JP2003289132A - キャパシタ、強誘電体メモリおよび電子機器 - Google Patents

キャパシタ、強誘電体メモリおよび電子機器

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JP2003289132A
JP2003289132A JP2002090046A JP2002090046A JP2003289132A JP 2003289132 A JP2003289132 A JP 2003289132A JP 2002090046 A JP2002090046 A JP 2002090046A JP 2002090046 A JP2002090046 A JP 2002090046A JP 2003289132 A JP2003289132 A JP 2003289132A
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metal oxide
recording layer
perovskite structure
capacitor
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JP2002090046A
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Hiroshi Miyazawa
弘 宮澤
Amamitsu Higuchi
天光 樋口
Setsuya Iwashita
節也 岩下
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 各種特性に優れるキャパシタ、強誘電体メモ
リおよび電子機器を提供すること。 【解決手段】 図1に示すキャパシタ1は、記録層4を
上部電極3と下部電極2とで挟持して構成されている。
本発明では、記録層4が、キュリー温度直下で反強誘電
性状態となり、−20〜100℃の温度範囲で強誘電体
であり、かつ、前記温度範囲で構造相転移を示さないペ
ロブスカイト型構造の金属酸化物を含むもの、または、
キュリー温度直下で反強誘電性状態となり、−20〜1
00℃の温度範囲で強誘電体であり、かつ、前記温度範
囲で構造相転移を示さないペロブスカイト型構造の金属
酸化物と、これとは異なる他のペロブスカイト型構造の
金属酸化物とを含むものであることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、キャパシタ、強誘
電体メモリおよび電子機器に関する。
【0002】
【従来の技術】例えばメモリ素子に用いられるキャパシ
タは、強誘電体材料により構成された強誘電体層を一対
の電極(上部電極および下部電極)で挟持した構成とさ
れている。この強誘電体材料としては、チタン酸ジルコ
ン酸鉛(PZT)、BaTiO 、Bi層状化合物が広
く用いられている。
【0003】さらに、現在、キャパシタの特性および信
頼性の向上を図る観点から、PZT、BaTiO、B
i層状化合物に代わる化合物として、種々の化合物につ
いて研究がなされているが、いずれも、十分な性能を満
足するものでなく、実用化に向けての進展がみられない
というのが現状である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、各種
特性に優れるキャパシタ、強誘電体メモリおよび電子機
器を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】このような目的は、下記
(1)〜(10)の本発明により達成される。
【0006】(1) 第1の電極と、該第1の電極に対
向する第2の電極と、これらの電極の間に介挿され、キ
ュリー温度直下で反強誘電性状態となり、−20〜10
0℃の温度範囲で強誘電体であり、かつ、前記温度範囲
で構造相転移を示さないペロブスカイト型構造の金属酸
化物を含む記録層とを有することを特徴とするキャパシ
タ。
【0007】(2) 第1の電極と、該第1の電極に対
向する第2の電極と、これらの電極の間に介挿され、キ
ュリー温度直下で反強誘電性状態となり、−20〜10
0℃の温度範囲で強誘電体であり、かつ、前記温度範囲
で構造相転移を示さないペロブスカイト型構造の金属酸
化物と、他のペロブスカイト型構造の金属酸化物とを含
む記録層とを有することを特徴とするキャパシタ。
【0008】(3) 前記キュリー温度直下で反強誘電
性状態となり、−20〜100℃の温度範囲で強誘電体
であり、かつ、前記温度範囲で構造相転移を示さないペ
ロブスカイト型構造の金属酸化物の含有量をX[mo
l]とし、前記他のペロブスカイト型構造の金属酸化物
の含有量をY[mol]としたとき、Y/(X+Y)≦
0.9なる関係を満足する上記(2)に記載のキャパシ
タ。
【0009】(4) 前記他のペロブスカイト型構造の
金属酸化物は、組成式ABO(ただし、Aは、Pb、
Ba、Srのうちの少なくとも1種の元素、Bは、4A
族元素のうちの少なくとも1種の元素)で表されるもの
である上記(2)または(3)に記載のキャパシタ。
【0010】(5) 前記キュリー温度直下で反強誘電
性状態となるペロブスカイト型構造の金属酸化物は、
(Bi0.50.5)TiOである上記(1)ない
し(4)のいずれかに記載のキャパシタ。
【0011】(6) 前記記録層は、正方晶(001)
配向したものである上記(1)ないし(5)のいずれか
に記載のキャパシタ。
【0012】(7) 前記記録層は、前記第1の電極上
にエピタキシャル成長により形成されたものである上記
(1)ないし(6)のいずれかに記載のキャパシタ。
【0013】(8) 前記第1の電極は、ペロブスカイ
ト型構造の金属酸化物を含むものである上記(1)ない
し(7)のいずれかに記載のキャパシタ。
【0014】(9) 上記(1)ないし(8)のいずれ
かに記載のキャパシタを備えることを特徴とする強誘電
体メモリ。
【0015】(10) 上記(9)に記載の強誘電体メ
モリを備えることを特徴とする電子機器。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明のキャパシタの好適
な実施形態について説明する。
【0017】図1は、本発明のキャパシタの実施形態を
示す縦断面図である。図1に示すキャパシタ1は、例え
ばメモリ素子等の各種電子デバイスに組み込んで使用さ
れるものであり、下部電極(第1の電極)2、記録層4
および上部電極(第2の電極)3が、この順で積層され
て構成されている。換言すれば、キャパシタ1は、下部
電極2と上部電極3との間に、記録層(強誘電体層)4
が介挿されてなるものである。
【0018】キャパシタ1は、下部電極2と上部電極3
との間に電圧(電界)を印加することにより、記録層4
内において分極モーメントが反転することで、データの
記録および再生がなされ、また、電界の印加を停止した
後においても、分極状態が保持される。このような特性
を利用して、不揮発性メモリ(後述する強誘電体メモリ
40)を構成することができる。
【0019】したがって、キャパシタ1は、電圧の印加
による記録層4内における分極モーメントがより大きい
ものであるのが好ましい。
【0020】これには、記録層4を、ペロブスカイト型
構造の金属酸化物を用いて構成するのが有効であり、加
えて、分極モーメントに寄与しないばかりでなく、分極
モーメントを低下させる方向に働く非180度分極ドメ
イン(90度分域ドメイン等)が、記録層4中に形成さ
れるのを防止することが有効である。
【0021】かかる観点から、本発明者は、鋭意研究を
重ねた結果、ペロブスカイト型構造の金属酸化物とし
て、キュリー温度直下で反強誘電性状態となるものを用
いることにより、記録層4中に非180度分域ドメイン
が形成されるのを好適に防止できることを見出した。
【0022】加えて、記録層4が、キュリー温度直下で
反強誘電性状態となるペロブスカイト型構造の金属酸化
物と、他のペロブスカイト型構造の金属酸化物とを含む
場合においても、キュリー温度直下で反強誘電性状態と
なるペロブスカイト型構造の金属酸化物の存在により、
他のペロブスカイト型構造の金属酸化物に起因して生じ
得る非180度分域ドメインの形成をも防止できること
を見出した。
【0023】また、かかるペロブスカイト型構造の金属
酸化物は、−20〜100℃程度(特に、5〜50℃程
度)の温度範囲、すなわち、実使用温度範囲で強誘電体
である必要がある。
【0024】さらに、かかるペロブスカイト型構造の金
属酸化物は、前記実使用温度範囲で構造相転移を示さな
いものであれば、構造相転移にともなう記録層4の破
壊、劣化等を防止することができ、キャパシタ1の実使
用温度範囲での各種特性を安定化させることができる。
【0025】加えて、記録層4が、かかるペロブスカイ
ト型構造の金属酸化物と、他のペロブスカイト型構造の
金属酸化物とを含む場合において、他のペロブスカイト
型構造の金属酸化物の中には、比較的実使用温度範囲ま
たはその近傍の温度で構造相転移を示すもの(例えばB
aTiOは、0℃付近と120℃付近とで構造相転移
を示す)もあるが、記録層4が、実使用温度範囲で構造
相転移を示さないペロブスカイト型の金属酸化物を含む
ことにより、前記他のペロブスカイト型構造の金属酸化
物の構造相転移温度を実使用温度範囲から離す(遠ざけ
る)ことができるようになる。その結果、記録層4が、
前記他のペロブスカイト型構造の金属酸化物を含む場合
であっても、構造相転移にともなう破壊、劣化等を防止
することができるので、キャパシタ1の実使用温度範囲
での各種特性を安定化させることができる。
【0026】このようなことから、本発明では、記録層
4を、キュリー温度直下で反強誘電性状態となり、実使
用温度範囲で強誘電体であり、かつ、実使用温度範囲で
構造相転移を示さないペロブスカイト型構造の金属酸化
物を含むもの、または、かかるペロブスカイト型構造の
金属酸化物と、他のペロブスカイト型構造の金属酸化物
とを含むものとした。
【0027】特に、記録層4は、前記のものを主材料と
するのが好ましい。これにより、非180度分域ドメイ
ンの発生がより確実に抑制され、結果として、分極モー
メントが大きくなる。すなわち、キャパシタ1の特性が
向上する。
【0028】なお、以下の説明では、キュリー温度直下
で反強誘電性状態となり、実使用温度範囲で強誘電体で
あり、かつ、実使用温度範囲で構造相転移を示さないペ
ロブスカイト型構造の金属酸化物を、「第1のペロブス
カイト型酸化物」と言い、他のペロブスカイト型構造の
金属酸化物を、「第2のペロブスカイト型酸化物」と言
う。
【0029】前述のように、記録層4は、第2のペロブ
スカイト型酸化物を含む場合でも、第1のペロブスカイ
ト型酸化物の存在により、第2のペロブスカイト型酸化
物に起因して生じ得る非180度分域ドメインの形成が
好適に防止される。このため、第2のペロブスカイト型
酸化物として、第1のペロブスカイト型酸化物より、分
極モーメントが大きいものを用いることにより、記録層
4として大きい分極モーメントを有するものを得ること
ができる。
【0030】このような第2のペロブスカイト型酸化物
としては、各種のペロブスカイト型構造の金属酸化物が
使用可能であるが、組成式ABO(ただし、Aは、P
b、Ba、Srのうちの少なくとも1種の元素、Bは、
4A族元素のうちの少なくとも1種の元素)で表される
ものが好ましい。この具体例としては、例えば、BaT
iO、KNbO、KTaO、K(TaNb
1−x)O、PbTiO 、PbZrO、Pb(Z
Ti1−x)O、または、これらを含む固溶体等
が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み
合わせて用いることができる。これらのペロブスカイト
型構造の金属酸化物は、特に、分極モーメントが大きい
ものである。
【0031】また、記録層4が、第1のペロブスカイト
型酸化物と第2のペロブスカイト型酸化物とを含む場
合、第1のペロブスカイト型酸化物の含有量をX[mo
l]とし、第2のペロブスカイト型酸化物の含有量をY
[mol]としたとき、Y/(X+Y)≦0.9なる関係
を満足するのが好ましく、Y/(X+Y)≦0.5なる関
係を満足するのがより好ましく、0.05≦Y/(X+
Y)≦0.5なる関係を満足するのがさらに好ましい。
Y/(X+Y)≦0.9なる関係であれば、記録層4は、
第1のペロブスカイト型酸化物と第2のペロブスカイト
型酸化物とを、前記範囲のモル比で含有することによ
り、記録層4中に非180度分域ドメインが形成される
のを防止することができる。Y/(X+Y)≦0.5なる
関係であれば、第2のペロブスカイト型酸化物の構造相
転移温度を実使用温度範囲から離す(遠ざける)ことが
できる。および、0.05≦Y/(X+Y)≦0.5なる
関係であれば、第2のペロブスカイト型酸化物の優位な
特性(単一ドメインのときに室温で大きな分極モーメン
トを有する)を好適に発揮させることができ、結果とし
て、特に大きい分極モーメントを有する記録層4を得る
ことができる。
【0032】さて、第1のペロブスカイト型酸化物とし
ては、例えば、(Bi0.50. )TiO、(B
0.5Na0.5)TiO等を用いることができる
が、これらの中でも、特に、(Bi0.50.5)T
iOが好ましい。第1のペロブスカイト型酸化物とし
て、(Bi0.50.5)TiOを用いることによ
り、前述したような効果がより顕著となる。
【0033】記録層4は、例えば、正方晶(001)配
向、擬立方晶(110)配向、擬立方晶(111)配向
等したもののいずれであってもよいが、これらの中で
も、正方晶(001)配向、擬立方晶(111)配向し
たものが好ましく、正方晶(001)配向したものが最
適である。これにより、キャパシタ1は、残留分極値が
より増大するようになる。
【0034】また、記録層4の平均厚さは、特に限定さ
れないが、5〜500nm程度とするのが好ましく、1
0〜200nm程度とするのがより好ましい。記録層4
の平均厚さを、前記範囲とすることにより、キャパシタ
1(延いては、メモリ素子等の各種電子デバイス)の大
型化を防止しつつ、各種特性を好適に発揮し得るキャパ
シタ1を得ることができる。
【0035】このような記録層4は、記録層4に電圧を
印加するための一方の電極である下部電極(第1の電
極)2上にエピタキシャル成長により形成されたもので
あるのが好ましい。これにより、記録層4と下部電極2
との接合性を良好なものとすることがでるので、キャパ
シタ1の経時的劣化を防止または抑制することができ
る。また、下部電極2の配向方位を適宜設定することに
より、記録層4の配向方位の制御が容易となる。
【0036】下部電極2としては、ペロブスカイト型構
造の金属酸化物を含むものが好ましく、ペロブスカイト
型構造の金属酸化物を主材料とするものがより好まし
い。前述したように、記録層4がペロブスカイト型構造
の金属酸化物を含むもの(特に、ペロブスカイト型構造
の金属酸化物を主材料とするもの)であるので、下部電
極2を、ペロブスカイト型構造の金属酸化物を用いて構
成することにより、記録層4と下部電極2との接合性を
より優れたものとすることができ、その結果、キャパシ
タ1の経時的劣化をより確実に防止または抑制すること
ができる。
【0037】また、ペロブスカイト型構造の金属酸化物
としては、例えば、ルテニウム酸ストロンチウム(SR
O)、NbドープしたSrTiO、または、これらを
含む固溶体等が挙げられ、これらの1種または2種以上
を組み合わせて用いることができる。これらのペロブス
カイト型構造の金属酸化物は、導電性および化学的安定
性に優れているので、下部電極2も、導電性および化学
的安定性に優れたものとすることができる。その結果、
キャパシタ1は、各種特性がより向上する。
【0038】これらの中でも、下部電極2に用いるペロ
ブスカイト型構造の金属酸化物としては、ルテニウム酸
ストロンチウム(SRO)が最適である。SROは、特
に導電性および化学的安定性に優れているので、SRO
を用いて下部電極2を構成することにより、キャパシタ
1は、前記効果がより向上する。
【0039】ここで、SROは、一般式Srn+1Ru
3n+1(nは1以上の整数)で表される。n=1
のときSrRuOとなり、n=2のときSrRu
となり、n=∞のときSrRuOとなる。SR
Oを用いて下部電極2を構成する場合は、SrRuO
が最適である。これにより、下部電極2の導電性および
化学的安定性を極めて優れたものとすることができると
ともに、下部電極2上に形成する記録層4の結晶性を高
めることもできる。
【0040】なお、下部電極2は、その厚さ方向の途中
に、イリジウムまたは白金等で構成される部分(中間
層)を有する構成、すなわち、SRO/Pt/SRO、
SRO/Ir/SROの積層構造とすることもできる。
この場合、下部電極2の記録層4側の部分を、SrRu
を含む材料で(特に、SrRuOを主材料とし
て)構成するようにすればよい。
【0041】このような下部電極2は、例えば、擬立方
晶(111)配向、擬立方晶(110)配向、擬立方晶
(100)配向等したもののいずれであってもよいが、
これらの中でも、特に、擬立方晶(100)配向、また
は擬立方晶(111)配向したものであるのが好まし
い。このような下部電極2上には、前述したような配向
方位の記録層4を、容易かつ確実にエピタキシャル成長
により形成することができる。
【0042】また、下部電極2は、前記ペロブスカイト
型構造の金属酸化物の他、例えば、IrO、RuO
のような金属酸化物、あるいは、白金(Pt)、イリジ
ウム(Ir)、アルミニウム(Al)またはこれらを含
む合金等の各種導電性材料のうちの1種または2種以上
を組み合わせて用いることができる。なお、下部電極2
をアルミニウムで構成する場合、イリジウム等で構成さ
れる層を積層するようにするのが好ましい。これによ
り、下部電極2の電蝕による劣化を防止または抑制する
ことができる。
【0043】このような下部電極2の平均厚さは、特に
限定されないが、5〜1000nm程度とするのが好ま
しく、10〜700nm程度とするのがより好ましい。
【0044】一方、記録層4上には、記録層4に電圧を
印加するための他方の電極となる上部電極3が形成され
ている。
【0045】なお、上部電極3の構成材料、構成等は、
前記の下部電極2と同様とすることができる。
【0046】また、上部電極3の平均厚さは、特に限定
されないが、5〜1000nm程度とするのが好まし
く、10〜500nm程度とするのがより好ましい。
【0047】次に、キャパシタ1の製造方法について、
説明する。前述したキャパシタ1は、例えば、次のよう
にして製造することができる。
【0048】[1] まず、下部電極2を用意する。こ
の下部電極2は、例えばガラス基板、半導体基板等の上
面に形成されたものを用いることができる。なお、この
下部電極2は、次工程[2]と同様にして行うことがで
きる。
【0049】[2] 次に、下部電極2上に、記録層4
を形成する。記録層4の形成方法(製膜方法)として
は、レーザーアブレーション法が好適に用いられる。か
かる方法によれば、レーザー光の入射窓を備えた簡易な
構成の真空装置を用いて、容易かつ確実に、記録層4を
形成することができる。
【0050】具体的には、まず、下部電極(サンプル)
2を、例えば、室温での背圧が133×10−9〜13
3×10−6Pa(1×10−9〜1×10−6Tor
r)程度に減圧された真空装置内に設置する。
【0051】なお、真空装置内には、下部電極2に対向
して、記録層(強誘電体層)4の構成元素を含むターゲ
ットが所定距離、離間して配置されている。このターゲ
ットとしては、目的とする記録層4の組成と同一の組成
または近似組成のものが好適に使用される。また、ター
ゲットの形状は、特に限定されないが、例えば円形状
(円盤状)とされ、その直径は、例えば15〜30mm
程度とされる。
【0052】次いで、例えば赤外線ランプ(加熱手段)
等を用いて、サンプルを加熱して昇温する。
【0053】この昇温速度は、特に限定されないが、1
〜20℃/分程度とするのが好ましく、5〜15℃/分
程度とするのがより好ましい。
【0054】また、サンプルの温度(到達温度)も、特
に限定されず、300〜800℃程度とするのが好まし
く、400〜700℃程度とするのが好ましい。
【0055】なお、昇温速度、サンプルの温度、真空装
置内の圧力等の各条件は、下部電極2の表面に、熱酸化
膜が形成されないものであれば、前記範囲に限定される
ものではない。
【0056】次いで、レーザー光をターゲットに照射す
ると、ターゲットを構成する原子が叩き出され、プルー
ムが発生する。換言すれば、プルームが下部電極2に向
かって照射される。そして、このプルームは、下部電極
2に接触して、記録層4が形成される。
【0057】このレーザー光は、好ましくは波長が15
0〜300nm程度、パルス長が1〜100ns程度の
パルス光とされる。具体的には、レーザー光としては、
例えば、ArFエキシマレーザー、KrFエキシマレー
ザー、XeClエキシマレーザーのようなエキシマレー
ザー、YAGレーザー、YVOレーザー、COレー
ザー等が挙げられる。これらの中でも、レーザー光とし
ては、特に、ArFエキシマレーザーまたはKrFエキ
シマレーザーが好適である。ArFエキシマレーザーお
よびKrFエキシマレーザーは、いずれも、取り扱いが
容易であり、また、より効率よく原子をターゲットから
叩き出すことができる。
【0058】記録層4の形成(成膜)における各条件
は、記録層4がエピタキシャル成長し得るものであれば
よく、例えば、次のようにすることができる。
【0059】レーザー光の周波数は、30Hz以下とす
るのが好ましく、15Hz以下とするのがより好まし
い。
【0060】レーザー光のエネルギー密度は、0.5J
/cm以上とするのが好ましく、2J/cm以上と
するのがより好ましい。
【0061】サンプルとターゲットとの距離は、60m
m以下とするのが好ましく、45mm以下とするのがよ
り好ましい。
【0062】また、真空装置内の圧力は、例えば、酸素
ガス供給下で133×10−3Pa(1×10−3To
rr)以上とするのが好ましく、原子状酸素ラジカル供
給下で133×10−5Pa(1×10−5Torr)
以上とするのが好ましい。
【0063】記録層4の形成における各条件を、それぞ
れ、前記範囲とすると、より効率よく、記録層4をエピ
タキシャル成長により形成することができる。
【0064】また、このとき、レーザー光の照射時間を
適宜設定することにより、記録層4の平均厚さを前述し
たような範囲に調整することができる。この場合、レー
ザー光の照射時間は、前記各条件によっても異なるが、
通常、2時間以下とするのが好ましく、1時間以下とす
るのがより好ましい。
【0065】また、記録層4を第1のペロブスカイト型
酸化物と第2のペロブスカイト型酸化物とを含むものと
する場合には、例えば第1のペロブスカイト型酸化物か
らなるターゲットと第2のペロブスカイト型酸化物から
なるターゲットとを用いて、これらのレーザー照射位置
における面積比を変化させること等することにより、記
録層4における第1のペロブスカイト型酸化物と第2の
ペロブスカイト型酸化物とのモル比(組成比)を所望の
ものとすることができる。
【0066】なお、記録層4の形成方法としては、これ
に限定されず、例えば、MBE(Molecular Beam Epita
xy)法、真空蒸着法、スパッタリング法、MOCVD
法、ゾル・ゲル法、MOD法等の各種薄膜作製法を用い
ることもできる。
【0067】[3] 次に、記録層4上に、上部電極3
を形成する。上部電極3の形成は、前記工程[2]と同
様にして行うことができる。すなわち、上部電極3の形
成方法(製膜方法)としては、レーザーアブレーション
法が好適であるが、これに限定されず、例えば、MBE
法、真空蒸着法、スパッタリング法、MOCVD法、ゾ
ル・ゲル法、MOD法等の各種薄膜作製法を用いること
もできる。
【0068】次に、本発明のキャパシタを備える強誘電
体メモリについて説明する。図2は、本発明の強誘電体
メモリの実施形態を模式的に示す平面図であり、図3
は、図2中のA−A線断面図である。なお、図3では、
煩雑となることを避けるため、断面であることを示す斜
線を一部省略して示す。
【0069】図3に示すように、強誘電体メモリ40
は、メモリセルアレイ42と、周辺回路部41とを有し
ている。これらのメモリセルアレイ42と周辺回路部4
1とは、異なる層に形成されている。本実施形態では、
下層(下側)に周辺回路部41が、上層(上側)にメモ
リセルアレイ42が形成されている。
【0070】メモリセルアレイ42は、行選択のための
第1信号電極(ワード線)422と、列選択のための第
2信号電極(ビット線)424とが直交するように配列
されている。なお、信号電極の配置は、前記のものに限
らず、逆であってもよい。すなわち、第1信号電極42
2がビット線、第2信号電極424がワード線でもよ
い。
【0071】これらの第1信号電極422と第2信号電
極424との間には、強誘電体層423が配置され、第
1信号電極422と第2信号電極424との交差領域に
おいて、それぞれ、前述したようなキャパシタ1が構成
されている。
【0072】また、第1信号電極422、強誘電体層4
23および第2信号電極424を覆うように、絶縁材料
からなる第1保護層425が形成されている。
【0073】さらに、第2配線層44を覆うように第1
保護層425上に絶縁材料からなる第2保護層426が
形成されている。
【0074】第1信号電極422および第2信号電極4
24は、それぞれ、第2配線層44によって周辺回路部
41の第1配線層43と電気的に接続されている。
【0075】周辺回路部41は、図2に示すように、第
1信号電極422を選択的に制御するための第1駆動回
路451と、第2信号電極424を選択的に制御するた
めの第2駆動回路452と、センスアンプなどの信号検
出回路453とを有しており、キャパシタ(メモリセ
ル)1に対して選択的に情報の書き込み、または、読み
出しを行うことができる。
【0076】また、周辺回路部41は、図3に示すよう
に、半導体基板411上に形成されたMOSトランジス
タ412を有している。このMOSトランジスタ412
は、ゲート絶縁層412a,ゲート電極412bおよび
ソース/ドレイン領域412cを有している。
【0077】各MOSトランジスタ412は、それぞ
れ、素子分離領域413によって分離されるとともに、
所定のパターンで形成された第1配線層43によって、
それぞれ、電気的接続がなされている。
【0078】MOSトランジスタ412が形成された半
導体基板411上には、第1層間絶縁層414が、さら
に、第1層間絶縁層414上には、第1配線層43を覆
うようにして第2層間絶縁層415が形成されている。
【0079】この第2層間絶縁層415上には、メモリ
セルアレイ42が設けられている。そして、周辺回路部
41とメモリセルアレイ42とは、第2配線層44によ
って電気的に接続されている。
【0080】以上の構成のような強誘電体メモリ40に
よれば、単一の半導体基板411上に周辺回路部41お
よびメモリセルアレイ42とが積層されているので、周
辺回路部41とメモリセルアレイ42とを同一面に配置
した場合に比べて、チップ面積を大幅に小さくすること
ができ、キャパシタ(メモリセル)1の集積度を高める
ことができる。
【0081】このような強誘電体メモリ40における書
き込み、読み出し動作の一例について説明する。
【0082】まず、読み出し動作においては、選択され
たキャパシタ1に読み出し電圧「V 」が印加される。
これは、同時に‘0’の書き込み動作を兼ねている。こ
のとき、選択されたビット線を流れる電流またはビット
線をハイインピーダンスにしたときの電位をセンスアン
プにて読み出す。
【0083】なお、このとき、選択されない単位キャパ
シタには、読み出し時のクロストークを防ぐため、所定
の電圧が印加される。
【0084】一方、書き込み動作においては、‘1’の
書き込みの場合は、選択されたキャパシタ1に「−
」の電圧が印加される。‘0’の書き込みの場合
は、選択されたキャパシタ1に、この選択されたキャパ
シタ1の分極を反転させない電圧が印加され、読み出し
動作時に書き込まれた‘0’状態を保持する。
【0085】なお、このとき、選択されないキャパシタ
1には、書き込み時のクロストークを防ぐため、所定の
電圧が印加される。
【0086】次に、強誘電体メモリ40の製造方法の一
例について説明する。前述したような強誘電体メモリ4
0は、例えば、次のようにして製造することができる。
【0087】−1− まず、公知のLSIプロセス(半
導体プロセス)を用いて、周辺回路部41を形成する。
【0088】具体的には、半導体基板411上に、MO
Sトランジスタ412を形成する。例えば、半導体基板
411上の所定領域にトレンチ分離法、LOCOS法等
を用いて素子分離領域413を形成し、次いで、ゲート
絶縁層412aおよびゲート電極412bを形成し、そ
の後、半導体基板411に不純物をドープすることでソ
ース/ドレイン領域412cを形成する。
【0089】−2− 次に、第1層間絶縁層414を形
成した後、コンタクトホールを形成し、その後、所定パ
ターンの第1配線層43を形成する。
【0090】−3− 次に、第1配線層43が形成され
た第1層間絶縁層414上に、第2層間絶縁層415を
形成する。
【0091】以上のようにして、駆動回路451、45
2および信号検出回路453等の各種回路を有する周辺
回路部41が形成される。
【0092】−4− 次に、周辺回路部41上に、メモ
リセルアレイ42を形成する。これは、前述した工程
[1]〜[3]と同様にして行うことができる。
【0093】−5− 次に、第2信号電極424が形成
された強誘電体層423上に、第1保護層425を形成
し、さらに、第1保護層425の所定領域にコンタクト
ホールを形成し、その後、所定パターンの第2配線層4
4を形成する。これにより、周辺回路部41とメモリセ
ルアレイ42とが電気的に接続される。 −6− 次に、最上層に、第2保護層426を形成す
る。
【0094】以上のようにして、メモリセルアレイ42
が形成され、強誘電体メモリ40が得られる。
【0095】このような強誘電体メモリ40は、各種電
子機器に適用することができる。この電子機器として
は、例えば、パーソナルコンピューター、携帯情報機器
等が挙げられる。
【0096】以上、本発明のキャパシタおよび強誘電体
メモリについて、図示の実施形態に基づいて説明した
が、本発明は、これに限定されるものではない。
【0097】例えば、本発明のキャパシタおよび強誘電
体メモリを構成する各部は、同様の機能を発揮する任意
のものと置換、または、その他の構成を追加することも
できる。
【0098】また、例えば、記録層4と、下部電極2お
よび上部電極3との間には、それぞれ、任意の目的の層
が、1層または2層以上設けられていてもよい。
【0099】
【実施例】次に、本発明の具体的実施例について説明す
る。
【0100】(実施例1)次のようにして、図1に示す
キャパシタを製造した。
【0101】−1− まず、(Ba0.8Sr0.2
RuOからなる下部電極が形成されたSi単結晶基板
を用意した。なお、下部電極は、擬立方晶(100)配
向したものであり、その平均厚さが50nmのものであ
った。
【0102】−2− 次に、この下部電極上に、(Bi
0.50.5)TiOとBaTiOとからなる記
録層(強誘電体層)を形成した。
【0103】なお、(Bi0.50.5)TiO
温度変化に伴う結晶構造の変化を調べた結果、この(B
0.50.5)TiOは、400℃(キュリー温
度)〜270℃の温度範囲において反強誘電性状態とな
り、−20〜270℃の温度範囲において構造相転移を
生じなかった。
【0104】まず、下部電極が形成されたSi単結晶基
板(サンプル)を基板ホルダーに装填し、室温での背圧
1×10−8Torrの真空装置内に基板ホルダーごと
設置した。
【0105】次いで、サンプルを、赤外線ランプを用い
て、20℃/分で700℃まで加熱昇温した。
【0106】次いで、サンプルに対向して配置された
(Bi0.50.5)TiOターゲットおよびBa
TiOターゲットの表面に、それぞれ、ArFエキシ
マレーザー(波長:193nm)のパルス光(パルス
長:10ns)を入射し、(Bi 0.50.5)Ti
ターゲット表面にBi、K、Ti、Oを含む原子の
プルームを、また、BaTiOターゲット表面にB
a、Ti、Oを含む原子のプルームを発生させた。そし
て、これらのプルームをサンプル(下部電極)に照射
し、平均厚さが100nmの記録層(強誘電体層)を形
成した。なお、この記録層の形成は、以下に示す条件で
行った。
【0107】 ・ArFエキシマレーザー エネルギー密度 :1.5J/cm 周波数 :10Hz ・レーザー照射時間 :40分 ・サンプル温度 :700℃ ・ターゲット直径 :20mm ・サンプルとターゲットとの距離:50mm ・真空装置内の酸素分圧 :酸素ガス供給下で399×10−3Pa( 3×10−3Torr)
【0108】このとき、レーザー照射位置における(B
0.50.5)TiOターゲットとBaTiO
ターゲットとの面積比を調整して、記録層における(B
.50.5)TiOおよびBaTiOのモル
比率が、それぞれ10%、90%となるように調整し
た。
【0109】得られた記録層の表面(上面)を、X線回
折装置を用いて、X線回折により観察した結果、記録層
は、正方晶(001)配向でエピタキシャル成長をして
いることが明らかとなった。
【0110】また、得られた記録層を、非線形型誘電率
顕微鏡を用いて観察した結果、90度分域ドメインの存
在は、確認されなかった。
【0111】−3− 次に、記録層上に、(Ba0.8
Sr0.2)RuO(ペロブスカイト型構造の金属酸
化物)からなる上部電極を形成した。
【0112】まず、(Bi0.50.5)TiO
ーゲットおよびBaTiOターゲットに代えて、(B
0.8Sr0.2)RuOターゲットを、記録層と
下部電極とが形成されたSi単結晶基板(サンプル)に
対向して設置した。
【0113】次いで、(Ba0.8Sr0.2)RuO
ターゲット表面に、ArFエキシマレーザー(波長:
193nm)のパルス光(パルス長:10ns)を入射
し、(Ba0.8Sr0.2)RuOターゲット表面
にBa、Sr、Ru、Oを含む原子のプルームを発生さ
せた。そして、このプルームをサンプル(記録層)に照
射し、平均厚さが50nmの上部電極を形成した。な
お、この上部電極の形成は、以下に示す条件で行った。
【0114】 ・ArFエキシマレーザー エネルギー密度 :1.5J/cm 周波数 :10Hz ・レーザー照射時間 :30分 ・サンプル温度 :700℃ ・ターゲット直径 :20mm ・サンプルとターゲットとの距離:50mm ・真空装置内の酸素分圧 :酸素ガス供給下で399×10−3Pa( 3×10−3Torr)
【0115】得られた上部電極の表面(上面)を、前記
と同様の装置を用いて、X線回折により観察した結果、
上部電極は、擬立方晶(100)配向でエピタキシャル
成長をしていることが明らかとなった。
【0116】(実施例2〜実施例12)記録層(強誘電
体材料層)の構成を表1に示すように変更した以外は、
前記実施例1と同様にしてキャパシタを製造した。
【0117】各実施例において得られた記録層の表面
(上面)を、前記実施例1と同様の装置を用いて、X線
回折により観察した結果、いずれも、記録層は、正方晶
(001)配向でエピタキシャル成長をしていることが
明らかとなった。
【0118】また、各実施例において得られた記録層
を、前記実施例1と同様の顕微鏡を用いて観察した結
果、いずれも、90度分域ドメインの存在は、確認され
なかった。
【0119】(比較例)記録層(強誘電体材料層)をB
aTiOで構成した以外は、前記実施例1と同様にし
てキャパシタを製造した。
【0120】比較例において得られた記録層の表面(上
面)を、前記実施例1と同様の装置を用いて、X線回折
により観察した結果、記録層は、擬立方晶でエピタキシ
ャル成長をしていることが明らかとなった。
【0121】しかし、比較例において得られた記録層
を、前記実施例1と同様の顕微鏡を用いて観察した結
果、多数の90度分域ドメインの存在が確認された。
【0122】(評価)実施例1〜12および比較例で製
造したキャパシタについて、それぞれ、ヒステリシス測
定装置を用いて、P−Eヒステリシス測定を行い、残留
分極値(Pr)を得た。このP−Eヒステリシス測定
は、周波数1kHz、振幅100kV/cmの電界を印
加することにより行ったなお、測定環境の温度を、5
℃、25℃および80℃に設定して、それぞれ行った。
【0123】また、測定環境の温度を25℃に保持し
て、1010回分極反転させた後の残留分極値の変化率
を、次の4段階の基準に従って評価した。
【0124】 ◎:10%未満の低下 ○:10%以上40%未満の低下 △:40%以上70%未満の低下 ×:70%以上の低下 この結果を表1に示す。
【0125】
【表1】
【0126】表1に示すように、各実施例で製造したキ
ャパシタ(本発明のキャパシタ)は、いずれも、環境温
度にかかわらず、残留分極値が10μC/cm以上と
優れたものであった。
【0127】また、各実施例は、いずれも、分極反転を
繰り返した後においても、残留分極値の大きな低下が認
められず、疲労特性にも優れるものであることが確認さ
れた。
【0128】これに対し、比較例で製造したキャパシタ
は、残留分極値が各実施例のいずれのものよりも劣って
いた。特に、環境温度が80℃の場合、残留分極値が1
0μC/cm未満となった。
【0129】さらに、比較例で製造したキャパシタは、
分極反転を繰り返した後において、顕著な残留分極値の
低下が観察され、疲労特性にも劣るものであることが明
らかとなった。
【0130】なお、前述したような各本発明のキャパシ
タを備える強誘電体メモリを製造し、それらの特性をそ
れぞれ評価した結果、いずれの強誘電体メモリも、優れ
た特性を発揮し、信頼性も高いものであった。
【0131】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、高
い分極モーメントを有する記録層を得ることができるた
め、残留分極値が大きく、抗電界が小さいものとするこ
とができる。
【0132】また、本発明によれば、疲労特性に優れ、
高い信頼性も得られる。また、記録層の材料の種類、組
成比等を適宜設定することにより、前記効果がより向上
するとともに、実使用温度範囲において安定した性能を
発揮する。
【0133】このようなことから、本発明のキャパシタ
を用いて各種電子デバイス(本発明の強誘電体メモ
リ)、各種電子機器を製造することにより、高性能のも
のを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のキャパシタの実施形態を示す縦断面
図である。
【図2】 本発明の強誘電体メモリの実施形態を模式的
に示す平面図である。
【図3】 図2中のA−A線断面図である。
【符号の説明】
1‥‥キャパシタ 2‥‥下部電極 3‥‥上部電極
4‥‥記録層 40‥‥強誘電体メモリ 41‥‥周辺
回路部 411‥‥半導体基板 412‥‥MOSトラ
ンジスタ 412a‥‥ゲート絶縁層 412b‥‥ゲ
ート電極 412c‥‥ソース/ドレイン領域 413
‥‥素子分離領域 414‥‥第1層間絶縁層 415
‥‥第2層間絶縁層 42‥‥メモリセルアレイ 42
2‥‥第1信号電極 423‥‥強誘電体層 424‥
‥第2信号電極 425‥‥第1保護層 426‥‥第
2保護層 43‥‥第1配線層 44‥‥第2配線層
451‥‥第1駆動回路 452‥‥第2駆動回路 4
53‥‥信号検出回路
フロントページの続き (72)発明者 岩下 節也 長野県諏訪市大和3丁目3番5号 セイコ ーエプソン株式会社内 Fターム(参考) 5F083 FR01 GA21 GA27 JA14 JA15 JA38 JA45 LA11 MA06 MA19 NA01 PR22 PR25 PR33

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1の電極と、 該第1の電極に対向する第2の電極と、 これらの電極の間に介挿され、キュリー温度直下で反強
    誘電性状態となり、−20〜100℃の温度範囲で強誘
    電体であり、かつ、前記温度範囲で構造相転移を示さな
    いペロブスカイト型構造の金属酸化物を含む記録層とを
    有することを特徴とするキャパシタ。
  2. 【請求項2】 第1の電極と、 該第1の電極に対向する第2の電極と、 これらの電極の間に介挿され、キュリー温度直下で反強
    誘電性状態となり、−20〜100℃の温度範囲で強誘
    電体であり、かつ、前記温度範囲で構造相転移を示さな
    いペロブスカイト型構造の金属酸化物と、他のペロブス
    カイト型構造の金属酸化物とを含む記録層とを有するこ
    とを特徴とするキャパシタ。
  3. 【請求項3】 前記キュリー温度直下で反強誘電性状態
    となり、−20〜100℃の温度範囲で強誘電体であ
    り、かつ、前記温度範囲で構造相転移を示さないペロブ
    スカイト型構造の金属酸化物の含有量をX[mol]と
    し、前記他のペロブスカイト型構造の金属酸化物の含有
    量をY[mol]としたとき、Y/(X+Y)≦0.9
    なる関係を満足する請求項2に記載のキャパシタ。
  4. 【請求項4】 前記他のペロブスカイト型構造の金属酸
    化物は、組成式ABO(ただし、Aは、Pb、Ba、
    Srのうちの少なくとも1種の元素、Bは、4A族元素
    のうちの少なくとも1種の元素)で表されるものである
    請求項2または3に記載のキャパシタ。
  5. 【請求項5】 前記キュリー温度直下で反強誘電性状態
    となるペロブスカイト型構造の金属酸化物は、(Bi
    0.50.5)TiOである請求項1ないし4のい
    ずれかに記載のキャパシタ。
  6. 【請求項6】 前記記録層は、正方晶(001)配向し
    たものである請求項1ないし5のいずれかに記載のキャ
    パシタ。
  7. 【請求項7】 前記記録層は、前記第1の電極上にエピ
    タキシャル成長により形成されたものである請求項1な
    いし6のいずれかに記載のキャパシタ。
  8. 【請求項8】 前記第1の電極は、ペロブスカイト型構
    造の金属酸化物を含むものである請求項1ないし7のい
    ずれかに記載のキャパシタ。
  9. 【請求項9】 請求項1ないし8のいずれかに記載のキ
    ャパシタを備えることを特徴とする強誘電体メモリ。
  10. 【請求項10】 請求項9に記載の強誘電体メモリを備
    えることを特徴とする電子機器。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN110416409A (zh) * 2019-08-08 2019-11-05 广东工业大学 一种钙钛矿氧化物薄膜器件及其制备方法和应用

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