JP2008048502A - 電動モータ - Google Patents
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Abstract
【課題】電動モータのステータコアが高抗折強度、高磁束密度、低鉄損を有する。
【解決手段】本電動モータ1では、ステータコア11は、環状のヨーク14と、複数のティース15とを含む。ステータコア11の軸方向Sの両端部11a,11bに、コイル収容溝19が形成される。ティース15は、各溝19の底部および内壁を含む一対の第1の部分20と、これら第1の部分20の間に介在する第2の部分21とを含む。分割コア16は、第1および第2の部分20,21と、ヨーク片17とを有する。第1の部分20が、残りの部分21,17とは異なる材料であって磁性粉11mを含む材料としての焼結体で形成されている。この材料は、相対的に高い抗折強度を有している。第2の部分21は、相対的に高い飽和磁束密度を有する材料で形成され、ヨーク片17は、相対的に鉄損の低い材料で形成されている。
【選択図】図4
【解決手段】本電動モータ1では、ステータコア11は、環状のヨーク14と、複数のティース15とを含む。ステータコア11の軸方向Sの両端部11a,11bに、コイル収容溝19が形成される。ティース15は、各溝19の底部および内壁を含む一対の第1の部分20と、これら第1の部分20の間に介在する第2の部分21とを含む。分割コア16は、第1および第2の部分20,21と、ヨーク片17とを有する。第1の部分20が、残りの部分21,17とは異なる材料であって磁性粉11mを含む材料としての焼結体で形成されている。この材料は、相対的に高い抗折強度を有している。第2の部分21は、相対的に高い飽和磁束密度を有する材料で形成され、ヨーク片17は、相対的に鉄損の低い材料で形成されている。
【選択図】図4
Description
本発明は、電動モータに関する。
電動モータは、コイルが巻回されたステータコアを有している。従来のステータコアとしては、以下のステータコアが知られている。すなわち、第1の従来技術のステータコアでは、当該ステータコアの全体が磁性粉により均一に形成されていて、ステータコアの軸方向端部にコイル巻回用の溝が形成されている。また、第2の従来技術のステータコアでは、コイル巻回用の溝の底部が磁性粉により形成され、残りの部分、例えば溝の側壁は積層鋼板により形成されている(例えば、特許文献1参照。)。
特開2001−157390号公報
ところで、第1の従来技術のステータコアにコイルを巻回するときに、ステータコアのコイル巻回用の溝の側壁に欠けが生じることがある。また、第2の従来技術のステータコアにおいても、溝の側壁は積層鋼板の積層方向に立ち上がっていて、低強度である。
そこで、第1の従来技術のステータコアの全体を、高い抗折強度を有する磁性粉により形成することが考えられる。しかし、通例、高い抗折強度を有する磁性粉は、ステータコアとして必要な他の特性、例えば低鉄損、高磁束密度を有していない。また、高い抗折強度に加えて、低鉄損、高磁束密度の3つの特性の全てを有する磁性粉は、材料特性上、実現が困難とされている。
そこで、第1の従来技術のステータコアの全体を、高い抗折強度を有する磁性粉により形成することが考えられる。しかし、通例、高い抗折強度を有する磁性粉は、ステータコアとして必要な他の特性、例えば低鉄損、高磁束密度を有していない。また、高い抗折強度に加えて、低鉄損、高磁束密度の3つの特性の全てを有する磁性粉は、材料特性上、実現が困難とされている。
そこで、本発明の目的は、ステータコアが高抗折強度、高磁束密度、および低鉄損をともに有する電動モータを提供することである。
本発明の電動モータは、コイルが巻回された環状のステータコアを備え、このステータコアは、環状のヨークと、このヨークの内周に突出形成され、ヨークの周方向にスロットを挟んで相互に離隔する複数のティースとを含み、各ティースは、ヨークの内周から径方向に延びるティース本体と、ティース本体からステータコアの対応する軸方向外方に突出する軸方向突出部とを有し、ステータコアの軸方向の両端に、各ティースに対応してステータコアの軸方向外方に開放するコイル巻回用の溝が形成され、各溝の外壁は、ヨークの対応する軸方向端部により構成され、各溝の内壁は、ティースの軸方向突出部により構成され、各溝の底部は、ティース本体の軸方向端部により構成され、上記ティースは、各溝の底部および対応する内壁を含む一対の第1の部分と、これら第1の部分の間に介在する第2の部分とを含み、ティースの第1の部分、ティースの第2の部分およびヨークのなかで、少なくともティースの第1の部分が、残りの部分とは異なる材料であって、磁性粉を含む材料で形成されていることを特徴とする。
本発明によれば、少なくともティースの第1の部分が、残りの部分とは互いに異なる材料で形成されるので、材料に応じて得られる特性の相違が、少なくともティースの第1の部分と、残りの部分との間で実現される。例えば、巻線時に欠けが生じる虞のあるティースの第1の部分には、相対的に高い抗折強度を有する材料を用いる。また、残りの部分には、抗折強度はさほど高くする必要はないので、ステータコアとして望ましい低鉄損、高磁束密度を有する材料を用いる。その結果、高抗折強度と、低鉄損と、高磁束密度とをともに実現することが可能となる。
また、本発明において、上記ティースの第1の部分、ティースの第2の部分およびヨークのなかで、ティースの第1の部分が、残りの部分よりも相対的に高い抗折強度を有する材料で形成されている場合がある。この場合、巻線時にティースの第1の部分に欠けが生じることを、防止することができる。
また、本発明において、上記ティースの第1の部分、ティースの第2の部分およびヨークのなかで、ティースの第2の部分が、残りの部分よりも相対的に高い飽和磁束密度を有する材料で形成されている場合がある。この場合、ティースの第2の部分に磁束を通し易くできるので、電動モータの出力トルクを高めることができる。
また、本発明において、上記ティースの第1の部分、ティースの第2の部分およびヨークのなかで、ティースの第2の部分が、残りの部分よりも相対的に高い飽和磁束密度を有する材料で形成されている場合がある。この場合、ティースの第2の部分に磁束を通し易くできるので、電動モータの出力トルクを高めることができる。
また、本発明において、上記ティースの第1の部分、ティースの第2の部分およびヨークのなかで、ヨークが、残りの部分よりも相対的に鉄損の低い材料で形成されている場合がある。この場合、ヨークでの鉄損を低く抑制することができるので、ロストルクの発生を抑制でき、ひいては、出力トルクを高めることができる。
また、本発明において、上記ティースの第2の部分は、ステータコアの軸方向に積層された電磁鋼板を含む場合がある。この場合、第2の部分に含まれた電磁鋼板は、通例、磁性粉に比べて、高い飽和磁束密度を実現することができるので、電動モータの出力トルクを高めることができ、しかも、安価である。
また、本発明において、上記ティースの第2の部分は、ステータコアの軸方向に積層された電磁鋼板を含む場合がある。この場合、第2の部分に含まれた電磁鋼板は、通例、磁性粉に比べて、高い飽和磁束密度を実現することができるので、電動モータの出力トルクを高めることができ、しかも、安価である。
また、本発明において、上記ティースの第2の部分は、電磁鋼板と、磁性粉を含む材料とを、ステータコアの軸方向に交互に積層されてなる場合がある。この場合、磁性粉を含む材料同士の間が、電磁鋼板により絶縁されるので、第2の部分の全体としての鉄損を小さく抑制することができる。また、磁性粉として、鉄損を小さく抑制するための比抵抗の大きな磁性粉を用いずに済むので、比抵抗が小さくて高い飽和磁束密度を有する磁性粉を利用することができる。
以下では、この発明の実施形態の電動モータを、添付図面を参照して詳細に説明する。図1は、本発明の第1の実施形態の電動モータの概略構成を示す断面図である。
本電動モータ1は、フレームとしてのモータハウジング2と、このモータハウジング2に保持された軸受3,4と、これら軸受3,4により回動自在に支持されている出力軸5と、この出力軸5に一体回転するように設けられた筒状のロータ6と、ロータ6の外周面と径方向Rに対向してモータハウジング2内に固定される筒状のステータ7と、当該電動モータ1の内部における電気的な接続のためのバスバーと呼ばれる結線用基板8とを有している。また、電動モータ1は、ブラシレスモータである。
本電動モータ1は、フレームとしてのモータハウジング2と、このモータハウジング2に保持された軸受3,4と、これら軸受3,4により回動自在に支持されている出力軸5と、この出力軸5に一体回転するように設けられた筒状のロータ6と、ロータ6の外周面と径方向Rに対向してモータハウジング2内に固定される筒状のステータ7と、当該電動モータ1の内部における電気的な接続のためのバスバーと呼ばれる結線用基板8とを有している。また、電動モータ1は、ブラシレスモータである。
モータハウジング2は、筒形状をなすハウジング本体9と、一対の端部材10A,10Bとを有している。出力軸5の軸方向Sについてのハウジング本体9の両端部は、ともに開放されている。ハウジング本体9の両端部に、対応する端部材10A,10Bが取り付けられている。
なお、ハウジング本体9と、いずれか一方の端部材10A,10Bとが、単一の部材により一体に形成され、単一の部品を構成していてもよい。以下では、ハウジング本体9と、一対の端部材10A,10Bとの3つが、互いに別体の場合に則して説明する。
なお、ハウジング本体9と、いずれか一方の端部材10A,10Bとが、単一の部材により一体に形成され、単一の部品を構成していてもよい。以下では、ハウジング本体9と、一対の端部材10A,10Bとの3つが、互いに別体の場合に則して説明する。
端部材10A,10Bは、板状をなしている。端部材10Aの中央部に貫通孔が形成されている。この貫通孔の周縁部に軸受3が支持されている。また、端部材10Bの中央部の凹部の周縁部に軸受4が支持されている。また、各端部材10A,10Bの外周縁部には、ハウジング本体9と連結するための連結部が設けられている。
ハウジング本体9は、内周面と外周面とを有している。また、出力軸5の軸方向Sについてのハウジング本体9の両端部は、対応する端部材10A,10Bの連結部に連結するための連結部を有している。ハウジング本体9の連結部と、対応する端部材10A,10Bの連結部とは、図示しないボルトにより互いに固定される。
ハウジング本体9は、内周面と外周面とを有している。また、出力軸5の軸方向Sについてのハウジング本体9の両端部は、対応する端部材10A,10Bの連結部に連結するための連結部を有している。ハウジング本体9の連結部と、対応する端部材10A,10Bの連結部とは、図示しないボルトにより互いに固定される。
モータハウジング2の内部に、ロータ6、ステータ7および結線用基板8が収容されている。ステータ7の外周面が、モータハウジング2のハウジング本体9の内周面に固定されている。ステータ7がロータ6を取り囲んでいる。モータハウジング2と出力軸5とロータ6とステータ7とが、ブラシレスモータを構成している。
また、モータハウジング2のハウジング本体9の内周面と、ロータ6の外周面と、ステータ7の内周面および外周面とは、出力軸5の中心軸線と互いに同心に配置されている。出力軸5と、ロータ6とは、出力軸5の中心軸線を回転中心軸線としてその回りに一体に回動する。
また、モータハウジング2のハウジング本体9の内周面と、ロータ6の外周面と、ステータ7の内周面および外周面とは、出力軸5の中心軸線と互いに同心に配置されている。出力軸5と、ロータ6とは、出力軸5の中心軸線を回転中心軸線としてその回りに一体に回動する。
なお、図1および後述する各図には、出力軸5の軸方向S、径方向R、および周方向Tを必要に応じて図示している。これらの各方向は、モータハウジング2、ロータ6、ステータ7、後述するステータコア11、およびヨーク14の対応する各方向に一致している。
図2は、図1に示すステータ7の要部の断面図であり、図1のS2−S2断面を示す。図1および図2を参照して、ロータ6は、出力軸5および軸受3,4を介して、モータハウジング2に回動自在に支持されている。ロータ6は、ロータ本体6aと、ロータマグネット6bと、スペーサ6cと、筒状の保護部材6dとを有している。
図2は、図1に示すステータ7の要部の断面図であり、図1のS2−S2断面を示す。図1および図2を参照して、ロータ6は、出力軸5および軸受3,4を介して、モータハウジング2に回動自在に支持されている。ロータ6は、ロータ本体6aと、ロータマグネット6bと、スペーサ6cと、筒状の保護部材6dとを有している。
ロータマグネット6bは、周方向Tに離隔する複数の磁極を有する。ロータマグネット6bは、環状の永久磁石からなる。ロータマグネット6bの外周面にN極とS極との磁極が交互に周方向Tに並んで複数箇所に均等に形成されている。ロータマグネット6bは、ロータ本体6aとスペーサ6cとを介して、出力軸5に固定されている。
ステータ7は、内周面と外周面とを有している。ステータ7の内周面は、ロータ6の外周面と径方向Rに所定間隔を開けて対向している。ステータ7は、環状をなす単一のステータコア11と、複数のインシュレータ12と、複数のコイル13とを有している。ステータコア11は、環状をなす単一のヨーク14と、複数のティース15とを有している。インシュレータ12およびコイル13は、各ティース15ごとに設けられている。インシュレータ12はコイル13を保護するための絶縁体である。各コイル13は絶縁被覆された電線をそれぞれ有している。
ステータ7は、内周面と外周面とを有している。ステータ7の内周面は、ロータ6の外周面と径方向Rに所定間隔を開けて対向している。ステータ7は、環状をなす単一のステータコア11と、複数のインシュレータ12と、複数のコイル13とを有している。ステータコア11は、環状をなす単一のヨーク14と、複数のティース15とを有している。インシュレータ12およびコイル13は、各ティース15ごとに設けられている。インシュレータ12はコイル13を保護するための絶縁体である。各コイル13は絶縁被覆された電線をそれぞれ有している。
ステータコア11は、軸方向Sについての一端11aおよび他端11bを有している。ステータコア11の外周面が、ステータ7の外周面を形成している。また、各ティース15が、ヨーク14の内周面から径方向Rの内方へ突出している。各ティース15の突出した先端部が、ロータ6に近接して対向し、ステータ7の内周面を形成している。また、複数のティース15は、互いに同じ形状に形成されていて、周方向Tについて所定間隔のスロット11cを挟んで相互に離隔して均等に配置されている。
本実施形態では、ステータコア11は、周方向Tに分割された分割体としての複数の分割コア16を有している。また、ヨーク14は、複数の分割コア16に対応して周方向Tに分割された複数のヨーク片17を有している。
複数の分割コア16は、ステータコア11を縦割り分割されてなる。複数の分割コア16が環状に組み合わされることにより、環状のステータコア11が構成されている。例えば、複数の分割コア16が周方向Tに並べられた状態で、ハウジング本体9の内周面に嵌め入れられて、この内周面に、例えば圧入されることにより、または接着剤を介することにより固定されている。これにより、複数の分割コア16が互いに環状に連結される。
複数の分割コア16は、ステータコア11を縦割り分割されてなる。複数の分割コア16が環状に組み合わされることにより、環状のステータコア11が構成されている。例えば、複数の分割コア16が周方向Tに並べられた状態で、ハウジング本体9の内周面に嵌め入れられて、この内周面に、例えば圧入されることにより、または接着剤を介することにより固定されている。これにより、複数の分割コア16が互いに環状に連結される。
図3は、図1に示すステータ7の分割コア16の斜視図である。図2および図3を参照して、各分割コア16は、単一のヨーク片17と、単一のティース15とを有している。これらティース15およびヨーク片17は、一体に形成されて単一の部品を構成している。各分割コア16の全体が、磁性粉11m(模式的に図示)を含み、磁性粉11mを用いて形成された焼結体からなる。
ヨーク片17は、内周部17aと、外周部17bと、対向面としての周方向Tについての一対の側面17cと、軸方向Sについての一対の端面17dとを有している。ヨーク片17の内周部17aに、対応するティース15が連結されている。
各ティース15は、主体部としてのティース本体15aと、突出部としての周方向突出部15bおよび軸方向突出部15cとを有している。
各ティース15は、主体部としてのティース本体15aと、突出部としての周方向突出部15bおよび軸方向突出部15cとを有している。
ティース本体15aは、ステータコア11の軸方向Sに沿って見たときに、ヨーク片17の内周部17aからステータ7の径方向Rに延びている。ティース本体15aは、ヨーク片17に比べて、ステータ7の周方向Tおよび軸方向Sについて、相対的に細く形成されていて、軸方向Sに平行に延びている。
周方向突出部15bおよび軸方向突出部15cは、ティース本体15aの延設端としての径方向Rの内方側の端部15dに設けられている。周方向突出部15bと軸方向突出部15cとは、互いに接続され、ティース本体15aを鍔状をなして取り囲んでいる。
周方向突出部15bおよび軸方向突出部15cは、ティース本体15aの延設端としての径方向Rの内方側の端部15dに設けられている。周方向突出部15bと軸方向突出部15cとは、互いに接続され、ティース本体15aを鍔状をなして取り囲んでいる。
周方向突出部15bは、周方向Tの両側へティース本体15aの端部15dから突出している。周方向突出部15bは、ステータ7の周方向Tについてティース本体15aから遠ざかるにしたがって、肉厚(径方向寸法)が薄くなるように形成されている。
図4は、分割コア16の断面図であり、図2のS4−S4断面を示す。図3と図4を参照して、軸方向突出部15cは、ステータ7の軸方向Sの両側へティース本体15aの端部15dから所定距離で突出している。
図4は、分割コア16の断面図であり、図2のS4−S4断面を示す。図3と図4を参照して、軸方向突出部15cは、ステータ7の軸方向Sの両側へティース本体15aの端部15dから所定距離で突出している。
図1および図2を参照して、ステータコア11の各分割コア16のティース15に、インシュレータ12を介してコイル13が巻回されている。また、各ティース15には、巻回されたコイル13を収容するためのコイル収容溝18,19が形成されている。すなわち、ステータ7の周方向Tに関して、各ティース15は、ティース本体15aを挟んだ両側に、コイル巻回用の一対のコイル収容溝18を有している。また、ステータ7の軸方向Sに関して、各ティース15の両端部は、ティース本体15aを挟んだ両側に、コイル巻回用の一対のコイル収容溝19を有している。これらのコイル収容溝18,19は、ティース15を取り囲んで環状をなし、互いに連通している。
一対のコイル収容溝18は、ステータ7の周方向Tについて、互いに逆向きに開放されている。各コイル収容溝18が、スロット11cの一部をなしている。コイル収容溝18は、ティース15の周方向突出部15bと、ヨーク片17の対応する周方向端部と、ティース本体15aとにより形成されている。
図3および図4を参照して、一対のコイル収容溝19は、ステータ7の軸方向Sの外方に向けて、互いに逆向きに開放されている。コイル収容溝19は、相対的に径方向Rの内方に配置された内壁と、相対的に径方向Rの外方に配置された外壁と、内壁および外壁を接続する底部とを有している。内壁および外壁は、径方向Rに互いに対向している。
図3および図4を参照して、一対のコイル収容溝19は、ステータ7の軸方向Sの外方に向けて、互いに逆向きに開放されている。コイル収容溝19は、相対的に径方向Rの内方に配置された内壁と、相対的に径方向Rの外方に配置された外壁と、内壁および外壁を接続する底部とを有している。内壁および外壁は、径方向Rに互いに対向している。
コイル収容溝19の内壁は、対応する軸方向Sの外方に突出するティース15の軸方向突出部15cにより構成されている。コイル収容溝19の外壁は、ヨーク片17の対応する軸方向端部17eにより構成されている。コイル収容溝19の底部は、ティース本体15aの軸方向端部15eにより構成されている。
軸方向Sに関してのステータコア11の両端部11a,11b、すなわち、分割コア16の両端部は、軸方向Sについての向きが逆であることを除いて、互いに同様に形成されている。また、これと同様に、一対のコイル収容溝19も互いに同様に形成されている。また、周方向Tに関して、分割コア16は、対称形状をなしている。
軸方向Sに関してのステータコア11の両端部11a,11b、すなわち、分割コア16の両端部は、軸方向Sについての向きが逆であることを除いて、互いに同様に形成されている。また、これと同様に、一対のコイル収容溝19も互いに同様に形成されている。また、周方向Tに関して、分割コア16は、対称形状をなしている。
本実施形態では、ティース15は、当該ティース15の軸方向端部としての一対の第1の部分20と、当該ティース15の軸方向中間部としての第2の部分21とを有している。一対の第1の部分20と、第2の部分21とは、ステータコア11の軸方向Sに並んでいて、互いに隣接して配置されている。
ティース15の一対の第1の部分20と、第2の部分21と、ヨーク片17とは、互いに異なる材料により形成されていて、また、接着剤により互いに固定されて一体化されている。なお、これら各部17,20,21は、互いに圧接(加圧溶接)により一体化してもよいし、後述するように焼結されることにより一体化されてもよい。
ティース15の一対の第1の部分20と、第2の部分21と、ヨーク片17とは、互いに異なる材料により形成されていて、また、接着剤により互いに固定されて一体化されている。なお、これら各部17,20,21は、互いに圧接(加圧溶接)により一体化してもよいし、後述するように焼結されることにより一体化されてもよい。
第1の部分20は、軸方向Sに関するティース15の軸方向突出部15cにおいて最も軸方向外方にある部分から、軸方向Sに所定距離離れた位置までの間にある部分である。第1の部分20は、コイル収容溝19の底部としてのティース本体15aの軸方向端部15eと、コイル収容溝19の内壁としてのティース15の軸方向突出部15cとを有していて、これらを一体に形成して、単一の部品を構成している。
ティース15の第1の部分20は、その全体が材料としての焼結体で形成されている。この焼結体は、磁性粉11mとバインダ成分とを含んでいる。例えば、磁性粉11mおよびバインダ成分を含む粉状素材が成形型により所定の圧縮条件で圧縮成形される。これにより、製造用中間体としての圧粉体が得られる。この圧粉体が予め定める焼結条件に基づいて焼結される。これにより、成型品としての焼結体が成形されてなる。
第1の部分20の焼結体は、残りの部分としての第2の部分21の焼結体とは異なっていて、第2の部分21の焼結体よりも相対的に高い抗折強度を有している。第1の部分20の焼結体は、残りの部分としてのヨーク片17の焼結体とは異なっていて、ヨーク片17の焼結体よりも相対的に高い抗折強度を有している。例えば、第1の部分20の焼結体のバインダ成分は、第2の部分21およびヨーク片17の焼結体に比べて多くされている。ここで、抗折強度は、JIS−R1601に準じて測定した3点曲げ強さである。
ティース15の第2の部分21は、一対の第1の部分20の間に介在して、軸方向Sに関しての所定長さで形成されている。第2の部分21は、ティース本体15aの軸方向中間部15fと、一対の周方向突出部15bとを有している。
ティース15の第2の部分21は、その全体が材料としての焼結体で形成されている。この焼結体は、磁性粉11mを含んでいて、この磁性粉11mは鉄を含んでいる。磁性粉11mが、予め定める焼結条件に基づいて焼結されてなる。第2の部分21の焼結体の焼結条件は、第1の部分20の焼結体の焼結条件とは異なっている。
ティース15の第2の部分21は、その全体が材料としての焼結体で形成されている。この焼結体は、磁性粉11mを含んでいて、この磁性粉11mは鉄を含んでいる。磁性粉11mが、予め定める焼結条件に基づいて焼結されてなる。第2の部分21の焼結体の焼結条件は、第1の部分20の焼結体の焼結条件とは異なっている。
第2の部分21の焼結体は、残りの部分としての第1の部分20の焼結体とは異なっていて、第1の部分20の焼結体よりも相対的に高い飽和磁束密度を有している。これとともに、第2の部分21の焼結体は、残りの部分としてのヨーク片17の焼結体とは異なっていて、この焼結体よりも相対的に高い飽和磁束密度を有している。例えば、第2の部分21の焼結体の鉄の含有割合は、第1の部分20およびヨーク17の焼結体よりも相対的に高くされている。
各ヨーク片17は、それぞれ同様に形成されている。ヨーク片17は、その全体が材料としての焼結体で形成されている。この焼結体は、磁性粉11mを含んでいて、予め定める焼結条件に基づいて焼結されてなる。この焼結条件は、第1の部分20の焼結体の焼結条件とは異なり、且つ第2の部分21の焼結体の焼結条件とも異なっている。
ヨーク片17の焼結体は、残りの部分としてのティース15の第1の部分20の焼結体とは異なっていて、この焼結体よりも相対的に低い鉄損を有している。これとともに、ヨーク片の焼結体17は、残りの部分としての第2の部分21の焼結体とは異なっていて、この焼結体よりも相対的に低い鉄損を有している。
ヨーク片17の焼結体は、残りの部分としてのティース15の第1の部分20の焼結体とは異なっていて、この焼結体よりも相対的に低い鉄損を有している。これとともに、ヨーク片の焼結体17は、残りの部分としての第2の部分21の焼結体とは異なっていて、この焼結体よりも相対的に低い鉄損を有している。
ここで、所定部分の材料が残りの部分の材料とは異なるとは、予め定める特性に関して互いに異なっていることである。ここで、予め定める特性は、例えば抗折強度、飽和磁束密度、鉄損であるが、これら以外の特性であってもよい。
例えば、分割コア16の各部20,21,17の材料は、それぞれ、磁性粉11mを含む焼結体である点では同じであるが、特性が異なっている。特性の相違は、焼結体の仕様を互いに異ならせることにより実現することができる。ここで、焼結体の仕様としては、例えば焼結体に含まれる粉状素材の成分の種類、配合比率等の粉状素材の仕様、圧粉体を成形するための圧力等の圧縮条件、磁性粉11mを焼結するための焼結温度、時間等の焼結条件である。また、焼結体の仕様として、焼結条件以外の仕様を異ならせる場合には、各部の焼結体の焼結条件を互いに等しくすることも可能となり、これにより、焼結を利用して各部20,21,17を一体に結合することも考えられる。
例えば、分割コア16の各部20,21,17の材料は、それぞれ、磁性粉11mを含む焼結体である点では同じであるが、特性が異なっている。特性の相違は、焼結体の仕様を互いに異ならせることにより実現することができる。ここで、焼結体の仕様としては、例えば焼結体に含まれる粉状素材の成分の種類、配合比率等の粉状素材の仕様、圧粉体を成形するための圧力等の圧縮条件、磁性粉11mを焼結するための焼結温度、時間等の焼結条件である。また、焼結体の仕様として、焼結条件以外の仕様を異ならせる場合には、各部の焼結体の焼結条件を互いに等しくすることも可能となり、これにより、焼結を利用して各部20,21,17を一体に結合することも考えられる。
本実施形態では、電動モータ1は、コイル13が巻回された環状のステータコア11を備えている。このステータコア11は、環状のヨーク14と、このヨーク14の内周としてのヨーク片17の内周部17aに突出形成され、ヨーク14の周方向にスロット11cを挟んで相互に離隔する複数のティース15とを含んでいる。各ティース15は、ヨーク片17の内周部17aから径方向Rに延びるティース本体15aと、ティース本体15aからステータコア11の対応する軸方向外方に突出する軸方向突出部15cとを有している。ステータコア11の軸方向Sの両端としての両端部11a,11bに、各ティース15に対応してステータコア11の軸方向外方に開放するコイル巻回用の溝としてのコイル収容溝19が形成されている。各コイル収容溝19の外壁は、ヨーク14の対応する軸方向端部としてのヨーク片17の軸方向端部17eにより構成されている。各コイル収容溝19の内壁は、ティース15の軸方向突出部15cにより構成されている。各コイル収容溝19の底部は、ティース本体15aの軸方向端部15eにより構成されている。上記ティース15は、各コイル収容溝19の底部としてのティース本体15aの軸方向端部15eおよび対応する内壁としてのティースの軸方向突出部15cを含む一対の第1の部分20と、これら第1の部分20の間に介在する第2の部分21とを含んでいる。ティース15の第1の部分20、ティース15の第2の部分21およびヨーク片17のなかで、少なくともティース15の第1の部分20が、残りの部分17,21とは異なる材料であって、磁性粉11mを含む材料で形成されていることを特徴としている。
これにより、少なくともティース15の第1の部分20が、残りの部分17,21とは異なる材料で形成されるので、材料が異なることに応じて得られる特性の相違が、少なくともティース15の第1の部分20と、残りの部分17,21との間で実現される。例えば、巻線時に欠けが生じる虞のあるティース15の第1の部分20には、相対的に高い抗折強度を有する材料を用いている。また、残りの部分としてのヨーク片17およびティース15の第2の部分21には、抗折強度はさほど高くする必要はないので、ステータコア11として好ましい低鉄損を有する材料および高磁束密度を有する材料をそれぞれ用いている。その結果、ステータコア11の部分20,21,17ごとの特性として、高抗折強度と、高磁束密度と、低鉄損とをともに実現することが可能となる。
また、本実施形態では、ティース15の第1の部分20、ティース15の第2の部分21およびヨーク片17のなかで、ティース15の第1の部分20が、残りの部分17,21よりも相対的に高い抗折強度を有する材料で形成されている。この場合、巻線時にティース15の第1の部分20に欠けが生じることを、防止することができる。
また、本実施形態では、上記ティース15の第1の部分20、ティース15の第2の部分21およびヨーク片17のなかで、ティース15の第2の部分21が、残りの部分17,20よりも相対的に高い飽和磁束密度を有する材料で形成されている。この場合、ティース15の第2の部分21に磁束を通し易くできるので、電動モータ1の出力トルクを高めることができる。
また、本実施形態では、上記ティース15の第1の部分20、ティース15の第2の部分21およびヨーク片17のなかで、ティース15の第2の部分21が、残りの部分17,20よりも相対的に高い飽和磁束密度を有する材料で形成されている。この場合、ティース15の第2の部分21に磁束を通し易くできるので、電動モータ1の出力トルクを高めることができる。
また、本実施形態では、ティース15の第1の部分20、ティース15の第2の部分21およびヨーク片17のなかで、ヨーク片17が、残りの部分20,21よりも相対的に鉄損の低い材料で形成されている。この場合、ヨーク片17での鉄損を低く抑制できるので、ロストルクの発生を抑制でき、ひいては、出力トルクを高めることができる。
また、本実施形態について、以下のような変形例を考えることができる。以下の説明では、上述の実施形態と異なる点を中心に説明し、同様の構成については同じ符号を付して説明を省略する。
また、本実施形態について、以下のような変形例を考えることができる。以下の説明では、上述の実施形態と異なる点を中心に説明し、同様の構成については同じ符号を付して説明を省略する。
図5は、本発明の第2の実施形態の電動モータ1の分割コア16Aの斜視図である。図5を参照して、分割コア16Aは、ティース15の第1の部分20と、ティース15の第2の部分21Aと、ヨーク片17とを有している。ティース15の第2の部分21Aは、積層鋼板からなり、この点で上述した第2の部分21と異なっている。
積層鋼板は、ステータコア11の軸方向Sに積層された複数の電磁鋼板11nを有している。電磁鋼板11nは、例えばケイ素鋼板からなる。ケイ素鋼板は、ケイ素鋼の板材と、この板材の表面に形成された絶縁被膜とを有している。電磁鋼板11nとしては、ケイ素鋼の板材に代えて、低炭素鋼、純鉄等の磁気特性の優れた板材を利用することもできる。また、絶縁被膜は、板の両面に形成されていてもよいし、一方の板面であってもよく、少なくとも一方の板面に形成されていればよい。
積層鋼板は、ステータコア11の軸方向Sに積層された複数の電磁鋼板11nを有している。電磁鋼板11nは、例えばケイ素鋼板からなる。ケイ素鋼板は、ケイ素鋼の板材と、この板材の表面に形成された絶縁被膜とを有している。電磁鋼板11nとしては、ケイ素鋼の板材に代えて、低炭素鋼、純鉄等の磁気特性の優れた板材を利用することもできる。また、絶縁被膜は、板の両面に形成されていてもよいし、一方の板面であってもよく、少なくとも一方の板面に形成されていればよい。
第2の部分21Aは、高い飽和磁束密度を有している。また、ヨーク片17は、第2の部分21Aよりも低い鉄損を有している。
本実施形態では、ステータコア11において、必要な特性、すなわち、高抗折強度と、低鉄損と、高磁束密度とをともに実現することができる。
また、ティース15の第2の部分21Aは、ステータコア11の軸方向Sに積層された電磁鋼板11nを含むようにしている。この場合、第2の部分21Aに含まれた電磁鋼板11nは、通例、磁性粉11mに比べて、高い飽和磁束密度を実現することができるので、電動モータ1の出力トルクを高めることができ、しかも、安価である。
本実施形態では、ステータコア11において、必要な特性、すなわち、高抗折強度と、低鉄損と、高磁束密度とをともに実現することができる。
また、ティース15の第2の部分21Aは、ステータコア11の軸方向Sに積層された電磁鋼板11nを含むようにしている。この場合、第2の部分21Aに含まれた電磁鋼板11nは、通例、磁性粉11mに比べて、高い飽和磁束密度を実現することができるので、電動モータ1の出力トルクを高めることができ、しかも、安価である。
図6は、本発明の第3の実施形態の電動モータ1の分割コア16Bの斜視図である。図6を参照して、分割コア16Bは、ティース15の第1の部分20と、ティース15の第2の部分21Bと、ヨーク片17とを有している。ティース15の第2の部分21Bは、以下の積層部材からなり、この点で、上述の第2の部分21と異なっている。
積層部材は、複数の電磁鋼板11nと、複数の焼結体11pとを有していて、これらが、ステータコア11の軸方向Sに交互に積層されてなる。焼結体11pは、磁性粉11mを含んでいて、第1の実施形態の第2の部分21の焼結体と同様の仕様で形成されてなり、高い飽和磁束密度を有している。また、第2の部分21Bの電磁鋼板11nは、通例、磁性粉11mに比べて、高い飽和磁束密度を実現することができる。従って、第2の部分21Bの全体として、高い飽和磁束密度を実現することができる。
積層部材は、複数の電磁鋼板11nと、複数の焼結体11pとを有していて、これらが、ステータコア11の軸方向Sに交互に積層されてなる。焼結体11pは、磁性粉11mを含んでいて、第1の実施形態の第2の部分21の焼結体と同様の仕様で形成されてなり、高い飽和磁束密度を有している。また、第2の部分21Bの電磁鋼板11nは、通例、磁性粉11mに比べて、高い飽和磁束密度を実現することができる。従って、第2の部分21Bの全体として、高い飽和磁束密度を実現することができる。
また、電磁鋼板11nは、第2の部分21Bにおいて、電磁鋼板11nを挟んで隣接する2つの焼結体11p同士の間を互いに絶縁することができる。また、電磁鋼板11nは、通例、鉄損が小さく抑制された材料により形成されている。その結果、第2の部分の全体が単一の焼結体により形成される場合に比べて、本実施形態のティース15の第2の部分21Bの全体の鉄損を抑制することができる。
このように、第2の部分21Bは、高い飽和磁束密度を有している。また、第1の部分20は、第2の部分21Bの焼結体11pよりも高い抗折強度を有している。また、ヨーク片17は、第2の部分21Bよりも低い鉄損を有している。
本実施形態では、ステータコア11において、必要な特性、すなわち、高抗折強度と、低鉄損と、高磁束密度とをともに実現することができる。
本実施形態では、ステータコア11において、必要な特性、すなわち、高抗折強度と、低鉄損と、高磁束密度とをともに実現することができる。
また、ティース15の第2の部分21Bは、ステータコア11の軸方向Sに積層された電磁鋼板11nを含むようにしている。この場合、第2の部分21Bに含まれた電磁鋼板11nは、通例、磁性粉11mに比べて、高い飽和磁束密度を実現することができるので、電動モータ1の出力トルクを高めることができ、しかも、安価である。
また、上記ティース15の第2の部分21Bは、電磁鋼板11nと、磁性粉11mを含む材料としての焼結体11pとを、ステータコア11の軸方向Sに交互に積層されてなる。この場合、第2の部分21Bにおける磁性粉11mを含む材料としての焼結体11p同士を、電磁鋼板11nにより絶縁できるので、第2の部分21Bの全体としての鉄損を小さく抑制することができる。また、磁性粉11mとして、鉄損を小さく抑制するための比抵抗の大きな磁性粉11mを用いずに済むので、比抵抗が小さくて高い飽和磁束密度を有する磁性粉11mを利用することができる。
また、上記ティース15の第2の部分21Bは、電磁鋼板11nと、磁性粉11mを含む材料としての焼結体11pとを、ステータコア11の軸方向Sに交互に積層されてなる。この場合、第2の部分21Bにおける磁性粉11mを含む材料としての焼結体11p同士を、電磁鋼板11nにより絶縁できるので、第2の部分21Bの全体としての鉄損を小さく抑制することができる。また、磁性粉11mとして、鉄損を小さく抑制するための比抵抗の大きな磁性粉11mを用いずに済むので、比抵抗が小さくて高い飽和磁束密度を有する磁性粉11mを利用することができる。
図7は、本発明の第4の実施形態の電動モータ1の分割コア16Cの断面図である。図7を参照して、分割コア16Cは、ティース15の第1の部分20と、ティース15の第2の部分21と、ヨーク片17とを有している。本実施形態では、ティース15の第2の部分21とヨーク片17とが、互いに同じ材料としての焼結体で一体に形成されていて、単一部品を構成している。この部品の焼結体は、磁性粉11mを含んでいて、第1の実施形態のティース15の第2の部分21の焼結体、または第1の実施形態のヨーク片17の焼結体と同様に形成されてなる。
本実施形態においても、ステータコア11は、高抗折強度と、低鉄損と、高磁束密度とをともに実現することができる。しかも、各分割コア16Cは2つの材料からなるので、3つ以上の材料を含む場合に比べて、相対的に製造が容易である。
図8は、本発明の第5の実施形態の電動モータ1の概略構成を示す断面図である。図8を参照して、ステータコア11の軸方向両端部11a,11bにおいて各分割コア16Dが、モータハウジング2の一対の端部材10A,10Bに接触している。各分割コア16Dは、端部材10A,10Bと接触している点で、上述の第1の実施形態の分割コア16と異なっている。
図8は、本発明の第5の実施形態の電動モータ1の概略構成を示す断面図である。図8を参照して、ステータコア11の軸方向両端部11a,11bにおいて各分割コア16Dが、モータハウジング2の一対の端部材10A,10Bに接触している。各分割コア16Dは、端部材10A,10Bと接触している点で、上述の第1の実施形態の分割コア16と異なっている。
一方の軸方向端部11aは、接触部22を有している。接触部22が、端部材10Aの端面23の接触部24に接触している。他方の軸方向端部11bは、接触部25を有している。接触部25が、端部材10Bの端面26の接触部27に接触している。
具体的には、ステータコア11の一方の軸方向端部11aは、ティース15の軸方向突出部15cと、ヨーク片17の軸方向端部17eとを有している。これら15c,17eは、径方向内方に向かう内周面をそれぞれ有している。これらの内周面において軸方向Sに関しての先端部が接触部22としてそれぞれ機能する。
具体的には、ステータコア11の一方の軸方向端部11aは、ティース15の軸方向突出部15cと、ヨーク片17の軸方向端部17eとを有している。これら15c,17eは、径方向内方に向かう内周面をそれぞれ有している。これらの内周面において軸方向Sに関しての先端部が接触部22としてそれぞれ機能する。
また、端部材10Aの端面23には、凹部としての2つの環状の溝28,29が形成されている。2つの溝28,29は、互いに同心に配置されていて、径方向Rに互いに離隔して配置されている。各溝28,29における径方向内方にある側面が、接触部24としてそれぞれ機能する。一方の溝28に、ティース15の軸方向突出部15cが嵌め入れられている。一方の溝28の接触部24と、ティース15にある接触部22とが面当たり状態で接触している。また、他方の溝29に、ヨーク片17の軸方向端部17eが嵌め入れられている。他方の溝29の接触部24と、ヨーク片17にある接触部22とが、面当たり状態で接触している。
また、端部材10Aの溝28,29にステータコア11の軸方向端部11aが軸方向Sに嵌め入れられた状態で、周面同士が接触するようにしている。これにより、ステータコア11と端部材10Aとの寸法誤差や組立誤差による位置ずれを吸収しつつ、両部材10A,11の接触を確保することができる。
ステータコア11の他方の軸方向端部11bは、ティース15の軸方向突出部15cと、ヨーク片17の軸方向端部17eとを有している。軸方向Sに関してのこれら各部15c,17eの端面が、それぞれ、接触部25として機能する。
ステータコア11の他方の軸方向端部11bは、ティース15の軸方向突出部15cと、ヨーク片17の軸方向端部17eとを有している。軸方向Sに関してのこれら各部15c,17eの端面が、それぞれ、接触部25として機能する。
端部材10Bの端面26の接触部27は、同心円状の2つの環状領域からなり、ここに軸方向端部11bの接触部25が面当たり状態で接触している。
また、ステータコア11の外周面は、モータハウジング2のハウジング本体9の内周面に、嵌合されていて、互いに線当たり状態または面当たり状態で接触している。
なお、接触部22としては、ステータコア11の内周面に代えて外周面を用いることも考えられる。また、ステータコア11および端部材10A,10Bの接触部22,24,25,27としては、上述のように内周面、外周面および端面のいずれか1つまたは2つ以上を併用することが考えられる。また、各接触部22,24,25,27のそれぞれは、少なくとも1箇所あればよい。また、ステータコア11のいずれか一方の端部11a,11bのみが、対応する端部材10A,10Bに接触することも考えられる。
また、ステータコア11の外周面は、モータハウジング2のハウジング本体9の内周面に、嵌合されていて、互いに線当たり状態または面当たり状態で接触している。
なお、接触部22としては、ステータコア11の内周面に代えて外周面を用いることも考えられる。また、ステータコア11および端部材10A,10Bの接触部22,24,25,27としては、上述のように内周面、外周面および端面のいずれか1つまたは2つ以上を併用することが考えられる。また、各接触部22,24,25,27のそれぞれは、少なくとも1箇所あればよい。また、ステータコア11のいずれか一方の端部11a,11bのみが、対応する端部材10A,10Bに接触することも考えられる。
本実施形態では、コイル13への通電時に銅損により発熱が生じると、熱は、ステータコア11の外周面から、モータハウジング2のハウジング本体9を経て、周囲の外気に放熱される。また、熱は、ステータコア11の一対の軸方向端部11a,11bから、周囲の外気に放熱されるとともに、一対の軸方向端部11a,11bから、モータハウジング2の一対の端部材10A,10Bを経て、周囲の外気に放熱される。
このように、ステータコア11の少なくとも一方の軸方向端部11a,11bが、より好ましくは両方の軸方向端部11a,11bが、対応するモータハウジング2の端部材10A,10Bに接触している。これにより、ステータ7に生じる熱を、外気に放熱し易くできる。従って、電動モータ1の放熱性を向上させることができる。
また、ステータコア11の、ヨーク片17の軸方向端部17eと、ティース15の軸方向突出部15cとがともに、モータハウジング2の端部材10A,10Bに接触しているので、より好ましい。また、各分割コア16Dの軸方向両端部において、対応する端部材10A,10Bに接触しているので、より好ましい。
また、ステータコア11の、ヨーク片17の軸方向端部17eと、ティース15の軸方向突出部15cとがともに、モータハウジング2の端部材10A,10Bに接触しているので、より好ましい。また、各分割コア16Dの軸方向両端部において、対応する端部材10A,10Bに接触しているので、より好ましい。
また、ヨーク片17の軸方向端部17eとティース15の軸方向突出部15cとは、コイル収容溝19を区画しているので、コイル13の整列が崩れた状態で巻かれることを防止することや、コイル13がティース15から脱落することを防止することができる。
また、本実施形態の電動モータ1では、発熱を抑制できるので、発熱を抑制するために回転速度を低く抑制する必要がない。従って、高速回転に適した電動モータ1を実現できる。例えば、この電動モータ1を自動車の電動パワーステアリング装置(図示せず)の操舵補助用の電動モータ1に好ましく適用することができる。
また、本実施形態の電動モータ1では、発熱を抑制できるので、発熱を抑制するために回転速度を低く抑制する必要がない。従って、高速回転に適した電動モータ1を実現できる。例えば、この電動モータ1を自動車の電動パワーステアリング装置(図示せず)の操舵補助用の電動モータ1に好ましく適用することができる。
なお、本実施形態のように、ステータコア11の軸方向端部11a,11bをモータハウジング2の端部材10A,10Bに接触させることは、上述の第2〜第4の各実施形態やこれら以外のステータコア11に適用することもできる。
また、上述の各実施形態において、磁性粉11mを含む材料として、磁性粉11mを含む成型品を用いることができる。ここで、成型品は、磁性粉11mを含み、成形型を用いて形成されてなる。成形型を用いて形成されてなる成型品としては、上述の焼結体の他、磁性粉11mが成形型内で高圧力で圧縮成形されてなる成型品としての圧粉磁心でもよいし、樹脂成形品でもよい。この樹脂成形品は、磁性粉11mとしての鉄粉と、絶縁部材としての合成樹脂とを含む複合材料により形成されている。圧粉磁心は、磁性粉11mと、必要に応じてバインダー(図示せず)とを含み、これらが、焼結体に比べて低い温度に加熱されて圧縮されてなる。
また、上述の各実施形態において、磁性粉11mを含む材料として、磁性粉11mを含む成型品を用いることができる。ここで、成型品は、磁性粉11mを含み、成形型を用いて形成されてなる。成形型を用いて形成されてなる成型品としては、上述の焼結体の他、磁性粉11mが成形型内で高圧力で圧縮成形されてなる成型品としての圧粉磁心でもよいし、樹脂成形品でもよい。この樹脂成形品は、磁性粉11mとしての鉄粉と、絶縁部材としての合成樹脂とを含む複合材料により形成されている。圧粉磁心は、磁性粉11mと、必要に応じてバインダー(図示せず)とを含み、これらが、焼結体に比べて低い温度に加熱されて圧縮されてなる。
また、上述の各実施形態では、対応する各分割コア16,16A,16B,16C,16Dが互いに別体とされていたが、これには限定されない。例えば、複数の分割コア16が一体に形成されて単一部品をなし、これによりステータコア11が構成されていてもよい。また、複数の分割コア16の一部同士、例えばヨーク片17同士が、互いに一体に形成されて、単一部品としてのヨーク14をなしていてもよい。分割コア16A,16B,16C,16Dについても同様である。
また、上述の各実施形態において、第1の部分20が、第2の部分21,21A,21Bと異なる材料で形成されていて、ヨーク片17の少なくとも一部、例えば軸方向端部17eとは同じ材料で形成されている場合も考えられる。
要は、ティース15の第1の部分20が、残りの部分の少なくとも一部とは異なる材料であって、磁性粉11mを含む材料で形成されていればよい。さらに、この材料が、相対的に高い抗折強度を有する材料で形成されていればより好ましい。その他、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
要は、ティース15の第1の部分20が、残りの部分の少なくとも一部とは異なる材料であって、磁性粉11mを含む材料で形成されていればよい。さらに、この材料が、相対的に高い抗折強度を有する材料で形成されていればより好ましい。その他、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
1…電動モータ、11…ステータコア、11a,11b…端部(ステータコアの軸方向の両端)、11c…スロット、11m…磁性粉、11n…電磁鋼板、13…コイル、14…ヨーク、15…ティース、15c…軸方向突出部(内壁)、15e…軸方向端部(溝の底部)、17a…内周部(ヨークの内周)、17e…軸方向端部(外壁)、19…コイル収容溝(コイル巻回用の溝)、20…第1の部分、21,21A,21B…第2の部分、S…軸方向、T…周方向、
Claims (6)
- コイルが巻回された環状のステータコアを備え、
このステータコアは、環状のヨークと、このヨークの内周に突出形成され、ヨークの周方向にスロットを挟んで相互に離隔する複数のティースとを含み、
各ティースは、ヨークの内周から径方向に延びるティース本体と、ティース本体からステータコアの対応する軸方向外方に突出する軸方向突出部とを有し、
ステータコアの軸方向の両端に、各ティースに対応してステータコアの軸方向外方に開放するコイル巻回用の溝が形成され、
各溝の外壁は、ヨークの対応する軸方向端部により構成され、
各溝の内壁は、ティースの軸方向突出部により構成され、
各溝の底部は、ティース本体の軸方向端部により構成され、
上記ティースは、各溝の底部および対応する内壁を含む一対の第1の部分と、これら第1の部分の間に介在する第2の部分とを含み、
ティースの第1の部分、ティースの第2の部分およびヨークのなかで、少なくともティースの第1の部分が、残りの部分とは異なる材料であって、磁性粉を含む材料で形成されていることを特徴とする電動モータ。 - 請求項1において、上記ティースの第1の部分、ティースの第2の部分およびヨークのなかで、ティースの第1の部分が、残りの部分よりも相対的に高い抗折強度を有する材料で形成されていることを特徴とする電動モータ。
- 請求項1または2において、上記ティースの第1の部分、ティースの第2の部分およびヨークのなかで、ティースの第2の部分が、残りの部分よりも相対的に高い飽和磁束密度を有する材料で形成されていることを特徴とする電動モータ。
- 請求項1から3の何れか1項において、上記ティースの第1の部分、ティースの第2の部分およびヨークのなかで、ヨークが、残りの部分よりも相対的に鉄損の低い材料で形成されていることを特徴とする電動モータ。
- 請求項1から4の何れか1項において、上記ティースの第2の部分は、ステータコアの軸方向に積層された電磁鋼板を含むことを特徴とする電動モータ。
- 請求項5において、上記ティースの第2の部分は、電磁鋼板と、磁性粉を含む材料とを、ステータコアの軸方向に交互に積層されてなることを特徴とする電動モータ。
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