JP2019166689A - 中間転写媒体 - Google Patents

中間転写媒体 Download PDF

Info

Publication number
JP2019166689A
JP2019166689A JP2018055288A JP2018055288A JP2019166689A JP 2019166689 A JP2019166689 A JP 2019166689A JP 2018055288 A JP2018055288 A JP 2018055288A JP 2018055288 A JP2018055288 A JP 2018055288A JP 2019166689 A JP2019166689 A JP 2019166689A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
mass
resin
intermediate transfer
parts
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2018055288A
Other languages
English (en)
Other versions
JP7028007B2 (ja
Inventor
崎 悠 紀 岩
Yuki Iwasaki
崎 悠 紀 岩
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dai Nippon Printing Co Ltd filed Critical Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority to JP2018055288A priority Critical patent/JP7028007B2/ja
Publication of JP2019166689A publication Critical patent/JP2019166689A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7028007B2 publication Critical patent/JP7028007B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Thermal Transfer Or Thermal Recording In General (AREA)

Abstract

【課題】保護層に含まれる樹脂材料を低分子量化した場合であっても、高い情報漏洩防止性を有する中間転写媒体の提供。【解決手段】第1の態様における本発明の中間転写媒体は、基材及び離型層を備える非転写層と、保護層及び受容層を備える転写層と、を備え、離型層が、着色材及びウレタン樹脂を含み、非転写層のOD値が、0.2以上であることを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、中間転写媒体に関する。
従来、種々の熱転写記録方法が知られているが、近年、昇華性染料を含有する染料層を備える熱転写シートと、被転写体とを重ね合わせ、次いで、熱転写プリンタが備えるサーマルヘッドにより、熱転写シートを加熱することで、染料層中の昇華性染料を被転写体上に移行させ、画像形成を行う、昇華型熱転写方式が広く用いられている。
昇華型熱転写方式による画像形成は、被転写体の表面形状等によっては、困難となる場合があり、このような場合には、転写層を備える中間転写媒体を用いた画像形成が行われている。
中間転写媒体を用いた画像の形成は、熱転写シートを加熱し、熱転写シートが備える染料層中の昇華性染料を、中間転写媒体が備える転写層を構成する受容層に移行させ、画像形成を行った後、中間転写媒体を加熱し、転写層を被転写体上に転写させることにより行われる。また、このような中間転写媒体は、形成された画像の耐久性向上を目的として、転写層を構成する層として、保護層をさらに備える。
このような中間転写媒体には、転写層の転写時に、未転写部が発生しない高い転写性を有していることが求められ、例えば、保護層に含まれる樹脂材料を低分子量化することにより転写性を改善することが考えられる。
しかしながら、保護層に含まれる樹脂材料の低分子量化により、受容層上への画像形成時において、昇華性染料が転写層内に留まらず、基材等の非転写層まで到達してしまうおそれがあった。そのため、転写後の中間転写媒体から、形成した画像の内容を把握されるおそれがあり、情報漏洩防止性の観点から問題があった。
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、その解決しようとする課題は、保護層に含まれる樹脂材料を低分子量化した場合であっても、高い情報漏洩防止性を有する中間転写媒体を提供することである。
第1の態様における本発明の中間転写媒体は、基材及び離型層を備える非転写層と、保護層及び受容層を備える転写層と、を備え、離型層が、着色材及びウレタン樹脂を含み、非転写層のOD値が、0.2以上であることを特徴とする。
上記態様において、離型層における着色材の含有量は、5質量%以上70質量%以下であることが好ましい。
上記態様において、離型層におけるウレタン樹脂の含有量は、5質量%以上75質量%未満であることが好ましい。
上記態様において、離型層の厚さは、0.15μm以上20μm以下であることが好ましい。
上記態様において、非転写層は、基材と、離型層との間に、プライマー層を備えることが好ましい。
上記態様において、プライマー層は、ウレタン樹脂を含むことが好ましい。
上記態様において、保護層は、数平均分子量1500以上18000以下の樹脂材料を含むことが好ましい。
第2の態様における本発明の中間転写媒体は、基材、プライマー層及び離型層を備える非転写層と、保護層及び受容層を備える転写層と、を備え、プライマー層が、着色材を含み、離型層が、ウレタン樹脂を含み、非転写層のOD値が、0.2以上であることを特徴とする。
上記態様において、プライマー層における着色材の含有量は、10質量%以上70質量%以下であることが好ましい。
上記態様において、プライマー層の厚さは、0.05μm以上20μm以下であることが好ましい。
上記態様において、離型層におけるウレタン樹脂の含有量は、5質量%以上75質量%以下であることが好ましい。
上記態様において、プライマー層は、ウレタン樹脂を含むことが好ましい。
上記態様において、保護層は、数平均分子量1500以上18000以下の樹脂材料を含むことが好ましい。
本発明によれば、保護層に含まれる樹脂材料を低分子量化した場合であっても、高い情報漏洩防止性を有する中間転写媒体を提供することができる。
第1の態様における本発明の中間転写媒体を表す模式断面図である。 第1の態様における本発明の中間転写媒体を表す模式断面図である。 第1の態様における本発明の中間転写媒体を表す模式断面図である。 第2の態様における本発明の中間転写媒体を表す模式断面図である。 第2の態様における本発明の中間転写媒体を表す模式断面図である。
(第1の態様の中間転写媒体)
第1の態様において、本発明の中間転写媒体10は、図1に示すように、基材11及び着色材を含む離型層12を備える非転写層13と、保護層14及び受容層15を備える転写層16と、を備える。
また、一実施形態において、本発明の中間転写媒体10が備える転写層16は、図2に示すように、剥離層17をさらに備える。
さらに、一実施形態において、図3に示すように、本発明の中間転写媒体10が備える非転写層13は、基材11と、離型層12との間に、プライマー層18を備える。
以下、本発明の熱転写受像シートが備える各層について説明する。
(非転写層)
第1の態様において、非転写層は、基材及び離型層を少なくとも備える。また、一実施形態において、非転写層は、基材と、離型層との間に、プライマー層を備える。
非転写層の光学濃度(OD値)は、0.2以上であり、0.5以上であることがより好ましく、1以上であることがさらに好ましい。これにより、中間転写媒体の情報漏洩防止性を向上できる。
なお、本発明において、非転写層のOD値とは、本発明の中間転写媒体から、転写層を被転写体上へ転写した後の非転写層のOD値を指し、マクベス透過濃度計(Macbeth社製、TR−924)を用いて測定される。
(基材)
基材は、熱転写時に加えられる熱エネルギー(例えば、サーマルヘッドによる熱)に耐え得る耐熱性を有し、基材上に設けられる受容層等を支持できる機械的強度を有する。
基材として、例えば、上質紙、アート紙、コート紙、レジンコート紙、キャストコート紙、板紙、合成紙及び含浸紙等の紙基材やポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、1,4−ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレート、テレフタル酸−シクロヘキサンジメタノール−エチレングリコール共重合体等のエステル樹脂、ナイロン6及びナイロン6,6等のアミド樹脂、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)及びポリメチルペンテン等のポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体及びポリビニルピロリドン(PVP)等のビニル樹脂、ポリビニルアセトアセタール及びポリビニルブチラール等のビニルアセタール樹脂、ポリアクリレート、ポリメタアクリレート及びポリメチルメタアクリレート等の(メタ)アクリル樹脂、ポリイミド及びポリエーテルイミド等のイミド樹脂、セロファン、セルロースアセテート、ニトロセルロース、セルロースアセテートプロピオネート(CAP)及びセルロースアセテートブチレート(CAB)等のセルロース樹脂、ポリスチレン(PS)、カーボネート樹脂、並びにアイオノマー樹脂等から構成されるフィルム(以下、単に「樹脂フィルム」という。)を使用できる。該樹脂フィルムは、延伸フィルムであっても、未延伸フィルムであってもよいが、強度という観点からは、一軸方向又は二軸方向に延伸された延伸フィルムを使用することが好ましい。
なお、本発明において、「(メタ)アクリル」には「アクリル」と「メタクリル」の両方が包含される。
また、本発明において、「(メタ)アクリレート」には「アクリレート」と「メタクリレート」の両方が包含される。
また、上記した紙基材単独からなる積層体、樹脂フィルム単独からなる積層体、又は紙基材と樹脂フィルムとの積層体を基材として使用できる。
これら積層体は、ドライラミネーション法、ウェットラミネーション法及びエクストリュージョン法等を利用することにより作製できる。
基材の厚さは、特に限定されるものではなく、例えば、1μm以上300μm以下とすることができる。
(離型層)
第1の態様において、離型層は、着色材及びウレタン樹脂を含む。離型層が着色材及びウレタン樹脂を含むことにより、中間転写媒体の情報漏洩防止性を向上できると共に、基材への密着性を良好なものとすることができる。
離型層に含まれる着色材は、顔料であっても染料であってもよい。また、着色材の色は、特に限定されるものではないが、受容層上へ形成される画像と同じ色相を有するものであることが好ましい。これにより、中間転写媒体の情報漏洩防止性を向上できる。
着色材としては、例えば、カーボンブラック、グラファイト、チタン白、亜鉛華、コバルトブルーチタン黄、イソインドリノンイエロー、ハンザイエローA、キナクリドンレッド、パーマネントレッド4R、フタロシアニンブルー、インダスレンブルーRS、アニリンブラック、並びにアルミニウム及び真鍮等の金属粉末からなる金属顔料等が挙げられる。これらの中でも、情報漏洩防止性という観点からは、カーボンブラックが好ましい。離型層は、上記着色材を2種以上含むことができる。
一実施形態において、離型層における着色材の含有量は、5質量%以上70質量%以下であることが好ましく、10質量%以上69質量%以下であることがより好ましく、15質量%以上68質量%以下であることがさらに好ましく、25質量%以上65質量%以下であることが特に好ましい。これにより、中間転写媒体の情報漏洩防止性を向上できる。また、転写層が備える保護層や剥離層への色移りを防止できる。
離型層に含まれるウレタン樹脂は、2液硬化型ウレタン樹脂であっても、1液硬化型ウレタン樹脂であってもよい。
2液硬化型ウレタン樹脂は、ポリオールと、イソシアネート化合物との反応物である。
ポリオールとしては、分子中に2個以上の水酸基を有し、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、アクリルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリカーボネートポリオール及びポリウレタンポリオール等が挙げられる。
また、イソシアネート化合物としては、分子中に2個以上のイソシアネート基を有する多価イソシアネートが用いられ、例えば、2,4−トリレンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水素添加トリレンジイソシアネート及び水素添加ジフェニルメタンジイソシアネートネート等が挙げられる。離型層は、上記ウレタン樹脂を2種以上含むことができる。
第1の態様において、離型層におけるウレタン樹脂の含有量は、5質量%、75質量%以下であることが好ましく、10質量%以上65質量%以下であることがより好ましく、15質量%以上、50質量%以下であることがさらに好ましい。これにより、離型層の基材への密着性を維持しつつ、転写層が備える保護層や剥離層への色移りを防止できる。
一実施形態において、離型層は、ウレタン樹脂以外の樹脂材料を含むことができ、例えば、(メタ)アクリル樹脂、エステル樹脂、セルロース樹脂、ポリスチレン及びアクリロニトリルスチレン等のスチレン樹脂、アミド樹脂、ポリビニルアセトアセタール及びポリビニルブチラール等のビニルアセタール樹脂、並びにカーボネート樹脂等の樹脂材料を含む。これらの中でも、層間の密着力を調整することができるため、ビニルアセタール樹脂を含むことが好ましい。離型層は、上記樹脂材料を2種以上含むことができる。
離型層は、本発明の特性を損なわない範囲において、可塑材、充填材、紫外線安定化材、界面活性材、蛍光増白材、艶消し材、消臭材、難燃材、耐候材、帯電防止材、糸摩擦低減材、スリップ材、抗酸化材、イオン交換材、分散材及び紫外線吸収材等の添加材を含むことができる。
一実施形態において、離型層には、任意のパターン印刷が施されてなる。これにより、中間転写媒体の情報漏洩防止性をより向上できる。パターンとしては、特に限定されるものではなく、複数のラインからなるもの、複数の模様が一定間隔又はランダムな間隔を開けて配列したもの及び任意の文字が一定間隔又はランダムな間隔を開けて配列したもの等が挙げられる。
離型層の厚さは、0.15μm以上20μm以下であることが好ましく、0.5μm以上15μm以下であることがより好ましく、0.8μm以上10μm以下であることが特に好ましい。これにより、中間転写媒体の情報漏洩防止性を向上できる
離型層は、上記材料を水又は適当な溶媒へ分散又は溶解して、塗工液とし、これを、ロールコート法、リバースロールコート法、グラビアコート法、リバースグラビアコート法、バーコート法及びロッドコート法等の公知の手段により、基材の上に塗布して塗膜を形成させ、これを乾燥させることにより形成できる。
(プライマー層)
一実施形態において、プライマー層は、ウレタン樹脂、(メタ)アクリル樹脂、エステル樹脂、セルロース樹脂、ポリスチレン及びアクリロニトリルスチレン等のスチレン樹脂、アミド樹脂、ポリビニルアセトアセタールやポリビニルブチラール等のビニルアセタール樹脂及びカーボネート樹脂等の樹脂材料を含む。これらの中でも、基材と、離型層との密着性をより向上できるため、ウレタン樹脂を含むことが好ましい。プライマー層は、上記樹脂材料を2種以上含むことができる。
第1の態様において、プライマー層における樹脂材料の含有量は、特に限定されるものではないが、例えば、50質量%以上99質量%以下とすることができる。
本発明の特性を損なわない範囲において、プライマー層は、上記添加材を含むことができる。
一実施形態において、プライマー層には、任意のパターン印刷が施されてなる。これにより、中間転写媒体の情報漏洩防止性をより向上できる。パターンの具体例は上記した通りである。
プライマー層の厚さは、特に限定されるものではないが、例えば、0.5μm以上10μm以下とすることができる。
プライマー層は、上記材料を水又は適当な溶媒へ分散又は溶解して、塗工液とし、これを、ロールコート法、リバースロールコート法、グラビアコート法、リバースグラビアコート法、バーコート法及びロッドコート法等の公知の手段により、基材の上に塗布して塗膜を形成させ、これを乾燥させることにより形成できる。
(転写層)
第1の態様において、転写層は、保護層及び受容層を少なくとも備える。また、一実施形態において、転写層は、保護層下に剥離層をさらに備える。
(保護層)
一実施形態において、保護層は、(メタ)アクリル樹脂、エステル樹脂、セルロース樹脂、スチレン樹脂、アミド樹脂、ビニルアセタール樹脂、カーボネート樹脂、熱硬化性樹脂及び活性光線硬化樹脂等の樹脂材料を含む。これらの中でも、印画物の耐久性という観点から、エステル樹脂が好ましい。保護層は上記樹脂材料を2種以上含むことができる。
樹脂材料の数平均分子量(Mn)は、1500以上18000以下であることが好ましく、1500以上15000以下であることがより好ましい。樹脂材料のMnを上記数値範囲内とすることにより、転写層の転写性を向上できる。なお、Mnが20000や30000程度の樹脂材料も使用することができる。
なお、本発明において、Mnは、JIS K 7252−1(2008年)に準拠して、ゲルパーミエ−ションクロマトグラフィー(GPC)により、ポリスチレン換算にて得られた値である。
保護層は、本発明の特性を損なわない範囲において、上記添加材を含むことができる。
保護層の厚さは、0.1μm以上50μm以下であることが好ましく、0.5μm以上20μm以下であることがより好ましく、1μm以上10μm以下であることが特に好ましい。保護層の厚さを上記数値範囲とすることにより、保護層の耐久性を向上できると共に、転写層の転写性を良好なものとすることができる。
保護層は、上記材料を水又は適当な溶媒へ分散又は溶解して、塗工液とし、これを、ロールコート法、リバースロールコート法、グラビアコート法、リバースグラビアコート法、バーコート法及びロッドコート法等の公知の手段により、離型層又は剥離層の上に塗布して塗膜を形成させ、これを乾燥させることにより形成できる。
(受容層)
受容層は、熱転写シートが備える染料層から移行してくる昇華性染料を受容し、形成された画像を維持する層である。
受容層は、樹脂材料を含み、例えば、PE、PP等のポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルブチラール及びPVP、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のビニル樹脂、(メタ)アクリル樹脂、セロファン、セルロースアセテート、ニトロセルロース、CAP及びCAB等のセルロース樹脂、PET、PBT、PEN、1,4−ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート−イソフタレート共重合体及びテレフタル酸−シクロヘキサンジメタノール−エチレングリコール共重合体等のエステル樹脂、ナイロン6及びナイロン6,6等のアミド樹脂、カーボネート樹脂、スチレン樹脂、並びにウレタン樹脂等が挙げられる。受容層は、上記樹脂材料を2種以上含むことができる。
一実施形態において、受容層は、シリコーンオイルを含む。受容層がシリコーンオイルを含むことにより、画像形成時における熱転写シートと受容層との離型性を向上できる。
シリコーンオイルとしては、例えば、ジメチルシリコーンオイル及びメチルフェニルシリコーンオイル等のストレートシリコーンオイル、並びにアミノ変性シリコーンオイル、エポキシ変性シリコーンオイル、カルボキシ変性シリコーンオイル、メタクリル変性シリコーンオイル、メルカプト変性シリコーンオイル、カルビノール変性シリコーンオイル、フッ素変性シリコーンオイル、メチルスチリル変性シリコーンオイル、ポリエーテル変性シリコーンオイル等の変性シリコーンオイルが挙げられる。
上記した中でも、受容層の離型性をより向上させることができるため、変性シリコーンオイルが好ましい。変性シリコーンオイルには、片末端型、両末端型、側鎖片末端型及び側鎖両末端型の変性シリコーンオイルが含まれる。受容層は、上記シリコーンオイルを2種以上含むことができる。
受容層におけるシリコーンオイルの含有量は、0.1質量%以上10質量%以下であることが好ましく、1質量%以上5質量%以下であることがより好ましい。受容層におけるシリコーンオイルの含有量を上記数値範囲内とすることにより、画像形成時における熱転写シートと受容層との離型性をより向上できる。
受容層は、本発明の特性を損なわない範囲において、上記添加材を含むことができる。
受容層の厚さは、0.5μm以上20μm以下であることが好ましく、1μm以上10μm以下であることがより好ましい。受容層の厚さを上記数値範囲とすることにより、受容層の染料受容性を向上できる。
受容層は、上記材料を水又は適当な溶媒へ分散又は溶解して、塗工液とし、これを、ロールコート法、リバースロールコート法、グラビアコート法、リバースグラビアコート法、バーコート法及びロッドコート法等の公知の手段により、保護層の上に塗布して塗膜を形成させ、これを乾燥させることにより形成できる。
(剥離層)
一実施形態において、本発明の中間転写媒体が備える転写層は、保護層下に剥離層を備える。これにより、転写層の転写性を向上できる。
一実施形態において、剥離層は、樹脂材料を含み、例えば、(メタ)アクリル樹脂、セルロース樹脂、ビニル樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂及びフッ素樹脂等が挙げられる。
一実施形態において、剥離層は、ワックスを含み、例えば、蜜蝋、鯨蝋、木蝋、米ぬか蝋、カルナバワックス、キャンデリラワックス及びモンタンワックス等の天然ワックス、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、酸化ワックス、オゾケライト、セレシン、エステルワックス及びポリエチレンワックス等の合成ワックス、マルガリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、フロイン酸及びベヘニン酸等の高級飽和脂肪酸、ステアリルアルコール及びベヘニルアルコール等の高級飽和一価アルコール、ソルビタンの脂肪酸エステル等の高級エステル、ステアリン酸アミド並びにオレイン酸アミド等の高級脂肪酸アミド等が挙げられる。
また、剥離層は、シリコーン樹脂、シリコーン変性樹脂、フッ素樹脂、フッ素変性樹脂、ポリビニルアルコール等のビニル樹脂、(メタ)アクリル樹脂、熱架橋性エポキシ−アミノ樹脂及び熱架橋性アルキッド−アミノ樹脂等を含むことができる。剥離層は、上記した材料を2種以上含むことができる。
剥離層は、本発明の特性を損なわない範囲において、上記添加材を含むことができる。
剥離層の厚さは、0.1μm以上5.0μm以下であることが好ましく、0.2μm以上2.0μm以下であることがより好ましい。剥離層の厚さを上記数値範囲内とすることにより、転写層の転写性を向上できる。
剥離層の形成は、上記材料を水又は適当な溶媒へ分散又は溶解して、ロールコート法、リバースロールコート法、グラビアコート法、リバースグラビアコート法、バーコート法及びロッドコート法等の公知の手段により、離型層の上に塗布して塗膜を形成させ、これを乾燥させることにより形成できる。
(第2の態様の中間転写媒体)
第2の態様において、本発明の中間転写媒体20は、図4に示すように、基材21、着色材を含むプライマー層22及び離型層23を備える非転写層24と、保護層25及び受容層26を備える転写層27と、を備える。
第2の態様による中間転写媒体においては、着色材を含む層と、転写層とが隣接していないため、転写層への色移りが生じることなく、良好な印画物を作製することができる。
また、一実施形態において、本発明の中間転写媒体20が備える転写層27は、図5に示すように、剥離層28をさらに備える。
以下、本発明の熱転写受像シートが備える各層について説明する。
(非転写層)
第2の態様において、非転写層は、基材、プライマー層及び離型層を備える。
非転写層のOD値は、0.2以上であり、0.5以上であることがより好ましく、1以上であることがさらに好ましい。これにより、中間転写媒体の情報漏洩防止性を向上できる。
(基材)
基材を構成する材料や厚さ等については、第1の態様と同様であるため、ここでは記載を省略する。
(プライマー層)
第2の態様において、プライマー層は、着色材を含む。プライマー層に含まれる着色材は、顔料であっても染料であってもよい。また、着色材の色は、特に限定されるものではないが、受容層上へ形成される画像と同じ色相を有するものであることが好ましい。これにより、中間転写媒体の情報漏洩防止性を向上できる。
着色材としては、例えば、カーボンブラック、グラファイト、チタン白、亜鉛華、コバルトブルーチタン黄、イソインドリノンイエロー、ハンザイエローA、キナクリドンレッド、パーマネントレッド4R、フタロシアニンブルー、インダスレンブルーRS、アニリンブラック、並びにアルミニウム及び真鍮等の金属粉末からなる金属顔料等が挙げられる。プライマー層は、上記着色材を2種以上含むことができる。
プライマー層における着色材の含有量は、10質量%以上70質量%以下であることが好ましく、15質量%以上68質量%以下であることがより好ましく、25質量%以上65質量%以下であることがさらに好ましい。これにより、中間転写媒体の情報漏洩防止性を向上できる。
一実施形態において、プライマー層は、ウレタン樹脂、(メタ)アクリル樹脂、エステル樹脂、セルロース樹脂、ポリスチレン及びアクリロニトリルスチレン等のスチレン樹脂、アミド樹脂、ポリビニルアセトアセタールやポリビニルブチラール等のビニルアセタール樹脂及びカーボネート樹脂等の樹脂材料を含む。これらの中でも、基材と、離型層との密着性をより向上できるため、ウレタン樹脂を含むことが好ましい。プライマー層は、上記樹脂材料を2種以上含むことができる。
第2の態様において、プライマー層における樹脂材料の含有量は、5質量%以上90質量%以下であることが好ましく、10質量%以上80質量%以下であることがより好ましく、15質量%以上75質量%以下であることがさらに好ましい。これにより、基材と、離型層との密着性及び中間転写媒体の情報漏洩防止性を向上できる。
本発明の特性を損なわない範囲において、プライマー層は、上記添加材を含むことができる。
一実施形態において、プライマー層には、任意のパターン印刷が施されてなる。これにより、中間転写媒体の情報漏洩防止性をより向上できる。パターンの具体例は上記した通りである。
プライマー層の厚さは、0.05μm以上20μm以下であることが好ましく、0.8μm以上15μm以下であることがより好ましい。これにより、中間転写媒体の情報漏洩防止性をより向上できる。
プライマー層は、上記材料を水又は適当な溶媒へ分散又は溶解して、塗工液とし、これを、ロールコート法、リバースロールコート法、グラビアコート法、リバースグラビアコート法、バーコート法及びロッドコート法等の公知の手段により、基材の上に塗布して塗膜を形成させ、これを乾燥させることにより形成できる。
(離型層)
第2の態様において、離型層は、ウレタン樹脂を含む。ウレタン樹脂については、上記した通りである。離型層がウレタン樹脂を含むことにより、基材への密着性を良好なものとすることができる。
第2の態様において、離型層におけるウレタン樹脂の含有量は、5質量%、75質量%以下であることが好ましく、10質量%以上70質量%以下であることがより好ましい。これにより、離型層の基材への密着性及び中間転写媒体の転写性を良好なものとすることができる。
一実施形態において、離型層は、ウレタン樹脂以外の樹脂材料を含むことができ、例えば、(メタ)アクリル樹脂、エステル樹脂、セルロース樹脂、ポリスチレン及びアクリロニトリルスチレン等のスチレン樹脂、アミド樹脂、ポリビニルアセトアセタールやポリビニルブチラール等のビニルアセタール樹脂及びカーボネート樹脂等の樹脂材料を含む。
これらの中でも、層間の密着力を調整することができるため、ビニルアセタール樹脂を含むことが好ましい。
離型層は、上記樹脂材料を2種以上含むことができる。
第2の態様において、離型層は、着色材を含むことができるが、その含有量は、10質量%未満であることが好ましく、5質量%未満であることがより好ましく、離型層が着色材を含有しないことが特に好ましい。これにより、転写層が備える保護層や剥離層への色移りを防止できる。
離型層は、本発明の特性を損なわない範囲において、上記添加材を含むことができる。
一実施形態において、離型層には、任意のパターン印刷が施されてなる。これにより、中間転写媒体の情報漏洩防止性をより向上できる。パターンの具体例は上記した通りである。
離型層の厚さは、0.05μm以上20μm以下であることが好ましく、1μm以上15μm以下であることがより好ましい。
(転写層)
第2の態様において、転写層は、保護層及び受容層を少なくとも備える。また、一実施形態において、転写層は、保護層下に剥離層をさらに備える。
(保護層)
保護層を構成する材料や厚さ等については、第1の態様と同様であるため、ここでは記載を省略する。
(受容層)
受容層を構成する材料や厚さ等については、第1の態様と同様であるため、ここでは記載を省略する。
(剥離層)
剥離層を構成する材料や厚さ等については、第1の態様と同様であるため、ここでは記載を省略する。
なお、本願明細書では、各層を構成する樹脂等について、例示的に記載をしているが、これらの樹脂は、各樹脂を構成するモノマーの単独重合体であってもよく、各樹脂を構成する主成分のモノマーと、1つ或いは複数の他のモノマーとの共重合体、或いはその誘導体であってもよい。例えば、アクリル樹脂と言う場合には、アクリル酸、又はメタクリル酸のモノマーや、アクリル酸エステル、又はメタクリル酸エステルのモノマーを主成分として含んでいればよい。また、これらの樹脂の変性物であってもよい。また、本願明細書に記載されている以外の樹脂を用いてもよい。
次に実施例を挙げて、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は、これら実施例に限定されるものではない。
実施例1
基材として、厚さ12μmのPETフィルムを準備した。該PETフィルムの一方の面に、下記組成のプライマー層形成用塗工液を塗布、乾燥させ、厚さ1μmのプライマー層を形成した。
<プライマー層形成用塗工液>
・ウレタン樹脂 18質量部
(DIC(株)製、ハイドラン(登録商標)AP−40N)
・水 75質量部
・イソプロパノール(IPA) 25質量部
プライマー層上に、下記組成の離型層形成用塗工液を塗布、乾燥させ、厚さ1μmの離型層を形成した。
<離型層形成用塗工液>
・ウレタン樹脂 18質量部
・ポリビニルアセトアセタール 42質量部
(積水化学工業(株)製、エスレック(登録商標)KS−5)
・カーボンブラック 40質量部
・トルエン 150質量部
・IPA 150質量部
離型層上に、下記組成の剥離層形成用塗工液を塗布、乾燥させ、厚さ1μmの剥離層を形成した。
<剥離層形成用塗工液>
・(メタ)アクリル樹脂 95質量部
(三菱ケミカル(株)製、ダイヤナール(登録商標)BR−87)
・エステル樹脂 5質量部
(東洋紡(株)製、バイロン(登録商標)200)
・トルエン 200質量部
・メチルエチルケトン(MEK) 200質量部
剥離層上に、下記組成の保護層形成用塗工液を塗布、乾燥させ、厚さ2μmの保護層を形成した。
<保護層形成用塗工液>
・エステル樹脂 20質量部
(ユニチカ(株)製、エリーテル(登録商標)UE−3320、Mn1800)
・トルエン 40質量部
・MEK 40質量部
保護層上に、下記組成の受容層形成用塗工液を塗布、乾燥させ、厚さ1.0μmの受容層を形成し、基材、プライマー層、離型層を備える非転写層と、剥離層、保護層、受容層を備える転写層とを積層した中間転写媒体を得た。
<受容層形成用塗工液>
・塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 95質量部
(日信化学工業(株)製、ソルバイン(登録商標)CNL)
・エポキシ変性シリコーンオイル 5質量部
(信越化学工業(株)製、KP−1800U)
・トルエン 200質量部
・MEK 200質量部
実施例2
離型層形成用塗工液の組成を下記のように変更した以外は、実施例1と同様にして、中間転写媒体を得た。
<離型層形成用塗工液>
・ウレタン樹脂 18質量部
・ポリビニルアセトアセタール 72質量部
(積水化学工業(株)製、エスレック(登録商標)KS−5)
・カーボンブラック 10質量部
・トルエン 150質量部
・IPA 150質量部
実施例3
離型層形成用塗工液の組成を下記のように変更した以外は、実施例1と同様にして、中間転写媒体を得た。
<離型層形成用塗工液>
・ウレタン樹脂 18質量部
・ポリビニルアセトアセタール 17質量部
(積水化学工業(株)製、エスレック(登録商標)KS−5)
・カーボンブラック 65質量部
・トルエン 150質量部
・IPA 150質量部
実施例4
離型層形成用塗工液の組成を下記のように変更した以外は、実施例1と同様にして、中間転写媒体を得た。
<離型層形成用塗工液>
・ウレタン樹脂 40質量部
・ポリビニルアセトアセタール 20質量部
(積水化学工業(株)製、エスレック(登録商標)KS−5)
・カーボンブラック 40質量部
・トルエン 150質量部
・IPA 150質量部
実施例5
離型層形成用塗工液の組成を下記のように変更した以外は、実施例1と同様にして、中間転写媒体を得た。
<離型層形成用塗工液>
・ウレタン樹脂 63.6質量部
・ポリビニルアセトアセタール 27.3質量部
(積水化学工業(株)製、エスレック(登録商標)KS−5)
・カーボンブラック 9.1質量部
・トルエン 150質量部
・IPA 150質量部
実施例6
プライマー層形成用塗工液の組成を下記のように変更した以外は、実施例1と同様にして、中間転写媒体を得た。
<プライマー層形成用塗工液>
・エステル樹脂 60質量部
(東洋紡(株)製、バイロン(登録商標)200)
・トルエン 150質量部
・IPA 150質量部
実施例7
離型層の厚さを0.1μmに変更した以外は、実施例1と同様にして、中間転写媒体を得た。
実施例8
プライマー層形成用塗工液および離型層形成用塗工液の組成を下記のように変更した以外は、実施例1と同様にして、中間転写媒体を得た。
<プライマー層形成用塗工液>
・ウレタン樹脂 60質量部
(DIC(株)製、ハイドラン(登録商標)AP−40N)
・カーボンブラック 40質量部
・水 75質量部
・IPA 25質量部
<離型層形成用塗工液>
・ウレタン樹脂 18質量部
・ポリビニルアセトアセタール 42質量部
(積水化学工業(株)製、エスレック(登録商標)KS−5)
・トルエン 150質量部
・IPA 150質量部
比較例1
基材として、厚さ12μmのPETフィルムを準備した。該PETフィルムの一方の面に、下記組成の剥離層形成用塗工液を塗布、乾燥させ、厚さ1μmの剥離層を形成した。
<剥離層形成用塗工液>
・(メタ)アクリル樹脂 95質量部
(三菱ケミカル(株)製、ダイヤナール(登録商標)BR−87)
・エステル樹脂 5質量部
(東洋紡(株)製、バイロン(登録商標)200)
・トルエン 200質量部
・MEK 200質量部
剥離層上に、下記組成の保護層形成用塗工液を塗布、乾燥させ、厚さ2μmの保護層を形成した。
<保護層形成用塗工液>
・エステル樹脂 20質量部
(ユニチカ(株)製、エリーテル(登録商標)UE−3320)
・トルエン 40質量部
・MEK 40質量部
保護層上に、下記組成の受容層形成用塗工液を塗布、乾燥させ、厚さ1μmの受容層を形成し、非転写層(基材)と、剥離層、保護層、受容層を備える転写層とを積層した中間転写媒体を得た。
<受容層形成用塗工液>
・塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 95質量部
(日信化学工業(株)製、ソルバイン(登録商標)CNL)
・エポキシ変性シリコーンオイル 5質量部
(信越化学工業(株)製、KP−1800U)
・トルエン 200質量部
・MEK 200質量部
比較例2
離型層形成用塗工液の組成を下記のように変更した以外は、実施例1と同様にして、中間転写媒体を得た。
<離型層形成用塗工液>
・ウレタン樹脂 18質量部
・ポリビニルアセトアセタール 42質量部
(積水化学工業(株)製、エスレック(登録商標)KS−5)
・カーボンブラック 1質量部
・トルエン 150質量部
・IPA 150質量部
比較例3
保護層形成用塗工液の組成を下記のように変更した以外は、実施例1と同様にして、中間転写媒体を得た。
<保護層形成用塗工液>
・エステル樹脂 20質量部
(東洋紡(株)製、バイロン(登録商標)290、Mn22000)
・トルエン 40質量部
・MEK 40質量部
比較例4
離型層形成用塗工液の組成を下記のように変更した以外は、実施例8と同様にして、中間転写媒体を得た。
<離型層形成用塗工液>
・エステル樹脂 60質量部
(東洋紡(株)製、バイロン(登録商標)200)
・トルエン 150質量部
・IPA 150質量部
<<情報漏洩防止性評価>>
上記実施例及び比較例において得られた中間転写媒体、下記のようにして作製した熱転写シート及び下記熱転写プリンタを準備した。
次いで、熱転写シートを熱転写プリンタが備えるサーマルヘッドにより加熱し、中間転写媒体が備える受容層上に、黒ベタ画像(0/255画像階調)を形成した。
画像形成後、ラミネーターにより、中間転写媒体が備える転写層を、大日本印刷(株)製のポリ塩化ビニル製カード(以下、PVCカードという。)上に転写し、印画物を得た。転写温度は、175℃とした。
印画物作製後、中間転写媒体の非転写層を目視により観察し、下記評価基準に従い、その情報漏洩防止性を評価した。評価結果を表1にまとめた。なお、比較例4は、転写層を転写することができなかったため、評価することができなかった。
(評価基準)
A:非転写層から、受容層上に形成した画像を全く把握できなかった。
B:非転写層から、受容層上に形成した画像を一部把握できたが、完全に把握することはできなかった。
NG:非転写層から、受容層上に形成した画像を把握できた。
(熱転写プリンタ)
サーマルヘッド:KEEP−57−12GAN2−STA(京セラ(株)製)
発熱体平均抵抗値:3303Ω
主走査方向印字密度:300dpi
副走査方向印字密度:300dpi
印画電圧:18V
ライン周期:2.0msec./line
印字開始温度:35℃
パルスDuty比:85%
(熱転写シートの作製)
基材として、厚さ4.5μmのPETフィルムを準備した。該PETフィルムの一方の面に、下記組成の背面層形成用塗工液を、乾燥時における厚みが、0.8μmとなるように塗布し、乾燥させ、背面層を形成した。
<背面層形成用塗工液>
・ポリビニルブチラール 2質量部
(積水化学工業(株)製、エスレック(登録商標)BX−1)
・イソシアネート化合物 9.2質量部
(DIC(株)製、バーノック(登録商標)D750)
・リン酸エステル界面活性材 1.3質量部
(第一工業製薬(株)製、プライサーフ(登録商標)A208)
・タルク 0.3質量部
(日本タルク工業(株)製、ミクロエース(登録商標)P−3)
・トルエン 43.6質量部
・MEK 43.6質量部
PETフィルムの他方の面に、下記組成のイエロー染料層形成用塗工液、マゼンタ染料層形成用塗工液、シアン染料層形成用塗工液を、それぞれ、乾燥時における厚みが、0.6μmとなるように、面順次に塗布し、乾燥させ、染料層を形成し、熱転写シートを得た。
<イエロー染料層形成用塗工液>
・下記化学式(1)で表されるイエロー染料 7質量部
・ポリビニルアセトアセタール 1.8質量部
(積水化学工業(株)製、エスレック(登録商標)KS−5)
・ポリビニルブチラール 0.9質量部
(積水化学工業(株)製、エスレック(登録商標)BH−S)
・セルロース樹脂 0.3質量部
(日新化成(株)製、エトセルSTD45)
・シリコーン 0.06質量部
(信越化学工業(株)製、X−22−3939)
・トルエン 45質量部
・MEK 45質量部
<マゼンタ染料層形成用塗工液>
・下記化学式(2)で表されるマゼンタ染料 7質量部
・ポリビニルアセトアセタール 1.8質量部
(積水化学工業(株)製、エスレック(登録商標)KS−5)
・ポリビニルブチラール 0.9質量部
(積水化学工業(株)製、エスレック(登録商標)BH−S)
・セルロース樹脂 0.3質量部
(日新化成(株)製、エトセルSTD45)
・シリコーン 0.12質量部
(信越化学工業(株)製、X−22−3939)
・トルエン 45質量部
・MEK 45質量部

<シアン染料層形成用塗工液>
・下記化学式(3)で表されるシアン染料 7質量部
・ポリビニルアセトアセタール 1.8質量部
(積水化学工業(株)製、エスレック(登録商標)KS−5)
・ポリビニルブチラール 0.9質量部
(積水化学工業(株)製、エスレック(登録商標)BH−S)
・セルロース樹脂 0.3質量部
(日新化成(株)製、エトセルSTD45)
・シリコーン 0.06質量部
(信越化学工業(株)製、X−22−3939)
・トルエン 45質量部
・MEK 45質量部
<<OD値測定>>
上記のようにして、転写層を転写後の中間転写媒体(非転写層)のOD値をマクベス透過濃度計(Macbeth社製、TR−924)により測定し、表1にまとめた。
<<転写性評価>>
上記のようにして、PVCカード上に転写した転写層を目視により観察し、下記評価基準に従い、その転写性を評価した。評価結果を表1にまとめた。
(評価基準)
A:転写層の尾引きの発生が確認できなかった。
B:転写層に尾引きが発生したが、実用上問題無かった。
NG:転写層が非転写層から剥離せず、転写できなかった。
<<色移り防止性評価>>
上記のようにして、PVCカード上に転写した転写層を目視により観察し、下記評価基準に従い、色移り防止性を評価した。評価結果を表1にまとめた。なお、比較例1及び3の中間転写媒体は、離型層及びプライマー層を備えないため、評価しなかった。また、比較例4は転写層を転写することができなかったため、評価できなかった。
(評価基準)
A:非転写層が備える、着色された離型層又はプライマー層から、転写層への色移りが観察されなかった。
B:着色された離型層又はプライマー層から、転写層への色移りが全体の5%未満の領域で観察された。
C:着色された離型層又はプライマー層から、転写層への色移りが全体の5%以上20%以下の領域で観察された。
NG:着色された離型層又はプライマー層から、転写層への色移りが20%以上の領域で観察された。
10:中間転写媒体、11:基材、12:離型層、13:非転写層、14:保護層、15:受容層、16:転写層、17:剥離層、18:プライマー層、20:中間転写媒体、21:基材、22:プライマー層、23:離型層、24:非転写層、25:保護層、26:受容層、27:転写層、28:剥離層

Claims (13)

  1. 基材及び離型層を備える非転写層と、保護層及び受容層を備える転写層と、を備え、
    前記離型層が、着色材及びウレタン樹脂を含み、
    前記非転写層のOD値が、0.2以上であることを特徴とする、中間転写媒体。
  2. 前記離型層における着色材の含有量が、5質量%以上70質量%以下である、請求項1に記載の中間転写媒体。
  3. 前記離型層におけるウレタン樹脂の含有量が、5質量%以上75質量%以下である、請求項1又は2に記載の中間転写媒体。
  4. 前記離型層の厚さが、0.15μm以上20μm以下である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の中間転写媒体。
  5. 前記非転写層が、前記基材と、前記離型層との間に、プライマー層を備える、請求項1〜4のいずれか一項に記載の中間転写媒体。
  6. 前記プライマー層が、ウレタン樹脂を含む、請求項5に記載の中間転写媒体。
  7. 前記保護層が、数平均分子量1500以上18000以下の樹脂材料を含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載の中間転写媒体。
  8. 基材、プライマー層及び離型層を備える非転写層と、保護層及び受容層を備える転写層と、を備え、
    前記プライマー層が、着色材を含み、
    前記離型層が、ウレタン樹脂を含み、
    前記非転写層のOD値が、0.2以上であることを特徴とする、中間転写媒体。
  9. 前記プライマー層における着色材の含有量が、10質量%以上70質量%以下である、請求項8に記載の中間転写媒体。
  10. 前記プライマー層の厚さが、0.05μm以上20μm以下である、請求項8又は9に記載の中間転写媒体。
  11. 前記離型層におけるウレタン樹脂の含有量が、5質量%以上75質量%以下である、請求項8〜10のいずれか一項に記載の中間転写媒体。
  12. 前記プライマー層が、ウレタン樹脂を含む、請求項8〜11のいずれか一項に記載の中間転写媒体。
  13. 前記保護層が、数平均分子量1500以上18000以下の樹脂材料を含む、請求項8〜12のいずれか一項に記載の中間転写媒体。
JP2018055288A 2018-03-22 2018-03-22 中間転写媒体 Active JP7028007B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018055288A JP7028007B2 (ja) 2018-03-22 2018-03-22 中間転写媒体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018055288A JP7028007B2 (ja) 2018-03-22 2018-03-22 中間転写媒体

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2019166689A true JP2019166689A (ja) 2019-10-03
JP7028007B2 JP7028007B2 (ja) 2022-03-02

Family

ID=68107964

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018055288A Active JP7028007B2 (ja) 2018-03-22 2018-03-22 中間転写媒体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7028007B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPWO2021157649A1 (ja) * 2020-02-05 2021-08-12

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002274060A (ja) * 2001-03-16 2002-09-25 Dainippon Printing Co Ltd 中間転写記録媒体及びその製造方法と画像形成方法
JP2002307830A (ja) * 2001-04-16 2002-10-23 Dainippon Printing Co Ltd 中間転写記録媒体及び画像形成方法
JP2003285566A (ja) * 2002-03-28 2003-10-07 Konica Corp 熱転写中間転写媒体及びそれを用いた画像形成方法
JP2007083472A (ja) * 2005-09-21 2007-04-05 Dainippon Printing Co Ltd 中間転写記録媒体と、これを用いた印画物の形成方法及び印画物
JP2009160765A (ja) * 2007-12-28 2009-07-23 Dainippon Printing Co Ltd 画像形成物の製造方法

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002274060A (ja) * 2001-03-16 2002-09-25 Dainippon Printing Co Ltd 中間転写記録媒体及びその製造方法と画像形成方法
JP2002307830A (ja) * 2001-04-16 2002-10-23 Dainippon Printing Co Ltd 中間転写記録媒体及び画像形成方法
JP2003285566A (ja) * 2002-03-28 2003-10-07 Konica Corp 熱転写中間転写媒体及びそれを用いた画像形成方法
JP2007083472A (ja) * 2005-09-21 2007-04-05 Dainippon Printing Co Ltd 中間転写記録媒体と、これを用いた印画物の形成方法及び印画物
JP2009160765A (ja) * 2007-12-28 2009-07-23 Dainippon Printing Co Ltd 画像形成物の製造方法

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPWO2021157649A1 (ja) * 2020-02-05 2021-08-12
WO2021157649A1 (ja) * 2020-02-05 2021-08-12 大日本印刷株式会社 離型部材一体型画像形成用シート、加飾品及びそれらの製造方法
JP2022116106A (ja) * 2020-02-05 2022-08-09 大日本印刷株式会社 離型部材一体型画像形成用シート、離型部材一体型画像シート、画像シートの製造方法、加飾品、及び加飾品の製造方法
JP7120472B2 (ja) 2020-02-05 2022-08-17 大日本印刷株式会社 離型部材一体型画像形成用シート、加飾品及びそれらの製造方法
JP7331987B2 (ja) 2020-02-05 2023-08-23 大日本印刷株式会社 離型部材一体型画像形成用シート、離型部材一体型画像シート、画像シートの製造方法、加飾品、及び加飾品の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP7028007B2 (ja) 2022-03-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US9889694B2 (en) Support for thermal transfer image-receiving sheet, thermal transfer image-receiving sheet, and producing method therefor
JP2009083146A (ja) 熱転写シート及び画像形成方法
JP2012006342A (ja) 熱転写シート
US6998213B2 (en) Thermal transfer film, thermal transfer recording medium, and method for image formation using the same
US8236728B2 (en) Heat-sensitive transfer sheet
EP2030800B1 (en) Heat-sensitive transfer image-receiving sheet, image-forming method and image prints
WO2016167351A1 (ja) 熱転写シート、熱転写受像シート、印画物の形成方法、及び印画物
JP7028007B2 (ja) 中間転写媒体
JP7209239B2 (ja) 熱転写シート、熱転写シートと中間転写媒体との組合せ、及び印画物の製造方法
JP6834404B2 (ja) 熱転写記録材料
JP5839254B2 (ja) 熱転写シート
JP4882982B2 (ja) 熱転写シート
JP7200609B2 (ja) 熱転写シート
JP6828848B2 (ja) 熱転写シート、中間転写媒体と熱転写シートの組合せ、及び印画物の製造方法
JP6930346B2 (ja) 熱転写シート及びこれを用いた印画物の製造方法
JP6924428B1 (ja) 熱転写シートと中間転写媒体との組合せ、及び該組合せを用いた印画物の製造方法
JP7183851B2 (ja) 熱転写シートと中間転写媒体との組合せ、及びこれを用いて作製される印画物
JP2019064033A (ja) 熱転写受像シートと熱転写シートとの組み合わせ
JP2018171840A (ja) 熱転写受像シート、熱転写シート、受容層用塗工液、熱転写受像シートの形成方法、及び印画物の形成方法
JP7209211B2 (ja) 熱転写シート
JP7421750B2 (ja) 熱転写シート、及び該熱転写シートと、中間転写媒体との組合せ
JP7360614B2 (ja) 熱転写シート、該熱転写シートを用いて製造した印画物及び印画物の製造方法
JP7093511B2 (ja) 熱転写シート、該熱転写シートと中間転写媒体との組み合わせ、ピールオフ方法、及び印画物の製造方法
JP2022043878A (ja) 熱転写シート
US9944105B2 (en) Image forming method

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20210126

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20211223

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20220118

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20220131

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7028007

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150