JP2003286015A - チューブ状炭素物質の製造装置、製造設備及びカーボンナノチューブの製造方法 - Google Patents

チューブ状炭素物質の製造装置、製造設備及びカーボンナノチューブの製造方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 チューブ状炭素物質を比較的高い割合で安定
して製造することができるチューブ状炭素物質の製造装
置を得る。 【解決手段】 チューブ状炭素物質より大きな比重且つ
粒径の流動媒体8が加熱状態で流動する流動層を内部に
形成する流動層反応器を備え、触媒となる第二物質s2
を流動層5内に導入する第二物質導入機構9を備えると
ともに、流動層5内に形成される第二物質s2の移流部
に、第一物質s1を導入する第一物質導入機構6を備え
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、炭素を含有し加熱
状態で分解される第一物質と、チューブ状炭素物質の生
成に触媒もしくは副原料となる第二物質とを使用して、
炭素原子がチューブ状に配列したチューブ状炭素物質を
加熱雰囲気中で製造する製造装置に関するとともに、こ
のような装置を使用した製造設備、及び、このような装
置を使用してカーボンナノチューブを製造する製造方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】カーボンナノチューブはチューブ状に閉
じた中空炭素物質であり、その直径はナノメートルスケ
ールで、壁構造が黒鉛のものである。これは1991年
に飯島により発見された新規物質である。
【0003】壁構造が一層の黒鉛シートで閉じたものは
単層ナノチューブと呼ばれ、複数層の黒鉛シートが入れ
子状に閉じたものは多層ナノチューブと呼ばれている。
【0004】通常の多層ナノチューブとは壁面の構造が
異なるが、多層ナノチューブと類似したものとして、黒
鉛壁構造がスクロール状になったもの、複数の黒鉛片が
パッチワーク状(張り子状)に且つ同心円筒状に堆積し
たものが見出されている。発明者らは、後者の構造の物
質をナノフレークカーボンチューブと呼び、チューブ状
炭素物質の一種に分類されるものと考えている。 この
種のナノフレークカーボンチューブは、例えば、電子放
出能を有し有用である。
【0005】一方、金属内包カーボンナノチューブは、
従来のカーボンナノチューブ同様、ナノメートルスケー
ルのチューブ状炭素物質であるが、その内部が中空では
なく、内部空間の一部又は全部が金属で埋められてい
る。金属内包カーボンナノチューブは内部が金属で埋め
られているため、従来のカーボンナノチューブに比して
様々な優れた特性を示し、特に導伝体、電子放出体とし
ての電気的特性や磁気特性に優れ、有用である。このよ
うな金属内包カーボンナノチューブも、その外殻はチュ
ーブ状の黒鉛からなるため、チューブ状炭素物質に分類
可能と考えている。さらに、ナノフレークカーボンチュ
ーブにあっても、その内部に金属を内包したものを得る
ことができる。この種の金属内包ナノフレークカーボン
チューブは、直線状の形態を示し、その外径Dが1〜1
00nmであり、炭素からなる壁部の厚さが49nm以
下であって、全長に亘って実質的に均一であり、その長
さをLとした場合に、アスペクト比L/Dが5〜100
00である。壁面を構成する炭素網面間の平均距離(d
0002)は、X線回折法により測定した場合に、0.
34nm以下である。
【0006】さらに、従来のカーボンナノチューブ同
様、ナノメートルスケールのチューブ状炭素物質である
が、そのチューブを構成する壁が黒鉛ではなく、アモル
ファス状を呈しているものが存在することを、発明者ら
は見出した(PCT/JP99/06061)。このア
モルファスナノスケールカーボンチューブは、水素等の
気体の吸蔵体として有用である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】カーボンナノチューブ
を例に取って説明すると、従来、この種の物質の製造に
あたっては、アーク法、気相熱分解法、レーザー昇華
法、凝固相の電解法等が採用されてきた。しかしなが
ら、いずれの方法も、連続して、大量に目的物を製造す
ることができず、工業化に障害があった。
【0008】比較的容易に且つ大量に安定して、チュー
ブ状炭素物質を製造する手法として、発明者らは、図8
に示すような流動層反応器51を使用する方法を検討し
た。図示する流動層反応器51は、発明者らにより初期
の検討対象とされたものである。
【0009】この装置を利用してカーボンナノチューブ
を製造する場合、目的物であるチューブ状炭素物質に対
して、その比重及び粒径が大きい流動媒体(ケイ砂等)
を容器内に収納するとともに、その下方より流動層形成
用ガス(炭素源となる第一物質及び第二物質に対して共
に不活性なガス)を送り込み流動層52を形成する。
【0010】流動層52の上側はフリーボード53とさ
れ、この部位53でガス流速が低下し、流動媒体と生成
物とを分離して、目的物を選択的に上部から取り出すこ
とができる。
【0011】カーボンナノチューブcを製造する場合、
流動層反応器51の底部に設けられた導入管54から炭
素源となるベンゼン、トルエン等をガス状態で反応器内
に導入し、流動層反応器51の天井部位に設けられた導
入管55から触媒として働く鉄微粒子・フェロセン等を
反応器内に供給する。このようにしてカーボンナノチュ
ーブを製造すると、確かに、目的物をある程度の量、得
ることができるのであるが、取り出し口56が詰まった
り、反応器51から取り出される物質内に、チューブ状
を呈しない単なる黒鉛も比較的多く含まれることが判明
した。
【0012】本発明の目的は、チューブ状炭素物質を比
較的高い割合で安定して製造することができるチューブ
状炭素物質の製造装置及びその製造装置を備えた製造設
備を得るとともに、カーボンナノチューブを安定的に製
造することができる製造方法を得ることにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明による、炭素を含
有し加熱状態で分解される第一物質と、チューブ状炭素
物質の生成に触媒もしくは副原料となる第二物質とを使
用して、炭素原子がチューブ状に配列したチューブ状炭
素物質を加熱雰囲気中で製造する製造装置の特徴構成
は、請求項1に記載されているように、前記チューブ状
炭素物質より大きな比重且つ粒径の流動媒体が加熱状態
で流動する流動層を内部に形成する流動層反応器を備
え、前記第二物質を前記流動層内に導入する第二物質導
入機構を備え、前記流動層内に形成される第二物質の移
流部に、前記第一物質を導入する第一物質導入機構を備
えたことにある。
【0014】この構成の製造装置にあっては、流動層内
に第一物質が導入され、この流動層内で熱分解され、炭
素を含む熱分解物が生成される。この部位(移流部)
は、第二物質導入機構により導入された第二物質が流動
層内で移流している部位であり、第二物質が確実に存在
する。結果、第二物質が触媒として働いたり、一部、原
料として働き、流動層内でチューブ状炭素物質を効率よ
く生成することができる。
【0015】ここで、流動層内に直接、第一物質及び第
二物質を導入することで、収率が向上した理由は明確で
はないが、第二物質を熱分解状態で生成される炭素の近
傍に確実に存在させることで、チューブ状炭素物質の生
成が優先的に促進され、単なる黒鉛の生成が抑制され、
本願の目的を達成することができるものと発明者らは考
えている。さらに、安定して流動層を利用してチューブ
状炭素物質を生成するため、形状(物質長さ、外径、壁
部の厚さ等)が均一なものを生成することができる。
【0016】さて、上記構成の装置にあって、請求項2
に記載されているように、前記流動層を形成するに、流
動層形成用ガスを鉛直下側から上側に向けて流して前記
流動層を形成し、前記第二物質導入機構が、前記流動層
反応器の底部側より前記第二物質を反応器内に導入する
第二物質導入管を備えるとともに、前記第一物質導入機
構が、前記第二物質の移流部内に開口する第一物質導入
管を備えて構成されることが好ましい。
【0017】この構造にあっては、流動層内で、流動媒
体がその上昇移動と下降移動を繰り返す循環が形成さ
れ、第二物質導入管により流動層反応器の底部側に供給
される第二物質もしくはその熱分解物は、この層内を上
昇する。この上昇移流過程において、第一物質導入管よ
り導入される第一物質が熱分解物と接触し、目的物であ
るチューブ状炭素物質を製造することができる。従っ
て、最も簡易な構成で、安定してチューブ状炭素物質を
製造できる。
【0018】また、請求項1に記載の構成において、請
求項3に記載されるように、前記第一物質が前記第一物
質導入機構により前記流動層内の前記第二物質の移流部
に導入され、その導入位置で前記第一物質の熱分解が始
ることが好ましい。
【0019】加熱状態にある流動層を使用して、第一物
質の熱分解、チューブ状炭素物質の生成をおこなう場
合、この流動層が系の最高温度部とされるが、第一物質
は流動層内に導入されて、熱分解を始め分解が進む状態
となる。ここで、流動層内に投入される第一物質の過半
の熱分解が始る領域は、流動層内で一定の領域となり、
この部位に第二物質が存在する場合は、結果的に第一物
質がチューブ状炭素物質を生成可能な状態にまで分解し
た位置に、確実に第二物質が別途供給されて存在するこ
ととなり、不要な黒鉛の生成を確実に抑制することがで
き、効率的にチューブ状炭素物質を得ることができる。
【0020】この構造に関しては、第一物質の移流部を
形成しておき、この部位に第二物質を導入して、その導
入部位で第一物質の熱分解が開始されるように構成して
も良い。但し、第一物質と第二物質とを同一の管等を介
して供給する場合は、この管出口に炭素物質が形成さ
れ、良好な結果は得られなかった。
【0021】このような構成において、請求項4に記載
されているように、前記流動層を形成するに、流動層形
成用ガス及び第一物質を鉛直下側から上側に向けて流し
て前記流動層を形成し、前記第二物質導入機構が、水平
方向、もしくは水平方向より上方に向けて前記第二物質
を前記流動層内に導入する構成とされることが好まし
い。
【0022】第二物質を流動層内に導入する場合、第二
物質導入機構からの流動層内への吹き込みを鉛直下向と
すると、その吹き込み部で、流動媒体の影響によりのガ
ス流速の低下が起こり、この部位に第二物質の析出が起
こる場合がある。これに対して、導入方向を水平もしく
は水平方向より上方とすることで、この析出の問題を解
消できる。
【0023】さらに、チューブ状炭素物質の生成は、こ
れまで記載してきたように熱分解炭素に第二物質が作用
することで起こるが、前記第二物質導入機構が、熱分解
炭素の上昇移動に対して対向して第二物質を導入する構
造を採用する場合は、この導入部位(具体的には鉛直下
方に開口した第二物質の吐出部位)に、前記チューブ状
炭素物質が生成され、この析出物が第二物質導入部位を
詰まらせる結果となる。
【0024】しかしながら、上記のように、第二物質
を、水平方向もしくは水平方向より上方に向けて導入す
る構成を採用することで、熱分解炭素と接触させて生成
されるチューブ状炭素物質を確実に流動層上部に導き、
さらに流動層反応器外部に取り出すことが可能となり、
安定した運転状態を確保できる。
【0025】さて、これまで説明してきたチューブ状炭
素物質の製造装置にあって、請求項5に記載されている
ように、流動層として、気泡型流動層を形成可能に構成
されていることが好ましい。
【0026】気泡型流動層は、流動媒体の比較的濃厚な
層を形成し、この層内を流動形成用ガスが気泡を形成し
ながら移動するものであるが、ガス流速が比較的遅いこ
ととも相俟って、熱分解炭素の形成及びこれと第二物質
との接触が比較的長時間に渡って起こされ、滞留時間を
稼ぐことが可能となり、均一混合、均一加熱を実現して
結果的に加熱環境中でのチューブ状炭素物質の形成を安
定して行うことができる。さらに、反応管内内面壁への
生成物の付着を抑制できる。
【0027】さて、上記請求項5に記載の製造装置にお
いて、請求項6に記載されているように、製造される前
記チューブ状炭素物質を取り出すチューブ状炭素物質取
り出し口が、流動層反応器の上部部位に設けられてお
り、前記上部部位におけるガス流速が、前記流動層内の
ガス流速より小さく設定されていることが好ましい。
【0028】チューブ状炭素物質と流動媒体との比重・
粒径を考えた場合、前者が後者より小さいため、チュー
ブ状炭素物質の取り出し口が設けられる流動層反応器の
上部部位のガス流速を、例えば、この部位における流動
層反応器の断面積を大きくして、低下させることで、両
者の分離を好適に行え、結果的に取り出し口から取り出
されるチューブ状炭素物質の割合を上げることができ
る。
【0029】さて、上記のようなチューブ状炭素物質の
製造装置を備えて、製造設備を構築するには、請求項7
に記載されているように、前記第一物質導入機構及び前
記第二物質導入機構がそれぞれ導入物を所定量連続的に
導入する構成とし、前記製造装置から導出される前記チ
ューブ状炭素物質を回収する回収手段を備えた構成とで
きる。
【0030】チューブ状炭素物質の製造装置にあって
は、流動媒体の流動層の状態(空間的な形成状態及び温
度状態)が確立され、チューブ状炭素物質が継続的に生
成される状態にあっては、取り出し口側から、連続的に
流動層反応器内ガスを取り出すことで、生成されるチュ
ーブ状炭素物質を、このガスとともに反応器外に取り出
すことが可能であり、チューブ状炭素物質を、回収手段
で回収することができる。この場合、上記のように、第
一物質導入機構及び第二物質導入機構をそれぞれ導入物
を所定量連続的に導入するものとすることで、継続的に
流動層において目的物を生成させ、これを反応器からガ
スとともに取り出して、回収手段により回収でき、結果
的に、目的物の生成・回収を連続的に行える。
【0031】さて、上記回収手段としては、請求項8に
記載されているように、サイクロン、フィルター、もし
くは、前記チューブ状炭素物質を析出させて当該チュー
ブ状炭素物質を回収するチューブ状炭素物質析出器のう
ちの少なくとも一つを採用することができる。
【0032】チューブ状炭素物質は、それが固形物とな
っている場合、微粉状であり、サイクロン、フィルター
を使用して回収できる。一方、比較的高温状態にある流
動層反応器内から、チューブ状炭素物質を含むガスが導
出されると、ガスの冷却、所定の壁面等との接触・衝突
等の作用により、この物質を析出させることが可能とな
り、この析出物を回収することで、目的物を回収するこ
とができる。
【0033】さて、上記のチューブ状炭素物質析出器と
しては、請求項9に記載されているように、これが、銅
表面上に前記チューブ状炭素物質を析出させて、当該析
出物を回収可能とする構造とすることが好ましい。
【0034】理由は明確ではないが、例えば、一定間隔
の隙間部を設けた銅板間に、反応器から取り出されたチ
ューブ状炭素物質を含むガスを流通させることで、この
銅板表面に目的物質を良好に析出させることができた。
他の金属材料の場合は、銅に認められたような析出能は
得られなかった。
【0035】さて、請求項10に記載されているよう
に、前記回収手段の下流に、有害ガスを無害化する排ガ
ス処理装置を設けることが好ましい。第一物質中に有害
ガスを生成する成分がある場合等に、例えば、ハロゲン
系有害ガスが発生する場合があるが、排ガス処理装置を
備えることで、適切な排ガス処理済みのガスを系外へ放
出することができる。
【0036】また、請求項11に記載されているよう
に、排ガス中の有害ガス濃度を検出するガス濃度検出手
段を設け、排ガス当該有害ガス濃度の検出信号と連動し
て運転制御する運転制御装置を備えることが好ましい。
例えば、有害ガス濃度が所定濃度を越える等の問題が発
生した場合に、設備の運転等を停止する等の処理を行う
ことができる。
【0037】さて、炭素を含有し熱分解可能な第一物質
と、第二物質とを加熱雰囲気中で反応させて、カーボン
ナノチューブを製造するにあたっては、請求項12に示
すように、これまで説明してきたチューブ状炭素物質の
製造装置を使用し、前記第二物質として、鉄、ニッケ
ル、又はコバルトのいずれか一つを含む、1又は複数の
物質を使用することで、カーボンナノチューブを比較的
高い割合で安定して製造することができる。
【0038】この場合、請求項13に記載されているよ
うに、前記第二物質が、鉄微粒子、ニッケル微粒子、鉄
錯体(フェロセン、鉄カルボニル等)、ニッケル錯体
(ニッケロセン、ニッケルカルボニル等)から選択され
る一もしくは複数を使用してもよい。
【0039】
【発明の実施の形態】以下本願の実施の形態を図面に基
づいて説明する。本願は、第一の実施の形態は本願のチ
ューブ状炭素物質の製造装置1を単体で使用する例であ
り、第二の実施の形態は、この製造装置1の下手側に、
チューブ状炭素物質の回収手段2を備えた製造設備10
0の例を示している。さらに、第三の実施の形態は、回
収手段2を備えた本願製造装置1を、所定の気密室20
0内に収納して、チューブ状炭素物質を製造している例
である。
【0040】[第一の実施の形態]図1に示すように、
製造装置1は、流動層反応炉3の外周部位に加熱手段4
を備えて構成される流動層反応器として構成されてい
る。
【0041】流動層反応炉3は、流動層部3aの上部に
連通状態のフリーボード部3bを備えて構成されてお
り、流動層部3a及びフリーボード部3bの周囲に、電
気加熱やガス加熱などの前記加熱手段4を設けた構成と
なっている。
【0042】なお、流動層反応炉3内に形成される流動
層5としては、所謂、気泡型流動層と噴流型流動層とを
形成することが可能であるが、本願の場合、いずれを採
用しても良い。但し、上記したように、気泡型流動層の
ほうが有利である。本願の流動層反応炉3にあっては、
炉外壁に沿ってオーバフロー管11を設けることで、流
動層の上面位置をコントロールしている。
【0043】流動層反応炉3は、例えば、Ni基合金に
クロマイズ処理を施した材料などを用いて、縦型の円筒
状容器に形成した炉である。この流動層反応炉3は、流
動層部3aの断面積よりもフリーボード部3bの断面積
が大きく構成され、この部位における空筒速度が、流動
層部3aの空筒速度よりも低下する。
【0044】流動層反応炉3の内部には流動媒体が充填
されている。ここで使用する好適な流動媒体としては、
ケイ砂、酸化アルミニウム(アルミナ)及び、グラファ
イト状カーボン等の粒子、Ni、Cu、Fe、Co、C
r等の金属粒子、これらの金属を含む合金の粒子等があ
る。
【0045】また実際に使用する流動媒体としては、一
種類の粒子に限定されることなく、上述した中から比重
及び粒径の異なる二種以上を適宜選択して組み合わせた
(混合した)ものでもよい。但し、その比重及び粒径
を、生成目的物よりも大きいものとすることで、気流を
利用して適確な分離を行うことができる。
【0046】流動層反応炉3の底部、即ち、流動層5の
底部には不活性ガス導入機構7を構成する管7aが接続
されており、第一物質導入機構6を構成する管6aが流
動層5の側部、第二物質の流動層5内への流入部位の上
側に設けられている。
【0047】第一物質導入機構6及び不活性ガス導入機
構7は、流動層反応炉3に充填された流動媒体8の堆積
層に、ガス化した炭素源原料としての第一物質s1及び
不活性ガスaを、流動層形成用ガスとして、それぞれ所
定量連続して供給する。供給の具体的構造は、図2に図
示するように、炉底板3dの裏面にガスを供給して、こ
の炉底板3dに所定の配置、方向で穿たれ、流動層5を
好適に形成できる複数の吹き込み孔3e、3fから、不
活性ガスaを吹き込む。さらに、第一物質s1に関して
は、ドーナツ状の第一物質導入管6aから反応炉内に吹
き込む。この吹き込み部位において、第一物質s1の熱
分解が効率的に起こり、この部位に到達している第二物
質s2との反応が良好に起こる。発明者らは、この部位
が第一物質s1の実質的な熱分解開始領域となっている
と考えている。
【0048】前記第一物質s1としては、炭素を含む材
料で、加熱状態で熱分解して炭素を生成する物質であれ
ば特に限定されるものではない。具体的には、タール、
ピッチ、および石油や石炭の転換ガスなど、トルエン、
ベンゼン等の芳香族炭化水素、メタン、エタン、フロパ
ン、ブタン、ペンタン、ヘキサン等の直鎖状飽和炭化水
素、エチレン、アセチレン等の不飽和炭化水素、チオフ
ェンなどの含イオウ炭化水素、アニリン、ピロール等の
含窒素炭化水素、フラン等の含酸素炭化水素が挙げられ
る。
【0049】これら第一物質s1は、常温、大気圧条件
下において、それぞれ固体、液体、または気体と異なる
状態にあるが、必要に応じて設けた前工程において加熱
等適当な処理を施し、ガス化したものが炉内に導入され
る。
【0050】不活性ガスaには、流動層反応炉3内にお
ける第一物質と、後述する第二物質s2との反応に寄与
しないガスが使用される。具体的には、窒素ガスの他、
アルゴン等の希ガスを使用する。
【0051】一方、第二物質s2を流動層反応炉3内に
所定量連続して導入する第二物質導入機構9をなす管9
aが設けられている。図1、2、3に示すように、第二
物質導入用の管9aが、反応炉3の炉底近傍まで延出し
て備えられている。この管9aの先端部位は、比較的大
径の止板9bとされている。止板9bと管9aとの間は
分散空間9cとされており、この分散空間9cから、第
二物質s2を流動層内に横向きに送り込むことが可能と
されている。止板9bには、円錐状の分散部材9dが設
けられている。上記構造からも明らかなように、第二物
質s2の流動層5内への導入にあたっては、その導入方
向が流動層形成用ガスの流れ方向に対向しないものとさ
れている。
【0052】高収率の反応のためには、第二物質s2と
第一物質s1との加熱条件下での接触確率を向上させる
必要があるが、上記構成で、この目的を達成できる。
【0053】上述した第二物質s2としては、チューブ
状炭素物質の生成において触媒、副原料となるものであ
ればよいが、FeやNi、Co等の金属を含む物質化合
物が挙げられる。生成物がカーボンナノチューブの場合
は、前記金属の微粒子、前記金属の錯体等を挙げること
ができる。アモルファスナノスケールカーボンチューブ
の場合は、上記のようなハロゲン化金属(FeCl
,FeCl 等の塩化鉄及びその水和物、無水塩
化物等)を挙げることができる。
【0054】一方、金属内包ナノフレークカーボンチュ
ーブの場合は、上記のハロゲン化金属(FeCl
FeCl 等の塩化鉄及びその水和物、無水塩化物
等)と、金属錯体を挙げることができる。この第二物質
s2は、反応炉の構造から実質、気化した状態で流動層
内に供給されていると考えている。
【0055】第一物質s1、第二物質s2及び不活性ガ
スaが供給される流動層反応炉3は、内部の流動層5が
所定の温度範囲及び所定の圧力範囲に維持される。流動
層5の加熱温度は、使用する第一物質s1や第二物質s
2など諸条件に応じて、500℃〜1200℃の温度範
囲から、それぞれ異なる最適温度が選択される。この最
適温度は、加熱手段4の制御により、上記温度範囲と比
較してかなり小さい所定の温度範囲に収まるように維持
できる。
【0056】また、流動層の圧力についても、使用する
第一・第二物質s1,s2など諸条件に応じて、大気圧
以下に減圧した状態〜0.49MPa(5Kgf/cm
)の圧力範囲からそれぞれ異なる最適圧力が選択され
る。この最適圧力は、不活性ガス導入機構7から供給さ
れるガス量などを制御することにより、上記の圧力範囲
と比較してかなり小さな圧力範囲内に収まるように維持
できる。
【0057】流動層5の空筒速度は、使用する第一・第
二物質s1,s2など諸条件に応じて、使用する流動媒
体8の流動化開始速度(Umf)を基準にした2〜8倍
の範囲内から、それぞれ異なる最適値を選択して大きな
値に設定する。即ち、空筒速度は流動化開始速度の2〜
8倍の大きさのガス流速に設定される。この空筒速度
は、主として不活性ガス導入機構7から供給されるガス
量等を制御することにより、選択された最適値が一定に
維持される。
【0058】以下、上述した構成の製造装置1の作用と
ともに、同装置1を用いてカーボンナノチューブを製造
する場合に関して説明する。流動層反応炉3内に充填さ
れた流動媒体8は、流動層部3aの底部から上向きに供
給される不活性ガスaにより所定温度及び所定圧力の流
動層5を形成する。この流動層5では、第一物質(ベン
ゼン・トルエン等)s1のガスと、第二物質(フェロセ
ン・鉄カルボニル等)s2のガスとが均一に混合され、
最適な空筒速度で流動媒体8とともに加熱を受けなが
ら、十分な滞留時間をかけて上昇する。上昇過程で反応
し、純度の高い、カーボンナノチューブcが連続的に安
定して生成、析出される。
【0059】このようにして流動層反応を利用する製造
方法では、析出したカーボンナノチューブcが流動媒体
8ともにフリーボード部3bまで上昇する。フリーボー
ド部3bではガス流速が低下するので、粒径が小さく軽
量のカーボンナノチューブcは流動媒体8から分離して
さらに上昇し、取り出し管10から炉外へと流出する。
【0060】一方、流動媒体8は比重及び粒径が大きい
ため、その主流がフリーボード部3b及び流動層部3a
の内壁面に沿って落下し、壁面に付着している生成物を
掻き落とすクリーニング効果も発揮する。従って、壁面
に付着しているカーボンナノチューブcも、壁面から掻
き落とされた後に再度浮遊して、取り出し配管から流出
するので、析出したカーボンナノチューブcの回収率を
向上させることができる。
【0061】このクリーニング効果は、回収率の向上の
みならず、反応炉内の熱、反応時間等の反応条件の均一
化に大きく寄与し、ひいては、生成物の形状制御合成を
可能にする。即ち、生成物の長さ、外径等が均一なもの
が得られる。
【0062】なお、流動層反応炉3にはオーバーフロー
回収管11が設けられており、この回収管11の先端位
置により流動層5の上部位置が決定される。さらに、こ
のオーバーフロー回収管11及び炉底12からは、流動
層オーバーフロー回収粒子が回収される。この中にもカ
ーボンナノチューブcが含まれているため、これを分離
回収することで、収率を向上させることができる。
【0063】また、フリーボード部3bを設けたこと
で、炉内における上昇距離も延長されて滞留時間を長く
することができるので、その分、反応を完了していない
ものの量を低下でき、カーボンナノチューブcを高効率
で析出させることができる。なお、このような作用は、
流動媒体の選択や複数の流動媒体を混合して比重や粒径
を調整することによっても可能である。
【0064】このように流動層5を用いてカーボンナノ
チューブcを生成及び析出させるという製造方法を採用
したことにより、生成に最適な一定の温度、圧力及び空
筒速度(即ち滞留時間)を維持できる環境を容易に提供
することができる。
【0065】このため、連続した第一物質s1及び第二
物質s2の供給により、目的物を連続して安定して製造
できるので、工業的な大量生産を実現できる。
【0066】ところで、上述したカーボンナノチューブ
cの製造には、流動層反応炉3として流動層部3aより
拡径したフリーボード部3bを備えたものを採用した
が、このフリーボード部3bは、従来、滞留時間の延長
を主目的として、流動層部3aに通常設けられているフ
リーボードに追設されるものであり、必ずしも設ける必
要はない。
【0067】[第二実施の形態]この実施の形態は製造
設備100に関するものあり、図4に示すように、装置
1側における第一物質導入機構6、第二物質導入機構
9、不活性ガス導入機構7に関しては、第一の実施の形
態と同様である。この形態には、回収手段2が備えられ
る。回収手段2は、製造装置1の取り出し管10の下流
側に、捕集装置21、サイクロン22及びフィルタ23
を備えて構成される。このうち、捕集装置21は、捕集
板(図示しない)となる複数の板材間に間隙部を設け
て、製造装置1から流出した生成物(カーボンナノチュ
ーブc)を通過したようにしたものである。この捕集装
置21を通過する生成物は、捕集板に衝突することでカ
ーボンナノチューブcの粒子が付着して析出・捕集さ
れ、あるいは、間隙部を通過する際の流速低下により、
粒子がガス流から分離され、捕集・回収される。また、
詳細は不明であるが、捕集板を銅板としたときに、特に
高純度のカーボンナノチューブがその銅板上に析出し、
これを回収できた。
【0068】サイクロン22は、遠心力を利用して生成
物流に含まる気体から粒子を分離する機能を有してい
る。サイクロン22で分離したカーボンナノチューブc
等の粒子は、サイクロン底部より回収されて、サイクロ
ン回収粒子となる。フィルタ23は、捕集装置21及び
サイクロン22を通過してきた生成物からカーボンナノ
チューブcの粒子を回収する。このフィルタ23を通過
したガス流は、排気として大気に放出される。
【0069】このような構成の製造設備とすれば、第一
物質導入機構6、第二物質導入機構9及び不活性ガス導
入機構7から連続的に、所定量の第一物質s1、第二物
質s2及び不活性ガスaを流動層反応炉3に供給して、
高純度のカーボンナノチューブcを安定して得ることが
できる。
【0070】この実施形態では、回収手段2として、捕
集装置21、サイクロン22、フィルタ23の3種を直
列に接続して配置してあるが、生成物の状況や目標とす
る回収率などに応じて、3種類の中から少なくとも一つ
を設けるなど、適宜変更可能である。
【0071】[第三実施の形態]この例にあっても、図
5に示すように、製造装置1、回収手段2の構成は同様
であるが、さらに排ガス処理装置13を具備するととも
に、製造設備100は所定の気密室200内に収納され
る。
【0072】排ガス処理装置13の具体例としては、ハ
ロゲン系成分を脱塩するスクラバ31がある。なお、脱
塩方法については、スクラバ31に限定されることはな
く、他の方法及び装置を採用してもよいのは無論であ
り、ハロゲン系以外の成分が含まれている場合には、適
宜公知の適切な処理機構を組み合わせればよい。
【0073】また、スクラバ31の下流側には、ガス濃
度検出手段14を設けて排気ガス中の有害ガス濃度を検
出する。ここで検出したガス濃度モニタリング信号は、
運転制御装置15を介して、製造設備と連動する運転制
御に利用される。
【0074】ここで、運転制御の具体例は、ガス濃度モ
ニタリング信号が有害ガスを検出した場合、警報の出
力、設備の運転停止、排気ガスの放出停止などの実施で
ある。
【0075】より好ましい実施形態では、設備全体を、
通気手段を備えた気密系(気密室200)内に格納す
る。
【0076】気密室200に設ける通気手段16は、喚
起口32及び排気ファン33を備えた排気口34より成
り、排気口34側には必要に応じて排気ダクトを設け
る。そして、スクラバ31で脱塩された排ガスは、排気
ファン33の動作により、直接排気ダクトに排気され
る。排気ダクトには、適所にガス濃度検出手段14を設
置しておき、スクラバ31の下流に設置したものと同様
にして、排ガス中の有害ガスを検出する。こうして出力
されたガス濃度モニタリング信号は、同様にして、製造
設備100の運転制御に利用される。
【0077】このような構成とすれば、主にスクラバ3
1の能力低下を原因とする有害ガス発生だけでなく、流
動層反応器1の下流側で漏洩した有害ガスについても確
実に検出し、密閉空間の外部へ流出するのを防止でき
る。
【0078】従って、カーボンナノチューブcを連続し
て析出させ、高い回収率で確実に回収するという、工業
的に安定した大量生産を安全に実施することが可能とな
る。なお、本発明の構成は、上述した実施形態に限定さ
れるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内に
おいて適宜変更可能である。
【0079】〔別実施の形態〕 (1) 上記の実施の形態にあっては、製造装置、製造
設備により製造するものとして、カーボンナノチューブ
を製造するものとしたが、本願装置等を使用して、上記
した金属内包カーボンナノチューブ、金属内包ナノフレ
ークカーボンチューブ、アモルファスナノスケールカー
ボンチューブも製造できる。金属内包カーボンナノチュ
ーブ、金属内包ナノフレークカーボンチューブを製造す
る場合は、第一物質としては、カーボンナノチューブを
製造する場合と同様な物質を使用し、この第一物質に補
助物質として、有機鉄錯体、好ましくはフェロセンを添
加して共に供給すればよい。第二物質s2としては、ハ
ロゲン化鉄(塩化鉄、塩化鉄の水和物、無水塩化鉄等)
を供給すれば良い。
【0080】一方、アモルファスナノスケールカーボン
チューブを製造する場合、第二物質としては、ハロゲン
化鉄、ハロゲン化ニッケル、好ましくは塩化鉄、あるい
はそれらの水和物、さらに好ましくは無水塩化鉄を使用
し、第一物質として、ハロゲン系炭化水素である、ポリ
テトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリ塩化ビニリ
デン、ポリフツ化ビニリデン等を使用することとなる。
【0081】(2) 上記の実施の形態にあっては第二
物質導入機構を構成する導入管の先端を独特の構成とし
たが、図6、7に示すような構成としてもよい。図6は
水平方向に吐出するノズルを採用するものであり、図7
は単純に管先端にほぼ管径に等しい止板を設けたもので
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】第一実施形態で示すチューブ状炭素物質の製造
装置の構造を示す図
【図2】チューブ状炭素物質の主な生成部位の詳細を示
す図
【図3】第二物質導入管の先端構造を示す斜視図
【図4】第二実施形態で示すチューブ状炭素部物質の製
造設備の構成を示す図
【図5】第三実施形態で示すチューブ状炭素部物質の製
造設備の構成を示す図
【図6】第二物質導入管の先端構造の別構成例を示す図
【図7】第二物質導入管の先端構造の別構成例を示す図
【図8】発明者らが最初に検討対象とした流動層反応器
の構造を示す図
【符号の説明】
1 製造装置 2 回収手段 3 流動層反応炉 3a 流動層部 4 加熱手段 5 流動層 6 第一物質導入機構 7 不活性ガス導入機構 9 第二物質導入機構 10 取り出し管 100 製造設備 200 気密室 a 不活性ガス c カーボンナノチューブ s1 第一物質 s2 第二物質
フロントページの続き (72)発明者 西田 亮一 大阪府大阪市中央区平野町四丁目1番2号 大阪瓦斯株式会社内 Fターム(参考) 4G146 AA11 AA16 BA12 BA14 BA15 BC41 BC44 DA03 DA25 DA27 DA40 DA47 DA50

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炭素を含有し加熱状態で分解される第一
    物質と、チューブ状炭素物質の生成に触媒もしくは副原
    料となる第二物質とを使用して、炭素原子がチューブ状
    に配列したチューブ状炭素物質を加熱雰囲気中で製造す
    る製造装置であって、 前記チューブ状炭素物質より大きな比重且つ粒径の流動
    媒体が加熱状態で流動する流動層を内部に形成する流動
    層反応器を備え、 前記第二物質を前記流動層内に導入する第二物質導入機
    構を備えるとともに、前記流動層内に形成される第二物
    質の移流部に、前記第一物質を導入する第一物質導入機
    構を備えたチューブ状炭素物質の製造装置。
  2. 【請求項2】 前記流動層を形成するに、流動層形成用
    ガスを鉛直下側から上側に向けて流して前記流動層を形
    成し、 前記第二物質導入機構が、前記流動層反応器の底部側よ
    り前記第二物質を反応器内に導入する第二物質導入管を
    備えるとともに、 前記第一物質導入機構が、前記第二物質の移流部に開口
    する第一物質導入管を備えて構成される請求項1記載の
    チューブ状炭素物質の製造装置。
  3. 【請求項3】 前記第一物質導入機構により前記第一物
    質が前記第二物質の移流部内に導入され、当該導入位置
    で前記第一物質の熱分解が始る請求項1記載のチューブ
    状炭素物質の製造装置。
  4. 【請求項4】 前記流動層を形成するに、流動層形成用
    ガス及び前記第一物質を鉛直下側から上側に向けて流し
    て前記流動層を形成し、 前記第二物質導入機構が、水平方向、もしくは水平方向
    より上方に向けて前記第二物質を前記流動層内に導入す
    る請求項1記載のチューブ状炭素物質の製造装置。
  5. 【請求項5】 前記流動層としての気泡型流動層を形成
    可能な請求項1から4の何れか1項記載のチューブ状炭
    素物質の製造装置。
  6. 【請求項6】 製造される前記チューブ状炭素物質を取
    り出すチューブ状炭素物質取り出し口が、流動層反応器
    の上部部位に設けられており、前記上部部位におけるガ
    ス流速が、前記流動層内のガス流速より小さく設定され
    ている請求項5記載のチューブ状炭素物質の製造装置。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6の何れか1項に記載のチュ
    ーブ状炭素物質の製造装置を備えるとともに、前記第一
    物質導入機構及び前記第二物質導入機構がそれぞれ導入
    物を所定量連続的に導入する構成で、 前記製造装置から導出される前記チューブ状炭素物質を
    回収する回収手段を備えたチューブ状炭素物質の製造設
    備。
  8. 【請求項8】 前記回収手段が、サイクロン、フィルタ
    ー、もしくは、前記チューブ状炭素物質を析出させて当
    該チューブ状炭素物質を回収するチューブ状炭素物質析
    出器のうちの少なくとも一つである請求項7記載のチュ
    ーブ状炭素物質の製造設備。
  9. 【請求項9】 前記チューブ状炭素物質析出器が、銅表
    面に前記チューブ状炭素物質を析出させて、当該析出物
    を回収する請求項8記載のチューブ状炭素物質の製造設
    備。
  10. 【請求項10】 前記回収手段の下流に、有害ガスを無
    害化する排ガス処理装置を設けた請求項7、8もしくは
    9記載のチューブ状炭素物質の製造設備。
  11. 【請求項11】 排ガス中の有害ガス濃度を検出するガ
    ス濃度検出手段を設け、当該有害ガス濃度の検出信号と
    連動して運転制御する制御装置を備えた請求項7〜10
    のいずれか1項記載のチューブ状炭素物質の製造設備。
  12. 【請求項12】 炭素を含有し加熱状態で分解される第
    一物質と、カーボンナノチューブの生成に触媒もしくは
    副原料となる第二物質とを加熱雰囲気中で反応させて、
    カーボンナノチューブを製造する製造方法であって、請
    求項1〜7のいずれか1項記載のチューブ状炭素物質の
    製造装置を使用し、前記第二物質として、鉄、ニッケ
    ル、又はコバルトのいずれか一つを含む、1又は複数の
    物質を使用するカーボンナノチューブの製造方法。
  13. 【請求項13】 前記第二物質が、鉄微粒子、ニッケル
    微粒子、鉄錯体、ニッケル錯体から選択される一種以上
    からなる請求項12のカーボンナノチューブの製造方
    法。
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