JP2003278340A - 換気棟構造 - Google Patents

換気棟構造

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JP2003278340A
JP2003278340A JP2002085305A JP2002085305A JP2003278340A JP 2003278340 A JP2003278340 A JP 2003278340A JP 2002085305 A JP2002085305 A JP 2002085305A JP 2002085305 A JP2002085305 A JP 2002085305A JP 2003278340 A JP2003278340 A JP 2003278340A
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】排気孔を有する通風機構において、排気孔
の出口から延長された延長部分を有し、該延長部分には
少なくとも空気を通す第2排気孔が形成され、それより
外側の部分を上方向に屈曲して防風雨壁を形成すること
を特徴とするとともに、通風機構の構造が2重のモノコ
ック構造とすることを特徴とする換気棟構造。 【効果】暴風雨のような横殴りの風雨にさらされても、
通風機構の内部に風雨が侵入することを防止することが
できる。また、横殴りの風雨が防風雨壁の上方を通過し
てその付近に負圧が生じ、その負圧により、軒方向に延
長されている部分に形成されている第2排気孔から空気
が流れ込む。そしてこの流れにより排気孔付近でも負圧
が生じて、この負圧により通風機構内部に留まっている
空気が円滑に外部に放出される。また、通風機構がモノ
コック構造を採用するために、外力に強い換気棟の構造
をもつものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は空気が流入して、排
気孔から空気が排出される換気棟に関する発明であっ
て、特に建物、家屋において屋根の中央上部に開口部を
開けて換気する換気棟に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、様々な種類の換気棟が提供されて
いる。換気棟による換気方法は建物や家屋の頂上に開口
部を設け、建物や家屋の屋根裏の空気を屋根頂上の開口
部へと放出させるものであり、このような換気をするこ
とによって、屋根裏にたまる湿気、熱気、結露などを放
出して、建物や家屋内の空気を和らげて、室内を快適な
状況にし、冷暖房機などの効果を有効に発揮させること
ができるものである。
【0003】このような屋根裏換気に換気棟は使用され
ている。この換気棟の技術は例えば特開2001−14
6825号公報、特開2001−254492号公報に
開示されているように、建物や家屋の屋根の頂上部を開
口し、この開口部の上部に換気棟を設置して屋根裏の空
気を換気するものであり、換気するための排気孔を開け
る一方、換気棟内の通風孔や開口部周辺に遮水板を設置
して、屋根裏に雨水などが入り込まないようにしてい
た。
【0004】また、実開平4−92929号公報には、
カバー部材とスペーサー材とを備えた換気棟の技術が開
示されている。しかし、この技術もスペーサー材とカバ
ー部材とを、スペーサー材と屋根材、水切捨版とを固定
するものであるため、外部からの圧力や暴風雨等に耐え
得るものではなかった。特にスペーサー材の取付位置に
よっては、棟瓦の重力でカバー部材が押し下げられ、通
風機構の空気の通りが阻害されたり、通風機構が塞がれ
ることがあった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】そこで外部からの圧力
や台風などの暴風雨時にも強く、屋根裏への雨水の浸入
を的確に防止し、特に換気棟の頂部に取り付ける棟瓦の
重量によっても空気が通る部分である通風機構が塞がれ
たりしないような、外力に強い構造を備えたものが望ま
れていた。さらに、建物や家屋の頂部に設置されるもの
であるために、施工の簡易性も望まれていた。
【0006】
【課題を解決するための手段】この課題を解決するため
に、本発明では排気孔をもつ通風機関において、排気孔
部分の下側の外壁部材を軒方向に端部を延長した延長部
分を有し、該延長部分には少なくとも空気を通す第2排
気孔が形成され、それより外側の部分を上方向に屈曲し
て防風雨壁を形成し、該防風雨壁の上端は少なくとも通
風機関の排気孔部分の上端よりも上方に位置させたもの
である。
【0007】これにより、暴風雨のような横殴りの風雨
でも、通風機構の内部にまで侵入することを防止するこ
とができる。また、横殴りの風雨が防風雨壁の上方を棟
瓦に沿って通過することでその付近で負圧が生じ、その
負圧により、軒方向に延長されている部分に形成されて
いる第2排気孔から空気が流れ込む。そしてこの流れに
より排気孔出口付近でも負圧が生じて、この負圧により
通風機構内部に留まっている空気が円滑に外部に放出さ
れる。
【0008】また、空気が通る孔を開けた通風部分と、
互いに着接する部分を少なくとも有する上部と下部の2
つの外壁部材と前記着接部分以外の所では所定の間隔で
離間している前記2つの外壁部材間に位置する部材であ
って、少なくとも前記2つの外壁部材に着接する部分と
前記2つの外壁部材間を支持する部分とを有する中間部
材とからなり、2つの外壁部材と中間部材とを適宜の位
置で着接するごとく組み合わせることにより、一つの換
気棟における換気孔構造を形成するとともに、防風雨壁
を下側の外壁部材にて形成することが好ましい。
【0009】これにより、通風機構はフレームにより形
成される構造ではなく、縦断した場合において箱型とな
るモノコック構造である。このモノコック構造により、
外部からの圧力を箱型の外形全体で分散させることがで
きるから、暴風雨や積雪などの外力にも強い構造となっ
ている。また、特に外力がかかる棟瓦の設置付近には、
通風機構の内部に上下2つの外壁部材間に位置する中間
部材の支持部分を位置せしめ、2重のモノコック構造と
してある。この2重のモノコック構造により、従来の通
風機構では耐え切れなかった棟瓦の重力にも耐えうるも
のとなる。なお、ここで「着接」とは接着した状態に着
けることであり、接着している箇所をネジなどで固定し
ている場合も、ただ単に接してつけているだけでなんら
固定していない場合も含む意味である。
【0010】また、中間部材の端部の一方若しくは両方
を屈曲させて遮断壁を形成し、該遮断壁の一部若しくは
全部を着接する外壁部材に対して垂直の方向よりも軒側
に傾斜させていることが好ましい。
【0011】これにより、この遮断壁は本来風雨が外か
ら入ってくるのを遮断するためのものであるが、この遮
断壁が軒側に傾斜しているため、屋根裏内部の空気が通
りやすくなっている。また、排気孔から外部の風雨が入
ってきても、軒方向に傾斜しているこの遮断壁付近で風
雨をせき止めることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明における実施の形態の一例
を図面に基づいて説明する。換気棟は図2、図3に示す
ように建物や家屋の屋根裏部分の空気を換気するために
設けられるものである。従来は屋根裏部分の空気を十分
に換気することができず、熱気、湿気、結露などが屋根
裏部分にたまることが多かった。この熱気などにより、
建物や家屋内で冷暖房機により冷暖房を行なうときに、
その効果を半減させていた。このような場合において、
上方にたまりやすい熱気などの空気を屋根の頂上部分に
開けた開口部分から換気することにより、屋根裏の熱
気、湿気、結露などを取り除くことができ、建物や家屋
の室内を快適な状態にし、建物内の冷暖房機の効果を十
分に発揮することができる。
【0013】本発明の換気棟は屋根の頂頭部に配置され
る棟瓦4や棟木6の直下において左右に配置される野地
板18,18(図2、図3)を所定の間隔を隔てることに
より開口部19を開け、棟木6を固定する棟木支持金具
20を設け、また、この棟木支持金具20の両側に前記
開口部19に浸水しないように捨水切22を設け、棟木
6に屋根裏の空気が通るための通風機構1を備え、最後
に頂上に棟瓦4を配置した構造となっている。
【0014】本発明の換気棟構造において、特に暴風雨
時に通風機構1に暴風雨が入り込まないように防風雨壁
2が形成されている。また、本発明の通風機構1は上部
外壁部材11と下部外壁部材12を組み合わせて形成さ
れている。通風機構1の軒方向端部には排気孔13があ
るが、この下部を延長させて排気孔9の近くに少なくと
も空気を通す孔を開け、第2排気孔3(図9〜図11)と
している。そして第2排気孔3より外側の部分を上方向
に屈曲させて防風雨壁2(図10、図11)としている。
【0015】第2排気孔3は防風雨壁2までの延長部分
のいずれかの部分に形成されておればよいが通風機構1
の軒方向端部に形成されている排気孔9の近くになるべ
く形成されていることが好ましい。第2排気孔3は複数
の孔が等間隔を置いて形成されたものであるが、開孔状
態はこの場合のみに限られず、例えば横に長い1つの孔
であってもよい。
【0016】防風雨壁2は下部外壁部材12の延長部分
を上方向に屈曲して形成したものである。側面略L字型
に屈曲したものでもよいが、図1に示すように二度屈曲
させた後、真直ぐ立上げたものでもよく、また、複数回
屈曲したものでもよい。ただし、少なくとも排気孔9に
暴風雨が直接、入りこまないように防御することができ
るものでなければならない。したがって、少なくとも防
風雨壁2の上端は排気孔9が形成されている部分よりも
高く設定しておく必要がある。なお、手指を怪我しない
等施工者の安全を配慮して、防風雨壁2の上端部はカエ
シを設けておくことが好ましいところ、防風雨壁2の上
端部にカエシを設けている実施の一例を図13に示して
いる。
【0017】防風雨壁2の上端は図1においては通風機
構1の上に設置されている棟瓦4の脚部分の上端よりも
高く設定されている。この防風雨壁2により、風雨は防
風雨壁2で遮断され、上方向又は/及び下方向に向か
う。防風雨壁2の上端は棟瓦4の脚部分の上端よりも高
く設定されているために、その真上あたりでは風雨が通
り抜け、棟瓦4に沿って上昇する。
【0018】図1には暴風雨の流れを示している。防風
雨壁2の上端真上あたりを風雨が通り抜け、棟瓦4に沿
って通過すると、その付近で負圧が発生し、それより高
圧の周りの空気がその負圧の方に流れる。そして、この
負圧Aに流れこむように第2排気孔3から空気が流れ込
む。さらに、第2排気孔3から流れ込む空気の流れでそ
の付近に負圧Bが生じる。そして、この負圧Bの近くに
排気孔9が存在しているから、この負圧Bにより通風機
構1内部に留まっている空気が円滑に外部に放出され、
換気棟の換気がスムーズに行なわれることになる。防風
雨壁2が備えられているため、暴風雨が排気孔9から通
風機構1の内部に侵入することを防止でき、かつ排気孔
9周辺で生じる空気の流れにより通風機構1内部に留ま
っている空気が外に排出されやすくなるために、通風機
構1の空気の流れを円滑にすることができる。
【0019】次に上記通風機構1について説明する。こ
の通風機構1は上部外壁部材11と下部外壁部材12と
からなり、内部に中間部材13、中間部材14を有する
構成となっている。
【0020】図5に上部外壁部材を示す。上部外壁部材
11の内端は水平状に屈曲させてあり、この部分で棟木
6に固定される。この棟木6に固定する棟木固定部分5
には一定の間隔でネジ孔8が開けられ、棟木6にネジに
よって螺着される。そして棟木固定部分5から軒方向に
向かって下方向に傾斜するように屈曲させてある。この
傾斜部分にも中間部材13、中間部材14を螺着するた
めのネジ孔8が開孔されている。また、上記第1の屈曲
部分に続いてその外側部分を内側より緩やかな傾斜とな
るように更に屈曲させてある。このように2度屈曲させ
てあるのは、換気棟が屋根の頂頭部から突き出た形状と
なるため、その頂頭部から下って屋根の位置近くに排気
孔9を位置させるようにするためである。
【0021】このように、上側の外壁となる上記外壁部
材11は少なくとも2度屈曲されており、中央の屈曲箇
所の位置11a、つまり2度目の屈曲箇所11aからそ
の軒方向端部の通風部分15までの長さは棟瓦4の脚部
分の形状により、決定される。棟瓦4には平板瓦、山形
瓦、S型瓦などがあり、これらの棟瓦の脚に全て適合さ
せ得るようにかかる長さを決める必要がある。図13に
はこの2度目の屈曲箇所11aから軒方向端部の通風部
分15までの長さを短くした変形実施例の一例を示して
いる。
【0022】上部外壁部材11の外端部分から更にほぼ
直角の下方に屈曲してある。そしてこの屈曲した部分に
複数個の孔を開けた通風部分15がある。この通風部分
15の複数個の孔は通風機構1の空気が外部へ放出され
る出口となる排気孔9である。そしてこの通風部分15
からさらに直角の内方に屈曲し、下部外壁部材12と着
接する着接部分7としてある。この屈曲部分にも一定間
隔でネジ孔8が開けられている。そしてこの着接部分7
からまた直角の上方に屈曲して遮断壁10を形成してあ
る。
【0023】図6に下部外壁部材12を示す。下側の外
壁となる下部外壁部材12は内端に上部外壁部材11と
着設するための着接部分7を有し、該着接部分7から直
角の下方に屈曲して、空気が通る孔が開けられた通風部
分15を有する。この通風部分15の孔は通風機構1に
空気が入る入口となる。この通風部分15から外側に下
がるように傾斜させて屈曲しており、この傾斜部分から
さらに屈曲してある。屈曲してあるこの部分には中間部
材14を取り付けるためのネジ孔8が開けられている。
そして、ネジ孔8が開けられているこの面を外方に延長
してその部分に第2排気孔3が形成され、さらに、それ
より外側の部分を上方向に屈曲して前記防風雨壁2を形
成してある。なお、下部外壁部材12の着接部分7の折
曲方向を、例えば図12に示すように図6、図10の場
合と逆方向に屈曲させてもよい。
【0024】中間部材13を図7に示す。この中間部材
13は上部外壁部材11の内側に取り付けられるもので
ある。その中央部分には上部外壁部材11と着接するた
めの着接部分7が形成されている。この着接部分7は上
部外壁部材11と固定するためのネジ孔8が複数箇所、
開孔されている。着接部分7の内端、外端である両端部
は屈曲して遮断壁10を形成してある。上記外壁部材1
1に中間部材13を取り付けるにあたっては、中間部材
13を上部外壁部材11の内方に重ねあわせ、中間部材
13の着接部分7に開けられているネジ孔8と上部外壁
部材11に開けられているネジ孔8とにネジを通して、
螺着することで固定する。
【0025】中間部材13の内端に形成されている遮断
壁10は軒方向に傾斜させている。このように傾斜させ
ると外壁と垂直に切り出された壁よりも軒方向に傾斜さ
せる方が通風機構1内の空気が排気孔9に向かって流れ
出るのをスムーズにすることができ、かつ、暴風を伴っ
た雨水が通風機構1に入り込んだときに外壁にあたって
乱流のような状態になり、効率良く雨水の浸入を遮断す
ることができるためである。したがって、この傾斜は下
側の外壁部材12の内側に形成されている通風部分1
5、上側の外壁部材11への中間部材13の取付位置、
遮断壁10の長さにより、所定角度、所定長さに設定す
べきである。
【0026】もう一つの中間部材14を図8に示す。中
間部材14は内端に遮断壁10が形成されており、該遮
断壁10の外側には下部外壁部材12と着接するための
着接部分7が軒方向に向いて形成されている。この着接
部分7には下部外壁部材12と固定するためのネジ孔8
が複数箇所に一定の間隔で開孔されている。また、中間
部材14の内端の遮断壁10は中間部材13の傾斜遮断
壁10と同様、傾斜させて形成されている。この場合の
傾斜方向は前述の場合と同様に下側の外壁部材12の内
側に形成されている通風部分15、上側の外壁部材11
への中間部材13の遮断壁10の長さ、下側の外壁部材
12への中間部材14の取付位置などにより、所定角
度、所定長さに設定すべきであるが、下側の外壁部材1
2に対して垂直の方向よりも軒側に傾斜させてある。こ
のように傾斜させることにより、屋根裏内部の空気が通
りやすくなり、また、排気孔9から外部の風雨が入って
きても、この方向に傾斜させてある遮断壁10付近で風
雨をせき止めることができる。
【0027】下部外壁部材12と着接する中間部材14
の着接部分7の外部には下側の外壁部材12に対して垂
直の上方向に屈曲され、その部分には複数の孔が開けら
れている。この部分は下部外壁部材12と上部外壁部材
11とを支持する支持部分16として機能する。そして
この支持部分16に続いてその外側をさらに軒方向に延
び出させて、上部外壁部材11と着接する着接部分7と
してあり、その外側はさらに下方に屈曲されて遮断壁1
0としてある。
【0028】上部外壁部材11と下部外壁部材12は所
定の間隔が保持されるように重ね合わされ形成されてい
る上部外壁部材11の着接部分7に形成されているネジ
孔8と下部外壁部材12に形成されているネジ孔8とに
ネジを通して螺着する。また、この場合と同様に上部外
壁部材11の内側に中間部材13が、下部外壁部材12
の内側に中間部材14がそれぞれ固定される。このよう
にして、上部外壁部材11、下部外壁部材12、中間部
材13、中間部材14を組み合わせた通風機構1が形成
される。このように組み合わされた通風機構1を図9に
示す。なお、下部外壁部材12の内端に位置する着接部
分7は上部外壁部材11と接する状態にあればよく、必
ずしもネジなどでその部分を固定しなくてもよい。
【0029】上部外壁部材11と下部外壁部材12との
組み合わせにより、通風機構1は断面した場合におい
て、箱型の形状となり、外からの圧力を箱型の外壁全体
で分散、吸収できるモノコック構造であるため、従来の
通風機構に比べ暴風雨や積雪などの外力にも強い通風機
構となる。そのうえ、特に棟瓦4により外力を受ける箇
所の内部に支持部材16を位置させたことで棟瓦に積雪
などで重量が増したとしても、それに強い換気棟とする
ことができ、外部からの圧力によって通風機構1が折れ
曲がって塞がれてしまうことはない。
【0030】組み合わせたこの通風機構1は図10に示
すように、屋根裏の空気が通風機構1に流入し、この組
み合わせによって形成される通風部分を通り、排気孔9
から外に排気される。なお、図10の矢印は屋根裏の空
気が通風機構1を通り、外に放出される状態を示してい
る。一方、暴風雨などにより、排気孔9より雨水が通風
機構1の内部に浸入することがあっても、図11に示す
ように排気孔9の外側に位置する防風雨壁2や通風機構
1の内部に設置されている遮断壁10により、雨水が屋
根裏まで浸入することが防止される。なお、図11の矢
印は通風機構1内に浸入した暴風雨などが遮断壁10な
どにより遮断される状態を示している。
【0031】次に換気棟全体の構造について説明する。
換気棟の全体は図2、図3において示すが、図2では棟
瓦4に平板瓦を、図3では棟瓦4に山形瓦を用いた場合
に示す。S型瓦を用いる場合もある。換気棟は建物や家
屋の屋根の頂頭部に配置される棟瓦4や棟木6におい
て、左右に配置される屋根瓦17,17、野地板18,
18を所定の間隔を隔てることにより開口部19が開け
られている。ここには逆Y字型脚21を備え、U字型の
支持部を備えている棟木支持金具20が使用されてい
る。この棟木支持金具20の逆Y字型脚21を野地板1
8と屋根瓦17の間に挿入し、両者で挟み込んで固定す
る。そしてU字型の支持部で棟木6が支持される。上述
した換気棟はこの棟木6などに固定すればよい。棟木支
持金具20はこの形態のみに限られるものではなく、逆
T字型の脚をもつ形態でもよく、いずれの形態の棟木支
持金具20を用いた場合にも、上述の換気棟を用いるこ
とができる。
【0032】棟木支持金具20の逆Y字型脚21の両脇
には捨水切22が取り付けられている。捨水切22は外
側に向かって順次低くなるように開いたL字型形状であ
り、棟木支持金具20の逆Y字型脚21と同じように外
端部分を野地板18と屋根瓦17の間に挿入し、両者で
挟み込んで固定する。また、捨水切22の上端にはカエ
シを設けておくことが好ましい。捨水切22は万が一、
通風機構1内を雨水が通り抜けて来た場合においても前
記開口部19に雨水が浸入しないように防止するための
ものである。
【0033】この換気棟構造において、雨水などが浸透
し易い箇所には防水処理が施された被膜物を取り付けて
おくことが好ましい。施工の容易さに鑑みて、防水テー
プ23を用いるのが好ましい。また、屋根瓦17のうち
その頂上部において、上面から内端面全体、さらにはこ
の屋根瓦17と野地板18に挟持されている棟木固定金
具20とその両端に取り付けられている捨水切22に跨
って、防水テープ23を貼り付けることが好ましい。防
水テープは図2、図3の断面図にのみ図示されている
が、開口部19に雨水が浸入するのを防ぐために、その
付近全体にわたって取り付けることが望ましい。
【0034】その他、暴風雨時に開孔部19に雨水がは
いったり、棟木6に雨水がかかり棟木6が腐ることを防
止するために、棟木6の上面部や棟木固定金具20の逆
Y字型脚21の脚先と野地板18との境目などにも防水
テープ23を取り付けるのが望ましい。なお、防水テー
プ23は例えばテープの表面に防水処理を施したブチル
ゴム材からなるものであり、通気性を有するものとして
もよい。
【0035】左右の屋根瓦17と屋根瓦17とのジョイ
ント部分は少なからず隙間が開いているから、特に暴風
雨時にはジョイント部分の隙間から雨水が吹き上がって
くることがある。また、この隙間が狭くても毛細現象に
より雨水が前記ジョイント部分の隙間を通って開口部1
9にまで達することがある。従来、このような場合には
鉄板を取り付ける等の鉄板加工を施すことにより対処し
ていたが、防水テープ23を貼り付けることで、施工が
簡単になるとともに暴風雨に強い換気棟を実現すること
ができる。
【0036】棟木支持金具20に支持されている棟木6
の上面に、通風機構1として組み合わされている上部外
壁部材11の棟木固定部分5を固定する。この固定には
棟木固定部分5に開孔されているネジ孔8にネジを通し
て棟木6に螺着する。通風機構1は棟木6の上面に左右
対称となるように設置され、一対の通風機構1が棟木6
の左右両側方に位置することになる。つまり、2つの通
風機構1、1は棟木6の上面に螺着され、各々棟木6の
側方に外側、すなわち、棟方向に延びるように設置され
る。
【0037】通風機構1の下には屋根瓦17が位置し、
通風機構1の上には棟瓦4が取り付けられる。この通風
機構1と屋根瓦17と棟瓦4とは発泡体24を用いて固
定することが好ましい。発泡体24にはスポンジ状の発
泡体を用いるのが望ましいが、これのみに限定されるも
のではなく、ポリスチレンなどその他の素材のものを用
いてもよい。
【0038】発泡体24による固定には粘着テープや接
着剤を用い、発泡体24と通風機構1、発泡体24と屋
根瓦17、発泡体24と棟瓦4とをこれら粘着テープや
接着剤で固定する。この場合において、発泡体24は削
るとその形状を容易に変更させうるため、建物の屋根瓦
17の勾配や棟瓦4の種類に柔軟に対応させることがで
き、前記固定に有利である。また、発泡体は棟瓦4や通
風機構1の圧力を吸収して分散する効果を有するととも
に、スポンジ状の発泡材を使用するとその吸水性によ
り、棟瓦4と通風機構1、通風機構1と屋根瓦17に雨
水が入り込んだ場合も雨水の開口部19への浸入を防止
することができる。
【0039】
【発明の効果】請求項1記載の発明により、暴風雨のよ
うな横殴りの風雨にさらされても、通風機構の内部に風
雨が侵入することを防止することができる。また、横殴
りの風雨が防風雨壁の上方を通過してその付近に負圧が
生じ、その負圧により、軒方向に延長されている部分に
形成されている第2排気孔から空気が流れ込む。そして
この流れにより排気孔付近でも負圧が生じて、この負圧
により通風機構内部に留まっている空気が円滑に外部に
放出される。
【0040】請求項2記載の発明により、通風機構はフ
レームにより形成される構造ではなく、断面した場合に
おいて箱型となるモノコック構造である。このモノコッ
ク構造により、外部からの圧力を箱型の外壁全体で分散
させることができるから、暴風雨や積雪などの外力にも
強い構造となる。また、特に外力がかかる棟瓦の設置付
近には、通風機構の内部に上下2つの外壁部材間に位置
する中間部材の支持部分を位置せしめ、2重のモノコッ
ク構造としてあるから、この2重のモノコック構造によ
り、従来の通風機構では耐え切れなかった棟瓦の重力に
も耐えうる効果がある。
【0041】請求項3記載の発明により、軒側に傾斜し
ている遮断壁により、屋根裏内部の空気が通りやすくな
っており、また、排気孔から外部の風雨が入ってきて
も、軒方向に傾斜しているこの遮断壁付近で風雨をせき
止めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】暴風雨壁の一例を示す断面図である。
【図2】換気棟全体の一例を示す断面図であり、棟瓦に
平板瓦を用いた場合を示す。
【図3】換気棟全体の一例を示す断面図であり、棟瓦に
山形瓦を用いた場合を示す。
【図4】通風機構全体の一例を示す斜視図である。
【図5】図4に例示する通風機構の一構成部分である上
面外壁部材の一例を示す斜視図である。
【図6】図4に例示する通風機構の一構成部分である下
面外壁部材の一例を示す斜視図である。
【図7】図4に例示する通風機構の一構成部分である中
間部材の一例を示す斜視図である。
【図8】図4に例示する通風機構の一構成部分である中
間部材の一例を示す斜視図である。
【図9】図4に例示する通風機構の構成部分である上面
外壁部材、下面外壁部材、中間部材、中間部材を組み合
わせる状態を一例として示す斜視図である。
【図10】図4に例示するは通風機構の拡大断面図で、
空気が排気される道のりを示したものである。
【図11】図4に例示する通風機構の拡大断面図で、風
雨が通風機構の内部に侵入する状況を示したものであ
る。
【図12】図4に例示する通風機構の一構成部分である
下部外壁部材の一部を変形させた場合の一例を通風機構
全体の拡大断面図である。
【図13】図4に例示する通風機構の一構成部分である
下部外壁部材の一部を変形させた上、防風雨壁にカエシ
を取り付けた等、実施例の一例を示す拡大断面図であ
る。
【符号の説明】
1…通風機構 2…防風雨壁 3…第2排気孔 4…棟瓦 5…棟木固定部分 6…棟木 7…着接部分 8…ネジ孔 9…排気孔 10…遮断壁 11…上部外壁部材 12…下部外壁部材 13…中間部材 14…中間部材 15…通風部分 16…支持部分 17…屋根瓦 18…野地板 19…開口部 20…棟木支持金具 21…逆Y字型脚 22…捨水切 23…防水テープ 24…発泡体

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】排気孔を有する通風機構において、排気孔
    の出口の下側から軒方向に延長された延長部分を有し、
    該延長部分には少なくとも空気を通す第2排気孔が形成
    され、それより外側の部分を上方向に屈曲して防風雨壁
    を形成し、該防風雨壁の上端を少なくとも排気孔よりも
    高くしたことを特徴とする換気棟構造。
  2. 【請求項2】空気が通る孔を開けた通風部分と、互いに
    着接する部分を少なくとも有する上部と下部の2つの外
    壁部材と前記着接部分以外の所では所定の間隔で離間し
    ている前記2つの外壁部材間に位置する部材であって、
    少なくとも前記2つの外壁部材に着接する部分と前記2
    つの外壁部材間を支持する部分とを有する中間部材とか
    らなり、2つの外壁部材と中間部材とを適宜の位置で着
    接するごとく組み合わせることにより、一つの換気棟に
    おける換気孔構造を形成するとともに、防風雨壁を下側
    の外壁部材にて形成したことを特徴とする請求項1記載
    の換気棟構造。
  3. 【請求項3】中間部材の端部の一方若しくは両方を屈曲
    させて遮断壁を形成し、該遮断壁の一部若しくは全部を
    着接する外壁部材に対して垂直の方向よりも軒側に傾斜
    させていることを特徴とする請求項2記載の換気棟構
    造。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010007990A (ja) * 2008-06-27 2010-01-14 Ryoju Estate Co Ltd 換気装置及び換気システム
JP2016069835A (ja) * 2014-09-29 2016-05-09 義雄 伊藤 棟用換気部材
CN114151285A (zh) * 2021-12-30 2022-03-08 安徽恒明建筑工程有限公司 一种房建用换气装置

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