JP2003291175A - 樹脂成形過程における成形品の変形予測方法、予測システム、成形品の製造方法および成形品 - Google Patents

樹脂成形過程における成形品の変形予測方法、予測システム、成形品の製造方法および成形品

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Abstract

(57)【要約】 【課題】射出成形品のそり変形を精度良く予測する予測
方法、予測装置、射出成形品および射出成形品の製造方
法を提供する。 【解決手段】成形品形状について微小要素に分割して行
われる成形プロセスシミュレーションにおいて、金型表
面に接する要素や節点を抽出する抽出工程と、前記抽出
範囲について適用する変形方向判断工程と、金型方向の
変形を拘束し熱変形計算を行う金型拘束変形計算工程
と、離型時間判断工程と、金型拘束を解除して熱変形計
算を行う金型拘束解除変形計算工程よりなることを特徴
とする成形品の変形予測方法、予測システム等。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は樹脂成形過程におけ
る成形品の変形予測方法およびその予測システムに係
り、より正確に成形品のそり、ひけ、収縮を予測する方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】樹脂の射出成形等により得られるプラス
チック成形品は、OA機器、家電製品等に広く使用され
ているが、これらの成形品には高い寸法精度を要求され
る場合が多い。この寸法精度を損ねるものの1つに成形
品内の収縮の不均一性により発生するそり、ひけ等の不
良現象がある。
【0003】そり、ひけを予測する方法としては、従来
よりコンピュータを利用した射出成形CAEがある。こ
れは各要素または各節点において、ある時点の樹脂の温
度分布を初期温度とし、成形品が一様に室温になるまで
の冷却過程の温度変化を熱荷重として熱応力歪を解析す
ることにより、成形品形状の変形を算出する方法で、例
えば特開平2−258229号公報、特開平10−27
8088号公報に開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながらこれらの
方法は、型開き前の金型による樹脂の変形拘束を考慮し
ておらず、その為に予測精度に問題があった。特にそり
の予測については、金型の存在で樹脂の自由な熱変形が
拘束されることによって応力が成形品内に蓄積され、そ
の蓄積された応力が成形品の離型時に解放されることに
よってそり変形が生じる、といった現象が全く考慮され
ないため、予測精度を悪くする大きな要因の1つとなっ
ていた。
【0005】また、請求項1記載の抽出工程を省略し、
全要素あるいは全節点について変形方向を判断して変形
計算を行うことは、計算速度や計算の安定性という点で
実用性に欠ける。
【0006】本発明はこのような事情に鑑みてなされた
ものであり、成形品のそり、ひけを定量的に予測する予
測方法およびその装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】即ち本発明は、成形品形
状について微小要素に分割して行われる成形プロセスシ
ミュレーションにおいて、金型表面に接する要素や節点
を抽出する抽出工程と、前記抽出範囲の各要素あるいは
節点についてその変形方向と金型表面に対する垂線との
なす角度θが90度より小さいかどうかを判断する変形
方向判断工程と、前記θが90度より小さい場合に金型
と樹脂の接触を考慮して金型方向の変形を拘束し熱変形
計算を行う金型拘束変形計算工程と、予めユーザーが指
定した離型時間に達しているかどうかを判断する離型時
間判断工程と、前記離型時間判断工程で離型時間に達し
ていると判断された場合にユーザーが予め指定した拘束
以外の前記金型拘束を解除して熱変形計算を行う金型拘
束解除変形計算工程よりなることを特徴とする成形品の
変形予測方法、その変形予測方法を組み込んでなる成形
プロセス予測システムに関する。
【0008】また、本発明は上記成形プロセス予測シス
テムを用いて、成形品のそり、ひけ、収縮を計算するこ
とにより、成形条件の設定を最適化する事を特徴とする
樹脂成形品における成形条件の設定方法、その設定方法
を用いた成形品の製造方法および成形品に関する。
【0009】また、本発明は上記変形予測方法または成
形プロセス予測システムを用いて成形品のそり、ひけ、
収縮を予測することにより、金型形状を最適化すること
を特徴とする金型の設計方法、その設計方法により設計
された金型、その金型による成形品の製造方法および成
形品に関する。
【0010】
【発明の実施の形態】以下に本発明を詳細に説明する。
成形品形状について微小要素に分割して行われる成形プ
ロセスシミュレーションとは、一般に成形品形状デー
タ、樹脂注入点、注入樹脂温度、金型温度、射出流量、
射出時間、保持圧力、保圧時間、冷却時間、樹脂物性等
の初期データを入力し、コンピュータを用いて成形プロ
セスを計算するものである。計算における離散化の手法
としては、FEM(有限要素法)、FDM(差分法)、
BEM(境界要素法)等の公知の手法を利用することが
できるが、適用範囲の広さからFEM(有限要素法)が
最も好ましい。成形品形状を各要素に分割する手段とし
ては、一般に市販されているメッシュジェネレーターを
使用することができる。
【0011】また、本発明の変形予測方法の前工程とし
て樹脂充填時のシミュレーションを予め行って、その温
度分布,圧力分布等の計算結果を本発明のインプットデ
ータとして適用する事ができる。この充填時のシミュレ
ーションに関しては公知のプログラムを用いて行うこと
ができる。
【0012】本発明における抽出工程について説明す
る。3次元形状に対して4面体あるいは6面体で要素分
割を行うと、成形品の厚さ方向にも幾つか要素分割数が
出来ることになる。厚さ方向の要素分割数が1または2
であれば全ての要素が金型表面に接する事となるが、3
以上の場合は金型に接しない要素が存在することにな
る。また、要素の頂点や中間に設定される節点について
は、厚さ方向の要素分割数が1の場合においても金型に
接しない節点が存在する場合がある。このような金型拘
束に直接関係のない要素あるいは節点を変形方向の判断
対象から除外し、金型表面に接するものだけを抽出する
事によって計算速度や計算安定性を向上させる。
【0013】本発明における変形方向判断工程について
説明する。変形方向判断の概念図を4面体で要素分割し
た例示を図1,図2,図3,図4に示す。まず、変形方
向の算出が要素毎に行われる場合を図1,図2を用いて
説明する。図1のような場合は要素の変形方向と金型表
面に対する垂線とのなす角度θが90度より小さい。よ
ってこの要素は金型拘束の対象となる。図2のような場
合は要素の変形方向と金型表面に対する垂線とのなす角
度θが90度より大きい。よってこの要素は金型拘束の
対象とはならない。同様の判断を、前記抽出工程で抽出
された各要素について行う。また、変形方向の算出が節
点毎に行われる場合を図3,図4を用いて説明する。図
3のような場合は節点の変形方向と金型表面に対する垂
線とのなす角度θが90度より小さい。よってこの節点
は金型拘束の対象となる。図4のような場合は節点の変
形方向と金型表面に対する垂線とのなす角度θが90度
より大きい。よってこの節点は金型拘束の対象とはなら
ない。同様の判断を、前記抽出工程で抽出された各節点
について行う。
【0014】本発明における金型拘束変形計算工程につ
いて説明する。前記の変形方向判断工程において金型拘
束の対象と見なされた要素または節点について、金型の
接触を考慮して熱変形計算を行う。すなわち、金型方向
の変形を拘束してその方向には自由な熱変形を許さない
ようにする。この間、前述の抽出工程や変形方向判断工
程により除外された要素または節点については、特に拘
束のない通常の熱変形計算が行われる。一般に熱変形計
算に際しては、予め公知の測定機により測定された、P
VT特性、線膨張特性、ヤング率、ポアソン比、比熱、
熱伝導率等の樹脂固有の特性の一部または全てが使用さ
れる。ここで言う熱計算においては、ある起点の時刻か
ら常温に至るまでの成形品の温度分布変化に伴う熱歪を
計算するものが好ましく、また、その熱歪の計算におい
ては、上流工程により算出された温度分布や圧力分布か
らPVT特性値より算出された収縮率分布を初期値とし
て使用することが好ましい。
【0015】本発明における離型時間判断工程について
説明する。この工程は前記の金型拘束変形計算工程にお
いて金型の接触を考慮して熱変形計算が行われた要素ま
たは節点について、予めユーザーが指定した離型時間に
まで達しているかどうかを判断する工程である。例えば
ユーザーが離型までの時間を10秒と設定してその間を
10ステップで計算させるように設定した場合、離型時
間に達していない、つまり1ステップ目から9ステップ
目であれば変形方向判断工程に戻り、次のタイムステッ
プにおける変形方向の判断を行う事により、時々刻々と
変化する変形方向の変化に対応することができる。
【0016】本発明における拘束解除変形計算工程につ
いて説明する。この工程は、前記の離型時間判断工程に
おいて予めユーザーが指定した離型時間にまで達してい
た場合、これまで金型の接触を考慮して熱変形計算が行
われていた要素または節点についてもその拘束を解除
し、全要素または節点について自由変形の熱変形計算を
行う工程である。但し、使用者が予め計算の安定性やそ
の他の理由により拘束した要素または節点については、
その限りでない。
【0017】本発明の変形予測方法の後工程で、各要素
または節点における最終的な変位量を元に成形品全体の
変形図を表示して、そり量やひけ量を定量化できるプロ
グラムを使用する事が出来る。このプログラムに関して
は公知のものを用いて良い。
【0018】本発明においては、上記変形予測方法を樹
脂成形品の設計、製造を支援するための成形プロセスシ
ミュレーションシステムに組み込んで、成形品のそり、
ひけ、収縮を計算することができる。かかる成形プロセ
スシミュレーションシステムに前記変形予測方法を組み
込む方法については特に限定されないが、従来の成形プ
ロセスシミュレーションシステムに追加して組み込むこ
ともできるが、成形品のそり、ひけ、収縮率を計算する
ことができる成形プロセスシミュレーションシステムに
は従来の方法が組み込まれているので、それと置き換え
ることが望ましい。
【0019】また、上記変形予測方法を用いて変形量を
予測し、その変形量を考慮して金型を設計することによ
り所望の形状、寸法の成形品を成形し得る金型を設計す
ることができ、それにより得られる金型を用いることに
より所望の形状、寸法の成形品を得ることができる。こ
の場合、単に上記変形予測方法のみを用いるよりも、下
記成形プロセスシミュレーションシステムを用い、成形
条件の最適化の一部として金型の設計を含める方がより
正確に所望の形状、寸法の成形品を得ることができる。
【0020】上記変形予測方法を組み込んだ成形プロセ
スシミュレーションシステムを用いて、成形品のそり、
ひけ、収縮を計算する事により、金型温度、射出速度、
保圧などの成形条件の設定を最適化して樹脂成形品にお
ける成形条件を設定することができる。成形条件の最適
化の方法については特に限定されないが、従来から用い
られているように、そり、ひけ、収縮率と樹脂温度、圧
力、金型温度の関係をシミュレーションによって調べ、
検討を重ねていくのが好ましい。
【0021】
【実施例】以下、本発明の実施例を示した図5の流れ図
を使用して、本発明をより具体的に説明する。なお以下
の実施例は、図6に示すような形状(長辺200mm×
短辺120mm×厚さ2.5mmの角板)の射出成形品
に対して本発明の予測方法を適用したものである。
【0022】また本発明の予測方法の妥当性を示すた
め、実施例と同一条件で実際に射出成形を行うことによ
り成形品を得、そのそり量を測定して予測値と比較し
た。射出成形に用いた成形機、および得られた成形品の
そり量測定方法は以下の通りである。 1)射出成形機 アーブルグ社製オールラウンダー320−210−75
0を使用した。 2)そり量測定方法 まず、得られた成形品について3次元座標測定器(東京
精密社製GS800D−33R)を用いて図6に示す成
形品長辺について20mm間隔で計11点における3次
元座標値(X,Y,Z)を測定した。次に得られた各3
次元座標値(X,Y,Z)を元に、図7に示すように公
知のガウス方程式を利用して以下の方法でそり量を計算
した。 三角形の各辺長さa,b,cを各頂点の座標値より求
める。 (Pは測定点P1,P2は成形品長辺端部) 三角形面積Sを下記のガウスの方程式を用いて求め
る。 S=(s・(s−a)・(s−b)・(s−c))1/
2 ここでs=(a+b+c)/2 cは平板の長辺なのでこれを基準とし、h=2S/c
より各位置でのそり量hが求まる。 この各位置でのhのうち最大のものをその成形品とし
てのそり量と定義した。
【0023】
【実施例1】使用樹脂は電気化学工業(株)製デンカ透
明ABSのCL−301Qとした。成形条件は樹脂温度
200℃、射出率42cm3/秒、保持圧力500kg
/cm2、保圧時間8秒、冷却時間30秒とした。また
そりを発生させるため意図的に金型温度の設定を固定側
/可動側=40℃/60℃として、予測値および実測値
を求めた。
【0024】図5に示した流れ図を使用して説明する。
Aとして示した前工程では、公知のシミュレーションプ
ログラムMOLDFLOWを用いて成形品形状データ、
樹脂注入点、注入樹脂温度、金型温度、射出流量、樹脂
の溶融粘度等の初期データを予め入力し、コンピュータ
を用いて樹脂の流動解析を行う。この前工程により充填
完了段階までの各要素または各節点における、温度、圧
力、粘度等の経時変化等が算出される。
【0025】次に抽出工程について説明する。この工程
では、前工程Aにより作成された成形品形状データよ
り、金型表面に接する要素または節点を抽出する。本実
施例では変形を算出する基準を節点とした為、全節点か
ら金型表面に接する節点を抽出することになる。図8は
その抽出結果の成形品角部拡大図で、大きい黒丸が抽出
された節点である。金型表面に接しない内側の節点は抽
出されない。この工程を省くと、後述する変形方向判断
工程での計算コストが増え、望ましくない。
【0026】次に変形方向判断工程について説明する。
この工程で抽出工程により抽出された節点について、ま
ず最初のタイムステップにおける変形方向の判断が行わ
れる。本実施例では意図的に設けた金型固定側と可動側
の温度差により、成形品全体としては固定側方向に凸に
収縮変形した。図9はその様子を示したものである。本
工程において、図9における例えばA近傍のような位置
にある節点は変形方向と金型表面に対する垂線とのなす
角度θが90度よりも小さいと判断され、また例えばB
近傍のような位置にある節点は変形方向と金型表面に対
する垂線とのなす角度θが90度よりも大きいと判断さ
れた。
【0027】次の金型拘束変形計算工程では、前工程の
変形方向判断工程で変形方向と金型表面に対する垂線と
のなす角度θが90度よりも小さいと判断された例えば
A近傍の位置にある節点について金型方向の変形を拘束
して、成形品全体の熱変形計算を行う。この熱計算には
前工程において温度分布,圧力分布およびPVT特性値
より算出された収縮率分布を初期値として使用し、その
後の温度および圧力変化に応じて変化していく収縮率分
布をもとに成形品の熱変形計算を行う。図10に模式的
に示すように、拘束の対象となる節点においても拘束は
あくまでも金型方向の変形成分についてのみであり、そ
れに垂直な変形成分については拘束されない。
【0028】次の離型時間判断工程では、前工程の金型
拘束変形計算工程において金型の接触を考慮して熱変形
計算が行われた要素または節点について、予めユーザー
が指定した離型時間にまで達しているかどうかが判断さ
れる。離型時間に達していなければ変形方向判断工程に
戻り、次のタイムステップにおける変形方向の判断を行
う事により、時々刻々と変化する変形方向の変化に対応
することができる。本実施例では離型までの時間を10
秒とし、その間の熱変形計算を10ステップで解くよう
に予め設定した為、このループが10回回ったところで
離型時間と判断された。
【0029】次の拘束解除変形計算工程では、これまで
金型の接触を考慮して熱変形計算が行われていた節点に
ついてもその拘束を解除し、自由変形の熱変形計算を行
った。 この熱計算には温度および圧力変化に応じて変
化していく収縮率分布をもとに成形品の熱変形計算を行
うものである。またBとして示した後工程で、公知のプ
ログラムMOLDFLOWを用いて最終的な変位量を元
に成形品全体の変形図を表示して、そり量を定量化し
た。そり量の定量化方法は実際の成形品での定量化方法
と同様に前述のガウス方程式を利用して求めた。
【0030】このようにして求められたそり量の予測値
を表1に示す。また、実際の射出成形品のそり量実測値
とし、表1に併せて示す。予測値が良好であることがわ
かる。
【表1】
【0031】表1に示すように、上記において金型温度
の設定を固定側/可動側=40℃/80℃、40℃/4
0℃とした場合、および使用樹脂を電気化学工業(株)
製SBSのクリアレン530L、電気化学工業(株)製
MSのTX−100、電気化学工業(株)製MBSのT
H−21、電気化学工業(株)製MBSのTP−SX−
301、電気化学工業(株)製デンカABSのQFとし
た場合について上記と同様にそり量の予測値および実測
値を求めた。その結果を表1に示す。金型温度条件ある
いは樹脂を変えても予測値が良好であることがわかる。
【0032】
【比較例1】比較例1として実施例1における抽出工程
から離型時間判断工程までを省略し、その他は実施例1
と同様にしてそり量の予測値を求めた。その結果を表1
に示す。抽出工程から離型時間判断工程までを省略する
ことで、変形の金型拘束を意識しない公知の予測方法と
同様の方法となる。この方法では実際には成形品がまだ
金型内にある状態の時においても自由な熱変形をしてし
まう為、予測精度が低下する。
【0033】
【比較例2】比較例2として実施例1における抽出工程
を省略し、その他は実施例1と同様にしてそり量の予測
値を求めた。その結果を表1に示す。抽出工程を省略す
ることで、金型拘束に直接関係のない節点の変形方向も
判断対象になる。この方法では予測精度という面では実
施例と遜色がないが、計算速度という点で実用性に欠け
る。
【0034】
【発明の効果】本発明における成形品の変形予測方法
は、成形品のそり、ひけ、収縮量について、樹脂材料や
成形条件による違いを容易かつ確実に予測することがで
きる。したがって金型試作回数の低減やそれに伴う開発
期間の短縮によるコストの低減が図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】変形方向判断の概念図である。
【図2】変形方向判断の概念図である。
【図3】変形方向判断の概念図である。
【図4】変形方向判断の概念図である。
【図5】本発明の実施例における予測方法の流れ図であ
る。
【図6】本発明の実施例において適用した射出成形品の
形状および座標測定位置である。
【図7】本発明の実施例において適用したそり量測定方
法の説明図である。
【図8】本発明の実施例での抽出工程における節点抽出
結果の説明図である。
【図9】本発明の実施例での変形方向判断工程の説明図
である。
【図10】本発明の金型拘束変形計算工程の説明図であ
る。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 成形品形状について微小要素に分割して
    行われる成形プロセスシミュレーションにおいて、金型
    表面に接する要素や節点を抽出する抽出工程と、前記抽
    出範囲の各要素あるいは各節点についてその変形方向と
    金型表面に対する垂線とのなす角度θが90度より小さ
    いかどうかを判断する変形方向判断工程と、前記θが9
    0度より小さい場合に金型と樹脂の接触を考慮して金型
    方向の変形を拘束し熱変形計算を行う金型拘束変形計算
    工程と、予めユーザーが指定した離型時間に達している
    かどうかを判断する離型時間判断工程と、前記離型時間
    判断工程で離型時間に達していると判断された場合にユ
    ーザーが予め指定した拘束以外の前記金型拘束を解除し
    て熱変形計算を行う金型拘束解除変形計算工程よりなる
    ことを特徴とする成形品の変形予測方法。
  2. 【請求項2】 樹脂成形品製造を支援するための成形プ
    ロセスシミュレーションにおいて、請求項1記載の変形
    予測方法を組み込んでなる成形プロセス予測システム。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の成形プロセス予測シス
    テムを用いて、成形品のそり、ひけ、収縮を計算するこ
    とにより、成形条件の設定を最適化する事を特徴とする
    樹脂成形品における成形条件の設定方法。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の変形予測方法を用いて成
    形品のそり、ひけ、収縮を予測することにより、金型形
    状を最適化することを特徴とする金型の設計方法。
  5. 【請求項5】 請求項2記載の成形プロセス予測システ
    ムを用いて、成形品のそり、ひけ、収縮を予測すること
    により、金型形状を最適化することを特徴とする金型の
    設計方法。
  6. 【請求項6】 請求項4または5記載の金型の設計方法
    により設計された金型。
  7. 【請求項7】 請求項3記載の成形条件設定方法を用い
    て設定した成形条件により樹脂組成物を成形することを
    特徴とする成形品の製造方法。
  8. 【請求項8】 請求項6記載の金型を用いて成形するこ
    とを特徴とする成形品の製造方法。
  9. 【請求項9】 請求項7または8記載の製造方法により
    製造されてなる成形品。
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