JP5134259B2 - そり変形解析方法およびそのプログラムならびにそり変形解析装置 - Google Patents

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本発明は、そり変形解析方法およびそのプログラムならびにそり変形解析装置に関する。
以下、添付図面を参照して、背景技術について説明を行う。
図1A〜Eは、樹脂や金属などを材料とする成形品の射出成形を実施するための射出成形工程の典型例を模式的に示す図である。射出成形とは、図1Aに示すような射出成形機によって、成形品材料6を加熱溶融して流動状態にし、金型4のキャビティ5(金型空洞部)に加圧注入し金型4内で固化させることにより、キャビティ5に相当する形を賦形し、金型を開き、金型内部から固化成形品7を取り出す技術である。通常、その射出成形の工程は大きく分けて図1Bから図1Eの4つの工程に分けることができる。以下、樹脂製品の射出成形を例にとって説明する。
図1Bは、樹脂製品の射出成形工程のうち、樹脂充填工程の一例を示す図である。図1Bの充填工程では、モータ1でホッパー2内に投入された粒状の成形品材料6をシリンダ3の中で溶融させ、シリンダ3の中にあるスクリューで金型4のキャビティ5内に充填させる。図1Cは、樹脂製品の射出成形工程のうち、樹脂保圧工程の一例を示す図である。図1Cの保圧工程では、溶融した成形品材料6に圧力をかけて、冷却工程初期の材料の収縮を補い、安定させる。図1Dは、樹脂製品の射出成形工程のうち、樹脂冷却工程の一例を示す図である。図1Dの冷却工程では、金型4によって、成形品材料6を冷却固化させて、キャビティ5の形状を成形品に賦形する。図1Cの保圧工程と図1Dの冷却工程をまとめて、冷却工程もしくは保圧冷却工程と呼ぶ場合もある。図1Eは、樹脂製品の射出成形工程のうち、離型工程(型開き)の一例を示す図である。図1Eの離型工程では、金型4を開き、固化した成形品7を金型4内から取り出す。射出成形は、典型的には、これら4つの工程により、金型4のキャビティ5形状を成形品に賦形し、製品を得る技術である。
しかし、充填工程、保圧工程、冷却工程のいずれの工程においても、金型内部の挙動はブラックボックスとなっており、従来、射出成形を行う場合、経験や勘を頼りに試作金型を修正しながら金型を設計し、また、試行錯誤で成形条件を設定する手法がとられていた。その結果、金型試作回数が多くなり、かつ製品開発期間が長くなるため、開発コストが高くなる傾向にあった。
一方で、経験や勘を頼りにするのではなく、事前に充填工程における金型内での溶融の流れ、成形品材料や成形品材料および強化繊維の配向、保圧冷却工程における温度や圧力などの物理的な履歴をコンピュータにより数値解析し、金型から成形品を取り出した後の収縮や変形の予測を行い、その結果を金型設計、成形条件の設定にフィードバックさせ、開発期間の短縮する手法が提案されている。
図2は、特許文献1や特許文献2に示される従来の射出成形工程数値解析手法の構成の一例を示すフロー図である。従来は、図2のフロー図に示すように、射出成形解析用形状データを入力(ステップ200)し、成形品材料の注入点であるゲートを指定し、成形品材料の密度や比熱、熱伝導率、成形品材料と金型との間の熱伝達係数、成形品材料の溶融粘度特性、PVT特性(圧力−体積−温度特性。すなわち、成形品材料の比容積もしくは体積を温度と圧力の関係式で表したもの。)などの樹脂物性データと、成形温度、金型温度、射出率(または射出時間)、保圧時間、保圧圧力などの成形条件を入力(ステップ201、ステップ202)して、射出成形工程の解析(ステップ203)(充填工程解析(ステップ204)、保圧・冷却工程解析(ステップ205)、配向解析(ステップ208))を実行し、射出成形解析用形状データの各要素あるいは各節点での収縮率を算出し(ステップ206)、構造解析を実行することで、成形品のそり変形(バイメタル効果によるそり変形)を解析(ステップ207)し、出力(ステップ209)している。
たとえば、平板を成形したとき、平板の表裏で金型の温度に差がある場合、金型温度が高い面は室温まで冷却される際に、金型温度が低い面と比べ収縮が大きく、バイメタル効果により金型温度の高い面を凹にしたようなそり変形となるが、射出成形解析においては、金型の表裏の温度差により発生する収縮歪みだけではなく、成形品材料の密度や比熱、熱伝導率、熱伝達率、溶融粘度、PVT特性による収縮ひずみの分布を成形品のすべての部位で計算し、成形品全体としてのそり変形を算出しているため、非常に複雑な解析となる。
そり変形解析を行う射出成形解析ソフトウェアは多数あるが、梁のたわみ計算などの線形構造解析と比較して、解析精度が低く、絶対値評価はもちろん、相対値評価もできない場合があると指摘されている。これは、そり変形解析において、線形構造解析にはない射出成形における温度、圧力、樹脂データ、樹脂の流動履歴、金型から取り出した後の条件、解析のモデルなど様々な誤差要因があるためである。
たとえば、非特許文献1には、射出成形のそり変形量解析結果について、絶対値を求めることは困難で、どうしても比較検討の域を超える精度を出すのは困難であると書かれている。
特に、リブのような分岐体が形成されている平板の形状の成形品のそり変形量解析は特に困難であった。
たとえば、非特許文献2では、単純なリブ形状の成形品について、実測値と解析値の比較を行っているが、実測値と解析値でそり変形量が2倍から11倍異なっており、絶対値の評価は困難となっている。
さらに、非特許文献3では、そりの結果が通常の解析条件ではあわないため、L字型形状のコーナー部位の熱伝導係数を調整するパラメータ調整をおこなうことにより実測値と解析値をあわせたと書かれており、そりについて実測値と解析値をあわせるために解析担当者の経験、ノウハウが必要であることが分かる。
そして、この解析担当者の経験、ノウハウを共有化するため、非特許文献4では、材料メーカー、金型メーカー、ソフトベンダーなどが参画して、リブつき平板について実測値と解析値の比較を行っている。この中で、解析ソフト間はもちろん、解析担当者間においても解析結果に差異があることが示されている。つまり、解析担当者の経験やノウハウによって異なる結果が生じることを示唆するものであり、未だ普遍的なそり変形量解析方法が確立されていないのが現状である。
このため、事前に数値計算により射出成形現象を予測することができないことはもちろん、数値計算による解析を行ったことにより金型の設計が誤った方向に進み、経験や勘を頼りとする手法よりも開発コストが高くなることもある。そのため、そりの解析精度を高くすることは非常に大きな課題になっている。
ところで、射出成形の成形品の解析はシェル要素、もしくはソリッド要素を用いておこなわれている。図3Aは、3次元のボリュームのある形状を2次元の平面(シェル要素)に置き換える方法の一例を示す図である。図3Aに示すように、2次元のシェル要素とは、3次元のボリュームのある形状を2次元の平面(シェル要素)に置き換え、その2次元平面形状に厚みのデータを持たせることによって、3次元形状を表現するものである。射出成形の成形品は、一般に、薄肉形状で構成されているため、シェル要素を用いて解析することが多い。これはシェル要素を用いると、厚み方向に解析要素を作成する必要がないため、計算コストを抑えることができる利点があること、また、肉厚の変更など形状の検討が容易であるという利点があるためである。
図3Bはそれぞれソリッド要素301、およびシェル要素304を用いて、射出成形の充填解析を行った例である。充填解析について、ソリッド要素を用いても、シェル要素を用いてもほぼ同様の結果となる。
次に、L字型形状を例に、成形品のそり変形量変形解析について、説明する。図4AはL字型形状の一例であり、図4Bから図4Fは、3次元のボリュームのある形状の収縮変形とシェル要素のそり変形の挙動を模擬的に示したものである。図4AではL字型形状401の内側部分の金型面402が外側部分の金型面よりも高温であり、室温まで冷却し、収縮したとする。その場合、バイメタル効果により、L字型形状のコーナー部位で内側に倒れるそり変形403が起きる。これを図4Bのシェル要素でモデル化したとき、図4Bの各要素で、L字型形状のコーナーの内側の面が外側の面よりも収縮が大きくなるような変形計算を行う。その結果、ソリッド要素での収縮変形と同様、バイメタル効果により、L字型形状のコーナーの部分で内側に倒れるそり変形が計算機内で再現できる。これにより、L字型形状のコーナー部位については、面内方向、肉厚方向の温度分布(面内方向、肉厚方向の収縮率分布)により発生するバイメタル効果によるそり変形は、シェル要素で解析しても、3次元のボリュームのあるソリッド要素で解析してもある程度は妥当な結果を得ることができる。
しかし、L字型形状のコーナー部位は平板部と異なり、バイメタル効果以外に、面内方向収縮率(この場合は、コーナー部で折れ曲がる面内の方向であって、かつ、コーナー部位を形成する交線の方向に垂直な方向(L字型形状のコーナー部位における面内折れ曲がり方向)の収縮率)と肉厚方向収縮率の違いによってもそり変形が発生するため、バイメタル効果による変形の解析では不十分である。
このメカニズムについて図4CのL字型形状の成形品で説明する。
成形品材料の配向や充填材の影響で、肉厚方向の収縮407が面内方向の収縮408(コーナー部位における面内折れ曲がり方向成分)よりも大きいと仮定する。図4Dは図4Cの成形品面の折れ曲がる方向を含む面内の断面図であるが、図4Dに示すように、L字型形状のコーナー部位のL字型形状を構成する2面のなす角度を等分割する面409を境界に半分の形状について考えた場合、肉厚方向の収縮が大きいため、角度410が小さくなり、角度を等分割する面409において、収縮後の形状を組み合わせると、L字型形状のコーナーの部分で内側に倒れるそり変形が起きる。これが、面内方向収縮率(L字型形状のコーナー部位に対して直角方向成分)と肉厚方向収縮率の違いによってもそり変形が発生するそり変形である。
ソリッド要素を用いた場合、このようなコーナーの挙動を再現することができるが、これを図4Eのシェル要素でモデル化したとき、シェル要素は、図4Dの角度410のようなL字型形状コーナー部位の角度を考慮しないため、角度410が変化しても、シェル要素では、L字型形状のコーナー部位で内側に倒れるそり変形は発生しない。
ただし、ソリッド要素を用いた場合でも、肉厚方向の収縮407が面内方向の収縮408(コーナー部位の面内折れ曲がり方向成分)よりも大きい場合の、L字型コーナー部位のそり変形を正しく解析できるとは限らない。図4Fは図4CのL字型成形品を分割数を変えてモデル化したものである。図4Fに示すように、L字型形状のコーナー部位の要素分割数が不十分なソリッド要素411の場合、L字型形状のコーナー部位の要素分割数が十分なソリッド要素412のように正しく解析することができない。これは、要素分割数が不十分なソリッド要素は、シェル要素と同様、L字型形状のコーナー部位を、面409で分割することができず、L字型形状のコーナー部位の角度変化を表すことができないためである。したがって、ソリッド要素を用いる場合は非常に多くの要素を含むモデルを作成する必要があり、計算コストやモデル作成工数の点で不利である。
また、上記の通り、バイメタル効果だけを考慮した2次元シェルモデルには、面内方向収縮率と肉厚方向収縮率の違いに起因するそり変形を解析できない。
そこで、非特許文献5では、L字型形状のコーナー部位について、式(1)から式(3)のように面内方向の収縮と肉厚方向の収縮から、L字型形状のコーナー部位を挟む2面の角度が収縮の前後で角度変化を発生させることにより、L字型形状のコーナー部位の収縮、そり変形挙動を表現している。
図5Aは式(1)、式(2)の角度の算出法を示す図の一例であり、L字型形状のコーナー曲面の収縮前形状および収縮後の形状を示す断面図である。また、図5Bは式(3)の角度の算出法を示す図の一例であり、L字型形状のコーナーのコーナー部の収縮前形状および収縮後の形状を示すL方形状を構成する2面のなす角度を等分割する面を境界に半分の形状の断面図である。
Figure 0005134259
以下、図5A、および図5Bについて、詳細に説明する。
ここでは、分岐部位ではなく、コーナー曲面をもつL字型形状のコーナー形状を想定している。
収縮前の形状501は内径R、肉厚dであるとして、成形後熱収縮により、面内方向(円周方向)にSx、肉厚方向(半径方向)にSzの収縮率で収縮し、収縮後の形状502になったときの形状の変化を示している。この際、面内方向収縮率Sxと肉厚方向収縮率Szが等しい値であったとき、かつ、コーナー曲面の内側と外側で収縮率が等しい場合は、収縮後の角度変化が生じず、収縮後の角度の変化量Δα=0となる。しかし、面内方向収縮率Sxよりも肉厚方向収縮率Szが大きい場合は、面内方向(円周方向)と肉厚方向(半径方向)との間に歪みが生じ、式(1)、式(2)のようなコーナーの角度変化が生じる。
図5BはL字型形状のコーナー部位を、L字型形状を構成する2面のなす角度を等分割する面で分割し、図示したものである。L字型形状のコーナー部位の先端が曲面形状ではない場合、図5Bに示すモデルでコーナー部位を表現することができ、収縮前の角度αと収縮後の角度βは図5Bより式(3)に変換することができる。
なお、式(1)から式(3)は収縮前後の角度の変化量が微小であると考えたとき、実質同じものであると考えることができる。
このような面内方向収縮率と肉厚方向収縮率の違いを考慮したL字型形状のコーナー部位のそり変形量解析は、成形品の内部に繊維などの充填材が入っている場合、こうしたそりが特に顕著に現れるため、非特許文献5の方法は非常に有効であった。
しかしながら、本発明者らの知見によると、基盤部にリブなどの分岐体が形成されているリブ形状などの成形品の場合に分岐部位について、L字型形状のコーナー部位と同様の式(1)から式(3)を用いて解析した場合、繊維などの充填材を含む材料がそれぞれの分岐体へどのような割合で流れるによって分岐部位におけるそり変形が変化することを考慮できない問題があった。また形状としてそりを誘発するような分岐体であるかを精査していないため、たとえば、図3Cのような基盤部に対して小さな突起であるような形状であっても、大きな角度の変化量が生じると計算してしまう問題があった。
特開昭62−34282号公報 特開平2−258229号公報 米川太,"プラスチック製品のCAE解析(現状と課題)",成形加工,日本国,2000,VOL.12,No.3,P133 大塚弘己/望月智仁/大須賀晴信,"そり変形解析によるリブ変形の予測精度",成形加工,日本国,2001,VOL.13,No.2,P102 山田和慶/西郷栄人/田中宏尚,"射出成形品のコーナー部内そり変形予測",成形加工,日本国,2002,VOL.14,No.8,P496 山部昌/大塚弘己/亀田隆夫/瀬戸雅宏/道井貴幸,"射出成形CAE 専門委員会活動報告−各委員による解析の実施と成形実験との比較検討−",成形加工,日本国,2002,VOL.14,No.11,P690 A.AMMAR/V.LEO/G.REGNIER,"Corner Deformation of Injected Thermoplastic Parts" ,International Journal of Forming Processes,仏国,2003,ARTICLE VOL 6/1 −,P53
このように、非特許文献5のアプローチを単純にリブ形状などの分岐を有する形状について応用するだけでは、面内方向収縮率と肉厚方向収縮率の差による分岐部位の角度の変化量を算出する際、分岐部位の流れの影響や分岐体形状の影響を考慮していなかったため、実測のそり変形量と解析のそり変形量が異なる場合があった。
そこで、本発明者らの鋭意検討の結果、従来の方法の温度分布による収縮計算、温度、圧力分布による収縮計算、配向分布による異方性収縮計算、コーナー部の角度の変化量計算に加えて、分岐部位のそり変形に関して、分岐部位の形状、流動履歴を考慮に入れることにより、解析値のそり変形量を実測のそり変形量に極めて近づけることができることを見いだした。
本発明の目的は、上記従来技術の問題点を鑑み、リブ形状などの分岐体を有する形状の分岐部位におけるそり変形を、精度良く、射出成形に関するそり変形量解析を実施できる射出成形解析方法およびそのプログラムを提供することを目的にしている。
上記目的を達成するために、本発明によれば、プログラムされたコンピュータによって成形品のそり変形を解析するためのそり変形解析方法であって、前記成形品の分岐部位におけるそり変形を、
(1)前記分岐部位における基盤部と分岐体とのなす角度、前記分岐部位における面内方向収縮率の肉厚方向平均値、および、前記分岐部位における肉厚方向収縮率の肉厚方向平均値、ならびに、前記分岐部位から分岐体先端までの距離、前記分岐部位における流動履歴、前記分岐部位における前記基盤部の肉厚と前記分岐部位における前記分岐体の肉厚との比、前記分岐部位における前記基盤部の肉厚と前記分岐部位から前記分岐体の先端までの距離との比のうち少なくとも1つ以上を用いる分岐構造パラメータに基づいて算出する分岐構造そり変形量を算出する分岐構造そり変形量算出工程と、
(2)前記分岐部位における前記基盤部および前記分岐体の面内方向収縮率の面内方向および肉厚方向分布ならびに前記分岐部位における前記基盤部および前記分岐体の肉厚方向収縮率の面内方向および肉厚方向分布と、に基づいて算出するバイメタルそり変形量を算出するバイメタルそり変形量算出工程と、
(3)前記分岐構造そり変形量算出工程およびバイメタルそり変形量算出工程の算出結果に基づいて総そり変形量を算出する分岐部位総そり変形量算出工程と、
を含むことを特徴とするそり変形解析方法が提供される。
また、本発明の別の形態によれば、上記いずれかのそり変形解析方法の各工程をコンピュータに実行させるためのプログラムが提供される。
また、本発明の別の形態によれば、上記プログラムを記録したコンピュータ読みとり可能な記録媒体が提供される。
また、本発明の別の形態によれば、成形品の射出成形工程を解析するための射出成形解析装置であって、
前記成形品の分岐部位におけるそり変形を、
(1)前記分岐部位における基盤部と分岐体とのなす角度、前記分岐部位における面内方向収縮率の肉厚方向平均値、および、前記分岐部位における肉厚方向収縮率の肉厚方向平均値、ならびに、前記分岐部位から分岐体先端までの距離、前記分岐部位における流動履歴、前記分岐部位における前記基盤部の肉厚と前記分岐部位における前記分岐体の肉厚との比、前記分岐部位における前記基盤部の肉厚と前記分岐部位から前記分岐体の先端までの距離との比のうち少なくとも1つ以上を用いる分岐構造パラメータに基づいて算出する分岐構造そり変形量算出手段と、
(2)前記成形品の分岐部位におけるそり変形を、前記分岐部位における前記基盤部および前記分岐体の面内方向収縮率の面内方向および肉厚方向分布ならびに前記分岐部位における前記基盤部および前記分岐体の肉厚方向収縮率の面内方向および肉厚方向分布と、に基づいて算出するバイメタルそり変形量算出手段と、
(3)前記成形品の分岐部位におけるそり変形を、前記分岐構造そり変形量算出手段の出力および前記バイメタルそり変形量算出手段の出力に基づいて算出する分岐部位総そり変形量算出手段と、
を備えてなることを特徴とする射出成形解析装置が提供される。

以下に用語を定義する。
本発明において、「成形品」とは、押出成形、ブロー成形、射出成形、射出圧縮成形、圧縮成形、トランスファー成形等の成形加工によって成形される製品である。以下、本明細書において典型的な例として射出成形を例にとって説明する。成形品はたとえば図1Aに示したような射出成形機により成形品材料を加熱して流動状態にし、閉じた金型の空洞部(キャビティ)に加圧注入し金型内で固化させることにより、金型空洞部に相当する形を賦形された製品をいう。
本発明において、「成形品材料」とは、射出成形等で成形に用いる高分子材料や金属材料をいい、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、塩化ビニル(PVC)、ポリアミド(PA)、ポリアセタール(POM)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、シンジオタクチック・ポリスチレン(SPS) 、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、液晶ポリマー(LCP)、ポリエーテルニトリル(PEN)、ポリカーボネート(PC)、変性ポリフェニレンエーテル(m−PPE)、ポリサルホン(PSF)、ポリエーテルサルホン(PES)、ポリアリレート(PAR)、ポリアミドイミド(PAI)、ポリエーテルイミド(PEI)、熱可塑性ポリイミド(PI)、アクリルニトリルブタジエンスチレン(ABS)、アクリルニトリルスチレン(AS)、マグネシウム合金(Mg合金)などを挙げることができる。
本発明において、「L字型形状のコーナー部位」とは、面と面が180°未満の角度で折れ曲がる部分をいう。
本発明において、「分岐部位」とは成形品の基盤部の肉厚方向を含む任意の平面における断面形状が2つ以上の分岐するような部位をいう。図6Aから図6Eは分岐部位をもつ成形品形状の典型例をシェルモデルで示したものである。図6Aから図6Eに示すように、成形品の肉厚方向断面形状は、T字型、Y字型、傘型(2分岐)、X字型(3分岐)、星型(多分機)などがある。また、解析において「分岐部位」とは、シェル要素の場合、図6Fに示すように分岐部を構成する辺618を含む要素617、ソリッド要素の場合、図6Gに示すように分岐部を構成する要素の節点619を含む要素617である。
本発明において、「基盤部」とは成形品の主となる形状を形成する部位をいう。たとえば、T字型形状の場合、成形品のリブなどの突起形状を取り除いた残りの部位をいう。
成形品のどの部位が「基盤部」に該当するかは、以下のように決定することができる。ただし、この手法に基づく基盤部の判定がコンピュータ内で毎回行なわれる必要はないし、手順が同じである必要もない。結果として以下の定義のような部位を基盤部と判断する場合があるようになっていれば、少なくともその場合については、本発明の目的は達成される。
(1)分岐部位において、分岐の数を認識する。2分岐の場合、分岐部位を構成する面は3つ、3分岐であれば、4つとなる。
(2)分岐部位を構成する面と面のなす角度をすべて算出する。たとえば、図6Aに示すT字型形状の場合、606面と607面のなす角度、606面と608面のなす角度、607面と608面のなす角度(0〜180°)となる。分岐部位がn分岐であるとしたとき、構成する面と面のなす角度はn×(n+1)/2個存在する。
(3)分岐部位を構成する面と面のなす角度(0〜180°)のうち、もっとも角度の大きくなる2面を基盤面と呼ぶ。
たとえば、図6Cの傘型形状について、面と面のなす角度は3つ(609面と610面のなす角度、610面と611面のなす角度、609面と611面のなす角度)存在し、そのうち609面と611面のなす角度がもっとも角度が大きいため、基盤面は609面と611面である。
ただし、図6DのようなX字型形状や、図6Eのような星型形状の場合、もっとも大きな角度(180°)が複数存在する可能性がある。その場合、肉厚の大きい面を基盤面とする。たとえば、図6Dで、612面が4mm、613面が3mm、614面が2mm、615面が1mmであるとした場合、612面の肉厚がもっとも大きいため、612面、およびこれと対となる面であり612面との間のなす角度が最大値の180°である614面が基盤面となる。
また、もっとも大きい肉厚の面で基盤面の判定ができない場合、(たとえば、612面が4mm、613面が4mm、614面が3mm、615面が2mmであるとした場合)、基盤面となりうる面について、肉厚がもっとも大きいと判断された面と対になる面同士(614面と615面)を比較し、大きい方(614面)を含む2面(612面と614面)を基盤面とする。なお、図6DのようなX字型形状で4つの面の肉厚が等しい場合など基盤面の判断がつかない場合は、基盤面となりうる面のどの面を基盤面とみなしてもどちらでも構わない。そして、この基盤面が属する部位が「基盤部」となる。ソリッド要素を用いる場合も、本質的に上記と同様である。
本発明において、「分岐体」とは成形品の分岐部位において、基盤部から分岐している部位をいう。
本発明において、「基盤部と分岐体のなす角度」とは、基盤部とそれぞれの分岐体のなす角度のことである。
たとえば、図6AのT字型形状の場合、基盤部は606面および608面、分岐体は607面であり、「基盤部と分岐体のなす角度」は、分岐体607面を挟み左右に2つ存在(606面と607面のなす角度、607面と608面のなす角度)する。なお、T字型形状の場合、基盤部を構成する2面間の角度は180°であるため、基盤部を構成する2面間は、特許文献1や特許文献2に示すようなバイメタル効果による変形のみを生じさせる。
図6Cの傘型形状の場合も同様に、基盤部は609面および611面、分岐体は610面であり、「基盤部と分岐体のなす角度」は、分岐体610面を挟み左右に2つ存在(609面と610面のなす角度、610面と611面のなす角度)する。ただし、傘型形状のように基盤部をなす構成する2面(609面と611面)が180°未満の角度で折れ曲がっている場合、T字型形状とは異なり、「基盤部をL字型形状のコーナー部位」と見なし、特許文献1に示すようなバイメタル効果による変形と非特許文献5に示されるようなL字型コーナー部の変形によって、「基盤部」を構成する2面間の角度に変化を生じさせる。
また、図6DのX字形状の場合、基盤部は612面および614面、分岐体は613面、615面であり、「基盤部と分岐体のなす角度」は、分岐体613面、分岐体615面を挟み左右にそれぞれ2つ存在(合計4つ:612面と613面のなす角度、613面と614面のなす角度、614面と615面のなす角度、615面と612面のなす角度)する。なお、4つの角度の和は、変形前においては360°であるが、計算により算出した変形後の4つの角度の和は360°になるとは限らない。その場合、角度変化をモーメント力に変換し、力の釣り合い計算により、変形後の角度を算出する。
本発明において、「バイメタルそり変形」とは、収縮率の分布により生じるそりをいう。収縮率が大きい部分を凹とする弓なりのそり変形などがこれに含まれる。また、「分岐部位におけるそり変形」とは分岐部位における成形収縮歪みの分布により、「基盤部」と「分岐体」との組などのなす角度の変化が生じることをいう。
本発明において、ある部位における特定方向の「収縮率」とは、射出成形等で成形した成形品の当該部位の当該方向の寸法と射出成形等の金型における対応する部位の当該方向の寸法との差を射出成形の金型での寸法で割った値である。射出成形の解析では、「収縮率」を、射出成形工程における温度変化、PVT特性などにより生じる収縮、配向による異方性などを考慮して算出する。なお、この収縮率は、一般に、解析におけるシェル要素やソリッド要素の1つ1つについても求めることができる。
以下、例を示す。図4Hはシェル要素の一例である。シェル要素の場合、1つ1つの要素414について、肉厚方向に複数の計算点415をもっており、この複数の計算点1つ1つについても、収縮率を算出する。また、肉厚方向に要素分割数が少ない場合、ソリッド要素でもシェル要素のように、肉厚方向に複数の計算点を持たせ、シェル要素のように計算することができる。
「収縮率」について、もっと大きな領域について求めるときは、その領域内の平均的な収縮率となる。厚み方向全体について平均する場合を、一般に成形収縮率(=成形品寸法/金型寸法)と呼ぶ値のことである。
本発明において、「分岐部位の面内方向(肉厚方向)収縮率」とは、分岐部位における基盤部と分岐部の面内方向(肉厚方向)収縮率に基づいて求められる分岐部位を代表する面内方向(肉厚方向)収縮率をいう。たとえば、分岐部位における基盤部および分岐部の面内方向(肉厚方向)収縮率の平均値や重みつき平均値や分岐部位近傍の分布から得られる値を用いる場合などがある。分岐部位は、図6Fに例示したシェル要素の場合、分岐部を構成する辺618を挟み、基盤部の要素627と分岐部の要素628で構成され、図6Gに例示したソリッド要素の場合、分岐部を構成する要素619および基盤部の要素627と分岐部の要素628で構成される。これらの分岐部位を構成する要素における面内方向(肉厚方向)収縮率を平均してもよいし、分岐部位を構成する要素に隣接する要素などをさらに考慮してもよい。
本発明において、ある部位における「肉厚方向収縮率」とは、射出成形で成形した成形品の当該部位における肉厚と射出成形の金型での対応する部位における肉厚寸法の差を射出成形の金型での肉厚の寸法で割った値である。たとえば、図4Gは断面がT字型の分岐部位をもつ成形品の例であるが、図4Gの407で示すような方向の収縮率である。
本発明において、「面内方向収縮率(面内折れ曲がり方向成分)」」とは、基盤部または分岐体の面内の方向であって、かつ、分岐部位を形成する交線の方向に垂直な方向(面内折れ曲がり方向)成分の収縮率のことである。たとえば、図4Gは断面がT字型の分岐部位をもつ成形品の例であるが、図4Gの408に示すような方向の収縮率である。
本発明において、「L字型コーナー構造そり変形」および「分岐構造そり変形」とは、面内方向収縮率と肉厚方向の収縮率が異なることにより発生するそり変形のことである。たとえば、図4Cのように肉厚方向収縮率407と面内方向収縮率408が異なるとき、図4Dに示すメカニズムにより発生するそり変形のことである。
本発明において、「収縮率分布」とは、金型壁面への熱伝達、金型壁面とのせん断による発熱、金型の温度分布などにより発生する「肉厚方向収縮率分布」もしくは「面内方向収縮率分布」のことである。これを、解析要素において考える。解析では、変位や荷重などのデータは、節点に保存され、応力やひずみや収縮率は要素に保存される。そして、シェル要素の場合、肉厚方向の情報を保存するため、肉厚方向にも計算点が存在する。図4Hはシェル要素の節点、要素、計算点を示す模式図の一例である。図4Hのシェル要素の場合、「肉厚方向収縮率分布」とは、要素414の肉厚方向計算点415の収縮率の値の分布のことであり、「面内方向収縮率分布」とは、面内に多数存在する要素414の収縮率の分布である。
本発明において、「収縮率の肉厚方向平均値」とは、肉厚方向の計算点415の収縮率の平均値のことである。「平均値」は、肉厚方向すべての計算点における平均値を用いてもよいし、複数の計算点のうち、一部の計算点の値を平均値とみなしてもよい。また、一部計算点として、肉厚方向の中心1点を用いてももちろん構わない。
本発明において、「流動履歴」とは、射出成形充填解析において、分岐部位における全体の流量に対して、それぞれの分岐体やその先の基盤部への流量や流入方向の履歴である。たとえば、図3Bで基盤部の要素308からコーナー部方向へ流出した流量と基盤部の要素308から分岐体の要素309へ流出した量の流量や流動方向履歴のことである。ここで、履歴とは、時間的に変化する様子の各時点における値の集合でもよいし、所定期間内のその平均や積算でもよい。
本発明において、「充填材」とは、成形品の剛性、強度、耐熱性、絶縁性、耐蝕性などの物性を高めるための充填材をいう。たとえば、ガラス繊維、炭素繊維などの強化繊維、タルク、マイカ、炭酸カルシウム、アルミナ、クレー、珪藻土、石綿、硫酸バリウム、酸化チタン、カリオン、湿式または乾式シリカ、コロイド状シリカ、リン酸カルシウム、ジルコニアなどの無機物のことである。
本発明において、「分岐部位から分岐体先端までの距離」とは、分岐体の面内において、分岐部位から、分岐部位を形成する基盤部と分岐体との交線に対して直交する方向の先端までの距離のことである。
図6Fは断面形状がT字型形状のシェル要素の一例、図6Gは断面形状がT字型形状のソリッド要素の一例である。「分岐部位から分岐体先端までの距離」は、図6Fに示すシェル要素の場合図6F寸法620、図6Gに示すソリッド要素の場合、図6Gの寸法620となる。図6Fでは、成形品から基盤部を除いた部分の高さを用いているが、中立面(肉厚方向中央の面)を考慮し、成形品から基盤部を除いた部分の高さに基盤部の肉厚の半分の長さを加えたものを加えても構わない。
ただし、環状形状やH字型形状のように分岐部位から分岐体の面内において分岐部位に対して直交する方向に先端となる形状が存在しない場合、分岐部位からL字型に折れ曲がる部分までの距離や分岐部位から2分岐以上に分岐している部分までの距離を「分岐部位から分岐体先端までの距離」とする。
図6Hは環状形状の一例、図6IはH字型形状の一例である。この図のような徐々に折れ曲がる形状の場合の「分岐部位から分岐体先端までの距離」は、分岐部位から分岐体の面内において分岐部位に対して直交する方向ベクトルが分岐部位における方向ベクトルとのなす角度629が45°以上となる部分までの距離とする。図6Hの場合、距離h(620)のことである。また、分岐部位から2分岐以上に分岐するまでの距離とは図6Iの距離h(620)のことである。
本発明によれば、簡便な計算手法でありながら、射出成形解析における各方向の収縮率およびそりの予測精度が向上し、成形品の開発コストの抑制、開発期間の短縮が実現できる。
以下、添付図面を参照して、本発明の射出成形解析方法、射出成形解析装置の実施の形態について説明する。
図7は本発明の実施形態の一例の構成を示すブロック図である。本実施形態例において、図7に示すとおり、(700)はコンピュータやワークステーションなどの計算機、(701)はキーボード、(702)はマウス、(703)はディスプレイ、(704)は補助記憶装置である。(704)の補助記憶装置には、ハードディスク装置の他、テープ、FD(フレキシブルディスク)、MO(光磁気ディスク)、PD(相変化光ディスク)、CD(コンパクトディスク)、DVD(デジタル・バーサタイル・ディスク)などのディスクメモリー、USB(ユニバーサル・シリアル・バス)メモリー、メモリーカードなどのリムーバブルメディアも利用可能である。
補助記憶装置704には、射出成形工程を解析するためのプログラム705や射出成形解析用形状データ706もしくは射出成形解析用形状データを作成するためのプログラム705、粘度、PVT特性、弾性率、ポアソン比、線膨張係数などの成形品物性データ707、設定温度、設定圧力、設定速度、設定時間などの成形条件データ708が保存されている。
コンピュータやワークステーションなどの計算機700は、補助記憶装置704からプログラム705、形状データ706、成形品物性データ707、成形条件データ708などを読み出すことができるデータ読み出し手段709を具備している。また、射出成形工程を解析する射出成形工程解析手段710、収縮率算出手段711、総そり変形解析手段715、肉厚算出手段712、分岐部位から分岐体先端までの距離算出手段713、流量算出手段714、そり変形量算出手段715、形状データ706を平板部、L字型コーナー部、分岐部位のいずれかに分類する形状判別手段716、出力手段717を具備する。そして、そり変形量解析手段715はバイメタルそり変形量算出手段718、L字型コーナー構造そり変形量算出手段719、分岐構造そり変形量算出手段720、L字コーナー部位総そり解析手段721、分岐部位総そり解析手段722で構成されている。
形状データ706は、ユージーエス コーポレーション製“I−DEAS(登録商標)”のUNV形式など汎用の射出成形解析プリプロセッサーにより作成できるものであり、シェル要素、ソリッド要素などで表現する。もちろん、モデルデータを保存するファイルのフォーマットは節点、要素、要素プロパティ、材料プロパティなどが記述されるデータであれば、形状データ706の形式は限定しない。
図8は、本発明の第一〜第三の形態の実施形態のフロー図の一例である。以下、図2のフロー図と実質的に違いのないステップについては、同図と同一の符号を付して説明を省略することがある。
図8のフロー図について、以下説明する。
コンピュータやワークステーションなどの計算機にCAD用形状データを読み込むか、キーボードやマウスにより入力を行う(200)。同様にして、樹脂物性データ、成形条件を読み込み、または入力する(201、202)。これらのデータを基に射出成形工程解析203を実施する。
射出成形工程解析203は、図2のフローに示す解析手法と同様、充填工程解析204、保圧・冷却工程解析205、収縮率算出206、配向解析208を実施する。
また、分岐構造そり変形量解析807を実施するために、肉厚算出801、分岐体先端までの距離算出802、流量履歴算出803を行う。
そり変形量解析は、従来と異なり、形状判別804によって形状を平面部、L字コーナー部位、分岐部位の3つに分類し、それぞれの形状ごとにそり変形量解析を実施し(平板部では、バイメタルそり変形量解析805を実施し、L字コーナー部位では、バイメタルそり変形量解析805に加えてL字型コーナー構造そり変形量解析806が実施し、これらを統合するL字型コーナー部位総そり変形量解析808を実施し、分岐部位では、バイメタルそり変形量解析805に加えて分岐構造そり変形量解析807を実施し、これらを統合する分岐部位総そり変形量解析809を実施する)、最後に、これらを統合するそり変形量解析810を行い、出力209する。以下、分岐構造そり変形量算出手段720による分岐構造そり変形解析807について、説明する。
第一の実施形態では、分岐構造そり変形量算出手段720は、ステップ801で算出した分岐部位における基盤部の肉厚622(シェル要素の場合は要素の肉厚データ)と分岐体の肉厚621(シェル要素の場合は要素の肉厚データ)、基盤部の面内方向収縮率626と分岐体の面内方向収縮率624の算術平均、基盤部の肉厚方向収縮率625および分岐体の肉厚方向収縮率623の算術平均を代表値とした分岐部の面内方向収縮率の肉厚方向平均値(面内折れ曲がり方向成分)Sxおよび肉厚方向収縮率の肉厚方向平均値Sz、基盤部と分岐体のなす角度905(α)、を式(4)または式(5)に代入し、収縮後の基盤部と分岐体のなす角度の変化量Δα、または収縮後の基盤部と分岐体のなす角度βを算出する。基盤面は、分岐体を挟み、反対側にも存在するため、その反対側に存在する基盤面と分岐体との間でも、同様の処理を行う。また、分岐体が多数ある場合は、基盤部とそれぞれの分岐体との間で同様の処理を行う。
Figure 0005134259
式(4)は変形前の基盤部と分岐体のなす角度から、変形後のなす角度の変化量を導く式、式(5)は変形前の基盤部と分岐体のなす角度から、変形後のなす角度を導く式であり、式(4)と式(5)は、テーラー展開のした場合の1次の項が同じであり、物理的にも数学的にもほぼ等価である。
式(4)および(5)は、基盤部の肉厚622(シェル要素の場合は要素の肉厚データ)に比べ、分岐体の肉厚621(シェル要素の場合は要素の肉厚データ)が小さい場合に、その分岐体の存在がコーナーにおける角度の変化量に対して与える影響が小さいという知見を盛り込んだものであり、かかる条件が成り立つ場合に高い精度を得ることができる式である。式(4)は、非特許文献5における収縮後のL字型形状のコーナー部の角度の変化量Δαを求める式(2)に基盤部の肉厚d2、分岐体の肉厚d1のパラメータ(exp(A-B×(d1/d2))を補正項として加えたものであり、式(5)は収縮後のL字型形状のコーナー部の角度βを求める式(3)に基盤部の肉厚d2、分岐体の肉厚d1のパラメータ(exp(A-B×(d1/d2))を補正項として加えたものである。すなわち、そり変形量は、基盤部と分岐体のなす角度と、基盤部の肉厚と分岐体の肉厚の比と、に基づいて分岐構造に起因するそり変形量を求めるものである。
バイメタルそり変形量算出手段718は、分岐部位における収縮率分布から応力の釣り合いを計算することによってバイメタル効果に起因するそりの変形量を求める805。
そして、分岐構造そり変形量算出手段720による分岐構造そり変形量解析807出力とバイメタルそり変形量算出手段718によるバイメタルそり変形量解析805出力から、再び応力の釣り合い計算を実施することによって分岐部位総そり変形量解析809を行い、2つの種類の原因によるそり変形を共に考慮した分岐部位のそり変形として出力する。
そり変形量算出手段715は、分岐部位と同様にして計算した平板部のそり変形量出力(バイメタルそり変形量解析805により計算)、L字コーナー部位のそり変形量出力(バイメタルそり変形量解析805に加えてL字型コーナー構造そり変形量解析806により計算し、L字型コーナー部位総そり変形量解析808を実施)、および分岐部位のそり変形量出力から、成形品全体における応力の釣り合い計算を実施し、成形品全体のそり変形量解析810を実施する。
第二の実施形態においては、分岐構造そり変形量算出手段720は、ステップ801で算出した分岐部位における基盤部の肉厚622(シェル要素の場合は要素の肉厚データ)と分岐体の肉厚621(シェル要素の場合は要素の肉厚データ)、ステップ802で算出した分岐部位から分岐体先端までの距離620、基盤部の面内方向収縮率626と分岐体の面内方向収縮率624の算術平均、基盤部の肉厚方向収縮率625、分岐体の肉厚方向収縮率623の算術平均を代表値とした分岐部の面内方向収縮率の肉厚方向平均値(面内折れ曲がり方向成分)、肉厚方向収縮率の肉厚方向平均値、基盤部と分岐体のなす角度905を式(6)または式(7)に代入し、収縮後の基盤部と分岐体のなす角度の変化量Δα、または収縮後の基盤部と分岐体のなす角度βを算出する。基盤面は、分岐体を挟み、反対側にも存在するため、その反対側に存在する基盤面と分岐体との間でも、同様の処理を行う。また、分岐体が多数ある場合は、基盤部とそれぞれの分岐体との間で同様の処理を行う。
Figure 0005134259
式(6)は変形前の基盤部と分岐体のなす角度から、変形後のなす角度の変化量を導く式、式(7)は変形前の基盤部と分岐体のなす角度から、変形後のなす角度を導く式であり、式(6)と式(7)は、ほぼ等価である。
式(6)および式(7)は基盤部の肉厚d2に比べ、分岐体の肉厚d1が小さい場合、その分岐体が分岐部位における角度の変化量Δαに対して与える影響が小さく、そして分岐部位から分岐体先端までの距離620が分岐体の肉厚621に比べて小さい場合、その分岐体がコーナーにおける角度の変化量Δαに対して与える影響が小さいという知見を盛り込んだものであり、かかる条件が成り立つ場合に高い精度を得ることができる式である。式(6)は収縮後のL字型形状のコーナー部の角度の変化量Δαを求める式(2)に基盤部の肉厚d2、分岐体の肉厚d1、分岐部位から分岐体先端までの距離hのパラメータ(exp(A-B×(d1/d2))、(exp(D-E×(h/d1))を補正項として加えたものであり、式(7)は収縮後のL字型形状のコーナー部の角度βを求める式(3)に基盤部の肉厚d2、分岐体の肉厚d1、分岐部位から分岐体先端までの距離hのパラメータ(exp(A-B×(d1/d2))、(exp(D-E×(h/d1))を補正項として加えたものである。すなわち、そり変形量は、基盤部と分岐体のなす角度と、基盤部の肉厚と分岐体の肉厚の比と、分岐部位から分岐体先端までの距離と分岐体肉厚の比と、に基づいて分岐構造に起因するそり変形量をもとめるものである。
バイメタルそり変形量算出手段718は、上記第一の形態と同様にバイメタル効果に起因するそりの変形量を求める。
そして、分岐構造そり変形量算出手段720による分岐構造そり変形量解析807出力とバイメタルそり変形量算出手段718によるバイメタルそり変形量解析805出力から、再び応力の釣り合い計算を実施することによって分岐部位総そり変形量解析809を行い、2つの種類の原因によるそり変形を共に考慮した分岐部位のそり変形として出力する。
そり変形量算出手段715は、分岐部位と同様にして計算した平板部のそり変形量出力(バイメタルそり変形量解析805により計算)、L字コーナー部位のそり変形量出力(バイメタルそり変形量解析805に加えてL字型コーナー構造そり変形量解析806により計算し、L字型コーナー部位総そり変形量解析808を実施)、および分岐部位のそり変形量出力から、成形品全体における応力の釣り合い計算を実施し、成形品全体のそり変形量解析810を実施する。
第三の実施形態においては、ステップ801で算出した分岐部位における基盤部の肉厚622(シェル要素の場合は要素の肉厚データ)と分岐体の肉厚621(シェル要素の場合は要素の肉厚データ)、ステップ803で算出した流動履歴、基盤部の面内方向収縮率626と分岐体の面内方向収縮率624の算術平均、基盤部の肉厚方向収縮率625、分岐体の肉厚方向収縮率623の算術平均を代表値とした分岐部の面内方向収縮率の平均値(面内折れ曲がり方向成分)、肉厚方向収縮率の平均値、基盤部と分岐体のなす角度905を式(8)または式(9)に代入し、収縮後のコーナー部の角度の変化量Δα、または収縮後のコーナー部の角度βを算出する。基盤面は、分岐体を挟み、反対側にも存在するため、その反対側に存在する基盤面と分岐体との間でも、同様の処理を行う。また、分岐体が多数ある場合は、基盤部とそれぞれの分岐体との間で同様の処理を行う。
Figure 0005134259
Figure 0005134259
式(8)は変形前の基盤部と分岐体のなす角度から、変形後のなす角度の変化量を導く式、式(9)は変形前の基盤部と分岐体のなす角度から、変形後のなす角度を導く式であり、式(8)と式(9)は、ほぼ等価である。
ここで、流動履歴について詳細に説明する。流動履歴は、分岐部位のすべての部位において計算され、図3Bを例に挙げると、コーナー部と隣接する基盤部の要素308、分岐体の要素309で計算がされる。分岐部位と隣接する基盤部の要素308のうちの1要素に着目すると、周囲に基盤部の要素4つと分岐体の要素1つが存在する。充填過程の解析において、各々の要素を流入、流出する流量の総和を計算することができ、射出成形充填解析において、分岐部位における全体の流量に対して、それぞれの分岐体やその先の基盤部への流量や流入方向の履歴のことを流動履歴と呼ぶ。
なお、式(8)は収縮後のL字型形状のコーナー部の角度の変化量を求める式(2)に基盤部の肉厚、分岐体の肉厚、流動履歴のパラメータ(exp(A-B×(d1/d2))、(exp(F-H×(∫G(t)Vcdt/∫vmagdt))を補正項として加えたものであり、式(9)は収縮後のL字型形状のコーナー部の角度を求める式(3)に基盤部の肉厚、分岐体の肉厚、流動履歴のパラメータ(exp(A-B×(d1/d2))、(exp(F-H×(∫G(t)Vcdt/∫vmagdt))を補正項として加えたものである。すなわち、そり変形量は、基盤部と分岐体のなす角度と、基盤部の肉厚と分岐体の肉厚の比と、分岐部の流動履歴と、に基づいて分岐構造に起因するそり変形量をもとめるものである。
バイメタルそり変形量算出手段718は、上記第一の形態と同様にバイメタル効果に起因するそりの変形量を求める。
そして、分岐構造そり変形量算出手段720による分岐構造そり変形量解析807出力とバイメタルそり変形量算出手段718によるバイメタル変形量解析805出力から、再び応力の釣り合い計算を実施することによって分岐部位総そり変形量解析809を行い、2つの種類の原因によるそり変形を共に考慮した分岐部位のそり変形として出力する。
そり変形量算出手段715は、分岐部位と同様にして計算した平板部のそり変形量出力(バイメタルそり変形量解析805により計算)、L字コーナー部位のそり変形量出力(バイメタルそり変形量解析805に加えてL字型コーナー構造そり変形量解析806により計算し、L字型コーナー部位総そり変形量解析808を実施)、および分岐部位のそり変形量出力から、成形品全体における応力の釣り合い計算を実施し、成形品全体のそり変形量解析810を実施する。
ここで、上記分岐構造そり変形量算出手段720においても用いている、式(4)から式(9)の指数部について説明する。式(10)に示すような関数をシグモイド関数と呼び、F(X)=0とF(X)=1を漸近線とするS字曲線を描く。式(4)から式(9)は、シグモイド関数の変数Xに基盤部の肉厚、分岐体の肉厚、分岐部位から分岐体先端までの距離、流動履歴の関数を代入し、それらの影響を数式化したものである。なお、このシグモイド関数の代わりに、シグモイド関数と同様に、F(X)=0とF(X)=1を漸近線とする式(11)に示すようなHILL関数などを用いても構わない。HILL関数を用いる場合、変数Xに基盤部の肉厚、分岐体の肉厚、分岐部位から分岐体先端までの距離、流動履歴の関数を代入し、それらの影響を数式化する。なお、定数kを大きな値にする、または定数nを小さくすると、F(X)=0とF(X)=1への変化が緩やかになる。なお、HILL関数はF(X)=0付近での変化がF(X)=1付近での変化よりも急になるという特徴がある。これらの関数を用いることにより、基盤部の肉厚、分岐体の肉厚、分岐部位から分岐体先端までの距離、流動履歴が、コーナー部のそりに影響に影響を与える場合と与えない場合について、数値的に連続に表現することができる。上記のような2つの極限値を有する漸近線をなす特性を同様に有する関数は本発明においては数学的に等価なものと扱う。また、ディジタル計算機を用いることに起因して数値を離散的に扱うことに関する数学的な補正などが加わる場合も数学的に等価とする。
Figure 0005134259
以下、これらAからHまでの定数、変数の作成方法について、詳細に示す。これらの定数は、いずれも実験等により求めるパラメータである。
AからHまでの定数、変数の作成のため、実験、および解析による収縮後の角度の変化量について、比較評価を行い、解析によるコーナー部の倒れ角度を式(4)から式(9)を用いて、実測にあわせる。評価金型は、分岐部位を持つ形状であれば、T型、Y型、傘型、X字型、星型のいずれでも構わないが、評価を単純化させるため、図9Aに示すT字型形状がよい。図9Aは、本発明の評価金型で成形されるT字型形状の成形品形状の一例を表す斜視図であり、図9Bは本発明の評価金型で成形されるT字型形状の成形品の一例を示す断面図、および収縮前後の基盤部と分岐体の角度の算出方法を模式的に示した断面図である。
T字型形状の場合、分岐体とはリブ部分のことであり、分岐体肉厚はリブ肉厚、分岐部位から分岐体先端までの距離はリブの高さとなる。基盤部と分岐体のなす角度αは図9Bに示す基盤部とリブのなす角度905のことであり、収縮後の基盤部と分岐体のなす角度βは基盤部とリブのなす角度906のことである。基盤部と分岐体のなす角度の変化量は角度905と角度906の差である。リブの左右で基盤部とリブのなす角度の変化量が異なる場合は、平均値や最大値などの代表値を用いても構わないが、コーナーに対し、材料の流入側、流出側で角度の大小が異なる場合は、流入側角度、流出側角度として分類するとよい。
金型は入れ子構造にして、基盤部の肉厚、リブの肉厚、リブの高さを可変にし、基盤部の肉厚、リブの肉厚、リブの高さが分岐部位の倒れ角度に対する影響を評価する。
ゲート位置は充填方向がリブに対し直角になる位置907および平行になる位置908の2通り行うことが好ましい。形状条件については、基盤部の肉厚、リブの肉厚は、1mmから4mmの間に設定することが好ましい。リブの高さは3mmから8mmの間に設定することが好ましい。また、成形条件は好ましくはそれぞれ2通り設定することが好ましいが、影響が小さいと考えられる条件については割愛しても構わない。すべてのケースを掛け合わせると、非現実な数の実験を行うことになるため、実験計画法などを用いるとよい。
また式(8)、または式(9)を用いて解析する場合、基盤部から分岐体へ流入する材料の流量履歴を計算する。
評価金型の基盤部の肉厚、リブの肉厚、リブの高さの金型形状条件、流動履歴について、評価位置は任意としてよいが、肉厚方向に中心位置を代表点とするとよい。
図10Aは、本発明の評価金型について、リブの肉厚/基盤部の肉厚に対して収縮後の角度の変化量を、実測した場合した場合の結果の一例を示す図、図10Bは、本発明の評価金型について、リブの高さ/基盤部の肉厚に対して収縮後の角度の変化量を、実測した場合した場合の結果の一例を示す図、図10Cは、本発明の評価金型について、流動履歴に対して収縮後の角度の変化量を、実測した場合した場合の結果の一例を示す図である。実測結果、解析結果をそれぞれ、図10Aから図10Cのようにグラフ化し、解析における基盤部と分岐体のなす角度の変化量を実測における基盤部と分岐体のなす角度の変化量にあわせるようにAからHの定数、変数を決定する。例として、定数AからCを決定する方法について、図10Aを用い、説明する。実測、解析の基盤部の肉厚、リブの肉厚はそれぞれ薄肉から厚肉までできるだけ9ケース以上水準を設定する。具体的には、基盤部の肉厚、リブの肉厚をそれぞれ1mm、2mm、3mmとして、それぞれの3水準を組み合わせ、合計9水準などとする。実験結果、解析結果それぞれについて、横軸を(リブの肉厚/基盤部の肉厚)、縦軸を収縮後の倒れ角度としてグラフ化する。なお、解析結果は初期値として、どのような値にしておいても良いが、たとえば、A=1、B=1、C=1などとしておく。それぞれをグラフ化すると、実験結果と解析結果、いずれも、倒れ角度が急激に変化する変化する場合がある。その場合、解析結果の変曲点が実測結果の変曲点に近くなるように最小二乗法などを用いてA、B、Cを変化させる。
定数AからC以外の定数、変数を決定する場合も、定数AからCを決定する方法と同様にする。図10Bを用いて定数A、B、C、D、Eを決定する場合は、基盤部の肉厚、リブの高さについて9ケース以上の水準を設定し、グラフの横軸を(リブの高さ/基盤部の肉厚)、縦軸を収縮後の倒れ角度としてグラフ化し、解析の結果が実測に一致するように定数を変化させる。図10Cを用いて定数A、B、C、F、H、変数G(t)を決定する場合は、基盤部の肉厚、リブの肉厚、リブの高さについて、3ケース以上の水準に設定する。実験水準を最小化するためには、実験計画法を用いる。そして、実験結果、解析結果それぞれについて、横軸を分岐部位の流動履歴を示す式で求まる値、縦軸を収縮後の倒れ角度の変化量としてグラフ化する。横軸の値について、実測結果については、計測することは、困難であるため、解析から求められる値を用いる。
なお、実測した分岐部位の角度変化量は、分岐部位におけるバイメタル効果による変形量および分岐部位のそり変形量との和、ならびに分岐部位に続く平板部のバイメタル効果によるそり変形量の和(総そり変形量)である。そのため、解析と実測の比較により定数、変数を決定する際は、解析においても、分岐部位の角度変化量は、同様に総そり変形量を計算し、実測で測定した位置と同一の位置で角度の変化量を測定する。
[実施例1]
図9Aに示すT字型形状の成形品(幅50mm、奥行き50mm)を金型の入れ子を組み合わせることにより、基盤部の肉厚を1mm、2mm、3mm、リブの肉厚を1mm、2mm、3mm、リブの高さを1mm、3mm、5mmに設定し、合計27形状について、射出成形により成形した。成形品の材料にはポリアミド6樹脂(強化ガラス繊維30重量%含有)を用い、成形条件は樹脂温度260℃、金型温度80℃、樹脂充填時間を1秒、保圧圧力を50MPa、保圧時間を10秒、冷却時間を10秒とした。ゲート位置は流動がリブに対し直角になる位置907および平行になる位置908の2通りとした。
金型から取り出された成形品は、2日間乾燥状態で冷却し、図8Aに示すそり基準点902を3点固定し、精密三次元測定器(株式会社 ミツトヨ製 Bright−STRATO 776)により、リブの長手方向中央部の位置において、リブに対し直角となる断面909の収縮後の倒れ角度を測定した。また、解析結果についても、実測と同様、図9Aに示すそり基準点を3点固定し、収縮後の倒れ角度を計算した。
図11Aは、本発明の評価金型について、リブの肉厚/基盤部の肉厚に対して収縮後の角度の変化量を、実測した場合、および解析した場合の結果の示す図である。
式(4)について、コーナー部の倒れ角度を実測結果と解析結果を合わせるように、定数Aを17、Bを21、Cを0.8として、コーナー部について、式(4)のように面内方向収縮率と肉厚方向率収縮、基盤部の肉厚、リブの肉厚から、基盤部とリブ(分岐体)のなす角度905の変化量を計算し、横軸を(リブの肉厚/基盤部の肉厚)、縦軸を収縮後の倒れ角度(式(4)から求めた基盤部とリブ(分岐体)のなす角度の変化量バイメタル効果により発生する角度変化の和)として、実測結果と解析結果について、まとめると図11Aに示すとおりとなった。
[比較例1]
非特許文献5の方法に基づき、分岐部位について、式(2)のように面内方向の収縮と肉厚方向の収縮から、コーナー分岐部位を挟む2面の角度が収縮の前後で角度変化を発生させることにより、収縮後のコーナーにおける倒れ角度を計算し、解析結果を横軸リブの肉厚/基盤部の肉厚、縦軸収縮後の倒れ角度の変化量(式(2)から求めた基盤部とリブ(分岐体)のなす角度の変化量バイメタル効果により発生する角度変化の和)としてまとめると図11Aに示すとおりとなった。
[実施例2]
図11Bは、本発明の評価金型について、リブの高さ/基盤部の肉厚に対して収縮後の角度の変化量を、実測した場合、および解析した場合の結果を示す図である。
式(6)について、コーナー部の倒れ角度を実測結果と解析結果を合わせるように、定数Aを17、Bを21、Cを0.8、Dを18、Eを20して、コーナー部について、式(6)のように面内方向収縮率と肉厚方向率収縮、基盤部の肉厚、リブの高さから、基盤部とリブ(分岐体)のなす角度905の変化量を計算し、横軸を(リブの高さ/基盤部の肉厚)、縦軸を収縮後の倒れ角度(式(6)から求めた基盤部とリブ(分岐体)のなす角度の変化量バイメタル効果により発生する角度変化の和)として、実測結果と解析結果についてまとめると図11Bに示すとおりとなった。
[比較例2]
比較例1の解析結果について、横軸を(リブの肉厚/基盤部の肉厚)、縦軸を収縮後の倒れ角度の変化量としてまとめると図11Bに示すとおりとなった。
[実施例3]
図11Cは、本発明の評価金型について、流動履歴に対して収縮後の角度の変化量を、実測した場合、および解析した場合の結果を示す図である。
式(8)について、コーナー部の倒れ角度を実測結果と解析結果を合わせるように、定数Fを16、Hを20、Cを0.8、Gを1として、分岐部位について、式(8)のように面内方向収縮率と肉厚方向率収縮、分岐部位の流動履歴から、基盤部とリブ(分岐体)のなす角度905の変化量計算し、横軸をコーナー部の流動履歴を、縦軸を収縮後の倒れ角度(式(8)から求めた基盤部とリブ(分岐体)のなす角度の変化量バイメタル効果により発生する角度変化の和)として、実測結果と解析結果をまとめると図11Cに示すとおりとなった。
[比較例3]
比較例1の解析結果を、横軸を流動履歴、縦軸を収縮後の倒れ角度の変化量としてまとめると図11Cに示すとおりとなった。
[実施例4]
図12Aは、平板(幅100×100mm、肉厚4mm)に4本のリブ(幅2mm、長さ80mm、高さ2mm、リブとリブの間隔20mm)のある樹脂成形品の図である。ポリアミド6樹脂(強化ガラス繊維30重量%含有)を用い、成形条件は樹脂温度260℃、金型温度80℃、樹脂充填時間を1秒、保圧圧力を50MPa、保圧時間を10秒、冷却時間を10秒とした。ゲートは平板部の辺(リブに対して平行な辺)の中央部1201とした。
本条件で成形し、基準点(1202、1203、1204)で支え、収縮後の変形を実測したところ、図12Bのようにリブ側を凹にして、0.12mm陥没した変形となった。
一方、図12Aに示す形状をシェル要素によりモデル化し、図8に示すフロー図に従い、充填工程解析、保圧・冷却工程解析、配向解析、収縮率算出、肉厚算出を行い、実施例1で算出した係数を基に、式(4)について、定数Aを17、Bを21、Cを0.8として、分岐部位は式(4)に基づき、基盤部とリブ(分岐体)のなす角度の変化量を計算した。基準点(1202、1203、1204)で支え、収縮後の変形を解析したところ、図12Bのようにリブ側を凹にして、0.13mm陥没した変形となった。
[実施例5]
図12Aに示す形状をシェル要素によりモデル化し、図8に示すフロー図に従い、充填工程解析、保圧・冷却工程解析、配向解析、収縮率算出、肉厚、分岐体先端までの距離算出を行い、実施例2で算出した係数を基に、式(6)について、定数Aを17、Bを21、Cを0.8、Dを18、Eを20として、分岐部位は式(6)に基づき、基盤部とリブ(分岐体)のなす角度の変化量を計算した。基準点(1202、1203、1204)で支え、収縮後の変形を解析したところ、図12Bのようにリブ側を凹にして、0.12mm陥没した変形となった。
[実施例6]
図12Aに示す形状をシェル要素によりモデル化し、図8に示すフロー図に従い、充填工程解析、保圧・冷却工程解析、配向解析、収縮率算出、流動履歴算出を行い、実施例3で算出した係数を基に、式(8)について、定数Fを16、Hを20、Cを0.8、Gを1として、分岐部位は式(8)に基づき、基盤部とリブ(分岐体)のなす角度の変化量計算した。基準点(1202、1203、1204)で支え、収縮後の変形を解析したところ、図12Bのようにリブ側を凹にして、0.12mm陥没した変形となった。
[比較例4]
図12Aに示す形状をシェル要素によりモデル化し、非特許文献5に示すとおり、図2に示すフロー図に従い、充填工程解析、保圧・冷却工程解析、配向解析、収縮率算出を行い、式(2)、およびバイメタル効果に基づき、収縮後の分岐部位における倒れ角度を計算した。基準点(1202、1203、1204)で支え、収縮後の変形を解析したところ、図12Bのようにリブ側を凹にして、0.46mm陥没した変形となった。
[まとめ]
従来は、射出成形解析の解析によって、定性的なそりの評価ができれば問題ないとされていたが、近年は製品開発期間が短いため、実測との誤差が±20%程度に収めることができるような定量的な評価を実施し、金型の製作期間短縮することが望まれており、比較例4のように実測との誤差が200%以上生じるような解析では、解析の予測精度として不十分である。表1に示すように、誤差率について、実施例4では8.3%、実施例5、実施例6では0%、比較例4では283%となっており、実施例は比較例4に対して大幅にそり予測精度が向上している。
Figure 0005134259
本発明は、射出成形品の収縮率、そりを高精度に予測することができる解析方法、および装置として利用するに限らず、射出成形品の物性評価、射出成形金型内部での射出成形品挙動の評価などに応用することができるが、その応用範囲が、これらに限られるものではない。
樹脂製品の射出成形を実施するための射出成形機の一例を示す模式図である。 樹脂製品の射出成形工程のうち、樹脂充填工程の一例を示す模式図である。 樹脂製品の射出成形工程のうち、樹脂保圧工程の一例を示す模式図である。 樹脂製品の射出成形工程のうち、樹脂冷却工程の一例を示す模式図である。 樹脂製品の射出成形工程のうち、離型工程(型開き)の一例を示す模式図である。 従来の射出成形工程解析の構成の一例を示すフロー図である。 3次元のボリュームのある形状を2次元の平面(シェル要素)に置き換える方法の一例を示す斜視図である。 3次元のボリュームのある形状(ソリッド要素)、2次元の平面(シェル要素)に成形品材料を充填したときの充填解析結果の一例を示した斜視図である。 基盤部に対して小さな突起であるような形状の収縮挙動の一例について、3次元のボリュームのある形状(ソリッド要素)、2次元の平面(シェル要素)を用いて解析したときの結果の一例である。 L字型形状のコーナー部内側の金型面が高温である場合におけるコーナー部のそり変形挙動の一例の斜視図である。 L字型形状のコーナー部内側の金型面が高温である場合について、シェル要素を用いて解析した場合のそり変形挙動の一例を示す斜視図である。 肉厚方向収縮率が面内方向収縮率(面内折れ曲がり方向成分)よりも大きい場合について、ソリッド要素で解析したときのコーナー部のそり変形挙動の一例を示す斜視図である。 肉厚方向収縮率が面内方向収縮率(面内折れ曲がり方向成分)よりも大きい場合について、コーナー部のそり変形挙動を模式的に示す断面図である。 肉厚方向収縮率が面内方向収縮率(面内折れ曲がり方向成分)よりも大きい場合について、シェル要素で解析したときのコーナー部のそり変形挙動を示す斜視図である。 肉厚方向収縮率が面内方向収縮率(面内折れ曲がり方向成分)よりも大きい場合について、要素分割が不十分な場合と十分な場合それぞれの、コーナー部のそり変形挙動の一例を示す斜視図である。 断面がT字型の分岐部位を持つ成形品の一例を示す斜視図である。 シェル要素の節点、要素、計算点を示す模式図の一例である。 非特許文献5の収縮後の角度の算出法を示す図の一例であり、L字型形状のコーナー曲面の収縮前形状および収縮後の形状を示す断面図である。 非特許文献5の収縮後の角度の算出法を示す図の一例であり、L字型形状のコーナーのコーナー部の収縮前形状および収縮後の形状を示すL方形状を構成する2面のなす角度を等分割する面を境界に半分の形状の断面図である。 T字型形状の分岐部位を持つ成形品形状の一例をシェルモデルで示した図である。 Y字型形状の分岐部位を持つ成形品形状の一例をシェルモデルで示した図である。 傘型形状の分岐部位を持つ成形品形状の一例をシェルモデルで示した図である。 X字型形状の分岐部位を持つ成形品形状の一例をシェルモデルで示した図である。 星型形状の分岐部位を持つ成形品形状の一例をシェルモデルで示した図である。 分岐形状について、T字型形状を例にして、シェルモデルにおける肉厚方向収縮率、面内方向収縮率、基盤部と分岐体のなす角度、分岐部位から分岐体先端までの距離を模式的に示したものである。 分岐形状について、T字型形状を例にして、ソリッドモデルにおける肉厚方向収縮率、面内方向収縮率、基盤部と分岐体のなす角度、分岐部位から分岐体先端までの距離を模式的に示したものである。 分岐体先端が環状形状である形状の一例を示す斜視図である。 分岐体先端が分岐体である形状の一例を示す斜視図である。 本発明の実施形態の一例の構成を示すブロック図である。 本発明の実施形態の一例のフロー図である。 本発明の評価金型で成形されるT字型形状の成形品形状の一例を示す斜視図である。 本発明の評価金型で成形されるT字型形状の成形品の一例を示す断面図、および収縮前後の基盤部と分岐体の角度の算出方法を模式的に示した断面図である。 本発明の評価金型について、リブの肉厚/基盤部の肉厚に対して収縮後の角度の変化量を、実測した場合した場合の結果の一例を示す図である。 本発明の評価金型について、リブの高さ/基盤部の肉厚に対して収縮後の角度の変化量を、実測した場合した場合の結果の一例を示す図である。 本発明の評価金型について、流動履歴に対して収縮後の角度の変化量を、実測した場合した場合の結果の一例を示す図である。 本発明の評価金型について、リブの肉厚/基盤部の肉厚に対して収縮後の角度の変化量を、実測した場合、および解析した場合の結果の示す図である。 本発明の評価金型について、リブの高さ/基盤部の肉厚に対して収縮後の角度の変化量を、実測した場合、および解析した場合の結果を示す図である。 本発明の評価金型について、流動履歴に対して収縮後の角度の変化量を、実測した場合、および解析した場合の結果を示す図である。 本発明の実施例で用いるリブ付射出成形品形状を示す斜視図である。 本発明の実施例で用いるリブ付射出成形品形状をシェル要素で解析したときの変形前形状と変形後形状を示す斜視図である。
符号の説明
1:モータ
2:ホッパー
3:シリンダ
4:金型
5:キャビティ
6:成形品材料
7:固化成形品
301:T字型形状の成形品(ソリッド要素)
302:T字型形状の成形品基盤部
303:T字型形状の成形品リブ部
304:T字型形状の成形品(シェル要素)
305:T字型形状の成形品基盤部
306:T字型形状の成形品リブ部
307:ゲート
308:基盤部の分岐部位の要素
309:分岐体の分岐部位の要素
310:基盤部に対して小さな突起であるような形状
311:基盤部に対して小さな突起であるような形状の収縮後の形状
312:基盤部に対して小さな突起であるような形状のシェル要素
313:基盤部に対して小さな突起であるような形状のシェル要素の収縮後の形状
401:収縮前形状(L字型形状の3次元形状)
402:金型が高温な面
403:収縮後形状(L字型形状の3次元形状)
404:収縮前形状(L字型形状、シェル要素)
405:収縮後形状(L字型形状、シェル要素)
406:コーナー部位
407:肉厚方向方向収縮
408:面内方向収縮(面内折れ曲がり方向成分)
409:L字型形状を構成する2面のなす角度を等分割する面
410:L字型形状を構成する2面のなす角度を等分割する面で分割したコーナー部位の角度
413:面内方向収縮(コーナー部位の交線方向成分)
414:要素
415:計算点
501:収縮前のL型形状の成形品のコーナー部位
502:収縮後の型形状の成形品のコーナー部位
503:収縮前の基盤部
504:収縮後の基盤部
601:T字型
602:Y字型
603:傘型
604:X字型
605:星型
700:コンピュータ
701:キーボード
702:マウス
703:ディスプレイ
704:補助記憶装置
901:T字型形状の成形品
902:そり基準点
903:収縮前のT字型形状の成形品
904: 収縮後のT字型形状の成形品
905:T字型形状の成形品の平板部(基盤部)とリブ(分岐体)の収縮前のなす角度
906:T字型形状の成形品の平板部(基盤部)とリブ(分岐体)の収縮後のなす角度
907:ゲート(充填方向がリブに対し直角)
908:ゲート(充填方向がリブに対し平行)
1201:ゲート
1202:そり基準点
1203:そり基準点
1204:そり基準点
1205: 基盤部
1206:リブ(分岐体)
1207:平板中央部(陥没量測定位置)

Claims (4)

  1. プログラムされたコンピュータによって成形品のそり変形を解析するためのそり変形解析方法であって、前記成形品の分岐部位におけるそり変形を、
    (1)前記分岐部位における基盤部と分岐体とのなす角度、前記分岐部位における面内方向収縮率の肉厚方向平均値、および、前記分岐部位における肉厚方向収縮率の肉厚方向平均値、ならびに、前記分岐部位から分岐体先端までの距離、前記分岐部位における流動履歴、前記分岐部位における前記基盤部の肉厚と前記分岐部位における前記分岐体の肉厚との比、前記分岐部位における前記基盤部の肉厚と前記分岐部位から前記分岐体の先端までの距離との比のうち少なくとも1つ以上を用いる分岐構造パラメータに基づいて算出する分岐構造そり変形量を算出する分岐構造そり変形量算出工程と、
    (2)前記分岐部位における前記基盤部および前記分岐体の面内方向収縮率の面内方向および肉厚方向分布ならびに前記分岐部位における前記基盤部および前記分岐体の肉厚方向収縮率の面内方向および肉厚方向分布と、に基づいて算出するバイメタルそり変形量を算出するバイメタルそり変形量算出工程と、
    (3)前記分岐構造そり変形量算出工程およびバイメタルそり変形量算出工程の算出結果に基づいて総そり変形量を算出する分岐部位総そり変形量算出工程と、
    を含むことを特徴とするそり変形解析方法。
  2. 請求項1に記載のそり変形解析方法の各工程をコンピュータに実行させるためのプログラム。
  3. 請求項2に記載のプログラムを記録したコンピュータ読みとり可能な記録媒体。
  4. 成形品の射出成形工程を解析するための射出成形解析装置であって、
    前記成形品の分岐部位におけるそり変形を、
    (1)前記分岐部位における基盤部と分岐体とのなす角度、前記分岐部位における面内方向収縮率の肉厚方向平均値、および、前記分岐部位における肉厚方向収縮率の肉厚方向平均値、ならびに、前記分岐部位から分岐体先端までの距離、前記分岐部位における流動履歴、前記分岐部位における前記基盤部の肉厚と前記分岐部位における前記分岐体の肉厚との比、前記分岐部位における前記基盤部の肉厚と前記分岐部位から前記分岐体の先端までの距離との比のうち少なくとも1つ以上を用いる分岐構造パラメータに基づいて算出する分岐構造そり変形量算出手段と、
    (2)前記成形品の分岐部位におけるそり変形を、前記分岐部位における前記基盤部および前記分岐体の面内方向収縮率の面内方向および肉厚方向分布ならびに前記分岐部位における前記基盤部および前記分岐体の肉厚方向収縮率の面内方向および肉厚方向分布と、に基づいて算出するバイメタルそり変形量算出手段と、
    (3)前記成形品の分岐部位におけるそり変形を、前記分岐構造そり変形量算出手段の出力および前記バイメタルそり変形量算出手段の出力に基づいて算出する分岐部位総そり変形量算出手段と、
    を備えてなることを特徴とする射出成形解析装置。
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