JP2003291348A - インクジェット記録ヘッド、および非線形電気素子 - Google Patents

インクジェット記録ヘッド、および非線形電気素子

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JP2003291348A JP2002096257A JP2002096257A JP2003291348A JP 2003291348 A JP2003291348 A JP 2003291348A JP 2002096257 A JP2002096257 A JP 2002096257A JP 2002096257 A JP2002096257 A JP 2002096257A JP 2003291348 A JP2003291348 A JP 2003291348A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 発熱手段の不必要な発熱を抑制し、発熱手段
が過剰に高温になるのを防止する。 【解決手段】 インク供給口8が貫通孔として開口され
た基板6の上面には蓄熱層4が形成されており、さらに
その上に、金属電極2、3となる2つの金属層と、その
間に配置されたPTCサーミスタ層1および電気的バリ
ア層104が積層されている。PTCサーミスタ層1
は、所定の温度Tcを超えると抵抗Rが急激に増加する
正の抵抗温度係数を有するPTCサーミスタから構成さ
れている。温度Tcは、発泡させる液体の発泡温度Tc
よりも少し高い温度、特に250〜490℃に調整する
ことが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インクジェットプ
リンタ、特に、発泡現象を利用したバブルジェット(登
録商標)プリンタなどに応用されるインクジェット記録
ヘッドおよび非線形電気素子に関する。
【0002】
【従来の技術】非線形電流電圧素子技術に関して、ある
温度(キュリー温度)で抵抗値が桁違いに上昇する非線
形特性PTCサーミスタが古くから提案され様々な製品
に応用されている。例えば、特開平5―47457号公
報では正温度係数(PTC)特性を有する有機面状発熱
体が提案されている。また、特開平5―258840号
公報には複数のPTC素子を並列接続したPTC発熱装
置が提案されている。また、特開平4―97927号公
報ではPTCサーミスタ発熱体を用いて、インクの温度
を所要の温度範囲に保つインク噴射装置が開示されてい
る。
【0003】また、非線形電流電圧素子技術に関して、
ある電圧以下では、ほとんど電流が流れず、ある電圧以
上では電流が流れる電流電圧特性(いわゆる、MIM型
電流電圧特性)を持ったMIM素子のバブルジェット記
録ヘッドへの応用が、例えば、特開2001-7149
9号公報、特開2002-046274号公報、特開2
002-046275号公報、特開2002-06732
5号公報、特開2002-067326号公報で提案さ
れている。
【0004】図7は、MIM型電気特性の概念図であ
る。ここで、極性が定まらない非選択電圧によっても非
線形素子が発熱しないように、非線形素子の電流電圧特
性は、正電圧側、負電圧側とも、小さい絶対値の電圧の
印加では、充分に小さな電流しか流れない電流電圧特性
であることが望ましい。そこで、特に、非線形素子の電
流電圧特性は、図7に示すように、所望の発泡を発生さ
せるために電圧を印加した時に流れる電流に相当する絶
対値I0の電流を与える印加電圧+V1と、−V2との絶
対値の比(V1/V2)が0.5〜2の値であり、かつ、
+V1/2、−V2/2の電圧を印加した時に流れる電流
の絶対値がI0/10以下であることが望ましい。
【0005】一方、インクジェット記録ヘッド技術に関
して、バブルジェット記録方式に適用される記録ヘッド
は、一般に、液体を吐出する微細な吐出孔と、吐出孔へ
と液体を導く流路と、流路の一部に設けられた発熱手段
を備えている。バブルジェット記録方式とは、発熱手段
を用いて流路内の液体を局所的に高温にすることにより
液体を発泡させて気泡を発生させ、発泡時に生じる高い
圧力を利用して、液体を微細な吐出孔より押し出し、押
し出した液体を記録紙などに付着させる記録方式であ
る。
【0006】この種の記録技術によって記録される画像
を高精彩化するためには、微小な液滴を高密度に配置さ
れた吐出孔から吐出させる技術が要求される。そのた
め、微細な流路と微細な発熱手段を形成することが基本
的に重要となる。そこで、バブルジェット記録方式で
は、構造の単純性を活かし、フォトリソグラフィ工程技
術を駆使して、吐出孔、流路、発熱体が高密度に配置さ
れた記録ヘッドを作成する方法が提案されている(例え
ば、特開平08−15629号公報参照)。また、微小
な液滴を吐出できるように液滴の吐出量を調整するため
に、端部に比べ中央部の発熱量が大きい発熱体を用いる
ことが提案されている(特開昭62−201254号公
報参照)。
【0007】発熱手段としては、通常、厚さ0.05μ
m程度の窒化タンタル薄膜からなる抵抗発熱体が用いら
れ、これに通電した時のジュール熱で液体を発泡させ
る。このような抵抗発熱体上には、抵抗発熱体の表面が
キャビテーションによって損傷するのを防止するため
に、通常、0.8μm程度のSiNなどの絶縁体を介し
て、厚さ0.2μm程度のTaなどの金属からなる耐キ
ャビテーション層が配置されている。
【0008】上述のようなバブルジェット記録方式の記
録ヘッドにおいて、インク発泡用の抵抗発熱体は、通
常、それ自身の仕上がり抵抗や接続される配線の抵抗に
ある程度のばらつきが生じる。このため、一定の条件で
電圧を印加しても、抵抗による電圧降下にばらつきが生
じることにより、抵抗発熱体によって構成されるヒータ
の発熱量にばらつきが生じる。そこで、このような発熱
量のばらつきによって画像品位に影響が生じるのを回避
するなどの理由により、複数のヒータからなるヒータア
レイを駆動するための駆動電圧は、通常、個々の抵抗発
熱体の、液体に面する面全体で安定して発泡を生じさせ
るのに必要な電圧値よりも高い電圧値、特に、必要電圧
値の1.2倍程度の電圧値に設定されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
ように駆動電圧を高めに設定した場合、平均的なヒータ
では、全面発泡に必要な電圧より過剰な電圧が印加され
るため、原理的に発泡後に不必要な加熱が継続して行わ
れる問題があった。
【0010】具体的には、例えば、1μsのパルスでヒ
ータを駆動する場合、典型的には、6μs程度で発泡
し、発泡後もヒータによる不必要な加熱(過剰な加熱)
継続し、300℃程度の発泡温度に対してヒータ表面
は、典型的には、600〜700℃程度の高温に達し、
条件によっては、さらに高温となるおそれ発生する問題
があった。
【0011】この問題をさらに詳しく述べると、上述し
たような過剰加熱の原理的な継続によって、以下のよう
な問題が発生するおそれがあった。 発泡後も無駄なエネルギーを供給するため、エネルギ
ーの有効利用の点で好ましくないこと。 ヒータ温度の過度な高温化の原理的な原因となるた
め、ヒータ材料の耐熱性を必要以上に高く設計する必要
があること。また、場合によっては、熱的破壊の原因と
なること。及び、急激な温度変化を繰り返し与えること
によって、耐久性能の悪化の原因となるおそれがあっ
た。
【0012】それゆえ、発泡後の過剰な発熱を抑制でき
るバブルジェット用ヒータが実現すれば、省エネ、耐久
性向上、熱的破壊防止の観点から好ましいバブルジェッ
ト用ヘッドを提供できる可能性がある。
【0013】一方、従来のヘッドの多くは発熱素子とダ
イオードやロジック回路部を半導体プロセス(イオン注
入などの方法)でシリコン基板上に同時に作り込むこと
を前提としている。したがって、比較的ノズル数の少な
いヘッドではコンパクトにでき、単一の工程で作製でき
るという利点がある。しかし、例えば紙幅いっぱいの長
さを有するフルマルチヘッドでは、一体的に作ろうとす
れば約305mmという長さが必要で、通常のシリコン
ウェハを使うことが難しく高コストな製法となる恐れが
あった。
【0014】それゆえ、イオン注入法などの従来の半導
体プロセスに頼らないで作成できるMIM素子を用いて
バブルジェット用発熱素子をマトリクス駆動することが
できれば、長尺なインクジェットヘッドを低コストで提
供できる可能性がある。
【0015】また、バブルジェット用の記録ヘッドにお
いては、ヒータ部の抵抗発熱体ではおよそ0.1GW/
2以上の電力密度をMIM素子に直列接続した抵抗素
子やMIM素子自体に供給する必要があり、大電流によ
って、MIM素子自体の破壊を招くおそれがあった。こ
のようなMIM素子自体による電力損失は、液晶ディス
プレイなど従来のMIM素子応用製品のMIM素子で
は、桁違いに小さく、これまで問題となるものではなか
った。すなわち、大電力を扱うバブルジェット用MIM
素子特有の問題と考えられる。
【0016】特に、従来のMIM素子では、電極間の距
離にばらつきがある場合、電流が電極間隔の狭い部分に
集中し、均一な発熱が困難になる恐れがあった。
【0017】図8に、MIM素子による、電極間隔等に
面内ばらつきがある場合についての温度分布の時間変化
の一例を示す。MIM素子において、電極間隔等に面内
ばらつきがある場合には、まず、電流が電極間隔の狭い
部分に集中するため不均一な初期温度分布を生じる。続
いて、高温部の抵抗値が、トンネル電流の抵抗値のNT
C(正の温度係数)特性に起因して低下するため、高温
部がさらに高温状態となって破壊に到るおそれがあっ
た。なお、MIM素子での、絶縁体中の電気伝導機構と
しては、プールフレンケル型伝導のような絶縁体の中で
複数のトンネリングを繰り返すホッピング型の電気伝導
や、ファウラーノルドハイム型伝導のような比較的単純
なトンネル伝導などが知られている。
【0018】また、MIM素子では、トンネル電流に由
来するMIM素子の抵抗値のNTC(負の温度係数)特
性のために、前述のような電流の集中があった場合に、
電流集中部の抵抗がさらに低下することでさらに温度が
上昇し、素子自体が破壊するおそれがあった。
【0019】そこで本発明は、上述の問題点を鑑み、不
用な温度上昇に対して自動的に素子を保護する機能を持
ったMIM型電気特性を持った非線形電気素子を提供す
ることを目的とする。
【0020】また、本発明の別の目的は、省エネでかつ
耐久性が高く、安価な長尺ヘッドを提供できるインクジ
ェット記録ヘッドを提供することを目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
本発明のインクジェット記録ヘッドは、発熱手段によっ
て液体を発泡させ液体を吐出させるインクジェット記録
ヘッドにおいて、前記発熱手段が、1対の電極と、所定
の温度以上で抵抗値が急激に上昇する正の抵抗温度係数
を有する抵抗層と、所定の電圧以上で電流を流す絶縁層
とを有し、前記1対の電極で、前記正の抵抗温度係数を
有する抵抗層と前記絶縁層とを挟持してなる積層体を有
することを特徴とする。
【0022】また、本発明の本発明のインクジェット記
録ヘッドは、絶縁層の厚みが4nm以上、40nm以下
であってもよい。
【0023】また、本発明の本発明のインクジェット記
録ヘッドは、正の抵抗温度係数を有する抵抗層の抵抗値
が急激に上昇する温度が、液体の発泡温度付近であって
もよいし、あるいは250℃以上490℃以下であって
もよい。
【0024】さらに、本発明の本発明のインクジェット
記録ヘッドは、発熱手段が、実質的にMIM素子とPT
Cサーミスタの直列な回路であってもよく、絶縁層が、
電圧印加時に所定の電圧以下では電流を流さず、かつ、
所定の電圧以上で電流を流し、抵抗層が、液体の発泡後
に電流を遮断するものであってもよい。
【0025】また、本発明の本発明のインクジェット記
録ヘッドは、1対の電極と、所定の温度で抵抗値が急激
に上昇する正の抵抗温度係数を有する抵抗層と、所定の
電圧で電流を流す絶縁層と、コンタクトホールが形成さ
れた部材とを有し、コンタクトホールを介して1対の電
極で、正の抵抗温度係数を有する抵抗層と絶縁層が挟持
されているものであってもよい。
【0026】本発明の非線形電気素子は、非線形な抵抗
特性を有する非線形電気素子において、1対の電極と、
所定の温度付近で抵抗値が急激に上昇する正の抵抗温度
係数を有する抵抗層と、所定の電圧で電流を流す絶縁層
を有し、前記1対の電極で、前記正の抵抗温度係数を有
する抵抗層と前記絶縁層とを挟持していることを特徴と
する。
【0027】また、本発明の非線形電気素子は、絶縁層
の厚みが4nm以上、40nm以下であってもよいし、
実質的にMIM素子とPTCサーミスタの直列な回路か
らなる積層構造体であってもよい。
【0028】さらに本発明の非線形電気素子は、1対の
電極と、1対の電極間に挟持された、所定の温度よりも
昇温したときに抵抗値が急激に上昇する正の抵抗温度係
数を有する抵抗発熱体と、1対の電極のうちの一方の電
極を発熱抵抗体に電気的に接続させるためのコンタクト
ホールが形成され、発熱抵抗体を被覆している電気的な
絶縁体と、一方の電極を被覆する電気的な絶縁層とを有
するものであってもよい。
【0029】上述した本発明のインクジェット記録ヘッ
ドは、1対の電極と、所定の温度以上で抵抗値が急激に
上昇する正の抵抗温度係数を有する抵抗層と、所定の電
圧以上の電圧で電流を流す絶縁層を有し、1対の電極
で、正の抵抗温度係数を有する抵抗層と絶縁層を挟持し
てなる積層体を発熱手段としている。つまり、本発明の
インクジェット記録ヘッドの発熱手段は、実質的にMI
M素子とPTCサーミスタの直列な回路となり、電圧印
加時に所定の電圧以下では電流が流れず、所定の電圧以
上で電流が流れ、かつ、液体の発泡後に電流を自動的に
遮断することができるものである。図9に、本発明のイ
ンクジェット記録ヘッドの発熱手段を、MIM素子10
1とPTCサーミスタ100との等価回路として示した
回路図を示す。
【0030】また、図10に示すマトリクス回路図のよ
うに、MIM素子101とPTCサーミスタ100との
直列な回路、すなわち、発熱手段を、X1、X2・・・
の列方向配線と、Y1、Y2・・・の行方向配線とから
なるマトリクス配線の各交点に配置することで、1対の
電極間にある電圧以上の電圧を印加すると電流が流れて
発熱し、発熱手段は液体を加熱し発泡させ、発泡後は、
電圧が印加された状態であっても、PTCサーミスタに
より電流を自動的に遮断し、また、1対の電極間にある
電圧以下の電圧が印加された場合には、電流は流れず発
熱を生じない、バブルジェット方式によるインクジェッ
ト記録ヘッドの、マトリクス駆動が可能なマトリクス回
路を構成することができる。すなわち、本発明のインク
ジェット記録ヘッドは、発泡後は、電圧が印加された状
態であっても電流が自動的に遮断されるため、過剰な発
熱が防止され、余分なエネルギーの消費が抑制されると
同時に、発熱手段の損傷が防止され、発熱手段の耐久性
が向上したものとなっている。
【0031】また、MIM型の電流電圧特性を示す非線
形素子を、上述したようにマトリクス電極の交点に配置
することにより、マトリクス駆動時のバイアス電圧によ
る非選択点での不要な発熱を抑制し、ヒータのマトリク
ス駆動を可能となる。また、マトリクス駆動により、ド
ライバとヒータの分離を容易とし、安価な非Si基板で
の大量生産も可能とできる効果がある。
【0032】また、上述した本発明の非線形電気素子
は、所定の温度よりも昇温したときに抵抗値が急激に上
昇する正の抵抗温度係数を有する抵抗発熱体と、発熱抵
抗体を被覆する電気的な絶縁層を有することで、MIM
素子としての特性を保持しながら、電流集中が発生して
素子温度が局部的に上昇しても、抵抗層の比抵抗が急激
に上昇することで電流集中部への電流を抑制できるた
め、MIM型電流電圧特性の特徴であるオン状態での桁
違いに大きな大電流を安定に扱うことができる。
【0033】また、絶縁層の厚みが4nm以上、40n
m以下であることによって、バブルジェット方式の液体
吐出ユニットのマトリクス駆動に好ましいMIM型電気
特性を与えることができる。
【0034】MIM素子での、絶縁体中の電気伝導機構
としては、プールフレンケル型伝導のような絶縁体の中
で複数のトンネリングを繰り返すホッピング型の電気伝
導や、ファウラーノルドハイム型伝導のような比較的単
純なトンネル伝導などが知られている。
【0035】こうしたトンネル型の電流が流れ、接合素
子に電流が流れるためには、電極間の距離が極めて狭い
必要がある。MIM素子に電流が流れる絶縁体の限界膜
厚、または、限界電極間隔は絶縁材料や電極材料の種類
や伝導機構に大きく依存するが、MIM素子として有為
な電流が流れるためには、例えば、電極間隔を100n
m以下とすることが望ましい。さらに、バブルジェット
記録ヘッドの駆動に必要な大電流を低電圧で得るために
は、好ましくは、電極間隔を40nm以下とすることが
望ましい。また、電極間隔が極端に狭いと電極の金属表
面のイオンが電界放射を起こす恐れがあるため、電極間
隔を1nm以上とすることが望ましい。さらに、安定な
トンネル伝導が生じるトンネル接合を得るためには電極
間隔を4nm以上とすることが望ましい。すなわち、特
に、電極間距離が1nm以上100nm以下であり、よ
り好ましくは、4nm以上40nm以下であるMIM素
子を非線形素子として用いることが好ましい。
【0036】また、前記正の抵抗温度係数を有する抵抗
層の抵抗値が急激に上昇する温度が前記液体の発泡温度
付近であることにより、発泡後に速やかに自動的に電流
が遮断される。また、このような温度は、一般的なイン
クの発泡温度とインクと接する発熱体の表面温度が通常
は発熱体内部の温度よりも低くなる傾向があることを考
慮すると、250℃以上490℃以下であることが好ま
しい。
【0037】このように、本発明により、不用な温度上
昇に対して自動的に素子を保護する機能を有するMIM
型電気特性の非線形電気素子を提供できるとともに、省
エネで、かつ耐久性が高く、安価な長尺のインクジェッ
ト記録ヘッドを提供できる。
【0038】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して説明する。 (第1の実施形態)図1、2は、第1の実施形態のイン
クジェット記録ヘッドの模式図であり、図1は断面図、
図2は平面図である。図1、2は、1つの発泡用ヒータ
部分を示しており、インクジェット記録ヘッド全体は、
図1、2に示す発泡用ヒータ部を複数配置した構成であ
ってよい。
【0039】このインクジェット記録ヘッドは、インク
供給口8が貫通孔として開口された基板6を有してい
る。基板6の上面には蓄熱層4が形成されており、さら
にその上に、金属電極2、3となる2つの金属層と、そ
の間に配置されたPTCサーミスタ層1および電気的バ
リア層104が積層されている。図2に示す例では、2
つの金属電極2、3は互いに交差するストライプ状の平
面形状を有しており、PTCサーミスタ層1および電気
的な絶縁薄膜である電気的バリア層104が2つの金属
電極2、3が交差する位置に配置されている。すなわ
ち、基板6上に金属電極3、PTCサーミスタ層1、電
気的バリア層104、金属電極2の順で積層された発泡
用ヒータが形成されている。
【0040】さらに、基板6上には、流路9と吐出孔5
を形成するノズル形成部材7が配置されている。吐出孔
5は、発泡用ヒータに対向する位置に開口している。ま
た、図1、2には詳細には図示していないが、インク流
路9は、供給口8から発泡用ヒータ上へと通じており、
複数の発泡用ヒータ上へそれぞれ通じる複数のインク流
路9が形成されている。
【0041】このインクジェット記録ヘッドでは、2つ
の金属電極2、3間に駆動用電圧印加源10によって電
圧を印加することによって、PTCサーミスタ層1、金
属電極2、3および電気的バリア層104からなる非線
形電流電圧素子に電流が流れ、ジュール熱が発生する。
このジュール熱によって、流路9内に充填された液体
(インク)が発泡して気泡11を生じ、発泡時の圧力に
よって吐出孔5から吐出液滴12が吐出される。
【0042】駆動用電圧印加源10は、通常、インクジ
ェット記録装置本体に設けられ、電圧は、複数の発泡用
ヒータに所定のタイミングで選択的に印加される。図
1、2では、これらの構成については図示を省略し、模
式的に駆動用電圧印加源10のみを示している。また、
インク供給口8は不図示のインク供給源に接続されてお
り、吐出液滴12が吐出された後、消泡に伴って、液体
がインク供給源からインク供給口8を介して流路9内に
導入され充填される。
【0043】本実施形態において、基板1としては、例
えば、結晶軸<111>、厚さ0.625mmのSi基
板を用いることができ、この場合、Siの異方性エッチ
ングによりインク供給口8を形成することができる。ま
た、電極2、3としては、例えば、厚さ0.2μmの白
金薄膜を用いることができる。蓄熱層4は、厚さ2.7
5μmのSi熱酸化膜を用いることができる。また、ノ
ズル形成材7は、例えば樹脂から形成することができ、
インク供給口8は、Siの異方性エッチングにより形成
することができる。
【0044】本実施形態のインクジェット記録ヘッドで
は、PTCサーミスタ層1としてPTCサーミスタ発熱
体を用いている。PTCサーミスタ発熱体は、その温度
が所定の温度(キュリー点)よりも高くなったときに抵
抗値が急減に上昇する正の抵抗温度係数を有する抵抗発
熱体である。
【0045】図3は、本実施形態におけるPTCサーミ
スタ層1として好適に用いることができるPTCサーミ
スタ発熱体の抵抗値(R)−温度特性を模式的に示すグ
ラフである。同図において、Tbは発泡温度を示してい
る。すなわち、この例では、液体としては、約300℃
で発泡するインクを用いている。一方、TcはPTCサ
ーミスタ発熱体のキュリー点を示している。PTCサー
ミスタ層1として用いるPTCサーミスタ発熱体のキュ
リー点は、発泡温度Tbよりも少し高い温度であること
が好ましく、図3に示す例では、約350℃である。こ
のように、キュリー点は液体の発泡温度に応じて適宜設
定してよいが、インクジェット記録ヘッドの発泡用ヒー
タとして用いるPTCサーミスタのキュリー点は、一般
的なインクの発泡温度を鑑みて、250〜490℃とす
るのが好ましい。
【0046】このようなPTCサーミスタ層1は、例え
ば、チタン酸バリウムに鉛をドープした(Ba0.5Pb
0.5)TiO3の厚さ0.4μmの薄膜によって構成する
ことができる。この場合、このPTCサーミスタ発熱体
の室温での比抵抗は約10Ω・cm、キュリー点は約3
50℃であり、400℃での比抵抗は約1000Ω・c
mである。このPTCサーミスタをPTCサーミスタ層
1として用いて発泡用ヒータを構成し、ヒータとしての
有効サイズを20μm×20μmとした場合、この発泡
用ヒータの常温での素子抵抗は約100Ωであり、40
0℃での素子抵抗は約10kΩである。この発泡用ヒー
タに、例えば、パルス幅約1.0μs、パルス高約10
Vの電圧を印加すると、キュリー点より低温の状態では
0.05Aの電流が流れ、それによって生じるジュール
熱によって液体を加熱発泡させ約15m/sの速度で吐
出液滴12を吐出させることができる。
【0047】また、電気的バリア層であるところの絶縁
薄膜層としては、例えば、SiN薄膜、SiO2薄膜、
金属陽極酸化膜等を使用し、膜厚は1nm以上、100
nm以下とするのが好適であるが、4nm以上、40n
m以下がより好適である。
【0048】次に、このインクジェット記録ヘッドによ
る液体発泡工程について、図4を参照して説明する。図
4は、上から順に、PTCサーミスタ層1の抵抗値R、
消費電力、発泡用ヒータの表面温度の、同一期間での時
間変化を示す3つのグラフを示している。図4の消費電
力、ヒータ表面温度のグラフにおいて、破線は、使用温
度範囲内で温度が変化しても抵抗値があまり変化しない
一般的な抵抗発熱体を用いた場合の変化を示している。
【0049】従来技術として前述したように、インクジ
ェット記録ヘッドにおいては、発泡用ヒータを構成する
抵抗発熱体の仕上がり抵抗や配線抵抗に多少のばらつき
があったとしても、確実に十分に液体を発泡させて安定
して液体を吐出させるために、ヒータの駆動電圧は、通
常、抵抗のばらつきによる影響があまり大きくない、平
均的なヒータによって全面発泡を生じさせることができ
る電圧よりも高い電圧に設定されている。本実施形態に
おいても、これは同様であり、具体的には、全面発泡を
生じさせるのに必要な電圧の約1.2倍の電圧を駆動電
圧としている。そして、図4に示すグラフは、抵抗のば
らつきによる影響があまり大きくない、平均的な抵抗発
熱体における変化を示している。
【0050】電圧パルスの印加を開始すると、ヒータ表
面温度は、最初、液体の発泡温度へと上昇し、液体は発
泡し始める。この際、ヒータの熱エネルギが液体の相変
化のために消費されるので、発泡が完了するまで、すな
わち全面発泡するまで、ヒータの表面温度は一定の発泡
温度のまま推移する。上述のように高めの電圧を所定の
印加パルス幅で印加した場合、ヒータ表面の液体は、電
圧パルスの印加を開始してから、ある程度の時間が経過
した時点で、電圧パルスの印加が終了する前に全面発泡
する。本実施形態では、全面発泡を生じさせるのに必要
な電圧の約1.2倍の電圧を駆動電圧としており、すな
わち40%程度多めのエネルギーを投入しているので、
所定の印加パルス幅、例えば1μsに対して、その60
%程度、すなわち0.6μs程度で液体は全面発泡す
る。
【0051】全面発泡後、温度が変化しても抵抗値があ
まり変化しない一般的な抵抗発熱体を用いた場合には、
ヒータ表面温度は、破線で示すように発泡温度からさら
に上昇する。具体的には、例えば、300℃程度の発泡
温度に対してヒータ表面温度は、典型的には、600〜
700℃程度の高温に達する。この際、このような不必
要な加熱(過剰な加熱)にエネルギーが消費される。す
なわち、上述のように、1.2倍程度高めの電圧を駆動
電圧とした場合、原理的に40%程度のエネルギーが無
駄に消費される。
【0052】一方、本実施形態の構成では、PTCサー
ミスタ層1として、発泡温度よりも少し高い温度をキュ
リー点とするPTCサーミスタ発熱体を用いている。こ
の場合、発泡完了後、PTCサーミスタ層1の温度がさ
らに上昇すると、PTCサーミスタ層1の抵抗Rは、常
温における抵抗R1に比べて通常10倍以上大きい抵抗
R2へと、急激に大きくなり、PTCサーミスタ層1に
はほとんど電流が流れなくなる。このため、本実施形態
によれば、ヒータ表面温度は、発泡が完了してもほとん
ど上昇しない。具体的には、本実施形態の例では、ヒー
タ表面温度が、350℃程度のキュリー点に近づくにつ
れて、発泡用ヒータの素子抵抗は、常温における抵抗1
00Ωから400℃における約10kΩへと急激に高く
なる。これによって、一般的な抵抗発熱体を用いた場
合、ヒータ表面温度が600〜700℃程度の高温に達
するのに対して、本実施形態によれば、ヒータ表面温度
を発泡温度とほぼ同じ約300℃程度と、劇的に低い温
度に抑えることができる。
【0053】また、発泡完了後は、電流がほとんど流れ
なくなるので、電圧が引き続き印加されたとしても電力
はほとんど消費されない。すなわち、図4の消費電力の
グラフにおいて斜線で示す分の電力、本実施形態の例で
は約40%の電力を節約することができる。
【0054】また、図5は、PTCサーミスタ層1と電
気的バリア層104を1対の電極2、3間に挟持した非
線形電流電圧素子に電圧を印加することにより大電流を
流す場合について、素子の面内温度分布が時間とともに
どのように変化するかを示す概念図である。
【0055】図示したように本実施形態の非線形電流電
圧素子では、例えば段差等の影響で電流の集中が発生し
て、温度の高い部分と低い部分が混在するような面内初
期温度分布が発生しても、ある温度で急激に抵抗値が上
昇するPTCサーミスタ層1の作用により、温度の高い
部分の電流値と発熱が抑制され、面内の温度分布が均一
化し、やがて、温度略一定で全面均一発熱にできる効果
がある。特に、インク滴の発泡温度付近で抵抗値が急激
に上昇する正の温度係数を有するPTCサーミスタを用
いることにより、バブルジェットインクの発泡温度付近
の温度で全面が均一に発熱できる発熱体を提供できる。
【0056】以上説明したように、本実施形態によれ
ば、発泡用ヒータが、実質的に、電極2、3および電気
的バリア層104からなるMIM素子と、PTCサーミ
スタ層1との直列な回路(図9参照)となり、電圧印加
時に所定の電圧以下では電流が流れず、所定の電圧以上
で電流が流れ、かつ、液体の発泡後に電流を自動的に遮
断することができるものであり、発泡用ヒータの発泡後
の不必要な発熱を抑制できる。それによって発泡用ヒー
タが必要以上に高温になるのを防止でき、ヒータの耐久
性を高めることができる。また、発泡後はPTCサーミ
スタ層1で実質的に電力が消費されないようにでき、省
エネ化を図ることができる。
【0057】なお、本実施形態におけるPTCサーミス
タ層1の構成は、例示したものに限られることはない。
すなわち、一般に、温度が所定の温度よりも高くなった
時に抵抗値が急激に上昇する正の抵抗温度係数を有する
PTCサーミスタを用いることによって、本実施形態の
上述のような効果を得ることができる。 (第2の実施形態)図6に、本発明の第2の実施形態の
インクジェット記録ヘッドの模式的断面図を示す。図6
は、1つの発泡用ヒータ部分を示しており、インクジェ
ット記録ヘッド全体は、図5に示す発泡用ヒータ部を複
数配置した構成にすることができる。同図において、第
1の実施形態と同様の部分については同一の符号を付
し、説明を省略する。
【0058】本実施形態のインクジェット記録ヘッドで
は、下側の電極3bは、蓄熱層4との間に密着層51を
介して積層されている。下側の電極3bと、その上に積
層されたPTCサーミスタ層1との上には、絶縁体52
の層が形成されている。この絶縁体52の層には、PT
Cサーミスタ層1の上面を部分的に露出させるコンタク
トホール53が形成され、このコンタクトホール52以
外の領域でPCTサーミスタ層1を被覆している。そし
て、この絶縁体52上に電気的バリア層104bが積層
されており、この上に上側の電極2bがさらに積層され
ている。すなわち、本実施形態のインクジェット記録ヘ
ッドは、電極2b、3bが、電気的バリア層104bと
PTCサーミスタ層1とをコンタクトホール52を介し
て挟持した構成となっている。
【0059】絶縁体52の層は、例えば、厚さ1μmの
SiN薄膜であり、電極2b、3bは厚さ0.2μmの
白金電極であり、密着層51は厚さ0.05μmのTi
密着層である。また、PTCサーミスタ層1は、第1の
実施形態と同様の構成にすることができ、それによっ
て、第1の実施形態におけるのと同様に、ヒータ温度が
過剰に高温になるのを防止でき、消費電力を低減でき
る。
【0060】本実施形態では、PTCサーミスタ層1
は、絶縁体52によって覆われ、また絶縁体52のコン
タクトホールから露出した部分は電極2bによって覆わ
れており、液体とは接触していない。そして、電極2b
は化学的に安定な材料、上述の例では白金から構成され
ており、発泡用ヒータが化学的に損傷するのを防止する
ことができ、発泡用ヒータの耐久性を高めることができ
る。
【0061】以上説明したように、本実施形態のインク
ジェット記録ヘッドも、第1の実施形態と同様に、電極
2b、3bおよび電気的バリア層104bからなるMI
M素子と、PTCサーミスタ層1との直列な回路(図9
参照)となり、電圧印加時に所定の電圧以下では電流が
流れず、所定の電圧以上で電流が流れ、かつ、液体の発
泡後に電流を自動的に遮断することができるものであ
り、発泡用ヒータの発泡後の不必要な発熱を抑制でき
る。それによって発泡用ヒータが必要以上に高温になる
のを防止でき、ヒータの耐久性を高めることができる。
また、発泡後はPTCサーミスタ層1で実質的に電力が
消費されないようにでき、省エネ化を図ることができ
る。る。
【0062】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、M
IM型の電気特性を示す絶縁層とある温度で抵抗値が急
激に上昇する正の抵抗温度係数を有するPTC型の抵抗
層を有する積層体を1対の電極で挟持することにより、
不用な温度上昇に対して自動的に素子を保護する機能を
持ったMIM型電気特性を持った非線形電気素子を提供
できる効果がある。
【0063】また、本発明によれば、MIM型の電気特
性を示す絶縁層とある温度で抵抗値が急激に上昇する正
の抵抗温度係数を有するPTC型の抵抗層を有する積層
体を1対の電極で挟挟した発熱手段を用いることで、省
エネでかつ耐久性が高く、安価な長尺ヘッドを提供でき
るインクジェット記録ヘッドを提供できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態のインクジェット記録
ヘッドの模式的断面図である。
【図2】図1のインクジェット記録ヘッドのヒータ部の
平面図である。
【図3】図1のインクジェット記録ヘッドに用いられる
抵抗発熱体における、抵抗値の温度依存性を示すグラフ
である。
【図4】図1のインクジェット記録ヘッドを用いた液体
発泡工程における、抵抗発熱体の抵抗、消費電力、ヒー
タ表面温度の時間変化を示すグラフである。
【図5】本発明の第1の実施形態の非線形電流電圧素子
における面内温度分布の変化を示す概念図である。
【図6】本発明の第2の実施形態のインクジェット記録
ヘッドの模式的断面図である。
【図7】MIM型電気特性の概念図である。
【図8】MIM素子における面内温度分布の変化を示す
概念図である。
【図9】本発明のインクジェット記録ヘッドの発熱手段
を、MIMとPTCとの等価回路として示した回路図で
ある。
【図10】MIM素子とPTCサーミスタとの直列な回
路をマトリクス回路の交点に配置したマトリクス回路図
である。
【符号の説明】
1 PTCサーミスタ層 2、2b、3、3b 電極 4 蓄熱層 5 吐出孔 6 基板 7 ノズル形成部材 8 インク供給口 9 流路 10 駆動用電圧印加源 11 気泡 12 吐出液滴 51 密着層 52 絶縁体 53 コンタクトホール 104、104b 電気的バリア層

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 発熱手段によって液体を発泡させ液体を
    吐出させるインクジェット記録ヘッドにおいて、 前記発熱手段が、1対の電極と、所定の温度以上で抵抗
    値が急激に上昇する正の抵抗温度係数を有する抵抗層
    と、所定の電圧以上で電流を流す絶縁層とを有し、前記
    1対の電極で、前記正の抵抗温度係数を有する抵抗層と
    前記絶縁層とを挟持してなる積層体を有することを特徴
    とするインクジェット記録ヘッド。
  2. 【請求項2】 前記絶縁層の厚みが4nm以上、40n
    m以下である、請求項1に記載インクジェット記録ヘッ
    ド。
  3. 【請求項3】 前記正の抵抗温度係数を有する抵抗層の
    抵抗値が急激に上昇する温度が、前記液体の発泡温度付
    近である、請求項1または2に記載のインクジェット記
    録ヘッド。
  4. 【請求項4】 前記正の抵抗温度係数を有する抵抗層の
    抵抗値が急激に上昇する温度が250℃以上490℃以
    下である、請求項1ないし3のいずれか1項に記載のイ
    ンクジェット記録ヘッド。
  5. 【請求項5】 前記発熱手段が、実質的にMIM素子と
    PTCサーミスタの直列な回路である、請求項1ないし
    4のいずれか1項に記載のインクジェット記録ヘッド。
  6. 【請求項6】 前記絶縁層が、電圧印加時に所定の電圧
    以下では電流を流さず、かつ、所定の電圧以上で電流を
    流し、前記抵抗層が、前記液体の発泡後に電流を遮断す
    る、請求項1ないし5のいずれか1項に記載のインクジ
    ェット記録ヘッド。
  7. 【請求項7】 前記1対の電極と、所定の温度で抵抗値
    が急激に上昇する正の抵抗温度係数を有する抵抗層と、
    所定の電圧で電流を流す絶縁層と、コンタクトホールが
    形成された部材とを有し、前記コンタクトホールを介し
    て前記1対の電極で、前記正の抵抗温度係数を有する抵
    抗層と前記絶縁層が挟持されている、請求項1ないし6
    のいずれか1項に記載のインクジェット記録ヘッド。
  8. 【請求項8】 非線形な抵抗特性を有する非線形電気素
    子において、 1対の電極と、所定の温度付近で抵抗値が急激に上昇す
    る正の抵抗温度係数を有する抵抗層と、所定の電圧で電
    流を流す絶縁層とを有し、前記1対の電極で、前記正の
    抵抗温度係数を有する抵抗層と前記絶縁層とを挟持して
    いることを特徴とする非線形電気素子。
  9. 【請求項9】 前記絶縁層の厚みが4nm以上、40n
    m以下である、請求項8に記載の非線形電気素子。
  10. 【請求項10】 実質的にMIM素子とPTCサーミス
    タの直列な回路からなる積層構造体である、請求項8ま
    たは9に記載の非線形電気素子。
  11. 【請求項11】 1対の電極と、前記1対の電極間に挟
    持された、所定の温度よりも昇温したときに抵抗値が急
    激に上昇する正の抵抗温度係数を有する抵抗発熱体と、
    前記1対の電極のうちの一方の電極を前記発熱抵抗体に
    電気的に接続させるためのコンタクトホールが形成さ
    れ、前記発熱抵抗体を被覆している電気的な絶縁体と、
    前記一方の電極を被覆する電気的な絶縁層とを有する、
    請求項8ないし10のいずれか1項に記載の非線形電気
    素子。
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