JP2003286962A - ベローズポンプ - Google Patents

ベローズポンプ

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JP2003286962A
JP2003286962A JP2002087697A JP2002087697A JP2003286962A JP 2003286962 A JP2003286962 A JP 2003286962A JP 2002087697 A JP2002087697 A JP 2002087697A JP 2002087697 A JP2002087697 A JP 2002087697A JP 2003286962 A JP2003286962 A JP 2003286962A
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JP
Japan
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bellows
heat
chamber
space
expansion
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Pending
Application number
JP2002087697A
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English (en)
Inventor
Masaru Kanai
大 金井
Takahiro Nakamura
隆広 中村
Itsuo Nakasaki
五夫 中崎
Ryosuke Taihichi
亮佑 對比地
Hiroshi Sekiya
弘志 関谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sanyo Electric Co Ltd
Original Assignee
Sanyo Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ケーシング22とベローズ24との間の雰囲
気によるベローズ24内の熱搬送媒体の熱損失を低減す
る。 【解決手段】 駆動軸27とケーシング22との間に、
ベアリング18を挟んで再生器25を設ける。再生器2
5は、メッシュシート状やウール状にしたステンレスや
真鍮等の金属を成形して形成する。ケーシング22内の
空間を、室温側空間RBと冷熱源側空間RAとに区画
し、これらの間を流動する雰囲気の熱を再生器25で蓄
熱、再生することにより、冷熱源側空間RA側の雰囲気
の温度変化を抑制して、ベローズ24内の熱搬送媒体の
熱損失を低減する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、冷熱源で熱交換し
た熱搬送媒体を熱利用機器に搬送する際等において熱搬
送媒体の搬送に用いるベローズポンプに関する。
【0002】
【従来の技術】今日、熱を利用する機器は多く、例えば
冷熱を利用する機器(冷熱利用機器)としては、冷凍
庫、冷蔵庫、投げ込み式クーラー等の業務用又は家庭用
の冷熱利用機器を始めとして、低温液循環器、低温恒温
器、恒温槽、ヒートショック試験装置、凍結乾燥機、温
度特性試験装置、血液・細胞保存装置、コールドクーラ
等多種多様の機器が知られている。
【0003】このような熱利用機器において冷熱源とそ
の熱を利用する熱利用機器との間の距離が離れているよ
うな場合、熱搬送装置が用いられる。
【0004】このような熱搬送装置は、冷熱源で冷却さ
れた熱搬送媒体を搬送ポンプで搬送して熱利用機器に供
給するものである。
【0005】図4は、かかる搬送ポンプとしてベローズ
を用いたベローズポンプ110の概略構成を示した図
で、ケーシング221内にベローズ114が設けられ、
その一端はケーシング221の蓋112に密着して取付
けられている。
【0006】また、ベローズ114の他端には、底板1
13が密着して設けられ、当該底板113に駆動軸11
7が連結されている。この駆動軸117はベアリング1
18により上下動自在に支持され、シール部材119を
介してケーシング221外に延設されている。
【0007】ケーシング221の外にはモータ121が
設けられて、当該モータ121により駆動軸117が往
復運動するようになっている。
【0008】そして、ベローズ114が伸縮することに
より熱搬送媒体がベローズ114内に吸引され、また当
該ベローズ114内から吐出されて、熱搬送媒体に搬送
力を付与している。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ベロー
ズが伸縮運動し、かつ、ベローズ114側が低温であ
り、モータ121側が室温であるため、後述するような
理由からベローズ114内の熱搬送媒体が加熱されて熱
損失を生じさせてしまう問題があった。
【0010】即ち、ベローズが伸縮運動することによ
り、ケーシング内の空間は攪拌されて、例えば図4に点
線矢印で示すように流動して、ベローズ114側の温度
の低い雰囲気とモータ121側の温度の高い雰囲気とが
混じり合ってしまう。
【0011】このため、ベローズに接する雰囲気の温度
が上昇して、当該ベローズ内の熱搬送媒体が加熱され熱
損失が発生する。
【0012】そこで、本発明は、かかる熱損失を抑制し
て効率よく熱搬送が行えるようにしたベローズポンプを
提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、請求項1にかかる発明は、ケーシング内に収納され
ると共に一端が当該ケーシングの蓋に密着して設けられ
て伸縮運動するベローズと、該ベローズの底板に固着さ
れてケーシング外まで延設された駆動軸と、該駆動軸を
往復運動させることによりベローズを伸縮させるモータ
とを備えて、ベローズが伸びた際に熱搬送媒体を当該ベ
ローズ内空間に吸引し、縮んだ際に該ベローズ内の熱搬
送媒体を圧送して吐出すベローズポンプにおいて、ベロ
ーズの伸縮に伴いケーシングとベローズとの間の雰囲気
が攪拌されて、当該攪拌された雰囲気により該ベローズ
内の熱搬送媒体が加熱されるのを抑制すべく、雰囲気の
攪拌路を遮るようにして設けられて、攪拌されて流動す
る雰囲気の熱を蓄熱し、また再熱する再生器を設けたこ
とを特徴とする。
【0014】請求項2にかかる発明は、再生器により、
ケーシングとベローズとの間の空間が当該ベローズ側の
空間と当該空間に対向するケーシング底側の空間とに区
画され、ベローズ側の空間がケーシング底側の空間より
大きな空間になるように形成されていることを特徴とす
る。
【0015】請求項3にかかる発明は、熱搬送媒体は、
ヘリウム、窒素、アルゴンのいずれか1又はこれらの混
合体であることを特徴とする請求項1又は2記載のベロ
ーズポンプ。
【0016】請求項4にかかる発明は、ベローズ内空間
のガス状の熱搬送媒体は、−100℃以下であることを
特徴とする請求項1乃至3いずれか1項記載のベローズ
ポンプ。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図を参照し
て説明する。図1は本発明の実施の形態の説明に適用さ
れるベローズポンプ10の概略構成を示す図である。ま
た、図2はかかるベローズポンプ10を利用してスター
リング冷凍機で発生した冷熱を搬送する冷熱搬送装置1
の概略構成を示す図である。
【0018】冷熱搬送装置1は、スターリング冷凍機の
ような冷熱源と熱搬送媒体とが熱交換する冷熱源側熱交
換器2、該熱搬送媒体を圧送するベローズポンプ10、
熱搬送媒体と冷熱利用機器とが熱交換する負荷側熱交換
器3を有し、これらが冷熱搬送配管5により順次接続さ
れて形成されている。
【0019】このベローズポンプ10は、ケーシング2
2内にベローズ24が設けられて、当該ベローズ24の
一端はケーシング22の蓋12に密着して取付けられて
いる。なお、ケーシング22及び蓋12は断熱材等を用
いて断熱処理されていることが好ましい。
【0020】この蓋12には、熱搬送媒体が吸引される
吸引口30、当該熱搬送媒体を加圧して吐出す吐出口2
6がそれぞれ設けられて、これら吸引口30及び吐出口
26には図示しない逆止弁が設けられて、図2に示す矢
印方向にのみ熱搬送媒体が流動できるようになってい
る。
【0021】また、ベローズ24の他端には、底板23
が密着して設けられ、当該底板23に駆動軸27が連結
されている。この駆動軸27はベアリング18により上
下動自在に支持され、シール部材28を介してケーシン
グ22外に延設されている。
【0022】ケーシング22の外にはリニアモータ29
が設けられて、当該リニアモータ29により駆動軸27
が往復運動するようになっている。
【0023】このシール部材28は、外気がケーシング
22内に侵入しないようにするために設けられている。
【0024】なお、ベローズ24は、金属材料をプレス
加工により一体成形した金属成形ベローズや溶接により
組み立てた金属溶接ベローズが使用される。
【0025】駆動軸27とケーシング22との間には、
ベアリング18を挟んで再生器25が設けられている。
再生器25は、メッシュシート状やウール状にしたステ
ンレスや真鍮等の金属により形成されており、空気等の
気体がその内部を流動することができるようになってい
る。
【0026】この再生器25によりベローズ24とケー
シング22との間の空間が2分される。そこで、ベロー
ズ24側の空間を冷熱源側空間RA、シール部材28側
の空間を室温側空間RBと記載する。
【0027】この室温側空間RB内の雰囲気温度は室温
又は略室温であり、冷熱源側空間RA内の雰囲気温度は
熱搬送媒体の温度である。
【0028】従って、ベローズ24の伸縮運動に伴い、
冷熱源側空間RAは圧縮・膨張を起すことになる。無
論、上述したように再生器25は通気性を持つため、室
温側空間RBの雰囲気も略同位相で圧縮・膨張するよう
になる。
【0029】ところが、ベローズポンプ10の小型化や
スリム化等の理由から、図2からも分るように、室温側
空間RBは冷熱源側空間RAより小さく形成されている
ため、室温側空間RBと冷熱源側空間RAとにおける雰
囲気の圧縮率や膨張率は異なり、例えベローズ24とケ
ーシング22との間の空間が密閉空間であっても当該空
間の雰囲気が流動する。
【0030】このため、ベローズ24に接する雰囲気の
温度が上昇して、当該雰囲気により熱搬送媒体が加熱さ
れ熱損失が発生する。
【0031】そこで、本発明では、上記再生器25によ
り、冷熱源側空間RAから再生器25に流入した雰囲気
の熱を蓄熱して、室温側空間RBから当該再生器25を
介して冷熱源側空間RAに流入する雰囲気を、当該蓄熱
した熱で冷却するようにしている。
【0032】これにより、冷熱源側空間RAの雰囲気が
室温側空間RBの雰囲気と混じり合っても、冷熱側空間
RAの温度上昇が抑制されるようになり、熱搬送媒体の
熱損室が低減する。
【0033】このようなベローズポンプ10により冷熱
を搬送する際の冷熱源として、図3に示すようなスター
リング冷凍機4が用いられる。
【0034】該スターリング冷凍機4は、駆動装置11
は、内部がモータ室13をなすモータハウジングを有
し、このモータ室13にステータ15及びロータ16か
らなる正逆回転可能なモータ14が設置されて、発生し
た回転動力はモータ軸17を介して出力される。
【0035】冷熱発生装置33は、駆動装置11で発生
した回転動力を往復動力に変換する動力変換部34、作
動ガスを圧縮する圧縮部64、作動ガスを膨張させる膨
張部90、圧縮室66と膨張室92とを連通させるガス
流路175に設けられて流動する作動ガスの熱を蓄熱す
る蓄熱部174、圧縮部64で圧縮されて温度上昇した
作動ガスの熱を外部に放熱させる放熱部193、膨張部
90で作動ガスが膨張することにより発生した冷熱を冷
熱利用機器に供給するコールドヘッド部219、クラン
ク室36のオイル248が圧縮室66や膨張室92に侵
入しないようにするオイルシール部148、背圧室15
4とクランク室36との差圧の発生を抑制する圧力調整
部125等を有している。
【0036】動力変換部34は、内部がクランク室36
をなすクランクハウジングを有し、このクランクハウジ
ングはモータハウジングトップ19を介してモータハウ
ジングと接して設けられている。
【0037】なお、モータ軸17やクランク軸37は、
軸受21により回動自在に支持されている。
【0038】モータハウジング及びクランクハウジング
は、それぞれ蓋で封止されており、これらモータハウジ
ング、クランクハウジング、モータハウジングトップ1
9は鋳物により製造されている。
【0039】ところで、作動ガスとしてヘリウム、水
素、窒素等の大気以外のガスを用いることができ、この
場合にはクランク室、モータ室、バッファタンク内に
も、これらの作動ガスを封入しておくことが好ましい。
【0040】これは長時間の運転により、僅かながらも
クランク室、モータ室、バッファタンク内の雰囲気が圧
縮室や膨張室に侵入するためである。
【0041】クランク室36には、モータ軸17と連結
されたクランク軸37、該クランク軸37に装着された
圧縮クランク38a及び膨張クランク38bからなるク
ランク38、一端がクランク38に連結された圧縮コネ
クティングロッド41a及び膨張コネクティングロッド
41bからなるコネクティングロッド41、該コネクテ
ィングロッド41の他端に連結された圧縮クロスガイド
ヘッド44a及び膨張クロスガイドヘッド44bからな
るクロスガイドヘッド44、該クロスガイドヘッド44
の運動方向を1方向に規制する圧縮クロスガイドライナ
47a及び膨張クロスガイドライナ47bからなるクロ
スガイドライナ47等が設けられている。
【0042】なお、圧縮クランク38aと膨張クランク
38bとは、クランク軸37の軸心に対して偏心して設
けられ、かつ、モータ14の正転時に膨張クランク38
bが圧縮クランク38aより略90度位相が先行して回
転するように設けられている。
【0043】ここでモータ14の正転時とは、冷熱を発
生するようなサイクル運転を行うときのモータ14の回
転方向を言う。
【0044】このときスターリング冷凍機4において
は、膨張クランク38bと圧縮クランク38aとの位相
差に伴い発生する回転アンバランスを抑制するためにバ
ランサ51が設けられている。
【0045】クロスガイドライナ47は、クロスガイド
ヘッド44が挿入される概略円筒状の穴で、クランクハ
ウジングの頂部を穴開加工等して形成されている。
【0046】これによりクランク38を介して駆動され
たクロスガイドヘッド44はクロスガイドライナ47に
案内されて往復運動するようになる。
【0047】圧縮部64は、シリンダハウジング74を
穴開して形成された圧縮シリンダ68、圧縮シリンダ6
8内を往復運動する圧縮ピストン67、一端が圧縮クロ
スガイドヘッド44aに揺動自在に取付けられると共に
他端が圧縮ピストン67に固着されて、これらを連結す
る圧縮ピストンロッド69、該圧縮ピストン67の頭部
側と圧縮シリンダ68とで形成された圧縮室66を有し
ている。
【0048】圧縮ピストン67の側筒面には、ピストン
リングが装着されて、圧縮室66の機密性を保ってい
る。
【0049】膨張部90は、膨張シリンダ97、該膨張
シリンダ97内を往復運動する膨張ピストン93、一端
が膨張クロスガイドヘッド44bに揺動自在に取付けら
れると共に他端が膨張ピストン93に固着されて、この
らを連結する膨張ピストンロッド100、該膨張ピスト
ン93の頭部側と膨張シリンダ97とで形成された膨張
室92を有して、膨張室92の外周部にコールドヘッド
部219が形成されている。
【0050】膨張ピストン93には、ピストンリングが
装着されて、膨張室92の機密性を保っている。
【0051】なお、膨張ピストン93の下端部を取囲む
ように環状溝108が形成されて、当該環状溝108に
ガス流路175が繋がり、圧縮室66へと連通してい
る。
【0052】蓄熱部174は、真鍮やステンレス鋼を材
料とするメッシュ状の金属シートのからなる円筒状の蓄
熱材176を有し、この蓄熱材176が多数積層されて
装着される。
【0053】そして、膨張室92で膨張して温度の下が
った作動ガスが、圧縮室66に向って流動する際には、
当該作動ガスの冷熱を貯えて、当該冷熱が圧縮室66か
ら膨張室92に流動する作動ガスの冷却に用いられる。
【0054】また、圧縮室66で圧縮されて温度上昇し
た作動ガスが、圧縮室66から膨張室92に向って流動
する際には、当該作動ガスの温熱を貯えて、当該温熱が
膨張室92から圧縮室66に流動する作動ガスの加熱に
用いられる。
【0055】放熱部193は、圧縮部64で圧縮されて
温度上昇した作動ガスの熱を外部に速やかに放出させる
ことを主目的として設けられて、フィンを有する放熱器
195が設けられている。
【0056】この放熱部193を循環する冷却水は、冷
却水回路202を循環ポンプ198により循環する。
【0057】そして、この冷却水回路202に設けられ
た放熱交換器196で送風ファン197により送風され
る外気と熱交換して冷却される。
【0058】本発明にかかるスターリング冷凍機4で
は、クランク38が回転した際に、クランク室36の底
部に貯留しているオイル248を掻上げて、クランク3
8とコネクティングロッド41との摺動部分やクロスガ
イドヘッド44とクロスガイドライナ47との摺動部分
等に付着させて、これらの摺動部分を潤滑している。
【0059】このときクロスガイドヘッド44の往復運
動により、クロスガイドヘッド44とクロスガイドライ
ナ47との摺動部分のオイル248が圧縮ピストン67
や膨張ピストン93側に送込まれて、クロスガイドヘッ
ド44の頭部側(圧縮ピストン67や膨張ピストン93
側)に溜るようになる。
【0060】クロスガイドヘッド44は、非常に早い周
期で往復運動するため、このようにして溜ったオイル2
48は跳ね飛ばされて、圧縮ピストン67や膨張ピスト
ン93に付着し、これが圧縮ピストン67や膨張ピスト
ン93の往復運動により圧縮室66や膨張室92に送込
まれて冷凍効率の低下をもたらす。
【0061】また、クロスガイドヘッド44の頭部側に
溜るオイル248量は、当該クロスガイドヘッド44の
頭部と底部との差圧に依存し、大きな差圧が発生すると
溜るオイル248量も多くなり、これに伴い圧縮室66
や膨張室92に多量のオイル248が侵入する。
【0062】なお、クランク室36は、スターリング冷
凍機4の長時間運転により温度上昇するが、この温度上
昇に伴いクランク室36の圧力上昇が生じる。
【0063】即ち、圧縮室66や膨張室92にオイル2
48が侵入する原因として、クロスガイドヘッド44等
の往復運動による送込みと、背圧室154とクランク室
36との間の差圧が主要原因となっている。
【0064】そこで、クロスガイドヘッド44により送
込まれたオイル248が圧縮ピストン67や膨張ピスト
ン93に付着しないようにするために、オイルシールベ
ローズを主要構成とするオイルシール部148を設けて
いる。
【0065】このようなオイルシール部148は、クロ
スガイドヘッド44と膨張ピストン93及び圧縮ピスト
ン67との間に設けられたオイルシールベローズ149
を有し、クロスガイドヘッド44と膨張ピストン93及
び圧縮ピストン67との間を気密に区画している。以
下、膨張ピストン93及び圧縮ピストン67側の空間を
背圧室154という。
【0066】このオイルシールベローズ149は、金属
材料をプレス加工により一体成形した金属成形ベローズ
や溶接により組み立てた金属溶接ベローズが使用され
る。
【0067】これにより背圧室154が気密状態とな
り、クランク室36からオイル248が圧縮室66や膨
張室92に侵入する不都合が完全に防止できるようにな
る。
【0068】背圧室154は、圧縮ピストン67の背圧
側と膨張ピストン93との背圧側にそれぞれ形成される
が、これらが互いに連通するように背圧室連通孔155
が形成されている。
【0069】ところで、背圧室154の空間容積に比べ
クランク室36側の空間容積は十分に大きい。
【0070】なお、クランク室36側の空間容積は、ク
ランク室36とモータ室13とが連通しているので、こ
れらの和である。
【0071】このような容積関係の下で背圧室154が
気密状態にあると、膨張ピストン93や圧縮ピストン6
7の往復運動作により当該背圧室154には大きな圧力
変動が発生すると共に、クランク室36との間で大きな
差圧が発生する。
【0072】そして、背圧室154の圧力がクランク室
36の圧力より高くなるとオイルシールベローズ149
は糸巻ボビン状に絞られ、逆に背圧室154の圧力がク
ランク室36の圧力より低くなると、オイルシールベロ
ーズ149はビヤダル状に膨らむようになる。
【0073】このような変形が、繰返しオイルシールベ
ローズ149に生じて破損しやすくなる。
【0074】また、背圧室154の圧力変動は、膨張ピ
ストン93や圧縮ピストン67の往復運動のブレーキと
して作用するので、その分モータ14の負荷が増えてし
まい冷凍効率が低下する。
【0075】そこで、背圧室連通孔155を設けて圧縮
ピストン67の背圧側と膨張ピストン93の背圧側とに
それぞれ形成される背圧室154を連通している。
【0076】圧縮ピストン67と膨張ピストン93と
は、所定の位相差を保って往復運動するため、これらの
背圧側圧力も所定の位相差を保って変動する。
【0077】従って、背圧室連通孔155により圧縮ピ
ストン67の背圧側と膨張ピストン93の背圧側とを連
通させることにより、相互で圧力変動が吸収し合うよう
になる。
【0078】しかし、このような構成にしても、圧縮ピ
ストン67の背圧側と膨張ピストン93の背圧側との空
間容積の相違や、当該背圧室154を満たす雰囲気の流
動抵抗等により完全に圧力変動を吸収することができな
い。
【0079】そこで、より完全な圧力変動が行えるよう
に、バッファタンク126を備えた圧力調整部125を
設けている。
【0080】この圧力調整部125のバッファタンク1
26は、タンク内の空間を2つの空間に気密に仕切る圧
力調整ベローズ127を備えて、一方の空間が背圧側連
通管128により背圧室154と連通し、他方の空間が
クランク側連通管130によりクランク室36やモータ
室13と連通している。
【0081】この背圧室154に連通する空間を背圧側
バッファ室129と記載し、クランク室36と連通する
空間をクランク側バッファ室131と記載する。
【0082】そして、少なくとも背圧側バッファ室12
9の空間容積は、背圧室154の空間容積より十分に大
きくなっている。
【0083】圧力調整ベローズ127は、オイルシール
ベローズ149と同様に金属成形ベローズ、金属溶接ベ
ローズを用いることも可能であるが、当該オイルシール
ベローズ149におけるほど伸縮量が大きくないこと等
の理由から樹脂やゴム製のベローズを使用することも可
能である。
【0084】これにより、背圧室154の圧力変動が背
圧側バッファ室129の圧力変動により自動的に緩和さ
れると共に、圧力調整ベローズ127の伸縮により吸収
され、背圧室154とクランク室36との間で大きな差
圧が発生しないようになり、オイルシールベローズ14
9の劣化や破壊の防止、スターリング冷凍機4の運転性
能及び耐久性の向上が図られる。
【0085】なお、モータ室13はクランク室36と連
通しているので、クランク側バッファ室131をモータ
室13と連通させても同様の効果を得ることができる。
【0086】コールドヘッド部219は、冷却フィン2
20と、この冷却フィン220の先端部分を包むように
設けられた図示しないジャケットとから構成されて、冷
却フィン220とジャケットとの間に熱搬送媒体の流路
が形成されている。
【0087】なお、熱搬送媒体として、エチルアルコー
ル、HFE、PFC、PFG、窒素、ヘリウム、アルゴ
ン等が利用可能であり、かかる熱搬送媒体を用いること
により−100℃以下の冷熱を搬送することが可能にな
る。
【0088】これにより膨張室92で発生した冷熱によ
り熱搬送媒体は冷却フィン220を介して冷却され、冷
熱利用機器に冷熱が供給される。
【0089】次に、このような構成のスターリング冷凍
機4の動作を説明する。
【0090】モータ14が駆動されると、その回転動力
がモータ軸17を介してクランク軸37に伝達される。
【0091】このクランク軸37にはクランク38が偏
心して取付けられて、このクランク38にコネクティン
グロッド41を介してクロスガイドヘッド44が連結さ
れているので、回転動力はクロスガイドヘッド44の往
復動力に変換される。
【0092】クロスガイドヘッド44が往復運動する
と、ピストンロッドを介して接続された膨張ピストン9
3と圧縮ピストン67は往復運動して作動ガスを圧縮、
膨張する。
【0093】このとき、クランク38によりオイル24
8がクロスガイドヘッド44等に付着するが、オイルシ
ールベローズ149によりクランク室36と背圧室15
4とが完全に区画されている。
【0094】また、背圧室154と膨張室92との差圧
がバッファタンク126により圧力調整されて、これら
の間で差圧の発生が抑制されているが、このとき圧力調
整ベローズ127を用いてバッファタンク126を区画
しているので、バッファタンク126を介してクランク
室36等から背圧室154にオイル248が流入するこ
とがない。
【0095】従って、背圧室154にオイル248が侵
入して圧縮室66や膨張室92に侵入することがなく、
冷凍効率の低下が防止できるようになっている。
【0096】なお、バッファタンク126により背圧室
154と膨張室92との差圧が抑制されるために、モー
タ14負荷が低減して冷凍効率の低下が抑制できるよう
になっている。
【0097】このようにして膨張ピストン93と圧縮ピ
ストン67が往復運動し、膨張ピストン93が上死点に
近づいて動きが遅くなると、圧縮ピストン67は中間付
近を上死点に向かって急速に動き、これにより作動ガス
は略断熱圧縮されて温度上昇する。
【0098】圧縮された作動ガスは、ガス流路175を
流れて放熱部193に流入し、ここで放熱器195を介
して冷却水に放熱して降温する。
【0099】なお、冷却水は、循環ポンプ198に冷却
水回路202を循環し、放熱交換器196で外気と熱交
換して冷却される。
【0100】冷却水に放熱した作動ガスは、蓄熱部17
4に流入し、蓄熱材176を通過する際に当該蓄熱材1
76に温熱を蓄熱して膨張室92に流入する。
【0101】そして、圧縮ピストン67は上死点に近づ
き、その速度も遅くなる。
【0102】すると、膨張ピストン93は急激に下死点
に向かって動き、これにより膨張室92が急激に拡張し
て、当該膨張室92の作動ガスは断熱膨張して降温す
る。
【0103】これにより、コールドヘッド部219の温
度が下がり、冷却フィン220を介して熱搬送媒体が冷
却されて、冷熱が冷熱利用機器に供給される。
【0104】膨張ピストン93が下死点から上死点に移
動する際は、圧縮ピストン67は中間位置から下死点に
向かって動いており、これにより作動ガスは膨張室92
からガス流路175を介して圧縮室66に流れる。
【0105】このとき膨張して温度の下がった作動ガス
は、蓄熱材176に冷熱を蓄熱して放熱部193を経て
圧縮室66に流入して1サイクルが終了する。
【0106】このようにして発生された冷熱は、ベロー
ズポンプ10により冷熱利用機器に供給される。
【0107】即ち、リニアモータ29が動作すると駆動
軸27が往復運動し、これに伴いベローズ24が伸縮す
る。
【0108】ベローズ24が伸びると、ベローズ24内
空間が負圧になるため吸引口30側の逆止弁が開き、吸
引口30からベローズ24内に熱搬送媒体が吸引され
る。
【0109】またベローズ24が縮むと、ベローズ24
内空間が正圧になるため吐出口26の逆止弁が開き、ベ
ローズ24内の熱搬送媒体が吐出口26から吐出され
る。
【0110】このようにして搬送力が付与された熱搬送
媒体は、冷熱源側熱交換器2で冷熱源と熱交換して、負
荷側熱交換器3に循環し、ここで冷熱利用機器に冷熱を
与え、ベローズポンプ10を介して冷熱源側熱交換器2
へと循環するサイクルを繰返す。
【0111】ベローズポンプ10は、ベローズ24の伸
縮により熱搬送媒体に搬送力を付与するため、ロータリ
ポンプ等のように摺動部が存在しないので無潤滑で運転
することが可能になり、超低温でも運転可能になる。
【0112】また、例えばベローズ24をプラスチック
等の樹脂により形成した場合には、冷熱により堅くなる
ので、無理に曲げたりするとクラックや破損等を起して
しまう。
【0113】しかし、本発明にかかるベローズ24は金
属製であるため超低温(例えば、130℃以下)であっ
ても、かかる不都合を発生させることなく利用すること
ができ、信頼性が向上する利点がある。
【0114】なお、上述したような構成であるので、熱
搬送媒体として超低温でも凝固しない媒体であれば全て
利用することが可能であり、このような熱搬送媒体とし
てヘリウム、アルゴン、窒素等を例示することが可能で
ある。
【0115】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
ベローズの伸縮に伴うケーシングとベローズとの間の雰
囲気の攪拌路を遮るように再生器を設けたので、攪拌さ
れて流動する雰囲気の熱が蓄熱でき、またその熱で再熱
することが可能になり、当該攪拌された雰囲気により該
ベローズ内の熱搬送媒体が加熱されるのを抑制できて、
該熱搬送媒体の熱損失が低減する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の説明に適用されるベロー
ズポンプの概略構成図である。
【図2】冷熱搬送装置の構成図である。
【図3】スターリング冷凍機の概略構成図である。
【図4】従来の技術の説明に適用されるベローズポンプ
の概略構成を示す図である。
【符号の説明】
10 ベローズポンプ 12 蓋 22 ケーシング 23 底板 24 ベローズ 25 再生器 26 吐出口 27 駆動軸 28 シール部材 29 リニアモータ 30 吸引口 RA 冷熱源側空間 RB 室温側空間
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成14年8月1日(2002.8.1)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 ベローズポンプ
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、冷熱源で熱交換し
た熱搬送媒体を熱利用機器に搬送する際等において熱搬
送媒体の搬送に用いるベローズポンプに関する。
【0002】
【従来の技術】今日、熱を利用する機器は多く、例えば
冷熱を利用する機器(冷熱利用機器)としては、冷凍
庫、冷蔵庫、投げ込み式クーラー等の業務用又は家庭用
の冷熱利用機器を始めとして、低温液循環器、低温恒温
器、恒温槽、ヒートショック試験装置、凍結乾燥機、温
度特性試験装置、血液・細胞保存装置、コールドクーラ
等多種多様の機器が知られている。
【0003】このような熱利用機器において冷熱源とそ
の熱を利用する熱利用機器との間の距離が離れているよ
うな場合、熱搬送装置が用いられる。
【0004】このような熱搬送装置は、冷熱源で冷却さ
れた熱搬送媒体を搬送ポンプで搬送して熱利用機器に供
給するものである。
【0005】図3は、かかる搬送ポンプとしてベローズ
を用いたベローズポンプ110の概略構成を示した図
で、ケーシング111内にベローズ114が設けられ、
その一端はケーシング221の蓋112に密着して取付
けられている。
【0006】また、ベローズ114の他端には、底板1
13が密着して設けられ、当該底板113に駆動軸11
7が連結されている。この駆動軸117はベアリング1
18により上下動自在に支持され、シール部材119を
介してケーシング111外に延設されている。
【0007】ケーシング111の外にはモータ121が
設けられて、当該モータ121により駆動軸117が往
復運動するようになっている。
【0008】そして、ベローズ114が伸縮することに
より熱搬送媒体がベローズ114内に吸引され、また当
該ベローズ114内から吐出されて、熱搬送媒体に搬送
力を付与している。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ベロー
ズが伸縮運動し、かつ、ベローズ114側が低温であ
り、モータ121側が室温であるため、後述するような
理由からベローズ114内の熱搬送媒体が加熱されて熱
損失を生じさせてしまう問題があった。
【0010】即ち、ベローズが伸縮運動することによ
り、ケーシング内の空間は攪拌されて、例えば図4に点
線矢印で示すように流動して、ベローズ114側の温度
の低い雰囲気とモータ121側の温度の高い雰囲気とが
混じり合ってしまう。
【0011】このため、ベローズに接する雰囲気の温度
が上昇して、当該ベローズ内の熱搬送媒体が加熱され熱
損失が発生する。
【0012】そこで、本発明は、かかる熱損失を抑制し
て効率よく熱搬送が行えるようにしたベローズポンプを
提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、請求項1にかかる発明は、ケーシング内に収納され
ると共に一端が当該ケーシングの蓋に密着して設けられ
て伸縮運動するベローズと、該ベローズの底板に固着さ
れてケーシング外まで延設された駆動軸と、該駆動軸を
往復運動させることによりベローズを伸縮させるモータ
とを備えて、ベローズが伸びた際に熱搬送媒体を当該ベ
ローズ内空間に吸引し、縮んだ際に該ベローズ内の熱搬
送媒体を圧送して吐出すベローズポンプにおいて、ベロ
ーズの伸縮に伴いケーシングとベローズとの間の雰囲気
が攪拌されて、当該攪拌された雰囲気により該ベローズ
内の熱搬送媒体が加熱されるのを抑制すべく、雰囲気の
攪拌路を遮るようにして設けられて、攪拌されて流動す
る雰囲気の熱を蓄熱し、また再熱する再生器を設けたこ
とを特徴とする。
【0014】請求項2にかかる発明は、再生器により、
ケーシングとベローズとの間の空間が当該ベローズ側の
空間と当該空間に対向するケーシング底側の空間とに区
画され、ベローズ側の空間がケーシング底側の空間より
大きな空間になるように形成されていることを特徴とす
る。
【0015】請求項3にかかる発明は、熱搬送媒体は、
ヘリウム、窒素、アルゴンのいずれか1又はこれらの混
合体であることを特徴とする請求項1又は2記載のベロ
ーズポンプ。
【0016】請求項4にかかる発明は、ベローズ内空間
のガス状の熱搬送媒体は、−100℃以下であることを
特徴とする請求項1乃至3いずれか1項記載のベローズ
ポンプ。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図を参照し
て説明する。図2は本発明の実施の形態の説明に適用さ
れるベローズポンプ10の概略構成を示す図である。ま
た、図1はかかるベローズポンプ10を利用してスター
リング冷凍機で発生した冷熱を搬送する冷熱搬送装置1
の概略構成を示す図である。
【0018】冷熱搬送装置1は、スターリング冷凍機の
ような冷熱源と熱搬送媒体とが熱交換する冷熱源側熱交
換器2、該熱搬送媒体を圧送するベローズポンプ10、
熱搬送媒体と冷熱利用機器とが熱交換する負荷側熱交換
器3を有し、これらが冷熱搬送配管5により順次接続さ
れて形成されている。
【0019】このベローズポンプ10は、ケーシング2
2内にベローズ24が設けられて、当該ベローズ24の
一端はケーシング22の蓋12に密着して取付けられて
いる。なお、ケーシング22及び蓋12は断熱材等を用
いて断熱処理されていることが好ましい。
【0020】この蓋12には、熱搬送媒体が吸引される
吸引口30、当該熱搬送媒体を加圧して吐出す吐出口2
6がそれぞれ設けられて、これら吸引口30及び吐出口
26には図示しない逆止弁が設けられて、図2に示す矢
印方向にのみ熱搬送媒体が流動できるようになってい
る。
【0021】また、ベローズ24の他端には、底板23
が密着して設けられ、当該底板23に駆動軸27が連結
されている。この駆動軸27はベアリング18により上
下動自在に支持され、シール部材28を介してケーシン
グ22外に延設されている。
【0022】ケーシング22の外にはリニアモータ29
が設けられて、当該リニアモータ29により駆動軸27
が往復運動するようになっている。
【0023】このシール部材28は、外気がケーシング
22内に侵入しないようにするために設けられている。
【0024】なお、ベローズ24は、金属材料をプレス
加工により一体成形した金属成形ベローズや溶接により
組み立てた金属溶接ベローズが使用される。
【0025】駆動軸27とケーシング22との間には、
ベアリング18を挟んで再生器25が設けられている。
再生器25は、メッシュシート状やウール状にしたステ
ンレスや真鍮等の金属により形成されており、空気等の
気体がその内部を流動することができるようになってい
る。
【0026】この再生器25によりベローズ24とケー
シング22との間の空間が2分される。そこで、ベロー
ズ24側の空間を冷熱源側空間RA、シール部材28側
の空間を室温側空間RBと記載する。
【0027】この室温側空間RB内の雰囲気温度は室温
又は略室温であり、冷熱源側空間RA内の雰囲気温度は
熱搬送媒体の温度である。
【0028】従って、ベローズ24の伸縮運動に伴い、
冷熱源側空間RAは圧縮・膨張を起すことになる。無
論、上述したように再生器25は通気性を持つため、室
温側空間RBの雰囲気も略同位相で圧縮・膨張するよう
になる。
【0029】ところが、ベローズポンプ10の小型化や
スリム化等の理由から、図2からも分るように、室温側
空間RBは冷熱源側空間RAより小さく形成されている
ため、室温側空間RBと冷熱源側空間RAとにおける雰
囲気の圧縮率や膨張率は異なり、例えベローズ24とケ
ーシング22との間の空間が密閉空間であっても当該空
間の雰囲気が流動する。
【0030】このため、ベローズ24に接する雰囲気の
温度が上昇して、当該雰囲気により熱搬送媒体が加熱さ
れ熱損失が発生する。
【0031】そこで、本発明では、上記再生器25によ
り、冷熱源側空間RAから再生器25に流入した雰囲気
の熱を蓄熱して、室温側空間RBから当該再生器25を
介して冷熱源側空間RAに流入する雰囲気を、当該蓄熱
した熱で冷却するようにしている。
【0032】これにより、冷熱源側空間RAの雰囲気が
室温側空間RBの雰囲気と混じり合っても、冷熱側空間
RAの温度上昇が抑制されるようになり、熱搬送媒体の
熱損室が低減する。
【0033】このようなベローズポンプ10により冷熱
を搬送する際の冷熱源として、図4に示すようなスター
リング冷凍機4が用いられる。
【0034】該スターリング冷凍機4は、駆動装置11
は、内部がモータ室13をなすモータハウジングを有
し、このモータ室13にステータ15及びロータ16か
らなる正逆回転可能なモータ14が設置されて、発生し
た回転動力はモータ軸17を介して出力される。
【0035】冷熱発生装置33は、駆動装置11で発生
した回転動力を往復動力に変換する動力変換部34、作
動ガスを圧縮する圧縮部64、作動ガスを膨張させる膨
張部90、圧縮室66と膨張室92とを連通させるガス
流路175に設けられて流動する作動ガスの熱を蓄熱す
る蓄熱部174、圧縮部64で圧縮されて温度上昇した
作動ガスの熱を外部に放熱させる放熱部193、膨張部
90で作動ガスが膨張することにより発生した冷熱を冷
熱利用機器に供給するコールドヘッド部219、クラン
ク室36のオイル248が圧縮室66や膨張室92に侵
入しないようにするオイルシール部148、背圧室15
4とクランク室36との差圧の発生を抑制する圧力調整
部125等を有している。
【0036】動力変換部34は、内部がクランク室36
をなすクランクハウジングを有し、このクランクハウジ
ングはモータハウジングトップ19を介してモータハウ
ジングと接して設けられている。
【0037】なお、モータ軸17やクランク軸37は、
軸受21により回動自在に支持されている。
【0038】モータハウジング及びクランクハウジング
は、それぞれ蓋で封止されており、これらモータハウジ
ング、クランクハウジング、モータハウジングトップ1
9は鋳物により製造されている。
【0039】ところで、作動ガスとしてヘリウム、水
素、窒素等の大気以外のガスを用いることができ、この
場合にはクランク室、モータ室、バッファタンク内に
も、これらの作動ガスを封入しておくことが好ましい。
【0040】これは長時間の運転により、僅かながらも
クランク室、モータ室、バッファタンク内の雰囲気が圧
縮室や膨張室に侵入するためである。
【0041】クランク室36には、モータ軸17と連結
されたクランク軸37、該クランク軸37に装着された
圧縮クランク38a及び膨張クランク38bからなるク
ランク38、一端がクランク38に連結された圧縮コネ
クティングロッド41a及び膨張コネクティングロッド
41bからなるコネクティングロッド41、該コネクテ
ィングロッド41の他端に連結された圧縮クロスガイド
ヘッド44a及び膨張クロスガイドヘッド44bからな
るクロスガイドヘッド44、該クロスガイドヘッド44
の運動方向を1方向に規制する圧縮クロスガイドライナ
47a及び膨張クロスガイドライナ47bからなるクロ
スガイドライナ47等が設けられている。
【0042】なお、圧縮クランク38aと膨張クランク
38bとは、クランク軸37の軸心に対して偏心して設
けられ、かつ、モータ14の正転時に膨張クランク38
bが圧縮クランク38aより略90度位相が先行して回
転するように設けられている。
【0043】ここでモータ14の正転時とは、冷熱を発
生するようなサイクル運転を行うときのモータ14の回
転方向を言う。
【0044】このときスターリング冷凍機4において
は、膨張クランク38bと圧縮クランク38aとの位相
差に伴い発生する回転アンバランスを抑制するためにバ
ランサ51が設けられている。
【0045】クロスガイドライナ47は、クロスガイド
ヘッド44が挿入される概略円筒状の穴で、クランクハ
ウジングの頂部を穴開加工等して形成されている。
【0046】これによりクランク38を介して駆動され
たクロスガイドヘッド44はクロスガイドライナ47に
案内されて往復運動するようになる。
【0047】圧縮部64は、シリンダハウジング74を
穴開して形成された圧縮シリンダ68、圧縮シリンダ6
8内を往復運動する圧縮ピストン67、一端が圧縮クロ
スガイドヘッド44aに揺動自在に取付けられると共に
他端が圧縮ピストン67に固着されて、これらを連結す
る圧縮ピストンロッド69、該圧縮ピストン67の頭部
側と圧縮シリンダ68とで形成された圧縮室66を有し
ている。
【0048】圧縮ピストン67の側筒面には、ピストン
リングが装着されて、圧縮室66の機密性を保ってい
る。
【0049】膨張部90は、膨張シリンダ97、該膨張
シリンダ97内を往復運動する膨張ピストン93、一端
が膨張クロスガイドヘッド44bに揺動自在に取付けら
れると共に他端が膨張ピストン93に固着されて、これ
を連結する膨張ピストンロッド100、該膨張ピスト
ン93の頭部側と膨張シリンダ97とで形成された膨張
室92を有して、膨張室92の外周部にコールドヘッド
部219が形成されている。
【0050】膨張ピストン93には、ピストンリングが
装着されて、膨張室92の機密性を保っている。
【0051】なお、膨張ピストン93の下端部を取囲む
ように環状溝108が形成されて、当該環状溝108に
ガス流路175が繋がり、圧縮室66へと連通してい
る。
【0052】蓄熱部174は、真鍮やステンレス鋼を材
料とするメッシュ状の金属シートからなる円筒状の蓄熱
材176を有し、この蓄熱材176が多数積層されて装
着される。
【0053】そして、膨張室92で膨張して温度の下が
った作動ガスが、圧縮室66に向って流動する際には、
当該作動ガスの冷熱を貯えて、当該冷熱が圧縮室66か
ら膨張室92に流動する作動ガスの冷却に用いられる。
【0054】また、圧縮室66で圧縮されて温度上昇し
た作動ガスが、圧縮室66から膨張室92に向って流動
する際には、当該作動ガスの温熱を貯えて、当該温熱が
膨張室92から圧縮室66に流動する作動ガスの加熱に
用いられる。
【0055】放熱部193は、圧縮部64で圧縮されて
温度上昇した作動ガスの熱を外部に速やかに放出させる
ことを主目的として設けられて、フィンを有する放熱器
195が設けられている。
【0056】この放熱部193を循環する冷却水は、冷
却水回路202を循環ポンプ198により循環する。
【0057】そして、この冷却水回路202に設けられ
た放熱交換器196で送風ファン197により送風され
る外気と熱交換して冷却される。
【0058】本発明にかかるスターリング冷凍機4で
は、クランク38が回転した際に、クランク室36の底
部に貯留しているオイル248を掻上げて、クランク3
8とコネクティングロッド41との摺動部分やクロスガ
イドヘッド44とクロスガイドライナ47との摺動部分
等に付着させて、これらの摺動部分を潤滑している。
【0059】このときクロスガイドヘッド44の往復運
動により、クロスガイドヘッド44とクロスガイドライ
ナ47との摺動部分のオイル248が圧縮ピストン67
や膨張ピストン93側に送込まれて、クロスガイドヘッ
ド44の頭部側(圧縮ピストン67や膨張ピストン93
側)に溜るようになる。
【0060】クロスガイドヘッド44は、非常に早い周
期で往復運動するため、このようにして溜ったオイル2
48は跳ね飛ばされて、圧縮ピストン67や膨張ピスト
ン93に付着し、これが圧縮ピストン67や膨張ピスト
ン93の往復運動により圧縮室66や膨張室92に送込
まれて冷凍効率の低下をもたらす。
【0061】また、クロスガイドヘッド44の頭部側に
溜るオイル248量は、当該クロスガイドヘッド44の
頭部と底部との差圧に依存し、大きな差圧が発生すると
溜るオイル248量も多くなり、これに伴い圧縮室66
や膨張室92に多量のオイル248が侵入する。
【0062】なお、クランク室36は、スターリング冷
凍機4の長時間運転により温度上昇するが、この温度上
昇に伴いクランク室36の圧力上昇が生じる。
【0063】即ち、圧縮室66や膨張室92にオイル2
48が侵入する原因として、クロスガイドヘッド44等
の往復運動による送込みと、背圧室154とクランク室
36との間の差圧が主要原因となっている。
【0064】そこで、クロスガイドヘッド44により送
込まれたオイル248が圧縮ピストン67や膨張ピスト
ン93に付着しないようにするために、オイルシールベ
ローズを主要構成とするオイルシール部148を設けて
いる。
【0065】このようなオイルシール部148は、クロ
スガイドヘッド44と膨張ピストン93及び圧縮ピスト
ン67との間に設けられたオイルシールベローズ149
を有し、クロスガイドヘッド44と膨張ピストン93及
び圧縮ピストン67との間を気密に区画している。以
下、膨張ピストン93及び圧縮ピストン67側の空間を
背圧室154という。
【0066】このオイルシールベローズ149は、金属
材料をプレス加工により一体成形した金属成形ベローズ
や溶接により組み立てた金属溶接ベローズが使用され
る。
【0067】これにより背圧室154が気密状態とな
り、クランク室36からオイル248が圧縮室66や膨
張室92に侵入する不都合が完全に防止できるようにな
る。
【0068】背圧室154は、圧縮ピストン67の背圧
側と膨張ピストン93との背圧側にそれぞれ形成される
が、これらが互いに連通するように背圧室連通孔155
が形成されている。
【0069】ところで、背圧室154の空間容積に比べ
クランク室36側の空間容積は十分に大きい。
【0070】なお、クランク室36側の空間容積は、ク
ランク室36とモータ室13とが連通しているので、こ
れらの和である。
【0071】このような容積関係の下で背圧室154が
気密状態にあると、膨張ピストン93や圧縮ピストン6
7の往復運動により当該背圧室154には大きな圧力変
動が発生すると共に、クランク室36との間で大きな差
圧が発生する。
【0072】そして、背圧室154の圧力がクランク室
36の圧力より高くなるとオイルシールベローズ149
は糸巻ボビン状に絞られ、逆に背圧室154の圧力がク
ランク室36の圧力より低くなると、オイルシールベロ
ーズ149はビヤダル状に膨らむようになる。
【0073】このような変形が、繰返しオイルシールベ
ローズ149に生じて破損しやすくなる。
【0074】また、背圧室154の圧力変動は、膨張ピ
ストン93や圧縮ピストン67の往復運動のブレーキと
して作用するので、その分モータ14の負荷が増えてし
まい冷凍効率が低下する。
【0075】そこで、背圧室連通孔155を設けて圧縮
ピストン67の背圧側と膨張ピストン93の背圧側とに
それぞれ形成される背圧室154を連通している。
【0076】圧縮ピストン67と膨張ピストン93と
は、所定の位相差を保って往復運動するため、これらの
背圧側圧力も所定の位相差を保って変動する。
【0077】従って、背圧室連通孔155により圧縮ピ
ストン67の背圧側と膨張ピストン93の背圧側とを連
通させることにより、相互で圧力変動が吸収し合うよう
になる。
【0078】しかし、このような構成にしても、圧縮ピ
ストン67の背圧側と膨張ピストン93の背圧側との空
間容積の相違や、当該背圧室154を満たす雰囲気の流
動抵抗等により完全に圧力変動を吸収することができな
い。
【0079】そこで、より完全な圧力変動が行えるよう
に、バッファタンク126を備えた圧力調整部125を
設けている。
【0080】この圧力調整部125のバッファタンク1
26は、タンク内の空間を2つの空間に気密に仕切る圧
力調整ベローズ127を備えて、一方の空間が背圧側連
通管128により背圧室154と連通し、他方の空間が
クランク側連通管130によりクランク室36やモータ
室13と連通している。
【0081】この背圧室154に連通する空間を背圧側
バッファ室129と記載し、クランク室36と連通する
空間をクランク側バッファ室131と記載する。
【0082】そして、少なくとも背圧側バッファ室12
9の空間容積は、背圧室154の空間容積より十分に大
きくなっている。
【0083】圧力調整ベローズ127は、オイルシール
ベローズ149と同様に金属成形ベローズ、金属溶接ベ
ローズを用いることも可能であるが、当該オイルシール
ベローズ149におけるほど伸縮量が大きくないこと等
の理由から樹脂やゴム製のベローズを使用することも可
能である。
【0084】これにより、背圧室154の圧力変動が背
圧側バッファ室129の圧力変動により自動的に緩和さ
れると共に、圧力調整ベローズ127の伸縮により吸収
され、背圧室154とクランク室36との間で大きな差
圧が発生しないようになり、オイルシールベローズ14
9の劣化や破壊の防止、スターリング冷凍機4の運転性
能及び耐久性の向上が図られる。
【0085】なお、モータ室13はクランク室36と連
通しているので、クランク側バッファ室131をモータ
室13と連通させても同様の効果を得ることができる。
【0086】コールドヘッド部219は、冷却フィン2
20と、この冷却フィン220の先端部分を包むように
設けられた図示しないジャケットとから構成されて、冷
却フィン220とジャケットとの間に熱搬送媒体の流路
が形成されている。
【0087】なお、熱搬送媒体として、エチルアルコー
ル、HFE、PFC、PFG、窒素、ヘリウム、アルゴ
ン等が利用可能であり、かかる熱搬送媒体を用いること
により−100℃以下の冷熱を搬送することが可能にな
る。
【0088】これにより膨張室92で発生した冷熱によ
り熱搬送媒体は冷却フィン220を介して冷却され、冷
熱利用機器に冷熱が供給される。
【0089】次に、このような構成のスターリング冷凍
機4の動作を説明する。
【0090】モータ14が駆動されると、その回転動力
がモータ軸17を介してクランク軸37に伝達される。
【0091】このクランク軸37にはクランク38が偏
心して取付けられて、このクランク38にコネクティン
グロッド41を介してクロスガイドヘッド44が連結さ
れているので、回転動力はクロスガイドヘッド44の往
復動力に変換される。
【0092】クロスガイドヘッド44が往復運動する
と、ピストンロッドを介して接続された膨張ピストン9
3と圧縮ピストン67は往復運動して作動ガスを圧縮、
膨張する。
【0093】このとき、クランク38によりオイル24
8がクロスガイドヘッド44等に付着するが、オイルシ
ールベローズ149によりクランク室36と背圧室15
4とが完全に区画されている。
【0094】また、背圧室154とクランク室36との
差圧がバッファタンク126により圧力調整されて、こ
れらの間で差圧の発生が抑制されているが、このとき圧
力調整ベローズ127を用いてバッファタンク126を
区画しているので、バッファタンク126を介してクラ
ンク室36等から背圧室154にオイル248が流入す
ることがない。
【0095】従って、背圧室154にオイル248が侵
入して圧縮室66や膨張室92に侵入することがなく、
冷凍効率の低下が防止できるようになっている。
【0096】なお、バッファタンク126により背圧室
154の圧力変動が差圧が抑制されるために、モータ1
4負荷が低減して冷凍効率の低下が抑制できるようにな
っている。
【0097】このようにして膨張ピストン93と圧縮ピ
ストン67が往復運動し、膨張ピストン93が上死点に
近づいて動きが遅くなると、圧縮ピストン67は中間付
近を上死点に向かって急速に動き、これにより作動ガス
は略断熱圧縮されて温度上昇する。
【0098】圧縮された作動ガスは、ガス流路175を
流れて放熱部193に流入し、ここで放熱器195を介
して冷却水に放熱して降温する。
【0099】なお、冷却水は、循環ポンプ198に冷却
水回路202を循環し、放熱交換器196で外気と熱交
換して冷却される。
【0100】冷却水に放熱した作動ガスは、蓄熱部17
4に流入し、蓄熱材176を通過する際に当該蓄熱材1
76に温熱を蓄熱して膨張室92に流入する。
【0101】そして、圧縮ピストン67は上死点に近づ
き、その速度も遅くなる。
【0102】すると、膨張ピストン93は急激に下死点
に向かって動き、これにより膨張室92が急激に拡張し
て、当該膨張室92の作動ガスは断熱膨張して降温す
る。
【0103】これにより、コールドヘッド部219の温
度が下がり、冷却フィン220を介して熱搬送媒体が冷
却されて、冷熱が冷熱利用機器に供給される。
【0104】膨張ピストン93が下死点から上死点に移
動する際は、圧縮ピストン67は中間位置から下死点に
向かって動いており、これにより作動ガスは膨張室92
からガス流路175を介して圧縮室66に流れる。
【0105】このとき膨張して温度の下がった作動ガス
は、蓄熱材176に冷熱を蓄熱して放熱部193を経て
圧縮室66に流入して1サイクルが終了する。
【0106】このようにして発生された冷熱は、ベロー
ズポンプ10により冷熱利用機器に供給される。
【0107】即ち、リニアモータ29が動作すると駆動
軸27が往復運動し、これに伴いベローズ24が伸縮す
る。
【0108】ベローズ24が伸びると、ベローズ24内
空間が負圧になるため吸引口30側の逆止弁が開き、吸
引口30からベローズ24内に熱搬送媒体が吸引され
る。
【0109】またベローズ24が縮むと、ベローズ24
内空間が正圧になるため吐出口26の逆止弁が開き、ベ
ローズ24内の熱搬送媒体が吐出口26から吐出され
る。
【0110】このようにして搬送力が付与された熱搬送
媒体は、冷熱源側熱交換器2で冷熱源と熱交換して、負
荷側熱交換器3に循環し、ここで冷熱利用機器に冷熱を
与え、ベローズポンプ10を介して冷熱源側熱交換器2
へと循環するサイクルを繰返す。
【0111】ベローズポンプ10は、ベローズ24の伸
縮により熱搬送媒体に搬送力を付与するため、ロータリ
ポンプ等のように摺動部が存在しないので無潤滑で運転
することが可能になり、超低温でも運転可能になる。
【0112】また、例えばベローズ24をプラスチック
等の樹脂により形成した場合には、冷熱により堅くなる
ので、無理に曲げたりするとクラックや破損等を起して
しまう。
【0113】しかし、本発明にかかるベローズ24は金
属製であるため超低温(例えば、マイナス130℃以
下)であっても、かかる不都合を発生させることなく利
用することができ、信頼性が向上する利点がある。
【0114】なお、上述したような構成であるので、熱
搬送媒体として超低温でも凝固しない媒体であれば全て
利用することが可能であり、このような熱搬送媒体とし
てヘリウム、アルゴン、窒素等を例示することが可能で
ある。
【0115】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
ベローズの伸縮に伴うケーシングとベローズとの間の雰
囲気の攪拌路を遮るように再生器を設けたので、攪拌さ
れて流動する雰囲気の熱が蓄熱でき、またその熱で再熱
することが可能になり、当該攪拌された雰囲気により該
ベローズ内の熱搬送媒体が加熱されるのを抑制できて、
該熱搬送媒体の熱損失が低減する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の説明に適用されるベロー
ズポンプの概略構成図である。
【図2】冷熱搬送装置の構成図である。
【図3】スターリング冷凍機の概略構成図である。
【図4】従来の技術の説明に適用されるベローズポンプ
の概略構成を示す図である。
【符号の説明】 10 ベローズポンプ 12 蓋 22 ケーシング 23 底板 24 ベローズ 25 再生器 26 吐出口 27 駆動軸 28 シール部材 29 リニアモータ 30 吸引口 RA 冷熱源側空間 RB 室温側空間
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図4
【補正方法】変更
【補正内容】
【図4】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中崎 五夫 大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号 三 洋電機株式会社内 (72)発明者 對比地 亮佑 大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号 三 洋電機株式会社内 (72)発明者 関谷 弘志 大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号 三 洋電機株式会社内 Fターム(参考) 3H077 AA11 BB10 CC03 CC16 DD05 EE01 EE34 EE36 EE37 FF01 FF06 FF12 FF21 FF32 3L044 AA04 DA02 EA04 KA04 KA05

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ケーシング内に収納されると共に一端が
    当該ケーシングの蓋に密着して設けられて伸縮運動する
    ベローズと、該ベローズの底板に固着されてケーシング
    外まで延設された駆動軸と、該駆動軸を往復運動させる
    ことにより前記ベローズを伸縮させるモータとを備え
    て、前記ベローズが伸びた際に熱搬送媒体を当該ベロー
    ズ内空間に吸引し、縮んだ際に該ベローズ内の熱搬送媒
    体を圧送して吐出すベローズポンプにおいて、 前記ベローズの伸縮に伴い前記ケーシングとベローズと
    の間の雰囲気が攪拌されて、当該攪拌された雰囲気によ
    り該ベローズ内の熱搬送媒体が加熱されるのを抑制すべ
    く、前記雰囲気の攪拌路を遮るようにして設けられて、
    攪拌されて流動する雰囲気の熱を蓄熱し、また再熱する
    再生器を設けたことを特徴とするベローズポンプ。
  2. 【請求項2】 前記再生器により、前記ケーシングとベ
    ローズとの間の空間が当該ベローズ側の空間と当該空間
    に対向するケーシング底側の空間とに区画され、前記ベ
    ローズ側の空間が前記ケーシング底側の空間より大きな
    空間になるように形成されていることを特徴とする請求
    項1記載のベローズポンプ。
  3. 【請求項3】 前記熱搬送媒体は、ヘリウム、窒素、ア
    ルゴンのいずれか1又はこれらの混合体であることを特
    徴とする請求項1又は2記載のベローズポンプ。
  4. 【請求項4】 前記ベローズ内空間のガス状の熱搬送媒
    体は、−100℃以下であることを特徴とする請求項1
    乃至3いずれか1項記載のベローズポンプ。
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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006242277A (ja) * 2005-03-03 2006-09-14 Nhk Spring Co Ltd 気体ばね装置

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