JP4549198B2 - カメラ用フォーカルプレンシャッタ - Google Patents

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Description

本発明は、独特な構成のシャッタ羽根を備えているカメラ用フォーカルプレンシャッタに関する。
カメラ用フォーカルプレンシャッタの中には、シャッタ地板,中間板,補助地板と称されている3枚の板部材の間に二つの羽根室を構成し、それらの羽根室に、先羽根群,後羽根群と称されている二つのシャッタ羽根を個別に配置するようにしたものと、シャッタ地板と補助地板との間に構成された羽根室に、一つのシャッタ羽根を配置するようにしたものとが知られている。そして、前者のフォーカルプレンシャッタは、銀塩フィルムカメラにもデジタルカメラにも採用することができるが、後者のフォーカルプレンシャッタは、デジタルカメラにだけ採用することができるものである。
また、いずれのフォーカルプレンシャッタの場合でも、各々のシャッタ羽根の構成は略同じであって、各々が長さ方向の一端を一方の地板に回転可能に取り付けられている複数本のアームと、各々がそれらのアームの他端に向けて順に枢支されている短冊状の複数枚の羽根とで構成されており、それらのアームの一つが駆動部材によって所定の回転角度で往復作動させられると、複数枚の羽根は、露光開口から退いて相互の重なりを最大にしている重畳位置と、露光開口を覆っていて相互の重なりを最小にしている展開位置との間を、相互に略平行関係を保ちながら往復作動させられるようになっている。そのため、各羽根の作動量は、アームの他端側に枢支されている羽根ほど大きくなるようになっている。
このような構成のシャッタ羽根を高速で作動させるに際して、停止時における衝撃を小さくするためには、慣性モーメントを軽減する必要があるが、その必要が最もあるのは、複数枚の羽根のうち一番作動量の大きな羽根である。そのために、その一番作動量の大きな羽根、又はその羽根の方から数えて複数枚目までの羽根の厚さを、残りの他の羽根の厚さよりも薄くすることが、下記の特許文献1に記載されている。また、各羽根は、光軸と直交する平面上で作動するのが理想であるが、実際には光軸方向へも不規則な動きをしながら作動したり、停止時には、ストッパに当接した衝撃で大きく撓んだり傾いたりすることがあるので、特に、露光作動の停止時における後羽根群の各羽根の変形を抑制するために、上記のアームのほかに特別に押えアームという部材を設けることが、下記の特許文献2に記載されている。
特開平6−18958号公報 特開平10−161182号公報
二つのシャッタ羽根を備えたフォーカルプレンシャッタの場合には、通常、一方のシャッタ羽根のアームは、それらに枢支されている羽根よりもシャッタ地板側に配置され、他方のシャッタ羽根のアームは、それらに枢支されている羽根よりも補助地板側に配置されている。そして、各々の複数枚の羽根は、一番作動量の大きい羽根(スリット形成羽根)がアーム側となり、一番作動量の少ない羽根が中間板側となるようにして順に配列されている。しかも、各羽根はアームに対し、地板に対するアームの取付側の一端で枢支されている。そのため、一番作動量の大きい羽根はアームと重なる領域が一番少なく、その上、作動中には、アーム側の面、即ち地板側の面が、地板に形成されている露光用の開口部に対向していることになる。
そのため、この一番作動量の大きな羽根は、構成上、他の羽根よりも作動中に地板側に撓み易くなっていて、作動方向側の縁(スリット形成縁)の端面が開口部の縁の端面に衝突し、安定した露光作動が得られなかったり、破壊されてしまったりすることが知られている。また、最近のデジタルカメラの場合には、撮像装置を羽根の作動面に極端に近づけて配置するようにしたものもあるので、そのようなカメラの場合には、撮像装置の前面を傷つけてしまうことがある。そして、このようなことは、シャッタ羽根を一つだけ備えているフォーカルプレンシャッタの場合も同じである。
ところで、特許文献1に記載の発明においては、羽根が特殊な材料で製作されているため、加工上のこともあって、上記したように、複数枚の羽根を全て、一番作動量の大きい羽根と同じ厚さに薄くしてはいない。そのため、一番作動量の大きい羽根を薄くしても、その作動は一応安定し、作動中に開口部の縁に衝突したり、停止時の衝撃などによって破壊されにくい構成になっている。ところが、羽根の材質がどうであろうとも、複数枚の羽根の厚さは、生産上では、同じであることが好ましい。しかし、そうだからといって、複数枚の羽根の全てを、一番作動量の大きい羽根の厚さと同じように薄くすると、上記のように、一番作動量の大きい羽根の作動が不安定になったり、破壊されたりしてしまうようになる。そこで、そのようなことにならないようにするためには、特許文献2に記載されているような手段を講じればよいことになるが、そのようにすると、部品点数が増えて、コストの点で不利になるし、押えアーム自身各羽根に接触して異なる作動をすることから、押えアームの形状や、羽根の走行速度に与える影響など、設計上の検討課題が多くなる。
本発明は、このような問題点を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、一つのシャッタ羽根が、一端をシャッタ地板に対して回転可能に取り付けられた複数本のアームと、それらのアームの他端に向けて順に枢支された複数枚の羽根とで構成されているカメラ用フォーカルプレンシャッタにおいて、シャッタ羽根の高速化に対応できるようにするために、複数枚の羽根全部を一番作動量の大きい羽根と同様に薄くしたとしても、特別な部材を用意することなく、その一番作動量の大きい羽根が、作動中や停止時に大きく変形したり破損したりしにくくなるようにしたカメラ用フォーカルプレンシャッタを提供することである。
上記の目的を達成するために、本発明のフォーカルプレンシャッタは、複数枚の羽根の重なりを最大にした重畳位置と最小にした展開位置との間を往復作動することによって露光開口の開閉を行う少なくとも一つのシャッタ羽根を備えており、該複数枚の羽根は、厚さが略同じであって、作動量の大きい順に数えて1番目の羽根と2番目の羽根とでは、該2番目の羽根の剛性が該1番目の羽根の剛性よりも大きいようにする。
その場合、前記1番目の羽根は、ヤング率が300〜2000kgf/mm2で、前記2番目の羽根は、ヤング率が5000〜12000kgf/mm2であることが好ましい。また、前記1番目の羽根の材料が、ポリエチレンテレフタレートであり、前記2番目の羽根の材料が、アルミニウム合金又は炭素繊維強化プラスチックであることが好ましい。更に、前記複数枚の羽根が3枚以上の場合には、作動量の大きい順に数えて奇数番目の羽根が、前記1番目の羽根と同じ材料で製作され、偶数番目の羽根が、前記2番目の羽根と同じ材料で製作されているようにすることが好ましい。
また、前記少なくとも一つのシャッタ羽根が、撮影時には同一方向へ順に作動を開始させられる先羽根群と後羽根群の二つのシャッタ羽根である場合は、後羽根群の複数枚の羽根だけが、上記のような各構成をしているようにしても構わない。
本発明のフォーカルプレンシャッタのシャッタ羽根は、複数枚の羽根の厚さを略同じように薄くしても、作動量の大きい順に数えて1番目の羽根と2番目の羽根とでは、2番目の羽根の剛性が、1番目の羽根よりも大きいから、特別な部材を設けなくても、1番目の羽根が、作動中や停止時に変形しずらいという利点を有している。
本発明の実施の形態を、図示した実施例によって説明する。尚、上記のように、本発明は、二つのシャッタ羽根を備えたフォーカルプレンシャッタにも、一つのシャッタ羽根を備えたフォーカルプレンシャッタにも適用することができるものであるが、実施例は、それらのうちの二つのシャッタ羽根を備えたフォーカルプレンシャッタである。また、二つのシャッタ羽根を備えたフォーカルプレンシャッタは、銀塩フィルムカメラにも、デジタルカメラにも採用することができるが、実施例は、デジタルカメラに採用された場合で説明する。そして、図1は、露光作動の終了した直後の状態を撮影レンズ側から見た実施例の平面図であり、図2は、図1の右側から見てカメラ内での実施例の配置状態を模式的に示した側面図であり、図3は、セット状態を撮影レンズ側から見た平面図である。
先ず、本実施例の構成を説明する。図1に示されているように、シャッタ地板1は、その略中央部に長方形を横長にした撮影光路用の開口部1aを有している。図2に示されているように、シャッタ地板1の背面側、即ち撮影レンズLとは反対側の撮像装置CCD側に補助地板2が配置されていて、図示していない手段によってシャッタ地板1に取り付けられている。そして、この補助地板2にも、その略中央部には、撮影光路用の開口部2aが形成されている。また、シャッタ地板1と補助地板2の間は、シャッタ地板1に取り付けられた中間板3によって仕切られており、シャッタ地板1と中間板3の間に後羽根群の羽根室を構成し、補助地板2と中間板3の間に先羽根群の羽根室を構成している。そして、この中間板3にも、シャッタ地板1の開口部1aと重なる位置に、開口部2aと略同じ大きさをした開口部が形成されているが、それらの開口部は開口部1aよりも若干大きいため、本実施例における露光開口は、開口部1aによって規制されている。尚、中間板3の開口部は、中間板3が比較的薄い材料で製作されているため、図2においては明示されていない。
図1において、開口部1aの左側の領域には、円弧状をした二つの長孔1b,1cが形成されており、それらの下方端には、ゴム製であって平面形状がC字状をした周知の緩衝部材4,5が取り付けられている。また、シャッタ地板1の撮影レンズL側の面には、軸1d,1e,1fが立設されている。このほかにも、明示されていない二つの軸が立設されていて、それらの二つの軸の先端には、ビス6,7によって支持板8が取り付けられているが、それらのビス6,7と支持板8は、図面を見やすくするために、二点鎖線で示してある。また、シャッタ地板1には、羽根室側にも、軸1g,1h,1i,1jが立設されている。更に、シャッタ地板1の上下位置には、三つの孔1k,1m,1nが形成されているが、これらは、シャッタユニットをカメラ本体に取り付けるための孔である。
シャッタ地板1の軸1dには、合成樹脂製の先羽根用駆動部材9が回転可能に取り付けられていて、図示していない周知の先羽根用駆動ばねによって、時計方向へ回転するように付勢されている。そして、この先羽根用駆動部材9は、被押動部9aと、駆動ピン9bと、取付部9cとを有していて、駆動ピン9bは、シャッタ地板1の長孔1bを貫通して、羽根室内に突き出ている。また、取付部9cは、周知であるため図示していないが、その内部に、ばねを介在させて鉄片部材を取り付けている。その鉄片部材は、特開2002−55379号公報にも記載されているように、支持板8に取り付けられている図示していない先羽根用電磁石に吸着されるようになっており、それによって、先羽根用駆動部材9が、先羽根用駆動ばねの付勢力に抗して、露光作動開始位置に保持されるようになっている。
シャッタ地板1の軸1eには、合成樹脂製の後羽根用駆動部材10が回転可能に取り付けられていて、図示していない周知の後羽根用駆動ばねによって、時計方向へ回転するように付勢されている。そして、この後羽根用駆動部材10は、被押動部10aと、駆動ピン10bと、取付部10cとを有していて、駆動ピン10bは、シャッタ地板1の長孔1cを貫通して、羽根室内に突き出ている。また、取付部10cは、上記の取付部9cに準じた形状をしており、図示していないが、その内部には、支持板8に取り付けられた図示していない後羽根用電磁石に吸着される鉄片部材が、ばねを介在させて取り付けられている。
シャッタ地板1の軸1fには、合成樹脂製のセット部材11が回転可能に取り付けられている。このセット部材11は、押動部11a,11bと、被押動部11cとを有していて、押動部11aは先羽根用駆動部材9の被押動部9aを押し、押動部11bは後羽根用駆動部材10の被押動部10aを押すようになっている。また、このセット部材11は、図示していない復帰ばねによって、反時計方向へ回転するように付勢されているが、図1は、その回転を図示していないストッパによって阻止され、初期位置に停止させられている状態を示したものである。尚、図2においては、これまで説明したような、シャッタ地板1の撮影レンズL側に配置されている部材を、一つのブロックとして、二点鎖線で示してある。
次に、先羽根群と後羽根群の構成を説明する。先羽根群は、上記したように、補助地板2と中間板3との間に配置されており、夫々の一端を軸1g,1hに回転可能に取り付けた2本のアーム12,13と、それらの先端に向けて順に枢支された3枚の羽根14,15,16とで構成されているが、最先端に枢支された羽根16がスリット形成羽根であって、一番作動量の大きい羽根となっている。また、周知のように、アーム12に形成された孔には、先羽根用駆動部材9の駆動ピン9bが嵌合している。そして、この先羽根群は、図2から分かるように、アーム12,13を一番補助地板2側にし、中間板3側に向けて羽根16,羽根15,羽根14の順となるようにして配置されている。また、図1から分かるように、短冊状をした3枚の羽根14,15,16は、アーム12,13を取り付けている軸1g,1h側の一端でアーム12,13に枢支されている。
他方、後羽根群は、シャッタ地板1と中間板3の間に配置されており、各々の一端を軸1i,1jに対して回転可能に取り付けられた2本のアーム17,18と、それらの先端に向けて順に枢支された3枚の羽根19,20,21で構成され、最先端に枢支された羽根21がスリット形成羽根であり、一番作動量の大きい羽根となっている。また、アーム12に形成された孔には、後羽根用駆動部材10の駆動ピン10bが嵌合している。そして、この後羽根群は、図2から分かるように、アーム17,18を一番シャッタ地板1側にし、中間板3側に向けて羽根21,羽根20,羽根19の順となるようにして配置されている。また、図1から分かるように、3枚の羽根19,20,21は、アーム17,18を取り付けている軸1i,1j側の一端でアーム17,18に枢支されている。尚、本実施例の二つのシャッタ羽根は、いずれも、2本のアームと3枚の羽根で構成されているが、アームを3本にすることも知られているし、羽根を3枚以外の複数枚とすることも知られているので、本発明は、そのような構成のものにも適用される。
ここで、本実施例の羽根について、より詳細に説明する。但し、本実施例の場合には、先羽根群の羽根14,15,16と後羽根群の羽根19,20,21とは、全く同じ構成をしているので、重複を避けるために、先羽根群の羽根14,15,16についてだけ説明する。先ず。本実施例の場合、羽根14,15,16は厚さが同じである。そして、高速化に対応して安定した作動が得られるようにするために、一番作動量の大きい羽根16の方から数えて奇数番目の羽根に相当する羽根14,16は、合成樹脂材料であるポリエチレンテレフタレートで製作されていて、偶数番目に相当する羽根15は、金属材料であるアルミニウム合金で製作されている。従って、先羽根群の羽根が4枚構成となった場合には、もう1枚の羽根は偶数番目となるから、アルミニウム合金で製作されることになる。
また、種々の観点から実験し検討を重ねた結果、羽根14,16のヤング率を、300〜2000kgf/mm2の範囲で選定し、羽根15のヤング率を、5000〜12000kgf/mm2の範囲で選定するのが好ましいことが分かった。そのため、本実施例の場合にも、各羽根14,15,16のヤング率は、それらの範囲内となっている。即ち、羽根16は、高速化に対応させるために軽量化を図り、慣性モーメントが小さくなるようにしているが、それによって所定の剛性が得られず、変形し易くなっているため、隣接する羽根15の剛性を大きくして、羽根16の変形を抑制し得るようにしている。尚、本実施例の説明では、剛性を、ヤング率に依存する曲げ剛性であらわしている。ここで、曲げ剛性とは、断面形状から算出される断面2次モーメントIと、材料のヤング率Eとの積によって求められるものであって、物体の曲げ抵抗力を表す値である。そして、この曲げ剛性は、断面形状と材料のヤング率から一義的に決定されるものであるから、本実施例のように、各羽根の板厚を同一とした場合には、材料のヤング率の大きい方が高剛性であるということになる。
また、本実施例において、羽根14,16をポリエチレンテレフタレート製としたのは、金属材料よりも軽量化に適し、しかも、他の合成樹脂材料よりも耐摩耗性に優れ、且つ加工もし易いからである。また、羽根15をアルミニウム合金としたのは、金属材料の中では比較的軽量であって安価に入手することができ、しかも、加工がし易いことと、他の金属材料や合成樹脂材料にした場合よりも、ポリエチレンテレフタレート製の羽根16の変形を好適に抑制することができたからである。しかしながら、本発明は、このような構成に限定されるものではない。同じ厚さであって、羽根16よりは、羽根15の方が剛性が大きければ、羽根16を他の合成樹脂材料や金属材料で製作しても構わないし、羽根15を他の金属材料や合成樹脂材料で製作しても構わない。その一つの例として、羽根15を、軽量且つ高剛性である炭素繊維強化プラスチック(CFRP)製とし、羽根16を、ポリエチレンテレフタレート製にしてみたが、その場合にも、羽根16の変形を好適に抑制することができた。また、羽根14は、本実施例のように、羽根16と同じ材料で製作すれば、その変形を羽根15によって抑制することができるので問題はないし、先羽根群全体の軽量化に大いに役立つことになるが、他の材料で製作することを妨げるものではない。
次に、本実施例の作動を説明する。図1は、露光作動の終了直後の状態を示したものである。そのため、この状態において、先羽根群の3枚の羽根14〜16は、隣接する羽根同士の重なり量を最大にした重畳状態になっていて、開口部1aの下方位置に格納されている。他方、後羽根群の3枚の羽根19〜21は、隣接する羽根同士の重なり量を最小にした展開状態になっていて、開口部1aを覆っている。このような状態で撮影が終了すると、セット部材11が、被押動部11cをカメラ本体側の部材によって押され、図示していない復帰ばねの付勢力に抗して時計方向へ回転させられる。
それによって、セット部材11は、先ず、押動部11aが被押動部9aを押すことによって、先羽根用駆動部材9を、先羽根用駆動ばねの付勢力に抗して反時計方向へ回転させはじめる。そして、その直後には、押動部11bが被押動部10aを押すことによって、後羽根用駆動部材10を、後羽根用駆動ばねの付勢力に抗して反時計方向へ回転させはじめる。そのため、先羽根群の3枚の羽根14〜16は、隣接する羽根同士の重なりを小さくしつつ上方へ作動し、後羽根群の3枚の羽根19〜21は、隣接する羽根同士の重なりを大きくしつつ上方へ作動していく。そして、先羽根群の3枚の羽根14〜16が展開状態となって開口部1aを覆い、後羽根群の3枚の羽根19〜21が重畳状態となって開口部1aの上方位置に格納された状態になると、各駆動部材9,10の鉄片部材が夫々の電磁石に接触するが、その段階になるとセット部材11の回転が停止され、セット作動が終了する。図3は、そのセット状態を示したものである。
次の撮影に際して、レリーズボタンを押すと、先ず、上記の各電磁石に通電される。それにより、各駆動部材9,10が、その鉄片部材を介して吸着保持されると、カメラ本体側の部材による被押動部11cに対する押圧力が解かれるので、セット部材11は、復帰ばねの付勢力によってセット位置から反時計方向へ回転し、図1に示された初期位置へ復帰する。その後、二つの電磁石に対する通電が、露光制御回路によって自動的に決められた時間間隔で順に解除されると、先羽根用駆動部材9と後羽根用駆動部材10とは、強力な付勢力を有する図示していない各々の駆動ばねによって、時計方向へ急速に回転させられ、先羽根群のスリット形成羽根16と後羽根群のスリット形成羽根21との間に形成されたスリットにより、撮像装置CCDの撮像面を露光していく。
このとき、先羽根群の羽根14〜16と、後羽根群の羽根19〜21は、各々同一平面上を同一姿勢で作動するのではなく、隣接する羽根との重なり量の変化に応じて姿勢を変え、また、その作動に起因する振動などの影響で、種々の方向からの不規則な力を受けることにより、複雑な動きをしながら全体として下方へ作動していくことになる。そして、そのような複雑な動きを最も顕著にさせられるのは、露光量を決めるための重要な羽根であって、作動量の最も大きいスリット形成羽根16,21である。
即ち、先羽根群の羽根14は、露光作動時には、図3に示すように、開口部1aの下方領域を覆っていて、その下方の辺に沿った部位が予め中間板3と重なっている状態から、下方へ作動することになる。そのため、作動中に、一方の面は中間板3との重なり量を大きくしてゆき、他方の面は羽根15との重なり量を大きくしていくので、不規則な力を受けても変形させられる度合いは小さい。また、羽根15の場合は、図3に示すように、開口部1aの中間領域を覆っていて、下方の辺に沿った部位を羽根14に重ね、上方の辺に沿った部位を羽根16に重ねた状態から、下方へ作動することになる。そのため、当初は羽根14よりも不規則な力に影響され易くなっているが、作動中に、一方の面は羽根14との重なり量を大きくし、他方の面は羽根16との重なり量を大きくしていくので、不規則な力に影響を受ける度合いは小さいといえる。
このような羽根14,15に対して、羽根16は、図3に示されているように、開口部1aの上方領域を覆っていて、その上辺に沿った部位が補助地板2に重なり、下辺に沿った部位が羽根15と重なっている状態から、下方へ作動することになる。ところが、その作動開始直後には、一方の面は羽根15との重なりを大きくしていくが、他方の面は、その中央部が補助地板2と全く重ならなくなり、枢支部(左端部)がアーム12,13に重なり、先端部(右端部)が補助地板2に重なっているだけとなる。そのため、この羽根16は、他の羽根14,15と異なり、不規則な力の影響を大きく受けて撓み、枢支部と先端部との間の中央部が、補助地板2の開口部2a内に入ってしまい、その下辺の端面が開口部2aの下辺の端面に衝突したり、場合によっては、撮像装置CCDの前面を傷つけてしまう恐れさえある。しかしながら、本実施例の場合には、羽根16よりも羽根15の剛性が大きいため、羽根15は、不規則な力が生じても羽根16に押されて変形する度合いが少なく、また、それによって羽根16を押し返すようなこともなく、羽根16の変形を抑制するようになっている。そのため、先羽根群は、好適に作動を続けることになる。
他方、後羽根群の場合には、羽根19〜21は、図3に示すように、開口部1aの上方位置に格納された状態から露光作動を開始する。そして、羽根19は、最終的には開口部1aの上方領域を覆うために、その一方の面の上辺に沿った部位は常に中間板3に重なっており、他方の面の下辺に沿った部位は常に羽根20に重なっているため、不規則な力を受けても変形させられる度合いは殆どない。また、羽根20の場合は、最終的には開口部1aの中間領域を覆うことになるが、その一方の面の上辺に沿った部位は常に羽根19に重なっており、他方の面の下辺に沿った部位は常に羽根21に重なっているため、不規則な力によって変形させられる度合いは小さい。
それに対して、羽根21は、図3に示された状態から露光作動を開始し、その上辺が開口部1a内に臨むようになってからは、一方の面は羽根20との重なりを小さくしてゆくことになり、他方の面は、枢支部(左端部)がアーム17,18に重なり、先端部(右端部)がシャッタ地板1に重なっているだけとなってしまう。そのため、羽根21は、その段階になると、他の羽根19,20と異なり、不規則な力の影響で撓み易くなっており、開口部1aを覆いきる直前には、枢支部と先端部との間の中央部が開口部1a内に入り、下辺の端面が開口部1aの下辺の端面に衝突してしまう恐れがでてくる。また、その段階になると、羽根20との重なり量がかなり小さくなっているため、羽根21の中央部は、羽根20を押して中間板3側にもふくらみ易くなっている上に、羽根21の下辺側が中間板3側に接近するように傾き易くなってもいる。そのため、羽根21の下辺の端面は、上記のように開口部1aの下辺の端面に対してよりも、むしろ、明示されていない中間板3の開口部の下辺の端面に対しての方が衝突する確率が大きくなっている。しかしながら、本実施例の場合には、羽根21よりも羽根20の剛性が大きいため、羽根20は、不規則な力が生じて羽根21が変形しようとしても、その変形を抑制するようになっている。そのため、後羽根群も、好適に作動を続けることになる。
このようにして、先羽根群と後羽根群は好適に露光作動を続けるが、その後、先羽根群は、3枚の羽根14〜16が開口部1aから完全に退くと、先羽根用駆動部材9の駆動ピン9bが緩衝部材4に当接することによって停止させられ、後羽根群は、3枚の羽根19〜21が開口部1aを完全に覆うと、後羽根用駆動部材10の駆動ピン10bが緩衝部材5に当接することによって停止させられる。このとき、先羽根群の羽根14〜16は、補助地板2と中間板3に挟まれて重畳状態になっているため比較的問題はないが、後羽根群の場合には、羽根19〜21が展開状態になっているため、停止時の衝撃で撓み易い状態になっている。特に本実施例のように、一番作動量の大きな羽根21を軽量化している場合には、羽根20を同一材料で製作しておくと、その衝撃で羽根21が大きく撓み、アーム17,18との枢支部が破壊されてしまったり、羽根20との重合部から漏光する恐れがあるが、本実施例の場合には、羽根20の剛性が羽根21の剛性よりも大きいため、羽根21の変形は抑制される。更に、本実施例の場合は、一番作動量の大きい順に数えて奇数番眼の羽根よりも偶数番眼の羽根の方の剛性を大きくしてあるから、たとえ枚数を増やしたとしても、全ての羽根の変形は抑制されることになる。
このようにして、先羽根群に続いて後羽根群が停止すると、上記の露光によって撮像装置に蓄積されていた撮像情報が記憶装置に転送され、一回の撮影が終了する。その状態が図1に示された状態であり、この状態から直ちに上記のようにしてセット作動が行われ、次の撮影に備えることになる。
尚、上記の実施例は、先羽根群を補助地板2側の羽根室に配置し、後羽根群をシャッタ地板1側の羽根室に配置しているが、先羽根群をシャッタ地板1側の羽根室に配置し、後羽根群を補助地板2側の羽根室に配置した場合にも、上記の説明に準じた作用効果が得られる。また、上記の実施例は、二つのシャッタ羽根を備えているが、一つのシャッタ羽根を備えたフォーカルプレンシャッタとする場合には、中間板3と、先羽根群又は後羽根群を除いた構成とすればよく、そのようにした場合にも、上記の説明に準じた作用効果が得られる。
露光作動の終了した直後の状態を撮影レンズ側から見た実施例の平面図である。 図1の右側から見てカメラ内での実施例の配置状態を模式的に示した側面図である。 セット状態を撮影レンズ側から見た実施例の平面図である。
符号の説明
1 シャッタ地板
1a,2a 開口部
1b,1c 長孔
1d,1e,1f,1g,1h,1i,1j 軸
1k,1m,1n 孔
2 補助地板
3 中間板
4,5 緩衝部材
6,7 ビス
8 支持板
9 先羽根用駆動部材
9a,10a,11c 被押動部
9b,10b 駆動ピン
9c,10c 取付部
10 後羽根用駆動部材
11 セット部材
11a,11b 押動部
12,13,17,18 アーム
14,15,16,19,20,21 羽根
L 撮影レンズ
CCD 撮像装置

Claims (6)

  1. 複数枚の羽根の重なりを最大にした重畳位置と最小にした展開位置との間を往復作動することによって露光開口の開閉を行う少なくとも一つのシャッタ羽根を備えており、該複数枚の羽根は、厚さが略同じであって、作動量の大きい順に数えて1番目の羽根と2番目の羽根とでは、該2番目の羽根の剛性が該1番目の羽根の剛性よりも大きいことを特徴とするカメラ用フォーカルプレンシャッタ。
  2. 前記1番目の羽根は、ヤング率が300〜2000kgf/mm2で、前記2番目の羽根は、ヤング率が5000〜12000kgf/mm2であることを特徴とする請求項1に記載のカメラ用フォーカルプレンシャッタ。
  3. 前記1番目の羽根の材料が、ポリエチレンテレフタレートであることを特徴とする請求項1又は2に記載のカメラ用フォーカルプレンシャッタ。
  4. 前記2番目の羽根の材料が、アルミニウム合金又は炭素繊維強化プラスチックであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のカメラ用フォーカルプレンシャッタ。
  5. 前記複数枚の羽根のうち、作動量の大きい順に数えて奇数番目の羽根が、前記1番目の羽根と同じ材料で製作され、偶数番目の羽根が、前記2番目の羽根と同じ材料で製作されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のカメラ用フォーカルプレンシャッタ。
  6. 前記少なくとも一つのシャッタ羽根が、撮影時には同一方向へ順に作動を開始させられる先羽根群と後羽根群の二つのシャッタ羽根であって、それらのうち、後羽根群の複数枚の羽根だけが、請求項1乃至5のいずれかに記載の構成をしていることを特徴とするカメラ用フォーカルプレンシャッタ。
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