JP4141712B2 - 画像処理装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、電子写真プロセスを用いたデジタル複写機、ファクシミリ装置などの画像処理装置に適用され、特に画質向上のために入力画像中の文字エッジ部の検出をおこない、その検出結果に基づき適切な処理をおこなう画像処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
デジタル複写機、ファクシミリ装置などの画像処理装置における画質向上の発明として画像の平滑化処理がある。原稿中の網点で中間調が表現されている部分を読みとって処理する場合には、網点によるモアレを防ぐために絵柄処理用の平滑化が必要となる。一方、網点上文字のような白地上文字以外の文字に対しても同様に絵柄処理用の平滑化をおこなうと鮮鋭性が不十分になり画質が劣ることになる。
【0003】
このような文字の下地を考慮して画質向上を図る従来技術としては、特開平8−181864号公報に開示された発明がある。この発明は、入力画像の網点部にレスポンスするような網点度算出フィルタを用い、その結果に応じて平滑化処理を実施するものである。入力画像から網点度を算出し、その網点度に応じた画像補正をすることにより、白地上文字、網点上文字、網点、写真などのあらゆる種類が混在した原稿に対してもそれぞれに適切な画像補正がおこなえる方法を提案している。
【0004】
また、特開平6−223172号公報に開示された従来技術は、画像データから複数の帯域信号を生成し、少なくとも1つの帯域信号により画像データのエッジ情報を抽出し、エッジ情報の分布により文字領域を検出する構成である。この発明には、あるしきい値よりも大きい値をもつ帯域信号の密度を検出し、文字判定をおこなう構成が開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特開平8−181864号公報の技術では、網点上文字という、白地上文字とは性質の異なる文字について満足な鮮鋭性を得るために、別途、網点の検出処理が必要となった。このような網点部の検出処理には大きな処理の負荷を必要とした。
【0006】
また、特開平6−223172号公報に開示された技術を用いても、網点画像中などにおいても大きな値をもつ帯域信号が存在するので、文字判定の精度を向上できなかった。また、ダウンサンプリングをおこないながら低い周波数帯域信号を生成するような構成であるため、判定の精度が悪いものであった。
【0007】
また、上記従来法以外の問題解決法として、網点ではないエッジ、すなわち文字エッジのみを抽出し、その抽出結果に基づき鮮鋭性処理をおこなう方法がある。この方法によれば、網点上の文字自身は強調されて鮮鋭性が改善されるものの、網点上の文字に隣接する網点についても強調するため、結果的に文字にはない凸凹を再現することとなり、全体的に見て網点上文字の画質向上が図れるものではなかった。
【0008】
この発明は、上述した従来技術による問題点を解消するため、網点分離などの負荷の大きな処理をおこなわずとも、網点上文字の鮮鋭性の向上や文字や網点における高調波歪みのない再生ができる画像処理装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決し、目的を達成するため、この発明に係る画像処理装置は、入力された画像信号から高周波数帯域および低周波数帯域それぞれの、横方向、縦方向、右斜方向、左斜め方向の各成分についてのフィルタ結果値を、前記各成分用のエッジ抽出フィルタを用いて抽出するフィルタ結果値抽出手段と、前記フィルタ結果値抽出手段によって抽出された注目画素の前記成分ごとに、注目画素の前記成分についての前記フィルタ結果値と、前記注目画素を中心に前記成分の方向に連続して隣接する2画素ずつの前記成分についての前記フィルタ結果値と、の合計5画素の前記成分についての前記フィルタ結果値の値を用いて、エッジ量を算出するエッジ量算出手段と、前記エッジ量算出手段によって算出された前記注目画素の前記各成分の前記エッジ量に基づき、それぞれ対応する前記注目画素の前記各成分についてのフィルタ結果値に対して、ノイズ除去または強調処理をおこなう鮮鋭性制御手段と、前記鮮鋭性制御手段によってノイズ除去または強調処理された前記各成分についてのフィルタ結果値を加算して、画像信号として出力する成分加算手段と、を備えることを特徴とする。
【0010】
この発明によれば、周波数帯域別に加え方向別にも文字エッジ検出から鮮鋭性の制御までを独立におこなうため、必要な周波数帯域、方向についてのみの強調が可能となり、網点上文字においても文字のエッジに沿った方向だけを強調することにより、文字は強調でき、かつ隣接する網点の強調は抑制することができるため、網点上文字の鮮鋭性および再現性をより向上させることができるようになる。
【0011】
また、この発明に係る画像処理装置は、入力された画像信号にウェーブレット変換を施して1階層および2階層の係数信号に分割する帯域方向分割手段と、前記帯域方向分割手段で分割された注目画素の前記係数信号ごとに、前記注目画素の1LL、2LL以外の前記係数信号と、前記注目画素を中心に前記係数信号の方向に連続して隣接する2画素ずつの前記係数信号と、の合計5画素の前記係数信号を用いて、前記5画素の前記係数信号が全て同符号である場合には、前記5画素の前記係数信号中の絶対値の最小値をエッジ量とし、前記5画素の前記係数信号が全て同符号でない場合には、エッジ量を0とすることで、前記注目画素のそれぞれ対応する前記係数信号のエッジ量を算出するエッジ量算出手段と、前記エッジ量算出手段により算出された前記注目画素の前記各係数信号の前記エッジ量に基づき、それぞれ対応する前記注目画素の前記各係数信号に対してノイズ除去または強調処理をおこなう鮮鋭性制御手段と、前記鮮鋭性制御手段によってノイズ除去または強調処理された前記各係数信号と2LL信号を加算して、画像信号として出力する成分加算手段と、を備えることを特徴とする。
【0012】
この発明によれば、周波数帯域別に加え方向別にも文字エッジ検出から鮮鋭性の制御までを独立におこなうため、必要な周波数帯域、方向についてのみの強調が可能となり、網点上文字においても文字のエッジに沿った方向だけを強調することにより、文字は強調でき、かつ隣接する網点の強調は抑制することができるため、網点上文字の鮮鋭性および再現性をより向上させることができるようになる。また、文字エッジ検出にはウェーブレットなどの係数信号を使用して実現の容易化が図れるようになる。
【0014】
また、この発明に係る画像処理装置は、前記鮮鋭性制御手段は、前記エッジ量算出手段において算出された前記各エッジ量があらかじめ設定された判定用しきい値より大きい場合には文字領域用の強調係数を用いてエッジを強調し、前記エッジ量が前記判定用しきい値より小さい場合には絵柄領域用の強調係数を用いて鮮鋭性制御をおこなうことを特徴とする。
【0015】
この発明によれば、文字のエッジに沿った方向だけを強調することにより、きめ細かなノイズ除去と文字の強調がおこなえるようになり、網点上文字の鮮鋭性および再現性をより向上させることができるようになる。
【0016】
また、この発明に係る画像処理装置は、前記鮮鋭性制御手段は、前記各係数信号の絶対値がノイズ除去判定用しきい値より大きい場合には前記係数信号に強調係数α(>1)を乗算し、絶対値が前記ノイズ除去判定用しきい値よりも小さい場合には前記係数信号を0に置き換えて、出力することを特徴とする。
【0017】
この発明によれば、画像のノイズ除去による平滑化と、文字の強調の度合いを定めた所定値の値によって、きめこまかに設定できるようになり、網点上文字の鮮鋭性および再現性の向上を図ることができる。
【0033】
【発明の実施の形態】
以下に添付図面を参照して、この発明に係る画像処理装置の好適な実施の形態を詳細に説明する。
【0034】
図1は、この発明の実施の形態にかかる画像処理装置の全体構成を示すブロック図である。スキャナなどの画像入力手段101には画像信号が入力される。スキャナγ処理手段102は、画像入力手段101からの反射率リニアな画像データを濃度リニア、または明度リニアの画像データに変換する。スキャナγ処理手段102の機能はスルー(無効)にすることができる。
【0035】
スキャナγ処理手段102からの画像データは、フィルタ処理手段103に入力される。フィルタ処理手段103は、所望の空間周波数特性となるよう画像を変換する。フィルタ処理手段103から出力された画像データはγ変換処理手段104にて所望の濃度特性となるよう変換され、さらに中間調処理手段105において多値または2値画像データに変換される。
【0036】
中間調処理手段105は、ディザ処理や、誤差拡散など各種手法を用いることができる。中間調処理手段105から出力された画像データは、電子写真プリンタなどの画像出力手段106に出力される。
【0037】
(実施の形態1)
この発明の画像処理装置における実施の形態1の構成を説明する。図2は、実施の形態1におけるフィルタ処理手段103の構成を示すブロック図である。フィルタ処理手段103に入力された画像信号(入力画像)は、成分抽出手段231〜238に入力され、複数の周波数帯域・方向成分の信号R1〜R8が抽出される。
【0038】
成分抽出手段231〜238は、高周波、低周波、横方向、縦方向、右斜方向、左斜方向を組み合わせてなる複数の手段で構成され、高周波・横方向成分抽出手段231,高周波・縦方向成分抽出手段232,…,低周波・左斜方向成分抽出手段238まで合計8つ設けられる。これら成分抽出手段231〜238における信号R1〜R8の抽出には、それぞれ図3〜図10に示すマトリクス状の係数を有するフィルタが用いられる。
【0039】
文字エッジ量算出手段240は、抽出された信号R1〜R8を用いて入力された画像信号中の文字やラインのような文字エッジ量の算出をおこなう。この文字エッジ量算出手段240は、成分抽出手段231〜238にそれぞれ対応した周波数、方向成分の文字エッジ量を算出する。すなわち、高周波・横方向文字エッジ量算出手段241,高周波・縦方向文字エッジ量算出手段242,…,低周波・左斜方向文字エッジ量算出手段248までの合計8つの手段を有する。
【0040】
鮮鋭性制御手段250は、文字エッジ量算出手段240での算出結果に応じて画像の強調処理および平滑処理をおこなう。鮮鋭性制御手段250は、複数の周波数、方向の文字エッジ量算出手段241〜248にそれぞれ対応した8つの補正手段251〜258を有する。これら鮮鋭性制御済みの各信号は加算手段260により入力信号に加え合わせてフィルタ処理手段103の出力画像として出力する。
【0041】
このように、文字エッジ量算出手段240で複数の周波数帯域・方向成分別に文字エッジ量の算出をおこない、その算出結果を基に鮮鋭性制御手段250で周波数帯域・方向成分別に独立した鮮鋭性の制御をおこなう。
【0042】
以下に、文字エッジ量算出手段240の動作について図11〜図18を用いて詳細に説明する。文字エッジ量算出手段240は、図2の成分抽出手段231〜238により抽出された複数の周波数帯域・方向成分の信号R1〜R8を入力とし、信号R1〜R8によって周波数帯域・方向成分別の各文字エッジ量算出手段241〜248によって低周波、高周波の領域、および横方向、縦方向、右斜方向、左斜方向の文字エッジ量C1〜C8の抽出をおこない出力する。
【0043】
高周波・横方向文字エッジ量算出手段241では高周波・横方向の文字エッジ量C1を算出する。注目画素における図3のフィルタ結果値F1を中心として、その左右2画素ずつにおけるフィルタ結果値の合計5画素分のフィルタ結果値を用いて、以下の条件式に従って文字エッジ量C1を算出する。図11は、高周波・横方向文字エッジ量算出手段241の文字エッジ量算出過程を説明するための図である。
【0044】
if(連続する5つのフィルタ結果値がすべて同符号)
then(C1=5つのフィルタ結果値の絶対値の最小値)
else
(C1=0)
【0045】
図示のように、横方向の画素A〜Eの連続する5つの値が全て同符号の時、絶対値が最小のものを注目画素の横方向の文字エッジ量C1とする。
【0046】
高周波・縦方向文字エッジ量算出手段242では、高周波・縦方向の文字エッジ量C2を算出する。高周波・横方向文字エッジ量算出手段241の文字エッジ量算出方法と同様にして、注目画素における図4のフィルタ結果値F2を中心として、その上下2画素ずつにおけるフィルタ結果値の合計5画素分のフィルタ結果値を用いて、以下の条件式に従って文字エッジ量C2を算出する。図12は、高周波・縦方向文字エッジ量算出手段242の文字エッジ量算出過程を説明するための図である。
【0047】
if(連続する5つのフィルタ結果値がすべて同符号)
then(C2=5つのフィルタ結果値の絶対値の最小値)
else
(C2=0)
【0048】
図示のように、縦方向の画素A〜Eの連続する5つの値が全て同符号の時、絶対値が最小のものを注目画素の縦方向の文字エッジ量C2とする。
【0049】
高周波・右斜方向文字エッジ量算出手段243では、高周波・右斜方向の文字エッジ量C3を算出する。上記同様に、注目画素における図5のフィルタ結果値F3を中心として、その右斜上下2画素ずつにおけるフィルタ結果値の合計5画素分のフィルタ結果値を用いて、以下の条件式に従って文字エッジ量C3を算出する。図13は、高周波・右斜方向文字エッジ量算出手段243の文字エッジ量算出過程を説明するための図である。
【0050】
if(連続する5つのフィルタ結果値がすべて同符号)
then(C3=5つのフィルタ結果値の絶対値の最小値)
else
(C3=0)
【0051】
図示のように、右斜方向の画素A〜Eの連続する5つの値が全て同符号の時、絶対値が最小のものを注目画素の右斜方向の文字エッジ量C3とする。
【0052】
高周波・左斜方向文字エッジ量算出手段244では、高周波・左斜方向の文字エッジ量C4を算出する。上記同様に、注目画素における図6のフィルタ結果値F4を中心として、その左斜上下2画素ずつにおけるフィルタ結果値の合計5画素分のフィルタ結果値を用いて、以下の条件式に従って文字エッジ量C4を算出する。図14は、高周波・左斜方向文字エッジ量算出手段244の文字エッジ量算出過程を説明するための図である。
【0053】
if(連続する5つのフィルタ結果値がすべて同符号)
then(C4=5つのフィルタ結果値の絶対値の最小値)
else
(C4=0)
【0054】
図示のように、左斜方向の画素A〜Eの連続する5つの値が全て同符号の時、絶対値が最小のものを注目画素の左斜方向の文字エッジ量C4とする。
【0055】
低周波・横方向文字エッジ量算出手段245では、低周波・横方向の文字エッジ量C5を算出する。高周波帯域の場合の算出方法と同様にして、注目画素における図7のフィルタ結果値F5を中心として、その左右2画素ずつにおけるフィルタ結果値の合計5画素分のフィルタ結果値を用いて、以下の条件式に従って文字エッジ量C5を算出する。図15は、低周波・横方向文字エッジ量算出手段245の文字エッジ量算出過程を説明するための図である。
【0056】
if(連続する5つのフィルタ結果値がすべて同符号)
then(C5=5つのフィルタ結果値の絶対値の最小値)
else
(C5=0)
【0057】
図示のように、横方向の画素A〜Eの連続する5つの値が全て同符号の時、絶対値が最小のものを注目画素の横方向の文字エッジ量C5とする。
【0058】
低周波・縦方向文字エッジ量算出手段246では、低周波・縦方向の文字エッジ量C6を算出する。上記の文字エッジ量算出方法と同様にして、注目画素における図8のフィルタ結果値F6を中心として、その上下2画素ずつにおけるフィルタ結果値の合計5画素分のフィルタ結果値を用いて、以下の条件式に従って文字エッジ量C6を算出する。図16は、低周波・縦方向文字エッジ量算出手段246の文字エッジ量算出過程を説明するための図である。
【0059】
if(連続する5つのフィルタ結果値がすべて同符号)
then(C6=5つのフィルタ結果値の絶対値の最小値)
else
(C6=0)
【0060】
図示のように、縦方向の画素A〜Eの連続する5つの値が全て同符号の時、絶対値が最小のものを注目画素の縦方向の文字エッジ量C6とする。
【0061】
低周波・右斜方向文字エッジ量算出手段247では、低周波・右斜方向の文字エッジ量C7を算出する。上記同様にして、注目画素における図9のフィルタ結果値F7を中心として、その右斜上下2画素ずつにおけるフィルタ結果値の合計5画素分のフィルタ結果値を用いて、以下の条件式に従って文字エッジ量C7を算出する。図17は、低周波・右斜方向文字エッジ量算出手段247の文字エッジ量算出過程を説明するための図である。
【0062】
if(連続する5つのフィルタ結果値がすべて同符号)
then(C7=5つのフィルタ結果値の絶対値の最小値)
else
(C7=0)
【0063】
図示のように、右斜方向の画素A〜Eの連続する5つの値が全て同符号の時、絶対値が最小のものを注目画素の右斜方向の文字エッジ量C7とする。
【0064】
低周波・左斜方向文字エッジ量算出手段248では、低周波・左斜方向の文字エッジ量C8を算出する。上記同様にして、注目画素における図10のフィルタ結果値F8を中心として、その左斜上下2画素ずつにおけるフィルタ結果値の合計5画素分のフィルタ結果値を用いて、以下の条件式に従って文字エッジ量C8を算出する。図18は、低周波・左斜方向文字エッジ量算出手段248の文字エッジ量算出過程を説明するための図である。
【0065】
if(連続する5つのフィルタ結果値がすべて同符号)
then(C8=5つのフィルタ結果値の絶対値の最小値)
else
(C8=0)
【0066】
図示のように、左斜方向の画素A〜Eの連続する5つの値が全て同符号の時、絶対値が最小のものを注目画素の左斜方向の文字エッジ量C8とする。
【0067】
次に、鮮鋭性制御手段250の処理内容について、図19と図20を用いて詳細に説明する。鮮鋭性制御手段250では、図2に示すように、文字エッジ量算出手段240で算出された各々の結果を利用して、周波数・方向成分別に独立に画像信号の強調処理および平滑化処理をおこなう。
【0068】
具体的には、文字エッジ量算出手段240の結果(文字エッジ量)C1〜C8に応じて、周波数・方向成分別に抽出した信号R1〜R8に対し、それぞれ補正手段251〜258によって所定の補正をおこなう。
【0069】
図19は、補正手段251〜258の構成を示すブロック図である。同図を用いて補正処理の内容を説明する。図示のように、補正手段251〜258のパラメータ設定部1901は、文字エッジ量の大きさに基づいて周波数・方向成分別の所定の強調係数βと、ノイズ除去しきい値Thrを出力する。
【0070】
図20は、演算器1902における信号の入出力状態を示す図表である。演算器1902は、入力された周波数方向成分別入力信号Dinの絶対値がノイズ除去しきい値Thrよりも小さい場合には、補正後信号Doutの値を0として出力する。また、入力された周波数方向成分別入力信号Dinの絶対値が所定のノイズ除去しきい値Thr以上の場合には、入力された周波数方向成分別入力信号Dinの信号値に強調係数βを乗じる演算をおこない、その結果を補正後信号Doutとして出力する。この補正後信号Doutは、図2に示す補正手段251〜258における出力E1〜E8に相当する。
【0071】
ここで、パラメータ設定部1901では、文字エッジ量の大きさが周波数・方向成分別の所定の判定しきい値Thaより大きい場合には、文字領域用の強調係数βとノイズ除去しきい値Thrを出力し、文字エッジ量の大きさが判定しきい値Thaより小さい場合には、絵柄領域用の強調係数βとノイズ除去しきい値Thrを出力する。
【0072】
以上説明したような処理をおこなうことによって、ノイズ除去しきい値Thrより小さな信号成分は、ノイズとして除去され平滑化を施した画像となり、ノイズ除去しきい値Thr以上の信号成分は、β倍(β>1)されるため差分成分が増大し強調処理を施した画像が得られる。上述のThr,βは、異なる周波数帯域、異なる方向成分ごと個別の値を設定することにより、それぞれの帯域、方向ごとに除去する高周波成分の大きさと強調度合いを制御できるので、きめこまかなノイズ除去(平滑化)と強調をおこなうことが可能となる。
【0073】
また、パラメータ設定部1901で、文字エッジ量の大きさに応じて文字領域と絵柄領域を判別し、パラメータ群の切り替えをおこなっていることにより、文字領域においては強調係数βを絵柄領域よりも大きな値とし、文字や線画部において十分な鮮鋭性が得られるよう設定することができる。逆に、ノイズ除去しきい値Thrを小さな値に設定することにより、比較的微小な濃度変化も強調することができ、文字や線画部の鮮鋭性を満足することができる。
【0074】
この実施の形態1においては、文字エッジ量算出手段240で周波数の帯域、方向の成分別に算出された各々の文字エッジ量に基づいて、周波数、方向成分別に独立して画像信号の鮮鋭性制御をおこなう。このため、必要な周波数、方向についてのみの強調が可能となる。例えば、網点上文字においても文字のエッジに沿った方向だけを強調させて、文字を強調し、かつ隣接する網点の強調は抑制することができるようになり、特に網点上文字の鮮鋭性および再現性を向上させることができる。また、必要な周波数帯域についてのみの強調が可能であることから、再生画像で必要な鮮鋭性を確保しつつ、網点や文字における余分な高周波成分の強調による高調波歪みを抑制することもできるようになる。
【0075】
(実施の形態2)
この発明の実施の形態2は、文字エッジ量算出手段240において高周波、低周波の帯域別に文字エッジ量を算出し、鮮鋭性制御手段250においてその各々の結果に基づき独立した鮮鋭性制御をおこなう構成である。
【0076】
図21は、実施の形態2におけるフィルタ処理手段103の構成を示すブロック図である。図示のように、文字エッジ量算出手段240には、高周波および低周波の帯域別に最大値算出手段(MAX)2121,2122を設けてなる。
【0077】
高周波帯域においては、横,縦,右斜,左斜の各方向の文字エッジ量算出結果C1〜C4の最大値が最大値算出手段2121で算出され、高周波帯域文字エッジ量C11として出力する。その結果に基づき、鮮鋭性制御手段250は高周波帯域信号R1〜R4の鮮鋭性制御をおこなう。
【0078】
低周波帯域についても、横,縦,右斜,左斜の各方向の文字エッジ量算出結果C5〜C8の最大値が最大値算出手段2122で算出され、低周波帯域文字エッジ量C22として出力する。その結果に基づき、鮮鋭性制御手段250は低周波帯域信号R5〜R8の鮮鋭性制御をおこなう。
【0079】
鮮鋭性制御手段250の各補正手段251〜258は、入力される周波数帯域別の文字エッジ量の大きさに基づき、文字領域用、あるいは絵柄領域用いずれかのパラメータThr,βを設定し、異なる周波数帯域、異なる方向成分ごと個別の値を設定する。これにより、それぞれの帯域、方向ごとに除去する高周波成分の大きさと強調度合いを制御でき、きめこまかなノイズ除去(平滑化)と強調をおこなうことが可能となる。
【0080】
(実施の形態3)
この発明の実施の形態3は、フィルタ処理手段103をウェーブレット(Wavelet)係数信号を用いて構成したものである。図22は、この実施の形態3によるフィルタ処理手段103の構成を示すブロック図である。
【0081】
図22に示すように、入力される画像信号(入力画像)Sは、多重解像度変換手段2207に入力され、複数の画像帯域信号Wに分解される。文字エッジ量算出手段2208は、分解された画像信号Wを用いて入力された画像信号中の文字やラインのような文字エッジ量Dの算出をおこなう。
【0082】
鮮鋭性制御手段2209は、文字エッジ量算出手段2208の出力Dに応じて画像の強調処理および平滑処理をおこなう。図22には明示しないが、文字エッジ量算出手段2208は、複数の周波数帯域、方向成分別に文字エッジ量の算出をおこない、その算出結果を基に鮮鋭性制御手段2209は周波数帯域、方向成分別に独立に鮮鋭性の制御をおこなう。これら文字エッジ量算出手段2208および鮮鋭性制御手段2209の詳細については後述する。復元処理手段2210は、鮮鋭性制御手段2209の出力Fに基づき実空間画像信号IWに変換し、出力画像として出力する。
【0083】
図23は、多重解像度変換手段2207の構成を示すブロック図である。図示のように、多重解像度変換手段2207は、ウェーブレット変換によって実現している。入力された画像信号Sは、まずローパスフィルタG(x)2301およびハイパスフィルタH(x)2302によって×方向にウェーブレット変換される。
【0084】
図24は、ローパスフィルタおよびハイパスフィルタのフィルタ特性を示す図である。ローパスフィルタG(x)2301は、図24(A)に示すような平均値成分を求めるような低周波成分抽出用フィルタである。ハイパスフィルタH(x)2302は、図24(B)に示すような差分成分を求めるような高周波成分抽出用フィルタである。
【0085】
この実施の形態3では、図24に示す特性のウェーブレット基底関数(Haar)を例に説明する。求められた画像信号に対し、フィルタ群2303,2304,2305,2306によってy方向のウェーブレット変換が施される。以上の変換によって求められるのが1階層のウェーブレット係数である。
【0086】
図23に記載した1st−LLは1階層の低周波成分であり、原画像に対して2×2画素の平均値を求めた画像信号となっている。また、1st−LHは1階層の横方向高周波成分であり、ナイキスト周波数にあたる横方向のエッジ信号を抽出したような画像信号となっている。同様に1st−HLは1階層の縦方向高周波成分であり縦方向のエッジ信号を、1st−HHは斜方向のエッジ信号を抽出したような画像信号となっている。
【0087】
図25は、ウェーブレット変換前後の画素の状態を示す図である。図示のように、a,b,c,dの2×2画素ブロックに対してウェーブレット変換が平均値及び各方向のエッジ成分を抽出する変換となる。
【0088】
求められた1st−LL信号に対し、同様の手順で2階層のウェーブレット変換がおこなわれ、フィルタ群2307〜2312によって変換された画像信号2nd−LL,2nd−LH,2nd−HL,2nd−HHを得る。
【0089】
2nd−LLは4×4画素の平均値を求めた画像信号であり、1階層より低周波帯域の画像信号である。また、同様に2nd−LHは1st−LHよりも低周波帯域の成分であり、ナイキスト周波数の1/2の周波数帯域の横方向エッジを抽出した画像信号である。同様に2nd−HLは2階層の縦方向高周波成分でありより低周波な縦方向エッジ信号を、2nd−HHは斜方向のエッジ信号を抽出したような画像信号となっている。以上のようにして、2階層までのウェーブレット係数信号W(1st−LL〜1st−HH,2nd−LL〜2nd−HH)を得る。
【0090】
次にこの実施の形態3において特徴的な構成である、文字エッジ量算出手段2208および鮮鋭性制御手段2209について説明する。図26は、文字エッジ量算出手段2208および鮮鋭性制御手段2209の構成を示すブロック図である。
【0091】
この実施の形態3では、文字エッジ量算出手段2208で複数の周波数帯域、方向成分別に文字エッジ量の算出をおこない、その算出結果を基に鮮鋭性制御手段2209で周波数帯域、方向成分別に独立に鮮鋭性の制御をおこなうよう構成されている。以下に、文字エッジ量算出手段2208の処理内容について図26〜図36を用いて詳細に説明する。
【0092】
文字エッジ量算出手段2208は、多重解像度変換手段2207から出力されたウェーブレット係数信号Wを入力とし、係数信号Wから周波数帯域、方向成分別の文字エッジ量算出手段2611,2612,2613,2614,2615,2616によって1階層帯域および2階層帯域それぞれについて横方向、縦方向、斜方向の文字エッジ量D1,D2,D3,D4,D5,D6の抽出をおこない出力する。これら周波数帯域・方向成分別の文字エッジ量算出手段2611〜2616の処理内容について説明する。
【0093】
1階層・横方向文字エッジ量算出手段2611では、1階層・横方向の文字エッジ量D1を算出する。注目画素位置に対応する1階層LH(1LH)係数K1と、その左右2係数ずつの合計5係数を用いて、以下の条件式に従ってD1を算出する。図27は、1階層・横方向文字エッジ量算出手段2611の文字エッジ量算出過程を説明するための図である。
【0094】
if(連続する5つの1LH係数がすべて同符号)
then(D1=5つの1LH係数中の絶対値の最小値)
else
(D1=0)
【0095】
図示のように、横方向に連続する1LH係数が全て同符号の時、絶対値が最小のものを注目画素の横方向の文字エッジ量D1とする。
【0096】
1階層・縦方向文字エッジ量算出手段2612では、1階層・縦方向の文字エッジ量D2を算出する。横方向の文字エッジ量算出方法と同様にして、注目画素位置に対応する1階層HL(1HL)係数K2と、その上下2係数ずつの合計5係数を用いて、以下の条件式に従ってD2を算出する。図28は、1階層・縦方向文字エッジ量算出手段2612の文字エッジ量算出過程を説明するための図である。
【0097】
if(連続する5つの1HL係数がすべて同符号)
then(D2=5つの1HL係数中の絶対値の最小値)
else
(D2=0)
【0098】
図示のように、縦方向に連続する1LH係数が全て同符号の時、絶対値が最小のものを注目画素の縦方向の文字エッジ量D2とする。
【0099】
図29は、周波数帯域・方向成分別文字エッジ量算出手段2913の構成を示すブロック図である。この図は、図26に記載の1階層・斜方向文字エッジ量算出手段2613に相当する。この周波数帯域・方向成分別文字エッジ量算出手段2913は、1階層・右斜方向文字エッジ量算出手段2923と、1階層・左斜方向文字エッジ量算出手段2924と、最大値算出手段2925とによって構成されている。
【0100】
この周波数帯域・方向成分別文字エッジ量算出手段2913では、縦,横方向のエッジ量算出とは異なり、1階層・右斜方向文字エッジ量算出手段2923で1階層・右斜方向の文字エッジ量D3Rを算出し、1階層・左斜方向文字エッジ量算出手段2924で1階層・左斜方向の文字エッジ量D3Lを算出し、最大値算出手段2925は、これらの最大値を1階層・斜方向文字エッジ量D3として出力する。
【0101】
1階層・右斜方向の文字エッジ量D3Rの算出方法を説明する。縦・横方向のエッジ量算出方法と同様にして、注目画素位置に対応する1階層HH(1HH)係数K3と、その右斜方向の隣接2係数ずつの合計5係数を用いて、以下の条件式に従ってD3Rを算出する。図30は、1階層・右斜方向文字エッジ量算出手段2923の文字エッジ量算出過程を説明するための図である。
【0102】
if(右斜方向に連続する5つの1HH係数がすべて同符号)
then(D3R=5つの1HH係数中の絶対値の最小値)
else
(D3R=0)
【0103】
図示のように、右斜方向に連続する1HH係数が全て同符号の時、絶対値が最小のものを注目画素の右斜方向の文字エッジ量D3Rとする。
【0104】
1階層・左斜方向の文字エッジ量D3Lの算出方法を説明する。1階層・右斜方向の文字エッジ量D3Rの算出方法と同様にして、注目画素位置に対応する1階層HH(1HH)係数K4と、その左斜方向の隣接2係数ずつの合計5係数を用いて、以下の条件式に従ってD3Lを算出する。図31は、1階層・左斜方向文字エッジ量算出手段2924の文字エッジ量算出過程を説明するための図である。
【0105】
if(左斜方向に連続する5つの1HH係数がすべて同符号)
then(D3L=5つの1HH係数中の絶対値の最小値)
else
(D3L=0)
【0106】
図示のように、左斜方向に連続する1HH係数が全て同符号の時、絶対値が最小のものを注目画素の左斜方向の文字エッジ量D3Lとする。
【0107】
以上で算出された1階層・右斜方向の文字エッジ量D3Rと、1階層・左斜方向の文字エッジ量D3Lは、最大値算出手段2925に入力される。最大値算出手段2925は、これら算出結果の最大値を1階層・斜方向文字エッジ量D3として出力する。
【0108】
2階層・横方向文字エッジ量算出手段2614では、2階層・横方向の文字エッジ量D4を算出する。1階層の場合の算出方法と同様にして、注目画素位置に対応する2階層LH(2LH)係数K5と、その左右2係数ずつの合計5係数を用いて、以下の条件式に従ってD4を算出する。図32は、2階層・横方向文字エッジ量算出手段2614の文字エッジ量算出過程を説明するための図である。
【0109】
if(連続する5つの2LH係数がすべて同符号)
then(D4=5つの2LH係数中の絶対値の最小値)
else
(D4=0)
【0110】
図示のように、横方向に連続する2LH係数が全て同符号の時、絶対値が最小のものを注目画素の横方向の文字エッジ量D4とする。
【0111】
2階層・縦方向文字エッジ量算出手段2615では、2階層・縦方向の文字エッジ量D5を算出する。横方向の文字エッジ量算出方法と同様にして、注目画素位置に対応する2階層HL(2HL)係数K6と、その上下2係数ずつの合計5係数を用いて、以下の条件式に従ってD5を算出する。図33は、2階層・縦方向文字エッジ量算出手段2615の文字エッジ量算出過程を説明するための図である。
【0112】
if(連続する5つの2HL係数がすべて同符号)
then(D5=5つの2HL係数中の絶対値の最小値)
else
(D5=0)
【0113】
図示のように、縦方向に連続する2HL係数K6が全て同符号の時、絶対値が最小のものを注目画素の縦方向の文字エッジ量D5とする。
【0114】
図34は、周波数帯域・方向成分別文字エッジ量算出手段3416の構成を示すブロック図である。この構成は、図26に記載の2階層・斜方向文字エッジ量算出手段2616に相当する。この周波数帯域・方向成分別文字エッジ量算出手段3416は、2階層・右斜方向文字エッジ量算出手段3426と、2階層・左斜方向文字エッジ量算出手段3427と、最大値算出手段3428とによって構成されている。
【0115】
この2階層・斜方向文字エッジ量算出手段3416では、1階層・斜方向の場合と同様にして、縦・横方向のエッジ量算出とは異なり、2階層・右斜方向文字エッジ量算出手段3426で2階層・右斜方向の文字エッジ量D6Rを算出し、2階層・左斜方向文字エッジ量算出手段3427で2階層・左斜方向の文字エッジ量D6Lを算出し、最大値算出手段3428でこれらの最大値を求め2階層・斜方向文字エッジ量D6として出力する。
【0116】
2階層・右斜方向文字エッジ量算出手段3426は、注目画素位置に対応する2階層HH(2HH)係数K7と、その右斜方向の隣接2係数ずつの合計5係数を用いて、以下の条件式に従ってD6Rを算出する。図35は、2階層・右斜方向文字エッジ量算出手段3426の文字エッジ量算出過程を説明するための図である。
【0117】
if(右斜方向に連続する5つの2HH係数がすべて同符号)
then(D6R=5つの2HH係数中の絶対値の最小値)
else
(D6R=0)
【0118】
図示のように、右斜方向に連続する2HH係数K7が全て同符号の時、絶対値が最小のものを注目画素の縦方向の文字エッジ量D6Rとする。
【0119】
2階層・左斜方向文字エッジ量算出手段3427は、2階層・右斜方向の文字エッジ量D6Rの算出方法と同様にして、注目画素位置に対応する2階層HH(2HH)係数K8と、その左斜方向の隣接2係数ずつの合計5係数を用いて、以下の条件式に従ってD6Lを算出する。図36は、2階層・左斜方向文字エッジ量算出手段3427の文字エッジ量算出過程を説明するための図である。
【0120】
if(左斜方向に連続する5つの2HH係数がすべて同符号)
then(D6L=5つの2HH係数中の絶対値の最小値)
else
(D6L=0)
【0121】
図示のように、左斜方向に連続する2HH係数K8が全て同符号の時、絶対値が最小のものを注目画素の縦方向の文字エッジ量D6Lとする。
【0122】
以上で算出された2階層・右斜方向の文字エッジ量D6Rと、2階層・左斜方向の文字エッジ量D6Lの算出結果の最大値を2階層・斜方向文字エッジ量D6として出力する。
【0123】
上記の文字エッジ量算出手段2208によれば、入力画像の文字部や線画部においてはウェーブレット係数信号の値が大きく連続性も大きくなる。また、網点部においてはウェーブレット係数信号の値は大きいが連続性が小さくなるという特性を積極的に用いて文字エッジ量の算出をおこなう。ウェーブレット係数信号の符号の連続性を検出することにより、網点分離のような多大なハードを追加することなく網点部の分離が可能となり、フィルタ処理により強調が望まれる文字エッジ部のみの抽出を実現することができる。
【0124】
次に、鮮鋭性制御手段2209の動作について図37と図38を用いて詳細に説明する。鮮鋭性制御手段2209では、文字エッジ量算出手段2208で算出された各々の結果を利用して、周波数帯域、方向成分別に独立に画像信号の強調処理および平滑化処理をおこなう。
【0125】
具体的には、文字エッジ量算出手段2208の算出結果(出力)D1〜D6に応じて、1階層および2階層ウェーブレット高周波成分係数1LH,1HL,1HH,2LH,2HL,2HHに対し、補正手段2617〜2622によって所定の補正をおこなうよう構成している。
【0126】
図37は、補正手段2617〜2622の構成を示すブロック図である。補正手段2617〜2622は、パラメータ設定部3729と、演算器3730を有する。パラメータ設定部3729では、文字エッジ量の大きさに基づいて、周波数帯域、方向成分別の所定の強調係数αとノイズ除去しきい値Thnを演算器3730に出力する。
【0127】
図38は、演算器3730における信号の入出力状態を示す図表である。演算器3730は、入力された高周波成分係数信号Winの絶対値がノイズ除去しきい値Thnよりも小さい場合には、補正後の高周波成分係数信号Woutの値を0にし、入力された高周波成分係数信号Winの絶対値が所定のノイズ除去しきい値Thn以上の場合には、入力された高周波成分係数信号Winの値に強調係数αを乗じる演算をおこない、その結果を補正後の高周波成分係数信号Woutとして出力する。
【0128】
パラメータ設定部3729では、文字エッジ量の大きさが周波数帯域、方向成分別にあらかじめ設定した所定の判定しきい値Thbより大きい場合には、文字領域用の強調係数αとノイズ除去しきい値Thnを出力し、文字エッジ量の大きさが判定しきい値Thbより小さい場合には、絵柄領域用の強調係数αとノイズ除去しきい値Thnを出力する。図39は、このパラメータ設定部3729に設定されるパラメータの設定例を示す図表である。この図に示すように、異なる周波数帯域(1階層,2階層)、異なる方向成分(HL,LH,HH)別に、文字領域および絵柄領域用の強調係数α,ノイズ除去しきい値Thnが設定される。
【0129】
補正手段2617〜2622は、以上のような制御をおこなうことによって、ノイズ除去しきい値Thnより小さな高周波成分をノイズとして除去し、平滑化を施した画像を得ることができる。また、ノイズ除去しきい値Thn以上の高周波成分は信号としてα倍(α>1)されるため、差分成分が増大し強調処理を施した画像が得られる。
【0130】
ノイズ除去しきい値Thn,強調係数αは、異なる周波数帯域(1階層,2階層)、異なる方向成分(HL,LH,HH)ごとに個別に設定できるので、それぞれの帯域、方向ごとに除去する高周波成分の大きさと強調度合いを制御でき、きめこまかなノイズ除去(平滑化)と強調をおこなうことが可能となる。
【0131】
また、パラメータ設定部3729では、文字エッジ量の大きさに応じて文字領域と絵柄領域を判別し、パラメータ群の切り替えをおこなっていることにより、文字領域においては強調係数αを絵柄領域よりも大きな値とし、文字や線画部において十分な鮮鋭性が得られるよう設定することができる。逆に、ノイズ除去しきい値Thnは小さな値に設定することにより、比較的微小な濃度変化も強調することができ、文字や線画部の鮮鋭性を満足することができる。
【0132】
特に、文字エッジ量算出手段2208は、周波数帯域・方向成分別に算出された各々の文字エッジ量に基づいて、周波数帯域、方向成分別に独立に画像信号の鮮鋭性制御をおこなうため、必要な周波数帯域・方向についてのみの強調が可能となる。例えば、網点上文字においても文字のエッジに沿った方向だけを強調することにより、文字を強調させ、かつ隣接する網点の強調を抑制させて、特に網点上文字の鮮鋭性および再現性を向上させることができる。また、必要な周波数帯域についてのみの強調が可能であることから、再生画像で必要な鮮鋭性は確保しつつ、網点や文字においては余分な高周波成分の強調による高調波歪みを抑制することもできる。
【0133】
上記の帯域に関しては、例えば、2階層の高周波成分に対して最も強調度合いが高くなるように設定する。一般的な原稿では、6本/mmに相当する画像周波数付近での強調を大きくすることで6ポイント明朝体などの小さな文字画像に対して十分な鮮鋭性を得ることができる。なお、これよりも高周波帯域に対して過度な強調をおこなうとノイズ成分を強調する恐れがあり好ましくない。例えば、600dpiの解像度を有するスキャナで読み取った画像信号を前提として、6本/mmに相当する高周波成分は2階層の信号(2nd−HL,2nd−LH,2nd−HH)となるので、2階層の強調係数αを最も高く設定する。このように、スキャナの解像度に応じて、どの階層の強調係数αを最も高くするかを適宜設定する。
【0134】
また、絵柄領域では、網点画像部におけるモアレの発生を抑制するため、比較的小さな強調係数αを適用する。特に、150線以上の高線数の網点画像に対しては、網点構造の除去をおこない粒状性の向上を実現するために、比較的大きなノイズ除去しきい値Thnを設定する。
【0135】
パラメータ設定部3729に対し、以上のようにパラメータを設定することで、文字領域および絵柄領域(主に網点画像領域)に対して両者の画像品質を両立する鮮鋭性制御をおこなうことができる。
【0136】
図22に示すように、鮮鋭性制御手段2209の出力Fは復元処理手段2210に入力され、実空間画像IWに逆変換される。図40は、復元処理手段2210の構成を示すブロック図である。復元処理手段2210では、より高階層のウェーブレット係数信号から処理がおこなわれる。鮮鋭性制御手段2209によって補正された2階層係数信号(2nd−LL’,2nd−HL’,2nd−LH’,2nd−HH’)は、逆変換フィルタH(y)4010,4012と、逆変換フィルタG(y)4009,4011によってy方向に逆変換され、さらに逆変換フィルタH(x)4008と、逆変換フィルタG(x)4007によって×方向に逆変換される。
【0137】
得られた画像信号は補正後の1階層LL信号(1st−LL’)であり、1階層の他の補正後係数信号(1st−HL’,1st−LH’,1st−HH’)とともに、上記同様の逆変換フィルタ群4001〜4006によって復元処理が施される。このようにしてフィルタ処理後の実空間画像信号S’が得られる。
【0138】
ところで、この実施の形態3におけるウェーブレット変換は、通常圧縮処理などでおこなわれているサブサンプリング(画素の間引き)を実施しない構成をとっている。図41は、サブサンプリングをおこなうウェーブレット変換の構成を示すブロック図である。図示のように、ハイパスフィルタ及びローパスフィルタによる処理をおこなった後、2画素に1画素間引く処理をおこない、係数信号とする。逆変換では、アップサンプリングをおこない、逆変換フィルタによって逆変換をおこなう。
【0139】
図42は、この実施の形態3におけるウェーブレット変換の構成を示すブロック図である。この図に示すように、順変換の際にダウンサンプリングをおこなわない。図43は、ウェーブレット変換前後の画像サイズを示す図である。この図に示すように各階層、各方向の係数信号の画像サイズは入力画像Orgと同サイズとなる。逆変換時には、図42に示すように、even、odd画素群別にそれぞれアップサンプリングをおこない逆変換フィルタを施す。1つの原画像画素に対してeven画素群からの逆変換結果と、odd画素群からの逆変換結果が得られるので、これらを平均して逆変換後の画像データとする。
【0140】
以上のような、サブサンプリングをおこなわない処理によって、高精度な画像特徴量の算出がおこなえるとともに、強調/平滑ムラのない高品位なフィルタ処理をおこなうことができる。図44〜図46は画像特徴量の算出を説明するための図である。これらの図に示す原画像はいずれも同じであり、4画素周期で濃淡を繰り返す信号である。図44と図45はサブサンプリングをおこなう場合の例であり、図46はサブサンプリングをおこなわない例(この実施の形態3の方式)を示すものである。なお、図44と図45は、サブサンプリングをおこなう画素が1画素ずれた場合の例を示すものである。
【0141】
図44に示す処理の場合、d1とd2の画素対、d3とd4の画素対に対しておこなわれたウェーブレット係数信号を間引いた例であり、結果、d0とd1の画素対、d2とd3の画素対に対する係数信号が残る。例えば強調フィルタ処理のために、高周波成分に対して2倍の強調係数を乗じて逆変換すると、d0とd1の高周波成分50が2倍に増幅され、逆変換後のd0’とd1’のデータ差は2倍となり、所望の強調処理がおこなわれていることがわかる。
【0142】
これに対し、図45に示すように、サブサンプリングが1画素ずれた場合、d1とd2の画素対によって得られる高周波成分は0となり、強調係数を乗じても高周波成分は増幅されず、図のように原信号と何ら変わらない結果となり、所望の強調処理がおこなわれていないことがわかる。このようにサブサンプリングをおこなう変換系では、そのサンプリング位置によって正しく周波数特性の補正がおこなえない場合がある。
【0143】
実施の形態3で説明した、サブサンプリングをおこなわないウェーブレット変換によれば、上記各問題を解消できるようになる。すなわち、サブサンプリングをおこなわないウェーブレット変換によれば、図46に示すように、図44と図45の結果を平均した結果となり、漏れがなく周波数特性の補正がおこなえるようになる。また、強調処理のみならず、画像の特徴量を算出する際にもサブサンプリングをおこなっていない信号なので高精度な特徴量抽出がおこなえる。
【0144】
この実施の形態3では、ウェーブレット基底関数としてHaar型ウェーブレットを例にとったが、他の基底関数でも同様なことが可能である。また、ウェーブレット変換に限らず、画像を複数の周波数帯域に分割するサブバンド変換、フーリエ変換、アダマール変換、ラプラシアンピラミッドなどに対しても同様のことがおこなえる。
【0145】
(実施の形態4)
図47は、この発明の実施の形態4における文字エッジ量算出手段4708の構成を示すブロック図である。実施の形態3の構成と比較して、2階層・斜方向の文字エッジ量を算出する2階層・斜方向文字エッジ量算出手段4716のみ、2HH係数信号ではなく、1LL係数信号を入力として算出する点が異なる。
【0146】
図48は、2階層・斜方向文字エッジ量算出手段4716の構成を示すブロック図である。2階層・斜方向文字エッジ量算出手段4716は、2階層・右斜方向文字エッジ量算出手段4826と、2階層・左斜方向文字エッジ量算出手段4827と、最大値算出手段4828からなる。
【0147】
2階層・右斜方向文字エッジ量算出手段4826は、1LL係数信号を入力として2階層・右斜方向の文字エッジ量D6R’を算出する。2階層・左斜方向文字エッジ量算出手段4827は、2階層・左斜方向の文字エッジ量D6L’を算出する。最大値算出手段4828は、これらの最大値を2階層・斜方向文字エッジ量D6’として出力する。
【0148】
この実施の形態4では、入力される1LL係数信号そのままでは斜方向のエッジは検出できない。このため、最初に2つの1LL係数を減算して斜方向のエッジ量の大きさを表現できる補正LLを算出する。補正LLは、右斜方向のエッジ量を表現する「補正LL右」と、左斜方向のエッジ量を表現する「補正LL左」の2種類がある。これら両方の「補正LL」とも文字エッジ量算出方向への連続性が基準値以上ある場合に、注目画素位置に対応する補正LL値を算出方向の文字エッジ量とする。ここで連続性は6つの隣接補正LLの差分値(の絶対値)の合計の大小をみることで代用している。
【0149】
まず、2階層・右斜方向の文字エッジ量D6R’の算出方法を説明する。図49は、2階層・右斜方向文字エッジ量算出手段4826による2階層・右斜方向の文字エッジ量算出の過程を説明するための図である。右斜方向の文字エッジ量算出の場合、図49(A)「補正LL右」と、図49(B)「補正LL左」それぞれについて、右斜方向への隣接補正LLの差分値の合計を算出し、両者ともあらかじめ定めたしきい値(th1,th2)より小さい場合に、以下の条件式に従って注目画素位置に対応するD6R’を算出する。
【0150】
if((隣接「補正LL右」の差分値合計≦thr1)&&(隣接「補正LL左」の差分値合計≦thr2))
then(D6R’=注目画素位置に対応する「補正LL右」の値)
else
(D6R’=0)
【0151】
図示のように、(A)で隣接補正LL右の差分値合計がしきい値thr1以下、かつ(B)で隣接補正LL左の差分値合計がしきい値thr2以下の時、注目画素位置に対応する補正LL右(補正LL右−3)を右斜方向の文字エッジ量とする。
【0152】
次に、2階層・左斜方向の文字エッジ量D6L’の算出方法を説明する。図50は、2階層・左斜方向文字エッジ量算出手段4827による2階層・左斜方向の文字エッジ量算出の過程を説明するための図である。左斜方向の文字エッジ量算出の場合、図50(C)「補正LL左」と、図50(D)「補正LL右」それぞれについて、左斜方向への隣接補正LLの差分値の合計を算出し、両者ともあらかじめ定めた基準値(th1,th2)より小さい場合に、以下の条件式に従って注目画素位置に対応するD6L’を算出する。
【0153】
if((隣接「補正LL左」の差分値合計≦thr1)&&(隣接「補正LL右」の差分値合計≦thr2))
then(D6L’=注目画素位置に対応する「補正LL左」の値)
else
(D6L’=0)
【0154】
図示のように、(C)で隣接補正LL左の差分値合計がしきい値thr1以下、かつ(D)で隣接補正LL右の差分値合計がしきい値thr2以下の時、注目画素位置に対応する補正LL左(補正LL左−3)を左斜方向の文字エッジ量とする。
【0155】
これら、算出された2階層・右斜方向の文字エッジ量D6R’と、2階層・左斜方向の文字エッジ量D6L’の算出結果は最大値算出手段4828に入力される。最大値算出手段4828は、これらの最大値を2階層・斜方向文字エッジ量D6’として出力する。
【0156】
この実施の形態4で説明したように、斜方向の文字エッジ量算出の際に、HH係数に代わり、より高精度に文字エッジの抽出が可能な補正LL係数を用いる構成とすれば、入力画像の文字領域、非文字領域の切り分け、特に網点部の誤判定をさらに低減することが可能となる。これにより、再生画像で必要な鮮鋭性を確保しつつ、網点や文字においては余分な高周波成分の強調による高調波歪みを抑制した高品位な出力画像を得ることができるようになる。
【0157】
(実施の形態5)
図51は、この発明の実施の形態5による文字エッジ量算出手段5108の構成を示すブロック図である。図示のように、文字エッジ量算出手段5108は、1階層、2階層でそれぞれ周波数帯域別の文字エッジ量を算出し、鮮鋭性制御手段2209は、その各々の結果に基づいて独立に鮮鋭性制御をおこなう構成である。
【0158】
図51に示すように、1階層については、1階層・横方向文字エッジ量算出手段2611で1階層横方向の文字エッジ量算出結果D1を算出し、1階層・縦方向文字エッジ量算出手段2612で1階層・縦方向の文字エッジ量算出結果D2を算出し、1階層・斜方向文字エッジ量算出手段2613で1階層・斜方向の文字エッジ量算出結果D3を算出する。これら1階層の各方向の文字エッジ量算出結果D1,D2,D3は最大値算出手段5109に入力される。
【0159】
最大値算出手段5109は、これら文字エッジ量の算出結果D1,D2,D3の最大値を算出し、1階層文字エッジ量D11として出力し、その結果に基づいて、鮮鋭性制御手段2209において1階層係数信号の鮮鋭性制御をおこなう。
【0160】
2階層についても、2階層・横方向文字エッジ量算出手段2614で2階層横方向の文字エッジ量算出結果D4を算出し、2階層・縦方向文字エッジ量算出手段2615で2階層・縦方向の文字エッジ量算出結果D5を算出し、2階層・斜方向文字エッジ量算出手段2616で2階層・斜方向の文字エッジ量算出結果D6を算出する。これら2階層の各方向の文字エッジ量算出結果D4,D5,D6は最大値算出手段5110に入力される。
【0161】
最大値算出手段5110は、これら文字エッジ量の算出結果D4,D5,D6の最大値を算出し、2階層文字エッジ量D22として出力し、その結果に基づいて、鮮鋭性制御手段2209において2階層係数信号の鮮鋭性制御をおこなう。
【0162】
鮮鋭性制御手段2209においては、入力される周波数帯域別の文字エッジ量の大きさに基づき文字領域用、絵柄領域用いずれかのパラメータが設定され、周波数帯域・方向成分帯域別に高周波成分係数信号に対し前述同様の演算を実施し、補正後高周波成分係数信号Fを復元処理手段2210に出力する。
【0163】
(実施の形態6)
この発明の実施の形態6は、斜方向の文字エッジ強調をより確実に実施する構成である。図52は、この実施の形態6による文字エッジ量算出手段2208と鮮鋭性制御手段2209の構成を示すブロック図である。
【0164】
前述した実施の形態3においては、文字エッジ量算出手段2208において各周波数帯域・各方向成分別に算出された文字エッジ量のみを鮮鋭性制御手段2209で対応する係数信号の鮮鋭性制御に反映させる構成であった。これに対し、この実施の形態6では、図52に示すように、斜方向の鮮鋭性制御については、同一周波数帯域の縦・横成分の文字エッジ量の大きさも考慮して、文字領域用、絵柄領域用のパラメータを決定する。
【0165】
このため、図26に記載した構成に対し、文字エッジ量算出手段2208と鮮鋭性制御手段2209との接続構成が一部変更されている。文字エッジ量算出手段2208を構成する各手段のうち、1階層・斜方向文字エッジ量算出手段2613の算出した斜方向の文字エッジ量D3は鮮鋭性制御手段2209において対応する補正手段5219に入力される。この補正手段5219には、1階層・横方向文字エッジ量算出手段2611で算出された横方向の文字エッジ量D1、および1階層・縦方向文字エッジ量算出手段2612で算出された縦方向の文字エッジ量D2が入力される。
【0166】
また、2階層・斜方向文字エッジ量算出手段2616の算出した斜方向の文字エッジ量D6は鮮鋭性制御手段2209において対応する補正手段5222に入力される。この補正手段5222には、2階層・横方向文字エッジ量算出手段2614で算出された横方向の文字エッジ量D4、および2階層・縦方向文字エッジ量算出手段2615で算出された縦方向の文字エッジ量D5が入力される。
【0167】
これにより、斜方向、例えば、45度や135度以外の斜方向の文字エッジについても、より文字領域としての判定をおこないやすくでき、文字領域用の強調を適切におこなえるようになる。
【0168】
(実施の形態7)
この発明の実施の形態7は、斜方向の文字エッジが検出された場合に、斜方向の文字エッジ強調をより確実とするための構成である。図53は、この実施の形態7による文字エッジ量算出手段2208と鮮鋭性制御手段2209の構成を示すブロック図である。
【0169】
前述した実施の形態3においては、文字エッジ量算出手段2208において斜方向の文字エッジが検出された場合、HH係数信号についてのみ、文字領域用のパラメータとして鮮鋭性制御するものであった。この実施の形態7では、図53に示すように、鮮鋭性制御手段2209において、HH係数信号のみを文字領域として強調するだけでなく、同一周波数帯域のLH,HL係数信号についても、通常の絵柄処理よりも強めの強調が実施されるようなパラメータ設定をおこなうものである。
【0170】
このため、図26に記載した構成に対し、鮮鋭性制御手段2209内での接続構成が一部変更されている。1階層において斜方向の補正後出力1HH’は、横方向の補正手段2617および縦方向の補正手段2618に入力させている。2階層においても、斜方向の補正後出力2HH’は、横方向の補正手段2620および縦方向の補正手段2621に入力させている。
【0171】
これにより、元来LH,HL係数信号にもある程度の大きさの信号レベルを保有している斜方向のエッジ成分についても、強調不足とならずに適切な強調をおこなえるようになる。
【0172】
また、鮮鋭性制御手段2209は、文字エッジ量算出手段2208が斜方向に対し所定の値より大きな文字エッジ量を算出した場合には、同一周波数帯域の縦、横方向成分について係数信号の絶対値が前記所定値よりも小さいときに係数を0に置き換える処理(図38参照)を不実行とする構成にもできる。これにより、縦横方向にも係数信号を保有する斜方向のエッジ成分についても強調を施し文字の鮮鋭性と画像の再現性を向上できるようになる。
【0173】
以上説明した、本実施の形態に係る画像処理装置は、複数の機器から構成されるシステムに適用したり、1つの機器からなる装置に適用することができる。なお、本実施の形態で説明した画像処理にかかる方法は、あらかじめ用意されたプログラムをパーソナル・コンピュータやワークステーションなどのコンピュータで実行することにより実現することができる。このプログラムは、ハードディスク、フロッピー(R)ディスク、CD−ROM、MO、DVDなどのコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行される。またこのプログラムは、上記記録媒体を介して、インターネットなどのネットワークを介して配布することができる。
【0174】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1に記載の発明によれば、入力された画像信号に対し文字エッジ量を抽出し、鮮鋭性の制御をおこなうことにより、網点上文字などを適切に再生し出力する画像処理装置において、入力された画像信号から複数の周波数帯域別に文字エッジ量を算出する文字エッジ量算出手段と、前記文字エッジ量算出手段により算出された文字エッジ量に基づき空間周波数の補正をおこなう鮮鋭性制御手段を備え、前記鮮鋭性制御手段は、前記文字エッジ量算出手段において算出された複数の周波数帯域別の文字エッジ量を基に、それぞれに対応する入力された画像信号の周波数帯域で独立した補正制御をおこなう構成としたので、必要な鮮鋭性の確保および網点や文字における余分な高周波成分の強調による高調波歪みを抑制でき、網点、文字および網点上文字のいずれの原稿に対しても良好な出力画像を得ることができるという効果を奏する。
【0175】
また、請求項2に記載の発明によれば、入力された画像信号に対し文字エッジ量を抽出し、鮮鋭性の制御をおこなうことにより、網点上文字などを適切に再生し出力する画像処理装置において、入力された画像信号を複数の周波数帯域と複数の方向成分の係数信号に分割して出力する帯域分割手段と、前記帯域分割手段により分割された係数信号に基づき複数の周波数帯域別に文字エッジ量を算出する文字エッジ量算出手段と、前記文字エッジ量算出手段により算出された文字エッジ量に基づき空間周波数の補正をおこなう鮮鋭性制御手段を備え、前記鮮鋭性制御手段は、前記文字エッジ量算出手段において算出された複数の周波数帯域別の文字エッジ量を基に、それぞれ対応する係数信号の周波数帯域で独立した補正制御をおこなう構成としたので、必要な鮮鋭性の確保および網点や文字における余分な高周波成分の強調による高調波歪みを抑制でき、網点、文字および網点上文字のいずれの原稿に対しても良好な出力画像を得ることができる。そして、文字エッジ検出にウェーブレットなどの係数信号を使用して実現の容易化が図れるという効果を奏する。
【0176】
また、請求項3に記載の発明によれば、入力された画像信号に対し文字エッジ量を抽出し、鮮鋭性の制御をおこなうことにより、網点上文字などを適切に再生し出力する画像処理装置において、入力された画像信号を複数の周波数帯域と複数の方向成分の係数信号に分割して出力し、うち少なくとも1つの周波数帯域については入力画像の画素を間引かずにおこなう帯域分割手段と、前記帯域分割手段により分割された係数信号に基づき複数の周波数帯域別に文字エッジ量を算出する文字エッジ量算出手段と、前記文字エッジ量算出手段により算出された文字エッジ量に基づき空間周波数の補正をおこなう鮮鋭性制御手段を備え、前記鮮鋭性制御手段は、前記文字エッジ量算出手段において算出された複数の周波数帯域別の文字エッジ量を基に、それぞれ対応する係数信号の周波数帯域で独立した補正制御をおこなう構成としたので、必要な鮮鋭性の確保および網点や文字における余分な高周波成分の強調による高調波歪みを抑制でき、網点、文字および網点上文字のいずれの原稿に対しても良好な出力画像を得ることができる。そして、文字エッジ検出にウェーブレットなどの係数信号を使用して実現の容易化が図れる。さらに、帯域分割するときに画像を間引かずにウェーブレット変換などで係数変換することができ、より高精度な文字エッジ検出がおこなえるようになる。逆変換の際に注目画素は周辺のより多くの係数から影響を受けるので、隣接データ値の急激な変動に対してもディフェクトの少ない安定した画像の再生を図ることができるという効果を奏する。
【0177】
また、請求項4に記載の発明によれば、請求項1〜3のいずれか一つに記載の発明において、前記文字エッジ量算出手段は、前記複数の周波数帯域それぞれにおいて、複数の方向成分についての文字エッジ量を算出し、それらの結果中の最大出力値を注目位置における該当周波数帯域の文字エッジ量として出力する構成としたので、複数の周波数帯域と複数の方向成分における文字エッジ量に基づき強調する方向を絞り文字の強調を図ることができるという効果を奏する。
【0178】
また、請求項5に記載の発明によれば、入力された画像信号に対し文字エッジ量を抽出し、鮮鋭性の制御をおこなうことにより、網点上文字などを適切に再生し出力する画像処理装置において、入力された画像信号から複数の周波数帯域別、かつ複数の方向成分別に文字エッジ量を算出する文字エッジ量算出手段と、前記文字エッジ量算出手段により算出された文字エッジ量に基づき空間周波数の補正をおこなう鮮鋭性制御手段を備え、前記鮮鋭性制御手段は、前記文字エッジ量算出手段において算出された複数の周波数帯域、方向成分別の文字エッジ量を基に、それぞれ対応する入力された画像信号の周波数帯域、方向成分で独立した補正制御をおこなう構成としたので、必要な周波数帯域、方向についてのみの強調が可能となり、網点上文字においても文字のエッジに沿った方向だけを強調することにより、文字は強調でき、かつ隣接する網点の強調は抑制することができるため、網点上文字の鮮鋭性および再現性をより向上させることができるという効果を奏する。
【0179】
また、請求項6に記載の発明によれば、入力された画像信号に対し文字エッジ量を抽出し、鮮鋭性の制御をおこなうことにより、網点上文字などを適切に再生し出力する画像処理装置において、入力された画像信号を複数の周波数帯域と複数の方向成分の係数信号に分割して出力する帯域方向分割手段と、前記分割された係数信号に基づき複数の周波数帯域別かつ複数の方向成分別に文字エッジ量を算出する文字エッジ量算出手段と、前記文字エッジ量算出手段により算出された文字エッジ量に基づき空間周波数の補正をおこなう鮮鋭性制御手段を備え、前記鮮鋭性制御手段は、前記文字エッジ量算出手段において算出された複数の周波数帯域、方向成分別の文字エッジ量を基に、それぞれ対応する係数信号の周波数帯域、方向成分で独立した補正制御をおこなう構成としたので、周波数帯域別に加え方向別にも文字エッジ検出から鮮鋭性の制御までを独立におこなうため、必要な周波数帯域、方向についてのみの強調が可能となり、網点上文字においても文字のエッジに沿った方向だけを強調することにより、文字は強調でき、かつ隣接する網点の強調は抑制することができるため、網点上文字の鮮鋭性および再現性をより向上させることができるようになる。また、文字エッジ検出にはウェーブレットなどの係数信号を使用して実現の容易化が図れるという効果を奏する。
【0180】
また、請求項7に記載の発明によれば、入力された画像信号に対し文字エッジ量を抽出し、鮮鋭性の制御をおこなうことにより、網点上文字などを適切に再生し出力する画像処理装置において、入力された画像信号を複数の周波数帯域と複数の方向成分の係数信号に分割して出力し、うち少なくとも1つの周波数帯域については入力画像の画素を間引かずにおこなう帯域方向分割手段と、前記帯域方向分割手段で分割された係数信号に基づき複数の周波数帯域別かつ複数の方向成分別に文字エッジ量を算出する文字エッジ量算出手段と、前記文字エッジ量算出手段により算出された文字エッジ量に基づき空間周波数の補正をおこなう鮮鋭性制御手段を備え、前記鮮鋭性制御手段は、前記文字エッジ量算出手段において算出された複数の周波数帯域、方向成分別の文字エッジ量を基に、それぞれ対応する係数信号の周波数帯域、方向成分で独立した補正制御をおこなう構成としたので、必要な周波数帯域、方向についてのみの強調が可能となり、網点上文字においても文字のエッジに沿った方向だけを強調することにより、文字は強調でき、かつ隣接する網点の強調は抑制することができるため、網点上文字の鮮鋭性および再現性をより向上させることができるようになる。そして、文字エッジ検出にウェーブレットなどの係数信号を使用して実現の容易化が図れる。さらに、帯域分割するときに画像を間引かずにウェーブレット変換などで係数変換することができ、より高精度な文字エッジ検出がおこなえるようになる。逆変換の際に注目画素は周辺のより多くの係数から影響を受けるので、隣接データ値の急激な変動に対してもディフェクトの少ない安定した画像の再生を図ることができるという効果を奏する。
【0181】
また、請求項8に記載の発明によれば、請求項6,7のいずれか一つに記載の発明において、前記鮮鋭性制御手段は、前記文字エッジ量算出手段において算出された文字エッジ量があらかじめ設定された判定用のしきい値より大きい場合には、文字エッジをより強調する鮮鋭性制御をおこなう構成としたので、必要な周波数帯域、方向についてのみの強調が可能となり、網点上文字においても文字のエッジに沿った方向だけを強調することにより、きめ細かなノイズ除去と文字の強調がおこなえるようになり、網点上文字の鮮鋭性および再現性をより向上させることができるという効果を奏する。
【0182】
また、請求項9に記載の発明によれば、請求項8に記載の発明において、前記鮮鋭性制御手段は、前記文字エッジ量算出手段がいずれかの周波数帯域の縦、横方向に大きな文字エッジ量を算出した場合に、該当する周波数帯域の斜方向成分について前記判定用しきい値の値をより低い値に修正する機能を有する構成としたので、縦、横方向の文字エッジ量に基づき斜方向についての文字エッジの判定をおこないやすくなり、右斜方向や左斜方向、例えば、45度や135度などの検出角度とは正確に一致しない斜成分の文字エッジであっても検出を容易におこなえるという効果を奏する。
【0183】
また、請求項10に記載の発明によれば、請求項8に記載の発明において、前記鮮鋭性制御手段は、複数の周波数帯域と複数の方向成分の係数信号に分割された前記係数信号の絶対値が所定値よりも大きい場合には該係数に所定の定数を乗算し、絶対値が所定値よりも小さい場合には係数を0に置き換え出力する構成としたので、画像のノイズ除去による平滑化と、文字の強調の度合いを定めた所定値の値によって、きめこまかに設定できるようになり、網点上文字の鮮鋭性および再現性の向上を図ることができるという効果を奏する。
【0184】
また、請求項11に記載の発明によれば、請求項10に記載の発明において、前記鮮鋭性制御手段は、前記文字エッジ量算出手段が斜方向に対し所定の値より大きな文字エッジ量を算出した場合には、同一周波数帯域の縦、横方向成分について無条件に前記係数に乗算する定数を大きくし文字エッジをより強調する鮮鋭性制御をおこなう構成としたので、斜方向の文字エッジが検出された場合に、斜方向の係数信号だけでなく、縦横方向の係数信号の鮮鋭性補正もより強調方向に修正するため、縦横方向にも係数信号を保有する斜方向のエッジ成分を十分に強調することができるという効果を奏する。
【0185】
また、請求項12に記載の発明によれば、請求項10に記載の発明において、前記鮮鋭性制御手段は、前記文字エッジ量算出手段が斜方向に対し所定の値より大きな文字エッジ量を算出した場合には、同一周波数帯域の縦、横方向成分について係数信号の絶対値が前記所定値よりも小さいときに係数を0に置き換える前記処理を不実行にする構成としたので、斜方向のエッジ成分について縦横方向にも係数信号を保有する場合、この縦横方向についても強調を施して文字の鮮鋭性と画像の再現性を向上できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の本実施の形態に係る画像処理装置の全体構成を示すブロック図である。
【図2】この発明の実施の形態1に係るフィルタ処理手段の構成を示すブロック図である。
【図3】この発明の実施の形態1に係るフィルタ処理手段で用いるフィルタの係数を示す図である。
【図4】この発明の実施の形態1に係るフィルタ処理手段で用いるフィルタの係数を示す図である。
【図5】この発明の実施の形態1に係るフィルタ処理手段で用いるフィルタの係数を示す図である。
【図6】この発明の実施の形態1に係るフィルタ処理手段で用いるフィルタの係数を示す図である。
【図7】この発明の実施の形態1に係るフィルタ処理手段で用いるフィルタの係数を示す図である。
【図8】この発明の実施の形態1に係るフィルタ処理手段で用いるフィルタの係数を示す図である。
【図9】この発明の実施の形態1に係るフィルタ処理手段で用いるフィルタの係数を示す図である。
【図10】この発明の実施の形態1に係るフィルタ処理手段で用いるフィルタの係数を示す図である。
【図11】この発明の実施の形態1に係るフィルタ処理手段に設けられる高周波・横方向文字エッジ量算出手段の文字エッジ量算出過程を説明するための図である。
【図12】この発明の実施の形態1に係るフィルタ処理手段に設けられる高周波・縦方向文字エッジ量算出手段の文字エッジ量算出過程を説明するための図である。
【図13】この発明の実施の形態1に係るフィルタ処理手段に設けられる高周波・右斜方向文字エッジ量算出手段の文字エッジ量算出過程を説明するための図である。
【図14】この発明の実施の形態1に係るフィルタ処理手段に設けられる高周波・左斜方向文字エッジ量算出手段の文字エッジ量算出過程を説明するための図である。
【図15】この発明の実施の形態1に係るフィルタ処理手段に設けられる低周波・横方向文字エッジ量算出手段の文字エッジ量算出過程を説明するための図である。
【図16】この発明の実施の形態1に係るフィルタ処理手段に設けられる低周波・縦方向文字エッジ量算出手段の文字エッジ量算出過程を説明するための図である。
【図17】この発明の実施の形態1に係るフィルタ処理手段に設けられる低周波・右斜方向文字エッジ量算出手段の文字エッジ量算出過程を説明するための図である。
【図18】この発明の実施の形態1に係るフィルタ処理手段に設けられる低周波・左斜方向文字エッジ量算出手段の文字エッジ量算出過程を説明するための図である。
【図19】この発明の実施の形態1に係るフィルタ処理手段に設けられる補正手段の構成を示すブロック図である。
【図20】この発明の実施の形態1に係るフィルタ処理手段に設けられる演算器における信号の入出力状態を示す図表である。
【図21】この発明の実施の形態2に係るフィルタ処理手段の構成を示すブロック図である。
【図22】この発明の実施の形態3によるフィルタ処理手段の構成を示すブロック図である。
【図23】この発明の実施の形態3によるフィルタ処理手段に設けられる多重解像度変換手段の構成を示すブロック図である。
【図24】この発明の実施の形態3によるフィルタ処理手段に設けられる多重解像度変換手段でのローパスフィルタおよびハイパスフィルタのフィルタ特性を示す図である。
【図25】この発明の実施の形態3によるフィルタ処理手段におけるウェーブレット変換前後の画素の状態を示す図である。
【図26】この発明の実施の形態3によるフィルタ処理手段に設けられる文字エッジ量算出手段および鮮鋭性制御手段の構成を示すブロック図である。
【図27】この発明の実施の形態3によるフィルタ処理手段に設けられる1階層・横方向文字エッジ量算出手段の文字エッジ量算出過程を説明するための図である。
【図28】この発明の実施の形態3によるフィルタ処理手段に設けられる1階層・縦方向文字エッジ量算出手段の文字エッジ量算出過程を説明するための図である。
【図29】この発明の実施の形態3によるフィルタ処理手段に設けられる1階層・斜方向文字エッジ量算出手段の構成を示すブロック図である。
【図30】この発明の実施の形態3によるフィルタ処理手段に設けられる1階層・右斜方向文字エッジ量算出手段の文字エッジ量算出過程を説明するための図である。
【図31】この発明の実施の形態3によるフィルタ処理手段に設けられる1階層・左斜方向文字エッジ量算出手段の文字エッジ量算出過程を説明するための図である。
【図32】この発明の実施の形態3によるフィルタ処理手段に設けられる2階層・横方向文字エッジ量算出手段の文字エッジ量算出過程を説明するための図である。
【図33】この発明の実施の形態3によるフィルタ処理手段に設けられる2階層・縦方向文字エッジ量算出手段の文字エッジ量算出過程を説明するための図である。
【図34】この発明の実施の形態3によるフィルタ処理手段に設けられる2階層・斜方向文字エッジ量算出手段の構成を示すブロック図である。
【図35】この発明の実施の形態3によるフィルタ処理手段に設けられる2階層・右斜方向文字エッジ量算出手段の文字エッジ量算出過程を説明するための図である。
【図36】この発明の実施の形態3によるフィルタ処理手段に設けられる2階層・左斜方向文字エッジ量算出手段の文字エッジ量算出過程を説明するための図である。
【図37】この発明の実施の形態3によるフィルタ処理手段に設けられる補正手段の構成を示すブロック図である。
【図38】この発明の実施の形態3によるフィルタ処理手段に設けられる演算器における信号の入出力状態を示す図表である。
【図39】この発明の実施の形態3によるフィルタ処理手段のパラメータ設定部に設定されるパラメータの設定例を示す図表である。
【図40】この発明の実施の形態3によるフィルタ処理手段に設けられる復元処理手段の構成を示すブロック図である。
【図41】サブサンプリングをおこなうウェーブレット変換の構成を示すブロック図である。
【図42】この発明の実施の形態3によるウェーブレット変換の構成を示すブロック図である。
【図43】この発明の実施の形態3によるウェーブレット変換前後の画像サイズを示す図である。
【図44】サブサンプリングをおこなう場合の画像特徴量の算出を説明するための図である。
【図45】サブサンプリングをおこなう場合の画像特徴量の算出を説明するための図である。
【図46】この発明の実施の形態3による画像特徴量の算出を説明するための図である(サブサンプリングをおこなわない場合)。
【図47】この発明の実施の形態4におけるフィルタ処理手段に設けられる文字エッジ量算出手段の構成を示すブロック図である。
【図48】この発明の実施の形態4におけるフィルタ処理手段に設けられる2階層・斜方向文字エッジ量算出手段の構成を示すブロック図である。
【図49】この発明の実施の形態4におけるフィルタ処理手段に設けられる2階層・右斜方向文字エッジ量算出手段による2階層・右斜方向の文字エッジ量算出の過程を説明するための図である。
【図50】この発明の実施の形態4におけるフィルタ処理手段に設けられる2階層・左斜方向文字エッジ量算出手段による2階層・左斜方向の文字エッジ量算出の過程を説明するための図である。
【図51】この発明の実施の形態5によるフィルタ処理手段に設けられる文字エッジ量算出手段の構成を示すブロック図である。
【図52】この発明の実施の形態6によるフィルタ処理手段に設けられる文字エッジ量算出手段と鮮鋭性制御手段の構成を示すブロック図である。
【図53】この発明の実施の形態7によるフィルタ処理手段に設けられる文字エッジ量算出手段と鮮鋭性制御手段の構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
101 画像入力手段
102 スキャナγ処理手段
103 フィルタ処理手段
104 γ変換処理手段
105 中間調処理手段
106 画像出力手段
231〜238 成分抽出手段
240(241〜248) 文字エッジ量算出手段
250 鮮鋭性制御手段
251〜258 補正手段
260 加算手段
1901 パラメータ設定部
1902 演算器
2121,2122 最大値算出手段
2207 多重解像度変換手段
2208 文字エッジ量算出手段
2209 鮮鋭性制御手段
2210 復元処理手段
2301 ローパスフィルタ
2302 ハイパスフィルタ
2303〜2312 フィルタ群
2611〜2616 文字エッジ量算出手段
2617〜2622 補正手段
2913(2923,2924) 文字エッジ量算出手段
2925 最大値算出手段
3416(3426,3427) 文字エッジ量算出手段
3428 最大値算出手段
3729 パラメータ設定部
3730 演算器
4001〜4012 逆変換フィルタ群
4708(4716) 文字エッジ量算出手段
4826,4827 文字エッジ量算出手段
4828 最大値算出手段
5108 文字エッジ量算出手段
5109,5110 最大値算出手段
5219,5222 補正手段

Claims (4)

  1. 入力された画像信号から高周波数帯域および低周波数帯域それぞれの、横方向、縦方向、右斜方向、左斜め方向の各成分についてのフィルタ結果値を、前記各成分用のエッジ抽出フィルタを用いて抽出するフィルタ結果値抽出手段と、
    前記フィルタ結果値抽出手段によって抽出された注目画素の前記成分ごとに、注目画素の前記成分についての前記フィルタ結果値と、前記注目画素を中心に前記成分の方向に連続して隣接する2画素ずつの前記成分についての前記フィルタ結果値と、の合計5画素の前記成分についての前記フィルタ結果値の値を用いてエッジ量を算出するエッジ量算出手段と、
    前記エッジ量算出手段によって算出された前記注目画素の前記各成分の前記エッジ量に基づき、それぞれ対応する前記注目画素の前記各成分についてのフィルタ結果値に対して、ノイズ除去または強調処理をおこなう鮮鋭性制御手段と、
    前記鮮鋭性制御手段によってノイズ除去または強調処理された前記各成分についてのフィルタ結果値を加算して、画像信号として出力する成分加算手段と、
    を備えることを特徴とする画像処理装置。
  2. 入力された画像信号にウェーブレット変換を施して1階層および2階層の係数信号に分割する帯域方向分割手段と、
    前記帯域方向分割手段で分割された注目画素の前記係数信号ごとに、
    前記注目画素の1LL、2LL以外の前記係数信号と、前記注目画素を中心に前記係数信号の方向に連続して隣接する2画素ずつの前記係数信号と、の合計5画素の前記係数信号を用いて、前記5画素の前記係数信号が全て同符号である場合には、前記5画素の前記係数信号中の絶対値の最小値をエッジ量とし、前記5画素の前記係数信号が全て同符号でない場合には、エッジ量を0とすることで、前記注目画素のそれぞれ対応する前記係数信号のエッジ量を算出するエッジ量算出手段と、
    前記エッジ量算出手段により算出された前記注目画素の前記各係数信号の前記エッジ量に基づき、それぞれ対応する前記注目画素の前記各係数信号に対してノイズ除去または強調処理をおこなう鮮鋭性制御手段と、
    前記鮮鋭性制御手段によってノイズ除去または強調処理された前記各係数信号と2LL信号を加算して、画像信号として出力する成分加算手段と、
    を備えることを特徴とする画像処理装置。
  3. 前記鮮鋭性制御手段は、前記エッジ量算出手段において算出された前記各エッジ量があらかじめ設定された判定用しきい値より大きい場合には文字領域用の強調係数を用いてエッジを強調し、前記エッジ量が前記判定用しきい値より小さい場合には絵柄領域用の強調係数を用いて鮮鋭性制御をおこなうことを特徴とする請求項2に記載の画像処理装置。
  4. 前記鮮鋭性制御手段は、前記各係数信号の絶対値がノイズ除去判定用しきい値より大きい場合には前記係数信号に強調係数α(>1)を乗算し、絶対値が前記ノイズ除去判定用しきい値よりも小さい場合には前記係数信号を0に置き換えて、出力することを特徴とする請求項3に記載の画像処理装置。
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