JP2003292600A - 軟質ポリエステルおよび軟質ポリエステルの製造方法 - Google Patents
軟質ポリエステルおよび軟質ポリエステルの製造方法Info
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 価格が比較的安価で柔軟性があり、かつ、耐
熱性や弾性回復性能にも優れた軟質ポリエステルおよび
これを容易に製造する方法を提供する。 【解決手段】 エステル交換触媒の存在下で、芳香族ポ
リエステル(A)とジカルボン酸単位の主成分として脂
肪族カルボン酸単位を含む脂肪族ポリエステル(B)と
を含有する組成物を溶融混合する。このような方法によ
れば、芳香族ポリエステル(A)および脂肪族ポリエス
テル(B)の特徴を併せ持ち、柔軟性、耐熱性、弾性回
復性能をともに備えた軟質ポリエステルを、低コスト、
かつ、容易に製造できる。
熱性や弾性回復性能にも優れた軟質ポリエステルおよび
これを容易に製造する方法を提供する。 【解決手段】 エステル交換触媒の存在下で、芳香族ポ
リエステル(A)とジカルボン酸単位の主成分として脂
肪族カルボン酸単位を含む脂肪族ポリエステル(B)と
を含有する組成物を溶融混合する。このような方法によ
れば、芳香族ポリエステル(A)および脂肪族ポリエス
テル(B)の特徴を併せ持ち、柔軟性、耐熱性、弾性回
復性能をともに備えた軟質ポリエステルを、低コスト、
かつ、容易に製造できる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はフィルム、シートな
どに好適な軟質ポリエステルに関する。
どに好適な軟質ポリエステルに関する。
【0002】
【従来の技術】制振材料、シーリング材、シートなどに
は、塩化ビニル樹脂に可塑剤が適当量混合され、適度な
柔軟性を有した軟質塩化ビニル材料が広く使用されてい
る。しかし、近年、環境に関する関心の高まりから、塩
化ビニル樹脂の使用が敬遠される傾向にあり、その代替
材料が強く望まれている。
は、塩化ビニル樹脂に可塑剤が適当量混合され、適度な
柔軟性を有した軟質塩化ビニル材料が広く使用されてい
る。しかし、近年、環境に関する関心の高まりから、塩
化ビニル樹脂の使用が敬遠される傾向にあり、その代替
材料が強く望まれている。
【0003】例えば、このような代替材料として、芳香
族ポリエステルをハードセグメントとし、ポリテトラメ
チレングリコールに代表される脂肪族ポリエーテルをソ
フトセグメントとするポリエステルは、耐寒性、耐屈曲
疲労性、弾性回復性能、機械強度が優れるとともに、熱
可塑性樹脂と同様の成形が可能であることなどから、エ
ンジニアリングプラスチックとして種々の用途に使用さ
れている。しかしながら、ソフトセグメントがポリエー
テルからなるポリエステルは、上記の様に優れた特性を
備えているものの、エーテル結合を有しているために耐
熱性が必ずしも十分ではない。さらには、ソフトセグメ
ントがポリエーテルからなる共重合ポリエステルは高価
であり、また、このようなポリエステルは柔軟性も十分
ではないなど、従来使用されている塩化ビニル樹脂と比
較すると、未だに種々の問題点も有している。
族ポリエステルをハードセグメントとし、ポリテトラメ
チレングリコールに代表される脂肪族ポリエーテルをソ
フトセグメントとするポリエステルは、耐寒性、耐屈曲
疲労性、弾性回復性能、機械強度が優れるとともに、熱
可塑性樹脂と同様の成形が可能であることなどから、エ
ンジニアリングプラスチックとして種々の用途に使用さ
れている。しかしながら、ソフトセグメントがポリエー
テルからなるポリエステルは、上記の様に優れた特性を
備えているものの、エーテル結合を有しているために耐
熱性が必ずしも十分ではない。さらには、ソフトセグメ
ントがポリエーテルからなる共重合ポリエステルは高価
であり、また、このようなポリエステルは柔軟性も十分
ではないなど、従来使用されている塩化ビニル樹脂と比
較すると、未だに種々の問題点も有している。
【0004】最近では塩化ビニル樹脂の代替材料とし
て、例えば、芳香族ジカルボン酸、脂肪族ジカルボン酸
を特定割合で共重合した柔軟性ポリエステルが提案され
ている(特許第3134296号公報、特許第3200
848号公報)。
て、例えば、芳香族ジカルボン酸、脂肪族ジカルボン酸
を特定割合で共重合した柔軟性ポリエステルが提案され
ている(特許第3134296号公報、特許第3200
848号公報)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
特許公報に開示されている技術においては、ポリテトラ
メチレングリコールなどのポリエーテルをソフトセグメ
ントとして用いないため、耐熱性に優れ、安価な原料だ
けで柔軟性に優れたポリエステルを得ることができるも
のの、全モノマーを一度に反応させるために、共重合成
分のランダム化が進行しすぎて、実用上十分な柔軟性と
弾性回復性能との両立を計ることが困難であった。
特許公報に開示されている技術においては、ポリテトラ
メチレングリコールなどのポリエーテルをソフトセグメ
ントとして用いないため、耐熱性に優れ、安価な原料だ
けで柔軟性に優れたポリエステルを得ることができるも
のの、全モノマーを一度に反応させるために、共重合成
分のランダム化が進行しすぎて、実用上十分な柔軟性と
弾性回復性能との両立を計ることが困難であった。
【0006】本発明の目的は、価格が比較的安価で柔軟
性があり、かつ、耐熱性および弾性回復性能にも優れた
軟質ポリエステルおよびこれを容易に製造する方法を提
供することにある。
性があり、かつ、耐熱性および弾性回復性能にも優れた
軟質ポリエステルおよびこれを容易に製造する方法を提
供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の軟質ポリエステ
ルは、エステル交換触媒の存在下で、芳香族ポリエステ
ル(A)とジカルボン酸単位の主成分として脂肪族カル
ボン酸単位を含む脂肪族ポリエステル(B)とを含有す
る組成物が、減圧条件下で溶融混合されたことを特徴と
する。前記軟質ポリエステルは、前記芳香族ポリエステ
ル(A)を20〜60質量%含有し、前記脂肪族ポリエ
ステル(B)を80〜40質量%含有することが好まし
い。前記芳香族ポリエステル(A)は、ジカルボン酸単
位の主成分としてテレフタル酸単位を含み、グリコール
単位の主成分として1,4−テトラメチレングリコール
単位を含むものが好ましい。前記脂肪族ポリエステル
(B)は、前記脂肪族ジカルボン酸単位の主成分として
エチレングリコール単位を含み、グリコール単位の主成
分としてエチレングリコール単位を含むものが好まし
い。本発明の軟質ポリエステルの製造方法は、エステル
交換触媒の存在下で、芳香族ポリエステル(A)とジカ
ルボン酸成分の主成分として脂肪族カルボン酸単位を含
む脂肪族ポリエステル(B)とを含有する組成物を、減
圧条件下で溶融混合することを特徴とする。前記製造方
法において、前記エステル交換触媒は1種以上の金属ま
たは金属化合物からなり、その金属の量が前記組成物の
100〜1000ppmとなるようにエステル交換触媒
量を制御して溶融混合することが好ましい。
ルは、エステル交換触媒の存在下で、芳香族ポリエステ
ル(A)とジカルボン酸単位の主成分として脂肪族カル
ボン酸単位を含む脂肪族ポリエステル(B)とを含有す
る組成物が、減圧条件下で溶融混合されたことを特徴と
する。前記軟質ポリエステルは、前記芳香族ポリエステ
ル(A)を20〜60質量%含有し、前記脂肪族ポリエ
ステル(B)を80〜40質量%含有することが好まし
い。前記芳香族ポリエステル(A)は、ジカルボン酸単
位の主成分としてテレフタル酸単位を含み、グリコール
単位の主成分として1,4−テトラメチレングリコール
単位を含むものが好ましい。前記脂肪族ポリエステル
(B)は、前記脂肪族ジカルボン酸単位の主成分として
エチレングリコール単位を含み、グリコール単位の主成
分としてエチレングリコール単位を含むものが好まし
い。本発明の軟質ポリエステルの製造方法は、エステル
交換触媒の存在下で、芳香族ポリエステル(A)とジカ
ルボン酸成分の主成分として脂肪族カルボン酸単位を含
む脂肪族ポリエステル(B)とを含有する組成物を、減
圧条件下で溶融混合することを特徴とする。前記製造方
法において、前記エステル交換触媒は1種以上の金属ま
たは金属化合物からなり、その金属の量が前記組成物の
100〜1000ppmとなるようにエステル交換触媒
量を制御して溶融混合することが好ましい。
【0008】
【発明の実施形態】以下本発明を詳細に説明する。本発
明の軟質ポリエステルは、芳香族ポリエステル(A)と
脂肪族ポリエステル(B)とを含有する組成物が、減圧
条件下で溶融混合されたものである。ここで芳香族ポリ
エステル(A)は結晶性を有するものであって、ジカル
ボン酸単位の主成分として芳香族カルボン酸単位を含有
する。ジカルボン酸単位には、必要に応じて脂肪族カル
ボン酸単位が含まれていてもよいが、得られる芳香族ポ
リエステル(A)の結晶性や耐熱性が低下することなど
から、通常、ジカルボン酸単位全体の30モル%以下の
範囲で使用する。芳香族カルボン酸単位としては、テレ
フタル酸単位、イソフタル酸単位、フタル酸単位、ナフ
タレンジカルボン酸単位などを例示でき、好ましくはテ
レフタル酸単位である。また、脂肪族カルボン酸単位と
しては、コハク酸単位、アジピン酸単位、セバシン酸単
位などを例示することができる。
明の軟質ポリエステルは、芳香族ポリエステル(A)と
脂肪族ポリエステル(B)とを含有する組成物が、減圧
条件下で溶融混合されたものである。ここで芳香族ポリ
エステル(A)は結晶性を有するものであって、ジカル
ボン酸単位の主成分として芳香族カルボン酸単位を含有
する。ジカルボン酸単位には、必要に応じて脂肪族カル
ボン酸単位が含まれていてもよいが、得られる芳香族ポ
リエステル(A)の結晶性や耐熱性が低下することなど
から、通常、ジカルボン酸単位全体の30モル%以下の
範囲で使用する。芳香族カルボン酸単位としては、テレ
フタル酸単位、イソフタル酸単位、フタル酸単位、ナフ
タレンジカルボン酸単位などを例示でき、好ましくはテ
レフタル酸単位である。また、脂肪族カルボン酸単位と
しては、コハク酸単位、アジピン酸単位、セバシン酸単
位などを例示することができる。
【0009】芳香族ポリエステル(A)に使用されるグ
リコール単位としては、エチレングリコール単位、1,
4−テトラメチレングリコール単位、1,6−ヘキサメ
チレングリコール単位、1,8−オクタメチレングリコ
ール単位、1,10−デカメチレングリコール単位、
1,4−シクロヘキサンジメタノール単位などを挙げる
ことができる。
リコール単位としては、エチレングリコール単位、1,
4−テトラメチレングリコール単位、1,6−ヘキサメ
チレングリコール単位、1,8−オクタメチレングリコ
ール単位、1,10−デカメチレングリコール単位、
1,4−シクロヘキサンジメタノール単位などを挙げる
ことができる。
【0010】芳香族ポリステル(A)は、ジカルボン酸
単位の主成分が芳香族カルボン酸単位であって、グリコ
ール単位として各種グリコール単位のうち1種以上が使
用されていれば特に制限はないが、好ましくは、ジカル
ボン酸単位の主成分がテレフタル酸単位であって、グリ
コール単位の主成分、すなわち60モル%以上が1,4
−テトラメチレングリコール単位であることが好まし
い。また、グリコール単位中の1,4−テトラメチレン
グリコール単位の割合が少ない場合には、芳香族ポリエ
ステル(A)が十分な結晶性を発現しにくい傾向があ
り、その場合には、最終的に得られる軟質ポリエステル
の成形性、機械物性などが不十分となる可能性がある。
単位の主成分が芳香族カルボン酸単位であって、グリコ
ール単位として各種グリコール単位のうち1種以上が使
用されていれば特に制限はないが、好ましくは、ジカル
ボン酸単位の主成分がテレフタル酸単位であって、グリ
コール単位の主成分、すなわち60モル%以上が1,4
−テトラメチレングリコール単位であることが好まし
い。また、グリコール単位中の1,4−テトラメチレン
グリコール単位の割合が少ない場合には、芳香族ポリエ
ステル(A)が十分な結晶性を発現しにくい傾向があ
り、その場合には、最終的に得られる軟質ポリエステル
の成形性、機械物性などが不十分となる可能性がある。
【0011】芳香族ポリエステル(A)を製造する方法
としては、例えば、1)ジカルボン酸とグリコールとの
エステル化によりオリゴマーを調製し、その後、重縮合
を行う方法、または、2)ジカルボン酸ジアルキルエス
テルとグリコールとのエステル交換反応によりオリゴマ
ーを調製し、その後、重縮合を行う方法などが挙げられ
るが、1)では、例えばグリコール単位である1,4−
テトラメチレングリコールが高温下でカルボン酸と長時
間接触した場合、1,4−テトラメチレングリコールが
テトラハイドロフランに誘導されるなどの好ましくない
副反応が進行するため、好ましくは、ジカルボン酸ジア
ルキルエステルとグリコールとのエステル交換によりオ
リゴマーを調製後、脱グリコール反応により重縮合させ
る方法で製造する。
としては、例えば、1)ジカルボン酸とグリコールとの
エステル化によりオリゴマーを調製し、その後、重縮合
を行う方法、または、2)ジカルボン酸ジアルキルエス
テルとグリコールとのエステル交換反応によりオリゴマ
ーを調製し、その後、重縮合を行う方法などが挙げられ
るが、1)では、例えばグリコール単位である1,4−
テトラメチレングリコールが高温下でカルボン酸と長時
間接触した場合、1,4−テトラメチレングリコールが
テトラハイドロフランに誘導されるなどの好ましくない
副反応が進行するため、好ましくは、ジカルボン酸ジア
ルキルエステルとグリコールとのエステル交換によりオ
リゴマーを調製後、脱グリコール反応により重縮合させ
る方法で製造する。
【0012】また、エステル化反応、エステル交換反応
および重縮合の際には、触媒を用いても良く、たとえ
ば、リチウム、ナトリウム、カリウム、セシウム、マグ
ネシウム、カルシウム、バリウム、ストロンチウム、亜
鉛、アルミニウム、チタン、コバルト、ゲルマニウム、
スズ、鉛、アンチモン、セリウム、マンガンなどの金
属、その有機金属化合物、金属アルコキシド、金属酸化
物、金属ハロゲン化物などを用いることができる。これ
らの触媒は1種単独で使用してもよいし、2種以上を併
用しても良い。触媒の使用量としては特に制限はない
が、通常、得られた芳香族ポリエステル(A)に対する
金属量として10〜150ppmの範囲となるように使
用する。また、重縮合時には、熱安定性向上のためにト
リメチルフォスフェート、などのリン化合物を添加して
使用しても良い。さらには、脂肪族ポリエステルとの溶
融混合に先立ち、トリイソデシルフォスファイトなどの
亜リン酸系化合物を芳香族ポリエステル(A)の重合直
後に添加して、触媒活性を失活させても良い。
および重縮合の際には、触媒を用いても良く、たとえ
ば、リチウム、ナトリウム、カリウム、セシウム、マグ
ネシウム、カルシウム、バリウム、ストロンチウム、亜
鉛、アルミニウム、チタン、コバルト、ゲルマニウム、
スズ、鉛、アンチモン、セリウム、マンガンなどの金
属、その有機金属化合物、金属アルコキシド、金属酸化
物、金属ハロゲン化物などを用いることができる。これ
らの触媒は1種単独で使用してもよいし、2種以上を併
用しても良い。触媒の使用量としては特に制限はない
が、通常、得られた芳香族ポリエステル(A)に対する
金属量として10〜150ppmの範囲となるように使
用する。また、重縮合時には、熱安定性向上のためにト
リメチルフォスフェート、などのリン化合物を添加して
使用しても良い。さらには、脂肪族ポリエステルとの溶
融混合に先立ち、トリイソデシルフォスファイトなどの
亜リン酸系化合物を芳香族ポリエステル(A)の重合直
後に添加して、触媒活性を失活させても良い。
【0013】このようにして製造された芳香族ポリエス
テル(A)は、テトラクロロエタンとフェノールの1:
1(質量比)混合溶剤を用いて測定された固有粘度
[η]が0.5〜2.0であることが好ましい。
テル(A)は、テトラクロロエタンとフェノールの1:
1(質量比)混合溶剤を用いて測定された固有粘度
[η]が0.5〜2.0であることが好ましい。
【0014】脂肪族ポリエステル(B)は、ジカルボン
酸単位の主成分として脂肪族カルボン酸単位を含むもの
であって、脂肪族ジカルボン酸単位としては、コハク酸
単位、アジピン酸単位、セバシン酸単位、シクロヘキサ
ンジカルボン酸単位などを挙げることができる。また、
脂肪族ポリエステル(B)のグリコール単位としては、
エチレングリコール単位、1,4−テトラメチレングリ
コール単位、1,2−プロピレングリコール単位、1,
3−プロピレングリコール単位、1,6−ヘキサメチレ
ングリコール単位、1,8−オクタメチレングリコール
単位、1,10−ドデカメチレングリコール単位、1,
4−シクロヘキサンジメタノール単位などを挙げること
ができる。
酸単位の主成分として脂肪族カルボン酸単位を含むもの
であって、脂肪族ジカルボン酸単位としては、コハク酸
単位、アジピン酸単位、セバシン酸単位、シクロヘキサ
ンジカルボン酸単位などを挙げることができる。また、
脂肪族ポリエステル(B)のグリコール単位としては、
エチレングリコール単位、1,4−テトラメチレングリ
コール単位、1,2−プロピレングリコール単位、1,
3−プロピレングリコール単位、1,6−ヘキサメチレ
ングリコール単位、1,8−オクタメチレングリコール
単位、1,10−ドデカメチレングリコール単位、1,
4−シクロヘキサンジメタノール単位などを挙げること
ができる。
【0015】脂肪族ポリステル(B)は、ジカルボン酸
単位の主成分が脂肪族カルボン酸単位であって、グリコ
ール単位として各種グリコールのうち1種以上が使用さ
れていれば特に制限はないが、好ましくは、ジカルボン
酸単位の主成分がアジピン酸であって、グリコール単位
の主成分、すなわち50モル%以上がエチレングリコー
ル単位であることが好ましい。ジカルボン酸単位中のア
ジピン酸単位の割合が少ない場合には、得られる軟質ポ
リエステルの融点が高くなりすぎ、その結果、軟質ポリ
ステルの柔軟性が不十分となる可能性がある。また、グ
リコール単位中のエチレングリコール単位の割合が少な
い場合には、得られる軟質ポリエステルの結晶性が高く
なりすぎ、その結果、得られる軟質ポリエステルが十分
な柔軟性を発現しなくなる可能性がある。
単位の主成分が脂肪族カルボン酸単位であって、グリコ
ール単位として各種グリコールのうち1種以上が使用さ
れていれば特に制限はないが、好ましくは、ジカルボン
酸単位の主成分がアジピン酸であって、グリコール単位
の主成分、すなわち50モル%以上がエチレングリコー
ル単位であることが好ましい。ジカルボン酸単位中のア
ジピン酸単位の割合が少ない場合には、得られる軟質ポ
リエステルの融点が高くなりすぎ、その結果、軟質ポリ
ステルの柔軟性が不十分となる可能性がある。また、グ
リコール単位中のエチレングリコール単位の割合が少な
い場合には、得られる軟質ポリエステルの結晶性が高く
なりすぎ、その結果、得られる軟質ポリエステルが十分
な柔軟性を発現しなくなる可能性がある。
【0016】脂肪族ポリエステル(B)を製造する方法
としては、例えば、1)ジカルボン酸とグリコールとの
エステル化によりオリゴマーを調製し、その後、重縮合
を行う方法、または、2)ジカルボン酸ジアルキルエス
テルとグリコールとのエステル交換反応によりオリゴマ
ーを調製し、その後、重縮合を行う方法のいずれでも良
い。しかしながら、例えばエステル交換活性が高いチタ
ン化合物を用いて2)のエステル交換反応による脂肪族
ポリエステル(B)の重縮合を行った場合、低分子量化
合物が発生しやすくなり分子量を高くすることが困難と
なるため、好ましくは、1)のジカルボン酸とグリコー
ルとのエステル化によりオリゴマーを調製後、脱グリコ
ール反応により重縮合させる方法で製造する。また、エ
ステル化反応、エステル交換反応および重縮合の際に
は、触媒を用いても良く、たとえば、リチウム、ナトリ
ウム、カリウム、セシウム、マグネシウム、カルシウ
ム、バリウム、ストロンチウム、亜鉛、アルミニウム、
チタン、コバルト、ゲルマニウム、スズ、鉛、アンチモ
ン、セリウム、マンガンなどの金属、その有機金属化合
物、金属アルコキシド、金属酸化物、金属ハロゲン化物
などを用いることができる。これらの触媒は1種単独で
使用してもよいし、2種以上を併用しても良い。触媒の
使用量としては特に制限はないが、通常、触媒中の金属
量として、得られた脂肪族ポリエステル(B)中、10
0〜1000ppmの範囲となるように使用する。ま
た、重縮合時には、熱安定性向上のためにトリメチルフ
ォスフェートなどのリン化合物を添加して使用するのが
好ましい。
としては、例えば、1)ジカルボン酸とグリコールとの
エステル化によりオリゴマーを調製し、その後、重縮合
を行う方法、または、2)ジカルボン酸ジアルキルエス
テルとグリコールとのエステル交換反応によりオリゴマ
ーを調製し、その後、重縮合を行う方法のいずれでも良
い。しかしながら、例えばエステル交換活性が高いチタ
ン化合物を用いて2)のエステル交換反応による脂肪族
ポリエステル(B)の重縮合を行った場合、低分子量化
合物が発生しやすくなり分子量を高くすることが困難と
なるため、好ましくは、1)のジカルボン酸とグリコー
ルとのエステル化によりオリゴマーを調製後、脱グリコ
ール反応により重縮合させる方法で製造する。また、エ
ステル化反応、エステル交換反応および重縮合の際に
は、触媒を用いても良く、たとえば、リチウム、ナトリ
ウム、カリウム、セシウム、マグネシウム、カルシウ
ム、バリウム、ストロンチウム、亜鉛、アルミニウム、
チタン、コバルト、ゲルマニウム、スズ、鉛、アンチモ
ン、セリウム、マンガンなどの金属、その有機金属化合
物、金属アルコキシド、金属酸化物、金属ハロゲン化物
などを用いることができる。これらの触媒は1種単独で
使用してもよいし、2種以上を併用しても良い。触媒の
使用量としては特に制限はないが、通常、触媒中の金属
量として、得られた脂肪族ポリエステル(B)中、10
0〜1000ppmの範囲となるように使用する。ま
た、重縮合時には、熱安定性向上のためにトリメチルフ
ォスフェートなどのリン化合物を添加して使用するのが
好ましい。
【0017】このようにして製造された脂肪族ポリエス
テル(B)は、テトラクロロエタンとフェノールの1:
1(質量比)混合溶剤を用いて測定された固有粘度
[η]が0.5〜3.0であることが好ましい。
テル(B)は、テトラクロロエタンとフェノールの1:
1(質量比)混合溶剤を用いて測定された固有粘度
[η]が0.5〜3.0であることが好ましい。
【0018】本発明の軟質ポリエステルは、上述のよう
にして得られた芳香族ポリエステル(A)と脂肪族ポリ
エステル(B)とを含有する組成物を、エステル交換触
媒の存在下、減圧条件下で溶融混合することによって製
造できる。この組成物中における芳香族ポリエステル
(A)および脂肪族ポリエステル(B)の質量割合には
制限はないが、芳香族ポリエステル(A)が20〜60
質量%で、脂肪族ポリエステル(B)が80〜40質量
%含有であることが好ましい。芳香族ポリエステル
(A)の質量割合が60質量%を超えると、得られる軟
質ポリエステルの柔軟性が不十分となる場合があり、一
方、20質量%未満では、得られる軟質ポリエステルが
過度に柔軟となり、取扱性が低下する傾向がある。芳香
族ポリエステル(A)および脂肪族ポリエステル(B)
の質量割合を特にこのような質量割合とすると、得られ
る軟質ポリエステルは柔軟性と弾性回復性能とのバラン
スが非常に優れたものとなる。
にして得られた芳香族ポリエステル(A)と脂肪族ポリ
エステル(B)とを含有する組成物を、エステル交換触
媒の存在下、減圧条件下で溶融混合することによって製
造できる。この組成物中における芳香族ポリエステル
(A)および脂肪族ポリエステル(B)の質量割合には
制限はないが、芳香族ポリエステル(A)が20〜60
質量%で、脂肪族ポリエステル(B)が80〜40質量
%含有であることが好ましい。芳香族ポリエステル
(A)の質量割合が60質量%を超えると、得られる軟
質ポリエステルの柔軟性が不十分となる場合があり、一
方、20質量%未満では、得られる軟質ポリエステルが
過度に柔軟となり、取扱性が低下する傾向がある。芳香
族ポリエステル(A)および脂肪族ポリエステル(B)
の質量割合を特にこのような質量割合とすると、得られ
る軟質ポリエステルは柔軟性と弾性回復性能とのバラン
スが非常に優れたものとなる。
【0019】溶融混合に使用されるエステル交換触媒と
しては、リチウム、ナトリウム、カリウム、セシウム、
マグネシウム、カルシウム、バリウム、ストロンチウ
ム、亜鉛、アルミニウム、チタン、コバルト、ゲルマニ
ウム、スズ、鉛、アンチモン、セリウム、マンガンなど
の金属、その有機金属化合物、金属アルコキシド、金属
酸化物、金属ハロゲン化物などの金属化合物が挙げら
れ、通常エステル交換に際して触媒として使用されるも
のであれば制限はない。例えば酸化ゲルマニウムはエス
テル交換活性が比較的低く、芳香族ポリエステル(A)
と脂肪族ポリエステル(B)との溶融混合の際に必要以
上にランダム化が進行しない、脂肪族ポリエステル
(B)の分解を起こし難いなどの特性を有していること
から好ましく使用される。また、これらのエステル交換
触媒は1種単独で使用しても、二種以上を併用しても良
い。
しては、リチウム、ナトリウム、カリウム、セシウム、
マグネシウム、カルシウム、バリウム、ストロンチウ
ム、亜鉛、アルミニウム、チタン、コバルト、ゲルマニ
ウム、スズ、鉛、アンチモン、セリウム、マンガンなど
の金属、その有機金属化合物、金属アルコキシド、金属
酸化物、金属ハロゲン化物などの金属化合物が挙げら
れ、通常エステル交換に際して触媒として使用されるも
のであれば制限はない。例えば酸化ゲルマニウムはエス
テル交換活性が比較的低く、芳香族ポリエステル(A)
と脂肪族ポリエステル(B)との溶融混合の際に必要以
上にランダム化が進行しない、脂肪族ポリエステル
(B)の分解を起こし難いなどの特性を有していること
から好ましく使用される。また、これらのエステル交換
触媒は1種単独で使用しても、二種以上を併用しても良
い。
【0020】溶融混合の際のエステル交換触媒の量は特
に制限はない。よって、例えば、芳香族ポリエステル
(A)および/または脂肪族ポリエステル(B)が、そ
れぞれの製造過程に由来してエステル交換能を有する触
媒を含有している場合には、必ずしも溶融混合に際し
て、新たにエステル交換触媒を添加しなくてもよい。し
かしながら、好ましくは、エステル交換触媒を溶融混合
に際して新たに添加し、その金属の量が芳香族ポリエス
テル(A)および脂肪族ポリエステル(B)を含む組成
物の100〜1000ppmとなるようにエステル交換
触媒量を制御して溶融混合することが好ましい。
に制限はない。よって、例えば、芳香族ポリエステル
(A)および/または脂肪族ポリエステル(B)が、そ
れぞれの製造過程に由来してエステル交換能を有する触
媒を含有している場合には、必ずしも溶融混合に際し
て、新たにエステル交換触媒を添加しなくてもよい。し
かしながら、好ましくは、エステル交換触媒を溶融混合
に際して新たに添加し、その金属の量が芳香族ポリエス
テル(A)および脂肪族ポリエステル(B)を含む組成
物の100〜1000ppmとなるようにエステル交換
触媒量を制御して溶融混合することが好ましい。
【0021】溶融混合の具体的な方法としては特に制限
はなく、例えば、芳香族ポリエステル(A)と脂肪族ポ
リエステル(B)とを含有する組成物を、縮合用反応器
などに投入し、さらに好ましくは上記範囲となるように
エステル交換触媒を添加する。ついで、この縮合用反応
器内に窒素などを流通させ不活性ガス雰囲気とした後に
この反応器内の温度を芳香族ポリエステル(A)が溶融
する温度以上、例えば230〜250℃程度に加熱し、
内容物を加熱溶融する。そして、反応器の内圧を0.5
kPa程度まで減圧し、例えば1〜3時間程度撹拌、混
合する。
はなく、例えば、芳香族ポリエステル(A)と脂肪族ポ
リエステル(B)とを含有する組成物を、縮合用反応器
などに投入し、さらに好ましくは上記範囲となるように
エステル交換触媒を添加する。ついで、この縮合用反応
器内に窒素などを流通させ不活性ガス雰囲気とした後に
この反応器内の温度を芳香族ポリエステル(A)が溶融
する温度以上、例えば230〜250℃程度に加熱し、
内容物を加熱溶融する。そして、反応器の内圧を0.5
kPa程度まで減圧し、例えば1〜3時間程度撹拌、混
合する。
【0022】また、芳香族ポリエステル(A)と脂肪族
ポリエステル(B)とを含有する組成物には、必要に応
じて、エステル交換能を有する官能基を同一分子内に3
個以上有する化合物が架橋剤として含まれていても良
い。このような化合物としては、たとえばトリメチロー
ルプロパン、ペンタエリスリトール、トリメリット酸、
トリメリット酸無水物などが挙げられる。これらは1種
単独で使用しても、2種以上を併用しても良い。これら
を組成物に添加することによって、得られる軟質ポリエ
ステルは短時間で取り扱いが容易な溶融粘度となるた
め、長時間溶融混合した場合に比べて、ランダム化が進
行しすぎず、柔軟性とゴム弾性のバランスが良好とな
る。
ポリエステル(B)とを含有する組成物には、必要に応
じて、エステル交換能を有する官能基を同一分子内に3
個以上有する化合物が架橋剤として含まれていても良
い。このような化合物としては、たとえばトリメチロー
ルプロパン、ペンタエリスリトール、トリメリット酸、
トリメリット酸無水物などが挙げられる。これらは1種
単独で使用しても、2種以上を併用しても良い。これら
を組成物に添加することによって、得られる軟質ポリエ
ステルは短時間で取り扱いが容易な溶融粘度となるた
め、長時間溶融混合した場合に比べて、ランダム化が進
行しすぎず、柔軟性とゴム弾性のバランスが良好とな
る。
【0023】また組成物には、さらに必要に応じて、各
種添加剤が含まれていてもよい。添加剤としては、たと
えば、炭酸カルシウム、酸化チタン、マイカ、タルクな
どの無機充填剤、トリフェニルフォスファイト、トリラ
ウリルホスファイト、トリスノニルフェニルフォスファ
イト、2−tert−ブチル−α−(3−tert−ブ
チル−4−ヒドロキシフェニル)−p−クメニルビス
(p−ノニルフェニル)ホスファイトなどの熱安定剤、
ヘキサブロモシクロドデカン、トリス−(2,3−ジク
ロロプロピル)フォスフェート、ペンタブロモフェニル
アリルエーテルなどの難燃剤、p−tert−ブチルフ
ェニルサリシレート、2−ヒドロキシ−4−メトキシベ
ンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−2’−
カルボキシベンゾフェノン、2,4,5−トリヒドロキ
シブチロフェノンなどの紫外線吸収剤、ブチルヒドロキ
シアニソール、ブチルヒドロキシトルエン、ジステアリ
ルチオジプロピオネート、ジラウリルチオジプロピオネ
ート、ヒンダードフェノール系酸化防止剤などの酸化防
止剤、N,N−ビス(ヒドロキシエチル)アルキルアミ
ン、アルキルアリルスルホネート、アルキルスルフォネ
ートなどの帯電防止剤、硫酸バリウム、アルミナ、酸化
ケイ素などの無機物、ステアリン酸ナトリウム、ステア
リン酸バリウム、ステアリン酸カルシウム、バルミチン
酸ナトリウムなどの高級脂肪酸塩、ベンジルアルコー
ル、ベンゾフェノンなどの有機化合物などを挙げること
ができる。
種添加剤が含まれていてもよい。添加剤としては、たと
えば、炭酸カルシウム、酸化チタン、マイカ、タルクな
どの無機充填剤、トリフェニルフォスファイト、トリラ
ウリルホスファイト、トリスノニルフェニルフォスファ
イト、2−tert−ブチル−α−(3−tert−ブ
チル−4−ヒドロキシフェニル)−p−クメニルビス
(p−ノニルフェニル)ホスファイトなどの熱安定剤、
ヘキサブロモシクロドデカン、トリス−(2,3−ジク
ロロプロピル)フォスフェート、ペンタブロモフェニル
アリルエーテルなどの難燃剤、p−tert−ブチルフ
ェニルサリシレート、2−ヒドロキシ−4−メトキシベ
ンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−2’−
カルボキシベンゾフェノン、2,4,5−トリヒドロキ
シブチロフェノンなどの紫外線吸収剤、ブチルヒドロキ
シアニソール、ブチルヒドロキシトルエン、ジステアリ
ルチオジプロピオネート、ジラウリルチオジプロピオネ
ート、ヒンダードフェノール系酸化防止剤などの酸化防
止剤、N,N−ビス(ヒドロキシエチル)アルキルアミ
ン、アルキルアリルスルホネート、アルキルスルフォネ
ートなどの帯電防止剤、硫酸バリウム、アルミナ、酸化
ケイ素などの無機物、ステアリン酸ナトリウム、ステア
リン酸バリウム、ステアリン酸カルシウム、バルミチン
酸ナトリウムなどの高級脂肪酸塩、ベンジルアルコー
ル、ベンゾフェノンなどの有機化合物などを挙げること
ができる。
【0024】このようにして得られた軟質ポリエステル
は、芳香族ポリエステル(A)と脂肪族ポリエステル
(B)とを個別に製造した後、これらをエステル交換触
媒の存在下で溶融混合して得られるものであるので、芳
香族ポリエステル(A)および脂肪族ポリエステル
(B)の特徴を併せ持つものとなる。例えば、芳香族カ
ルボン酸および脂肪族カルボン酸をカルボン酸単位とし
て単に併用して得られたポリエステルでは、ポリエステ
ル中において芳香族カルボン酸単位と脂肪族カルボン酸
単位とがランダムに配列するため、芳香族ポリエステル
と脂肪族ポリエステルとがそれぞれ有する特性を併せ持
つようなものは得られない。しかしながら、芳香族ポリ
エステル(A)と脂肪族ポリエステル(B)とを個別に
製造した後、これらをエステル交換触媒の存在下で溶融
混合することにより、特に柔軟性とゴム弾性のバランス
の取れた軟質ポリエステルとなり、従来、同時に発現さ
せることが困難であった耐熱性、柔軟性、弾性回復性能
をともに備えた軟質ポリエステルを低コスト、かつ、容
易に製造することができる。
は、芳香族ポリエステル(A)と脂肪族ポリエステル
(B)とを個別に製造した後、これらをエステル交換触
媒の存在下で溶融混合して得られるものであるので、芳
香族ポリエステル(A)および脂肪族ポリエステル
(B)の特徴を併せ持つものとなる。例えば、芳香族カ
ルボン酸および脂肪族カルボン酸をカルボン酸単位とし
て単に併用して得られたポリエステルでは、ポリエステ
ル中において芳香族カルボン酸単位と脂肪族カルボン酸
単位とがランダムに配列するため、芳香族ポリエステル
と脂肪族ポリエステルとがそれぞれ有する特性を併せ持
つようなものは得られない。しかしながら、芳香族ポリ
エステル(A)と脂肪族ポリエステル(B)とを個別に
製造した後、これらをエステル交換触媒の存在下で溶融
混合することにより、特に柔軟性とゴム弾性のバランス
の取れた軟質ポリエステルとなり、従来、同時に発現さ
せることが困難であった耐熱性、柔軟性、弾性回復性能
をともに備えた軟質ポリエステルを低コスト、かつ、容
易に製造することができる。
【0025】このような軟質ポリエステルの用途には特
に制限はなく、従来塩化ビニル樹脂が使用されてた各種
用途などに使用できるが、特に耐熱性、柔軟性、弾性回
復性能に優れ安価であることから、制振材料、シーリン
グ材、シートなどに好ましく使用できる。また、このよ
うな軟質ポリエステルは、例えば、ポリオレフィン、変
性ポリオレフィン、ポリスチレン、ポリアミド、ポリカ
ーボネート、ポリスルフォンなどの他の熱可塑性樹脂
や、ゴム成分などと適宜混合して使用することもでき
る。
に制限はなく、従来塩化ビニル樹脂が使用されてた各種
用途などに使用できるが、特に耐熱性、柔軟性、弾性回
復性能に優れ安価であることから、制振材料、シーリン
グ材、シートなどに好ましく使用できる。また、このよ
うな軟質ポリエステルは、例えば、ポリオレフィン、変
性ポリオレフィン、ポリスチレン、ポリアミド、ポリカ
ーボネート、ポリスルフォンなどの他の熱可塑性樹脂
や、ゴム成分などと適宜混合して使用することもでき
る。
【0026】
【実施例】以下に本発明を実施例により具体的に説明す
るが、本発明はそれらにより何ら制限されない。なお、
以下の実施例および比較例おける各種測定および評価は
次のようにして行った。 1)ポリエステルの固有粘度[η] テトラクロロエタンとフェノールの1:1(質量比)混
合溶剤を用い、濃度0.2、0.3、0.4g/dLで
調製したポリマー溶液の粘度を、自動粘度計(SAN
DENSHI製、AVL−2C、ウベローデ型粘度計)
を用いて温度25℃で測定して得られた値を、Hugg
insプロットにて濃度0g/dLに外挿した値であ
る。 2)引張弾性率 SHIMADZU AG−100D(LOAD CEL
L:100kgf)を用いて、150mm×15mm×
2mmの短冊形試験片を、チャック間50mm、引張速
度50mm/minで引張試験を行ったときの初期弾性
率である。
るが、本発明はそれらにより何ら制限されない。なお、
以下の実施例および比較例おける各種測定および評価は
次のようにして行った。 1)ポリエステルの固有粘度[η] テトラクロロエタンとフェノールの1:1(質量比)混
合溶剤を用い、濃度0.2、0.3、0.4g/dLで
調製したポリマー溶液の粘度を、自動粘度計(SAN
DENSHI製、AVL−2C、ウベローデ型粘度計)
を用いて温度25℃で測定して得られた値を、Hugg
insプロットにて濃度0g/dLに外挿した値であ
る。 2)引張弾性率 SHIMADZU AG−100D(LOAD CEL
L:100kgf)を用いて、150mm×15mm×
2mmの短冊形試験片を、チャック間50mm、引張速
度50mm/minで引張試験を行ったときの初期弾性
率である。
【0027】3)ヒステリシス損失
SHIMADZU AG−100D(LOAD CEL
L:100kgf)を用いて、150mm×15mm×
2mmの短冊形試験片を、チャック間50mm、50m
m/minの速度で3回サイクル試験を行ったときの2
回目の(「伸長時エネルギー」−「回復時エネルギ
ー」)/「伸長時エネルギー」×100[%]の値であ
る。ここで伸長時エネルギーとは、引張ひずみ1.6%
から25%引っ張った時に得られる応力−ひずみ曲線よ
り求めた値であり、回復時エネルギーとは25%に引っ
張った後、直ちに引張ひずみ25%から1.6%に戻し
た時に得られる応力−ひずみ曲線より求めた値である。 4)ショア硬度 40mm×40mm×5mmの平板型試験片を、25℃
の条件でショア硬度計(ASKERCL−150)を用
いて測定した値である。
L:100kgf)を用いて、150mm×15mm×
2mmの短冊形試験片を、チャック間50mm、50m
m/minの速度で3回サイクル試験を行ったときの2
回目の(「伸長時エネルギー」−「回復時エネルギ
ー」)/「伸長時エネルギー」×100[%]の値であ
る。ここで伸長時エネルギーとは、引張ひずみ1.6%
から25%引っ張った時に得られる応力−ひずみ曲線よ
り求めた値であり、回復時エネルギーとは25%に引っ
張った後、直ちに引張ひずみ25%から1.6%に戻し
た時に得られる応力−ひずみ曲線より求めた値である。 4)ショア硬度 40mm×40mm×5mmの平板型試験片を、25℃
の条件でショア硬度計(ASKERCL−150)を用
いて測定した値である。
【0028】[芳香族ポリエステル(A)の調製]攪拌
機、温度計、ガス吹き込み口および蒸留口を設けた内容
積10Lの金属製反応容器に、テレフタル酸ジメチル
(3527g、18.16mol)、1,4−テトラメ
チレングリコール(2292g、25.43mol)を
仕込んだ。容器内を窒素で置換した後、4時間かけて2
20℃まで昇温し、反応により生成したメタノールを留
去して、エステル交換反応を行った。ここで触媒として
チタンテトラブトキサイド(1.2363g、3.63
3mmol)の1,4−テトラメチレングリコール溶液
(1.5質量%)を系内に添加した。
機、温度計、ガス吹き込み口および蒸留口を設けた内容
積10Lの金属製反応容器に、テレフタル酸ジメチル
(3527g、18.16mol)、1,4−テトラメ
チレングリコール(2292g、25.43mol)を
仕込んだ。容器内を窒素で置換した後、4時間かけて2
20℃まで昇温し、反応により生成したメタノールを留
去して、エステル交換反応を行った。ここで触媒として
チタンテトラブトキサイド(1.2363g、3.63
3mmol)の1,4−テトラメチレングリコール溶液
(1.5質量%)を系内に添加した。
【0029】次に230℃まで昇温後、トリエチルフォ
スフェート(0.165g、0.908mmol)およ
びチタンテトラブトキサイド(1.2363g、3.6
33mmol)の1,4−テトラメチレングリコール溶
液(1.5質量%)を添加し、15分間230℃で攪拌
した。次に1時間かけて250℃まで昇温しながら、3
0分間かけて0.2kPaになるように徐々に減圧し
た。減圧開始から2時間30分後に重合が終了した。次
に、窒素気流で常圧まで容器内圧力を戻した後、トリイ
ソデシルフォスファイト(5.48g、10.9mmo
l)を添加し、常圧で15分間攪拌後、0.2kPaに
なるように10分間で減圧し、さらに10分間そのまま
の減圧下で攪拌した。得られた芳香族ポリエステル
(A)の固有粘度[η]は0.95dL/gであった。
脂肪族ポリエステル(B)との溶融混合には、さらに1
20℃、0.2kPa以下の減圧下で8時間乾燥させた
ものを使用した。また、得られた芳香族ポリエステル
(A)中のチタン量は85ppmであるが、チタン化合
物は重合終了時に添加したトリイソデシルフォスファイ
トとの錯体形成により、以後の溶融混合時には触媒活性
を示さない。
スフェート(0.165g、0.908mmol)およ
びチタンテトラブトキサイド(1.2363g、3.6
33mmol)の1,4−テトラメチレングリコール溶
液(1.5質量%)を添加し、15分間230℃で攪拌
した。次に1時間かけて250℃まで昇温しながら、3
0分間かけて0.2kPaになるように徐々に減圧し
た。減圧開始から2時間30分後に重合が終了した。次
に、窒素気流で常圧まで容器内圧力を戻した後、トリイ
ソデシルフォスファイト(5.48g、10.9mmo
l)を添加し、常圧で15分間攪拌後、0.2kPaに
なるように10分間で減圧し、さらに10分間そのまま
の減圧下で攪拌した。得られた芳香族ポリエステル
(A)の固有粘度[η]は0.95dL/gであった。
脂肪族ポリエステル(B)との溶融混合には、さらに1
20℃、0.2kPa以下の減圧下で8時間乾燥させた
ものを使用した。また、得られた芳香族ポリエステル
(A)中のチタン量は85ppmであるが、チタン化合
物は重合終了時に添加したトリイソデシルフォスファイ
トとの錯体形成により、以後の溶融混合時には触媒活性
を示さない。
【0030】[脂肪族ポリエステル(B)の調製]攪拌
機、温度計、ガス吹き込み口および蒸留口を設けた内容
積10Lの金属製反応容器に、アジピン酸(4244
g、29.04mol)、エチレングリコール(360
5g、58.08mol)、トリエチルフォスフェート
/EG溶液(濃度13質量%、8.14g,5.81m
mol)、酸化ゲルマニウム(3.038g、29mm
ol)を仕込んだ。容器内を窒素で置換した後、6時間
かけて210℃まで昇温し、反応により生成した水を留
去して、エステル化反応を行った。次に、トリエチルフ
ォスフェート/EG溶液(濃度13質量%、8.14
g、5.81mmol)を添加し、10分間攪拌後、
1.5時間かけて280℃まで昇温しながら、50分間
かけて0.2kPaになるように徐々に減圧した。減圧
開始から4時間30分後に重合が終了した。得られた脂
肪族ポリエステルの固有粘度[η]は1.25dL/g
であった。また、得られた脂肪族ポリエステル(B)中
のゲルマニウム量は420ppmであった。
機、温度計、ガス吹き込み口および蒸留口を設けた内容
積10Lの金属製反応容器に、アジピン酸(4244
g、29.04mol)、エチレングリコール(360
5g、58.08mol)、トリエチルフォスフェート
/EG溶液(濃度13質量%、8.14g,5.81m
mol)、酸化ゲルマニウム(3.038g、29mm
ol)を仕込んだ。容器内を窒素で置換した後、6時間
かけて210℃まで昇温し、反応により生成した水を留
去して、エステル化反応を行った。次に、トリエチルフ
ォスフェート/EG溶液(濃度13質量%、8.14
g、5.81mmol)を添加し、10分間攪拌後、
1.5時間かけて280℃まで昇温しながら、50分間
かけて0.2kPaになるように徐々に減圧した。減圧
開始から4時間30分後に重合が終了した。得られた脂
肪族ポリエステルの固有粘度[η]は1.25dL/g
であった。また、得られた脂肪族ポリエステル(B)中
のゲルマニウム量は420ppmであった。
【0031】[実施例1]2Lの縮合用反応器に乾燥さ
せた芳香族ポリエステル(A)(250g)、脂肪族ポ
リエステル(B)(250g)、トリメチロールプロパ
ン(1g)、酸化ゲルマニウム(0.25g)を入れ、
窒素気流下、240℃で加熱溶融させた後、0.5kP
aに減圧後、1.5時間撹拌(溶融混合)することで、
固有粘度[η]=1.17dL/gの軟質ポリエステル
が得られた。なお、ここで、芳香族ポリエステル(A)
には製造過程の触媒に由来してチタンが上述のように8
5ppmあらかじめ含まれるが、トリイソデシルフォス
ファイトとの錯体形成により触媒活性を示さない。脂肪
族ポリエステル(B)には製造過程の触媒に由来してゲ
ルマニウムが上述のように420ppmあらかじめ含ま
れる。そしてゲルマニウム化合物は溶融混合時におい
て、エステル交換触媒として作用する。したがって、溶
融混合時におけるエステル交換触媒中の金属量は、ここ
で新たに添加された酸化ゲルマニウムの量も合わせる
と、組成物に対して合計560ppmとなる。得られた
軟質ポリエステルの評価結果などについて以下の表1に
示す。
せた芳香族ポリエステル(A)(250g)、脂肪族ポ
リエステル(B)(250g)、トリメチロールプロパ
ン(1g)、酸化ゲルマニウム(0.25g)を入れ、
窒素気流下、240℃で加熱溶融させた後、0.5kP
aに減圧後、1.5時間撹拌(溶融混合)することで、
固有粘度[η]=1.17dL/gの軟質ポリエステル
が得られた。なお、ここで、芳香族ポリエステル(A)
には製造過程の触媒に由来してチタンが上述のように8
5ppmあらかじめ含まれるが、トリイソデシルフォス
ファイトとの錯体形成により触媒活性を示さない。脂肪
族ポリエステル(B)には製造過程の触媒に由来してゲ
ルマニウムが上述のように420ppmあらかじめ含ま
れる。そしてゲルマニウム化合物は溶融混合時におい
て、エステル交換触媒として作用する。したがって、溶
融混合時におけるエステル交換触媒中の金属量は、ここ
で新たに添加された酸化ゲルマニウムの量も合わせる
と、組成物に対して合計560ppmとなる。得られた
軟質ポリエステルの評価結果などについて以下の表1に
示す。
【0032】[実施例2]2Lの縮合用反応器に乾燥さ
せた芳香族ポリエステル(A)(200g)、脂肪族ポ
リエステル(B)(300g)、トリメチロールプロパ
ン(1g)、酸化ゲルマニウム(0.25g)を入れ、
窒素気流下、240℃で加熱溶融させた後、0.5kP
aに減圧後、1.5時間撹拌(溶融混合)することで、
固有粘度[η]=1.22dL/gの軟質ポリエステル
が得られた。なお、実施例1の場合と同様に、芳香族ポ
リエステル(A)には製造過程の触媒に由来してチタン
が上述のように85ppmあらかじめ含まれるが、トリ
イソデシルフォスファイトとの錯体形成により触媒活性
を示さない。脂肪族ポリエステル(B)には製造過程の
触媒に由来してゲルマニウムが上述のように420pp
mあらかじめ含まれ、ゲルマニウム化合物は溶融混合時
において、エステル交換触媒として作用する。したがっ
て、溶融混合時におけるエステル交換触媒中の金属量
は、ここで新たに添加された酸化ゲルマニウムの量も合
わせると、組成物に対して合計600ppmとなる。得
られた軟質ポリエステルの評価結果などについて以下の
表1に示す。
せた芳香族ポリエステル(A)(200g)、脂肪族ポ
リエステル(B)(300g)、トリメチロールプロパ
ン(1g)、酸化ゲルマニウム(0.25g)を入れ、
窒素気流下、240℃で加熱溶融させた後、0.5kP
aに減圧後、1.5時間撹拌(溶融混合)することで、
固有粘度[η]=1.22dL/gの軟質ポリエステル
が得られた。なお、実施例1の場合と同様に、芳香族ポ
リエステル(A)には製造過程の触媒に由来してチタン
が上述のように85ppmあらかじめ含まれるが、トリ
イソデシルフォスファイトとの錯体形成により触媒活性
を示さない。脂肪族ポリエステル(B)には製造過程の
触媒に由来してゲルマニウムが上述のように420pp
mあらかじめ含まれ、ゲルマニウム化合物は溶融混合時
において、エステル交換触媒として作用する。したがっ
て、溶融混合時におけるエステル交換触媒中の金属量
は、ここで新たに添加された酸化ゲルマニウムの量も合
わせると、組成物に対して合計600ppmとなる。得
られた軟質ポリエステルの評価結果などについて以下の
表1に示す。
【0033】[実施例3]2Lの縮合用反応器に乾燥さ
せた芳香族ポリエステル(A)(150g)、脂肪族ポ
リエステル(B)(350g)、トリメチロールプロパ
ン(1g)、酸化ゲルマニウム(0.25g)を入れ、
窒素気流下、240℃で加熱溶融させた後、0.5kP
aに減圧後、1.5時間撹拌することで、固有粘度
[η]=1.28dL/gの軟質ポリエステルが得られ
た。なお、実施例1の場合と同様に、芳香族ポリエステ
ル(A)には製造過程の触媒に由来してチタンが上述の
ように85ppmあらかじめ含まれるが、トリイソデシ
ルフォスファイトとの錯体形成により触媒活性を示さな
い。脂肪族ポリエステル(B)には製造過程の触媒に由
来してゲルマニウムが上述のように420ppmあらか
じめ含まれ、ゲルマニウム化合物は溶融混合時におい
て、エステル交換触媒として作用する。したがって、溶
融混合時におけるエステル交換触媒中の金属量は、ここ
で新たに添加された酸化ゲルマニウムの量も合わせる
と、組成物に対して合計640ppmとなる。得られた
軟質ポリエステルの評価結果などについて以下の表1に
示す。
せた芳香族ポリエステル(A)(150g)、脂肪族ポ
リエステル(B)(350g)、トリメチロールプロパ
ン(1g)、酸化ゲルマニウム(0.25g)を入れ、
窒素気流下、240℃で加熱溶融させた後、0.5kP
aに減圧後、1.5時間撹拌することで、固有粘度
[η]=1.28dL/gの軟質ポリエステルが得られ
た。なお、実施例1の場合と同様に、芳香族ポリエステ
ル(A)には製造過程の触媒に由来してチタンが上述の
ように85ppmあらかじめ含まれるが、トリイソデシ
ルフォスファイトとの錯体形成により触媒活性を示さな
い。脂肪族ポリエステル(B)には製造過程の触媒に由
来してゲルマニウムが上述のように420ppmあらか
じめ含まれ、ゲルマニウム化合物は溶融混合時におい
て、エステル交換触媒として作用する。したがって、溶
融混合時におけるエステル交換触媒中の金属量は、ここ
で新たに添加された酸化ゲルマニウムの量も合わせる
と、組成物に対して合計640ppmとなる。得られた
軟質ポリエステルの評価結果などについて以下の表1に
示す。
【0034】[比較例1]攪拌機、温度計、ガス吹き込
み口および蒸留口を設けた内容積2Lの金属製反応容器
に、ビスヒドロキシエチルテレフタレート(590
g)、ビスヒドロキシエチルアジペート(694g)、
トリメチロールプロパン(3.33g)を仕込み、2時
間かけて250℃まで昇温させながら、余剰のエチレン
グリコールを留去させた。次に、トリエチルフォスフェ
ート(0.069g)のエチレングリコール溶液(13
質量%)、酸化ゲルマニウム(0.53g)、1,4−
テトラメチレングリコール(250g)を添加した。そ
の後285℃まで昇温しながら、30分間かけて0.3
kPaになるように減圧した。減圧開始から3時間で重
合が完了した。得られたポリエステルの固有粘度[η]
は1.20dL/gであった。詳細は以下の表1に示
す。
み口および蒸留口を設けた内容積2Lの金属製反応容器
に、ビスヒドロキシエチルテレフタレート(590
g)、ビスヒドロキシエチルアジペート(694g)、
トリメチロールプロパン(3.33g)を仕込み、2時
間かけて250℃まで昇温させながら、余剰のエチレン
グリコールを留去させた。次に、トリエチルフォスフェ
ート(0.069g)のエチレングリコール溶液(13
質量%)、酸化ゲルマニウム(0.53g)、1,4−
テトラメチレングリコール(250g)を添加した。そ
の後285℃まで昇温しながら、30分間かけて0.3
kPaになるように減圧した。減圧開始から3時間で重
合が完了した。得られたポリエステルの固有粘度[η]
は1.20dL/gであった。詳細は以下の表1に示
す。
【0035】[比較例2]ビスヒドロキシエチルテレフ
タレート(388g)、ビスヒドロキシエチルアジペー
ト(1028g)、1,4−テトラメチレングリコール
(370g)を用いた以外は比較例1と同様の操作を行
った。得られたポリエステルの固有粘度[η]は1.2
0dL/gであった。詳細は以下の表1に示す。
タレート(388g)、ビスヒドロキシエチルアジペー
ト(1028g)、1,4−テトラメチレングリコール
(370g)を用いた以外は比較例1と同様の操作を行
った。得られたポリエステルの固有粘度[η]は1.2
0dL/gであった。詳細は以下の表1に示す。
【0036】
【表1】
【0037】表1から明らかなように、各実施例で得ら
れた軟質ポリエステルは、ショア硬度およびヒステリシ
ス損失がともに小さく、柔軟性と弾性回復性能がともに
優れていた。一方、比較例1および2に記載の軟質ポリ
エステルは、ヒステリシス損失の値が大きく弾性回復性
能が劣っていた。
れた軟質ポリエステルは、ショア硬度およびヒステリシ
ス損失がともに小さく、柔軟性と弾性回復性能がともに
優れていた。一方、比較例1および2に記載の軟質ポリ
エステルは、ヒステリシス損失の値が大きく弾性回復性
能が劣っていた。
【0038】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、従
来同時に発現することが困難であった耐熱性、柔軟性、
弾性回復性能をともに備えた軟質ポリエステルを低コス
ト、かつ、簡便に提供することができる。このような軟
質ポリエステルは、塩化ビニル材料の代替品として有用
である。
来同時に発現することが困難であった耐熱性、柔軟性、
弾性回復性能をともに備えた軟質ポリエステルを低コス
ト、かつ、簡便に提供することができる。このような軟
質ポリエステルは、塩化ビニル材料の代替品として有用
である。
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フロントページの続き
Fターム(参考) 4J029 AA03 AB01 AB04 AC03 AD01
AD10 AE18 BA02 BA03 BA04
BA05 BA08 BD07A CA02
CA04 CA06 CB05A CB06A
CC05A FC05 FC08 FC36
JA041 JA091 JB131 JC483
JC583 JF021 JF031 JF041
JF131 JF141 JF151 JF161
JF181 JF221 JF251 JF291
JF321 JF361 JF371 JF381
JF471 JF541 JF571 KC02
KD02 KD07 KD09 KE05 KH08
LA01 LA09 LB07 LB08
Claims (6)
- 【請求項1】 エステル交換触媒の存在下で、芳香族ポ
リエステル(A)とジカルボン酸単位の主成分として脂
肪族カルボン酸単位を含む脂肪族ポリエステル(B)と
を含有する組成物が、減圧条件下で溶融混合されたこと
を特徴とする軟質ポリエステル。 - 【請求項2】 前記芳香族ポリエステル(A)を20〜
60質量%含有し、前記脂肪族ポリエステル(B)を8
0〜40質量%含有することを特徴とする請求項1に記
載の軟質ポリエステル。 - 【請求項3】 前記芳香族ポリエステル(A)は、ジカ
ルボン酸単位の主成分としてテレフタル酸単位を含み、
グリコール単位の主成分として1,4−テトラメチレン
グリコール単位を含むことを特徴とする請求項1または
2に記載の軟質ポリエステル。 - 【請求項4】 前記脂肪族ポリエステル(B)は、前記
脂肪族ジカルボン酸単位の主成分としてアジピン酸単位
を含み、グリコール単位の主成分としてエチレングリコ
ール単位を含むことを特徴とする請求項1ないし3のい
ずれかに記載の軟質ポリエステル。 - 【請求項5】 エステル交換触媒の存在下で、芳香族ポ
リエステル(A)とジカルボン酸成分の主成分として脂
肪族カルボン酸単位を含む脂肪族ポリエステル(B)と
を含有する組成物を、減圧条件下で溶融混合することを
特徴とする軟質ポリエステルの製造方法。 - 【請求項6】 前記エステル交換触媒は1種以上の金属
または金属化合物からなり、その金属の量が前記組成物
の100〜1000ppmとなるようにエステル交換触
媒量を制御して溶融混合することを特徴とする請求項5
に記載の軟質ポリエステルの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002101642A JP2003292600A (ja) | 2002-04-03 | 2002-04-03 | 軟質ポリエステルおよび軟質ポリエステルの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002101642A JP2003292600A (ja) | 2002-04-03 | 2002-04-03 | 軟質ポリエステルおよび軟質ポリエステルの製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003292600A true JP2003292600A (ja) | 2003-10-15 |
Family
ID=29241906
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002101642A Withdrawn JP2003292600A (ja) | 2002-04-03 | 2002-04-03 | 軟質ポリエステルおよび軟質ポリエステルの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2003292600A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005314686A (ja) * | 2004-03-31 | 2005-11-10 | Sanyo Chem Ind Ltd | ポリエステル樹脂の製法、ポリエステル樹脂、及びトナー組成物 |
-
2002
- 2002-04-03 JP JP2002101642A patent/JP2003292600A/ja not_active Withdrawn
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005314686A (ja) * | 2004-03-31 | 2005-11-10 | Sanyo Chem Ind Ltd | ポリエステル樹脂の製法、ポリエステル樹脂、及びトナー組成物 |
JP4699065B2 (ja) * | 2004-03-31 | 2011-06-08 | 三洋化成工業株式会社 | ポリエステル樹脂の製法、ポリエステル樹脂、及びトナー組成物 |
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