JP2003149705A - 光学機器用遮光羽根材 - Google Patents

光学機器用遮光羽根材

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JP2003149705A
JP2003149705A JP2001348858A JP2001348858A JP2003149705A JP 2003149705 A JP2003149705 A JP 2003149705A JP 2001348858 A JP2001348858 A JP 2001348858A JP 2001348858 A JP2001348858 A JP 2001348858A JP 2003149705 A JP2003149705 A JP 2003149705A
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liquid crystal
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shielding blade
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Akira Sakurai
亮 桜井
Takao Ogawa
隆雄 小川
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Nidec Precision Corp
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Nidec Copal Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 プラスチックフィルムを芯材としその両面を
連続繊維を含む補強層で強化する積層構造の遮光羽根材
において、繊維直交方向の剛性の不足を改善する。 【解決手段】 光学機器用遮光羽根材は、プラスチック
フィルム1を基材とし、その両面に補強部材4を配した
積層構造を有する。補強部材4は、略一方向に引き揃え
られた連続繊維で強化された熱硬化性樹脂を積層硬化し
たものである。プラスチックフィルム1は、一方向に結
晶配向した液晶ポリマーフィルムからなる。基材の両面
に配された補強部材4は、連続繊維を引き揃えた方向が
互いに平行であり、液晶ポリマーフィルム1は、その結
晶配向の方向が連続繊維を引き揃えた方向と直交してい
る。液晶ポリマーフィルム1と補強部材4の間に遮光塗
膜2が介在する。補強部材4の表面に潤滑黒色塗膜3が
形成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はカメラのフォーカル
プレーンシャッタやレンズシャッタなどのシャッタ羽
根、あるいは絞り羽根などの用途で遮光性、軽量、高剛
性を必要とする光学機器用遮光羽根材に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、カメラなどの光学機器用の羽根
(シャッタ羽根、絞り羽根)は、極めて短い時間に走行
と停止を行なう為、羽根材料としては軽量且つ高剛性で
なければならない。又、写真フィルムなど感光材料の前
面を覆って光を遮るものであるから、本質的に遮光性を
有していなければならない。更に羽根は複数枚が互いに
重なり合って作動する例が多く、スムーズな作動のため
に潤滑性が必要となる。又、羽根間での漏光を防ぐため
に表面の反射率が低く且つ平面性が良好である必要があ
る。平面性は動作時の羽根同志の衝突による破損を防止
する上でも重要である。
【0003】以下従来例を列挙する。特開昭49−84
232号公報には炭素繊維強化熱硬化性樹脂薄板をシャ
ッタ羽根に適用すること、及びそのマトリクス樹脂にカ
ーボンブラックなどの黒色顔料を混入することで遮光性
を得ることが開示されている。特開昭51−14969
号公報には、反りの少ない炭素繊維強化複合樹脂積層板
が開示されている。特開昭53−101080号公報に
は、炭素繊維強化複合樹脂積層板が軽量、高強度、高弾
性、耐衝撃性及び振動減衰性を備えていることが開示さ
れており、炭素繊維強化複合樹脂積層板が高速走行及び
停止を繰り返す光学機器用遮光羽根材として適した特性
を有することを示唆している。特開昭59−61827
号公報には、中空部分を有する芯部及び表皮部からなる
複合部材が開示されており、芯部及び表皮部の少なくと
も一方が連続炭素繊維で強化された遮光羽根材が用いら
れている。その遮光性が不足する場合は炭素繊維強化プ
ラスチック(CFRP)マトリクス樹脂中に黒色染料や
カーボン微粒子を添加することが教示されている。特開
昭64−85749号公報には、縦方向と横方向の熱収
縮率が異なる二軸延伸プラスチックフィルムを基材と
し、その両面に炭素繊維強化樹脂を配した羽根材が開示
されている。基材の熱収縮率の大なる方向(縦延伸方
向)を炭素繊維強化樹脂中に含まれる炭素繊維の引き揃
え方向にほぼ直交する様に積層構造が構成されている。
特開昭57−60315号公報には、複数のポリエステ
ルなどの結晶性高分子化合物のフィルム層の間に、少な
くとも一層の金属層を挟んで遮光手段としたカメラ用シ
ャッタ羽根が開示されている。更に、プラスチックフィ
ルム層の間に、一層以上の黒色塗料などの塗膜層を挟ん
で遮光手段とすることが教示されている。加えて、プラ
スチックフィルムの少なくとも一層に、黒色顔料あるい
は黒色染料を含有させることが開示されている。特開昭
57−118226号公報には、フィルム厚が70μm
程度で10程度以上の光学濃度が得られる様な組成から
なるフィルム厚100μm程度以下の二軸延伸ポリエス
テルフィルムに、熱硬化性の艶消し塗料をコーティング
し、更に帯電防止材を付着せしめた光学機器用プラスチ
ック性羽根が開示されている。特開平9−274218
号公報には、基材フィルムに熱可塑性樹脂を主成分とす
るフィルムを用い、その両面にカーボンブラック、滑
剤、艶消し剤を含有する熱硬化性樹脂からなる層を設け
て遮光性フィルムを構成することが開示されている。基
材フィルムには遮光性をよくする為カーボンブラックを
含有する二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム
が用いられる。
【0004】特開平6−95209号公報には、FRP
からなる羽根材料が開示されている。FRPは繊維強化
樹脂の略称であり、繊維とマトリクス樹脂からなる。繊
維には、炭素繊維の連続繊維の他、芳香族ポリアミド繊
維の連続繊維又は超高分子量ポリエチレンなどの連続繊
維を使用することができる。特に、FRPを多層構造と
した場合、その中間層には炭素繊維以外を用いることが
できる。又、三層構造(表側の表材層と中間層と裏側の
表材層の三層)における中間層には、連続繊維ではなく
短繊維を用いることもできる。繊維に炭素繊維を用いた
FRPは、CFRPと称する。マトリクス樹脂には、セ
ルロースアセテート、液晶ポリマー、ポリイミド、ポリ
アミドイミド、フッ素樹脂、PPSなどの熱可塑性樹
脂、あるいはエポキシ系樹脂、不飽和ポリエステル、ポ
リウレタン、ポリイミドなどの熱硬化性樹脂を使用でき
る。炭素繊維を用いた場合には、炭素繊維は黒いので、
FRPは一応の遮光性がある。しかし、シャッタそのも
のの性能である遮光性を高める為、プリプレグ・シート
を作成する際に、マトリクス樹脂の前駆体となる樹脂液
中にカーボンブラックをあらかじめ添加分散させてい
る。あるいは、カーボンブラックを高濃度に混合した樹
脂液を別途用意し、これをロールコータなどを使用して
通常のプリプレグ・シートに圧入浸透させている。
【0005】特開2000−75353号公報には、基
材にPET等ポリエステルの二軸延伸フィルムを用い、
その両側を炭素繊維などで強化された補強材でラミネー
トした、積層構造の光学機器用遮光羽根材料が開示され
ている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】特開2000−753
53号公報に開示されている様に、両面を炭素繊維強化
プラスチックなどで補強した積層構造の光学機器用遮光
羽根材で、芯材としてプラスチックフィルムを用いれ
ば、そのフィルムにカーボンブラックなどを添加して遮
光性を付与することが容易である。従って、炭素繊維強
化プラスチックなどでできた補強層へ、カーボンブラッ
クなどを練り込んで遮光性を付与する必要がなくなる。
従って、通常のカーボンブラック無添加の炭素繊維強化
プラスチックフィルムを補強層に用いることができるの
で、安価な材料の利用が可能である。
【0007】一方、プラスチックフィルムを芯材として
用いると、その両側に配された繊維補強層は炭素の連続
繊維の引き揃え方向が同一となる様に配置するのが一般
的である。この為、連続繊維の引き揃え方向と直交する
方向は、芯材となるプラスチックフィルムの剛性に依存
する。ここで、特開2000−75353号公報に開示
されている様に、芯材として二軸延伸ポリエステルフィ
ルムを用いると、その剛性が低い為、遮光羽根に加工し
てシャッタに組み込んだ場合、動作時に連続繊維の引き
揃え方向と直交する方向の剛性が弱い為波打ちが発生
し、互いに重なった遮光羽根同士が衝突して、破損する
不具合が発生し易い。
【0008】
【課題を解決する為の手段】上述した従来の技術の課題
を解決する為に以下の手段を講じた。即ち、本発明は、
プラスチックフィルムを基材とし、その両面に補強部材
を配した光学機器用遮光羽根材であって、前記補強部材
は、略一方向に引き揃えられた連続繊維で強化された熱
硬化性樹脂を積層硬化したものであり、前記プラスチッ
クフィルムは、一方向に結晶配向した液晶ポリマーフィ
ルムからなることを特徴とする。好ましくは、該基材の
両面に配された前記補強部材は、連続繊維を引き揃えた
方向が互いに平行であり、前記液晶ポリマーフィルム
は、その結晶配向の方向が該連続繊維を引き揃えた方向
と直交している。又、好ましくは、前記液晶ポリマーフ
ィルムと補強部材の間に遮光性を有する遮光塗膜が介在
する。更に、前記補強部材の表面に黒色で潤滑性を有す
る潤滑黒色塗膜が形成されている。好ましくは、前記基
材にカーボンブラックを添加する一方、前記補強部材に
はカーボンブラックを添加しない
【0009】本発明では、光学機器用遮光羽根材の基材
として、例えば厚みが12ないし125μmの一軸配向
性の液晶ポリマーフィルムを用いている。繊維補強方向
に直交する方向の強度(剛性)を増す為、芯材(基材)
として、一方向に結晶が配向した液晶ポリマーフィルム
を用い、その結晶配向方向を補強部材側の繊維の整列方
向に対してほぼ直交させる。一方向に結晶が配向した液
晶ポリマーフィルムの結晶配向方向の剛性は、従来例に
用いるPETフィルム等よりも大きいので、その結晶配
向方向を繊維の整列方向に直交させることで、繊維整列
方向と直交する方向の強度(剛性)を増すことが可能で
ある。
【0010】光学機器に用いるための必要な遮光性を確
保するため、液晶ポリマーフィルムの両面にカーボンブ
ラックを乾燥塗膜として20ないし45重量%含有した
エポキシ、ジアリルフタレート、アクリル、ウレタン、
塩ビ−酢ビなどの樹脂塗膜(即ち、遮光塗膜)をロール
コーター、浸漬、塗装等により2ないし8μmの厚みで
形成する。両面の合計厚みは4〜16μmとなる。又、
補強部材の表面には黒色で潤滑性を有する黒色潤滑塗膜
が形成されている。基材と遮光塗膜、黒色潤滑塗膜によ
り光学濃度12以上且つ片面の塗膜を剥離後の光学濃度
6以上を確保し、軽量性及び遮光性を満足する光学機器
用プラスチック遮光羽根材を得る。遮光塗膜は補強部材
の下部に位置するので、シャッタ作動時の摩耗などによ
り遮光性が失われることはない。又、前述した様にプラ
スチックの基材のみでは強度が劣る為、補強部材として
例えば炭素繊維複合薄板を用いる。この場合でも、炭素
繊維複合薄板プリプレグのマトリクス樹脂にカーボンブ
ラックを練り込む必要はなく、前述した遮光塗膜のみで
完全な遮光性を得ている。光学機器用として必要な遮光
性は基材フィルムやその両面に形成された遮光塗膜で確
保できる為、補強部材に遮光性を付与する為のカーボン
ブラックなどを添加する必要はない。
【0011】
【発明の実施の形態】以下図面を参照して本発明の実施
の形態を詳細に説明する。図1は本発明に係る光学機器
用プラスチック遮光羽根材の実施形態を示す模式的な斜
視図である。図示する様に、本遮光羽根材は、プラスチ
ックフィルム1を基材とし、その両面に遮光性を有する
遮光塗膜2を形成し、更に両側に黒色で潤滑性を有する
潤滑黒色塗膜3が塗工された補強部材4を配したことを
特徴とする。基材は光学濃度が0の透明なプラスチック
フィルム1を用いる。あるいはこれに代えて、光学濃度
が8以下でカーボンブラックが練り込まれたプラスチッ
クフィルム1を用いてもよい。プラスチックフィルム1
の素材として一方向に結晶配向した液晶ポリマーフィル
ムを用いる。遮光塗膜2は一般に、カーボンブラックを
20ないし45重量%含有しており、片面の遮光塗膜2
の光学濃度と基材(1)の光学濃度の合計が6以上で、
両面の遮光塗膜2を含めた全体の光学濃度が12以上に
なる。光学濃度が12以上であれば光学機器用の羽根材
として実用上十分な遮光性が確保できる。
【0012】本発明では、基材(1)の両面に形成され
た遮光塗膜2の上にそれぞれ重ねて補強部材4を積層し
ている。各補強部材4の上に潤滑黒色塗膜3を形成した
ラミネート構造となっている。補強部材4はほぼ一方向
に引き揃えられた連続繊維で強化された熱硬化性樹脂の
プリプレグシートを基材(1)に積層硬化したものであ
る。基材(1)を上下から挟む両補強部材4は連続繊維
を引き揃えた方向が互いに平行である。基材は前述した
様に一方向に結晶配向した液晶ポリマーフィルム1から
なり、その配向方向は連続繊維の引き揃え方向に対して
直交させる。本実施形態では、遮光塗膜2はカーボンブ
ラックを含有した塗料樹脂を用いる一方、補強部材4は
カーボンブラックが添加されていない熱硬化性樹脂を用
いる。本実施形態では、補強部材4は炭素繊維で強化さ
れている。あるいは、これに代えて、ポリパラフェニレ
ンベンゾビスオキサゾールの繊維で強化された補強部材
4を用いることもできる。
【0013】本光学機器用遮光羽根材料の基材となる一
方向に結晶配向した液晶ポリマーフィルムは、例えば液
晶性ポリマーをインフレーション成形することにより得
られる。 液晶性ポリマーとして、(A)液晶ポリエス
テルを連続相とし、(B)液晶ポリエステルと反応性を
有する官能基をもった共重合体を分散相とする液晶ポリ
エステル樹脂組成物を使用することができる。例えば、
液晶性ポリマーとして、(A)液晶ポリエステル56.
0〜99.9重量%、および(B)液晶ポリエステルと
反応性を有する官能基をもった共重合体44.0〜0.
1重量%を溶融混錬して得られる組成物を使用すること
ができる。
【0014】一般にインフレーション成形によりフィル
ムの製造を行う場合は、インフレーション成形用ダイに
設けられた環状スリットから溶融樹脂を円筒状に押し出
し、この円筒状の樹脂内に空気等の気体を吹き込んで当
該樹脂を膨張させる。そして、樹脂の押出方向に対して
先細になるように配置された1対の平板状の安定板によ
り、膨張された円筒状の樹脂を偏平に折りたたみ、その
偏平状態の樹脂を1対の引取ロールで引き取り、更に巻
取機で巻き取る。
【0015】本実施形態では、樹脂材料として、溶融時
に光学的異方性を示す液晶ポリエステルを使用する。こ
こでいう液晶ポリエステルは、サーモトロピック液晶ポ
リマーと呼ばれるポリエステルである。具体的には、 (1)芳香族ジカルボン酸と芳香族ジオールと芳香族ヒ
ドロキシカルボン酸とを反応させて得られるもの。 (2)異種の芳香族ヒドロシカルボン酸の組み合わせを
反応させて得られるもの。 (3)芳香族ジカルボン酸と核置換芳香族ジオールとを
反応させて得られるもの。 (4)ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル
に芳香族ヒドロキシカルボン酸を反応させて得られるも
の。 などが挙げられ、400℃以下の温度で異方性溶融体を
形成するものが好ましい。なお、これらの芳香族ジカル
ボン酸、芳香族ジオール及び芳香族ヒドロキシカルボン
酸の代わりに、それらのエステル誘導体が使用されるこ
ともある。
【0016】上記の液晶ポリエステル樹脂組成物に用い
られる成分(B)は、液晶ポリエステルと反応性を有す
る官能基をもった共重合体である。かかる液晶ポリエス
テルと反応性を有する官能基としては、液晶ポリエステ
ルと反応性を有すれば何でもよく、具体的には、オキサ
ゾリル基やエポキシ基、アミノ基等が挙げられる。好ま
しくは、エポキシ基である。エポキシ基等は他の官能基
の一部として存在していてもよく、そのような例として
は例えばグリシジル基が挙げられる。
【0017】共重合体(B)において、かかる官能基を
共重合体中に導入する方法としては、特に限定されるも
のではなく、周知の方法で行うことができる。例えば共
重合体の合成段階で、該官能基を有する単量体を共重合
により導入することも可能であるし、共重合体に該官能
基を有する単量体をグラフト共重合することも可能であ
る。
【0018】液晶ポリエステルと反応性を有する官能基
をもった単量体、中でもグリシジル基を含有する単量体
としては、不飽和カルボン酸グリシジルエステルおよび
/または不飽和グリシジルエーテルが好ましく用いられ
る。
【0019】具体的には、不飽和カルボン酸グリシジル
エステルとしては、例えばグリシジルアクリレート、グ
リシジルメタクリレート、イタコン酸ジグリシジルエス
テル、ブテントリカルボン酸トリグリシジルエステル、
p−スチレンカルボン酸グリシジルエステルなどを挙げ
ることができる。不飽和グリシジルエーテルとしては、
例えばビニルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエ
ーテル、2−メチルアリルグリシジルエーテル、メタク
リルグリシジルエーテル、スチレン−p−グリシジルエ
ーテル等が例示される。
【0020】以下、本発明に係る光学機器用プラスチッ
ク遮光羽根材の実施例及び比較例を詳細に説明する。ま
ず、前提として実施例及び比較例の評価に用いる各種パ
ラメータの測定方法について説明する。光学濃度は、日
本分光社製の分光光度計SS−25を用いて測定した。
測定限界は光学濃度12(透過度10-12 )までであ
る。
【0021】フィルム感光テスト(写真フィルムへの漏
光テスト)は、一眼レフカメラのシャッタ羽根部分を種
々の材料に交換して組み込み、光源としてハロゲンラン
プを用いて、照度100000Luxの場所にレンズを
取り外した状態で5秒、10秒、30秒、1分、3分、
5分、10分、15分、30分及び60分放置し、写真
フィルムへの感光の有無を調べる。ISO感度800の
写真フィルムで30分以上感光がなければ、実用上使用
できるレベルと判断する。
【0022】(実施例)基材としてインフレーション形
成された25μm厚の液晶ポリマーフィルム(光学濃度
1)にカーボンブラック33重量%含有した塗膜を5μ
mずつ両面で10μm形成した後、両面にカーボンブラ
ックで着色していない連続炭素繊維目付量19g/m
2 、樹脂目付量19g/m2 のプリプレグを液晶ポリマ
ーフィルムの結晶配向方向と炭素繊維方向をほぼ直交し
て両面に積層した後、ホットプレスして85μm厚の積
層板を得た。得られた積層板の両面に潤滑黒色艶消し塗
膜を5μm両面で10μm形成して、総厚95μmの羽
根材を得た。この羽根材の光学濃度は12以上(基材の
遮光塗膜形成後で11)でピンホールは確認されなかっ
た。得られた羽根材の写真フィルム感光テストの結果、
有害な感光はなかった。又、得られた成形品の剛性は繊
維方向の曲げモーメント17〜19g・cm(30mm
幅)、繊維直角方向の曲げモーメント1.5〜1.6g
・cm(30mm幅)である。得られた羽根材を羽根形
状に打ち抜いた後の平面度は0.2mm以内であり、平
面性は非常に良好であった。この羽根をフォーカルプレ
ーンシャッタに組み込み、シャッタ特性を評価した結
果、1/12000秒のシャッタ速度を実現し、且つ2
00000回耐久試験後、層間剥離や割れなどの異常は
見られなかった。
【0023】(比較例)基材として25μm厚の黒色P
ETフィルム(光学濃度1)にカーボンブラック33重
量%含有した塗膜を5μmずつ両面で10μm形成した
後、両面にカーボンブラックで着色していない連続炭素
繊維目付量19g/m2 、樹脂目付量19g/m2 のプ
リプレグをPETフィルムの縦延伸方向に炭素繊維方向
をほぼ直交させて両面に積層した後、ホットプレスして
85μm厚の積層板を得た。得られた積層板の両面に潤
滑黒色艶消し塗膜を5μm両面で10μm形成して、総
厚95μmの羽根材を得た。得られた成形品の剛性は繊
維方向の曲げモーメント17〜19g・cm(30mm
幅)、繊維直角方向の曲げモーメント1.3〜1.5g
・cm(30mm幅)である。
【0024】以上の様に、本発明の実施例では、繊維方
向の曲げモーメントは17〜19g・cmであり、繊維
直角方向の曲げモーメントは1.5〜1.6g・cmで
ある。これに対し、比較例の繊維方向曲げモーメントは
17〜19g・cmであり、繊維直角方向の曲げモーメ
ントは1.3〜1.5g・cmである。両者を比べれば
明らかな様に、繊維方向の曲げモーメントに差がない一
方、繊維直角方向の曲げモーメントは、比較例よりも実
施例の方が約7%向上している。
【0025】図2は、図1に示す遮光羽根材をプレス抜
き加工して得られたフォーカルプレーンシャッタ羽根の
一例を示す。シャッタ羽根10はほぼ長尺型の形状を有
し、その一端部には固定用の一対の連結穴20が形成さ
れている。
【0026】図3は、図2に示すフォーカルプレーンシ
ャッタ羽根をフォーカルプレーンシャッタに組み込んだ
例を示す。シャッタ基板11の中央部には長方形の開口
12(一点鎖線で示す)が設けられている。休止状態に
おいて4枚の先羽根10が互いに部分的に重なり合って
シャッタ開口12を遮蔽している。図示しないが先羽根
群の下方には後羽根群が重なって配置されている。各シ
ャッタ羽根の先端部は羽根押え14によって不要な動き
を規制されている。基板11の左端部には1組のアーム
15及び16が互いに平行関係を保って回動自在に軸支
されている。各先羽根10はその先端部において1組の
アーム15及び16に係止されている。後羽根群も同様
に図示しない一対のアームによって係止されている。主
アーム15には長穴17が設けられており、主アーム1
5の回動に伴う長穴17の移動軌跡に沿って長溝18が
基板11に設けられている。なお、図示しないが長穴1
7には、長溝18を介して基板11を貫通する駆動ピン
が係合している。図示しないシャッタレリースボタンを
押すと、駆動ピンは基板11に設けられた長溝18に沿
って与えられた付勢力により上方に移動する。これに伴
って長穴17において駆動ピンと係合している主アーム
15及びこれと連動する従アーム16は上方に回動す
る。この回動により先羽根10は上方に縦走り走行し開
口12を開口する。次いで図示しない後羽根群が縦走り
走行し開口12を遮蔽し露光が終了する。
【0027】図4は図1に示した遮光羽根材を用いて作
成されたレンズシャッタ羽根の形状を示す。図示する様
に、一対のシャッタ羽根51,52は開口53を覆う様
に配置されている。各シャッタ羽根は開口の中心から所
定距離だけ離れた支点54を中心として回動可能に軸支
されている。一対のシャッタ羽根51,52は図示しな
い駆動手段により駆動され、互いに反対方向に走行して
開口53の開閉を行なう。図示の状態では開口53は全
閉状態にある。この状態から一方のシャッタ羽根51は
時計方向に回動し、他方のシャッタ羽根52は反時計方
向に回動する。この時最初にティアドロップと呼ばれる
凹部55,56が重なり開口53の中央部分から開き始
める。この時点でシャッタ羽根51,52の走行を停止
すると所謂小絞り状態が得られる。ティアドロップ5
5,56はシャッタ羽根の回転角にばらつきがあって
も、小絞り状態の誤差を少なくする為に設けられてい
る。
【0028】
【発明の効果】以上説明した様に、本発明によれば、プ
ラスチックフィルムを芯材として用いその両面を連続繊
維を含む補強層で補強する積層構造の遮光羽根材におい
て、芯材に液晶ポリマーフィルムを用いている。これに
より、繊維直交方向の剛性の不足を、液晶ポリマーの持
つ剛直性を活かして、積層構造全体の剛性を向上させる
ことが可能である。更に、液晶ポリマーフィルムはカー
ボンブラックを添加して容易に遮光性を付与することが
可能であり、その両面に配置する連続繊維補強層に遮光
性を持たせる必要がない。換言すると、一般に供給され
るカーボンブラック無添加の炭素繊維補強材を利用でき
るので、遮光羽根材の価格を低く抑えることが可能であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る遮光羽根材を示す模式的な斜視図
である。
【図2】本発明に係る遮光羽根材を用いて作成したフォ
ーカルプレーンシャッタ羽根を示す斜視図である。
【図3】図2に示したフォーカルプレーンシャッタ羽根
を用いて組み立てられたシャッタを示す模式的な平面図
である。
【図4】本発明に係る遮光羽根材を用いて作成したレン
ズシャッタ羽根を示す平面図である。
【符号の説明】
1・・・液晶ポリマーフィルム(基材)、2・・・遮光
塗膜、3・・・潤滑黒色塗膜、4・・・補強部材(炭素
繊維強化樹脂)

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プラスチックフィルムを基材とし、その
    両面に補強部材を配した光学機器用遮光羽根材であっ
    て、 前記補強部材は、略一方向に引き揃えられた連続繊維で
    強化された熱硬化性樹脂を積層硬化したものであり、 前記プラスチックフィルムは、一方向に結晶配向した液
    晶ポリマーフィルムからなることを特徴とする光学機器
    用遮光羽根材。
  2. 【請求項2】 該基材の両面に配された前記補強部材
    は、連続繊維を引き揃えた方向が互いに平行であり、前
    記液晶ポリマーフィルムは、その結晶配向の方向が該連
    続繊維を引き揃えた方向と直交していることを特徴とす
    る請求項1記載の光学機器用遮光羽根材。
  3. 【請求項3】 前記液晶ポリマーフィルムと補強部材の
    間に遮光性を有する遮光塗膜が介在することを特徴とす
    る請求項1記載の光学機器用遮光羽根材。
  4. 【請求項4】 前記補強部材の表面に黒色で潤滑性を有
    する潤滑黒色塗膜が形成されていることを特徴とする請
    求項1記載の光学機器用遮光羽根材。
  5. 【請求項5】 前記基材にカーボンブラックを添加する
    一方、前記補強部材にはカーボンブラックを添加しない
    ことを特徴とする請求項1記載の光学機器用遮光羽根
    材。
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