JP2003294331A - スターリング冷凍機 - Google Patents

スターリング冷凍機

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JP2003294331A
JP2003294331A JP2002094395A JP2002094395A JP2003294331A JP 2003294331 A JP2003294331 A JP 2003294331A JP 2002094395 A JP2002094395 A JP 2002094395A JP 2002094395 A JP2002094395 A JP 2002094395A JP 2003294331 A JP2003294331 A JP 2003294331A
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piston
expansion
cylinder
compression
space
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Application number
JP2002094395A
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English (en)
Inventor
Masaru Kanai
大 金井
Takahiro Nakamura
隆広 中村
Itsuo Nakasaki
五夫 中崎
Takashi Inoue
貴至 井上
Ryosuke Taihichi
亮佑 對比地
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sanyo Electric Co Ltd
Original Assignee
Sanyo Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ピストンリング70の回転を規制して切断部
78が揃わないようにする。 【解決手段】 ピストンリング溝77にリブ79を形成
し、ピストンリング70にリブ切欠溝80を設ける。こ
のとき、複数のピストンリング70の切断部78が一直
線状に揃わないようにリブ79又はリブ切欠溝80の形
成位置を変える。これにより振動等でピストンリング7
0が回転するのを規制して切断部が揃わないようにす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ピストンリングの
切断部を介して作動ガスが流動しないようにしたスター
リング冷凍機に関する。
【0002】
【従来の技術】スターリング冷凍機は、小型化が可能、
成績係数や冷凍効率が高い、発生する温度範囲が広い、
近年の地球環境問題におけるフロン代替が容易等の多く
の優れた特徴を持っている。
【0003】このため冷凍庫、冷蔵庫、投げ込み式クー
ラー等の業務用又は家庭用の冷熱利用機器を始めとし
て、低温液循環器、低温恒温器、恒温槽、ヒートショッ
ク試験装置、凍結乾燥機、温度特性試験装置、血液・細
胞保存装置、コールドクーラ、その他各種の冷熱装置等
のあらゆる産業分野における冷熱利用機器への適用が検
討されている。
【0004】このようなスターリング冷凍機には、圧縮
シリンダ内を圧縮ピストンが往復運動して作動ガスを圧
縮すると共に、膨張シリンダ内を膨張ピストンが往復運
動して作動ガスを膨張させて冷熱を発生するようになっ
ている。
【0005】そして、このような圧縮ピストン及び膨張
ピストンの側筒面には、ピストンリングが装着されて、
当該ピストンリングが圧縮シリンダや膨張シリンダのシ
リンダ面と当接して摺動するようになっている。
【0006】これにより、圧縮ピストンや膨張ピストン
の側筒面と圧縮シリンダや膨張シリンダのシリンダ面と
のクリアランスを介して作動ガスが流動しないようにし
ている。
【0007】なお、ピストンリングの取付け構造は、圧
縮ピストンと膨張ピストンとで同じ構造であるので、以
下の説明においては圧縮ピストンの場合を例に説明す
る。
【0008】図5は、このようなピストンリング570
が装着される圧縮ピストン567の側面図を示してい
る。当該圧縮ピストン567には、複数のピストンリン
グ溝577が形成されている。
【0009】ピストンリング570は、切断部578を
持つ概略「C」形状で、ピストンリング溝577に装着
する際に当該ピストンリング570を適宜広げて装着で
きるようになっている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うなピストンリング570を装着して使用していると、
後述するように切断部578を介して作動ガスが流動し
てしまい冷凍効率を低下させてしまう問題があった。
【0011】即ち、ピストンリング570を装着する時
は、各ピストンリング570の切断部578が揃わない
ように切断部578の位置を違えて装着している。
【0012】しかし、このピストンリング570はピス
トンリング溝577に単に装着されているため、スター
リング冷凍機の運転に伴う振動等により、各ピストンリ
ング570がピストンリング溝577内で回転して、図
6に示すように切断部578が揃ってしまう場合があ
る。
【0013】このように切断部578が揃ってしまと、
作動ガスはこの切断部578を介して流動して、圧縮や
膨張された作動ガスがリークしてしまい冷凍効率を低下
させてしまう。
【0014】そこで、本発明は、ピストンリングの回転
を規制して切断部が揃わないようにして冷凍効率が低下
しないようにしたスターリング冷凍機を提供することを
目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、請求項1にかかる発明は、シリンダ内を往復運動し
て作動ガスを圧縮/膨張させるピストンと、該ピストン
の側筒面に円周に沿って形成された複数のピストン溝
と、該ピストン溝に装着されて、シリンダのシリンダ面
と当接することによりピストンの側筒面とシリンダのシ
リンダ面とのクリアランスを介して作動ガスが流動しな
いようにするピストンリングとを備えたスターリング冷
凍機において、ピストンリングのピストン溝に沿った回
転を規制するリブ又はピンからなるピストンリング回転
防止部材を設けて、振動等によりピストンリングの回転
を規制し、その切断部が揃わないようにして冷凍効率が
低下しないようにしたことを特徴とする。
【0016】請求項2にかかる発明は、ピストンリング
は、一部が切断された略C字形状であることを特徴とす
る。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図を参照し
て説明する。図1はスターリング冷凍機1の側断面図を
示し、当該スターリング冷凍機1は冷熱を発生する冷熱
発生部33、該冷熱発生部33を駆動する駆動装置11
を主要構成としている。
【0018】なお、作動ガスとして、ヘリウム、水素、
窒素等を利用することが可能であり、この場合はクラン
ク空間、モータ室、バッファタンク内にも、これらの作
動ガスを封入しておくことが好ましい。
【0019】これは、長時間の運転により、僅かながら
もクランク空間、モータ室、バッファタンク内の雰囲気
が圧縮空間や膨張空間に侵入して、冷凍効率を低下させ
る事態を防止するためである。
【0020】駆動装置11は、内部がモータ室13をな
すモータハウジング12を有し、このモータ室13にス
テータ15及びロータ16からなる正逆回転可能なモー
タ14が設置されて、回転動力はモータ軸17を介して
出力される。
【0021】冷熱発生部33は、駆動装置11で発生し
た回転動力を往復動力に変換する動力変換部34、作動
ガスを圧縮する圧縮部64、作動ガスを膨張させる膨張
部90、圧縮空間66と膨張空間92とを連通させるガ
ス流路175に設けられて流動する作動ガスの熱を蓄熱
する蓄熱部174、圧縮部64で圧縮されて温度上昇し
た作動ガスの熱を外部に放熱させる放熱部193、膨張
部90で作動ガスが膨張することにより発生した冷熱を
冷熱利用機器に供給するコールドヘッド部219、クラ
ンク空間36のオイル248が圧縮空間66や膨張空間
92に侵入しないようにするオイルシール部148、背
圧室154とクランク空間36との差圧の発生を抑制す
る圧力調整部125等を有している。
【0022】動力変換部34は、内部がクランク空間3
6をなすクランクハウジング35を有し、このクランク
ハウジング35はモータハウジングトップ19を介して
モータハウジング12と接して設けられている。
【0023】クランクハウジング35の底部には、動力
変換部34における摺動部分等を潤滑するオイル248
が貯留され、その貯留量はクランクハウジング35の底
部側に形成されたガラス等の透明部材からなる覗窓50
により確認できるようになっている。
【0024】モータハウジングトップ19の底部側に
は、オイル通路孔20が形成されてモータ室13とクラ
ンク空間36とが連通している。
【0025】これによりモータ室13にもオイル248
が貯留されると共に、モータ室13とクランク空間36
との雰囲気が相互に行き来できるようになっている。
【0026】モータハウジング12及びクランクハウジ
ング35は、それぞれ蓋で封止されており、これらモー
タハウジング12、クランクハウジング35、モータハ
ウジングトップ19は鋳物により製造されている。
【0027】従って、モータハウジング12、クランク
ハウジング35、モータハウジングトップ19を一体物
として鋳造することが可能であり、この場合は製造コス
トを下がることができる利点がある。
【0028】クランク空間36には、モータ軸17と連
結されたクランク軸37、該クランク軸37に装着され
た圧縮クランク38a及び膨張クランク38bからなる
クランク38、一端がクランク38に連結された圧縮コ
ネクティングロッド41a及び膨張コネクティングロッ
ド41bからなるコネクティングロッド41、該コネク
ティングロッド41の他端に連結された圧縮クロスガイ
ドヘッド44a及び膨張クロスガイドヘッド44bから
なるクロスガイドヘッド44、該クロスガイドヘッド4
4の運動方向を1方向に規制するクロスガイドライナ4
7等が設けられている。
【0029】なお、圧縮クランク38aと膨張クランク
38bとは、クランク軸37の軸心に対して偏心して設
けられ、かつ、モータ14の正転時に膨張クランク38
bが圧縮クランク38aより略90度位相が先行して回
転するように設けられている。
【0030】ここでモータ14の正転時とは、冷熱を発
生するようなサイクル運転を行うときのモータ14の回
転方向を言う。
【0031】このときスターリング冷凍機1において
は、膨張クランク38bと圧縮クランク38aとの位相
差に伴い発生する回転アンバランスを抑制するためにバ
ランサ51が設けられている。
【0032】クロスガイドライナ47は、クロスガイド
ヘッド44が挿入される概略円筒状の穴で、クランクハ
ウジング35の頂部を穴開加工等して形成されている。
【0033】これによりクランク38を介して駆動され
たクロスガイドヘッド44はクロスガイドライナ47に
案内されて往復運動するようになる。
【0034】クランクハウジング35の上には固定プレ
ート243が設けられ、この固定プレート243の上に
シリンダハウジング74が設けられている。
【0035】このシリンダハウジング74は、上側シリ
ンダハウジング74aと下側シリンダハウジング74b
とに分割形成されて、下側シリンダハウジング74b
は、固定プレート243を介してクランクハウジング3
5にボルトで固定され、上側シリンダハウジング74a
は下側シリンダハウジング74bにボルトを用いて固定
される。
【0036】圧縮部64は、下側シリンダハウジング7
4bを穴開して形成された圧縮シリンダ68、圧縮シリ
ンダ68内を往復運動する圧縮ピストン67、一端が圧
縮クロスガイドヘッド44aに揺動自在に取付けられる
と共に他端が圧縮ピストン67に固着されて、これらを
連結する圧縮ピストンロッド69、該圧縮ピストン67
の頭部側と圧縮シリンダ68とで形成された圧縮空間6
6を有している。
【0037】膨張部90は、下側シリンダハウジング7
4b及び上側シリンダハウジング74aを穴開して形成
された膨張シリンダ97、内部が空洞で膨張シリンダ9
7内を往復運動する膨張ピストン93、一端が膨張クロ
スガイドヘッド44bに揺動自在に取付けられると共に
他端が膨張ピストン93に固着されて、このらを連結す
る膨張ピストンロッド100、該膨張ピストン93の頭
部側と膨張シリンダ97とで形成された膨張空間92を
有して、膨張空間92の外周部にコールドヘッド部21
9が形成されている。
【0038】この膨張シリンダ97及び膨張ピストン9
3は、それぞれ上下に分割されて、上部膨張シリンダ9
7a、下部膨張シリンダ97b、上部膨張ピストン93
a、下部膨張ピストン93bをなしている。
【0039】下部膨張シリンダ97bを下側シリンダハ
ウジング74bに装着する際には、下部膨張シリンダ9
7bを液体窒素等で冷却して冷やしばめ等の方法で圧入
して装着している。
【0040】これにより、下部膨張シリンダ97bが下
側シリンダハウジング74bに完全に固定されるために
異常音が発生する等の不都合が防止できる。
【0041】図2に示すように、圧縮ピストン67及び
下部膨張ピストン93bの側筒面には、ピストンリング
溝77が形成されて、ピストンリング70が装着される
ことにより圧縮空間66や膨張空間92の気密性を保っ
ている。
【0042】当該ピストンリング溝77は、複数設けら
れ(図2では3個)、それぞれにリブ79が形成されて
いる。
【0043】またピストンリング70は、切断部78を
有した概略「C」形状に形成され、内周面の一部にリブ
79が係合するリブ切欠溝80が設けられて、リブ79
とリブ切欠溝80とでピストンリング回転防止部材を形
成している。
【0044】なお、ピストンリング溝77に装着される
複数のピストンリング70は、切断部78に対して同じ
位置にリブ切欠溝80が形成された同一仕様品である
が、ピストンリング溝77に形成されたリブ79の位置
は等分位置に形成されている。
【0045】無論、後述する理由から、リブ79の形成
位置を同じ位置にし、各ピストンリング70のリブ切欠
溝80の形成位置を変えても良い。
【0046】ピストンリング70の取付は、当該ピスト
ンリング70を広げてピストンリング溝77に装着す
る。このとき、リブ79がリブ切欠溝80に係合させ
る。
【0047】これによりスターリング冷凍機1の運転に
伴う振動等によりピストンリング70が回転したりする
ことが無くなり、複数のピストンリング70における切
断部78が一直線に揃ってリークパスを形成することが
防止できる。
【0048】なお、本発明はかかるリブ79及びリブ切
欠溝80に限定されるものではなく、図3や図4に示す
ような構成であっても良い。
【0049】図3に示す構成は、図2と同様にピストン
リング溝77にリブ81が形成され、ピストンリング7
0にリブ切欠溝80が形成された構成であるが、図2に
示すリブ切欠溝80はピストンリング70の内側高さ方
向に沿って形成されているのに対し、図3に示すリブ切
欠溝82は厚み方向に形成されている点が異なってい
る。
【0050】また図4に示す構成は、リブ79をピン8
3により構成し、リブ切欠溝80をピン穴84にしたも
のである。
【0051】いずれの構成においても、ピストンリング
70の回転を規制することが可能で、複数のピストンリ
ング70における切断部78が一直線に揃ってリークパ
スを形成することが防止できる。
【0052】また、下部膨張ピストン93bの上端部と
上部膨張ピストン93aの下端部とを螺合させることに
より一体化した膨張ピストン93が形成されるようにな
っている。
【0053】この下側シリンダハウジング74bの材料
として、FC材やFCD材等が用いられるが、作動ガス
のリーク防止、製造コストや部材コスト、ピストンリン
グ70の摺動摩耗特性等の観点からFC300が好まし
い。
【0054】また、下部膨張シリンダ97bの材料とし
て一般に鋼材が用いられるが、製造を容易にすると共に
ピストンリングの摺動摩耗特性を改善させる観点から、
SUS材が好ましく、特にSUS303、SUS304
が好ましい。
【0055】膨張シリンダ97や圧縮シリンダ68のシ
リンダ面の表面粗さは、従来は旋盤加工レベルのRz
5.0ミクロン程度であるが、本発明ではこれをRz
3.0ミクロン以下、好ましくはRz1.0ミクロン以
下のレベルにしている。
【0056】これにより、ピストンリング70の摩耗進
行度合いを著しく減少させている。
【0057】上側シリンダハウジング74a及び下側シ
リンダハウジング74bには、膨張空間92と圧縮空間
66とを連通させる細管のガス流路175が形成されて
いる。
【0058】なお、下部膨張ピストン93bの下端部を
取囲むように環状溝108が形成されて、当該環状溝1
08にガス流路175が繋がり、圧縮空間66へと連通
している。
【0059】この環状溝108には、背圧室154と連
通する微少径の環状溝連通孔109が形成されて、背圧
室154と環状溝108との圧力を均等な圧力にしてい
る。
【0060】また、上側シリンダハウジング74aの下
端部には、ガス流路175と連通するように、円筒状の
蓄熱材収納溝105が長手方向に形成されて、後述する
蓄熱材176が挿入されるようになっている。
【0061】蓄熱部174は、真鍮やステンレス鋼を材
料とするメッシュ状の金属シートのからなる円筒状の蓄
熱材176を有し、この蓄熱材176が多数積層されて
蓄熱材収納溝105に装着される。
【0062】そして、膨張空間92で膨張して温度の下
がった作動ガスが、圧縮空間66に向って流動する際に
は、当該作動ガスの冷熱を貯えて、当該冷熱が圧縮空間
66から膨張空間92に流動する作動ガスの冷却に用い
られる。
【0063】また、圧縮空間66で圧縮されて温度上昇
した作動ガスが、圧縮空間66から膨張空間92に向っ
て流動する際には、当該作動ガスの温熱を貯えて、当該
温熱が膨張空間92から圧縮空間66に流動する作動ガ
スの加熱に用いられる。
【0064】圧縮ピストンロッド69や膨張ピストンロ
ッド100の下端側には、クロスガイド側フランジ10
1が設けられ、上端にはピストン取付ネジ102が設け
られ、さらに上端近傍にはピストン側フランジ103が
設けられている。
【0065】そして、圧縮ピストンロッド69や膨張ピ
ストンロッド100は、クロスガイド側フランジ101
を用いてクロスガイドヘッド44に取付けられる。
【0066】また、ピストン取付ネジ102を圧縮ピス
トン67や膨張ピストン93に挿通してピストン側フラ
ンジ103に当ててナット締することにより圧縮ピスト
ンロッド69や膨張ピストンロッド100と連結され
る。
【0067】なお、膨張ピストン93と膨張ピストンロ
ッド100との連結に際して、当該膨張ピストン93の
連結位置を調整するためにスペーサ153が用いられて
いる。
【0068】放熱部193は、圧縮部64で圧縮されて
温度上昇した作動ガスの熱を外部に速やかに放出させる
ことを主目的として設けられたもので、圧縮空間66や
膨張シリンダ97を取巻き循環するように形成された冷
却水路194が下側シリンダハウジング74bに形成さ
れる共に、下部膨張シリンダ97bの下端部にフィンを
有する放熱器195が設けられている。
【0069】オイルシール部148は、固定プレート2
43と膨張ピストン93及び圧縮ピストン67との間に
設けられたオイルシールベローズ149、該オイルシー
ルベローズ149の上端が溶着されたワッシャ状の上部
取付環、該オイルシールベローズ149の下端が溶着さ
れたワッシャ状の下部取付環を有している。
【0070】このオイルシールベローズ149は、金属
材料をプレス加工により一体成形した金属成形ベローズ
や溶接により組み立てた金属溶接ベローズが使用され
る。
【0071】この上部取付環は、圧縮ピストンロッド6
9や膨張ピストンロッド100の底部とピストン側フラ
ンジ103との間に装着されてピストン取付ネジ102
により固定される。
【0072】また、下部取付環は、固定プレート243
を介して下側シリンダハウジング74bに固定される。
【0073】これにより背圧室154が気密状態とな
り、クランク空間36からオイル248が圧縮空間66
や膨張空間92に侵入する不都合が完全に防止できるよ
うになる。
【0074】背圧室154は、圧縮ピストン67の背圧
側と膨張ピストン93との背圧側にそれぞれ形成される
が、これらが互いに連通するように背圧室連通孔155
が形成されている。
【0075】ところで、背圧室154が気密状態にある
と、膨張ピストン93や圧縮ピストン67の往復運動作
により当該背圧室154には大きな圧力変動が発生する
と共に、クランク空間36との間で大きな差圧が発生す
る。
【0076】そして、背圧室154の圧力がクランク空
間36の圧力より高くなるとオイルシールベローズ14
9は糸巻ボビン状に絞られ、逆に背圧室154の圧力が
クランク空間36の圧力より低くなると、オイルシール
ベローズ149はビヤダル状に膨らむようになる。
【0077】このような変形が、繰返しオイルシールベ
ローズ149に生じて破損しやすくなる。
【0078】また、背圧室154の圧力変動は、膨張ピ
ストン93や圧縮ピストン67の往復運動のブレーキと
して作用するので、その分モータ14の負荷が増えてし
まい冷凍効率が低下する。
【0079】そこで、このような圧力変動が抑制できる
ように、バッファタンク126を備えた圧力調整部12
5を設けている。
【0080】この圧力調整部125のバッファタンク1
26は、タンク内の空間を2つの空間に気密に仕切る圧
力調整ベローズ127を備えて、一方の空間が背圧側連
通管128により背圧室154と連通し、他方の空間が
クランク側連通管130によりクランク空間36やモー
タ室13と連通している。
【0081】この背圧室154に連通する空間を背圧側
バッファ室129と記載し、クランク空間36と連通す
る空間をクランク側バッファ室131と記載する。
【0082】そして、少なくとも背圧側バッファ室12
9の空間容積は、背圧室154の空間容積より十分に大
きくなっている。
【0083】圧力調整ベローズ127は、オイルシール
ベローズ149と同様に金属成形ベローズ、金属溶接ベ
ローズを用いることも可能であるが、当該オイルシール
ベローズ149におけるほど伸縮量が大きくないこと等
の理由から樹脂やゴム製のベローズを使用することも可
能である。
【0084】これにより、背圧室154の圧力変動が背
圧側バッファ室129の圧力変動により自動的に緩和さ
れると共に、圧力調整ベローズ127の伸縮により吸収
され、背圧室154とクランク空間36との間で大きな
差圧が発生しないようになり、オイルシールベローズ1
49の劣化や破壊の防止、スターリング冷凍機1の運転
性能及び耐久性の向上が図られる。
【0085】コールドヘッド部219は、冷却フィン2
20と、この冷却フィン220の先端部分を包むように
設けられたジャケット221とから構成されて、冷却フ
ィン220とジャケット221との間にブライン流路2
22を形成している。
【0086】なお、ブラインとして、エチルアルコー
ル、HFE、PFC、PFG、窒素、ヘリウム等が利用
可能である。
【0087】これにより膨張空間92で発生した冷熱に
よりブラインは冷却フィン220を介して冷却され、冷
熱利用機器に冷熱が供給される。
【0088】次に、このような構成のスターリング冷凍
機1の動作を説明する。
【0089】モータ14が駆動されると、その回転動力
がモータ軸17を介してクランク軸37に伝達される。
【0090】このクランク軸37にはクランク38が偏
心して取付けられて、このクランク38にコネクティン
グロッド41を介してクロスガイドヘッド44が連結さ
れているので、回転動力はクロスガイドヘッド44の往
復動力に変換される。
【0091】クロスガイドヘッド44が往復運動する
と、ピストンロッドを介して接続された膨張ピストン9
3と圧縮ピストン67は往復運動して作動ガスを圧縮、
膨張する。
【0092】このとき、クランク38によりオイル24
8がクロスガイドヘッド44等に付着するが、オイルシ
ールベローズ149によりクランク空間36と背圧室1
54とが完全に区画されている。
【0093】また、背圧室154と膨張空間92との差
圧がバッファタンク126により圧力調整されて、これ
らの間で差圧の発生が抑制されているが、このとき圧力
調整ベローズ127を用いてバッファタンク126を区
画しているので、バッファタンク126を介してクラン
ク空間36等から背圧室154にオイル248が流入す
ることがない。
【0094】従って、背圧室154にオイル248が侵
入して圧縮空間66や膨張空間92に侵入することがな
く、冷凍効率の低下が防止できるようになっている。
【0095】なお、バッファタンク126により背圧室
154と膨張空間92との差圧が抑制されるために、モ
ータ14負荷が低減して冷凍効率の低下が抑制できるよ
うになっている。
【0096】このようにして膨張ピストン93と圧縮ピ
ストン67が往復運動し、膨張ピストン93が上死点に
近づいて動きが遅くなると、圧縮ピストン67は中間付
近を上死点に向かって急速に動き、これにより作動ガス
は略断熱圧縮されて温度上昇する。
【0097】圧縮された作動ガスは、ガス流路175を
流れて放熱部193に流入し、ここで放熱器195を介
して冷却水に放熱して降温する。
【0098】冷却水に放熱した作動ガスは、蓄熱部17
4に流入し、蓄熱材176を通過する際に当該蓄熱材1
76に温熱を蓄熱して膨張空間92に流入する。
【0099】そして、圧縮ピストン67は上死点に近づ
き、その速度も遅くなる。
【0100】すると、膨張ピストン93は急激に下死点
に向かって動き、これにより膨張空間92が急激に拡張
して、当該膨張空間92の作動ガスは断熱膨張して降温
する。
【0101】これにより、コールドヘッド部219の温
度が下がり、冷却フィン220を介してブラインが冷却
されて、冷熱が冷熱利用機器に供給される。
【0102】膨張ピストン93が下死点から上死点に移
動する際は、圧縮ピストン67は中間位置から下死点に
向かって動いており、これにより作動ガスは膨張空間9
2からガス流路175を介して圧縮空間66に流れる。
【0103】このとき膨張して温度の下がった作動ガス
は、蓄熱材176に冷熱を蓄熱して放熱部193を経て
圧縮空間66に流入して1サイクルが終了する。
【0104】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、ピ
ストンリングの回転を規制できるようにリブ又はピンか
らなるピストンリング回転防止部材を設けたので、振動
等によりピストンリングが回転して、その切断部が揃う
ことがなくなり冷凍効率の低下を防止することが可能に
なる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の説明に適用されるスター
リング冷凍機の側断面図である。
【図2】ピストンリングの取付構造を説明する図で、
(a)はピストンリングの上面図、(b)はその側面
図、(c)はピストンリングの上面図、(e)はその側
面図である。
【図3】図2に代るピストンリングの取付構造を説明す
る図である。
【図4】図2に代るピストンリングの取付構造を説明す
る図である。
【図5】従来の技術の説明に適用されるピストンリング
の取付構造を説明する図で、(a)はピストンリングの
上面図、(b)はその側面図、(c)はピストンリング
の上面図、(e)はその側面図である。
【図6】発明の課題を説明する図である。
【符号の説明】
1 スターリング冷凍機 14 モータ 38 クランク 66 圧縮空間 67 圧縮ピストン 68 圧縮シリンダ 70 ピストンリング 77 ピストンリング溝 78 切断部 79,81 リブ 80,82 リブ切欠溝 83 ピン 84 ピン穴 92 膨張空間 93 膨張ピストン 97 膨張シリンダ 219 コールドヘッド部
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成14年7月9日(2002.7.9)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】変更
【補正内容】
【0013】このように切断部578が揃ってしまう
と、作動ガスはこの切断部578を介して流動して、圧
縮や膨張された作動ガスがリークしてしまい冷凍効率を
低下させてしまう。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0020
【補正方法】変更
【補正内容】
【0020】駆動装置11は、内部がモータ室13をな
すモータハウジング12を有し、このモータ室13にス
テータ16及びロータ15からなる正逆回転可能なモー
タ14が設置されて、回転動力はモータ軸17を介して
出力される。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0075
【補正方法】変更
【補正内容】
【0075】ところで、背圧室154が気密状態にある
と、膨張ピストン93や圧縮ピストン67の往復運動に
より当該背圧室154には大きな圧力変動が発生すると
共に、クランク空間36との間で大きな差圧が発生す
る。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0093
【補正方法】変更
【補正内容】
【0093】また、背圧室154とクランク空間36と
の差圧がバッファタンク126により圧力調整されて、
これらの間で差圧の発生が抑制されているが、このとき
圧力調整ベローズ127を用いてバッファタンク126
を区画しているので、バッファタンク126を介してク
ランク空間36等から背圧室154にオイル248が流
入することがない。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0095
【補正方法】変更
【補正内容】
【0095】なお、バッファタンク126により背圧室
154の圧力変動が抑制されるために、モータ14負荷
が低減して冷凍効率の低下が抑制できるようになってい
る。
【手続補正6】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図1
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中崎 五夫 大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号 三 洋電機株式会社内 (72)発明者 井上 貴至 大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号 三 洋電機株式会社内 (72)発明者 對比地 亮佑 大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号 三 洋電機株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリンダ内を往復運動して作動ガスを圧
    縮/膨張させるピストンと、該ピストンの側筒面に円周
    に沿って形成された複数のピストン溝と、該ピストン溝
    に装着されて、前記シリンダのシリンダ面と当接するこ
    とにより前記ピストンの側筒面と前記シリンダのシリン
    ダ面とのクリアランスを介して作動ガスが流動しないよ
    うにするピストンリングとを備えたスターリング冷凍機
    において、 前記ピストンリングの前記ピストン溝に沿った回転を規
    制するリブ又はピンからなるピストンリング回転防止部
    材を設けたことを特徴とするスターリング冷凍機。
  2. 【請求項2】 前記ピストンリングは、一部が切断され
    た略C字形状であることを特徴とする請求項1記載のス
    ターリング冷凍機。
JP2002094395A 2002-03-29 2002-03-29 スターリング冷凍機 Pending JP2003294331A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007205582A (ja) * 2006-01-30 2007-08-16 Sumitomo Heavy Ind Ltd 蓄冷器式冷凍機
JP2014085009A (ja) * 2012-10-23 2014-05-12 Hyundai Motor Company Co Ltd ピストンリング装着構造

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JP2007205582A (ja) * 2006-01-30 2007-08-16 Sumitomo Heavy Ind Ltd 蓄冷器式冷凍機
JP2014085009A (ja) * 2012-10-23 2014-05-12 Hyundai Motor Company Co Ltd ピストンリング装着構造

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