JP2003280065A - 遮光板、シャッタ装置および光学機器 - Google Patents

遮光板、シャッタ装置および光学機器

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JP2003280065A
JP2003280065A JP2002084979A JP2002084979A JP2003280065A JP 2003280065 A JP2003280065 A JP 2003280065A JP 2002084979 A JP2002084979 A JP 2002084979A JP 2002084979 A JP2002084979 A JP 2002084979A JP 2003280065 A JP2003280065 A JP 2003280065A
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shutter
light
prepreg
sheet
thickness
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JP2002084979A
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Yoshio Kawakami
良男 川上
Makoto Miyagi
誠 宮城
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Canon Electronics Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 プリプレグの3層構造の遮光板では、プリプ
レグ内の繊維の目開きにより遮光性が低下してしまう。 【解決手段】 繊維を一方向に揃え樹脂を含浸させて形
成された2枚のシート部材3aと、この2枚のシート部
材3aの間に配置されたプラスチック板3bおよび金属
膜3cとを有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、カメラ等の光学機
器に用いられるシャッタ装置に好適な遮光板の構造に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、フィルム感度の向上やスポーツ写
真をはっきり撮りたい等の要求により、カメラのシャッ
タスピードの向上が要求されている。実際、1/800
0秒以上の高速シャッタが商品化されている。
【0003】高速シャッタに用いられる羽根材として最
も代表的なものに、炭素繊維を一方向に揃えて樹脂を含
浸させることにより形成されたプリプレグを3層以上積
層した炭素繊維強化製(以下、CFRP:Carbon Fiber
Reinforced Plastics)遮光羽根材がある。
【0004】CFRPで構成されているシャッタ羽根
は、軽量で曲げ剛性も高く、1/8000秒という高速
度のシャッタスピードで走行させても停止直後の羽根の
波打ちが非常に小さいという特徴を有している。このた
め、シャッタ羽根同士が衝突することがないとともに、
衝突によるシャッタ羽根の劣化を防止することができる
ため、高い耐久性を得ることが可能である。
【0005】図2は従来技術であるシャッタ羽根の構造
を示した図である。同図において、3eは炭素繊維が入
ったプリプレグシートであり、この炭素繊維は矢印B方
向に引き揃えて配置されている。
【0006】3fは炭素繊維の入ったプリプレグシート
であり、2枚のプリプレグシート3eにより挟まれてい
る。このプリプレグシート3fの炭素繊維は矢印C方
向、つまりプリプレグシート3eの炭素繊維の引き揃え
方向(矢印B方向)と直交する方向に引き揃えて配置さ
れている。
【0007】このように、プリプレグシート3eおよび
プリプレグシート3fの炭素繊維の引き揃え方向を直交
させているのは、シャッタ羽根の遮光性を向上させると
ともに、シャッタ羽根の反りを防止するためである。
【0008】3gは黒色塗料部であり、プリプレグシー
ト3eの両面のうちプリプレグシート3fと接触してい
ない面に形成されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上述したCF
RPで構成されているシャッタ羽根(図2)は、プリプ
レグシート3e、3fに含まれる炭素繊維が黒いために
一応の遮光性はあるものの完全な遮光性を得るには不十
分である。また、炭素繊維は一方向に均一に並んでいる
が、プリプレグシート3e、3fを積層する段階で炭素
繊維が曲がることにより、いわゆる目開きという現象が
発生するため、この目開きした部分の遮光性が低下して
しまう。
【0010】この問題を解消するためには、シャッタ羽
根を構成するプリプレグシート3e、3fのうち少なく
とも1つのシートにブラックプリプレグシートを用いる
必要がある。このブラックプリプレグシートは、マトリ
ックス樹脂の前駆体となる樹脂液中にカーボンブラック
(粒子径0.01μm以下)を約10wt%の割合で添
加分散させたものを加工成形したものである。
【0011】しかし、一般に世の中で用いられているC
FRP、例えばつり竿等で用いられているCFRPでは
カーボンブラックを入れる必要がなく、カーボンブラッ
クが入ったCFRPを用いるのはシャッタ羽根に特有で
あるといえる。
【0012】このため、プリプレグを製造する製造装置
においてブラックプリプレグのシートを製造した後に一
般(カーボンブラックの入っていない)のプリプレグの
シートを製造しようとする場合、製造装置の清掃等が大
変であるとともに、清掃後の製造において製造初期段階
のプリプレグのシートを捨ててしまうため材料の無駄が
生じてしまう。
【0013】本発明の目的は、ブラックプリプレグを用
いることなく、耐久性および遮光性に優れ、かつ安価な
遮光板およびこれを備えたシャッタ装置を提供すること
にある。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の遮光板は、繊維を一方向に揃え樹脂を含浸
させて形成された2枚のシート部材(プリプレグ)と、
この2枚のシート部材の間に配置されたプラスチック板
および金属膜とを有する。
【0015】すなわち、2枚のシート部材の間に金属膜
を配置することで遮光性の向上および反りの防止を図る
とともに、プラスチック板を配置することで遮光板の強
度を維持しつつ、軽量化および薄型化を図ることができ
るようにしている。
【0016】金属膜で遮光性を確保することにより、シ
ート部材にカーボンブラックの入ったブラックプリプレ
グを用いる必要がなくなり、ブラックプリプレグの製造
に伴う製造装置の清掃や材料の無駄を防止することがで
きる。
【0017】なお、プラスチック板の両面に金属膜を形
成することができる。また、プラスチック板にはポリエ
チレンテレフタレート(PET)を用いることができ
る。PETを用いることで遮光板の剛性をより高めるこ
とができ、特にプラスチック板の表面に無電解メッキに
より金属膜を形成する場合に好適である。
【0018】本発明の遮光板は光通過口を開閉可能なシ
ャッタ装置に用いることができ、このシャッタ装置はカ
メラなどの光学機器に用いることができる。
【0019】
【発明の実施の形態】(第1実施形態)図3は本発明の
第1実施形態であるシャッタ装置(フォーカルプレンシ
ャッタ)の側面図であり、図4はシャッタ装置の正面図
である。図7は本実施形態のシャッタ装置を備えたカメ
ラの外観斜視図(概略図)である。
【0020】図7において、20はカメラ本体であり、
21はカメラ本体20に着脱可能な交換レンズである。
この交換レンズ21は、カメラ本体20内の制御部から
の制御信号に基づいてズーミング可能である。
【0021】22は、カメラ本体20から交換レンズ2
1を取り外すための取り外しボタンである。23はカメ
ラ本体20に取り付けられたストロボ装置であり、使用
時には図7に示す収納状態からポップアップする。24
はモードダイヤルであり、回転操作により各種撮影モー
ドの設定が可能である。
【0022】25はシャッタボタンであり、撮影者操作
によりカメラ本体20内の不図示のフィルム又はCCD
等の撮像素子への露光(撮影)を開始させる。すなわ
ち、シャッタボタン25が操作されると、カメラ本体2
0内の制御部からの制御信号に基づいてシャッタ装置が
開閉動作を行うことにより交換レンズ21からの撮影光
束をフィルム又は撮像素子に露光させる。
【0023】図3および図4において、1は先幕駆動ア
ームであり、この基端部においてシャッタ地板12に回
転可能に取り付けられている。2は先幕支持アームであ
り、この基端部においてシャッタ地板12に回転可能に
取り付けられている。先幕駆動アーム1および先幕支持
アーム2にはカシメダボを介して先幕シャッタ羽根3〜
5が取り付けられており、平行リンクを構成している。
【0024】上述した構成において、先幕駆動アーム1
が不図示の駆動源からの駆動力を受けて回転すると、先
幕シャッタ羽根3〜5が重畳したり展開したりする。
【0025】7は後幕駆動アームであり、この基端部に
おいてシャッタ地板12に回転可能に取り付けられてい
る。8は後幕支持アームであり、この基端部においてシ
ャッタ地板12に回転可能に取り付けられている。後幕
駆動アーム7および後幕支持アーム8にはカシメダボを
介して後幕シャッタ羽根9〜11が取り付けられてお
り、平行リンクを構成している。
【0026】上述した構成において、後幕駆動アーム7
が不図示の駆動源からの駆動力を受けて回転すると、後
幕シャッタ羽根9〜11が重畳したり展開したりする。
すなわち、撮影待機状態においては先幕シャッタ羽根3
〜5が展開状態にあり、後幕シャッタ羽根9〜11が重
畳状態にある。そして、撮影を行う際には先幕シャッタ
羽根3〜5が重畳動作を開始するとともに、この動作が
開始されてから所定時間経過後に後幕シャッタ羽根9〜
11が展開動作を開始する。撮影が終了すると、先幕シ
ャッタ羽根3〜5および後幕シャッタ羽根9〜11は撮
影待機状態に戻る。
【0027】6は仕切板であり、先幕シャッタ羽根3〜
5の走行スペースと、後幕シャッタ羽根9〜11の走行
スペースを仕切る。13はシャッタ地板12に保持され
るカバー板であり、先幕シャッタ羽根3〜5が羽根走行
方向と直交する方向に広がるのを防止する。
【0028】仕切板6、シャッタ地板12およびカバー
板13の中央には、撮影光束を通過させる光通過口が形
成されている。そして、先幕シャッタ羽根3〜5および
後幕シャッタ羽根9〜11が走行することにより、交換
レンズ21からの撮影光束が上述した光通過口を通過し
てフィルム又はCCD等の撮像素子に露光される。
【0029】図1は先幕シャッタ羽根3の分解斜視図で
ある。この先幕シャッタ羽根3は、3層構造となってい
る。
【0030】3aは、一方向に揃えられた炭素繊維3a
−1に樹脂を含浸させて形成されたプリプレグシートで
あり、2枚のプリプレグシート3aで後述するPETシ
ート3bを挟み込んでいる。プリプレグシート3aの炭
素繊維3a−1は、先幕シャッタ羽根3の長手方向(矢
印A方向)を向くように揃えられている。
【0031】このように2枚のプリプレグシート3aに
おける炭素繊維3a−1のそれぞれの引き揃え方向を矢
印A方向とすることにより、シャッタ羽根に反りが発生
するのを防止している。ここで、プリプレグシート3a
の厚みは40μm程度となっている。
【0032】3bはPET(Polyethylene Terephthala
te)で構成されているPETシートであり、この厚み
は、2枚のプリプレグシート3aを重ね合わせた先幕シ
ャッタ羽根3の厚みが100μm程度となるように25
μmとなっている。
【0033】PETシート3bの厚みは25μmよりも
薄い方がシャッタ羽根の薄型化(シャッタ装置の薄型
化)を図る上で好ましいが、25μmよりも薄くすると
後述するようにPETシート3bの両面に金属メッキを
施す際にPETシート3bに穴が空いてしまったり、プ
リプレグシート3aを積層する際にPETシート3bに
シワが発生したりする等の問題が生じるため25μm程
度が好ましい。
【0034】3cはNiメッキであり、PETシート3
bの両面を覆っている。ここで、薄型に形成されたプラ
スチック部材の表面に金属メッキを施すには一定の限界
がある。
【0035】すなわち、プラスチック部材にはポリカー
ボ、PEEK(Poly Ether Ether Ketone)、PEN(P
olyethylene Naphthalate)等の高分子で構成されるも
のがあるが、これらの高分子で構成されるプラスチック
部材は高剛性を備えているものの、いずれもプラスチッ
クメッキ(無電解メッキ)することが現在では不可能で
ある。
【0036】一方、無電解メッキできるプラスチック部
材としてはPET、ポリカーボ、ナイロン、POM(Po
lyoxymethylene)等の高分子で構成されるものがある
が、このなかではPETを用いたものが最も剛性が高
い。また、PETを用いた場合、製造工程において2軸
延伸を行うことが可能であり、これによりPETシート
全体においてヤング率を一定にすることができ、PET
シート3bにプリプレグシート3aを積層する際にPE
Tシート3bに反りが発生するのを防止することができ
る。
【0037】3dは黒色塗装部であり、プリプレグシー
ト3aの両面のうちPETシート3bと接触していない
面(先幕シャッタ羽根3の表面)に形成されている。こ
の黒色塗装部3dは、カーボンブラックが10wt%以
上の割合で含まれている塗装剤で構成されており、3〜
5μm程度の厚みを有している。
【0038】シャッタ羽根の遮光性を上げるためには、
黒色塗装部3dをより厚く形成することが好ましいが、
厚くしすぎるとシャッタ羽根の重さが増すため、3〜5
μm程度の厚みが好ましい。
【0039】次に、図7を用いて3層構造のシャッタ羽
根におけるヤング率について説明する。
【0040】図7に示すように中間部材(PETシート
3b)のヤング率をE2、この厚みをT2とし、中間部
材の両面に配置されたシート部材(プリプレグシート3
a)のヤング率をE1、この厚みをT1とする。この場
合、3層構造のシャッタ羽根における総合ヤング率E
は、
【数1】 となる。但し、h=2T1+T2である。
【0041】ここで、T1=T2=Tとすると上記
(1)式は、
【数2】 となる。
【0042】上記(2)式に示すように、シート部材の
ヤング率E1は中間部材のヤング率E2に比べて26
倍、シャッタ羽根の総合ヤング率Eに寄与していること
が分かる。
【0043】本実施形態では、3層構造のシャッタ羽根
において、層毎にシャッタ羽根に必要な機能を付与した
ものである。すなわち、PETシート3bを挟むプリプ
レグシート3aにはヤング率を向上させる機能を持た
せ、PETシート3bには金属メッキ(Niメッキ3
c)を施すことにより遮光性を向上させる機能を持たせ
ている。
【0044】プリプレグシート3aも遮光性を有してい
るが、完全ではないため、2枚のプリプレグシート3a
の間に配置されるPETシート3bの表面にNiメッキ
3cを施すことにより遮光性を向上させている。しか
も、PETシート3bの両面にNiメッキ3cの硬質膜
を設けることで、Niメッキ3cが施されたPETシー
ト3b全体のヤング率を向上させることもできる。
【0045】このように、金属メッキによりシャッタ羽
根の遮光性を確保することで、本実施形態のプリプレグ
シート3aにはカーボンブラックの入っていない一般的
なプリプレグを使用することができ、ブラックプリプレ
グの製造に伴う製造装置の清掃等が不要になるととも
に、材料の無駄を省くことができる。
【0046】ここで、シャッタ羽根に要求される機能と
しては、上述した遮光性があること、剛性(ヤング率)
が高いことの他に、軽いこと、厚みが薄いこと、反りの
ないこと等がある。すなわち、シャッタ羽根の重量が軽
ければシャッタ羽根の駆動力を小さくすることができ、
シャッタ羽根の厚みが薄ければシャッタ装置の厚みを小
さく(小型化)することができる。また、シャッタ羽根
の反りがなければ、シャッタ羽根同士が重なる部分で光
が漏れるのを防止したり、シャッタ羽根同士が衝突する
のを防止したりすることができる。
【0047】本実施形態では、中間部材であるPETシ
ート3bにプラスチックを用いているため、金属部材を
用いる場合に比べてシャッタ羽根の軽量化を図ることが
できる。また、プラスチックの中でもPETの延伸材を
用いているため、上述したように剛性が高く反りのない
シャッタ羽根を実現することができる。
【0048】そして、PETを材料とする薄型のプラス
チック成型品は市場で多く使用されているため、25μ
m程度の厚みをもつPETシート3bを作成することは
容易であり、これによりシャッタ羽根の薄型化を図るこ
とができる。
【0049】なお、PETに黒色染料を入れることによ
りPETシート3bを黒色化してもよい。これにより、
シャッタ羽根の光透過率を低下させることができ、遮光
性を向上させることができる。
【0050】従来技術のシャッタ羽根と本実施形態のシ
ャッタ羽根とを比較した場合、本実施形態のシャッタ羽
根は、中間材であるPETシート3bに接着剤が含まれ
ていないため、プリプレグシート3aを積層する際にプ
リプレグシート3a内のカーボンファイバ3a−1の目
開きが発生する恐れがある。この問題を解消するために
は、PETシート3bの両面に、5〜10μm程度の厚
みを有するエポキシ系の樹脂で形成されたプリプレグを
配置すればよい。
【0051】また、本実施形態では、先幕シャッタ羽根
3をNiメッキ3cが施されたPETシート3bおよび
プリプレグシート3aからなる3層構造としているが、
先幕シャッタ羽根4、5や後幕シャッタ羽根9〜11を
同様の構成としてもよい。ここで、先幕シャッタ羽根3
および後幕シャッタ羽根11は他の羽根に比べて羽根走
行量が大きいため、これらのシャッタ羽根3、11を上
述した3層構造とすることにより遮光性および耐久性等
の面で大きな効果が得られる。
【0052】さらに、シャッタ羽根を3層以上の多層構
造としてもよい。この場合、シャッタ羽根の両端の層を
プリプレグシートで構成し、この両端の層で挟まれる中
間層の少なくとも1層をNiメッキが施されたPETシ
ートで構成することができる。
【0053】(第2実施形態)本発明の第2実施形態で
あるシャッタ装置(フォーカルプレンシャッタ)につい
て説明する。本実施形態では第1実施形態におけるシャ
ッタ羽根のうち2枚のプリプレグシートで挟まれる中間
部材の構造を変更している。なお、他の構造については
第1実施形態と同様である。
【0054】本実施形態では、中間部材としてプラスチ
ックの表面に金属膜を蒸着またはスパッタにより形成し
たものを用いている。このため、第1実施形態のように
プラスチック部材の表面に無電解メッキを用いて金属め
っき(Niメッキ)を施す場合に比べてプラスチック部
材の選択範囲は広がり、PETの他に、PETよりも剛
性の高いPEEKやPENを用いることが可能となる。
また、金属膜の材料として、Ti、Cr、Ni−Cr等
を用いることができる。
【0055】本実施形態におけるシャッタ羽根の構造で
あっても、第1実施形態と同様の効果を得ることができ
る。
【0056】なお、上述した第1実施形態および第2実
施形態では本発明をフォーカルプレンシャッタに適用す
るものであるが、レンズシャッタに適用することもでき
る。また、左右の対物光学系からの光を1つのビデオカ
メラ本体に交互に導いて立体視用の視差画像を撮影する
ために用いられる立体撮影用レンズ装置において、左右
の対物光学系に設けられるシャッタ装置にも本発明を適
用することができる。
【0057】(数値実施例)第1実施形態及び第2実施
形態のシャッタ羽根と従来技術のシャッタ羽根につい
て、シャッタ羽根の厚みと曲げ弾性率との関係を図5に
示す。また、各シャッタ羽根における厚みの関係を図6
に示す。
【0058】本発明のサンプルとしては、以下に説明す
るサンプルD〜Gを用いた。
【0059】サンプルD(第1実施形態)は、厚み50
μmのPETシートの両面に4μmのNiメッキを施し
たものを中間部材とし、この中間部材の両面に厚み20
μmのCF(Carbon Fiber)プリプレグを重ね合わせた
ものである。
【0060】サンプルE(第2実施形態)は、厚み38
μmのPETシートの両面に4μmのNi−Crを蒸着
したものを中間部材とし、この中間部材の両面に厚み2
0μmのCFプリプレグを重ね合わせたものである。
【0061】サンプルF(第1実施形態)は、厚み38
μmのPETシートの両面に4μmのNiメッキを施し
たものを中間部材とし、この中間部材の両面に厚み20
μmのCFプリプレグを重ね合わせたものである。
【0062】サンプルG(第1実施形態)は、厚み25
μmのPETシートの両面に4μmのNiメッキを施し
たものを中間部材とし、この中間部材の両面に厚み20
μmのCFプリプレグを重ね合わせたものである。
【0063】なお、上述したサンプルD〜Gの両面に
は、厚み5μmの黒色塗装が施されている。
【0064】また、比較例として以下に説明するサンプ
ルA〜Cを用いた。
【0065】サンプルAは、厚み70μmのPETシー
トの両面に厚み4μmのNiメッキを施したものであ
る。
【0066】サンプルBは、厚み76μmのジュラルミ
ンに陽極酸化を行うことにより厚み3μmの酸化膜を施
したものである。
【0067】サンプルCは、カーボンブラックを含む厚
み20μmのブラックプリプレグを3層に重ねたもので
ある。このサンプルCは、従来技術(図2)と同じ構造
であり、中間層のCFプリプレグにおけるCFの引き揃
え方向は、表面層のCFプリプレグにおけるCFの引き
揃え方向と直交している。
【0068】ここで、上述したサンプルA〜Cの両面に
は、厚み5μmの黒色塗装が施されている。
【0069】なお、上述したプリプレグの厚みは積層前
の値を示し、積層後の厚みは条件によって異なり、黒色
塗装の厚みも条件によって異なる。このため、上述した
サンプルA〜Gの厚みは図5に示す値となった。
【0070】シャッタ羽根の厚みはメーカ毎に異なると
思われるが、過去に販売している複数種類の1眼レフレ
ックスカメラにおいて互換性を確保するためには、サン
プルCと同じ厚み(95μm)か、厚くても+5μm以
内に抑える必要がある。すなわち、シャッタ羽根の厚み
は、100μm以内であることが必要である。
【0071】ここで、サンプルD以外のサンプルは厚み
が100μm以下となっているため、シャッタ装置に使
用可能となる。
【0072】一方、比較例であるサンプルAと本発明を
適用したサンプルE〜Gとを比較すると、図5に示すよ
うにサンプルAは曲げ弾性率の点でサンプルE〜Gより
も劣っていることが分かる。すなわち、サンプルE〜G
のようにPETシートの両面にCFプリプレグを重ねる
ことでシャッタ羽根の剛性を向上させることができる。
【0073】また、図6に示すようにサンプルBは、サ
ンプルE〜Gに比べて重いことが分かる。すなわち、上
述したサンプルE〜Gのように中間部材にプラスチック
(PETシート)を用いることでシャッタ羽根を軽量化
することができる。
【0074】さらに、サンプルCとサンプルE〜Gとを
比較すると、厚み、重さの点において同等であることが
分かる。また、サンプルE〜Gは、曲げ弾性率の点にお
いてサンプルCよりも優れていることが分かる。
【0075】これにより、サンプルE〜GはサンプルC
よりもシャッタ羽根に要求される機能において優れてい
る。しかも、サンプルE〜Gは、サンプルCのようにカ
ーボンブラックを含むCFプリプレグを用いていないた
め、ブラックプリプレグの製造に伴う製造装置の清掃等
が不要になるとともに、材料の無駄を省くことができ
る。
【0076】一方、サンプルA〜Gのシャッタ羽根を図
4に示すようにシャッタ装置に組み込んで光線漏れの評
価を行ったが、いずれのサンプルも光線漏れは生じなか
った。なお、サンプルA〜Gにおいて、曲げ弾性率、厚
み、重さを総合的に勘案するとサンプルGが最も優れて
いることが分かる。
【0077】
【発明の効果】本発明によれば、2枚のシート部材の間
に金属膜を配置することで遮光性の向上および反りの防
止を図ることができるとともに、プラスチック板を配置
することで遮光板の軽量化および薄型化を図ることがで
きる。
【0078】しかも、金属膜で遮光性を確保することに
より、シート部材にカーボンブラックの入ったブラック
プリプレグを用いる必要がなくなり、ブラックプリプレ
グの製造に伴う製造装置の清掃や材料の無駄を防止する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態であるシャッタ装置にお
けるシャッタ羽根の構造図。
【図2】従来技術のシャッタ装置におけるシャッタ羽根
の構造図。
【図3】シャッタ装置の側面図。
【図4】シャッタ装置の正面図。
【図5】各サンプルA〜Gにおいて、曲げ弾性率および
羽根厚みの関係を示す図。
【図6】各サンプルにおけるシャッタ羽根の重さを示す
図。
【図7】シャッタ装置を備えたカメラの外観斜視図。
【図8】シャッタ羽根の積層構造。
【符号の説明】
1:先幕駆動アーム 2:先幕支持アーム 3〜5:先幕シャッタ羽根 3a:プリプレグシート 3a−1:炭素繊維 3b:PETシート 3c:Niメッキ 3d:黒色塗料部 3e:プリプレグシート 3f:プリプレグシート 3g:黒色塗料部 6:仕切板 7:後幕駆動アーム 8:後幕支持アーム 9〜11:後幕シャッタ羽根 12:シャッタ地板 13:カバー板

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 繊維を一方向に揃え樹脂を含浸させて形
    成された2枚のシート部材と、 この2枚のシート部材の間に配置されたプラスチック板
    および金属膜とを有することを特徴とする遮光板。
  2. 【請求項2】 前記金属膜が前記プラスチック板の両面
    に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の遮
    光板。
  3. 【請求項3】 前記プラスチック板がポリエチレンテレ
    フタレートで形成されていることを特徴とする請求項1
    又は2に記載の遮光板。
  4. 【請求項4】 請求項1から3のいずれかに記載の遮光
    板を有しており、 この遮光板により光通過口を開閉可能であることを特徴
    とするシャッタ装置。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載のシャッタ装置を有する
    ことを特徴とする光学機器。
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