JP2003292496A - シランカップリング剤 - Google Patents

シランカップリング剤

Info

Publication number
JP2003292496A
JP2003292496A JP2002100926A JP2002100926A JP2003292496A JP 2003292496 A JP2003292496 A JP 2003292496A JP 2002100926 A JP2002100926 A JP 2002100926A JP 2002100926 A JP2002100926 A JP 2002100926A JP 2003292496 A JP2003292496 A JP 2003292496A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
mmol
nitrobenzyl
ether
general formula
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2002100926A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2003292496A5 (ja
JP4156858B2 (ja
Inventor
Kazuo Yamaguchi
和夫 山口
Atsushi Ozaki
淳 尾崎
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Okamoto Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Okamoto Chemical Industry Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Okamoto Chemical Industry Co Ltd filed Critical Okamoto Chemical Industry Co Ltd
Priority to JP2002100926A priority Critical patent/JP4156858B2/ja
Publication of JP2003292496A publication Critical patent/JP2003292496A/ja
Publication of JP2003292496A5 publication Critical patent/JP2003292496A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4156858B2 publication Critical patent/JP4156858B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 光酸発生剤を必要せず、複雑な合成法も必要
としないポジ型の画像形成に利用できる材料を提供す
る。 【解決手段】 下記一般式(1)及び/又は下記一般式
(2)で表される化合物をヒドロキシル基含有ポリマー
等のヒドロキシル基を有する材料と反応させ、光照射す
ることを特徴するヒドロキシアルキル基又はカルボキシ
アルキル基を有するポリマー等の製造方法を提供する。
一般式(1)は、新規な化合物である。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、末端にトリアルコ
キシシリル基、クロロジメチルシリル基、ジクロロメチ
ルシリル基、トリクロロシリル基を有し、他の末端にo
−ニトロベンジルオキシ基(ベンゼン環がメトキシ基で
置換されていてもよい。)又はメチレンの一つの水素が
置換されたo−ニトロベンジルオキシ基を有するエーテ
ル化合物又はエステル化合物であって、シランカップリ
ング剤等として利用できる化合物に関する。
【0002】
【従来の技術】カルボキシル基やヒドロキシル基を有す
るシランカップリング剤は、ケイ素に結合する塩素基や
メトキシ基がカルボキシル基やヒドロキシル基に反応す
るため、知られていなかった。最近、山口らは、シラン
カップリング剤として、トリメトキシシリル基を有する
o−ニトロベンジルエステル誘導体である下記式で表さ
れる化合物等(山口ら、Chem. Lett., 228-229, (200
0))、及びトリメトキシシリル基を有するo−ニトロベ
ンジルエーテルである下記式で表される化合物等(山口
ら、Polym. Prep. Jpn., 48, 2247-2248, (1999))を合
成し発表した。
【化3】 (上式中、GがCOOのときk=4であり、GがOのと
きk=3である。) この化合物は、トリメトキシシリル基がシリカゲル等の
表面に存するヒドロキシル基と反応し、表面上に付着す
る。その後、光を照射するとo−ニトロベンジルアルコ
ール誘導体とのエステル結合が切れて当該表面にカルボ
キシル基を残し、あるいはエーテル結合が切れて当該表
面にヒドロキシル基を残す。結果として、シリカゲル等
の表面にカルボキシル基やヒドロキシル基を導入するこ
とができる。
【0003】また、山口らは、トリメトキシシリル基に
代えて、トリクロロシリル基やクロロジメチルシリル基
を用いると反応性を高めることを下記の化合物について
見出し報告した(山口ら、Polym. Prep. Jpn., 49, 70
9, (2000))。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】光酸発生剤を必要せ
ず、複雑な合成法も必要としないポジ型の画像形成等に
応用できる、シランカップリング剤を反応させて得られ
る材料を提供する。
【0005】
【課題を解決するための手段】下記一般式(1)及び/
又は下記一般式(2)で表される化合物をヒドロキシル
基含有ポリマー等のヒドロキシル基を有する材料と反応
させ、光照射することを特徴するヒドロキシアルキル基
又はカルボキシアルキル基を有するポリマー等の材料の
製造方法を提供する。
【化4】 (上式中、G1はO又はCOOを表し、R1とR2は独立
して水素原子又はメトキシ基を表すが、いずれも水素原
子であることはなく、R1とR2は結合して環を形成して
もよく、R3は炭化水素基の側鎖を有してもよいm個の
メチレン基を表し、ここでmは3以上の整数であり、X
1はトリメトキシシリル基又はトリエトキシシリル基を
表す。G2はO又はCOOを表し、R4は水素原子又は直
鎖状又は分岐状のアルキル基を表し、R5は炭化水素基
の側鎖を有してもよいn個のメチレン基を表し、ここで
nは3以上の整数であり、X2はトリメトキシシリル基
とトリエトキシシリル基とクロロジメチルシリル基とジ
クロロメチルシリル基とトリクロロシリル基からなる一
群から選ばれる。) なお、一般式(1)の化合物は新規な化合物である。
【0006】
【発明の実施の形態】一般式(1)と(2)の化合物
は、好ましくは、下記一般式(3ET)、(3ES)、(4
ET)及び(4ES)で表される化合物である。
【化5】 (上式中、mとnは独立して3以上の整数を表す。)な
お、m個のメチレン基又はn個のメチレン基は、一以上
の炭化水素基の側鎖を有していてもよく、側鎖の位置
は、合成的にはX1又はX2に結合する炭素原子からメチ
レン鎖上を二つ離れた炭素原子以降が好ましい。炭化水
素基の大きさは、好ましくは、3〜15であり、より好
ましくは3〜10の整数である。
【0007】一般式(3ET)と一般式(3ES)の化合物
において、R1とR2は、独立して水素原子又はメトキシ
基を表すが、いずれも水素原子であることはなく、R1
とR2は結合して環を形成してもよい。m個のメチレン
は、一以上の炭化水素基の側鎖を有していてもよい。m
は、3以上の整数を表し、好ましくは3〜15であり、
より好ましくは3〜10の整数である。一般式(1)の
化合物のようにベンゼン環に置換基を有する場合、沸点
が高くなるため蒸留方法を用いて分離することが困難で
ある。カラムクロマトグラフィーを用いて分離する方法
も、一般式(1)の化合物は加水分解しやすい性質を有
すため適用困難である。本発明者らは、トリメトキシシ
リル基含有化合物をトリクロロアセチルクロリドと反応
させトリクロロシリル基含有化合物を得る反応について
報告するY. BarnessらLangmuir, 16, 247 (2000)の文献
に着目した。Barnessらは、トリクロロシリル基含有化
合物の純度を高めるため、数段の合成により得られたト
リメトキシシリル基含有化合物をシリカゲルカラムクロ
マトグラフィーを用いて分離しているが、その溶出液と
して0.5〜1.0重量%のテトラメトキシシランを加
えたものを使用している。本発明者らは、鋭意検討した
結果、テトラメトキシシランを加えた溶出液を用いるシ
リカゲルカラムクロマトグラフィー法が、一般式(1)
の化合物の分離に適用できることを見出した。X1はト
リメトキシシリル基又はトリエトキシシリル基を表す。
【0008】一般式(3ET)の化合物としては、好まし
くは、2−ニトロベンジル 3−(トリメトキシシリ
ル)プロピルエーテル、2−ニトロベンジル 6−(ト
リメトキシシリル)ヘキシルエーテル、2−ニトロベン
ジル 10−(トリメトキシシリル)デシルエーテル、
4−メトキシ−2−ニトロベンジル 3−(トリメトキ
シシリル)プロピルエーテル、4−メトキシ−2−ニト
ロベンジル 6−(トリメトキシシリル)ヘキシルエー
テル、4−メトキシ−2−ニトロベンジル 10−(ト
リメトキシシリル)デシルエーテル、5−メトキシ−2
−ニトロベンジル3−(トリメトキシシリル)プロピル
エーテル、5−メトキシ−2−ニトロベンジル 6−
(トリメトキシシリル)ヘキシルエーテル、5−メトキ
シ−2−ニトロベンジル 10−(トリメトキシシリ
ル)デシルエーテル、4,5−ジメトキシ−2−ニトロ
ベンジル 3−(トリメトキシシリル)プロピルエーテ
ル、4,5−ジメトキシ−2−ニトロベンジル 6−
(トリメトキシシリル)ヘキシルエーテル、4,5−ジ
メトキシ−2−ニトロベンジル 10−(トリメトキシ
シリル)デシルエーテル、4,5−メチレンジオキシ−
2−ニトロベンジル 3−(トリメトキシシリル)プロ
ピルエーテル、4,5−メチレンジオキシ−2−ニトロ
ベンジル 6−(トリメトキシシリル)ヘキシルエーテ
ル、4,5−メチレンジオキシ−2−ニトロベンジル
10−(トリメトキシシリル)デシルエーテルが挙げら
れる。より好ましくは、4,5−ジメトキシ−2−ニト
ロベンジル3−(トリメトキシシリル)プロピルエーテ
ル、4,5−ジメトキシ−2−ニトロベンジル 6−
(トリメトキシシリル)ヘキシルエーテル、4,5−ジ
メトキシ−2−ニトロベンジル 10−(トリメトキシ
シリル)デシルエーテル、4,5−メチレンジオキシ−
2−ニトロベンジル 3−(トリメトキシシリル)プロ
ピルエーテル、4,5−メチレンジオキシ−2−ニトロ
ベンジル 6−(トリメトキシシリル)ヘキシルエーテ
ル、4,5−メチレンジオキシ−2−ニトロベンジル
10−(トリメトキシシリル)デシルエーテルが挙げら
れる。
【0009】一般式(3ET)の化合物において、R1
2が環を形成する例としては、アルキレンジオキシ基
が挙げられ、好ましい例として、下記に示す4,5−メ
チレンジオキシ−2−ニトロベンジル 3−(トリメト
キシシリル)プロピルエーテル、4,5−メチレンジオ
キシ−2−ニトロベンジル 3−(トリエトキシシリ
ル)プロピルエーテル、4,5−メチレンジオキシ−2
−ニトロベンジル 6−(トリメトキシシリル)ヘキシル
エーテル、4,5−メチレンジオキシ−2−ニトロベン
ジル 6−(トリエトキシシリル)ヘキシルエーテル、
4,5−メチレンジオキシ−2−ニトロベンジル 10−
(トリメトキシシリル)デシルエーテル、4,5−メチ
レンジオキシ−2−ニトロベンジル 10−(トリエトキ
シシリル)プロピルエーテル等が挙げられる。
【化6】
【0010】一般式(4ET)の化合物としては、特に好
ましくは、3−(クロロジメチルシリル)プロピル1−
(2−ニトロフェニル)エチルエーテル、3−(ジクロ
ロメチルシリル)プロピル1−(2−ニトロフェニル)
エチルエーテル、3−(トリクロロシリル)プロピル1
−(2−ニトロフェニル)エチルエーテル、6−(クロ
ロジメチルシリル)ヘキシル1−(2−ニトロフェニ
ル)エチルエーテル、6−(ジクロロメチルシリル)ヘ
キシル1−(2−ニトロフェニル)エチルエーテル、6
−(トリクロロシリル)ヘキシル1−(2−ニトロフェ
ニル)エチルエーテル、3−(クロロジメチルシリル)
プロピルo−ニトロベンジルエーテル、3−(ジクロロ
メチルシリル)プロピルo−ニトロベンジルエーテル、
3−(トリクロロシリル)プロピルo−ニトロベンジル
エーテル、6−(クロロジメチルシリル)ヘキシルo−
ニトロベンジルエーテル、6−(ジクロロメチルシリ
ル)ヘキシルo−ニトロベンジルエーテル、6−(トリ
クロロシリル)ヘキシルo−ニトロベンジルエーテル、
3−(トリメトキシシリル)プロピル1−(2−ニトロ
フェニル)エチルエーテル、3−(トリエトキシシリ
ル)プロピル1−(2−ニトロフェニル)エチルエーテ
ル、6−(トリメトキシシリル)ヘキシル1−(2−ニ
トロフェニル)エチルエーテル、6−(トリエトキシシ
リル)ヘキシル1−(2−ニトロフェニル)エチルエー
テル、3−(トリメトキシ)プロピルo−ニトロベンジ
ルエーテル、3−(トリエトキシシリル)プロピルo−
ニトロベンジルエーテル、6−(トリメトキシシリル)
ヘキシルo−ニトロベンジルエーテル、6−(トリエト
キシシリル)ヘキシルo−ニトロベンジルエーテル、が
挙げられる。
【0011】一般式(3ET)と一般式(4ET)の化合物
の製造方法の一例を以下に示す。
【化7】
【0012】一般式(3ET)の化合物は、例えば、4位
と5位にR1とR2を有する2−ニトロベンズアルデヒド
(5)をヒドラジンと反応させ、二酸化マンガンで酸化
してジアゾ化合物(7)とし、過塩素酸の存在下、二重
結合を有するアルコール(8)と反応させてエーテル
(9)を得た後、エーテル(9)の二重結合を塩化白金
(IV)酸六水和物(H2PtCl6・6H2O)を触媒として、トリメ
トキシシラン又はトリエトキシシランと反応させること
により得られる。一般式(4ET)の化合物も同様にして
得られ、クロロジメチルシリル基とジクロロメチルシリ
ル基とトリクロロシリル基の導入には、各々対応するク
ロロジメチルシランとジクロロメチルシランとトリクロ
ロシランを使用することができる。一般式(3ET)と一
般式(4ET)の化合物の製造方法は、これに限らず、後
述する一般式(4ET)のエーテル化合物の製造方法を利
用したり、他の公知の方法を利用できる。また、m個の
メチレン基が炭化水素基の側鎖を有する一般式(1)の
エーテル化合物(1ET)と一般式(2)エーテル化合物
(2ET)は、対応するアルコールを用いて合成すること
ができる。
【0013】一般式(4ET)と一般式(4ES)の化合物
において、R4は、水素原子または直鎖状又は分岐状の
アルキル基を表し、好ましくは水素原子、メチル基であ
り、特に好ましくはエステル化合物(4ES)では光分解
速度の点からメチル基でありエーテル化合物(4ET)で
は合成面から水素原子である。R4は特に限定されない
が、炭素数が多くなると減圧蒸留が困難となり、その他
の分離方法を用いる必要が生ずる。この場合、一般式
(4ET)と一般式(4ES)の化合物は加水分解しやすい
性質を有すため、加水分解を避けるための工夫が必要と
なる。また、R4が大きいと材料表面にカップリングし
た場合、分子間の立体的な反撥が大きくなることに留意
する必要がある。X2は、トリメトキシシリル基、トリ
エトキシシリル基、クロロジメチルシリル基、ジクロロ
メチルシリル基及びトリクロロシリル基からなる一群か
ら選ばれる。n個のメチレンは、一以上の炭化水素基の
側鎖を有していてもよい。nは、3以上の整数を表し、
好ましくは3〜15であり、より好ましくは3〜10の
整数である。nは特に限定されないが、nが大きくなる
とR3の場合と同様に減圧蒸留が困難となる等の問題が
生ずる。
【0014】一般式(3ES)の化合物としては、特に好
ましくは、5−(トリメトキシシリル)−ペンタン酸
1−(4,5−ジメトキシ−2−ニトロフェニル)メチ
ル、5−(トリエトキシシリル)−ペンタン酸 1−
(4,5−ジメトキシ−2−ニトロフェニル)メチル、
5−(トリメトキシシリル)−ウンデカン酸 1−(4,
5−ジメトキシ−2−ニトロフェニル)メチル、5−
(トリエトキシシリル)−ウンデカン酸 1−(4,5−
ジメトキシ−2−ニトロフェニル)メチルが挙げられ
る。
【0015】一般式(4ES)の化合物としては、特に好
ましくは、5−(クロロジメチルシリル)ペンタン酸1
−(2−ニトロフェニル)エチル、5−(ジクロロメチ
ルシリル)ペンタン酸1−(2−ニトロフェニル)エチ
ル、5−(トリクロロシリル)ペンタン酸1−(2−ニ
トロフェニル)エチル、11−(クロロジメチルシリ
ル)ウンデカン酸1−(2−ニトロフェニル)エチル、
11−(ジクロロメチルシリル)ウンデカン酸1−(2
−ニトロフェニル)エチル、11−(トリクロロシリ
ル)ウンデカン酸1−(2−ニトロフェニル)エチル、
5−(クロロジメチルシリル)ペンタン酸o−ニトロベ
ンジル、5−(ジクロロメチルシリル)ペンタン酸o−
ニトロベンジル、5−(トリクロロシリル)ペンタン酸
o−ニトロベンジル、11−(クロロジメチルシリル)
ウンデカン酸o−ニトロベンジル、11−(ジクロロメ
チルシリル)ウンデカン酸o−ニトロベンジル、11−
(トリクロロシリル)ウンデカン酸o−ニトロベンジ
ル、5−(トリメトキシシリル)ペンタン酸1−(2−
ニトロフェニル)エチル、5−(トリエトキシシリル)
ペンタン酸1−(2−ニトロフェニル)エチル、11−
(トリメトキシシリル)ウンデカン酸1−(2−ニトロ
フェニル)エチル、11−(トリエトキシシリル)ウン
デカン酸1−(2−ニトロフェニル)エチル、5−(ト
リメトキシシリル)ペンタン酸o−ニトロベンジル、5
−(トリエトキシシリル)ペンタン酸o−ニトロベンジ
ル、11−(トリメトキシシリル)ウンデカン酸o−ニ
トロベンジル、11−(トリエトキシシリル)ウンデカ
ン酸o−ニトロベンジルが挙げられる。
【0016】一般式(3ES)の製造方法の一例を以下に
示す。
【化8】
【0017】一般式(3ES)の化合物は、例えば、二重
結合を有するカルボン酸(10)と、o−ニトロベンジ
ルアルコール誘導体(11)を反応させエステル(1
2)を生成し、該二重結合を塩化白金(IV)酸六水和物(H
2PtCl6・6H2O)を触媒として、トリメトキシシランとク
ロロジメチルシランとジクロロメチルシランとトリクロ
ロシランから選ばれる化合物と反応させることにより得
られる。エステルの生成は、例えば、WSC・HCl
[WSCは水溶性カルボジイミドの略であり、WSC・
HClとしては1−エチル−3−(3−ジメチルアミノ
プロピル)−カルボジイミドハイドロクロライドが挙げ
られる。]と、DMAP(4−ジメチルアミノピリジ
ン)の存在下で行われる。また、エステル(12)は、
二重結合を有するカルボン酸(9)を塩化チオニル(S
OCl2)等を用いる公知の方法で酸塩化物とし、o−
ニトロベンジルアルコール誘導体(11)とDMAPの
ような第三級アミンの存在下反応させることによって得
ることもできる。一般式(11)の化合物は、例えば、
市販されている4位と5位にアルコキシ基を有する2−
ニトロベンズアルデヒドのカルボニル基を水素化ホウ素
ナトリウムで還元する等の公知の方法で合成できる。一
般式(4ES)の化合物も同様な方法で合成でき、クロロ
ジメチルシリル基とジクロロメチルシリル基とトリクロ
ロシリル基の導入には、各々対応するクロロジメチルシ
ランとジクロロメチルシランとトリクロロシランを使用
することができる。一般式(3ES)と一般式(4ES)の
エステル化合物の製造方法は、これに限らず、公知の方
法が利用できる。また、n個のメチレン基が炭化水素基
の側鎖を有する一般式(1)のエステル化合物(1ES)
と一般式(2)のエステル化合物(2ES)は、対応する
アルコールを用いて合成することができる。
【0018】一般式(4ET)の化合物の他の製造方法の
一例を以下に示す。
【化9】
【0019】一般式(4ET)の化合物は、例えばウィリ
アムソンのエーテル合成法を用いて、二重結合を有する
アルコール(13)と、置換又は非置換o−ニトロベン
ジルハライド(例えばブロミド)(14)を反応させエ
ーテル(15)を生成し、該二重結合を塩化白金(IV)酸
六水和物(H2PtCl6・6H2O)を触媒として、トリメトキシ
シランとクロロジメチルシランとジクロロメチルシラン
とトリクロロシランと反応させることにより得られる。
非置換o−ニトロベンジルハライドは市販されており、
置換o−ニトロベンジルハライドは、例えば、対応する
アルコールから公知のハロゲン化(例えばブロモ化)で
合成できる。
【0020】式(4ET)の合成に用いるエーテル(1
5)は、o−ニトロベンズアルデヒド又はアルキルo−
ニトロフェニルケトン(16)をヒドラジンと反応さ
せ、二酸化マンガンで酸化してジアゾ化合物(18)と
し、過塩素酸の存在下二重結合を有するアルコール(1
3)と反応させることによっても得られる。
【0021】
【化10】
【0022】ヒドロキシル基を有する材料は、反応でき
るヒドロキシル基が存在すれば特に限定されないが、ガ
ラス、シリカ(SiO2)、アルミナ(Al23)、タ
ルク、クレー、アルミニウム、鉄、マイカ、アスベス
ト、酸化チタン、酸化鉄等が挙げられ、好ましくは、ガ
ラス、シリカ、アルミナ、タルク、クレー、アルミニウ
ム、鉄、マイカ、特に好ましくは、ガラス、シリカ、ア
ルミナである。詳しくは、エヌ・ティー・エヌ社「表面
処理技術ハンドブック」等を参照されたい。これらの材
料の形状は、特に限定されず、シリカ粉等の粉状物、シ
リコンウェハ等の板状物であってもよい。
【0023】ヒドロキシル基を有する材料としてシリコ
ンウェハを例にとれば、一般式(1)と(2)の化合物
は、以下に示すように、シリコンウェハ表面のヒドロキ
シル基と反応して付着し、UV照射によりカルボン酸又
はアルコールに変換される。
【0024】
【化11】
【0025】
【化12】
【0026】一般式(1)と(2)のシランカップリン
グ剤を材料表面に付着させる手段は、特に限定されず、
通常のシランカップリング剤による表面処理と同様であ
る。例えば、材料が粉体の場合には、一般式(1)及び
/又は一般式(2)の化合物をベンゼン等の溶媒に溶解
し、撹拌された粉状のシリカ表面等に噴射したり、溶液
中にシリカ等を入れ処理する方法が用いられる。材料が
シリコンウェハ等の一定の形状を有する場合には、一般
式(1)及び/又は一般式(2)の化合物をベンゼン等
の溶媒に溶解した溶液にシリコンウェハ等を投入し、還
流又は室温での振動撹拌を行ったり、又は溶液を材料表
面に薄く塗布することにより表面修飾を行うことができ
る。
【0027】材料表面に付着した一般式(1)及び/又
は一般式(2)の化合物は、UV照射により、そのエス
テル結合が切れて材料表面にカルボキシル基を存在させ
たり、又はそのエーテル結合が切れて材料表面にヒドロ
キシル基を存在させることとなる。これは、エタノール
等の溶媒中に分散させた粉体にUV照射したり、又はシ
リコンウェハ表面に直接UV照射すること等により行う
ことができる。材料表面での反応(表面修飾)と光照射
を同時に行うと、光照射により生じたカルボキシル基や
ヒドロキシル基がシリル基と反応することとなり不都合
である。UV照射は、通常の方法が用いられるが、一例
を挙げれば、超高圧水銀ランプ(USH−500等)を
光源とし、300nm以下の波長はパイレックス(登録
商標)製ガラスフィルターでカットして5〜10秒照射
する。なお、UV照射による材料表面から置換又は非置
換o−ニトロベンジル基の消失は、FT−IRやXPS
等を用い、トリメトキシシリル基を有するo−ニトロベ
ンジルエステル誘導体やo−ニトロベンジルエーテル誘
導体を光照射した場合と同一の結果が得られることより
確認される。詳しくは、前述の山口らの著である Chem.
Lett., 228-229, (2000) 及び Polym. Prep. Jpn., 4
8, 2247-2248,(1999))を参照されたい。
【0028】本発明によれば、一般式(1)及び/又は
一般式(2)で表される化合物をヒドロキシル基含有ポ
リマーと反応させ、光照射することによりヒドロキシア
ルキル基又はカルボキシアルキル基をポリマーに導入す
ることができる。これを用いると、従来のような光酸発
生剤を必要とせず、複雑な合成法も必要としないポジ型
の画像を形成できる。また、酸素阻害も受けず、この感
光性組成物が有機−無機複合体を形成していることから
高い耐熱性も期待される。
【0029】一般式(1)の化合物は、ベンゼン環上の
置換基を選択することにより、ベンゼン環上に置換基を
有しない化合物と比較して光の吸収ピークを長波長側に
シフトさせることができる。例えば、ベンゼン環上に置
換基を有しない化合物の吸収ピークが243nmである
とき、ベンゼン環上に二つのメトキシ基を有する化合物
の吸収ピークが345nmとなる場合が挙げられる。こ
の結果として、一般式(1)の化合物は、ベンゼン環上
に置換基を有しない化合物より短時間の光照射により反
応を完了するができる。
【0030】一般式(1)及び/又は一般式(2)の化
合物を付加できるポリマーとしては、ヒドロキシル基を
有するポリマーが挙げられる。ヒドロキシル基の存在位
置は、特に限定されず、側鎖の一部であってもよい。具
体的には、m−クレゾールホルムアルデヒド樹脂、p−
クレゾールホルムアルデヒド樹脂、o−クレゾールホ
ルムアルデヒド樹脂、m−とp−の混合クレゾールホル
ムアルデヒド樹脂、フェノール/クレゾール(m−、p
−、o−、m−とp−の混合、又はm−とo −の混合の
いずれでもよい。)混合ホルムアルデヒド樹脂などのク
レゾールホルムアルデヒド樹脂などが挙げられる。その
他、レゾール型フェノール樹脂類、ポリビニルフェノー
ル、t−ブチル置換ポリビニルフェノール樹脂、HEM
A ( 2−ヒドロキシエチルメタクリレート )と他のモ
ノマーとの共重合体、ヒドロキシル基を有するポリウレ
タン樹脂、ポリビニルアルコール等である。
【0031】一般式(1)及び/又は一般式(2)で表
される化合物をヒドロキシル基含有ポリマーと反応さ
せ、光照射することによりヒドロキシアルキル基又はカ
ルボキシアルキル基をポリマーに導入する反応スキーム
を以下に示す。なお、pとqは、モル分率を示す。
【0032】
【化13】
【0033】
【化14】
【0034】
【実施例】以下、本発明を実施例により詳細に説明する
が、本発明はこれに限定されるものではない。 [合成例1]4,5−ジメトキシ−2−ニトロベンズアルデヒドのヒ
ドラゾンの合成 50mlナスフラスコに、3,4−ジメトキシ−6−ニ
トロベンズアルデヒド0.93g(4.4mmol)、
ヒドラジン一水和物0.52g(10.4mmol)、
エタノール30ml、回転子を加え3時間還流した。5
0℃程で結晶が析出し回転子が回らなくなるが、温度上
昇するにつれ一部溶けた。反応溶液を室温に戻し、析出
結晶を自然ろ過した。得られた黄色結晶をエタノールで
軽く洗い、真空乾燥すると目的物0.89g(4.0m
mol)を得た。収量0.89g、収率91%。Rf
(クロロホルム)0.3。1 HNMR (400MHz, CDCl3/TMS): δ8.44 (s, 1H, -C
H), 7.57 (s, 1H, Ar),7.49 (s, 1H, Ar), 5.84 (br, 2
H, -NH 2), 4.00 (s, 3H, -OCH 3), 3.95 (s, 3H,-OC
H 3)。 FT−IR (KBr disk): 3413-3227 cm-1 (N
H2), 1513 (NO2), 1328(NO2), 1268 (C-O-C)。
【0035】アリル 4,5−ジメトキシ−2−ニトロ
ベンジルエーテルの合成 300mlナスフラスコに4,5−ジメトキシ−2−ニ
トロベンズアルデヒドのヒドラゾン1.1g(5mmo
l)、回転子、ドライ塩化メチレン70mlを加え撹拌
した。均一溶液になったら、二酸化マンガン3.52g
(40.5mmol)を少しずつ加えた。室温で10分
程撹拌した後二酸化マンガンをろ過により除去した。
0.1M炭酸水素ナトリウム水溶液(50mlx2)で
洗浄し、有機相を無水硫酸マグネシウムで乾燥した(溶
液A)。一方、氷浴上で300mlナスフラスコにアリ
ルアルコール0.37g(6.4mmol)、回転子を
加えHClO4(70%)3滴を加えた。溶液Aをろ過
して無水硫酸マグネシウムを除去した。200ml滴下
ロートに溶液Aを加え、300mlナスフラスコに45
分で滴下した。氷浴を除去し、室温で一晩撹拌した。飽
和炭酸水素ナトリウム水溶液20ml、蒸留水30ml
を加え洗浄した。水相を塩化メチレンで抽出し(100
mlx2)、有機相を合わせ無水硫酸マグネシウムで乾
燥した。ろ過後濃縮し、粗生成物を得た。粗生成物を溶
出液クロロホルムでシリカゲルカラムクロマトグラフィ
ーを行い、目的物(橙色結晶)0.43g(1.69m
mol)を得た。収量0.43g、収率34%。Rf
(クロロホルム)0.57。1 HNMR (400MHz, CDCl3/TMS): δ7.72 (s, 1H, Ar),
7,33 (s, 1H, Ar), 6.0 (m, 1H, -CH=CH2), 5.37 (m,
1H, Jtrans=16Hz, -CH=CH 2), 5.25 (m, 1H, Jc is=12Hz,
-CH=CH 2), 4.92 (s, 2H, Ar-CH 2-O-), 4.16 (dt, J=1.
4Hz, 5.5Hz, 2H, CH 2-CH=CH2), 4.00 (s, 3H, -OCH 3)
3.95 (s, 3H, -OCH 3)。 FT−IR (KBr disk): 2938
cm-1 (C-H), 2850 (C-H), 1515 (NO2), 1325 (NO2), 1
277 (C-O-C)。
【0036】5−ヘキセニル 4,5−ジメトキシ−2
−ニトロベンジルエーテルの合成 200mlナスフラスコに4,5−ジメトキシ−2−ニ
トロベンズアルデヒドのヒドラゾン0.88g(3.9
mmol)、回転子、ドライ塩化メチレン60mlを加
え撹拌した。均一溶液になったら、二酸化マンガン2.
8g(32mmol)を少しずつ加えた。室温で10分
程撹拌した後、二酸化マンガンをろ過により除去した。
0.1M炭酸水素ナトリウム水溶液(50mlx2)で
洗浄し、有機相を無水硫酸マグネシウムで乾燥した(溶
液A)。一方、氷浴上で300mlナスフラスコに5−
ヘキセン−1−オール0.5g(5.0mmol)、回
転子を加えHClO4(70%)2滴を加えた。溶液A
をろ過して無水硫酸マグネシウムを除去した。100m
l滴下ロートに溶液Aを加え、300mlナスフラスコ
に30分で滴下した。氷浴を除去し、室温で一晩撹拌し
た。飽和炭酸水素ナトリウム水溶液20ml、蒸留水3
0mlを加え洗浄した。水相を塩化メチレンで抽出し
(100mlx2)、有機相を合わせ無水硫酸マグネシ
ウムで乾燥した。ろ過後濃縮し、粗生成物を1.4g得
た。粗生成物を溶出液クロロホルムでシリカゲルカラム
クロマトグラフィーを行い、目的物(橙色結晶)0.4
8g(1.6mmol)を得た。収量0.48g、収率
41%。Rf値(クロロホルム)0.5。1 HNMR (400MHz, CDCl3/TMS): δ7.71 (s, 1H, Ar),
7,31 (s, 1H, Ar), 5.77-5.87 (m, 1H, -CH=CH2), 5.0
0-5.04 (s, 1H, Jtrans=16Hz, -CH=CH 2), 4.95-4.98
(s, 1H, Jcis=8Hz, -CH=CH 2), 4.89 (s, 1H, Ar-CH 2-O
-), 3.99 (s, 3H,-OCH 3) 3.95 (s, 3H, -OCH 3), 3.60-
3.63 (t, 2H, -O-CH 2-CH2), 2.09-2.15 (m,2H, -CH 2-CH
=CH2), 1.68-1.75 (m, 2H, -O-CH2-CH 2-), 1.50-1.58
(m, 2H, -CH 2-CH 2-CH2-CH=CH2)。 FT−IR (KBr di
sk): 2934 cm-1 (C-H), 2858 (C-H),1514 (NO2), 1322
(NO2), 1267 (C-O-C)。
【0037】9−デセニル 4,5−ジメトキシ−2−
ニトロベンジルエーテルの合成 500mlナスフラスコに4,5−ジメトキシ−2−ニ
トロベンズアルデヒドのヒドラゾン4.33g(19.
2mmol)、回転子、ドライ塩化メチレン300ml
を加え撹拌した。均一溶液になったら、二酸化マンガン
13.9g(158.7mmol)を少しずつ加えた。
室温で10分程撹拌した後、二酸化マンガンをろ過によ
り除去した。0.1M炭酸水素ナトリウム水溶液(50
mlx2)で洗浄し、有機相を無水硫酸マグネシウムで
乾燥した(溶液A)。一方、氷浴上で500mlナスフ
ラスコに9−デセン−1−オール3.8g(24.6m
mol)、回転子を加えHClO4(70%)10滴を
加えた。溶液Aをろ過して無水硫酸マグネシウムを除去
した。200ml滴下ロートに溶液Aを加え、500m
lナスフラスコに45分で滴下した。氷浴を除去し、室
温で一晩撹拌した。飽和炭酸水素ナトリウム水溶液20
ml、蒸留水30mlを加え洗浄した。水相を塩化メチ
レンで抽出し(100mlx2)、有機相を合わせ無水
硫酸マグネシウムで乾燥した。ろ過後濃縮し、粗生成物
を得た。粗生成物を溶出液クロロホルムでシリカゲルカ
ラムクロマトグラフィーを行い、目的物(橙色結晶)
2.85g(8.1mmol)を得た。収量2.85
g、収率42%。Rf値(クロロホルム)0.3。1 HNMR (400MHz, CDCl3/TMS): δ7.71 (s, 1H, Ar),
7,32 (s, 1H, Ar), 5.78-5.84 (m, 1H, -CH=CH2), 4.9
8-5.00 (s, 1H, Jtrans=8Hz, -CH=CH 2), 4.92-4.94 (s,
1H, Jcis=8Hz, -CH=CH 2), 4.89 (s, 2H, Ar-CH 2-O-),
4.00 (s, 3H, -OCH 3) 3.95 (s, 3H, -OCH 3), 3.58-3.61
(t, 2H, -O-CH 2-CH2), 2.01-2.06 (m,2H, -CH 2-CH=C
H2), 1.66-1.69 (m, 2H, -O-CH2-CH 2-), 1.31-1.38 (m,
10H, -CH 2-(CH 2)5-CH2-CH=CH2)。 FT−IR (KBr d
isk): 2925 cm-1 (C-H), 2850 (C-H), 1518 (NO2), 132
3 (NO2), 1272 (C-O-C)。
【0038】4,5−ジメトキシ−2−ニトロベンジル
3−(トリメトキシシリル)プロピルエーテルの合成 30mlナスフラスコを窒素置換し、アリル4,5−ジ
メトキシ−2−ニトロベンジルエーテル1.5g(5.
9mmol)、トリメトキシシラン0.865g(7.
1mmol)、ハイドロゲンヘキサクロロプラチナート
(IV)六水和物(H2PtCl6・6H2O)を極少量加え、3
7℃で30分間撹拌し、その後100℃までバス温を上
げ、2時間で反応を終了した。中圧カラムを用いてシリ
カゲルカラムクロマトグラフィーによる精製を行った。
溶出液としてヘキサン:酢酸エチル:テトラメトキシシ
ラン=100:20:1(体積比)を用い、目的物を0.
95g(2.53mmol)得た。収量0.95g、収
率43%。Rf値(上記溶出液)0.19。1 HNMR (400MHz, CDCl3/TMS): δ7.71 (s, 1H, Ar),
7,33 (s, 1H, Ar),4.90 (s, 2H, Ar-CH 2-O-), 3.95-4.
00 (s, 6H, Ar-OCH 3), 3.58-3.63 (s, 2H, -O-CH 2-CH
2-), 3.57 (s, 9H, -Si-(OCH 3)3), 1.6-1.8 (m, 2H, -C
H2-CH 2-CH2-), 0.72-0.76 (m, 2H, -CH 2-Si-)。 FT
−IR (NaCl): 2941 cm-1 (C-H), 2843 (C-H), 1520
(NO2), 1328 (NO2), 1275 (C-O-C)。
【0039】4,5−ジメトキシ−2−ニトロベンジル
6−(トリメトキシシリル)ヘキシルエーテルの合成 20mlナスフラスコを窒素置換し、5−ヘキセニル
4,5−ジメトキシ−2−ニトロベンジルエーテル
2.95g(10.0mmol)、トリメトキシシラン
1.47g(12mmol)、ハイドロゲンヘキサクロ
ロプラチナート(IV)六水和物H2PtCl6・6H2Oを極少
量加え、37℃で30分間撹拌し、その後100℃まで
バス温を上げ、2時間で反応を終了した。中圧カラムを
用いてシリカゲルカラムクロマトグラフィーによる精製
を行った。溶出液としてヘキサン:酢酸エチル:テトラ
メトキシシラン=100:20:1(体積比)を用い、目
的物を1.4g(3.35mmol)得た。収量1.4
g、収率34%。Rf値(上記溶出液)0.1。1 HNMR (400MHz, CDCl3/TMS): δ7.71 (s, 1H, Ar),
7,31 (s, 1H, Ar), 4.89 (s, 2H, Ar-CH 2-O-), 3.96-
3.99 (s, 6H, Ar-OCH 3) 3.58-3.61 (s, 2H, -O-CH 2-CH2
-), 3.57 (s, 9H, -Si(OCH 3)3), 1.4-1.7 (m, 8H, -CH2
-(CH 2)4-CH2-),0.63-0.67 (m, 2H, -CH 2-Si-)。 FT
−IR (NaCl): 2936 cm-1 (C-H), 2843(C-H), 1520 (N
O2), 1328 (NO2), 1276 (C-O-C)。
【0040】4,5−ジメトキシ−2−ニトロベンジル
10−(トリメトキシシリル)デシルエーテルの合成 30mlナスフラスコを窒素置換し、アリル4,5−ジ
メトキシ−2−ニトロベンジルエーテル2.0g(5.
7mmol)、トリメトキシシラン0.84g(6.9
mmol)、ハイドロゲンヘキサクロロプラチナート
(IV)六水和物H2PtCl6・6H2Oを極少量加え、37℃
で30分間撹拌し、その後100℃までバス温を上げ、
2時間で反応を終了した。中圧カラムを用いてシリカゲ
ルカラムクロマトグラフィーによる精製を行った。溶出
液としてヘキサン:酢酸エチル:テトラメトキシシラン
=100:20:1(体積比)を用い、目的物を1.5g
(3.2mmol)得た。収量1.5g、収率56%。
f値(上記溶出液)0.29。1 HNMR (400MHz, CDCl3/TMS): δ7.71 (s, 1H, Ar),
7,32 (s, 1H, Ar), 4.90 (s, 2H, Ar-CH 2-O-), 3.95-
4.00 (s, 6H, Ar-OCH 3) 3.58-3.61 (s, 2H, -O-CH 2-CH2
-), 3.57 (s, 9H, -Si-(OCH 3)3), 1.65-1.72 (m, 2H, -
CH2-CH 2-CH2-),0.62-0.66 (m, 2H, -CH 2-Si-)。 FT
−IR (NaCl): 2928 cm-1 (C-H), 2849(C-H), 1518 (N
O2), 1329 (NO2), 1274 (C-O-C)。
【0041】[合成例2]3,4−メチレンジオキシ−6−ニトロベンズアルデヒ
ドのヒドラゾンの合成 100mlナスフラスコに、3,4−メチレンジオキシ
−6−ニトロベンズアルデヒド0.98g(5.0mm
ol)、ヒドラジン一水和物0.61g(12.2mm
ol)、エタノール40ml、回転子を加え3時間還流
した。50℃程で結晶が析出し回転子が回らなくなる
が、温度上昇するにつれ一部溶けた。反応溶液を室温に
戻し、析出結晶を自然ろ過した。得られた黄色結晶をエ
タノールで軽く洗い、真空乾燥すると目的物0.92g
(4.4mmol)を得た。収量0.92g、収率88
%。Rf値(クロロホルム)0.3。1 HNMR (400MHz, CDCl3/TMS): δ8.32 (s, 1H, -C
H), 7.48 (s, 1H, Ar),7.45 (s, 1H, Ar), 6.11 (s, 2
H, -CH 2-), 5.81 (br, 2H, -NH 2)。FT−IR (KBr di
sk): 3421 cm-1 (NH2), 1514 (NO2), 1336 (NO2), 1268
(C-O-C)。
【0042】アリル 3,4−メチレンジオキシ−6−
ニトロベンジルエーテルの合成 100mlナスフラスコに、アリル 3,4−メチレン
ジオキシ−6−ニトロベンズアルデヒドのヒドラゾン
1.04g(5.0mmol)、ドライ塩化メチレン
70mlを加え、10分ほど室温攪拌を行った。次に、
二酸化マンガン3.52g(40.5mmol)を加え同
様に攪拌した。ろ過後、0.1M炭酸水素ナトリウム水
溶液(50ml×2)で洗浄し、有機相を無水硫酸マグ
ネシウムで乾燥した(溶液A)。一方、氷浴上で300
mlナスフラスコにアリルアルコール0.37g(6.
4mmol)、回転子を加えHClO4(70%)3滴を
加えた。溶液Aをろ過して無水硫酸マグネシウムを除去
した。200ml滴下ロートに溶液Aを加え、300m
lナスフラスコに45分間で滴下した。氷浴を除去し、
室温で一晩攪拌した。飽和炭酸水素ナトリウム水溶液2
0ml、蒸留水30mlを加え洗浄した。水相を塩化メ
チレンで抽出し(100ml×2)、有機相を合わせ無
水硫酸マグネシウムで乾燥した。ろ過後濃縮し、粗生成
物を得た。粗生成物を溶出液クロロホルムでシリカゲル
カラムクロマトグラフィーを行い、目的物(黄白色)
0.4g(1.69mmol)を得た。収量0.4g、
収率34%。Rf値(クロロホルム)0.5。1 HNMR (400MHz, CDCl3/TMS): δ7.62 (s, 1H, Ar),
7.30 (s, 1H, Ar), 6.12 (s, 2H, -O-CH 2-O-), 5.92-
6.02 (m, 1H,-CH=CH2-), 5.33 (m, 1H, Jtrans=18Hz,-C
H=CH 2), 5.35 (m, 1H, Jcis=10Hz, -CH=CH 2), 4.86 (s,
2H, Ar-CH 2-O-), 4.13 (dt, J=1.2Hz, 4Hz, 2H, CH 2-C
H=CH2)。FT−IR (KBr disk): 2917 cm-1 (C-H), 28
70 (C-H), 1512 (NO2), 1316 (NO2), 1258 (C-O-C)。
【0043】4,5−メチレンジオキシ−2−ニトロベ
ンジル 3−(トリメトキシシリル)プロピルエーテル
の合成 10mlナスフラスコを窒素置換し、アリル 3,4−
メチレンジオキシ−6−ニトロベンジルエーテル 1.
0g(4.2mmol)、トリメトキシシラン0.61
6g(5mmol)、ハイドロゲンヘキサクロロプラチ
ナート(IV)六水和物(H2PtCl6・6H2O)を極少量加
え、37℃で30分間撹拌し、その後100℃までバス
温を上げ、2時間で反応を終了した。中圧カラムを用い
てシリカゲルカラムクロマトグラフィーによる精製を行
った。溶出液としてヘキサン:酢酸エチル:テトラメト
キシシラン=100:20:1(体積比)を用い、目的物
を0.80g(2.2mmol)得た。収量0.80
g、収率52%。Rf値(上記溶出液)0.1。1 HNMR (400MHz, CDCl3/TMS): δ7.61 (s, 1H, Ar),
7.29 (s, 1H, Ar),6.14 (s, 2H, −O-CH 2-O-), 4.83
(s, 2H, Ar-CH 2-O-), 3.51-3.65 (m, 2H, -O-CH 2-CH
2-), 3.58 (s, 9H, Si-(OCH 3)3), 1.75-1.83 (m, 2H, -
CH2-CH 2-CH2-), 0.70-0.77 (m, 2H, -CH 2-Si-)。FT−
IR (NaCl): 2941 cm-1 (C-H), 2842 (C-H), 1522 (NO
2), 1324 (NO2), 1260 (C-O-C)。
【0044】4,5−メチレンジオキシ−2−ニトロベ
ンジル 3−(トリエトキシシリル)プロピルエーテル
の合成 10mlナスフラスコを窒素置換し、アリル 3,4−
メチレンジオキシ−6−ニトロベンジルエーテル1.0
g(4.2mmol)、トリエトキシシラン0.828
g(5mmol)、ハイドロゲンヘキサクロロプラチナ
ート(IV)六水和物(H2PtCl6・6H2O)を極少量加
え、37℃で30分間撹拌し、その後100℃までバス
温を上げ、2時間で反応を終了した。中圧カラムを用い
てシリカゲルカラムクロマトグラフィーによる精製を行
った。溶出液としてヘキサン:酢酸エチル:テトラメト
キシシラン=100:10:1.1(体積比)を用い、目
的物を0.42g(0.87mmol)得た。収量0.
42g、収率21%。Rf値(上記溶出液)0.1。1 HNMR (400MHz, CDCl3/TMS): δ7.62 (s, 1H, Ar),
7.29 (s, 1H, Ar),6.11 (s, 2H, −O-CH 2-O-), 4.83
(s, 2H, Ar-CH 2-O-), 3.84 (q, 6H, Si-(O-CH 2CH3)3),
3.56 (t, 2H, -O-CH 2-CH2-), 1.77-1.83 (m, 2H, -CH2-
CH 2-CH2-), 1.24 (t, 9H, Si-(O-CH2CH 3)3), 0.68-0.73
(m, 2H, -CH 2-Si-)。FT−IR (NaCl): 2975 cm-1
(C-H), 2886 (C-H), 1523 (NO2), 1324 (NO2), 1260 (C
-O-C)。
【0045】[合成例3]4,5−ジメトキシ−2−ニトロベンジル 3−(トリ
エトキシシリル)プロピルエーテルの合成 10mlナスフラスコを窒素置換し、アリル 4,5−
ジメトキシ−2−ニトロベンジルエーテル1.06g
(4.2mmol)、トリエトキシシラン0.828g
(5mmol)、ハイドロゲンヘキサクロロプラチナー
ト(IV)六水和物(H2PtCl6・6H2O)を極少量加え、
37℃で30分間撹拌し、その後100℃までバス温を
上げ、2時間で反応を終了した。中圧カラムを用いてシ
リカゲルカラムクロマトグラフィーによる精製を行っ
た。溶出液としてヘキサン:酢酸エチル:テトラメトキ
シシラン=100:10:1.1(体積比)を用い、目的
物を0.84g(2.0mmol)得た。収量0.84
g、収率50%。Rf値(上記溶出液)0.1。1 HNMR (400MHz, CDCl3/TMS): δ7.71 (s, 1H, Ar),
7.33 (s, 1H, Ar), 4.90 (s, 2H, Ar-CH 2-O-), 3.99
(s, 3H, Ar-OCH 3),3.95 (s, 3H, Ar-OCH 3), 3.83 (q, 6
H, Si-(O-CH 2CH3)3), 3.56 (t, 2H, -O-CH 2-CH2-), 1.7
7-1.85 (m, 2H,-CH2-CH 2-CH2-), 1.23 (t, 9H, Si-(O-C
H2CH 3)3), 0.69-0.74 (m, 2H, -CH 2-Si-)。FT−IR
(NaCl): 2974 cm-1 (C-H), 2930 (C-H), 1521 (NO2), 1
328 (NO2), 1276 (C-O-C)。
【0046】[合成例4]4,5−ジメトキシ−2−ニトロベンジルアルコールの
合成 300mlナスフラスコに、アリル 4,5−ジメトキ
シ−2−ニトロベンズアルデヒド2.48g(11.7
mmol)、メタノール150mlを加え溶解させた。
これに、氷浴上でNaBH41.37g(36.2mmo
l)を少しずつ加えた後、室温で2.5時間攪拌した。
濃縮後、水75mlを加え、縣濁液を室温で30分間攪
拌した。クロロホルムで抽出し、有機相を無水硫酸マグ
ネシウムで乾燥、ろ過、濃縮した。これに、エタノール
50mlを加え超音波で溶かし吸引ろ過した(数回)。
真空乾燥し、黄色結晶2.32g(10.9mmol)を
得た。収量2.32g、収率93%。Rf値(ヘキサ
ン:酢酸エチル=2:1)0.7。1 HNMR (90MHz, CDCl3/TMS): δ7.7 (s, 1H, Ar),
7.2 (s, 1H, Ar), 4.90 (s, 2H, Ar-CH 2-O-), 4.0 (s,
3H, Ar-OCH 3),3.96 (s, 3H, Ar-OCH 3), 2.4-2.6 (m, 1
H, OH)。FT−IR (KBr): 3497 (OH) cm-1 1515 (N
O2) cm-1
【0047】4−ペンテン酸1−(4,5−ジメトキシ
−2−ニトロフェニル)メチルの合成 100mlナスフラスコに、WSC・HCl 3.06
g(16.0mmol)、ドライTHF20mlを入
れ、滴下ロートに4,5−ジメトキシ−2−ニトロベン
ジルアルコール2.13g(9.99mmol)、4−
ペンテン酸1.22g(12.2mmol)、DMAP
1.50g(12.3mmol)、ドライTHF10m
lを加え、窒素雰囲気下、氷浴上で滴下し、一晩攪拌し
濃縮した。これに、水50ml、2M HCl6mlを
入れ、30分程攪拌した。クロロホルムで抽出し、濃縮
した。その後、水25ml、5%炭酸水素ナトリウム水
溶液20mlを入れ、30分程攪拌した。酢酸エチルで
抽出し、無水硫酸マグネシウムで乾燥、ろ過し、濃縮し
た。真空乾燥し、黄色結晶2.80g(9.48mmo
l)を得た。収量2.80g、収率95%。Rf値(クロ
ロホルム)0.6。1 HNMR (400MHz, CDCl3/TMS): δ7.72 (s, 1H, A
r), 6.99 (s, 1H, Ar), 5.81-5.88 (m, 1H, -CH=CH2),
5.52 (s, 2H, Ar-CH 2-O-), 5.01-5.10 (m, 2H,-CH=C
H 2), 3.98 (s, 3H, Ar-OCH 3),3.96 (s, 3H, Ar-OCH 3),
2.42-2.55 (m, 4H, -CH2-CH2-)。
【0048】5−(トリメトキシシリル)−ペンタン酸
1−(4,5−ジメトキシ−2−ニトロフェニル)メ
チルの合成 20mlナスフラスコを窒素置換し、4−ペンテン酸1
−(4,5−ジメトキシ−2−ニトロフェニル)メチル
2.0g(6.7mmol)、トリメトキシシラン
5.54g(45.3mmol)、ハイドロゲンヘキサ
クロロプラチナート(IV)六水和物(H2PtCl6・6H
2O)を極少量加え、37℃で30分間撹拌し、その後1
00℃までバス温を上げ、2時間で反応を終了した。中
圧カラムを用いてシリカゲルカラムクロマトグラフィー
による精製を行った。溶出液としてヘキサン:酢酸エチ
ル:テトラメトキシシラン=200:100:3(体積
比)を用い、目的物を0.93g(2.23mmol)
得た。収量0.93g、収率33%。Rf値(上記溶出
液)0.2。1 HNMR (400MHz, CDCl3/TMS): δ7.72 (s, 1H, Ar),
7.00 (s, 1H, Ar),5.51 (s, 2H, Ar-CH 2-O-), 3.99
(s, 3H, Ar-OCH 3), 3.96 (s, 3H, Ar-OCH 3), 3.57 (s,
9H, Si-(OCH 3)3), 2.41-2.45 (t, 2H, J=15Hz, -CO-CH 2
-), 1.69-1.76(m, 2H, -CO-CH2-CH 2-), 1.44-1.52 (m,
2H, -CH2-CH 2-CH2-), 0.64-0.68 (m, 2H, -CH 2-Si-)。
FT−IR (NaCl): 1523 (NO2), 1278 (NO2), 1740 cm
-1 (C=O)
【0049】[合成例5]1−(2−ニトロフェニル)エタノールの合成 500mlナスフラスコに2−ニトロアセトフェノン1
5.0g(91.0mmol)、メタノール250mlを入
れ氷浴中で撹拌しながら、水素化ホウ素ナトリウム1
0.4g(274mmol)を少しずつ加えた。そのまま氷
浴中で30分間撹拌し、室温で2時間撹拌した。これを
エバポレーターで濃縮し、水200mlを加え30分撹
拌した後、クロロホルム(200ml×5)で抽出し、
クロロホルム相を無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、
エバポレーターで濃縮し、減圧蒸留(90℃/0.5mm
Hg)により黄色粘性液体13.9g(83.2mmol)を
得た。収率91%。1 HNMR (90 MHz, CDCl3/TMS): δ7.3-7.9 (m, 4H, A
r), 5.4 (m, 1H, メチン), 2.4(d, 1H, ヒドロキシル),
1.6 (d, 3H, メチル)。 IR (NaCl): 3375cm-1 (O
H), 1524 (NO2), 1349 (NO2)。
【0050】4−ペンテン酸 1−(2−ニトロフェニ
ル)エチルの合成 窒素置換した100mlナスフラスコに1−(2−ニト
ロフェニル)エタノール11.8g(70.4mmol)、
4−ペンテン酸7.74g(77.3mmol)、DMAP
9.40g(76.9mmol)、無水THF10mlを入
れ、これをWSC・HCl14.8g(76.9mmo
l)、無水THF100mlの混合溶液に窒素気流下、
氷浴中で滴下した。薄層クロマトグラフィー(TLC)
で反応を確認しながら、室温で2日撹拌した。これをエ
バポレーターで濃縮し、水100mlと2N塩酸20m
lを入れ撹拌し、ヘキサン(200ml×5)で抽出
し、ヘキサン相をエバポレーターで濃縮した。これに水
100ml、5%炭酸水素ナトリウム100mlを入れ
撹拌し、酢酸エチル(200ml×3)で抽出し、酢酸
エチル相を無水硫酸マグネシウムで乾燥した。これをエ
バポレーターで濃縮し、湯せん(〜50℃)しながら真
空乾燥を2時間行い、黄色の油状液体16.4g(6
5.9mmol)を得た。収率94%。1 HNMR (90 MHz, CDCl3/TMS): δ7.3-8.0 (m,4H, A
r), 6.3 (q, 1H, メチン)、5.7-5.9 (m, 1H, メチン)、
4.9-5.1 (dd, 2H, メチレン)、2.4(s, 4H, メチレン),
1.6 (d, 3H, メチル)。 IR (NaCl): 1737 cm-1 (C=
O), 1527 (NO2), 1351 (NO2)。 EA(元素分析): C
16H25N17に対する理論値 C 62.24, H6.07, N 5.62;
実測値 C 62.60, H 6.15, N 5.42。
【0051】10−ウンデセン酸 1−(2−ニトロフ
ェニル)エチルの合成 窒素置換した100mlナスフラスコに10−ウンデセ
ン酸クロライド10.0g(49.4mmol)、無水TH
F20mlを入れ、これに1−(2−ニトロフェニル)
エタノール8.01g(47.9mmol)、DMAP6.
05g(49.5mmol)、無水THF40mlの混合溶
液を窒素気流下、氷浴中で滴下した。氷浴中で1時間、
室温で21時間撹拌しTLCで1−(2−ニトロフェニ
ル)エタノールのスポットがなくなったことを確認し
た。これをエバポレーターで濃縮し、水90mlと2N
塩酸10mlを入れ撹拌し、ヘキサン(100ml×
3)で抽出し、ヘキサン相をエバポレーターで濃縮し
た。これに水50ml、5%炭酸水素ナトリウム50m
lを入れ撹拌し、ヘキサン(100ml×3)で抽出し
た。無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、エバポレータ
ーで濃縮し、湯せん(〜50℃)しながら真空乾燥を2
時間行い、黄色の油状液体15.5g(46.5mmol)
を得た。収率97%。1 HNMR (90 MHz, CDCl3/TMS): δ7.3-8.0 (m, 4H, A
r), 6.3 (q, 1H, メチン), 5.6-6.0 (m, 1H, メチン),
4.9-5.1 (dd, 2H, メチレン), 2.3 (t, 2H, メチレン),
2.0 (m, 2H, メチレン), 1.6 (d, 3H, メチル), 1.6
(m,2H, メチレン), 1.4 (m, 2H, メチレン), 1.3 (s, 8
H, メチレン)。 IR (NaCl): 1739 cm- 1 (C=O), 1528
(NO2), 1351 (NO2)。
【0052】5−(クロロジメチルシリル)ペンタン酸
1−(2−ニトロフェニル)エチルの合成 窒素置換した10mlナスフラスコに4−ペンテン酸1
−(2−ニトロフェニル)エチル2.03g(8.14
mmol)とクロロジメチルシラン1.24g(13.1mm
ol)と極少量のH2PtCl6・6H2Oを入れ、窒素気流下で2
時間撹拌した。その後、減圧蒸留を行い精製した。沸点
156〜170℃/0.25mmHg、収量2.22g
(6.46mmol)、収率79%。1 HNMR (90 MHz, CDCl3/TMS): δ7.4-8.0 (m,4H, A
r), 6.3 (q, 1H, メチン), 2.3(t, 2H, メチレン), 1.6
(d, 3H, メチル), 1.2-1.5 (m, 4H, メチレン), 0.9
(t, 2H, メチレン), 0.4 (s, 6H, メチル)。 IR (Na
Cl): 1738 cm-1(C=O), 1528 (NO2), 1350 (NO2)。 E
A: C15H22N14に対する理論値 C 52.39, H 6.45, N
4.07; 実測値 C 52.09, H 6.43, N 3.94。
【0053】5−(トリクロロシリル)ペンタン酸 1
−(2−ニトロフェニル)エチルの合成 窒素置換した10mlナスフラスコに4−ペンテン酸1
−(2−ニトロフェニル)エチル2.60g(10.4
mmol)とトリクロロシラン1.71g(12.6mmol)
と極少量のH2PtCl6・6H2Oを入れ、窒素気流下で1時間
撹拌した。その後、減圧蒸留を行い精製した。沸点14
0〜165℃/0.3mmHg、収量3.41g(8.27
mmol)、収率79%。1 HNMR (90 MHz, CDCl3/TMS): δ7.4-8.0 (m, 4H, A
r), 6.3 (q, 1H, メチン), 2.4(t, 2H, メチレン), 1.6
(d, 3H, メチル), 1.5-1.8 (m, 4H, メチレン), 1.4
(t, 2H, メチレン)。 IR (NaCl): 1738 cm-1 (C=O),
1528 (NO2), 1351 (NO2)。 EA: C13H16N14に対
する理論値 C 40.59, H 4.19, N 3.64; 実測値 C 40.1
7, H 4.01, N 3.49。
【0054】4−ペンテン酸クロリドの合成 100mlナスフラスコに、4−ペンテン酸3.76g
(37.6mmol)、塩化チオニル4.00ml(55.
6mmol)を入れ、窒素気流下で3.5時間還流した。蒸
留(b.p.118℃)により精製し、無色の液体3.42
g(28.9mmol)を得た。収率77%。1 HNMR (90 MHz, CDCl3/TMS): δ5.6-6.0 (m, 1H,
メチン), 5.1 (dd, 2H,メチレン), 3.0 (t, 2H, メチレ
ン), 2.5 (q, 2H, メチレン)。
【0055】4−ペンテン酸 1−(2−ニトロフェニ
ル)エチルの合成(酸化クロリド経由) 窒素置換した100mlナスフラスコに1−(2−ニト
ロフェニル)エタノール3.30g(19.7mmol)、
無水THF10ml、DMAP2.47g(20.2mm
ol)を入れた。これに4−ペンテン酸クロリド2.03
g(20.3mmol)、無水THF15mlを氷浴中で滴
下した。薄層クロマトグラフィー(TLC)で反応を確
認しながら室温で7日間撹拌した。これをエバポレータ
ーで濃縮し、水100mlを加え30分間撹拌し、酢酸
エチル(100ml×5回)で抽出し、酢酸エチル相を
エバポレーターで濃縮した。5%炭酸水素ナトリウム1
00mlで洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ濃
縮し、シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸
エチル=6:1)で精製し黄色液体3.14g(12.
6mmol)を得た。Rf=0.45、収率64%。1 HNMR (90 MHz, CDCl3/TMS): δ7.3-8.0 (m, 4H, A
r), 6.3 (q, 1H, メチン), 5.7-5.8 (m, 1H, メチン),
5.0 (dd, 2H, メチレン), 2.4-2.6 (m, 4H,メチレン),
1.6 (d, 3H, メチル)。
【0056】[合成例6]アリル 2−ニトロベンジルエーテルの合成 窒素置換したナスフラスコ中で60%水素化ナトリウム
(50.0mmol)を無水ヘキサンで洗浄し油分を取り除
いた。氷浴中、窒素気流下でアリルアルコールを滴下
し、さらにアリルアルコールに溶解した2−ニトロベン
ジルブロミド(32.4mmol)の溶液を滴下し、室温で
一晩撹拌した。アリルアルコールは合計で1860mmol
用いた。エバポレーターで濃縮し、2規定の塩酸で洗浄
し、クロロホルムで抽出し、クロロホルム相を無水硫酸
マグネシウムで乾燥し、濃縮した。減圧蒸留により精製
を行った。沸点72℃/0.2mmHg、収量21.2mmo
l、収率66%。1 HNMR (400 MHz, CDCl3/TMS): δ7.4-8.1 (m, 4H,
Ar), 5.9-6.0 (m, 1H,メチン), 5.2-5.4 (dd, 2H, メチ
レン), 4.9 (s, 2H, メチレン), 4.1 (d, 2H,メチレ
ン)。 IR (NaCl): 1526 cm-1 (NO2), 1344 (NO2)。
EA: C10H11N13に対する理論値 C 62.17, H 5.74,
N 7.25; 実測値 C 61.63, H 5.63, N 7.27。
【0057】5−ヘキセニル 2−ニトロベンジルエー
テルの合成 5−ヘキセン−1−オール(138mmol)、2−ニトロ
ベンジルブロミド(5.0mmol)、60%水素化ナトリ
ウム(7.7mmol)を使用し、アリル2−ニトロベンジ
ルエーテルの合成と同様の方法で、5−ヘキセニル2−
ニトロベンジルエーテルを合成した。なお、過剰なアル
コールを減圧留去により取り除きシリカゲルクロマトグ
ラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=10:1)による精
製を行った。Rf値0.46、収量3.2mmol、収率6
4%。1 HNMR (400 MHz, CDCl3/TMS): δ7.4-8.1 (m, 4H,
Ar), 5.8-5.9 (m, 1H,メチン), 5.0-5.1 (dd, 2H, メチ
レン), 4.9 (s, 2H, メチレン), 3.6 (t, 2H,メチレ
ン), 2.1 (m, 2H, メチレン), 1.7 (m, 2H, メチレン),
1.5 (m, 2H, メチレン)。 IR (NaCl): 1526 cm-1
(NO2), 1344 (NO2), 1112 (COC)。
【0058】9−デセニル 2−ニトロベンジルエーテ
ルの合成 9−デセン−1−オール(861mmol)、2−ニトロベ
ンジルブロミド(32.4mmol)、60%水素化ナトリ
ウム(50.0mmol)を使用し、アリル2−ニトロベン
ジルエーテルの合成と同様の方法で、9−デセニル2−
ニトロベンジルエーテルを合成した。なお、過剰なアル
コールを減圧留去により取り除きシリカゲルクロマトグ
ラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=8:2)による精製
を行った。Rf値0.42、収量11.2mmol、収率3
4%。1 HNMR (90 MHz, CDCl3/TMS): δ7.4-8.1 (m, 4H, A
r), 5.7-5.9 (m, 1H,メチン), 5.0-5.1 (dd, 2H, メチ
レン), 4.9 (s, 2H, メチレン), 3.6 (t, 2H,メチレ
ン), 1.5-2.1 (m, 14H, メチレン)。
【0059】2−ニトロアセトフェノンのヒドラゾンの
合成 J.W. Walkerらの方法に従って合成した。200mlナ
スフラスコに2−ニトロアセトフェノン5.0g(30
mmol)、ヒドラジン一水和物3.4g(69mmol)、氷
酢酸2.0ml(35mmol)、エタノール60mlをい
れ、3時間還流した。エバポレーターで濃縮し、水30
mlを加えた後、クロロホルム(30ml×4)で抽出
し、水(30ml×3)で洗浄した。クロロホルム相を
無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、エバポレーターで
濃縮し、減圧蒸留により黄色油状の2−ニトロアセトフ
ェノンのヒドラゾン4.3g(24mmol)を得た。収率
78%。1 HNMR (400 MHz, CDCl3/TMS): δ7.3-8.2 (m, 4H,
Ar), 5.4及び4.8 (3.3:1, br, 2H, アミン), 2.2及び2.
1(3.3:1, s, 3H, メチル)。IR (NaCl): 1525 cm-1
(NO2), 1349 (NO2)。
【0060】1−(2−ニトロフェニル)ジアゾメタン
の合成 J.W. Walkerらの方法に従って合成した。100mlナ
スフラスコに2−ニトロアセトフェノンのヒドラゾン
0.73g(3.1mmol)、クロロホルム40mlをい
れた。ドラフト内で二酸化マンガン2.2g(24mmo
l)をいれ、室温で15分間撹拌した。濾過し二酸化マ
ンガンを取り除いた後、0.1M炭酸水素ナトリウム1
00mlで洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥して、
0.08Mクロロホルム溶液として1−(2−ニトロフ
ェニル)ジアゾメタン約40ml(3.1mmol)を得
た。濃度は、反応が100%進行していると仮定して計
算した。単利はせず、溶液のまま次の反応に用いた。
【0061】5−ヘキセニル 1−(2−ニトロフェニ
ル)エチルエーテルの合成 氷浴中で500mlナスフラスコに5−ヘキセン−1−
オール4.00g(40.0mmol)と70%過塩素酸を
触媒量(10滴)加え撹拌した。1−(2−ニトロフェ
ニル)ジアゾメタン(30.3mmol)の0.2Mクロロ
ホルム溶液150mlを滴下し、室温で一晩撹拌した。
エバポレーターで濃縮した後、シリカゲルカラム(ヘキ
サン:酢酸エチル=8:1)により精製し、真空乾燥し
て5−ヘキセニル1−(2−ニトロフェニル)エチルエ
ーテルを得た。収量3.51g(14.1mmol)、収率
47%。1 HNMR (90 MHz, CDCl3/TMS): δ7.6-7.9 (m, 4H, A
r), 5.6-5.8 (m, 1H,メチン), 4.9 (dd, 2H, メチレ
ン) , 4.9 (q, 1H, メチン), 3.3 (t, 2H, メチレン),
2.0 (q, 2H, メチレン), 1.5 (d, 3H, メチル), 1.2-1.
7 (m, 4H, メチレン)。
【0062】2−ニトロベンジル 3−(トリクロロシ
リル)プロピルエーテルの合成 窒素置換した10mlナスフラスコにアリル2−ニトロ
ベンジルエーテル(8.9mmol)を入れ、トリクロロシ
ラン(9.8mmol)、極少量のH2PtCl6・6H2Oを入れ
た。窒素気流下、室温で15〜30分間撹拌し、その後
80〜100℃で加熱撹拌した。減圧蒸留を行い精製し
た。沸点108℃/0.15mmHg、収量4.3mmol、収
率49%。1 HNMR (400 MHz, CDCl3/TMS): δ7.4-8.1 (m, 4H,
Ar), 4.9 (s, 2H, メチレン), 3.6 (t, 2H, メチレン)
, 2.0 (m, 2H, メチレン) , 1.6 (t, 2H, メチレン)。
IR (NaCl): 1527 cm-1 (NO2), 1343 (NO2)。 E
A:C10H12N13Si1Cl1に対する理論値 C 36.55, H 3.6
8, N 4.26; 実測値 C 36.15, H 3.81, N 3.84。
【0063】2−ニトロベンジル 6−(トリクロロシ
リル)ヘキシルエーテルの合成 5−ヘキセニル2−ニトロベンジルエーテル(5.9mm
ol)とトリクロロシラン(7.1mmol)を使用して、2
−ニトロベンジル3−(トリクロロシリル)プロピルエ
ーテルの合成と同様の方法により2−ニトロベンジル6
−(トリクロロシリル)ヘキシルエーテルを合成した。
沸点145〜150℃/0.2mmHg、収量3.6mmol、
収率65%。1 HNMR (400 MHz, CDCl3/TMS): δ7.4-8.1 (m, 4H,
Ar), 4.9 (s, 2H, メチレン), 3.6 (t, 2H, メチレ
ン), 1.4-1.7 (m, 10H, メチレン)。 IR (NaCl): 15
26 cm-1 (NO2), 1344 (NO2)。 EA: C13H18N13Si1C
l3に対する理論値C 42.12, H 5.65, N 3.75; 実測値 C
42.82, H 5.65, N 3.75。
【0064】2−ニトロベンズアルデヒドのヒドラゾン
の合成 J.W.Walker, G.P.Reid, J.A.McCray and D.R.Trentham,
J. Am. Chem. Soc.,110, 7170 (1988)に報告された方
法、及び J.F.Wooton and D.R.Trentham, "Photochemi
cal Probes in Biochemistry", ed. P.E.Nielsen, Kluw
er Academic Publishers, p.277 (1989)に報告された方
法を参考にして合成した。300mlナスフラスコに2
−ニトロベンズアルデヒド12.1g(80.1mmo
l)、ヒドラジン一水和物8ml(156mmol)、エタ
ノール160mlを入れ3時間還流した。エバポレータ
ーで濃縮し、水100mlを加えた後、クロロホルム
(100ml×4)で抽出し、クロロホルム相を無水硫酸
マグネシウムで乾燥させた後、エバポレーターで濃縮
し、クロロホルム−ヘキサンから再結晶して黄色結晶の
2−ニトロベンズアルデヒドのヒドラゾン10.5g
(63.6mmol)を得た。収率79%。1 HNMR (90 MHz, CDCl3/TMS): δ8.3 (s, 1H, メチ
ン), 7.4-8.1(m, 4H, Ar), 5.9 (br, 2H, アミン)。
【0065】(2−ニトロフェニル)ジアゾメタンの合
J.W.Walker, G.P.Reid, J.A.McCray and D.R.Trentham,
J. Am. Chem. Soc.,110, 7170 (1988)に報告された方
法を参考にして合成した。500mlナスフラスコに2
−ニトロベンズアルデヒドのヒドラゾン7.00g(4
2.4mmol)、無水塩化メチレンを205mlを入れ
た。ドラフト内で二酸化マンガンを27.8g(281
mmol)を入れ、室温で10分間撹拌した。濾過し二酸化
マンガンを除いた後、0.1M炭酸水素ナトリウム20
0mlで洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥して0.
2M塩化メチレン溶液として(2−ニトロフェニル)ジ
アゾメタン約205ml(42.4mmol)を得た。濃度
は、反応が100%進行していると仮定して計算した。
単離はせず、溶液のまま次の反応に用いた。
【0066】(2−ニトロフェニル)ジアゾメタンを用
いた5−ヘキセニル2−ニトロベンジルエーテルの合成 氷浴中で1000mlナスフラスコに5−ヘキセン−1
−オール(55.5mmol)と70%過塩素酸を触媒量
(18滴)加え撹拌した。(2−ニトロフェニル)ジア
ゾメタン(42.4mmol)の0.1〜0.2Mクロロホ
ルム溶液を滴下し、室温で一晩撹拌した。炭酸水素ナト
リウム水溶液で洗浄し、塩化メチレンで抽出し、塩化メ
チレン相を無水硫酸マグネシウムで乾燥させた後、エバ
ポレーターで濃縮した。シリカゲルカラムクロマトグラ
フィー(ヘキサン:酢酸エチル=8:1)により精製
し、真空乾燥して5−ヘキセニル2−ニトロベンジルエ
ーテルを得た。Rf0.42、収量15.3mmol、
収率36%。1 HNMR (400 MHz, CDCl3/TMS): δ7.4-8.1 (m, 4H,
Ar), 5.8-5.9 (m, 1H,メチン), 5.0 (dd, 2H, メチレ
ン), 4.9 (s, 2H, メチレン), 3.6 (t, 2H, メチレン),
2.1 (m, 2H, メチレン), 1.7 (m, 2H, メチレン), 1.5
(m, 2H, メチレン)。 IR (NaCl): 1526 cm-1 (N
O2), 1344 (NO2), 1112 (COC)。 EA:C13H17N13
対する理論値 C 66.36, H 7.28, N 5.95; 実測値 C 66.
16, H 7.35, N 5.78。
【0067】(2−ニトロフェニル)ジアゾメタンを用
いた9−デセニル 2−ニトロベンジルエーテルの合成 9−デセン−1−オール(24.6mmol)、70%過塩
素酸2滴、(2−ニトロフェニル)ジアゾメタン(1
2.5mmol)を使用し、(2−ニトロフェニル)ジアゾ
メタンを用いた5−ヘキセニル2−ニトロベンジルエー
テルの合成と同様な方法を行い、シリカゲルカラムクロ
マトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=8:2)によ
り精製し、真空乾燥して9−デセニル2−ニトロベンジ
ルエーテルを合成した。Rf0.42、収量1.8mm
ol、収率15%。1 HNMR (400 MHz, CDCl3/TMS): δ7.4-8.1 (m, 4H,
Ar), 5.7-5.9 (m, 1H,メチン), 4.9-5.0 (dd, 2H, メチ
レン), 4.9 (s, 2H, メチレン), 3.6 (t, 2H,メチレ
ン), 2.0-2.1 (m, 2H, メチレン), 1.6-1.7 (m, 2H, メ
チレン), 1.3-1.4 (m, 10H, メチレン)。 IR (NaC
l): 1527 cm-1 (NO2), 1343 (NO2)。 EA: C17H25N1
3に対する理論値 C 70.07, H 8.65, N 4.81; 実測値
C 69.02, H8.58, N 4.57。
【0068】[応用例1]シランカップリング剤(一般式(2))のアルカリ可溶性
樹脂への導入 ビニルフェノールとスチレンの共重合体であるCST−
70(丸善石油化学社製)(2.0g)、CST−15
(丸善石油化学社製)(2.0g)、シランカップリン
グ剤として、4,5−ジメトキシ−2−ニトロベンジル
6−(トリメトキシシリル)ヘキシルエーテル(0.
35g)、ベンゼン(20ml)を70℃で一時間加熱
した。ベンゼン濃縮後、PSF2803(群栄化学工業
社製)(5.0g)、PSF2807(群栄化学工業社
製)(3.0g)、オイルブルー613(0.1g)、
MEK(160ml)を加え、室温撹拌した。ろ過後、
親水化処理したアルミ板に回転塗布し、その後70℃で
一時間乾燥機で乾燥させた。露光には超高圧水銀ランプ
(500W)を用いて、365nm、100mW/cm
2の条件で約5〜10秒間程照射した。その後、アルカ
リ現像液にて現像をし、ポジ型の画像を得た。
【0069】これにより、従来のような光酸発生剤を必
要とせず、複雑な合成法も必要としないポジ型の画像を
形成できた。また、酸素阻害も受けず、この感光性組成
物が有機−無機複合体を形成していることから高い耐熱
性も期待される。
【0070】[応用2〜3]4,5‐ジメトキシ−2−ニトロベンジル6−(トリメ
トキシシリル)へキシルエーテルと2−ニトロベンジル
6−(トリメトキシシリル)へキシルエーテルを用いた
シリコンウェハの表面修飾 得られた4,5−ジメトキシ−2−ニトロベンジル6−
(トリメトキシシリル)へキシルエーテルの無水ベンゼ
ン溶液に、シリコンウェハを投入し、窒素雰囲気下で還
流(1時間)又は室温で振動撹拌(30分間)して、表
面修飾を行った。得られた修飾ウェハをクロロホルムで
10分間超音波洗浄し、超高圧水銀灯(500W)を光
源としてパイレックスガラスフィルターを通して光照射
し表面をヒドロキシル基に変換した。接触角計(協和界
面科学社製CA−A)を用い、液滴法(静的接触角)、
JIS R3257:99に基づき、それぞれのウェハ
の接触角を測定し、表面状態の変化を評価すると、光照
射時間10秒でヒドロキシル基への変換を終了したこと
がわかった。光照射の時間と接触角との関係を図1に示
す。2−ニトロベンジル3−(トリメトキシシリル)へ
キシルエーテルを用い、同様にしてシリコンウェハの表
面修飾を行うと、この場合は、変換の終了まで20分程
度を要した。
【0071】[応用例4〜5]5−(トリメトキシシリル)ペンタン酸1−(4,5−
ジメトキシ−2−ニトロフェニル)メチルと5−(トリ
メトキシシリル)ペンタン酸 1−(2−ニトロフェニ
ル)エチルを用いたシリコンウェハの表面修飾 得られた5−(トリメトキシシリル)−ペンタン酸1−
(4,5−ジメトキシ−2−ニトロフェニル)メチルの
無水ベンゼン溶液に、シリコンウェハを投入し、窒素雰
囲気下で還流(1時間)又は室温で振動撹拌(1時間)
して、表面修飾を行った。得られた修飾ウェハをクロロ
ホルムで10分間超音波洗浄し、超高圧水銀灯(500
W)を光源としてパイレックスガラスフィルターを通し
て光照射し表面をカルボキシル基に変換した。接触角計
(協和界面科学社製CA−A)を用い、液滴法(静的接
触角)、JIS R3257:99に基づき、それぞれ
のウェハの接触角を測定し、表面状態の変化を評価する
と、30秒で変換が終了したことがわかった。光照射の
時間と接触角との関係を図2に示す。5−(トリメトキ
シシリル)ペンタン酸 1−(2−ニトロフェニル)エチ
ルを用い、同様にしてシリコンウェハの表面修飾を行う
と、この場合は、変換の終了まで20分程度を要した。
【0072】
【発明の効果】末端にトリメトキシシリル基等を有し、
他の末端にベンゼン核が置換されていてもよいo−ニト
ロベンジルオキシ基を有する化合物であるシランカップ
リング剤は、ヒドロキシル基を有するポリマーに反応で
きることから、多様なポリマーへ容易に導入が可能であ
る。光酸発生剤を使用しない事から、耐酸性ポリマーで
ある必要もない。また、この化合物は光感光性であるた
め、マスクすることにより、特定部位への親水基(ヒド
ロキシル基、カルボキシル基)の導入を可能とする。例
えば、ポジ型の画像を形成できるし、あるいはシリコン
ウェハのような平面上の基板には、マスクをかけて光照
射すれば、特定の部位だけを親水化できる。さらに、酸
素による影響や経時変化もない安定な化合物である。ま
た、化合物が有機−無機複合体より有機ポリマーだけの
物よりも高い耐熱性が充分に期待される。クロロジメチ
ルシリル基、ジクロロメチルシリル基、トリクロロシリ
ル基とクロロ基の数の異なるカップリング剤を選択する
ことにより、材料表面に付着できる面積をコントロール
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】4,5−ジメトキシ−2−ニトロベンジル6−
(トリメトキシシリル)へキシルエーテルについて、照
射時間と接触角の関係を示す。
【図2】5−(トリメトキシシリル)−ペンタン酸1−
(4,5−ジメトキシ−2−ニトロフェニル)メチルに
ついて、照射時間と接触角の関係を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4H049 VN01 VP01 VQ02 VQ12 VQ20 VQ26 VR21 VR22 VR23 VR31 VR32 VR33 VR41 VR42 VR43 VS02 VS25 VS48 VU20 VU22 4J100 AB02Q AB07P BA03P BA75H CA04 CA31 DA39 HA61 HC78 HD08 HE14 HE22 JA38

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(1)で表される化合物。 【化1】 (上式中、G1はO又はCOOを表し、R1とR2は独立
    して水素原子又はメトキシ基を表すが、いずれも水素原
    子であることはなく、R1とR2は結合して環を形成して
    もよく、R3は炭化水素基の側鎖を有してもよいm個の
    メチレン基を表し、ここでmは3以上の整数であり、X
    1はトリメトキシシリル基又はトリエトキシシリル基を
    表す。)
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の化合物とヒドロキシル
    基を有する材料を反応させ、光照射することを特徴する
    材料表面にヒドロキシアルキル基又はカルボキシアルキ
    ル基を有する材料の製造方法。
  3. 【請求項3】 下記一般式(1)及び/又は下記一般式
    (2)で表される化合物をヒドロキシル基含有ポリマー
    と反応させ、光照射することを特徴するヒドロキシアル
    キル基又はカルボキシアルキル基を有するポリマーの製
    造方法。 【化2】 (上式中、G1はO又はCOOを表し、R1とR2は独立
    して水素原子又はメトキシ基を表すが、いずれも水素原
    子であることはなく、R1とR2は結合して環を形成して
    もよく、R3は炭化水素基の側鎖を有してもよいm個の
    メチレン基を表し、ここでmは3以上の整数であり、X
    1はトリメトキシシリル基又はエトキシシリル基を表
    し、G2はO又はCOOを表し、R4は水素原子又は直鎖
    状又は分岐状のアルキル基を表し、R5は炭化水素基の
    側鎖を有してもよいn個のメチレン基を表し、ここでn
    は3以上の整数であり、X2はトリメトキシシリル基と
    トリエトキシシリル基とクロロジメチルシリル基とジク
    ロロメチルシリル基とトリクロロシリル基からなる一群
    から選ばれる。)
JP2002100926A 2002-04-03 2002-04-03 シランカップリング剤 Expired - Fee Related JP4156858B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002100926A JP4156858B2 (ja) 2002-04-03 2002-04-03 シランカップリング剤

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002100926A JP4156858B2 (ja) 2002-04-03 2002-04-03 シランカップリング剤

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2003292496A true JP2003292496A (ja) 2003-10-15
JP2003292496A5 JP2003292496A5 (ja) 2005-08-25
JP4156858B2 JP4156858B2 (ja) 2008-09-24

Family

ID=29241569

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002100926A Expired - Fee Related JP4156858B2 (ja) 2002-04-03 2002-04-03 シランカップリング剤

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4156858B2 (ja)

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005205895A (ja) * 2003-12-26 2005-08-04 Okamoto Kagaku Kogyo Kk 平版印刷版用アルミニウム支持体および平版印刷版用原版
US7112397B2 (en) * 2003-01-07 2006-09-26 Okamoto Chemical Industry Co., Ltd. Image forming composition and photosensitive lithographic plate using same
JP2007131710A (ja) * 2005-11-09 2007-05-31 Lintec Corp 光分解性高分子化合物の製造方法
JP2008013745A (ja) * 2006-06-09 2008-01-24 Canon Inc 感光性化合物、感光性組成物、レジストパターンの形成方法及び基板の加工方法
JP2008111710A (ja) * 2006-10-30 2008-05-15 Japan Science & Technology Agency 表面修飾剤及びそれにより表面修飾された固相の製造方法
US7901866B2 (en) * 2006-10-10 2011-03-08 Canon Kabushiki Kaisha Pattern forming method
JP2015182977A (ja) * 2014-03-25 2015-10-22 信越化学工業株式会社 有機ケイ素化合物及び接着性組成物並びに物品
JP2016210778A (ja) * 2015-05-11 2016-12-15 学校法人神奈川大学 化合物、表面処理剤、及び表面処理方法
US10042256B2 (en) * 2015-09-30 2018-08-07 Samsung Display Co., Ltd. Silane coupling agent and method of manufacturing wire grid pattern using the same

Cited By (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7112397B2 (en) * 2003-01-07 2006-09-26 Okamoto Chemical Industry Co., Ltd. Image forming composition and photosensitive lithographic plate using same
JP2005205895A (ja) * 2003-12-26 2005-08-04 Okamoto Kagaku Kogyo Kk 平版印刷版用アルミニウム支持体および平版印刷版用原版
JP4527509B2 (ja) * 2003-12-26 2010-08-18 岡本化学工業株式会社 平版印刷版用アルミニウム支持体および平版印刷版用原版
JP2007131710A (ja) * 2005-11-09 2007-05-31 Lintec Corp 光分解性高分子化合物の製造方法
JP2008013745A (ja) * 2006-06-09 2008-01-24 Canon Inc 感光性化合物、感光性組成物、レジストパターンの形成方法及び基板の加工方法
US7901866B2 (en) * 2006-10-10 2011-03-08 Canon Kabushiki Kaisha Pattern forming method
JP2008111710A (ja) * 2006-10-30 2008-05-15 Japan Science & Technology Agency 表面修飾剤及びそれにより表面修飾された固相の製造方法
JP2015182977A (ja) * 2014-03-25 2015-10-22 信越化学工業株式会社 有機ケイ素化合物及び接着性組成物並びに物品
JP2016210778A (ja) * 2015-05-11 2016-12-15 学校法人神奈川大学 化合物、表面処理剤、及び表面処理方法
US10042256B2 (en) * 2015-09-30 2018-08-07 Samsung Display Co., Ltd. Silane coupling agent and method of manufacturing wire grid pattern using the same
US10732503B2 (en) 2015-09-30 2020-08-04 Samsung Display Co., Ltd. Silane coupling agent and method of manufacturing wire grid pattern using the same

Also Published As

Publication number Publication date
JP4156858B2 (ja) 2008-09-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4156858B2 (ja) シランカップリング剤
JPH03223294A (ja) 有機官能性アルコキシシランの製法
JP4644339B2 (ja) シランカップリング剤
JP2895296B2 (ja) 3−(ビニルベンジルオキシ)プロピルシラン化合物
JP2004352695A (ja) ビスシリルアミノ基を有するクロロシラン化合物及びその製造方法、並びにビスシリルアミノ基を有するオルガノオキシシラン化合物の製造方法
JPH10139784A (ja) ビニルシリル基含有ケイ素化合物の製造方法
JP2008255062A (ja) 有機ケイ素化合物及びその製造方法並びに光重合性組成物及び無機材料
JP2012246225A (ja) シランカップリング剤
JP4542128B2 (ja) ノルボルナン骨格含有有機ケイ素化合物およびその製造方法
JP2751568B2 (ja) シラン化合物
JP2008239634A (ja) アルコール性水酸基を有する有機ケイ素樹脂及びその製造方法
JP4520497B2 (ja) 放射線重合性官能基含有有機ケイ素化合物およびその製造方法
JPS6313446B2 (ja)
WO2005044828A1 (ja) 環状有機ケイ素化合物の製造方法及びアルコール性水酸基を有するケイ素系樹脂及びその製造方法
JP3571445B2 (ja) シリルエノールエーテルの製造方法
JP3087597B2 (ja) 含ケイ素フェノール化合物
JP2007008859A (ja) ケイ素化合物の製造方法
JP4433563B2 (ja) 有機ケイ素化合物
JPH0317087A (ja) 有機ケイ素化合物
JP4013520B2 (ja) 新規なハロゲノシランおよびアルカリ可溶性樹脂
JP3564530B2 (ja) テトラキス(ジアリールシリル)ベンゼンの製造方法
JP3212122B2 (ja) 新規シラン化合物及びその製造方法
JPH05310757A (ja) シラン化合物及びその製造方法
JPH05255357A (ja) シラン化合物及びその製造方法
JPS6381132A (ja) アルコキシシランの加水分解方法

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20050215

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050215

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080328

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080520

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20080613

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20080710

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110718

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent (=grant) or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120718

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130718

Year of fee payment: 5

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees