JP2003278090A - 製紙機械用ベルト - Google Patents

製紙機械用ベルト

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JP2003278090A JP2002074676A JP2002074676A JP2003278090A JP 2003278090 A JP2003278090 A JP 2003278090A JP 2002074676 A JP2002074676 A JP 2002074676A JP 2002074676 A JP2002074676 A JP 2002074676A JP 2003278090 A JP2003278090 A JP 2003278090A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高抄速・広幅の製紙機械にも適用が可能な優
れた形態保持特性、寸法安定性および走行安定性を備え
ると共に、湿熱を含む熱劣化および摩耗損傷に対する耐
性を有する構造を備え、長使用寿命の抄紙用ドライヤー
カンバスを含む製紙機械用ベルトを提供する。 【構成】 少なくとも表面層41および裏面層42と、
第1経糸53、54、55、56と、第2経糸57、5
8、59、60と、第1の緯糸61と、第2の緯糸62
と、第3の緯糸63とからなり、前記第1の経糸53、
55が、第1層および第3層の緯糸61、63を織り込
み、前記第1の経糸54、56が、第2層および第3層
の緯糸62、63を織り込み、前記第2の経糸57、5
8、59、60が第3層の緯糸63だけを織り込み、前
記第1経糸53〜56のうち、第1の経糸53と54、
第1の経糸55と56が、厚さ方向に重なる対を形成し
た。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明に属する技術分野】本発明は経糸および緯糸を用
いて織成された製紙機械用のベルトであって、製紙機械
において抄紙機の乾燥部で使用される抄紙用ドライヤー
カンバスおよび製紙機械において湿紙もしくはシートの
搬送などに用いられる製紙機械用のベルトに関する。
【0002】以下、特に断りのない限り、「製紙機械用
ベルト」とは抄紙用ドライヤーカンバスを含む製紙機械
用途のベルトを言う。
【0003】
【従来の技術】以下、主に抄紙用ドライヤーカンバスに
ついて説明するが、それにより、その他製紙機械で使用
されるベルトについてもその作用・効果が理解でき、適
用が可能となる。
【0004】抄紙用ドライヤーカンバスは、寸法安定
性、耐熱性、耐摩耗性、抗張力性および耐薬品性に優れ
たポリエステルモノフィラメントよりなるものが一般的
である。また、ドライヤーカンバスの長手方向(経糸方
向)の両端部に設ける継手部を、経糸を折返した接合用
ループにて作成する所謂ワープループ継手が多用される
が、この場合にも上記性能を有するモノフィラメント、
特にポリエステルモノフィラメントの経糸が適してい
る。
【0005】近年の抄紙機の高生産性や高抄速化の傾向
に伴い、ドライヤーカンバスの使用条件も一層厳しくな
ると共に、従来にも増して使用寿命の長いことが要求さ
れるようになってきた。このカンバスの長寿命化のため
に、耐摩耗性を向上させることが重要な要件の一つにな
ってきている。近年の省資源や原料コストの低減の要求
に応じた古紙原料使用率の増加に伴う添料の変化や増加
傾向も、耐摩耗性向上の必要性に影響を与えている。
【0006】また、抄紙機の一方の側(例えば上部)だ
けに配設されたドライヤーカンバスに湿紙が帯同されて
走行する、所謂シングルラン方式や、ドライヤーシリン
ダーを抄紙機の上部もしくは下部の一方の側に単列配置
した、所謂単列ドライヤー方式などの構成による高抄
速、広幅の抄紙機が多く使用されており、この場合、ド
ライヤーカンバスは通気度を低めに、厚さは薄いことが
好ましい。また、抄紙機の高抄速化、広幅化の傾向に対
応するためにドライヤーカンバスは使用時の寸法変化や
変形が極めて少なく、形態保持性、寸法安定性に優れ蛇
行・斜行のない安定した走行性を示すことが従来に増し
て要求されている。
【0007】ポリエステルモノフィラメントは寸法安定
性や耐熱性、耐摩耗性、抗張力性に優れているが、近年
の抄紙機で要求される高度な条件に合致したカンバスと
するためには、糸自身の性能の向上だけでは対応が困難
であり、ドライヤーカンバスの織組織で工夫することが
必要になってきた。
【0008】カンバスの織組織を工夫したものとして、
特表平10−505138号公報で提案されている抄紙
機械布ベルトの織組織がある。この公報に記載の織組織
は、図12に示されたものである。
【0009】この特表平10−505138号公報に
は、経糸に、望ましくは断面形状が扁平な糸を使用し、
緯糸は大、小2種類のサイズの糸をその層内で交互に、
かつ上下に重ねて配置し、図12に示すような織組織と
し、小さい緯糸に織り込まれた経糸のナックルが表面に
出ないような表・裏二層の構造とし、かつ、耐熱性、耐
摩耗性と耐加水分解性を有する糸を使用すること、およ
びその結果、使用寿命を長くできる効果のあることが記
載されている。
【0010】しかしながら、経糸が抄紙機械布ベルトの
表面または裏面のいずれかを規定する構造であり、ベル
ト表面または裏面のいずれかの経糸が熱および摩耗によ
る劣化を直接に受けることにより、ベルトの使用寿命に
影響することが考えられる。また経糸をベルト端部で折
返して接合用ループを形成させ織り戻すワープループ継
手や、折返す経糸でスパイラル線を係止するスパイラル
継手等の継手部をベルト端部に具備する場合、接合用ル
ープを形成する経糸、または、スパイラル線を係止する
経糸を、抄紙機械布ベルトの表面または裏面のいずれか
一方の面での熱や摩耗による劣化が回避された表面また
は裏面を規定する経糸で形成するとしても、その経糸の
端部を、接合用ループを形成またはスパイラル線を係止
した後に抄紙機械布ベルトの元の組織に再度織り戻す際
には、表面または裏面の他方を規定する隣接する経糸、
すなわち表面または裏面のいずれかの一方の同じ面での
熱や摩耗による劣化の回避が必ずしも期待できない表面
または裏面の他方の面を規定する経糸のコースに織り戻
すことになるため、織り戻したその経糸の部分は熱や摩
擦による劣化を直接受けることになり、結果的にベルト
本体に比べて継手部の織組織が早期に劣化する可能性が
あり、接合用ループもしくはスパイラル線の係止を維持
するのが困難となる可能性を否定できない。
【0011】また、これとは別に特開平8−20958
0号公報に提案されている乾燥布の織組織がある。この
公報に記載の織組織は、図13〜図15に示されたもの
である。この公報には、製紙機布は、上面と下面を規定
する平坦な縦方向糸を含み、各々が平坦な縦方向糸に織
り込まれる2層の横方向糸を有し、うねり交差部の他の
縦方向糸は、2層の横方向糸と織られた2層を互いに結
び付け、これらのうねった縦方向糸のナックルは、平坦
な縦方向糸で規定されて平面に関して布の内側に存在す
ることが記載されている。その結果、熱や摩耗による劣
化をより受けにくく、平坦さによる縦方向糸の保護によ
り長い布寿命が得られる旨の効果が記載されている。
【0012】しかし、この織組織によれば、図15に示
す緯糸18’は、経糸26およびループ30を形成する
経糸の2本の経糸に織り込まれている。また、緯糸18
は、経糸26の下側およびループ30を形成する経糸の
上側に位置するが、図15によく示されているように、
それぞれの経糸は緯糸18を大きく捲回することなく交
錯しており、緯糸18を強く締め付けていないので、ま
た、緯糸のうち太い寸法の緯糸18は、クリンプがつき
難いと考えられるので、組織としては不安定で、用途に
よっては目ズレを起こすことが考えられ、寸法安定性が
良くないことも考えられる。さらに、通気度の高いもの
を得ようとすると、例えば緯糸の密度を小さくする必要
があるので、上記影響が大きく出てくることが考えられ
る。そのため、形態や寸法の安定性を満たしつつ、高い
通気度品を得るのが難しいことも予想される。従って、
通気度を広い範囲で調整することが難しいことになる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明においては、上
記従来の技術およびその問題点を勘案して、近年の高抄
速・広幅の製紙機械にも適用が可能な機能、すなわち優
れた形態保持特性、寸法安定性および走行の安定性を備
えると共に、湿熱を含む熱劣化および摩耗損傷に対する
耐性を有する構造を備え、従来にも増して使用寿命の延
長が見込める抄紙用ドライヤーカンバスを含む製紙機械
用ベルトを提供する。
【0014】より詳しくは、該ベルトの表面側および裏
面側からの熱負荷の影響および摩耗損傷を受ける状況下
にあっても、該ベルトが有する優れた形態保持性と寸法
安定性とが維持され、長期にわたり走行の安定性が確保
できる製紙機械用ベルトを提供する。
【0015】しかも併せて、抄紙用ドライヤーカンバス
において必要不可欠な湿紙との接触面の良好な平滑性、
ならびに、低い通気度範囲を含む広い通気度の調整範囲
が得られる製紙機械用ベルトとすることは勿論である。
さらには、ドライヤーシリンダーを一方の側に単列に配
置した、所謂、単列ドライヤー方式などの形式の抄紙機
における乾燥部にも適用可能な、低い通気度範囲と厚さ
寸法範囲を得ることを目指すものである。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記課題を達成するため
の手段について種々検討を重ねた結果、本発明に到達し
たものである。すなわち、
【0017】 合成繊維の経糸および緯糸を用いた織
成布からなる製紙機械用ベルトであって、該ベルトが少
なくとも表面層と裏面層を備え、表面層を形成する経糸
が少なくとも裏面層側からの熱劣化および摩耗損傷を受
け難く、かつ、裏面層を形成する経糸が少なくとも表面
層側からの熱劣化および摩耗損傷を受け難い織物構造を
有するものとする。
【0018】 上記表面層と裏面層とが、織成布を構
成する緯糸の一部であって、表面層側および裏面層側の
両方からの熱劣化および摩耗損傷が回避された前記緯糸
の一部を介して結合された該ベルトの織物構造とする。
それにより、表面層と裏面層の結合状態が、表面層側お
よび裏面層側の両方からの熱および摩耗による影響を受
け難く、結合状態を長期にわたって維持可能な織物構造
となる。
【0019】 織成布を構成する経糸の一部であっ
て、表面層側および裏面層側の両方からの熱劣化および
摩耗損傷が回避された前記経糸の一部が、前記表面層側
および裏面層側の両方からの熱劣化および摩耗損傷が回
避された前記緯糸の一部だけを強固に織り込んで、織成
布の表面および裏面から隔離された織成布の一部をなす
織物構造部分を有する織物構造とする。それにより、該
ベルトに優れた形態保持性、寸法安定性および走行安定
性を付与できると同時に、それら性能が、表面層側およ
び裏面層側の両方からの熱および摩耗による影響によっ
ても低下し難く、それら性能を長期にわたって維持可能
な織物構造となる。
【0020】 前記織成布の表面および裏面から隔離
された織成布の一部をなす織物構造部分を構成する経糸
が、該ベルトの長手方向(経糸方向)に作用する張力負
荷を直接負担することが可能な該ベルトの構造とする。
それにより、優れた走行安定性が、表面層側および裏面
層側の両方からの熱および摩耗の影響によっても低下せ
ず、該ベルトの安定した走行性能を長期にわたって維持
可能となる。
【0021】 少なくとも湿紙と接触する前記表面層
側表面への経糸の表出が均一かつ充分に確保された織物
構造とする。それにより、少なくとも前記表面層側表面
の良好な表面性を有し、抄紙用ドライヤーカンバスに求
められる高度な品質要求にも適用可能な製紙機械用ベル
トとする。
【0022】
【発明の実施形態】本発明の製紙機械用ベルトは、合成
繊維の経糸および緯糸を用いた織成布から成る製紙機械
用ベルトであって、表面層および裏面層を備え、経糸が
第1経糸および第2経糸、緯糸が第1層、第2層および
第3層の緯糸から成る。以下本発明の実施形態について
説明する。
【0023】図1は本発明の第1実施形態に係る製紙機
械用ベルト40の織物の縦断面概念図である。この実施
形態の織組織の製紙機械用ベルト40は、経糸が第1経
糸(例えば図1の場合、53,54,55,56)およ
び第2経糸(例えば図1の場合、57,58,59,6
0)、緯糸が第1層の緯糸61、第2層の緯糸62およ
び第3層の緯糸63から成る。第1経糸のうちの一部
(例えば図1における表面層側51の第1経糸53,5
5)が、連続する2本〜4本のいずれかの本数(図1の
場合2本)の第1層の緯糸61を表面層側51から織り
込み、次に1本または連続する2本(図1の場合1本)
の第3層の緯糸63を裏面層側52から織り込み、さら
に次の連続する2本〜4本のいずれかの本数(図1の場
合2本)の第1層の緯糸61を表面層側51から織り込
む繰り返しのパターンで、第1層および第3層の緯糸6
1,63を織り込んで表面層41を形成する。
【0024】また、第1経糸のうちの残部(例えば、図
1における裏面層側52の第1経糸54,56)が、連
続する2本〜4本のいずれかの本数(図1の場合2本)
の第2層の緯糸62を裏面層側52から織り込み、次に
1本または連続する2本(図1の場合1本)の第3層の
緯糸63を表面層側51から織り込み、さらに次の連続
する2本〜4本のいずれかの本数(図1の場合2本)の
第2層の緯糸62を裏面層側52から織り込む繰り返し
のパターンで、第2層の緯糸62および第3層の緯糸6
3を織り込んで裏面層42を形成する。
【0025】さらに、第2経糸(図1の場合、57,5
8,59,60)は第3層の緯糸63だけを織り込む。
【0026】さらにまた、表面層41を形成する第1経
糸(例えば図1における53,55)と裏面層42を形
成する第1経糸(例えば図1における54,56)が該
ベルトの厚さ方向に重なる第1経糸の対(図1の場合
は、第1経糸53と54、および第1経糸55と56が
対を形成)を形成する。
【0027】なお、図1では、前記第2経糸57,5
8,59,60は、第3層の緯糸63を平織組織に織り
込む例を示している。
【0028】図2は本発明の第2の実施形態に係る製紙
機械用ベルト70の織組織の縦断面概念図である。この
実施形態の織組織の製紙機械用ベルト70は、第1経糸
のうちの一部(例えば、図2における表面層側71の第
1経糸73,75)が、第1層の緯糸79および第3層
の緯糸81を織り込んで表面層41を形成する繰り返し
パターンは、例えば、図1で示した上記実施形態の織組
織と同じであり、また、第1経糸のうちの残部(例えば
図2におけ裏面層側72の第1経糸74,76)が第2
層の緯糸80および第3層の緯糸81を織り込んで裏面
層42を形成する繰り返しパターンも、例えば図1で示
した上記実施形態の織組織の場合と同じであり、第2経
糸(図2の場合、77,78)が第3層の緯糸81だけ
を織り込み、さらに表面層41を形成する第1経糸(例
えば、図2における73,75)と裏面層42を形成す
る第1経糸(たとえば、図2における74,76)が該
ベルトの厚さ方向に重なる第1経糸の対(図2の場合
は、第1経糸73と74,および第1経糸75と76が
対を形成)を形成する点も、例えば図1で示した上記の
実施形態の織組織と同じである。なお、図2では前記第
2経糸77,78が第3層の緯糸81を平織組織に織り
込む例を示している。
【0029】図3は本発明の第3の実施形態に係る製紙
機械用ベルト90の織組織の縦断面概念図である。この
実施形態の織組織の製紙機械用ベルト90は、図3に例
示したように、経糸が第1経糸93,94,95,9
6,97,98および第2経糸99,100,101,
102,103,104、緯糸が第1層の緯糸105、
第2層の緯糸106および第3層の緯糸107から成
る。第1経糸のうちの一部93,95,97が、連続す
る3本の第1層の緯糸105を表面層側91から織り込
み、次に1本の第3層の緯糸107を裏面層側92から
織り込み、さらに次の連続する3本の第1層の緯糸10
5を表面層側91から織り込む繰り返しのパターンで、
第1層および第3層の緯糸を織り込んで表面層41を形
成する。
【0030】また、第1経糸のうちの残部94,96,
98が、連続する3本の第2層の緯糸106を裏面層側
92から織り込み、次に1本の第3層の緯糸107を表
面層側91から織り込み、さらに次の連続する3本の第
2層の緯糸106を裏面層側92から織り込む繰り返し
のパターンで、第2層の緯糸106および第3層の緯糸
107を織り込んで裏面層42を形成する。
【0031】さらに、第2経糸99,100,101,
102,103,104は第3層の緯糸107だけを
(例えば、図3の例では平織組織)織り込んでいる。
【0032】さらには、表面層41を形成する第1経糸
93,95,97と裏面層42を形成する第1経糸9
4,96,98が該ベルトの厚さ方向に重なる対、すな
わち、経糸93と94、経糸95と96、経糸97と9
8の対を形成する。
【0033】上記本発明の第1〜第3実施形態の製紙機
械用ベルト40、70、90において、第1経糸のうち
の1部が、連続する2本〜4本のいずれかの本数の第1
層の緯糸を表面層から織り込み、次に第3層の緯糸を裏
面層側から織り込み、さらに次の連続する2本〜4本の
いずれかの本数の第1層の緯糸を表面層側から織り込む
繰り返しのパターンで、前記第1層および第3層の緯糸
を織り込んで表面層を形成し、同様に第1経糸の残部が
裏面層を形成する組織は、必要な表面層および裏面層の
表面平滑性と形態保持性を勘案して適宜選択できる。す
なわち、第1経糸が第1層の緯糸を表面層側から織り込
む本数、および第1経糸が第2層の緯糸を裏面層側から
織り込む本数は、少ないほど形態保持性に有利である
が、1本では必要な表面平滑性を得られない。また、5
本以上では必要な形態保持性が得難くなる。
【0034】また、上記の第1〜第3の各実施形態の製
紙機械用ベルト40、70、90では、第1経糸が連続
する2〜4本のいずれかの本数の緯糸を表面層側51、
71,91もしくは裏面層側52,72,92から織り
込んで、表面層側51,71,91および裏面層側5
2,72,92に第1経糸の長浮き(第1経糸の表出
部)を形成するため、製紙機械用ベルトの表面層側およ
び裏面層側の表面の平滑性や耐摩耗性に有利となる。
【0035】表面層41を形成する第1経糸と裏面層4
2を形成する第1経糸とが該ベルトの厚さ方向に重なる
構成により、裏面層42を形成する第1経糸は、例えば
表面層側51,71,91での熱や摩耗による劣化か
ら、および表面層41を形成する第1経糸は裏面層側5
2,72,92での熱や摩耗による劣化から保護される
ため、該ベルトの織組織全体としての劣化が抑制される
効果をもたらす。
【0036】さらに、本発明の上記第1〜第3の各実施
形態の製紙機械用ベルト40、70、90においては、
2本〜4本のいずれかの本数(例えば図1および図2の
場合2本で例示)の第2経糸から成る第2経糸のグルー
プ(例えば、図1の場合は第2経糸57と58、および
第2経糸59と60が各1グループを形成)と、1対〜
4対のいずれかの数(例えば図1の場合は、第1経糸5
3と54が1対、および、第1経糸55と56が1対を
形成)の第1経糸の対から成る第1経糸のグループを、
緯糸方向に交互に配置する。
【0037】第2経糸のグループが製紙機械用ベルトの
緯糸方向(幅方向)に占める割合が多いほど、第2経糸
によって形成できる継手グループの密度が高くなるの
で、継手強力のより高い製紙機械用ベルトとなる。ま
た、第2経糸が第3層の緯糸だけを織り込んで形成する
織物構造部分が強固になるので、製紙機械用ベルトの形
態保持性や寸法安定性の向上にも寄与する。一方、第2
経糸のグループの緯糸方向に占める割合が多すぎると、
表面および裏面を形成する第1経糸の割合が少なくなり
表面平滑性や耐摩耗性が低下する。また第1経糸の対の
対数が多いほど表面および裏面の表面平滑性や耐摩耗性
で有利になる。
【0038】図1〜図3において、経糸を表す符号の横
に付した丸印で囲った数値は、経糸の幅方向での配置順
を示している。
【0039】すなわち、図1では、第2経糸の一部の2
本57,58が第3層の緯糸63を平織組織に織り込ん
だ第2経糸の1つのグループ{経糸配置順で○1,○2
(○1,○2は、使用可能文字の制約上それぞれ図1に
おける数字の1,2を○で囲んだものを示す。以下、同
じ)}、次に、2本の第1経糸53と54が厚さ方向に
重なって対になる1対の第1経糸のグループ(経糸配置
順で○3,○4)、その次に、第2経糸の残部の2本5
9,60が第3層の緯糸63を平織組織に織り込んだ他
の第2経糸のグループ(経糸配置順で○5、○6)、さ
らにその次に2本の第1経糸55と56が厚さ方向に重
なって対になる1対の他の第1経糸のグループ(経糸配
置順で○7,○8)の順に、2本で1組の1つの第2経
糸のグループと2本で1対の1つの第1経糸のグループ
とを緯糸方向に交互に配置した例を示している。この場
合は、製紙機械用ベルトの表面の平滑性、耐摩耗性が確
保できる点に加えて、第2経糸により形成される継手ル
ープの分布の均一性や継手強力の確保ができて好まし
い。
【0040】また、上記図2では、第2経糸の2本7
7,78からなる第2経糸のグループ(経糸配置順で○
1,○2)、次に、2本の第1経糸73,74が厚さ方
向に重なって対になる1対の第1経糸のグループ(経糸
配置順で○3,○4)、その次に、2本の第1経糸7
5,76が厚さ方向に重なって対になる1対の第1経糸
の他の1つのグループ(経糸配置順で○5,○6)の順
に、2本で1組の1つの第2経糸のグループと2本で1
対の2つの第1経糸のグループとを緯糸方向に交互に配
置した例を示している。
【0041】この場合は、上記図1で例示した製紙機械
用ベルト40より製紙機械用ベルト70の表面の平滑
性、耐摩耗性の点で効果が見込めるため好ましい。
【0042】また、図3では、第2経糸の一部の2本9
9,100からなる第2経糸1つのグループ(経糸配置
順で○1,○2)、次に、2本の第1経糸93,94が
厚さ方向に重なって対になる1対の第1経糸のグループ
(経糸配置順で○3,○4)、その次に、第2経糸の他
の2本101,102からなる第2経糸の他の1つのグ
ループ(経糸配置順で○5,○6)、次に、2本の第1
経糸95,96が厚さ方向に重なって対になる1対の第
1経糸のグループ(経糸配置順で○7,○8)、その次
に、第2経糸の別の2本103,104からなる第2経
糸の他の1つのグループ(経糸配置順で○9,○1
0)、その次に2本の第1経糸97,98が厚さ方向に
重なって対になる1対の第1経糸のグループ(経糸配置
順で○11,○12)の順に、2本1組の1つの第2経
糸のグループと2本で1対の第1経糸のグループとを緯
糸方向に、2本1組の第2経糸のグループと2本で1対
の一つの第1経糸のグループとを緯糸方向に交互に配置
した例を示している。
【0043】この場合には、第1経糸93,95,97
もしくは94,96,98が表面層側91もしくは裏面
層側92に形成する第1経糸の長浮き(第1経糸の表出
部)の浮き長さが、上記図1や図2に例示したものより
も緯糸3本分と長くなるため、製紙機械用ベルトの表面
の平滑性や耐摩耗性の確保の点でさらに有利になり好ま
しい。
【0044】さらに、本発明の上記の第1〜第3実施形
態の製紙機械用ベルト40、70、90においては、前
述のように、第2経糸が第3層の緯糸だけを織り込む織
組織とする。第2経糸は製紙機械用ベルトを構成する経
糸の一部であって、表面層側および裏面層側の両方から
の熱劣化および摩耗損傷が回避された経糸である。また
第3層の緯糸は、製紙機械用ベルトを構成する緯糸の一
部であって、表面層側および裏面層側の両方からの熱劣
化および摩耗損傷が回避された緯糸である。これにより
製紙機械用ベルトの表面および裏面から隔離され該ベル
トの一部をなす織物構造部分、すなわち後述する図6に
示す、第2経糸と第3層の緯糸とで形成される該ベルト
の厚さ方向中心部の層115を有する織物構造となる。
【0045】第2経糸が第3層の緯糸だけを織り込む織
組織として、上記図1〜図3に例示したものは、第2経
糸が平織組織で第3層の緯糸を織り込むものであるが、
この場合には、第2経糸と第3層の緯糸との交錯数が多
く、しかも、緯糸に対する経糸の密着度合いが増して、
織組織の剛性や形態の安定性が良化する。
【0046】また、平織組織以外の織組織で第2経糸が
第3層の緯糸を織り込む織物組織の構造も可能である。
【0047】ここで、図4(A)は図1の織組織の第2
経糸(57,58,59,60)を強調して表示した継
手部付近の織物組織の縦断面の概念図であり、64は第
2経糸の端部に形成される継手ループである。また、図
4(B)は図4(A)の概念図のうち第2経糸および第
3層の緯糸63のみを表示した概念図であり、第2経糸
が第3層の緯糸63を平織組織に織り込んで、継手ルー
プ64を形成している。さらに、図4(C)の概念図で
は、第2経糸が第3層の緯糸63を経畝織の織組織に織
り込むことによって、継手ループ65を形成した例を示
している。また、さらに図4(D)の概念図では、第2
経糸が第3層の緯糸63を表3/1,裏1/3の経二重
織の織組織に織り込むことによって、継手ループ66を
形成した例を示している。
【0048】図4(A)、(B)、(C)で例示の、平
織もしくは経畝織の織組織のものは、継手ループを形成
する第2経糸の端部を元の織組織に織り戻す際に、緯糸
方向に隣接する他の第2経糸のコースに織り戻す必要が
あるが、図4(D)で示す経二重織のものは、厚さ方向
に重なる他の第2経糸のコースに織り戻すことができる
ため、厚さ方向に重なる2本の第2経糸からなる第2経
糸のグループが緯糸方向の単位寸法当たりに占める割合
が少なくなり、その分第2経糸による継手ループの単位
寸法当たりの密度を大きく設定することが可能になり好
ましい。さらに、継手ループを形成する第2経糸に断面
四角形の扁平モノフィラメントを用いるときでも、継手
ループを形成するために経糸を捩る必要がなく、厚さ方
向に重なる他の第2経糸のコースに織り戻すことがで
き、継手ループ作成の作業効率や継手部の品質の安定性
に寄与するため好ましい。
【0049】ここで図6は、図1および図2に例示した
実施形態の織組織の縦断面構造図である。
【0050】本発明の上記第1および第2の各実施形態
の製紙機械用ベルト40、70においては、上述の各構
成に加えて、第2経糸が第3層の緯糸を織り込んで形成
する第2経糸のナックルの頂部111,112のうち表
面層側の頂部111が該ベルト110の表面層側表面1
13よりも厚さ方向内側にあり、かつ、裏面層側の頂部
112が該ベルト110の裏面層側表面114よりも厚
さ方向内側にある構成とする。
【0051】また、上記第3の実施形態の製紙機械用ベ
ルト90においても同じく上述の各構成に加えて、第2
経糸が第3層の緯糸を織り込んで形成する第2経糸のナ
ックルの頂部のうち、表面層側91の頂部が該ベルト9
0の表面層側表面よりも厚さ方向内側にあり、かつ裏面
層側92の頂部が該ベルト90の裏面層側表面よりも厚
さ方向内側にある構成とする。
【0052】第2経糸のナックルの頂部111,112
が表面層側表面113および裏面層側表面114より厚
さ方向内側にある構成とするので、第2経糸のナックル
頂部111,112がベルトの使用時に表面層側表面1
13および裏面層側表面114で直接に摩耗を受けるこ
とが回避され、しかも、例えば抄紙機のドライヤーや湿
紙に直接に接せず、それらから受ける熱負荷も軽減され
るため、第2経糸の熱や摩耗による劣化の防止に極めて
有効である。
【0053】しかも、第2経糸に織り込まれる第3層の
緯糸は、該ベルトの厚さ方向中心部付近に存しており、
熱や摩耗による劣化から最も保護される位置に在るた
め、これら第2経糸と第3層の緯糸とで形成される該ベ
ルトの厚さ方向中心部の層115は、該ベルトの表面層
41および裏面層42に比較して熱や摩耗による劣化か
ら最も保護される層となるから、例え表面層41および
裏面層42に損傷劣化をきたしても、最後まで該ベルト
の形態を保持し走行の安定性を維持できる。
【0054】さらに、第2経糸を用いて継手部の接合用
ループを形成もしくはスパイラル線を係止すれば、その
第2経糸が該ベルトの経糸方向に作用する張力負加を直
接に負担することができるので、上記作用のもと、該ベ
ルトの走行の安定性を長期にわたって維持することが可
能となる。したがって、従来のベルトよりも長期の使用
寿命を得ることができる。
【0055】第2経糸のナックル頂部111の表面層側
表面113からの厚さ方向内側への隙間間隔および第2
経糸のナックル頂部112の裏面層側表面114からの
隙間間隔が大きい程、第2経糸のナックル頂部111、
112の摩耗損傷、および、第2経糸の熱劣化の防止に
有利であるが、該ベルトの形態保持性や走行安定性の確
保から第2経糸および第3層の緯糸の断面寸法に制約が
生じ、それら隙間間隔の上限値が制約される。好ましく
は、それら隙間間隔は、表面層側表面113または裏面
層側表面114から少なくとも0.05mm以上、好ま
しくは表面層41または裏面層42を形成する第1経糸
の断面厚さ寸法の少なくとも1/2以上とする。また、
それら隙間間隔の上限値は、該ベルトの表面層側表面1
13と裏面層側表面114との間隔、すなわち該ベルト
の厚さ寸法と、適宜好適に規定した該ベルトの厚さ方向
中心部の層115の厚さ寸法との差の1/2で規定され
る。
【0056】以上、本発明の製紙機械用ベルトについて
は経糸および緯糸に主に合成繊維モノフィラメントを使
用した抄紙用ドライヤーカンバスで説明しているが、本
発明の製紙機械用ベルトに使用する合成繊維はモノフィ
ラメント以外に、細いモノフィラメントを複数本撚り合
わせた撚糸、マルチフィラメントもしくはスパン糸を複
数本撚り合わせた撚糸、あるいはこれら形状の違う繊維
を複数本撚り合わせた撚糸も使用することができる。特
に搬送物との滑りを少なくしたい用途には有用である。
【0057】本発明で使用する糸の材質は、本実施例で
は主にポリエステル(PE)を使用したが、ポリエステ
ルに限定されることなく、ポリアミド(PA)、ポリプ
ロピレン(PP)、ポリフェニレンサルファイド(PP
S)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)等を用
途に応じ適宜選択して、それら材質からなる糸条を、経
糸および/または緯糸に、単独あるいはそれらを組み合
わせて用いることができる。
【0058】例えば、抄紙用ドライヤーカンバスに使用
する場合、寸法安定性、引張強力や接結強力などの特性
を考慮して、ポリエステルモノフィラメント、特にはP
ET(ポリエチレンテレフタレート)を使用するのが望
ましい。また、第1経糸のうち少なくとも表面層を形成
する第1経糸、または、それに加えて少なくとも第1層
の緯糸に、耐熱性、耐加水分解性に優れるPPSやPE
EKのモノフィラメントを、それ以外の経糸および緯
糸、特に第2経糸に引張強力、接結強力および寸法安定
性に優れたポリエステルモノフィラメントを使用するの
が好ましい。さらには芯と鞘で材質の異なる複合型モノ
フィラメントも使用できる。
【0059】経糸および緯糸に用いる糸条、特にモノフ
ィラメントの糸条断面の形状は、円形、楕円形、長円
形、繭形、正方形、扁平な四角形およびこれら形状を一
部変更したもの等に特に限定するものでなく、またそれ
らの断面形状の糸条を、経糸および緯糸に、単独あるい
は組み合わせて用いることができる。
【0060】例えば、第1経糸に断面が四角形の扁平モ
ノフィラメント、第2経糸に断面が円形のモノフィラメ
ントを用いる構成とすると、該ベルトの表面および裏面
の表面で第1経糸の占める面積が多くなり、表面平滑性
の向上や、耐摩耗性の向上が期待でき、表面層を形成す
る第1経糸と裏面層を形成する第1経糸が重なって対に
なる構成を実質的に確保できる。また、断面が円形のモ
ノフィラメントは同じ断面寸法の扁平断面のものに比べ
て単糸強力が大きく、継手強力が確保しやすく、また、
第2経糸で接合用ループを形成する際に、捩れを特に考
慮する必要がないので効率の良い継手作成が可能とな
る。
【0061】断面が四角形の扁平なモノフィラメントの
長辺寸法と短辺寸法の比は1.3:1〜4:1のものが
使用出来る。好適には1.5:1〜3:1の比である。
【0062】断面が四角形以外の楕円形、長円形、繭形
等の扁平なモノフィラメントを使用する場合も、上記の
断面が四角形の扁平なモノフィラメントと同じように、
長辺寸法と短辺寸法の比は1.3:1〜4:1のものが
使用できる。また、好適には1.5:1〜3:1の比で
ある。
【0063】加えて、本発明の実施においては、第1
層、第2層および第3層の緯糸の少なくとも1層の緯糸
に、乾熱収縮の高いモノフィラメントを用いることがで
きる。
【0064】第1層、第2層および第3層の緯糸の少な
くとも1層の緯糸に、乾熱収縮率の高いモノフィラメン
トを用いることにより、ヒートセット加工後のベルト
は、経糸密度が増加し、緯糸には経糸の強い締め付け力
によるクリンプが一層顕著に形成され、経糸と緯糸の交
錯部での密着性が一層強化されるので、抄紙用ドライヤ
ーカンバスとして必要な良好な表面性を備え、形態およ
び寸法の安定性や、走行安定性に優れた製紙機械用ベル
トを実現することができる。
【0065】本発明の実施に当たり緯糸に用いる乾熱収
縮率の高いモノフィラメントとは、160℃において1
2%〜26%、180℃において14%〜30%の範
囲、より好適には160℃において12%〜21%、1
80℃において14%〜24%の範囲の張力を与えない
状態での乾熱収縮率を有するものを言い、ドライヤーカ
ンバス用に一般に入手可能なものである。例えば、ポリ
エステルモノフィラメントは、Shakespeare
社製PX−405が上市され入手可能である。また、P
PSモノフィラメントでは、特開平5−195318号
公報に開示されたもの等がある。なお、通常の工業用織
物に使用するポリエステルモノフィラメントは、張力を
与えない状態での乾熱収縮率が、160℃において2%
〜6%、180℃において3%〜10%のものが多く使
用されている。
【0066】さらに加えて、本発明の実施においては、
第1層、第2層および第3層の緯糸に断面が円形のモノ
フィラメントを用いると共に、第3層の緯糸に第1層お
よび第2層の緯糸よりも大径のモノフィラメントを用い
る構成とするのが好ましい。
【0067】第1層、第2層および第3層の緯糸に断面
が円形のモノフィラメントを用いると共に、第3層の緯
糸に第1層および第2層の緯糸よりも大径のモノフィラ
メントを用いる構成にすることにより、第1層〜第3層
の緯糸を有する該ベルトの緯糸方向の剛性(ヨコ剛性)
を確保して、例えば緯糸方向の幅寸法が5m以上の広幅
の用途にも対応できるヨコ剛性を確保すると共に、必要
な寸法および走行の安定性に優れた製紙機械用ベルトを
達成することが容易となる。
【0068】本発明の製紙機械用ベルトにおいては、第
3層の緯糸に第1経糸および第2経糸のすべての経糸が
組織し、第1経糸が形成する表面層および裏面層は第3
層の緯糸を介して連結しており、かつ、第2経糸は第3
層の緯糸だけを織り込んだ織組織よりなるものであるか
ら、この織組織のいわば中核になる第3層の緯糸の直径
を第1層および第2層の緯糸より太径にすることによ
り、表面層と裏面層の結合状態が強化されると共に、ヨ
コ剛性が強化されて、寸法および走行の安定性に優れた
使用寿命の長い製紙機械用ベルトを実現することができ
る。
【0069】なお、図1〜図3では、第1層の緯糸と第
2層の緯糸とは、同じ線径のモノフィラメントとした。
かつ、第1層の緯糸と第2層の緯糸が厚さ方向に重なっ
て配置される状態を示した。また、第3層の緯糸が第1
層の緯糸と第1層の緯糸の間、および第2層の緯糸と第
2層の緯糸の間に配置される実施形態を示したが、それ
により本発明のこれらの実施形態では製紙機械用ベルト
の厚さ方向寸法をより小さくすることができるため望ま
しい。
【0070】本発明に使用する第1層および第2層の緯
糸の繊度は、断面が円形モノフィラメントの線径換算で
0.2mm〜0.8mmの範囲が使用できる。好ましく
は0.3mm〜0.6mmの範囲である。また、第3層
の緯糸の線経は、第1層および第2層の緯糸の線径の
1.5倍〜2.0倍、つまり0.3mm〜1.6mm、
好ましくは0.45mm〜1.2mmの範囲で使用でき
る。
【0071】また本発明に使用する第1経糸および第2
経糸の繊度は、断面円形糸の場合の直径寸法が0.3m
m〜0.6mmの範囲のものが好ましい。例えば正方形
断面の場合は一辺寸法換算で0.3mm〜0.6mmの
範囲のものが使用できる。
【0072】また、第1経糸に断面四角形や断面楕円形
等の扁平糸を用いるときには、長辺寸法が0.3mm〜
1.6mm、短辺寸法が0.2mm〜0.6mmのもの
が使用できる。好ましくは、長辺寸法0.3mm〜1.
2mm、短辺寸法0.2mm〜0.4mmの範囲で使用
できる。
【0073】また、第2経糸に断面円形糸を用いるとき
には、直径寸法0.3mm〜0.6mmの範囲のものが
好ましい。第3層の緯糸を図4(D)の組織で織り込む
とき、厚さ方向に重なって織り込むことができるので、
第2経糸に扁平な糸を用いるのが好ましく、この場合、
第2経糸として使用する扁平糸は長辺寸法0.3mm〜
1.2mm、短辺寸法0.2mm〜0.6mmの範囲の
ものが使用できる。
【0074】当然、経糸および緯糸の繊度は、上記範囲
以外のものも使用できるが、要求される織物の特性や製
織および加工の設備の能力により自ずと制限される。
【0075】また、本発明で適用する経糸および緯糸の
密度は、前記の経糸や緯糸の寸法範囲に応じ、上記要求
される機能、特性および製造条件を考慮して適宜選択で
きる。例えば経糸密度は、第1経糸は2本が厚さ方向に
重なった1対として配置されるから、第1経糸の単位幅
当たりの本数を1/2として換算した経糸充填率を、9
0%〜130%を満たす範囲の密度が使用できる。好ま
しくは95%〜125%の範囲で使用できる。なお、後
述の実施例1の場合、経糸充填率は115.8%、後述
の実施例4の場合、経糸充填率は114.0%である。
ここで経糸充填率は、経糸の寸法を幅方向の投影寸法で
見たときの単位幅寸法当たりに経糸が占める割合を言
う。
【0076】緯糸密度は、例えば、第1経糸に短辺寸法
0.3mm、長辺寸法0.6mmの断面四角形のモノフ
ィラメント、第2経糸に直径寸法0.45mmの断面円
形モノフィラメント、第1層および第2層の緯糸に直径
寸法0.4mmの断面円形モノフィラメント、第3層の
緯糸に直径寸法0.8mmの断面円形モノフィラメント
を使用して、図1の織組織で作成した場合、緯糸密度は
10本×3層/2.54cm〜16本×3層/2.54
cmの範囲が可能であり、その範囲により抄紙用のドラ
イヤーカンバスとして要求される機械的性能および所謂
単列ドライヤー形式の乾燥部のカンバスに要求される通
気度の範囲が実現可能である。
【0077】上記寸法範囲および密度の範囲に基づいて
製作することにより、厚さ寸法1.5mmを含む1.5
mm〜2.2mmの広い範囲の厚さ寸法の製紙機械用ベ
ルトが実現可能である。
【0078】また、これらの寸法範囲および密度の範囲
に基づいて製作することにより、低い通気度1,300
cm3/cm2・minを含む1,300cm3/cm2・min〜1
5,000cm3/cm2・minの広い範囲の通気度の製紙
機械用ベルトが実現可能である。
【0079】上記通気度および厚さ寸法の範囲は、ドラ
イヤーシリンダーを一方の側に単列に配置された、所謂
単列ドライヤー方式などの形式の抄紙機における乾燥部
にも適用可能な低い通気度範囲を含む広い通気度であ
り、また、厚さ寸法1.8mm以下を含む適用可能な厚
さ寸法の範囲である。
【0080】また、本発明においては、織成布を構成す
る第2経糸の一部を延長し、折返して接合用ループを形
成の後、織成布本体の織組織内に綴り込んで、折返しル
ープ列をなし、この折返しループ列を互いに噛み合わせ
てなる共通孔に接合芯線を挿通して織成布を無端状に接
続するための接合用ループ列よりなるベルト継手部(所
謂、ワープループ継手)を、前記織成布の縦方向の両端
末に具備することができる。この継手部は、例えば実開
昭54−181103号公報に記載の方法を使用して作
成できる。
【0081】図4(A)〜(D)は本発明の製紙機械用
ベルト両端部におけるワープループ継手を形成するため
の接合用ループ64〜66を具備したベルト継手部の縦
断面の概念図である。
【0082】また、図5は本発明の製紙機械用ベルト両
端部のスパイラル継手を形成するためのスパイラル線係
止用ループ67にスパイラル線68を係止したベルト継
手部(所謂、スパイラル継手)の縦断面の概念図であ
る。
【0083】すなわち、本発明においては、図5に示す
ように、織成布を構成する第2経糸の一部を延長し、折
返してスパイラル線係止用ループ67を形成の後、織成
布本体の織組織内に綴り込んで、前記スパイラル線係止
用ループ67列にスパイラル線68をそれぞれ係止し、
さらに2つのスパイラル線68,68同士を交互に噛み
合わせてなるスパイラル線68,68相互の共通孔に、
接合芯線(図示省略)を挿入して織成布を無端状に接続
するスパイラル継手を、前記織成布の縦方向の両端末に
具備することができる。
【0084】製紙機械用ベルトを、図4(A)〜(D)
に示すように、その長手方向両端部に設けたワープルー
プ継手のための接合用ループ64〜66、もしくは図5
に示すように、第2経糸の端部に形成したスパイラル線
係止用ループ67に係止したスパイラル線68を用いて
接合し無端状ベルトとして使用するとき、長手方向すな
わち経糸方向の張力は、上記接合用ループ64〜66を
形成、もしくはスパイラル線係止用ループ67を形成す
る第2経糸に直接にかかる。それにより、優れた走行安
定性が、表面層側および裏面層側の両方からの熱および
摩耗の影響によっても低下せず、該ベルトの安定した走
行性能を長期にわたり維持可能となる。
【0085】本発明の製紙機械用ベルトでは使用時の前
記経糸方向の張力が、該ベルトの表面層側および裏面層
側の表面より厚さ方向内側に配置した第2経糸にのみ直
接かかるので、その張力負荷が継手部の表面平滑性に影
響を与える心配がない。
【0086】また、接合用ループ64〜66を形成、ま
たはスパイラル線係止用ループ67を形成し織り戻され
る第2経糸は、図4(A)、(B)、(C)、(D)の
概念図で分かるようにベルト端部の第1層および第2層
の最先端緯糸同士の間より延出しループを形成して織り
戻される構成とすることができ、また、ループ部分がベ
ルト厚さ寸法より低く、ベルトの表面および裏面よりベ
ルトの厚さ方向の外側に出ることがないように構成でき
るので、ループ部分が直接に熱や摩耗の影響による劣化
を受け難くなり、ループ部分の使用寿命の延長効果を得
ることが可能となる。
【0087】なお、本発明の各実施形態に係る製紙機械
用ベルトの各特性値の測定装置および測定方法について
は、以下による。
【0088】通気度 JIS L−1096:1999 「一般織物試験方
法」における通気性の測定に用いるフラジール形法に準
拠した測定装置を用い、規定の測定面積を有する空気孔
を介して規定の圧力(125Pa)のもとで単位時間に
試験片を通過する空気量(cm3/cm2・min)を測定
する。
【0089】ズレ角度 図9(A)(B)はズレ角度測定装置140であって、
固定支柱141の上端部と基端部に横アーム142,1
43の一端が上下揺動可能に取り付けられ、横アーム1
42,143の他端は連結アーム144で連結され、常
時は上側の横アーム142が固定水平アーム145にピ
ン146にて固定されている。このようなズレ角度測定
装置140において、横アーム142に所定長、所定幅
の試料Sの上端部を固定し、下端に試料Sの幅1cm当
たり1kgの荷重Wを懸垂する。この状態で下側の横ア
ーム143に試料Sを固定し、その後、荷重を取り去
る。このようにして、図9(A)のごとく試料Sを固定
し、ピン146を抜き、図9(B)のように下向きのモ
ーメントをかける。この状態で一定時間放置後、ズレの
寸法を測定し、その状態のまま、温度180℃で一定時
間熱処理を行う。その後、再度、ズレの寸法を測定す
る。ズレ角度θ1(加熱前)、θ2(加熱後)の計算
は、図9(C)のごとく、横アーム142に固定された
指針147が横切った位置での目盛の読みから得たズレ
の寸法x(mm)と、枢支ピン148から指針147の
先端までの長さのL(=120mm)とにより、次式で
計算される。tanθ=x/120, θ=tan
-1(x/120)上記により求めたズレ角度θ1,θ2
から、ベルト走行時の織組織ズレを推定し、ベルトの走
行安定性の評価に用いる。
【0090】3点曲げ剛性 図10の曲げ剛性試験装置150により、幅30mm
(図10では紙面に垂直な方向の寸法)の試料153の
両端を100mmだけ離間させ固定配置した直径20m
mのローラー151,151に係止し、試料153の中
央部に直径10mmの丸棒152と荷重計(図示せず)
を介して上方に引き上げる。丸棒152の引き上げ量と
共に荷重計の表示値は増大していくが、ある程度引き上
げると荷重計の表示値は増大しなくなる。この時の最大
荷重を剛性値と称し、単位[cN/3cm]で表す。試
料153を緯糸方向に曲げるように作成して測定した剛
性値は、広幅の抄紙機における走行安定性の評価に用い
る。
【0091】摩耗量 図11は摩耗試験装置160であって、経糸方向を長手
にして幅30mm×長さ500mmの大きさで作成した
試料片163をそれぞれ、#400サンドペーパー16
2を全周に貼付した周囲長400mmのローラー161
の周囲に、張力荷重0.5kg/cmのもとに抱き角度
90°で取り付けて、ローラーを300回/minの一定
速度で回転させ、経過時間1分毎に各試料片163の厚
さを測定して摩耗量を求め、試料片163における経過
時間と摩耗量の関係を確認する。
【0092】(実施例)次に、本発明の実施例1〜4お
よびこれらの実施例1〜4に対する比較例1〜3につい
て、表1〜表6に基づいて説明する。なお、各表におい
て、「TM」はポリエステルモノフィラメント、「A
K」はアクリルスパン糸、「高収縮糸」は乾熱収縮率の
高いモノフィラメントを表す。
【0093】
【表1】
【0094】
【表2】
【0095】
【表3】
【0096】(実施例1)実施例1の製紙機械用ベルト
を、表1に示す仕様と図1に示す織組織に基づいて製作
した。すなわち、第1経糸に寸法が厚さ0.30mm×
幅0.60mmの断面四角形の扁平ポリエステルモノフ
ィラメント、第2経糸に直径寸法が0.45mmの断面
円形ポリエステルモノフィラメントを用い、第1層およ
び第2層の緯糸に直径寸法が0.40mmの断面円形ポ
リエステルモノフィラメントの乾熱収縮率の高い(16
0℃で12.3%、180℃で18.1%)糸を用い、
第3層の緯糸に直径寸法が0.80mmの断面円形ポリ
エステルモノフィラメントの乾熱収縮率の高い(160
℃で12.8%、180℃で19.0%)高収縮糸を用
いて製織し、製織した布を通常の方法でヒートセット加
工処理して製作した。製作した製紙機械用ベルトは、経
糸密度78.5本/2.54cm、緯糸密度14.5本
×3層/2.54cm、厚さ1.88mm、通気度1,
600cm3/cm2・minであった。
【0097】(実施例2)実施例2の製紙機械用ベルト
を、表1に示す仕様と図1に示す織組織に基づいて製作
した。すなわち実施例1と同じ経糸および緯糸の使用
で、また同じ織組織でヨコ密度だけを変えて製織し、製
織した布を通常の方法でヒートセット加工処理して製作
した。製作した製紙機械用ベルトは、経糸密度81.0
本/2.54cm、緯糸密度12.0本×3層/2.5
4cm、厚さ1.97mm、通気度4,300cm3/c
2・minであった。
【0098】(実施例3)実施例3の製紙機械用ベルト
を、表2に示す仕様と図1に示す織組織に基づいて製作
した。すなわち、第1経糸に寸法が厚さ0.30mm×
幅0.60mmの断面四角形の扁平ポリエステルモノフ
ィラメント、第2経糸に直径寸法が0.45mmの断面
円形ポリエステルモノフィラメントを用い、第1層およ
び第2層の緯糸に直径寸法が0.40mmの断面円形ポ
リエステルモノフィラメントの通常の乾熱収縮率(16
0℃で3.0%、180℃で5.2%)の糸を用い、第
3層の緯糸に直径寸法が0.80mmの断面円形ポリエ
ステルモノフィラメントの通常の乾熱収縮率(160℃
で3.3%、180℃で5.9%)の糸を用いて製織
し、製織した布を通常の方法でヒートセット加工処理し
て製作した。製作した製紙機械用ベルトは、経糸密度7
5.0本/2.54cm、緯糸密度12.0本×3層/
2.54cm、厚さ1.95mm、通気度9,500c
3/cm2・minであった。
【0099】(実施例4)実施例4の製紙機械用ベルト
を、表2に示す仕様と図2に示す織組織に基づいて製作
した。すなわち、第1経糸に寸法が厚さ0.30mm×
幅0.60mmの断面四角形の扁平ポリエステルモノフ
ィラメント、第2経糸に直径寸法が0.50mmの断面
円形ポリエステルモノフィラメントを用い、第1層およ
び第2層の緯糸に直径寸法が0.40mmの断面円形ポ
リエステルモノフィラメントの乾熱収縮率の高い(16
0℃で12.3%、180℃で18.1%)高収縮糸を
用い、第3層の緯糸に直径寸法が0.80mmの断面円
形ポリエステルモノフィラメントの乾熱収縮率の高い
(160℃で12.8%、180℃で19.0%)高収
縮糸を用いて製織し、製織した布を通常の方法でヒート
セット加工処理して製作した。製作した製紙機械用ベル
トは、経糸密度79.0本/2.54cm、緯糸密度1
2.5本×3層/2.54cm、厚さ1.98mm、通
気度1,300cm3/cm2・minであった。
【0100】上記実施例1,実施例2,実施例3および
実施例4は、経糸および緯糸にスパン糸等の嵩高糸を使
用しないで、ポリエステルモノフィラメントの糸だけを
使用して、1,300cm3/cm2・min〜9,500c
3/cm2・minと低い通気度を含む広い調整範囲を実現
した。
【0101】(比較例1)比較例1の製紙機械用ベルト
120を、表3に示す仕様と図7に示す織組織に基づい
て製作した。ここで図7の織組織は、経糸123,12
4,125,126と、表面層側121の緯糸127お
よび裏面層側122の緯糸128よりなっている。図1
〜図3と同様、図7では、経糸を示す符号の横に付した
丸印で囲った数値は経糸の緯糸方向での配置順を示して
いる。経糸は緯糸方向に123,124,125,12
6の順に配置されている。つまり表2/2,裏3/1破
れ斜文緯2重織の織組織である。経糸に寸法が厚さ0.
30mm×幅0.60mの断面四角形の扁平ポリエステ
ルモノフィラメント、緯糸に直径寸法が0.70mmの
断面円形ポリエステルモノフィラメントの高収縮糸(1
60℃で13.0%、180℃で18.9%の乾熱収縮
率)を用いて製織し、製織した布を、通常の方法でヒー
トセット加工処理して製作した。製作した製紙機械用ベ
ルトは、経糸密度52.5本/2.54cm、緯糸密度
17.5本×2層/2.54cm、厚さ1.77mm、
通気度3,900cm3/cm2・minであった。
【0102】(比較例2)比較例2の製紙機械用ベルト
を、表3に示す仕様と図7に示す織組織に基づいて製作
した。すなわち、経糸に寸法が厚さ0.30mm×幅
0.60mmの断面四角形の扁平ポリエステルモノフィ
ラメント、緯糸に直径寸法が0.80mmの断面円形ポ
リエステルモノフィラメントの高収縮糸(160℃で1
2.8%、180℃で19.0%の乾熱収縮率)を用い
て製織し、製織した布を、通常の方法でヒートセット加
工処理して製作した。製作した製紙機械用ベルトは、経
糸密度53.0本/2.54cm、緯糸密度15.0本
×2層/2.54cm、厚さ1.93mm、通気度1
1,000cm3/cm2・minであった。
【0103】(比較例3)比較例3の製紙機械用ベルト
130を、表3に示す仕様と図8に示す織組織に基づい
て製作した。ここで図8の織組織は経糸133,13
4,135,136と表面層側131の緯糸137、裏
面層側132の緯糸138および中間層の緯糸139よ
りなっている。図1〜図3と同様、図8でも、経糸を示
す符号の横に付した丸印で囲った数値は、経糸の緯糸方
向での配置順を示している。経糸は緯糸方向に133,
134,135,136の順に配置されている。経糸に
寸法が厚さ0.30mm×幅0.60mmの断面四角形
の扁平ポリエステルモノフィラメント、表面層側の緯糸
に綿式番手6のアクリルスパン糸を4本撚り合わせた撚
糸を、中間層および裏面層の緯糸に直径寸法が0.50
mmの断面円形ポリエステルモノフィラメントを用いて
製織し、製織した布を、通常の方法でヒートセット加工
処理して製作した。製作した製紙機械用ベルトは、経糸
密度54.5本/2.54cm、緯糸密度16.5本×
3層/2.54cm、厚さ1.82mm、通気度2,7
00cm3/cm2・minであった。
【0104】なお、比較例1、比較例2および比較例3
の製紙機械用ベルトは、抄紙用ドライヤーカンバスとし
て、特に優れた表面平滑性が要求されるパートに使用さ
れており、幅が5mを越える広幅の、かつ抄速度が1,
300m/minを越える高抄速の抄紙機の、所謂シング
ルラン形式や単列ドライヤー形式の乾燥部に使用実績が
あるものである。
【0105】(形態保持性および走行安定性の評価)上
記実施例2と4、比較例1、2および3の製紙機械用ベ
ルトの加熱前および加熱後のズレ角度θ1およびθ2
を、前記ズレ角度の試験方法により測定して、走行時の
織組織のズレを推定し、走行安定性および形態保持性を
評価した。測定は各ベルトについてサンプル数3にて行
い、測定結果を表4に示した。
【0106】
【表4】
【0107】加熱前のズレ角度θ1は、実施例2で0.
60°、実施例4で0.97°であった。一方、比較例
1では2.73°、比較例2で3.33°、比較例3で
2.70°であった。
【0108】また、加熱後のズレ角度θ2は、実施例2
で1.48°、実施例4で2.25°であった。一方、
比較例1では4.00°、比較例2で6.33°、比較
例3で4.86°であった。
【0109】したがって、実施例2と実施例4は共に、
加熱前および加熱後においてもズレ角度は比較例1、2
および3に比べ小さい値となり、また、加熱前と加熱後
の変化量も実施例2(0.88)と実施例4(1.2
8)は共に、比較例1(1.27)、2(3.00)お
よび3(2.16)に比べ、同等またはそれよりも小さ
い値となっており、表面性および走行安定性に優れ、広
幅、高抄速の抄紙機の所謂シングルラン形式や単列ドラ
イヤー方式の乾燥部で使用実績のある比較例1、比較例
2および比較例3の製紙機械用ベルトに比較して、走行
安定性に優れ、また形態保持性にも優れることが判っ
た。
【0110】(ヨコ剛性の評価)上記実施例2と実施例
4、および比較例3の製紙機械用ベルトの緯糸方向(ヨ
コ方向)の3点曲げ剛性を測定して、実使用での走行安
定性を推定し評価した。測定は各ベルトについてサンプ
ル数3にて行い、測定結果を表5に示す。
【0111】
【表5】
【0112】曲げ加重は、実施例2で380cN/3c
m、実施例4で330cN/3cmであり、幅5mを越
える広幅の抄紙機の乾燥部で使用されて走行性に問題の
ない比較例3が350cN/3cmであり、ほぼ同等で
あり問題ない性能である。
【0113】(耐摩耗性の確認)上記ほぼ同等の経糸充
填率と通気度を有する実施例2と比較例1の製紙機械用
ベルトについて、経過時間と摩耗量の関係を前述の測定
装置および測定方法により確認した。また、経過時間7
分時点と経過時間20分時点のサンプルを採取し、イン
ストロン5568型万能試験装置を用いて、経糸方向の
強力を測定し、試験開始前の強力に対する強力保持率
(%)を算出した。測定は各ベルトについてサンプル数
3にて行い、測定結果を表6に示す。
【0114】
【表6】
【0115】実施例2は、経過時間7分で摩耗量0.1
8mm、経過時間20分で摩耗量0.27mm、また経
過時間7分および20分時点の強力保持率はそれぞれ7
6%および46%であった。
【0116】これに対して比較例1は、経過時間7分で
摩耗量0.11mm、経過時間20分で摩耗量0.18
mm、また経過時間7分および20分時点の強力保持率
はそれぞれ49%および33%であった。
【0117】比較例1のベルトは経過時間7分の時点で
強力保持率は50%を下回っている。一方、実施例2で
は経過時間7分の時点で摩耗量が比較例1のものより多
いにもかかわらず、強力保持率は76%を維持してい
る。この傾向は経過時間20分、すなわち実施例2の摩
耗量がその第1経糸の厚さ寸法とほぼ等しくなるまでの
経過時間においても同様で、実施例2は比較例1に比
べ、摩耗量が多いのにもかかわらず強力保持率が高いこ
とが判った。
【0118】実施例2の製紙機械用ベルトは、第2経糸
のナックル頂部が表面層側表面および裏面側表面よりも
厚さ方向内側にあるため、表面層を形成する第1経糸の
有効強力が摩耗損傷により低下しても第2経糸は初期に
は殆ど損傷しないので、高い強力保持率を確保できるの
である。また、表面層を形成する第1経糸の摩耗が進行
した状態においても好ましい強力保持率を維持できるた
め、実使用においても該ベルトの形態と強力が長期に維
持できることが期待できる。
【0119】また、第2経糸を用いて使用時の経糸方向
の張力が直接に作用する接合用ループ(図4参照)を形
成、もしくはスパイラル線を係止して継手部を形成して
用いる(図5参照)ことにより、以上の効果が一層有効
なものになり、使用時間の延長を図ることが可能とな
る。
【0120】一方、比較例1のベルトでは、構成してい
る経糸が全て同じシステムで表面層および裏面層の表面
に表出する経糸のナックルを有するから、表面層側表面
での摩耗損傷は初期から直接織組織全体に影響して、該
ベルトの形態保持性および強力保持性に影響することに
なるのである。
【0121】
【発明の効果】本発明によれば、合成繊維の経糸および
緯糸を用いた織成布からなる製紙機械用ベルトにおい
て、少なくとも表面層および裏面層を備え、経糸を構成
する第1経糸の1部が緯糸を構成する第1層の緯糸と第
3層の緯糸を織り込んで表面層を形成し、経糸を構成す
る第1経糸の残部が緯糸を構成する第2層の緯糸と第3
層の緯糸を織り込んで裏面層を形成し、さらに、表面層
を形成する第1経糸と裏面層を形成する第1経糸が該ベ
ルトの厚さ方向に重なって対になるように構成するの
で、表面層を形成する第1経糸が少なくとも裏層面側か
らの熱や摩耗による劣化から保護され、かつ、裏面層を
形成する第1経糸が少なくとも表面層側からの熱や摩耗
による劣化から保護され、該ベルトの織組織全体として
の劣化が抑制された製紙機械用ベルトが実現できる。
【0122】加えて、経糸を構成する第2経糸が第3層
の緯糸だけを織り込み、その第2経糸のナックル頂部が
表面層側表面および裏面層側表面よりも厚さ方向内側に
ある構成とするので、第2経糸のナックルを含む第2経
糸と第3層の緯糸とで形成される厚さ方向中心部の層
は、表面層側表面および裏面層側表面での摩耗が回避さ
れ、しかも抄紙機のドライヤー等の加熱体や湿紙から直
接受ける熱負荷も軽減されるので、熱や摩耗による劣化
が防止され、表面層および/または裏面層に損傷劣化を
きたしても、最後まで形態を保持し走行性を維持可能な
製紙機械用ベルトが実現できる。
【0123】加えて本発明によれば、第3層の緯糸に第
1経糸および第2経糸のすべての経糸が組織し、第1経
糸が形成する表面層および裏面層は第3層の経糸を介し
て連結するように構成しているので、さらには、第3層
の緯糸を第1層および第2層の緯糸よりも太径にするの
で、表面層と裏面層の結合を強固にし緯糸方向の剛性も
強化した、寸法および走行の安定性に優れた製紙機械用
ベルトを実現できる。
【0124】また、本発明によれば、熱や摩耗による劣
化から最も保護される位置にある第2経糸を用いて接合
用ループを形成もしくはスパイラル線を係止して継手部
を形成できるので、走行の安定性を長期にわたって維持
することが可能となり、また、継手ループ部分が該ベル
トの表面層側表面および裏面層側表面より厚さ方向の外
側に出ないように構成できるので、ループ部分が直接に
熱や摩耗の影響による劣化を受け難くなり、使用寿命の
長期化が可能なベルトが実現できる。また、使用時の経
糸方向の張力が該ベルトの表面層側表面および裏面層側
表面より厚さ方向の内側に配置した第2経糸にのみ直接
かかるので、その張力負荷が継手部の表面平滑性に影響
を与えることがない製紙機械用ベルトを実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の製紙機械用ベルトの第1実施形態に係
る織組織の縦断面の概念図である。
【図2】本発明の製紙機械用ベルトの第2実施形態に係
る織組織の縦断面の概念図である。
【図3】本発明の製紙機械用ベルトの第3実施形態に係
る織組織の縦断面の概念図である。
【図4】(A)は本発明の第1実施形態のループ継手を
有する製紙機械用ベルトの継手部の織組織の縦断面の概
念図、(B)は(A)の製紙機械用ベルトの継手部の第
2経糸を強調した織組織の縦断面の概念図、(C)は本
発明の他の実施形態のループ継手を有する製紙機械用ベ
ルトの継手部の第2経糸を強調した織組織の縦断面の概
念図、(D)は本発明のまた別の実施形態のループ継手
を有する製紙機械用ベルトの継手部の第2経糸を強調し
た織組織の縦断面の概念図である。
【図5】本発明のスパイラル線を有する製紙機械用ベル
トの継手部の織組織の縦断面の概念図である。
【図6】本発明の製紙機械用ベルトの織組織の実施形態
の縦断面構造図である。
【図7】比較例の製紙機械用ベルトの織組織の縦断面の
概念図である。
【図8】他の比較例の製紙機械用ベルトの織組織の縦断
面の概念図である。
【図9】(A)は本発明および比較例の製紙機械用ベル
トのズレ角度測定装置における測定前の概略斜視図、
(B)は本発明および比較例の製紙機械用ベルトのズレ
角度測定装置における測定時の概略斜視図、(C)は本
発明および比較例の製紙機械用ベルトのズレ角度測定方
法の説明図である。
【図10】本発明および比較例の製紙機械用ベルトの曲
げ剛性測定装置および測定方法の概略説明図である。
【図11】本発明および比較例の製紙機械用ベルトの摩
耗試験装置および試験方法の概略説明図である。
【図12】従来の製紙機械用ベルトの織組織の縦断面の
概念図である。
【図13】従来の他の製紙機械用ベルトの織組織の拡大
斜視図である。
【図14】従来の他の製紙機械用ベルトの織組織の拡大
平面図である。
【図15】従来の他の製紙機械用ベルトの織組織の断面
構造図である。
【符号の説明】
40、70、90、110 製紙機械用ベルト 41 表面層 42 裏面層 51、71、91 表面層側 52、72、92 裏面層側 53、54、55、56 第1経糸 57、58、59、60 第2経糸 61、79、105 第1層(表面層側)の緯糸 62、80、106 第2層(裏面層側)の緯糸 63、81、107 第3層(中間の層)の緯糸 64、65、66 接合用ループ 67 スパイラル線係止用ループ 68 スパイラル線 73、74、75、76 第1経糸 77、78 第2経糸 93、94、95、96、97、98 第1経糸 99、100、101、102、103、104 第2
経糸 111 表面層側のナックルの頂部 112 裏面層側のナックルの頂部 113 表面層側表面 114 裏面層側表面 115 表面および裏面に露出しない厚さ方向の中心部
の層 140 ズレ角度測定装置 150 曲げ剛性測定装置 160 摩耗試験装置
【手続補正書】
【提出日】平成14年3月22日(2002.3.2
2)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0094
【補正方法】変更
【補正内容】
【0094】
【表2】
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成14年3月25日(2002.3.2
5)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0094
【補正方法】変更
【補正内容】
【0094】
【表2】

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】合成繊維の経糸および緯糸を用いた織成布
    から成る製紙機械用ベルトであって、前記ベルトが、少
    なくとも表面層および裏面層を備え、 前記経糸が第1経糸および第2経糸、前記緯糸が第1
    層、第2層および第3層の緯糸から成り、 前記第1経糸のうちの一部が、連続する2本〜4本のい
    ずれかの本数の前記第1層の緯糸を表面層側から織り込
    み、次に1本または連続する2本の前記第3層の緯糸を
    裏面層側から織り込み、さらに次の連続する2本〜4本
    のいずれかの本数の前記第1層の緯糸を表面層側から織
    り込む繰り返しパターンで、前記第1層および第3層の
    緯糸を織り込んで前記表面層を形成し、 前記第1経糸のうちの残部が、連続する2本〜4本のい
    ずれかの本数の前記第2層の緯糸を裏面層側から織り込
    み、次に1本または連続する2本の前記第3層の緯糸を
    表面層側から織り込み、さらに次の連続する2本〜4本
    のいずれかの本数の前記第2層の緯糸を裏面層側から織
    り込む繰り返しパターンで、前記第2層および第3層の
    緯糸を織り込んで前記裏面層を形成し、 前記第2経糸は前記第3層の緯糸だけを織り込み、 さらに前記表面層を形成する第1経糸と前記裏面層を形
    成する第1経糸が該ベルトの厚さ方向に重なる第1経糸
    の対を形成したことを特徴とする製紙機械用ベルト。
  2. 【請求項2】前記第1経糸のうちの一部が、連続する2
    本の前記第1層の緯糸を表面層側から織り込み、次に1
    本の前記第3層の緯糸を裏面層側から織り込み、さらに
    次の連続する2本の前記第1層の緯糸を表面層側から織
    り込む繰り返しパターンにより前記表面層を形成し、 前記第1経糸のうちの残部が、連続する2本の前記第2
    層の緯糸を裏面層側から織り込み、次に1本の前記第3
    層の緯糸を表面層側から織り込み、さらに次の連続する
    2本の前記第2層の緯糸を裏面層側から織り込む繰り返
    しパターンにより前記裏面層を形成し、 前記第2経糸が前記第3層の緯糸を平織組織で織り込ん
    だことを特徴とする請求項1に記載の製紙機械用ベル
    ト。
  3. 【請求項3】前記第1経糸のうちの一部が、連続する3
    本の前記第1層の緯糸を表面層側から織り込み、次に1
    本の前記第3層の緯糸を裏面層側から織り込み、さらに
    次の連続する3本の前記第1層の緯糸を表面層側から織
    り込む繰り返しパターンにより前記表面層を形成し、 前記第1経糸のうちの残部が、連続する3本の前記第2
    層の緯糸を裏面層側から織り込み、次に1本の前記第3
    層の緯糸を表面層側から織り込み、さらに次の連続する
    3本の前記第2層の緯糸を裏面層側から織り込む繰り返
    しパターンにより前記裏面層を形成し、 前記第2経糸が前記第3層の緯糸を平織組織で織り込ん
    だことを特徴とする請求項1に記載の製紙機械用ベル
    ト。
  4. 【請求項4】2本〜4本のいずれかの本数の前記第2経
    糸から成る第2経糸のグループと、1対〜4対のいずれ
    かの数の前記第1経糸の対から成る第1経糸のグループ
    とが、緯糸方向に交互に配設されており、 前記第2経糸が前記第3層の緯糸を織り込んで形成する
    経糸ナックルの頂部のうち、前記表面層側の頂部が該ベ
    ルトの表面層側表面よりも厚さ方向内側にあり、かつ、
    前記裏面層側の頂部が該ベルトの裏面層側表面よりも厚
    さ方向内側にあることを特徴とする請求項1〜3のいず
    れかに記載の製紙機械用ベルト。
  5. 【請求項5】前記第1経糸に断面が扁平な四角形のモノ
    フィラメント、前記第2経糸に断面が円形のモノフィラ
    メントを用いたことを特徴とする請求項1〜4のいずれ
    かに記載の製紙機械用ベルト。
  6. 【請求項6】前記第1層、第2層および第3層の緯糸の
    少なくとも1層の緯糸に、乾熱収縮率の高いモノフィラ
    メントを用いたことを特徴とする請求項1〜5のいずれ
    かに記載の製紙機械用ベルト。
  7. 【請求項7】前記第1層、第2層および第3層の緯糸に
    断面が円形のモノフィラメントを用いると共に、前記第
    3層の緯糸に前記第1層および第2層の緯糸よりも大径
    のモノフィラメントを用いたことを特徴とする請求項1
    〜6のいずれかに記載の製紙機械用ベルト。
  8. 【請求項8】前記織成布を構成する前記第2経糸の一部
    を延長し、折返してループを形成の後、織成布本体の織
    組織内に綴り込んで、折返しループ列をなし、この折返
    しループ列を互いに噛み合わせてなる共通孔に接合芯線
    を挿通して織成布を無端状に接続するための接合用ルー
    プ列よりなるベルト継手部、 または、前記折返しループ列にスパイラル線をそれぞれ
    係合し、さらに2つのスパイラル線同士を噛み合わせて
    なるスパイラル線相互の共通孔に接合芯線を挿通して織
    成布を無端状に接続するためのベルト継手部を、 前記織成布の経糸方向の両端に具備することを特徴とす
    る請求項1〜7のいずれかに記載の製紙機械用ベルト。
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