JP2003292741A - 無機充填剤強化ポリエステル樹脂組成物 - Google Patents

無機充填剤強化ポリエステル樹脂組成物

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JP2003292741A JP2002099859A JP2002099859A JP2003292741A JP 2003292741 A JP2003292741 A JP 2003292741A JP 2002099859 A JP2002099859 A JP 2002099859A JP 2002099859 A JP2002099859 A JP 2002099859A JP 2003292741 A JP2003292741 A JP 2003292741A
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liquid polybutene
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polyester
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Tsutomu Takashima
務 高嶋
Toshio Inoue
敏夫 井上
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Nippon Petrochemicals Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】強度および耐加水分解性に優れた無機充填剤強
化ポリエステル樹脂組成物を提供する。 【解決手段】熱可塑性ポリエステル系樹脂95〜55重
量部、無機充填剤5〜45重量部(両者を合わせて10
0重量部とする。)および末端にエポキシ基を有する液
状ポリブテン0.1〜5重量部を溶融混練して無機充填
剤強化ポリエステル樹脂組成物を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は強度および耐加水分
解性(耐熱老化性)を改良した無機充填剤強化ポリエス
テル樹脂組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】熱可塑性ポリエステルは、ガラス繊維等
の無機充填剤と加熱溶融混練することにより引張強さ等
の強度および荷重たわみ温度等の耐熱性が大幅に改良さ
れた無為充填剤配合樹脂組成物が得られることが知られ
ている。そして、その改良効果を高める方法として、シ
ラン系化合物、チタン系化合物等でガラス繊維等の無機
充填剤を表面処理する方法が知られており、無水マレイ
ン酸変性ポリオレフィンワックスを併用するとさらにそ
の改良効果を高めることも知られている。しかし、これ
らはポリエステル/無機充填剤間の界面の相互作用に関
するものであり、ポリエステル自体の耐加水分解性(耐
熱老化性)を改良することはない。ポリエステル分子内
の末端カルボキシル基が加水分解に関与しているので、
ポリエステルの耐加水分解性(耐熱老化性)を改善する
ためには別個の技術的手段を講じる必要がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述の状況
に鑑み単一の手段によりポリエステル/無機充填剤界面
の相互作用調整とポリエステル自体の耐加水分解性(耐
熱老化性)改良を達成し、強度および耐加水分解性に優
れた無機充填剤強化ポリエステル樹脂組成物を提供しよ
うとするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、熱可塑性ポリ
エステル、無機充填剤および特定構造のエポキシ基含有
液状ポリブテンを溶融混練することにより、ポリエステ
ル中のカルボキシル基の封止とポリエステル/無機充填
剤界面の相互作用調整とを行うことにより上記課題を解
決するものである。
【0005】本発明の第1は、熱可塑性ポリエステル9
5〜55重量部、無機充填剤5〜45重量部(両者を合
わせて100重量部とする。)および末端にエポキシ基
を有する液状ポリブテン0.1〜5重量部を溶融混練し
て得られる無機充填剤強化ポリエステル樹脂組成物に関
するものである。
【0006】本発明の第2は、本発明の第1において、
末端にエポキシ基を有する液状ポリブテンの80モル%
以上が、式(1)の構造を有するものであることを特徴
とする無機充填剤強化ポリエステル樹脂組成物に関する
ものである。
【化2】
【0007】本発明の第3は、本発明の第1または第2
において、末端にエポキシ基を有する液状ポリブテンが
数平均分子量100〜3,500の液状ポリブテンから
得られたものであることを特徴とする無機充填剤強化ポ
リエステル樹脂組成物に関するものである。
【0008】本発明の第4は、本発明の第1または第2
において、末端にエポキシ基を有する液状ポリブテンが
数平均分子量200〜1,400の液状ポリブテンから
得られたものであることを特徴とする無機充填剤強化ポ
リエステル樹脂組成物に関するものである。
【0009】
【発明の実施の形態】<ポリエステル>本発明に係るポ
リエステルは熱可塑性ポリエステルであれば特に制限は
ないが、好ましくはポリエチレンテレフタレート(PE
T)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエ
チレンナフタレート(PEN)、ポリ−1,4−シクロ
ヘキサンジメチレンテレフタレート(PCT)、これら
をハードセグメントとしポリエーテル、非晶性ポリエス
テル等をソフトセグメントとする熱可塑性ポリエステル
エラストマー、半芳香族液晶ポリエステル、全芳香族液
晶ポリエステルを含む。これらの中で、最も効果が得ら
れるのは、テレフタル酸とジオールを主繰り返し単位と
する結晶性ポリエステル(PET、PBT、PCTな
ど)である。特に好ましいものは、溶融混練温度が過度
に高温になることを避ける観点から、PETおよびPB
T、これらをハードセグメントとしポリエーテル、非晶
性ポリエステル等をソフトセグメントとする熱可塑性ポ
リエステルエラストマーであり、特に無機充填剤の補強
効果の大きい結晶性ポリエステルが好ましい。
【0010】<無機充填剤>本発明に係る無機充填剤
は、ポリエステルの成形性、特性を損なわない範囲で、
機械的強度、耐熱性に優れた成形品を得るために配合さ
れる無機材料であって、繊維状、粒子状、板状又は中空
状の形態に分類される。繊維状充填剤としては、ガラス
繊維、アスベスト繊維、カーボン繊維、シリカ繊維、シ
リカ・アルミナ繊維、ジルコニア繊維、窒化硼素繊維、
窒化硅素繊維、硼素繊維、チタン酸カリ繊維、更にステ
ンレス、アルミニウム、チタン、銅、真鍮等の金属の繊
維状物などが挙げられる。粒子状充填剤としては、カー
ボンブラック、シリカ、石英粉末、ガラスビーズ、ガラ
ス粉、硅酸カルシウム、硅酸アルミニウム、カオリン、
タルク、クレー、硅藻土、ウォラストナイトの如き硅酸
塩、酸化鉄、酸化チタン、アルミナの如き金属の酸化
物、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウムの如き金属の炭
酸塩、硫酸カルシウム、硫酸バリウムの如き金属の硫酸
塩、その他に炭化硅素、窒化硅素、窒化硼素、各種金属
粉末等が挙げられる。板状充填剤としては、マイカ、ガ
ラスフレーク、各種金属箔等が挙げられる。又、中空状
充填剤としては、シラスバルーン、金属バルーン、ガラ
スバルーン等が挙げられる。本発明において、特に好ま
しい無機充填剤はガラス繊維又はカーボン繊維である。
【0011】無機充填剤は、有機シラン、有機ボラン、
有機チタネート等を使用して表面処理をしてもよい。ま
た、これらの無機充填剤は1種又は2種以上併用するこ
とができる。さらに無水マレイン酸変性ポリオレフィン
ワックスを併用することもできる。
【0012】本発明においては、ポリエステル95〜5
5重量部、無機充填剤5〜45重量部の範囲で両者を合
わせて100重量部とする。無機充填剤が5重量部未満
であると無機充填剤による改良効果が不十分であり45
重量部を超えると成形加工性や靭性を害し好ましくな
い。
【0013】<エポキシ基含有液状ポリブテン>分子鎖
の末端にエポキシ基を有する液状ポリブテン(以下「エ
ポキシ基含有液状ポリブテン」という。)は、液状ポリ
ブテンの分子鎖中の末端炭素・炭素二重結合をエポキシ
化して得ることができる。原料の液状ポリブテンは、石
油精製におけるFCCからのC4留分、ナフサその他の
炭化水素の分解で生じるC4留分等であって、イソブチ
レン、ブテン−1、ブテン-2のほかにブタン類を含ん
でいるもの、あるいはC4留分にイソブチレン等を添加
して組成を調整したもの、を塩化アルミニウム、3フッ
化ホウ素等のフリーデル・クラフツ触媒等で重合して得
られるものである。液状ポリブテンの主たる構成単位は
イソブチレンに由来するものである。液状ポリブテンの
末端部には炭素・炭素二重結合が存在し、その構造はビ
ニル型、ビニリデン型等があるが、本発明の目的にはビ
ニリデン型が好ましい。このような末端ビニリデン基を
有する液状ポリブテンの製造法は特開平10−3061
28号公報等に記載されている。
【0014】エポキシ基含有液状ポリブテンは公知の方
法で得ることができる。たとえば、特公昭51-896
6号には、液状ポリブテンとn−ヘキサンを攪拌しなが
ら、過酢酸と酢酸ナトリウムを滴下してエポキシ基含有
液状ポリブテンを製造する方法が示されている。同様の
方法は、欧州特許公開公報EP045749および米国
特許第3,382,255号公報等に開示されている
が、これらの方法も好ましく使用できる。
【0015】本発明においては、エポキシ基含有液状ポ
リブテンの80モル%以上が下式(1)であることが好
ましい。
【化3】 式(1)のエポキシ基含有液状ポリブテンは、実質的に
3級炭素原子を有しないために耐熱劣化性および耐酸化
劣化性に優れ、ポリエステルの溶融加工温度においても
安定であり、長期安定性にも優れる。なお、当該構造を
80モル%以上含むエポキシ基含有液状ポリブテンは、
特開平10-306128号公報等に記載されている公
知の方法、例えばイソブチレン単独またはイソブチレン
のほかにブテン−1、ブテン-2等を含むC4留分を、
三フッ化ホウ素錯体触媒の存在下に重合するによって得
られる。
【0016】本発明においては、エポキシ基含有液状ポ
リブテンが数平均分子量100〜3,500(GPC測
定による数平均分子量(ポリスチレン換算値))の範囲
内の液状ポリブテンから得られたものであることが好ま
しい。数平均分子量が100未満であると揮発性が高す
ぎて攪拌時あるいは溶融時に揮散することがあり、3,
500を超えると溶融混練前の攪拌系内での分散、およ
び/または、溶融混練系内での拡散、反応性が十分でな
く本発明の効果が十分に得られないことがある。さら
に、エポキシ基含有液状ポリブテンの分散・拡散と表面
処理・反応性(加水分解)のバランスの点からは、液状
ポリブテンの数平均分子量は好ましくは100〜1,4
00の範囲内とし、さらに好ましくは、100〜900
の範囲内とする。
【0017】エポキシ基含有液状ポリブテンは、通常の
オキシラン基(エポキシ基)を含有するポリマー(例え
ば、特開平10−245475号に例示される。)に比
べて、低分子量であるために混合系内での分散あるいは
溶融混練系内で拡散が容易なうえ、末端に配置したエポ
キシ基とポリエステル中のカルボキシル基との反応にポ
リブテン鎖が立体障害要因としてかかわることがない。
したがって、エポキシ基含有液状ポリブテンはポリエス
テル中のカルボキシル基と容易に反応して、ポリエステ
ルの耐加水分解性を高め、また同様の理由で無機充填剤
表面の付着水あるいは表面処理剤と化学的相互作用を生
じることができ、充填効果が高まる。
【0018】本発明においては、エポキシ基含有液状ポ
リブテンをポリエステル95〜55重量部と無機充填剤
5〜45重量部を含む混合物100重量部に対して0.
1〜5重量部添加して溶融混練する。0.1重量部未満
であると効果が十分に得られず、5重量部を超えると成
形品においてブリードの問題を生じることがある。な
お、最適な混合割合は、ポリエステルと無機充填剤の配
合比によって異なるので、上記の範囲内で適宜選定する
ことが必要である。
【0019】<混合・混練>本発明に係るエポキシ基含
有液状ポリブテンは液体であるから、そのまま、あるい
は、必要に応じて加温または他の溶剤で希釈して、ポリ
エステル系樹脂等とヘンシェルミキサー、タンブラーミ
キサー等の攪拌混合機で混合することで溶融混練開始前
のポリエステル系樹脂等の表面に容易かつ均一に塗布す
ることができる。なお、エポキシ基含有液状ポリブテン
を、ポンプによる混練機への圧注入あるいは混練機のベ
ント口からの自然滴下等を利用して、ポリエステルの溶
融前または後に添加してもよい。
【0020】無機充填剤は、エポキシ基含有液状ポリブ
テンとポリエステルを混合する際に共存させてもよい
し、サイドフィーダーで溶融混練工程の中途から添加し
てもよい。また、この添加は、エポキシ基含有液状ポリ
ブテンと同時、または、別個のいずれでもよい。繊維状
無機充填剤の開繊等の問題がない限り、無機充填剤、エ
ポキシ基含有液状ポリブテン、ポリエステルを共存させ
て混合した後に溶融混練を行うのが好ましい。繊維状無
機充填剤を使用する場合は、エポキシ基含有液状ポリブ
テンと混合したポリエステルと無機充填剤とを別個の定
量フィーダーから混練機ホッパーに落とし込み、ホッパ
ー下に連結した混合フィーダー(例えば、スパイラル状
のスクリュを有するもの。)で緩やかに混合する工程を
経由して、スクリュに供給する方法が最も好ましい。
【0021】本発明において、熱可塑性ポリエステル系
樹脂とエポキシ基含有液状ポリブテンは該ポリエステル
の融点以上、好ましくは融点よりも5〜100℃高い温
度、特に好ましくは10〜60℃高い温度で、溶融混練
することで容易に反応する。混練時間は、20秒〜10
分の間溶融混練することが好ましく、さらに好ましくは
30秒〜5分、特に好ましくは40秒〜3分である。こ
れらの温度・時間の範囲に満たないと反応が十分に進行
しないことがあり、超過するとポリエステルの分解や異
常反応等を生じ好ましくない。
【0022】なお、溶融混練において、エポキシ基含有
液状ポリブテンとポリエステル末端のカルボキシル基と
の反応、および、エポキシ基含有液状ポリブテンと無機
充填剤表面層との反応を促進する目的で、触媒を使用す
ると本発明の効果を高めることができる。触媒として
は、一般にエポキシ類の反応として使用されるものを使
用すればよい。例えば、アミン化合物、リン化合物、炭
素原子数10以上のモノカルボン酸あるいはジカルボン
酸の元素周期律表I−a族あるいはII−a族の金属塩類
である。特に好ましくは、トリブチルフォスフィンらト
リフェニルフォスフィン等の3価のリン化合物である。
これらは2種類以上を併用してもよい。
【0023】溶融混練を実施する機器には何ら制限はな
く、加熱設備を装備した溶融混練機器、具体的には、バ
ンバリーミキサー、ロール、単軸混練押出機、2軸混練
押出機等の公知の機器を使用することができる。なお、
これらの機器は必ずしもペレットを製造する機器中に設
けられる必要はなく、モノあるいはマルチフィラメント
製造機、容器製造機、シート製造機、射出成形機等の任
意の成形機中に設けられたものでもよい。本発明の効果
を得る好ましい方法は、所定の成分をタンブラー又はヘ
ンシェルミキサーのような混合機で均一に混合した後、
1軸又は2軸の押出機に供給して30秒以上好ましくは
1分以上溶融混練処理し、ペレットを製造する方法であ
る。
【0024】また、エポキシ基含有液状ポリブテンはポ
リエステルの溶融混練温度においては、大気圧あるいは
減圧下で十分な揮発性を有するから、混練機の溶融混練
工程中、好ましくは、最終工程において開放口を設ける
ことにより、好ましくは、真空ポンプ等で減圧吸引して
未反応のエポキシ基含有液状ポリブテンが残存した場合
には、これらを一部または全部系外に除去することがで
き、最終生成物の特性安定化に有効である。
【0025】本発明の無機充填剤強化ポリエステル樹脂
組成物は、必要に応じて、酸化防止剤、熱安定剤、紫外
線吸収剤、滑剤、核剤、可塑剤、離型剤、顔料、各種エ
ラストマーの如き衝撃改良剤等の添加剤が配合されたも
のであってもよい。よって、本発明の無機充填剤強化ポ
リエステル樹脂組成物には、熱可塑性ポリエステル、無
機充填材および末端にエポキシ基を有する液状ポリブテ
ンにこれら以外の成分を配合して溶融混練して得られる
組成物を含むものである。
【0026】(実施例)以下、実施例および比較例によ
り本発明を更に詳述するが、本発明はこれらによって限
定されるものではない。 <エポキシ基含有液状ポリブテンの製造> (製造例1)特開平10−306128号の製造方法に
よって得られた末端ビニリデン構造を80モル%含有す
る液状ポリブテン(Mn=250)を、特公昭51−8
966号の方法に準じて、冷却装置、加熱装置および還
流器つき反応容器中に、液状ポリブテンとn‐ヘキサン
を入れて攪拌しながら、過酢酸(40重量%酢酸溶液)
と酢酸ナトリウムの混合物を滴下する。滴下速度および
冷却の調節を行って20〜30℃で反応させ、滴下終了
後攪拌し、ついでn‐ヘキサンを減圧蒸留で除き、生成
物を水中に注ぎ、エーテル抽出、水および炭酸ソーダに
よる洗浄、乾燥を経て、エーテルを蒸発除去して、末端
にエポキシ基を有する液状ポリブテンを70重量%含有
する混合物を得た。以下、これを「エポキシ基含有液状
ポリブテンA」という。
【0027】(製造例2)特開平10−306128号
の製造方法によって得られた末端ビニリデン構造を80
モル含有する液状ポリブテン(Mn=800)を用い、
上記製造例1と同様にして末端にエポキシ基を有する液
状ポリブテンを70重量%含有する混合物を製造した。
以下、これを「エポキシ基含有液状ポリブテンB」とい
う。
【0028】<無機充填剤強化ポリエステル樹脂組成物
の製造> (実施例1)固有粘度0.9のポリエチレンテレフタレ
ートチップ100重量部を乾燥した後ドラムタンブラー
に入れ、エポキシ基含有液状ポリブテンAを5重量部添
加して混合した。つづいて、エポキシ基含有液状ポリブ
テンAで被覆されたポリエチレンテレフタレートチップ
をベルト式定量フィーダーでスクリュウ径46mmφ(L
/D=36)の2軸溶融混練機のホッパーに投入し、ポ
リエステルが溶融した下流側のベント口からベルト式定
量フィーダーでガラス繊維(6mmのチョップドストラ
ンド)を投入した。このときのポリエステルとガラス繊
維の比は70重量部:30重量部としたので、両者の和
100重量部に対するエポキシ基含有液状ポリブテンA
の添加量は3.5重量部となった。バレル最高温度28
0 ℃で溶融混練してダイスから押し出し、水冷し、カ
ットする工程でペレット化した。また、ダイス近傍に開
放ベント口を設け真空ポンプを運転して揮発分を除去し
た。また、投入ペレットがホッパー下からスクリュウに
搬送されダイスから押し出される時間をカラーペレット
で測定したところ40秒であった。
【0029】(実施例2)ポリブチレンテレフタレート
ペレット(ジュラネックス2000:ポリプラスチック
社製)100重量部を乾燥した後ドラムタンブラーに入
れ、エポキシ基含有液状ポリブテンBを5重量部添加し
て混合した。つづいて、エポキシ基含有液状ポリブテン
Bで被覆されたポリエチレンテレフタレートペレットを
ベルト式定量フィーダーでスクリュウ径46mmφ(L/
D=36)の2軸溶融混練機のホッパーに投入し、ポリ
エステルが溶融した下流側のベント口からベルト式定量
フィーダーでガラス繊維(平均長さ6mmのチョップド
ストランド)を投入した。このときのポリエステルとガ
ラス繊維の比を70重量部:30重量部としたので、両
者の和100重量部に対するエポキシ基含有液状ポリブ
テンBの添加量は3.5重量部となった。バレル最高温
度260 ℃で溶融混練してダイスから押し出し、水冷
し、カットする工程でペレット化した。また、ダイス近
傍に開放ベント口を設け真空ポンプを運転して揮発分を
除去した。また、投入ペレットがホッパー下からスクリ
ュウに搬送されダイスから押し出される時間をカラーペ
レットで測定したところ40秒であった。
【0030】(比較例1)実施例1において、エポキシ
基含有液状ポリブテンを添加しなかった以外は、実施例
1と同様にして、ペレットを得た。 (比較例2)実施例2において、エポキシ基含有液状ポ
リブテンを添加しなかった以外は、実施例2と同様にし
て、ペレットを得た。
【0031】<試験片の成形> (実施例1および比較例1)型締め圧60トンの射出成
形機のシリンダー温度を後部250℃、中部260℃、
前部260℃、ノズル260℃として、射出速度40mm
/秒、射出圧力700kgf/ cm2、射出時間10秒でAS
TM/D638に準拠した引張試験用試験片を成形し
た。金型温度は70℃、冷却時間15秒とした。 (実施例2および比較例2)型締め圧60トンの射出成
形機のシリンダー温度を後部210℃、中部220℃、
前部240℃、ノズル240℃として、射出速度40mm
/秒、射出圧力700kgf/cm2、射出時間10秒でAS
TM/D638に準拠した引張試験用試験片を成形し
た。金型温度は50℃、冷却時間15秒とした。
【0032】<引張強さおよび耐加水分解性評価>比較
例の初期引張強さ(ASTM/D638)を100とし
て、オートクレーブ中の100℃沸騰熱水に所定時間浸
漬した後における各試験片の引張強さを相対値で評価し
た。結果を表1および表2に示す。表1および表2に示
した結果から、本発明に係る無機充填剤強化ポリエステ
ル樹脂組成物の強度および耐加水分解性が改良されてい
ることが確認できた。
【0033】
【表1】
【0034】
【表2】
【0035】
【発明の効果】本発明によれば、強度かつ耐加水分解性
に優れた無機充填剤強化ポリエステル樹脂組成物を提供
することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4J002 BB202 CF051 CF061 CF071 CF081 CF091 CF161 DA017 DA037 DA077 DA097 DA117 DC007 DE047 DE117 DE137 DE147 DE187 DE237 DG047 DG057 DJ007 DJ017 DJ027 DJ037 DJ047 DK007 DL007 EL026 FA047 FA087 FD017 4J031 AA12 AA25 AA49 AB01 AC04 AD01 AE03

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性ポリエステル95〜55重量
    部、無機充填剤5〜45重量部(両者を合わせて100
    重量部する。)および末端にエポキシ基を有する液状ポ
    リブテン0.1〜5重量部を溶融混練して得られる無機
    充填剤強化ポリエステル樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 末端にエポキシ基を有する液状ポリブテ
    ンの80モル%以上が、式(1)の構造を有するもので
    あることを特徴とする請求項1記載の無機充填剤強化ポ
    リエステル樹脂組成物。 【化1】
  3. 【請求項3】 末端にエポキシ基を有する液状ポリブテ
    ンが数平均分子量100〜3,500の液状ポリブテン
    から得られたものであることを特徴とする請求項1ある
    いは請求項2のいずれかに記載の無機充填剤強化ポリエ
    ステル樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 末端にエポキシ基を有する液状ポリブテ
    ンが数平均分子量200〜1,400の液状ポリブテン
    から得られたものであることを特徴とする請求項1ある
    いは請求項2のいずれかに記載の無機充填剤強化ポリエ
    ステル樹脂組成物。
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