JP2003278196A - スパウトの製造方法およびスパウト - Google Patents

スパウトの製造方法およびスパウト

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JP2003278196A
JP2003278196A JP2002078228A JP2002078228A JP2003278196A JP 2003278196 A JP2003278196 A JP 2003278196A JP 2002078228 A JP2002078228 A JP 2002078228A JP 2002078228 A JP2002078228 A JP 2002078228A JP 2003278196 A JP2003278196 A JP 2003278196A
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pipe
spout
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resin
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JP2002078228A
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Toshiro Miwa
敏郎 三輪
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Toto Ltd
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Toto Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 デザイン自由度があり、ボリューム感があ
り、バルジングや鋳造に比べて製造コストが低く、使用
者に安っぽいイメージを与えないスパウトの製造方法な
らびにスパウトを提供する。 【解決手段】 樹脂にて成形されたクランク状のパイプ
の両端部に給水口と吐水口を設け、この給水口と吐水口
とを連通する通水路をパイプ本体部に形成し、かつこの
パイプ本体部のの一端部に開口を形成するとともに、こ
の開口に塞ぎ蓋を組み付けて、さらに、塞ぎ蓋を組み付
けたパイプを金型内にインサート保持し、樹脂を金型内
に充てんして、パイプ組立体の外表面を樹脂層で被覆
し、スパウトを一体成形することを特徴とするスパウト
の製造方法とした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水栓の吐出口を形
成するスパウトに関するものである。
【0002】
【従来の技術】水栓の吐出口を形成するスパウトとし
て、従来、以下のものが知られている。 (1)図9に示すように、曲げ加工された金属パイプに
より構成された、安価なスパウト。 (2)図10に示すように、バルジングにより部分的に
膨出加工された金属パイプと金属パイプの一端に組み付
けられた樹脂製の吐水部とにより構成された、ボリュー
ム感のあるスパウト。 (3)図11に示すように、鋳造された、ボリューム感
とデザイン自由度とがあるスパウト。 (4)図12に示すように、金属パイプを2分割した樹
脂製カバーで覆った、ボリューム感のある安価なスパウ
ト。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】図9のスパウトにはデ
ザイン自由度が無く、ボリューム感が無いという問題が
あり、図10、11のスパウトには製造コストが高いと
いう問題があり、図12のスパウトにはカバーの継ぎ目
が見えるので美観が劣り、また樹脂製カバーと金属パイ
プとの間に隙間があり叩くと金属パイプの重い打音とは
異なる樹脂特有の軽い打音が発生するので、使用者に安
っぽいイメージを与えるという問題がある。本発明は上
記問題に鑑みてなされたものであり、デザイン自由度が
あり、ボリューム感があり、使用者に安っぽいイメージ
を与えないスパウトを、バルジングや鋳造に比べて低い
コストで製造する方法を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明の請求項1においては、樹脂にて成形された
クランク状のパイプの両端部に給水口と吐水口を設け、
この給水口と吐水口とを連通する通水路をパイプ本体部
に形成し、かつこのパイプ本体部のの一端部に開口を形
成するとともに、この開口に塞ぎ蓋を組み付けて、さら
に、塞ぎ蓋を組み付けたパイプを金型内にインサート保
持し、樹脂を金型内に充てんして、パイプ組立体の外表
面を樹脂層で被覆し、スパウトを一体成形することを特
徴とするスパウトの製造方法とした。これにより、デザ
イン自由度があり、ボリューム感があり、使用者に安っ
ぽいイメージを与えないスパウトを、バルジングや鋳造
に比べて低いコストで製造することができる。特に、通
水路を形成するパイプを樹脂製としているため、バルジ
ングや鋳造に比べて安価にスパウトを提供することがで
きる。
【0005】本発明の請求項2においては、パイプがフ
ィラー強化PSU製であることを特徴とする請求項1に
記載のスパウトの製造方法とした。これにより、パイプ
の剛性が高まり、外側の樹脂層を成形する際、樹脂圧に
よってパイプが変形したり、つぶれたりするするのを防
ぐことが出来る。さらに、PSUは洗剤等の薬品に対し
て耐薬品性が高い。
【0006】本発明の請求項3においては、パイプがフ
ィラー強化PP製であることを特徴とする請求項1に記
載のスパウトの製造方法とした。これにより、パイプの
剛性が高まり、外側の樹脂層を成形する際、樹脂圧によ
ってパイプが変形したり、つぶれたりするするのを防ぐ
ことが出来る。さらに、PPは洗剤等の薬品に対して耐
薬品性が高い。
【0007】本発明の請求項4においては、樹脂層をメ
ッキ可能な樹脂で形成し、この樹脂層の表面にメッキ層
を形成することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか
1項に記載のスパウトの製造方法とした。これにより、
装飾的な光沢、美しい色調、耐磨耗性等をスパウト表面
に付与することができる。
【0008】本発明の請求項5においては、パイプはフ
ィラー強化PSU製であり、樹脂層はABS、PC/A
BSの何れか1つにより構成されていて、この樹脂層の
表面にメッキ層を形成することを特徴とする請求項1に
記載のスパウトの製造方法とした。これにより、AB
S、PC/ABSはメッキ可能な樹脂であるが、PSU
はABS及びPC/ABSのメッキ工程においてはメッ
キが付着しないため、スパウトをメッキする際に、通水
路にメッキが付着しないようにスパウトの両端に塞ぎ栓
をしたり、通水路にマスキング剤を塗布したりなどのマ
スキングをする必要がない。さらに、PSUは洗剤等の
薬品に対して耐薬品性が高い。また、PSUは樹脂層の
構成素材として使用可能なABS及びPC/ABSとの
相性が良く、成形時の密着性に優れ接合部に隙間を形成
しない。
【0009】本発明の請求項6においては、パイプは極
性を付与していないフィラー強化PP製であり、樹脂層
は極性を付与しているPPにより構成されていて、この
樹脂層の表面にメッキ層を形成することを特徴とする請
求項1に記載のスパウトの製造方法とした。これによ
り、極性を付与されたPPはメッキが可能な樹脂である
が、極性を付与されていないフィラー強化PPはPPの
メッキ工程においてはメッキが付着しないため、スパウ
トにメッキする際に、通水路にマスキングをする必要が
ない。さらに、PPは洗剤等の薬品に対して耐薬品性が
高い。
【0010】本発明の請求項7においては、パイプの給
水口側の端部にメタル部材をインサート成形により一体
成形したことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1
項に記載のスパウトの製造方法とした。これにより、ス
パウトの先端に荷重をかけられた時に、スパウトが給水
口側の根元から折損するおそれがなく、強度の強いスパ
ウトが提供できる。
【0011】本発明の請求項8においては、パイプの給
水口側の端部内径側にメタル部材を後挿入し、強度補強
したことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に
記載のスパウトの製造方法とした。これにより、スパウ
トの先端に荷重をかけられた時に、スパウトが給水口側
の根元から折損するおそれがなく、強度の強いスパウト
が提供できる。さらに、メッキ工程前にメタル部材が一
体成形されている場合は、メタル部材にメッキが付着し
ないようにマスキングが必要になるため、メッキ工程に
かかる費用が高くなる。メッキ工程後にメタル部材を挿
入することにより、コストもより安く、強度補強も実現
したスパウトが提供できる。
【0012】本発明の請求項9においては、樹脂にて成
形されたクランク状のパイプの両端部に給水口と吐水口
を設け、この給水口と吐水口とを連通する通水路をパイ
プ本体部に形成し、かつこのパイプ本体部のの一端部に
開口を形成するとともに、この開口に塞ぎ蓋を組み付け
て、さらにこの塞ぎ蓋を組み付けたパイプの外表面を樹
脂層で被覆し、スパウトを一体成形したことを特徴とす
るスパウトとした。これにより、デザイン自由度があ
り、ボリューム感があり、使用者に安っぽいイメージを
与えないスパウトを、バルジングや鋳造に比べて低いコ
ストで製造することができる。特に、通水路を形成する
パイプを樹脂製としているため、バルジングや鋳造に比
べて安価にスパウトを提供することができる。
【0013】本発明の請求項10においては、パイプが
フィラー強化PSU製であることを特徴とする請求項9
に記載のスパウトとした。これにより、パイプの剛性が
高まり、外側の樹脂層を成形する際、樹脂圧によってパ
イプが変形したり、つぶれたりするするのを防ぐことが
出来る。さらに、PSUは洗剤等の薬品に対して耐薬品
性が高い。
【0014】本発明の請求項11においては、パイプが
フィラー強化PP製であることを特徴とする請求項9に
記載のスパウトとした。これにより、パイプの剛性が高
まり、外側の樹脂層を成形する際、樹脂圧によってパイ
プが変形したり、つぶれたりするするのを防ぐことが出
来る。さらに、PPは洗剤等の薬品に対して耐薬品性が
高い。
【0015】本発明の請求項12においては、樹脂層を
メッキ可能な樹脂で形成し、この樹脂層の表面にメッキ
層を形成することを特徴とする請求項10または11に
記載のスパウトとした。これにより、装飾的な光沢、美
しい色調、耐磨耗性等をスパウト表面に付与することが
できる。
【0016】本発明の請求項13においては、パイプは
フィラー強化PSU製であり、樹脂層はABS、PC/
ABSの何れか1つにより構成されていて、この樹脂層
の表面にメッキ層を形成することを特徴とする請求項9
に記載のスパウトとした。これにより、ABS、PC/
ABSはメッキ可能な樹脂であるが、PSUはABS及
びPC/ABSのメッキ工程においてはメッキが付着し
ないため、スパウトをメッキする際に、通水路にメッキ
が付着しないようにスパウトの両端に塞ぎ栓をしたり、
通水路にマスキング剤を塗布したりなどのマスキングを
する必要がない。さらに、PSUは洗剤等の薬品に対し
て耐薬品性が高い。また、PSUは樹脂層の構成素材と
して使用可能なABS及びPC/ABSとの相性が良
く、成形時の密着性に優れ接合部に隙間を形成しない。
【0017】本発明の請求項14においては、パイプは
極性を付与していないフィラー強化PP製であり、樹脂
層は極性を付与しているPPにより構成されていて、こ
の樹脂層の表面にメッキ層を形成することを特徴とする
請求項9に記載のスパウトとした。これにより、極性を
付与されたPPはメッキが可能な樹脂であるが、極性を
付与されていないフィラー強化PPはPPのメッキ工程
においてはメッキが付着しないため、スパウトにメッキ
する際に、通水路にマスキングをする必要がない。さら
に、PPは洗剤等の薬品に対して耐薬品性が高い。
【0018】本発明の請求項15においては、パイプの
給水口側の端部にメタル部材をインサート成形により一
体成形したことを特徴とする請求項9乃至14のいずれ
か1項に記載のスパウトとした。これにより、スパウト
の先端に荷重をかけられた時に、スパウトが給水口側の
根元から折損するおそれがなく、強度の強いスパウトが
提供できる。
【0019】本発明の請求項16においては、パイプの
給水口側の端部内径側にメタル部材を後挿入し、強度補
強したことを特徴とする請求項9乃至14のいずれか1
項に記載のスパウトとした。これにより、スパウトの先
端に荷重をかけられた時に、スパウトが給水口側の根元
から折損するおそれがなく、強度の強いスパウトが提供
できる。さらに、メッキ工程前にメタル部材が一体成形
されている場合は、メタル部材にメッキが付着しないよ
うにマスキングが必要になるため、メッキ工程にかかる
費用が高くなる。メッキ工程後にメタル部材を挿入する
ことにより、コストもより安く、強度補強も実現したス
パウトが提供できる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下に本発明の具体的な実施の形
態を図に基づき説明する。本発明の第1実施例に係るス
パウトとその製造方法とを説明する。図1は、本発明の
スパウトを示す。本発明のスパウトは、通水路を形成す
るパイプと、外観性を高める樹脂層から主に形成されて
いる。パイプ1は、樹脂にて成形されており、クランク
状となっている。そして、パイプ本体部に通水路15を
形成し、この通水路15はクランク状のパイプ1の両端
部に形成した給水口12と吐水口13とを連通してい
る。また、このパイプ本体部の通水路15の一端部に開
口を形成するとともに、この開口に塞ぎ蓋2を組み付け
て給水口12から吐水口13に湯水を通水可能としてい
る。
【0021】そしてこのパイプ1に外観性を高める樹脂
層6を形成する。まず、塞ぎ蓋2を組み付けたパイプ1
を金型内にインサート保持する。つぎに、樹脂を金型内
に充てんして、パイプ組立体の外表面を樹脂層6で被覆
して一体成形するのである。
【0022】また、給水口側の端部は水栓本体に取り付
けられて使用されることが多く、スパウト7の先端に荷
重をかけられた場合、この給水口側の端部にその荷重が
かかってしまう。しかしながら、この給水口側の端部に
メタル部材3を設けることで、スパウト7の先端に荷重
をかけられた時に、スパウト7が根元から折損するおそ
れがなく、強度の強いスパウト7が安価に提供できるの
である。このメタル部材3は、図3に示すように、SU
S鋼又は銅合金の管材を加工して形成する。
【0023】では、次に、パイプ1の成形方法について
説明する。図4に示すように、SUS鋼又は銅合金の管
材を加工したメタル部材3を金型4の固定ブロック4a
にインサート保持し、金型4の凹部4bにガラス繊維等
のフィラーで強化されたPSU(ポリサルフォン)、P
P(ポリプロピレン)などの樹脂材料を充てんし、パイ
プ1を形成する。パイプ1は、スライドコア4c、4
d、4eにより通水路15には樹脂が充てんされないた
め、パイプ本体部に通水路15を形成し、この通水路1
5はクランク状のパイプ1の両端部に形成した給水口1
2と吐水口13とを連通している。また、このパイプ本
体部の通水路15の一端部に開口を形成している。
【0024】次に、図4で示す金型により成形されたパ
イプ1(図2)に樹脂層6を形成する製造方法を説明す
る。図5に示すように、塞ぎ蓋2を組み付けたパイプ1
を金型5の凹部5aにインサートし、金型5のスライド
コア5b、5cでパイプ1と塞ぎ蓋2とを保持し、金型
5凹部5aにABS(アクリル二トリル−ブタジエン−
スチレン樹脂)、PC/ABS(ポリカーボネート/ア
クリル二トリル−ブタジエン−スチレン樹脂)、PP
(ポリプロピレン樹脂)等のメッキ可能な樹脂材料を充
てんして、パイプ1の外表面と塞ぎ蓋2の外表面の一部
とにメッキ可能な樹脂層6を形成する。型開きし、パイ
プ1の外表面と塞ぎ蓋2の外表面の一部とをメッキ可能
な樹脂層6で被覆した、一体成形されたスパウト7を金
型5から取り出す。なお、パイプ1にフィラー強化材を
使用することにより、パイプ1の剛性が未強化材に比べ
て2倍程度強くなるため、外側の樹脂層6を成形する
際、樹脂圧によってパイプ1が変形したり、つぶれたり
するするのを防ぐことが出来る。
【0025】次にこのスパウト7の樹脂層6の表面にメ
ッキを施す方法を説明する。ここでは、ABS、PC/
ABSで樹脂層6を形成した場合のメッキ工程を詳述す
るが、他も材料の場合も同様に行う。 (1)エッチング クロム酸、硫酸系の混液にスパウト7を浸漬し、樹脂層
6を形成するABS樹脂中のポリブタジエン粒子を溶出
させ、図8(a)に示すように、樹脂層6表面にアンカ
ーバターン6aを形成する。 (2)センシタイザー処理 塩化第一スズと濃硫酸とを含む浴液にスパウト7を浸漬
し、図8(b)に示すように、樹脂層6表面に、吸着力
の強い、還元力のある金属を付与する。 (3)水洗 図8(c)に示すように、常温水で3〜4回スパウト7
を水洗する。 (4)アクチベーター処理 塩化パラジウムと濃塩酸とを含む浴液にスパウト7を浸
漬し、図8(d)に示すように、樹脂層6表面に、化学
メッキ(無電解メッキ)浴中の銅イオンの化学反応(還
元反応)を促進するための触媒金属であるパラジウムを
付与する。 (5)化学メッキ処理 化学メッキ浴液にスパウト7を浸漬し、化学メッキ浴液
中の銅イオンを還元して銅を析出させ、図8(e)に示
すように、樹脂層6表面に膜厚0.5〜0.7μmの銅
皮膜を形成する。(1)〜(5)により、樹脂層6表面
に導電性が付与されると共に樹脂層6表面にアンカーパ
ターン6aが形成される。 (6)電気メッキ処理 硫酸銅と硫酸とを含む浴液を用いて銅メッキを行い、図
8(f)に示すように、樹脂層6表面に膜厚約20μm
の下地の銅皮膜を形成する。硫酸ニッケルと塩化ニッケ
ルとホウ酸とを含む浴液を用いてニッケルメッキを行
い、図8(f)に示すように、銅皮膜上に膜厚約10μ
mのニッケル皮膜を形成する。下地の銅皮膜が防錆され
ると共にクロムメッキされ易い表面が形成される。無水
クロム酸と硫酸とを含む浴液を用いてクロムメッキを行
い、図8(f)に示すように、ニッケル皮膜上に膜厚約
0.2μmのクロム皮膜を形成する。装飾的な光沢と、
クロム特有の美しい色調と、耐磨耗性とを備える表面が
形成される。樹脂層6表面に形成されたアンカーパター
ン6aにより、下地の銅皮膜が樹脂層6に強固に係留さ
れ、剥がれ難いメッキ層が得られる。
【0026】なお、パイプ1がフィラー強化PSU製で
形成し、樹脂層6にABS、PC/ABSとするとよ
い。この場合、ABS、PC/ABSはメッキ可能な樹
脂であるが、PSUはABS及びPC/ABSのメッキ
工程においてはメッキが付着しないため、スパウトをメ
ッキする際に、通水路15にメッキが付着しないように
スパウトの両端に塞ぎ栓をしたり、通水路15にマスキ
ング剤を塗布したりなどのマスキングをする必要がな
い。さらに、PSUは洗剤等の薬品に対して耐薬品性が
高い。また、PSUは樹脂層6の構成素材として使用可
能なABS及びPC/ABSとの相性が良く、成形時の
密着性に優れ接合部に隙間を形成しない。
【0027】また、パイプ1が極性を付与されていない
フィラー強化PP製で形成する場合は、樹脂層6には極
性を付与されたメッキ可能なPPで構成するとよい。こ
の場合、極性を付与されたPPはメッキが可能な樹脂で
あるが、極性を付与されていないフィラー強化PPはP
Pのメッキ工程においてはメッキが付着しないため、ス
パウトにメッキする際に、通水路15にマスキングをす
る必要がない。さらに、PPは洗剤等の薬品に対して耐
薬品性が高い。
【0028】次に本発明の第2実施例に係るスパウトの
製造方法を説明する。この第2実施例のスパウトは、S
US又は銅合金製の長さ27mm程度の管材であるメタ
ル部材3Aを樹脂層10の表面にメッキを施した後に給
水口12の端部内径側に挿入して強度補強を行う。本実
施例では、メッキ処理後に管材であるメタル部材3Aを
挿入し、強度補強を行うため、マスキングを必要とせず
に、コストのより安い、強度の強いスパウト11が実現
出来る。本実施例に係るスパウト11ならびにスパウト
11の製造方法においても、デザインの自由度があり、
ボリューム感があり、使用者に安っぽいイメージを与え
ないスパウト11を、バルジングや鋳造に比べて低いコ
ストで製造することができる。なお、第1実施例の構成
と同じ部分については説明を省略した。
【0029】
【発明の効果】上記説明から分かるように、本実施例に
係るスパウトの製造方法ならびにスパウトにおいては、
デザインの自由度があり、ボリューム感があり、使用者
に安っぽいイメージを与えないスパウトを、バルジング
や鋳造に比べて低いコストで製造することができる。ま
た、パイプの外表面に樹脂層を形成することにより、高
温の湯を通水した時のスパウト表面の高温化を樹脂層の
断熱作用によって抑制することができる。パイプと塞ぎ
蓋をフィラー強化PSU製とし、樹脂層をABS、PC
/ABSで構成し、樹脂層にメッキ処理を施すことによ
り、重量感があり、光沢と美しい色調と耐磨耗性とを備
え、メッキが剥がれ難く、またパイプの一端にメタル部
材を一体成形しているため、スパウトの先端に荷重をか
けられた時に、折損するおそれのない強度の強いスパウ
トが得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に係るスパウトを構成する
インサート成形により得られたスパウトの構造図であ
る。
【図2】本発明の第1実施例に係るスパウトを構成する
パイプの構造図である。
【図3】本発明の第1実施例に係るスパウトを構成する
メタル部材の断面図である。
【図4】本発明の第1実施例に係るスパウトを構成する
パイプの製造方法の説明図である。
【図5】本発明の第1実施例に係るスパウトの製造方法
の説明図である。
【図6】本発明の第2実施例に係るスパウトを構成する
インサート成形により得られたスパウトの構造図であ
る。
【図7】本発明の第2実施例に係るスパウトを構成する
パイプの構造図である。
【図8】メッキ処理工程の説明図である。
【図9】従来のスパウトの斜視図である。
【図10】従来のスパウトの構造図である。(a)は側
断面図であり、(b)は(a)のb−b矢視図である。
【図11】従来のスパウトの構造図である。(a)は側
断面図であり、(b)は(a)のb−b矢視図である。
【図12】従来のスパウトの側面図である。
【符号の説明】
1、8 パイプ 2、9 塞ぎ蓋 3、3A メタル部材 4、5 金型 6、10 樹脂層 6a アンカーパターン 7、11 スパウト 12 給水口 13 吐水口
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B29K 105:20 B29K 105:20 623:00 623:00 681:00 681:00 B29L 23:00 B29L 23:00

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 樹脂にて成形されたクランク状のパイプ
    の両端部に給水口と吐水口を設け、この給水口と吐水口
    とを連通する通水路をパイプ本体部に形成し、かつこの
    パイプ本体部のの一端部に開口を形成するとともに、こ
    の開口に塞ぎ蓋を組み付けて、 さらに、塞ぎ蓋を組み付けたパイプを金型内にインサー
    ト保持し、樹脂を金型内に充てんして、パイプ組立体の
    外表面を樹脂層で被覆し、スパウトを一体成形すること
    を特徴とするスパウトの製造方法。
  2. 【請求項2】 パイプがフィラー強化PSU製であるこ
    とを特徴とする請求項1に記載のスパウトの製造方法。
  3. 【請求項3】 パイプがフィラー強化PP製であること
    を特徴とする請求項1に記載のスパウトの製造方法。
  4. 【請求項4】 樹脂層をメッキ可能な樹脂で形成し、こ
    の樹脂層の表面にメッキ層を形成することを特徴とする
    請求項1乃至3のいずれか1項に記載のスパウトの製造
    方法。
  5. 【請求項5】 パイプはフィラー強化PSU製であり、
    樹脂層はABS、PC/ABSの何れか1つにより構成
    されていて、この樹脂層の表面にメッキ層を形成するこ
    とを特徴とする請求項1に記載のスパウトの製造方法。
  6. 【請求項6】 パイプは極性を付与していないフィラー
    強化PP製であり、樹脂層は極性を付与しているPPに
    より構成されていて、この樹脂層の表面にメッキ層を形
    成することを特徴とする請求項1に記載のスパウトの製
    造方法。
  7. 【請求項7】 パイプの給水口側の端部にメタル部材を
    インサート成形により一体成形したことを特徴とする請
    求項1乃至6のいずれか1項に記載のスパウトの製造方
    法。
  8. 【請求項8】 パイプの給水口側の端部内径側にメタル
    部材を後挿入し、強度補強したことを特徴とする請求項
    1乃至6のいずれか1項に記載のスパウトの製造方法。
  9. 【請求項9】 樹脂にて成形されたクランク状のパイプ
    の両端部に給水口と吐水口を設け、この給水口と吐水口
    とを連通する通水路をパイプ本体部に形成し、かつこの
    パイプ本体部のの一端部に開口を形成するとともに、こ
    の開口に塞ぎ蓋を組み付けて、 さらにこの塞ぎ蓋を組み付けたパイプの外表面を樹脂層
    で被覆し、スパウトを一体成形したことを特徴とするス
    パウト。
  10. 【請求項10】 パイプがフィラー強化PSU製である
    ことを特徴とする請求項9に記載のスパウト。
  11. 【請求項11】 パイプがフィラー強化PP製であるこ
    とを特徴とする請求項9に記載のスパウト。
  12. 【請求項12】 樹脂層をメッキ可能な樹脂で形成し、
    この樹脂層の表面にメッキ層を形成することを特徴とす
    る請求項10または11に記載のスパウト。
  13. 【請求項13】 パイプはフィラー強化PSU製であ
    り、樹脂層はABS、PC/ABSの何れか1つにより
    構成されていて、この樹脂層の表面にメッキ層を形成す
    ることを特徴とする請求項9に記載のスパウト。
  14. 【請求項14】 パイプは極性を付与していないフィラ
    ー強化PP製であり、樹脂層は極性を付与しているPP
    により構成されていて、この樹脂層の表面にメッキ層を
    形成することを特徴とする請求項9に記載のスパウト。
  15. 【請求項15】 パイプの給水口側の端部にメタル部材
    をインサート成形により一体成形したことを特徴とする
    請求項9乃至14のいずれか1項に記載のスパウト。
  16. 【請求項16】 パイプの給水口側の端部内径側にメタ
    ル部材を後挿入し、強度補強したことを特徴とする請求
    項9乃至14のいずれか1項に記載のスパウト。
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