JP2003286552A - Al−Mg−Si系合金板の製造方法 - Google Patents

Al−Mg−Si系合金板の製造方法

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JP2003286552A
JP2003286552A JP2002092740A JP2002092740A JP2003286552A JP 2003286552 A JP2003286552 A JP 2003286552A JP 2002092740 A JP2002092740 A JP 2002092740A JP 2002092740 A JP2002092740 A JP 2002092740A JP 2003286552 A JP2003286552 A JP 2003286552A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 製造コスト削減のため冷間圧延前の中間焼鈍
工程を省略した場合でも、成形性(特に、張出し成形
性)が良好で、且つ優れた表面性状を有し、さらに成形
後の人工時効処理時における焼付硬化性も良好で高強度
の要求も満たすAl−Mg−Si系合金板の製造方法を
提供する。 【解決手段】 Mg:0.1〜3%およびSi:0.1
〜2.5%を含有するAl合金板を製造するに際し、熱
間圧延後の析出物の平均粒径dを0.5μm以上とし、
これを中間焼鈍せずに冷間圧延した後、500℃以上の
温度域で下記(1)式を満たす条件で溶体化処理する。 P≧0.0024d+0.0004 ・・・(1) 但し、P=∫[D(T(t))]1/2dtである。 [式中、D(T(t))=0.9exp[−15395
/T(t)]であり、T(t)は500℃以上に保持さ
れている時間t(秒)における温度T(絶対温度)の関
数である。]

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車ボディパネ
ル等の材料に好適な金属板で、一般にJIS6000系
に属するAl−Mg−Si系合金板の製造方法に関する
ものであり、より詳細には、成形性(特に、張出し成形
性)および表面性状に優れ、且つ焼付硬化性も良好なA
l−Mg−Si系合金板の製造方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】自動車のボディパネル材には鋼板を使用
することが多かったが、近年では車体を軽量化して燃費
向上を図るためにアルミニウム合金板の適用が検討され
ている。そして、特に自動車のパネル構造体(例えば、
自動車のフードやフェンダー,ドア,ルーフ,トランク
リッドなど)のアウタパネル(外板)やインナパネル
(内板)などには、薄肉で且つ高強度なものが要求され
る。
【0003】アルミニウム合金板の強度を向上させたも
のとしては、Al−Mg−Si系合金(いわゆる6000系
Al合金)が知られている。この合金は、MgとSiを
含有させることで時効硬化能を高めているので、プレス
成形や曲げ加工の際には低耐力で成形性が良好である
が、成形後に人工時効処理(例えば、焼付塗装処理な
ど)を施すと耐力が向上し所望の強度を確保できる。
【0004】また、6000系Al合金は、5000系Al合金
などの他のAl合金に比べると合金元素量が比較的少な
いので、リサイクル性にも優れている。すなわち、6000
系Al合金材から出るスクラップを再度溶解して新たな
Al合金板を鋳造したとしても、合金元素量が少ないの
で成分調整が容易だからである。
【0005】ところで、Al合金板として成形性と共に
高強度が要求されるときは、熱間圧延→中間焼鈍(「荒
焼鈍」と呼ばれることもある)→冷間圧延→溶体化処理
→成形→人工時効処理の工程を経て製造するのが一般的
である。そして、前記中間焼鈍および溶体化処理では、
結晶組織の調整や内部応力除去が行われて成形性が向上
し、成形後に人工時効処理することで所望の強度を得る
ことができる。
【0006】一方、自動車のボディパネル材としてアル
ミニウム合金板を適用するに際しては、成形性や合金材
としての強度は勿論のこと低コスト化が求められる。低
コスト化を実現する手段として、中間焼鈍工程の省略な
どが検討されているが、従来の中間焼鈍と溶体化処理を
組み合わせた製造条件から中間焼鈍工程を単に省略した
のでは、中間焼鈍による効果が得られないので、成形性
が悪くなるという問題が生じていた。
【0007】また、中間焼鈍を省くと合金元素の固溶が
抑制されるので、成形後に人工時効処理を施したとして
も、強度の向上が望めない。さらに、溶体化処理だけで
は、結晶粒が粗大化して肌荒れが発生し表面性状が悪く
なることがあった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、この様な状
況に鑑みてなされたものであり、その目的は、製造コス
ト削減のため冷間圧延前の中間焼鈍工程を省略した場合
でも、成形性(特に、張出し成形性)が良好で、且つ優
れた表面性状を有し、さらに成形後の人工時効処理時に
おける焼付硬化性も良好で高強度の要求も満たすAl−
Mg−Si系合金板の製造方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成すること
のできた本発明に係るAl−Ng−Si系合金板の製造
方法とは、Mg:0.1〜3%(「質量%」の意味。以
下同じ)およびSi:0.1〜2.5%を含有するAl
合金板を製造するに際し、熱間圧延後の析出物の平均粒
径dを0.5μm以上とし、これを中間焼鈍せずに冷間
圧延した後、500℃以上の温度域で下記(1)式を満
たす条件で溶体化処理する点に要旨を有するものであ
る。 P≧0.0024d+0.0004 ・・・(1) 但し、P=∫[D(T(t))]1/2dtである。[式
中、 D(T(t))=0.9exp[−15395/T
(t)] であり、T(t)は500℃以上に保持されている時間
t(秒)における温度T(絶対温度)の関数であ
る。]。
【0010】本発明では、冷間圧延後、溶体化処理温度
への加熱に際し、少なくとも500℃までの平均加熱速
度を300℃/min以上とすることが望ましい。さら
に、溶体化処理後の冷却プロセスでは、少なくとも50
0℃から200℃までの平均冷却速度を100℃/mi
n以上とすることが好ましい。
【0011】本発明で用いる上記Al−Mg−Si系合
金には、他の合金成分として、 Fe:0.5%以下(0%含まない)、Mn:1.0
%以下(0%含まない)、Cr:0.3%以下(0%含
まない)、Zr:0.3%以下(0%含まない)、およ
びTi:0.1%以下(0%含まない)から選ばれる少
なくとも1種を含有させる、 Cu:1.5%以下(0%含まない)および/または
Zn:1.0以下(0%含まない)を含有させる、こと
は何れも好ましい態様である。
【0012】
【発明の実施の形態】Al合金板に中間焼鈍や溶体化処
理を施すことによって結晶組織の調整や内部応力の除去
ができる理由は、Al合金板を加熱することで再結晶が
促進されて結晶粒が微細化すると共に、熱間圧延時に合
金中に生成した析出物がマトリックスへ再固溶するから
である。従って、従来の製造条件から中間焼鈍工程を省
いて溶体化処理だけを行うと、製造に要するコストは削
減できるものの、中間焼鈍による効果が得られないの
で、成形性および表面性状が劣悪となる。
【0013】ところが、本発明者らが、Al−Mg−S
i系合金板の製造工程から中間焼鈍の省略を可能にすべ
く種々検討を重ねた結果、熱間圧延後における析出物の
サイズと溶体化処理条件を適切に制御すれば、目的が見
事達成できることを見出し、本発明を完成した。以下、
本発明の作用効果について説明する。
【0014】本発明のAl合金板は、Mg:0.1〜3%お
よびSi:0.1〜2.5%含有するものであり、この様な範
囲に規定した理由は下記の通りである。
【0015】Mgは、Siと共に含有させることによっ
てG.P.ゾーンと称されるMg2Si組成の集合体
(クラスター)又は中間相を形成し、人工時効処理(以
下、「ベーキング処理」または「焼付塗装処理」と称す
る場合がある)による高強度化に寄与する元素である。
また、Mgは強度の向上にも寄与する固溶強化元素であ
る。この様な効果を得るには、0.1%以上含有させる必
要があり、好ましくは0.4%以上である。但し、過剰に
含有させると、前記集合体や中間相が多く生成してベー
キング処理時にかえって強度が劣化するので、3%以
下、好ましくは1.5%以下とすべきである。
【0016】Siは、Mgと共に含有させることによっ
て、ベーキング処理による高強度化に寄与する元素であ
る。この様な効果を得るには、0.1%以上含有させる必
要があり、好ましくは0.4%以上である。但し、過剰に
含有させるとベーキング処理時にかえって強度が劣化す
るので、含有量は2.5%以下、好ましくは1.5%以下とす
べきである。
【0017】合金成分としてMgおよびSiを上記範囲
で含有するAl合金板を、公知の方法(例えば、DC鋳
造法や薄板連鋳など)で鋳造した後、熱間圧延すれば良
いが、本発明では、熱間圧延後の合金板に含まれる析出
物のサイズが重要になる。
【0018】すなわち、Al合金を熱間圧延すると、合
金元素が析出して析出物を生成するが、この析出物を形
成している元素は、後の溶体化処理工程で母相中へ拡散
してマトリックスに固溶する。そして、析出物のサイズ
が小さいほど析出物を構成している元素は溶体化処理工
程で母相中へ拡散しやすくなるので、固溶が促進され
て、後の人工時効処理で強度を向上させることができ
る。よって、中間焼鈍の工程を省くのであれば、熱間圧
延後の合金中に生成する析出物の大きさを極力小さくす
る方が良い。
【0019】しかし、本発明者らが検討したところ、A
l合金板を熱間圧延した後の合金中に生成する析出物が
小さ過ぎると、溶体化処理工程時の再結晶過程で析出物
によるピン止めや再結晶遅延による回復の進行、さらに
は再結晶の駆動力低下によって母相の結晶粒が粗大化す
ることが分かった。そして、結晶粒が粗大化すると、表
面性状が悪化して肌荒れの原因となるのである。この様
な観点から、本発明では、熱間圧延後の析出物の平均粒
径を0.5μm以上とする必要がある。好ましくは1.0μm
以上である。なお、析出物の平均粒径の上限は特に限定
されないが、後述する様に析出物が溶体化処理工程で充
分に固溶し得るサイズであれば良い。
【0020】本発明において、「析出物」とは、各種合
金元素を含むものであればその種類は特に限定されず、
例えば、合金元素としてMgおよびSiを含有するAl
合金であれば、Mg単独の析出物およびSi単独の析出
物はもとより、MgとSiの複合化合物も含まれる意味
である。
【0021】また、本発明において「粒径」とは、組織
写真を画像解析して求めた円相当直径を意味し、合金の
表面または断面を走査型電子顕微鏡(SEM)や透過型
電子顕微鏡(TEM)などで観察して測定すれば良い。
このとき観察倍率は10000倍とし、析出物の観察個数を1
000個以上として測定された粒径の平均を算出すれば良
い。
【0022】析出物の平均粒径を測定する時期は、熱間
圧延後で室温まで冷却していれば特に限定されず、熱間
圧延した後に冷間圧延し、この冷間圧延後に測定しても
良い。この理由は、冷間圧延を施したとしても、析出物
の平均粒径は殆ど変化しないことを本発明者らは確認し
ているからである。
【0023】熱間圧延の条件は特に限定されず、公知の
条件(例えば、温度範囲が550〜300℃程度)で圧延すれ
ば良い。また、熱間圧延後に仕上げ圧延をしても良い
が、その条件も特に限定されず、例えば、500〜250℃程
度の温度範囲とすれば良い。
【0024】本発明では、熱間圧延したAl合金板を、
中間焼鈍せずに冷間圧延する。この理由は、中間焼鈍を
省くことによって製造コストを格段に削減できるからで
ある。なお、冷間圧延の条件は特に限定されず、公知の
条件(例えば、冷延率が40〜90%程度)で圧延すれば良
い。
【0025】次に、冷間圧延したAl合金板を溶体化処
理するが、本発明ではこの処理条件が重要である。合金
板に含まれる析出物は、溶体化処理の工程において母相
へ拡散して固溶するが、析出物の拡散が不充分であれば
固溶を促進できないので、成形後に人工時効処理しても
所望の強度を得ることができないからである。しかし、
溶体化処理の条件は複雑であり、例えば、加熱速度や最
高到達温度、保持時間、冷却速度などの条件を夫々厳密
に規定する必要があるが、これらの条件は互いに影響を
受けているので一概には処理条件を導き出すことができ
ない。そこで、本発明者らが溶体化処理の条件について
さらに検討したところ、500℃以上の温度域で下記
(1)式を満足する様に溶体化処理すれば良いことを見
出した。 P≧0.0024d+0.0004 ・・・(1)
【0026】上記(1)式中のPは、下記(2)式で与
えられる値であり、本発明では「固溶促進パラメータ
P」と称する場合がある。 P=∫[D(T(t))]1/2dt ・・・(2) ここで、上記(1)式中のdは、熱間圧延後の析出物の
平均粒径(μm)であり、上記(2)式中のD(T
(t))は、 D(T(t))=0.9exp[−15395/T(t)] ・・・(3) である。上記(3)式中のT(t)は、500℃以上に保
持されている時間t(秒)における温度T(絶対温度)
の関数である。この様に溶体化処理条件を規定した理由
は、下記の通りである。
【0027】合金板中の析出物は、溶体化処理時に母相
へ拡散していくが、このとき析出物を構成している元素
のうち最表面に位置している原子から母相へ拡散すると
考えられる。そして、析出物を充分に拡散・固溶させる
には、析出物を構成している原子の拡散速度が重要とな
り、拡散速度が大きくなるほど原子の拡散距離が長くな
る。また、原子が拡散する際には、溶体化処理温度も重
要であり、処理温度が高いほど原子の拡散速度が大きく
なるので、拡散距離も長くなる。さらに、原子の拡散
は、溶体化処理に要する時間にも影響を受け、溶体化処
理を行う温度での保持時間が長ければ原子の拡散距離は
長くなる。よって、原子の拡散係数は一般的に下記
(4)式で示されるので、この式にD0=0.9、Q=128
kJ/mol、R=8.314J/mol・Kを代入すると
上記(3)式を得ることができる。 D(T)=D0exp[−Q/RT] ・・・(4)
【0028】但し,D0はSi原子の拡散に関する定数
項であり、QはSi原子が拡散する際に要する活性化エ
ネルギー、Rは気体定数である。また、上記(3)式で
は、溶体化処理を500℃以上の温度域で行うので、T
(t)は500℃以上に保持されている時間をt(秒)に
おける温度T(絶対温度)の関数で示した。
【0029】なお、溶体化処理を500℃以上の温度域で
行う理由は、原子が拡散し易くなる温度が500℃以上だ
からである。また、Si原子が拡散する際に要する活性
化エネルギーのみに注目してQ=128kJ/molとし
た理由は、SiとMgの拡散速度には顕著な差がないか
らであり、またSiおよびMg以外の元素は無視できる
からである。
【0030】この様にして得られた上記(3)式の平方
根を積分することによって、溶体化処理工程における原
子の拡散距離(固溶促進パラメータP)を算出すること
ができる。そして、固溶促進パラメータPが、上記
(1)式を満足すれば、溶体化処理工程において析出物
を構成している元素が充分に拡散するので、固溶が促進
されて成形性が向上するのである。つまり、熱間圧延後
の析出物の平均粒径dに基づいて上記(1)式の右辺の
値(0.0024d+0.0004)を算出し、固溶促進パラメータ
Pがこの値以上となる条件で溶体化処理すれば、適当な
大きさの析出物が充分に拡散・固溶するので、結晶粒径
が粗大化せず表面性状も良好となる。
【0031】なお、上記(1)式における0.0024および
0.0004の値は実験により得られたものである。
【0032】熱間圧延後の析出物の大きさは、成分組成
や熱間圧延条件によって大きく影響を受けるが、平均粒
径を0.5μm以上にするには、例えば、熱間圧延の終了
温度を制御すれば良い。具体的には、熱間圧延の終了温
度を300℃以上にすると析出物の平均粒径を0.5μm以上
にすることができる。より好ましくは熱間圧延の終了温
度を350℃以上とするのが望ましい。一方、熱間圧延の
終了温度の上限は特に限定されないが、一般的な設備制
約から上限は500℃程度である。
【0033】本発明では、冷間圧延後、溶体化処理温度
への加熱に際し、少なくとも500℃までの平均加熱速度
を300℃/min以上とするのが好ましい。この理由
は、加熱速度が大きいほど再固溶温度域の高温側で再結
晶が起こるからである。一方、微細な析出物があると結
晶粒が粗大化する傾向にある。従って、平均加熱速度を
300℃/min以上とすることで再結晶を阻害し、微細
な析出物が再固溶する温度域で再結晶させることにより
再結晶粒の微細化が図れるのである。
【0034】ここで、「平均加熱速度」とは、室温から
少なくとも500℃までの範囲を加熱する際における加熱
速度を平均したものを指す。すなわち、室温から少なく
とも500℃までの温度範囲を300℃/min以上の一定の
速度で加熱しても良いし、室温から少なくとも500℃ま
での温度範囲において加熱速度を適宜変化させ、その加
熱速度の平均が上記要件を満足してもよい。
【0035】但し、「少なくとも」としたのは、室温か
ら溶体化処理到達温度までの範囲も含めた加熱速度を平
均したときに上記要件を満足しても良いからである。つ
まり、本発明において500℃以上の温度域における加熱
速度は、上記固溶促進パラメータPで規定されるけれど
も、室温から前記溶体化処理到達温度までの範囲を上記
要件を満足する様に昇温することも本発明の範囲に含ま
れる意味である。
【0036】尚、平均加熱速度の上限は特に限定されな
いが、一般的な設備制約から2000℃/min程度であ
る。
【0037】本発明では、溶体化処理後の冷却プロセス
において、少なくとも500℃から200℃までの平均冷却速
度を100℃/min以上とすることも好ましい。この温
度範囲での冷却速度が100℃/min未満では、冷却中
にMgやSi等の析出物が粒界へ出る様になるため固溶
量が低下し、人工時効硬化特性等が劣化することがある
からである。
【0038】本発明で使用するAl合金は、Mgおよび
Siを含み、残部はAlと不可避不純物であるが、合金
成分として、更にFe:0.5%以下(0%を含まない)、
Mn:1.0%以下(0%を含まない)、Cr:0.3%以下
(0%を含まない)、Zr:0.3%以下(0%を含まな
い)、およびTi:0.1%以下(0%を含まない)から選
ばれる少なくとも1種を含有させることも有効である。
【0039】これらの元素は、Al−Mg−Si系合金
を製造する際に、結晶粒を微細化する作用を有し、特に
Feは、Fe系晶出物[α−AlFeSi、β−AlF
eSi、Al6Fe、Al6(Fe,Mn)、Al12(F
e,Mn)3Cu12、Al7Cu2Fe等]を形成して結
晶粒を微細化する。従ってこれらの元素の1種以上を添
加すれば、表面性状を改善できる。また、結晶粒が微細
化することで粒界破壊も起こし難くなり、成形性も向上
する。さらに、これらの元素は均質化処理の間や熱間圧
延中に析出物を多く生成するので、溶体化処理時の固溶
強化も増進できる。しかし、上限値を超えて各元素を含
有させると、Alとこれらの元素との間で粗大な化合物
が生成して破壊の起点となり、却って成形性を悪化させ
るため、上記上限値以下に抑えることが望ましい。より
望ましい添加量は、Feが0.3%以下、Mnが0.5%以
下、Crが0.2%以下、Zrが0.2%以下、Tiが0.05%
以下である。尚、これらの元素は合計量では0.05%以
上、2.0%以下とすることが望ましい。
【0040】尚、本発明においては、資源の有効利用や
低コスト化の観点から、Alスクラップ材を原料として
合金を製造してもよく、この場合Feは不可避的に多量
に含まれるが、上記範囲に抑制することによって本発明
の効果を享受できる。
【0041】また、本発明では、合金成分として、更に
Cu:1.5%以下(0%を含まない)およびZn:1.0%
以下(0%を含まない)から選ばれる少なくとも1種を
含有させることもできる。
【0042】Cu及びZnは、ベーキング時の時効硬化
速度を向上させる元素であるが、過剰に含有させると粗
大な化合物を形成して成形性を劣化させるので、上記範
囲に抑制するのが望ましい。より好ましくは、Cuを1.
0%以下、Znを0.6%以下にするのが望ましい。また、
これらの元素を両方含有させるときは、合計量で2.0%
以下とするのが好ましく、より好ましくは1.6%以下と
するのが良い。
【0043】以下、本発明を実施例によって更に詳細に
説明するが、下記実施例は本発明を限定する性質のもの
ではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変
更して実施することも可能であり、それらはいずれも本
発明の技術的範囲に含まれる。
【0044】
【実施例】表1に示す組成のAl−Mg−Si系合金を
DC鋳造し、熱間圧延終了後、中間焼鈍せずに冷間圧延
して厚みが1mmの板材を得た。熱間圧延終了温度
(℃)を表2に示す。
【0045】得られた板材を溶体化処理した後、常温で
2ヶ月間人工時効処理して厚みが1mmの試験材(T4
材)を得た。溶体化処理条件は、表2に示す様に、室温
から到達温度(℃)まで表2に示す加熱速度(℃/mi
n)で昇温し、該到達温度で一定時間(sec)保持し
た後、表2に示す冷却速度(℃/min)で室温まで降
温した。
【0046】熱間圧延後の析出物の平均粒径は、下記に
示す様に測定した。
【0047】[析出物の平均粒径の測定方法]熱間圧延
後から冷間圧延前の段階における板材から観察用サンプ
ルを採取し、透過型電子顕微鏡(TEM)(日立製作所
製、商品名「H−800」)でサンプル表面を観察して
析出物の平均粒径を求めた。観察用サンプルは、圧延方
向に対して平行な部分から採取したものを用いた。観察
倍率は10000倍とし、観察視野を10箇所以上として、画
像解析により析出物粒子の平均粒径を求めた。尚、析出
物とは、MgまたはSiの少なくとも一方を含有してい
るものを指す。
【0048】得られた析出物の平均粒径をd(μm)と
し、上記(1)式の右辺の値(0.0024d+0.0004)を算
出した。結果を表2に「右辺の値」として示す。
【0049】次に、前記(2)〜(3)式を用いて溶体
化処理条件からP値を算出する方法を、表2のNo.1の場
合を取り上げて説明する。
【0050】[P値の算出方法]表2のNo.1に示す溶体
化処理条件を、模式的に示すと図1の様になる。図中X
軸は時間t(sec)で、Y軸は温度T(℃)である。
【0051】図中の直線は、冷間圧延後の板材を、室
温(20℃)から到達温度(550℃)まで加熱速度350℃/
min(=5.83℃/sec)で加熱する工程を示してお
り、下記式で表される。なお、下記〜式では、温
度を絶対温度で示している。 T=5.83t+293 (但し、0≦t≦91) ・・・ 図中の直線は、到達温度550℃で45秒間保持する工程
を示しており、下記式で表される。 T=823 (但し、91≦t≦136) ・・・ 図中の直線は、550℃から冷却速度200℃/min(=
3.33℃/sec)で室温(20℃)まで冷却する工程を示
しており、下記式で表される。 T=−3.33t+1276 (但し、136≦t≦295) ・・・ 上記〜式を、上記(3)式に代入し、D(T
(t))の平方根を積分すると、P値が得られる。つま
り、 F(t)=[D(T(t))]1/2 と置き、時間t(sec)に対してプロットすると、図
2の様になり、X軸と関数F(t)で囲まれた部分の面
積(図中の斜線部)を求めると、原子が拡散した総距離
となる。この様にして得られたP値を表2に示す。
【0052】
【表1】
【0053】
【表2】
【0054】合金板の成形性は、張出し成形試験の成形
限界割れ高さ(LDH)で評価し、表面性状は試験材の
結晶粒径で評価した。また、焼付硬化性は人工時効処理
後の耐力で評価した。評価方法は下記の通りである。
【0055】[張出し成形試験]溶体化処理後の試験材
(厚みが1mm)を、長さ180mm,幅110mmに採寸
し、粘性油(潤滑油)(商品名「R303P」)を塗布
後、101.6mmφの球頭張出しジグ(治具)を用いて、
張出し速度4mm/sec、しわ押え圧200kNで張出し
成形試験を行い、成形限界割れ高さ(LDH)を測定し
た。尚、成形限界割れ高さが大きい程、張出し成形性に
優れていることを意味し、要求される張出し成形性を満
足するためには27.5mm以上であればよい。
【0056】[試験材の結晶粒径]結晶粒径の測定はク
ロスカット法で行った。試験材表面を光学顕微鏡を用い
て100倍で撮影し、結晶粒を100個以上カットして求めた
長さを平均したものを試験材の結晶粒径とした。結晶粒
径が50μm以下であれば、表面性状は良好である。
【0057】[人工時効処理後の耐力]溶体化処理後の
試験材からJIS5号試験片を切り出し、2%の歪を予
め付与してから170℃×20分の人工時効処理を施した。
処理後に引張試験を行い、得られた耐力の値で焼付硬化
性[ベークハード(BH)性]を評価した。耐力が190
MPa以上であれば、焼付硬化性は良好である。
【0058】成形限界割れ高さ(mm)、試験材の結晶
粒径(μm)および人工時効処理後の耐力(MPa)を
測定した結果を表3に示す。
【0059】
【表3】
【0060】表2および表3から次の様に考察できる。
【0061】No.1〜12は、本発明の要件を満足する本発
明例であり、中間焼鈍を省略しても、得られた合金板は
成形性が良好であり、且つ表面性状にも優れている。ま
た、本発明の合金板は、焼付硬化性にも優れていること
が分かる。
【0062】一方、No.13〜16およびNo.18〜19は、本発
明のいずれかの要件を満足しない比較例であり、中間焼
鈍を省いているので、特に成形性に劣る。なお、No.17
は参考例であり、合金成分が本発明の範囲から外れると
共に、冷間圧延後の溶体化処理温度への加熱速度が本発
明の範囲から外れるので、中間焼鈍を省くことによって
成形性が劣化している。
【0063】
【発明の効果】上記のような構成を採用すると、冷間圧
延前の中間焼鈍工程を省いても成形性(特に、張出し成
形性)が良好で、且つ表面性状が良好なAl−Mg−S
i系合金板の製造方法を提供することができた。また、
本発明の合金板は、成形後に人工時効処理を施したとき
の焼付硬化性にも優れている。従って、本発明では中間
焼鈍工程を省くことができるので、製造コストを大幅に
削減することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】 溶体化処理条件を模式的に示した図である。
【図2】 P値の算出方法を説明するための図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C22F 1/00 630 C22F 1/00 630K 631 631Z 683 683 685 685Z 686 686A 691 691A 691B 691C 692 692A 692B

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Mg:0.1〜3%(「質量%」の意
    味。以下同じ)およびSi:0.1〜2.5%を含有す
    るAl合金板を製造するに際し、 熱間圧延後の析出物の平均粒径dを0.5μm以上と
    し、 これを中間焼鈍せずに冷間圧延した後、 500℃以上の温度域で下記(1)式を満たす条件で溶
    体化処理することを特徴とするAl−Mg−Si系合金
    板の製造方法。 P≧0.0024d+0.0004 ・・・(1) 但し、P=∫[D(T(t))]1/2dtである。[式
    中、 D(T(t))=0.9exp[−15395/T
    (t)] であり、T(t)は500℃以上に保持されている時間
    t(秒)における温度T(絶対温度)の関数である。]
  2. 【請求項2】 冷間圧延後、溶体化処理温度への加熱に
    際し、少なくとも500℃までの平均加熱速度を300
    ℃/min以上とする請求項1に記載の製造方法。
  3. 【請求項3】 溶体化処理後、冷却プロセスにおける少
    なくとも500℃から200℃までの平均冷却速度を1
    00℃/min以上とする請求項1または2に記載の製
    造方法。
  4. 【請求項4】 合金成分として、更にFe:0.5%以
    下(0%含まない)、Mn:1.0%以下(0%含まな
    い)、Cr:0.3%以下(0%含まない)、Zr:
    0.3%以下(0%含まない)、およびTi:0.1%
    以下(0%含まない)から選ばれる少なくとも1種を含
    むAl合金を使用する請求項1〜3のいずれかに記載の
    合金の製造方法。
  5. 【請求項5】 合金成分として、更にCu:1.5%以
    下(0%含まない)および/またはZn:1.0以下
    (0%含まない)を含むAl合金を使用する請求項1〜
    4のいずれかに記載の製造方法。
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