JP2003278281A - 建物の柱の据付構造 - Google Patents

建物の柱の据付構造

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JP2003278281A
JP2003278281A JP2002081546A JP2002081546A JP2003278281A JP 2003278281 A JP2003278281 A JP 2003278281A JP 2002081546 A JP2002081546 A JP 2002081546A JP 2002081546 A JP2002081546 A JP 2002081546A JP 2003278281 A JP2003278281 A JP 2003278281A
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pillar
column
building
alloy tool
foundation
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JP2002081546A
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Inventor
Rikuro Saito
陸郎 齋藤
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Nitto Mokuzai Sangyo KK
Original Assignee
Nitto Mokuzai Sangyo KK
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】木造建築に横設される土台や梁桁等の横架材
と、この横架材上に立設される柱等とを直角に結合固定
する場合において、柱に大きな引抜き耐力を付与し、構
造安全性を向上させたものである。 【解決手段】建物基礎12上に通し柱等の柱11を立設
した建物の柱の据付構造において、建物基礎12上に基
礎プレート15を据え付け、締着させる一方、この基礎
プレート15上に継合金具17および座付き締付ボルト
18よりなる柱締着手段19で柱11を土台14を介し
て締着させたものである。木造建築物に用いられる上階
の柱を、梁を介して、下階の柱に立設する建物の柱の据
付構造において、継合金具および締付ボルトよりなる柱
締着機構により締着し、緊結させたものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、木造建築に横設さ
れる土台や梁桁等の横架材と、この横架材上に立設され
る柱等とを直角に結合固定する、建物の柱の据付構造に
関する。
【0002】
【従来の技術】在来の木造軸組工法の建物にあっては、
従来から柱と横架材との据付金具として、ホゾパイプと
称される金属製パイプが使用されている。
【0003】このホゾパイプは、柱と横架材との接合部
内に連通挿嵌される一定長さのパイプに、柱および横架
材の側方から挿入される係止ピンを貫通させる係止孔を
設けたものであって、(1)このホゾパイプを挿嵌し得
る取付孔を横架材の上面適所と、この横架材の上面に接
合する柱の底部とに予め穿設しておくと共に、(2)こ
の各取付孔に前記係止孔に対応連通し得る連通孔を予め
穿設しておき、横架材の取付孔にホゾパイプを挿嵌して
前記係止孔と連通孔とを連通せしめ、この連通貫通孔に
係止ピンを挿入することにより横架材にホゾパイプを固
定し、(3)この横架材上面より突出しているホゾパイ
プの上部突出部に柱の取付孔を被嵌合してこの上部突出
部の係止孔と連通孔とを連通させ、(4)この連通貫通
孔に係止ピンを挿通することによってこのホゾパイプの
上部突出部に柱を固定して横架材に柱を結合固定するも
のである。
【0004】しかしながら、このようなホゾパイプを使
用した柱と横架材との据付構造では、阪神大震災のよう
な大規模な直下型地震が起こった場合に、激しい揺れに
よって横架材からホゾパイプごと柱が引き抜かれてしま
い、この引き抜かれた柱が横架材から位置ズレして下方
に落下することにより、家屋が倒壊するおそれがあるこ
とがわかった。
【0005】そこで、最近はこれを防止するための耐震
構造として、上記のように結合固定した横架材と柱の結
合部に、例えば図1に示すように、柱11の側面への当
接面を有するL字型の補強金具をピンや釘などで取り付
けて、これによって横架材6と柱11を結合し、柱11
の抜け止め強度を高めるようにするいわゆるホールダウ
ン金物1を用いた施工が行われている。
【0006】一方、地震時等に対する水平耐力を上げる
ために、一の柱11の脚部と、その柱に隣接する柱の頭
部とを、木板または鋼棒等を用いて対角線上に接続する
筋交い4も同時に設けられることが多い。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしこの場合、図1
に示したように、横架材6および柱11の厚さが充分大
きくないため、ホールダウン金物1と筋交い4またはそ
の筋交いプレート5との間で干渉が生じ易く、以下の問
題があった。即ち、(1)施工が困難となり、ひいては
強度の低下を招くおそれがある、(2)また、壁面内に
収納されるグラスウール等の断熱材を前記接合部には十
分に充填できず、断熱性能の劣化を招くおそれがある、
(3)さらに、柱や梁の側面を壁面から突出させ美しい
木目を露出させる真壁造りとすることが難しい等であ
る。
【0008】また、前記ホールダウン金物1は、通し柱
等の柱11の側面に取り付けられる一方、図2(A)に
示すように、このホールダウン金物1を座金付きボルト
8等の締付ボルトを用いて土台14に締着(緊結)さ
せ、地震等に対する柱11の引抜き耐力を向上させてい
る。
【0009】しかし、木造建築の柱11と土台14との
締着では、前記ホールダウン金物1を利用しても、土台
14自体の強度が必ずしも充分でないため、建物自体が
壊れるより前に土台14の剪断破壊が先に生じて壊れて
しまい、木造建築では大地震にも耐える引抜き耐力を充
分にかつ余裕をもって確保することは困難であった。
【0010】このため、木造建築の柱11を土台14を
介しながらも建物基礎12に直接据え付けることが考慮
されている。この場合には、例えば図2(B)に示すよ
うに、建物基礎12に植設されたアンカーボルト13に
柱11の側面に取り付けられたホールダウン金物1を直
接緊結させて、柱11を土台14に接合させ、柱11の
引抜き耐力を向上させる方策が講じられる。
【0011】しかし、この建物の柱11の据付構造で
は、アンカーボルト13はせいぜい数mm(5mm)程
度の精度で植設され、アンカーボルト据付(植込み)位
置の位置精度が悪い。一方、通し柱等の柱11は、建物
基礎12上に敷設される土台14に例えば1mm程度以
下の高精度に立設されることが要求され、アンカーボル
ト13と柱11の据付位置精度上の違いから、柱11を
建物基礎12にアンカーボルトを利用して精度よく据え
付けることが困難であった。柱11を建物基礎12にア
ンカーボルト13を利用して据え付けると、柱11の据
付位置精度が悪化し、柱11の据付精度がアンカーボル
ト13の取付精度に左右される問題点があった。
【0012】また、在来の木造軸組み建築は各種の継
手、仕口を加工した木材を組み合せてつくる架構体であ
るため、前記横架材6の材料には事前にホゾ溝が穿設さ
れている場合がある。
【0013】しかし、前記のホゾパイプやホールダウン
金物1を用いて建築する場合には、これらのホゾ溝は必
ずしも必要ではなく、むしろ柱脚部にホゾを設ける等何
らかの形で埋める必要があった。
【0014】本発明は、上述した事情を考慮してなされ
たもので、このようなホールダウン金物を用いなくても
柱の抜け止め強度が高く極めて秀れた耐震強度性を発揮
し、且つ極めて簡易な構成で施工も容易に行い得る画期
的な建物の柱の据付構造を提供することを目的とする。
【0015】本発明の他の目的は、木造建築の柱を建物
基礎に締着させ、大きな引抜き耐力を柱に付与すること
ができ、高い構造安全性を有する建物の柱の据付構造お
よび据付金具を提供することにある。
【0016】本発明のさらに他の目的は、前記土台や梁
等の材料に事前に穿設されたホゾ溝等を簡単かつ容易に
埋めることにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明に係る建物の柱の
据付構造は、上述した課題を解決するために、請求項1
に記載したように、建物基礎上に土台を設置し、この土
台に柱を立設した建物の柱の据付構造において、前記建
物基礎上に固定される基礎プレートと、この基礎プレー
ト上に前記土台を介して柱を締着させる柱締着機構とを
備え、上記柱締着機構は基礎プレートから土台を貫通し
て柱脚部内に延びて固定される筒状または棒状の継合金
具を有することを特徴とする。
【0018】また、上述した課題を解決するために、本
発明に係る建物の柱の据付構造は、請求項2に記載した
ように、前記基礎プレートは建物基礎に植設されたアン
カーボルトに据付ナットで据付位置が調節可能に固定さ
れたものである。
【0019】さらに、上述した課題を解決するために、
本発明に係る建物の柱の据付構造は、請求項3に記載し
たように、前記柱締着機構は、前記建物基礎と基礎プレ
ートとに台座部が挟持された座付き締付ボルトと、前記
柱の柱脚部に挿嵌される柱側挿入部と、前記土台に挿嵌
される土台側挿入部とを備えた筒状または棒状の継合金
具とを備え、上記継合金具の柱側挿入部には、前記柱を
この継合金具に緊結するための係止ピン用係止孔が、上
記継合金具の長軸と直交する方向に複数個離間して穿設
され、上記継合金具の土台側挿入部には、前記座付き締
付ボルトにねじ結合可能なねじ部が形成されたものであ
る。
【0020】さらにまた、上述した課題を解決するため
に、本発明に係る建物の柱の据付構造は、請求項4に記
載したように、前記柱締着機構は、柱の脚部を介して締
着される取付金具を有し、上記取付金具を土台から離間
して締着固定するものである。
【0021】さらに、上述した課題を解決するために、
本発明に係る建物の柱の据付構造は、請求項5に記載し
たように、前記土台の上面の、柱底面に当接する部分に
彫られたホゾ溝を、このホゾ溝に嵌合する形に形成され
たスペーサを用いて充填し、このスペーサは前記継合金
具を貫通させる挿通口を有するものであり、また、請求
項6に記載したように、前記柱締着機構の継合金具が、
前記スペーサと一体に形成されたものである。
【0022】また、上述した課題を解決するために、本
発明に係る建物の柱の据付構造は、請求項7に記載した
ように、建物の柱頭部に梁を横設し、この梁上に上階の
柱を立設した建物の柱の据付構造において、前記柱と梁
との接合部内に埋設され、前記柱と梁とを連通させる筒
状または棒状の継合金具と、前記梁の両側面に、対向し
て一対当接された接合金具とを備え、上記継合金具と一
対の接合金具とを一体的に結合固定させる柱締着機構を
構成し、上階の柱の脚部を前記梁を介して下階の柱頭に
緊結させ、据え付けたことを特徴とする。
【0023】さらに、上述した課題を解決するために、
本発明に係る建物の柱の据付構造は、請求項8に記載し
たように、前記継合金具は、前記柱に挿嵌される柱側挿
入部と、前記梁に挿嵌される梁側挿入部とを備え、上記
継合金具の柱側挿入部には、前記柱をこの据付金具に緊
結するための係止ピン用係止孔が、上記継合金具の長軸
と直交する方向に複数個離間して穿設され、上記継合金
具の梁側挿入部には、前記梁をこの継合金具に緊結する
ための係止ピン用係止孔が、前記柱側挿入部に穿設され
た係止ピン用係止孔の一と平行に穿設されたものであ
る。
【0024】またさらに、上述した課題を解決するため
に、本発明に係る建物の柱の据付構造は、請求項9に記
載したように、前記接合金具は、前記梁側面に締着する
締付ボルト用の孔を有する基板と、この基板に直交し、
ガイドメンバが突設され、桁下面に位置して桁を支保す
る基準板と、前記梁に直交して横設される桁を緊結する
ための係止ピン用係止孔を有し、前記基板および前記基
準板の双方に直交する補強板とを有するものである。
【0025】さらに、上述した課題を解決するために、
本発明に係る建物の柱の据付構造は、請求項10に記載
したように、前記柱締着機構は、柱の側面を介して締着
される取付金具を有し、上記取付金具を柱梁接合部から
離間して締着固定するものである。
【0026】また、上述した課題を解決するために、本
発明に係る建物の柱の据付構造は、請求項11に記載し
たように、前記梁の上面または下面の、柱断面に当接す
る部分に彫られたホゾ溝を、このホゾ溝に嵌合する形に
形成されたスペーサを用いて充填し、このスペーサは前
記継合金具を貫通させる挿通口を有するものであり、ま
た、請求項12に記載したように、前記柱締着機構の継
合金具が、前記スペーサと一体に形成されたものであ
る。
【0027】
【発明の実施の形態】本発明に係る建物の柱の据付構造
の実施の形態について、添付図面を参照して説明する。
【0028】図3(A)は木造建築物10に用いられる
柱11を建物基礎12に締着させ、緊結させる建物の柱
11の据付構造を示している。
【0029】木造建築物10では、地盤上に布基礎とし
ての建物基礎12がコンクリートの打設により構築され
る。建物基礎12にはコンクリート打設時に複数のアン
カーボルト13が所要位置に植設され、建物基礎12上
に土台14が横架材として敷設される。
【0030】土台14と建物基礎12との間に基礎プレ
ート15および基礎パッキン(図示せず)が詰物として
介装される。基礎パッキンは間隔保持スペーサを兼ね、
所要間隔、例えば土台14の長手方向に900mmの間
隔をおいて配設され、建物基礎12と土台14との間に
間隙16を形成している。
【0031】通し柱等の柱11の下方には基礎プレート
15が設けられる。基礎プレート15は、図3(A)お
よび図3(B)に示すように、例えばI型平盤形状に鋳
造等で成形され、建物基礎12上にアンカーボルトを利
用して据え付けられる。
【0032】また、通し柱等の柱11の下端部に筒状ま
たは棒状の継合金具17が固定される。この継合金具1
7は座付き締付ボルト18を介して基礎プレート15に
締着され、緊結される。柱11は土台14を介して基礎
プレート15に、上記継合金具17および座付き締付ボ
ルト18よりなる柱締着機構19により締着され、緊結
される。柱締着機構19は柱緊結手段あるいは柱締着手
段として構成される。
【0033】この柱締着機構19により、柱11は継合
金具17を介して土台14に強固に接合され、柱11に
作用する荷重は土台14で分散されて基礎プレート15
や基礎パッキンを介して建物基礎12に作用する一方、
荷重の一部は柱締着機構19を介して建物基礎12に伝
達される。したがって、柱11に作用する荷重は分散さ
れて建物基礎12に伝達される。
【0034】また、木造建築物10の柱11に地震等の
影響により、引抜き荷重が作用したとき、この引抜き荷
重は継合金具17から座付き締付ボルト18を介して基
礎プレート15に伝達され、この基礎プレート15で引
抜荷重が分散され、アンカーボルト13を介して建物基
礎12に伝達される。このように、柱11の引抜き荷重
を分散させて建物基礎12に直接作用させることができ
るので、大きな引抜き耐力を得ることができる。
【0035】ところで、基礎プレート15は、図3
(A)および図3(B)に示すように、例えば鋳物の鋳
造により、I型平盤状に形成される。基礎プレート15
は強度や耐食性に優れた球状黒鉛鋳鉄等の鋳物だけでな
く、耐食性に優れた強化ナイロンやポリプロピレン樹脂
等の強化プラスチック樹脂材料あるいは硬質プラスチッ
ク材料の型成形で構成してもよい。さらに、基礎プレー
ト15は、溶融亜鉛メッキ鋼板等の鉄鋼材料や鉄鋼材料
より強いアルミ合金の金属材料で成形しても、さらに耐
食性や耐荷重強度に優れたセラミック材料で成形しても
よい。
【0036】基礎プレート15は、全体として矩形形状
のプレート本体20を有し、このプレート本体20の長
手(縦)方向は柱の幅の2倍以上の長さ、例えば2倍な
いし3倍の長さを有し、短手(横)方向は土台の幅寸法
以下に形成される。一例として、柱が120mmの角
材、土台が120mmの角材を用いたとき、基礎プレー
ト15は長手方向に例えば240〜300mm、短手方
向に100〜120mm、好ましくは縦・横寸法が27
0mm×105mmに成形され、基礎プレート15の厚
さ(プレート高さ)は例えば15〜25mm程度、好ま
しくは20mm程度に構成される。
【0037】また、基礎プレート15のプレート本体2
0中央部には、プレート一面(プレート片面)側に開口
する矩形形状の取付用凹部21が形成され、この取付用
凹部21の両側にプレート他面(反対のプレート片面)
側に開口するほぼ同形状の据付用凹部22,22がそれ
ぞれ形成される。各凹部21、22は鋳造時あるいは型
成形時に一体成形される。各凹部の形状は矩形形状の例
を示したが、種々の形状が考えられる。
【0038】基礎プレート15の据付用凹部22,22
には、アンカーボルト13を遊びをもって挿通させるボ
ルト挿通口23が形成される。ボルト挿通口23の口径
は建物基礎12に植設されるアンカーボルト13の据付
位置(植込み位置)精度を考慮して決定される。アンカ
ーボルト13の据付位置精度は、現在の建物施工技術で
は、せいぜい±5mm程度であり、高精度にアンカーボ
ルト13を据え付けることは難しい。この据付位置誤差
を解消することは困難であるので、ボルト挿通口23に
遊びをもたせている。例えば、16mmφのアンカーボ
ルトを用いる場合、ボルト挿通口23は26mm〜34
mm、好ましくは30mm程度に形成される。
【0039】また、基礎プレート15の中央凹部である
取付用凹部21にも同様なボルト挿通口24が形成さ
れ、このボルト挿通口24に前記座付き締付ボルト18
が遊びをもって緩く挿通される。座付き締付ボルト18
のボルト径が例えば16mmφ程度であるとき、ボルト
挿通口24の口径は30mm〜45mm、例えば40m
m程度に形成される。座付き締付ボルト18の矩形形状
の座であるボルトヘッドとボルトとの溶接接合を考慮し
たものである。
【0040】このように基礎プレート15のボルト挿通
口23,24にアンカーボルト13や座付き締付ボルト
18が挿通されると、このボルト挿通口23,24の口
径をアンカーボルト13や座付き締付ボルト18のボル
ト径より大きくすることにより、アンカーボルト13の
据付位置精度の据付誤差を吸収することができる。
【0041】アンカーボルト13が建物基礎12に正し
く埋設されず、所要の据付誤差をもって植設されても、
建物基礎12上に基礎プレート15を正確に精度よく、
例えば1mm以内の精度で設置し、据え付けることがで
きる。
【0042】その際、基礎プレート15は、プレート表
面側および裏面側の各プレート片面にそれぞれ開口する
取付用凹部21および据付用凹部22をそれぞれ形成し
たので、基礎プレート15の周辺部分に少なくとも補強
リブが形成された凹凸構造の補強構造となり、機械的・
物理的強度を単純な平板状プレートに較べ向上させるこ
とができる。
【0043】また、建物基礎12上に設置される基礎プ
レート15には据付用凹部22,22の底部に据付座2
6,26が形成され、この据付座26,26に座金27
が設置される。据付用凹部22,22内にボルト挿通口
23,23から突入されるアンカーボルト13は座金2
7,27を介して据付ナット28,28で締め付けら
れ、基礎プレート15を所要位置に高い据付精度をもっ
て設置させることができる。その際、アンカーボルト1
3および据付ナット28に対応する土台には凹部29が
形成され、アンカーボルト13および据付ナット28と
土台14との干渉を防止している。
【0044】一方、木造建築物10の柱11は、柱締着
手段としての柱締着機構19により建物基礎12上の基
礎プレート15に土台14を介して締着され、緊結され
る。その際、土台14には柱締着機構19の継合金具1
7および座付き締付ボルト18を挿通させる貫通孔31
が形成され、この貫通孔31を通して座付き締付ボルト
18が案内され、この締付ボルトが継合金具17にねじ
結合により締着される。
【0045】柱締着機構19は図4に示すように構成さ
れ、通し柱等の柱11を基礎プレート15ひいては建物
基礎12に接合させる柱接合手段を構成している。柱締
着機構19は柱11の下端部に挿嵌される継合金具17
と基礎プレート15の取付用凹部21に収納される座付
き締付ボルト18を組み合わせて構成している。
【0046】座付き締付ボルト18はフランジ状あるい
は鍔状をなす矩形形状のボルトヘッド33を有する。こ
のボルトヘッド33は、基礎プレート15の取付用凹部
21に収納されて、その取付座34に当接せしめられる
一方、取付用凹部21にボルトヘッド33を収納するこ
とにより座付き締付ボルト18は廻り止めされる。
【0047】座付き締付ボルト18は、継合金具17に
直接ねじ結合により締着される。継合金具17の一端に
は、図5(A)に示すように、座付き締付ボルト18に
ねじ結合される雌ねじ部38が形成される。
【0048】継合金具17は、図5(A)に示すよう
に、全体として筒状または棒状の形状を有する。必要な
強度が得られれば、筒状であっても棒状であってもよ
い。また、横断面の外形は、円形または四角形等の多角
形であってもよい。例えば角筒状の継合金具17は、引
抜き成形や押出し成形で形成されるが、柱11に挿入し
たとき、回り止めができるので、継合金具17の係止孔
37と柱11の連通孔35とを連通させることが容易と
なる。
【0049】継合金具17は、柱11の柱脚部に挿嵌さ
れる柱側挿入部42と、土台14に挿嵌される土台側挿
入部41とを備えている。柱側挿入部42には、柱11
をこの継合金具17に緊結するための係止ピン36用係
止孔37が、継合金具17の長軸と直交する方向に穿設
される。継合金具17に形成される係止孔37は、軸方
向高さ位置を異にして複数個直交方向に形成してもよ
く、互いに直行する係止孔37,37を1個以上穿設す
ることが望ましい。
【0050】継合金具17の土台側挿入部41には、座
付き締付ボルト18にねじ結合可能な雌ねじ部38が形
成される。継合金具17に雄ねじ部を形成し、座付き締
付ボルト18に雌ねじ部を形成したものでもよい。
【0051】土台14の上面の、柱底部に当接する部分
にホゾ溝39が穿設されている場合には、スペーサ40
を用いてホゾ溝39を充填する。このスペーサ40は、
前記ホゾ溝39に嵌合する形に形成され、中央には継合
金具17を貫通させる孔が穿設される。このスペーサ4
0は、十分な強度が得られるものであれば、木製であっ
ても硬質塩化ビニル製等であってもよい。また、図5
(B)に示すように、継合金具17とスペーサ40とが
一体に形成されたものを用いてもよい。これにより、柱
11の脚部をホゾ状に加工し直すという手間をかけるこ
となく容易に据付作業を継続することができる。
【0052】次に、通し柱等の柱11を土台14に接合
させ、建物基礎12に据え付ける手順を説明する。
【0053】柱11を建物基礎12に据え付けるため
に、建物基礎12のコンクリート打設時に、アンカーボ
ルト13を所要位置に植設する。打設されたコンクリー
トの養生後に、建物基礎12上に基礎プレート15およ
び基礎パッキンを設置する。設置された基礎プレート1
5には柱締着機構19の座付き締付ボルト18を収容さ
せ、この座付き締付ボルト18を位置調整自在に立設さ
せる。
【0054】その後、基礎プレート15を建物基礎12
上の所要位置に正確に位置合せして位置決めし、この位
置決め位置で据付ナット28を締め付けて固定させる。
基礎プレート15の位置決め固定時に、座付き締付ボル
ト18も位置合せされて固定される。その際、基礎プレ
ート15のボルト挿通口23,24はアンカーボルト1
3や座付き締付ボルト18のボルト径より大きく形成さ
れているので、基礎プレート15はアンカーボルト13
の据付け上の精度誤差を吸収し、正確な位置に例えば1
mm程度以下の精度で精度よく、設置することができ
る。
【0055】建物基礎12上に基礎プレート15および
基礎パッキンを設置し、据付た後、土台14を基礎プレ
ート15および基礎パッキン上に載置させ、敷設させ
る。その際、基礎プレート15から立ち上がる座付き締
付ボルト18を土台14の貫通孔31に挿通させ、その
先端部を土台14から上方に突出させる。
【0056】その後、土台14から上方に突出した座付
き締付ボルト18の突出部に継合金具17を装着する。
この継合金具17の取付は、座付き締付ボルト18に継
合金具17の雌ねじ部をねじ結合して締め付けることに
より行なわれ、継合金具17が土台14上にセットされ
る。なお、継合金具17の横断面が例えば四角形である
場合等は、土台14の敷設に先立ち、継合金具17を装
着しておく。
【0057】続いて、土台14上にセットされ、固定さ
れた継合金具17に通し柱等の柱11の下端部を上方か
ら下ろすように移動させ、継合金具17に柱11の取付
孔34を案内し、嵌挿させる。柱11の取付孔34を継
合金具17に押し込んで挿入させた後、係止ピン37
を、柱の連通孔35および継合金具17の係止孔36を
連通させた連通貫通孔に打設して柱11を土台14上に
固定し、据え付ける。係止ピン37の打設により、柱1
1は例えば1mm以内の精度で精度よく、土台14上に
立設され、据え付けられる。
【0058】また、柱11を土台14上に立設すること
により、柱11に作用する圧縮荷重や曲げモーメント
は、土台14および柱締着機構19で分散されて基礎プ
レート15から建物基礎12に伝達される。地震時の引
抜き荷重は継合金具17および座付き締付ボルト18を
経て基礎プレート15で受け、この基礎プレート15か
らアンカーボルト13に分散して伝達せしめられる。そ
して、柱11に作用する引抜き荷重は基礎プレート15
からアンカーボルト13を経て建物基礎12に伝達さ
れ、土台14を通すことなく直接この建物基礎12で受
ける。
【0059】このように、通し柱等の柱11は、土台1
4上に据え付けられて接合され、この土台14で支持さ
れる一方、柱締着機構19を介して基礎プレート15に
支持させることができる。結果的に、柱11は柱締着機
構19により基礎プレート15を介して建物基礎12に
強固に、精度よく据え付けることができ、建物の据付強
度や耐久性、構造安全性を大幅に向上させることができ
る。
【0060】さらに、図6に示すように、筋交い45の
取付金具44を、継合金具17を係止固定する締付ボル
ト43を用いて柱11の脚部側面に締着させ、筋交い4
5をこの取付金具44に張着させれば、取付金具44を
土台14から離間して締着固定することができる。これ
により、従来型の筋交い4を取付る筋交いプレート5を
別途設置することなく、より簡単明りょうな構造とする
ことができ、または筋交い4と併用することで、より堅
牢な構造とすることも可能である。
【0061】次に、本発明に係る建物の柱の据付構造
を、図面に示す第2の実施例に基づいて説明する。
【0062】図7は木造建築物10に用いられる上階の
柱111を下階の柱113に締着させ、緊結させる建物
の上階の柱111の据付構造を示している。
【0063】木造建築物10が2階建て以上の場合、上
階の柱111と下階の柱113とが1の部材で構成され
る通し柱形式のもののほか、図7に示すように、上階の
柱111と下階の柱113とが、その間に梁112が介
在することにより、上下に分けられ2の部材で構成され
る管柱形式がある。通し柱は、軸組み全体を堅牢に組み
立てるため、構造上重要な隅角部や軸組みの主要な交差
部に設け、断面の大きな部材を用いる。なお、ここで
は、柱頭に直接載置される横架材を梁と呼び、梁に直交
して当接し、柱の頭を連結する横架材を桁と呼ぶものと
する。
【0064】下階の柱113の頭部とその直上に横設さ
れる梁112の下面との間には継合金具114が連通挿
嵌されて、梁112上に柱113を締着させている。同
様に、上階の柱111の底部とその直下に横設される梁
112の上面との間にも継合金具114が連通挿嵌され
て、柱113上に梁112を締着させている。
【0065】一方、梁112の側面で下階の柱113の
上部に位置する部分には、接合金具116が両側面に一
対対向して固定される。この二つの接合金具116は、
締付ボルト117を介して締着され、共締めにより緊結
される。接合金具116の下側の締付ボルト117は柱
113側の継合金具114に貫通挿着され、上側の締付
ボルト117は柱111側の継合金具114に貫通挿着
されることにより、これら継合金具114と接合金具1
16とがそれぞれ締着される。
【0066】すなわち、上階の柱111は梁112を介
して下階の柱113に、継合金具114、接合金具11
6および締付ボルト117よりなる柱締着機構118に
より締着され、緊結される。柱締着機構118は柱緊結
手段あるいは柱締着手段として構成される。
【0067】この柱締着機構118により、上階の柱1
11は梁112を介して下階の柱113に強固に接合さ
れ、上階の柱111に作用する荷重は梁112を介して
下階の柱113に伝えられ、土台14で分散されて建物
基礎12に作用する。したがって、上階の柱111に作
用する荷重は、最終的には建物基礎12に伝達される。
【0068】また、木造建築物10の上階の柱111
に、地震等の影響により引抜き荷重が作用したとき、こ
の引抜き荷重は上階の継合金具114から上階の締付ボ
ルト117を介して接合金具116に伝達され、さらに
下階の締付ボルト117を介して下階の継合金具114
に伝達される。このように、上階の柱111の引抜き荷
重を下階の柱113に直接作用させることができるの
で、大きな引抜き耐力を得ることができる。
【0069】ところで、継合金具114は、図8(A)
に示すように、全体として筒状または棒状をなし、長軸
方向は柱および梁との接合強度を確保するのに十分な長
さを有し、横断面方向は係止孔142が形成でき、かつ
十分な引張強度を保持できる断面寸法以上あればよい。
一例として、柱が105mmの角材、梁が幅105m
m、高さ240mmの角材を用いたとき、継合金具11
4の長さは例えば273mm、横断面方向の長さは2
1.7mmに成形され、係止孔は直径12.5mm程度
に構成される。
【0070】継合金具114は例えば鋳物の鋳造によ
り、筒状または棒状に形成される。継合金具114は強
度や耐食性に優れた球状黒鉛鋳鉄等の鋳物だけでなく、
耐食性に優れた強化ナイロンやポリプロピレン樹脂等の
強化プラスチック樹脂材料あるいは硬質プラスチック材
料の型成形で構成してもよい。さらに、継合金具114
は、溶融亜鉛メッキされた鉄鋼材料や鉄鋼材料より強い
アルミ合金の金属材料でパイプ状に成形しても、さらに
耐食性や耐荷重強度に優れたセラミック材料で成形して
もよい。
【0071】また、横断面の外形は、円形または四角形
等の多角形であってもよい。例えば角筒状の継合金具1
14は、引抜き成形や押出し成形で形成されるが、柱1
11,113に挿入したとき、回り止めができるので、
継合金具114の係止ピン141用係止孔141と柱1
11,113の連通孔144とを連通させることが容易
となる。
【0072】継合金具114は、柱111の底部または
柱113の頭部に挿嵌される柱側挿入部152と、梁1
12の上面または下面に挿嵌される梁側挿入部153と
を備えている。柱側挿入部152には、柱111,11
3をこの継合金具114に緊結するための係止ピン14
1用係止孔142が、継合金具114の長軸と直交する
方向に穿設される。継合金具114に形成される係止孔
142は、軸方向高さ位置を異にして複数個直交方向に
1個以上ずつ、例えば2個ずつ穿設される。
【0073】したがって、この各係止孔142に貫通係
止する係止ピン141の貫通挿入方向が直交するから、
継合金具114に対して柱111,113が水平方向に
良好に回り止め固定されると共に、継合金具114から
の柱111,113の抜け止め強度も向上することにな
る。また、単に上下の係止孔142を、この係止孔14
2に貫通せしめる係止ピン141の貫通方向を合致させ
て設けた場合に比して、地震などによりこの柱に柱の引
き抜き方向に大きな力が加わった時にこの柱111,1
13に割れなどが生じにくくなる。
【0074】一方、継合金具114の梁側挿入部153
には、梁112をこの継合金具114に緊結するための
締付ボルト117用ボルト孔149が、柱側挿入部15
2に穿設された係止孔142の一と平行に穿設される。
【0075】梁112の上面または下面の、柱111の
底部または柱113の頭部に当接する部分にホゾ溝39
が穿設されている場合には、スペーサ40を用いてホゾ
溝39を充填する。このスペーサ40は、前記ホゾ溝3
9に嵌合する形に形成され、中央には継合金具114を
貫通させる孔が穿設される。このスペーサ40は、十分
な強度が得られるものであれば、木製であっても硬質塩
化ビニル製等であってもよい。また、図8(B)に示す
ように、継合金具114とスペーサ40とが一体に形成
されたものを用いてもよい。これにより、柱111,1
13の梁112との接合部をホゾ状に加工し直すという
手間をかけることなく容易に据付作業を継続することが
できる。
【0076】一方、木造建築物110の上階の柱111
は、柱締着手段としての柱締着機構118により下階の
柱113に梁112を介して締着され、緊結される。そ
の際、梁112には柱締着機構118の接合金具116
および締付ボルト117を挿通させる貫通孔119が形
成され、この貫通孔119を通して締付ボルト117が
案内され、この締付ボルト117が梁112の反対側の
側面に対向して位置する接合金具116を挿通し、締付
ボルト117の両端が締付ナット154によってねじ結
合されることにより締着される。
【0077】柱締着機構118は図9および図10に示
すように構成され、上階の柱111を梁112ひいては
下階の柱113に接合させる柱接合手段を構成してい
る。柱締着機構118は上階の柱111の下端部に挿嵌
される継合金具114と接合金具116および締付ボル
ト117を組み合わせて構成される。
【0078】継合金具114は上述したように、これを
介して上階の柱111および下階の柱113が梁112
に締着され、緊結される。したがって、継合金具114
は、柱113の頭部に嵌挿される部分と、梁112を貫
通する部分と、柱111の底部に嵌挿される部分とから
なる一部材で構成されるものであってもよい。
【0079】締付ボルト117は図12に示すように両
側面に位置する接合金具116の外側から締付ナット1
54を用いてねじ結合されることにより締着される。
【0080】接合金具116は、一般的には鋳物材料を
用いて鋳造により一体に型成形される。接合金具116
はいわゆるロケット金物といわれる接合金具であり、桁
115の下端部を補強する一方、桁115の端部下端に
強固にかつ一体的に固定される。
【0081】接合金具116は、図11に示すように、
取付板としての基板135と、基準板136と、挿入板
としての補強板137を相互に直交する方向に一体に結
合して組み立てたものであり、機械的、物理的な強度が
補強された三次元ブロックを構成している。接合金具1
16の基板135は桁115の端部下端に密接するよう
に取り付けられ、基板135の中心線上の上下にボルト
挿通口138を形成し、このボルト挿通口138から突
出する締付ボルト117の突出部分に座金を介して締付
ナット154がねじ結合され、接合金具116が締付ボ
ルト117で締着される。また、高さ中央付近には横方
向に、リブ155が突設される。これにより基板135
が補強されるとともに、基板135を梁112の側面に
穿設された嵌合溝156に掛止させることができ、据付
時に締付ボルト117が挿通されるまで基板135を保
持することができる。
【0082】この柱梁接合部が、梁112に直交して横
設される桁115を有しない場合は、基準板136も補
強板137もなく、基板135のみで構成される接合金
具を用いることができる。
【0083】また、基板135の中央部分から補強板1
37が立設され、この補強板137に締付ボルト117
の締付を許容する開口窓140と抜け防止用の係止ピン
141(図12参照)を案内する係止孔142が形成さ
れる。開口窓140は締付ボルト117の突出を許容す
る一方、この開口窓140を通して締付ボルト117に
締付ナット154をねじ結合させて締め付けることがで
きる。
【0084】接合金具116には、基板135および補
強板137と互いにそれぞれ直交するように基準板13
6が設けられ、この基準板136にロケットピンとして
のガイドメンバ143が突設される。基準板136から
突出するガイドメンバ143は補強板137の両側に一
体接合されても、また補強板137の板表面から離間さ
せて突設してもよい。図12に示すようにガイドメンバ
143は接合金具116を桁115の端部下端に位置決
め固定可能に取り付けられ、桁115が接合金具116
からその軸方向(Y方向)に抜け落ちるのを防止してい
る。
【0085】一方、桁115の端部には、接合金具11
6を上方から挿入自在に取り付ける取付溝145が形成
される。取付溝145は基準板136、補強板137お
よびガイドメンバ143を密に嵌挿させる溝形状に形成
される一方、取付溝145は締付ボルト117の先端部
および座金やナットを収容可能な溝形状に形成される。
【0086】次に、上階の柱111を梁112に接合さ
せ、下階の柱113上に据え付ける手順および桁115
を据え付ける手順を説明する。
【0087】まず、図13に示すように、梁112を下
階の柱113上に据え付けるために、下階の柱113の
頭部には、継合金具114を挿嵌すべく予め適当な深さ
の継合金具取付孔146、およびこの柱の側面の適当な
高さの位置に、係止ピン用連通孔147を穿設してお
く。この係止ピン用連通孔147は直交する2つの側面
に穿設される。
【0088】また、梁112には、継合金具114を挿
嵌すべく、梁の上下面夫々に予め適当な深さの継合金具
取付孔146が穿設され、梁側面の適当な高さの位置に
は、締付ボルト117用ボルト孔が予め穿設され、この
梁の側面を貫通している。この締付ボルト117用ボル
ト孔は下階の柱113および上階の柱111の各々を係
止するために穿設される。
【0089】次に、下階の柱113の頭部にある取付孔
146に上から継合金具114を落とし込み、この取付
孔の底に当接させる。この下階の柱113の連通孔14
7から係止ピン141を挿入し、この係止ピン141を
継合金具114の係止ピン用係止孔142に連通させて
貫通係止してこの継合金具114と下階の柱113とを
固定する。
【0090】この下階の柱113の頭部から突出してい
る継合金具114の上部突出部に、梁112の底部に設
けられた取付孔146を被嵌して下階の柱113上に梁
112が横設された状態とし、接合金具116を梁11
2の側面に当接させて、この梁112の側方から締付ボ
ルト117を挿入し、この締付ボルト117を継合金具
114の係止孔142に貫通係止してこの上部突出部と
梁112とを固定し、下階の柱113と梁112とを締
着、緊結する。
【0091】しかして、図12に示したように、桁11
5の端部は接合金具116の上方から下りるようにZ方
向に移動され、桁115の取付溝145が接合金具11
6の補強板137にスライド挿入され、きつく嵌合せし
められる。その際、接合金具116が桁115の取付溝
145に滑らかに挿入できるように、潤滑剤が必要に応
じスプレ等で塗布される。
【0092】桁115の取付溝145に接合金具116
をスライド挿入して装着した後、桁115の連通孔14
6から係止ピン141をX方向に挿入させる。係止ピン
141,141は桁115に挿入された接合金具116
の係止孔142に挿通されて、接合金具116が固定さ
れる。係止ピン141,141の挿入により、桁115
はその端部下端に位置する接合金具116に一体的に装
着され、装着された桁115のX,Y,Z方向の抜け落
ちを確実にかつ未然に防止している。
【0093】続いて、梁112上にセットされ、固定さ
れた継合金具114に上階の柱111の下端部を上方か
ら移動させ、継合金具114に上階の柱111の取付孔
146を案内し、嵌挿させる。上階の柱111の取付孔
145を継合金具114に押し込んで挿入させた後、係
止ピン141を、柱の連通孔147と据付金具117の
係止孔142とを連通させた連通貫通孔に打設して上階
の柱111を梁112上に固定し、据え付ける。係止ピ
ン141の打設により、上階の柱111は例えば1mm
以内の精度で精度よく、梁112上に立設され、据え付
けられる。
【0094】また、上階の柱111を梁112上に立設
することにより、上階の柱111に作用する圧縮荷重や
曲げモーメントは、梁112を介して下階の柱113に
伝達され、最終的には建物基礎12に伝達される。地震
時の引抜き荷重は継合金具114、接合金具116およ
び締付ボルト117を経て下階の柱113で受け、最終
的には建物基礎12で受ける。
【0095】このため、上階の柱111は、梁112上
に据え付けられて接合され、この梁112で支持される
一方、柱締着機構118を介して下階の柱113に支持
させることができる。結果的に、上階の柱111は柱締
着機構118により下階の柱113を介して建物基礎1
2に強固に、精度よく据え付けることができ、建物の据
付強度や耐久性、構造安全性を大幅に向上させることが
できる。
【0096】さらに、図14に示すように、筋交い45
の取付金具44を、継合金具114を係止固定する締付
ボルト150を用いて柱111の脚部側面または柱11
3の頭部側面に締着させ、筋交い45をこの取付金具4
4に張着させれば、取付金具44を梁112から離間し
て締着固定することができる。これにより、従来型の筋
交い4を取付る筋交いプレート5を別途設置することな
く、より簡単明りょうな構造とすることができ、または
筋交い4と併用することで、より堅牢な構造とすること
も可能である。
【0097】
【発明の効果】本発明は、上述したようなホールダウン
金具を用いなくても柱の抜け止め強度が高く極めて秀れ
た耐震強度性を発揮し、且つ極めて簡易な構成で施工も
容易に行い得る画期的な土台または梁桁と柱との据付構
造および据付金具を提供することができる効果が得られ
る。
【0098】また、木造建築の柱を建物基礎に締着さ
せ、大きな引抜き耐力を柱に付与することができ、高い
構造安全性を有する建物の柱の据付構造および据付金具
を提供することができる効果が得られる。
【0099】さらに、前記土台や梁等の材料に事前に穿
設されたホゾ孔等を簡単かつ容易に埋めることができる
効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ホールダウン金物による建物の柱の据付構造を
示す図。
【図2】(A)は、ホールダウン金物を土台に締着させ
る建物の柱の据付構造を示す図、(B)は、ホールダウ
ン金物をアンカーボルトに直接締着させる柱の据付構造
を示す図。
【図3】(A)は、本発明に係る、建物の土台上に立設
される建物の柱の据付構造を示す図、(B)は、基礎プ
レートの平面図。
【図4】本発明に係る、柱締着機構(柱締着手段)の構
成を示す図。
【図5】(A)は、本発明に係る、継合金具の立面図、
(B)は、継合金具とスペーサとを一体形成させたもの
の立面図。
【図6】本発明に係る柱締着機構を用いて筋交いを張着
した状態を示す図。
【図7】本発明に係る、上階の柱の据付構造を示す図。
【図8】(A)は、本発明に係る、継合金具の立面図、
(B)は、継合金具とスペーサとを一体形成させたもの
の立面図。
【図9】本発明に係る、柱締着機構(柱締着手段)の構
成を示す図。
【図10】本発明に係る、柱締着機構(柱締着手段)の
スケルトン図。
【図11】本発明に係る、接合金具の構成を示す図。
【図12】桁と接合金具との取付け状態を示す図。
【図13】継合金具の柱・梁への取付け手順を示す図。
【図14】本発明に係る柱締着機構を用いて筋交いを張
着した状態を示す図。
【符号の説明】
1 ホールダウン金物 2 フラットボルト 3 両ネジボルト 4 筋交い 5 筋交いプレート 6 横架材 7 角座金 8 座金付ボルト 10 木造建築物 11 柱 12 建物基礎(布基礎) 13 アンカーボルト 14 土台 15 基礎プレート 16 間隙 17 継合金具 18 座付き締付ボルト 19 柱締着機構(柱締着手段、柱緊結手段) 21 取付用凹部 22 据付用凹部 23,24 ボルト挿通口 28 据付ナット 29 凹部 31 貫通口 33 ボルトヘッド 34 取付孔 35 連通孔 36 係止孔 37 係止ピン 38 雌ねじ部 39 ホゾ溝 40 スペーサ 41 土台側挿入部 42 柱側挿入部 43 締付ボルト 44 取付金具 45 筋交い 111 上階の柱 112 梁 113 下階の柱 114 継合金具 115 桁 116 接合金具 117 締付ボルト 118 柱締着機構(柱締着手段、柱緊結手段) 119 貫通口 135 基板(取付板) 136 基準板 137 補強板 138 挿通口 140 開口窓 141 係止ピン 142 係止孔 143 ガイドメンバ(ロケットピン) 142 係止孔 144 連通孔 145 取付溝 146 取付孔 147 連通孔 148,149 ボルト孔 150 締付ボルト 152 柱側挿入部 153 梁側挿入部 154 締付ナット 155 リブ 156 嵌合溝
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2E125 AA04 AA14 AA18 AA45 AB12 AC01 AC23 AG03 AG04 AG12 AG13 AG23 BB01 BB08 BB12 BB19 BB22 BB24 BB30 BC07 BC09 BD01 BE02 BE07 BE08 BF06 BF08 CA04 CA05 CA09 CA13 CA14 CA79 EA00 EA12 EB01 EB11

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 建物基礎上に土台を設置し、この土台に
    柱を立設した建物の柱の据付構造において、 前記建物基礎上に固定される基礎プレートと、 この基礎プレート上に前記土台を介して柱を締着させる
    柱締着機構とを備え、上記柱締着機構は基礎プレートか
    ら土台を貫通して柱脚部内に延びて固定される筒状また
    は棒状の継合金具を有することを特徴とする建物の柱の
    据付構造。
  2. 【請求項2】 前記基礎プレートは建物基礎に植設され
    たアンカーボルトに据付ナットで据付位置が調節可能に
    固定された請求項1記載の建物の柱の据付構造。
  3. 【請求項3】 前記柱締着機構は、 前記建物基礎と基礎プレートとに台座部が挟持された座
    付き締付ボルトと、 前記柱の柱脚部に挿嵌される柱側挿入部と、前記土台に
    挿嵌される土台側挿入部とを備えた筒状または棒状の継
    合金具とを備え、上記継合金具の柱側挿入部には、前記
    柱をこの継合金具に緊結するための係止ピン用係止孔
    が、上記継合金具の長軸と直交する方向に複数個離間し
    て穿設され、 土台側挿入部には、前記座付き締付ボルトにねじ結合可
    能なねじ部が形成された請求項1記載の建物の柱の据付
    構造。
  4. 【請求項4】 前記柱締着機構は、柱の脚部を介して締
    着される取付金具を有し、上記取付金具を土台から離間
    して締着固定する請求項1記載の建物の柱の据付構造。
  5. 【請求項5】 前記土台の上面の、柱底面に当接する部
    分に彫られたホゾ溝を、このホゾ溝に嵌合する形に形成
    されたスペーサを用いて充填し、このスペーサは前記継
    合金具を貫通させる挿通口を有する請求項1記載の建物
    の柱の据付構造。
  6. 【請求項6】 前記柱締着機構の継合金具が、前記スペ
    ーサと一体に形成されたものである請求項1記載の建物
    の柱の据付構造。
  7. 【請求項7】 建物の柱頭部に梁を横設し、この梁上に
    上階の柱を立設した建物の柱の据付構造において、 前記柱と梁との接合部内に埋設され、前記柱と梁とを連
    通させる筒状または棒状の継合金具と、 前記梁の両側面に、対向して一対当接された接合金具と
    を備え、上記継合金具と一対の接合金具とを一体的に結
    合固定させる柱締着機構を構成し、上階の柱の脚部を前
    記梁を介して下階の柱頭に緊結させ、据え付けたことを
    特徴とする建物の柱の据付構造。
  8. 【請求項8】 前記継合金具は、前記柱に挿嵌される柱
    側挿入部と、前記梁に挿嵌される梁側挿入部とを備え、
    上記継合金具の柱側挿入部には、前記柱をこの据付金具
    に緊結するための係止ピン用係止孔が、上記継合金具の
    長軸と直交する方向に複数個離間して穿設され、 梁側挿入部には、前記梁をこの継合金具に緊結するため
    の係止ピン用係止孔が、前記柱側挿入部に穿設された係
    止ピン用係止孔の一と平行に穿設された請求項7記載の
    建物の柱の据付構造。
  9. 【請求項9】 前記接合金具は、 前記梁側面に締着する締付ボルト用の孔を有する基板
    と、 この基板に直交し、ガイドメンバが突設され、桁下面に
    位置して桁を支保する基準板と、 前記梁に直交して横設される桁を緊結するための係止ピ
    ン用係止孔を有し、前記基板および前記基準板の双方に
    直交する補強板とを有する請求項7記載の建物の柱の据
    付構造。
  10. 【請求項10】 前記柱締着機構は、柱の側面を介して
    締着される取付金具を有し、上記取付金具を柱梁接合部
    から離間して締着固定する請求項7記載の建物の柱の据
    付構造。
  11. 【請求項11】 前記梁の上面または下面の、柱断面に
    当接する部分に彫られたホゾ溝を、このホゾ溝に嵌合す
    る形に形成されたスペーサを用いて充填し、このスペー
    サは前記継合金具を貫通させる挿通口を有する請求項7
    記載の建物の柱の据付構造。
  12. 【請求項12】 前記柱締着機構の継合金具が、前記ス
    ペーサと一体に形成されたものである請求項7記載の建
    物の柱の据付構造。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010077644A (ja) * 2008-09-25 2010-04-08 Porasu Kurashi Kagaku Kenkyusho:Kk 木質構造部材の接合構造
JP2018184743A (ja) * 2017-04-25 2018-11-22 ニットウウッドサプライ合同会社 鉄骨柱と梁の接合構造および木造建築物

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