JP2009156969A - シャッタ羽根、シャッタ装置およびカメラ - Google Patents

シャッタ羽根、シャッタ装置およびカメラ Download PDF

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Abstract

【課題】遮光性および耐久性に優れる繊維強化樹脂遮光羽根を提供する。
【解決手段】
マトリクス樹脂と強化繊維とを有する第1の層(80)と、金属膜を有する第2の層(82)と、マトリクス樹脂と強化繊維とを有する第3の層とを有し、第1の層(80)と第2の層(82)と第3の層(84)とが積層されている構成とする。
【選択図】図4

Description

本発明は、シャッタ羽根、シャッタ装置およびカメラに関する。
近年、精緻な画像や新しい映像表現に対するユーザーの要望に応えるため、シャッタスピードの高速化やシャッタの高精度化が求められている。また、デジタルカメラ用フォーカルプレーンシャッタでは、フィルム消費の問題から開放されるので、必然的にシャッタレリーズ回数が多くなり、耐久性のさらなる向上が不可欠となっている。
従来のカメラでは、シャッタを構成する遮光羽根として、樹脂製遮光羽根や金属製遮光羽根が用いられてきたが、前者は強度が不十分で耐久性に問題があり、また、後者は、重量が大きく高速走行に問題を有する。これらの問題を解決する従来技術として、たとえば、遮光羽根の材料として、CFRP(炭素繊維強化樹脂)を用いるものが開示されている(特許文献1参照)。
しかしながら、樹脂もしくは繊維強化樹脂を用いる従来の遮光羽根では、金属製遮光羽根に比べて遮光性にむらが発生しやすく、ピンホール等の不良が生じるおそれがある。また、CFRP製遮光羽根は、CFRPの需要が世界的に逼迫しているため、材料の安定供給の面で問題があるうえ、CFRPが非常に高価であるため、低価格帯を構成するカメラに搭載することはコスト的に困難である。
特開平11−194393
本発明は、このような実情に鑑みてなされ、その目的は、遮光性および耐久性に優れる繊維強化樹脂遮光羽根を提供することである。
上記目的を達成するために、本発明に係るシャッタ羽根は、
マトリクス樹脂と強化繊維とを有する第1の層(80)と、
金属膜(82a)を有する第2の層(82)と、
マトリクス樹脂と強化繊維とを有する第3の層(84)とを有し、前記第1の層(80)と前記第2の層(82)と前記第3の層(84)とが積層されていることを特徴とする。
また、例えば、前記第2の層(82)と前記第3の層(84)はそれぞれ、前記第1の層(80)の両側に配置されていてもよい。
また、例えば、前記第2の層(82)は、樹脂層(82b)をさらに有し、前記金属膜(82a)は前記樹脂層(82b)上に形成されていてもよい。
また、例えば、前記第2の層(82)は、前記第1の層(80)と前記第3の層(84)の間に配置されていてもよい。
また、例えば、前記第3の層(84)は、前記第1の層(80)と前記第2の層(82)の間に配置されていてもよい。
また、例えば、前記第1の層(80)の前記強化繊維は、アラミド繊維であってもよい。
また、例えば、前記第3の層(84)の前記強化繊維は、ガラス繊維であってもよい。
また、例えば、第2の層(82)の前記金属膜(82a)は、蒸着によって形成されていてもよい。
また、例えば、前記第3の層(84)の前記ガラス繊維は、略直交する2つの繊維方向を有してもよい。
また、本発明に係るシャッタ装置(20)は、上記のシャッタ羽根(42a〜42d,44a〜44d)のうち、いずれかのシャッタ羽根を有する。
また、本発明に係るカメラは、上記のシャッタ装置(20)を有する。
なお上述の説明では、本発明をわかりやすく説明するために実施形態を示す図面の符号に対応づけて説明したが、本発明は、これに限定されるものでない。後述の実施形態の構成を適宜改良してもよく、また、少なくとも一部を他の構成物に代替させてもよい。さらに、その配置について特に限定のない構成要件は、実施形態で開示した配置に限らず、その機能を達成できる位置に配置することができる。
以下、本発明を、図面に示す実施形態に基づき説明する。
図1は、本願発明の第1および第2実施形態に係るフォーカルプレーンシャッタを搭載したカメラの概略断面図、
図2は、図1のカメラに搭載されたフォーカルプレーンシャッタにおけるシャッタ羽根の配置を示した概略図、
図3は、図1のカメラに搭載されたフォーカルプレーンシャッタにおける装置の構成部品の位置関係を表す分解斜視図、
図4は、第1実施形態および実施例に係るシャッタ羽根における各層の積層状態を示した概略断面図、
図5は、図4に示したシャッタ羽根の部分拡大図、
図6は、第2層の転写前の状態を表した拡大断面図、
図7は、第2層の転写後の状態を表した概略断面図、
図8は、本願発明の第2実施形態に係るシャッタ羽根における各層の積層状態を示した概略断面図である。
第1実施形態
図1は、本発明の一実施形態に係るフォーカルプレーンシャッタ20が搭載された一眼レフカメラのカメラボディ4を示したものである。カメラボディ4の筐体6には開口部8が形成されており、開口部8の周辺にはレンズマウント10が形成されている。撮影時には、開口部8を覆うように交換レンズ(不図示)が設置され、交換レンズによって導かれた撮影光が、筐体6内部に導入される。
筐体6内部には、クイックリターンミラー12,ファインダスクリーン14、ペンタプリズム16、接眼レンズ18、フォーカルプレーンシャッタ20、光学ローパスフィルタ22および記録媒体30等が具備してある。撮影の際には、クイックリターンミラー12がはねあがることにより撮影光の光路上から退避し、さらに、フォーカルプレーンシャッタ20を開くことによって、撮影光が記録媒体30上に導かれる。なお、本実施形態の一眼レフカメラは、記録媒体30として撮像素子を使用したデジタルカメラであるが、本願発明はこれに限られず、フィルム式カメラであってもよい。なお実施形態に関する各図面では、撮影時の光軸方向をX軸方向とし、光軸方向に対して垂直な方向のうち、筐体6の左右方向Y軸方向、上下方向をZ軸方向とした。
図2は、図1のカメラに搭載されたフォーカルプレーンシャッタ20における羽根と中間体との位置関係を示した概略図である。フォーカルプレーンシャッタ20は、開口40aが形成された中間体40を有しており、先シャッタ42および後シャッタ44が、開口40aに対して開閉自在に配置してある。各シャッタ42および44は、それぞれ複数(図示では各4枚)のシャッタ羽根42a〜42d,44a〜44dで構成されている。各シャッタ羽根42a〜42d,44a〜44dは、各アーム52,53および54,55に稼働的に連結されており、4枚のシャッタ羽根が連動して動作するようになっている。
図2に示す状態において、先シャッタ42のシャッタ羽根42a〜42dは、展開して中間体40の開口40aを覆う遮蔽状態にあるのに対し、後シャッタ44のシャッタ羽根44a〜44dは、開口40aの上方に重なり合って開口40aを開いた開放状態にある。
図3は、フォーカルプレーンシャッタ20の各構成部品の位置関係を示した分解斜視図である。フォーカルプレーンシャッタ20は、中間体40を挟んで、レンズ側(X軸負方向)に位置する第1基板60と、撮像素子側(X軸正方向)に位置する第2基板70とを有する。中間体40、第1基板60および第2基板70は、光軸(X軸)に直交するように配置されている。第1基板60と第2基板70の間に、図2で示した先シャッタ42および後シャッタ44等が配置される。
先シャッタ42と後シャッタ44の間には、中間体40が配置されている。本実施形態の中間体40は、遮蔽板40cと中間板40dの2部品から構成されているが、遮蔽板40cと中間板40dは一体となっていても良い。中間体40の開口40a、第1基板60の開口60aおよび第2基板70の開口70aは、それぞれの開口が対応して光軸(X軸)方向に重なるように配置されている。開口60aの縁部60bおよび開口70aの縁部70bは、シャッタ羽根42,44が基板60,70の開口60a,70aに衝突するのを避けるため、シャッタ羽根42,44が設けられた側と反対方向に折り曲げられていてもよい。
第1基板60と中間体40との間には後シャッタ44が配置されており、後シャッタ40のシャッタ羽根44a〜44dは、アーム54,55に稼働的に連結されている。アーム54の穴54aには、周知の駆動装置(不図示)と連結している駆動軸(不図示)が取り付けられている。シャッタ開閉の際、アーム54は、駆動装置(不図示)からの駆動力を受けて回転し、シャッタ羽根44a〜44dを移動させることができる。
また、中間体40と第2基板70との間には先シャッタ42が配置されており、先シャッタ42のシャッタ羽根42a〜42dは、アーム52,53に稼働的に連結されている。先シャッタ42のシャッタ羽根42a〜42dは、後シャッタ44と同様に、アーム52を介して、開口40aおよび第2基板70の開口70aを開閉するように移動することができる。
後シャッタ44と第1基板60との間には、スペーサ62を配置してもよく、これにより後シャッタ44は、第1基板60よりも中間体40に近い位置に配置される。後シャッタ44を、遮蔽板44を含む中間体40に近接して配置することにより、シャッタ20による遮光性が向上する。また、先シャッタ42と第2基板70との間にも同様に、スペーサ72を配置することができる。
図4は、シャッタ羽根44aの内部構造を表した概略断面図である。なお、その他のシャッタ羽根42a〜42d,44b〜44dについてもシャッタ羽根44aと同様の内部構造を有する。図4に示すように、シャッタ羽根44aは、マトリックス樹脂とアラミド繊維とを有する第1層80と、金属膜82aを有する第2層82と、マトリックス樹脂とガラス繊維とを有する第3層84とを有している。
第1実施形態に係るシャッタ羽根42aは、第1層80を中心として、第1層80を両側から挟む一対の第2層82と、第2層82をさらに両側から挟む一対の第3層84とが、略対象に配置された内部構造を有している。第1層80を中心として、厚さ方向に略対象な構造とすることにより、走行時におけるシャッタ羽根44aの変形や、経時変形によるシャッタ羽根44aの反り等を防止することができる。
中心に配置された第1層80は、マトリックス樹脂を含浸したアラミド繊維を有するアラミドプリプレグシートによって構成されている。第1層80として、ガラスプリプレグシートより強度の高いアラミドプリプレグシートを用いることによって、シャッタ羽根44aの強度および耐久性を向上させている。ただし、第1層80としてこれに限られず、他の繊維強化樹脂等によって構成してもよい。本実施形態のアラミド繊維は不織布であるが、第1層80に用いるアラミド繊維はこれに限られず、一定方向に揃えられた短繊維や、連続繊維であっても良い。アラミド繊維が不織布である場合は、第1層80およびこれを含むシャッタ羽根44aの強度に、異方性が生じることを抑制できる。
第1層80のアラミド繊維に含浸させるマトリックス樹脂としては、特に限定されないが、例えば、エポキシ樹脂、ポリエステル、ポリウレタンなどの熱硬化性樹脂を使用できる。また、マトリックス樹脂には、遮光性を確保するためにカーボンブラックを添加しても良い。
マトリックス樹脂に添加するカーボンブランクの平均粒径は0.1μm以下のものが好ましく、カーボンブラックの配合量は、樹脂液に対して、3〜15重量%が好ましい。カーボンブラックの平均粒径および配合量を適正量とすることにより、遮光性を向上させつつ、繊維の配列が悪化して第1層およびこれを有するシャッタ羽根の平面性が低下することを防止できる。また、プリプレグシート形成時における樹脂の流動性を良好に保ち、層80内部に空孔が発生したり、層80の一部が剥離することを防止することができる。また、アラミドプリプレグにおける樹脂量は、強度および成形性等の観点から、好ましくは30〜50重量%、さらに好ましくは38〜48重量%である。
第1層80の厚さは、特に限定されないが、例えば15〜70μmとすることが好ましい。また、中心層である第1層80を、第3層84より厚くしてもよく、これによってシャッタ羽根44aの厚さを一定としたままで、曲げ剛性を向上させることができる。また、第1層80が有するアラミド繊維の繊維目付け(単位面積当たりの繊維の重量)は、特に限定されないが、例えば10〜60g/mとすることが好ましい。さらに、第1層80の繊維目付けを、第3層80の繊維目付けより大きくしてもよい。これよって、より効率的にシャッタ羽根44aの曲げ剛性を向上させることができる。
第1層80と第3層84との間に配置されている第2層82は、図5に示すように、金属膜82aと樹脂フィルム82bとを有する。金属は極めて薄い膜であっても光を透過させないため、金属膜82aによって、シャッタ羽根44aの遮光性が安定して確保される。本実施形態の金属膜82aは、蒸着膜によって形成されているが、これに限定されず、例えばスパッタ膜、スピンコート膜等であっても良い。また、金属膜82aに使用する金属材料としては、特に限定されないが、Al,Sn,Ti,Cr,Ag,Cu,Fe,Niおよびこれらの合金または金属化合物等を用いることができる。
本実施形態の第2層82は、金属膜82aと樹脂フィルム82bとを有するが、本発明はこれに限定されず、金属膜82aのみの単層構造とすることも可能である。金属膜82aの厚さは、特に限定されないが、シャッタ羽根44aの軽量化およびシャッタ羽根44aの遮光性の確保の観点から、30〜300nmとすることが好ましい。なお、本実施形態では、金属膜を有する第2層82の外側に、第3層84を配置することによって、金属膜82a表面で光が過剰に散乱することを防止している。また、樹脂フィルム82bの厚さは、1〜10μmとすることが、製造時の転写性等の観点から好ましい。
図4に示すように、第2層82の外側には、第3層84が形成されている。本実施形態における第3層84は、マトリックス樹脂を含浸させたガラス繊維を有するガラスプリプレグシートによって構成されている。ガラスプリプレグシートは、樹脂に対して強度的に優れており、また、CFRPのような材料供給面での心配が無く、安価である。ただし、第3層84としてはこれに限られず、他の繊維強化樹脂等によって構成されていてもよい。本実施形態のガラス繊維としては、直交する2つの繊維方向を有するように織られたものを使用しているが、第3層84に用いるガラス繊維としてはこれに限られず、不織布や一定方向に揃えられた短繊維を使用してもよい。
なお、第1層80および第3層84が、いずれも一定方向に揃えられた短繊維を有する場合には、第1層80と第3層84の繊維方向が略直交するように、第1層80および第3層84を配置することが好ましい。シャッタ羽根42aの強度に、異方性が生じることを防止するためである。また、この場合において、第1層80を挟んで配置される一対の第3層84の繊維方向は一致していることが好ましい。シャッタ羽根44aを、厚さ方向(X軸方向)に略対象な構造とすることにより、走行時におけるシャッタ羽根の変形や、経時変形によるシャッタ羽根の反り等を防止することができる。
第3層84のガラス繊維に含浸させるマトリックス樹脂としては、特に限定されないが、例えば、エポキシ樹脂、ポリエステル、ポリウレタンなどの熱硬化性樹脂を使用できる。また、マトリックス樹脂には、遮光性を確保するためにカーボンブラックを添加しても良い。
マトリックス樹脂に添加するカーボンブランクの平均粒径は0.1μm以下のものが好ましい。カーボンブラックの配合量は、樹脂液に対して、3〜15重量%が好ましい。カーボンブラックの平均粒径および配合量を適正量とすることにより、遮光性を向上させつつ、繊維の配列が悪化して第3層およびこれを有するシャッタ羽根42aの平面性が低下することを防止できる。また、プリプレグシート形成時における樹脂の流動性を良好に保ち、層内部に空孔が発生したり、層の一部が剥離することを防止することができる。第3層84の厚さは、特に限定されないが、例えば15〜70μmとすることが好ましい。
また、第3層84が有するガラス繊維の繊維目付けは、特に限定されないが、例えば10〜60g/mとすることが好ましい。また、ガラスプリプレグシートにおける樹脂量は、強度および成形性等の観点から、好ましくは30〜50重量%、さらに好ましくは38〜48重量%である。
本実施形態に係るシャッタ羽根44aの製造方法としては、特に限定されないが、例えば以下のような方法が挙げられる。なお、第1実施形態に係るその他のシャッタ羽根42a〜42dおよび44b〜44dについてもシャッタ羽根44aと同様の方法で製造することができる。図6に示すように、金属膜82aを蒸着させた樹脂フィルム82bを、転写用のPETフィルム90上に形成する。PETフィルム90と樹脂フィルム82の間には、良好な転写を達成するために、離型剤94が塗布されていてもよく、また金属膜82aの表面には、接着剤96が塗布されていてもよい。
金属膜82aを蒸着させた樹脂フィルム82bは、図7に示すように、ホットローラ92等でPETフィルム90を介して加熱・加圧され、PETフィルム90を剥がすことで、第1層80を構成するアラミドプリプレグシートの両表面に転写される。金属膜82aおよび樹脂フィルム82bを転写した後、その両表面に、図4に示す第3層84を構成するガラスプリプレグシートが積層され仮圧着される。これをホットプレス機等で加熱・加圧することによって各層80,82,84を本圧着し、シャッタ羽根44aとなる板材を形成する。
この際、各プリプレグシートに含まれる未硬化の熱可塑性樹脂は、架橋硬化して固められる。本圧着における加熱・加圧条件は、層厚および材質等に応じて適切な値とすることができるが、例えば、120〜140℃、5〜20Kg/cmにおいて1〜2時間とすることができる。
このようにして得られた板材を所定の羽根形状に打ち抜くことによって、シャッタ羽根44aが得られる。シャッタ羽根44aの厚さは、好ましくは80〜150μmである。シャッタ羽根44aの厚さを所定値以上とすることによって、シャッタ羽根44aの曲げ剛性等の強度が確保される。また、シャッタ羽根44aの厚さを所定値以下とすることによって、シャッタ羽根44aを軽量かつ薄型にすることができる。また、シャッタ羽根44aの表面には、必要に応じて黒色系塗装を施すことができる。
このような第1実施形態に係るシャッタ羽根42a〜42d,44a〜44dは、金属膜82aを有するため、遮光性が安定して確保される。また、蒸着等によって形成された金属膜82aは極めて薄いため、金属膜82aによるシャッタ羽根の重量増加が僅かであり、高速走行に好適なシャッタ羽根を得ることができる。また、第1実施形態に係るシャッタ羽根42a〜42d,44a〜44dは、強化繊維としてガラス繊維を有するため、強度的に優れている。さらに、CFRPのような材料供給面での心配が無く、安価である。
第2実施形態
図8は、第2実施形態に係るシャッタ羽根44aの内部構造を表した概略断面図である。なお、第2実施形態に係るその他のシャッタ羽根42a〜42dおよび44b〜44dについてもシャッタ羽根44aと同様の内部構造を有する。第2実施形態は、シャッタ羽根の内部構造以外の構成については、第1実施形態と同様である。図8に示すように、第2実施形態に係るシャッタ羽根44aは、第1層80を中心として、第1層80を両側から挟む一対の第3層84と、第3層84をさらに両側から挟む一対の第2層82とが、厚さ方向(X軸方向)に略対象に配置された内部構造を有する。第1層80を中心として、厚さ方向に略対象な構造とすることにより、走行時におけるシャッタ羽根44aの変形や、経時変形によるシャッタ羽根44aの反り等を防止することができる。
第2層82の金属膜82aは、樹脂フィルム82bに対して内側(第2実施形態では第3層84側)に配置されていることが好ましい。金属膜82aの表面が、樹脂フィルム82bによって覆われることによって、金属膜82a表面で光が過剰に散乱することを防止している。また、樹脂フィルム82bは、カーボンブラックを含有していてもよい。樹脂フィルム82bに適切な遮光性を持たせることによって、金属膜82a表面で光が過剰に散乱することを、さらに効果的に防止できる。
第2実施形態における各層80,82,84に関するその他の構成は、第1実施形態と同様である。また、第2実施形態に係るシャッタ羽根44aの製造方法についても、第2層82と第3層84の積層順序が、第1実施形態に係るシャッタ羽根44aと逆になる以外は、第1実施形態と同様である。
このような第2実施形態に係るシャッタ羽根42a〜42d,44a〜44dは、金属膜82aを有するため、遮光性が安定して確保される。また、蒸着等によって形成された金属膜82aは極めて薄いため、金属膜82aによるシャッタ羽根42a〜42d,44a〜44dの重量増加がほとんどなく、高速走行に好適なシャッタ羽根を得ることができる。また、第2実施形態に係るシャッタ羽根42a〜42d,44a〜44dは、ガラス繊維を有するガラスプリプレグシートを有するため、強度的に優れており、CFRPのような材料供給面での心配が無く、安価である。
実施例
以下、本発明を、さらに詳細な実施例に基づき説明するが、本発明は実施例に限定されない。
(実施例)実施例として、図1に示す内部構造を有するシャッタ羽根42a〜42b,44a〜44bを作製した。第1層80としてはアラミド繊維の不織布に、マトリックス樹脂としてエポキシ樹脂を含浸させたアラミドプリプレグシートを使用した。第2層としては、樹脂フィルム82bに、厚さ約45nmのAl蒸着膜82aを形成したものを使用した。第3層84としては、繊維が直交するように織られたガラス繊維布に、マトリックス樹脂としてエポキシ樹脂を含浸させたガラスプリプレグシートを使用した。第1層80および第3層84のエポキシ樹脂としては、平均粒径0.1μmのカーボンブラックを10重量%添加したものを使用した。
実施例に係るシャッタ羽根42a〜42b,44a〜44bの製造方法を説明する。図6に示すように、Al蒸着膜82aおよび樹脂フィルム82bを、あらかじめ離型剤94が塗布された転写用のPETフィルム90上に形成し、第2層82として準備した。Al膜82aの表面には、接着剤96を塗布した。
図7に示すように、準備した第2層82を、ホットローラ92によってPETフィルム90を介して加熱・加圧し、PETフィルム90を剥がすことにより、第1層80を構成するアラミドプリプレグシートの両表面に転写した。Al蒸着膜82aおよび樹脂フィルム82bを転写した後、その両表面に第3層84を構成するガラスプリプレグシートを積層し仮圧着した。さらに、これをホットプレス機で加熱・加圧して各層80,82,84を本圧着し、シャッタ羽根42a〜42b,44a〜44bとなる板材を得た。
本圧着における加熱・加圧条件は、135℃、15Kg/cmにおいて1時間とした。また、本圧着後の各層80,82,84の厚が、第1層60μm、第2層2μm、第3層30μmとなるように、プリプレグシートおよび樹脂フィルム82bの厚さを設定した。得られた板材を所定の形状にプレス抜き加工し、シャッタ羽根42a〜42d,44a〜44dを得た。
(比較例)比較例のシャッタ羽根42a2〜42d2,44a2〜44d2は、第2層に金属膜82aを有しない樹脂フィルム82bを用いた他は、実施例と同様にして作製した。
(評価)実施例および比較例に係る各シャッタ羽根を、ライトボックス上に設置してピンポールの有無を顕微鏡観察した。シャッタ羽根中にピンホールが全く無いものを遮光性良品とし、1つ以上存在するものを遮光性不良品とした。その結果、実施例に係るシャッタ羽根の遮光性良品率は99.1%であったのに対し、比較例に係るシャッタ羽根の遮光性良品率は88.3%であった。これによって、本発明によりシャッタ羽根の遮光性を大きく向上させることができることが確認された。
図1は、本願発明の第1および第2実施形態に係るフォーカルプレーンシャッタを搭載したカメラの概略断面図である。 図2は、図1のカメラに搭載されたフォーカルプレーンシャッタにおけるシャッタ羽根の配置を示した概略図である。 図3は、図1のカメラに搭載されたフォーカルプレーンシャッタにおける装置の構成部品の位置関係を表す分解斜視図である。 図4は、第1実施形態および実施例に係るシャッタ羽根における各層の積層状態を示した概略断面図である。 図5は、図4に示したシャッタ羽根の部分拡大図である。 図6は、第2層の転写前の状態を表した拡大断面図である。 図7は、第2層の転写後の状態を表した概略断面図である。 図8は、本願発明の第2実施形態に係るシャッタ羽根における各層の積層状態を示した概略断面図である。
符号の説明
20… フォーカルプレーンシャッタ
42a〜42d… 先シャッタ
44a〜44d… 後シャッタ
80… 第1層
82… 第2層
82a… 金属膜
82b… 樹脂フィルム
84… 第3層

Claims (11)

  1. マトリクス樹脂と強化繊維とを有する第1の層と、
    金属膜を有する第2の層と、
    マトリクス樹脂と強化繊維とを有する第3の層とを有し、
    前記第1の層と前記第2の層と前記第3の層とが積層されていることを特徴とするシャッタ羽根。
  2. 前記第2の層と前記第3の層はそれぞれ、前記第1の層の両側に配置されていることを特徴とする請求項1に記載のシャッタ羽根。
  3. 前記第2の層は、樹脂層をさらに有し、前記金属膜は前記樹脂層上に形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のシャッタ羽根。
  4. 前記第2の層は、前記第1の層と前記第3の層の間に配置されていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のシャッタ羽根。
  5. 前記第3の層は、前記第1の層と前記第2の層の間に配置されていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のシャッタ羽根。
  6. 前記第1の層の前記強化繊維は、アラミド繊維であることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載のシャッタ羽根。
  7. 前記第3の層の前記強化繊維は、ガラス繊維であることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載のシャッタ羽根。
  8. 前記第2の層の前記金属膜は、蒸着によって形成されていることを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載のシャッタ羽根。
  9. 前記第3の層の前記ガラス繊維は、略直交する2つの繊維方向を有することを特徴する請求項7に記載のシャッタ羽根。
  10. 請求項1から9のいずれかに記載のシャッタ羽根を有するシャッタ装置。
  11. 請求項10に記載のシャッタ装置を有するカメラ。
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