JP2003281529A - 画像処理装置および画像処理方法 - Google Patents

画像処理装置および画像処理方法

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JP2003281529A
JP2003281529A JP2002078494A JP2002078494A JP2003281529A JP 2003281529 A JP2003281529 A JP 2003281529A JP 2002078494 A JP2002078494 A JP 2002078494A JP 2002078494 A JP2002078494 A JP 2002078494A JP 2003281529 A JP2003281529 A JP 2003281529A
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image
filter
image signal
signal
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JP2002078494A
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English (en)
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Hiroyuki Shibaki
弘幸 芝木
Toru Suino
水納  亨
Etsuro Morimoto
悦朗 森本
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Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 入力される画像属性別の分離結果にかかわら
ず、画像に対するフィルタ特性を多段階的に変化させる
ことができ、分離エラー混在箇所や分離境界箇所でのデ
フェクトを低減できること。 【解決手段】 複数のエッジ量抽出手段201〜216
は、入力された画像信号から複数の周波数帯域成分およ
び方向成分のエッジ量を抽出し、エッジ量補正手段21
7〜232は、抽出された各々のエッジ量に所定の変換
を施し、入力された画像信号に加算出力する。複数のエ
ッジ量抽出手段201〜216のうち少なくとも1つ以
上は、フィルタ処理用のマスク中心位置が注目画素から
離間しており、部分的に文字の特徴が強くとも周囲が非
文字の特徴が強ければ非文字に適したフィルタ特性にで
き、画素単位でフィルタ特性が劇的に変化することなく
高性能なフィルタ処理をおこなえる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、電子写真プロセ
スを用いたプリンターやデジタル複写機、ファクシミリ
装置などの画像形成装置や同様の機能を有する装置に適
用され、画像の属性情報を利用して各々に最適な画像処
理、特に鮮鋭性を補正するフィルタ処理をおこなう画像
処理装置および画像処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来からデジタル複写機やファクシミリ
などの画像処理装置においては、入力した画像信号から
文字/非文字などの画像属性情報(分離結果)を求め、
求めた画像属性情報に基づきフィルタの空間周波数特性
を制御することがおこなわれている。
【0003】特開平7−95409号公報に開示され
た技術には、像域分離回路によって文字と非文字に画素
単位でその属性を判定し、判定結果に応じて文字画素に
は強いエッジ強調フィルタを、非文字画素には比較的弱
いフィルタを施す例が開示されている。
【0004】特開2000−134625号公報に開
示された画像処理方法では、画像信号を帯域分割処理
し、分割された成分を参照して帯域成分を補正し、補正
された帯域成分を画像信号に合成することによりノイズ
除去およびエッジ強調をおこなうものである。
【0005】特開平6−274614号公報に開示さ
れた画像処理方法では、画像信号にウェーブレット変換
を施して複数の周波数帯域の信号に分解し、少なくとも
1つの周波数帯域信号に対して所定の画像処理を施し逆
ウェーブレット変換を施すものである。この所定の画像
変換では、少なくとも1つの周波数帯域の信号に所定数
を乗算する処理をおこなう。これにより、画像再生時に
ノイズを強調することなく、視覚的な印象にあった自然
な再生画像が得られる。
【0006】これら,の発明は、いずれも画像信号
を帯域分割し、得られた帯域成分を補正して逆変換する
ことで、帯域毎および方向毎に鮮鋭性の制御をおこな
う。の発明は、任意の帯域分割フィルタにて複数の帯
域に分割し、の発明はウェーブレット変換により分割
をおこなうものである。
【0007】特開平6−223172号公報に開示さ
れた画像処理方法および画像処理装置は、画像データか
ら複数の帯域信号を生成し、少なくとも1つの帯域信号
により画像データのエッジ情報を抽出し、エッジ情報の
分布により文字領域を検出するものである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記
に示した技術では、2値的に判定された画像属性情報に
基づき強弱のフィルタを切り換えて使用するため、文字
領域と非文字領域の境界部では急激にフィルタの強さが
変化する。文字と非文字領域の判定が非常に高精度にお
こなわれる場合には問題が生じにくい。しかし、比較的
低線数の網点部や、絵柄画像中のエッジ部などで誤って
文字判定された画素が混在すると、その画素に対して局
所的に強い強調フィルタがかかる。
【0009】これにより、網点画像中に濃度の高い画素
が点在し粒状性が悪化したり、絵柄中の髪の毛や眉毛な
どのエッジ部が極端に強く強調され、違和感のある画像
になったり、分離エラーによるデフェクト(悪さ)が目
立つ場合があった。このような2値的な切り変わりの不
具合を解決するため、多値の分離結果を生成保持し、多
段階的にフィルタを制御するなどの発明もなされている
が、分離データを保持するためのメモリが増加しコスト
高になるなどの問題を生じた。
【0010】,に記載の発明では、像域分離結果な
どのような画像属性情報を用いた適応的な処理をおこな
うものではなく、文字画像と網点画像に対して同様な制
御をおこなっているため、文字画像の鮮鋭性と網点画像
のモアレ抑制を両立させることができなかった。
【0011】に記載の発明では、ウェーブレット変換
のような帯域分割手段により、分割した信号から文字特
徴量を抽出するものであるが、この文字特徴量の抽出に
のみ関するものであり、文字特徴量を用いたフィルタ処
理についての技術的開示がない。
【0012】この発明は、上述した従来技術による問題
点を解消するため、入力される画像属性別の分離結果に
かかわらず、画像に対するフィルタ特性を多段階的に変
化させることができ、分離エラー混在箇所や分離境界箇
所でのデフェクトを低減できる画像処理装置および画像
処理方法を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決し、
目的を達成するため、請求項1の発明に係る画像処理装
置は、入力された画像信号に対し空間周波数特性の補正
をおこない出力する画像処理装置において、入力された
画像信号から複数の周波数帯域成分および方向成分のエ
ッジ量を抽出する複数のエッジ量抽出手段と、前記エッ
ジ量抽出手段で抽出された各々のエッジ量に所定の変換
を施す複数のエッジ量補正手段と、前記エッジ量補正手
段からの出力を前記入力された画像信号に加算すること
により、空間周波数の補正をおこなう画像処理装置にお
いて、前記複数のエッジ量抽出手段のうち少なくとも1
つ以上は、フィルタ処理用のマスク中心位置が注目画素
から離間していることを特徴とする。
【0014】この請求項1の発明によれば、エッジ量を
抽出する際のフィルタのマスク中心位置が、注目画素か
ら意図的に離間させており、エッジ量を抽出するフィル
タのマスク中心位置に対する各位置の分離結果を用いて
補正することでフィルタ処理を実現するものであるた
め、部分的に文字の特徴が強くとも周囲が非文字の特徴
が強ければ非文字に適したフィルタ特性にでき、画素単
位でフィルタ特性が劇的に変化することなく高性能なフ
ィルタ処理をおこなうことができるようになる。
【0015】また、請求項2の発明に係る画像処理装置
は、請求項1に記載の発明において、前記複数のエッジ
量抽出手段は、注目画素の位置に対するマスク中心位置
に基づく画像属性情報を前記エッジ量補正手段に出力
し、前記エッジ量補正手段は、入力された画像属性情報
に応じて補正内容を制御することを特徴とする。
【0016】この請求項2の発明によれば、複数の位置
の画像属性情報からなる複数の補正によって総合的に最
終的なフィルタ特性を決定するため、たとえば、2値の
画像属性情報を用いても画像中ではフィルタ特性を多段
階的に変化でき、画像属性情報で処理した際の分離エラ
ーや分離境界でのデフェクトを低減することができるよ
うになる。
【0017】また、請求項3の発明に係る画像処理装置
は、請求項1,2のいずれか一つに記載の発明におい
て、前記各々のエッジ量補正手段は、各々のエッジ量抽
出手段で抽出されたエッジ量の大きさに応じ補正のため
の強調係数を変化させることを特徴とする。
【0018】この請求項3の発明によれば、各エッジ量
成分毎にそのエッジ量の大きさに応じた適応的なフィル
タ処理がおこなえるようになるため、画像の文字に対す
る鮮鋭性と絵柄に対する粒状性を両立させた高性能なフ
ィルタ処理をおこなうことができるようになる。
【0019】また、請求項4の発明に係る画像処理装置
は、請求項1〜3のいずれか一つに記載の発明におい
て、前記入力された画像信号に対し所定の平滑化処理を
施す平滑化手段を具備し、前記平滑化された画像信号に
前記エッジ量補正手段の出力を加算することを特徴とす
る。
【0020】この請求項4の発明によれば、画像に対し
平滑から強調まで幅広い補正を簡単におこなえるように
なる。
【0021】また、請求項5の発明に係る画像処理装置
は、請求項4に記載の発明において、前記平滑化手段
は、前記エッジ量補正手段で補正をおこなわずに抽出さ
れたエッジ量をそのまま平滑化後の信号に加算させる処
理時には、得られる周波数伝達特性が全周波数帯域で1
程度となるように設定可能なことを特徴とする。
【0022】この請求項5の発明によれば、エッジ量補
正の調整を簡単におこなうことができ、エッジ量の補正
をおこなわないとき、簡単にフィルタスルーとなる特性
にでき、フィルタ特性を簡単に変化できるようになる。
【0023】また、請求項6の発明に係る画像処理装置
は、請求項4に記載の発明において、前記平滑化手段
は、周波数伝達特性を網点画像に適するフィルタ特性に
設定可能で、前記エッジ量補正手段は、全てのエッジ量
を0に補正するよう設定可能であり、画像の絵柄部に適
したフィルタ特性が得られることを特徴とする。
【0024】この請求項6の発明によれば、エッジ量補
正の出力を0とすれば画像の絵柄部に最適な特性とな
り、エッジ量補正の調整を画像に応じて簡単におこなう
ことができるようになる。
【0025】また、請求項7の発明に係る画像処理装置
は、入力された画像信号に対し空間周波数特性の補正を
おこない出力する画像処理装置において、入力された画
像信号を複数の周波数帯域と複数の方向成分の係数信号
に分割して出力する多重解像度変換手段と、前記多重解
像度変換手段によって得られた複数の係数信号の各位置
に対応して求められた複数の画像属性信号を入力し、該
画像属性信号に基づき、対応する位置の係数信号に対し
て所定の補正をおこなう鮮鋭性制御手段と、前記鮮鋭性
制御手段からの出力を逆変換することにより処理後の画
像信号を得る復元処理手段と、を有し、前記多重解像度
変換手段は、複数の周波数帯域と複数の方向成分の係数
信号に分割するに際し求められた係数信号を間引かずに
保持し、前記復元処理手段は、1つの入力画素に対して
得られた複数の逆変換出力をもとに処理後の画像信号を
出力することを特徴とする。
【0026】この請求項7の発明によれば、帯域の分割
の演算を簡単におこなえ、演算の高速化と多様なフィル
タ特性を実現できるようになる。また、画像属性情報の
分離結果が2値的であっても画像中ではフィルタ特性を
多段階的に変化でき、分離エラー混在や分離境界でのデ
フェクトを低減できるようになる。
【0027】また、請求項8の発明に係る画像処理方法
は、入力された画像信号に対し空間周波数特性の補正を
おこない出力する画像処理方法において、入力された画
像信号から複数の周波数帯域成分および方向成分のエッ
ジ量を抽出する複数のエッジ量抽出ステップと、前記エ
ッジ量抽出ステップで抽出された各々のエッジ量に所定
の変換を施す複数のエッジ量補正ステップと、を有し、
前記複数のエッジ量抽出ステップのうち少なくとも1つ
以上は、フィルタ処理用のマスク中心位置が注目画素か
ら離間していることを特徴とする。
【0028】この請求項8の発明によれば、エッジ量を
抽出する際のフィルタのマスク中心位置を注目画素から
意図的に離間させており、エッジ量を抽出するフィルタ
のマスク中心位置に対する各位置の分離結果を用いて補
正することでフィルタ処理を実現するものであるため、
部分的に文字の特徴が強くとも周囲が非文字の特徴が強
ければ非文字に適したフィルタ特性にでき、画素単位で
フィルタ特性が劇的に変化することなく高性能なフィル
タ処理を簡単なステップでおこなうことができるように
なる。
【0029】また、請求項9の発明に係る画像処理方法
は、入力された画像信号に対し空間周波数特性の補正を
おこない出力する画像処理方法において、入力された画
像信号を複数の周波数帯域と複数の方向成分の係数信号
に分割して出力する多重解像度変換ステップと、多重解
像度変換ステップによって得られた複数の係数信号の各
位置に対応して求められた複数の画像属性信号を入力
し、該画像属性信号に基づき、対応する位置の係数信号
に対して所定の補正をおこなう鮮鋭性制御ステップと、
鮮鋭性制御ステップからの出力を逆変換することにより
処理後の画像信号を得る復元処理ステップと、を有し、
前記多重解像度変換ステップは、複数の周波数帯域と複
数の方向成分の係数信号に分割するに際し求められた係
数信号を間引かずに保持し、前記復元処理ステップにお
いては、1つの入力画素に対して得られた複数の逆変換
出力をもとに処理後の画像信号を出力することを特徴と
する。
【0030】この請求項9の発明によれば、帯域の分割
の演算を簡単におこなえ、演算の高速化と多様なフィル
タ特性を簡単なステップで実現できるようになる。ま
た、画像属性情報の分離結果が2値的であっても画像中
ではフィルタ特性を多段階的に変化でき、分離エラー混
在や分離境界でのデフェクトを低減できるようになる。
【0031】
【発明の実施の形態】以下に添付図面を参照して、この
発明に係る画像処理装置および画像処理方法の好適な実
施の形態を詳細に説明する。
【0032】図1は、この発明の実施の形態に係る画像
処理装置の構成を示すブロック図である。スキャナなど
の画像入力手段101によって入力された画像信号は、
変倍処理手段102によって操作パネル(不図示)など
で指定された倍率に基づき画像倍率が変更される。画像
倍率が変更された画像信号は、像域分離手段107に入
力され、画素単位で文字/非文字領域の判別がおこなわ
れ、得られた像域分離結果はフィルタ処理手段103に
入力される。
【0033】フィルタ処理手段103では、像域分離結
果に応じて所望の空間周波数特性に画像を変換したの
ち、γ変換処理手段104にて所望の濃度特性となるよ
うに変換され、さらに中間調処理手段105を介して電
子写真プリンタなどの画像出力手段106に出力され
る。
【0034】(実施の形態1)図2は、この発明に係る
画像処理装置の要部であるフィルタ処理手段103の構
成を示すブロック図である。まず、入力された画像信号
(入力画像)は、16個のエッジ量抽出手段a〜p(2
01〜216)によってそれぞれ異なる周波数帯域、異
なる方向のエッジ量抽出がおこなわれる。
【0035】図3は、複数の各エッジ量抽出手段a〜p
(201〜216)におけるエッジ抽出フィルタの係数
を示すマトリクスである。図3(a)のエッジ抽出フィ
ルタは、図2のエッジ量抽出手段a(201)で用いら
れるフィルタ係数を示し、同様に図3(b)〜(p)の
エッジ抽出フィルタは、図2の各エッジ量抽出手段b〜
p(202〜216)で用いられるフィルタ係数を示す
ものである。
【0036】うち、図3(a)〜(h)のエッジ抽出フ
ィルタは、マスクサイズが大きく、比較的低周波数帯域
のエッジ量を抽出するものであり、マスク中心位置を基
準としてそれぞれ異なる方向(上下左右および斜めの計
8方向)のエッジ量を抽出するものである。また、図3
(i)〜(p)のエッジ抽出フィルタは、マスクサイズ
が小さく、比較的高周波帯域のエッジ量を抽出するもの
であり、マスク中心位置を基準としてそれぞれ異なる方
向(上下左右および斜めの計8方向)のエッジ量を抽出
可能である。
【0037】エッジ量抽出手段201〜216では、こ
れらのエッジ抽出フィルタを用いてコンボリューション
演算をおこない、それぞれのエッジ抽出フィルタに対応
して設定されている倍率を掛けて出力する。この倍率は
図3に記載したが、例えば、図3(a)のエッジ抽出フ
ィルタであれば1/128である。
【0038】また、図3中で太い四角で囲んだ画素は処
理対象の注目画素Xの位置であり、斜線で記載された画
素はそれぞれのエッジ抽出フィルタのマスク中心位置Z
を示すものである。便宜上、図3(a)にのみこれら注
目画素X,マスク中心位置Zを記載してある。なお、図
3(i)〜(p)のエッジ抽出フィルタについては、厳
密にはマスク中心位置Zが真の中心位置とは異なるが、
この実施形態では中心から近い画素位置として設定して
ある。これらのエッジ抽出フィルタを有するエッジ量抽
出手段201〜216によって求められたエッジ量は、
それぞれ対応するエッジ量補正手段217〜232に入
力され、エッジ量の補正がおこなわれる。
【0039】図4は、エッジ量補正手段217〜232
の構成を示すブロック図である。エッジ量補正手段21
7〜232には、エッジ量抽出手段201〜216で求
めたエッジ量と、このときに用いたエッジ抽出フィルタ
のマスク中心位置Zに対応する位置の分離信号(図2記
載の分離信号A〜I)が入力され、分離信号A〜Iが文
字か非文字かによって異なる処理を施すよう構成されて
いる。
【0040】分離信号が文字の場合は、文字用の強調係
数αtがセレクタ401によって選択され、分離信号が
非文字の場合は非文字用の強調係数αhが選択され、乗
算器402に入力される。乗算器402は、この強調係
数αt,αhに、エッジ量を乗算し、補正後のエッジ量
として出力する。強調係数αtおよびαhは、それぞれ
のエッジ量補正手段217〜232で固有に設定された
値であり、文字の鮮鋭性と絵柄部のモアレ低減および粒
状性向上のため最適な値に設定されている。
【0041】例えば、分離信号が文字である場合、エッ
ジ量補正手段217〜224に対する強調係数αtを6
とし、エッジ量補正手段225〜232に対する強調係
数αtを4に設定すると、図5に示すようなフィルタ特
性が得られ、文字部に十分な強調がおこなえるものとな
る。
【0042】また、分離信号が非文字である場合には、
エッジ量補正手段217〜224に対する強調係数αh
を4とし、エッジ量補正手段225〜232に対する強
調係数αhを0に設定すると、図6に示すようなフィル
タ特性が得られ、網点画像などの絵柄部に適したフィル
タ効果を得ることができる。
【0043】この発明の特徴的な構成、すなわち、各エ
ッジ量抽出フィルタによって入力する分離信号の位置が
異なるように構成した点を図2を用いて説明する。例え
ば、図2のエッジ量抽出手段a(201)は、図3
(a)に示すように注目画素Xの左画素位置がマスク中
心位置Zであり、分離結果はこの位置に対応したものを
入力させる。
【0044】図7は、注目画素に対する各方向の位置を
示す図である。図7中の注目画素Xの位置Eに対して、
左の位置Dの分離結果をエッジ量補正手段217に出力
する。同様に、エッジ量補正手段218には位置Bの分
離結果を出力し、エッジ量補正手段219には位置Fの
位置の分離結果を出力する。エッジ量補正手段224に
は位置Gの分離結果を出力する。このように、注目画素
Xを基準として上下左右斜めの位置(A〜I)の分離結
果を出力する。
【0045】エッジ量補正手段225〜232では、対
応するフィルタ図3(i)〜(p)のマスク中心位置Z
は全て注目画素Xの位置と一致であると扱っているの
で、全てにおいて図7の位置Eに対応する分離結果を出
力する。
【0046】図2に示すように、各エッジ量補正手段2
17〜232で補正後のエッジ量は、全て加算手段23
3〜248で入力画像信号に加え、合成されることによ
ってフィルタ処理される。このように、エッジ量補正手
段217〜232は、文字あるいは非文字の分離信号A
〜Iに応じて、文字用の強調係数αtと非文字用の強調
係数αhを切り換えて適用するものである。
【0047】この実施の形態1では注目画素Xに対して
フィルタ処理が実施されるとき、注目画素Xを中心とす
る3×3のマトリクスを用いた分離結果により、それぞ
れの位置に対応したエッジ成分を強調し、これらの加算
によってその特性が決定される。したがって、網点画像
などの処理過程で網点と文字が誤分離された箇所があっ
ても、その周囲の大部分が非文字と判定されていれば強
い強調がおこなわれることがなく、分離エラーに起因す
るデフェクトを低減することができるようになる。
【0048】(実施の形態2)実施の形態2において
は、実施の形態1の構成を用いつつ、入力したエッジ量
の大きさに応じて適応的に強調係数を変化させる構成で
ある。図8は、この発明の実施の形態2に係るエッジ量
補正手段217〜232(図2参照)の構成を示すブロ
ック図である。
【0049】図8のテーブル設定手段801には、分離
信号A〜Iが入力される。あらかじめメモリ804に
は、変換テーブルとして文字および非文字に対応する文
字用強調係数Tt,非文字用強調係数Thがルックアッ
プテーブル形式で格納されている。テーブル設定手段8
01は、分離信号A〜Iが文字であるか非文字であるか
に対応して該当する変換テーブルを読み出し、文字用強
調係数Tt、あるいは非文字用強調係数Thをテーブル
変換手段802へ出力する。
【0050】分離信号A〜Iが文字の場合は、文字用強
調係数Ttの変換テーブルを選択して読み出し、また分
離信号A〜Iが非文字の場合は、非文字用強調係数Th
の変換テーブルを選択して読み出すよう構成されてい
る。テーブル変換手段802では、読み出された文字用
強調係数Tt、あるいは非文字用強調係数Thに基づ
き、入力されたエッジ量に対応する強調係数αを決定
し、乗算器803に出力する。乗算器803では、入力
されたエッジ量に強調係数αを乗算し、補正後のエッジ
量として出力する。
【0051】図9は、メモリ804の変換テーブルに格
納された文字用強調係数および非文字用強調係数を示す
図である。図にはエッジ量補正手段217の補正内容の
一例が示されている。変換テーブルは、エッジ量の絶対
値に対応した強調係数αを出力する。エッジ量の絶対値
が小さい場合は強調係数αを0とし(つまり強調しな
い)、エッジ量の絶対値が大きくなるにしたがって強調
係数αを大きくし、所定の閾値以上で所定の強調係数α
に飽和させるようにしている。図示の例で文字用強調係
数Ttはエッジ量がThb以上で強調係数αが6で飽和
し、非文字用強調係数Thはエッジ量がThd以上で強
調係数αが4で飽和する。
【0052】このように制御することで、ノイズレベル
の信号や比較的エッジ量の小さな網点画像の起伏成分を
強調させず、一方で文字などの有意な濃度起伏を強調す
ることができる。また、非文字用強調係数の最大値に対
して文字用の強調係数の最大値を大きく設定すること
で、文字部では絵柄部より強い強調がおこなえ、良好な
鮮鋭性制御がおこなえる。
【0053】このように実施の形態2の構成によれば、
文字領域および非文字領域に対して適応的にフィルタの
強度を制御することができるため、より高品位な画像再
生が可能となる。尚、この発明では文字領域、非文字領
域とも適応的に制御するものを示したが、構成を簡素化
するために、文字領域については固定の強調係数を適用
し、比較的こまかな制御が必要な網点画像などの非文字
領域についてのみエッジ量に基づく適応的な補正を施す
構成としてもよい。
【0054】また、この実施の形態2では、抽出された
エッジ量に乗算すべき値が格納された変換テーブルを選
択的に読み出して乗算する補正方法を例に挙げたが、エ
ッジ量からダイレクトに補正後、エッジ量を出力するよ
うなテーブルを用いて補正する構成とすればさらに自由
度のある補正がおこなえ、このほかに変換式などを用い
る構成としてもよい。
【0055】(実施の形態3)図10は、この発明の実
施の形態3によるフィルタ処理手段103の構成を示す
ブロック図である。このフィルタ処理手段103は、入
力画像信号に対して平滑化フィルタ1009によって平
滑化を施し、平滑化された画像信号に対して各エッジ量
補正手段217〜232の信号を合成するように構成し
ている。図示の構成において前述した実施の形態1(図
2)と同様の構成部には同一の符号を附してあり、平滑
化フィルタ1009が追加されたこと以外、他の構成部
は図2に示した構成と同様である。
【0056】エッジ量補正手段217〜232で乗算さ
れる強調係数がすべて0であった場合、補正後のエッジ
量はすべて0となり、出力画像信号は入力画像信号に対
して平滑化フィルタ1009を施したものとなる。この
ように構成することによって、総合的に得られるフィル
タ特性を、平滑から強調までいろいろな強さで制御する
ことができ、適用範囲の広いフィルタ処理が実現できる
ようになる。
【0057】(実施の形態4)図11は、実施の形態1
(図2)、または実施の形態3(図10)のエッジ量補
正手段217〜232で補正せずに出力したときのフィ
ルタ特性を示す図である。実施の形態4では、実施の形
態3で説明したような、平滑化フィルタ1009の特性
を、エッジ量補正手段217〜232で補正せずに、エ
ッジ量抽出手段201〜216からのエッジ量をそのま
ま補正後エッジ量として出力するとき(つまり1を乗算
して出力したとき)、最終的に得られる出力画像のフィ
ルタ特性が全帯域に対し概ね1程度(フィルタスルー)
であるように設定する。
【0058】図12は、平滑化フィルタ1009のフィ
ルタ係数を示すマトリクス図である。図示された係数を
入力された画像信号に施すことによって、合成されたと
きほぼ全帯域にわたって強調度1となるフィルタが実現
できる。図13は、図12の平滑化フィルタ1009の
フィルタ特性を示す図である。
【0059】上記のようにフィルタ特性を設定すること
は、パラメータの設計上、非常に有効である。フィルタ
スルーの画像に近いフィルタ特性にしたいときには強調
係数αを1程度にし、強調したい場合は強調係数αを1
より十分大きくし、逆に平滑化したい場合には強調係数
αに1以下の数値を設定すればよい。また、帯域毎、方
向毎にこれらを制御でき、自在なフィルタ特性を簡単に
実現できるというメリットがある。
【0060】(実施の形態5)実施の形態5では、平滑
化フィルタ1009の特性を網点画像の処理部などにと
って最適な特性に設定しておき、エッジ量補正手段21
7〜232で全てのエッジ量を0にするように補正す
る。これにより、出力される画像信号に施されるフィル
タ特性は、平滑化フィルタ1009の特性となり、パラ
メータの設計上非常に有効となる。つまり、絵柄部分に
対しては強調係数αを0に設定すればよく、その他文字
などについて0以外の強調係数αを適用するようにす
る。この実施形態では平滑化フィルタ1009を用いる
こととしたが、網点画像や連続調画像などの絵柄部分に
最適なフィルタ特性がバンド強調型である場合、このよ
うなフィルタに適用しても構わない。
【0061】(実施の形態6)実施の形態6では上記各
実施の形態で説明した、複数の位置のエッジ成分を合成
することにより実現されるフィルタ(フィルタ処理手段
103)を、ウェーブレット変換を用いて効率的におこ
なう構成である。
【0062】ウェーブレット変換でのフィルタ実現は、
サブバンドで繰り返し帯域を分割していく方法なので、
演算が簡単という利点がある。また、Harrなどの基
底関数を用いれば、帯域分割することにより得られる低
周波成分は平滑化処理が施された画像となっているの
で、高周波成分をカットすることで平滑化処理画像が簡
単に得られ、特に平滑化フィルタを他に準備する必要が
ないなど効率的である。
【0063】以下、入力される画像信号をウェーブレッ
ト変換などのサブバンド符号化によって周波数空間の係
数信号に変換し、変換した信号に対して処理をおこなう
ことによって同様の効果が得られる構成について説明す
る。
【0064】図14は、実施の形態6におけるフィルタ
処理手段103の構成を示すブロック図である。図示の
ように、入力された画像信号は、まず帯域分割手段14
08に入力され、複数の画像帯域信号に分解される。鮮
鋭性制御手段1409には分離信号が入力され、文字お
よび非文字情報に応じて所定の画像の強調処理および平
滑処理をおこなう。帯域合成手段1410は実空間画像
信号に逆変換し、出力するよう構成されている。
【0065】図15は、帯域分割手段1408における
ウェーブレット変換処理を説明するためのブロック図で
ある。入力された画像信号は、まずローパスフィルタG
(x)1501およびハイパスフィルタH(x)150
2に入力され、x方向にウェーブレット変換される。
【0066】図16は、これらローパスフィルタG
(x)1501,ハイパスフィルタH(x)1502の
特性を示す図である。ローパスフィルタG(x)150
1は、図16(A)に示すような平均値成分を求めるよ
うな低周波成分抽出用フィルタである。ハイパスフィル
タH(x)は、図16(B)のような差分成分を求める
ような高周波成分抽出用フィルタである。
【0067】この実施の形態6では、図16に示した特
性のウェーブレット基底関数(Harr)を例に説明す
る。求められた画像信号に対し、フィルタ群1503,
1504,1505,1506(図15)によってy方
向のウェーブレット変換が施される。以上の変換によっ
て求められるのが1階層のウェーブレット係数である。
【0068】図15に示す出力1st−LLは1階層の
低周波成分であり、原画像に対して2×2画素の平均値
を求めた画像信号となっている。また、出力1st−L
Hは1階層の横方向高周波成分であり、ナイキスト周波
数にあたる横方向のエッジ信号を抽出したような画像信
号となっている。同様に出力1st−HLは1階層の縦
方向高周波成分であり縦方向のエッジ信号を、出力1s
t−HHは斜め方向のエッジ信号を抽出したような画像
信号となっている。
【0069】図17は、ウェーブレット変換の処理内容
(変換前後)を示す図である。図示のように、ウェーブ
レット変換は、平均値および各方向のエッジ成分を抽出
する変換であることがわかる。
【0070】そして、図15に示すように、上述の説明
で求められた出力1st−LL信号に対し、同様の手順
で2階層のウェーブレット変換がおこなわれる。フィル
タ群1507〜1512によって変換された画像信号の
出力2nd−LL,2nd−LH,2nd−HL,2n
d−HHを得る。
【0071】出力2nd−LLは、4x4画素の平均値
を求めた画像信号であり、1階層より低周波帯域の画像
信号である。また、同様に出力2nd−LHは、1st
−LHよりも低周波帯域の成分であり、ナイキスト周波
数の1/2の周波数帯域の横方向エッジを抽出した画像
信号である。同様に2nd−HLは2階層の縦方向高周
波成分でありより低周波な縦方向エッジ信号を、2nd
−HHは斜め方向のエッジ信号を抽出したような画像信
号となっている。以上のようにして、2階層までのウェ
ーブレット係数信号(出力1st−LL〜1st−H
H,出力2nd−LL〜2nd−HH)を得る。
【0072】次に、鮮鋭性制御手段1409の動作を図
18のブロック図を用いて説明する。鮮鋭性制御手段1
409は、画分離信号に基づいて像信号の強調処理およ
び平滑化処理をおこなう。図18のように分離信号に応
じて、1階層の高周波成分(出力1st−HL,1st
−LH,1st−HH)および2階層の高周波成分(出
力2nd−HL,2nd−LH,2nd−HH)に対
し、補正手段1801〜1806によって所定の補正を
おこなうよう構成している。
【0073】図19は、補正手段1801〜1806に
おける補正処理を説明するための図である。図示のよう
に、補正手段1801〜1806に入力された高周波係
数信号の絶対値が、所定のノイズ除去閾値(文字領域画
素についてはthn_t、非文字領域画素についてはt
hn_h)よりも小さい場合には、入力された高周波係
数信号の値に比較的小さな強調係数α(文字領域画素に
ついてはαt1、非文字領域画素についてはαh1)を
乗じて、補正後の係数信号の値が非常に小さくなるよう
に補正している。
【0074】また、高周波係数信号の絶対値が、前記ノ
イズ除去閾値以上の場合には、入力された係数信号の値
に比較的大きな強調係数α(文字領域画素についてはα
t2、非文字領域画素についてはαh2)を乗じて出力
するように構成している。
【0075】このように制御することによって、ノイズ
除去閾値より小さな高周波成分はノイズとして減衰させ
ることができるため平滑化を施したと同じ画像となり、
また、ノイズ除去閾値以上の高周波成分は有意な信号と
して強調されるため差分成分が増大し強調フィルタ処理
を施した画像が得られる。
【0076】ノイズ除去閾値およびそれぞれの強調係数
は、異なる周波数帯域(1st,2nd)、異なる方向
成分(HL,LH,HH)ごと、さらに分離信号に応じ
て各々個別に設定するよう構成している。つまり、それ
ぞれの帯域、方向ごとに除去する高周波成分の大きさと
強調度合いを制御できるので、きめこまかなノイズ除去
(平滑化)と強調をおこなうことが可能となる。
【0077】文字用の強調係数αは、非文字用の強調係
数αよりも大きく設定しており、文字や線画の鮮鋭性と
絵柄部の粒状性、モアレ抑制を実現している。さらに非
文字用のノイズ除去閾値は、文字用のノイズ除去閾値よ
りも高めに設定することで、比較的大きな高周波成分ま
で減衰させることができ、網点部などのモアレ抑制、粒
状性の向上が得られる。以上のような補正をおこなった
後、補正後の高周波係数信号は、帯域合成手段1410
に入力され、実空間画像に逆変換される。
【0078】図20は、帯域合成手段1410の構成を
示すブロック図である。帯域合成処理では、より高階層
のウェーブレット係数信号から処理がおこなわれる。鮮
鋭性制御手段1409によって補正された2階層係数信
号(出力2nd−LL’,2nd−HL’,2nd−L
H’,2nd−HH’)は、逆変換フィルタH(y)
2010,2012、逆変換フィルタG(y)200
9,2011によってy方向に逆変換され、さらに逆変
換フィルタH(x)2008,G(x)2007に
よってx方向に逆変換される。
【0079】得られた画像信号は、補正後の1階層LL
信号(1st−LL’)であり、1階層の他の補正後係
数信号(出力1st−HL’,1st−LH’,1st
−HH’)とともに、逆変換フィルタH(y)および
(y)2003〜2006と、逆変換フィルタH
(x)およびG(x)2001,2002で同様な帯
域合成処理が施される。このようにしてフィルタ処理後
の実空間画像信号が得られる。
【0080】ところで、この実施の形態6におけるウェ
ーブレット変換は、通常圧縮処理などでおこなわれてい
るサブサンプリング(画素の間引き)を実施しない構成
を採っている。サブサンプリングをおこなうウェーブレ
ット変換の処理内容を図21に示す。図示のように、ハ
イパスフィルタおよびローパスフィルタによる処理をお
こなった後、2画素に1画素間引く処理をおこない、係
数信号とする。逆変換では、アップサンプリングをおこ
ない、逆変換フィルタによって逆変換をおこなう。
【0081】図22に示すように、この実施の形態6の
ウェーブレット変換では、順変換の際にダウンサンプリ
ングをおこなわない。従って、図23に示すように、各
階層、各方向の係数信号の画像サイズは、入力画像Or
gと同サイズとなる。逆変換時には、図22に示すよう
にeven、odd画素群毎にそれぞれアップサンプリ
ングをおこない逆変換フィルタを施す。1つの原画像画
素に対してeven画素群からの逆変換結果と、odd
画素群からの逆変換結果が得られるので、これらを平均
して逆変換後の画像データとする。
【0082】図24は、間引きをおこなわないウェーブ
レット変換(変換基底はHarr)を2階層までおこな
い鮮鋭性を制御するようなフィルタ処理を、上記各実施
の形態1〜5で表したような実空間の適応エッジフィル
タに展開した場合の等価回路を示す図である。
【0083】図24に示すように、入力画像信号は、一
つの平滑化フィルタの処理結果に、60個の1次微分フ
ィルタによって得られた成分を補正し加算したものと考
えることができる。エッジ抽出フィルタ2401〜24
12は、1階層のウェーブレット変換により抽出される
高周波成分であり、2401〜2404までは1階層の
縦方向成分(1st−HL)であり、それぞれ注目画素
(図中の太い四角画素)に対して位置のずれた4つの成
分である。
【0084】2401は2×2サイズの1次微分フィル
タの右下画素が注目画素の位置となるようなフィルタで
あり、2402は左下、2403は右上、2404は左
上画素が注目画素となるようなフィルタである。同様に
2405〜2408は1階層の横方向成分(1st−L
H)であり、2409〜2412は1階層の斜め方向成
分(1st−HH)であり、それぞれ注目画素から位置
のずれた4つの成分である。以上のように1階層の高周
波成分に相当する1次微分フィルタが、3方向(縦、
横、斜め)に、かつそれぞれ4つの位置(右上、右下、
左上、左下)、つまり合計12のフィルタが存在するこ
とに等価となる。
【0085】また、エッジ抽出フィルタ2413〜24
60は、2階層のウェーブレット変換により抽出される
高周波成分であり、2413〜2428までは2階層の
縦方向成分(2nd−HL)であり、それぞれ注目画素
(図中の太い四角画素)に対して位置のずれた16個の
成分である。4×4サイズの1次微分フィルタのそれぞ
れの位置が注目画素となるように、順にずらして設置し
た16個のエッジ抽出フィルタに相当する。同様に、2
429〜2444は2階層の横方向成分(2nd−L
H)であり、2445〜2460は2階層の斜め方向成
分(2nd−HH)であり、それぞれ注目画素から位置
のずれた16個の成分である。以上のように2階層の高
周波成分に相当する1次微分フィルタが、3方向に、か
つそれぞれ16個の位置、つまり合計48個のフィルタ
が存在することに等価となる。
【0086】以上の構成により、1階層と2階層で合計
60個の一次微分フィルタでエッジを抽出していること
に等価となり、また実施の形態1(図2参照)で述べた
フィルタ(フィルタ処理手段103)と同様にエッジ抽
出フィルタのマスク中心位置を注目画素から離間させる
ことができる。
【0087】これらエッジ抽出フィルタ2401〜24
60によって得られた成分は、乗算器2461〜252
0(一部、特に2520付近は不図示)によって所定の
強調係数αと乗算し補正され、全ての補正された成分は
加算手段2521〜2580(一部、特に2480付近
は不図示)によって平滑化フィルタ2581後の信号と
合成され出力される。
【0088】ここで、それぞれのエッジ抽出成分を補正
するための強調係数αは、各成分毎に個別に設定され、
かつ図19に示したように分離信号によって文字領域、
非文字領域にそれぞれ適した係数が設定されている。ま
た、分離信号A〜Iは、処理すべき画素に対して一つで
はなく、各エッジ抽出フィルタの各々の位置(1階層は
4つ、2階層は16個)と、かつそれぞれの方向(縦、
横、斜め)に対応した複数の分離信号である。
【0089】以上、ウェーブレット変換を用いて鮮鋭性
の制御をおこなうことは、前述した実施の形態1〜6で
のフィルタ処理と同様の効果を得ることができる。さら
に、ウェーブレット変換を用いた構成によれば、実空間
フィルタで展開した場合に60個にも渡る多くの1次微
分フィルタから構成されているものと等価であり、非常
に多様できめ細かなフィルタ特性を実現できる。さら
に、Harr変換などは演算が非常に簡単かつ高速であ
り、実空間で並列にエッジ抽出フィルタを配置して処理
するものと比較して高速処理が可能である。
【0090】図25は、ウェーブレット変換を用いたフ
ィルタ処理を説明するための図である。図25には、こ
の実施の形態6に係るウェーブレット変換を用いたフィ
ルタ処理を1次元で示したものである。1画素のフィル
タ処理後結果を求めるためには前後3画素、つまり7画
素を参照する。
【0091】7つの実空間画像信号2601〜2607
を用いてそれぞれ隣り合った画素間で帯域分割処理をお
こなう。Harr変換に従って処理し1階層ウェーブレ
ット信号、つまり6つのローパスフィルタ結果2608
L〜2613Lと、同ハイパスフィルタ結果2608H
〜2613Hを得る。但し、2608H、2609H、
2612H、2613Hは不要のため図中には記述して
いない。
【0092】得られた6つの低周波成分(2608L〜
2613L)から4組の2階層ウェーブレット信号(2
614L〜2617L、2614H〜2617H)を求
める。2階層信号は1階層低周波成分を1つおきに用い
て同様のローパス、ハイパスフィルタを施すことで得ら
れる。
【0093】得られた信号のうち、高周波成分(261
4H〜2617H)を補正対象とし、実施の形態2(図
9参照)で説明した文字用強調係数および非文字用強調
係数を用いた方法に従い高周波成分の補正をおこなう。
補正後の2階層高周波成分と低周波成分2614L〜2
617Lを用いて帯域合成処理を施し、2つの帯域合成
後1階層ウェーブレット信号(補正後の1階層低周波信
号)2618Lと2619Lを得る。さらに、先ほど求
めた1階層ウェーブレット信号(1階層高周波成分)2
610H,2611Hに対しても補正をおこない、補正
後の信号と帯域合成後1階層ウェーブレット信号(低周
波成分)2618L,2619Lを用いて帯域合成を施
し、画像信号2604に対応する補正後の実空間画像信
号2620を得る。
【0094】以上のように1次元で考えた場合、処理対
象画素に対して位置のずれた4つの2階層高周波成分
と、2つの1階層高周波成分に対して補正が必要であ
り、それぞれについてその位置に対応した分離結果を適
用することで1つの特性が実現できるものである。
【0095】以上、この発明における各実施の形態で説
明した画像処理装置は、注目画素に対してフィルタ処理
が実施されるとき、注目画素の周囲複数の位置に対応し
た分離結果を用い、それぞれの位置に対応したエッジ成
分を強調し、これらのトータルによってその特性が決定
されるものであるので、網点画像の処理部などで文字と
誤分離された箇所があっても、その周囲の大部分が非文
字と判定していれば強い強調がおこなわれることがない
など、分離エラーに起因するデフェクトを低減すること
ができる。また、分離結果が2値的なデータであっても
上記のように多値的に作用するので、2値的な分離結果
と非常に親和性が高いものとなる。
【0096】また、従来の像域分離処理では、ブロック
単位で領域判定するような方式や、ヒステリシス特性を
もたせて一旦文字と判定された場合は文字と判定する確
率が大きくなるように構成した方式、膨張・収縮処理に
より判定に含まれる誤分離領域を消失させる方式のもの
があるが、判定の為の回路規模が大きくなったり複雑化
しやすい。この点、この発明の上記実施形態で説明した
画像処理装置は、ブロック単位で領域判定されたような
データやヒステリシスにより分離結果の混在が大きな単
位で発生しているようなデータよりも、分離結果が小さ
な単位で点在している方が自然に多値的な制御がおこな
えるという利点を活かしやすく好適である。よって、ブ
ロック単位処理などの複雑な処理を施さなくとも同等以
上の性能が得られコスト的にもメリットが大きい。
【0097】なお、この発明では、注目画素に対してフ
ィルタ処理が実施されるとき、注目画素の周囲複数の位
置に対応した分離結果を用い、それぞれの位置に対応し
たエッジ成分を強調しているが、注目画素位置に対応し
た唯一の特徴量または分離結果に応じて対応する全ての
エッジ成分を制御するように構成してもよい。
【0098】尚、実施の形態6ではウェーブレット基底
関数としてHarr型ウェーブレットを例にとったが、
他の基底関数でも同様に適用が可能である。また、ウェ
ーブレット変換に限らず、画像を複数の周波数帯域に分
割するサブバンド符号化などに対しても同様に適用が可
能である。また、この発明は複数の機器から構成される
システムに適用しても、1つの機器からなる装置に適用
してもよい。
【0099】なお、この実施の形態で説明した画像処理
方法は、あらかじめ用意されたプログラムをパーソナル
・コンピュータやワークステーション等のコンピュータ
で実行することにより実現することができる。このプロ
グラムは、ハードディスク、フロッピー(R)ディス
ク、CD−ROM、MO、DVD等のコンピュータで読
み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータによっ
て記録媒体から読み出されることによって実行される。
またこのプログラムは、上記記録媒体を介して、インタ
ーネットなどのネットワークを介して配布することがで
きる。
【0100】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1に記載の
発明によれば、入力された画像信号に対し空間周波数特
性の補正をおこない出力する画像処理装置において、入
力された画像信号から複数の周波数帯域成分および方向
成分のエッジ量を抽出する複数のエッジ量抽出手段と、
前記エッジ量抽出手段で抽出された各々のエッジ量に所
定の変換を施す複数のエッジ量補正手段と、前記エッジ
量補正手段からの出力を前記入力された画像信号に加算
することにより、空間周波数の補正をおこなう画像処理
装置において、前記複数のエッジ量抽出手段のうち少な
くとも1つ以上は、フィルタ処理用のマスク中心位置が
注目画素から離間していることとしたので、エッジ量を
抽出する際のフィルタのマスク中心位置が、注目画素か
ら意図的に離間させており、エッジ量を抽出するフィル
タのマスク中心位置に対する各位置の分離結果を用いて
補正することでフィルタ処理を実現するものであるた
め、部分的に文字の特徴が強くとも周囲が非文字の特徴
が強ければ非文字に適したフィルタ特性にでき、画素単
位でフィルタ特性が劇的に変化することなく高性能なフ
ィルタ処理をおこなうことができるという効果を奏す
る。
【0101】また、請求項2に記載の発明によれば、請
求項1に記載の発明において、前記複数のエッジ量抽出
手段は、注目画素の位置に対するマスク中心位置に基づ
く画像属性情報を前記エッジ量補正手段に出力し、前記
エッジ量補正手段は、入力された画像属性情報に応じて
補正内容を制御することとしたので、複数の位置の画像
属性情報からなる複数の補正によって総合的に最終的な
フィルタ特性を決定するため、たとえば、2値の画像属
性情報を用いても画像中ではフィルタ特性を多段階的に
変化でき、画像属性情報で処理した際の分離エラーや分
離境界でのデフェクトを低減することができるという効
果を奏する。
【0102】また、請求項3に記載の発明によれば、請
求項1,2のいずれか一つに記載の発明において、前記
各々のエッジ量補正手段は、各々のエッジ量抽出手段で
抽出されたエッジ量の大きさに応じ補正のための強調係
数を変化させることとしたので、各エッジ量成分毎にそ
のエッジ量の大きさに応じた適応的なフィルタ処理がお
こなえるようになるため、画像の文字に対する鮮鋭性と
絵柄に対する粒状性を両立させた高性能なフィルタ処理
をおこなうことができるという効果を奏する。
【0103】また、請求項4に記載の発明によれば、請
求項1〜3のいずれか一つに記載の発明において、前記
入力された画像信号に対し所定の平滑化処理を施す平滑
化手段を具備し、前記平滑化された画像信号に前記エッ
ジ量補正手段の出力を加算することとしたので、画像に
対し平滑から強調まで幅広い補正を簡単におこなえると
いう効果を奏する。
【0104】また、請求項5に記載の発明によれば、請
求項4に記載の発明において、前記平滑化手段は、前記
エッジ量補正手段で補正をおこなわずに抽出されたエッ
ジ量をそのまま平滑化後の信号に加算させる処理時に
は、得られる周波数伝達特性が全周波数帯域で1程度と
なるように設定可能としたので、エッジ量補正の調整を
簡単におこなうことができ、エッジ量の補正をおこなわ
ないとき、簡単にフィルタスルーとなる特性にでき、フ
ィルタ特性を簡単に変化できるという効果を奏する。
【0105】また、請求項6に記載の発明によれば、請
求項4に記載の発明において、前記平滑化手段は、周波
数伝達特性を網点画像に適するフィルタ特性に設定可能
で、前記エッジ量補正手段は、全てのエッジ量を0に補
正するよう設定可能としたので、エッジ量補正の調整を
画像に応じて簡単におこなえ、画像の絵柄部に最適な特
性を得ることができるという効果を奏する。
【0106】また、請求項7に記載の発明によれば、入
力された画像信号に対し空間周波数特性の補正をおこな
い出力する画像処理装置において、入力された画像信号
を複数の周波数帯域と複数の方向成分の係数信号に分割
して出力する多重解像度変換手段と、前記多重解像度変
換手段によって得られた複数の係数信号の各位置に対応
して求められた複数の画像属性信号を入力し、該画像属
性信号に基づき、対応する位置の係数信号に対して所定
の補正をおこなう鮮鋭性制御手段と、前記鮮鋭性制御手
段からの出力を逆変換することにより処理後の画像信号
を得る復元処理手段と、を有し、前記多重解像度変換手
段は、複数の周波数帯域と複数の方向成分の係数信号に
分割するに際し求められた係数信号を間引かずに保持
し、前記復元処理手段は、1つの入力画素に対して得ら
れた複数の逆変換出力をもとに処理後の画像信号を出力
することとしたので、帯域の分割の演算を簡単におこな
え、演算の高速化と多様なフィルタ特性を実現できるよ
うになる。また、画像属性情報の分離結果が2値的であ
っても画像中ではフィルタ特性を多段階的に変化でき、
分離エラー混在や分離境界でのデフェクトを低減できる
という効果を奏する。
【0107】また、請求項8に記載の発明によれば、入
力された画像信号に対し空間周波数特性の補正をおこな
い出力する画像処理方法において、入力された画像信号
から複数の周波数帯域成分および方向成分のエッジ量を
抽出する複数のエッジ量抽出ステップと、前記エッジ量
抽出ステップで抽出された各々のエッジ量に所定の変換
を施す複数のエッジ量補正ステップと、を有し、前記複
数のエッジ量抽出ステップのうち少なくとも1つ以上
は、フィルタ処理用のマスク中心位置が注目画素から離
間していることとしたので、エッジ量を抽出する際のフ
ィルタのマスク中心位置を注目画素から意図的に離間さ
せており、エッジ量を抽出するフィルタのマスク中心位
置に対する各位置の分離結果を用いて補正することでフ
ィルタ処理を実現するものであるため、部分的に文字の
特徴が強くとも周囲が非文字の特徴が強ければ非文字に
適したフィルタ特性にでき、画素単位でフィルタ特性が
劇的に変化することなく高性能なフィルタ処理を簡単な
ステップでおこなうことができるという効果を奏する。
【0108】また、請求項9に記載の発明によれば、入
力された画像信号に対し空間周波数特性の補正をおこな
い出力する画像処理方法において、入力された画像信号
を複数の周波数帯域と複数の方向成分の係数信号に分割
して出力する多重解像度変換ステップと、多重解像度変
換ステップによって得られた複数の係数信号の各位置に
対応して求められた複数の画像属性信号を入力し、該画
像属性信号に基づき、対応する位置の係数信号に対して
所定の補正をおこなう鮮鋭性制御ステップと、鮮鋭性制
御ステップからの出力を逆変換することにより処理後の
画像信号を得る復元処理ステップと、を有し、前記多重
解像度変換ステップは、複数の周波数帯域と複数の方向
成分の係数信号に分割するに際し求められた係数信号を
間引かずに保持し、前記復元処理ステップにおいては、
1つの入力画素に対して得られた複数の逆変換出力をも
とに処理後の画像信号を出力することとしたので、帯域
の分割の演算を簡単におこなえ、演算の高速化と多様な
フィルタ特性を簡単なステップで実現できるようにな
る。また、画像属性情報の分離結果が2値的であっても
画像中ではフィルタ特性を多段階的に変化でき、分離エ
ラー混在や分離境界でのデフェクトを低減できるという
効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の画像処理装置の構成を示すブロック
図である。
【図2】この発明の実施の形態1における画像処理装置
のフィルタ処理手段の構成を示すブロック図である。
【図3】複数のエッジ量抽出手段a〜pにおけるエッジ
抽出フィルタの係数を示すマトリクスである。
【図4】エッジ量補正手段の構成を示すブロック図であ
る。
【図5】画像の文字部に適したフィルタ特性を示す図で
ある。
【図6】画像の絵柄部に適したフィルタ特性を示す図で
ある。
【図7】注目画素に対する各方向の位置を示す図であ
る。
【図8】この発明の実施の形態2に係るエッジ量補正手
段の構成を示すブロック図である。
【図9】変換テーブルに格納された文字用強調係数およ
び非文字用強調係数を示す図である。
【図10】この発明の実施の形態3によるフィルタ処理
手段の構成を示すブロック図である。
【図11】エッジ量補正手段で補正せずに出力したとき
のフィルタ特性を示す図である。
【図12】この発明の実施の形態4における平滑化フィ
ルタのフィルタ係数を示すマトリクス図である。
【図13】平滑化フィルタのフィルタ特性を示す図であ
る。
【図14】この発明の実施の形態6におけるフィルタ処
理手段の構成を示すブロック図である。
【図15】実施の形態6のフィルタ処理手段に設けられ
る帯域分割手段におけるウェーブレット変換処理を説明
するためのブロック図である。
【図16】実施の形態6の帯域分割手段に設けられるロ
ーパスフィルタ,ハイパスフィルタの特性を示す図であ
る。
【図17】ウェーブレット変換の処理内容(変換前後)
を示す図である。
【図18】実施の形態6の帯域分割手段に設けられる鮮
鋭性制御手段の動作を説明するためのブロック図であ
る。
【図19】実施の形態6の鮮鋭性制御手段に設けられる
補正手段における補正処理を説明するための図である。
【図20】実施の形態6のフィルタ処理手段に設けられ
る帯域合成手段の構成を示すブロック図である。
【図21】サブサンプリングをおこなうウェーブレット
変換の手順を示す図である。
【図22】実施の形態6によるウェーブレット変換の手
順を示す図である。
【図23】実施の形態6のウェーブレット変換時におけ
る入力画像と、各階層、各方向の係数信号の画像サイズ
を示す図である。
【図24】間引きをおこなわないウェーブレット変換を
2階層までおこない鮮鋭性を制御するようなフィルタ処
理を、上記実施の形態の実空間の適応エッジフィルタに
展開した場合の等価回路を示す図である。
【図25】ウェーブレット変換を用いたフィルタ処理を
説明するための図である。
【符号の説明】
101 画像入力手段 102 変倍処理手段 103 フィルタ処理手段 104 γ変換処理手段 105 中間調処理手段 106 画像出力手段 107 像域分離手段 201〜216 エッジ量抽出手段 217〜232 エッジ量補正手段 233〜248 加算手段 401 セレクタ 402 乗算器 801 テーブル設定手段 802 テーブル変換手段 803 乗算器 804 メモリ(変換テーブル) 1009 平滑化フィルタ 1408 帯域分割手段 1409 鮮鋭性制御手段 1410 帯域合成手段 1501 ローパスフィルタ 1502 ハイパスフィルタ 1503〜1512 フィルタ群 1801〜1806 補正手段 2001〜2012 逆変換フィルタ 2401〜2460 エッジ抽出フィルタ 2461〜2520 乗算器 2521〜2580 加算手段 2581 平滑化フィルタ 2601〜2607 実空間画像信号 2608L〜2613L 1階層ウェーブレット信号 2614L〜2617L,2614H〜2617H 2
階層ウェーブレット信号 2618L,2619L 帯域合成後1階層ウェーブレ
ット信号 2620 帯域合成後実空間画像 A〜I 分離信号 αt,Tt 文字用強調係数 αh,Th 非文字用強調係数 X 注目画素 Z マスク中心位置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 森本 悦朗 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 Fターム(参考) 5B057 CA08 CA12 CB08 CB12 CB16 CE03 CE05 CE06 CE11 CH09 DA17 DB02 DB09 DC16 5C077 LL01 LL19 PP03 PP27 PP28 PP49 PP68 PQ08 PQ12 TT02 TT06

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入力された画像信号に対し空間周波数特
    性の補正をおこない出力する画像処理装置において、 入力された画像信号から複数の周波数帯域成分および方
    向成分のエッジ量を抽出する複数のエッジ量抽出手段
    と、 前記エッジ量抽出手段で抽出された各々のエッジ量に所
    定の変換を施す複数のエッジ量補正手段と、 前記エッジ量補正手段からの出力を前記入力された画像
    信号に加算することにより、空間周波数の補正をおこな
    う画像処理装置において、 前記複数のエッジ量抽出手段のうち少なくとも1つ以上
    は、フィルタ処理用のマスク中心位置が注目画素から離
    間していることを特徴とする画像処理装置。
  2. 【請求項2】 前記複数のエッジ量抽出手段は、注目画
    素の位置に対するマスク中心位置に基づく画像属性情報
    を前記エッジ量補正手段に出力し、 前記エッジ量補正手段は、入力された画像属性情報に応
    じて補正内容を制御することを特徴とする請求項1に記
    載の画像処理装置。
  3. 【請求項3】 前記各々のエッジ量補正手段は、 各々のエッジ量抽出手段で抽出されたエッジ量の大きさ
    に応じ補正のための強調係数を変化させることを特徴と
    する請求項1,2のいずれか一つに記載の画像処理装
    置。
  4. 【請求項4】 前記入力された画像信号に対し所定の平
    滑化処理を施す平滑化手段を具備し、 前記平滑化された画像信号に前記エッジ量補正手段の出
    力を加算することを特徴とする請求項1〜3のいずれか
    一つに記載の画像処理装置。
  5. 【請求項5】 前記平滑化手段は、 前記エッジ量補正手段で補正をおこなわずに抽出された
    エッジ量をそのまま平滑化後の信号に加算させる処理時
    には、得られる周波数伝達特性が全周波数帯域で1程度
    となるように設定可能なことを特徴とする請求項4に記
    載の画像処理装置。
  6. 【請求項6】 前記平滑化手段は、周波数伝達特性を網
    点画像に適するフィルタ特性に設定可能で、 前記エッジ量補正手段は、全てのエッジ量を0に補正す
    るよう設定可能であり、 画像の絵柄部に適したフィルタ特性が得られることを特
    徴とする請求項4に記載の画像処理装置。
  7. 【請求項7】 入力された画像信号に対し空間周波数特
    性の補正をおこない出力する画像処理装置において、 入力された画像信号を複数の周波数帯域と複数の方向成
    分の係数信号に分割して出力する多重解像度変換手段
    と、 前記多重解像度変換手段によって得られた複数の係数信
    号の各位置に対応して求められた複数の画像属性信号を
    入力し、該画像属性信号に基づき、対応する位置の係数
    信号に対して所定の補正をおこなう鮮鋭性制御手段と、 前記鮮鋭性制御手段からの出力を逆変換することにより
    処理後の画像信号を得る復元処理手段と、を有し、 前記多重解像度変換手段は、複数の周波数帯域と複数の
    方向成分の係数信号に分割するに際し求められた係数信
    号を間引かずに保持し、 前記復元処理手段は、1つの入力画素に対して得られた
    複数の逆変換出力をもとに処理後の画像信号を出力する
    ことを特徴とする画像処理装置。
  8. 【請求項8】 入力された画像信号に対し空間周波数特
    性の補正をおこない出力する画像処理方法において、 入力された画像信号から複数の周波数帯域成分および方
    向成分のエッジ量を抽出する複数のエッジ量抽出ステッ
    プと、 前記エッジ量抽出ステップで抽出された各々のエッジ量
    に所定の変換を施す複数のエッジ量補正ステップと、を
    有し、 前記複数のエッジ量抽出ステップのうち少なくとも1つ
    以上は、フィルタ処理用のマスク中心位置が注目画素か
    ら離間していることを特徴とする画像処理方法。
  9. 【請求項9】 入力された画像信号に対し空間周波数特
    性の補正をおこない出力する画像処理方法において、 入力された画像信号を複数の周波数帯域と複数の方向成
    分の係数信号に分割して出力する多重解像度変換ステッ
    プと、 多重解像度変換ステップによって得られた複数の係数信
    号の各位置に対応して求められた複数の画像属性信号を
    入力し、該画像属性信号に基づき、対応する位置の係数
    信号に対して所定の補正をおこなう鮮鋭性制御ステップ
    と、 鮮鋭性制御ステップからの出力を逆変換することにより
    処理後の画像信号を得る復元処理ステップと、を有し、 前記多重解像度変換ステップは、複数の周波数帯域と複
    数の方向成分の係数信号に分割するに際し求められた係
    数信号を間引かずに保持し、 前記復元処理ステップにおいては、1つの入力画素に対
    して得られた複数の逆変換出力をもとに処理後の画像信
    号を出力することを特徴とする画像処理方法。
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