JP2003285438A - インクジェット式記録ヘッドおよびインクジェットプリンタ - Google Patents

インクジェット式記録ヘッドおよびインクジェットプリンタ

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JP2003285438A
JP2003285438A JP2002089799A JP2002089799A JP2003285438A JP 2003285438 A JP2003285438 A JP 2003285438A JP 2002089799 A JP2002089799 A JP 2002089799A JP 2002089799 A JP2002089799 A JP 2002089799A JP 2003285438 A JP2003285438 A JP 2003285438A
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JP
Japan
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ink
recording head
ink jet
single crystal
jet recording
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Withdrawn
Application number
JP2002089799A
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English (en)
Inventor
Hiroshi Miyazawa
弘 宮澤
Setsuya Iwashita
節也 岩下
Amamitsu Higuchi
天光 樋口
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Seiko Epson Corp
Original Assignee
Seiko Epson Corp
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Publication date
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  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 インクジェットプリンタの小型化に有利な集
積回路を備えるインクジェット式記録ヘッド、および、
高い印刷品質を維持しつつ、より小型のインクジェット
プリンタを提供すること。 【解決手段】 図5に示すインクジェット式記録ヘッド
Hの主要部は、複数のインク室210を形成するインク
室基板200の下側に、ノズル板100が接合され、上
側に、振動板300が接触して設けられている。また、
振動板300のインク室基板200と反対側には、各イ
ンク室210に対応する位置に圧電素子400が下地層
700を介して設けられている。このヘッドHは、Si
単結晶基板とSi単結晶層とでストッパ層を挟持してな
る基板を用いて製造され、Si単結晶基板がインク室基
板200とされ、Si単結晶層およびストッパ層が振動
板300とされている。また、振動板300の圧電素子
400と同じ側には、集積回路9が振動板300と一体
的に形成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インクジェット式
記録ヘッドおよびインクジェットプリンタに関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、インクジェットプリンタは、主
に、インクジェット式記録ヘッドを備える印刷装置(印
刷手段)、給紙装置(給紙手段)、インクジェットプリ
ンタの各部を制御する制御部(制御手段)、および、イ
ンクジェットプリンタの各部に電力を供給する電源部を
有し、これらが装置本体内に収納されている。
【0003】近年、より高解像度の印刷品質を提供する
ことができるインクジェットプリンタが開発されてい
る。
【0004】そして、今後、高い印刷品質を維持しつ
つ、さらにコンパクトな(小型化された)インクジェッ
トプリンタの開発が要望されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、イン
クジェットプリンタの小型化に有利な集積回路を備える
インクジェット式記録ヘッド、および、高い印刷品質を
維持しつつ、より小型のインクジェットプリンタを提供
することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】このような目的は、下記
(1)〜(22)の本発明により達成される。
【0007】(1) 振動源と、該振動源の振動により
振動する振動板と、該振動板の前記振動源と反対側に設
けられ、インクを貯留するインク室を形成するインク室
基板と、前記振動板の前記振動源と同じ側に設置された
少なくとも1つの集積回路とを有することを特徴とする
インクジェット式記録ヘッド。
【0008】(2) 前記集積回路は、前記振動板と一
体的に形成されている上記(1)に記載のインクジェッ
ト式記録ヘッド。
【0009】(3) 振動源と、該振動源側にSi単結
晶で構成されたSi単結晶層を有し、前記振動源の振動
により振動する振動板と、該振動板の前記振動源と反対
側に設けられ、インクを貯留するインク室を形成するイ
ンク室基板と、前記振動板の前記Si単結晶層上に、該
Si単結晶層と一体的に形成された少なくとも1つの集
積回路とを有することを特徴とするインクジェット式記
録ヘッド。
【0010】(4) 前記Si単結晶層は、(100)
配向または(111)配向のものである上記(3)に記
載のインクジェット式記録ヘッド。
【0011】(5) 前記集積回路は、前記振動源を駆
動する駆動回路、印刷データを処理するデータ処理回
路、印刷データを入手する通信回路、前記インクジェッ
ト式記録ヘッドの周囲の環境条件を検出する検出手段の
うちの少なくとも1つを構成するものである上記(1)
ないし(4)のいずれかに記載のインクジェット式記録
ヘッド。
【0012】(6) 前記振動源と前記振動板との間に
は、これらの接合性を向上させる機能を有する下地層が
設けられている上記(1)ないし(5)のいずれかに記
載のインクジェット式記録ヘッド。
【0013】(7) 前記インク室は、前記振動板の振
動により容積が変化し、この容積変化により、インクを
吐出するよう構成されている上記(1)ないし(6)の
いずれかに記載のインクジェット式記録ヘッド。
【0014】(8) 前記インク室は、複数設けられて
おり、前記振動源は、複数の前記インク室に対応して、
それぞれ設けられている上記(1)ないし(7)のいず
れかに記載のインクジェット式記録ヘッド。
【0015】(9) 前記インク室基板の前記振動板と
反対側には、複数の前記インク室に対応して、それぞれ
インクを吐出可能なノズル孔が設けられている上記
(8)に記載のインクジェット式記録ヘッド。
【0016】(10) 複数の前記ノズル孔は、前記イ
ンク室基板の前記振動板と反対側に設けられたノズル板
に形成されている上記(9)に記載のインクジェット式
記録ヘッド。
【0017】(11) 前記ノズル板の前記ノズル孔の
近傍には、インクの吐出状況、記録媒体上の印刷状況、
記録媒体の供給状態、記録媒体の印刷部位付近の雰囲気
のうちの少なくとも1つを検出可能な検出手段が設けら
れている上記(10)に記載のインクジェット式記録ヘ
ッド。
【0018】(12) 前記検出手段は、記録媒体の印
刷部位付近の雰囲気のインク溶媒の濃度を検出可能であ
る上記(11)に記載のインクジェット式記録ヘッド。
【0019】(13) 前記インク室基板は、Si単結
晶基板から得られたものである上記(1)ないし(1
2)のいずれかに記載のインクジェット式記録ヘッド。
【0020】(14) 前記Si単結晶基板は、(11
0)配向のものである上記(13)に記載のインクジェ
ット式記録ヘッド。
【0021】(15) 前記インク室基板は、前記Si
単結晶基板に対してエッチングを施すことにより得られ
たものである上記(13)または(14)に記載のイン
クジェット式記録ヘッド。
【0022】(16) 前記エッチングは、異方性エッ
チングである上記(15)に記載のインクジェット式記
録ヘッド。
【0023】(17) 前記振動板の厚さ方向の少なく
とも一部が、前記エッチングの際に浸食の進行を防止す
るストッパ層として機能する上記(15)または(1
6)に記載のインクジェット式記録ヘッド。
【0024】(18) 前記振動板は、前記インク室基
板側にアモルファス状態の物質で構成されたアモルファ
ス層を有し、該アモルファス層が前記ストッパ層として
機能する上記(17)に記載のインクジェット式記録ヘ
ッド。
【0025】(19) 前記アモルファス状態の物質
は、酸化物である上記(18)に記載のインクジェット
式記録ヘッド。
【0026】(20) 前記酸化物は、SiOである
上記(19)に記載のインクジェット式記録ヘッド。
【0027】(21) 前記アモルファス状態の物質
は、窒化物である上記(18)に記載のインクジェット
式記録ヘッド。
【0028】(22) 上記(1)ないし(21)のい
ずれかに記載のインクジェット式記録ヘッドを備えるこ
とを特徴とするインクジェットプリンタ。
【0029】
【発明の実施の形態】本発明者は、通常、装置本体内に
配設される、例えば制御部やセンサ等を構成する集積回
路の少なくとも一部を、インクジェット式記録ヘッドに
搭載(組み込む)ことにより、インクジェットプリンタ
の小型化を図るべく、鋭意検討を重ね、本発明を完成す
るに至った。
【0030】以下、本発明のインクジェット式記録ヘッ
ドおよびインクジェットプリンタの好適な実施形態につ
いて説明する。
【0031】まず、本発明のインクジェット式記録ヘッ
ドおよびインクジェットプリンタについて説明する前
に、本発明のインクジェット式記録ヘッドの製造に用い
る基板について説明する。
【0032】<基板>図1は、本発明のインクジェット
式記録ヘッドの製造に用いる基板の実施形態を示す断面
図であり、図2および図3は、それぞれ、図1に示す基
板の製造工程を説明するための図(断面図)である。
【0033】図1に示す基板10は、Si単結晶基板2
0と、Si単結晶基板20上に形成された(設けられ
た)ストッパ層30と、このストッパ層30を介してS
i単結晶基板20と反対側に設けられたSi単結晶層6
0とを有している。換言すれば、この基板10は、Si
単結晶基板20とSi単結晶層60とで、ストッパ層3
0を挟持した構成とされている。
【0034】Si単結晶基板20には、後述するよう
に、インク室210となる凹部210’、その他、リザ
ーバ室230および供給口240となる凹部が、それぞ
れエッチングにより形成される。すなわち、このSi単
結晶基板20に対してエッチングを施すことにより、後
述する本発明のインクジェット式記録ヘッドH(以下、
単に「ヘッドH」と言う。)のインク室基板200が得
られる。
【0035】このSi単結晶基板20、すなわち、Si
単結晶で構成される基板は、汎用的な基板であるので、
このSi単結晶基板20を用いて基板10を構成するこ
とにより、基板10、延いては、ヘッドHの製造コスト
を低減することができる。
【0036】Si単結晶基板20の平均厚さは、特に限
定されないが、10μm〜1mm程度であるのが好まし
く、30〜300μm程度であるのがより好ましい。S
i単結晶基板20の平均厚さを、前記範囲とすることに
より、得られるヘッドHは、十分な強度を確保しつつ、
その小型化(特に、薄型化)を図ることができる。
【0037】Si単結晶基板20上には、ストッパ層3
0が形成され(設けられ)ている。このストッパ層30
は、Si単結晶基板20に前記凹部210’を含む所定
のパターン形状をエッチングにより形成する際に、浸食
の進行を防止する機能を有するものである。このストッ
パ層30を設けることにより、エッチングによる浸食が
過度(必要以上)に進み、ストッパ層30のSi単結晶
基板20と反対側に設けられる各部(特に、後述する振
動源としての圧電素子400)が侵食されるのを防止す
ることができる。その結果、ヘッドHの機能(性能)が
低下、または、失われることを防止することができる。
【0038】また、後述するように、このストッパ層3
0は、Si単結晶層60とともに、圧電素子400の振
動により振動する振動板300として機能する。換言す
れば、振動板300の厚さ方向の少なくとも一部がスト
ッパ層として機能する。このため、ストッパ層30に
は、エッチングによる浸食の進行を防止する機能に加え
て、振動板としての十分な強度(物理的性質)が要求さ
れる。
【0039】かかる観点からは、ストッパ層30は、ア
モルファス状態の物質で構成されているのが好ましい。
このようなストッパ層(アモルファス層)30は、エッ
チングによる浸食の進行を防止する機能を十分に発揮す
ることができるとともに、振動板に要求される十分な強
度を確保することができる。
【0040】このアモルファス状態の物質としては、特
に限定されないが、例えば、SiO 、Si、A
、ZrO、TiO、Yのような各種
酸化物、TiN、BN、AlNのような各種窒化物、各
種樹脂材料、各種ガラス材料等が挙げられ、これらのう
ちの1種または2種以上を組み合わせて用いることがで
きる。
【0041】これらの中でも、アモルファス状態の物質
としては、酸化物または窒化物が好ましく、酸化物であ
るSiOが最適である。酸化物(特に、SiO)ま
たは窒化物を用いてストッパ層30を構成することによ
り、前記効果が特に顕著となる。
【0042】このようなストッパ層30の平均厚さは、
特に限定されないが、100nm〜50μm程度とする
のが好ましく、500nm〜2μm程度とするのがより
好ましい。ストッパ層30の平均厚さを、前記範囲とす
ることにより、得られるヘッドHの大型化を防止しつ
つ、ストッパ層30は、振動板に要求される十分な強度
を確保することができる。なお、ストッパ層30は、前
記範囲において、エッチングによる浸食の進行を防止す
る機能を十分に発揮することができる。
【0043】ストッパ層30上には、Si単結晶層60
が接合され(設けられ)ている。このSi単結晶層6
0、すなわち、Si単結晶で構成される層(基板)は、
汎用的なものであるので、このSi単結晶層60を用い
て基板10を構成することにより、基板10、延いて
は、ヘッドHの製造コストを低減することができる。
【0044】また、Si単結晶層60上に各部(各層)
を成膜した場合、各層は、それぞれSi単結晶層60の
配向方位に依存して(影響を受けて)成長、すなわち、
エピタキシャル成長するので、その配向方位が揃うよう
になる。
【0045】後述するヘッドHでは、Si単結晶層60
上に、少なくとも下地層700、圧電素子400の下部
電極420となる導電性酸化物層420’、および、圧
電体層430となる強誘電体材料層430’を、順次成
膜していく。したがって、下地層700、導電性酸化物
層420’(下部電極420)、および、強誘電体材料
層430’(圧電体層430)は、それぞれ、その配向
方位が揃うようになる。このように、配向方位が揃った
圧電体層430を有する圧電素子400は、電界歪み特
性等の各種特性が向上する。その結果、ヘッドHは、そ
の性能が向上する。
【0046】このようなSi単結晶層60の平均厚さ
は、10nm〜50μm程度であるのが好ましく、20
nm〜2μm程度であるのがより好ましい。Si単結晶
層60の平均厚さを、前記範囲とすることにより、得ら
れるヘッドHの大型化を防止しつつ、Si単結晶層60
は、前記効果を好適に発揮することができる。
【0047】また、このSi単結晶層60は、前記スト
ッパ層30とともに振動板300を構成するが、Si単
結晶層60の平均厚さを、このように薄くすることによ
り、振動板300の強度が、必要以上に大きくなるのを
防止することができる。
【0048】さて、このような構成の基板10は、Si
単結晶基板20とSi単結晶層60との配向方位を、互
いに異なるようにすることもできるし、一致するように
することもできるが、Si単結晶基板20とSi単結晶
層60とは、互いに配向方位が異なっているのが好まし
い。
【0049】具体的には、次のようにするのが好まし
い。すなわち、前述したように、圧電体層430は、S
i単結晶層60の配向方位に依存して(影響を受けて)
成長するので、圧電体層430の配向方位が、圧電素子
400の各種特性を向上させることができるような配向
方位となるように、Si単結晶層60の配向方位を選択
する。一方、Si単結晶基板20の配向方位は、エッチ
ングに適し、かつ、面方向に対してほぼ垂直な方向にエ
ッチングによる浸食が進行するものを選択する。このよ
うな構成の基板10は、ヘッドHを製造する上で、極め
て有用な基板である。
【0050】かかる観点からは、Si単結晶層60とし
ては、(100)配向または(111)配向のものが好
ましい。このような(100)配向または(111)配
向Si単結晶層を用いることにより、圧電体層430
を、例えば、正方晶(001)配向、正方晶(111)
配向、菱面体晶(001)配向、菱面体晶(111)配
向等でエピタキシャル成長により形成することができ
る。かかる圧電体層430を有する圧電素子400は、
電界歪み特性等の各種特性が特に優れたものとなる。
【0051】一方、Si単結晶基板20としては、(1
10)配向のものが好ましい。このような(110)配
向のSi単結晶基板は、より容易にエッチング(特に、
異方性エッチング)されるとともに、面方向に対してほ
ぼ垂直な方向にエッチングによる浸食が、精度よく進行
するので、寸法精度の高いインク室基板200を得るこ
とができる。
【0052】次に、このような基板10の製造方法につ
いて、図2および図3を参照しつつ説明する。
【0053】前述した基板10は、例えば、次のように
して製造することができる。 <I> まず、Si単結晶基板20とSi単結晶層60
との配向方位が異なる基板10を製造する場合について
説明する(図2参照)。
【0054】<I−1> Si単結晶基板20となる、
例えば(110)配向のSi単結晶板20aと、Si単
結晶層60となる、例えば(100)配向のSi単結晶
板60aとを用意する。
【0055】<I−2> 次に、Si単結晶板20a上
に、SiOからなるストッパ層30を形成する。これ
は、Si単結晶板20aのストッパ層30を形成する面
に対して、例えば、大気中、酸素ガス中等の酸化性雰囲
気で、熱処理を施すことにより、容易に行うことができ
る。
【0056】この熱処理条件は、特に限定されないが、
900〜1400℃×20分〜2時間程度とするのが好
ましい。この熱処理条件を適宜設定することにより、前
述したような平均厚さのストッパ層30を形成する。
【0057】なお、ストッパ層30を、例えばSiO
以外の各種酸化物、各種窒化物で構成する場合には、か
かるストッパ層30は、例えば、熱CVD、プラズマC
VD、レーザーCVD等の化学蒸着法(CVD)、真空
蒸着、スパッタリング、イオンプレーティング等の物理
蒸着法(PVD)、スパッタリーフロー等により形成す
ることができる。
【0058】また、ストッパ層30を、例えば各種樹脂
材料、各種ガラス材料で構成する場合には、シート状の
ストッパ層30を、例えば各種接着法、各種融着法等に
よりSi単結晶板20a上に接合するようにすればよ
い。
【0059】<I−3> 次に、ストッパ層30が形成
されたSi単結晶板20aと、Si単結晶板60aとを
貼り合わせ(接合して)、これらを一体化させる。
【0060】この接合には、例えば、ストッパ層30に
Si単結晶板60aを圧着させた状態で、熱処理する方
法が好適に用いられる。かかる方法によれば、容易かつ
確実に、ストッパ層30が設けられたSi単結晶板20
aと、Si単結晶板60aとを一体化させることができ
る。
【0061】この熱処理条件は、ストッパ層30の構成
材料等により適宜設定され、特に限定されないが、90
0〜1400℃×20分〜2時間程度とするのが好まし
い。なお、接合には、その他の各種接着方法、各種融着
方法等を用いてもよい。
【0062】<I−4> 次に、Si単結晶板20aお
よびSi単結晶板60aに対して、それぞれ、例えば、
研削、研磨、エッチング等の後処理を施すことにより、
それらの形状(厚さ)を整えて、Si単結晶基板20お
よびSi単結晶層60を得る。このとき、Si単結晶基
板20およびSi単結晶層60の平均厚さを、それぞれ
前述したような範囲とする。なお、本工程<I−4>
は、必要に応じて省略することもできる。
【0063】<II> 次に、Si単結晶基板20とSi
単結晶層60との配向方位が一致し、かつ、SiO
らなるストッパ層30を有する基板10を製造する場合
について説明する(図3参照)。
【0064】<II−1> まず、基板10となる、例え
ば(110)配向のSi単結晶板10bを用意する。
【0065】<II−2> 次に、このSi単結晶板10
bに対して酸素イオンを注入した後、熱処理を施す。こ
れにより、Si単結晶板10bの厚さ方向の途中に、S
iO 層(ストッパ層)30が形成される。このストッ
パ層30の生成により、Si単結晶板10bは、上側の
Si単結晶板60bと、下側のSi単結晶板20bとに
分割(分離)される。
【0066】この酸素注入量は、特に限定されないが、
1×1016〜1×1020cm 程度とするのが好
ましく、1×1017〜1×1019cm−2程度とす
るのがより好ましい。
【0067】また、酸素イオンの加速電圧は、特に限定
されないが、10〜1000keV程度とするのが好ま
しく、100〜500keV程度とするのがより好まし
い。
【0068】これらの各条件を適宜設定することによ
り、ストッパ層30の厚さを調整することができる。
【0069】また、熱処理条件も、特に限定されない
が、900℃以上×20分〜2時間程度とするのが好ま
しい。
【0070】<II−3> 次に、必要に応じて、この基
板10bに対して高温酸化処理を施す。これにより、S
i単結晶板60bのストッパ層30との界面付近が熱酸
化され、ストッパ層30の厚さが増大する。なお、この
とき、Si単結晶板60bの表面付近にも、熱酸化膜9
0が形成される。なお、この熱酸化膜90は、次工程<
II−4>を行うことにより除去することができる。
【0071】<II−4> 次に、必要に応じて、前記工
程<I−4>と同様の工程を行う。これにより、Si単
結晶基板20およびSi単結晶層60を得る。以上のよ
うな工程を経て、基板10が製造される。
【0072】<インクジェット式記録ヘッド>次に、本
発明のインクジェット式記録ヘッドについて説明する。
【0073】図4は、本発明のインクジェット式記録ヘ
ッドの実施形態を示す分解斜視図(一部切り欠いて示
す)であり、図5は、図4に示すインクジェット式記録
ヘッドの主要部の構成を示す側面図(a)および平面図
(b)であり、図6は、図4に示すインクジェット式記
録ヘッドの主要部の構成を示す断面図であり、図7およ
び図8は、それぞれ、図6に示すインクジェット式記録
ヘッドの主要部の製造工程を説明するための図(断面
図)であり、図9は、集積回路の一部(トランジスタ)
の構成を示す断面図である。なお、図4は、通常使用さ
れる状態とは、上下逆に示されている。
【0074】図4に示すインクジェット式記録ヘッドH
(ヘッドH)は、主に、ノズル板100と、インク室基
板200と、振動板300と、圧電素子(振動源)40
0とを備え、これらが基体500に収納されている。こ
のヘッドHは、前述した基板10を用いて製造されたも
のであり、基板10のSi単結晶基板20がインク室基
板200とされ、ストッパ層(アモルファス層)30お
よびSi単結晶層60が振動板300とされている。
【0075】なお、このヘッドHは、オンデマンド形の
ピエゾジェット式ヘッドを構成する。
【0076】ノズル板100は、例えばステンレス製の
圧延プレート等で構成されている。このノズル板100
には、インク滴を吐出可能なノズル孔110が多数形成
されている。これらのノズル孔110のピッチは、印刷
精度に応じて適宜設定される。
【0077】また、ノズル板100(図5(a)中下側
の面)には、ノズル孔110の近傍にセンサ8(後に詳
述する)が設けられている。
【0078】ノズル板100には、インク室基板200
が固着(固定)されている。このインク室基板200に
は、ノズル板100、側壁(隔壁)220および後述す
る振動板300により、複数のインク室(キャビティ、
圧力室)210と、インクカートリッジ31から供給さ
れるインクを一時的に貯留するリザーバ室230と、リ
ザーバ室230から各インク室210に、それぞれイン
クを供給する供給口240とが区画形成されている。
【0079】これらのインク室210は、それぞれ短冊
状(直方体状)に形成され、各ノズル孔110に対応し
て配設されている。各インク室210は、後述する振動
板300の振動により容積が変化し、この容積変化によ
り、インクを吐出するよう構成されている。
【0080】また、インク室210の容積は、特に限定
されないが、1×10−7〜2×10−5mL程度とす
るのが好ましく、5×10−7〜1×10−5mL程度
とするのがより好ましい。
【0081】一方、インク室基板200のノズル板10
0と反対側には、振動板300がインク室基板200の
側壁220に接触して設けられ、さらに振動板300の
インク室基板200と反対側には、複数の圧電素子40
0が下地層700を介して設けられている。
【0082】また、振動板300の所定位置には、その
厚さ方向に貫通して連通孔310が形成されている。こ
の連通孔310を介して、インクカートリッジ31から
リザーバ室230に、インクが供給可能とされている。
【0083】本実施形態では、この振動板300は、イ
ンク室基板200側のアモルファス状態の物質で構成さ
れたアモルファス層30と、圧電素子400側のSi単
結晶で構成されたSi単結晶層60とで構成されてい
る。
【0084】このうち、前述したように、アモルファス
層30が、インク室基板200をエッチングにより得る
際に、エッチングによる浸食が過度(必要以上)に進行
するのを防止するストッパ層として機能する。
【0085】また、振動板300の圧電素子(振動源)
400と同じ側には、集積回路9(後に詳述する)とし
て、圧電素子駆動回路91、通信回路92、データ処理
回路93、および、センサ94が設けられている。すな
わち、この集積回路9は、振動板300(Si単結晶層
60)上に設置(接合)、好ましくはSi単結晶層60
と一体的に形成されている。
【0086】また、アモルファス層(ストッパ層)30
を構成するアモルファス状態の物質は、前述した通りで
あるが、これらのアモルファス状態の物質は、絶縁材料
または半導体材料でもある。このため、これらの材料を
用いてアモルファス層(ストッパ層)30を構成するこ
とにより、ヘッドHでは、Si単結晶層60上に設け
られた各部(各圧電素子400、圧電素子駆動回路9
1、通信回路92、データ処理回路93、センサ94)
間での絶縁分離を良好なものとすること、圧電素子4
00の電解歪み特性等の各種特性の向上を図ることがで
きるという効果もある。このようなヘッドHは、その性
能が向上する。
【0087】各圧電素子400は、それぞれ各インク室
210のほぼ中央部に対応して配設されている。各圧電
素子400は、後述する圧電素子駆動回路91に電気的
に接続され、圧電素子駆動回路91からの信号に基づい
て作動するよう構成されている。
【0088】なお、各圧電素子400の平面視での寸法
は、特に限定されないが、例えば、1〜3mm×10〜
50μm程度とすることができる。
【0089】基体500は、例えば各種樹脂材料、各種
金属材料等で構成されており、この基体500にインク
室基板200が固定、支持されている。
【0090】以下、下地層700および圧電素子400
の構成について、図6を参照しつつ、さらに詳細に説明
する。
【0091】図6に示す圧電素子400は、上部電極4
10と下部電極420とで、圧電体層(強誘電体層)4
30を挟持した構成とされている。換言すれば、圧電素
子400は、下部電極420、圧電体層430および上
部電極410が、この順で積層されて構成されている。
【0092】この圧電素子400は、振動源として機能
するものであり、振動板300は、圧電素子(振動源)
400の振動により振動し、インク室210の内部圧力
を瞬間的に高める機能を有するものである。
【0093】振動板300上には、薄膜よりなる下地層
(バッファ層)700が形成され(設けられ)ている。
すなわち、圧電素子400(下部電極420)と振動板
300(Si単結晶層60)との間に、下地層700が
設けられている。
【0094】この下地層700は、圧電素子400(下
部電極420)と振動板300(Si単結晶層60)と
の接合性(密着性)を向上させる機能を有するものであ
る。下地層700を設けることにより、圧電素子400
の振動板300からの剥離等によるヘッドHの経時的劣
化が好適に防止されるとともに、圧電素子400の振動
をより確実に振動板300に伝達することができる。
【0095】なお、この下地層700は、振動板300
上の少なくとも圧電素子400を形成する領域に設ける
ようにすればよい。
【0096】下地層700の構成材料としては、例え
ば、NaCl構造の金属酸化物、蛍石型構造の金属酸化
物、フルオライト構造の金属酸化物等が挙げられ、これ
らの1種または2種以上を組み合わせて用いることがで
きる。これらの中でも、下地層700の構成材料として
は、NaCl構造の金属酸化物を含むものが好ましく、
NaCl構造の金属酸化物を主材料とするものがより好
ましい。
【0097】後述するように、下部電極420の構成材
料としては、ペロブスカイト構造を有する金属酸化物を
含むもの(特に、ペロブスカイト構造を有する金属酸化
物を主材料とするもの)が好適に使用されるが、NaC
l構造の金属酸化物は、このペロブスカイト構造を有す
る金属酸化物との格子不整合が小さく、さらに、Siと
の格子不整合も小さい。このため、NaCl構造の金属
酸化物を用いて下地層700を構成することにより、振
動板300(Si単結晶層60)と下部電極420との
接合性(密着性)がより向上する。
【0098】また、NaCl構造の金属酸化物として
は、例えば、MgO、CaO、SrO、BaO、Mn
O、FeO、CoO、NiO、または、これらを含む固
溶体等が挙げられるが、これらの中でも、特に、Mg
O、CaO、SrO、BaO、または、これらを含む固
溶体の少なくとも1種を用いるのが好ましい。このよう
なNaCl構造の金属酸化物は、ペロブスカイト構造を
有する金属酸化物およびSiの双方との格子不整合が特
に小さい。
【0099】このような下地層700は、例えば、立方
晶(100)配向、立方晶(110)配向、立方晶(1
11)配向等したもののいずれであってもよいが、これ
らの中でも、特に、立方晶(100)配向または立方晶
(111)配向したものであるのが好ましい。下地層7
00を立方晶(100)配向または立方晶(111)配
向したものとすることにより、下地層700の平均厚さ
を比較的小さくすることができる。このため、例えばM
gO、CaO、SrO、BaOのような潮解性を示すN
aCl構造の金属酸化物で下地層700を構成する場合
であっても、製造時および使用時に空気中の水分で劣化
するという不都合を好適に防止することができる。
【0100】このような観点からは、下地層700は、
できるだけ薄く形成するのが好ましく、具体的には、そ
の平均厚さが10nm以下であるのが好ましく、5nm
以下であるのがより好ましい。これにより、前記効果が
より向上する。
【0101】また、このように下地層700の平均厚さ
を小さくすることにより、ヘッドHの大型化を防止する
こともできる。
【0102】下地層700上には、圧電体層430に電
圧を印加するための一方の電極である下部電極420が
形成され(設けられ)ている。
【0103】この下部電極420は、複数の圧電素子4
00の個別電極として、それぞれ設けられている。すな
わち、下部電極420の平面視形状が、圧電体層430
の平面視形状とほぼ等しくなるよう形成されている。
【0104】下部電極420の構成材料としては、例え
ば、ペロブスカイト構造を有する金属酸化物等の各種導
電性酸化物が挙げられ、これらの1種または2種以上を
組み合わせて用いることができる。これらの中でも、下
部電極420の構成材料としては、ペロブスカイト構造
を有する金属酸化物を含むものが好ましく、ペロブスカ
イト構造を有する金属酸化物を主材料とするものがより
好ましい。
【0105】このペロブスカイト構造を有する金属酸化
物としては、例えば、ルテニウム酸ストロンチウム(S
RO)、NbをドープしたSrTiO、または、これ
らを含む固溶体等が挙げられ、これらの1種または2種
以上を組み合わせて用いることができる。これらのペロ
ブスカイト構造の金属酸化物は、導電性および化学的安
定性に優れているので、下部電極420も、導電性およ
び化学的安定性に優れたものとすることができる。その
結果、圧電素子400は、電界歪み特性等の各種特性が
向上する。
【0106】これらの中でも、下部電極420に用いる
ペロブスカイト構造を有する金属酸化物としては、ルテ
ニウム酸ストロンチウム(SRO)が最適である。SR
Oは、特に導電性および化学的安定性に優れているの
で、SROを用いて下部電極420を構成することによ
り、圧電素子400は、前記効果がより向上する。
【0107】ここで、SROは、一般式Srn+1Ru
3n+1(nは1以上の整数)で表される。n=1
のときSrRuOとなり、n=2のときSrRu
となり、n=∞のときSrRuOとなる。SR
Oを用いて下部電極420を構成する場合は、SrRu
が最適である。これにより、下部電極420の導電
性および化学的安定性を極めて優れたものとすることが
できるとともに、下部電極420上に形成する圧電体層
430の結晶性を高めることもできる。
【0108】なお、下部電極420は、その厚さ方向の
途中に、イリジウムまたは白金等で構成される部分(中
間層)を有する構成、すなわち、SRO/Pt/SR
O、SRO/Ir/SROの積層構造とすることもでき
る。この場合、下部電極420の圧電体層430側の部
分を、SrRuOを含む材料で(特に、SrRuO
を主材料として)構成するようにすればよい。
【0109】このような下部電極420は、例えば、擬
立方晶(001)配向、擬立方晶(111)配向、擬立
方晶(110)配向、擬立方晶(100)配向等したも
ののいずれであってもよいが、これらの中でも、特に、
擬立方晶(001)配向または擬立方晶(111)配向
したものであるのが好ましい。このような下部電極42
0を用いて圧電素子400を構成することにより、圧電
素子400は、前記効果がより顕著となる。
【0110】このような下部電極420の平均厚さは、
特に限定されないが、1〜1000nm程度とするのが
好ましく、100〜700nm程度とするのがより好ま
しい。
【0111】下部電極420上には、電圧の印加により
変形する圧電体層430が、所定の形状で形成されてい
る。
【0112】圧電体層430の構成材料としては、各種
強誘電体材料が挙げられるが、特に、ペロブスカイト構
造を有する強誘電体材料を含むものが好ましく、ペロブ
スカイト構造を有する強誘電体材料を主材料とするもの
がより好ましい。
【0113】このペロブスカイト構造を有する強誘電体
材料としては、例えば、Pb(Zr,Ti)O(PZ
T)、(Pb,La)(Zr,Ti)O(PLZ
T)、BaTiO、KNbO、PbZnOのよう
なペロブスカイト構造の金属酸化物、(Sr,Bi)
(Ta,Nb)、(Bi,La)Ti12
のようなBi層状化合物、または、これらを含む固溶体
等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組
み合わせて用いることができる。これらのペロブスカイ
ト構造を有する金属酸化物を用いて圧電体層430を構
成することにより、圧電素子400は、電界歪み特性等
の各種特性が向上する。
【0114】これらの中でも、圧電体層430に用いる
ペロブスカイト構造を有する金属酸化物としては、チタ
ン酸ジルコン酸鉛(PZT)が最適である。PZTを用
いることにより、圧電素子400は、前記効果がより向
上する。
【0115】また、ペロブスカイト構造を有する強誘電
体材料としてPZTを用いる場合、このPZTとして
は、テトラゴナル組成、ロンボヘドラル組成のいずれの
ものを用いてもよい。
【0116】このような圧電体層430は、例えば、正
方晶(001)配向、正方晶(111)配向、菱面体晶
(001)配向、菱面体晶(111)配向等したものの
いずれであってもよいが、これらの中でも、特に、正方
晶(001)配向、正方晶(111)配向、菱面体晶
(001)配向、または、菱面体晶(111)配向した
ものであるのが好ましい。これにより、圧電素子400
は、電界歪み特性等の各種特性が特に優れたものとな
る。
【0117】このような圧電体層430の平均厚さは、
特に限定されないが、0.1〜50μm程度とするのが
好ましく、0.5〜10μm程度とするのがより好まし
い。圧電体層430の平均厚さを、前記範囲とすること
により、圧電素子400(延いては、ヘッドH)の大型
化を防止しつつ、各種特性を好適に発揮し得る圧電素子
400を得ることができる。
【0118】圧電体層430上には、圧電体層430に
電圧を印加するための他方の電極となる上部電極410
が形成され(設けられ)ている。
【0119】この上部電極410は、複数の圧電素子4
00の個別電極として、それぞれ設けられている。すな
わち、上部電極410の平面視形状は、圧電体層430
の平面視形状とほぼ等しくなるよう形成されている。
【0120】上部電極410の構成材料としては、前記
の下部電極420で挙げた材料と同様のものを用いるこ
とができる他、例えば、白金(Pt)、イリジウム(I
r)、アルミニウム(Al)、または、これらを含む合
金等の各種導電性材料が挙げられ、これらのうちの1種
または2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0121】なお、上部電極410をアルミニウムで構
成する場合、イリジウム等で構成される層を積層するよ
うにするのが好ましい。これにより、上部電極410の
電蝕による劣化を防止または抑制することができる。
【0122】このような上部電極410の平均厚さは、
特に限定されないが、1〜1000nm程度とするのが
好ましく、10〜500nm程度とするのがより好まし
い。
【0123】このようなヘッドHは、後述する圧電素子
駆動回路91から所定の吐出信号が入力されていない状
態、すなわち、圧電素子400の下部電極420と上部
電極410との間に電圧が印加されていない状態では、
圧電体層430に変形が生じない。このため、振動板3
00にも変形が生じず、インク室210には容積変化が
生じない。したがって、ノズル孔110からインク滴は
吐出されない。
【0124】一方、圧電素子駆動回路91から所定の吐
出信号が入力された状態、すなわち、圧電素子400の
下部電極420と上部電極410との間に一定電圧(例
えば、10〜50V程度)が印加された状態では、圧電
体層430に変形が生じる。これにより、振動板300
が大きくたわみ(図6中下方にたわみ)、インク室21
0の容積の減少(変化)が生じる。このとき、インク室
210内の圧力が瞬間的に高まり、ノズル孔110から
インク滴が吐出される。
【0125】1回のインクの吐出が終了すると、圧電素
子駆動回路91は、下部電極420と上部電極410と
の間への電圧の印加を停止する。これにより、圧電素子
400は、ほぼ元の形状に戻り、インク室210の容積
が増大する。なお、このとき、インクには、インクカー
トリッジ31からノズル孔110へ向かう圧力(正方向
への圧力)が作用している。このため、空気がノズル孔
110からインク室210へ入り込むことが防止され、
インクの吐出量に見合った量のインクがインクカートリ
ッジ31(リザーバ室230)からインク室210へ供
給される。
【0126】このようにして、ヘッドHにおいて、印刷
させたい位置の圧電素子400に、圧電素子駆動回路9
1から吐出信号を順次入力することにより、任意の(所
望の)文字や図形等を印刷することができる。
【0127】以上のように、本発明のインクジェット式
記録ヘッドHは、電界歪み特性等の各種特性に優れる圧
電素子400を備える。このため、より少ない電圧で圧
電素子400を作動させることができるので、圧電素子
駆動回路91を簡略化することができるとともに、消費
電力を低減することができる。
【0128】また、圧電素子400を小型化することも
できる。この場合、圧電素子400の幅(短軸方向の長
さ)を短くすると、インク室210の幅も小さくするこ
とができ、その結果、ノズル孔110のピッチも小さく
することができるので、より高精度の印刷が可能とな
る。また、圧電素子400の長さ(長軸方向の長さ)を
短くすると、ヘッドHのさらなる小型化を図ることがで
きる。
【0129】次に、ヘッドHの製造方法について、図7
および図8を参照しつつ説明する。前述したヘッドH
は、例えば、次のようにして製造することができる。
【0130】[0] 基板の用意 まず、前述のようにして、例えばSi単結晶基板20と
Si単結晶層60との配向方位が異なる基板10を製造
する。ここでは、Si単結晶基板20を(110)配向
のもの、Si単結晶層60を(100)配向のものとし
た場合について説明する。
【0131】[1] 下地層700の形成(図7のS
1) 次に、Si単結晶層60上に、例えばSrOからなる下
地層700を形成する。
【0132】下地層700は、Si単結晶層60の結晶
構造の影響を受けて結晶成長する。Si単結晶層60
は、(100)配向のものであるので、Si単結晶層6
0上に下地層700を成膜すると、下地層700は、立
方晶(100)配向でエピタキシャル成長する。
【0133】下地層700の形成方法(成膜方法)とし
ては、レーザーアブレーション法が好適に用いられる。
かかる方法によれば、レーザー光の入射窓を備えた簡易
な構成の真空装置を用いて、容易かつ確実に、下地層7
00を形成することができる。
【0134】具体的には、まず、基板10(サンプル)
を、例えば、室温での背圧が133×10−9〜133
×10−6Pa(1×10−9〜1×10−6Tor
r)程度に減圧された真空装置内に設置する。
【0135】なお、真空装置内には、基板10に対向し
て、下地層700の構成元素を含むターゲットを所定距
離、離間して配置されている。このターゲットとして
は、目的とする下地層700の組成と同一の組成または
近似組成のものが好適に使用される。
【0136】次いで、例えば赤外線ランプ(加熱手段)
等を用いて、基板10を加熱して昇温する。
【0137】この昇温速度は、特に限定されないが、1
〜20℃/分程度とするのが好ましく、5〜15℃/分
程度とするのがより好ましい。
【0138】また、サンプルの温度(到達温度)も、特
に限定されず、300〜800℃程度とするのが好まし
く、400〜700℃程度とするのがより好ましい。
【0139】なお、昇温速度、サンプルの温度、真空装
置内の圧力等の各条件は、基板10の表面に、熱酸化膜
が形成されないものであれば、前記範囲に限定されるも
のではない。
【0140】次いで、レーザー光をターゲットに照射す
ると、ターゲットから酸素原子および金属原子を含む原
子が叩き出され、プルームが発生する。換言すれば、プ
ルームが基板10に向かって照射される。そして、この
プルームは、基板10(Si単結晶層60)上に接触し
て、下地層700が形成される。
【0141】このレーザー光は、好ましくは波長が15
0〜300nm程度、パルス長が1〜100ns程度の
パルス光とされる。具体的には、レーザー光としては、
例えば、ArFエキシマレーザー、KrFエキシマレー
ザー、XeClエキシマレーザーのようなエキシマレー
ザー、YAGレーザー、YVOレーザー、COレー
ザー等が挙げられる。これらの中でも、レーザー光とし
ては、特に、ArFエキシマレーザーまたはKrFエキ
シマレーザーが好適である。ArFエキシマレーザーお
よびKrFエキシマレーザーは、いずれも、取り扱いが
容易であり、また、より効率よく原子を第1ターゲット
から叩き出すことができる。
【0142】下地層700の形成(成膜)における各条
件は、下地層700がエピタキシャル成長し得るもので
あればよく、例えば、次のようにすることができる。
【0143】レーザー光の周波数は、30Hz以下とす
るのが好ましく、15Hz以下とするのがより好まし
い。
【0144】レーザー光のエネルギー密度は、0.5J
/cm以上とするのが好ましく、2J/cm以上と
するのがより好ましい。
【0145】サンプルとターゲットとの距離は、60m
m以下とするのが好ましく、45mm以下とするのがよ
り好ましい。
【0146】また、真空装置内の圧力は、1気圧以下が
好ましく、そのうち、酸素分圧は、例えば、酸素ガス供
給下で133×10−3Pa(1×10−3Torr)
以上とするのが好ましく、原子状酸素ラジカル供給下で
133×10−5Pa(1×10−5Torr)以上と
するのが好ましい。
【0147】下地層700の形成における各条件を、そ
れぞれ、前記範囲とすると、より効率よく、下地層70
0をエピタキシャル成長により形成することができる。
【0148】また、このとき、レーザー光の照射時間を
適宜設定することにより、下地層700の平均厚さを前
述したような範囲に調整することができる。この場合、
レーザー光の照射時間は、前記各条件によっても異なる
が、通常、2時間以下とするのが好ましく、1時間以下
とするのがより好ましい。
【0149】なお、下地層700の形成方法としては、
これに限定されず、例えば、真空蒸着法、スパッタリン
グ法、MOCVD法、ゾル・ゲル法、MOD法等の各種
薄膜作製法を用いることもできる。
【0150】[2] 導電性酸化物層420’の形成
(図7のS2) 次に、下地層700上に、例えばSrRuOからなる
導電性酸化物層420’を形成する。なお、この導電性
酸化物層420’は、後述する工程[5]により分割さ
れ、下部電極420となる。
【0151】導電性酸化物層420’は、下地層700
の結晶構造の影響を受けて結晶成長する。下地層700
は、立方晶(100)配向したものであるので、下地層
700上に導電性酸化物層420’を成膜すると、導電
性酸化物層420’は、擬立方晶(001)配向でエピ
タキシャル成長する。
【0152】導電性酸化物層420’の形成は、前記工
程[1]と同様にして行うことができる。すなわち、導
電性酸化物層420’の形成方法(成膜方法)として
は、レーザーアブレーション法が好適であるが、これに
限定されず、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、
MOCVD法、ゾル・ゲル法、MOD法等の各種薄膜作
製法を用いることもできる。
【0153】[3] 強誘電体材料層430’の形成
(図7のS3) 次に、導電性酸化物層420’上に、例えば、組成比P
b(Zr0.56Ti 0.44)OのPZTからなる
強誘電体材料層430’を形成する。なお、この強誘電
体材料層430’は、後述する工程[5]により分割さ
れ、圧電体層430となる。
【0154】強誘電体材料層430’は、導電性酸化物
層420’の結晶構造の影響を受けて結晶成長する。導
電性酸化物層420’は、擬立方晶(001)配向した
ものであるので、導電性酸化物層420’上に強誘電体
材料層430’を成膜すると、強誘電体材料層430’
は、菱面体晶(001)配向でエピタキシャル成長す
る。
【0155】強誘電体材料層430’の形成は、前記工
程[1]と同様にして行うことができる。すなわち、強
誘電体材料層430’の形成方法(成膜方法)として
は、レーザーアブレーション法が好適であるが、これに
限定されず、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、
MOCVD法、ゾル・ゲル法、MOD法等の各種薄膜作
製法を用いることもできる。
【0156】[4] 導電性酸化物層410’の形成
(図7のS4) 次に、強誘電体材料層430’上に、例えばSrRuO
からなる導電性酸化物層410’を形成する。なお、
この導電性酸化物層410’は、後述する工程[5]に
より分割され、上部電極410となる。
【0157】導電性酸化物層410’の形成は、前記工
程[1]と同様にして行うことができる。すなわち、導
電性酸化物層410’の形成方法(成膜方法)として
は、レーザーアブレーション法が好適であるが、これに
限定されず、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、
MOCVD法、ゾル・ゲル法、MOD法等の各種薄膜作
製法を用いることもできる。
【0158】[5] 圧電素子400の形成(図8のS
5) 次に、導電性酸化物層420’、強誘電体材料層43
0’および導電性酸化物層410’を所定形状に加工
(分割)して、複数の圧電素子(圧電アクチュエータ)
400を形成する。
【0159】具体的には、まず、導電性酸化物層41
0’上に、例えばスピンコートによりレジストを形成し
た後、インク室210を形成すべき位置に合わせて、露
光・現像してパターニングする。次いで、残ったレジス
トをマスクとして、例えばイオンミリング等でエッチン
グする。これにより、導電性酸化物層410’、強誘電
体材料層430’および導電性酸化物層420’の不要
な部分が除去され、複数の圧電素子400が得られる。
【0160】[5’] 集積回路9の形成(図示せず) 次に、振動板300上の圧電素子400が設けられてい
ない部分に、集積回路9を形成する。
【0161】集積回路9の形成は、半導体プロセスによ
り行うことができる。本実施形態では、振動板300の
圧電素子400側は、Si単結晶層60で構成されてい
る。このため、半導体プロセスを用いることにより、集
積回路9を振動板300(Si単結晶層60)と一体的
に、容易に形成することができる。
【0162】ここで、集積回路9の一部を構成するトラ
ンジスタの構成例について、図9を参照しつつ説明す
る。
【0163】図9に示すトランジスタ900は、Si単
結晶層60の表面付近に形成されたソース部922およ
びドレイン部923と、これらの双方に一部が接触する
ようにして、Si単結晶層60上に設けられたゲート絶
縁膜921と、ゲート絶縁膜921に接触するゲート電
極941と、ソース部922およびドレイン部923
に、一部が接触するソース電極942およびドレイン電
極943とを有している。
【0164】そして、各電極941、942および94
3は、層間絶縁膜930により互いに絶縁分離され、ト
ランジスタ900は、他の集積回路9の構成要素と、フ
ィールド絶縁膜910により絶縁分離されている。
【0165】このようなトランジスタ900は、例え
ば、次のようにして製造することができる。すなわち、
I:まず、例えば、気相成膜法(例えばCVD法、プラ
ズマCVD法のような化学蒸着法等)および熱酸化法を
単独または併用し、さらに、フォトリソグラフィー法と
を組み合わせることにより、例えばSiOからなるゲ
ート絶縁膜921およびフィールド絶縁膜910を形成
する。II:次に、Si単結晶層60の所定部分に、それ
ぞれ、n型不純物(またはp型不純物)をイオン化して
打ち込むことにより、ソース部922およびドレイン部
923を形成する。III:次に、例えば、気相成膜法お
よびフォトリソグラフィー法とを組み合わせることによ
り、順次、ゲート絶縁膜921上に、例えば多結晶シリ
コン、アルミニウム等からなるゲート電極941を形成
し、次いで、例えばSiO、PSG等からなる層間絶
縁層930の形成とともに、ソース部922およびドレ
イン部923に連通する孔部(コンタクトホール)を形
成し、次いで、例えばアルミニウム、クロム、モリブデ
ン、タンタル等からなるソース電極942およびドレイ
ン電極943を形成する。
【0166】前記と同様にして、集積回路9を構成する
各部を、それぞれ、Si単結晶層60と一体的に形成
し、集積回路9を得る。
【0167】なお、集積回路9の形成は、前記工程
[5]の後に行うのが好ましいが、これに限定されず、
例えば、前記工程[1]〜[5]の前に行ってもよく、
後の工程[6]または[7]の後に行うようにしてもよ
い。
【0168】[6] インク室基板200の形成(図8
のS6) 次に、Si単結晶基板20の圧電素子400に対応した
位置に、それぞれインク室210となる凹部210’
を、また、所定位置にリザーバ室230および供給口2
40となる凹部を形成する。
【0169】具体的には、インク室210、リザーバ室
230および供給口240を形成すべき位置に合せて、
Si単結晶基板20の圧電素子400と反対側の面に、
マスクを形成した後、エッチングを行う。これにより、
Si単結晶基板20の不要な部分が除去され、インク室
基板200が得られる。
【0170】なお、前述したように、基板10は、スト
ッパ層30を有しているので、エッチングによる浸食
は、このストッパ層30に到達すると停止する。このた
め、エッチングによる浸食が過度(必要以上)に進行
し、圧電素子400が浸食されるのを好適に防止するこ
とができる。
【0171】また、このとき、エッチングされずに残っ
た部分が、側壁220となり、また、露出したストッパ
層30は、その上に接合されたSi単結晶層60ととも
に、振動板として機能し得る状態となる。
【0172】このエッチングには、例えば、平行平板型
反応性イオンエッチング、誘導結合型方式、エレクトロ
ンサイクロトロン共鳴方式、ヘリコン波励起方式、マグ
ネトロン方式、プラズマエッチング方式、イオンビーム
エッチング方式等のドライエッチング、5重量%〜40
重量%程度の水酸化カリウム、テトラメチルアンモニウ
ムハイドロオキサイド等の高濃度アルカリ水溶液による
ウエットエッチングが挙げられ、これらの1種または2
種以上を組み合わせて用いることができる。これらの中
でも、エッチングには、特に、水酸化カリウム等による
ウエットエッチングを用いるのが好ましい。かかるウエ
ットエッチングによれば、Si単結晶基板20は、異方
性エッチングされるので、凹部210’、リザーバ室2
30および供給口240となる凹部を、容易かつ精度よ
く形成することができる。このため、より寸法精度の高
いインク室基板200を得ることができる。
【0173】また、本実施形態では、Si単結晶基板2
0として、(110)配向のものを用いるので、異方性
エッチングによる浸食は、Si単結晶基板20の面方向
に対して、ほぼ垂直な方向に効率よく進行する。
【0174】[7] ヘッドHの完成(図8のS7) 次に、例えばステンレス製のノズル板100を、各ノズ
ル孔110が各凹部210’に対応するように位置合わ
せして接合する。これにより、複数のインク室210、
リザーバ室230および複数の供給口240が、それぞ
れ区画形成される。
【0175】この接合には、例えば、接着剤による各種
接着方法、各種融着方法等を用いることができる。
【0176】最後に、インク室基板200を基体500
に取り付けて、インクジェット式記録ヘッドHが完成す
る。
【0177】なお、本実施形態のヘッドHでは、アモル
ファス層(ストッパ層)30およびSi単結晶層60で
振動板300が構成されていたが、振動板300は、そ
の全体がアモルファス層30のみで構成されていてもよ
く、アモルファス層30とSi単結晶層60との間に、
任意の目的の中間層を有する構成であってもよい。
【0178】また、本実施形態では、下部電極420お
よび上部電極410は、各圧電素子400毎に設けられ
た個別電極であったが、下部電極420および上部電極
410のいずれか一方を、各圧電素子400の共通電極
として設けるようにしてもよい。
【0179】<インクジェットプリンタ>次に、インク
ジェット式記録ヘッドを備えるインクジェットプリンタ
について説明する。
【0180】図10は、本発明のインクジェットプリン
タの実施形態を示す概略図であり、図11は、図10に
示すインクジェットプリンタの制御システムを示す概略
図である。なお、以下の説明では、図10中、上側を
「上部」、下側を「下部」と言う。
【0181】図10に示すインクジェットプリンタ1
は、装置本体2を備えており、上部後方に記録用紙(記
録媒体)Pを設置するトレイ21と、下部前方に記録用
紙Pを排出する排紙口22と、上部面に操作パネル7と
が設けられている。
【0182】操作パネル7は、例えば、有機ELディス
プレイ、液晶ディスプレイ、LEDランプ等で構成さ
れ、エラーメッセージ等を表示する表示部(図示せず)
と、各種スイッチ等で構成される操作部(図示せず)と
を備えている。
【0183】また、装置本体2の内部には、主に、往復
動するヘッドユニット3を備える印刷装置(印刷手段)
4と、記録用紙Pを1枚ずつ印刷装置4に送り込む給紙
装置(給紙手段)5と、印刷装置4および給紙装置5を
制御する制御部(制御手段)6と、各部に電力を供給す
る電源部(図示せず)とを有している。
【0184】制御部6の制御により、給紙装置5は、記
録用紙Pを一枚ずつ間欠送りする。この記録用紙Pは、
ヘッドユニット3の下部近傍を通過する。このとき、ヘ
ッドユニット3が記録用紙Pの送り方向とほぼ直交する
方向に往復移動して、記録用紙Pへの印刷が行なわれ
る。すなわち、ヘッドユニット3の往復動と記録用紙P
の間欠送りとが、印刷における主走査および副走査とな
って、インクジェット方式の印刷が行なわれる。
【0185】印刷装置4は、ヘッドユニット3と、ヘッ
ドユニット3の駆動源となるキャリッジモータ41と、
キャリッジモータ41の回転を受けて、ヘッドユニット
3を往復動させる往復動機構42とを備えている。
【0186】ヘッドユニット3は、その下部に、多数の
ノズル孔110を備える本発明のヘッドHと、ヘッドH
にインクを供給するインクカートリッジ31と、ヘッド
Hおよびインクカートリッジ31を搭載したキャリッジ
32とを有している。
【0187】なお、インクカートリッジ31として、イ
エロー、シアン、マゼンタ、ブラック(黒)の4色のイ
ンクを充填したものを用いることにより、フルカラー印
刷が可能となる。この場合、ヘッドユニット3には、各
色にそれぞれ対応したヘッドHが設けられることにな
る。
【0188】往復動機構42は、その両端をフレーム
(図示せず)に支持されたキャリッジガイド軸421
と、キャリッジガイド軸421と平行に延在するタイミ
ングベルト422とを有している。
【0189】キャリッジ32は、キャリッジガイド軸4
21に往復動自在に支持されるとともに、タイミングベ
ルト422の一部に固定されている。
【0190】キャリッジモータ41の動作により、プー
リを介してタイミングベルト422を正逆走行させる
と、キャリッジガイド軸421に案内されて、ヘッドユ
ニット3が往復動する。そして、この往復動の際に、ヘ
ッドHから適宜インクが吐出され、記録用紙Pへの印刷
が行われる。
【0191】給紙装置5は、その駆動源となる給紙モー
タ51と、給紙モータ51の作動により回転する給紙ロ
ーラ52とを有している。
【0192】給紙ローラ52は、記録用紙Pの送り経路
(記録用紙P)を挟んで上下に対向する従動ローラ52
aと駆動ローラ52bとで構成され、駆動ローラ52b
は給紙モータ51に連結されている。これにより、給紙
ローラ52は、トレイ21に設置した多数枚の記録用紙
Pを、印刷装置4に向かって1枚ずつ送り込めるように
なっている。なお、トレイ21に代えて、記録用紙Pを
収容する給紙カセットを着脱自在に装着し得るような構
成であってもよい。
【0193】制御部6は、ホストコンピュータから入力
された印刷データに基づいて、印刷装置4や給紙装置5
等を制御することにより印刷を行うものである。
【0194】制御部6は、図11に示すように、主に、
各部を制御する制御プログラム等を記憶するメモリ6
2、圧電素子(振動源)400を駆動する圧電素子駆動
回路91、印刷装置4(キャリッジモータ41)を駆動
する駆動回路63、給紙装置5(給紙モータ51)を駆
動する駆動回路64、印刷データを入手する通信回路9
2、および、印刷データを処理するデータ処理回路93
と、これらに電気的に接続され、各部での各種制御を行
うCPU61とを備えている。
【0195】また、CPU61には、センサ(検出手
段)94およびセンサ(検出手段)8が、それぞれ、電
気的に接続されている。
【0196】これらのうち、本実施形態では、圧電素子
駆動回路91、通信回路92、データ処理回路93およ
びセンサ94が、集積回路9としてヘッドHに搭載され
(組み込まれ)ている。
【0197】この集積回路9の集積度は、特に限定され
ず、例えばSSI、MSI、LSI等のいずれであって
もよい。すなわち、圧電素子駆動回路91、通信回路9
2、データ処理回路93およびセンサ94は、1つのチ
ップで構成されていてもよく、それぞれ独立したチップ
で構成されていてもよい。
【0198】圧電素子駆動回路91は、各圧電素子40
0へ電圧を印加するタイミングを制御することにより、
ヘッドHからのインクの吐出タイミングを制御する。
【0199】通信回路92は、ホストコンピュータと、
印刷データの授受を行う。このホストコンピュータとし
ては、印刷データを取り扱うことができるものであれ
ば、特に限定されず、例えば、デジタルカメラ、デジタ
ルビデオ、PDA、ノートブック型パソコン、携帯電話
のような携帯電子機器の他、デスクトップパソコンのよ
うな携帯に不向きな電子機器等が挙げられる。
【0200】すなわち、通信回路92は、ワイヤレス通
信機能を有するものであっても、この機能を有さないも
ののいずれであってもよい。
【0201】データ処理回路93は、ホストコンピュー
タから通信回路92を介して入手した印刷データを、イ
ンクジェットプリンタ1が印刷実行し得るよう処理する
回路であり、演算回路の他、例えばFeRAM、MRA
M等のメモリ素子を内蔵している。
【0202】また、通信回路92は、インクカートリッ
ジ31に設けられた通信回路からのデータを入手し得る
よう構成されていてもよい。このデータは、例えばイン
クの種類等が挙げられる。これにより、インクの種類に
応じた印刷条件を設定することができる。
【0203】センサ94は、ヘッドHの周囲の環境条件
(例えば、温度、湿度等)を検出する機能を有するもの
である。
【0204】センサ94は、ヘッドHの周囲の環境条件
をリアルタイムに検出して、検出データをCPU61に
入力する。CPU61は、この検出データに基づいて、
その温度や湿度に適した印刷条件で、インクの吐出を行
うよう圧電素子駆動回路91を介して各圧電素子400
の作動を制御する。具体的には、CPU61は、圧電素
子駆動回路91から各圧電素子400へ印加する電圧
値、および、電圧の駆動パルス波形等の条件を最適値に
制御する。
【0205】また、センサ94をヘッドHに搭載する
(設ける)ことにより、センサ94がノズル孔110
(すなわち、記録用紙P)のより近くに位置することに
なるので、CPU61は、最適な印刷条件を設定するこ
とができる。
【0206】センサ8は、ノズル孔110の近傍に設け
られ、例えば、インクの吐出状況、記録用紙(記録媒
体)P上の印刷状況、記録用紙Pの供給状態等をモニタ
する機能を有するものである。すなわち、このセンサ8
は、例えばCMOSのような撮像素子を有している。
【0207】センサ8は、印刷品質をリアルタイムに検
出して、検出データをCPU61に入力する。CPU6
1は、この検出データに基づいて、より高精度の印刷品
質となるよう圧電素子駆動回路91を介して各圧電素子
400の作動を制御する。具体的には、CPU61は、
圧電素子駆動回路91から各圧電素子400へ印加する
電圧値、および、電圧の駆動パルス波形等の条件を最適
値に制御する。
【0208】また、センサ8は、記録用紙Pの供給状
態、すなわち、紙送りの状態を検出して、検出データを
CPU61に入力する。CPU61は、この検出データ
に基づいて、駆動回路64を介して給紙モータ51の回
転数等を制御する。これにより、給紙装置5は、より適
正な速度で記録用紙Pを印刷装置4へ供給することがで
きる。
【0209】このようなセンサ8を有するインクジェッ
トプリンタ1は、高い印刷品質を維持しつつ、印刷スピ
ードが向上する。
【0210】ところで、記録用紙P上に印刷が施された
部分(インクが付着した部分)では、インクの溶媒とし
て用いられるインク溶媒の蒸発にともなう雰囲気が形成
される。この雰囲気は、印刷品質に影響を及ぼす。した
がって、センサ8は、さらに、記録用紙Pの印刷部位付
近の雰囲気、特に、かかる雰囲気のインク溶媒濃度を検
出(測定)し得る機能を有するものが好ましい。この雰
囲気のインク溶媒の濃度を測定データに基づいて、圧電
素子400の作動を制御することにより、印刷品質をさ
らに高いものとすることができる。
【0211】なお、インクの溶媒として水系溶媒が用い
られる場合には、センサ8は、前記雰囲気の湿度を測定
し得るよう構成されていればよい。
【0212】このようなインクジェットプリンタ1で
は、まず、CPU61が、通信回路92を介して、印刷
データを入手してメモリ62に格納する。次いで、デー
タ処理回路93は、この印刷データを処理する。次い
で、CPU61は、この処理データおよび各種センサ9
4、8の検出データに基づいて、各駆動回路91、6
3、64にそれぞれ駆動信号を出力する。この駆動信号
により圧電素子400、印刷装置4および給紙装置5
は、それぞれ作動する。これにより、記録用紙Pに印刷
が行われる。
【0213】このように、制御部6の一部をヘッドHに
搭載する(設ける)ことにより、装置本体2内に配設す
る部品点数や、ヘッドHと装置本体2とを接続する配線
の数を少なくすることができる。このため、装置本体
2、すなわち、インクジェットプリンタ1の小型化を図
ることができる。また、前述したように、本発明のヘッ
ドHを用いることにより、高い印刷品質を確保(維持)
することもできる。
【0214】したがって、本発明によれば、高い印刷品
質を維持しつつ、より小型のインクジェットプリンタを
提供することができる。
【0215】なお、本実施形態では、集積回路9は、圧
電素子駆動回路91、通信回路92、データ処理回路9
3およびセンサ94を構成するものであったが、本発明
では、集積回路9は、圧電素子駆動回路91、通信回路
92、データ処理回路93、センサ94のうちの少なく
とも1つを構成するものであればよい。
【0216】次に、インクジェットプリンタ1の制御シ
ステムの他の構成例について、図12および図13に基
づいて説明する。
【0217】図12および図13は、それぞれ、図10
に示すインクジェットプリンタの制御システムの他の構
成例を示す概略図である。
【0218】以下では、図12および図13に示す制御
システムの構成について、それぞれ、前記制御システム
との相違点を中心に説明し、同様の事項については、そ
の説明を省略する。
【0219】図12に示す制御システムの構成では、集
積回路9として、CPU61、メモリ62、圧電素子駆
動回路91、通信回路92、データ処理回路93および
センサ94がヘッドHに搭載され(組み込まれ)てい
る。
【0220】また、CPU61と、制御部6を構成する
各部(62〜64、91、93)、各センサ8、94お
よび操作パネル7とが、通信回路92を介して信号の入
出力を行うよう構成されている。
【0221】この場合、通信回路92と各部とは、ぞれ
ぞれ、信号線で接続するようにしてもよいが、ワイヤレ
スでの接続も可能である。特に、ワイヤレス接続とする
ことにより、インクジェットプリンタ1の小型化を図る
ことができるとともに、信号線の接続工程を省くことが
できるという利点がある。
【0222】図13に示す制御システムの構成では、集
積回路9として、メモリ62、圧電素子駆動回路91、
通信回路92、データ処理回路93およびセンサ94が
ヘッドHに搭載(組み込まれている)。
【0223】また、CPU61と、メモリ62、圧電素
子駆動回路91、データ処理回路93および各センサ
8、94とが、通信回路92および本体側通信回路69
を介して信号の入出力を行うよう構成され、また、各駆
動回路63、64および操作パネル7とが、本体側通信
回路69を介して信号の入出力を行うよう構成されてい
る。
【0224】この場合、特に、通信回路92と本体側通
信回路69とを、ワイヤレス接続とすることにより、さ
らに、ヘッドHの小型化およびインクジェットプリンタ
1の小型化を図ることができるという利点がある。
【0225】以上、本発明のインクジェット式記録ヘッ
ドおよびインクジェットプリンタについて、図示の実施
形態に基づいて説明したが、本発明は、これらに限定さ
れるものではない。
【0226】例えば、本発明のインクジェット式記録ヘ
ッドおよびインクジェットプリンタを構成する各部は、
同様の機能を発揮する任意のものと置換、または、その
他の構成を追加することもできる。
【0227】また、インクジェット式記録ヘッドの製造
方法では、任意の工程を追加することもできる。
【0228】また、前記実施形態のインクジェット式記
録ヘッドの構成は、例えば、各種工業用液体吐出装置の
液体吐出機構に適用することもできる。この場合、液体
吐出装置では、前述したようなインク(イエロー、シア
ン、マゼンタ、ブラック等のカラー染料インク)の他、
例えば、液体吐出機構のノズル(液体吐出口)からの吐
出に適当な粘度を有する溶液や液状物質等が使用可能で
ある。
【0229】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、高
い印刷品質を維持しつつ、装置本体内の部品点数や、イ
ンクジェット式記録ヘッドと装置本体との間の配線の数
を低減することができるので、より小型のインクジェッ
トプリンタを提供することができる。
【0230】また、インクジェット式記録ヘッドに各種
センサを組み込んだ場合には、印刷スピードを向上させ
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のインクジェット式記録ヘッドの製造
に用いる基板の実施形態を示す断面図である。
【図2】 図1に示す基板の製造工程を説明するための
図(断面図)である。
【図3】 図1に示す基板の製造工程を説明するための
図(断面図)である。
【図4】 本発明のインクジェット式記録ヘッドの実施
形態を示す分解斜視図(一部切り欠いて示す)である。
【図5】 図4に示すインクジェット式記録ヘッドの主
要部の構成を示す側面図(a)および平面図(b)であ
る。
【図6】 図4に示すインクジェット式記録ヘッドの主
要部の構成を示す断面図である。
【図7】 図6に示すインクジェット式記録ヘッドの主
要部の製造工程を説明するための図(断面図)である。
【図8】 図6に示すインクジェット式記録ヘッドの主
要部の製造工程を説明するための図(断面図)である。
【図9】 図9は、集積回路の一部(トランジスタ)の
構成を示す断面図である。
【図10】 本発明のインクジェットプリンタの実施形
態を示す概略図である。
【図11】 図10に示すインクジェットプリンタの制
御システムを示す概略図である。
【図12】 図10に示すインクジェットプリンタの制
御システムの他の構成例を示す概略図である。
【図13】 図10に示すインクジェットプリンタの制
御システムの他の構成例を示す概略図である。
【符号の説明】
1‥‥インクジェットプリンタ 2‥‥装置本体 21
‥‥トレイ 22‥‥排紙口 3‥‥ヘッドユニット
31‥‥インクカートリッジ 32‥‥キャリッジ 4
‥‥印刷装置 41‥‥キャリッジモータ 42‥‥往
復動機構 421‥‥キャリッジガイド軸 422‥‥
タイミングベルト 5‥‥給紙装置 51‥‥給紙モー
タ 52‥‥給紙ローラ 52a‥‥従動ローラ 52
b‥‥駆動ローラ 6‥‥制御部 61‥‥CPU 6
2‥‥メモリ 63‥‥駆動回路64‥‥駆動回路 6
9‥‥本体側通信回路 7‥‥操作パネル 8‥‥セン
サ 9‥‥集積回路 91‥‥圧電素子駆動回路 92
‥‥通信回路 93‥‥データ処理回路 94‥‥セン
サ 10‥‥基板 10b‥‥Si単結晶板 20‥‥
Si単結晶基板 20a‥‥Si単結晶板 20b‥‥
Si単結晶板 30‥‥ストッパ層 60‥‥Si単結
晶層 60a‥‥Si単結晶板 60b‥‥Si単結晶
板 90‥‥熱酸化膜 100‥‥ノズル板 110‥
‥ノズル孔200‥‥インク室基板 210‥‥インク
室 210’ ‥‥凹部 220‥‥側壁 230‥‥
リザーバ室 240‥‥供給口 300‥‥振動板 3
10‥‥連通孔 400‥‥圧電素子 410‥‥上部
電極 410’ ‥‥導電性酸化物層 420‥‥下部
電極 420’ ‥‥導電性酸化物層 430‥‥圧電
体層 430’‥‥強誘電体材料層 500‥‥基体
700‥‥下地層H‥‥インクジェット式記録ヘッド
P‥‥記録用紙 900‥‥トランジスタ910‥‥フ
ィールド絶縁膜 921‥‥ゲート絶縁膜 922‥‥
ソース部923‥‥ドレイン部 930‥‥層間絶縁膜
941‥‥ゲート電極 942‥‥ソース電極 94
3‥‥ドレイン電極
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 樋口 天光 長野県諏訪市大和3丁目3番5号 セイコ ーエプソン株式会社内 Fターム(参考) 2C057 AG55 AG56 AG72 AL14 AP34 BA03 BA14

Claims (22)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 振動源と、 該振動源の振動により振動する振動板と、 該振動板の前記振動源と反対側に設けられ、インクを貯
    留するインク室を形成するインク室基板と、 前記振動板の前記振動源と同じ側に設置された少なくと
    も1つの集積回路とを有することを特徴とするインクジ
    ェット式記録ヘッド。
  2. 【請求項2】 前記集積回路は、前記振動板と一体的に
    形成されている請求項1に記載のインクジェット式記録
    ヘッド。
  3. 【請求項3】 振動源と、 該振動源側にSi単結晶で構成されたSi単結晶層を有
    し、前記振動源の振動により振動する振動板と、 該振動板の前記振動源と反対側に設けられ、インクを貯
    留するインク室を形成するインク室基板と、 前記振動板の前記Si単結晶層上に、該Si単結晶層と
    一体的に形成された少なくとも1つの集積回路とを有す
    ることを特徴とするインクジェット式記録ヘッド。
  4. 【請求項4】 前記Si単結晶層は、(100)配向ま
    たは(111)配向のものである請求項3に記載のイン
    クジェット式記録ヘッド。
  5. 【請求項5】 前記集積回路は、前記振動源を駆動する
    駆動回路、印刷データを処理するデータ処理回路、印刷
    データを入手する通信回路、前記インクジェット式記録
    ヘッドの周囲の環境条件を検出する検出手段のうちの少
    なくとも1つを構成するものである請求項1ないし4の
    いずれかに記載のインクジェット式記録ヘッド。
  6. 【請求項6】 前記振動源と前記振動板との間には、こ
    れらの接合性を向上させる機能を有する下地層が設けら
    れている請求項1ないし5のいずれかに記載のインクジ
    ェット式記録ヘッド。
  7. 【請求項7】 前記インク室は、前記振動板の振動によ
    り容積が変化し、この容積変化により、インクを吐出す
    るよう構成されている請求項1ないし6のいずれかに記
    載のインクジェット式記録ヘッド。
  8. 【請求項8】 前記インク室は、複数設けられており、
    前記振動源は、複数の前記インク室に対応して、それぞ
    れ設けられている請求項1ないし7のいずれかに記載の
    インクジェット式記録ヘッド。
  9. 【請求項9】 前記インク室基板の前記振動板と反対側
    には、複数の前記インク室に対応して、それぞれインク
    を吐出可能なノズル孔が設けられている請求項8に記載
    のインクジェット式記録ヘッド。
  10. 【請求項10】 複数の前記ノズル孔は、前記インク室
    基板の前記振動板と反対側に設けられたノズル板に形成
    されている請求項9に記載のインクジェット式記録ヘッ
    ド。
  11. 【請求項11】 前記ノズル板の前記ノズル孔の近傍に
    は、インクの吐出状況、記録媒体上の印刷状況、記録媒
    体の供給状態、記録媒体の印刷部位付近の雰囲気のうち
    の少なくとも1つを検出可能な検出手段が設けられてい
    る請求項10に記載のインクジェット式記録ヘッド。
  12. 【請求項12】 前記検出手段は、記録媒体の印刷部位
    付近の雰囲気のインク溶媒の濃度を検出可能である請求
    項11に記載のインクジェット式記録ヘッド。
  13. 【請求項13】 前記インク室基板は、Si単結晶基板
    から得られたものである請求項1ないし12のいずれか
    に記載のインクジェット式記録ヘッド。
  14. 【請求項14】 前記Si単結晶基板は、(110)配
    向のものである請求項13に記載のインクジェット式記
    録ヘッド。
  15. 【請求項15】 前記インク室基板は、前記Si単結晶
    基板に対してエッチングを施すことにより得られたもの
    である請求項13または14に記載のインクジェット式
    記録ヘッド。
  16. 【請求項16】 前記エッチングは、異方性エッチング
    である請求項15に記載のインクジェット式記録ヘッ
    ド。
  17. 【請求項17】 前記振動板の厚さ方向の少なくとも一
    部が、前記エッチングの際に浸食の進行を防止するスト
    ッパ層として機能する請求項15または16に記載のイ
    ンクジェット式記録ヘッド。
  18. 【請求項18】 前記振動板は、前記インク室基板側に
    アモルファス状態の物質で構成されたアモルファス層を
    有し、該アモルファス層が前記ストッパ層として機能す
    る請求項17に記載のインクジェット式記録ヘッド。
  19. 【請求項19】 前記アモルファス状態の物質は、酸化
    物である請求項18に記載のインクジェット式記録ヘッ
    ド。
  20. 【請求項20】 前記酸化物は、SiOである請求項
    19に記載のインクジェット式記録ヘッド。
  21. 【請求項21】 前記アモルファス状態の物質は、窒化
    物である請求項18に記載のインクジェット式記録ヘッ
    ド。
  22. 【請求項22】 請求項1ないし21のいずれかに記載
    のインクジェット式記録ヘッドを備えることを特徴とす
    るインクジェットプリンタ。
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