JP2002046275A - インクジェット記録ヘッドおよびインクジェット記録装置 - Google Patents

インクジェット記録ヘッドおよびインクジェット記録装置

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JP2002046275A
JP2002046275A JP2000236891A JP2000236891A JP2002046275A JP 2002046275 A JP2002046275 A JP 2002046275A JP 2000236891 A JP2000236891 A JP 2000236891A JP 2000236891 A JP2000236891 A JP 2000236891A JP 2002046275 A JP2002046275 A JP 2002046275A
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ink jet
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JP2000236891A
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Hideyuki Sugioka
秀行 杉岡
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 非線形素子そのものの発熱による非線形素子
の破壊を防止する。 【解決手段】 インクジェット記録ヘッドは、走査側電
極Yと情報側電極Xとが交差して構成されるマトリクス
回路と、マトリクス回路の走査側電極Yと情報側電極X
との交点に配置されている非線形素子1と、液滴9を吐
出する熱エネルギーを発生する抵抗発熱体2とを有して
いる。非線形素子1の一端は情報側電極Xに接続され、
非線形素子1の他端は抵抗発熱体2の一端に接続され、
抵抗発熱体2の他端は走査側電極Yに接続されている。
このインクジェット記録ヘッドは、非線形素子1を冷却
するための冷却手段3を有している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、発泡現象を利用し
てインク滴を吐出するBJ(バブルジェット(登録商
標))方式のインクジェット記録ヘッドおよびインクジ
ェット記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】バブルジェット記録方式に適用される記
録ヘッドは、一般に、微細な吐出口、流路、および該流
路内の一部に設けられる発熱体を備えている。バブルジ
ェット記録方式とは、発熱体を用いて流路内の液体を局
所的に高温にすることにより気泡を発生させ、発泡時の
高い圧力を利用して、液体を微細な吐出口より押し出
し、記録紙等に付着させる記録方式である。
【0003】この種の記録技術によって記録される画像
の高精彩化を図るためには、微小な液滴を高密度に吐出
させる技術が要求される。そのため、微細な流路と微細
な発熱源とを形成することが基本的に重要となる。それ
ゆえ、バブルジェット記録方式では、構造の単純性を活
かしてフォトリソ工程技術を駆使した高密度ヘッドの作
成方法が、例えば特開平8−15629号公報に提案さ
れている。
【0004】また、液滴の吐出量を調整するために端部
に比べて中央部の発熱量が大きくなるように構成された
発熱体が、特開昭62−201254号公報に提案され
ている。発熱体としては、通常、厚さ0.05μm程度
の窒化タンタル薄膜抵抗体を用い、これに通電した時の
ジュール熱で液体の発泡を行う。このような発熱抵抗体
の上には、通常、キャビテーションによる発熱抵抗体表
面の損傷を防止するために、0.8μm程度のSiN等
の絶縁体を介して厚さ0.2μm程度のTa等の金属か
らなる耐キャビテーション層(保護膜)が設けられてい
る。
【0005】また、特開昭64―20151号公報に
は、基板上の、複数の縦配線と複数の横配線との交点部
分に、順電流通電により発熱する整流素子を設けたこと
を特徴としたマルチノズルインクジェット記録ヘッドが
開示されている。また、特開昭57―36679号公報
には、基板上に、順方向の通電により発熱可能なダイオ
ードを複数個アレイ状に配列したサーマル型のインクジ
ェット記録ヘッドが開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従来の記録ヘッドの多
くは、発熱素子とダイオードやロジック回路部を半導体
プロセス(イオン注入などの方法)でシリコン基板上に
同時に作り込むことを前提としている。したがって、比
較的ノズル数の少ない記録ヘッドではコンパクトにで
き、単一の工程で製造できるという利点がある。しか
し、例えば紙幅一杯の長さを有するフルマルチヘッドは
約12インチの長さを有する長尺なものであるため、こ
れを一体的に作ろうとすれば通常のシリコンウェハーを
使うことが難しくなり、製造コストが高くなるおそれが
あった。それゆえ、イオン注入法などの従来の半導体プ
ロセスに頼らないで作成できるMIM(Metal Insulator
Metal)素子等の非線形素子を用いてバブルジェット用
の発熱素子をマトリクス駆動することができれば、長尺
なインクジェット記録ヘッドを低コストで製造すること
が可能になる。
【0007】しかしながら、BJ型の記録ヘッドにおい
ては、ヒータ部の抵抗発熱体の電力密度をおよそ0.1
GW/m2以上とする必要がある。一方、液晶用MIM
素子の通常の動作電力密度はおよそ1W/m2であるた
め、もし液晶用MIM素子と同様な動作電力密度で使用
するとすると、ヒータである発熱抵抗体の面積の1億倍
程度のMIM素子面積が必要になってしまうおそれがあ
った。しかしながら、非線形素子の素子面積が増大する
と多数のノズルをアレイ状に微細加工することが困難と
なるおそれがある。また、非線形素子の素子面積の増加
によって、一定面積の基板から作成できるヘッドの数が
減少し、製造コストの増加を招くおそれがある。
【0008】一方、MIM素子への印加電圧を上げてM
IM素子の動作電力密度を上げていくことは、ある程度
可能である。しかしながら、MIM素子そのものの発熱
によってMIM素子の温度が上昇して、MIM素子が破
壊されてしまうおそれがある。このようなMIM素子そ
のものの発熱は、液晶用MIM素子等、従来のMIM素
子をマトリクス駆動用の非線形素子とする応用製品で
は、動作電力密度が極度に低いため全く問題とならなか
った。それゆえ、従来のMIM素子をマトリクス駆動用
の非線形素子とする応用製品においては、発熱に対する
対策は全く考慮されることはなく、仮にあったとしても
BJ記録ヘッドにおける発熱対策とは質的に全く異なる
ものである。すなわち、MIM素子そのものの発熱によ
るMIM素子の破壊は、MIM素子をBJ用ヒータのマ
トリクス駆動用の非線形素子として使用する上での、B
J記録ヘッド特有の問題と考えられる。
【0009】本発明は、MIM素子をBJ用ヒータのマ
トリクス駆動用の非線形素子として使用する上でのBJ
方式のインクジェット記録ヘッド特有の問題であるMI
M素子そのものの発熱によるMIM素子の破壊を防止
し、MIM素子の素子面積の増加を抑制することによっ
て、長尺なインクジェット記録ヘッドおよびそれを有す
るインクジェット記録装置を低コストで提供することを
目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明のインクジェット記録ヘッドは、インクを吐
出するために利用される熱エネルギーを発生する発熱手
段と、該発熱手段を駆動するための、MIM型電流電圧
特性を有する非線形素子と、該非線形素子を冷却するた
めの冷却手段とを有する。
【0011】このように構成された本発明のインクジェ
ット記録ヘッドによれば、冷却手段によって非線形素子
が冷却されるので、非線形素子そのものの発熱による非
線形素子の破壊が防止される。そのため、非線形素子の
素子面積を増大させることによってではなく、非線形素
子への印加電圧を高くして非線形素子の動作電力密度を
大きくすることによって発熱手段を駆動することが可能
になるので、非線形素子の素子面積の増大化が抑制さ
れ、長尺なインクジェット記録ヘッドを低コストで提供
することが可能になる。
【0012】さらに、前記インクを吐出するための吐出
口と、該吐出口に前記インクを供給するために前記吐出
口に連通されたインク流路と、前記インク流路に充填さ
れた前記インクに熱エネルギーを与えるように配置され
た前記発熱手段が上面に設けられた基板とを有し、前記
非線形素子が前記基板の上面に設けられ、前記冷却手段
が前記基板で構成されていてもよい。このように構成さ
れたインクジェット記録ヘッドにおいては、非線形素子
に発生した熱が基板を介して大気中に放熱されること
で、非線形素子が冷却される。
【0013】あるいは、前記インクを吐出するための吐
出口と、該吐出口に前記インクを供給するために前記吐
出口に連通されたインク流路と、前記インク流路に充填
された前記インクに熱エネルギーを与えるように配置さ
れた前記発熱手段が上面に設けられた基板とを有し、前
記非線形素子が前記インク流路内に露出する位置に配置
され、前記冷却手段が前記インク流路に充填された前記
インクで構成されていてもよい。このように構成された
インクジェット記録ヘッドにおいては、非線形素子に発
生した熱がインク流路に充填されたインク中に放熱され
ることで、非線形素子が冷却される。
【0014】さらには、前記インクを吐出するための吐
出口と、該吐出口に前記インクを供給するために前記吐
出口に連通されたインク流路と、前記インク流路に充填
された前記インクに熱エネルギーを与えるように配置さ
れた前記発熱手段が上面に設けられた基板とを有し、前
記非線形素子が前記基板の上面に設けられているととも
に、前記非線形素子が前記インク流路内に露出する位置
に配置され、前記冷却手段が前記基板と前記インク流路
に充填された前記インクとで構成されていてもよい。こ
のように構成されたインクジェット記録ヘッドにおいて
は、非線形素子に発生した熱が、基板を介して大気中に
放熱されるとともにインク流路に充填されたインク中に
放熱されることで、非線形素子が冷却される。非線形素
子に発生した熱はこのように非線形素子の両面側に放熱
されるので、非線形素子の冷却効果がより高められる。
【0015】また、前記インク流路内において前記発熱
手段が前記非線形素子と前記吐出口との間の位置に配置
されている構成としてもよい。
【0016】あるいは、前記インク流路内において前記
非線形素子が前記発熱手段と前記吐出口との間の位置に
配置されている構成としてもよい。これによれば、非線
形素子によって加熱されたインクは吐出インク滴として
インク流路の外に速やかに放出されるので、加熱された
インクが非線形素子の周囲に滞留することがなく、非線
形素子の冷却効果をより向上させることが可能になる。
【0017】また、前記インクを吐出するための複数の
吐出口と、該各吐出口に前記インクを供給するために前
記各吐出口にそれぞれ連通された複数のインク流路と、
前記各インク流路に供給される前記インクを貯留する共
通インク室と、前記インク流路に充填された前記インク
に熱エネルギーを与えるように配置された前記発熱手段
が上面に設けられた基板とを有し、前記非線形素子が前
記共通インク室内に露出する位置に配置され、前記冷却
手段が前記共通インク室に充填された前記インクによっ
て構成されていてもよい。
【0018】さらに、前記非線形素子が前記基板の上面
に設けられ、前記冷却手段が前記基板と前記共通インク
室路に充填された前記インクとで構成されていてもよ
い。
【0019】また、前記発熱手段と前記非線形素子とが
上面に設けられた基板と、前記インクを吐出する吐出口
が形成されており、前記基板の上面との間に前記吐出口
に連通するインク流路を構成するように前記基板に対向
配置された吐出口形成部材とを有し、前記発熱手段が前
記インク流路内に充填された前記インクに熱エネルギー
を与えるように前記基板の上面に配置され、前記非線形
素子が前記吐出口形成部材に接触し、前記冷却手段が前
記基板と前記吐出口形成部材とによって構成されていて
もよい。
【0020】このように構成されたインクジェット記録
ヘッドにおいては、非線形素子に発生した熱が基板と吐
出口形成部材とを介して大気中に放熱されることで、非
線形素子が冷却される。そのため、インク流路内のイン
クによって非線形素子の一方の面を冷却する構成のもの
とは異なり、インク流路内にインクが存在すると否とに
かかわらず、非線形素子を両面から効果的に冷却するこ
とが可能になる。
【0021】また、前記基板の下面であって前記非線形
素子が配置されている位置とは反対側の位置に放熱用フ
ィンが設けられている構成とすることにより、非線形素
子で発生した熱は、基板および放熱用フィンを介して大
気中に効果的にされるため、非線形素子の温度上昇をよ
り効果的に防止することが可能になる。
【0022】さらに、前記放熱用フィンに向けて送風す
る放熱用ファンが備えられている構成とすることによ
り、放熱用フィンを強制的に冷却できるため、非線形素
子の温度上昇を一層効果的に防止することが可能にな
る。
【0023】また、前記非線形素子が熱拡散率κの材料
からなる保護膜によって覆われており、前記非線形素子
に印加されるパルス電圧の印加時間をΔtとしたとき
に、前記保護膜がκΔtの平方根の2倍以下の厚さに形
成されている構成としてもよい。これにより、非線形素
子をキャビテーション等から保護することができ、さら
に、保護層の厚さが熱伝導距離2√(κΔt)よりも薄
くなることから、吐出用印加電圧の印加時に非線形素子
で発生する熱を速やかに逃がし、非線形素子の温度が上
昇することを防止することが可能になる。
【0024】さらに、前記保護膜が前記非線形素子とと
もに前記発熱手段も覆うように構成することにより、抵
抗発熱体をキャビテーション等から保護することが可能
になる。
【0025】また、前記非線形素子が前記発熱手段を兼
ねる構成としてもよい。
【0026】あるいは、前記非線形素子と前記発熱手段
とが別体である構成としてもよい。
【0027】さらには、前記発熱手段が抵抗発熱体を有
し、該抵抗発熱体と前記非線形素子とが直列接続されて
いる構成としてもよい。
【0028】また、前記発熱手段に電圧を印加するマト
リクス回路を構成するマトリクス電極を有する構成とし
てもよい。
【0029】さらに、前記非線形素子が前記マトリクス
電極の交点に位置する構成としてもよい。
【0030】また、前記熱エネルギーにより前記インク
に膜沸騰を生起させて前記インクを吐出する構成として
もよい。
【0031】また、本発明のインクジェット記録装置
は、記録媒体の被記録面に対してインクを吐出するイン
ク吐出口が設けられている上記本発明のインクジェット
記録ヘッドと、前記記録媒体の搬送手段とを少なくとも
具備する。
【0032】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施形態について
図面を参照して説明する。
【0033】(第1の実施形態)図1は、本発明による
インクジェット記録ヘッドの第1の実施形態の特徴を示
す概念図である。
【0034】図1に示すように、本実施形態のインクジ
ェット記録ヘッドは、マトリクス回路を構成する複数の
情報側電極Xと、複数の走査側電極Yとを有している。
ここで、Xi,Xi+1はそれぞれ第i番目および第i+1
番目の情報側電極を示し、Y j,Yj+1はそれぞれ第j番
目および第j+1番目の走査側電極を示している。ま
た、このインクジェット記録ヘッドは、情報側電極
i,Xi+1と、走査側電極Y j,Yj+1との交点に配置さ
れたMIM素子等の非線形素子1と、非線形素子1と走
査側電極Yとに接続された抵抗発熱体2と、非線形素子
1を冷却する冷却手段3とを有している。また、図1に
は、各抵抗発熱体2における発泡動作によって吐出され
る吐出液体9が示されている。
【0035】本発明のインクジェット記録ヘッドは、情
報側電極Xi,Xi+1と走査側電極Y j,Yj+1とからなる
マトリクス回路の交点に配置された各非線形素子1を冷
却するための冷却手段3が備えられているので、非線形
素子1そのものの発熱による非線形素子1の破壊が防止
される。そのため、非線形素子1の素子面積を増大させ
ることによってではなく、非線形素子1への印加電圧を
高くして非線形素子1の動作電力密度を大きくすること
によって抵抗発熱体2をマトリクス駆動することが可能
になり、非線形素子1の素子面積の増大化を抑制できる
効果がある。
【0036】このインクジェット記録ヘッドにおいて
は、走査側電極Yの1つに選択電位波形を入力し、情報
側電極Xに画像信号に応じて吐出用または非吐出用情報
電位波形を入力することにより、画像信号に応じて非線
形素子1をオン状態またはオフ状態に制御し該非線形素
子1に直列接続された抵抗発熱体2に電力を供給するか
どうかを制御して、吐出液滴9の吐出および非吐出を制
御することができる。
【0037】図2はMIM型の電流電圧特性を示す図で
ある。
【0038】MIM型の電流電圧特性とは、MIM素子
やバリスタに代表される電流電圧特性のように、極性に
依らず、高電圧側では低い抵抗値を示し、低圧側では高
い抵抗値を示す電流電圧特性を指す。ここで、マトリク
ス駆動を行うためには、図2に示すように、電流値の絶
対値I0を与える印加電圧+V1と−V2との絶対値の比
(V1/V2)が0.5<V1/V2<2を満足し、かつ、
+V1/2、―V2/2の電圧を印加した時に流れる電流
の絶対値がI0/10以下であることが好ましい。
【0039】MIM型の電流電圧特性を示す非線形素子
1(図1参照)をマトリクス回路の交点に配置すること
により、マトリクス駆動時のバイアス電圧による非選択
点での不要な発熱を抑制し、ヒータのマトリクス駆動が
可能となる。また、マトリクス駆動により、ドライバと
ヒータとの分離を容易とし、安価な非Si基板での大量
生産も可能となるという効果も得られる。本実施形態の
インクジェット記録ヘッドにおける非線形素子1は、例
えば、マトリクス回路の交点に極めて薄い酸化絶縁膜を
配置した金属/絶縁体/金属なる構成のMIM素子から
なるものである。
【0040】ここで、MIM素子とは、原義的には金属
/絶縁体/金属なる構造のトンネル接合素子であるが、
通常、導電体電極/絶縁体/導電体電極なる構造の接合
素子もMIM素子と呼ぶ。ここで、絶縁体の電気伝導機
構としては、プールフレンケル型伝導のような絶縁体の
中で複数のトンネリングを繰り返すホッピング型の電気
伝導や、ファウラーノルドハイム型伝導のような比較的
単純なトンネル伝導などが知られている。こうしたトン
ネル型の電流が流れ、接合素子に電流が流れるために
は、電極間の距離が極めて狭い必要がある。
【0041】MIM素子に電流が流れる絶縁体の限界膜
厚、または、限界電極間隔は絶縁材料や電極材料の種類
や伝導機構に大きく依存するが、MIM素子として有為
な電流が流れるためには、例えば、前記の電極間隔を1
00nm以下とすることが望ましい。また、インクジェ
ット記録ヘッドのマトリクス駆動に必要な大電流を低電
圧で得るためには、好ましくは前記の電極間隔を20n
m以下とすることが望ましい。
【0042】また、電極間隔が極端に狭いと電極金属表
面のイオンが電界放射を起こすおそれがあるため、電極
間隔は1nm以上とすることが望ましい。また、安定な
トンネル接合を得るためには、電極間隔を4nm以上と
することが望ましい。すなわち、特に、前記の電極間距
離が1nm以上100nm以下であり、より好ましく
は、4nm以上40nm以下であるMIM素子を発熱手
段として用い、液体を加熱して気泡を発生させて液滴を
吐出させることが好ましい。
【0043】また、ZnOにBi、PrおよびCo等の
金属酸化物を添加した焼結体層や、SiC(炭化ケイ
素)の粒状結晶層を上記の絶縁層の代わりに電極間に配
置した、いわゆるバリスタも、MIM素子と同様に本発
明の非線形素子として用いることでき、同様な効果を得
ることができる。
【0044】図3は、本実施形態のインクジェット記録
ヘッドのより具体的な構成を示す、液流路方向に沿う断
面図である。
【0045】図3に示すように、本実施形態のインクジ
ェット記録ヘッドは、上面に下部層22が形成された基
板23と、基板23の上に設けられ、この基板23と共
に液流路31を構成する天板21とを有している。液流
路31の一方の端部には、液流路31中に充填されたイ
ンク等の液体32を吐出するための吐出口8が構成され
ている。また、液流路31の他方の端部は、液流路31
に供給される液体を一時的に貯留する共通液室4(図4
参照)に連通している。
【0046】基板23の下部層22の上には、薄膜の抵
抗発熱体2が設けられている。さらに、基板23の下部
層22の上には、液流路31内の液体32の流れ方向に
関して抵抗発熱体2よりも上流側に、MIM型電流電圧
特性を示すMIM素子からなる非線形素子1が設けられ
ている。
【0047】非線形素子(MIM素子)1は、MIM素
子の下側電極であると共にマトリクス回路を構成する走
査側電極5と、この走査側電極5を被覆する極めて薄い
絶縁性薄膜24と、走査側電極5を覆うMIM素子の上
側電極6とで構成されている。また、抵抗発熱体2の一
方の端部には上側電極6が接続され、抵抗発熱体2の他
方の端部には、走査側電極5と共にマトリクス回路を構
成する情報側電極7が接続されている。
【0048】本実施形態においては、MIM素子1は、
例えば金属からなる下側電極5を陽極酸化して得られる
酸化絶縁膜24の上に、金属からなる上側電極6を交差
して作成する。さらに具体的には、上下側電極5,6と
しては、厚さ約300nmのTa薄膜をRFスパッタ法
で作成し、その表面を陽極酸化法で酸化し、厚さ約20
nmのTa25薄膜を形成する。この時、RFスパッタ
は約1.33Pa(10-2Torr)程度のArガス雰
囲気中で行う。また、陽極酸化は、0.8重量%のクエ
ン酸水溶液中でメッシュ状の白金電極を陰極として行
う。また、例えば、上側電極6および情報側電極7は厚
さ23nmのタンタル薄膜電極であり、基板23は結晶
軸<111>、厚さ0.625mmのシリコン基板から
なり、下部層22は厚さ2.75μmのSi熱酸化膜で
あり、抵抗発熱体2は厚さ0.05μmの窒化タンタル
薄膜である。
【0049】図3に示しているように、本実施形態のイ
ンクジェット記録ヘッドは、マトリクス回路を構成する
走査側電極5と情報側電極7との間に吐出用の電圧を印
加することにより走査側電極5、絶縁性薄膜24、およ
び上側電極6からなるMIM素子1をオン状態にして薄
膜抵抗発熱体2に電力を供給し、液体32を急速加熱す
ることによって気泡25を発生させ、吐出液滴9を吐出
口8から記録媒体(不図示)に吐出させることにより画
像を形成する。
【0050】上述したように、本実施形態のインクジェ
ット記録ヘッドは、特に、非線形素子1としてMIM型
電気特性を示すMIM素子が用いられ、また非線形素子
1を冷却するための冷却手段3が備えられている。本実
施形態における冷却手段3は、非線形素子1に発生した
熱を非線形素子1の基板23側の面から放熱する手段
と、該熱を基板23とは反対側の面から放熱する手段と
を兼ね備えた、両面放熱型の冷却手段である。この冷却
手段3によれば、非線形素子1の両面からの放熱によっ
て非線形素子1の冷却を効果的に行うことが可能となる
ため、非線形素子1そのものの発熱による非線形素子1
の破壊を防止し、冷却のための非線形素子1の素子面積
の増加を抑制することができる。
【0051】具体的には、非線形素子1の下面を下部層
22とシリコンなどの熱良導体からなる基板23とで構
成される放熱手段によって冷却することによって、MI
M素子で発生する熱を効果的に基板23の外に放熱でき
るため、非線形素子1そのものの発熱による非線形素子
1の破壊を防止し、冷却のための非線形素子1の素子面
積の増加を抑制することができる。
【0052】また、非線形素子1を液流路31内に配置
し、非線形素子1を液体32によって冷却することによ
って、非線形素子1そのものの発熱による非線形素子1
の破壊を効果的に防止することができる。これにより、
冷却のための非線形素子1の素子面積の増加を抑制する
ことができ、これに伴って発熱抵抗体2の近くに非線形
素子1を配置することが可能となるため、記録ヘッドを
コンパクトに設計することが容易となる利点がある。
【0053】図4は、図3に示したインクジェット記録
ヘッドの平面断面図である。図4において、図3に示し
た構成と同じ構成には同一の符号を付し、これらについ
ての詳しい説明は省略する。なお、図4において、走査
側電極5はj番目の走査側電極Yj(図1参照)を示
し、また、情報側電極7aは第i番目の情報側電極Xi
を、情報側電極7bは第i+1番目の情報側電極Xi+1
を示しており、電極5と電極7a,7bとはマトリクス
回路を構成している。また、液流路31内の液体の流れ
方向に関して上流側の各液流路31の端部は、各液流路
31に供給される液体を一時的に貯留する共通液室4に
連通されている。
【0054】本実施形態のインクジェット記録ヘッド
は、特に、非線形素子1と吐出口8との間の液流路31
内に抵抗発熱体2が配置されているため、液流路31内
の液体の流れ方向に関して抵抗発熱体2よりも共通液室
側のイナータンスを十分に大きくして気泡25(図3参
照)が吐出口側に成長するように設計されたノズル(液
流路31)内では、成長する気泡25が非線形素子1に
達しにくく、気泡25が非線形素子1に接触することに
よって非線形素子1の放熱性能が低下してしまうことを
防ぐことができる。
【0055】(第2の実施形態)図5は、本発明のイン
クジェット記録ヘッドの第2の実施形態を示す、液流路
方向に沿う断面図である。
【0056】本実施形態のインクジェット記録ヘッド
は、上面に下部層22が形成された基板23と、基板2
3上に設けられた吐出口形成部材52と、シリコン等の
熱良伝導体からなる放熱部材59とを有している。吐出
口形成部材52は、液滴9を吐出する吐出口53が形成
されており、基板23と共に液流路31を構成する。基
板23には、不図示のインクタンクから液流路31に液
体を供給するための液体供給孔54が形成されている。
【0057】基板23の下部層22の上には、薄膜の抵
抗発熱体2が設けられている。さらに、基板23の下部
層22の上には、MIM型電流電圧特性を示すMIM素
子からなる非線形素子1が設けられている。非線形素子
(MIM素子)1は、MIM素子の下側電極であると共
にマトリクス回路を構成する走査側電極5と、この走査
側電極5を被覆する極めて薄い絶縁性薄膜24と、走査
側電極5を覆うMIM素子の上側電極6とで構成されて
いる。
【0058】また、抵抗発熱体2の一方の端部には上側
電極6が接続され、抵抗発熱体2の他方の端部にはマト
リクス回路を構成する情報側電極7が接続されている。
なお、上側電極6と放熱部材59との間には薄膜絶縁体
51が設けられている。
【0059】本実施形態の構成では、非線形素子1の下
側に配置された下部層22および基板23と、非線形素
子1の上側に配置された薄膜絶縁体51および放熱部材
59とが、両面放熱型の冷却手段として作用する。その
ため、液流路31内の液体によって非線形素子1の一方
の面を冷却する第1の実施形態とは異なり、液流路31
内に液体が存在すると否とにかかわらず、非線形素子1
を両面から効果的に冷却することができる。
【0060】(第3の実施形態)図6は、本発明のイン
クジェット記録ヘッドの第3の実施形態を示す平面断面
図である。
【0061】本実施形態のインクジェット記録ヘッドで
は、液流路31内において、非線形素子1が吐出口8と
発熱抵抗体2との間に配置されている。なお、本実施形
態のインクジェット記録ヘッドのその他の構成は、図4
等に示した第1の実施形態と同様であるので、詳しい説
明は省略する。
【0062】このように液流路31内において非線形素
子1を吐出口8と発熱抵抗体2との間に配置する構成と
することにより、非線形素子1によって加熱された液体
は吐出液滴9として液流路31の外に速やかに放出され
るので、加熱された液体が非線形素子1の周囲に滞留す
ることがなく、非線形素子1の冷却効果をより向上させ
ることができる。
【0063】(第4の実施形態)図7は、本発明のイン
クジェット記録ヘッドの第4の実施形態を示す平面断面
図である。
【0064】本実施形態のインクジェット記録ヘッドで
は、走査側電極5が共通液室4内に配設されているとと
もに上側電極6が共通液室4内まで延びており、非線形
素子1が共通液室4内に配置された構成となっている。
なお、本実施形態のインクジェット記録ヘッドのその他
の構成は、図4等に示した第1の実施形態と同様である
ので、詳しい説明は省略する。
【0065】このように非線形素子1を液流路31より
も広い共通液室4内に配置することにより、非線形素子
1が液流路31内に配置されている構成に比べて、非線
形素子1の形状および面積を比較的自由に設計すること
が可能になる。
【0066】(第5の実施形態)図8は、本発明のイン
クジェット記録ヘッドの第5の実施形態を示す、液流路
方向に沿う断面図である。
【0067】本実施形態のインクジェット記録ヘッド
は、基板23の図示下面側であって、非線形素子1が設
けられている位置とは反対側の位置に、放熱用フィン6
1が備えられている。さらに、放熱用フィン61に対向
する位置には、放熱用フィン61に向けて風63を送風
する放熱用ファン62が備えられている。放熱フィン6
1は、アルミニウムで構成され、表面積が大きくなるよ
うにくし状構造に構成されている。また、放熱用ファン
62は、プロペラと、これを回転させるモータ(不図
示)とからなる。
【0068】なお、本実施形態のインクジェット記録ヘ
ッドのその他の構成は、図3等に示した第1の実施形態
のインクジェット記録ヘッドと同様であるので、詳しい
説明は省略する。
【0069】本実施形態の構成によれば、非線形素子
(MIM素子)1で発生した熱は、基板23および基板
23に密着した放熱用フィン61を介して大気中に効果
的に放出されるため、非線形素子1の温度上昇を防止す
ることができる。さらに、放熱用ファン62によって放
熱用フィン61に風63を送ることにより、放熱用フィ
ン61を強制的に冷却できるため、非線形素子1の温度
上昇を一層効果的に防止することができる。
【0070】(第6の実施形態)図9は、本発明のイン
クジェット記録ヘッドの第6の実施形態を示す、液流路
方向に沿う断面図である。
【0071】本実施形態のインクジェット記録ヘッド
は、基板23上の下部層22の上に、保護膜71がさら
に形成されている。保護膜71は非線形素子1、抵抗発
熱体2、および情報側電極7を覆っており、非線形素子
1および抵抗発熱体2をキャビテーション等から保護す
る。この保護膜71は、厚さが0.6μm、熱拡散率κ
が0.47mm2/sのSiO2スパッター蒸着膜からな
る。
【0072】なお、本実施形態のインクジェット記録ヘ
ッドのその他の構成は、図3等に示した第1の実施形態
のインクジェット記録ヘッドと同様であるので、詳しい
説明は省略する。
【0073】本実施形態のインクジェット記録ヘッドで
は、両電極5,6間に例えば1μsのパルス状電圧を印
加することにより、液滴9を吐出させる。このとき、保
護層71に関する熱伝導距離、すなわちκΔtの平方根
の2倍は1.37μmである。つまり、本実施形態の特
徴は、非線形素子1が非線形素子1の素子電極に接する
熱拡散率κの保護膜71を有すること、非線形素子1に
時間Δtのパルス電圧が印加されること、および保護層
71の厚さが熱伝導距離(κΔt)の平方根の2倍以下
であることにある。
【0074】このような保護膜71を設けることによ
り、MIM素子1および抵抗発熱体2をキャビテーショ
ン等から保護することができる。さらに、保護層71の
厚さを熱伝導距離2√(κΔt)よりも薄くすることに
より、吐出用印加電圧の印加時にMIM素子1で発生す
る熱を液流路31内の液体32に速やかに逃がしてMI
M素子1の温度上昇を防止することができる。
【0075】(その他の実施形態)次に、上述した各実
施形態で示したインクジェット記録ヘッドを搭載したイ
ンクジェット記録装置の一例の模式図を図10に示す。
【0076】このインクジェット記録装置は、駆動回路
403により駆動制御される紙送りローラ405で記録
媒体である紙406を搬送する構成となっている。ま
た、制御部404により制御されるインクジェット記録
ヘッド407は、その各吐出口が、搬送されてくる紙4
06に対向するように設けられており、制御部404か
らの信号に応じて各吐出口からインクを吐出し、紙40
6の被記録面上に画像を形成する。インクジェット記録
ヘッド407へのインクはインクタンク402から供給
される。
【0077】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は、インク
を吐出するために利用される熱エネルギーを発生する発
熱手段と、発熱手段を駆動するための、MIM型電流電
圧特性を有する非線形素子と、非線形素子を冷却するた
めの冷却手段とを有しているので、冷却手段によって非
線形素子が冷却されることにより、非線形素子そのもの
の発熱による非線形素子の破壊が防止されるため、非線
形素子の素子面積の増大化が抑制され、長尺なインクジ
ェット記録ヘッドを低コストで提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるインクジェット記録ヘッドの第1
の実施形態の特徴を示す概念図である。
【図2】MIM型電流電圧特性を示す図である。
【図3】本実施形態のインクジェット記録ヘッドのより
具体的な構成を示す、液流路方向に沿う断面図である。
【図4】図3に示したインクジェット記録ヘッドの平面
断面図である。
【図5】本発明のインクジェット記録ヘッドの第2の実
施形態を示す、液流路方向に沿う断面図である。
【図6】本発明のインクジェット記録ヘッドの第3の実
施形態を示す平面断面図である。
【図7】本発明のインクジェット記録ヘッドの第4の実
施形態を示す平面断面図である。
【図8】本発明のインクジェット記録ヘッドの第5の実
施形態を示す、液流路方向に沿う断面図である。
【図9】本発明のインクジェット記録ヘッドの第6の実
施形態を示す、液流路方向に沿う断面図である。
【図10】本発明のインクジェット記録ヘッドを搭載し
た、本発明のインクジェット記録装置の一例を示す模式
図である。
【符号の説明】
1 非線形素子(MIM素子) 2 発熱抵抗体 3 冷却手段 4 共通液室 5 走査側電極(下側電極) 6 上側電極 7,7a,7b 情報側電極 8,53 吐出口 9 吐出液滴 21 天板 22 下部層 23 基板 24 絶縁性薄膜 25 気泡 31 液流路 32 液体 51 薄膜絶縁体 52 吐出口形成部材 54 液体供給孔 59 放熱部材 61 放熱用フィン 62 放熱用ファン 63 風 71 保護膜 402 インクタンク 403 駆動回路 404 制御部 405 紙送りローラ 406 紙 407 インクジェット記録ヘッド

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インクを吐出するために利用される熱エ
    ネルギーを発生する発熱手段と、 該発熱手段を駆動するための、MIM型電流電圧特性を
    有する非線形素子と、 該非線形素子を冷却するための冷却手段と、 を有するインクジェット記録ヘッド。
  2. 【請求項2】 前記インクを吐出するための吐出口と、
    該吐出口に前記インクを供給するために前記吐出口に連
    通されたインク流路と、前記インク流路に充填された前
    記インクに熱エネルギーを与えるように配置された前記
    発熱手段が上面に設けられた基板とを有し、 前記非線形素子が前記基板の上面に設けられ、前記冷却
    手段が前記基板で構成されている、請求項1に記載のイ
    ンクジェット記録ヘッド。
  3. 【請求項3】 前記インクを吐出するための吐出口と、
    該吐出口に前記インクを供給するために前記吐出口に連
    通されたインク流路と、前記インク流路に充填された前
    記インクに熱エネルギーを与えるように配置された前記
    発熱手段が上面に設けられた基板とを有し、 前記非線形素子が前記インク流路内に露出する位置に配
    置され、前記冷却手段が前記インク流路に充填された前
    記インクで構成されている、請求項1に記載のインクジ
    ェット記録ヘッド。
  4. 【請求項4】 前記インクを吐出するための吐出口と、
    該吐出口に前記インクを供給するために前記吐出口に連
    通されたインク流路と、前記インク流路に充填された前
    記インクに熱エネルギーを与えるように配置された前記
    発熱手段が上面に設けられた基板とを有し、 前記非線形素子が前記基板の上面に設けられているとと
    もに、前記非線形素子が前記インク流路内に露出する位
    置に配置され、前記冷却手段が前記基板と前記インク流
    路に充填された前記インクとで構成されている、請求項
    1に記載のインクジェット記録ヘッド。
  5. 【請求項5】 前記インク流路内において前記発熱手段
    が前記非線形素子と前記吐出口との間の位置に配置され
    ている、請求項2から4のいずれか1項に記載のインク
    ジェット記録ヘッド。
  6. 【請求項6】 前記インク流路内において前記非線形素
    子が前記発熱手段と前記吐出口との間の位置に配置され
    ている、請求項2から4のいずれか1項に記載のインク
    ジェット記録ヘッド。
  7. 【請求項7】 前記インクを吐出するための複数の吐出
    口と、該各吐出口に前記インクを供給するために前記各
    吐出口にそれぞれ連通された複数のインク流路と、前記
    各インク流路に供給される前記インクを貯留する共通イ
    ンク室と、前記インク流路に充填された前記インクに熱
    エネルギーを与えるように配置された前記発熱手段が上
    面に設けられた基板とを有し、 前記非線形素子が前記共通インク室内に露出する位置に
    配置され、前記冷却手段が前記共通インク室に充填され
    た前記インクによって構成されている、請求項1に記載
    のインクジェット記録ヘッド。
  8. 【請求項8】 前記非線形素子が前記基板の上面に設け
    られ、前記冷却手段が前記基板と前記共通インク室路に
    充填された前記インクとで構成されている、請求項7に
    記載のインクジェット記録ヘッド。
  9. 【請求項9】 前記発熱手段と前記非線形素子とが上面
    に設けられた基板と、 前記インクを吐出する吐出口が形成されており、前記基
    板の上面との間に前記吐出口に連通するインク流路を構
    成するように前記基板に対向配置された吐出口形成部材
    とを有し、 前記発熱手段が前記インク流路内に充填された前記イン
    クに熱エネルギーを与えるように前記基板の上面に配置
    され、 前記非線形素子が前記吐出口形成部材に接触し、前記冷
    却手段が前記基板と前記吐出口形成部材とによって構成
    されている、請求項1に記載のインクジェット記録ヘッ
    ド。
  10. 【請求項10】 前記基板の下面であって前記非線形素
    子が配置されている位置とは反対側の位置に放熱用フィ
    ンが設けられている、請求項2から9のいずれか1項に
    記載のインクジェット記録ヘッド。
  11. 【請求項11】 前記放熱用フィンに向けて送風する放
    熱用ファンが備えられている、請求項10に記載のイン
    クジェット記録ヘッド。
  12. 【請求項12】 前記非線形素子が熱拡散率κの材料か
    らなる保護膜によって覆われており、前記非線形素子に
    印加されるパルス電圧の印加時間をΔtとしたときに、
    前記保護膜がκΔtの平方根の2倍以下の厚さに形成さ
    れている、請求項1から11のいずれか1項に記載のイ
    ンクジェット記録ヘッド。
  13. 【請求項13】 前記保護膜が前記非線形素子とともに
    前記発熱手段も覆うように構成されている、請求項12
    に記載のインクジェット記録ヘッド。
  14. 【請求項14】 前記非線形素子が前記発熱手段を兼ね
    る、請求項1から13のいずれか1項に記載のインクジ
    ェット記録ヘッド。
  15. 【請求項15】 前記非線形素子と前記発熱手段とが別
    体である、請求項1から13のいずれか1項に記載のイ
    ンクジェット記録ヘッド。
  16. 【請求項16】 前記発熱手段が抵抗発熱体を有し、該
    抵抗発熱体と前記非線形素子とが直列接続されている、
    請求項15に記載のインクジェット記録ヘッド。
  17. 【請求項17】 前記発熱手段に電圧を印加するマトリ
    クス回路を構成するマトリクス電極を有する、請求項1
    から16のいずれか1項に記載のインクジェット記録ヘ
    ッド。
  18. 【請求項18】 前記非線形素子が前記マトリクス電極
    の交点に位置する、請求項17に記載のインクジェット
    記録ヘッド。
  19. 【請求項19】 前記熱エネルギーにより前記インクに
    膜沸騰を生起させて前記インクを吐出する、請求項1か
    ら18のいずれか1項に記載のインクジェット記録ヘッ
    ド。
  20. 【請求項20】 記録媒体の被記録面に対してインクを
    吐出するインク吐出口が設けられている請求項1から1
    9のいずれか1項に記載のインクジェット記録ヘッド
    と、前記記録媒体の搬送手段とを少なくとも具備するイ
    ンクジェット記録装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US6736490B2 (en) 2002-03-29 2004-05-18 Canon Kabushiki Kaisha Ink jet recording head and non-linear electrical element
JP2017061114A (ja) * 2015-09-25 2017-03-30 株式会社リコー 液滴吐出ヘッド及び画像形成装置

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US6736490B2 (en) 2002-03-29 2004-05-18 Canon Kabushiki Kaisha Ink jet recording head and non-linear electrical element
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