JP2003290810A - 通電加熱装置及び通電加熱方法 - Google Patents

通電加熱装置及び通電加熱方法

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JP2003290810A
JP2003290810A JP2002095725A JP2002095725A JP2003290810A JP 2003290810 A JP2003290810 A JP 2003290810A JP 2002095725 A JP2002095725 A JP 2002095725A JP 2002095725 A JP2002095725 A JP 2002095725A JP 2003290810 A JP2003290810 A JP 2003290810A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】圧延材に通電するための電極の位置を圧延材の
温度分布に対応して、移動させることによって、簡素、
かつ、コンパクトな構成で、圧延装置に導入される圧延
材の温度分布を均一にすることができるようにする。 【解決手段】圧延材21の搬送方向に移動可能に配設さ
れた第1電極と、前記搬送方向に移動可能に配設された
第2電極と、前記第1電極及び第2電極の前記搬送方向
における上流側に配設された温度検出器13と、該温度
検出器13の出力に基づき、前記圧延材21における低
温部分と高温部分との境界が前記第1電極又は第2電極
に差し掛かった時に、該第1電極又は第2電極を前記搬
送方向に移動させて前記圧延材21を通電加熱する制御
装置14とを有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、通電加熱装置及び
通電加熱方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、軟鋼、合金鋼、ステンレス鋼、そ
の他の金属から成る棒材、管材、板材を圧延する場合、
あらかじめ加熱炉において所定の温度にまで加熱するよ
うになっている。例えば、スラブ、ビレット等の鋼片を
加熱する場合、プッシャー式加熱炉やウォーキングビー
ム式加熱炉が使用され、鋼片は、前記加熱炉において所
定の温度にまで加熱された後、圧延ロールによって圧延
され、所定の断面形状や断面寸法を有する棒材や板材に
加工される。
【0003】しかし、前記加熱炉においては、ガスの炎
や電気ヒータからの輻(ふく)射による間接加熱方式が
採用されている。そのため、前記鋼片を速やかに加熱す
ることができず、また、前記鋼片の温度分布を均一にす
ることが困難であった。特に、加熱炉内において鋼片を
スキッド上に載置して加熱する形式の加熱炉であるプッ
シャー式加熱炉やウォーキングビーム式加熱炉において
は、前記スキッドに接触する部分が冷却され温度が低下
するので、スキッドマークと呼ばれる低温部分が前記鋼
片に発生してしまう。
【0004】このように、何らかの原因で、鋼片の温度
分布が不均一になると、高温部分が低温部分と比較して
軟化する度合が大きいので、鋼片の硬さが不均一になっ
てしまう。そのため、圧延時の圧下率が不均一となり、
均一な断面形状や断面寸法を有する棒材や板材を得るこ
とができなくなってしまう。また、圧延装置の圧延ロー
ルが前記鋼片から受ける荷重も変動するので、前記圧延
装置が損傷してしまう。
【0005】そこで、圧延装置に導入される直前の鋼片
に電流を供給して通電加熱することによって、前記鋼片
を均一に加熱する通電加熱装置が提案されている(特開
平5−57319号公報、特開平5−57324号公
報、及び、特開平9−253729号公報参照)。この
場合、ローラから成る電極を鋼片の搬送方向における上
流側と下流側の二ケ所に配設して鋼片の表面に接触さ
せ、前記上流側及び下流側の電極間に対応する部分の鋼
片に電流を導通して、ジュール熱によって鋼片を加熱す
るようになっている。これにより、圧延装置に導入され
る直前の鋼片を均一に、かつ、速やかに加熱することが
できるので、圧下率が均一となり、均一な断面形状や断
面寸法を有する棒材や板材を得ることができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記従
来の通電加熱装置においては、鋼片に接触する電極の位
置が常に一定であり、また、鋼片において電流が通電さ
れる部分の長さが常に一定なので、通電加熱される前の
鋼片の温度分布が不均一である場合、十分に対応するこ
とができず、温度分布の不均一な状態を完全に解消する
ことができなかった。
【0007】もっとも、ローラから成る電極を搬送方向
に移動させることによって、鋼片の上流側及び下流側の
端部における温度変化を解消して、温度分布を均一化さ
せる通電加熱装置は既に提案されている(特開平9−7
1822号公報参照)。
【0008】しかし、該通電加熱装置は、鋼片の中間部
分における不均一な温度分布を解消することを考慮して
いない。例えば、前記スキッドマークと呼ばれる低温部
分は鋼片の中間部分に何ケ所も発生するものであり、ま
た、何らかの原因で鋼片の中間部分に温度変化が発生す
ることはしばしば見受けられる。しかし、前記通電加熱
装置は、このような鋼片の中間部分に発生した温度の不
均一な状態を解消するものではない。
【0009】本発明は、前記従来の通電加熱装置の問題
点を解決して、圧延材に通電するための電極の位置を圧
延材の温度分布に対応して、移動させることによって、
簡素、かつ、コンパクトな構成で、圧延装置に導入され
る圧延材の温度分布を均一にすることができる通電加熱
装置及び通電加熱方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】そのために、本発明の通
電加熱装置においては、圧延材の搬送方向に移動可能に
配設された第1電極と、前記搬送方向に移動可能に配設
された第2電極と、前記第1電極及び第2電極の前記搬
送方向における上流側に配設された温度検出器と、該温
度検出器の出力に基づき、前記圧延材における低温部分
と高温部分との境界が前記第1電極又は第2電極に差し
掛かった時に、該第1電極又は第2電極を前記搬送方向
に移動させて前記圧延材を通電加熱する制御装置とを有
する。
【0011】本発明の他の通電加熱装置においては、さ
らに、前記第1電極及び第2電極はロールである。
【0012】本発明の更に他の通電加熱装置において
は、さらに、前記第1電極及び第2電極はボールであ
り、前記圧延材の幅方向にも移動可能である。
【0013】本発明の更に他の通電加熱装置において
は、さらに、前記第1電極及び第2電極はそれぞれ前記
幅方向に複数個配設され、独立して移動可能である。
【0014】本発明の更に他の通電加熱装置において
は、さらに、前記制御装置は前記圧延材に通電する電流
を制御する。
【0015】本発明の通電加熱方法においては、圧延材
の搬送方向に移動可能に配設された第1電極及び第2電
極の前記搬送方向における上流側に配設された温度検出
器の出力に基づき、前記圧延材における低温部分と高温
部分との境界が前記第1電極又は第2電極に差し掛かっ
た時に、該第1電極又は第2電極を前記搬送方向に移動
させて前記圧延材を通電加熱する。
【0016】本発明の他の通電加熱方法においては、さ
らに、前記低温部分が前記搬送方向における上流側に存
在する場合、該低温部分の前記搬送方向における下流側
に隣接する高温部分との境界が前記第1電極に差し掛か
った時に、該第1電極を前記搬送方向に移動させて前記
第1電極と第2電極との距離を伸長させ、前記低温部分
が前記下流側に存在する場合、該低温部分の前記上流側
に隣接する高温部分との境界が前記第2電極に差し掛か
った時に、該第2電極を前記搬送方向に移動させて前記
第1電極と第2電極との距離を短縮させる。
【0017】本発明の更に他の通電加熱方法において
は、さらに、前記境界において温度がステップ状に変化
する場合、前記第1の電極又は第2の電極を前記圧延材
の移動速度に等しい速度で移動させる。
【0018】本発明の更に他の通電加熱方法において
は、さらに、前記低温部分と高温部分との間に温度がリ
ニアに変化する部分が存在する場合、前記第1電極又は
第2電極を前記圧延材の移動速度より低い速度で移動さ
せる。
【0019】本発明の更に他の通電加熱方法において
は、さらに、前記低温部分と高温部分との間に温度が段
階的に変化する部分が存在する場合、前記第1電極又は
第2電極を段階的に移動させる。
【0020】本発明の更に他の通電加熱方法において
は、さらに、前記低温部分の搬送方向に関する長さが短
い場合、前記低温部分の前記下流側に隣接する高温部分
との境界が前記第1電極に差し掛かった時に、該第1電
極を前記搬送方向に移動させるとともに、前記低温部分
の前記上流側に隣接する高温部分との境界が前記第2電
極に差し掛かった時に、該第2電極を前記搬送方向に移
動させて、前記第1電極と第2電極との距離を移動させ
る前後において等しくさせる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照しながら詳細に説明する。
【0022】図1は本発明の第1の実施の形態における
通電加熱装置の概念図である。
【0023】図において、22は圧延装置の圧延ロール
であり、上側ロール22a及び下側ロール22bを有す
る。一般的に、圧延装置は多数の圧延ロールを有する
が、ここでは、一組の圧延ロール22だけが示されてい
る。
【0024】また、21は圧延ロール22によって圧延
される圧延材であり、図において右方向に搬送され、回
転する上側ロール22a及び下側ロール22bによって
上下から、挟圧されることによって圧延される。この場
合、前記圧延材21は、軟鋼、合金鋼、ステンレス鋼、
チタン、チタン合金、その他の金属から成る棒材、管
材、板材等であるが、いかなる金属から成るものであっ
てもよいし、いかなる断面形状を有するものであっても
よく、また、長尺材でなく、スラブ、ビレット等であっ
てもよい。なお、本実施の形態においては、圧延材21
に直接電流を導通させて通電することによって発生する
ジュール熱により前記圧延材21自体を加熱するもので
あるため、前記圧延材21は電気抵抗の比較的大きな金
属から成るものであることが望ましい。
【0025】そして、圧延ロール22の圧延材21の搬
送方向における上流側(図における左側)には、第1電
極としての電極ロール11が配設され、該電極ロール1
1の前記上流側には、第2電極としての電極ロール12
が配設される。図において、前記電極ロール11は圧延
材21の上面に回転しながら接触し、前記電極ロール1
2は圧延材21の下面に回転しながら接触するようにな
っている。なお、前記電極ロール11は圧延材21の下
面に接触し、前記電極ロール12は圧延材21の上面に
接触するようにしてもよい。また、前記電極ロール11
及び電極ロール12は、矢印A及び矢印Bで示されるよ
うに、それぞれ独立して、圧延材21の搬送方向に移動
することができるようになっている。これにより、前記
電極ロール11と電極ロール12との距離を制御するこ
とができる。なお、前記電極ロール11及び電極ロール
12は、圧延ロール22に、できるだけ接近する位置に
配設されることが望ましい。
【0026】また、前記電極ロール12の上流側には、
圧延材21の温度を検出するために、放射温度計等から
成る温度検出器13が配設される。なお、該温度検出器
13は、いかなる種類のものであってもよいが、非接触
式のものであることが望ましい。また、該温度検出器1
3は、圧延材21の搬送方向に関して、電極ロール12
にできるだけ接近する位置に配設されることが望まし
い。
【0027】そして、前記温度検出器13の検出した温
度信号は、信号線16を介して制御装置14に送信され
る。ここで、該制御装置14は、CPU、MPU等の演
算手段、半導体メモリ、磁気ディスク等の記憶手段、キ
ーボード等の入力手段、CRT、液晶ディスプレイ等の
表示手段、通信インターフェイス等を備えるコンピュー
タである。そして、前記制御装置14は、あらかじめ入
力され記憶手段に格納されたプログラムにしたがって動
作し、前記温度検出器13の検出した温度に基づいて、
前記電極ロール11及び電極ロール12の位置、並び
に、前記電極ロール11及び電極ロール12を介して圧
延材21に通電する電流を制御する。
【0028】また、15は電源装置であり、信号線17
を介して受信した前記制御装置14の指令に基づいて、
電力線18及び電力線19を介して、前記電極ロール1
1及び電極ロール12に電流を供給する。なお、該電流
は、直流電流であっても、交流電流であってもよい。
【0029】次に、前記通電加熱装置の構成について説
明する。
【0030】図2は本発明の第1の実施の形態における
通電加熱装置の構成を示す斜視図、図3は本発明の第1
の実施の形態における電極ロール支持装置の構成を示す
斜視図である。
【0031】図2に示されるように、圧延ロール22の
搬送方向における上流側において圧延材21の下方に、
電極ロール12を支持するための電極ロール支持装置3
0が配設されている。ここで、該電極ロール支持装置3
0のベースユニット31は、図示されない支持部材に取
り付けられ、前記ベースユニット31の上面には、可動
ユニット32が、圧延材21の搬送方向に移動可能に取
り付けられている。また、前記可動ユニット32におけ
る圧延材21の幅方向に関して両側の端面には、支持ロ
ッド33の一端が固定されている。そして、該支持ロッ
ド33の他端には、電極ロール12の図示されない中心
軸の端部が回転可能に取り付けられている。これによ
り、前記電極ロール12は、圧延材21の下面に回転し
ながら接触しつつ、該圧延材21の搬送方向に移動する
ことができる。
【0032】また、圧延材21の上方にも、電極ロール
11を支持するための電極ロール支持装置30が配設さ
れている。該電極ロール支持装置30は、前記電極ロー
ル12を支持するための電極ロール支持装置30と同様
の構成を有するので、その説明を省略する。なお、前記
電極ロール11を支持するための電極ロール支持装置3
0と電極ロール12を支持するための電極ロール支持装
置30とは、圧延材21の搬送方向に関してほぼ同じ位
置に互いに対向するように配設されている。
【0033】図3には、電極ロール12を支持するため
の電極ロール支持装置30が示されている。この場合、
図3において、電極ロール12は省略されている。ここ
で、ベースユニット31は、可動ユニット32がスライ
ドして移動するスライド部31a、及び、該スライド部
31aの図における左右両端に上方に突出するように形
成されたストッパ部31bを備える。そして、前記スラ
イド部31aには図における左右方向に延在する図示さ
れないガイド部材が取り付けられ、一方、前記可動ユニ
ット32は、前記ガイド部材にスライド可能に係合する
図示されないガイド係合部を備える。
【0034】なお、前記可動ユニット32をスライドさ
せるための駆動装置は、いかなる種類のものであっても
よい。例えば、両方のストッパ部31bの内部にモータ
によって回転させられるギア又はプーリを配設し、該ギ
ア又はプーリに架け回されたチェーン又はベルトに前記
可動ユニット32を取り付け、前記ギア又はプーリを回
転させることによって、前記可動ユニット32をスライ
ドさせるようにすることもできる。また、該可動ユニッ
ト32にモータによって回転させられる車輪を配設し、
該車輪を回転させることによって、前記可動ユニット3
2をスライドさせるようにすることもできる。さらに、
前記ガイド部材をリニアモータのステータとし、前記ガ
イド係合部をリニアモータのロータとすることもでき
る。
【0035】なお、前記可動ユニット32をスライドさ
せるための駆動装置の動作は、前記制御装置14によっ
て制御されるようになっている。そして、前記電極ロー
ル11及び電極ロール12は、前記制御装置14の指令
によって、それぞれ独立して移動させられ、圧延材21
の搬送方向に関する位置が制御される。
【0036】次に、前記通電加熱装置の動作について説
明する。
【0037】まず、圧延材21が図示されない搬送ロー
ル等の搬送装置によって搬送され、電極ロール12の搬
送方向における上流側の近傍に到達すると、温度検出器
13が前記圧延材21の温度を検出する。そして、前記
温度検出器13が検出した前記圧延材21の温度は、信
号線16を介して制御装置14に送信される。すると、
該制御装置14は、前記圧延材21の温度に基づいて、
電極ロール11及び電極ロール12の位置、並びに、前
記電極ロール11及び電極ロール12を介して圧延材2
1に通電する電流を制御する。
【0038】なお、本実施の形態においては、圧延材2
1の温度が搬送方向に関して垂直な方向である幅方向及
び厚さ方向に関して一様であり、搬送方向に関してのみ
変動していると仮定できる場合について説明する。ま
ず、通電加熱装置による制御の基本的な考え方を説明す
る。
【0039】ここで、通電加熱によって金属材料の温度
が上昇する状態を示す昇温曲線、すなわち、金属材料の
温度と通電時間との関係を示す曲線は、一次関数で近似
することができる。そして、金属材料の温度の時間変化
率である昇温速度は、次の式(1)で与えられる。
【0040】
【数1】
【0041】なお、dTは金属材料の温度上昇量、Iは
金属材料に通電する電流値、cは金属材料の比熱、dは
金属材料の密度、ρは金属材料の電気抵抗率、Sは金属
材料の断面積、dtは金属材料に通電する通電時間、a
は定数である。
【0042】また、本実施の形態における圧延材21の
ように通電用の電極の間を移動する金属材料において、
通電時間dtは、次の式(2)で与えられる。 dt=dL/v・・・(2) なお、dLは電極間の距離、vは金属材料の移動速度で
ある。
【0043】このことから、通電用の電極としての電極
ロール11と電極ロール12との間を移動する圧延材2
1の通電時間は、前記電極ロール11と電極ロール12
との間の距離を変化させることによって、変化すること
が分かる。そのため、本実施の形態において、制御装置
14は、前記圧延材21の各部の温度を所定の値とする
ために、前記電極ロール11及び電極ロール12の位置
を調整して、圧延材21の温度上昇量を制御する。な
お、前記電流値Iは一定でも良いし、適切に変化させて
もよい。
【0044】なお、本実施の形態においては、基本的に
200〔℃〕である圧延材21の温度を通電加熱によっ
て800〔℃〕にまで加熱する場合を想定し、前記電極
ロール11及び電極ロール12の間隔は、圧延材21の
温度を600〔℃〕だけ上昇させるのに対応した距離に
あらかじめ設定されているものとする。
【0045】まず、圧延材21の温度分布が、搬送方向
に関して前方部分の温度が何らかの原因で200〔℃〕
よりも低くなっている場合の制御方法について説明す
る。
【0046】図4は本発明の第1の実施の形態における
圧延材の温度分布の第1の例を示す図、図5は本発明の
第1の実施の形態における圧延材の温度分布の第1の例
に対応する電極ロールの位置の変化を示す図である。
【0047】ここで、圧延材21の縦断面の温度分布
は、図4に示されるように、矢印Cで示される搬送方向
に関して下流側に存在する前方部分21aにおいては均
一に100〔℃〕であり、該前方部分21aと搬送方向
に関して上流側に存在する後方部分21bとの境界にお
いてステップ状に上昇し、該後方部分21bにおいては
均一に200〔℃〕となっているものとする。すなわ
ち、前方部分21aが低温部分であり、後方部分21b
が高温部分である。
【0048】この場合、圧延材21を通電加熱して、前
方部分21a及び後方部分21bの温度が等しく、か
つ、所定の温度となるようにするためには、後方部分2
1bの通電時間を前方部分21aの通電時間より短くす
る必要がある。そのため、制御装置14は、前方部分2
1aと後方部分21bとの境界が第2電極としての電極
ロール12に差し掛かった時点から、該電極ロール12
を圧延材21の移動速度に等しい速度で矢印Cで示され
る搬送方向に移動させるように制御する。これにより、
電極ロール12は前記境界に位置した状態を維持しつ
つ、圧延材21とともに矢印Cで示される搬送方向に移
動する。なお、電極ロール12を移動させる移動距離L
2 は、L2 =100×v/aである。すなわち、前記式
(1)及び(2)から、 dT=100=a×dt =a×dL/v となるからである。
【0049】この結果、第1電極としての電極ロール1
1及び第2電極としての電極ロール12の位置は、図5
に示されるように変化する。なお、図5において、(1
1)は電極ロール11の位置を示し、(12)は電極ロ
ール12の位置を示している。また、L−1は前方部分
21aを100〔℃〕から800〔℃〕にまで上昇させ
るのに対応した電極ロール11及び電極ロール12の間
隔であり、L−2は後方部分21bを200〔℃〕から
800〔℃〕にまで上昇させるのに対応した電極ロール
11及び電極ロール12の間隔である。この場合、電極
ロール12は前方部分21aと後方部分21bとの境界
とともに移動し、電極ロール11及び電極ロール12の
間隔がL−2になった時点で停止することが分かる。こ
れにより、電極ロール11と電極ロール12との距離が
短縮される。
【0050】次に、圧延材21の温度分布が、搬送方向
に関して後方部分21bの温度が何らかの原因で200
〔℃〕よりも低くなっている場合の制御方法について説
明する。
【0051】図6は本発明の第1の実施の形態における
圧延材の温度分布の第2の例を示す図、図7は本発明の
第1の実施の形態における圧延材の温度分布の第2の例
に対応する電極ロールの位置の変化を示す図である。
【0052】ここで、圧延材21の縦断面の温度分布
は、図6に示されるように、矢印Cで示される搬送方向
に関して前方部分21aにおいては均一に200〔℃〕
であり、前方部分21aと後方部分21bとの境界にお
いてステップ状に下降し、後方部分21bにおいては均
一に100〔℃〕となっているものとする。すなわち、
前方部分21aが高温部分であり、後方部分21bが低
温部分である。
【0053】この場合、圧延材21を通電加熱して、前
方部分21a及び後方部分21bの温度が等しく、か
つ、所定の温度となるようにするためには、後方部分2
1bの通電時間を前方部分21aの通電時間より長くす
る必要がある。そのため、制御装置14は、前方部分2
1aと後方部分21bとの境界が第1電極としての電極
ロール11に差し掛かった時点から、該電極ロール11
を圧延材21の移動速度に等しい速度で矢印Cで示され
る搬送方向に移動させるように制御する。これにより、
電極ロール11は前記境界に位置した状態を維持しつ
つ、圧延材21とともに矢印Cで示される搬送方向に移
動する。なお、電極ロール11を移動させる移動距離L
1 は、L1 =100×v/aである。すなわち、前記式
(1)及び(2)から、 dT=100=a×dt =a×dL/v となるからである。
【0054】この結果、第1電極としての電極ロール1
1及び第2電極としての電極ロール12の位置は、図7
に示されるように変化する。なお、図7において、(1
1)は電極ロール11の位置を示し、(12)は電極ロ
ール12の位置を示している。また、L−1は前方部分
21aを200〔℃〕から800〔℃〕にまで上昇させ
るのに対応した電極ロール11及び電極ロール12の間
隔であり、L−2は後方部分21bを100〔℃〕から
800〔℃〕にまで上昇させるのに対応した電極ロール
11及び電極ロール12の間隔である。この場合、電極
ロール11は前方部分21aと後方部分21bとの境界
とともに移動し、電極ロール11及び電極ロール12の
間隔がL−2になった時点で停止することが分かる。こ
れにより、電極ロール11と電極ロール12との距離が
伸長される。
【0055】ところで、前方部分21aと後方部分21
bとの境界の部分をミクロ(微視的)にみると、温度が
ステップ状に変化しておらず、狭い範囲であるが搬送方
向に関して所定の長さを有する境界部分において、温度
がほぼリニア(直線的)に変化していると考えることが
できる。そこで、圧延材21の温度分布が、搬送方向に
関して前方部分21aと後方部分21bとの間の境界部
分において温度が200〔℃〕から100〔℃〕にリニ
アに低下している場合の制御方法について説明する。
【0056】図8は本発明の第1の実施の形態における
圧延材の温度分布の第3の例を示す図、図9は本発明の
第1の実施の形態における圧延材の温度分布の第3の例
に対応する電極ロールの位置の変化を示す図である。
【0057】ここで、圧延材21の縦断面の温度分布
は、図8に示されるように、矢印Cで示される搬送方向
に関して前方部分21aにおいては均一に200〔℃〕
であり、前方部分21aと後方部分21bと間の境界部
分21cにおいて200〔℃〕から100〔℃〕にリニ
アに低下し、後方部分21bにおいては均一に100
〔℃〕となっているものとする。
【0058】この場合、圧延材21を通電加熱して、前
方部分21a及び後方部分21bの温度が等しく、か
つ、所定の温度となるようにするためには、後方部分2
1bの通電時間を前方部分21aの通電時間より長くす
る必要がある。また、境界部分21cにおいては、温度
の変化に対応させて通電時間を徐々に長くさせる必要が
ある。そのため、制御装置14は、前方部分21aと境
界部分21cとの境界が第1電極としての電極ロール1
1に差し掛かった時点から、該電極ロール11を圧延材
21の移動速度によりも低い速度で矢印Cで示される搬
送方向に移動させるように制御する。なお、搬送方向に
関する前記境界部分21cの長さが長い程、前記電極ロ
ール11の移動速度を低くする必要がある。
【0059】この結果、第1電極としての電極ロール1
1及び第2電極としての電極ロール12の位置は、図9
に示されるように変化する。なお、図9において、(1
1)は電極ロール11の位置を示し、(12)は電極ロ
ール12の位置を示している。また、L−1は前方部分
21aを200〔℃〕から800〔℃〕にまで上昇させ
るのに対応した電極ロール11及び電極ロール12の間
隔であり、L−2は後方部分21bを100〔℃〕から
800〔℃〕にまで上昇させるのに対応した電極ロール
11及び電極ロール12の間隔である。この場合、電極
ロール11は、前方部分21aと境界部分21cとの境
界が前記電極ロール11差し掛かった時点から移動を開
始し、図7に示される場合よりも低い速度で移動し、電
極ロール11及び電極ロール12の間隔L−2になった
時点で停止することが分かる。
【0060】なお、前記境界部分21cにおいて、温度
が段階的に変化していると近似することもできる。そこ
で、圧延材21の温度分布が、搬送方向に関して前方部
分21aと後方部分21bとの間の境界部分21cにお
いて温度が200〔℃〕から100〔℃〕に段階的に低
下している場合の制御方法について説明する。
【0061】図10は本発明の第1の実施の形態におけ
る圧延材の温度分布の第4の例を示す図、図11は本発
明の第1の実施の形態における圧延材の温度分布の第4
の例に対応する電極ロールの位置の変化を示す図であ
る。
【0062】ここで、圧延材21の縦断面の温度分布
は、図10に示されるように、矢印Cで示される搬送方
向に関して前方部分21aにおいては均一に200
〔℃〕であり、前方部分21aと後方部分21bと間の
境界部分21cにおいて200〔℃〕から100〔℃〕
にまで三段階に低下し、後方部分21bにおいては均一
に100〔℃〕となっているものとする。すなわち、境
界部分21cは、搬送方向に関して前方から順に21c
−1、21c−2及び21c−3の三つの境界部分に分
かれ、境界部分21c−1は175〔℃〕、境界部分2
1c−2は150〔℃〕、境界部分21c−3は125
〔℃〕となっているものとする。
【0063】この場合、圧延材21を通電加熱して、前
方部分21a及び後方部分21bの温度が等しく、か
つ、所定の温度となるようにするためには、後方部分2
1bの通電時間を前方部分21aの通電時間より長くす
る必要がある。また、境界部分21cにおいては、温度
の段階的な変化に対応させて通電時間を段階的に長くさ
せる必要がある。
【0064】そのため、制御装置14は、前方部分21
aと境界部分21c−1との境界が第1電極としての電
極ロール11に差し掛かった時点から、該電極ロール1
1を圧延材21の移動速度にほぼ等しい速度で矢印Cで
示される搬送方向にわずかに移動させた後停止させる。
続いて、境界部分21c−1と境界部分21c−2との
境界が電極ロール11に差し掛かった時点から、該電極
ロール11を圧延材21の移動速度にほぼ等しい速度で
矢印Cで示される搬送方向にわずかに移動させた後停止
させる。続いて、境界部分21c−2と境界部分21c
−3との境界が電極ロール11に差し掛かった時点か
ら、該電極ロール11を圧延材21の移動速度にほぼ等
しい速度で矢印Cで示される搬送方向にわずかに移動さ
せた後停止させる。最後に、境界部分21c−3と後方
部分21bとの境界が電極ロール11に差し掛かった時
点から、電極ロール11を圧延材21の移動速度にほぼ
等しい速度で矢印Cで示される搬送方向にわずかに移動
させた後停止させる。
【0065】この結果、第1電極としての電極ロール1
1及び第2電極としての電極ロール12の位置は、図1
1に示されるように変化する。なお、図11において、
(11)は電極ロール11の位置を示し、(12)は電
極ロール12の位置を示している。また、L−1は前方
部分21aを200〔℃〕から800〔℃〕にまで上昇
させるのに対応した電極ロール11及び電極ロール12
の間隔であり、L−2は前方部分21bを100〔℃〕
から800〔℃〕にまで上昇させるのに対応した電極ロ
ール11及び電極ロール12の間隔である。この場合、
電極ロール11は、前方部分21aと境界部分21cと
の境界が前記電極ロール11差し掛かった時点から移動
を開始し、段階的に移動と停止を繰り返し、電極ロール
11及び電極ロール12の間隔L−2になった時点で停
止することが分かる。
【0066】次に、「従来の技術」において説明したス
キッドマークのように、圧延材21の搬送方向に関して
短い長さを有する狭い部分だけが、前後の部分に比較し
て低温になっている場合の制御方法について説明する。
【0067】図12は本発明の第1の実施の形態におけ
る圧延材の温度分布の第5の例を示す図、図13は本発
明の第1の実施の形態における圧延材の温度分布の第5
の例に対応する電極ロールの位置の変化を示す図であ
る。
【0068】ここで、圧延材21の縦断面の温度分布
は、図12に示されるように、矢印Cで示される搬送方
向に関して前方部分21a及び後方部分21bにおいて
は均一に800〔℃〕であり、前方部分21aと後方部
分21bとの境界部分21cにおいては均一に200
〔℃〕となっているものとする。すなわち、該境界部分
21cは、スポット的(局所的)に発生した低温部分で
ある。この場合、前記前方部分21a及び後方部分21
bは当初から800〔℃〕であるので、これ以上加熱す
る必要がなく、境界部分21cだけを加熱して800
〔℃〕にまで上昇させるものとする。
【0069】この場合、境界部分21cだけを通電加熱
して、前方部分21a及び後方部分21bの温度と等し
くなるようにするためには、圧延材21の温度を600
〔℃〕だけ上昇させるのに対応した時間だけ前記境界部
分21cに通電する必要がある。また、前方部分21a
及び後方部分21bには通電しないようにする。
【0070】そのため、制御装置14は、第1電極とし
ての電極ロール11と第2電極としての電極ロール12
とを圧延材21の搬送方向に関して、ほぼ等しい位置に
なるようにあらかじめ移動させておく。なお、前記電極
ロール11の位置と電極ロール12の位置とがほぼ等し
い時は、通電をしないようにすることが望ましい。
【0071】そして、前方部分21aと境界部分21c
との境界が電極ロール11に差し掛かった時点から通電
を開始するとともに、該電極ロール11を圧延材21の
移動速度と等しい速度で矢印Cで示される搬送方向に移
動させる。続いて、境界部分21cと後方部分21bと
の境界が電極ロール12に差し掛かった時点から該電極
ロール12を圧延材21の移動速度と等しい速度で矢印
Cで示される搬送方向に移動させる。
【0072】この結果、第1電極としての電極ロール1
1及び第2電極としての電極ロール12の位置は、図1
3に示されるように変化する。なお、図13において、
(11)は電極ロール11の位置を示し、(12)は電
極ロール12の位置を示している。また、L−1は電極
ロール11及び電極ロール12の移動した距離であり、
圧延材21を200〔℃〕から800〔℃〕にまで上昇
させるのに対応した必要な電極ロール11及び電極ロー
ル12の間隔に等しい。この場合、搬送方向に関して境
界部分21cの長さが短いので、電極ロール11及び電
極ロール12が同時に移動する期間があることが分か
る。そして、搬送方向に関して前記電極ロール11の位
置と電極ロール12の位置とが等しくなった時には、通
電を停止することが望ましい。すなわち、電極ロール1
1と電極ロール12との距離は移動させる前後において
等しい。
【0073】なお、スキッドマークのように、低温とな
っている部分も含めて、圧延材21全体を加熱する場合
もある。そこで、低温となっている部分も含めて、圧延
材21全体を900〔℃〕にまで加熱させる場合の制御
方法について説明する。
【0074】図14は本発明の第1の実施の形態におけ
る圧延材の温度分布の第6の例を示す図、図15は本発
明の第1の実施の形態における圧延材の温度分布の第6
の例に対応する電極ロールの位置の変化を示す図であ
る。
【0075】ここで、圧延材21の縦断面の温度分布
は、図14に示されるように、矢印Cで示される搬送方
向に関して前方部分21a及び後方部分21bにおいて
は均一に800〔℃〕であり、前方部分21aと後方部
分21bとの境界部分21cにおいては均一に200
〔℃〕となっているものとする。すなわち、前記境界部
分21cは、スポット的に発生した低温部分である。そ
して、前方部分21a、後方部分21b及び境界部分2
1cを加熱して900〔℃〕にまで上昇させるものとす
る。
【0076】この場合、圧延材21を通電加熱して、前
方部分21a及び後方部分21bの温度と境界部分21
cの温度とが等しく、かつ、所定の温度となるようにす
るためには、境界部分21cの通電時間を前方部分21
a及び後方部分21bの通電時間より長くする必要があ
る。そのため、前方部分21aと境界部分21cとの境
界が電極ロール11に差し掛かった時点から、該電極ロ
ール11を圧延材21の移動速度と等しい速度で矢印C
で示される搬送方向に移動させる。続いて、境界部分2
1cと後方部分21bとの境界が電極ロール12に差し
掛かった時点から該電極ロール12を圧延材21の移動
速度と等しい速度で矢印Cで示される搬送方向に移動さ
せる。
【0077】この結果、第1電極としての電極ロール1
1及び第2電極としての電極ロール12の位置は、図1
5に示されるように変化する。なお、図15において、
(11)は電極ロール11の位置を示し、(12)は電
極ロール12の位置を示している。そして、L−1は前
方部分21a及び後方部分21bを800〔℃〕から9
00〔℃〕にまで上昇させるのに対応した電極ロール1
1及び電極ロール12の間隔である。また、L−2は電
極ロール11及び電極ロール12の移動した距離であ
り、圧延材21を200〔℃〕から800〔℃〕にまで
上昇させるのに対応した必要な電極ロール11及び電極
ロール12の間隔に等しい。この場合、搬送方向に関し
て境界部分21cの長さが短いので、電極ロール11及
び電極ロール12が同時に移動する期間があることが分
かる。また、電極ロール11と電極ロール12との距離
は移動させる前後において等しい。
【0078】ところで、前記電極ロール11及び電極ロ
ール12を圧延材21の搬送方向に無制限に移動させる
と、前記電極ロール11及び電極ロール12が圧延ロー
ル22に衝突してしまう。そこで、前記電極ロール11
及び電極ロール12の移動量を制限するとともに、搬送
方向に移動させた電極ロール11及び電極ロール12を
搬送方向と逆方向に移動させて、初期の位置に復帰させ
る必要がある。
【0079】そのため、制御装置14は、圧延材21の
温度分布が搬送方向に関して広い範囲に渡って均一であ
る場合に、搬送方向に移動させた電極ロール11及び電
極ロール12を搬送方向と逆方向に移動させるように制
御する。なお、圧延材21の温度分布が搬送方向に関し
て広い範囲に渡って均一でない場合に電極ロール11及
び電極ロール12を搬送方向と逆方向に移動させること
は、制御が複雑になるので、避けることが望ましい。
【0080】この場合、制御装置14は、電極ロール1
1と電極ロール12との間隔を変更しないようにして、
電極ロール11及び電極ロール12を搬送方向と逆方向
に移動させるように制御する。ここで、電極ロール11
及び電極ロール12が搬送方向と逆方向に移動するの
で、圧延材21と電極ロール11及び電極ロール12と
の相対的な移動速度は上昇する。すなわち、速度vの値
が大きくなる。そして、通電時間はdtは、前記式
(2)で示されるように、速度vに反比例するので、圧
延材21への通電時間dtが短くなってしまう。そのた
め、前記式(1)から分かるように、圧延材21の温度
上昇量dTの値が小さくなってしまい、所定の温度にま
で加熱することができなくなる。
【0081】そこで、制御装置14は、電極ロール11
及び電極ロール12を搬送方向と逆方向に移動させる
時、圧延材21に通電する電流値Iを大きくするように
制御する。ここで、圧延材21の温度上昇量dTを、電
極ロール11及び電極ロール12が搬送方向と逆方向に
移動する場合と移動しない場合とで等しくすると、前記
式(1)から、次の式(3)で与えられる関係が得られ
る。
【0082】
【数2】
【0083】なお、I’は、電極ロール11及び電極ロ
ール12を搬送方向と逆方向に移動させる時の電流値、
v’は、電極ロール11及び電極ロール12を搬送方向
と逆方向に移動させる時の圧延材21と電極ロール11
及び電極ロール12との相対的な移動速度である。
【0084】そして、前記式(3)から、電極ロール1
1及び電極ロール12を搬送方向と逆方向に移動させる
時の電流値I’は、次の式(4)によって決定すること
ができる。
【0085】
【数3】
【0086】このように、本実施の形態においては、圧
延装置の圧延ロール22の搬送方向における上流側に配
設された第1の電極ロールとしての電極ロール11又は
第2の電極ロールとしての電極ロール12の位置を、圧
延材21の温度分布に対応して移動させて、圧延材21
に通電するようになっている。この場合、温度の相違す
る部分の境界が電極ロール11又は電極ロール12に差
し掛かった時点で、前記電極ロール11又は電極ロール
12は移動を開始し、前記境界の移動に対応して移動す
る。
【0087】そのため、圧延材21の中間部分におい
て、温度分布が搬送方向に関して不均一であっても、適
切に通電加熱して、温度分布を均一にすることができ
る。例えば、何らかの原因で圧延材21の一部の温度が
低下している場合や、スキッドマークと呼ばれる低温部
分が発生し、圧延材21の搬送方向に関して極めて短い
距離で温度がパルス状に変化している場合であっても、
圧延材21の温度分布を均一にすることができる。
【0088】したがって、圧延装置に導入される直前の
圧延材を均一な温度に加熱することができるので、圧下
率が均一となり、均一な断面形状や断面寸法を有する棒
材や板材を得ることができる。
【0089】また、電極ロール11と電極ロール12と
の間に対応する部分の圧延材21に電流を導通して、ジ
ュール熱によって圧延材21を加熱するので、熱効率が
高く、少ない消費エネルギーで速やかに加熱することが
できる。
【0090】さらに、電極ロール11が圧延材21の上
面に接触し、電極ロール12が圧延材21の下面に接触
しているので、搬送方向に関して電極ロール11と電極
ロール12とを同じ位置にすることもできるので、電極
ロール11及び電極ロール12を移動させることのでき
る範囲が広くなり、温度制御が容易になる。
【0091】次に、本発明の第2の実施の形態について
説明する。なお、前記第1の実施の形態と同じ構成及び
同じ動作については、その説明を省略する。
【0092】図16は本発明の第2の実施の形態におけ
る通電加熱装置の概念図、図17は本発明の第2の実施
の形態における通電加熱装置の構成を示す斜視図であ
る。
【0093】本実施の形態においては、図16に示され
るように、第1電極としての電極ロール11は圧延材2
1の下面に回転しながら接触する電極ロール11a及び
圧延材21の上面に回転しながら接触する電極ロール1
1bから成り、第2電極としての電極ロール12は圧延
材21の下面に回転しながら接触する電極ロール12a
及び圧延材21の上面に回転しながら接触する電極ロー
ル12bから成る。そして、電源装置15は、電力線1
8及び電力線19を介して、前記電極ロール11aと電
極ロール11b及び電極ロール12aと電極ロール12
bに電流を供給するようになっている。
【0094】また、図17に示されるように、圧延ロー
ル22の搬送方向における上流側において圧延材21の
下方に、電極ロール11a及び電極ロール11bを支持
するための電極ロール支持装置30が配設され、さらに
搬送方向における上流側において、圧延材21の下方
に、電極ロール12a及び電極ロール12bを支持する
ための電極ロール支持装置30が配設されている。本実
施の形態においては、可動ユニット32に一端が固定さ
れた支持ロッド33’には、二本の電極ロール、すなわ
ち、電極ロール11aと電極ロール11b及び電極ロー
ル12aと電極ロール12bの図示されない中心軸の端
部が、それぞれ回転可能に取り付けられている。
【0095】なお、他の点における構成及び動作につい
ては、前記第1の実施の形態と同様であるので、その説
明を省略する。
【0096】このように、本実施の形態においては、圧
延装置の圧延ロール22の搬送方向における上流側に配
設された電極ロール11及び電極ロール12の位置を、
圧延材21の温度分布に対応して移動させて、圧延材2
1に通電するようになっている。そして、電極ロール1
1は圧延材21の下面に回転しながら接触する電極ロー
ル11a及び圧延材21の上面に回転しながら接触する
電極ロール11bから成り、電極ロール12は圧延材2
1の下面に回転しながら接触する電極ロール12a及び
圧延材21の上面に回転しながら接触する電極ロール1
2bから成る。そのため、本実施の形態における通電加
熱装置は、前記第1の実施の形態と同様の効果に加え
て、更なる効果を奏する。
【0097】すなわち、前記第1の実施の形態において
は、電極ロール11は圧延材21の上面に接触し、電極
ロール12は圧延材21の下面に接触するようになって
いるので、圧延材21には、電極ロール11によって上
方向からの力が加えられ、搬送方向に関して異なる位置
において、電極ロール12によって下方向からの力が加
えられることになる。そのため、電極ロール11及び電
極ロール12によって、圧延材21に剪(せん)断力が
加えられるので、圧延材21が軟質の金属から成る場合
や薄い板材である場合等には、圧延材21が変形してし
まう可能性がある。
【0098】これに対し、本実施の形態においては、電
極ロール11aと電極ロール11bとで圧延材21を上
下方向から挟み込み、また、電極ロール12aと電極ロ
ール12bとで圧延材21を上下方向から挟み込んでい
るので、圧延材21に剪断力が加えられることがない。
そのため、圧延材21が軟質の金属から成る場合や薄い
板材である場合等でも、圧延材21が変形してしまうこ
とがない。
【0099】また、前記第1の実施の形態においては、
圧延材21の上面に接触する電極ロール11と圧延材2
1の下面に接触する電極ロール12との間で通電するの
で、圧延材21の厚い部材であると、厚さ方向に関して
電流の分布が不均一になってしまう。そのため、ジュー
ル熱の発生状態が圧延材21の厚さ方向に関して不均一
となり、温度分布が圧延材21の厚さ方向に関して不均
一となってしまう。
【0100】これに対し、本実施の形態においては、圧
延材21の上下面に接触する電極ロール11a及び電極
ロール11bと電極ロール12a及び電極ロール12b
との間で通電するので、圧延材21の厚い部材であって
も、厚さ方向に関して電流の分布が均一になる。そのた
め、ジュール熱の発生状態が圧延材21の厚さ方向に関
して均一となり、温度分布が圧延材21の厚さ方向に関
して均一となる。
【0101】次に、本発明の第3の実施の形態について
説明する。なお、前記第1及び第2の実施の形態と同じ
構成及び同じ動作については、その説明を省略する。
【0102】図18は本発明の第3の実施の形態におけ
る通電加熱装置の概念図である。
【0103】本実施の形態において、第1の電極として
の電極ロール41は、圧延材21の下面に回転しながら
接触する電極ロール41a及び圧延材21の上面に回転
しながら接触する電極ロール41bから成り、第2の電
極としての電極ロール42は、圧延材21の下面に回転
しながら接触する電極ロール42a及び圧延材21の上
面に回転しながら接触する電極ロール42bから成る。
そして、前記電極ロール41と電極ロール42との間に
電流が供給されて、圧延材21に通電される。なお、図
18において、制御装置14、電源装置15等は省略さ
れている。また、前記電極ロール41a及び電極ロール
41b、並びに、電極ロール42a及び電極ロール42
bを支持する装置は、ロールを転動可能に支持する装置
であれば、従来公知の装置であってよいので、説明を省
略する。
【0104】この場合、前記電極ロール41a及び電極
ロール41bは、圧延材21の上面及び下面に接触しつ
つ回転して、矢印A及びCで示されるように、圧延材2
1の搬送方向及び幅方向に移動することができるように
なっている。なお、前記電極ロール41aと電極ロール
41bとは、互いに独立して移動することができるよう
にしてもよいが、本実施の形態においては、同調して移
動する、すなわち、圧延材21の搬送方向及び幅方向に
関して互いに同じ位置になるように移動する場合につい
て説明する。また、前記電極ロール42a及び電極ロー
ル42bは、圧延材21の上面及び下面に接触しつつ回
転して、矢印B及びDで示されるように、圧延材21の
搬送方向及び幅方向に移動することができるようになっ
ている。なお、前記電極ロール42aと電極ロール42
bとは、互いに独立して移動することができるようにし
てもよいが、本実施の形態においては、同調して移動す
る場合について説明する。また、前記電極ロール41と
電極ロール42とは、互いに互いに独立して移動するこ
とができるようになっている。
【0105】ここで、温度検出器13は圧延材21の幅
方向に並列して複数個、例えば三個、配設され、圧延材
21の幅方向に関する温度分布を測定することができる
ようになっている。そして、前記電極ロール41と電極
ロール42とは、圧延材21の搬送方向に関する温度分
布に対応して、矢印A及びBで示されるように、圧延材
21の搬送方向に移動させられるだけでなく、圧延材2
1の幅方向に関する温度分布に対応して、矢印C及びD
で示されるように、圧延材21の幅方向に移動させられ
るようになっている。
【0106】例えば、圧延材21の幅方向に関する温度
分布が均一である場合、電極ロール41は、圧延材21
の搬送方向に向かって左側(図における上側)の側縁近
傍に位置し、電極ロール42は、圧延材21の搬送方向
に向かって右側(図における下側)の側縁近傍に位置す
るように移動させられる。これにより、圧延材21の幅
方向に関して全体に通電することができる。
【0107】また、圧延材21の搬送方向に向かって左
側部分の温度が右側部分の温度よりも高い場合、電極ロ
ール41は圧延材21の幅方向の中央に位置し、電極ロ
ール42は、圧延材21の搬送方向に向かって右側の側
縁近傍に位置するように移動させられる。これにより、
温度の低い圧延材21の搬送方向に向かって右側部分に
通電して、加熱することができる。
【0108】このように、本実施の形態においては、圧
延装置の圧延ロール22の搬送方向における上流側に配
設された電極ロール41と電極ロール42との位置を、
圧延材21の搬送方向の温度分布に対応して搬送方向に
移動させるだけでなく、圧延材21の幅方向の温度分布
に対応して幅方向に移動させて、圧延材21に通電する
ようになっている。
【0109】そのため、本実施の形態における通電加熱
装置は、前記第1の実施の形態と同様の効果に加え、圧
延材21の温度分布が幅方向に関して不均一であって
も、圧延ロール22によって圧延される前に、前記圧延
材21の温度分布を均一にすることができるという効果
を奏する。
【0110】次に、本発明の第4の実施の形態について
説明する。なお、前記第1〜3の実施の形態と同じ構成
及び同じ動作については、その説明を省略する。
【0111】図19は本発明の第4の実施の形態におけ
る通電加熱装置の概念図である。
【0112】本実施の形態において、第1電極としての
電極ボール45は、圧延材21の下面に回転しながら接
触する電極ボール45a及び圧延材21の上面に回転し
ながら接触する電極ボール45bから成り、第2電極と
しての電極ボール46は、圧延材21の下面に回転しな
がら接触する電極ボール46a及び圧延材21の上面に
回転しながら接触する電極ボール46bから成る。そし
て、前記電極ボール45と電極ボール46との間に電流
が供給されて、圧延材21に通電される。なお、図19
において、制御装置14、電源装置15等は省略されて
いる。また、前記電極ボール45a及び電極ボール45
b、並びに、電極ボール46aと電極ボール46bを支
持する装置は、球体を転動可能に支持する装置であれ
ば、従来公知の装置であってよいので、説明を省略す
る。
【0113】この場合、前記電極ボール45a及び電極
ボール45bは、圧延材21の上面及び下面に接触しつ
つ回転して、矢印A及びCで示されるように、圧延材2
1の搬送方向及び幅方向に移動することができるように
なっている。なお、前記電極ボール45aと電極ボール
45bとは、互いに独立して移動することができるよう
にしてもよいが、本実施の形態においては、同調して移
動する、すなわち、圧延材21の搬送方向及び幅方向に
関して互いに同じ位置になるように移動する場合につい
て説明する。また、前記電極ボール46a及び電極ボー
ル46bは、圧延材21の上面及び下面に接触しつつ回
転して、矢印B及びDで示されるように、圧延材21の
搬送方向及び幅方向に移動することができるようになっ
ている。なお、前記電極ボール46aと電極ボール46
bとは、互いに独立して移動することができるようにし
てもよいが、本実施の形態においては、同調して移動す
る場合について説明する。また、前記電極ボール45と
電極ボール46とは、互いに互いに独立して移動するこ
とができるようになっている。
【0114】ここで、温度検出器13は、前記第3の実
施の形態と同様に、圧延材21の幅方向に並列して複数
個、例えば、三個、配設され、圧延材21の幅方向に関
する温度分布を測定することができるようになってい
る。そして、前記電極ボール45と電極ボール46は、
前記第3の実施の形態における電極ロール41及び電極
ロール42と同様に、圧延材21の搬送方向に関する温
度分布に対応して、矢印A及びBで示されるように、圧
延材21の搬送方向に移動させられるだけでなく、圧延
材21の幅方向に関する温度分布に対応して、矢印C及
びDで示されるように、圧延材21の幅方向に移動させ
られるようになっている。
【0115】このように、本実施の形態においては、圧
延装置の圧延ロール22の搬送方向における上流側に配
設された電極ボール45と電極ボール46の位置を、圧
延材21の搬送方向の温度分布に対応して搬送方向に移
動させるだけでなく、圧延材21の幅方向の温度分布に
対応して幅方向に移動させて、圧延材21に通電するよ
うになっている。
【0116】そのため、本実施の形態における通電加熱
装置は、前記第3の実施の形態と同様に、圧延材21の
温度分布が幅方向に関して不均一であっても、圧延ロー
ル22によって圧延される前に、前記圧延材21の温度
分布を均一にすることができるという効果を奏する。
【0117】さらに、前記第3の実施の形態において
は、第1電極及び第2電極が電極ロール41及び電極ロ
ール42であるのに対して、本実施の形態においては、
第1の電極及び第2の電極が電極ボール45及び電極ボ
ール46である。そのため、第1の電極及び第2の電極
の圧延材21の幅方向に関する位置をきめ細かく制御す
ることができるので、圧延材21の幅方向に関する温度
分布をきめ細かく制御することができる。
【0118】次に、本発明の第5の実施の形態について
説明する。なお、前記第1〜4の実施の形態と同じ構成
及び同じ動作については、その説明を省略する。
【0119】図20は本発明の第5の実施の形態におけ
る通電加熱装置の概念図である。
【0120】本実施の形態においては、図20に示され
るように、第1電極及び第2電極が圧延材21の幅方向
に複数個、例えば、三個に、分割されている。この場
合、第1電極は電極ロール51、電極ロール53及び電
極ロール55から成り、第2電極は電極ロール52、電
極ロール54及び電極ロール56から成る。ここで、記
電極ロール51及び電極ロール52は、圧延材21の搬
送方向に向かって右側約1/3の幅の部分に対応し、前
記電極ロール53及び電極ロール54は、圧延材21の
搬送方向に向かって中央約1/3の幅の部分に対応し、
前記電極ロール55及び電極ロール56は、圧延材21
の搬送方向に向かって左側約1/3の幅の部分に対応す
る。また、温度検出器13は圧延材21の幅方向に並列
して複数個、例えば、三個、配設され、圧延材21の幅
方向に関する温度分布を測定することができるようにな
っている。
【0121】そして、前記電極ロール51、電極ロール
52、電極ロール53、電極ロール54、電極ロール5
5及び電極ロール56は、それぞれ、圧延材21の下面
に回転しながら接触する電極ロール51a、電極ロール
52a、電極ロール53a、電極ロール54a、電極ロ
ール55a及び電極ロール56a、並びに、圧延材21
の上面に回転しながら接触する電極ロール51b、電極
ロール52b、電極ロール53b、電極ロール54b、
電極ロール55b及び電極ロール56bから成る。ここ
で、前記電極ロール51、電極ロール52、電極ロール
53、電極ロール54、電極ロール55及び電極ロール
56は、それぞれ、独立して、矢印A及びBで示される
ように、圧延材21の搬送方向に移動させられるように
なっている。また、前記電極ロール51、電極ロール5
2、電極ロール53、電極ロール54、電極ロール55
及び電極ロール56への電流の供給も、それぞれ、独立
して制御されるようになっている。なお、その他の構成
については、前記第2の実施の形態とほぼ同様であるの
で、説明を省略する。
【0122】この場合、圧延材21の幅方向に並列して
三個配設された温度検出器13によって、圧延材21の
幅方向に関する温度分布が測定される。そして、圧延材
21の搬送方向及び幅方向に関する温度分布に対応し
て、前記電極ロール51、電極ロール52、電極ロール
53、電極ロール54、電極ロール55及び電極ロール
56が、矢印A及びBで示されるように、圧延材21の
搬送方向に移動させられ、かつ、通電量の制御も行われ
る。
【0123】このように、本実施の形態において、第1
電極は、圧延材21の幅方向に分割され、電極ロール5
1、電極ロール53及び電極ロール55から成り、第2
電極は、圧延材21の幅方向に分割され、電極ロール5
2、電極ロール54及び電極ロール56から成る。そし
て、圧延材21の搬送方向及び幅方向に関する温度分布
に対応して、前記電極ロール51、電極ロール52、電
極ロール53、電極ロール54、電極ロール55及び電
極ロール56は、それぞれ、独立して、圧延材21の搬
送方向に移動させられ、また、独立して該圧延材21に
通電するようになっている。
【0124】そのため、本実施の形態における通電加熱
装置は、圧延材21の温度分布が幅方向に関して不均一
であっても、圧延ロール22によって圧延される前に、
前記圧延材21の温度分布を均一にすることができると
いう効果を奏する。
【0125】さらに、前記第3及び4の実施の形態にお
いては、第1電極及び第2電極を圧延材21の幅方向に
移動させる必要があるのに対して、本実施の形態におい
ては、第1電極及び第2電極を圧延材21の幅方向に移
動させる必要がない。そのため、第1電極及び第2電極
の位置の制御アルゴリズムを単純化することができる。
【0126】なお、本発明は前記実施の形態に限定され
るものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々変形させ
ることが可能であり、それらを本発明の範囲から排除す
るものではない。
【0127】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明によ
れば、通電加熱装置においては、圧延材の搬送方向に移
動可能に配設された第1電極と、前記搬送方向に移動可
能に配設された第2電極と、前記第1電極及び第2電極
の前記搬送方向における上流側に配設された温度検出器
と、該温度検出器の出力に基づき、前記圧延材における
低温部分と高温部分との境界が前記第1電極又は第2電
極に差し掛かった時に、該第1電極又は第2電極を前記
搬送方向に移動させて前記圧延材を通電加熱する制御装
置とを有する。
【0128】また、通電加熱方法においては、圧延材の
搬送方向に移動可能に配設された第1電極及び第2電極
の搬送方向における上流側に配設された温度検出器の出
力に基づき、前記圧延材における低温部分と高温部分と
の境界が前記第1電極又は第2電極に差し掛かった時
に、該第1電極又は第2電極を前記圧延材の搬送方向に
移動させて前記圧延材を通電加熱する。
【0129】この場合、圧延装置の導入される圧延材の
中間部分に何らかの原因で温度が不均一な部分が発生し
ても、簡素、かつ、コンパクトな構成の装置によって、
前記圧延材の温度分布を容易に均一にすることができ
る。
【0130】また、前記圧延材の温度分布が種々の形態
であっても、前記圧延材の温度分布を均一にすることが
できる。例えば、前記温度が不均一な部分が、スキッド
マークのように特殊な温度分布を有する場合であって
も、前記圧延材の温度分布を均一にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態における通電加熱装
置の概念図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態における通電加熱装
置の構成を示す斜視図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態における電極ロール
支持装置の構成を示す斜視図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態における圧延材の温
度分布の第1の例を示す図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態における圧延材の温
度分布の第1の例に対応する電極ロールの位置の変化を
示す図である。
【図6】本発明の第1の実施の形態における圧延材の温
度分布の第2の例を示す図である。
【図7】本発明の第1の実施の形態における圧延材の温
度分布の第2の例に対応する電極ロールの位置の変化を
示す図である。
【図8】本発明の第1の実施の形態における圧延材の温
度分布の第3の例を示す図である。
【図9】本発明の第1の実施の形態における圧延材の温
度分布の第3の例に対応する電極ロールの位置の変化を
示す図である。
【図10】本発明の第1の実施の形態における圧延材の
温度分布の第4の例を示す図である。
【図11】本発明の第1の実施の形態における圧延材の
温度分布の第4の例に対応する電極ロールの位置の変化
を示す図である。
【図12】本発明の第1の実施の形態における圧延材の
温度分布の第5の例を示す図である。
【図13】本発明の第1の実施の形態における圧延材の
温度分布の第5の例に対応する電極ロールの位置の変化
を示す図である。
【図14】本発明の第1の実施の形態における圧延材の
温度分布の第6の例を示す図である。
【図15】本発明の第1の実施の形態における圧延材の
温度分布の第6の例に対応する電極ロールの位置の変化
を示す図である。
【図16】本発明の第2の実施の形態における通電加熱
装置の概念図である。
【図17】本発明の第2の実施の形態における通電加熱
装置の構成を示す斜視図である。
【図18】本発明の第3の実施の形態における通電加熱
装置の概念図である。
【図19】本発明の第4の実施の形態における通電加熱
装置の概念図である。
【図20】本発明の第5の実施の形態における通電加熱
装置の概念図である。
【符号の説明】
11、12、41、42、51、52、53、54、5
5、56 電極ロール 13 温度検出器 14 制御装置 21 圧延材 21a 前方部分 21b 後方部分 45、46 電極ボール

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)圧延材の搬送方向に移動可能に配
    設された第1電極と、(b)前記搬送方向に移動可能に
    配設された第2電極と、(c)前記第1電極及び第2電
    極の前記搬送方向における上流側に配設された温度検出
    器と、(d)該温度検出器の出力に基づき、前記圧延材
    における低温部分と高温部分との境界が前記第1電極又
    は第2電極に差し掛かった時に、該第1電極又は第2電
    極を前記搬送方向に移動させて前記圧延材を通電加熱す
    る制御装置とを有することを特徴とする通電加熱装置。
  2. 【請求項2】 前記第1電極及び第2電極はロールであ
    る請求項1に記載の通電加熱装置。
  3. 【請求項3】 前記第1電極及び第2電極はボールであ
    り、前記圧延材の幅方向にも移動可能である請求項1に
    記載の通電加熱装置。
  4. 【請求項4】 前記第1電極及び第2電極はそれぞれ前
    記幅方向に複数個配設され、独立して移動可能である請
    求項1〜3のいずれか1項に記載の通電加熱装置。
  5. 【請求項5】 前記制御装置は前記圧延材に通電する電
    流を制御する請求項1〜4のいずれか1項に記載の通電
    加熱装置。
  6. 【請求項6】 (a)圧延材の搬送方向に移動可能に配
    設された第1電極及び第2電極の前記搬送方向における
    上流側に配設された温度検出器の出力に基づき、(b)
    前記圧延材における低温部分と高温部分との境界が前記
    第1電極又は第2電極に差し掛かった時に、該第1電極
    又は第2電極を前記搬送方向に移動させて前記圧延材を
    通電加熱することを特徴とする通電加熱方法。
  7. 【請求項7】 前記低温部分が前記搬送方向における上
    流側に存在する場合、該低温部分の前記搬送方向におけ
    る下流側に隣接する高温部分との境界が前記第1電極に
    差し掛かった時に、該第1電極を前記搬送方向に移動さ
    せて前記第1電極と第2電極との距離を伸長させ、前記
    低温部分が前記下流側に存在する場合、該低温部分の前
    記上流側に隣接する高温部分との境界が前記第2電極に
    差し掛かった時に、該第2電極を前記搬送方向に移動さ
    せて前記第1電極と第2電極との距離を短縮させる請求
    項6に記載の通電加熱方法。
  8. 【請求項8】 前記境界において温度がステップ状に変
    化する場合、前記第1の電極又は第2の電極を前記圧延
    材の移動速度に等しい速度で移動させる請求項7に記載
    の通電加熱方法。
  9. 【請求項9】 前記低温部分と高温部分との間に温度が
    リニアに変化する部分が存在する場合、前記第1電極又
    は第2電極を前記圧延材の移動速度より低い速度で移動
    させる請求項7に記載の通電加熱方法。
  10. 【請求項10】 前記低温部分と高温部分との間に温度
    が段階的に変化する部分が存在する場合、前記第1電極
    又は第2電極を段階的に移動させる請求項7に記載の通
    電加熱方法。
  11. 【請求項11】 前記低温部分の搬送方向に関する長さ
    が短い場合、前記低温部分の前記下流側に隣接する高温
    部分との境界が前記第1電極に差し掛かった時に、該第
    1電極を前記搬送方向に移動させるとともに、前記低温
    部分の前記上流側に隣接する高温部分との境界が前記第
    2電極に差し掛かった時に、該第2電極を前記搬送方向
    に移動させて、前記第1電極と第2電極との距離を移動
    させる前後において等しくさせる請求項6に記載の通電
    加熱方法。
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