のレゾルバ用ステータ構造。