JPH11224275A - 成形品の設計方法 - Google Patents

成形品の設計方法

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JPH11224275A
JPH11224275A JP10024945A JP2494598A JPH11224275A JP H11224275 A JPH11224275 A JP H11224275A JP 10024945 A JP10024945 A JP 10024945A JP 2494598 A JP2494598 A JP 2494598A JP H11224275 A JPH11224275 A JP H11224275A
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JP
Japan
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molded product
heat shrinkage
designing
deformation
thickness
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Pending
Application number
JP10024945A
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English (en)
Inventor
Yutaka Kinugasa
豊 衣笠
Kazunobu Nakada
和伸 中田
Masaaki Nakada
公明 中田
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Panasonic Electric Works Co Ltd
Original Assignee
Matsushita Electric Works Ltd
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Publication date
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Publication of JPH11224275A publication Critical patent/JPH11224275A/ja
Pending legal-status Critical Current

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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29CSHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
    • B29C33/00Moulds or cores; Details thereof or accessories therefor
    • B29C33/38Moulds or cores; Details thereof or accessories therefor characterised by the material or the manufacturing process
    • B29C33/3835Designing moulds, e.g. using CAD-CAM

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Moulds For Moulding Plastics Or The Like (AREA)
  • Injection Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 成形品の内部要因だけでなく、外因による変
形が生じても、変形後の寸法を許容範囲内に収める。 【解決手段】 成形品の成形後の内部要因による反りを
予測して該予測値をもとに反り変形後の寸法が商品寸法
公差L1内に入る第1の金型寸法範囲M1を求める。ま
た、熱などの外因がもたらす変形を予測して該予測値を
もとに外因変形後の寸法が変形許容範囲L2内に入る第
2の金型寸法範囲M2を求める。第1の金型寸法範囲M
1と第2の金型寸法範囲M2との共通部分M3を金型寸
法とする。外因による変形も見込んだ上での設計である
ために、外因による変形が生じても、変形後の寸法を許
容範囲内に収めることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は成形品の設計方法に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】成形品は離型した後、成形プロセス中に
生じる内部歪み等が原因で外部からの影響を受けなくて
も変形してしまうものであり、寸法が金型寸法通りとは
ならない。反り変形と一般に呼ばれる該変形に対応する
ために、従来から経験やコンピュータシミュレーション
による変形量予測から、反り変形後に成形品寸法が商品
寸法公差L1内に収まるように反り変形を見込んだ成形
品寸法を設定し、該設計に対応した金型寸法を最適金型
寸法M1としていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、成形品の変形
は内部要因に起因するものだけでなく、離型後の製造過
程中に受けた外因によっても生じるものであり、このた
めに成形品である商品の出荷時点で寸法が商品寸法公差
から外れてしまうことや、あるいは使用しているうちに
使用環境により大きく変形してしまうという問題を有し
ている。
【0004】本発明はこのような点に鑑み為されたもの
であり、その目的とするところは成形品の内部要因だけ
でなく、外因による変形が生じても、変形後の寸法を許
容範囲内に収めることができる成形品の設計方法を提供
することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】しかして本発明は、成形
品の成形後の内部要因による反りを予測して該予測値を
もとに反り変形後の寸法が商品寸法公差L1内に入る第
1の金型寸法範囲M1を求めるとともに、熱などの外因
がもたらす変形を予測して該予測値をもとに外因変形後
の寸法が変形許容範囲L2内に入る第2の金型寸法範囲
M2を求め、第1の金型寸法範囲M1と第2の金型寸法
範囲M2との共通部分M3を金型寸法とすることに特徴
を有している。外因による変形も見込んだ上での設計で
あるために、外因による変形が生じても、変形後の寸法
を許容範囲内に収めることができるものである。なお、
本発明は成形品の設計方法に関するものであるが、成形
品の形状寸法はその成形にどのような金型を用いるかに
よって変わってくるものであり、このために本発明は成
形品の成形用金型の設計方法と等価である。
【0006】第1の金型寸法範囲M1と第2の金型寸法
範囲M2とに共通部分M3が無い場合は、成形品の肉厚
や形状変更を行うとともに、該変更結果に基づく新たな
第1の金型寸法範囲M1及び第2の金型寸法範囲M2を
求め、新たな第1の金型寸法範囲M1と第2の金型寸法
範囲M2との共通部分M3を金型寸法とする。これによ
り、外因による変形を最小限に抑えた成形品を得ること
ができる。
【0007】外因がもたらす変形として、熱による変形
を予測することがもっとも効果的である。熱による変形
(以下、熱変形)の予測については、成形品熱収縮率の
成形条件依存性と成形品熱収縮率の肉厚依存性とを取得
するとともに成形プロセスの解析を行い、取得した成形
品熱収縮率データと解析結果とから成形品の熱収縮率分
布を算出し、熱収縮率分布を初期ひずみ分布として応力
解析を行って熱変形を予測するのが好ましい。これによ
り、熱変形量や熱収縮量を定量的に予測することができ
る。
【0008】成形品熱収縮率の成形条件依存性は材料デ
ータベースから求めると、効率的であり、成形品熱収縮
率の肉厚依存性は、肉厚の異なった数種類の試験片を成
形して該試験片を熱収縮させることで得た実測データか
ら求めるようにすれば、各肉厚毎の熱収縮率の測定が容
易となり、肉厚の異なる部分を有する単一の試験片を成
形して該試験片を熱収縮させることで得た実測データか
ら求めるならば、肉厚の異なる複数の試験片を成形する
必要がなくなる。また成形品熱収縮率の肉厚依存性を、
現在量産している成形品の肉厚の異なる各部分の実測デ
ータから求めるならば、新たに試験片を成形する必要が
ない。
【0009】熱収縮率の肉厚方向分布は、熱収縮率肉厚
依存性の実測データから決定してもよく、熱収縮率測定
用試験片を肉厚方向に薄くスライスまたは溶融しながら
熱収縮率を測定することで決定するようにしてもよい。
熱収縮率の実測結果をモデルの表裏面に適用して熱収縮
率分布を算出したり、熱収縮率の実測結果をそのままソ
リッドモデルに適用することで成形品の熱収縮率分布を
算出したり、熱収縮率の実測結果をそのまま多層シェル
モデルの各層に適用することで成形品の熱収縮率分布を
算出してもよい。また、成形品内部での肉厚方向の樹脂
温度ピーク位置を取得し、その位置を利用して熱収縮率
の肉厚方向分布を算出してもよい。
【0010】熱変形は、成形品熱収縮率の肉厚依存性と
評価部分の樹脂配向方向とから予測してもよく、この時
の評価部分の樹脂配向方向は、有限要素法などの離散化
手法を用いて求めたり、ゲートから評価部分に引いたベ
クトルの方向として求めることができる。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態の一例につい
て説明すると、図1に示すように、まず商品(成形品)
の形状と寸法L’との決定を行い、該寸法L’に対して
寸法公差L1を決定する。また、外因による変形許容範
囲L2を決定する。そして、上記寸法L’をもとに初期
金型寸法Mを決定する。
【0012】次いで、商品の離型後の内部要因に基づく
反り変形性を評価して変形を予測し、該予測値をもとに
反り変形後の寸法が上記商品寸法公差L1内に入る第1
の金型寸法範囲M1を定める。また、熱や湿度、光線
(紫外線)、圧力、外力といったいずれかの外因もしく
は複合する外因に基づく変形性を評価して変形を予測
し、該予測値をもとに外因変形後の寸法が上記変形許容
範囲L2内に入る第2の金型寸法範囲M2を定める。な
お、外因による変形性の評価に際しては、外因として熱
を採用することが好ましく、他の外因を考慮する場合
も、熱を含めたものとするのが好ましい。
【0013】そして、上記金型寸法範囲M1と上記金型
寸法範囲M2とを比較して、両者に共通部分(M1∩M
2)が無ければ図2に示す補正ルーチンに入り、図3
(a)に示すように上記両者に共通部分があれば、この共
通範囲を最適金型寸法M3として採用し、この最適金型
寸法M3から最適商品寸法L3を決定する。図3(b)に
示すように共通部分が無い場合には、図2に示すよう
に、商品機能上、寸法変更可否の検討を行い、寸法変更
が許されない場合には、成形材料を変えて、その成形材
料の特性に基づいた反り変形性評価や外因による変形性
評価を行って、金型寸法M1,M2を決定し、両者M
1,M2に共通部分があるかどうかの判断を行う。
【0014】寸法変更が可であれば、形状や肉厚、さら
にはボスやリブの形状変更といった寸法変更をを行うと
ともに金型寸法の変更を行い、この場合の反り変形性評
価や外因による変形性評価を行って、金型寸法M1,M
2を決定し、両者M1,M2に共通部分があるかどうか
の判断を行う。共通部分があれば、共通範囲を最適金型
寸法M3として採用し、この最適金型寸法M3から最適
商品寸法L3を決定し、共通部分がなければ上記作業を
繰り返す。
【0015】熱変形の予測は図4に示すように行う。す
なわち、成形品の熱収縮率の成形条件(保圧、射出速
度、冷却時間、金型温度、保圧時間、樹脂温度等)依存
性の取得を行う。この成形品熱収縮率の成形条件依存性
の取得は、成形条件を変化させることで様々な密度分布
や分子配向等をもった熱収縮率測定用試験片を成形し、
この試験片を評価したい温度雰囲気の中に一定時間いれ
て収縮させるという熱試験を行い、この時の金型寸法か
らの収縮率を測定することで行う。なお、熱試験は恒温
槽に一定時間いれて行うか、その成形品が熱を受けるの
と同じ環境下において実施する。
【0016】また、熱収縮率に影響を与える成形条件は
樹脂材料の種類によって異なることから、図16に示す
ように、あらかじめ材料(PET,PVC,PE,P
P)毎に熱収縮率の成形条件依存性を測定し、変形に影
響を与えそうな成形条件をデータベース化しておき、こ
のデータベースに収めたデータを用いるようにしてもよ
い。
【0017】成形品熱収縮率の成形条件依存性に加え
て、成形品熱収縮率の肉厚依存性の取得も行う。この成
形品熱収縮率の肉厚依存性の取得は、上記の成形条件依
存性取得の場合と同様に図17に示すように、肉厚の異
なる試験片TPを成形して熱試験を行い、収縮させた試
験片TPの寸法の金型寸法からの収縮率を測定すること
で行う。図5はこのようにして得たデータの例を示して
おり、図中の○は射出方向に対する平行成分を、□は垂
直成分を示している。解析するモデルが肉厚一定の場合
は、その肉厚をもった試験片の熱収縮率データのみを使
用してもよい。
【0018】上記複数種の試験片に代えて、図18に示
すように、厚みの異なる部分を有する単一の試験片TP
を成形して、該試験片TPを熱収縮させて実測で熱収縮
率を取得するようにしてもよいのはもちろんであり、さ
らには現在量産している成形品の各部分から実測により
熱収縮率を取得するようにしてもよい。そして、成形プ
ロセスの解析(充填、保圧、冷却解析)を行う。成形プ
ロセスの解析(充填、保圧、冷却解析)は、市販の射出
成形シミュレーションソフトウェアを用いて行えばよ
く、モデルデータを入力して流動解析を行うことで流れ
パターンや各要素の樹脂配向等を求め、冷却解析を行う
ことで各要素の表裏の温度や肉厚方向の樹脂温度分布等
を求める。
【0019】この後、成形条件依存性に基づいた熱収縮
率データと、肉厚依存性に基づいた熱収縮率データと、
上記解析結果とを用いて、熱収縮率の肉厚方向分布計算
を行い、表裏面の熱収縮率を算出する。次いで、熱収縮
率分布を初期ひずみ分布として応力解析を行い、解析後
のモデルを表示する。この場合、熱変形量や熱収縮量を
定量的に予測することができる。
【0020】熱変形予測は、図6に示すようにして行っ
てもよい。つまり、上記の場合と同様にして成形品熱収
縮率の肉厚依存性を取得するとともに、図7に例を示す
ように評価部分の樹脂配向を取得し、これらのデータか
ら評価部分の熱収縮量を計算するのである。たとえば図
8において、AB間の熱収縮量を求める場合、点Pでの
熱収縮率のX成分をθの関数で表してSH(θ)とする
と、PQ間距離は
【0021】
【数1】
【0022】となることから、AB間全体の熱収縮量は
【0023】
【数2】
【0024】(ただし、θ1:∠AOD,θ2:∠BO
D)で求めることができる。評価部分の樹脂配向方向に
ついては、有限要素法などの離散化手法を利用すること
で得ることができる。つまり、図9に示すような成形プ
ロセスの解析(充填解析)結果を利用するのである。こ
の場合、精度の高い樹脂配向方向を得ることができる。
【0025】ゲートから評価部分に引いたベクトルの方
向を利用するようにしてもよい。たとえば、図8におい
て、AB間の熱収縮量を求める場合、点Oをゲート位置
とし、評価領域ABの任意の位置の樹脂配向方向を点O
からその位置に向かって引いた直線にて定義すれば、点
Pでの樹脂配向はベクトルOPとなる。したがって、点
Pでの樹脂流動方向の週出力をSH//、流動方向に対
して垂直方向の収縮率をSH⊥とすると、点PでのX方
向熱収縮率は SH//cosθ+SH⊥sinθ で表され、AB間全体の熱収縮量は
【0026】
【数3】
【0027】(ただしθ1:∠AOD,θ2:∠BO
D)で決定することができる。前記成形品の熱収縮率の
肉厚方向分布の算出は、成形品の熱収縮率肉厚依存性の
データのみから求めてもよい。この場合、肉厚z1の成
形品収縮率SH(z1)を二次関数sh(z)の積分し
た形で決定する。つまり、sh(z)=a0 +a1 z+
2 2 とすると、z1mmの収縮サンプルに対して、
【0028】
【数4】
【0029】が成立するように係数を決定するのであ
る。今、図10(a)に示すように、肉厚3mmまでのも
のにおいて、肉厚依存性熱収縮率の実測データ(図10
(b)参照)が肉厚1.0mmの時にc%,肉厚2.0m
mの時にb%、肉厚3.0mmの時にa%であれば、
【0030】
【数5】
【0031】から、a0 =5.3、a1 =−9.4、a
2 =4.2を導くことができ、 sh(z)=5.3−9.4z+4.2z2 =4.2(z−1.12)2+0.0405 (ただしz=0〜1.5)となり、グラフにすれば、図
10(c)に示すものとなる。解析対象となる商品に肉厚
が3mm以上の部分が存在すれば、それに合わせた肉厚
依存性データを用いてsh(z)を決定する。
【0032】成形品の熱収縮率の肉厚方向分布は、次の
ようにして決定してもよい。すなわち、図11に示すよ
うに、ある厚みの熱収縮率測定用試験片hpを成形し
て、該試験片hpの熱収縮率を測定し、次いでスライス
または溶融によって肉厚を薄くして再度熱収縮率を測定
するということを繰り返すのである。熱収縮率の実測結
果を図12に示すように単一シェル形状モデルの表裏面
に適用することで、熱収縮率分布を算出したり、図13
に示すように熱収縮率の実測結果をそのままソリッドモ
デルに適用することで熱収縮率分布を算出したり、図1
4に示すように熱収縮率の実測結果をそのまま多層シェ
ルモデルの各層に適用することで熱収縮率分布を算出し
てもよい。
【0033】さらには図15(a)に示すように、成形品
内部での肉厚方向の樹脂温度ピーク位置(T−peak
position)を取得し、その位置を利用して熱
収縮率の肉厚方向分布を算出することもできる。樹脂温
度ピーク位置は成形プロセスの解析(冷却解析)の結果
から読みとり、次いで表側と裏側をそれぞれz=0とし
てsh(z)履歴曲線を図15(b)に示すように描き、
樹脂温度ピーク位置でこの2曲線を分割し、図15(c)
に示すように、分割したsh(z)曲線の片側を平行移
動させて2曲線を分割点で一致させる。つまり、図示例
のものではP点をQ点に一致させる。そして表側をz0
としてsh(z)を上記2式に置き換える。
【0034】
【発明の効果】以上のように本発明においては、反り変
形後の寸法が商品寸法公差L1内に入る第1の金型寸法
範囲と、外因変形後の寸法が変形許容範囲L2内に入る
第2の金型寸法範囲との共通部分を金型寸法とすること
から、外因による変形も見込んだ上での設計となってお
り、このために反り変形だけでなく、外因による変形が
生じても、変形後の寸法を許容範囲内に収めることがで
きるものであり、最適な商品設計を行うことができる。
【0035】第1の金型寸法範囲M1と第2の金型寸法
範囲M2とに共通部分M3が無い場合は、成形品の肉厚
や形状変更を行うとともに、該変更結果に基づく新たな
第1の金型寸法範囲M1及び第2の金型寸法範囲M2を
求め、新たな第1の金型寸法範囲M1と第2の金型寸法
範囲M2との共通部分M3を金型寸法とすることで、最
適設計を行うことができる上に、この場合、外因による
変形を最小限に抑えた成形品を得ることができる。
【0036】外因がもたらす変形としては、熱による変
形を予測することが好ましく、外因としてもっとも大き
いと考えられる熱変形が生じても、変形後の寸法を許容
範囲内に収めることができる。熱変形の予測について
は、成形品熱収縮率の成形条件依存性と成形品熱収縮率
の肉厚依存性とを取得するとともに成形プロセスの解析
を行い、取得した成形品熱収縮率データと解析結果とか
ら成形品の熱収縮率分布を算出し、熱収縮率分布を初期
ひずみ分布として応力解析を行って熱変形を予測する
と、熱変形量や熱収縮量を定量的に予測することができ
る。
【0037】成形品熱収縮率の成形条件依存性は材料デ
ータベースから求めると、データベースの作成に時間と
手間を要するものの、いったん作成した後は成形品の種
類に関係なく効率の良い設計を行うことができるものと
なる。成形品熱収縮率の肉厚依存性は、肉厚の異なった
数種類の試験片を成形して該試験片を熱収縮させること
で得た実測データから求めるようにすれば、各肉厚毎の
熱収縮率の測定が容易となる。肉厚の異なる部分を有す
る単一の試験片を成形して該試験片を熱収縮させること
で得た実測データから求めるならば、肉厚の異なる複数
の試験片を成形する必要がなくなる。また成形品熱収縮
率の肉厚依存性を、現在量産している成形品の肉厚の異
なる各部分の実測データから求めるならば、新たに試験
片を成形する必要がない。
【0038】熱収縮率の肉厚方向分布は、熱収縮率肉厚
依存性の実測データから決定してもよく、熱収縮率測定
用試験片を肉厚方向に薄くスライスまたは溶融しながら
熱収縮率を測定することで決定するようにしてもよい。
実測データを利用するために解析精度が向上する。熱収
縮率の実測結果をモデルの表裏面に適用して熱収縮率分
布を算出したり、熱収縮率の実測結果をそのままソリッ
ドモデルに適用することで成形品の熱収縮率分布を算出
したり、熱収縮率の実測結果をそのまま多層シェルモデ
ルの各層に適用することで成形品の熱収縮率分布を算出
してもよい。また、成形品内部での肉厚方向の樹脂温度
ピーク位置を取得し、その位置を利用して熱収縮率の肉
厚方向分布を算出してもよい。成形品の熱収縮率分布の
算出を容易に行うことができる。
【0039】熱変形は、成形品熱収縮率の肉厚依存性と
評価部分の樹脂配向方向とから予測してもよく、この場
合、成形プロセスの解析を必要としないために、熱収縮
量を簡便に求めることができる。この時の評価部分の樹
脂配向方向は、有限要素法などの離散化手法を用いて求
めれば、精度の高い樹脂配向方向を得ることができ、ゲ
ートから評価部分に引いたベクトルの方向として求めれ
ば、複雑な計算を必要とせずに簡易に樹脂配向方向を得
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の一例におけるフローチャ
ートである。
【図2】同上のフローチャートである。
【図3】(a)(b)は同上の説明図である。
【図4】同上の熱変形予測についでのフローチャートで
ある。
【図5】熱収縮率データについての説明図である。
【図6】熱変形予測についての他例のフローチャートで
ある。
【図7】(a)(b)は同上の樹脂配向方向についての説明図
である。
【図8】同上の熱収縮量計算についての説明図である。
【図9】樹脂配向方向についての説明図である。
【図10】(a)(b)(c)は熱収縮率の肉厚方向分布につい
ての説明図である。
【図11】熱収縮率の肉厚方向分布についての説明図で
ある。
【図12】熱収縮率分布の算出方法の説明図である。
【図13】熱収縮率分布の算出方法の他例の説明図であ
る。
【図14】熱収縮率分布の算出方法の更に他例の説明図
である。
【図15】(a)(b)(c)は熱収縮率分布の算出方法の異な
る例の説明図である。
【図16】熱収縮率の成形条件依存性に関する説明図で
ある。
【図17】熱収縮率の肉厚依存性に関する説明図であ
る。
【図18】熱収縮率の肉厚依存性に関する他の説明図で
ある。
【符号の説明】
M1 第1の金型寸法範囲 M2 第2の金型寸法範囲 M3 最適金型寸法
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成10年7月13日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0031
【補正方法】変更
【補正内容】
【0031】から、a0 =5.3、a1 =−9.4、a
2 =4.2を導くことができ、 sh(z)=5.3−9.4z+4.2z2 4.2(z−1.12)2 +0.0405 (ただしz=0〜1.5)となり、グラフにすれば、図
10(c)に示すものとなる。解析対象となる商品に肉厚
が3mm以上の部分が存在すれば、それに合わせた肉厚
依存性データを用いてsh(z)を決定する。

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 成形品の成形後の内部要因による反りを
    予測して該予測値をもとに反り変形後の寸法が商品寸法
    公差内に入る第1の金型寸法範囲を求めるとともに、外
    因がもたらす変形を予測して該予測値をもとに外因変形
    後の寸法が変形許容範囲内に入る第2の金型寸法範囲を
    求め、第1の金型寸法範囲と第2の金型寸法範囲との共
    通部分を金型寸法とすることを特徴とする成形品の設計
    方法。
  2. 【請求項2】 第1の金型寸法範囲と第2の金型寸法範
    囲とに共通部分が無い場合、成形品の肉厚や形状変更を
    行うとともに、該変更結果に基づく新たな第1の金型寸
    法範囲及び第2の金型寸法範囲を求め、新たな第1の金
    型寸法範囲と第2の金型寸法範囲との共通部分を金型寸
    法とすることを特徴とする請求項1記載の成形品の設計
    方法。
  3. 【請求項3】 外因がもたらす変形として、熱による変
    形を予測することを特徴とする請求項1または2記載の
    成形品の設計方法。
  4. 【請求項4】 成形品熱収縮率の成形条件依存性と成形
    品熱収縮率の肉厚依存性とを取得するとともに成形プロ
    セスの解析を行い、取得した成形品熱収縮率データと解
    析結果とから成形品の熱収縮率分布を算出し、熱収縮率
    分布を初期ひずみ分布として応力解析を行って熱変形を
    予測することを特徴とする請求項3記載の成形品の設計
    方法。
  5. 【請求項5】 成形品熱収縮率の成形条件依存性を材料
    データベースから求めることを特徴とする請求項4記載
    の成形品の設計方法。
  6. 【請求項6】 成形品熱収縮率の肉厚依存性を、肉厚の
    異なった数種類の試験片を成形して該試験片を熱収縮さ
    せることで得た実測データから求めることを特徴する請
    求項4記載の成形品の設計方法。
  7. 【請求項7】 成形品熱収縮率の肉厚依存性を、肉厚の
    異なる部分を有する単一の試験片を成形して該試験片を
    熱収縮させることで得た実測データから求めることを特
    徴する請求項4記載の成形品の設計方法。
  8. 【請求項8】 成形品熱収縮率の肉厚依存性を、現在量
    産している成形品の肉厚の異なる各部分の実測データか
    ら求めることを特徴する請求項4記載の成形品の設計方
    法。
  9. 【請求項9】 熱収縮率肉厚依存性の実測データから熱
    収縮率の肉厚方向分布を決定することを特徴とする成形
    品の設計方法。
  10. 【請求項10】 熱収縮率測定用試験片を肉厚方向に薄
    くスライスまたは溶融しながら熱収縮率を測定して、熱
    収縮率の肉厚方向分布を決定することを特徴とする成形
    品の設計方法。
  11. 【請求項11】 熱収縮率の実測結果をモデルの表裏面
    に適用して熱収縮率分布を算出することを特徴とする請
    求項9または10記載の成形品の設計方法。
  12. 【請求項12】 熱収縮率の実測結果をそのままソリッ
    ドモデルに適用することで成形品の熱収縮率分布を算出
    することを特徴とする請求項9または10記載の成形品
    の設計方法。
  13. 【請求項13】 熱収縮率の実測結果をそのまま多層シ
    ェルモデルの各層に適用することで成形品の熱収縮率分
    布を算出することを特徴とする請求項9または10記載
    の成形品の設計方法。
  14. 【請求項14】 成形品内部での肉厚方向の樹脂温度ピ
    ーク位置を取得し、その位置を利用して熱収縮率の肉厚
    方向分布を算出することを特徴とする請求項11または
    12または13記載の成形品の設計方法。
  15. 【請求項15】 成形品熱収縮率の肉厚依存性と評価部
    分の樹脂配向方向とから熱変形を予測することを特徴と
    する請求項3記載の成形品の設計方法。
  16. 【請求項16】 評価部分の樹脂配向方向を、有限要素
    法などの離散化手法を用いて求めることを特徴とする請
    求項15記載の成形品の設計方法。
  17. 【請求項17】 評価部分の樹脂配向方向を、ゲートか
    ら評価部分に引いたベクトルの方向として求めることを
    特徴とする請求項15記載の成形品の設計方法。
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