JP4792893B2 - 画像処理装置およびプログラム - Google Patents
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このようなことを可能にする技術の一例としては、特許文献1〜4に開示された技術が挙げられる。これら特許文献には、処理対象である画像にウェーブレット変換を利用してエッジ強調などの高画質化処理を行う技術が開示されている。
図15に示すように、ウェーブレット変換においては、まず、画像データに対して主走査方向、副走査方向の順に、図15に示す“H↓2フィルタ”および“G↓2フィルタ”を予め定められた4つの組み合わせパターン(図15参照)で組み合わせてフィルタ処理を施すことによって上記画像データの表す原画像のLL成分、LH成分、HL成分およびHH成分を表すウェーブレット係数が算出される。一方、逆ウェーブレット変換においては、上記各ウェーブレット係数を入力として副走査方向および主走査方向の順に、図15に示す“↑2Qフィルタ”および“↑2Pフィルタ”を予め定められた4つの組み合わせパターン(図15参照)で組み合わせてフィルタ処理を施すことによって画像データが復元される。なお、上記ウェーブレット変換により生成される各ウェーブレット係数は、以下のような特徴を有している。HH成分には、ななめ方向(45°および135°方向)のエッジ成分が強く現れる。LH成分には、横方向のエッジ成分が強く現れる。HL成分には、縦方向のエッジ成分が強く現れる。そして、LL成分は、現画像を縦方向および横方向に1/2に縮小して得られる画像と略同一の特徴を有している。なお、“H↓2フィルタ”、“G↓2フィルタ”、“↑2Qフィルタ”および“↑2Pフィルタ”はHaarフィルタと呼ばれるフィルタである。
本発明は、上記課題に鑑みて為されたものであり、ウェーブレット変換を利用した画像処理を高速に行うことを可能にする技術を提供することを目的としている。
(A.第1実施形態)
(A−1.構成)
図1は、本発明の1実施形態に係る画像処理装置200を含んでいる画像処理システムの構成例を示すブロック図である。図1に示すように、この画像処理システムには、画像読取装置100と、画像処理装置200と、画像形成装置300とが含まれており、画像処理装置200は、例えばUSB(Universal Serial Bus)ケーブルなどの通信線400aおよび400bで画像読取装置100と画像形成装置300とに接続されている。
図2に示すように、画像処理装置200は、制御部210、インターフェイス(以下、IF)部220、記憶部230、および、これら各構成要素間のデータ授受を仲介するバス240、を備えている。
不揮発性記憶部230aは、例えば、ハードディスクであり、揮発性記憶部230bは、例えばRAM(Random Access Memory)である。揮発性記憶部230bは、プログラムにしたがって作動している制御部210によってワークエリアとして利用される。一方、不揮発性記憶部230aには、本発明に係る画像処理装置に特徴的な画像処理を制御部210に実行させるためのプログラムが予め格納されている。また、この不揮発性記憶部230aには、RGB画像データからL*a*b*画像データへの色変換処理(以下、前段色変換処理)やL*a*b*画像データからYMCK画像データへの色変換処理(以下、後段色変換処理)の実行過程で参照されるルックアップテーブル(以下、LUT)や、入力画像データの表す画像を複数のブロックに分割し、それらブロックの属性が、文字、絵柄、または、下地の何れであるのかを判別する最に参照される属性判別テーブルが予め格納されている。
次いで、上記プログラムにしたがって作動している制御部210が実行するエッジ強調処理について図面を参照しつつ説明する。なお、制御部210が実行する前段色変換処理および後段色変換処理については、従来の画像処理装置が行うこれら処理と何ら変わるところがないため、以下では、本発明に係る画像処理装置に特徴的なエッジ強調処理について説明する。
図4は、上記プログラムにしたがって制御部210が実行するエッジ強調処理の流れを示すフローチャートである。図4に示すように、制御部210は、まず、前段色変換処理にて生成されたL*a*b*画像データに前述したHaarフィルタを用いてウェーブレット変換(詳細には、離散ウェーブレット変換)を施し、その画像データの表す画像のLL、LH、HLおよびHHの各成分を表すウェーブレット係数を算出する(ステップSA100)。
本実施形態では、画像ブロックの大きさを1×1mmにする場合について説明したが、その大きさを小さくするほどより正確に属性を判別することが可能である一方、属性判別に時間がかかってしまう。したがって、要求される処理スピードと画質を総合的に判断し、画像ブロックの大きさを適切に設定するのが好ましい。
例えば、属性が下地であると判別された画像ブロック(以下、下地ブロック)については、制御部210は、その画像ブロックに対応するLH、HLおよびHHウェーブレット係数を全てエッジなし、すなわち空白あるいは紙白を表す所定の値(例えば、“0”)に書き換える処理を行う。下地部分に現れているエッジ成分は、スキャナ装置などによる画像の読み取り過程で生じたノイズであることが一般的であるため、LH、HLおよびHHウェーブレット係数を全て所定の値に書き換えることによって、そのようなノイズが除去されると期待される。
以上が、各画像ブロックに対して施されるエッジ処理である。
以降、制御部210は、以上に説明したエッジ強調処理により得られたL*a*b*画像データに前述した後段色変換処理を施してYMCK画像データに変換し、このYMCK画像データを画像形成装置300に引渡して、そのYMCK画像データに応じた画像を出力させる。
以上に説明したように、本発明の第1実施形態に係る画像処理装置200によれば、ウェーブレット変換により得られるLL、LH、HLおよびHHの各成分の係数のうち、LL成分の係数のみを用いて、下地ブロックと下地以外のブロック(すなわち、文字や絵柄、不明ブロック)の弁別が行われ、前者については、エッジ検出が行われることがないため、従来の技術に比較して高速化することが可能になる。
また、エッジ強調に関しても、本発明の第1実施形態に係る画像処理装置200では、エッジ強調フィルタなどのデジタルフィルタを使わず、係数演算(すなわち、エッジに対応するウェーブレット係数に画像ブロックの属性に応じたエッジ強調係数を乗算する演算)で実現されるため、デジタルフィルタを使用する従来の技術に比較して高速化することが可能になる。
なお、上述した第1実施形態に、入力画像タイプに応じてエッジ判定用閾値や各エッジ強調係数、属性判別用の基準パターンを切り替えるような変形を加えても良いことは勿論であり、また、属性判定、エッジ検出およびエッジ強調などの各処理の処理負荷に応じて、複数プロセッサで並列に処理するような変形を加えても良い。
また、上述した実施形態では、本発明に係る画像処理装置に特徴的な画像処理を制御部210に実行させるためのプログラムが不揮発性記憶部230aに予め格納されている場合について説明した。しかしながら、例えばCD−ROM(Compact Disk- Read Only Memory)やDVD(Digital Versatile Disk)などのコンピュータ装置読み取り可能な記録媒体に、上記プログラムを記録して配布し、その記録媒体を用いて一般的なコンピュータ装置に上記プログラムをインストールするとしても良いことは勿論である。このようにすると、一般的なコンピュータ装置を本発明に係る画像処理装置として機能させることが可能になるといった効果を奏する。また、上述した実施形態では、本発明に係る画像処理装置に特徴的な各手段をソフトウェアモジュールで実現する場合について説明したが、ハードウェアモジュールで実現するとしても良いことは勿論である。
次いで、本発明の第2実施形態に係る画像処理装置500について説明する。
(B−1:画像処理装置500の構成)
図7は、画像処理装置500の機能構成を表す機能ブロック図である。
図7に示すように、画像処理装置500は、前段色変換処理部510と、ウェーブレット変換部520と、明度成分処理部530と、彩度成分処理部540と、逆ウェーブレット変換部550と、後段色変換処理部560と、を有している。
図8は、明度成分処理部530の機能構成を表す機能ブロック図である。
図8に示すように、明度成分処理部530は、エッジ検出部532および適応フィルタ処理部534を有しており、ウェーブレット変換部520より引渡された明度成分についてのウェーブレット係数のうち、LH成分、HL成分およびHH成分のウェーブレット係数をこれらエッジ検出部532および適応フィルタ処理部534へ引渡す。なお、LL成分のウェーブレット係数については、特段の処理が施されることなく、そのまま逆ウェーブレット変換部550へ引渡される。この明度成分処理部530は、エッジの調整を主な目的としており、LL成分にはエッジ特性が強く現れているわけではないからである。
図10に示すように、エッジ検出部532は、まず、上記注目画素についてLH(水平方向)、HL(垂直方向)およびHH(ななめ方向)の各成分についてエッジ連続度を算出する(ステップSC100)。
より詳細に説明すると、エッジ検出部532は、LH、HLおよびHHの各成分について、上記注目画素を含む対象領域を設定し、その領域内についてのウェーブレット係数の平均値を算出する。例えば、LH成分については、エッジ検出部532は、図9に示す画素ブロックにて注目画素を中心に水平方向(主走査方向)に並んでいる5個の画素(すなわち、図9の画素K、L、M、NおよびO)を対象領域として設定する。また、HL成分については、エッジ検出部532は、図9に示す画素ブロックにて注目画素を中心に垂直方向(副走査方向)に並んでいる5個の画素(すなわち、図9の画素C、H、M、RおよびW)を対象領域として設定する。そして、HH成分については、エッジ検出部532は、図9に示す画素ブロックにて注目画素を中心に主走査方向に対して45°および135°の方向に並んでいる5個の画素(すなわち、前者については、図9の画素E、I、M、QおよびU、後者については、画素A、G、M、SおよびY)を対象領域として設定する。次いで、エッジ検出部532は、上記対象領域内の各画素について、その画素値と上記平均値との差の絶対値を算出し、その絶対値に所定のゲイン係数Fを乗算して得られる値が所定の閾値とを超えている画素の数を上記エッジ連続度として算出する。
具体的には、エッジ検出部532は、
画素Aの画素値と注目画素(すなわち、画素M)の画素値の差の絶対値が所定の閾値を超えている場合には、Ea1に“1”をセットし、逆の場合には、Ea1に“0”をセットし、
画素Eの画素値と注目画素の画素値の差の絶対値が所定の閾値を超えている場合には、Ea2に“1”をセットし、逆の場合には、Ea2に“0”をセットし、
画素Uの画素値と注目画素の画素値の差の絶対値が所定の閾値を超えている場合には、Ea3に“1”をセットし、逆の場合には、Ea3に“0”をセットし、
画素Yの画素値と注目画素の画素値の差の絶対値が所定の閾値を超えている場合には、Ea4に“1”をセットし、逆の場合には、Ea4に“0”をセットする。
具体的には、エッジ検出部532は、
画素Cの画素値と注目画素の画素値の差の絶対値が所定の閾値を超えている場合には、Eb1に“1”をセットし、逆の場合には、Eb1に“0”をセットし、
画素Wの画素値と注目画素の画素値の差の絶対値が所定の閾値を超えている場合には、Eb2に“1”をセットし、逆の場合には、Eb2に“0”をセットする。
具体的には、エッジ検出部532は、
画素Kの画素値と注目画素の画素値の差の絶対値が所定の閾値を超えている場合には、Eb3に“1”をセットし、逆の場合には、Eb3に“0”をセットし、
画素Oの画素値と注目画素の画素値の差の絶対値が所定の閾値を超えている場合には、Eb4に“1”をセットし、逆の場合には、Eb4に“0”をセットする。
aaの値が“4”であり、かつ、bbの値が“0”である場合、
または、aaの値が“0”であり、かつ、bbの値が“4”である場合、
または、aaとbbの両者がともに“4”である場合、に上記注目画素は網点の構成要素であると判定する。
以上が、図10に示すステップSC120においてエッジ検出部532が実行する網点判定処理である。なお、本実施形態では、上記10個の変数を利用して注目画素が網点の構成要素であるか否かを判定する場合について説明したが、他の手法により係る判定を行っても良いことは勿論である。
Ex1については、LH成分の画素G、画素Hおよび画素I(図9参照)の画素値の和をセットする。
Ex2については、LH成分の画素Q、画素Rおよび画素S(図9参照)の画素値の和をセットする。
Ey1については、HL成分の画素G、画素Lおよび画素Q(図9参照)の画素値の和をセットする。
Ey2については、HL成分の画素I、画素Nおよび画素S(図9参照)の画素値の和をセットする。
次いで、エッジ検出部532は、上記LxとLyとを所定の閾値と比較し、両者がともにその閾値よりも小さい場合には、エッジ方向がないこと(すなわち、エッジがないことを)を示すエッジ方向信号を出力し、LxまたはLyの少なくとも一方が上記閾値を超えている場合には、LxとLyのどちらが大きいかを判定する。
以上が、図10に示すステップSC140においてエッジ検出部532が実行するエッジ方向検出処理である。詳細については後述するが、このようにしてエッジ検出部532から出力されるエッジ方向信号は、ゴースト(例えば、黒エッジの近傍に赤など他の色のエッジが出現し、エッジ部に色のにじみが生じる現象)を補正するための平滑化処理を彩度成分処理部540が実行する際に利用される。なお、本実施形態では、上記6個の変数を利用してエッジ方向の検出を行う場合について説明したが、他の手法によりエッジ方向の検出を行っても良いことは勿論である。
以上が明度成分処理部530の構成および機能である。
図12は、彩度成分処理部540の機能構成を表す機能ブロック図である。
図12に示すように、彩度成分処理部540は、平滑化処理部542、彩度算出部544、黒エッジ強度算出部546および彩度変換部548を有している。なお、平滑化処理部542、および、彩度変換部548は、実際には、彩度成分毎(すなわち、a*成分およびb*成分毎)に設けられているが、説明を簡略化するため、図12ではそれぞれ1つづつ例示されている。
なお、本実施形態では、上記演算を実行することによって彩度C*を算出する場合について説明したが、a*成分についのウェーブレット係数の取り得る値およびb*成分についのウェーブレット係数の取り得る値に、その値を用いて上記演算により算出される彩度C*の値を対応付けて書き込んだLUTを彩度算出部544に記憶させておき、入力されたウェーブレット係数に応じた彩度C*をそのLUTを参照することによって求めるようにしても勿論良い。このようにすると、画像処理の実行過程で彩度算出演算を行う必要がなく、その処理速度を高速化することが可能になる。
より詳細に説明すると、黒エッジ強度算出部546には、エッジ強度eとエッジ強度係数feとについて図13(a)に示す対応関係を表すエッジ強度係数用LUTと、彩度c*と彩度変換係数fcとについて図13(b)に示す対応関係を表す彩度変換係数用LUTとが格納されている。黒エッジ強度算出部546は、これらLUTを参照して彩度変換係数fcとエッジ強度係数feとを取得し、上記演算を行って上記黒エッジ強度fbを算出する。なお、彩度変換係数fcとエッジ強度係数feとに、その組み合わせで算出される黒エッジ強度fbの値を対応付けたLUTを黒エッジ強度算出部546に記憶させておき、そのLUTを参照することによって上記黒エッジ強度fbを取得するようにしても勿論良い。
以上が彩度成分処理部540の構成および機能である。
以上に説明したように、本第2実施形態に係る画像処理装置500は上記のような構成にしたため、ウェーブレット変換を行わずにエッジ検出などの画像処理を行う場合に比較して、処理次元数を大幅に減らすことが可能になり処理速度が向上する、といった効果を奏する。
また、本実施形態によれば、エッジ強調などのフィルタ処理が、ウェーブレット係数に対する係数乗算で実行されるため、デジタルフィルタを用いて画素値の積和演算でフィルタ処理を実行する従来技術に比較して、そのフィルタ処理に要する演算量を削減することが可能になる、といった効果を奏する。
なお、上述した第2実施形態では、本発明に係る画像処理装置を、前段色変換処理部510、ウェーブレット変換部520、明度成分処理部530、彩度成分処理部540、逆ウェーブレット変換部550および後段色変換処理部560を組み合わせて構成する場合について説明したが、例えば、図2に示すハードウェア構成を有するコンピュータ装置に、上記各部が担っている機能を実現させるプログラムをその不揮発性記憶部にインストールし、そのプログラムにしたがって制御部を作動させるようにしても良い。
以上、本発明の第1および第2実施形態について説明したが、係る実施形態に以下に述べるような変形を加えても良いことは勿論である。
(C−1:変形例1)
上述した第1および第2実施形態では、画像読取装置100から引渡されたRGB画像データをYMCK画像データに変換して画像形成装置300へ引渡す場合について説明したが、その処理結果の出力先は画像形成装置に限定されるものではなく、例えば液晶ディスプレイなどの表示装置を備えたコンピュータ装置へ上記処理結果を引渡し、その処理結果に応じた画像を上記表示装置に表示させるようにしても良く、また、データベースを備えたコンピュータ装置に上記処理結果を引渡しそのデータベースに登録させるようにしても良い。
上述した第1および第2実施形態では、画像読取装置100から引渡されたRGB画像データを前段色変換処理にてL*a*b*画像データに変換した後にウェーブレット変換を施す場合について説明したが、YCbCr画像データに変換した後にウェーブレット変換を施すようにしても勿論良い。要は、入力された画像データを、明度成分と彩度成分とで画像を表す画像データに変換した後にウェーブレット変換を施す態様であれば、その表色系は問わない。また、上述した第1および第2実施形態では、入力画像データがRGB画像データであり、出力画像データがYMCK画像データである場合について説明したが、入力画像データと出力画像データの何れについても他の表色系の画像データであっても勿論良い。なお、入力画像データが、明度成分と彩度成分とで画像を表す画像データ(例えば、L*a*b*画像データやYCbCr画像データ)である場合には、前段色変換処理を行う必要はなく、また、出力画像データが、明度成分と彩度成分とで画像を表す画像データである場合には、後段色変換処理を行う必要はない。
上述した第1および第2実施形態では、Haarフィルタを用いてウェーブレット変換および逆ウェーブレット変換を行う場合について説明したが、処理対象である画像の性質に応じてウェーブレット変換に用いるフィルタを切り替えるようにしても良い。
上述した第1実施形態では、画像ブロックの属性に応じて文字用エッジ強調係数と絵柄用エッジ強調係数の何れかをその画像ブロックに対応するウェーブレット係数に乗算する場合について説明した。しかしながら、画像ブロックについてその属性が、各基準パターンとの乖離度に応じて例えば、文字である確率がn%、絵柄である確率がm%と判定される場合には、その画像ブロックに対応するウェーブレット係数に乗算するエッジ強調係数を、文字用エッジ強調係数にn/100を乗算した値と絵柄用エッジ強調係数にm/100を乗算して得られる値とを加算して生成するようにしても良い。同様に、第2実施形態に係る画像処理装置500の適応フィルタ処理部534にて用いるエッジ強調係数についてもエッジ強度に応じた比率で文字用エッジ強調係数と絵柄用エッジ強調係数とを加算して生成するようにしても良い。
上述した第1実施形態では、属性不明ブロックについては、エッジ部のエッジ強度に応じて文字用エッジ強調係数と絵柄用エッジ強調係数とを切り替えて使用する場合について説明したが、属性不明ブロックについては第2実施形態に係る画像処理装置500が実行するエッジ強調処理を施すようにしても良い。
Claims (2)
- 各画素の明度と彩度とで画像を表す画像データが入力される入力手段と、
前記画像データにウェーブレット変換を施し、その画像データの表す画像の明度成分および彩度成分のそれぞれについてLL成分、LH成分、HL成分およびHH成分のウェーブレット係数を生成するウェーブレット変換手段と、
前記明度成分についての前記LL成分のウェーブレット係数が表す画像を複数のブロックに分割し、その各々について、対応するLL成分のウェーブレット係数を参照してその属性が下地であるか否かを判別し、下地ではないと判別されたブロックについては、その属性が文字であるのか、絵柄であるのか、それとも不明であるのかを判別する判別手段と、
下地であると前記判別手段により判別されたブロックについては、そのブロックに対応する前記HL成分、LH成分およびHH成分の各ウェーブレット係数を全て同じ値に書き換える一方、下地ではないと前記判別手段により判別されたブロックについては、そのブロックに対応する前記HL成分、LH成分およびHH成分の各ウェーブレット係数を参照してエッジ部を検出し、
属性が文字であると前記判別手段により判別されたブロックについては、そのエッジ部に対応する前記HL成分、LH成分およびHH成分のウェーブレット係数に第1のエッジ強調係数を乗算し、
属性が絵柄であると前記判別手段により判別されたブロックについては、そのエッジ部に対応する前記HL成分、LH成分およびHH成分のウェーブレット係数に前記第1のエッジ強調係数よりも値が小さい第2のエッジ強調係数を乗算し、
属性が不明であると前記判別手段により判別されたブロックについては、そのエッジ部に対応する前記HL成分、LH成分およびHH成分のウェーブレット係数の各々について所定の閾値と比較し、その閾値よりも大きい場合には前記第1のエッジ強調係数を乗算する一方、その閾値よりも小さい場合には前記第2の強調係数を乗算するエッジ処理手段と、
前記LL成分のウェーブレット係数と、前記エッジ処理手段によって属性に応じた処理が施された前記HL成分、LH成分およびHH成分のウェーブレット係数とに逆ウェーブレット変換を施して画像データを復元し、その画像データを出力する出力手段と、
を有することを特徴とする画像処理装置。 - コンピュータ装置に、
各画素の明度と彩度とで画像を表す画像データを受け取り、その画像データにウェーブレット変換を施して、その画像データの表す画像の明度成分および彩度成分のそれぞれについてLL成分、LH成分、HL成分およびHH成分のウェーブレット係数を生成する第1のステップと、
前記明度成分についての前記LL成分のウェーブレット係数が表す画像を複数のブロックに分割し、その各々について、対応するLL成分のウェーブレット係数を参照してその属性が下地であるか否かを判別し、下地ではないと判別されたブロックについては、その属性が文字であるのか、絵柄であるのか、それとも不明であるのかを判別する第2のステップと、
下地であると前記第2のステップにて判別されたブロックについては、そのブロックに対応する前記HL成分、LH成分およびHH成分の各ウェーブレット係数を全て同じ値に書き換える一方、下地ではないと前記第2のステップにて判別されたブロックについては、そのブロックに対応する前記HL成分、LH成分およびHH成分の各ウェーブレット係数を参照してエッジ部を検出し、
属性が文字であると前記第2のステップにて判別されたブロックについては、そのエッジ部に対応する前記HL成分、LH成分およびHH成分のウェーブレット係数に第1のエッジ強調係数を乗算し、
属性が絵柄であると前記第2のステップにて判別されたブロックについては、そのエッジ部に対応する前記HL成分、LH成分およびHH成分のウェーブレット係数に前記第1のエッジ強調係数よりも値が小さい第2のエッジ強調係数を乗算し、
属性が不明であると前記第2のステップにて判別されたブロックについては、そのエッジ部に対応する前記HL成分、LH成分およびHH成分のウェーブレット係数の各々について所定の閾値と比較し、その閾値よりも大きい場合には前記第1のエッジ強調係数を乗算する一方、その閾値よりも小さい場合には前記第2の強調係数を乗算する第3のステップと、
前記LL成分のウェーブレット係数と、前記第3のステップにて属性に応じた処理が施された前記HL成分、LH成分およびHH成分のウェーブレット係数とに逆ウェーブレット変換を施して画像データを復元し、その画像データを出力する第4のステップと、
を実行させることを特徴とするプログラム。
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