JPH10210688A - 電動機の固定子鉄心 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 空調機器のファン駆動用電動機などの固定子
において低騒音，高効率を目的とした固定子鉄心を実現
することを課題とする。 【解決手段】 複数個に分割した固定子鉄心１０および
１１は互いの結合部分に鉄心の積層方向に対し円周方向
に凸部１０ａ，１１ａと凹部１０ｂ，１１ｂを設けてお
く。凸部１０ａと凹部１０ｂを保有する固定子鉄心１０
はあらかじめ絶縁モールドを施した後、巻線を装着す
る。その後凸部１０ａは別の絶縁モールドを施した後巻
線を装着した固定子鉄心１１の凹部１１ｂと、凹部１０
ｂは別の固定子鉄心１１の凸部１１ａと挿入嵌合する。
この状態で分割されていた固定子鉄心１０および１１は
精度の良い一体品になる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は空調機器のファン駆
動用電動機などの家電機器に用いられる電動機の固定子
鉄心に関する。

【０００２】

【従来の技術】図４に従来例における分割した固定子鉄
心の平面を、図５に従来の分割した固定子鉄心の巻線を
装着した固定子完成品の斜視図を、図６に図５に示す固
定子完成品をモータ枠を形成するモールド金型に装着し
た状態の断面を示す。

【０００３】そして、この固定子鉄心においては、図５
に示すようなあらかじめ絶縁モールド１を施し巻線４を
装着した固定子完成品３の内径側を図６に示すようにモ
ータ枠４を形成するモールド金型５の中心金型６に突き
合わせ、その後２個の固定子鉄心接触面と直角方向に両
側から注入される樹脂材７の圧力にてその接触状態を保
ちながら分割された２個の固定子鉄心８，９が一体とな
る。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】固定子鉄心８，９を一
体とする際、固定子鉄心８，９の内径と中心金型６との
間には、その作業性から若干の隙間Ｇが必要とされるの
で、モータ枠４を形成するモールド金型５内に樹脂材７
を注入する際、分割された２個の固定子鉄心８，９の接
触面方向に若干のズレが発生する場合があり、そのこと
により固定子鉄心８，９による内径の真円度が悪化す
る。固定子鉄心８，９の真円度が悪化するとモータの騒
音が高くなる。

【０００５】また、モータ枠４を形成するモールド金型
５内に樹脂材７を注入する際、分割された固定子鉄心
８，９の接触面に樹脂が流れ互いの固定子鉄心８と９間
に若干の隙間Ｈができることにより磁束の回転子に流れ
る有効分が減少し効率が下がる。

【０００６】本発明は、分割した固定子鉄心が一体とな
った際の内径の真円度を向上させることにより、モータ
の低騒音を図り、さらに分割された互いの固定子鉄心を
隙間なく接触嵌合させて形成することによりモータ特性
を安定化させることを図るものである。

【０００７】

【課題を解決するための手段】この課題を解決するため
に、本発明は複数個に分割した固定子鉄心それぞれに凸
部または凹部を設け、これらを嵌合することにより分割
された固定子鉄心を結合してその内径真円度を向上さ
せ、互いの固定子鉄心を隙間なく接触嵌合させるもので
ある。

【０００８】

【発明の実施の形態】本発明の請求項１に記載の発明
は、複数個に分割した固定子鉄心の複数箇所の結合部分
に鉄心の積層方向に対し円周方向に凸部または凹部を設
け、前記する凸部と凹部を嵌合して分割された固定子鉄
心を結合したことを特徴とする電動機の固定子鉄心とし
たものであり、固定子鉄心打ち抜きにて凸部と凹部の寸
法精度をほぼ同等レベルに仕上げることにより複数個の
鉄心の圧入嵌合の精度を向上させることができる。

【０００９】また、請求項２に記載の発明は、固定子鉄
心の突極部を中央部で分割し、結合部分の継鉄部に凸部
または凹部を設けたことを特徴とする請求項１記載の電
動機の固定子鉄心としたものであり、結合部分を突極部
の中央にすることにより固定子鉄心上の磁束の流れに影
響を大きく与えることなく、また結合部分の継鉄部に凸
部または凹部を設けることにより結合の作業性を損なう
ことなく複数個の固定子鉄心を一体とすることができ
る。

【００１０】

【実施例】以下、本発明の実施例について図１から図３
を用いて説明する。

【００１１】図１は分割した固定子鉄心１０および１１
の構造を示し、鉄心１０および１１の凸部１０ａ，１１
ａは結合される鉄心の凹部１１ｂ，１０ｂにそれぞれ挿
入嵌合されることにより分割した固定子鉄心１０，１１
が一体に構成される。

【００１２】図２はそれぞれの分割した固定子鉄心１０
および１１にあらかじめ絶縁モールド１２を施し巻線１
３を装着し固定子鉄心の凸部１０ａ，１１ａと固定子鉄
心の凹部１１ｂ，１０ｂをそれぞれ挿入嵌合した固定子
完成品を示す。

【００１３】図３は図２の固定子完成品１４をモータ枠
１５を形成するモールド金型１６と樹脂材１７の成型時
に固定子完成品１４の位置決めをするための中心金型１
８に装着した状態を示す。

【００１４】次に本発明をさらに具体的に説明する。複
数個に分割した固定子鉄心１０および１１は互いの結合
部分に鉄心の積層方向に対し円周方向に凸部１０ａ，１
１ａと凹部１０ｂ，１１ｂを設けておく。凸部１０ａと
凹部１０ｂを保有する固定子鉄心１０はあらかじめ絶縁
モールド１２を施した後、巻線１３を装着する。その後
凸部１０ａは別の絶縁モールド１２を施した後巻線１４
を装着した固定子鉄心１１の凹部１１ｂと固定子鉄心１
０の凹部１０ｂは別の固定子鉄心１１の凸部１１ａと挿
入嵌合する。

【００１５】この状態で分割されていた固定子鉄心１０
および１１は精度の良い一体品になる。

【００１６】その後、固定子完成品１４をモータ枠１５
を形成するモールド金型１６と固定子完成品１４の位置
決めをする中心金型１８に装着し、モールド金型１６と
固定子完成品１４との間の隙間へ樹脂材１７を注入し成
型すればモータ枠１５が形成される。なお、一つの固定
子鉄心には二つの凸部を、前記固定子鉄心に結合される
他の固定子鉄心には二つの凹部を形成しても良いことは
いうまでもない。

【００１７】

【発明の効果】以上の説明から明らかなように本発明に
よれば、固定子完成品をモールド金型内に装着し樹脂材
を注入する際、分割されていた固定子完成品が互いの接
触面方向にずれることがない。またその接触面に樹脂材
が流入し互いの固定子鉄心間に隙間が発生することがな
い。したがって、低騒音かつ効率の良いモータが提供で
きる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例における分割した固定子鉄心
の平面図

【図２】（ａ）本発明の固定子鉄心に巻線を装着後互い
の鉄心を挿入嵌合した固定子完成品の斜視図 （ｂ）（ａ）における点線矢印部分の拡大平面図

【図３】本発明の一実施例における固定子完成品をモー
タ枠を形成するモールド金型に装着した状態の断面図

【図４】従来の分割した固定子鉄心の平面図

【図５】従来の固定子鉄心に巻線を装着後互いの鉄心を
接触嵌合した固定子完成品の斜視図

【図６】従来の固定子完成品をモータ枠を形成するモー
ルド金型に装着した状態の断面図

【符号の説明】

１０，１１ 固定子鉄心 １０ａ，１１ａ 凸部 １０ｂ，１１ｂ 凹部 １２ 絶縁モールド １３ 巻線 １４ 固定子完成品 １５ モータ枠 １６ モールド金型 １７ 樹脂材 １８ 中心金型

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】複数個に分割した固定子鉄心の複数箇所の
   結合部分に鉄心の積層方向に対し円周方向に凸部または
   凹部を設け、前記する凸部と凹部を嵌合して分割された
   固定子鉄心を結合したことを特徴とする電動機の固定子
   鉄心。
2. 【請求項２】固定子鉄心の突極部を中央部で分割し、結
   合部分の継鉄部に凸部または凹部を設けたことを特徴と
   する請求項１記載の電動機の固定子鉄心。