JP2003289161A - 圧電素子、インクジェット式ヘッドおよび吐出装置 - Google Patents

圧電素子、インクジェット式ヘッドおよび吐出装置

Info

Publication number
JP2003289161A
JP2003289161A JP2002090045A JP2002090045A JP2003289161A JP 2003289161 A JP2003289161 A JP 2003289161A JP 2002090045 A JP2002090045 A JP 2002090045A JP 2002090045 A JP2002090045 A JP 2002090045A JP 2003289161 A JP2003289161 A JP 2003289161A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
piezoelectric element
layer
metal oxide
piezoelectric
electrode
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2002090045A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroshi Miyazawa
弘 宮澤
Amamitsu Higuchi
天光 樋口
Setsuya Iwashita
節也 岩下
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Seiko Epson Corp
Original Assignee
Seiko Epson Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Seiko Epson Corp filed Critical Seiko Epson Corp
Priority to JP2002090045A priority Critical patent/JP2003289161A/ja
Publication of JP2003289161A publication Critical patent/JP2003289161A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】例えば圧電特性に優れる圧電素子、インクジェ
ット式ヘッドおよび吐出装置を提供すること。 【解決手段】インクジェット式記録ヘッドHの主要部
は、複数のインク室210を形成するインク室基板20
0の一方の面にノズル板100が、他方の面に振動板3
00がそれぞれ接合され、振動板300には、各インク
室210に対応する位置に圧電素子400が下地層70
0を介して接合されている。各圧電素子400は、それ
ぞれ、圧電体層430を上部電極410と下部電極42
0とで挟持して構成されている。本発明では、圧電体層
430が、キュリー温度直下で反強誘電性状態となり、
−20〜100℃の温度範囲で強誘電体であり、かつ、
前記温度範囲で構造相転移を示さないペロブスカイト型
構造の金属酸化物を含むもの、または、このものと他の
ペロブスカイト型構造の金属酸化物とを含むものである
ことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、圧電素子、インク
ジェット式ヘッドおよび吐出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、インクジェット式記録ヘッドの
ようなインクジェット式ヘッドに用いられる圧電素子
は、強誘電体材料により構成された強誘電体層を一対の
電極(上部電極および下部電極)で挟持した構成とされ
ている。この強誘電体材料としては、チタン酸ジルコン
酸鉛(PZT)、BaTiO、Bi層状化合物が広く
用いられている。
【0003】さらに、現在、圧電素子の特性および信頼
性の向上を図る観点から、PZT、BaTiO、Bi
層状化合物に代わる化合物として、種々の化合物につい
て研究がなされているが、いずれも、十分な性能を満足
するものでなく、実用化に向けての進展がみられないと
いうのが現状である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、例え
ば圧電特性に優れる圧電素子、かかる圧電素子を有する
インクジェット式ヘッド、および、インクジェット式ヘ
ッドを備える吐出装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】このような目的は、下記
(1)〜(10)の本発明により達成される。
【0006】(1) 第1の電極と、該第1の電極に対
向する第2の電極と、これらの電極の間に介挿され、キ
ュリー温度直下で反強誘電性状態となり、−20〜10
0℃の温度範囲で強誘電体であり、かつ、前記温度範囲
で構造相転移を示さないペロブスカイト型構造の金属酸
化物を含む圧電体層とを有することを特徴とする圧電素
子。
【0007】(2) 第1の電極と、該第1の電極に対
向する第2の電極と、これらの電極の間に介挿され、キ
ュリー温度直下で反強誘電性状態となり、−20〜10
0℃の温度範囲で強誘電体であり、かつ、前記温度範囲
で構造相転移を示さないペロブスカイト型構造の金属酸
化物と、他のペロブスカイト型構造の金属酸化物とを含
む圧電体層とを有することを特徴とする圧電素子。
【0008】(3) 前記キュリー温度直下で反強誘電
性状態となり、−20〜100℃の温度範囲で強誘電体
であり、かつ、前記温度範囲で構造相転移を示さないペ
ロブスカイト型構造の金属酸化物の含有量をX[mo
l]とし、前記他のペロブスカイト型構造の金属酸化物
の含有量をY[mol]としたとき、Y/(X+Y)≦
0.9なる関係を満足する上記(2)に記載の圧電素
子。
【0009】(4) 前記他のペロブスカイト型構造の
金属酸化物は、組成式ABO(ただし、Aは、Pb、
Ba、Srのうちの少なくとも1種の元素、Bは、4A
族元素のうちの少なくとも1種の元素)で表されるもの
である上記(2)または(3)に記載の圧電素子。
【0010】(5) 前記キュリー温度直下で反強誘電
性状態となるペロブスカイト型構造の金属酸化物は、
(Bi0.50.5)TiOである上記(1)ない
し(4)のいずれかに記載の圧電素子。
【0011】(6) 前記圧電体層は、正方晶(00
1)配向したものである上記(1)ないし(5)のいず
れかに記載の圧電素子。
【0012】(7) 前記圧電体層は、前記第1の電極
上にエピタキシャル成長により形成されたものである上
記(1)ないし(6)のいずれかに記載の圧電素子。
【0013】(8) 前記第1の電極は、ペロブスカイ
ト型構造の金属酸化物を含むものである上記(1)ない
し(7)のいずれかに記載の圧電素子。
【0014】(9) 上記(1)ないし(8)のいずれ
かに記載の圧電素子と、前記圧電素子の振動により振動
する振動板とを有することを特徴とするインクジェット
式ヘッド。
【0015】(10) 上記(9)に記載のインクジェ
ット式ヘッドを備えることを特徴とする吐出装置。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の圧電素子、インク
ジェット式ヘッドおよび吐出装置の好適な実施形態につ
いて説明する。
【0017】まず、本発明の圧電素子について説明す
る。図1は、本発明の圧電素子の実施形態を示す縦断面
図である。
【0018】図1に示す圧電素子(圧電アクチュエー
タ)400は、下部電極(第1の電極)420、圧電体
層430および上部電極(第2の電極)410が、この
順で積層されて構成されている。換言すれば、圧電素子
400は、上部電極410と下部電極420との間に、
圧電体層(強誘電体層)430が介挿されてなるもので
ある。
【0019】圧電素子400は、下部電極420と上部
電極410との間に電圧を印加することにより、圧電体
層430は、その厚さ方向に伸張するとともに、その面
方向に圧縮される。すなわち、電極間への変圧の印加に
より、圧電体層430が厚さ方向に(図1中上下方向
に)変形する。これにより、キャビティの体積を変化さ
せ、キャビティ内に充填されたインクをノズル孔よりイ
ンク液滴として突出させてプリンティングを行う。より
少ない電圧の印加でより大きなキャビティ体積の変化を
得ることが、インクジェットプリンティングの特性向上
につながる。
【0020】インクジェットプリンティングでの好まし
い特性とは、より小さなキャビティ体積を実現すること
である。これにより、ノズル孔密度をあげる(高める)
ことができ、高密度な画素をプリンティングすることが
できる。また圧電素子、キャビティおよびインク液滴を
含めた力学系の応答速度が高まるため(固有振動数が上
がるため)、高速プリンティングが可能になる。また低
い電圧でプリンティングが可能であれば、インクジェッ
トプリンタ(吐出装置)システムの消費電力の低減にダ
イレクトに寄与できる。
【0021】したがって、圧電素子400は、電圧の印
加により圧電体層430がより大きく変形するもの、す
なわち、圧電定数の大きいもの(圧電特性に優れるも
の)であるのが好ましい。
【0022】これには、圧電体層430をペロブスカイ
ト型構造の金属酸化物を用いて構成するのが有効であ
り、加えて、圧電特性に寄与しないばかりでなく、圧電
特性を低下させる方向に働く非180度分極ドメイン
(90度分域ドメイン)が、圧電体層430中に形成さ
れるのを防止することが有効である。
【0023】かかる観点から、本発明者は、鋭意研究を
重ねた結果、ペロブスカイト型構造の金属酸化物とし
て、キュリー温度直下で反強誘電性状態となるものを用
いることにより、圧電体層430中に非180度分域ド
メインが形成されるのを好適に防止できることを見出し
た。
【0024】加えて、圧電体層430が、キュリー温度
直下で反強誘電性状態となるペロブスカイト型構造の金
属酸化物と、他のペロブスカイト型構造の金属酸化物と
を含む場合においても、キュリー温度直下で反強誘電性
状態となるペロブスカイト型構造の金属酸化物の存在に
より、他のペロブスカイト型構造の金属酸化物に起因し
て生じ得る非180度分域ドメインの形成をも防止でき
ることを見出した。
【0025】このようなことから、本発明では、圧電体
層430を、キュリー温度直下で反強誘電性状態となる
ペロブスカイト型構造の金属酸化物を含むもの、また
は、キュリー温度直下で反強誘電性状態となるペロブス
カイト型構造の金属酸化物と、他のペロブスカイト型構
造の金属酸化物とを含むものとした。
【0026】また、かかるペロブスカイト型構造の金属
酸化物は、−20〜100℃程度(特に、5〜50℃程
度)の温度範囲、すなわち、実使用温度範囲で強誘電体
である必要がある。
【0027】さらに、かかるペロブスカイト型構造の金
属酸化物は、前記実使用温度範囲で構造相転移を示さな
いものであれば、構造相転移にともなう圧電体層430
の破壊、劣化等を防止することができ、圧電素子400
の実使用温度範囲での各種特性を安定化させることがで
きる。
【0028】加えて、圧電素子400が、かかるペロブ
スカイト型構造の金属酸化物と、他のペロブスカイト型
構造の金属酸化物とを含む場合において、他のペロブス
カイト型構造の金属酸化物の中には、比較的実使用温度
範囲またはその近傍の温度で構造相転移を示すもの(例
えばBaTiOは、0℃付近と120℃付近とで構造
相転移を示す)もあるが、圧電体層430が、実使用温
度範囲で構造相転移を示さないペロブスカイト型の金属
酸化物を含むことにより、前記他のペロブスカイト型構
造の金属酸化物の構造相転移温度を実使用温度範囲から
離す(遠ざける)ことができるようになる。その結果、
圧電体層430が、前記他のペロブスカイト型構造の金
属酸化物を含む場合であっても、構造相転移にともなう
破壊、劣化等を防止することができるので、圧電素子4
00の実使用温度範囲での各種特性を安定化させること
ができる。
【0029】このようなことから、本発明では、圧電体
層430を、キュリー温度直下で反強誘電性状態とな
り、実使用温度範囲で強誘電体であり、かつ、実使用温
度範囲で構造相転移を示さないペロブスカイト型構造の
金属酸化物を含むもの、または、かかるペロブスカイト
型構造の金属酸化物と、他のペロブスカイト型構造の金
属酸化物とを含むものとした。
【0030】特に、圧電体層430は、前記のものを主
材料とするのが好ましい。これにより、非180度分域
ドメインの発生がより確実に抑制され、結果として、圧
電特性が大きくなる。すなわち、圧電素子400の特性
が向上する。
【0031】なお、以下の説明では、キュリー温度直下
で反強誘電性状態となり、実使用温度範囲で強誘電体で
あり、かつ、実使用温度範囲で構造相転移を示さないペ
ロブスカイト型構造の金属酸化物を、「第1のペロブス
カイト型酸化物」と言い、他のペロブスカイト型構造の
金属酸化物を、「第2のペロブスカイト型酸化物」と言
う。
【0032】前述のように、圧電体層430は、第2の
ペロブスカイト型酸化物を含む場合でも、第1のペロブ
スカイト型酸化物の存在により、第2のペロブスカイト
型酸化物に起因して生じ得る非180度分域ドメインの
形成が好適に防止される。このため、第2のペロブスカ
イト型酸化物として、第1のペロブスカイト型酸化物よ
り、圧電特性が大きいものを用いることにより、圧電体
層430として大きい圧電特性を有するものを得ること
ができる。
【0033】このような第2のペロブスカイト型酸化物
としては、各種のペロブスカイト型構造の金属酸化物が
使用可能であるが、組成式ABO(ただし、Aは、P
b、Ba、Srのうちの少なくとも1種の元素、Bは、
4A族元素のうちの少なくとも1種の元素)で表される
ものが好ましい。この具体例としては、例えば、BaT
iO、KNbO、KTaO、K(TaNb
1−x)O、PbTiO 、PbZrO、Pb(Z
Ti1−x)O、または、これらを含む固溶体等
が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み
合わせて用いることができる。これらのペロブスカイト
型構造の金属酸化物は、特に、圧電特性が大きいもので
ある。
【0034】また、圧電体層430が、第1のペロブス
カイト型酸化物と第2のペロブスカイト型酸化物とを含
む場合、第1のペロブスカイト型酸化物の含有量をX
[mol]とし、第2のペロブスカイト型酸化物の含有
量をY[mol]としたとき、Y/(X+Y)≦0.9
なる関係を満足するのが好ましく、Y/(X+Y)≦
0.5なる関係を満足するのがより好ましく、0.05
≦Y/(X+Y)≦0.5なる関係を満足するのがさら
に好ましい。Y/(X+Y)≦0.9なる関係であれ
ば、圧電体層430は、第1のペロブスカイト型酸化物
と第2のペロブスカイト型酸化物とを、前記範囲のモル
比で含有することにより、圧電体層430中に非180
度分域ドメインが形成されるのを防止することができ
る。Y/(X+Y)≦0.5なる関係であれば、第2の
ペロブスカイト型酸化物の構造相転移温度を実使用温度
範囲から離す(遠ざける)ことができる。および、0.
05≦Y/(X+Y)≦0.5なる関係であれば、第2
のペロブスカイト型酸化物の優位な特性(単一ドメイン
のときに室温で大きな圧電特性を有する)を好適に発揮
させることができ、結果として、特に大きい圧電特性を
有する圧電体層430を得ることができる。
【0035】さて、第1のペロブスカイト型酸化物とし
ては、例えば、(Bi0.50. )TiO、(B
0.5Na0.5)TiO等を用いることができる
が、これらの中でも、特に、(Bi0.50.5)T
iOが好ましい。第1のペロブスカイト型酸化物とし
て、(Bi0.50.5)TiOを用いることによ
り、前述したような効果がより顕著となる。
【0036】圧電体層430は、例えば、正方晶(00
1)配向、擬立方晶(110)配向、擬立方晶(11
1)配向等したもののいずれであってもよいが、これら
の中でも、正方晶(001)配向または擬立方晶(11
1)配向したものであるのが好ましく、正方晶(00
1)配向したものが最適である。これにより、圧電素子
400は、電界歪み特性等の各種特性が特に優れたもの
となる。
【0037】また、圧電体層430の平均厚さは、特に
限定されないが、300nm〜10μm程度とするのが
好ましく、500nm〜2μm程度とするのがより好ま
しい。圧電体層430の平均厚さを、前記範囲とするこ
とにより、圧電素子400(延いては、後述するインク
ジェット式記録ヘッドH)の大型化を防止しつつ、各種
特性を好適に発揮し得る圧電素子400を得ることがで
きる。
【0038】このような圧電体層430は、圧電体層4
30に電圧を印加するための一方の電極である下部電極
(第1の電極)420上にエピタキシャル成長により形
成されたものであるのが好ましい。これにより、圧電体
層430と下部電極420との接合性を良好なものとす
ることがでるので、圧電素子400の経時的劣化を防止
または抑制することができる。また、下部電極420の
配向方位を適宜設定することにより、圧電体層430の
配向方位の制御が容易となる。
【0039】下部電極420としては、ペロブスカイト
型構造の金属酸化物を含むものが好ましく、ペロブスカ
イト型構造の金属酸化物を主材料とするものがより好ま
しい。前述したように、圧電体層430がペロブスカイ
ト型構造の金属酸化物を含むもの(特に、ペロブスカイ
ト型構造の金属酸化物を主材料とするもの)であるの
で、下部電極420を、ペロブスカイト型構造の金属酸
化物を用いて構成することにより、圧電体層430と下
部電極420との接合性をより優れたものとすることが
でき、その結果、圧電素子400の経時的劣化をより確
実に防止または抑制することができる。
【0040】また、ペロブスカイト型構造の金属酸化物
としては、例えば、ルテニウム酸ストロンチウム(SR
O)、NbドープしたSrTiO、または、これらを
含む固溶体等が挙げられ、これらの1種または2種以上
を組み合わせて用いることができる。これらのペロブス
カイト型構造の金属酸化物は、導電性および化学的安定
性に優れているので、下部電極420も、導電性および
化学的安定性に優れたものとすることができる。その結
果、圧電素子400は、電界歪み特性等の各種特性がよ
り向上する。
【0041】これらの中でも、下部電極420に用いる
ペロブスカイト型構造の金属酸化物としては、ルテニウ
ム酸ストロンチウム(SRO)が最適である。SRO
は、特に導電性および化学的安定性に優れているので、
SROを用いて下部電極420を構成することにより、
圧電素子400は、前記効果がより向上する。
【0042】ここで、SROは、一般式Srn+1Ru
3n+1(nは1以上の整数)で表される。n=1
のときSrRuOとなり、n=2のときSrRu
となり、n=∞のときSrRuOとなる。SR
Oを用いて下部電極420を構成する場合は、SrRu
が最適である。これにより、下部電極420の導電
性および化学的安定性を極めて優れたものとすることが
できるとともに、下部電極420上に形成する圧電体層
430の結晶性を高めることもできる。
【0043】なお、下部電極420は、その厚さ方向の
途中に、イリジウムまたは白金等で構成される部分(中
間層)を有する構成、すなわち、SRO/Pt/SR
O、SRO/Ir/SROの積層構造とすることもでき
る。この場合、下部電極420の圧電体層430側の部
分を、SrRuOを含む材料で(特に、SrRuO
を主材料として)構成するようにすればよい。
【0044】このような下部電極420は、例えば、擬
立方晶(111)配向、擬立方晶(110)配向、擬立
方晶(100)配向等したもののいずれであってもよい
が、これらの中でも、特に、擬立方晶(100)配向、
または擬立方晶(111)配向したものであるのが好ま
しい。このような下部電極420上には、前述したよう
な配向方位の圧電体層430を、容易かつ確実にエピタ
キシャル成長により形成することができる。
【0045】また、下部電極420は、前記ペロブスカ
イト型構造の金属酸化物の他、例えば、IrO、Ru
のような金属酸化物、あるいは、白金(Pt)、イ
リジウム(Ir)、アルミニウム(Al)またはこれら
を含む合金等の各種導電性材料のうちの1種または2種
以上を組み合わせて用いることができる。なお、下部電
極420をアルミニウムで構成する場合、イリジウム等
で構成される層を積層するようにするのが好ましい。こ
れにより、下部電極420の電蝕による劣化を防止また
は抑制することができる。
【0046】このような下部電極420の平均厚さは、
特に限定されないが、5〜1000nm程度とするのが
好ましく、100〜700nm程度とするのがより好ま
しい。
【0047】一方、圧電体層430上には、圧電体層4
30に電圧を印加するための他方の電極となる上部電極
410が形成されている。
【0048】なお、上部電極410の構成材料、構成等
は、前記の下部電極420と同様とすることができる。
【0049】また、上部電極410の平均厚さは、特に
限定されないが、5〜1000nm程度とするのが好ま
しく、10〜500nm程度とするのがより好ましい。
【0050】次に、本発明のインクジェット式ヘッドに
ついて説明する。図2は、本発明のインクジェット式ヘ
ッドをインクジェット式記録ヘッドに適用した場合の実
施形態を示す分解斜視図(一部切り欠いて示す)であ
り、図3は、図2に示すインクジェット式記録ヘッドの
主要部の構成を示す断面図である。なお、図2は、通常
使用される状態とは、上下逆に示されている。
【0051】図2に示すインクジェット式記録ヘッドH
(以下、単に「ヘッドH」と言う。)は、主に、ノズル
板100と、インク室基板200と、振動板300と、
圧電素子(振動源)400とを備え、これらが基体50
0に収納されている。
【0052】なお、このヘッドHは、オンデマンド形の
ピエゾジェット式ヘッドを構成する。
【0053】ノズル板100は、例えばステンレス製の
圧延プレート等で構成されている。このノズル板100
には、インク滴を吐出するための多数のノズル孔(小
孔)110が形成されている。これらのノズル孔110
のピッチは、印刷精度に応じて適宜設定される。
【0054】ノズル板100には、インク室基板200
が固着(固定)されている。このインク室基板200に
は、ノズル板100、側壁(隔壁)220および後述す
る振動板300により、複数のインク室(キャビティ、
圧力室)210と、インクカートリッジ31から供給さ
れるインクを一時的に貯留するリザーバ室230と、リ
ザーバ室230から各インク室210に、それぞれイン
クを供給する供給口240とが区画形成されている。
【0055】これらのインク室210は、それぞれ短冊
状(直方体状)に形成され、各ノズル孔110に対応し
て配設されている。各インク室210は、後述する振動
板300の振動により容積が変化し、この容積変化によ
り、インクを吐出するよう構成されている。
【0056】また、インク室210の容積は、特に限定
されないが、1×10−7〜2×10−5mL程度であ
るのが好ましく、5×10−7〜1×10−5mL程度
であるのがより好ましい。
【0057】インク室基板200の平均厚さは、特に限
定されないが、10μm〜1mm程度であるのが好まし
く、100〜600μm程度であるのがより好ましい。
インク室基板200の平均厚さを、前記範囲内とするこ
とにより、ヘッドHは、十分な強度を確保しつつ、その
小型化(特に、薄型化)を図ることができる。
【0058】一方、インク室基板200のノズル板10
0と反対側には、振動板300がインク室基板200の
側壁220に接触して設けられている。
【0059】この振動板300の所定位置には、その厚
さ方向に貫通して連通孔310が形成されている。この
連通孔310を介して、後述するインクカートリッジ3
1からリザーバ室230に、インクが供給可能とされて
いる。
【0060】振動板300は、圧電素子400の振動に
より振動し、インク室210の内部圧力を瞬間的に高め
る機能を有するものである。
【0061】この振動板300の構成材料としては、特
に限定されないが、例えば、SiO 、Si、A
、ZrO、TiO、Yのような各種
酸化物、TiN、BN、AlNのような各種窒化物等が
挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合
わせて用いることができる。このような材料を用いるこ
とにより、振動板300は、振動板として要求される強
度(物理的性質)を得ることができる。
【0062】振動板300の平均厚さは、特に限定され
ないが、200nm〜50μm程度であるのが好まし
く、500nm〜2μm程度であるのがより好ましい。
振動板300の平均厚さを、前記範囲とすることによ
り、得られるヘッドHの大型化を防止しつつ、振動板3
00は、振動板に要求される十分な強度を確保すること
ができる。
【0063】振動板300のインク室基板と反対側に
は、複数の圧電素子400が薄膜よりなる下地層700
を介して設けられている。
【0064】各圧電素子400は、それぞれ各インク室
210のほぼ中央部に対応して配設されている。各圧電
素子400は、後述する圧電素子駆動回路に電気的に接
続され、圧電素子駆動回路からの信号に基づいて作動す
るよう構成されている。
【0065】なお、各圧電素子400の平面視での寸法
は、特に限定されないが、例えば、1〜3mm×10〜
50μm程度とすることができる。
【0066】下地層700は、圧電素子400(下部電
極420)と振動板300との接合性(密着性)を向上
させる機能を有するものである。下地層700を設ける
ことにより、圧電素子400の振動板300からの剥離
等によるヘッドHの経時的劣化が好適に防止されるとと
もに、圧電素子400の振動をより確実に振動板300
に伝達することができる。
【0067】なお、この下地層700は、振動板300
上の少なくとも圧電素子400を形成する領域に設ける
ようにすればよい。
【0068】下地層700の構成材料としては、例え
ば、NaCl構造の金属酸化物、蛍石型構造の金属酸化
物、フルオライト構造の金属酸化物等が挙げられ、これ
らのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いるこ
とができる。これらの中でも、下地層700の構成材料
としては、NaCl構造の金属酸化物を含むものが好ま
しく、NaCl構造の金属酸化物を主材料とするものが
より好ましい。
【0069】前述したように、下部電極420の構成材
料としては、ペロブスカイト型構造の金属酸化物を含む
もの(特に、ペロブスカイト型構造の金属酸化物を主材
料とするもの)が好適に使用されるが、NaCl構造の
金属酸化物は、このペロブスカイト型構造の金属酸化物
との格子不整合が小さく、さらに、振動板300の構成
材料(前記酸化物、前記窒化物等)との格子不整合も小
さい。
【0070】このようなことから、NaCl構造の金属
酸化物を用いて下地層700を構成することにより、振
動板300と下部電極420との接合性(密着性)がよ
り向上する。
【0071】また、NaCl構造の金属酸化物として
は、例えば、MgO、CaO、SrO、BaO、Mn
O、FeO、CoO、NiO、または、これらを含む固
溶体等が挙げられるが、これらの中でも、特に、Mg
O、CaO、SrO、BaO、または、これらを含む固
溶体の少なくとも1種を用いるのが好ましい。このよう
なNaCl構造の金属酸化物は、ペロブスカイト型構造
の金属酸化物および振動板300の構成材料の双方との
格子不整合が特に小さい。
【0072】このような下地層700は、例えば、立方
晶(100)配向、立方晶(110)配向、立方晶(1
11)配向等したもののいずれであってもよいが、これ
らの中でも、特に、立方晶(100)配向または立方晶
(111)配向したものであるのが好ましい。下地層7
00を立方晶(100)配向または立方晶(111)配
向したものとすることにより、下地層700の平均厚さ
を比較的小さくすることができる。このため、例えばM
gO、CaO、SrO、BaOのような潮解性を示すN
aCl構造の金属酸化物で下地層700を構成する場合
であっても、製造時および使用時に空気中の水分で劣化
するという不都合を好適に防止することができる。
【0073】かかる観点からは、下地層700は、でき
るだけ薄く形成するのが好ましく、具体的には、その平
均厚さが10nm以下であるのが好ましく、5nm以下
であるのがより好ましい。これにより、前記効果がより
向上する。
【0074】また、このように下地層700の平均厚さ
を小さくすることにより、ヘッドHの大型化を防止する
こともできる。
【0075】なお、この下地層700は、例えば下部電
極420をペロブスカイト型構造の金属酸化物以外の導
電性材料で構成する場合等、必要に応じて、省略するこ
ともできる。
【0076】以上説明したようなヘッドHの主要部分
は、例えば各種樹脂材料、各種金属材料等で構成された
基体500に固定、支持されている。
【0077】このようなヘッドHは、後述する圧電素子
駆動回路から所定の吐出信号が入力されていない状態、
すなわち、圧電素子400の下部電極420と上部電極
410との間に電圧が印加されていない状態では、圧電
体層430に変形が生じない。このため、振動板300
にも変形が生じず、インク室210には容積変化が生じ
ない。したがって、ノズル孔110からインク滴は吐出
されない。
【0078】一方、圧電素子駆動回路から所定の吐出信
号が入力された状態、すなわち、圧電素子400の下部
電極420と上部電極410との間に一定電圧(例え
ば、10〜50V程度)が印加された状態では、圧電体
層430に変形が生じる。これにより、振動板300が
大きくたわみ(図3中下方にたわみ)、インク室210
の容積の減少(変化)が生じる。このとき、インク室2
10内の圧力が瞬間的に高まり、ノズル孔110からイ
ンク滴が吐出される。
【0079】1回のインクの吐出が終了すると、圧電素
子駆動回路は、下部電極420と上部電極410との間
への電圧の印加を停止する。これにより、圧電素子40
0は、ほぼ元の形状に戻り、インク室210の容積が増
大する。なお、このとき、インクには、後述するインク
カートリッジ31からノズル孔110へ向かう圧力(正
方向への圧力)が作用している。このため、空気がノズ
ル孔110からインク室210へ入り込むことが防止さ
れ、インクの吐出量に見合った量のインクがインクカー
トリッジ31(リザーバ室230)からインク室210
へ供給される。
【0080】このようにして、ヘッドHにおいて、印刷
させたい位置の圧電素子400に、圧電素子駆動回路か
ら吐出信号を順次入力することにより、任意の(所望
の)文字や図形等を印刷することができる。
【0081】以上のように、本発明のインクジェット式
記録ヘッドHは、電界歪み特性等の各種特性に優れる圧
電素子400を備える。このため、より少ない電圧で圧
電素子400を作動させることができるので、圧電素子
駆動回路を簡略化することができるとともに、消費電力
を低減することができる。
【0082】また、圧電素子400を小型化することも
できる。この場合、圧電素子400の幅(短軸方向の長
さ)を短くすると、インク室210の幅も小さくするこ
とができ、その結果、ノズル孔110のピッチも小さく
することができるので、より高精度の印刷が可能とな
る。また、圧電素子400の長さ(長軸方向の長さ)を
短くすると、ヘッドHのさらなる小型化を図ることがで
きる。
【0083】次に、インクジェット式記録ヘッドH(ヘ
ッドH)の製造方法について、図4および図5を参照し
つつ説明する。
【0084】前述したヘッドHは、例えば、次のように
して製造することができる。図4および図5は、それぞ
れ、図3に示すインクジェット式記録ヘッドの主要部の
製造工程を説明するための図(縦断面図)である。
【0085】まず、インク室基板200となる基板20
を用意する。この基板20には、必要に応じて、例えば
洗浄操作、すなわち、基板20の表面に付着した付着物
を除去(例えば、脱脂等)する操作を行うようにしても
よい。
【0086】この付着物の除去は、例えば、基板20と
除去液とを接触させることにより行うことができる。
【0087】基板20と除去液との接触方法としては、
特に限定されないが、例えば、基板20を除去液中に浸
漬する方法(浸漬法)、基板20の表面に除去液を噴霧
(シャワー)する方法、基板20の表面に除去液を塗付
する方法(塗布法)等が挙げられる。
【0088】これらの中でも、前記接触方法としては、
浸漬法を用いるのが好ましい。かかる浸漬法によれば、
容易かつ確実に、基板20の表面から付着物(例えば、
有機物等)を除去することができる。また、浸漬法によ
れば、同時に複数(大量)の基板2を処理することがで
きるという利点もある。
【0089】また、この場合、除去液に超音波振動を与
えつつ行うようにしてもよいし、基板20および除去液
の少なくとも一方を揺動させつつ行うようにしてもよ
い。
【0090】除去液としては、例えば、メチルアルコー
ル、エチルアルコール、プロピルアルコール、ブチルア
ルコールのようなアルコール類、アセトン、メチルエチ
ルケトン、メチルイソブチルケトンのようなケトン類、
酢酸エチル、酢酸メチルのようなエステル類、ジエチル
エーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラ
ン、ジオキサンのようなエーテル類、アセトニトリル、
プロピオニトリルのようなニトリル類、塩化メチレン、
クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、1,1,2,
2−テトラクロロエタンのようなハロゲン化炭化水素
類、n−ヘキサン、石油エーテル、トルエン、ベンゼ
ン、キシレンのような炭化水素類等の各種有機溶媒が挙
げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わ
せて用いることができる。
【0091】[1] 層30の形成(図4のS1) 次に、基板20上に、振動板300となる層30を形成
する。
【0092】この層30の形成方法は、層30の構成材
料等により適宜選択され、特に限定されないが、例え
ば、熱CVD、プラズマCVD、レーザーCVD等の化
学蒸着法(CVD)、真空蒸着、スパッタリング、イオ
ンプレーティング等の物理蒸着法(PVD)、スパッタ
リーフロー、熱酸化法等のうちの1種または2種以上を
組み合わせて用いることができる。
【0093】また、層30を別途用意し、基板20と層
30とを、例えば圧着状態で熱処理する方法等を用いて
接合するようにしてもよい。
【0094】[2] 下地層(バッファ層)700の形
成(図4のS2) 次に、層30上に、下地層700を形成する。
【0095】下地層700の形成方法(製膜方法)とし
ては、レーザーアブレーション法が好適に用いられる。
かかる方法によれば、レーザー光の入射窓を備えた簡易
な構成の真空装置を用いて、容易かつ確実に、下地層7
00を形成することができる。
【0096】具体的には、まず、基板20と層30との
積層体(サンプル)10を、例えば、室温での背圧が1
33×10−9〜133×10−6Pa(1×10−9
〜1×10−6Torr)程度に減圧された真空装置内
に設置する。
【0097】なお、真空装置内には、積層体10に対向
して、下地層700の構成元素を含むターゲットが所定
距離、離間して配置されている。このターゲットとして
は、目的とする下地層700の組成と同一の組成または
近似組成のものが好適に使用される。また、ターゲット
の形状は、特に限定されないが、例えば円形状(円盤
状)とされ、その直径は、例えば15〜30mm程度と
される。
【0098】次いで、例えば赤外線ランプ(加熱手段)
等を用いて、積層体10を加熱して昇温する。
【0099】この昇温速度は、特に限定されないが、1
〜20℃/分程度とするのが好ましく、5〜15℃/分
程度とするのがより好ましい。
【0100】また、サンプルの温度(到達温度)も、特
に限定されず、300〜800℃程度とするのが好まし
く、400〜700℃程度とするのが好ましい。
【0101】なお、昇温速度、サンプルの温度、真空装
置内の圧力等の各条件は、積層体10(層30)の表面
に、熱酸化膜が形成されないものであれば、前記範囲に
限定されるものではない。
【0102】次いで、レーザー光をターゲットに照射す
ると、ターゲットを構成する原子が叩き出され、プルー
ムが発生する。換言すれば、プルームが積層体10(層
30)に向かって照射される。そして、このプルーム
は、積層体10(層30)に接触して、下地層700が
形成される。
【0103】このレーザー光は、好ましくは波長が15
0〜300nm程度、パルス長が1〜100ns程度の
パルス光とされる。具体的には、レーザー光としては、
例えば、ArFエキシマレーザー、KrFエキシマレー
ザー、XeClエキシマレーザーのようなエキシマレー
ザー、YAGレーザー、YVOレーザー、COレー
ザー等が挙げられる。これらの中でも、レーザー光とし
ては、特に、ArFエキシマレーザーまたはKrFエキ
シマレーザーが好適である。ArFエキシマレーザーお
よびKrFエキシマレーザーは、いずれも、取り扱いが
容易であり、また、より効率よく原子をターゲットから
叩き出すことができる。
【0104】下地層700の形成(成膜)における各条
件は、下地層700がエピタキシャル成長し得るもので
あればよく、例えば、次のようにすることができる。
【0105】レーザー光の周波数は、30Hz以下とす
るのが好ましく、15Hz以下とするのがより好まし
い。
【0106】レーザー光のエネルギー密度は、0.5J
/cm以上とするのが好ましく、2J/cm以上と
するのがより好ましい。
【0107】サンプルとターゲットとの距離は、60m
m以下とするのが好ましく、45mm以下とするのがよ
り好ましい。
【0108】また、真空装置内の圧力は、例えば、酸素
ガス供給下で133×10−3Pa(1×10−3To
rr)以上とするのが好ましく、原子状酸素ラジカル供
給下で133×10−5Pa(1×10−5Torr)
以上とするのが好ましい。
【0109】下地層700の形成における各条件を、そ
れぞれ、前記範囲とすると、より効率よく、下地層70
0をエピタキシャル成長により形成することができる。
【0110】また、このとき、レーザー光の照射時間を
適宜設定することにより、下地層700の平均厚さを前
述したような範囲に調整することができる。この場合、
レーザー光の照射時間は、前記各条件によっても異なる
が、通常、2時間以下とするのが好ましく、1時間以下
とするのがより好ましい。
【0111】なお、下地層700の形成方法としては、
これに限定されず、例えば、MBE(Molecular Beam E
pitaxy)法、真空蒸着法、スパッタリング法、MOCV
D法、ゾル・ゲル法、MOD法等の各種薄膜作製法を用
いることもできる。
【0112】なお、下地層(バッファ層)700は、そ
の構成材料の種類、後述する工程[3]〜[5]におけ
る各層の成膜条件等によっては、下地層700の厚さ方
向の少なくとも一部が消失する場合がある。
【0113】[3] 下側導電性酸化物層420’の形
成(図4のS3) 次に、下地層700上に、下側導電性酸化物層(導電性
材料層)420’を形成する。なお、この下側導電性酸
化物層420’は、後述する工程[6]により分割さ
れ、下部電極420となる。
【0114】下側導電性酸化物層420’の形成は、前
記工程[2]と同様にして行うことができる。すなわ
ち、下側導電性酸化物層420’の形成方法(製膜方
法)としては、レーザーアブレーション法が好適である
が、これに限定されず、例えば、MBE法、真空蒸着
法、スパッタリング法、MOCVD法、ゾル・ゲル法、
MOD法等の各種薄膜作製法を用いることもできる。
【0115】[4] 強誘電体材料層430’の形成
(図4のS4) 次に、下側導電性酸化物層420’上に、強誘電体材料
層430’を形成する。なお、この強誘電体材料層43
0’は、後述する工程[6]により分割され、圧電体層
430となる。
【0116】強誘電体材料層430’の形成は、前記工
程[2]と同様にして行うことができる。すなわち、強
誘電体材料層430’の形成方法(製膜方法)として
は、レーザーアブレーション法が好適であるが、これに
限定されず、例えば、MBE法、真空蒸着法、スパッタ
リング法、MOCVD法、ゾル・ゲル法、MOD法等の
各種薄膜作製法を用いることもできる。
【0117】なお、レーザーアブレーション法により強
誘電体材料層430’を形成する場合、強誘電体材料層
430’における第1のペロブスカイト型酸化物と第2
のペロブスカイト型酸化物とのモル比(組成比)は、例
えば第1のペロブスカイト型酸化物からなるターゲット
と第2のペロブスカイト型酸化物からなるターゲットと
を用いて、これらのレーザー照射位置における面積比を
変化させること等により所望のものとすることができ
る。
【0118】[5] 上側導電性酸化物層410’の形
成(図5のS5) 次に、強誘電体材料層430’上に、上側導電性酸化物
層(導電性材料層)410’を形成する。なお、この上
側導電性酸化物層410’は、後述する工程[6]によ
り分割され、上部電極410となる、上側導電性酸化物
層410’の形成は、前記工程[2]と同様にして行う
ことができる。すなわち、上側導電性酸化物層410’
の形成方法(製膜方法)としては、レーザーアブレーシ
ョン法が好適であるが、これに限定されず、例えば、M
BE法、真空蒸着法、スパッタリング法、MOCVD
法、ゾル・ゲル法、MOD法等の各種薄膜作製法を用い
ることもできる。
【0119】なお、前記工程[2]〜[5]では、必要
に応じて、各層を形成する(成膜する)際に、各層を形
成する面(成膜面)に対して、例えば、アルゴン、ネオ
ン、キセノン、クリプトンのような不活性ガスのうちの
少なくとも1種のイオン、または、これらのイオンを含
む混合イオン(例えば酸素イオンとの混合イオン等)等
をイオンビームとして照射するようにしてもよい。特
に、この方法は、前記工程[2]における下地層700
の形成時に有用である。下地層700は、その上に形成
される下側導電性酸化物層420’、強誘電体材料層4
30’の配向性の良さを決定付けるからである。例えば
下地層700として、YSZなど蛍石型構造を用いると
きには(111)面方向からのアルゴン照射が最適であ
る。また下地層700として、MgOなどNaCl型構
造を用いるときには(110)面方向からのアルゴン照
射が最適である。
【0120】[6] 圧電素子(振動源)400を形成
する工程(図5のS6) 次に、下側導電性酸化物層(導電性材料層)420’、
強誘電体材料層430’および上側導電性酸化物層(導
電性材料層)410’を所定形状に加工(分割)して、
複数の圧電素子(圧電アクチュエータ)400を形成す
る。
【0121】具体的には、まず、上側導電性酸化物層4
10’上に、インク室210を形成すべき位置に合わせ
て、例えばスピンコートによりレジスト材料を塗布した
後、露光・現像してパターニングしてレジスト層を得
る。次いで、このレジスト層をマスクとして、例えばイ
オンミリング等でエッチングする。これにより、上側導
電性酸化物層410’、強誘電体材料層430’および
下側導電性酸化物層420’の不要な部分が除去され、
複数の圧電素子400が得られる。
【0122】[7] インク室基板200の形成(図5
のS7) 次に、基板20の圧電素子400に対応した位置に、そ
れぞれインク室210となる凹部210’を、また、所
定位置にリザーバ室230および供給口240となる凹
部を形成する。
【0123】具体的には、インク室210、リザーバ室
230および供給口240を形成すべき位置に合せて、
基板20の圧電素子400と反対側の面に、前記工程
[6]と同様にしてレジスト層を形成する。次いで、こ
のレジスト層をマスクとして、エッチングを行う。これ
により、基板20の不要な部分を除去し、インク室基板
200を得る。
【0124】このとき、エッチングされずに残った部分
が、側壁220となり、また、露出した層30は、振動
板として機能し得る状態となる。
【0125】このエッチングには、例えば、平行平板型
反応性イオンエッチング、誘導結合型方式、エレクトロ
ンサイクロトロン共鳴方式、ヘリコン波励起方式、マグ
ネトロン方式、プラズマエッチング方式、イオンビーム
エッチング方式等のドライエッチング、5重量%〜40
重量%程度の水酸化カリウム、テトラメチルアンモニウ
ムハイドロオキサイド等の高濃度アルカリ水溶液による
ウエットエッチングが挙げられ、これらの1種または2
種以上を組み合わせて用いることができる。
【0126】基板20としてSi単結晶基板を用いる場
合には、ウェットエッチングが好適である。かかるウェ
ットエッチングによれば、基板20は、凹部210’、
リザーバ室230および供給口240となる凹部を、容
易かつ精度よく形成することができる。
【0127】特に、この場合、Si単結晶基板として、
(110)配向のものを用いることにより、基板20
は、面方向に対してほぼ垂直な方向に効率よく進行する
(異方性エッチングされる)ので、より精度よく凹部2
10’、リザーバ室230および供給口240となる凹
部を形成すること、すわわち、より寸法精度の高いイン
ク室基板200を得ることができる。
【0128】[8] ノズル板100を接合する工程
(図5のS8) 次に、ノズル板100を、各ノズル孔110が各凹部2
10’に対応するように位置合わせして接合する。これ
により、複数のインク室210、リザーバ室230およ
び複数の供給口240が、それぞれ区画形成される。
【0129】この接合には、例えば、接着剤による各種
接着方法、各種融着方法等を用いることができる。
【0130】次に、ヘッドHの主要部を基体500に取
り付けて、インクジェット式記録ヘッドH(ヘッドH)
を完成する。
【0131】これは、例えばインク室基板200を基体
500に対して、接着剤による接着方法等により行うこ
とができる。
【0132】なお、本実施形態のヘッドHでは、振動板
300が層30で構成されていたが、これに限定され
ず、例えば、振動板300は、層30と任意の目的で設
けられる他の層とで構成されていてもよい。
【0133】また、本実施形態では、下部電極420お
よび上部電極410は、各圧電素子400毎に設けられ
た個別電極であったが、下部電極420および上部電極
410のいずれか一方を、各圧電素子400の共通電極
として設けるようにしてもよい。
【0134】次に、本発明の吐出装置について説明す
る。図6は、本発明の吐出装置をインクジェットプリン
タに適用した場合の実施形態を示す概略図である。な
お、以下の説明では、図6中、上側を「上部」、下側を
「下部」と言う。
【0135】図6に示すインクジェットプリンタ1は、
装置本体2を備えており、上部後方に記録用紙(記録媒
体)Pを設置するトレイ21と、下部前方に記録用紙P
を排出する排紙口22と、上部面に操作パネル7とが設
けられている。
【0136】操作パネル7は、例えば、有機ELディス
プレイ、液晶ディスプレイ、LEDランプ等で構成さ
れ、エラーメッセージ等を表示する表示部(図示せず)
と、各種スイッチ等で構成される操作部(図示せず)と
を備えている。
【0137】また、装置本体2の内部には、主に、往復
動するヘッドユニット3を備える印刷装置(印刷手段)
4と、記録用紙Pを1枚ずつ印刷装置4に送り込む給紙
装置(給紙手段)5と、印刷装置4および給紙装置5を
制御する制御部(制御手段)6と、各部に電力を供給す
る電源部(図示せず)とを有している。
【0138】制御部6の制御により、給紙装置5は、記
録用紙Pを一枚ずつ間欠送りする。この記録用紙Pは、
ヘッドユニット3の下部近傍を通過する。このとき、ヘ
ッドユニット3が記録用紙Pの送り方向とほぼ直交する
方向に往復移動して、記録用紙Pへの印刷が行なわれ
る。すなわち、ヘッドユニット3の往復動と記録用紙P
の間欠送りとが、印刷における主走査および副走査とな
って、インクジェット方式の印刷が行なわれる。
【0139】印刷装置4は、ヘッドユニット3と、ヘッ
ドユニット3の駆動源となるキャリッジモータ41と、
キャリッジモータ41の回転を受けて、ヘッドユニット
3を往復動させる往復動機構42とを備えている。
【0140】ヘッドユニット3は、その下部に、多数の
ノズル孔110を備える本発明のヘッドHと、ヘッドH
にインクを供給するインクカートリッジ31と、ヘッド
Hおよびインクカートリッジ31を搭載したキャリッジ
32とを有している。
【0141】なお、インクカートリッジ31として、イ
エロー、シアン、マゼンタ、ブラック(黒)の4色のイ
ンクを充填したものを用いることにより、フルカラー印
刷が可能となる。この場合、ヘッドユニット31には、
各色にそれぞれ対応したヘッドHが設けられることにな
る。
【0142】往復動機構42は、その両端をフレーム
(図示せず)に支持されたキャリッジガイド軸421
と、キャリッジガイド軸421と平行に延在するタイミ
ングベルト422とを有している。
【0143】キャリッジ32は、キャリッジガイド軸4
21に往復動自在に支持されるとともに、タイミングベ
ルト422の一部に固定されている。
【0144】キャリッジモータ41の動作により、プー
リを介してタイミングベルト422を正逆走行させる
と、キャリッジガイド軸421に案内されて、ヘッドユ
ニット3が往復動する。そして、この往復動の際に、ヘ
ッドHから適宜インクが吐出され、記録用紙Pへの印刷
が行われる。
【0145】給紙装置5は、その駆動源となる給紙モー
タ51と、給紙モータ51の作動により回転する給紙ロ
ーラ52とを有している。
【0146】給紙ローラ52は、記録用紙Pの送り経路
(記録用紙P)を挟んで上下に対向する従動ローラ52
aと駆動ローラ52bとで構成され、駆動ローラ52b
は給紙モータ51に連結されている。これにより、給紙
ローラ52は、トレイ21に設置した多数枚の記録用紙
Pを、印刷装置4に向かって1枚ずつ送り込めるように
なっている。なお、トレイ21に代えて、記録用紙Pを
収容する給紙カセットを着脱自在に装着し得るような構
成であってもよい。
【0147】制御部6は、例えばパーソナルコンピュー
タやディジタルカメラ等のホストコンピュータから入力
された印刷データに基づいて、印刷装置4や給紙装置5
等を制御することにより印刷を行うものである。
【0148】制御部6は、いずれも図示しないが、主
に、各部を制御する制御プログラム等を記憶するメモ
リ、圧電素子(振動源)400を駆動して、インクの吐
出タイミングを制御する圧電素子駆動回路、印刷装置4
(キャリッジモータ41)を駆動する駆動回路、給紙装
置5(給紙モータ51)を駆動する駆動回路、ホストコ
ンピュータからの印刷データを入手する通信回路、およ
び、印刷データを処理するデータ処理回路と、これらに
電気的に接続され、各部での各種制御を行うCPUとを
備えている。
【0149】また、CPUには、例えば、ヘッドHの周
囲の環境条件(例えば、温度、湿度等)、インクの吐出
状況、記録用紙(記録媒体)P上の印刷状況、記録用紙
Pの供給状態、記録用紙Pの印刷部位付近の雰囲気のイ
ンク溶媒濃度等を検出可能な各種センサが、それぞれ電
気的に接続されている。
【0150】このようなインクジェットプリンタ1で
は、まず、CPUが、通信回路を介して、印刷データを
入手してメモリに格納する。次いで、データ処理回路
は、この印刷データを処理する。次いで、CPUは、こ
の処理データおよび各種センサの検出データに基づい
て、各駆動回路にそれぞれ駆動信号を出力する。この駆
動信号により圧電素子400、印刷装置4および給紙装
置5は、それぞれ作動する。これにより、記録用紙Pに
印刷が行われる。
【0151】以上、本発明の圧電素子、インクジェット
式ヘッドおよび吐出装置について、図示の実施形態に基
づいて説明したが、本発明は、これらに限定されるもの
ではない。
【0152】例えば、本発明の圧電素子、インクジェッ
ト式ヘッドおよび吐出装置を構成する各部は、同様の機
能を発揮する任意のものと置換、または、その他の構成
を追加することもできる。
【0153】また、前記実施形態では、インクジェット
式ヘッドをインクジェット式記録ヘッドに適用し、吐出
装置をインクジェットプリンタに適用した場合について
説明したが、これに限定されるものではなく、本発明の
インクジェット式ヘッドおよび吐出装置は、例えば、各
種工業用液体吐出装置に適用することもできる。この場
合、工業用液体吐出装置では、前述したようなインク
(イエロー、シアン、マゼンタ、ブラック等のカラー染
料インク)の他、例えば、インクジェット式ヘッドのノ
ズル(液体吐出口)からの吐出に適当な粘度を有する溶
液や液状物質等が使用可能である。
【0154】
【実施例】次に、本発明の具体的実施例について説明す
る。
【0155】(実施例1)次のようにして、図2に示す
インクジェット式記録ヘッドを製造した。
【0156】まず、基板として、Si(110)単結晶
基板を用意した。なお、この基板は、その平均厚さが5
00μmのものを用意した。
【0157】また、この基板を、エチルアルコールとア
セトンとの混合溶媒(除去液)に浸漬させ、かかる混合
溶媒に超音波振動を与えつつ脱脂洗浄を行った。なお、
エチルアルコールとアセトンとの配合比は、体積比で
1:1とした。
【0158】−1− 次に、この基板上に、SiO
らなる層を形成した。これは、熱酸化法により行い、平
均厚さが1μmのSiO層を形成した。
【0159】−2− 次に、このSiO層上に、Sr
Oからなる下地層(バッファ層)を形成した。
【0160】まず、基板とSiO層との積層体を基板
ホルダーに装填し、室温での背圧133×10−8Pa
(1×10−8Torr)の真空装置内に基板ホルダー
ごと設置した。
【0161】次いで、積層体を、赤外線ランプを用い
て、20℃/分で700℃まで加熱昇温した。
【0162】次いで、積層体(サンプル)に対向して配
置されたSrOターゲット表面に、ArFエキシマレ
ーザー(波長:193nm)のパルス光(パルス長:1
0ns)を入射し、SrOターゲット表面にSr、O
を含む原子のプルームを発生させた。また、このとき、
SiO層上には、面方向に対して約45°をなす方向
から、アルゴンイオンビームを照射しつつ、前記プルー
ムをサンプル(SiO 層)に照射し、平均厚さが5n
mの下地層を形成した。なお、この下地層の形成は、以
下に示す条件で行った。
【0163】・ArFエキシマレーザー エネルギー密度 :1.5J/cm 周波数 :10Hz ・レーザー照射時間 :3分 ・サンプル温度 :700℃ ・ターゲット直径 :20mm ・サンプルとターゲットとの距離:50mm ・真空装置内の酸素分圧 :酸素ガス供給下で3
99×10−3Pa(3×10−3Torr)
【0164】得られた下地層の表面(上面)を、X線回
折装置を用いて、X線回折により観察した結果、下地層
は、擬立方晶(100)配向でエピタキシャル成長をし
ていることが明らかとなった。
【0165】−3− 次に、下地層上に、(Ba0.8
Sr0.2)RuO(ペロブスカイト型構造の金属酸
化物)からなる下側導電性酸化物層を形成した。
【0166】まず、SrOターゲットに代えて、(B
0.8Sr0.2)RuOターゲットを、下地層が
形成された積層体(サンプル)に対向して設置した。
【0167】次いで、(Ba0.8Sr0.2)RuO
ターゲット表面に、ArFエキシマレーザー(波長:
193nm)のパルス光(パルス長:10ns)を入射
し、(Ba0.8Sr0.2)RuOターゲット表面
にBa、Sr、Ru、Oを含む原子のプルームを発生さ
せた。なお、この下側導電性酸化物層の形成は、以下に
示す条件で行った。
【0168】・ArFエキシマレーザー エネルギー密度 :1.5J/cm 周波数 :10Hz ・レーザー照射時間 :30分 ・サンプル温度 :700℃ ・ターゲット直径 :20mm ・サンプルとターゲットとの距離:50mm ・真空装置内の酸素分圧 :酸素ガス供給下で3
99×10−3Pa(3×10−3Torr)
【0169】得られた下側導電性酸化物層の表面(上
面)を、前記と同様の装置を用いて、X線回折により観
察した結果、下側導電性酸化物層は、擬立方晶(10
0)配向でエピタキシャル成長をしていることが明らか
となった。
【0170】−4− 次に、下側導電性酸化物層上に、
(Bi0.50.5)TiOとBaTiOとから
なる強誘電体材料層を形成した。
【0171】なお、(Bi0.50.5)TiO
温度変化に伴う結晶構造の変化を調べた結果、この(B
0.50.5)TiOは、400℃(キュリー温
度)〜270℃の温度範囲において反強誘電性状態とな
り、−20〜270℃の温度範囲において構造相転移を
生じなかった。
【0172】まず、(Ba0.8Sr0.2)RuO
ターゲットに代えて、(Bi0.50.5)TiO
ターゲットとBaTiOターゲットとを、下地層およ
び下側導電性酸化物層とが形成された積層体(サンプ
ル)に対向して設置した。
【0173】次いで、(Bi0.50.5)TiO
ターゲットおよびBaTiOターゲットの表面に、そ
れぞれ、ArFエキシマレーザー(波長:193nm)
のパルス光(パルス長:10ns)を入射し、(Bi
0.50.5)TiOターゲット表面にBi、K、
Ti、Oを含む原子のプルームを、また、BaTiO
ターゲット表面にBa、Ti、Oを含む原子のプルーム
を発生させた。そして、これらのプルームをサンプル
(下側導電性酸化物層)に照射し、平均厚さが1μmの
強誘電体材料層を形成した。なお、この強誘電体材料層
の形成は、以下に示す条件で行った。
【0174】・ArFエキシマレーザー エネルギー密度 :1.5J/cm 周波数 :10Hz ・レーザー照射時間 :40分 ・サンプル温度 :700℃ ・ターゲット直径 :20mm ・サンプルとターゲットとの距離:50mm ・真空装置内の酸素分圧 :酸素ガス供給下で3
99×10−3Pa(3×10−3Torr)
【0175】このとき、レーザー照射位置における(B
0.50.5)TiOターゲットとBaTiO
ターゲットとの面積比を調整して、強誘電体材料層にお
ける(Bi0.50.5)TiOおよびBaTiO
のモル比率が、それぞれ10%、90%となるように
調整した。
【0176】得られた強誘電体材料層の表面(上面)
を、前記と同様の装置を用いて、X線回折により観察し
た結果、強誘電体材料層は、正方晶(001)配向でエ
ピタキシャル成長をしていることが明らかとなった。
【0177】また、得られた強誘電体材料層を、非線形
型誘電率顕微鏡を用いて観察した結果、90度分域ドメ
インの存在は確認されなかった。
【0178】−5− 次に、強誘電体材料層上に、(B
0.8Sr0.2)RuO(ペロブスカイト型構造
の金属酸化物)からなる上側導電性酸化物層を形成し
た。
【0179】まず、(Bi0.50.5)TiO
ーゲットおよびBaTiOターゲットに代えて、(B
0.8Sr0.2)RuOターゲットを、下地層、
下側導電性酸化物層および強誘電体材料層が形成された
積層体(サンプル)に対向して設置した。
【0180】次いで、(Ba0.8Sr0.2)RuO
ターゲット表面に、ArFエキシマレーザー(波長:
193nm)のパルス光(パルス長:10ns)を入射
し、(Ba0.8Sr0.2)RuOターゲット表面
にBa、Sr、Ru、Oを含む原子のプルームを発生さ
せた。そして、このプルームをサンプル(強誘電体材料
層)に照射し、平均厚さが50nmの上側導電性酸化物
層を形成した。なお、この上側導電性酸化物層の形成
は、以下に示す条件で行った。
【0181】・ArFエキシマレーザー エネルギー密度 :1.5J/cm 周波数 :10Hz ・レーザー照射時間 :30分 ・サンプル温度 :700℃ ・ターゲット直径 :20mm ・サンプルとターゲットとの距離:50mm ・真空装置内の酸素分圧 :酸素ガス供給下で3
99×10−3Pa(3×10−3Torr)
【0182】得られた上側導電性酸化物層の表面(上
面)を、前記と同様の装置を用いて、X線回折により観
察した結果、上側導電性酸化物層は、擬立方晶(10
0)配向でエピタキシャル成長をしていることが明らか
となった。
【0183】−6− 次に、下側導電性酸化物層、強誘
電体材料層および上側導電性酸化物層を分割して、複数
の圧電素子を形成した。なお、圧電素子の平面視での寸
法は、縦2mm×横60μmとした。
【0184】まず、上側導電性酸化物層上に、インク室
を形成すべき位置に合わせて、レジスト層をパターン形
成した。
【0185】次いで、このレジスト層をマスクとしてイ
オンミリングによりエッチングし、下側導電性酸化物
層、強誘電体材料層および上側導電性酸化物層の不要な
部分を除去して、複数の圧電素子を形成した。次いで、
レジスト層を除去した。
【0186】−7− 次に、インク室基板を形成した。
なお、インク室の容量は、1×10 −6mLとした。
【0187】まず、基板の圧電素子と反対側の面に、イ
ンク室、リザーバ室および供給口を形成すべき位置に合
せて、レジスト層をパターン形成した。
【0188】次いで、40重量%の水酸化カリウム水溶
液を用いたウエットエッチングにより、基板の不要な部
分を除去し、インク室、リザーバ室および供給口となる
凹部を形成した。次いで、レジスト層を除去した。
【0189】−8− 次に、ステンレス製のノズル板
を、各ノズル孔がインク室となる各凹部に対応するよう
に位置合わせして接合した。これにより、複数のインク
室、リザーバ室および複数の供給口を、それぞれ区画形
成した。
【0190】−9− 最後に、各圧電素子に配線を施す
とともに、基体に固定して、インクジェット式記録ヘッ
ドを完成させた。
【0191】(実施例2〜実施例12)圧電体層(強誘
電体材料層)の構成を表1に示すように変更した以外
は、前記実施例1と同様にしてインクジェット式記録ヘ
ッドを製造した。
【0192】各実施例において得られた強誘電体材料層
の表面(上面)を、前記実施例1と同様の装置を用い
て、X線回折により観察した結果、いずれも、強誘電体
材料層は、正方晶(001)配向でエピタキシャル成長
をしていることが明らかとなった。
【0193】また、各実施例において得られた強誘電体
材料層を、前記実施例1と同様の顕微鏡を用いて観察し
た結果、いずれも、90度分域ドメインの存在は確認さ
れなかった。
【0194】(比較例)圧電体層(強誘電体材料層)を
BaTiOで構成した以外は、前記実施例1と同様に
してインクジェット式記録ヘッドを製造した。
【0195】比較例において得られた強誘電体材料層の
表面(上面)を、前記実施例1と同様の装置を用いて、
X線回折により観察した結果、強誘電体材料層は、擬立
方晶(100)配向でエピタキシャル成長をしているこ
とが明らかとなった。
【0196】しかし、比較例において得られた強誘電体
材料層を、前記実施例1と同様の顕微鏡を用いて観察し
た結果、多数の90度分域ドメインの存在が確認され
た。
【0197】(評価)実施例1〜12および比較例で製
造したインクジェット式記録ヘッドにおいて、それぞ
れ、上部電極と下部電極との間に電圧を印加し振動板の
変位量を測定した。このときの圧電波形を図7に示す。
【0198】この振動板の変位量は、レーザードップラ
ー計を用いて行った。なお、測定環境の温度を、10℃
と20℃とに設定して、それぞれ行った。この結果を表
1に示す。
【0199】
【表1】
【0200】表1に示すように、各実施例で製造したイ
ンクジェット式記録ヘッドは、いずれも、環境温度にか
かわらず、振動板の変位量が200nm以上と優れた特
性を有するものであることが確認された。
【0201】これに対し、比較例で製造したインクジェ
ット式記録ヘッドは、振動板の変位量が、各実施例のい
ずれのものよりも劣っていた。特に、環境温度が10℃
の場合、振動板の変位量が200nmを下回り、インク
の安定した吐出が困難なものであった。
【0202】また、各実施例で製造したインクジェット
式記録ヘッドを用いて、それぞれ、図6に示すようなイ
ンクジェットプリンタを製造した。
【0203】これらのインクジェットプリンタを用い
て、印刷を行った結果、高品質の印刷を行うことができ
た。
【0204】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、高
い圧電特性を有する圧電体層を得ることができる。
【0205】また、本発明によれば、高い信頼性も得ら
れる。また、圧電体層の材料の種類、組成比等を適宜設
定することにより、前記効果がより向上するとともに、
実使用温度範囲において安定した性能を発揮する。
【0206】このようなことから、本発明の圧電素子を
用いて各種インクジェット式ヘッドおよび各種吐出装置
を製造することにより、高性能のものを提供することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の圧電素子の実施形態を示す縦断面図
である。
【図2】 本発明のインクジェット式ヘッドをインクジ
ェット式記録ヘッドに適用した場合の実施形態を示す分
解斜視図(一部切り欠いて示す)である。
【図3】 図2に示すインクジェット式記録ヘッドの主
要部の構成を示す断面図である。
【図4】 図3に示すインクジェット式記録ヘッドの主
要部の製造工程を説明するための図(縦断面図)であ
る。
【図5】 図3に示すインクジェット式記録ヘッドの主
要部の製造工程を説明するための図(縦断面図)であ
る。
【図6】 本発明の吐出装置をインクジェットプリンタ
に適用した場合の実施形態を示す概略図である。
【図7】 評価試験における圧電素子への印加電圧の圧
電波形を示す図である。
【符号の説明】
1‥‥インクジェットプリンタ 2‥‥装置本体 21
‥‥トレイ 22‥‥排紙口 3‥‥ヘッドユニット
31‥‥インクカートリッジ 32‥‥キャリッジ 4
‥‥印刷装置 41‥‥キャリッジモータ 42‥‥往
復動機構 421‥‥キャリッジガイド軸 422‥‥
タイミングベルト 5‥‥給紙装置 51‥‥給紙モー
タ51 52‥‥給紙ローラ 52a‥‥従動ローラ
52b‥‥駆動ローラ 6‥‥制御部 7‥‥操作パネ
ル 10‥‥積層体 20‥‥基板 30‥‥層 10
0‥‥ノズル板 110‥‥ノズル孔 200‥‥イン
ク室基板 210‥‥インク室 210’ ‥‥凹部
220‥‥側壁 230‥‥リザーバ室 240‥‥供
給口 300‥‥振動板 310‥‥連通孔 400‥
‥圧電素子 410‥‥上部電極 410’ ‥‥上側
導電性酸化物層 420‥‥下部電極 420’ ‥‥
下側導電性酸化物層 430‥‥圧電体層 430’‥‥強誘電体材料層 500‥‥基体 700
‥‥下地層 H‥‥インクジェット式記録ヘッド P‥
‥記録用紙
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01L 41/187 H01L 41/18 101C 101D 41/08 U (72)発明者 岩下 節也 長野県諏訪市大和3丁目3番5号 セイコ ーエプソン株式会社内 Fターム(参考) 2C057 AF51 AF65 AG12 AG44 AG47 AP03 AP13 AP14 AP23 AP31 AP53 AQ02 BA04 BA14

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1の電極と、 該第1の電極に対向する第2の電極と、 これらの電極の間に介挿され、キュリー温度直下で反強
    誘電性状態となり、−20〜100℃の温度範囲で強誘
    電体であり、かつ、前記温度範囲で構造相転移を示さな
    いペロブスカイト型構造の金属酸化物を含む圧電体層と
    を有することを特徴とする圧電素子。
  2. 【請求項2】 第1の電極と、 該第1の電極に対向する第2の電極と、 これらの電極の間に介挿され、キュリー温度直下で反強
    誘電性状態となり、−20〜100℃の温度範囲で強誘
    電体であり、かつ、前記温度範囲で構造相転移を示さな
    いペロブスカイト型構造の金属酸化物と、他のペロブス
    カイト型構造の金属酸化物とを含む圧電体層とを有する
    ことを特徴とする圧電素子。
  3. 【請求項3】 前記キュリー温度直下で反強誘電性状態
    となり、−20〜100℃の温度範囲で強誘電体であ
    り、かつ、前記温度範囲で構造相転移を示さないペロブ
    スカイト型構造の金属酸化物の含有量をX[mol]と
    し、前記他のペロブスカイト型構造の金属酸化物の含有
    量をY[mol]としたとき、Y/(X+Y)≦0.9
    なる関係を満足する請求項2に記載の圧電素子。
  4. 【請求項4】 前記他のペロブスカイト型構造の金属酸
    化物は、組成式ABO(ただし、Aは、Pb、Ba、
    Srのうちの少なくとも1種の元素、Bは、4A族元素
    のうちの少なくとも1種の元素)で表されるものである
    請求項2または3に記載の圧電素子。
  5. 【請求項5】 前記キュリー温度直下で反強誘電性状態
    となるペロブスカイト型構造の金属酸化物は、(Bi
    0.50.5)TiOである請求項1ないし4のい
    ずれかに記載の圧電素子。
  6. 【請求項6】 前記圧電体層は、正方晶(001)配向
    したものである請求項1ないし5のいずれかに記載の圧
    電素子。
  7. 【請求項7】 前記圧電体層は、前記第1の電極上にエ
    ピタキシャル成長により形成されたものである請求項1
    ないし6のいずれかに記載の圧電素子。
  8. 【請求項8】 前記第1の電極は、ペロブスカイト型構
    造の金属酸化物を含むものである請求項1ないし7のい
    ずれかに記載の圧電素子。
  9. 【請求項9】 請求項1ないし8のいずれかに記載の圧
    電素子と、 前記圧電素子の振動により振動する振動板とを有するこ
    とを特徴とするインクジェット式ヘッド。
  10. 【請求項10】 請求項9に記載のインクジェット式ヘ
    ッドを備えることを特徴とする吐出装置。
JP2002090045A 2002-03-27 2002-03-27 圧電素子、インクジェット式ヘッドおよび吐出装置 Pending JP2003289161A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002090045A JP2003289161A (ja) 2002-03-27 2002-03-27 圧電素子、インクジェット式ヘッドおよび吐出装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002090045A JP2003289161A (ja) 2002-03-27 2002-03-27 圧電素子、インクジェット式ヘッドおよび吐出装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003289161A true JP2003289161A (ja) 2003-10-10

Family

ID=29235438

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002090045A Pending JP2003289161A (ja) 2002-03-27 2002-03-27 圧電素子、インクジェット式ヘッドおよび吐出装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003289161A (ja)

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007134565A (ja) * 2005-11-11 2007-05-31 Seiko Epson Corp 圧電材料、圧電素子、圧電アクチュエータ、液体噴射ヘッド、表面弾性波素子およびデバイス
US7235917B2 (en) 2004-08-10 2007-06-26 Canon Kabushiki Kaisha Piezoelectric member element and liquid discharge head comprising element thereof
JP2008072081A (ja) * 2006-03-22 2008-03-27 Ngk Insulators Ltd 圧電/電歪素子の製造方法
JP2012199339A (ja) * 2011-03-18 2012-10-18 Ricoh Co Ltd 非鉛薄膜アクチュエータ
US9190601B2 (en) 2013-06-28 2015-11-17 Seiko Epson Corporation Piezoelectric material, piezoelectric element, liquid ejecting head, liquid ejecting apparatus, ultrasonic sensor, piezoelectric motor, and power generator
KR101585573B1 (ko) 2013-06-28 2016-01-14 세이코 엡슨 가부시키가이샤 압전 재료, 압전 소자, 액체 분사 헤드, 액체 분사 장치, 초음파 센서, 압전 모터 및 발전 장치
US9276193B2 (en) 2013-06-28 2016-03-01 Seiko Epson Corporation Piezoelectric material, piezoelectric element, liquid ejecting head, liquid ejecting apparatus, ultrasonic sensor, piezoelectric motor, and power generator
WO2017111090A1 (ja) * 2015-12-25 2017-06-29 Tdk株式会社 圧電薄膜、圧電薄膜素子、圧電アクチュエータ、圧電センサ、ヘッドアセンブリ、ヘッドスタックアセンブリ、ハードディスクドライブ、プリンタヘッド、及びインクジェットプリンタ装置
US10427981B2 (en) 2014-12-26 2019-10-01 Seiko Epson Corporation Piezoelectric material, method of manufacturing the same, piezoelectric element, and piezoelectric element application device

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7235917B2 (en) 2004-08-10 2007-06-26 Canon Kabushiki Kaisha Piezoelectric member element and liquid discharge head comprising element thereof
JP2007134565A (ja) * 2005-11-11 2007-05-31 Seiko Epson Corp 圧電材料、圧電素子、圧電アクチュエータ、液体噴射ヘッド、表面弾性波素子およびデバイス
JP2008072081A (ja) * 2006-03-22 2008-03-27 Ngk Insulators Ltd 圧電/電歪素子の製造方法
JP2012199339A (ja) * 2011-03-18 2012-10-18 Ricoh Co Ltd 非鉛薄膜アクチュエータ
US9190601B2 (en) 2013-06-28 2015-11-17 Seiko Epson Corporation Piezoelectric material, piezoelectric element, liquid ejecting head, liquid ejecting apparatus, ultrasonic sensor, piezoelectric motor, and power generator
KR101585573B1 (ko) 2013-06-28 2016-01-14 세이코 엡슨 가부시키가이샤 압전 재료, 압전 소자, 액체 분사 헤드, 액체 분사 장치, 초음파 센서, 압전 모터 및 발전 장치
US9276193B2 (en) 2013-06-28 2016-03-01 Seiko Epson Corporation Piezoelectric material, piezoelectric element, liquid ejecting head, liquid ejecting apparatus, ultrasonic sensor, piezoelectric motor, and power generator
US9324933B2 (en) 2013-06-28 2016-04-26 Seiko Epson Corporation Piezoelectric material, piezoelectric element, liquid ejecting head, liquid ejecting apparatus, ultrasonic sensor, piezoelectric motor, and power generator
US10427981B2 (en) 2014-12-26 2019-10-01 Seiko Epson Corporation Piezoelectric material, method of manufacturing the same, piezoelectric element, and piezoelectric element application device
WO2017111090A1 (ja) * 2015-12-25 2017-06-29 Tdk株式会社 圧電薄膜、圧電薄膜素子、圧電アクチュエータ、圧電センサ、ヘッドアセンブリ、ヘッドスタックアセンブリ、ハードディスクドライブ、プリンタヘッド、及びインクジェットプリンタ装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4859333B2 (ja) 電子デバイス用基板の製造方法
US7216962B2 (en) Ink jet recording head and ink jet printer with piezoelectric element
JP4844750B2 (ja) 圧電素子、インクジェット式記録ヘッド、およびインクジェットプリンター
US7268472B2 (en) Piezoelectric device, liquid jetting head, ferroelectric device, electronic device and methods for manufacturing these devices
JP3817729B2 (ja) 圧電アクチュエータ及び液体吐出ヘッド
JP2007243200A (ja) 圧電体デバイス、液体吐出ヘッド、強誘電体デバイス及び電子機器並びにこれらの製造方法
JP2008041921A (ja) 圧電薄膜素子およびその製造方法、ならびにインクジェットヘッドおよびインクジェット式記録装置
JP2003289161A (ja) 圧電素子、インクジェット式ヘッドおよび吐出装置
JP4211586B2 (ja) 圧電体デバイス及び液体吐出ヘッド並びにこれらの製造方法、薄膜形成装置
JP4507564B2 (ja) 圧電体デバイスの製造方法と液体吐出ヘッドの製造方法と液体吐出装置の製造方法
JP4092556B2 (ja) 圧電体デバイス及び強誘電体デバイスの製造方法
JP2004179642A (ja) 圧電体デバイス、液体吐出ヘッド、強誘電体デバイス及び電子機器並びにこれらの製造方法
US7310862B2 (en) Method for manufacturing a piezoelectric device
JP2005302933A (ja) 圧電素子、圧電アクチュエーター、インクジェット式記録ヘッド、インクジェットプリンター、表面弾性波素子、周波数フィルタ、発振器、電子回路、薄膜圧電共振器、及び電子機器
JP5024310B2 (ja) インクジェット式記録ヘッドおよびインクジェットプリンタ
JP2003282987A (ja) 電子デバイスおよびインクジェットプリンタ
JP2005166912A (ja) 強誘電体薄膜の製造方法、強誘電体メモリ素子、圧電体素子、インクジェット式記録ヘッド、インクジェットプリンター、表面弾性波素子、周波数フィルタ、発振器、電子回路、及び電子機器
JP4062511B2 (ja) 圧電体デバイス及び強誘電体デバイスの製造方法
JP4678410B2 (ja) ヘッドの製造方法及びプリンタの製造方法
JP4507565B2 (ja) 圧電体デバイスの製造方法と液体吐出ヘッドの製造方法と液滴吐出装置の製造方法
JP2003285438A (ja) インクジェット式記録ヘッドおよびインクジェットプリンタ
JP4016421B2 (ja) 圧電体デバイス、液体吐出ヘッド、強誘電体デバイス及び電子機器の製造方法
JP2003285444A (ja) 基板、インクジェット式記録ヘッドおよびインクジェットプリンタ
JP3740851B2 (ja) インクジェット式記録ヘッド
JP2003285445A (ja) インクジェット式ヘッドの製造方法、インクジェット式ヘッドおよび吐出装置