JP2003285566A - 熱転写中間転写媒体及びそれを用いた画像形成方法 - Google Patents

熱転写中間転写媒体及びそれを用いた画像形成方法

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JP2003285566A
JP2003285566A JP2002091182A JP2002091182A JP2003285566A JP 2003285566 A JP2003285566 A JP 2003285566A JP 2002091182 A JP2002091182 A JP 2002091182A JP 2002091182 A JP2002091182 A JP 2002091182A JP 2003285566 A JP2003285566 A JP 2003285566A
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Takaaki Kuroki
孝彰 黒木
Rieko Takahashi
理愛子 高橋
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Konica Minolta Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 アート紙に転写した際の光沢に優れ、従来よ
り更に凹凸の大きな最終記録媒体にも転写性良好で、か
つ高感度でベタ品質、細線再現性の良好な熱転写用中間
転写媒体を安定に搬送でき且つ、保存安定性、生産適性
を高めた熱転写中間転写媒体及びそれを用いた画像形成
方法を提供する。 【解決手段】 支持体上に、熱軟化層、中間層、受像層
を有する熱転写中間転写媒体において、中間層のバイン
ダーの引っ張り強度が0.3432〜98.07MP
a、Tgが−150〜75℃、TMA軟化点が35〜1
00℃であることを特徴とする熱転写中間転写媒体及び
それを用いた画像形成方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は熱転写中間転写媒体
及びそれを用いた画像形成方法に関し、詳しくはレーザ
ー記録用溶融熱転写に適した熱転写中間転写媒体、及び
それを用いた画像形成方法に関する。更に詳しくは、最
終記録媒体として印刷用紙、フィルム基材などを用いた
印刷用プルーフとして、感度、ベタ品質、細線再現性、
熱転写中間転写媒体保存性に優れ、かつ画像の光沢が最
終記録媒体表面に近似した熱転写中間転写媒体、及びそ
れを用いた画像形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、デジタルデータからの画像形成技
術が普及したことに伴い、特に印刷の分野では、デジタ
ルカラープルーフ(DDCP)のニーズが高まってい
る。
【0003】かかるDDCPにおいては、印刷物の色再
現、安定性再現が求められ、レーザー熱転写技術が採用
されている。具体的には光熱変換層と色材層を有するレ
ーザー熱転写用インクシートと、該インクシートのイン
ク層を受容する受像層と熱によって軟化する層(熱軟化
層)を有するレーザー熱転写用中間転写媒体を用い、前
記インクシートのインク層面と前記熱転写中間転写媒体
の受像層面を対面させ、該インクシート側から像状にレ
ーザー露光を行い、光熱変換してインク層を受像層側に
熱転写し、更に、画像を担持した熱転写中間転写媒体か
ら最終記録媒体へ熱転写する技術が開示されている。
【0004】この様な方式のDDCPは、最終画像を印
刷と同じ紙に出力することが可能であり、網点出力、印
刷顔料使用、印刷本紙使用の点で、最終校正見本として
使用できるので好ましい。又、印刷に用いられる紙は多
種多様であり、その種類により、アート紙、コート紙、
マット紙、微塗工紙、非塗工紙などが挙げられる。
【0005】最近では、上記のようなDDCPをより広
い紙種で使用したいという要望が高まっている。この様
な要望に対し、熱軟化層の物性を改善し、マット紙〜上
質紙までの転写性を改善する技術が特開2001−13
8648号に開示される。ただし、ユーザーの要望して
いる印刷本紙対応プルーフのレベルは、紙に転写してい
るという意味に留まらず、非画像部/画像部とも、その
紙が印刷物に如何に近似しているかがポイントである。
【0006】光沢調整の従来技術として、以下の1)〜
3)に関するものが、本出願人らにより多数開示されて
いる。
【0007】1)中間転写媒体にインク画像を形成後、
最終記録媒体にインク画像のみを転写する、所謂インク
オン記録方式。
【0008】2)中間転写媒体の熱変形性を高め、再転
写時の紙に対する追従性を向上し、紙なりの非画像部に
近似させる方法。
【0009】3)インク画像を受像層ごと転写する方式
において、受像層を粗面化し、最終記録媒体の非画像部
に近似させる方法及び材料。
【0010】しかしながら、1)のインクオン記録方式
においては、再転写・剥離時に画像部が荒らされ、画像
部の光沢が下がってしまうという問題があり、アート紙
等の光沢の高い紙に対する品質が良くなかった。2)の
方式に関しては、課題点が二つ存在する。第1に熱変形
を生じ難い剥離性中間層を有さずに熱変形性を高めるこ
とは、最終記録媒体に転写・剥離する際、紙の凹凸に剥
離面が追従しているため、剥離が重く非常に高い確率で
最終記録媒体にダメージを与えてしまう。第2にアート
紙の様な表面性の滑らかな紙に対しては、強力に熱・圧
を加えても紙の表面ほど光沢が下がらず品質上好ましく
なかった。3)の方式に関しては、粗面化された受像層
ごと転写されるため、1)の方式の様に画像部が荒らさ
れることなく、平滑なアート紙に対しても2)の方式よ
りも良好に非画像部の光沢を、目標とする最終記録媒体
と同等に調整することが出来る。従って、光沢を調整す
る点に関して好ましい方法である。
【0011】又、この様な中間転写媒体は、光沢以外に
も様々な性能項目を要求される。例えば、書込み速度は
重要な項目であり、感度向上に対する要求も非常に多
い。その観点から考えると、上記の3)の方式の様な粗
面化された中間転写媒体は、不利な方向であることは否
めない。
【0012】更に、書込み速度に対するシステムからの
アプローチとして、複数のレーザーをアレー化し、高速
化を図る方式が広く実用されている。この様な方式で記
録されたベタ画像は、レーザー光強度の分布の影響及び
ヘッド周期の影響を受け、ベタ品質が不均質になること
がある。この様な現象に対しても、3)の方式は不利な
方向であった。これは、インク層が転写する移動距離が
大きい為、インクの切れ、加熱状態等の微妙な差でレー
ザーアレー単位のムラを生じ易い等の課題を有してい
た。
【0013】これら従来の要望課題を鑑み本発明者らは
鋭意検討を進め、特願2001−261380号明細書
の構成により上記課題を改良した中間転写媒体を開示し
た。即ち、アート紙に転写した際の光沢に優れ、凹凸の
大きな最終記録媒体にも転写性良好で、かつ高感度でベ
タ品質、細線再現性の良好なレーザー熱転写用中間転写
媒体及び、それを用いた画像形成方法を開示している。
【0014】更に、受像面の平滑化に伴って生じる摩擦
抵抗に対し、特願2001−257721号明細書の受
像面の帯電制御を行う事により搬送性に問題なく実用で
きる事を開示しており、これら技術は非常に好ましい
が、これらの改良、即ち中間層の粗面化及び受像面帯電
防止により、凹凸の大きな最終記録媒体への転写性、熱
転写中間転写媒体保存性や生産適性が不十分であった。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、アー
ト紙に転写した際の光沢に優れ、従来より更に凹凸の大
きな最終記録媒体にも転写性良好で、かつ高感度でベタ
品質、細線再現性の良好な熱転写用中間転写媒体を安定
に搬送でき且つ、保存安定性、生産適性を高めた熱転写
中間転写媒体及びそれを用いた画像形成方法を提供する
ことにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、以
下の構成によって達成された。
【0017】1.支持体上に、熱軟化層、中間層、受像
層を有する熱転写中間転写媒体において、中間層のバイ
ンダーの引っ張り強度が0.3432〜98.07MP
a、Tgが−150〜75℃、TMA軟化点が35〜1
00℃であることを特徴とする熱転写中間転写媒体。
【0018】2.中間層のバインダーの伸度が50〜3
000%であることを特徴とする前記1記載の熱転写中
間転写媒体。
【0019】3.支持体上に、熱軟化層、中間層、受像
層を有する熱転写中間転写媒体において、中間層のバイ
ンダーの引っ張り強度が0.3432〜98.07MP
a、Tgが−150〜75℃、TMA軟化点が35〜1
00℃であり、かつ1次平均粒径1μm以下の自己造膜
性微粒子を含有することを特徴とする熱転写中間転写媒
体。
【0020】4.支持体上に、熱軟化層、中間層、受像
層を有する熱転写中間転写媒体において、中間層のバイ
ンダーの引っ張り強度が0.3432〜98.07MP
a、Tgが−150〜75℃、TMA軟化点が35〜1
00℃であり、かつ金属酸化物粒子を含有することを特
徴とする熱転写中間転写媒体。
【0021】5.中間層のバインダーがポリオレフィン
系樹脂、フッ素系樹脂、シリコン系樹脂、ウレタン系樹
脂から選ばれる少なくとも1種を主成分とすることを特
徴とする前記1〜4のいずれか1項記載の熱転写中間転
写媒体。
【0022】6.中間層の自己造膜性微粒子の1次粒径
が0.5〜300nmであることを特徴とする前記3〜
5のいずれか1項記載の熱転写中間転写媒体。
【0023】7.中間層の金属酸化物粒子が、酸化ス
ズ、アンチモン酸亜鉛コロイド、酸化アンチモンから選
ばれる少なくとも1種を主成分としてなることを特徴と
する前記4〜6のいずれか1項記載の熱転写中間転写媒
体。
【0024】8.中間層が、非造膜性の粒子を含有して
なることを特徴とする前記1〜7のいずれか1項記載の
熱転写中間転写媒体。
【0025】9.非造膜性粒子の平均粒径が1〜10μ
mであることを特徴とする前記8記載の熱転写中間転写
媒体。
【0026】10.受像層表面の19℃、RH30%で
の表面比抵抗値が1×108〜1×1012であることを
特徴とする前記9記載の熱転写中間転写媒体。
【0027】11.受像層のバインダーのTgが−15
0〜75℃、TMA軟化点が35〜100℃であること
を特徴とする前記10記載の熱転写中間転写媒体。
【0028】12.前記1〜11のいずれか1項記載の
熱転写中間転写媒体に、熱溶融インク層を有するインク
シートより熱によりインクを画像様に該熱転写中間転写
媒体の受像層に転写して転写インク画像を作製し、更
に、熱又は圧力の作用により該転写インク画像を有する
受像層全層を最終記録媒体に再転写することを特徴とす
る画像形成方法。
【0029】本発明を更に詳しく説明する。本発明の熱
転写中間転写媒体は、支持体上に熱軟化層、中間層、受
像層をこの順に積層したものである。
【0030】本発明の熱転写中間転写媒体に用いられる
支持体としては、従来公知の支持体を特に制限なく使用
することができる。例えば、紙、コート紙、合成紙(ポ
リプロピレン、ポリスチレン、もしくは、それらを紙と
貼り合わせた複合材料)等の各種紙類、塩化ビニル系樹
脂シート、ABS樹脂シート、ポリエチレンテレフタレ
ートフィルム、ポリブチレンテレフタレートフィルム、
ポリエチレンナフタレートフィルム、ポリアリレートフ
ィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリエーテルケト
ンフィルム、ポリサルホンフィルム、ポリエーテルサル
ホンフィルム、ポリエーテルイミドスフィルム、ポリイ
ミドフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレン
フィルム、ポリスチレンフィルム、延伸ナイロンフィル
ム、ポリアセテートフィルム等の単層あるいはそれらを
2層以上積層した各種プラスチックフィルム又はシー
ト、各種の金属で形成されたフィルム又はシート、各種
のセラミックス類で形成されたフィルム又はシート、更
には、アルミニウム、ステンレス、クロム、ニッケル等
の金属板、樹脂コーティングした紙に金属の薄膜をラミ
ネートまたは蒸着したものが挙げられる。
【0031】これら支持体の厚みは30〜200μmが
好ましく、更に好ましくは50〜125μmである。
【0032】支持体には、寸法安定化、帯電防止等の各
種加工を施すこともできる。帯電防止剤としては、カチ
オン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、非イオン系
界面活性剤、高分子帯電防止剤、導電性微粒子の他、
「11290の化学商品」化学工業日報社,875〜8
76頁等に記載の化合物などを広く用いることができ
る。又、従来公知の表面改質技術も好適に使用できる。
【0033】次に本発明の熱軟化層に付いて説明する。
本発明の熱転写中間転写媒体は各種の最終記録媒体の凹
凸に追従することが必要である。このため熱軟化層に
は、加熱又は加圧下での高い流動性が必要となる。
【0034】この様な特性を満足するために、熱軟化層
は熱軟化性又は弾性を有する(以下、クッション性と称
する場合もある)層であり、加熱により十分に軟化変形
し得るもの、又は低弾性率を有する材料あるいはゴム弾
性を有する材料が使用される。本発明においては、クッ
ション性を表す指針として、弾性率や針入度を利用する
ことができる。例えば、25℃における弾性率が9.8
×106〜24.5×107Pa程度の層、又は、JIS
K 2530−1976に規定される針入度が15〜
500(g)、更に好ましくは30〜300(g)程度
の層が、印刷分野におけるカラープルーフ画像の形成に
対して好適なクッション性を示すことが確認されている
が、要求される程度は目的とする画像の用途に応じて変
わるため、適宜選択することができる。
【0035】熱軟化層に使用される素材としては、常温
では流動性はなく弾性を示し、軟化温度を超えるような
高温領域では、顕著な流動性を示すものが好ましい。
【0036】熱軟化層はTMA軟化点が40℃以上であ
ることが好ましく、より好ましくは40〜80℃であ
る。TMA軟化点とは、TMA(Thermomech
anical Analysis)により測定する。即
ち、測定対象物を一定の昇温速度で、一定の荷重を掛け
ながら昇温し、測定対象物の位相を観測することにより
求める。本発明においては、測定対象物の位相が変化し
始める温度を以てTMA軟化点と定義する。TMAによ
る軟化点の測定は、Thermoflex(理学電気社
製)等の装置を用いて行うことができる。例えば、Th
ermoflexを用い、測定温度範囲25〜200℃
とし、昇温速度を5℃/minとした際、10gの荷重
を1mmφの石英ガラスピン(針)に掛けた時に位相が
変化し始める温度を以てTMA軟化点とする。
【0037】熱軟化層の好ましい特性は必ずしも素材の
種類のみで規定できるものではないが、素材自身の特性
が好ましいものとしては、ポリオレフィン樹脂、エチレ
ン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−エチルアクリレー
ト共重合体、ポリブタジエン樹脂、スチレン−ブタジエ
ン共重合体(SBR)、スチレン−エチレン−ブテン−
スチレン共重合体(SEBS)、アクリロニトリル−ブ
タジエン共重合体(NBR)、ポリイソプレン樹脂(I
R)、スチレン−イソプレン共重合体(SIS)、アク
リル酸エステル共重合体、ポリエステル樹脂、ポリウレ
タン樹脂、アクリル樹脂、ブチルゴム、ポリノルボルネ
ン等が挙げられる。これらの中でも、比較的低分子量の
ものが本発明の要件を満たし易いが、素材との関連で必
ずしも限定できない。熱軟化層は溶剤塗布により設ける
ことができるが、ラテックスやエマルジョンのような水
系の分散物の状態で塗布形成することも可能である。こ
の他、水溶性樹脂も使用できる。これらの樹脂は、必要
によって単独または混合して用いることができる。
【0038】又、上記以外の素材でも、各種添加剤を加
えることにより熱軟化層に好ましい特性が付与できる。
このような添加剤としては、ワックス等の低融点物質、
可塑剤、熱溶剤、タッキファイヤー等が挙げられる。ワ
ックス類としては、具体的には、カルナウバ蝋、木蝋、
オウリキュリー蝋、エスパル蝋等の植物蝋;蜜蝋、昆虫
蝋、セラック蝋、鯨蝋等の動物蝋;パラフィンワック
ス、マイクロクリスタルワックス、ポリエチレンワック
ス、エステルワックス、酸ワックス等の石油蝋;並びに
モンタン蝋、オゾケライト、セレシン等の鉱物蝋等のワ
ックス類を挙げることができ、更にこれらのワックス類
などの他に、パルミチン酸、ステアリン酸、マルガリン
酸、ベヘン酸等の高級脂肪酸;パルミチルアルコール、
ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、マルガニ
ルアルコール、ミリシルアルコール、エイコサノール等
の高級アルコール;パルミチン酸セチル、パルミチン酸
ミリシル、ステアリン酸セチル、ステアリン酸ミリシル
等の高級脂肪酸エステル;アセトアミド、プロピオン酸
アミド、パルミチン酸アミド、ステアリン酸アミド、ア
ミドワックス等のアミド類;並びにステアリルアミン、
ベヘニルアミン、パルミチルアミン等の高級アミン類な
どが挙げられる。これらの中で常温固体のものが好まし
く、中でも融点が40〜130℃であるものが特に好ま
しく、更に好ましくは70〜110℃のものである。
【0039】可塑剤、熱溶剤、タッキファイヤーとして
は、具体的にはフタル酸エステル、アジピン酸エステ
ル、グリコールエステル、脂肪酸エステル、燐酸エステ
ル、塩素化パラフィン等が挙げられる。又、例えば「プ
ラスチック及びゴム用添加剤実用便覧」,化学工業社
(昭和45年発行)等に記載の各種添加剤を添加するこ
とができる。
【0040】これら添加剤の添加量等は、ベースとなる
熱軟化層素材との組合せで好ましい物性を発現させるの
に必要な量を選択すればよく、特に限定されないが、一
般的に、熱軟化層素材量の10質量%以下、更に5質量
%以下が好ましい。
【0041】熱軟化層の形成方法としては、前記素材を
溶媒に溶解又はラテックス状に分散したものを、ブレー
ドコーター、ロールコーター、バーコーター、カーテン
コーター、グラビアコーター等により塗布する方法があ
り、ホットメルトによる押出しラミネーション法なども
適用できる。又、特殊な熱軟化層として熱軟化性あるい
は熱可塑性の樹脂を発泡させたボイド構造の樹脂層を用
いることも可能である。
【0042】熱軟化層の好ましい膜厚は5μm以上であ
り、更に好ましくは10μm以上である。熱軟化層の膜
厚が5μm未満だと、最終記録媒体への再転写の際、抜
けや欠けが発生する場合がある。
【0043】本発明の熱転写中間転写媒体の中間層は、
バインダーを必須成分として含有する。バインダーに関
しては下記に詳述するが、その選択が本方式で非常に重
要である。本発明に好ましく用いられる中間層のバイン
ダーは、Tgが75℃以下、引張強度が0.3432M
Pa、更に伸びが50%以上である事が好ましい。更に
言うと本発明の中間層のバインダーは一次平均粒径1μ
m以下の自己造膜性微粒子を用いた層とする事が好まし
い態様である。更に特性を改善するために金属粒子や非
自己造膜性粒子を含有させる事が好ましい態様である。
【0044】以下に中間層について詳述する。中間層に
用いるバインダーは、熱可塑性樹脂が好ましく、素材自
身の特性が好ましいものは、ポリオレフィン樹脂、エチ
レン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−エチルアクリレ
ート共重合体、ポリブタジエン樹脂、スチレン−ブタジ
エン共重合体(SBR)、スチレン−エチレン−ブテン
−スチレン共重合体(SEBS)、アクリロニトリル−
ブタジエン共重合体(NBR)、ポリイソプレン樹脂
(IR)、スチレン−イソプレン共重合体(SIS)、
アクリル酸エステル共重合体、ポリエステル樹脂、ポリ
ウレタン樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、ポリビ
ニルブチラール、塩化ビニル共重合体、ブチルゴム、ポ
リノルボルネン等が挙げられる。これらの中でも、比較
的低分子量のものが本発明の要件を満たし易いが、素材
との関連で必ずしも限定できない。
【0045】本発明の中間転写媒体は最終被転写媒体に
画像と共に受像層が転写される事が好ましく、非画像部
は受像層が被転写媒体に転写される事になる。この様な
場合、受像層が被転写媒体と良好な接着をする事が必須
となり、本発明で好ましく用いられる印刷本紙の表面コ
ート層との接着の観点からアクリル、ブチラールなどが
好ましく、これらの受像層と良好に剥離できるという観
点から、ポリオレフィン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共
重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体、ポリ
ブタジエン樹脂、ポリイソプレン樹脂(IR)、ポリウ
レタン樹脂、シリコーン樹脂、ブチルゴムが好ましく、
特に好ましくは、ポリオレフィン樹脂、エチレン−酢酸
ビニル共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合
体である。
【0046】本発明の中間層はバインダーTgが75℃
以下である事が好ましく、より好ましくは、70℃以
下、特に好ましくは65℃以下である。Tgが75℃よ
り大きくなると凹凸の大きい紙への転写性が劣化する傾
向にある。
【0047】Tgが小さくなる事は転写性に関し好まし
い方向であり、特に下限は設定しないが、本発明のバイ
ンダーは25℃での引張強度が0.3432MPa以上
である事が重要である。引張強度は好ましくは0.49
03MPa以上、特に好ましくは0.7355MPa以
上である。引張強度が小さいと本発明の効果を得る事が
できない。
【0048】また、伸び率は50%以上である事が好ま
しく、より好ましくは75%以上、特に好ましくは10
0%以上である。
【0049】本発明において好ましく使用できる自己造
膜性粒子は、非水溶性の熱可塑性樹脂からなる微粒子の
ことである。自己造膜性粒子とは、分散媒を乾燥除去
し、皮膜を形成しうる物をいう。この様な粒子を中間層
のバインダー成分として使用する事は好ましい態様であ
る。
【0050】本発明に於いて、このような熱可塑性樹脂
からなる自己造膜性粒子を中間層塗布液中に含有させて
おくと、後述の金属粒子の導電パスの形成に有利であ
り、受像面の導電性を高める事ができる。用いる事ので
きる熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポ
リプロピレン、ポリ酢酸ビニルなどのオレフィン系共重
合体、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール、
ポリ(メタ)アクリル酸の共重合体、ポリ(メタ)アク
リル酸エステル、ポリアクリル酸誘導体、ポリアクリル
酸アミド、ポリエーテル、ポリエステル、ポリカーボネ
ート、セルロース系樹脂、ポリアクリルニトリル、ポリ
イミド、ポリアミド(ナイロン)、ポリ塩化ビニル、ポ
リ塩化ビニリデン、ポリスチレン、チオコール、ポリス
ルフォン、ポリウレタン、ポリスチレン、その他これら
の樹脂の単量体の共重合物等が挙げられる。
【0051】これらの中で好ましくはウレタン系、エチ
レン、エチレン−アクリル、エチレン酢ビ等のオレフィ
ン系共重合体である。これらの中で、30〜75℃のT
MA軟化点を有するものが好ましく、特に好ましくは4
0〜70℃以下の軟化点を有する粒子の使用である。
【0052】また熱可塑性粒子の最低造膜温度(MF
T)は、0℃以上120℃以下が好ましく、より好まし
くは5℃以上100℃以下、特に好ましくは10℃以上
80℃以下である。MFTが0℃以下になると中間層液
の保存性が劣化し、また最低造膜温度120℃以上で
は、造膜乾燥装置の大型化など実用に負荷が大きく好ま
しくない。
【0053】これらの粒子を用いて形成される皮膜は、
Tgが75℃以下が好ましく、より好ましくは、70℃
以下、特に好ましくは65℃以下である。Tgが75℃
より大きくなると凹凸の大きい紙への転写性が劣化する
傾向にある。
【0054】Tgが小さくなる事は転写性に関し好まし
い方向であり、特に下限は設定しないが、本発明のバイ
ンダーは25℃での引張強度が0.3432MPa以上
である事が重要である。引張強度は好ましくは0.49
03MPa以上、特に好ましくは0.7355MPa引
張強度が小さいと本発明の効果を得る事ができない。
【0055】また、伸び率は50%以上である事が好ま
しく、より好ましくは75%以上、特に好ましくは10
0%以上である。
【0056】本発明に係る熱可塑性樹脂粒子は1次粒径
が0.0001〜1μmであることが好ましく、より好
ましくは0.0003〜0.5μmであり、特に好まし
くは0.0005〜0.3μmの粒子である。0.00
01μmより小さい場合、液安定性が落ちる傾向にあ
る。一方1μmより大きいと熱容量が大きくなり、造膜
の均一性が劣化する傾向で、装置の大型化など実用に負
荷が大きくなる。
【0057】又、導電性微粒子を帯電防止剤として用い
ることもできる。このような導電性微粒子としては、例
えばZnO、TiO2、SnO2、Al23、In23
MgO、BaO、CoO、CuO、Cu2O、CaO、
SrO、BaO2、PbO、PbO2、MnO3、Mo
3、SiO2、ZrO2、Ag2O、Y23、Bi23
Ti23、Sb23、Sb25、K2Ti613、NaC
aP218、MgB25等の酸化物;CuS、ZnS等
の硫化物;SiC、TiC、ZrC、VC、NbC、M
oC、WC等の炭化物;Si34、TiN、ZrN、V
N、NbN、Cr2N等の窒化物;TiB2、ZrB2
NbB2、TaB2、CrB、MoB、WB、LaB5
の硼化物;TiSi2、ZrSi2、NbSi2、TaS
2、CrSi2、MoSi2、WSi2等の珪化物;B
aCO3、CaCO3、SrCO3、BaSO4、CaSO
4等の金属塩;SiN4・SiC、9Al23・2B23
等の複合体が挙げられ、これら1種を単独で又は2種以
上を併用してもよい。これらの内、SnO2、ZnO、
Al23、TiO2、In23、MgO、BaO及びM
oO 3が好ましく、SnO2、ZnO、In23及びTi
2が更に好ましく、SnO2が特に好ましい。その他の
導電性微粒子として、アンチモン酸亜鉛コロイド、酸化
アンチモン、及びベントナイト、ヘクトライト、合成ヘ
クトライト等の粘土化合物(日本シリカ社製:製品名ラ
ポナイト)等がある。粘土鉱物ではコロイド分散液の形
成が容易である。
【0058】又、これらの導電性微粒子には各種金属イ
オンをドープ(含有)してもよく、例えばZnOに対し
てはAl,In等、TiO2に対してはNb,Ta等、
SnO2に対してはSb、Nb、ハロゲン元素等をドー
プしてもよい。中でも、SnO2や合成ヘクタイト粘度
鉱物(日本シリカ製のラポナイト等)が経時的にも導電
性の変化が少なく安定性が高いので好ましく、SnO2
はSbをドープしたものやコロイド分散物のゾル等が特
に好ましい。
【0059】導電性金属酸化物を帯電防止剤として使用
する場合には、光散乱を成る可く小さくする為に、その
粒子径は小さいほど好ましいが、粒子とバインダーの屈
折率の比をパラメータとして使用して決定されるべきも
のであり、ミー(Mie)の理論を用いて求めることが
できる。一般的に平均粒子径が0.001〜0.5μm
の範囲のものであり、0.001〜0.2μmが好まし
い。ここで言う平均粒子径は導電性化合物の1次粒子径
だけではなく、高次構造の粒子径も含んだ値である。
【0060】本発明の中間層は、金属粒子を含有させる
事が好ましい態様であり、好ましい添加量は体積vol
%で3〜50%、より好ましくは5〜45%、特に好ま
しくは8〜40%である。50vol%より多く、金属
粒子を含有すると、膜強度は低下する方向にあり好まし
くなく、3vol%より少ないと導電性が発現しない。
本発明の好ましい添加量を含有する事で、膜強度、転写
性の良好な結果が得られる。
【0061】本発明の中間層のバインダーは、公知の中
間層のバインダーと比較し、低いTg及び低いTMA軟
化点を有し、且つ常温で高い破断強度を有する事を特徴
とする。
【0062】バインダーに添加される非造膜粒子として
は、有機又は無機の微粒子が使用できる。有機系非造膜
粒子としては、ポリメチルメタクリレート(PMM
A)、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、
その他のラジカル重合系ポリマーの微粒子、ポリエステ
ル、ポリカーボネートなど縮合ポリマーの微粒子、弗素
系樹脂、シリコン樹脂の微粒子などが挙げられる。粒子
の強度、耐溶剤性などを増すために、架橋した有機微粒
子が更に好ましい。
【0063】中間層の付量は0.1〜10g/m2、よ
り好ましくは0.1〜5g/m2、特に好ましくは0.
2〜5g/m2である。
【0064】非造膜粒子の付量は0.3〜10g/m2
が好ましく、0.3〜5g/m2が更に好ましい。0.
3μm以上の粒子が5mg/m2以上含有されることが
必要で、6〜600mg/m2がより好ましい。非造膜
粒子の粒径分布の分散係数(σ)は0.5以下が好まし
く、0.3以下が更に好ましく、0.15以下が特に好
ましい。
【0065】非造膜粒子の添加量は、粒径と付量の関係
で一概には規定できないが、好ましくは0.1〜50質
量%の範囲で使用することが好ましく、特に好ましくは
0.5〜40質量%である。
【0066】用いられる粒子の真比重に特に制限はない
が、好ましくは0.1〜1.5、より好ましくは0.3
〜1.4、特に好ましくは0.5〜1.3のものがよ
い。
【0067】中間層の表面粗さRa(中心線平均)は
0.05〜5μmが好ましく、0.05〜3.5μmが
更に好ましく、0.08〜2μmが特に好ましい。表面
粗さRz(十点平均)は0.3〜10μmが好ましく、
0.5〜9μmが更に好ましく、0.8〜8μmが特に
好ましい。
【0068】ここで、Ra及びRzは、共にJIS表面
粗さ(B0601)によって定義されるもので、表面の
平滑度を示すパラメーターとして当分野ではよく用いら
れる。
【0069】中間層には、必要に応じて離型剤、導電
剤、界面活性剤、酸化防止剤、UV吸収剤等を添加する
ことが好ましい。中でも、離型剤は重要で、非造膜粒子
添加により剥離表面積が増大した分、剥離力は大きくな
る方向にあり、最適な剥離力になるように従来公知の各
種離型剤を中間層に添加することは好ましい態様であ
る。離型剤は、受像層を設ける際に受像層に移行性の少
ないものが好ましい。これにより、移行によるインク転
写性の変化を防げる。
【0070】中間層の剥離力とは、後述する画像形成方
法で、最終記録媒体に画像及び受像層を転写する際の中
間層−受像層間剥離力を言う。
【0071】本発明において、中間層の剥離力は9.8
×10-3〜1.96N/cmが好ましく、より好ましく
は9.8×10-3〜0.98N/cm、特に好ましくは
9.8×10-3〜0.49N/cmである。この数値
は、各種の最終記録媒体においても同様の値であること
が好ましい。
【0072】中間層は溶剤塗布により設けることができ
るが、ラテックスやエマルジョンのような水系の分散物
の状態で塗布形成することも可能である。この他、水溶
性樹脂も使用できる。これらの樹脂は、必要によって単
独または混合して用いることができる。
【0073】中間層の形成方法としては、前記素材を溶
媒に溶解又はラテックス状に分散したものをブレードコ
ーター、ロールコーター、バーコーター、カーテンコー
ター、グラビアコーター等の塗布法、ホットメルトによ
る押出しラミネーション法などが適用できる。又、仮ベ
ース上に、前記素材を溶媒に溶解又はラテックス状に分
散したものを上記の方法で塗布したものと、熱軟化層と
を貼り合わせた後に仮ベースを剥離して形成する方法が
ある。
【0074】次に、受像層について説明する。受像層
は、バインダーと必要に応じて添加される各種添加剤か
ら成る。本発明の受像層は、露光特性や光沢保存性に大
きく寄与する層である。
【0075】受像層に用いられるバインダーは、Tgが
75℃以下である事が好ましく、より好ましくは、70
℃以下、特に好ましくは65℃以下である。Tgが75
℃より大きくなると凹凸の大きい紙への転写性が劣化す
る傾向にある。
【0076】Tgが小さくなる事は転写性に関し好まし
い方向である。またTMA測定による軟化点が40℃以
上のものが好ましく、より好ましくは40〜80℃、特
に好ましくは40〜70℃である。受像層バインダーの
具体例としては、ポリ酢酸ビニルエマルジョン系接着
剤、クロロプレン系接着剤、エポキシ樹脂系接着剤等の
接着剤、天然ゴム、クロロプレンゴム系、ブチルゴム
系、ポリアクリル酸エステル系、ニトリルゴム系、ポリ
サルファイド系、シリコンゴム系、石油系樹脂などの粘
着材、再生ゴム、塩化ビニル系樹脂、SBR、ポリブタ
ジエン樹脂、ポリイソプレン、ポリビニルブチラール樹
脂、ポリビニルエーテル、アイオノマー樹脂、SIS、
SEBS、アクリル樹脂、エチレン共重合体、エチレン
−塩化ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合
体、エチレン−酢酸ビニル樹脂(EVA)、塩ビグラフ
トEVA樹脂、EVAグラフト塩ビ樹脂、塩化ビニル系
樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリオレフィ
ン樹脂、各種変性オレフィン、ポリビニルブチラール等
が挙げられる。本発明において特に好ましいバインダー
は、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィ
ン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリ
ル酸共重合体等のエチレン共重合体、ポリ塩化ビニル、
塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体等の塩化ビニル共重合
体、ポリ塩化ビニリデン、塩化ビニリデン共重合体、ポ
リスチレン、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン
−マレイン酸エステル共重合体等のスチレン共重合体、
酢酸ビニル共重合体である。上記バインダーを単独で使
用してもよく、又2種以上混合して使用してもよい。
【0077】受像層は非造膜粒子を含有することが好ま
しい。非造膜粒子の素材としては、前述の中間層で使用
したものが同様に好適に使用できる。非造膜粒子の数平
均粒径は、受像層の非造膜粒子の存在しない部分の平均
膜厚より0.3〜10.0μm大きいことが好ましく、
更に好ましくは0.3〜8.0μm大きいものが良い。
中でも1〜5.5μm大きいものが有効で特に好まし
い。0.3μm未満のものではカブリ及びガス除去性に
対する効果が小さく、逆に10.0μmを超えるもので
は感度が劣化する。尚、数平均粒径の2倍以上の粒子質
量が20%以下である分布を有するものが好ましく、数
平均粒径の2倍以上の粒子質量が5%以下である分布を
有するものがより好ましい。数平均粒径の2倍以上の粒
子質量が20%以下である分布を有するものは、圧力が
均一に緩和されるので、ブロッキングなどの保存性劣化
が防止される。数平均粒径の2倍以上の粒子質量が5%
以下である分布を有するものを用いると、保存性の点で
更に好ましい。このような非造膜粒子を選択した場合、
受像層のバインダー膜厚を3.0μm以上にすると、非
造膜粒子が多すぎて黄色味を帯びた画像になってしまう
ため、受像層のバインダー膜厚は0.8〜3.0μmが
好ましい。
【0078】受像層表面の非造膜粒子の分布も重要であ
る。受像層上の非造膜粒子の個数が100〜2400個
/mm2であることが好ましい。更に、非造膜粒子が真
球状であることが非造膜粒子添加による性能向上を効果
的にする。真球状とは、非造膜粒子を顕微鏡などで観察
した時の形状がほぼ球状で、長径と短径の差が20%以
下程度のことを指す。
【0079】受像層の表面粗さRa(中心線平均)は
0.01〜0.4μmが好ましく、0.01〜0.2μ
mが更に好ましく、0.01〜0.15μmが特に好ま
しい。又、表面粗さRz(十点平均)は0.03〜5μ
mが好ましく、0.05〜3.5μmが更に好ましく、
0.1〜2.0μmが特に好ましい。
【0080】受像層の膜厚は0.1〜5μmが好まし
く、より好ましくは0.5〜4μmである。
【0081】受像層で好適に用いられる樹脂の伸び率は
1〜1000%のものが好ましく、10〜800%がよ
り好ましい。1%より小さいと最終記録媒体に転写の
際、ピンホール状のヌケを生じることがあり好ましくな
い。又、1000%より大きいと剥離力が大きくなり、
大判サイズでの剥離に好ましくない。
【0082】受像層には、必要に応じて酸化防止剤、U
V吸収剤、防腐剤、活性剤、帯電防止剤など公知の添加
剤を用いることが出来る。
【0083】本発明の熱転写中間転写媒体は、受像面の
19℃30%での表面比抵抗値が10の12乗以下であ
ることが好ましく、より好ましくは、10の8〜12
乗、特に好ましくは、10の8.5〜11.5乗であ
る。10の8乗より大きく小さいと2次転写時の傷が生
じやすく、10の12乗より大きいと1次転写時の搬送
性に問題を生じやすい。
【0084】本発明では、前記支持体の裏面(受像層を
設けた表面とは反対側の面)に、搬送性、耐熱性、帯電
防止等の機能を付与するために、バックコート層を設け
ることが好ましい実施態様である。又、バックコート層
を設けることで画像欠陥、画像の品質安定性にも効果が
ある。
【0085】バックコート層は、バインダー樹脂を溶媒
中に溶解した、あるいはバインダー樹脂と粒径2〜30
μmの非造膜粒子を溶媒中に溶解又は分散したバックコ
ート層塗布液を支持体裏面に塗布することにより形成で
きる。
【0086】バックコート層に用いられるバインダーと
しては、ゼラチン、ポリビニルアルコール、メチルセル
ロース、ニトロセルロース、アセチルセルロース、芳香
族ポリアミド樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、ア
ルキド樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、弗素樹
脂、ポリイミド樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、ウ
レタン変性シリコーン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプ
ロピレン樹脂、ポリエステル樹脂、テフロン(R)樹
脂、ポリビニルブチラール樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポ
リビニルアセテート、ポリカーボネート、有機硼素化合
物、芳香族エステル類、フッ化ポリウレタン、ポリエー
テルスルホンなど汎用ポリマーを使用することができ
る。バックコート層のバインダーとして架橋可能な水溶
性バインダーを用い架橋させることは、非造膜粒子の粉
落ち防止やバックコートの耐傷性の向上に効果がある。
また、保存時のブロッキングにも効果が大きい。この架
橋手段は、用いる架橋剤の特性に応じて、熱、活性光
線、圧力の何れか一つ又は組合せなどを特に限定なく採
用することができる。場合によっては、支持体への接着
性を付与するため、支持体のバックコート層を設ける側
に任意の接着層を設けてもよい。
【0087】バックコート層は、0.1mmR針スクラ
ッチ試験機での耐傷強度が10g以上(10〜500
g)あることが好ましく、更に好ましくは20g以上
(20〜500g)である。
【0088】スクラッチ試験は以下の方法により測定す
る。即ち、支持体上にバックコート層を設け、23℃・
50%RHの環境に一日放置後測定する。測定機器は、
スクラッチ強度試験機 HEIDON−18(HEID
ON社製)を用い、測定針は0.1mmRのサファイヤ
針を用いて測定した。測定は一定荷重で10cmの引掻
き試験を3回行い、支持体まで傷が入った箇所が存在し
ない限度荷重をスクラッチ強度とする。
【0089】又、前述のように、バックコート層に非造
膜粒子を含有させることが好ましい。
【0090】次に、本発明の熱転写中間転写媒体と共に
用いるインクシートについて説明する。
【0091】インクシートは、光熱変換機能及びインク
(色材)転写機能を有するフィルムであり、支持体の一
方の面に、少なくとも光熱変換機能を有する光熱変換層
及びインク層を有して成り、この両機能を同一の層に付
与することも可能である。
【0092】又、必要に応じてこれらの層と支持体との
間にクッション層、剥離層を、光熱変換層とインク層の
間に中間層を、又、支持体の反対側の面(裏面)にバッ
クコート層を有することができる。
【0093】支持体としては、剛性を有し、寸法安定性
が良く、平滑性に優れ、画像形成の際の熱に耐えるもの
ならば何でもよく、具体的には、紙、コート紙、合成紙
(ポリプロピレン、ポリスチレン、もしくは、それらを
紙と貼り合せた複合材料)等の各種紙類、塩化ビニル系
樹脂シート、ABS樹脂シート、ポリエチレンテレフタ
レートフィルム、ポリブチレンテレフタレートフィル
ム、ポリエチレンナフタレートフィルム、ポリアクリレ
ートフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリエーテ
ルケトンフィルム、ポリサルホンフィルム、ポリエーテ
ルサルホンフィルム、ポリエーテルイミドフィルム、ポ
リイミドフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピ
レンフィルム、ポリスチレンフィルム、シンジオタクチ
ックポリスチレン、延伸ナイロンフィルム、ポリアセテ
ートフィルム、ポリメチルメタクリレートフィルム等の
単層あるいは、それらを2層以上積層した各種プラスチ
ックフィルム又はシート、各種の金属で形成されたフィ
ルム又はシート、各種のセラミックス類で形成されたフ
ィルム又はシート、更には、アルミニウム、ステンレ
ス、クロム、ニッケル等の金属板、樹脂コーティングし
た紙に金属の薄膜をラミネート又は蒸着したものが挙げ
られる。
【0094】これらの支持体には、寸法安定化、帯電防
止等の各種加工を施すこともできる。帯電防止剤として
は、カチオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、非
イオン系界面活性剤、高分子帯電防止剤、導電性微粒子
の他、「11290の化学商品」化学工業日報社,87
5〜876頁等に記載の化合物などが広く用いられる。
【0095】更に、これらの支持体には従来公知の表面
改質処理を行ってもよい。これらの表面改質処理として
は、火焔放射処理、硫酸処理、コロナ放電処理、プラズ
マ処理、グロー放電処理などが挙げられる。又、後述の
各層が良好に支持体上に塗布されるために前記支持体の
上に接着層を設けてもよい。
【0096】レーザー光をインクシート側から照射して
画像を形成する場合、支持体は透明であることが望まし
い。重ね合せの容易さから、インクシートの支持体の厚
みは熱転写中間転写媒体のそれより薄いことが好まし
く、一般には30〜150μm程度が好ましく、更に好
ましくは50〜100μmである。
【0097】光熱変換層は光熱変換機能を有する層のこ
とである。インク層中に光熱変換物質を添加できる場合
は、特に光熱変換層を必要としないが、光熱変換物質が
実質的に透明でない場合、転写画像の色再現性を考慮し
てインク層とは別に光熱変換層を設けることが望まし
い。光熱変換層は、支持体とインク層との間、より好ま
しくはクッション層とインク層との間に設けるのが好ま
しい。光熱変換層におけるバインダーとしては、ガラス
転移点(Tg)が高く熱伝導率の高い樹脂、例えばポリ
メタクリル酸メチル、ポリカーボネート、ポリスチレ
ン、エチルセルロース、ニトロセルロース、ポリビニル
アルコール、ポリ塩化ビニル、ポリアミド、ポリイミ
ド、ポリエーテルイミド、ポリスルホン、ポリエーテル
スルホン、アラミド等の一般的な耐熱性樹脂や、ポリチ
オフェン類、ポリアニリン類、ポリアセチレン類、ポリ
フェニレン類、ポリフェニレン・スルフィド類、ポリピ
ロール類、及び、これらの誘導体又は、これらの混合物
からなるポリマー化合物を使用することができる。又、
光熱変換層におけるバインダーとしては、水溶性ポリマ
ーも用いることができる。水溶性ポリマーはインク層と
の剥離性も良く、又、レーザー照射時の耐熱性が良く、
過度な加熱に対しても飛散が少ない点で好ましい。水溶
性ポリマーを用いる場合には、光熱変換物質を水溶性に
変性(スルホ基の導入等)したり、水系分散することが
望ましい。又、光熱変換層へ各種の離型剤を含有させる
ことで、光熱変換層とインク層との剥離性を上げ、感度
を向上することもできる。離型剤としては、シリコーン
系の離型剤(ポリオキシアルキレン変性シリコーンオイ
ル、アルコール変性シリコーンオイルなど)、弗素系の
界面活性剤(パーフルオロ燐酸エステル系界面活性
剤)、その他、各種界面活性剤等が有効である。光熱変
換物質を使用する場合、光源によっても異なるが、光を
吸収し効率良く熱に変換する物質が良く、例えば半導体
レーザーを光源として使用する場合、近赤外に吸収帯を
有する物質が好ましく、近赤外光吸収剤としては、例え
ばカーボンブラックやシアニン系、ポリメチン系、アズ
レニウム系、スクワリウム系、チオピリリウム系、ナフ
トキノン系、アントラキノン系色素等の有機化合物、フ
タロシアニン系、アゾ系、チオアミド系の有機金属錯体
などが好適に用いられ、具体的には特開昭63−139
191号、同64−33547号、特開平1−1606
83号、同1−280750号、同1−293342
号、同2−2074号、同3−26593号、同3−3
0991号、同3−34891号、同3−36093
号、同3−36094号、同3−36095号、同3−
42281号、同3−97589号、同3−10347
6号等に記載の化合物が挙げられる。これらは1種又は
2種以上を組み合わせて用いることができる。光熱変換
層の膜厚は0.1〜3μmが好ましく、より好ましくは
0.2〜1.0μmである。光熱変換層における光熱変
換物質の含有量は、通常、画像記録に用いる光源の波長
での吸光度が0.3〜3.0、更に好ましくは0.7〜
2.5になるように決めることができる。光熱変換層と
してカーボンブラックを用いた場合、光熱変換層の膜厚
が1μmを超えると、インク層の過熱による焦付きが起
こらない代わりに感度が低下する傾向にあるが、照射す
るレーザーのパワーや光熱変換層の吸光度により変化す
るため適宜選択すればよい。
【0098】光熱変換層としては、この他にも蒸着層を
使用することも可能であり、カーボンブラック、特開昭
52−20842号に記載の金、銀、アルミニウム、ク
ロム、ニッケル、アンチモン、テルル、ビスマス、セレ
ン等のメタルブラックの蒸着層の他、周期律表のIb、
IIb、IIIa、IVb、Va、Vb、VIa、VIb、VIIb及
びVIII族の金属元素、並びにこれらの合金、又はこれら
の元素とIa、IIa及びIIIb族の元素との合金、あ
るいはこれらの混合物の蒸着層が挙げられ、特に望まし
い金属にはAl、Bi、Sn、In又はZn及びこれら
の合金、又はこれらの金属と周期律表のIa、IIa及び
IIIb族の元素との合金、又はこれらの混合物が含まれ
る。適当な金属酸化物又は硫化物には、Al、Bi、S
n、In、Zn、Ti、Cr、Mo、W、Co、Ir、
Ni、Pb、Pt、Cu、Ag、Au、Zr又はTeの
化合物、又はこれらの混合物がある。又、更に、金属フ
タロシアニン類、金属ジチオレン類、アントラキノン類
の蒸着層も挙げられる。蒸着層の膜厚は、500オング
ストローム以内が好ましい。尚、光熱変換物質はインク
層の色材そのものでもよく、又、上記のものに限定され
ず、様々な物質が使用できる。光熱変換層が支持体下層
との接着性に劣る場合は、光照射時あるいは熱転写後
に、熱転写中間転写媒体から転写材料を剥離する際、膜
剥がれを起こし、色濁りを起こすことがあるので、支持
体下層との間に接着層を設けることも可能である。
【0099】インク層は主として着色剤とバインダーか
ら成る。レーザー溶融熱転写法において、インク層は、
加熱時に溶融又は軟化して着色剤とバインダー等を含有
する層毎転写可能である層であり、完全な溶融状態で転
写しなくてもよい。
【0100】上記着色剤としては、例えば無機顔料(二
酸化チタン、カーボンブラック、グラファイト、酸化亜
鉛、プルシアンブルー、硫化カドミウム、酸化鉄ならび
に鉛、亜鉛、バリウム及びカルシウムのクロム酸塩等)
及び有機顔料(アゾ系、チオインジゴ系、アントラキノ
ン系、アントアンスロン系、トリフェンジオキサジン系
の顔料、バット染料顔料、フタロシアニン顔料及びその
誘導体、キナクリドン顔料等)などの顔料ならびに染料
(酸性染料、直接染料、分散染料、油溶性染料、含金属
油溶性染料又は昇華性色素等)を挙げることができる。
例えばカラープルーフ材料とする場合、イエロー、マゼ
ンタ、シアンがそれぞれ、C.I.21095又はC.
I.21090,C.I.15850:1,C.I.7
4160の顔料が好ましく用いられる。
【0101】インク層における着色剤の含有率は、所望
の塗布膜厚で所望の濃度が得られるように調整すればよ
く、特に限定されないが、通常、5〜70質量%の範囲
内にあり、好ましくは10〜60質量%である。
【0102】インク層のバインダーとしては、熱溶融性
物質、熱可塑性樹脂等を挙げることができる。熱溶融性
物質は、通常、柳本MJP−2型を用いて測定した融点
が40〜150℃の範囲内にある固体又は半固体の物質
である。具体的には、カルナウバ蝋、木蝋、オウリキュ
リー蝋、エスパル蝋等の植物蝋;蜜蝋、昆虫蝋、セラッ
ク蝋、鯨蝋等の動物蝋;パラフィンワックス、マイクロ
クリスタルワックス、ポリエチレンワックス、エステル
ワックス、酸ワックス等の石油蝋;並びにモンタン蝋、
オゾケライト、セレシン等の鉱物蝋等のワックス類を挙
げることができ、更にこれらのワックス類などの他に、
パルミチン酸、ステアリン酸、マルガリン酸、ベヘン酸
等の高級脂肪酸;パルミチルアルコール、ステアリルア
ルコール、ベヘニルアルコール、マルガニルアルコー
ル、ミリシルアルコール、エイコサノール等の高級アル
コール;パルミチン酸セチル、パルミチン酸ミリシル、
ステアリン酸セチル、ステアリン酸ミリシル等の高級脂
肪酸エステル;アセトアミド、プロピオン酸アミド、パ
ルミチン酸アミド、ステアリン酸アミド、アミドワック
ス等のアミド類;並びにステアリルアミン、ベヘニルア
ミン、パルミチルアミン等の高級アミン類などが挙げら
れる。
【0103】又、熱可塑性樹脂としては、エチレン系共
重合体、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリ
ウレタン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、スチレン系樹
脂、スチレン−アクリル系樹脂、アクリル系樹脂、塩化
ビニル系樹脂、セルロース系樹脂、ロジン系樹脂、ポリ
ビニルアルコール系樹脂、ポリビニルアセタール系樹
脂、ポリビニルブチラール樹脂、アイオノマー樹脂、石
油系樹脂、及び特開平6−312583号に記載のイン
ク層バインダー用樹脂等が挙げられ、特に、融点又はT
MA軟化点が70〜150℃の樹脂が好ましく用いられ
る。
【0104】又、上記の熱可塑性樹脂以外に天然ゴム、
スチレンブタジエンゴム、イソプレンゴム、クロロプレ
ンゴム、ジエン系コポリマー等のエラストマー類;エス
テルガム、ロジンマレイン酸樹脂、ロジンフェノール樹
脂、水添ロジン等のロジン誘導体;並びにフェノール樹
脂、テルペン樹脂、シクロペンタジエン樹脂、芳香族系
炭化水素樹脂等の高分子化合物などを用いることもでき
る。
【0105】上記熱溶融性物質及び熱可塑性物質を適宜
に選択することにより、所望の熱軟化点あるいは熱溶融
点を有する熱転写性を有するインク層を形成することが
できる。
【0106】本発明においては、熱分解性の高いバイン
ダーを使用することにより、アブレーション転写により
画像形成も可能である。かかるバインダーとしては、平
衡条件下で測定された時に望ましくは200℃以下の温
度で急速な酸触媒的部分分解を起こすポリマー物質が挙
げられ、具体的にはニトロセルロース類、ポリカーボネ
ート類及びJ.M.J.フレチェット(Freche
t)、F.ボーチャード(Bouchard)、J.
M.ホーリハン(Houlihan)、B.クリクズク
(Kryczke)及びE.エイクラー(Eichle
r)、J.イメージング・サイエンス(Imaging
Science),30(2),59〜64頁(19
86)に報告されているタイプのポリマー類、及びポリ
ウレタン類、ポリエステル類、ポリオルトエステル類、
及びポリアセタール類、並びにこれらの共重合体が含ま
れる。又、これらのポリマーは、その分解メカニズムと
共に、上述のホーリハン等の報告書により詳細に示され
ている。
【0107】顔料の粒径を揃えることで高濃度が得られ
ることは特開昭62−158092号に開示されている
が、顔料の分散性を確保し、良好な色再現を得るため
に、各種分散剤を使用することが有効である。
【0108】その他の添加剤としては、インク層の可塑
化により感度アップを図る可塑剤の添加、インク層の塗
布性を向上させる界面活性剤の添加、インク層のブロッ
キングを防止するサブミクロンからミクロンオーダーの
粒子(非造膜粒子)の添加が可能である。
【0109】好ましいインク層の厚さは0.2〜2μ
m、更に好ましくは0.3〜1.5μmである。特に、
0.8μm以下とすることで高感度が得られることが確
認されているが、使用するバインダーや着色剤の種類、
その混合比などによりインク層の薄膜転写性が異なるの
で、最適な膜厚範囲は感度と解像度のバランス、その他
所望の画像再現性能により選択する。
【0110】光熱変換層とインク層の間に好ましく設け
られる中間層は、バインダー及び必要に応じて架橋剤、
増感剤、界面活性剤などから構成される。
【0111】中間層は、光熱変換層に含有される光熱変
換色素(光源として赤外線レーザーを使用する場合には
赤外線吸収色素)が、中間層あるいはインク層まで塗布
や乾燥時及びインクシートとして製造された後の経時で
拡散することを防止することにより、インクシートの高
感度化及び感度の経時変化を小さくしていると考えられ
る。更に、中間層に増感剤又は沸点が100〜400℃
の化合物を添加することにより、高感度化が達成でき
る。
【0112】中間層に使用するバインダーは、光熱変換
層の構成にもよるが、使用する光熱変換色素の溶解度が
0.1%以下の溶媒に可溶な樹脂を用いることができ
る。
【0113】次に、本発明の画像形成方法について説明
する。本発明の熱転写中間転写媒体を用いて画像形成を
行う方法の一例を示すと、熱転写中間転写媒体及びイン
クシートを順に露光ドラムに巻設して減圧密着により保
持し、インクシートの裏面(バックコート層塗布面側)
から画像データーに応じてレーザービームを照射し、該
インクシートにてレーザービームを吸収して熱に変換
し、変換した熱により記録材料から中間転写シートに画
像を転写形成するものである。
【0114】本発明の画像形成は二つのプロセスから成
る。即ち、 1)熱転写中間転写媒体とインクシートとを密着し、レ
ーザー露光によりインクシート側から像様に画像を転写
する工程。
【0115】2)上記工程を複数回繰り返し、熱転写中
間転写媒体上にカラー画像を形成し、そのカラー画像と
最終記録媒体とを対面し、熱及び/又は圧力を加えて熱
転写中間転写媒体と記録媒体とを貼合した後、熱転写中
間転写媒体を剥離することで画像を受像層と共に最終記
録媒体に移行させる工程。
【0116】本発明の熱転写中間転写媒体は、既に発売
されている大判プルーファー(コニカ社製:カラーデシ
ジョン1型,2型、富士フイルム社製:ファイナルプル
ーフ)等に搭載可能であり、これらでの使用は好ましい
態様である。この様な市販の大判プルーファーを用いた
場合には、レーザー記録後、別途最終被転写媒体への転
写及び剥離の工程が必要である。印刷用紙などを最終記
録媒体として用いる場合には、コニカ社製のEV−La
minator、EV−LaminatorII、イメ
ーション社製のマッチプリントラミネータ447等のラ
ミネータを用い、所望の記録媒体に転写が可能である。
このようにして転写した後、熱転写中間転写媒体を剥離
することにより、印刷物に非常に近似した記録物を得る
ことができる。
【0117】本発明で使用できる好ましいラミネータと
しては、圧力2〜98N/cmであることが好ましく、
特に好ましくは9.8〜39.2N/cmである。2N
より小さいと十分な転写性が得られ難く、98Nより大
きいと薄い紙の搬送性が悪くなる傾向にある。
【0118】ラミネート温度は80〜150℃が好まし
く、特に好ましくは90〜130℃である。80℃より
低いと熱転写中間転写媒体の保存性が悪くなる傾向にあ
り、150℃より高いと転写性が得られ難い傾向にあ
る。
【0119】ラミネート速度は2〜50mm/secが
好ましく、特に好ましくは3〜30mm/secであ
る。2mm/secより遅いとモーター負荷が大きく搬
送性の点で好ましくなく、50mm/secより早いと
薄紙のジャムが生じ易く好ましくない。
【0120】ラミネータのラミネートロール径は10〜
300mmφが好ましく、特に好ましくは30〜150
mmφである。10mmφより小さいと転写時の温度ム
ラが大きく好ましくなく、300mmφより大きいと熱
容量が大きく加熱に時間が掛かり好ましくない。又、径
の大きなロールを用いる場合ほど、伝熱性の高いロール
にすることが好ましい。
【0121】又、本発明に用いられるラミネーターは、
面内の熱均一性が高いことが要求され、特にラミネート
長手方向での熱分布のバラツキが±5度以内であること
が好ましく、特に好ましくは±3度以内である。この様
な条件を満たす為に、ラミネータ装置内の強制排気を行
わずに、フレッシュエアーの吸入口をできるだけ遮断す
ることが好ましく、又、ラミネートは被転写体の短辺が
搬送長手方向になるようにラミネートすることが好まし
い。
【0122】本発明で用いるレーザー露光機の画像記録
用レーザー光源としては、半導体レーザー、YAGレー
ザー、炭酸ガスレーザー、ヘリウムネオンレーザー等が
挙げられる。半導体レーザーの中では、光学効率を大幅
に低下させることなく焦点において1/e2直径が数〜
数十μmに絞り込み易いものとして、所謂シングルモー
ドレーザーダイオードを用いることが好ましい。レーザ
ー以外の光源としては、発光ダイオード(LED)が挙
げられる。複数の発光素子を集積したアレイとして使用
し易いものは、LED及び半導体レーザーである。本発
明においては、記録材料の露光波長における吸収が最も
大きくなるように設定した色を有するレーザー溶融熱転
写記録媒体を最初に画像記録することが好ましい。本発
明の属するレーザー熱転写記録では、熱転写記録媒体と
被記録媒体とを密着(例えば減圧密着)させて像様にレ
ーザー露光を行うが、吸収が大きいとレーザー露光時の
ガス(アブレーションの有無に関わらず発生)の発生量
が増大するため、転写性が劣化し易い。単色画像を繰り
返し記録して複数色を重ね合わせる場合には、ガスの発
生量の多い色から転写する方が露光時の密着性を向上
し、又、2色目以降の感度を安定化させるためにも好ま
しい。特に赤外域に吸収のあるブラックを先に転写する
ことが特に好ましい。
【0123】レーザーの走査方法としては、円筒外面走
査、円筒内面走査、平面走査などがある。円筒外面走査
では、記録材料を外面に巻き付けたドラムを回転させな
がらレーザー露光を行い、ドラムの回転を主走査とし、
レーザー光の移動を副走査とする。円筒内面走査では、
ドラムの内面に記録材料を固定し、レーザービームを内
側から照射し、光学系の一部又は全部を回転させること
により円周方向に主走査を行い、光学系の一部又は全部
をドラムの軸に平行に直線移動させることにより軸方向
に副走査を行う。平面走査では、ポリゴンミラーやガル
バノミラーとfθレンズ等を組み合わせてレーザー光の
主走査を行い、記録媒体の移動により副走査を行う。円
筒外面走査及び円筒内面走査の方が光学系の精度を高め
易く、高密度記録には適している。複数の発光素子を同
時に使用する、所謂マルチチャンネル露光の場合、円筒
外面走査が最も適している。又、露光出力の大きいYA
Gレーザーなどを用いる場合、円筒外面走査ではドラム
の回転数を大幅にアップすることが難しいので、円筒内
面走査が適している。
【0124】
【実施例】以下、実施例により本発明を説明するが、本
発明の実施態様はこれらに限定されない。尚、特に断り
ない限り、実施例中の「部」は「質量部」を、「%」は
「質量%」を表す。
【0125】比較例1 〈熱転写中間転写媒体の作製〉支持体1上に、下記条件
で熱軟化層、中間層及び受像層の各塗布液(それぞれ熱
軟化層塗布液1、中間層塗布液1及び受像層塗布液1)
を、順次ワイヤーバーにて塗布・乾燥して熱転写中間転
写媒体1を得た。
【0126】 熱軟化層:15g/m2,100℃・5分 中間層:1.5g/m2,80℃・1分 受像層:2.0g/m2,80℃・1分 (支持体1) V−PETフィルム(クリスパーG−1212 #100:東洋紡社製) (熱軟化層塗布液1) ポリエチレンラテックス 100部 (S3127:東邦化学社製 樹脂分35%)(Tg:<30℃、TMA軟化点 :65℃、引張強度14.71MPa、伸び250%、平均粒径80nm) (中間層塗布液1) ポリカーボネート(三菱瓦斯化学製:PCZ200) 13部 (Tg:141〜149℃、TMA軟化点:>200℃、引張強度69MPa、 伸び30%) メチルエチルケトン 30部 トルエン 57部 (受像層塗布液1) アクリル樹脂ラテックス 25部 (ヨドゾールA5801:日本NSC社製,樹脂分55%)[Tg:<30℃] 非造膜粒子(MX−40S−2:綜研化学社製)の25%水分散液 1.8部 弗素樹脂 4.2部 (ユニダインTG810:ダイキン工業社製,樹脂分15%) i−プロピルアルコール 6部 水 60部 〈画像の形成〉上記熱転写中間転写媒体と、下記転写フ
ィルム、露光機、ラミネータを用いて、まず熱転写中間
転写媒体に画像を形成、次いで最終記録媒体に画像を転
写した。
【0127】転写フィルム:カラーデシジョンII型転写
フィルム(CDII−1M:コニカ社製) 露光機:Color Decision II EV−l
aser ProoferII(コニカ社製)B2サイズ
仕様 ラミネータ:Color Decision II EV
−LaminatorII(コニカ社製) 最終記録媒体:以下の3種を使用。全てサイズはB2仕
様 アート紙:特菱アート(三菱製紙社製)127.9g/
2 マット紙:ニューエイジ(王子製紙社製)127.9g
/m2 上質紙:NPI上質(日本製紙社製)127.9g/m
2 《引張強度、伸び測定》ガラス版にキャスティングした
0.03mm厚のフィルムをダンベルNo.1で打ち抜
き、測定はJIS−K−6301に準拠 25℃、65
%RH環境で行った。
【0128】《Tg測定》JIS−K−7121に準拠
しDSC装置にて測定した。
【0129】《TMA測定》発明の詳細な説明の記載の
方法により、Thermoflex(理学電気社製)を
用いた。
【0130】比較例2 受像層塗布液1を下記受像層塗布液2に代えた以外は、
比較例1と同様にして熱転写中間転写媒体2を作製し、
比較例1と同様に画像形成を行った。
【0131】 (受像層塗布液2) アクリル樹脂 20部 (三菱レーヨン社製、ダイヤナールBR105:Tg=50℃) シリコーン粒子(東芝シリコーン社製、トスパールT−130) 0.1部 活性剤(大日本インク社製、F−178K) 0.05部 添加剤(住友化学社製、スミライザーGS) 0.05部 n−ブタノール 80部 比較例3 中間層塗布液1を下記中間層塗布液2に代えた以外は、
比較例2と同様にして熱転写中間転写媒体3を作製し、
比較例2と同様に画像形成を行った。
【0132】 (中間層塗布液2) ポリカーボネート(三菱瓦斯化学製:PCZ200) 11部 (Tg:141〜149℃、TMA軟化点:>200℃、引張強度69MPa、 伸び30%) PMMA粒子(MX−300:綜研化学社製) 2.0部 (コールカウンター法による体積1次平均粒径:3.05μm、標準偏差:0. 323μm) メチルエチルケトン 30部 トルエン 57部 実施例1 中間層塗布液1を下記中間層塗布液3、4に代えた以外
は、比較例1と同様にして熱転写中間転写媒体4、5を
作製し、比較例1と同様に画像形成を行った。
【0133】中間層塗布液2を下記中間層塗布液5に代
えた以外は、比較例3と同様にして熱転写中間転写媒体
6を作製し、比較例3と同様に画像形成を行った。
【0134】 (中間層塗布液3) ポリエチレンラテックス 52部 (S6211:東邦化学社製 樹脂分25%)(Tg:<30℃、TMA軟化点 :65℃、引張強度14.71MPa、伸び250%、平均粒径100nm) 水 87部 (中間層塗布液4) エチレン酢ビ共重合体 13部 (エバフレックス550:三井デュポンポリケミカル社製) (Tg:<30℃、TMA軟化点:70℃、引張強度17MPa、伸び700% ) トルエン 87部 (中間層塗布液5) ポリエチレンラテックス 42部 (S6211:東邦化学社製 樹脂分25%)(Tg:<30℃、TMA軟化点 :65℃、引張強度14.71MPa、伸び250%、平均粒径100nm) PMMA粒子(MX−300:綜研化学社製) 2.5部 (コールカウンター法による体積1次平均粒径:3.05μm、標準偏差:0. 323μm) 水 87部 得られた熱転写中間転写媒体1〜6について下記評価方
法により、感度、ベタ品質、転写定着性[アート/マッ
ト/上質]、細線再現性、光沢、ブロッキング、及び環
境依存性を評価し、結果を表1に示す。
【0135】評価方法 《感度》画像形成に用いたシステムで、焦点調整後、2
3℃・50%RHの環境下で書込み速度を変化して露光
し、特菱アートに2次転写した画像をルーペで観察し、
ベタ画像が均質になっている露光回転数(rpm)を以
て感度とした。露光回転数は数値が大きいほど感度が高
いこと、書き込み速度が速くなることを示している。
【0136】《光沢》特菱アートに転写し、紙と画像
部、非画像部の光沢差を確かめた。光沢は60−60度
での測定値で、測定方法はJISに準拠した。
【0137】特菱アートの光沢は37であった。 :画像部、非画像部、共に紙との光沢差が10%未満 △:画像部、非画像部、共に紙との光沢差が10〜20
% ×:画像部、非画像部の一方の紙との光沢差が20%を
超える。
【0138】《ベタ品質》適性感度で露光を行った後、
特菱アートに2次転写したベタ画像を目視及び100倍
ルーペで観察し、以下の基準で評価した。 ○:ルーペで覗いても露光ピッチムラが確認できない △:目視ではムラが確認できないが、ルーペで覗くとム
ラがある ×:目視でも露光ピッチムラが見える。
【0139】《細線、全面均一性》B2サイズの出力露
光機でのマゼンタインクを用い、最大サイズに1dot
ライン&スペース画像/ベタ画像を露光主走査方向に繰
り返す画像を用い、適正感度で露光を行った後、特菱ア
ートに2次転写した画像を目視及び100倍ルーペで観
察し、以下の基準で評価した。 ○:1dotラインが均一にはっきり再現されている △:再現性がやや不安定で、部分的に1dot線の抜け
を生じている ×:再現性が不安定で、全面的に1dot線の抜け部分
を生じている。ベタ部分も一部濃度が低下する部分があ
る。
【0140】《転写定着性》B2サイズの出力露光機で
の最大サイズにマゼンタ全面ベタ画像を適性感度で出力
した後、特菱アート、マット、上質紙に2次転写した画
像部/非画像部に、住友スリーエム社製「カバーアップ
テープ652」を貼り付け、剥がした状態を目視で観察
し、以下の基準に基づき評価した。 ○:画像部/非画像部共剥がれ無し △:画像部/非画像部の一部が剥がれる ×:画像部/非画像部共剥がれる。
【0141】《ブロッキング》各熱転写中間転写媒体に
対し、受像層と反対側の支持体面上に以下のバックコー
ト層塗布液を付量2.5g/m2となるようにBCを設
けた。100℃・1分で乾燥した。
【0142】 (バックコート層塗布液) ポリエステル樹脂(バイロン200:東洋紡社製) 9.0部 非造膜粒子(MX1000:総研化学社製) 0.3部 カーボンブラック(MHI−273:御国色素社製)18%MEK分散物 3.6部 シクロヘキサノン 40部 トルエン 20部 メチルエチルケトン 27.1部 このようにして得られたバックコート付き熱転写中間転
写媒体の受像面とバックコート面が接触する様に重ね合
わせ、4903Paとなるよう荷重を加え、55℃の環
境下で3日放置した。その後、室温に戻し、平坦な実験
台上でバックコート層側を剥離し、受像層の剥がれを目
視で観察、以下の基準で評価した。 ○:全く剥がれ無し △:一部が剥がれる ×:大部分が剥がれる。
【0143】《環境依存性》23℃・50%RHで設定
した適性露光条件で、露光環境を変化させて露光を行っ
た。環境としては以下の5環境で実施し、各々の50%
ドットゲインを測定し、環境違いでの最大ドットゲイン
を求め、以下の基準で評価した。
【0144】18℃・20%RH,18℃・80%R
H,23℃・50%RH,28℃・20%RH,28℃
・80%RH ○:最大ドットゲイン差2以内 △:最大ドットゲイン差3.5以内 ×:最大ドットゲイン差5以内。
【0145】
【表1】
【0146】表1から本発明の熱転写中間転写媒体は、
上質紙に対する転写性が明確に優れているばかりでな
く、高い感度、良好なベタ品質が得られている。また中
間層への非造膜粒子添加により光沢調整も可能であり、
ブロッキングもなく、環境依存性にも優れている。
【0147】実施例2 中間層塗布液5を下記中間層塗布液6〜11にした以外
は、実施例1と同様にして熱転写中間転写媒体7〜12
を作製し、実施例1と同様に画像形成を行った。
【0148】 (中間層塗布液6) ポリエチレンラテックス 23.4部 (S3127:東邦化学社製 樹脂分35%)(Tg:<30℃、TMA軟化点 :65℃、引張強度14.71MPa、伸び250%、平均粒径80nm) PMMA粒子(MX−300:綜研化学社製) 2.0部 (コールカウンター法による体積1次平均粒径:3.05μm、標準偏差:0. 323μm) アンチモンドープ酸化スズゾル 9.3部 (SN100D:石原産業社製 有効成分30%) 活性剤(FT251:ネオス社製 有効成分25%) 0.1部 水 87部 熱転写中間転写媒体7の表面Raは0.07μm、受像
面の19℃、RH30%での表面比抵抗値は1×1
12、残留溶剤量は10mg/m2であった。
【0149】 (中間層塗布液7) ポリエチレンラテックス 15.1部 (S3127:東邦化学社製 樹脂分35%)(Tg:<30℃、TMA軟化点 :65℃、引張強度14.71MPa、伸び250%、平均粒径80nm) PMMA粒子(MX−300:綜研化学社製) 2.0部 (コールカウンター法による体積1次平均粒径:3.05μm、標準偏差:0. 323μm) アンチモンドープ酸化スズゾル 19部 (SN100D:石原産業社製 有効成分30%) 活性剤(FT251:ネオス社製 有効成分25%) 0.1部 水 87部 熱転写中間転写媒体8の表面Raは0.11μm、受像
面の19℃、RH30%での表面比抵抗値は1×10
10.7、残留溶剤量は8mg/m2であった。
【0150】 (中間層塗布液8) ポリエチレンラテックス 7.7部 (S3127:東邦化学社製 樹脂分35%)(Tg:<30℃、TMA軟化点 :65℃、引張強度14.71MPa、伸び250%、平均粒径80nm) PMMA粒子(MX−300:綜研化学社製) 2.0部 (コールカウンター法による体積1次平均粒径:3.05μm、標準偏差:0. 323μm) アンチモンドープ酸化スズゾル 27.6部 (SN100D:石原産業社製 有効成分30%) 活性剤(FT251:ネオス社製 有効成分25%) 0.1部 水 87部 熱転写中間転写媒体9の表面Raは0.09μm、受像
面の19℃、RH30%での表面比抵抗値は1×10
9.5、残留溶剤量は10mg/m2であった。
【0151】 (中間層塗布液9) メチルセルロース(SM−15:信越化学社製) 8.2部 (Tg:150℃、TMA軟化点:<200℃、引張強度50.01MPa、伸 び14%) PMMA粒子(MX−300:綜研化学社製) 2.0部 (コールカウンター法による体積1次平均粒径:3.05μm、標準偏差:0. 323μm) アンチモンドープ酸化スズゾル 9.3部 (SN100D:石原産業社製 有効成分30%) 活性剤(FT251:ネオス社製 有効成分25%) 0.1部 水 87部 熱転写中間転写媒体10の表面Raは0.09μm、受
像面の19℃、RH30%での表面比抵抗値は1×10
12.6、残留溶剤量は10mg/m2であった。
【0152】 (中間層塗布液10) メチルセルロース(SM−15:信越化学社製) 5.3部 (Tg:150℃、TMA軟化点:<200℃、引張強度50.01MPa、伸 び14%) PMMA粒子(MX−300:綜研化学社製) 2.0部 (コールカウンター法による体積1次平均粒径:3.05μm、標準偏差:0. 323μm) アンチモンドープ酸化スズゾル 19部 (SN100D:石原産業社製 有効成分30%) 活性剤(FT251:ネオス社製 有効成分25%) 0.1部 水 87部 熱転写中間転写媒体11の表面Raは0.09μm、受
像面の19℃、RH30%での表面比抵抗値は1×10
11.5、残留溶剤量は10mg/m2であった。
【0153】 (中間層塗布液11) メチルセルロース(SM−15:信越化学社製) 2.7部 (Tg:150℃、TMA軟化点:<200℃、引張強度50.01MPa、伸 び14%) PMMA粒子(MX−300:綜研化学社製) 2.0部 (コールカウンター法による体積1次平均粒径:3.05μm、標準偏差:0. 323μm) アンチモンドープ酸化スズゾル 27.6部 (SN100D:石原産業社製 有効成分30%) 活性剤(FT251:ネオス社製 有効成分25%) 0.1部 水 87部 熱転写中間転写媒体12の表面Raは0.09μm、受
像面の19℃、RH30%での表面比抵抗値は1×10
10.2、残留溶剤量は10mg/m2であった。
【0154】得られた熱転写中間転写媒体7〜12につ
いて下記評価方法により、熱転写中間転写媒体仕上が
り、搬送性、剥離性、及び熱転写中間転写媒体保存性を
評価した。尚、転写定着性[アート/マット/上質]は
実施例1の評価方法により評価した。結果を表2に示
す。
【0155】評価方法 《熱転写中間転写媒体仕上がり》上記の乾燥条件で作製
した熱転写中間転写媒体を目視で評価した。 ○:問題なし △:1個/dm2未満:熱転写中間転写媒体にヒビ/皺
など異変が見える ×:1個/dm2以上:熱転写中間転写媒体にヒビ/皺
など異変が見える。
【0156】《剥離性》B2サイズの出力露光機での最
大サイズにマゼンタ全面ベタ画像を適性感度で出力した
後、特菱アートに2次転写し、剥離した画像を目視で観
察し、以下の基準で評価した。 ○:全面均一に転写できている ○△:剥離後端部で剥離ムラを生じる △:全面に剥離ムラを生じる ×:剥離できない。
【0157】《熱転写中間転写媒体保存性》バックコー
トを有する各熱転写中間転写媒体に対し、490Paの
荷重を付与し、熱転写中間転写媒体を55℃20%の環
境下に3日間保管し、保管前後の性能を評価した。 ○・・性能変動項目なし △・・1つの性能に変動が見られる ×・・複数の性能に変動が見られる。
【0158】《搬送性》19℃・30%RHの環境下で
1枚目を出力した後、2枚目以降が1枚目の上を滑って
引っ掛かることなく、きちんと搬送されるかを3段階評
価した。 ○:5枚連続出力で2枚目以降も全てきちんと搬送でき
た △:5枚連続出力で1枚だけ搬送できなかった ×:全て搬送不良を生じた。
【0159】
【表2】
【0160】表2から明らかなように、本発明の熱転写
中間転写媒体は、熱転写中間転写媒体の仕上がりも良好
で、良好な転写、定着性を得ることができる。またB2
等大版サイズで問題となる帯電による搬送不良に対して
も問題なく印刷物に近似した高品質なプルーフを提供で
きる。
【0161】
【発明の効果】本発明により、アート紙に転写した際の
光沢に優れ、従来より更に凹凸の大きな最終記録媒体に
も転写性良好で、かつ高感度でベタ品質、細線再現性の
良好な熱転写用中間転写媒体を安定に搬送でき且つ、保
存安定性、生産適性を高めた熱転写中間転写媒体及びそ
れを用いた画像形成方法を提供することができた。

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に、熱軟化層、中間層、受像層
    を有する熱転写中間転写媒体において、中間層のバイン
    ダーの引っ張り強度が0.3432〜98.07MP
    a、Tgが−150〜75℃、TMA軟化点が35〜1
    00℃であることを特徴とする熱転写中間転写媒体。
  2. 【請求項2】 中間層のバインダーの伸度が50〜30
    00%であることを特徴とする請求項1記載の熱転写中
    間転写媒体。
  3. 【請求項3】 支持体上に、熱軟化層、中間層、受像層
    を有する熱転写中間転写媒体において、中間層のバイン
    ダーの引っ張り強度が0.3432〜98.07MP
    a、Tgが−150〜75℃、TMA軟化点が35〜1
    00℃であり、かつ1次平均粒径1μm以下の自己造膜
    性微粒子を含有することを特徴とする熱転写中間転写媒
    体。
  4. 【請求項4】 支持体上に、熱軟化層、中間層、受像層
    を有する熱転写中間転写媒体において、中間層のバイン
    ダーの引っ張り強度が0.3432〜98.07MP
    a、Tgが−150〜75℃、TMA軟化点が35〜1
    00℃であり、かつ金属酸化物粒子を含有することを特
    徴とする熱転写中間転写媒体。
  5. 【請求項5】 中間層のバインダーがポリオレフィン系
    樹脂、フッ素系樹脂、シリコン系樹脂、ウレタン系樹脂
    から選ばれる少なくとも1種を主成分とすることを特徴
    とする請求項1〜4のいずれか1項記載の熱転写中間転
    写媒体。
  6. 【請求項6】 中間層の自己造膜性微粒子の1次粒径が
    0.5〜300nmであることを特徴とする請求項3〜
    5のいずれか1項記載の熱転写中間転写媒体。
  7. 【請求項7】 中間層の金属酸化物粒子が、酸化スズ、
    アンチモン酸亜鉛コロイド、酸化アンチモンから選ばれ
    る少なくとも1種を主成分としてなることを特徴とする
    請求項4〜6のいずれか1項記載の熱転写中間転写媒
    体。
  8. 【請求項8】 中間層が、非造膜性の粒子を含有してな
    ることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項記載の
    熱転写中間転写媒体。
  9. 【請求項9】 非造膜性粒子の平均粒径が1〜10μm
    であることを特徴とする請求項8記載の熱転写中間転写
    媒体。
  10. 【請求項10】 受像層表面の19℃、RH30%での
    表面比抵抗値が1×108〜1×1012であることを特
    徴とする請求項9記載の熱転写中間転写媒体。
  11. 【請求項11】 受像層のバインダーのTgが−150
    〜75℃、TMA軟化点が35〜100℃であることを
    特徴とする請求項10記載の熱転写中間転写媒体。
  12. 【請求項12】 請求項1〜11のいずれか1項記載の
    熱転写中間転写媒体に、熱溶融インク層を有するインク
    シートより熱によりインクを画像様に該熱転写中間転写
    媒体の受像層に転写して転写インク画像を作製し、更
    に、熱又は圧力の作用により該転写インク画像を有する
    受像層全層を最終記録媒体に再転写することを特徴とす
    る画像形成方法。
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