JP4097587B2 - 画像処理装置および画像処理方法 - Google Patents
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符号化装置60は、原画像をJPEG圧縮データに圧縮するものであって、図15に示されるように、前処理部61と、DCT変換部62と、量子化部63と、量子化テーブル64と、エントロピー符号化部65とを備える。復号化装置70は、JPEG圧縮データを復号画像に伸張するものであって、図15に示されるように、エントロピー復号化部71と、逆量子化部72と、逆量子化テーブル73と、逆DCT変換部74と、後処理部75とを備える。
次に、DCT変換部62は、YCbCrデータを8×8画素単位のブロック毎に離散コサイン変換(DCT)を行い、DCT係数を算出する。
最後に、エントロピー符号化部65は、量子化されたDCT係数の符号化を行い、JPEG圧縮データを生成する。JPEGの標準方式では、エントロピー符号化としてハフマン符号を用いている。
次に、JPEG圧縮データから復号画像への復号化処理の手順について説明する。
復号化装置70においてJPEGの復号化処理を行う場合、まず、エントロピー復号化部71は、JPEG圧縮データに対してエントロピー復号化を行う。
次に、逆DCT変換部74は、逆離散コサイン変換(IDCT)を行い、DCT係数をYCbCrデータの復号画像に変換する。
最後に、後処理部75は、YCbCrデータからRGBデータへの変換処理を行うことによって、復号画像を得る。
上記のように、JPEGの符号化処理の過程にはDCT係数の量子化が含まれている。このため、量子化誤差によってデータの劣化が発生する。この結果、プリンタなどで復号画像をそのまま用紙上に再現すると、この劣化が復号画像のノイズとして現れる。ブロック符号化を行う動画圧縮の場合にもこれらのノイズは目障りになるが、静止画の場合は特にじっくり見ることが可能なので細部のノイズも目立つ。
このフィルタの最大の特徴は、第2フィルタ係数α2x,y(i,j)の算出方法にある。
この図17からわかるように、周辺画素の画素値が注目画素の画素値に近い場合には、第2フィルタ係数α2x,y(i,j)に大きな値が設定され、逆に、周辺画素の画素値が注目画素の画素値と大きく異なる場合には、第2フィルタ係数α2x,y(i,j)に小さな値が設定される。
前述したように、モスキートノイズは強いエッジの周辺に弱い階調の揺らぎとして発生する。
図18は、エッジとモスキートノイズの関係を模式的に表した図である。なお、SUSANフィルタのパラメータtの値は、エッジの階調変化に比べて十分小さく、なおかつ、モスキートノイズの階調変化に比べて十分大きく設定されているものとする。ここで、モスキートノイズ部分の画素に対してSUSANフィルタを適用すると、第2フィルタ係数α2x,y(i,j)の効果によって、注目画素の画素値と大きく異なる画素値を持つエッジ部分の画素には非常に小さなフィルタ係数が設定されるため、実質的にフィルタ処理にはほとんど影響を与えることがなく、注目画素の画素値に近い画素値を持つ注目画素近傍のモスキートノイズ部分の画素に対してのみ大きなフィルタ係数が設定されてフィルタ処理が行われる。このため、エッジをぼかすことなく、なおかつ、モスキートノイズを有効に除去することができる。
S. M. Smith and J. M. Brady,"SUSAN ― A New Approach to Low Level Image Processing,"International Journal of Computer Vision, vol.23, no.1, pp.45-78, 1997.
そこで、本発明では、モスキートノイズの除去効果を損なうことなく、エッジとテクスチャの両方のぼけを抑え、しかも、弱いエッジにおいても、モスキートノイズが残ってしまったり、エッジのあるなしで画質が極端に変化してしまったりすることを防止した画像処理装置および画像処理方法を提供することを目的とする。
これにより、前記ブロック毎に画素値の分布係数を簡単に算出することができ、全ての画素に対して適切なフィルタ処理を行うことができる。
これによって、ブロック境界においても分布係数が連続的に変化するので、平滑化の強さが連続的に変化するフィルタ処理を実現することができる。
ここで、前記分布係数算出手段は、前記ブロック内における画素値の最大値から最小値を減算した差分値を、当該ブロックの画素値の分布係数として算出することを特徴としてもよい。
また、前記分布係数算出手段は、前記ブロック内における平均画素値からの分散値を、当該ブロックの画素値の分布係数として算出することを特徴とすることもできる。
これによっても、分布係数を簡単に求めることができる。
これによっても、分布係数を簡単に求めることができる。
(実施の形態1)
図1は、デジタルカメラおよびプリンタの外観構成を示す図である。
デジタルカメラex100は、CCDやCMOSなどのカラーイメージセンサと、上記した画像符号化装置60(図15参照)などとから構成され、カラーイメージセンサによって取得された原画像を、符号化装置60によってブロック毎に符号化することにより、JPEG圧縮データを生成し、生成したJPEG圧縮データをSDカードex200に記録する。
プリンタex400は、ユーザから指示されたJPEG圧縮データをSDカードex200から読み出して復号化装置70のエントロピー復号化部71、逆量子化部72、逆量子化テーブル73および逆DCT変換部74によって復号化し、YCbCrデータの復号画像を生成する。なお、この復号画像には、エッジ近傍に発生したモスキートノイズが含まれている。
前処理部は、RGBカラーの復元画像をYMCKのカラー復元画像に変換する。
プリンタエンジンは、用紙上にYMCKのカラーの復元画像を再生する。ここで、画像処理装置によって生成される復元画像においては、エッジおよびテクスチャのぼけを抑え、エッジのあるなしで画質が極端に変化してしまったりすることを防止しつつ、モスキートノイズを除去している。したがって、用紙上に再現される復元画像においても、図1に示されるように、エッジおよびテクスチャのぼけを抑え、エッジのあるなしで画質が極端に変化してしまったりすることを防止しつつ、エッジ強度の高い低いの如何に拘わらずモスキートノイズを除去することができる。
画像処理装置1は、復号画像のY成分に対してブロック毎にフィルタ処理を施すことにより、復元画像を生成するものであって、図2に示されるように、差分値算出部11と、分布係数算出部12と、フィルタ係数算出部13と、フィルタ処理部14とを備える。
分布係数算出部12は、各ブロックにおける画素値の分布係数を算出する。
フィルタ係数算出部13は、差分値算出部11において算出された差分値と、分布係数算出部12において算出された分布係数とに基づいて、各周辺画素に対するフィルタ係数をそれぞれ算出する。
なお、上記画像処理装置1を構成する差分値算出部11、分布係数算出部12、フィルタ係数算出部13およびフィルタ処理部14は、CPUや、画像処理プログラムを予め格納したROM、画像処理プログラムを実行するためのワークエリア等を提供するRAM等によって構成される。
図3は、画像処理装置1における復号画像から復元画像を生成するときの動作を示すフローチャートである。なお、画像処理装置1は、復元画像を生成するに際して、JPEG圧縮データを復号する過程で、復号画像のどこにブロック境界線が存在するかの情報を予め取得している。
全てのフィルタ係数βx,y(i,j)の算出が終わると(S21)、フィルタ処理部14は、各注目画素について、以下の処理を繰り返し実行する(S22)。フィルタ処理部14は、フィルタ係数算出部13において算出された各周辺画素に対するフィルタ係数βx,y(i,j)を用いて、注目画素に対するフィルタ処理を行い、フィルタ処理後の注目画素の画素値を算出する(S23)。このような処理(S23)を繰り返し実行し、全てのブロック内の各画素についてフィルタ処理後の画素値を算出し終わると(S24)、復元画像が生成され、復元画像生成処理を終了する。
図5は、プリンタex400に実装された画像処理装置の他の機能構成を示すブロック図である。
画像処理装置2は、復号画像のY成分に対してブロック毎にフィルタ処理を施すことにより、復元画像を生成するものであって、図5に示されるように、差分値算出部11と、分布係数算出部12と、分布係数補間部22と、フィルタ係数算出部23と、フィルタ処理部24とから構成される。なお、画像処理装置1の構成と対応する部分に同じ番号を付し、その説明を省略する。
図6は、画像処理装置2における復号画像から復元画像を生成するときの動作を示すフローチャートである。なお、画像処理装置2は、画像処理装置1と同様に、復元画像を生成するに際して、JPEG圧縮データを復号する過程で、復号画像のどこにブロック境界線が存在するかの情報を予め取得している。
まず、分布係数算出部12において算出された分布係数U(X,Y)を各ブロックの中心点における分布係数と仮定する。
図8は、デジタルカメラ、パーソナルコンピュータ(以下、「PC」とも記す。)、倍率変換器およびプロジェクタの外観構成を示す図である。なお、デジタルカメラex100、SDカードex200については、図1の場合と同様であるので、その説明を省略する。
プロジェクタex600は、前処理部と、画像処理装置と、後処理部と、表示エンジン等とから構成される。
画像処理装置は、前処理部から出力されたYCbCrデータの復号画像の内のY成分に対してフィルタ処理を施すことにより、モスキートノイズを除去し、エッジおよびテクスチャのぼけを抑え、しかも、弱いエッジにおいても、モスキートノイズが残ってしまったり、エッジのあるなしで画質が極端に変化してしまったりすることを防止した復元画像を生成する。
表示エンジンは、RGBカラーの復元画像をスクリーンex700上にピントを合わせてRGBカラーの復元画像を再現する。ここで、画像処理装置によって生成される復元画像においては、エッジおよびテクスチャのぼけを抑え、エッジのあるなしで画質が極端に変化してしまったりすることを防止しつつモスキートノイズを除去している。したがって、スクリーンex700上に再現される復元画像においても、図8に示されるように、エッジおよびテクスチャのぼけを抑え、エッジのあるなしで画質が極端に変化してしまったりすることを防止しつつ、エッジ強度の高い低いの如何に拘わらずモスキートノイズを除去することができる。
図9は、図8に示されるプロジェクタex600に実装された画像処理装置の機能構成を示すブロック図である。
画像処理装置3は、復号画像を構成する各画素のY成分に対して所定のフィルタ処理領域毎にフィルタ処理を施すことにより、復元画像を生成するものであって、図9に示されるように、差分値算出部11と、エッジ強度算出部31と、最大エッジ影響度算出部32と、フィルタ係数算出部33と、フィルタ処理部34とを備える。なお、画像処理装置1,2の構成要素と対応する部分に同じ番号を付し、その説明を省略する。
フィルタ係数算出部33は、差分値算出部11で算出されたフィルタ処理領域内における周辺画素の画素値と注目画素の画素値との差分値と、最大エッジ影響度算出部32によって算出されたフィルタ処理領域で用いる分布係数とに基づいて、フィルタ処理領域内における周辺画素のフィルタ係数をそれぞれ算出する。
次いで、上記のように構成された画像処理装置3で復号画像から復元画像を生成するときの動作について説明する。
画像処理装置3は、図11に示される各エッジ影響度算出領域について、以下の処理を繰り返し実行する(S41)。
ここで、この実施の形態3においては11×11画素で構成されているが、復号画像のサイズ変換倍率に応じて21×21画素など、種々のサイズのフィルタ処理領域を設定してもよい。
まず、エッジ強度算出部31は、ソーベルフィルタ等を用いて、各周辺画素のエッジ強度をそれぞれ算出する(S42)。
ソーベルフィルタは、ある注目画素(ここでは、周辺画素)を中心とした上下左右の9つの画素値に対して、図12に示されるソーベルフィルタの係数をそれぞれ乗算し、乗算結果を合計する。水平方向の合計値をgHS、垂直方向の合計値をgVSとしたとき、注目画素のエッジ強度gは以下の式で求められる。
g=(gHS2+gVS2)1/2
このような処理を各周辺画素に対して行うことにより、各周辺画素のエッジ強度がどうなっているかを検出することができる。
図13は、最大エッジ影響度算出処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
最大エッジ影響度算出部32は、エッジ影響度算出領域内の各周辺画素について、以下の処理を繰り返し実行する(S431)。
各フィルタ処理領域に適用する分布係数の算出が終わると(S44)、差分値算出部11は、復号画像の各画素について、以下の処理を繰り返し実行する(S16)。差分値算出部11は、ある注目画素の画素値f(x,y)とフィルタ処理領域内の各周辺画素(図4に示されるフィルタ処理領域に含まれる全ての周辺画素)の画素値f(x+i,y+j)との差分値νx,y(i,j)をそれぞれ算出する(S17)。
また、本発明におけるフィルタ処理は、式(5)で表される処理に限定されるものではなく、同様の手段を備えていれば別の式で実現してもよい。
また、静止画に限定されるわけではなく、MPEG圧縮データに対する処理のように動画に対しても適用でき、動画においても静止画の場合と同様の効果が得られる。
また、必ずしもプリンタやプロジェクタ内部で処理しなければならないわけではなく、PC上で処理してもよい。
11 差分値算出部
12 分布係数算出部
13,23,33 フィルタ係数算出部
14,24,34 フィルタ処理部
22 分布係数補間部
31 エッジ強度算出部
32 最大エッジ影響度算出部
Claims (6)
- 多値画像をM×N画素単位のブロック毎に符号化して得られた圧縮データを復号化して得られた復号画像に、ノイズを除去するためのフィルタ処理を行って復元画像を生成する画像処理装置であって、
前記復号画像においてフィルタ処理を適用する注目画素の画素値と、前記注目画素のフィルタ処理に使用するフィルタ処理領域を構成する周辺画素の画素値との差分値を算出する差分値算出手段と、
所定のエッジ影響度算出領域における前記周辺画素のエッジ強度を算出するエッジ強度算出手段と、
前記エッジ強度算出手段が算出した前記周辺画素のエッジ強度が大きいほど、および、前記注目画素と前記周辺画素との距離が小さいほど、注目画素に対するエッジ影響度として大きな値を算出し、算出したエッジ影響度が大きいほど前記注目画素の画素値の分布係数として大きな値を算出するエッジ影響度算出手段と、
前記差分値算出手段によって算出された前記差分値が小さいほど、および、前記エッジ影響度算出手段によって算出された前記分布係数が大きいほど、前記周辺画素に対するフィルタ係数として大きな値を算出するフィルタ係数算出手段と、
前記フィルタ係数算出手段によって算出された前記フィルタ係数を用いて、前記復号画像における注目画素の画素値に対してフィルタ処理を行い、復元画像における注目画素の画素値を算出するフィルタ処理手段と
を備えることを特徴とする画像処理装置。 - 前記エッジ影響度算出手段は、前記算出したエッジ影響度の最大値を前記注目画素の画素値の分布係数として算出する
ことを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。 - 多値画像をM×N画素単位のブロック毎に符号化して得られた圧縮データを復号化して得られた復号画像に、ノイズを除去するためのフィルタ処理を行って復元画像を生成する画像処理装置に用いられる画像処理方法であって、
前記復号画像においてフィルタ処理を適用する注目画素の画素値と、前記注目画素のフィルタ処理に使用するフィルタ処理領域を構成する周辺画素の画素値との差分値を算出する差分値算出ステップと、
所定のエッジ影響度算出領域における前記周辺画素のエッジ強度を算出するエッジ強度算出ステップと、
前記エッジ強度算出ステップによって算出した前記周辺画素のエッジ強度が大きいほど、および、前記注目画素と前記周辺画素との距離が小さいほど、注目画素に対するエッジ影響度として大きな値を算出し、算出したエッジ影響度が大きいほど前記注目画素の画素値の分布係数として大きな値を算出するエッジ影響度算出ステップと、
前記差分値算出ステップによって算出された前記差分値が小さいほど、および、前記エッジ影響度算出ステップによって算出された前記分布係数が大きいほど、前記周辺画素に対するフィルタ係数として大きな値を算出するフィルタ係数算出ステップと、
前記フィルタ係数算出ステップによって算出された前記フィルタ係数を用いて、前記復号画像における注目画素の画素値に対してフィルタ処理を行い、復元画像における注目画素の画素値を算出するフィルタ処理ステップと
を含むことを特徴とする画像処理方法。 - 前記エッジ影響度算出ステップでは、前記算出したエッジ影響度の最大値を前記注目画素の画素値の分布係数として算出する
ことを特徴とする請求項3記載の画像処理方法。 - 請求項3または4に記載の画像処理方法が備える全てのステップをコンピュータに実行させるためのプログラム。
- 請求項3または4に記載の画像処理方法が備える全てのステップを実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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