JP2001071499A - インクジェット記録ヘッドとこれを備えるインクジェット装置およびインクジェット記録方法 - Google Patents

インクジェット記録ヘッドとこれを備えるインクジェット装置およびインクジェット記録方法

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Hideyuki Sugioka
秀行 杉岡
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 駆動電圧よりも低い電圧のノイズ電圧などが
加わっても不要な発熱が生じない発熱素子を備えるイン
クジェット記録ヘッドを提供する。 【解決手段】 極性に依らず、低い電圧を印加した時の
抵抗値が、高い電圧を印加した時の抵抗値に比べて高い
値を示すMIM(Metal Insulator Metal)型の電流電
圧特性を有する発熱素子により、インクを加熱して発泡
させ、吐出させる。この発熱素子に駆動電圧よりも低い
電圧のノイズ電圧などが加わっても、低い電圧を印加し
た時の抵抗値が高いために、発熱素子にはほとんど電流
が流れないので、ほとんど発熱しない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インクジェットプ
リンター、特に、発泡現象を利用したバブルジェットプ
リンターなどに応用されるインクジェット記録ヘッドお
よびインクジェット記録方法に関する。
【0002】
【従来の技術】インクジェット記録方式のうち、一般に
普及しているバブルジェット記録方式は、液路内のイン
クを発熱手段により局部的に高温にしてインクを発泡さ
せ、発泡時に発生する高い圧力によってインクを吐出口
から押し出し、記録紙などの記録媒体に付着させる記録
方式である。バブルジェット記録方式に適用される記録
ヘッドは、一般に、吐出口、液路および該液路の一部に
設けられるインクの吐出エネルギー発生部としての発熱
手段などの微細な構造を含んでいる。
【0003】このようなバブルジェット記録方式におい
て、縦横に複数並べてマトリクス状に配した発熱手段に
より、発熱手段に対応してマトリクス状に配した吐出口
からインクを吐出させるインクジェット記録ヘッドとし
て、特開昭64―20151号公報には、基板上に、複
数の縦配線と横配線とを配置し、縦配線と横配線の交点
部分に、順方向の電圧を印加した場合にのみ電流が流
れ、逆方向の電圧印加では電流が流れない整流素子とこ
れに接続された発熱手段としての発熱抵抗体とを設けた
インクジェット記録ヘッドが開示されている。このイン
クジェット記録ヘッドは、いずれかの縦配線といずれか
の横配線とに電圧を印加し、縦配線と横配線との交点部
分の発熱抵抗体に順方向の電圧を印加してこの発熱抵抗
体を駆動し、この際、他の発熱抵抗体には、電圧が印加
されない状態か、または逆方向の電圧が印加される状態
となるようにして、電流が流れないようにし、このよう
にして、複数の発熱抵抗体のうちの任意の発熱抵抗体を
駆動するものである。
【0004】また、特開昭57―36679号公報に
は、発熱手段として、順方向の通電により発熱し、逆方
向には通電できないダイオードを用い、このダイオード
を基板上に複数個マトリクス状に配列したインクジェッ
ト記録ヘッドが開示されている。
【0005】また、インクジェット記録ヘッドには、通
常、発熱手段として、厚さ0.05μm程度の窒化タン
タル(Taxy)薄膜抵抗体を用い、これに通電した時
に生じるジュール熱でインクを加熱発泡させる。このよ
うな薄膜抵抗体には、通常、キャビテーションによる薄
膜抵抗体表面の損傷を防止するために、0.8μm程度
のSiNなどの絶縁体を介して厚さ0.2μm程度のT
aなどの金属からなる耐キャビテーション層が配置され
ている。この耐キャビテーション層を形成する方法とし
て、発熱抵抗体の上に3つの保護層を積層する方法など
が提案されている(特開平05−301345号公報な
ど参照)。
【0006】インクジェット記録方式によって高精細の
画像を記録可能にするためには、出来る限り微小なイン
ク滴を高密度に吐出させる技術が要求される。このため
には、微細な液路と微細な発熱手段を形成することが基
本的に重要である。
【0007】このような微細構造を形成する方法とし
て、バブルジェット記録方式の記録ヘッドの構造の単純
性を生かしたフォトリソグラフィー技術を駆使した高密
度な記録ヘッドの製造方法が提案されている(特開平0
8−156269号公報など参照)。
【0008】また、微小なインク滴を吐出させる方法と
して、インク滴の吐出量を調整するために、端部に比べ
中央部の発熱量が大きい発熱手段を用いる方法が提案さ
れている(特開昭62−201254号公報参照)。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】従来のインクジェット
記録ヘッドでは、複数の発熱手段を選択的に駆動する際
に、非選択の発熱手段にノイズ電圧が加わり、エネルギ
ーを浪費したり、また駆動電圧に影響を与えてインクの
吐出量が変化し、記録画像に影響を与えてしまう恐れが
ある。特に、複数の縦配線と複数の横配線とに電圧を印
加して、縦配線と横配線との交点にマトリクス状に配置
された発熱手段を選択的に駆動するインクジェット記録
ヘッドでは、駆動の過程で非選択の発熱手段に駆動電圧
より低い電圧が印加される恐れがあり、この電圧が順方
向である場合には、非選択の発熱手段に不要な発熱が生
じることになる。
【0010】また、発熱抵抗体上に耐キャビテーション
層を設けると、発熱抵抗体が、直接的にではなく耐キャ
ビテーション層を介してインクと接することになり、耐
キャビテーション層がインクへの熱の伝達を妨げ、イン
クに熱が伝わり難くなるため、耐キャビテーション層が
ない場合に比べ多くの電気エネルギーを投入する必要が
あり、消費電力が増加する危惧がある。
【0011】これに対して、耐キャビテーション層を設
けず、耐キャビテーション性を有する金属により構成さ
れた層自体を発熱抵抗体として用いる方法がある。しか
し、通常、耐キャビテーション性を有する金属の比抵抗
は低い(例えば、Taの比抵抗は2×10-6Ωcm)の
で、この金属の膜厚を厚くすると、導電路の面積が広く
なって抵抗が小さくなり過ぎ、発熱抵抗体としての機能
を果たせなくなる。このため、耐キャビテーション性を
有する金属の層自体を発熱抵抗体とする方法では、この
金属層の膜厚を十分にとることは困難である。
【0012】また、熱伝達を良くするために耐キャビテ
ーション層を薄くすると、キャビテーションによるピン
ホールの発生などのために、発熱抵抗体の機能が損なわ
れる危惧がある。
【0013】また、微小なインク滴を吐出可能にするた
めに、発熱体の大きさを小さくする場合、それらを小さ
くするのと同じ割合で、発熱体部および発熱体に接続さ
れる配線部分を微小化していくと、配線抵抗の増大を招
くので、その微小化には限界がある。
【0014】また、フォトリソグラフィー技術は加工精
度に優れるが量産化に劣り、逆に、印刷技術は量産化に
は有利であるが加工精度は劣る。すなわち、微小な液滴
を吐出させる目的で発熱体等を微細に形成する場合は、
その精度と量産性の両方を満足させるのは困難である。
【0015】そこで、本発明の目的は、ノイズなどの駆
動電圧よりも低い電圧が発熱手段に加わっても、不要な
発熱が生じない発熱手段を備えたインクジェット記録ヘ
ッドを提供することにある。
【0016】また、本発明の他の目的は、キャビテーシ
ョンに強く、消費電力が少ないインクジェット記録ヘッ
ドを提供することにある。
【0017】また、本発明のさらに他の目的は、発熱体
用の膜面積を十分に小さく形成することが困難な場合で
も、微小なスポット状の発熱が可能であり、微小な液滴
を吐出できる液体吐出素子、及び、この液体吐出素子を
有し、高精細な記録が可能なインクジェットヘッド並び
にインクジェット装置を提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明によるインクジェ
ット記録ヘッドは、発熱手段の熱エネルギーを利用して
インク滴を吐出するインクジェット記録ヘッドにおい
て、発熱手段が、極性に依らず、低い電圧を印加した時
の抵抗値が、高い電圧を印加した時の抵抗値に比べて高
い値を示すMIM型の電流電圧特性を有する発熱素子で
あることを特徴とする。
【0019】このようなMIM型の電流電圧特性を有す
る発熱素子を用いることにより、ノイズ電圧などの発熱
素子の駆動電圧より低い電圧が発熱素子に印加されて
も、低い電圧が印加された場合の発熱素子の抵抗値が大
きいことにより、発熱素子にはほとんど電流が流れない
ので、発熱素子の不要な発熱を防止することができる。
【0020】極性が定まらないノイズ電圧によって発熱
素子が発熱しないように、発熱素子の電流電圧特性は、
正電圧側、負電圧側とも、小さい絶対値の電圧の印加で
流れる電流が充分に小さい電流電圧特性であることが望
ましい。そこで、特に、発熱素子の電流電圧特性は、イ
ンクを発泡させるために必要な熱エネルギーを発生する
際に発熱素子に流れる電流に相当する絶対値I0の電流
を与える印加電圧+V1と、−V2との絶対値の比(V1
/V2)が0.5以上2以下の値であり、かつ、+V1
2、−V2/2の電圧を印加した時に流れる電流の絶対値
がI0/10以下であることが望ましい。
【0021】また、交差するように縦横に並んで配され
たストライプ状電極の交点に発熱素子をマトリクス状に
並べて配置した構成とすることにより、ストライプ状電
極に選択的に電圧を印加することにより発熱素子を選択
的に発熱させることができるインクジェット記録ヘッド
とすることができる。この際、いくつかの非選択点の発
熱素子に発熱素子の駆動電圧よりも低い電圧が加わって
も、発熱素子はMIM型の電流電圧特性を有しているの
で、発熱素子にはほとんど電流が流れず、発熱しない。
【0022】このような、MIM型の電流電圧特性を有
する発熱素子としては、絶縁体と、絶縁体を挟持する一
対の導電体電極とを有するMIM素子がある。
【0023】このMIM素子は、絶縁体部分が発熱部で
あり、絶縁体を挟持する導電体電極のいずれか一方をイ
ンクとの接触面とし、この面上でインクを発泡させる構
成とすることができる。MIM素子の発熱量は、絶縁体
の厚みと材料定数だけに依存するため、 MIM素子の
発熱特性を損なうことなく導電体電極の厚みを厚くでき
る。そこで、インクが発泡する面の導電体電極の厚みを
厚くして、 MIM素子をキャビテーションに強い発熱
手段とすることができる。
【0024】MIM素子での絶縁体中の電気伝導機構で
あるトンネル伝導によりMIM素子に電流が流れるよう
にするためには、電極間隔を100nm以下とすることが
望ましい。さらに、1μsec程度の短いパルス幅のパル
ス電圧の印加でMIM素子が急速に加熱するように、電
極間隔は20nm以下とすることがより望ましい。
【0025】また、電極間隔が極端に狭いと電極の金属
表面のイオンが電界放射を起こす恐れがあるため、電極
間隔を1nm以上とすることが望ましい。さらに、安定な
トンネル伝導が得られるようにするためには電極間隔を
4nm以上とすることがより望ましい。
【0026】また、インクが発泡する面の導電体電極を
耐キャビテーション性を有する金属で構成することによ
り、発熱手段の耐キャビテーション性を向上させること
ができる。
【0027】従来の、発熱手段の上に耐キャビテーショ
ン性を有する金属を形成したインクジェット記録ヘッド
では、耐キャビテーション性を有する金属と、この金属
層と発熱手段とを電気的に絶縁するために両者の中間に
形成される絶縁層とを介して発熱手段の熱がインクに伝
わるのに対し、本発明のインクジェット記録ヘッドで
は、耐キャビテーション性を有する金属のみを介して発
熱部の熱がインクに伝わるため、熱伝達性が良くなり、
少ない消費電力で効率よくインクを発泡させることがで
きる。
【0028】また、導電体電極の表面に酸化絶縁膜を形
成することにより、導電体電極の耐久性が向上し、さら
に、熱にも強くなる。
【0029】MIM素子の構造としては、少なくとも表
面が絶縁体である基板の表面上に間隙を置いて配置され
た一対の薄膜状の導電体電極を有する構造とすることが
できる。すなわち、この構造では、導電体電極の間の間
隙がトンネル伝導が生じる絶縁体の役割を担う。この間
隙に絶縁体を配置しても良い。
【0030】また、 MIM素子の他の構造としては、
基板上に配置された金属薄膜からなる導電体電極と、そ
の上に配置された薄膜状の絶縁体と、さらにその上に配
置された金属薄膜からなる導電体電極とを有する積層体
構造とすることができる。
【0031】積層体構造のMIM素子を用いたインクジ
ェット記録ヘッドは、複数本平行に形成されたストライ
プ状下側電極と、ストライプ状下側電極に交差するよう
に複数本平行に形成されたストライプ状上側電極と、ス
トライプ状下側電極とストライプ状上側電極とに挟持さ
れた絶縁体とを有する構成とすることにより、容易に発
熱手段をマトリクス状に配置した構成とし、マトリクス
状の吐出口からインクを吐出するインクジェット記録ヘ
ッドを構成できる。すなわちこの構成では、ストライプ
状下側電極とストライプ状上側電極との交点にMIM素
子が形成される。
【0032】このマトリクス状に配置されたMIM素子
の駆動は、駆動するMIM素子部分を通るストライプ状
下側電極とストライプ状上側電極に電圧を印加して、両
電極に印加した電圧の電位差をMIM素子に加えること
によって行う。この際、ストライプ状上側電極とストラ
イプ状下側電極のうちいずれか一方のみに電圧が印加さ
れているMIM素子にも電位差が加わるが、この電位差
は、両電極に電圧が印加されたMIM素子に加わる電位
差よりも小さい。MIM素子は、加わる電位差の変化に
対する電流の変化量が大きいので、所定の発熱量が得ら
れる電位差よりも小さい電位差が加わっても、ほとんど
電流が流れず、ほとんど発熱しない。すなわち、選択し
ていないMIM素子の不要な発熱量は小さい。
【0033】本発明によるインクジェット記録ヘッド
は、前記のようにマトリクス状に配置したMIM素子の
一つ一つに対して個別に電圧印加手段を設ける必要がな
いので、MIM素子への電圧印加手段をインクジェット
記録ヘッドの外部に設け、インクジェット記録ヘッド内
には電圧印加手段と脱着可能なインターフェイス電極部
を形成した構成とすることが容易にできる。すなわち、
ストライプ状下側電極とストライプ状上側電極の端部を
インクジェット記録ヘッドの外周部分に配置して、この
部分を外部の電圧印加手段と脱着可能なインターフェー
ス電極部とすれば良い。このような構成とすることによ
り、インクの消耗によって交換が必要となるインクジェ
ット記録ヘッドの製造コストを低くできる。
【0034】またMIM型の電流電圧特性を有する他の
発熱素子としては、金属酸化物を添加した焼結体層、ま
たは、粒状結晶層を一対の導電体で挟持したバリスタが
ある。
【0035】またMIM型の電流電圧特性を有する他の
発熱素子としては、一対の素子電極間に薄膜抵抗体、特
に、分散配置された微粒子よりなる微粒子薄膜抵抗体、
または、島状薄膜抵抗体を配置した表面伝導型素子があ
る。この表面伝導型素子では、通電時に線状の電界集中
領域を有する薄膜抵抗体とする構成が可能であり、この
ような表面伝導素子を発熱手段とすることにより、通電
時薄膜抵抗体が線状の電界集中領域を示すために、この
薄膜抵抗体が比較的広い面積を有する膜であっても、電
界集中領域での微小なスポット状の発熱が可能となり、
微小な発熱が可能となり、微小な液滴を吐出することが
できる。
【0036】本発明によるインクジェット装置は、記録
媒体の被記録面に対向してインクを吐出するインク吐出
口が設けられている、前記のようなインクジェット記録
ヘッドと、記録媒体の搬送手段とを少なくとも具備する
ことを特徴とするインクジェット装置である。
【0037】
【発明の実施の形態】以下図面を参照して本発明の実施
形態を説明する。
【0038】「実施形態1」図1は、本発明による実施
形態1のインクジェット記録ヘッドの特徴を表す模式図
である。
【0039】同図に示すように、このインクジェット記
録ヘッドは、吐出する液体を保持する液室c3と、液室
c3中に配置された二端子の発熱素子c1とを有してい
る。発熱素子c1は、液体を吐出させるための熱エネル
ギーを発生する発熱手段の役割を担っており、すなわ
ち、パルス電源c2により発熱素子c1にパルス電圧を
印加することにより、発熱素子c1は発熱して液室c3
中の液体を発泡させ、吐出口c5から吐出液滴c4を吐
出させる。
【0040】発熱素子c1は、図2に示すように、極性
に依らず、高電圧側では低い抵抗値を示し、低電圧側で
は高い抵抗値を示すMIM(Metal Insulator Metal)
型の電流電圧特性を有している。このような電流電圧特
性を有する代表的な素子としては、MIM素子やバリス
タ素子などがある。
【0041】ここで、MIM素子とは、原義的には絶縁
体とこれを挟み込むように配置された金属とを有するト
ンネル接合素子であるが、通常、絶縁体とこれを挟み込
むように配置された導電体電極とを有する接合素子もM
IM素子と呼ばれる。
【0042】MIM素子での、絶縁体中の電気伝導機構
としては、プールフレンケル型伝導のような絶縁体の中
で複数のトンネリングを繰り返すホッピング型の電気伝
導や、ファウラーノルドハイム型伝導のような比較的単
純なトンネル伝導などが知られている。
【0043】こうしたトンネル型の電流が流れ、接合素
子に電流が流れるためには、電極間の距離が極めて狭い
必要がある。MIM素子に電流が流れる絶縁体の限界膜
厚、または、限界電極間隔は絶縁材料や電極材料の種類
や伝導機構に大きく依存するが、MIM素子として有為
な電流が流れるためには、例えば、電極間隔を100nm
以下とすることが望ましい。さらに、発熱素子c1への
1μsec程度の短いパルス幅のパルス電圧を印加で発熱
素子c1が急速に加熱するように、好ましくは、電極間
隔を20nm以下とすることが望ましい。
【0044】また、電極間隔が極端に狭いと電極の金属
表面のイオンが電界放射を起こす恐れがあるため、電極
間隔を1nm以上とすることが望ましい。さらに、安定な
トンネル伝導が生じるトンネル接合を得るためには電極
間隔を4nm以上とすることが望ましい。
【0045】すなわち、特に、電極間距離が1nm以上1
00nm以下であり、より好ましくは、4nm以上20nm以
下であるMIM素子を発熱素子c1として用いることが
好ましい。
【0046】また、ZnOにBi、PrおよびCo等の
金属酸化物を添加した焼結体層や、炭化けい素SiCな
どからなる粒状結晶層を、上記のMIM素子における絶
縁体の代わりに電極間に配置した、いわゆるバリスタ
も、極性に依らず、高電圧側では低い抵抗値を示し、低
電圧側では高い抵抗値を示すMIM型の電流電圧特性を
有する素子であり、MIM素子と同様にこのバリスタを
本発明の発熱素子c1として用いることができる。
【0047】このようなMIM型の電流電圧特性を示す
発熱素子c1を発熱手段として用いることによって、ノ
イズ電圧などの発熱素子の駆動電圧より低い電圧が発熱
素子に印加されても、低い電圧が印加された場合の発熱
素子c1の抵抗値が大きいことにより、発熱素子c1に
はほとんど電流が流れないので、発熱素子c1の不要な
発熱を防止することができ、また、所望の発熱素子C1
の駆動のために投入した電気エネルギーが、他の発熱素
子c1の不要な発熱により消費され、駆動する発熱素子
c1への投入電気エネルギーが小さくなって所望の発泡
を発生させられず、液体吐出量が変化して記録画像の画
質を乱すことを防止できる。
【0048】ここで、極性が定まらないノイズ電圧によ
って発熱素子c1が発熱しないように、発熱素子c1の
電流電圧特性は、正電圧側、負電圧側とも、小さい絶対
値の電圧の印加では、充分に小さな電流しか流れない電
流電圧特性であることが望ましい。そこで、特に、発熱
素子c1の電流電圧特性は、図2に示すように、所望の
発泡を発生させるために電圧を印加した時に流れる電流
に相当する絶対値I0の電流を与える印加電圧+V1と、
−V2との絶対値の比(V1/V2)が0.5〜2の値で
あり、かつ、+V1/2、−V2/2の電圧を印加した時に
流れる電流の絶対値がI0/10以下であることが望まし
い。
【0049】「実施形態2」図3に、本発明の実施形態
2のインクジェット記録ヘッドの発熱手段の特徴を示す
模式図をを示す。同図に示すように、本実施形態のイン
クジェット記録ヘッド、複数並んで配置されたストライ
プ状電極x1,x2とこれらに交差するように複数並ん
で配置されたストライプ状電極y1,y2との交点にM
IM型の電流電圧特性を示す発熱素子c1をマトリクス
状に配置したインクジェット記録ヘッドである。
【0050】このインクジェット記録ヘッドでは、スト
ライプ状電極x1,x2のいずれかに+V3、ストライ
プ状電極y1,y2のいずれかに−V4の電圧を選択的
に印加することにより、電圧を印加したストライプ状電
極の交点に位置する発熱素子c1に(V3+V4)の電圧
を印加して発熱素子c1を選択的に駆動できる。
【0051】この際、いくつかの非選択点の発熱素子c
1には、V3またはV4の電圧が印加されるが、発熱素子
c1はMIM型の電流電圧特性を有しているので、発熱
素子c1を駆動する電圧(V3+V4)よりも小さいV3
またはV4の電圧を加えても発熱素子c1にはほとんど
電流が流れず、発熱しない。すなわち、非選択点の発熱
素子c1の不要な発熱を抑制して、マトリクス状に配置
した発熱素子c1の選択的な駆動を行うことができる。
【0052】本実施形態のインクジェット記録ヘッドで
は、マトリクス状に配置した発熱素子c1の選択的な駆
動を、ストライプ状電極x1,x2,y1,y2に選択
的に電圧を印加することにより実施できるので、ストラ
イプ状電極x1,x2,y1,y2の端部をインターフ
ェイス部として、発熱素子c1の選択的な駆動を行うド
ライバをインクジェット記録ヘッドの外部に配置する構
成にでき、インクジェット記録ヘッドに複雑な回路を形
成する必要がないので安価で、大量生産可能なインクジ
ェット記録ヘッドにすることができる。
【0053】また、インクジェット記録ヘッドの発熱素
子c1を形成する基板として、複雑な回路を形成する際
に用いられるSi基板を用いることなく、安価な非Si
基板を用いることができる。
【0054】また、インクジェット記録ヘッドに発熱素
子c1以外に、従来例で示したような、マトリクス状に
配置した発熱素子c1の選択的な駆動のために設けられ
る整流素子などの他の素子を用いる必要がないので、整
流素子などでの電力損失がなく、消費電力が小さいイン
クジェット記録ヘッドとすることができる。
【0055】次に、本発明による実施形態のより具体的
な構成を示す実施例について説明する。
【0056】「実施例1」図4は本発明の実施例1によ
るインクジェット記録ヘッドの特徴を示す断面図であ
る。
【0057】同図に示すように、このインクジェット記
録ヘッドは、基板19に穿設された吐出口22の近傍に
インク12を保持する液室11と、液室11と吐出口2
2とを連通する液路10と、絶縁体基板20に穿設され
たインク供給孔23を介して液室11に供給するインク
12を貯溜するインクタンク24とを有している。液室
11内の、絶縁基板20上には、図4の紙面に垂直な方
向に伸びる金属電極3と、その上に形成された絶縁体2
と、さらにその上に配置され、図4の紙面の左右方向に
伸びる耐キャビテーション性を有する金属からなる金属
電極1との積層体であるMIM(Metal Insulator Meta
l)素子4が形成されている。MIM素子4は、非線形
素子であってインク12を加熱して発泡させる発熱手段
の役割を担っており、液室11内の吐出口22に対向す
る位置に配されている。
【0058】次に、このインクジェット記録ヘッドによ
る記録方法を説明する。
【0059】MIM素子4の金属電極3にV1、耐キャ
ビテーション性を有する金属電極1にV2の電圧をそれ
ぞれ印加して、両電極間に電位差V(=V2−V1)を
発生させた時、電位差に応じて流れる非線形なPool
e−Frenkel電流Iは以下の式で求められる。
【0060】 I=αVexp(β√(V)) …(式1) α=((nμq)/d)exp(−φ/(kBT)) …(式2) β=(1/( kBT))√(q3/(πεiε0d)) …(式3) (n:絶縁体2のキャリア密度,μ:キャリアの移動
度,q:キャリアの電荷量,d:絶縁体2の厚さ,φ:
トラップの深さ,kB:ボルツマン定数,T:温度,
εi:絶縁体2の誘電率,ε0:真空の誘電率)
【0061】この電流Iが電極間に流れ、電力P(=I
V)が消費されて発熱し、この熱によりインク12が発
泡して気泡25が生じる。この際のインク12の圧力上
昇により、吐出口22から基板19に略垂直な方向にイ
ンク滴26が吐出し、このインク滴26を図示しない記
録媒体に付着させることにより記録が行われる。
【0062】次に、MIM素子の形成方法について説明
する。
【0063】絶縁体基板20としては、例えば、厚さ1
mmのガラス基板を用い、この上に、まず、例えば、幅
40μm,厚さ0.2μmのTaをスパッター蒸着法や
CVD法(化学的気相成長法)などで蒸着して、金属電
極3を形成する。次に、金属電極3を陽極酸化して、絶
縁体2として厚さ0.05−0.1μm程度の金属酸化
膜を形成する。ここで、陽極酸化は、硼酸、燐酸、酒石
酸などの酸やそのアンモニウム塩の希薄水溶液を電解液
とし、電解液中に電極3を配置したガラス基板23を浸
漬し、電極3を陽極として、通電処理することにより行
う。続いて、耐キャビテーション性を有する金属を下電
極3に交差するように、幅40μm,厚さ0.2μmで
スパッター蒸着法などにより蒸着して耐キャビテーショ
ン性を有する金属電極1を形成し、MIM素子を得る。
耐キャビテーション性を有する金属としては、例えばT
aを用いる。
【0064】MIM素子4は、気泡25が発生する部
分、すなわちインク12と接する部分が、耐キャビテー
ション性を有する金属により構成されている。このた
め、 MIM素子4はキャビテーションに強く、この上
にさらに耐キャビテーション層を形成する必要はないの
で、発熱部とインク接触面との距離を短くできる。すな
わち、耐キャビテーション層を必要とする従来の発熱抵
抗体では、耐キャビテーション層と発熱抵抗体との間に
両者を電気的に絶縁するための絶縁層を設ける必要があ
るため、発熱抵抗体とインクとの間に2つの層が介在す
る。これに対し、本実施例のMIM素子4では、絶縁層
が不要であり、発熱部である絶縁体2とインク12との
間に耐キャビテーション性を有する金属電極1のみを介
する構成であるため、絶縁層がない分だけ発熱部とイン
ク接触面との距離を短くできる。このため、発熱部から
インク12への熱伝達性が良くなり、少ない消費電力で
インク12を発泡させることができる。
【0065】また、MIM素子の発熱量は、式1〜3に
示すように絶縁体2の厚みと材料定数だけに依存し、耐
キャビテーション性を有する金属電極1の抵抗値には依
存しないため、耐キャビテーション性を有する金属電極
1の膜厚を十分に大きくして、高い耐キャビテーション
性を得ることができる。
【0066】「実施例2」図5は、実施例2によるイン
クジェット記録ヘッドの特徴を表す平面図である。同図
において、実施例1と同様のものについては、同一の符
号を付し説明を省略する。
【0067】図5(a)に示すように、本実施例による
インクジェット記録ヘッドの絶縁基板20上には、同図
の上下方向に伸びる線状のストライプ状下側電極33
と、同図の左右方向に伸びて、ストライプ状下側電極3
3の上部を通って交差する線状のストライプ状上側電極
32とが、それぞれ複数平行に形成されており、両スト
ライプ状電極32,33が重なり合ってマトリクス状に
なっている。ストライプ状上側電極32の端部には、イ
ンターフェイス電極部34が、ストライプ状下側電極3
3の端部にはインターフェイス電極部35が形成されて
いる。ストライプ状下側電極32は、金属電極の表面に
絶縁体が形成されたもの、ストライプ状上側電極32は
耐キャビテーション金属からなる電極であり、それぞれ
実施例1と同様に形成されている。このストライプ状下
側電極33とストライプ状上側電極32の交点部分に
は、MIM素子4が構成されており、すなわち、本実施
例では、MIM素子4がマトリクス状に形成されてい
る。 図2(b)に示すように、MIM素子4に対応し
て、基板19にはマトリクス状に吐出口22が穿設され
ている。
【0068】次に、このマトリクス状に配置されたMI
M素子4の駆動方法を説明する。
【0069】ストライプ状下側電極32とストライプ状
上側電極32には、インターフェース電極部34,35
を介して、図示しないプリンター本体のマトリクス駆動
用のインターフェースから、選択的に電圧が印加され
る。すなわち、複数のストライプ状下側電極33のうち
の1つに電圧V1を印加し、複数のストライプ状上側電
極32のうちの1つに電圧V2を印加すると、電圧V1
が印加されたストライプ状下側電極33と電圧V2が印
加されたストライプ状上側電極32との交点部分のMI
M素子4に電位差(V2−V1)が加わって駆動され、
この部分でインクが加熱されて発泡し、対応する吐出口
22からインク滴が吐出される。
【0070】この際、電圧V2が印加されたストライプ
状下側電極32上の電圧V1が印加されたストライプ状
上側電極33との交点部分以外のMIM素子4には、電
位差V2が加わり、電圧V1が印加されたストライプ状
上側電極33上の電圧V2が印加されたストライプ状下
側電極32との交点部分以外のMIM素子4には、電位
差V1が加わる。
【0071】しかし、MIM素子4は非線形素子であ
り、式1に示すように加わる電位差の変化に対する電流
の変化量が大きいので、所定の発熱量が得られる電位差
(V2−V1)よりも小さい電位差V2またはV1が加
わっても、ほとんど電流が流れず、ほとんど発熱しな
い。すなわち、本実施例の構成によれば、選択していな
いMIM素子4の不要な発熱量は小さい。
【0072】このように、MIM素子4を発熱手段とし
てマトリクス状に配置する構成では、マトリクス状に配
置した発熱手段のそれぞれに対して駆動回路を設けなく
ても、不要な発熱の発生は小さい。したがって、本実施
例に示すように、インクジェット記録ヘッドの周辺部分
にインターフェイス電極部34,35を配する構成とす
ることが容易である。このようなインターフェイス電極
部34,35を設けることにより、インクジェット記録
ヘッドを、プリンター本体に設けた発熱手段の駆動回路
と容易に脱着可能な構成とすることができる。この構成
では、インクジェット記録ヘッドに発熱手段の駆動回路
を設ける必要がないので、インクの消耗によって交換が
必要となるインクジェット記録ヘッドの構成を簡単にで
き、製造コストを低くして量産可能とすることができ
る。
【0073】「実施例3」図6は、実施例3のインクジ
ェット記録ヘッドの特徴を示す模式図であり、実施例2
と同様にMIM素子4がマトリクス状に配置されたイン
クジェット記録ヘッドの1つのMIM素子4周辺の断面
図を示している。同図において、実施例1,2と同様の
部分については、同一の符号を付し説明を省略する。
【0074】本実施例のインクジェット記録ヘッドは、
金属からなるストライプ状下側電極33上にこれを陽極
酸化または熱酸化して酸化絶縁膜E2を形成し、その上
に、ストライプ状上側電極32を配置し、さらにその上
に、金属からなるストライプ状下側電極32を陽極酸化
または熱酸化して得られる酸化絶縁膜E1を形成したも
のを発熱素子とするインクジェット記録ヘッドである。
すなわち、ストライプ状下側電極33と酸化絶縁膜E2
とストライプ状上側電極32とにより、ストライプ状下
側電極33とストライプ状上側電極32との交点にMI
M素子4が形成されている。
【0075】このように上側のストライプ状上側電極3
2およびストライプ状下側電極33の上面の全面に酸化
絶縁膜E1,E2を形成することにより、ストライプ状
上側電極32およびストライプ状下側電極33の液体と
接触する面上の酸化絶縁膜E1,E2が保護膜として作
用するので、耐久性が向上する。この酸化絶縁膜E1,
E2は熱に強い金属の熱酸化膜または陽極酸化膜である
ので、熱に強い利点がある。
【0076】次に、本実施例のより具体的な構成方法に
ついてを説明する。
【0077】ストライプ状上側電極32およびストライ
プ状下側電極33として、厚さ約150nmのTa薄膜を
RF(高周波)スパッタ法で作成し、酸化絶縁膜E1,
E2として、ストライプ状上側電極32およびストライ
プ状下側電極33の表面を陽極酸化法で酸化し、厚さ約
12nmのTa2O5薄膜を形成する。この時、RFスパッタ
は約10ー2Torr程度のArガス雰囲気中で行なう。
また、電極幅は24μmとし、MIM素子4の発熱体部
分の電極の大きさは24μm×24μmとする。このM
IM素子4に約8Vのパルス電圧を印加すると約1μse
cでインクを発泡させ、インク滴を吐出させることがで
きる。
【0078】「実施例4」図7は、実施例4のインクジ
ェット記録ヘッドの特徴を示す模式図であり、図7
(a)は、MIM素子4の平面図、図7(b)はMIM
素子4周辺の断面図を示している。同図において、実施
例1〜3と同様の部分については、同一の符号を付し説
明を省略する。
【0079】同図に示すように、このインクジェット記
録ヘッドには、絶縁体基板20上に間隙D0を開けて一
対の薄膜電極D1,D2が形成されている。すなわち、
間隙D0が実施例1〜3での絶縁体の役割を担い、薄膜
電極D1,D2および間隙D0によりMIM素子4が構
成されており、パルス電源E6により、パルス電圧を薄
膜電極D1、D2間に印加することにより、線状の間隙
D0部分が発熱し、インクを発泡させてインク滴を吐出
させることができる。
【0080】ここで、間隙D0の部分には、他の絶縁薄
膜を形成してもよい。また、絶縁体基板20は、少なく
とも薄膜電極D1、D2を形成する表面が絶縁体であれ
ば良い。
【0081】このように、本実施例のインクジェット記
録ヘッドは、MIM素子4およびトンネル接合が絶縁体
基板20に平行な方向に形成されていることを特徴とす
る。このようなMIM素子4でも、実施例1〜3で示し
たような積層体のMIM素子4と同様の電流電圧特性を
得ることができる。
【0082】「実施例5」図8は、本発明の実施例5の
液体吐出素子を示す模式図である。この図に示す例にお
いては、基板114上に液路110が形成され、この液
路110の途中に発熱体である薄膜抵抗体101が設け
られ、その両端には一対の素子電極102、103が設
けられ、さらに、この一対の素子電極は、電気的エネル
ギーを供給する為の電源112と接続されている。また
液路110は、この液路に液体を供給する為の液室11
1と連通している。
【0083】この素子電極102、103から薄膜抵抗
体101に通電すると、図中に模式的に示すような線状
の電界集中領域104が発生し、この電界集中領域10
4において液路110内の液体が局部的に高温になり、
そこに微小な泡が発生する。この発泡時の圧力により微
細な液滴113が液路の吐出口115から吐出し、記録
紙等に付着する。
【0084】従来の均一な薄膜抵抗体を使用する場合
は、膜面全体に気泡が発生するので、薄膜抵抗体の膜面
積を十分に小さく形成することが困難な場合には、泡が
大きく成長し過ぎて、微小な液滴を吐出させるのは困難
であった。一方、本発明においては、膜面積を十分に小
さく形成することが困難な場合でも、電界集中領域4が
発生し、電流が十分大きな領域のスポット状の発熱体と
して機能するので、微小な液滴を吐出することが可能と
なる。
【0085】図9は、図8の液体吐出素子の液路付近の
部分断面図である。この図に示す例において、液路11
0は基板121、122の間に形成され、基板121上
に設けられた薄膜抵抗体101は、素子電極102、1
03間に分散配置された多数の微粒子123より成る微
粒子膜により構成されている。ここで、微粒子123と
は、多数の原子・分子の集合体を指し、その微粒子の粒
径の下限が0.1nm〜1nm程度、上限は数μmから
数十μm程度のものが望ましい。
【0086】先に述べたように、本発明においては、薄
膜抵抗体101の電界集中領域104において液路11
0内の液体が局部的に高温になり、そこに微小な泡が発
生する。図9では、膜の中央付近のスポット状の発熱部
125として機能し、その部分に微小な発泡領域124
を発生させる。
【0087】薄膜抵抗体101が多数の微粒子123よ
り成る微粒子膜である場合、その微粒子123の面積占
有率は、35%〜75%の範囲内にあることが好まし
い。この面積占有率は、走査型電子顕微鏡等を用いて表
面像を観察し、微粒子が付着している部分の面積の基板
面積に対する比を求めることによって得られる。
【0088】微粒子膜における線状の電界集中領域10
4に関し、例えば、特開平5−242793号公報には
微粒子構造を持つ電子放出素子が提案され、また例え
ば、特開平10−50208号公報には、微粒子状の薄
膜に揺らぎに起因した電界集中領域が線状に発生するこ
とが記載されている。
【0089】図10(a)は、微粒子の面積占有率が3
5%〜75%の範囲内にある揺らぎを持った微粒子膜の
構造を示す模式図であり、図10(b)は、微粒子膜に
対する電界の空間分布をシミュレート計算した結果を示
す模式図である。この図10(b)に示すように、揺ら
ぎを持った微粒子膜には、線状の電界集中領域131が
発生する。
【0090】本発明者の知見によると、線状の電界集中
領域131は、微粒子膜の浸透閾値付近で最も強く発生
する。このことは、微粒子膜のコンダクタンスが実質的
に0である絶縁状態から、有限の値を持つ導電状態に遷
移する領域において、最も強く発生することを意味す
る。
【0091】以上説明した液体吐出素子を構成する各部
材は、本発明において特に制限は無く、線状の電界集中
領域131での微小な発泡による液滴の吐出が可能とな
るように機能する限りにおいて、所望に応じて適宜選択
すればよい。
【0092】例えば、基板121、122としては、石
英ガラス、Na等の不純物含有量を減少させたガラス、
青板ガラス、アルミナ等のセラミックス、Si基板など
を用いることができる。
【0093】素子電極102、103としては、一般的
な導電材料等を用いることができ、例えば、Ni、C
r、Au、Mo、W、Pt、Ti、Al、Cu、Pd等
の金属あるいは合金、Pd、Ag、Au、RuO2、P
d−Ag等の金属あるいは金属酸化物とガラス等から構
成される印刷導体、In23−SnO2などの透明導電
体、ポリシリコン等の半導体材料などを用いることがで
きる。
【0094】素子電極間隔L、素子電極長さWは、応用
される形態などを考慮して設計すればよい。例えば、素
子電極間隔Lは、数百nmから数百μmの範囲とするこ
とができる。
【0095】薄膜抵抗体101を構成する微粒子123
としては、Bi、Pd、Pt、Ru、Ag、Au、T
i、In、Cu、Cr、Fe、Zn、Sn、Ta、W、
Pb等の金属、PdO、SnO2、In23、PbO、
Sb23等の酸化物、HfB2、ZrB2、LaB6、C
eB6、YB4等の硼化物、TiC、ZrC、HfC、T
aC、SiC、WC等の炭化物、TiN、ZrN、Hf
N等の窒化物、Si、Ge等の半導体、カーボンなどを
用いることができる。
【0096】薄膜抵抗体101である微粒子膜の作製方
法としては、スパッタ法などによる堆積法の他、微粒子
膜の材料の金属を主元素とする有機金属を塗布焼成する
方法など、従来より知られる様々な方法を採用できる。
【0097】次に、本実施例のより詳細な構成例につい
て説明する。
【0098】図8に示した構成の液体吐出素子を、次の
条件で作製した。微粒子の材質がBi、平均粒子径が9
nm、膜厚が9mm、面積占有率が67%の微粒子膜
を、真空蒸着により形成した。ここでは通電フォーミン
グは行わなかった。また、素子電極2、3の材質はP
t、素子電極間隔Lは40μm、素子電極長さWは40
μm、基板121、122は青板ガラス、液路110の
サイズは200μm(液路10の幅はWよりも狭い2μ
m)とした。
【0099】この液体吐出素子を使用し、インクジェッ
ト記録の評価を顕微鏡で行ったところ、線状の電界集中
領域104上に微小な発泡が認められ、微小な液滴の吐
出が可能であった。
【0100】「実施例6」図11は、本発明の実施例6
の液体吐出素子、すなわち薄膜抵抗体が通電処理により
薄膜を局所的に破壊、変形もしくは変質させて形成した
線状の電界集中領域を有する例を示す模式図である。こ
の図に示す例においては、亀裂の発生によってできた電
界集中領域142を有する薄膜抵抗体141が用いられ
ている。
【0101】このような電界集中領域142は、例えば
通電フォーミングにより形成できる。具体的には、パル
ス波形を用い、素子電極102、103間にパルス波高
値を一定にして印加するか、もしくは、パルス波高値を
増加させながら印加することにより、薄膜抵抗体141
を局所的に破壊、変形もしくは変質できる。パルス幅は
1μs〜10ms、パルス間隔は10μs〜100ms
の範囲内、パルスの印加時間は数秒〜数十分が望まし
い。
【0102】通電フォーミングの完了は、パルスとパル
スの間に十分小さな抵抗測定用の電圧を印加して、その
抵抗を測定することによって検知できる。例えば、0.
1V程度の抵抗測定用の電圧を印加して、1MΩ以上の
抵抗を示したとき、通電フォーミングを終了させればよ
い。
【0103】実施例6においては、例えば、実施例5で
説明した線状の電界集中領域131(図10(b))が
十分に形成されていない微粒子膜であっても、その膜を
破壊、変形もしくは変質することによって、良好な発泡
を可能とする電界集中領域142を形成することができ
る。
【0104】次に、本実施例のより詳細な構成例につい
て説明する。
【0105】図11に示した構成の液体吐出素子を、次
の条件で作製した。微粒子の材質がPdO、平均粒子径
が10nm、膜厚が10mm、面積占有率が95%の微
粒子膜をスピンコートにより形成し、通電フォーミング
を行った。また、素子電極102、103、基板12
1、122、液路110は実施例5と同様にした。
【0106】この液体吐出素子を使用し、インクジェッ
ト記録の評価を顕微鏡で行ったところ、線状の電界集中
領域42上に微小な発泡が認められ、微小な液滴の吐出
が可能であった。
【0107】「実施例7」図12は、本発明の実施例7
の液体吐出素子、すなわち微粒子膜における各微粒子の
間隙を液路とする例を示す模式図である。同図(a)は
模式的平面図であり、同図(b)はその断面図である。
【0108】この図に示す例においては、下側基板15
1に形成された素子電極155、156及び電極と同じ
高さに調整された絶縁性薄膜157と、上側基板152
に設けられたスペーサー153との間に、薄膜抵抗体と
して多数の微粒子より成る面積占有率が35%〜75%
の微粒子膜154を充填したものである。
【0109】この例においては、微粒子膜154の各微
粒子間の間隙部が、液体吐出素子の液路となる。すなわ
ち、液室から供給される液体は、この粒子間の間隙部を
通って吐出口から吐出される。このように、微粒子膜1
54の隙間部を極めて狭い液路として利用し、電極15
5、156を用いて、微粒子膜に電圧を印加することに
よって、線状の電界集中領域158を形成し、その線上
の電流が絞られた点状領域に局在化された発熱により、
微小な発泡を行い微小な液滴を吐出させるものである。
【0110】実施例7においては、微粒子膜の隙間部を
液路として利用しているので極めて狭い液路を容易に形
成できる。
【0111】次に、本実施例のより詳細な構成例につい
て説明する。
【0112】素子電極102、103のサイズを、間隔
L40μm、長さW100μmに変更したこと以外は実
施例5と同様の条件で、図12に示した構成の液体吐出
素子を作製した。この液体吐出素子を使用し、インクジ
ェット記録の評価を顕微鏡で行ったところ、線状の電界
集中領域158上に微小な発泡が認められ、微小な液滴
の吐出が可能であった。
【0113】以上述べた液体吐出素子を、例えばアレイ
状に配置したインクジェット記録装置の一例を、図13
に模式的に示す。本図において、201は容器、202
はインクタンク、203は駆動回路、204はインター
フェース回路、205は紙送りローラ、206は紙、2
07はアレイ状に配置された液体吐出素子である。この
アレイ状に配置された液体吐出素子207において、線
状の電界集中領域上に微小な発泡が生じ、その吐出口か
ら微小な液滴が吐出され、紙206に記録が行われる。
【0114】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によるイン
クジェット記録ヘッドは、MIM型の電流電圧特性を有
する素子を発熱手段として用いることにより、駆動電圧
より低い電圧値のノイズなどによる不要な発熱を防止で
きる。
【0115】また、MIM素子をインクジェット記録ヘ
ッドの発熱手段として用いることにより、発熱部をキャ
ビテーションから保護するとともに、発熱部とインク接
触面の距離を短くでき、キャビテーションに強く、かつ
消費電力が少ないインクジェット記録ヘッドとすること
ができる。
【0116】また、一対の素子電極間に配置された薄膜
抵抗体であり、該薄膜抵抗体が通電時に線状の電界集中
領域を有することを特徴とする表面伝導型素子を発熱手
段として用いることにより、膜面積を十分に小さく形成
することが困難な場合でも、電界集中領域での微小なス
ポット状の発熱が可能となり、微小な液滴を吐出するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1によるインクジェット記録
ヘッドを示す模式図である。
【図2】図1のインクジェット記録ヘッドの発熱素子の
電流電圧特性を示した図である。
【図3】本発明の実施形態2によるインクジェット記録
ヘッドの特徴を示す模式図である。
【図4】本発明の実施例1によるインクジェット記録ヘ
ッドを示す模式図である。
【図5】本発明の実施例2によるインクジェット記録ヘ
ッドを示す平面図である。
【図6】本発明の実施例3によるインクジェット記録ヘ
ッドの特徴を示す模式図である。
【図7】本発明の実施例4によるインクジェット記録ヘ
ッドの特徴を示す模式図である。
【図8】本発明の実施例5の液体吐出素子を示す模式図
である。
【図9】図8の液体吐出素子の液路付近の部分断面図で
ある。
【図10】(a)は微粒子の面積占有率が35%〜75
%の範囲内にある揺らぎを持った微粒子膜の構造を示す
模式図であり、(b)は微粒子膜に対する電界の空間分
布をシミュレート計算した結果を示す模式図である。
【図11】本発明の実施例6の液体吐出素子を示す模式
図である。
【図12】本発明の実施例7の液体吐出素子を示す模式
図であり、(a)は模式的平面図、(b)はその断面図
である。
【図13】本発明の液体吐出素子を、アレイ状に配置し
たインクジェット記録装置の一例を示す模式図である。
【符号の説明】
c1 発熱素子 c2,E6 パルス電源 c3 液室 c4 吐出液滴 c5 吐出口 D0 間隙 D1,D2 薄膜電極 E1,E2 酸化絶縁膜 x1,x2,y1,y2 ストライプ状電極 1,3 金属電極 2 絶縁体 4 MIM素子 10 液路 11 液室 12 インク 19 基板 20 絶縁体基板 22 吐出口 23 インク供給孔 24 インクタンク 25 気泡 26 インク滴 32 ストライプ状上側電極 33 ストライプ状下側電極 34,35 インターフェース電極部 101 薄膜抵抗体(発熱体) 104 線状の電界集中領域 110 液路 111 液室 112 電源 113 液滴 121、122 基板 123 微粒子 124 微小な発泡領域 131 線状の電界集中領域 141 通電処理した薄膜抵抗体 142 線状の電界集中領域 151 下側基板 152 上側基板 153 スペーサー 154 微粒子膜 155、156 電極 157 絶縁性薄膜 158 線状の電界集中領域 201 容器 202 インクタンク 203 駆動回路 204 インターフェース回路 205 紙送りローラ 206 紙 207 アレイ状に配置された液体吐出素子

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 発熱手段の熱エネルギーを利用してイン
    ク滴を吐出するインクジェット記録ヘッドにおいて、前
    記発熱手段が、極性に依らず、低い電圧を印加した時の
    抵抗値が、高い電圧を印加した時の抵抗値に比べて高い
    値を示すMIM型の電流電圧特性を有する発熱素子であ
    ることを特徴とするインクジェット記録ヘッド。
  2. 【請求項2】 インクを発泡させるために必要な熱エネ
    ルギーを発生する際に前記発熱素子に流れる電流に相当
    する絶対値I0の電流を与える前記発熱素子への印加電
    圧+V1と、−V2との絶対値の比(V1/V2)が0.5
    以上2以下の値であり、かつ、+V1/2、−V2/2の電
    圧を前記発熱素子へ印加した時に前記発熱素子に流れる
    電流の絶対値がI0/10以下であることを特徴とする請求
    項1に記載のインクジェット記録ヘッド。
  3. 【請求項3】 交差するように縦横に並んで配されたス
    トライプ状電極を有し、該ストライプ状電極の交点にマ
    トリクス状に並んで前記発熱素子が設けられている請求
    項1または2のいずれか1項に記載のインクジェット記
    録ヘッド。
  4. 【請求項4】 前記発熱素子が、絶縁体と、該絶縁体を
    挟持する一対の導電体電極とからなる請求項1から3の
    いずれか1項に記載のインクジェット記録ヘッド。
  5. 【請求項5】 前記一対の導電体電極の間の距離が、1
    nm以上100nm以下であり、より好ましくは、4nm以上
    15nm以下である請求項4に記載のインクジェット記録
    ヘッド。
  6. 【請求項6】 前記導電体電極の少なくとも一方が耐キ
    ャビテーション性を有する金属からなる請求項4または
    5のいずれか1項に記載のインクジェット記録ヘッド。
  7. 【請求項7】 前記導電体電極の表面に酸化絶縁膜が形
    成されている請求項4から6のいずれか1項に記載のイ
    ンクジェット記録ヘッド。
  8. 【請求項8】 前記発熱素子が、少なくとも表面が絶縁
    体である基板の表面上に間隙を置いて配置された一対の
    薄膜状の前記導電体電極を有する構造である請求項4か
    ら7のいずれか1項に記載のインクジェット記録ヘッ
    ド。
  9. 【請求項9】 前記発熱素子が、基板上に配置された金
    属薄膜からなる前記導電体電極と、その上に配置された
    薄膜状の前記絶縁体と、さらにその上に配置された金属
    薄膜からなる前記導電体電極とを有する積層体構造であ
    る請求項4から7のいずれか1項に記載のインクジェッ
    ト記録ヘッド。
  10. 【請求項10】 複数本平行に形成されたストライプ状
    下側電極と、該ストライプ状下側電極に交差するように
    複数本平行に形成されたストライプ状上側電極と、前記
    ストライプ状下側電極と前記ストライプ状上側電極とに
    挟持された絶縁体とを有する請求項9に記載のインクジ
    ェット記録ヘッド。
  11. 【請求項11】 前記ストライプ状下側電極と前記スト
    ライプ状上側電極の端部に外部の電圧印加手段と脱着可
    能なインターフェース電極部を有する請求項10に記載
    のインクジェット記録ヘッド。
  12. 【請求項12】 前記発熱素子が一対の素子電極間に配
    置された薄膜抵抗体であり、該薄膜抵抗体が通電時に線
    状の電界集中領域を有することを特徴とする請求項1か
    ら3のいずれか1項に記載のインクジェット記録ヘッ
    ド。
  13. 【請求項13】 前記薄膜抵抗体が、一対の素子電極間
    に分散配置された微粒子より成る微粒子膜であり、該微
    粒子の面積占有率が35%〜75%の範囲内にある請求
    項12に記載のインクジェット記録ヘッド。
  14. 【請求項14】 前記薄膜抵抗体が、通電処理により薄
    膜を局所的に破壊、変形もしくは変質させて形成した線
    状の電界集中領域を有する請求項12または13のいず
    れか1項に記載のインクジェット記録ヘッド。
  15. 【請求項15】 前記微粒子膜における各微粒子の間隙
    を液路とする請求項12から14のいずれか1項に記載
    のインクジェット記録ヘッド。
  16. 【請求項16】 記録媒体の被記録面に対向してインク
    を吐出するインク吐出口が設けられている請求項1から
    15のいずれか1項に記載のインクジェット記録ヘッド
    と、記録媒体の搬送手段とを少なくとも具備することを
    特徴とするインクジェット装置。
  17. 【請求項17】 極性に依らず、低い電圧を印加した時
    の抵抗値が、高い電圧を印加した時の抵抗値に比べて高
    い値を示すMIM型の電流電圧特性を有する発熱素子に
    電圧を印加して発熱させる工程と、前記発熱素子の発熱
    によりインクを加熱し発泡させて圧力を上昇させインク
    滴を吐出させる工程とを有するインクジェット記録方
    法。
  18. 【請求項18】 交差するように縦横に並んで配された
    ストライプ状電極の交点にマトリクス状に並んで前記発
    熱素子が設けられているインクジェット記録ヘッドによ
    るインクジェット記録方法であって、前記発熱素子の発
    熱工程において、前記ストライプ状電極に選択的に電圧
    を印加することにより前記発熱素子を選択的に発熱させ
    ることを特徴とする請求項17に記載のインクジェット
    記録方法。
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