JP2003282865A - サイリスタ - Google Patents

サイリスタ

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JP2003282865A
JP2003282865A JP2002087282A JP2002087282A JP2003282865A JP 2003282865 A JP2003282865 A JP 2003282865A JP 2002087282 A JP2002087282 A JP 2002087282A JP 2002087282 A JP2002087282 A JP 2002087282A JP 2003282865 A JP2003282865 A JP 2003282865A
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JP
Japan
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conductive region
type
semiconductor substrate
thyristor
hole
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Application number
JP2002087282A
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English (en)
Inventor
Takeshi Sato
武史 佐藤
Masaaki Tomita
昌明 冨田
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Shindengen Electric Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Shindengen Electric Manufacturing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ショートエミッタ構造を有するサイリスタの
逆方向電圧サージや逆方向電流サージの侵入に対する耐
量を向上させること。 【解決手段】 P型の半導体基板100に第1N型導電
領域2、第2N型導電領域3、第1P型導電領域4を形
成する。また、第1P型導電領域4を貫通する孔状導電
領域31を形成する。ここで、第2N型導電領域内に第
2P型導電領域41を、平面的に見て孔状導電領域31
と重なるか或いは包含するように配置する。この構造に
よって、逆方向電圧サージ或いは逆方向電流サージが侵
入しても、負性特性を示し易くなって電圧が低下し易い
ため耐量低下に繋がる過剰な発熱を抑制出来、信頼性の
向上を図ることが出来るようになる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する分野】本発明は、突発的な異常電圧が印
加されるかまたは異常電流が流れ易い環境で使用される
サイリスタ、或いは異常電圧又は異常電流から電子回路
系を保護するサージ防護素子等に用いるサイリスタに関
するものである。
【0002】
【従来の技術】サイリスタは、スイッチング素子として
調光器や電動機の制御回路の電子部品として、或いは電
話回線などの通信回線に発生した異常電圧や異常電流か
ら電子回路を保護するサージ防護素子として、電子機器
やその保護のために幅広く用いられている。
【0003】図2は、従来技術に係るサイリスタを示す
断面図である。図2において、1は半導体基板導電領
域、2は第1N型導電領域、3は第2N型導電領域、4
は第1P型導電領域、10は第1電極、11は第2電
極、51はPNPN構造、100は半導体基板である。
【0004】半導体基板100は、P型の導電型を有す
るものである。第1N型導電領域2と第2N型導電領域
3は、半導体基板100内部に不純物拡散によって形成
されたN型の導電型を有するものである。第1P型導電
領域4は、半導体基板100内部に不純物拡散によって
形成されたP型の導電型を有するものである。第1電極
10と第2電極11は、半導体基板100の両主面に形
成された電極である。ここで、電極10は、第1P型導
電領域4と電気的に接続される。また、第2電極11
は、第2N型導電領域3と電気的に接続されるが、ゲー
ト電極は図中では省略してある。
【0005】前記したサイリスタにおいて、半導体基板
100の第1N型導電領域2を設けた面の側(以下、上
面側とする。これ以降に説明する他のサイリスタについ
ても、半導体基板100の第1N型導電領域2を設けた
面の側を上面側とする。)を、第2N型導電領域3を設
けた面の側(以下、下面側とする。これ以降に説明する
他のサイリスタについても、半導体基板100の第2N
型導電領域3を設けた面の側を下面側とする。)に対し
て正の電位とする電圧の印加方向を順方向(これ以降に
説明する他のサイリスタの電圧の印加方向についても、
この方向を順方向とする。)とする。逆に、上面側を下
面側に対して負の電位とする電圧の印加方向を逆方向
(これ以降に説明する他のサイリスタの電圧の印加方向
についても、この方向を逆方向とする。)とする。
【0006】図3は、従来技術に係るサイリスタの順方
向の電気的特性を示すグラフである。図3に示すよう
に、順方向においては、第1P型導電領域4をエミッ
タ、第1N型導電領域2をベース、半導体基板導電領域
1をコレクタとするPNPトランジスタと、第2N型導
電領域3をエミッタ、半導体基板導電領域1をベース、
第1N型導電領域2をコレクタとするNPNトランジス
タの間で電子と正孔の交換が行なわれて、オフ状態から
オン状態へ移行する点弧動作が行なわれる。
【0007】すなわち、最初オフ状態にあった図2のP
NPN構造51において、当該二端子電極領域に印加さ
れる電圧が、ブレークオーバー電圧Vboに達すると、逆
バイアス状態にある第1N型導電領域2とP型の半導体
基板導電領域1の境界及び当該境界近傍において、電子
と正孔の交換が活発に行なわれるようになる。そして、
前記のPNPトランジスタのベースと前記のNPNトラ
ンジスタのコレクタが共通の第1N型導電領域2である
ため、当該PNPN構造からなるサイリスタが点弧して
オン状態へ遷移する。なお、構造が上下で対称である逆
並列型のサイリスタにおいても全く同様な動作が行なわ
れる。
【0008】なお、PNPN構造からなるサイリスタが
点弧動作してオフ状態からオン状態へ移行することは周
知の事実であるので、ここでは内部動作のより詳細な説
明については省略する。
【0009】逆方向においては、第1N型導電領域2と
第1P型導電領域4の境界及びその近傍が逆バイアス状
態となり、且つ、第2N型導電領域3と半導体基板導電
領域1の境界及びその近傍が逆バイアス状態となるが、
電子と正孔の交換は活発に行われず点弧動作はしない。
ここで、前記した2つの逆バイアス領域に発生する電圧
の和は外部から印加される電圧と略等しくなり、ダイオ
ードの逆方向特性と類似した電流−電圧特性を示す。
【0010】以上のような点弧動作を行うサイリスタ
は、前記したように、ブレークオーバー電圧Vboを
るが、ゲート電極から電流が流れるとゲート電流が流れ
ない場合より、低い電圧で点弧動作する。なお、ゲート
電極を有しない二端子型のサイリスタがあり、その場合
ブレークオーバー電圧Vboでサージ電圧を抑圧すること
が出来る。前記した二端子型のサイリスタは、雷誘導サ
ージのようにかなり速い電気的サージに対してもその応
答が他のサージ防護素子、例えば避雷管や金属酸化物バ
リスタなどと比較して非常に速いために、高い信頼性を
要求される通信ネットワーク系の電子機器のように雷誘
導サージを拾い易いところでは殆ど利用されている状況
にある。
【0011】また、半導体基板で出来ているため、スイ
ッチングやサージ電流によって消耗するところがなく長
期間に亘って信頼性を維持することが可能であるという
保守上の大きな利点を有している。
【0012】ところが、このような利点を有するサイリ
スタにおいても、例えば三端子サイリスタについて言え
ば、例えば静電放電のような急峻な変化をもつ電圧がア
ノード・カソード間に印加されると、接合部の静電容量
を通じて変位電流が流れ、これが許容値以上になると、
サイリスタが点弧してしまうという所謂誤点弧を起こす
問題がある。また、二端子サイリスタについて言えば、
例えば雷誘導サージの流れる通信線の保護素子として
は、保持電流を大きくしたいという問題がある。
【0013】そこで、前記した問題に対する対策の1つ
として、ショートエミッタ構造を有するサイリスタがあ
る。図4は、前記したショートエミッタ構造を有するサ
イリスタの一例である。なお、ショートエミッタ構造を
ショートゲート構造と呼ぶこともある。図4において、
1は半導体基板導電領域、2は第1N型導電領域、3は
第2N型導電領域、4は第1P型導電領域、10は第1
電極、11は第2電極、18,19,20,21は絶縁
体、52はPNPN構造、100は半導体基板である。
31は、第1N型導電領域2と接する孔状の導電領域
で、第1N型導電領域2と第1電極が電気的に接続され
る。孔状の導電領域は複数あってもよい。図4のなか
で、ゲート電極は省略されている。
【0014】図5は、図4に示した三端子サイリスタの
等価回路図である。図5に示されるように、孔状の導電
領域を設定していても、基本的に2つのトランジスタが
組み合わされていることに変わりはないが、前記した孔
状の導電領域を設定することで、トランジスタの感度が
低下する。このことにより、例えば三端子サイリスタの
場合、急峻な変化を有する電圧がアノード・カソード間
に印加されて発生する変位電流による誤点弧が防止出来
るようになり、二端子サイリスタの場合、保持電流が大
きくなって、通信線の通信容量を大きく出来るようにな
るなど、ショートエミッタ構造を有するサイリスタが現
実に幅広く使用されている。以上の例では、半導体基板
100の導電型がP型の場合であったが、N型の場合
も、全く同様にショートエミッタ構造が採用されてい
る。
【0015】しかしながら、前記のショートエミッタ構
造を有するサイリスタでは、図2に示される従来構造の
ものより誤点弧の防止が可能になったり、保持電流を大
きく出来るという利点があるものの、逆方向に電圧が印
加される場合や逆方向に電流が流れる場合は、前記した
ように点弧動作が行われないことから、たとえ瞬間的で
一時的であったとしても急峻な変化をもつ逆方向電圧サ
ージ或いは逆方向電流サージに対しては、過剰な発熱が
生じ、平面的に見てショートエミッタ構造内、又はその
近傍で一部が溶解することがあるという問題がある。こ
れは耐量が低下したサイリスタを調べると、例えば図4
でいうと、破線52で囲まれた領域で貫通した溶解痕が
観察されるということである。前記した過剰な発熱によ
る溶解は、ショートエミッタ構造がないサイリスタにも
発生し得るが、ショートエミッタ構造がない場合は、直
列接続された2つのダイオードに逆方向電圧が印加され
ることになるため、1つのダイオードに逆方向電圧が印
加されることになるショートエミッタ構造を有するサイ
リスタより過剰な発熱を抑え易くなる。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、図4に示さ
れる従来構造を更に改良して、ショートエミッタ構造を
有するサイリスタの逆方向電圧サージや逆方向電流サー
ジの侵入に対する耐量を向上させることを目的としてい
る。
【0017】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の手段として、本発明は、第1導電型の半導体基板に、
前記半導体基板の一方の面に露出させて形成してなる第
2導電型の第1の導電領域と、前記半導体基板の一方の
面に露出させて形成するとともに、前記第1の導電領域
内に形成してなる前記第1の導電領域とは反対型の第1
導電型の第2の導電領域と、前記半導体基板の一方の面
に露出させて形成するとともに、前記第2の導電領域を
貫通するように形成してなる第2導電型の孔状導電領域
と、前記半導体基板の一方の面に背向する他方の面に露
出させて形成してなる第2の導電型の第3の導電領域
と、前記半導体基板の他方の面に露出させて形成すると
ともに、前記第3の導電領域内に、且つ、前記半導体基
板を平面的に見たときに前記孔状導電領域と重なり合う
部分を包含してなる第1導電型の第4の導電領域を有す
ることを特徴とするものとした。
【0018】前記した構成においては、孔状導電領域に
よるショートエミッタ構造において、前記第2導電型の
第1の導電領域、半導体基板導電領域、第2導電型の第
3の導電領域で構成される1つのトランジスタに、半導
体基板導電領域、第2導電型の第3の導電領域、第1導
電型の第4の導電領域からなるトランジスタが追加され
PNPN構造となり、逆方向電圧サージ或いは逆方向電
流サージが侵入した場合に、たとえ完全な点弧はしない
としても、従来より点弧特性に近い負性特性を示すよう
になり、従来よりも、内部で発生する過剰な発熱を抑制
し易く耐量が向上する。なお、孔状導電領域と第1導電
型の第4の導電領域は複数形成することも出来る。
【0019】また、前記の構成において、前記孔状導電
領域をN(N≧2)個形成し、前記半導体基板を平面的
に見て全ての前記孔状導電領域が第4の導電領域に包含
されるように出来る。更に、前記孔状導電領域をN(N
≧2)個形成するとともに、前記第4の導電領域をM
(M≧2)個形成し、前記半導体基板を平面的に見て全
ての前記孔状導電領域がいずれかの前記第4の導電領域
に各々包含されるように出来る。加えて、前記孔状導電
領域及び前記第4の導電領域をそれぞれN(N≧2)個
ずつ形成するとともに、前記半導体基板を平面的に見て
前記孔状導電領域及び前記第4の導電領域がそれぞれ同
一形状かつ同一面積になるようにし、且つ、N個の前記
孔状導電領域が各々異なる前記第4の導電領域に包含さ
れるように出来る。更に、前記半導体基板の他方の面に
露出させて形成するとともに、前記第3の導電領域内に
形成してなる第1導電型の第5の導電領域と、前記半導
体基板の他方の面に露出させて形成するとともに、前記
第5の導電領域を貫通するように形成してなる第2導電
型の別の孔状導電領域と、前記半導体基板の一方の面に
露出させて形成するとともに、前記第1の導電領域内
に、且つ、前記半導体基板を平面的に見たときに前記別
の孔状導電領域と重なり合う部分を包含してなる第1導
電型の第6の導電領域を設けることが出来る。
【0020】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の第1の実施の形
態に係るサイリスタを図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明の第1の実施の形態に係るサイリスタを
示す断面図である。図1において、ゲート電極は省略さ
れているが、ゲート電極を形成しない二端子サイリスタ
としてもよい。1は半導体基板導電領域、2は第1N型
導電領域、3は第2N型導電領域、4は第1P型導電領
域、41は第2P型導電領域、10は第1電極、11は
第2電極、31は孔状導電領域、18,19,20,2
1は絶縁体、53はPNPN構造、100は半導体基板
である。
【0021】図1に示されるように、本発明の第1の実
施の形態に係るサイリスタは、中央部にショートエミッ
タ構造を設定し、それを平面的に見て包含するように第
2P型導電領域を形成している。すなわち、P型の半導
体基板100に第1N型導電領域2、第2N型導電領域
3を形成する。また、第1N型導電領域2内に第1P型
導電領域4を形成し、孔状導電領域31を中央に設定
し、半導体基板100を平面的に見たときに前記した孔
状導電領域31を包含するように、第2N型導電領域3
内に第2P型導電領域41を形成している。第1電極1
0は第1P型導電領域4と孔状導電領域31の双方と電
気的に接続される。第2電極11は、第2N型導電領域
3と第2P型導電領域41の双方と電気的に接続され
る。
【0022】なお、第2P型導電領域41は、第1P型
導電領域4、第1N型導電領域2、半導体基板導電領域
1、第2N型導電領域3からなるPNPN構造にとって
は無効領域となるため、出来るだけ小さい方がよい。し
かしながら、あまり小さくなると、負性特性を示しにく
くなるため小さ過ぎてもよくない。孔状導電領域31
が、半導体基板100を平面的に見たときに80μmの
直径を有する円形形状とした場合、200μmの直径を
有する円形形状とした第2P型導電領域41を中心が一
致するように包含させて試作すると、従来よりも大幅に
耐量が改善されることが確認された。逆方向サージ電圧
の高いものほど、逆方向サージ電流の大きいものほど、
この傾向は顕著である。第2P型導電領域41の大きさ
配置については、孔状導電領域の大きさや配置に依存す
るため、都度適当な条件を探すことが望ましい。
【0023】第2P型導電領域41は、第1P型導電領
域4を形成する際に、同時に拡散をすればよく、特別な
工程は特に必要ではないし、他の方法によって形成して
も問題はない。
【0024】図1に示される構造においては、サージ防
護素子で重要となる保持電流やブレークオーバー電圧は
大きく変化しないため、特に大きな設計変更は必要な
い。従来構造は、図5に示すような等価回路となり、逆
方向電圧サージ或いは逆方向電流サージが侵入したとき
に逆バイアスとなるnpnトランジスタTR2のエミッ
タベース間の電圧Vebが小さくなりにくいが、本発明で
は、図6に示すような等価回路となり、npnトランジ
スタTR2とpnpトランジスタTR3で構成されるサ
イリスタが新たに内在する。従って、電圧が印加された
ときに耐量を決定していたnpnトランジスタTR2の
ebが小さくなり易く、損失を発生しにくくなってい
る。
【0025】従って、本発明の第1の実施の形態におけ
る構造では、従来のショートエミッタ構造よりも、損失
の発生が抑制されることになる。これは、耐量を理想状
態に近づけられることを意味し、素子破壊に繋がる過剰
な発熱を抑制出来、信頼性を向上させることが出来るよ
うになる。
【0026】図1に示した構造の等価回路モデルは、図
6に示すものとなる。図6は、ゲート電極を有する場合
の等価回路図である。本発明はゲート電極を有しない二
端子サイリスタでも全く同様の改善を実現出来る。ま
た、図7に示すような、ゲートが2つあるSCS(Sili
con Controlled Switch)と呼ばれる四端子サイリスタ
でも全く同様の改善を実現出来る。本発明の実施の形態
に係るサイリスタにおいては、半導体基板100の導電
型がP型でもN型でもよい。
【0027】また、図1に示した構造では、製造上のば
らつきから、半導体基板100を平面的に見たときに孔
状導電領域31の位置と第2P型導電領域41が必ず重
なるように余裕をもたせることが望ましい。なお、孔状
導電領域を不純物拡散によって形成する場合、深さ方向
と垂直な横方向にも不純物拡散が生じるため、孔状導電
領域の大きさには限界がある。
【0028】なお、従来構造に対して新たに追加するこ
とになる第2P型導電領域41は、点弧後のオン導通面
積の減少に繋がるため出来る限り小さい方がよいが、孔
状導電領域よりは等しいか又は大きい方が望ましいこと
は言うまでもなく、発明者が確認したところによれば、
数倍程度の大きさで良好な結果が得られた。
【0029】更に、本発明の第2の実施の形態に係るサ
イリスタを図面に基づいて詳細に説明する。図8は、本
発明の第2の実施の形態に係るサイリスタを示す断面図
である。図8において、1は半導体基板導電領域、2は
第1N型導電領域、3は第2N型導電領域、4は第1P
型導電領域、42,43,44は第2P型導電領域、1
0は第1電極、11は第2電極、18,19,20,2
1は絶縁体、31,32,33は孔状導電領域、54,
55,56はPNPN構造、100は半導体基板であ
る。
【0030】本発明の第2の実施の形態に係るサイリス
タにおいては、前記した第1の実施の形態に係るサイリ
スタの構成に加えて、孔状導電領域が複数あり、半導体
基板100を平面的に見たときにそれぞれに対応して第
2P型導電領域42,43,44を重なり合うところに
配置する。
【0031】前記のサイリスタでは、ゲート電極が省略
されているが、ゲート電極のない二端子サイリスタでも
よい。また、ゲート電極を有しない二端子サイリスタで
も全く同様の改善を実現出来る。更に、図7に示すよう
な、ゲートが2つあるSCS(Silicon Controlled Swi
tch)と呼ばれる四端子サイリスタでも全く同様の改善
を実現出来る。本発明の実施の形態に係るサイリスタに
おいては、半導体基板100の導電型がP型でもN型で
もよい。
【0032】更に、本発明の第3の実施の形態に係るサ
イリスタを図面に基づいて詳細に説明する。図9は、本
発明の第3の実施の形態に係るサイリスタを示す断面図
である。図9において、1は半導体基板導電領域、2は
第1N型導電領域、3は第2N型導電領域、4は第1P
型導電領域、45は第2P型導電領域、10は第1電
極、11は第2電極、18,19,20,21は絶縁
体、31,32,33は孔状導電領域、57はPNPN
構造、100は半導体基板である。
【0033】本発明の第3の実施の形態に係るサイリス
タにおいては、前記した第2の実施の形態に係るサイリ
スタの構成に加えて、半導体基板100を平面的に見た
ときに複数の孔状導電領域に対応して第2P型導電領域
45を重なり合うところに配置する。
【0034】前記のサイリスタでは、孔状導電領域が複
数ある。これは、保持電流を大きくしたいサージ防護向
けのサイリスタでは耐量を大きくするためであり、比較
的小さい孔状導電領域を設定することが多く、30個か
ら50個近くになるものもある。そのような場合、各孔
状導電領域の間隔が狭くなることも多く、位置合わせを
考慮すると第2P型導電領域を図9に示すように、複数
の導電領域に対応させた方が設計上容易な場合がある。
前記のサイリスタでは、ゲート電極が省略されている
が、ゲート電極のない二端子サイリスタでもよい。ま
た、ゲート電極を有しない二端子サイリスタでも全く同
様の改善を実現出来る。更に、図7に示すような、ゲー
トが2つあるSCS(Silicon Controlled Switch)と
呼ばれる四端子サイリスタでも全く同様の改善を実現出
来る。本発明の実施の形態に係るサイリスタにおいて
は、半導体基板100の導電型がP型でもN型でもよ
い。
【0035】加えて、本発明の第4の実施の形態に係る
双方向型二端子サイリスタを図面に基づいて詳細に説明
する。図11は、本発明の第4の実施の形態に係る双方
向型サイリスタを示す断面図である。図11において、
1は半導体基板導電領域、12は第1N型導電領域、3
は第2N型導電領域、4は第1P型導電領域、5は第3
P型導電領域、10は第1電極、11は第2電極、1
8,19,20,21は絶縁体、34,35は孔状導電
領域、46は第2P型導電領域、47は第4P型導電領
域、58,59はPNPN構造、100は半導体基板で
ある。
【0036】前記の双方向型サイリスタでは、前記の本
発明の第1の実施の形態における構造が逆並列接続され
たもので、図10に示す従来構造を改良したものであ
る。図10に示す二端子双方向型サイリスタは、サージ
防護素子として通信線の雷誘導サージからの保護素子と
して非常によく使用されている。逆並列接続されたもの
であるので、基本的な動作は同じであるが、この種の双
方向型のサイリスタの場合、従来構造に新たに追加する
第2P型導電領域46と第4P型導電領域47を、各々
第3P型導電領域5と第1P型導電領域4と同時に形成
可能なため、製造上のコストが殆どかからないという利
点がある。また、逆並列接続されているため順逆どちら
の方向で電気的サージが侵入しても、理想的にはブレー
クオーバー電圧で抑圧されるという特徴がある。
【0037】ここで、第2P型導電領域46或いは第4
P型導電領域47がない場合、製造上のばらつきによっ
て点弧動作が標準より遅くなると、図11中の破線58
及び破線59で示される領域にある半導体基板導電領域
1と第1N型導電領域2の境界或いは半導体基板導電領
域1と第2N型導電領域3の境界とその近傍が標準より
長い時間逆バイアス状態のままとなる。このような状態
になると、耐量低下に繋がる過剰な発熱を抑制しにくく
なって耐量を低下させることが起こり得る。なお、ブレ
ークオーバー電圧は、雪崩降伏或いはパンチスルーによ
り決定される。
【0038】前記の双方向型サイリスタの場合、もとも
とブレークオーバー電圧が150〔V〕近辺までのもの
では、電圧がそれほど大きくならないため損失が小さ
く、さほど大きな問題にならなかったが、ブレークオー
バー電圧が200〔V〕を超えるサイリスタになると、
製造上のばらつきから全体の10数%近くで、突発的な
サージにより耐量が低下することがあった。しかしなが
ら、本発明の構成を採用すれば、それを1%以下とする
ことが確認出来た。第2P型導電領域46、47の大き
さ配置については、孔状導電領域の大きさや配置に依存
するため、都度適当な条件を探すことが望ましいことは
言うまでもないことである。
【0039】
【発明の効果】このように本発明によれば、孔状導電領
域によるショートエミッタ構造において、前記孔状導電
領域に対向する1つのトランジスタに、半導体基板導電
領域、第2導電型の第3の導電領域、第1導電型の第4
の導電領域からなるトランジスタが追加されPNPN構
造となり、たとえ完全な点弧はしないとしても、従来よ
り点弧特性に近い負性特性を示すようになり、逆方向電
圧サージや逆方向電流サージが侵入しても、損失が低減
され易く破壊しにくくなる。従って、突発的な異常電圧
が印加されるかまたは異常電流が流れ易い環境で使用さ
れるサイリスタ、或いは異常電圧又は異常電流から電子
回路系を保護するサージ防護素子等に用いるサイリスタ
において、耐量に対する信頼性の向上を図ることが出来
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施の形態に係るサイリスタ
を示す断面図である。
【図2】 従来技術に係るサイリスタを示す断面図であ
る。
【図3】 従来技術に係るサイリスタの順方向の電気的
特性を示すグラフである。
【図4】 従来技術に係るサイリスタの断面図である。
【図5】 従来技術に係るサイリスタの等価回路図であ
る。
【図6】 図1に示した三端子サイリスタの等価回路図
である
【図7】 図1に示した四端子サイリスタの等価回路図
である。
【図8】 本発明の第2の実施の形態に係るサイリスタ
を示す断面図である。
【図9】 本発明の第3の実施の形態に係るサイリスタ
を示す断面図である。
【図10】 従来の双方向型サイリスタを示す断面図で
ある。
【図11】 本発明の第4の実施の形態に係る双方向型
サイリスタを示す断面図である。
【符号の簡単な説明】
1 半導体基板導電領域 2 第1N型導電領域 3 第2N型導電領域 4 第1P型導電領域 5 第3P型導電領域 10 第1電極 11 第2電極 18 絶縁体 19 絶縁体 20 絶縁体 21 絶縁体 31 孔状導電領域 32 孔状導電領域 33 孔状導電領域 34 孔状導電領域 35 孔状導電領域 41 第2P型導電領域 42 第2P型導電領域 43 第2P型導電領域 44 第2P型導電領域 45 第2P型導電領域 46 第2P型導電領域 47 第4P型導電領域 51 PNPN構造 52 PNPN構造 53 PNPN構造 54 PNPN構造 55 PNPN構造 56 PNPN構造 57 PNPN構造 100 半導体基板

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1導電型の半導体基板に、前記半導体
    基板の一方の面に露出させて形成してなる第2導電型の
    第1の導電領域と、 前記半導体基板の一方の面に露出させて形成するととも
    に、前記第1の導電領域内に形成してなる前記第1の導
    電領域とは反対型の第1導電型の第2の導電領域と、 前記半導体基板の一方の面に露出させて形成するととも
    に、前記第2の導電領域を貫通するように形成してなる
    第2導電型の孔状導電領域と、 前記半導体基板の一方の面に背向する他方の面に露出さ
    せて形成してなる第2の導電型の第3の導電領域と、 前記半導体基板の他方の面に露出させて形成するととも
    に、前記第3の導電領域内に、且つ、前記半導体基板を
    平面的に見たときに前記孔状導電領域と重なり合う部分
    を包含してなる第1導電型の第4の導電領域を有するこ
    とを特徴とするサイリスタ。
  2. 【請求項2】 前記孔状導電領域をN(N≧2)個形成
    し、前記半導体基板を平面的に見て全ての前記孔状導電
    領域が第4の導電領域に包含されるように形成してなる
    ことを特徴とする請求項1に記載のサイリスタ。
  3. 【請求項3】 前記孔状導電領域をN(N≧2)個形成
    するとともに、前記第4の導電領域をM(M≧2)個形
    成し、前記半導体基板を平面的に見て全ての前記孔状導
    電領域がいずれかの前記第4の導電領域に各々包含され
    るように形成してなることを特徴とする請求項1に記載
    のサイリスタ。
  4. 【請求項4】 前記孔状導電領域及び前記第4の導電領
    域をそれぞれN(N≧2)個ずつ形成するとともに、前
    記半導体基板を平面的に見て前記孔状導電領域及び前記
    第4の導電領域がそれぞれ同一形状かつ同一面積になる
    ようにし、且つ、N個の前記孔状導電領域が各々異なる
    前記第4の導電領域に包含されるように形成してなるこ
    とを特徴とする請求項1に記載のサイリスタ。
  5. 【請求項5】 さらに、前記半導体基板の他方の面に露
    出させて形成するとともに、前記第3の導電領域内に形
    成してなる第1導電型の第5の導電領域と、 前記半導体基板の他方の面に露出させて形成するととも
    に、前記第5の導電領域を貫通するように形成してなる
    第2導電型の別の孔状導電領域と、 前記半導体基板の一方の面に露出させて形成するととも
    に、前記第1の導電領域内に、且つ、前記半導体基板を
    平面的に見たときに前記別の孔状導電領域と重なり合う
    部分を包含してなる第1導電型の第6の導電領域を有す
    ることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一
    に記載のサイリスタ。
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