JP4509065B2 - シミュレーション方法およびシミュレーション装置 - Google Patents

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Description

本発明は、シェル要素によってメッシュ分割された薄肉成形品の射出成形プロセスをシミュレーションするためのシミュレーション方法およびシミュレーション装置に関する。
三次元形状に対し、自動メッシュ分割が可能な方法として、六面体要素を自動生成する方法が考案されているが、この方法では、適用可能な形状が限られている。形状に制限されることなく自動要素分割が可能な方法としては、四面体要素を生成する方法が知られており、この方法は、IDEAS, Solid Designer, Patranなどの市販ツールに用いられている。しかしながら、四面体要素の場合、アスペクト比が大きいすなわちつぶれたメッシュを生成すると、解析精度が悪くなる。特に、表面部にアスペクト比が大きいメッシュが生成されると、極端に解析精度が落ち、場合によっては計算ができない場合も発生する。また、四面体要素を用いた要素分割では六面体要素を用いた場合に比べ、節点数、要素数が多くなり、計算時間が長く掛かるという欠点もある。
そこで、流体解析を目的としたメッシュ生成プログラムSTAR-CD-proami, CFX-Buildなどでは、高精度で流体解析を行うために、三角形要素が生成された表面近傍における必要な部位に細かな要素を生成し、生成された三角形要素を微小距離分押し出してプリズムまたはペンタと呼ばれる五面体要素のメッシュを生成し、三次元形状の残りの部分を四面体要素に自動要素メッシュ分割する方法が用いられている。他の三次元形状に対する自動要素分割方法として、特許登録第2941653号に示されているものがある。この方法では、六面体要素で自動要素分割可能な部分を六面体要素で自動分割し、残りの部分を四面体要素で自動要素分割する。
上述した四面体要素、六面体要素によるメッシュ生成方法については、「3次元CADの基礎と応用」(共立出版社)に記載されている。
また、射出成形による薄肉成形品の寸法精度を高めるために、金型設計、製品形状、成形条件などの最適な設定を支援するシェル要素を用いた射出生計プロセスシミュレーションとして、いくつかの方法が提案されている。例えば、特公平6−22840号「成形プロセスシミュレーション」、特開平5−169506号公報「成形過程シミュレーション」、特開平6−5597号公報「射出成形プロセスシミュレーション方法およびその装置」などでは、収縮開始点と収縮終了点(室温に達した時点)の温度差、PVT曲線から計算される収縮歪に基づいて弾性解析を行うことにより、成形品の出来上がり形状の予測を行う。
実際の成形品の場合、成形品が型内に保持され、その形状が拘束されるので、成形品寸法が大きく変化するが、上述の弾性解析では、成形寸法の大きな変化をすることを十分に予測することができない。このことは、特に、プラスチックレンズのような高精度な寸法予測が必要な成形品に対しては、重要な問題になる。このような問題を解決するために、特開2001−293748号公報(「射出成形プロセスシミュレーション」)には、上記弾性解析に代えて、成形品が型内に拘束された状態から、成形品が型から取り出されて冷却されていく履歴を追う温度解析/粘弾性解析を行い、形状精度の予測を行う方法が提案されている。
射出成形プロセスをシミュレーションする場合、解析対象は薄肉成形品の場合が多い。薄肉部では、「温度が板厚方向に大きな勾配を持つため、板厚方向に多層分割することが望ましい。また、溶融領域は板面内方向に大きく変化するので板面内の要素はサイズが均等な方が解析に都合がよい。」といった要素分割特性が必要である。
しかしながら、従来の流体解析用メッシュ生成プログラムで使用される要素分割法を用いた場合、解析対象の表面に生成した三角形要素を指定した距離分複数回押し出すことによって五面体要素を生成するので、薄肉部分の板厚の半分が押し出しを行う際の距離の上限になる。射出成形品の多くの場合、偏肉部を持つ三次元形状部があるため、上記方法を用いた場合、厚肉部分に対する押し出し距離の上限は、薄肉部の板厚の半分となる。そのため、厚肉部は五面体要素で多層分割される厚さが薄くなり、四面体要素で要素分割を行う部分が厚くなる。よって、四面体要素の大きさを小さくすると、内部に多くのアスペクト比の大きな四面体要素が作成されることになり、解析精度が悪くなりまた計算時間も増大する。逆に、四面体要素の大きさを大きくすると、四面体要素のアスペクト比は小さくなるが、板厚方向の分割数が少なくなり、解析精度が低下する。
また、特許登録第2941653号に示されている要素分割法は、複雑でかつ薄肉形状部を持つ形状に対しその形状の中から六面体要素でメッシュ分割可能な部分を抽出することが困難であり、板厚方向のメッシュ分割数をコントロールすることが困難であるため、板厚方向に多層のメッシュ分割を行う要素分割には向いていない。
また、特開2001−293748号公報に提案されている方法では、計算時間が非常に長くなる。また、レンズなどの単純形状の場合には、シミュレーションを行うための三次元メッシュモデルの作成が比較的容易であるが、多くの射出成形品の場合、成形品は薄肉でかつ複雑な形状を有するので、三次元メッシュモデルの作成が困難である。
本発明の目的は、薄肉成形品の収縮率、寸法、そり量を正確に予測することができるシミュレーション方法およびシミュレーション装置を提供することにある。
本発明は、上記目的を達成するため、成形条件を用いて、流動、保圧、冷却解析を行い、得られた樹脂の、収縮開始時点の温度、圧力、せん断応力を初期値とし、シェル要素によってメッシュ分割された薄肉成形品の収縮率を予測するためのシミュレーション装置のシミュレーション方法であって、前記シミュレーション装置が、前記シェル要素ごとに、前記薄肉成形品の板厚方向を多層に要素分割し、前記板厚方向の樹脂の最大温度が、前記収縮開始時点の温度に達した時点から熱収縮解析を開始し、前記シェル要素ごとの収縮率を予測することを特徴とするシミュレーション方法を提供する。
本発明によれば、薄肉成形品の収縮率、寸法、そり量を正確に予測することができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
(第1の実施の形態)
図1は本発明の第1の実施の形態に係る三次元解析用メッシュ生成方法を実現するための装置構成を示すブロック図である。
本実施の形態の三次元解析用メッシュ生成方法を実行する装置は、図1に示すように、記憶装置2に格納されているプログラムおよびデータに従って処理を実行する中央処理装置1と、処理を操作するキーボード、マウスなどの入力装置3と、解析結果などを表示する表示装置4と、FD(フロッピー(登録商標)ディスク)、CD−ROM、磁気テープなどの記憶媒体に記憶されたプログラム、データなどを読み取る記憶媒体読取装置5とを備える。
次に、本実施の形態の三次元解析用メッシュ生成方法について図2ないし図8を参照しながら説明する。図2は本発明の第1の実施の形態に係る三次元解析用メッシュ生成方法の手順を示すフローチャートである。図3は解析対象の形状例を示す図である。図4は図3の解析対象の表面を三角形要素で自動要素分割した場合を示す図である。図5は図3の解析対象の表面の三角形要素を押し出し、五面体要素で分割した場合を示す図である。図6は図5の縦断面図である。図7は図3の解析対象の表面をワイヤーフレームで表示し、解析対象の内部にある3次元メッシュの表面の三角形形状に基づいて、三角形形状で構成される閉じた空間内部を四面体要素で自動要素分割した図である。図8は図3の解析対象の表面の三角形要素を押し出し、五面体要素で分割し、解析対象の内部にある3次元メッシュの表面の三角形形状に基づいて、三角形形状で構成される閉じた空間内部を四面体要素で自動要素分割し、表面の三角形要素を削除した場合を示す図である。
中央処理装置1は、図2に示すように、まず、図3に示す解析対象の表面を三角形または四角形要素で要素分割し、表面メッシュを作成する(ステップS1)。例えば、この解析対象の表面は、図4に示すように、三角形要素で要素分割される。続いて、中央処理装置1は、作成された解析対象の表面の要素またはそのCADデータから板厚を算出する(ステップS2)。そして、中央処理装置1は、予め指定された板厚方向の分割数および分割比と、上記ステップS2で計算された板厚とから、各要素の押し出し方向および距離を算出する(ステップS3)。ここで、予め指定された板厚方向の分割数および分割比としては、表1に示すものが使用される。
Figure 0004509065
次いで、中央処理装置1は、上記ステップS3で算出された各要素の押し出し方向および距離に基づいて、上記ステップS1で作成された解析対象の表面の三角形要素または四面体要素を複数回押し出して五面体要素または六面体要素を生成する(ステップS4)。ここでは、例えば図5に示すような五面体要素が生成される。また、図5の断面図を図6に示す。この時点では、解析対象の内部にはまだ要素分割されていない部分が残存している。
そして、中央処理装置1は、上記押し出しを行うことによって六面体要素が生成された場合には、その六面体要素の表面にピラミッド形状の五面体要素を生成し、解析対象内部にある三次元メッシュの表面の形状をすべて三角形にする(ステップS5)。本実施形態では、上記押し出しにより生成される要素が全て五面体要素であるとしているので、上記ステップS5は適用されない。
次いで、中央処理装置1は、三角形形状で構成される閉じた空間内部を四面体要素に要素分割する(ステップS6)。ここでは、解析対象に対して、例えば図7に示すような四面体要素が生成される。そして、中央処理装置1は、解析対象の表面に生成された三角形および四角形要素を削除し、三次元要素をすべて表示する(ステップS7)。例えば、図8に示すように、解析対象の表面に生成された三角形および四角形要素が削除された三次元要素のすべてが表示される。
このように、本実施形態では、要素分割により解析精度が低い四面体要素を板厚中心にしか生成せず、解析対象の表面近傍を細かく、中心に近づくに従って板厚方向の分割を粗くすることが可能となり、解析精度が向上する。
また、表面のメッシュサイズを大きくし、板厚方向のメッシュ分割数を多くすることができるので、自動要素分割が可能な四面体のみで要素分割を行う場合に比して節点数、要素数が少なくなり、短時間での計算が可能となる。
(第2の実施の形態)
次に、本発明の第2の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
ここで、本実施の形態の構成は、上述の第1の実施の形態の構成と同じであるので、その説明は省略する。また、以下の説明においては、図1の符号を用いる。
本実施の形態の射出成形プロセスシュミレーションについて図9ないし図21を参照しながら説明する。図9は本発明の第2の実施の形態に係る射出成形プロセスシュミレーション方法の手順を示すフローチャートである。図10は図9のステップS11で取得される、三次元シェル要素でメッシュ分割されたモデル形状の一例を示す図である。図11は図9のステップS12で取得される成形条件の一例を示す図である。図12は樹脂の物性値である熱伝導率および比熱を示す図である。図13は樹脂の物性値である密度および粘度を示す図である。図14は樹脂の物性値であるPVT曲線および熱膨張係数を示す図である。図15は樹脂の物性値であるポアソン比0.32に対する緩和弾性率および温度シフトファクタを示す図である。図16は図9のステップS13の流動、保圧、冷却解析で得られた所定位置の樹脂圧力の履歴グラフおよび収縮開始時の板厚方向温度分布を示す図である。図17は図9のステップS15で抽出された各位置P1〜P4の圧力値を示す図である。図18は図9のステップS16での解析対象となる、1つのシェル要素に対して板厚方向に多層に要素分割されているモデル例を示す図である。図19は図9のステップS17で計算された位置P1〜P4の収縮率と測定結果とを対比する図である。図20は熱収縮完了時の成形品の変形形状を示す斜視図である。図21は経時変化後の成形品の変形形状を示す斜視図である。
本実施の形態においては、中央処理装置1がまず三次元シェル形状モデルを取得する(ステップS11)。ここで、取得される三次元シェル形状モデルは、薄肉成形品に対する、三次元シェル要素でメッシュ分割された形状モデルであり、この形状モデルにおいては、図10に示すように、樹脂流入口aからゲートeまでのスプルc、ライナーd部が、三次元パイプ要素によってメッシュ分割されており、成形品部bはシェル要素によってメッシュ分割されている。
次いで、中央処理装置1は、成形条件を取得する(ステップS12)。ここで、取得される成形条件としては、例えば図11に示すように、溶融樹脂温度、収縮開始温度、樹脂名、充填時間、最大圧力、保圧値、保圧時間、型内冷却時間、経時変化評価時間がある。また、上記樹脂名に対応する樹脂の物性値(図12〜図15に示す熱伝導率、比熱、密度、粘度、PVT曲線、熱膨張係数、緩和弾性率、温度シフトファクタ)が取得される。
次いで、中央処理装置1は、上記ステップS11で取得された形状モデル(図10)に対して上記ステップS12で取得された成形条件(図11〜図15)を用いて、流動、保圧、冷却解析を行い(ステップS13)、この解析結果(温度、圧力、せん断応力)を取得して出力する(ステップS14)。例えば図16(a)に示すように、上記解析により、図10中の各位置P1〜P4の樹脂圧力の履歴が得られる。また、図16(b)に示すように、各位置P1〜P4における収縮開始時点の板厚方向の温度分布が得られる。
ここで、図16(b)には1つの分布曲線のみが示されているが、これは各位置P1〜P4の温度分布曲線が重なり合っているためである。また、収縮開始時点としては、樹脂の板厚方向の最大温度が収縮開始温度に達した時点を採用している。収縮開始温度としては、樹脂が動かなくなり、周りからの樹脂の供給がなくなった時点が考えられている。本実施の形態では、測定によって得られた樹脂特性のノフロー(No Flow)温度を収縮開始温度とし、シミュレーションを行った結果を示すが、収縮開始時点としては、ガラス転移点温度(Tg点)〜No Flow温度+20度付近の値を採ると、解析により得られた収縮率と実際の成形品の収縮率とが一致するので、これらの範囲で収縮開始温度を考えるとよい。Tg点は圧力に依存し、圧力が高くなると、Tg点も高くなることが知られている。よって、収縮開始温度も同様に、圧力に依存し、圧力が高くなると、高くなると考えられる。収縮開始温度をNo Flow温度とした場合、その収縮開始時点は、図16(a)中のPs1〜Ps4点になる。
次いで、中央処理装置1は、上記流動、保圧、冷却解析の結果から、収縮開始時点の温度、圧力、せん断力を抽出し、これら抽出された温度、圧力、せん断力に基づいて初期温度、初期応力テンソルの計算を行う(ステップS15)。ここで、抽出された各位置P1〜P4の圧力は、例えば図17に示すような値になる。溶融状態では、板厚方向への圧力分布は一定で、この圧力は平均応力を表していると考えられるので、その値を板厚方向zと直角方向の他の2方向(x,y)の成分と等しいとする。上記流動、保圧、冷却解析では、各要素でのせん断力τzx(=τyz)が板厚方向に分布しているので、その値をせん断応力値(応力テンソル値)とする。
続いて、中央処理装置1は、上記初期温度、上記初期応力テンソル値を初期値として収縮開始時点から樹脂の温度が室温と同じになり、熱収縮が完了するまで熱伝導解析と連成した熱収縮解析を行う(ステップS16)。ここで、熱収縮解析の際には、緩和弾性率、緩和弾性率の温度シフトファクタを用い、樹脂の粘弾性特性を考慮した解析を行い、変形量を計算する。この解析が実施される部分は、図18に示すように、1つのシェル要素に対して、板厚方向に多層に要素分割されているモデルからなる。この解析においては、金型内に成形品が保持されている時点では成形品表面が拘束されて動かないと考えられるので、成形品表面に固定の拘束条件が与えられる。また、この拘束条件により、板厚と直角方向の面も動かないと考えられるため、固定の拘束条件を与える。また、型表面の温度境界条件としては、表面温度規定、または型表面温度および接触熱伝達率を与え、離型に至るまで温度−粘弾性シミュレーションを行う。型開きの時間に達した時点で、成形品表面の拘束条件をフリーに変更し、板厚と直角方向の面については、同じ位置の収縮率は同一と考えられるので、変位量が等しいという条件を与える。熱境界条件については外気温度および外気との熱伝導率の条件に変更し、収縮率を評価するまで温度と粘弾性連成解析を行い、変形量を計算する。
そして、中央処理装置1は、上記ステップS16で計算された変形量に基づいて成形品のシェル要素の全てに対する収縮率を計算する(ステップS17)。ここで、例えば位置P1〜P4のそれぞれにおける計算された収縮率と測定結果とを対比すると、図19に示すように、両者がほぼ一致していることがわかる。
次いで、中央処理装置1は、全てのシェル要素に対して上記収縮率の計算が終了したか否かを判定し(ステップS18)、全てのシェル要素に対して上記収縮率の計算が終了していない場合は、上記ステップS15からの処理を繰り返す。これに対し、全てのシェル要素に対して上記収縮率の計算が終了した場合、中央処理装置1は、シェル要素毎の面内収縮率を各要素の収縮歪に換算し(ステップS19)、シェル要素でメッシュ分割されたモデル形状を用いた弾性解析を行う(ステップS20)。そして、中央処理装置1は、上記弾性解析結果から熱収縮完了時の変位量、歪量を計算する(ステップS21)。この計算された変位量に基づいた変形形状としては、例えば図20に示すような変形形状が得られる。図20に示す形状は、z方向の変位量で変形されたものである。
次いで、中央処理装置1は、上記ステップS21で計算された熱収縮完了時の歪量を初期歪として、シェル要素でメッシュ分割されたモデル形状を用いて、経時変化を評価する時間までの粘弾性解析を行い(ステップS22)、この粘弾性解析の結果に基づいて経時変化による収縮量(変位量、歪量)を計算する(ステップS23)。この計算された収縮量から、経時変化後の成形品の変形形状が得られる。例えば、図21に示すような変形形状が得られる。経時変化後の形状は、図20に示す形状に対し、経時変化により全体的に若干収縮が進み、寸法が小さい形状になっているが、そり量に関しては若干小さくなっている。
このように、本実施形態では、薄肉成形品の収縮率、寸法、そり量を正確に予測することができる。また、従来の射出成形プロセスシミュレーションでは不可能であった型内冷却時間の変更によるそり量の変化の予測が可能になるので、必要な形状精度を得るために必要な冷却時間を予測することができる。さらに、経時変化後の寸法、形状変化の予測が可能となる。
なお、本発明の目的は、前述した各実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記憶媒体(または記録媒体)を、システムあるいは装置に供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出し実行することによっても、達成されることはいうまでもない。この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が前述した実施形態の機能を実現することになり、そのプログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、前述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているオペレーティングシステム(OS)などが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることはいうまでもない。
さらに、記憶媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張カードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張カードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることはうまでもない。
本発明の第1の実施の形態に係る三次元解析用メッシュ生成方法を実現するための装置構成を示すブロック図である。 本発明の第1実施形態に係る三次元解析用メッシュ生成方法の手順を示すフローチャートである。 解析対象の形状例を示す図である。 図3の解析対象の表面を三角形要素で自動要素分割した場合を示す図である。 図3の解析対象の表面の三角形要素を押し出し、五面体要素で分割した場合を示す図である。 図5の縦断面図である。 図3の解析対象の表面をワイヤーフレームで表示し、解析対象の内部にある3次元メッシュの表面の三角形形状に基づいて、三角形形状で構成される閉じた空間内部を四面体要素で自動要素分割した図である。 図3の解析対象の表面の三角形要素を押し出し、五面体要素で分割し、解析対象の内部にある3次元メッシュの表面の三角形形状に基づいて、三角形形状で構成される閉じた空間内部を四面体要素で自動要素分割し、表面の三角形要素を削除した場合を示す図である。 本発明の第2の実施の形態に係る射出成形プロセスシュミレーション方法の手順を示すフローチャートである。 図9のステップS11で取得される、三次元シェル要素でメッシュ分割されたモデル形状の一例を示す図である。 図9のステップS12で取得される成形条件の一例を示す図である。 樹脂の物性値である熱伝導率および比熱を示す図である。 樹脂の物性値である密度および粘度を示す図である。 樹脂の物性値であるPVT曲線および熱膨張係数を示す図である。 樹脂の物性値であるポアソン比0.32に対する緩和弾性率および温度シフトファクタを示す図である。 図9のステップS13の流動、保圧、冷却解析で得られた所定位置の樹脂圧力の履歴グラフおよび収縮開始時の板厚方向温度分布を示す図である。 図9のステップS15で抽出された各位置P1〜P4の圧力値を示す図である。 図9のステップS16での解析対象となる、1つのシェル要素に対して板厚方向に多層に要素分割されているモデル例を示す図である。 図9のステップS17で計算された位置P1〜P4の収縮率と測定結果とを対比する図である。 熱収縮完了時の成形品の変形形状を示す斜視図である。 経時変化後の成形品の変形形状を示す斜視図である。
符号の説明
1 中央処理装置
2 入力装置
3 記憶装置
4 表示装置
5 記憶媒体読取装置

Claims (2)

  1. 成形条件を用いて、流動、保圧、冷却解析を行い、得られた樹脂の、収縮開始時点の温度、圧力、せん断応力を初期値とし、シェル要素によってメッシュ分割された薄肉成形品の収縮率を予測するためのシミュレーション装置のシミュレーション方法であって、
    前記シミュレーション装置が、前記シェル要素ごとに、前記薄肉成形品の板厚方向を多層に要素分割し、前記板厚方向の樹脂の最大温度が、前記収縮開始時点の温度に達した時点から熱収縮解析を開始し、前記シェル要素ごとの収縮率を予測することを特徴とするシミュレーション方法。
  2. 成形条件を用いて、流動、保圧、冷却解析を行い、得られた樹脂の、収縮開始時点の温度、圧力、せん断応力を初期値とし、シェル要素によってメッシュ分割された薄肉成形品の収縮率を予測するためのシミュレーション装置であって、
    前記シェル要素ごとに、前記薄肉成形品の板厚方向を多層に要素分割し、前記板厚方向の樹脂の最大温度が、前記収縮開始時点の温度に達した時点から熱収縮解析を開始する手段と、
    前記シェル要素ごとの収縮率を予測する手段と、
    を有することを特徴とするシミュレーション装置。
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