JP3933448B2 - 工業用多層織物 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は抄紙用織物、搬送ベルト、ろ布等の工業用多層織物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から工業用織物としては経糸、緯糸で製織した織物が広く使用されている。例えば抄紙用ワイヤーや搬送ベルト、ろ布等その他の多くの分野で使用されており、用途や使用環境に適した織物特性が要求されている。特に織物の網目を利用して原料の脱水等を行う製紙工程で使用される抄紙用ワイヤーでの要求は厳しく、紙に織物のワイヤーマークを転写することのない表面性に優れた織物、また苛酷な環境下においても好適に使用できる程度の剛性を持ち合わせたもの、そして良好な紙を製造するために必要な条件を長期間持続することのできる織物が要求されている。その他にも繊維支持性、製紙の歩留まりの向上、良好なろ水性、耐摩耗性、寸法安定性、走行安定性等が要求されている。さらに近年では抄紙マシンが高速化しているため、それに伴い抄紙用ワイヤーへの要求も一段と厳しいものとなっている。
このように工業用織物の中でも要求が厳しい抄紙用織物について説明すればほとんどの工業用織物の要求とその解決について理解できるので、以下抄紙用織物を代表して本発明を説明する。
例えば、抄紙スピードが高速になると必然的に脱水スピードが高速になり、脱水力を強力にする必要がある。それによって当然繊維や填料等の抜け、ワイヤーマークの発生は顕著になるため、さらなる繊維支持性、表面性の改良が必要となる。また、抄紙用織物に湿紙のくい込みが大きくなったり、繊維のささり込みが発生すると湿紙をフェルトへ移送する場合の湿紙剥離性が悪くなるという問題も発生する。織物上に残って形成された湿紙は脱水力によって、織物上表面に押し付けられるため、糸が存在している部分では糸が湿紙にくい込み、逆に糸が存在しない網目間では湿紙が網目にくい込んで湿紙表面上に糸と網目のワイヤーマークを発生させる。ワイヤーマークを完全になくすことは不可能であるが、これを極力小さく目立たなくするためには織物の上層表面を細かくし、表面平滑性、及び繊維支持性の向上を図らなくてはならない。しかし、表面性や繊維支持性を重視した目の細かい織物は、基本的に線径の小さい糸で製織されているため耐摩耗性には劣っていた。
また、抄紙用織物は高速で走行するためマシンと接触する側の走行面側ではロール等との摩擦によって織物が次第に摩耗していく現象がみられ、摩耗によって寿命が尽きてしまうこともある。耐摩耗性を向上させるには織物組織を緯糸摩耗型の組織にしたり、糸の材質を変更したりと様々な対策が必要とされ、特に線径の大きい糸を用いて耐摩耗構造とする方法等が一般的に用いられている。しかし、線径の大きい糸は耐摩耗性は向上するものの優れた表面性を得ることは困難であった。
表面性と耐摩耗性の両方の問題を解決するために、上面側層と走行面側層にそれぞれ別の経糸、緯糸を用いて構成した2枚の織物を使用し、両層の織物を接結糸によって一体化させた2層織物が用いられてきた。この方法はそれぞれに要求される性能に応じた織物を採用できるという効果があった。上面側層に線径の小さい経糸、緯糸を用いて緻密な上層面を形成し、走行面側層に線径の大きい経糸、緯糸を使用して耐摩耗性の大きい走行面を形成した。接結糸には表面性を低下させないために一般的に上面側経糸、上面側緯糸より小径の糸が使用された。上面側層組織は緻密な表面を形成するために平織が使用されることが多いが、実際には2つの層を織り合わせるために接結糸が用いられるので、平織表面に接結糸が所々に配置された表面が形成されることとなる。接結糸はこのように表面に現われる部分も存在するため、表面平滑性の問題から線径の余り大きい糸を使用することは好ましくはなかった。
また、通常製紙用織物としては使用時に縦方向に張力が掛けられることが多く、縦方向の糸は常に張力が掛けられている状態であるので織物の走行によって経糸がゆるみ移動することはほとんどなく、一方製織性や繊維支持性等の問題から緯糸間に配置されることの多い接結糸では、張力が掛かると伸びたり上面側織物と走行面側織物の間で接結糸が揉まれて内部摩耗が発生し、織物間に隙間が発生したり分離してしまうという問題が生じることがあった。内部摩耗は表面性向上のために使用されている線径が小さく強度の低い接結糸でよく見受けられる。また接結糸は2枚の織物を連結するために上面側層の糸に絡み、接結力によって糸を引き込むために上面側表面に凹みを与えて織物の表面性を悪化させてしまうという問題もあった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記の問題に鑑みて、上面側表面の一部を形成しつつ上面側層と走行面側層を連結する経糸地糸接結糸と、緯糸間で繊維支持性向上機能を発揮しつつ上面側層と走行面側層を連結する補助緯糸接結糸を、それぞれ2本1組で実質経糸1本分、補助緯糸接結糸1本分の織り組織を表面に形成するように配置した織物であり、接結力、繊維支持性、表面平滑性に優れた工業用多層織物を提供しようとするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、
「1. 少なくとも上面側層と走行面側層を備え、上面側層及び走行面側層を織りなす経糸地糸接結糸により上面側層と走行面側層とを連結してなる工業用多層織物において、連続する2本以上の上面側経糸の上側を通過して上面側表面にクリンプを形成する補助緯糸接結糸を上面側緯糸間に2本1組で配置し、該2本1組の補助緯糸接結糸が交互に上面側層に現われて上面側経糸と織りなし上面側表面に実質上補助緯糸1本分の組織を形成し、且つ経糸地糸接結糸を2本1組で配置し、該2本1組の経糸地糸接結糸が交互に上面側に現われて上面側緯糸と織りなし上面側表面に実質的に上面側経糸1本分の組織を形成することを特徴とする工業用多層織物。
. 上面側経糸と2本1組の経糸地糸接結糸とを交互に配置した、項に記載された工業用多層織物。
. 上面側層を平織組織とした、1項又は2項に記載された工業用多層織物。
. 組を形成する2本の経糸地糸接結糸が同組織であり、それらが交互に上面側に現れて上面側緯糸と織りなし上面側表面に実質的に上面側経糸1本分の組織を形成する、1項ないし項のいずれか1項に記載された工業用多層織物。
走行面側において、経糸地糸接結糸の少なくとも片側隣に下面側経糸が配置している工業用織物の、経糸地糸接結糸の片側隣に隣接する1本の走行面側経糸が走行面側緯糸の下側を通過する位置で、該経糸地糸接結糸が走行面側緯糸の下側を通過する組織である、1項ないし項のいずれか1項に記載された工業用多層織物。」
に関する。
【0005】
【発明の実施の形態】
本発明の工業用織物は抄紙用ワイヤー、搬送用ベルト、ろ布等の工業用織物として使用するものであり、特にはユーザーからの要求の厳しい抄紙用ワイヤーとして好適に使用されるものである。本発明は上面側層と走行面側層を備え、上面側層の表面の一部を形成する経糸地糸接結糸、及び補助緯糸接結糸により上面側層と走行面側層を連結してなる工業用多層織物であり、経糸地糸接結糸を2本1組で配置し、1組の経糸地糸接結糸が上面側表面に実質的に経糸1本分の組織を形成しているものであり、また補助緯糸接結糸も緯糸間に2本1組で配置し、補助緯糸接結糸が上面側に連続する2本以上の上面側経糸の上側を通過して2本1組で上面側表面に実質上補助緯糸1本分の組織を形成し、上面側層、走行面側層を連結したことを特徴とする工業用多層織物であり、接結力、繊維支持性、表面平滑性に優れた効果がある。
【0006】
従来の多層織物では2つの織物を連結する接結糸に、上面側経糸、緯糸よりもはるかに線径が小さい上面側表面に突出等の影響を与えない程度の径の接結糸を使用していた。そのため接結強度が小さく、緯糸間に配置されていることの多い接結糸は織物間張力を受けると伸びてゆるみが生じ、それによって内部摩耗が発生したり、織物がずれてろ水性が低下することがあった。また、例え小径で接結力の小さい接結糸であっても2つの織物を接結しているため、上面側層の糸の上側を通ってから下側に潜るとき、接結糸が表面に現われる部分で織物表面に凹みが発生し紙にワイヤーマークを与えてしまうことがあった。
そこで本発明の多層織物は上面側表面の一部を形成しつつも上面側層と走行面側層を連結する経糸地糸接結糸を2本1組で配置し、さらに緯糸間で上面側表面の一部を形成しつつ上層、下層を連結する補助緯糸接結糸を2本1組で配置することで接結力を向上させ、また織物表面の凹みの発生を防止した。そして、2本1組の経糸地糸接結糸、及び補助緯糸接結糸を織物表面で1本の経糸、補助緯糸接結糸のように機能させ、該1組の経糸地糸接結糸、1組の補助緯糸接結糸、上面側経糸、上面側緯糸によって上面側表面を形成した。緯糸間に補助緯糸接結糸を配置したことで繊維支持性が向上し、局所的な凹みの発生もないため表面平滑性にも優れ、また本発明の織物は経糸地糸接結糸と補助緯糸接結糸で2つの層を接結するため接結力が非常に向上するという効果があった。
【0007】
経糸地糸接結糸によって織物を接結することによる一番の効果は、従来の接結するだけで表面形成に関与しない接結糸とは異なり、該経糸地糸接結糸が織物表面の一部として機能するため局所的な凹みの発生がないということである。本発明の織物では経方向に経糸地糸接結糸を2本1組で配置し、2本1組の経糸地糸接結糸は交互に織物表面に現われて上面側緯糸と織りなし、上面側表面に実質的に経糸1本分の組織を形成している。また、組になった経糸地糸接結糸の一方が織物表面を形成しているところの下側で組になったもう一方の経糸地糸接結糸が下面側層を連結している。経糸地糸接結糸は経方向、つまり一般的にいう走行方向に伸びて常に張力がかけられた状態で使用されているため糸のたるみの発生がなく、織物構造から見ても接結力が強い傾向にある。それに加えて緯糸間に配置した2本1組の補助緯糸接結糸が上面側層、走行面側層を連結している。このように縦方向の経糸地糸接結糸、及び横方向の補助緯糸接結糸によって上面側層、走行面側層を織り合わせているため接結力に非常に優れた多層織物となった。
【0008】
本発明で使用される2本1組の経糸地糸接結糸、補助緯糸接結糸の組になった組織は同一でも、異なっても構わない。また、織物上層面を形成する縦方向の糸は経糸地糸接結糸のみであっても、上面側経糸と経糸地糸接結糸を組み合わせて配置しても構わない。例えば、2本1組の経糸地糸接結糸と1本の上面側経糸を交互に配置した構造、あるいは経糸地糸接結糸のみを配置した構造等があるが、その他の配置としても構わない。
組織は、2本1組の経糸地糸接結糸、上面側経糸、2本1組の補助緯糸接結糸、上面側緯糸、また上面側経糸の全部を経糸地糸接結糸とした場合には上面側経糸を除いたこれ等の糸によって織物表面を形成する組織とし、2本1組の経糸地糸接結糸が織物表面で実質的に経糸1本分の組織を形成し、また1本の補助緯糸接結糸が連続する2本以上の上面側経糸の上側を通過して上面側にクリンプを形成して、2本1組で織物表面に実質上緯糸1本分の組織を形成する構造とすればよい。補助緯糸接結糸が織物表面に形成する上面側経糸2本分以上の組織とは、上面側経糸はもちろんのこと上面側表面を形成する1組の経糸地糸接結糸を1本の上面側経糸としてカウントしており、以下同様に表記する。例えば、1組の経糸地糸接結糸と上面側経糸を1本交互に配置している構造の場合には、隣接する上面側経糸2本以上とは、少なくとも1本の上面側経糸とその隣りに配置された1組の経糸地糸接結糸の上側を通る組織のことである。
【0009】
本発明の多層織物の例として、例えば上層表面を形成する経方向の糸を全て2本1組の経糸地糸接結糸とし、該経糸地糸接結糸と上面側緯糸で平織組織を形成する。そして、上面側層を形成しつつも上層と下層を連結する2本1組の補助緯糸接結糸を緯糸間に配置し、1本の補助緯糸接結糸が3組の経糸地糸接結糸の上側を通っているところの下側で、もう一方の補助緯糸接結糸が走行面側層を織り合わせる組織とし、これらの2本の補助緯糸接結糸を組み合わせて3組の経糸地糸接結糸の上側を通った後、1組の経糸地糸接結糸の下側を通る3/1組織とする。組み合わせて配置された2本1組の補助緯糸接結糸は上面側表面で補助緯糸接結糸1本分のように機能する。織物表面を平織構造とすると繊維支持点数が増加するため繊維支持性が向上し、また織り目が細かくなるため表面平滑性にも優れるという効果があり、補助緯糸接結糸が複数本の上側を通ってロングクリンプを形成する構造とするとさらに繊維支持性向上効果がある。
【0010】
織物組織の具体的な例として、まず1組の経糸地糸接結糸はそれぞれの組織が同じである場合と、異なる場合があり、1組の経糸地糸接結糸が同一組織となる例の1つとしては、経糸地糸接結糸が1本の上面側緯糸の上側を通過し上面側にナックルを形成し、次いで1本の上面側緯糸と走行面側緯糸の間を通過し、次いで1本の上面側緯糸の上側を通過して上面側にナックルを形成し、次いで2本の上面側緯糸と走行面側緯糸の間を通過し、1本の走行面側緯糸の下側を通過し、次いで2本の上面側緯糸と走行面側緯糸との間を通過する組織であり、その組織の経糸地糸接結糸をずらして、一方が上面側を形成しているとき、他方が下面側に配置している構造とすればよい。経糸地糸接結糸を2本組み合わせて上面側表面に経糸1本分の平織を形成した16シャフトの2層織物とすることができる。また24シャフトの2層織物では経糸地糸接結糸が1本の上面側緯糸の上側を通過し上面側にナックルを形成し、次いで1本の上面側緯糸と走行面側緯糸の間を通過し、次いで1本の上面側緯糸の上側を通過して上面側にナックルを形成し、次いで1本の上面側緯糸と走行面側緯糸の間を通過し、次いで1本の上面側緯糸の上側を通過して上面側にナックルを形成し、次いで3本の上面側緯糸と走行面側緯糸の間を通過し、1本の走行面側緯糸の下側を通過し、次いで3本の上面側緯糸と走行面側緯糸との間を通過する組織あり、この組織の経糸地糸接結糸をずらして2本組み合わせて上面側表面に経糸1本分の平織を形成する組織とすることができる。
【0011】
また2本1組の経糸地糸接結糸が異なる組織を形成する例の1つとしては、1本の上面側緯糸の上側を通過して上面側にナックルを形成し、次いで1本の上面側緯糸と走行面側緯糸との間を通過し、次いで1本の上面側緯糸の上側を通過して上面側にナックルを形成し、次いで3本の上面側緯糸と走行面側緯糸との間を通過し、次いで1本の走行面側緯糸の下側を通過し、3本の上面側緯糸と走行面側緯糸との間を通過する経糸地糸接結糸と、対するもう一方が1本の上面側緯糸の上側を通過して上面側にナックルを形成し、次いで1本の上面側緯糸と走行面側緯糸との間を通過し、次いで1本の上面側緯糸の上側を通過して上面側にナックルを形成し、次いで1本の上面側緯糸と走行面側緯糸との間を通過し、1本の上面側緯糸の上側を通過して上面側にナックルを形成し、次いで2本の上面側緯糸と走行面側緯糸との間を通過し、そして1本の走行面側緯糸の下側を通過し、次いで2本の上面側緯糸と走行面側緯糸との間を通過する組織であり、これら経糸地糸接結糸が交互に上面側に現れるようにずらして配置することで上面側表面に経糸1本分の平織を形成する20シャフトの2層織物とすることができる。
この他にも2本1組で上面側表面を形成し、且つ上面側層と走行面側層を連結する組織であればよく上記組織に限定されない。例えば、2本の経糸地糸接結糸が同一組織である組と異なる組織である組を交互に配置してもよく、また異なる組織の組み合わせからなる1組の経糸地糸接結糸の配置順を交互に配置する方法でもよい。1組の経糸地糸接結糸の配置順を交互に配置することで、2つの経糸地糸接結糸の交差部の影響による織物の斜めのラインを崩すことができるため、表面性を重視する製紙用織物においては効果的な方法である。
上記に述べた経糸地糸接結糸は本発明の実施例の一例であるが、上記の組織は1組の経糸地糸接結糸は上面側緯糸と織りなして2本1組で織物表面に実質経糸1本分の平織組織を形成することとなるため、繊維支持点数が増加して繊維支持性が向上し、また織り目が細かくなるので表面平滑性にも優れた織物となる。
【0012】
上面側経糸を配置する場合には、1組の経糸地糸接結糸と上面側経糸が織物表面に現われて均一な表面を得ることのできるような組織とすることが好ましく、例えば1組の経糸地糸接結糸が織物表面で平織を形成している場合には上面側経糸も同様の平織組織とすると表面性を害することがなく好適である。しかしこれに限ったものでなく、経糸地糸接結糸と上面側経糸を適宜組み合わせて織物表面を形成すればよい。
また、走行面側経糸においては、上面側経糸の下側に配置しても、また経糸地糸接結糸数本おきに配置しても構わない。走行面側層は織物の走行における摩耗に耐え得る構造とする必要があり、緯糸摩耗型の組織とすることが好ましい。
【0013】
補助緯糸接結糸の組織については、上面側緯糸間に2本1組で配置し、1本の補助緯糸接結糸が連続する2本以上の上面側経糸の上側を通過して上面側にクリンプを形成する組織とし、該2本1組の補助緯糸接結糸が交互に上面側に現われて上面側経糸と織りなし上面側表面に実質上補助緯糸接結糸1本分の組織を形成する構造とすればよい。ここでいう1本の上面側経糸というのは1組の経糸地糸接結糸も含む。
補助緯糸接結糸の組織としては例えば、補助緯糸接結糸が連続する3本の上面側経糸の上側を通過して上面側にクリンプを形成し、補助緯糸接結糸が2本1組で上面側に連続する3本の上面側経糸の上側を通過して上面側にクリンプを形成した後、1本の上面側経糸の下側を通過する実質上補助緯糸接結糸1本分の3/1組織を形成したものがある。このとき、一方の補助緯糸接結糸が上面側表面の一部を形成しているところの下側で、もう一方の補助緯糸接結糸が走行面側経糸の下側を通過して上層と下層を織り合わせている。
他には補助緯糸接結糸が連続する2本の上面側経糸の上側を通過して上面側にクリンプを形成し、補助緯糸接結糸が2本1組で上面側に連続する2本の上面側経糸の上側を通過して上面側にクリンプを形成した後、連続する2本の上面側経糸の下側を通過する実質上補助緯糸接結糸1本分の2/2組織を形成したものがある。
【0014】
他には補助緯糸接結糸が隣接する2本の上面側経糸の上側を通過して上面側にクリンプを形成し、次いで1本の上面側経糸の下側を通過し、次いで連続する2本の上面側経糸の上側を通過して上面側にクリンプを形成する補助緯糸接結糸であり、2本1組で上面側に連続する2本の上面側経糸の上側を通過して上面側にクリンプを形成した後、1本の上面側経糸の下側を通過する実質上補助緯糸接結糸1本分の2/1組織を形成したものがある。
他には補助緯糸接結糸が連続する2本の上面側経糸の上側を通過して上面側にクリンプを形成し、次いで1本の上面側経糸の下側を通過し、次いで連続する2本の上面側経糸の上側を通過して上面側にクリンプを形成する補助緯糸接結糸であり、2本1組で上面側に連続する4本の上面側経糸の上側を通過して上面側にクリンプを形成した後、1本の上面側経糸の下側を通過する実質上補助緯糸接結糸1本分の4/1組織を形成したものがある。
他には補助緯糸接結糸が連続する2本の上面側経糸の上側を通過して上面側にクリンプを形成し、2本1組の補助緯糸接結糸を組み合わせて上面側に連続する4本の上面側経糸の上側を通過して上面側にクリンプを形成した後、1本の上面側経糸の下側を通過する実質上補助緯糸接結糸1本分の4/1組織を形成したものがある。
他には補助緯糸接結糸が連続する2本の上面側経糸の上側を通過して上面側にクリンプを形成し、補助緯糸接結糸が2本1組で上面側に連続する2本の上面側経糸の上側を通過して上面側にクリンプを形成した後、1本の上面側経糸の下側を通過する実質上補助緯糸接結糸が1本分の2/1組織を形成したものがある。
【0015】
他には補助緯糸接結糸が連続する3本の上面側経糸の上側を通過して上面側にクリンプを形成し、補助緯糸接結糸が2本1組で上面側に連続する3本の上面側経糸の上側を通過して上面側にクリンプを形成した後、2本の上面側経糸の下側を通過する実質補助緯糸接結糸1本分の3/2組織を形成したものがある。
他には補助緯糸接結糸が連続する2本以上の上面側経糸の上側を通過して上面側にクリンプを形成し、補助緯糸接結糸を2本1組で組み合わせて上面側に連続する全ての上面側経糸の上側を通過して上面側にクリンプを形成した組織のものがある。本実施例及び先に述べた全ての補助緯糸接結糸の例においても、2本1組で配置された補助緯糸接結糸のうち一方が上面側表面の一部を形成しているところの下側でもう一方の補助緯糸接結糸が走行面側経糸の下側を通って上層と下層を織り合わせている。
上面側緯糸、走行面側緯糸は上下に配置されており、上面側緯糸組織は経糸地糸接結糸の組織に合わせて表面を形成する組織とすればよく、走行面側緯糸は緯糸摩耗組織とすると使用寿命を長くすることもできるため好ましい。
【0016】
本発明は2本1組の補助緯糸接結糸を緯糸間に配置して、1本の補助緯糸接結糸が連続する2本以上の上面側経糸の上側を通過して補助緯糸1本分の組織とすればよく、これに限ったものではない。しかし、1本の補助緯糸接結糸があまり長いロングクリンプを形成する構造とすると、補助緯糸接結糸が織り込まれる回数が減少するため、安定性がなくなりガタが生じてしまうこともあるため、それ等を考慮にいれて決定していかなければならない。そして補助緯糸接結糸の接結組織は適宜走行面側経糸の下側を連結する構造とすればよい。もちろん1本の走行面側経糸の下側を通る組織であっても、それ以上の走行面側経糸の下側を通る組織であっても構わないが、摩耗対策としては1本の走行面側経糸の下側を通る組織の方が好ましい。1組の補助緯糸接結糸では、1本の補助緯糸接結糸が織物表面を形成しているところの下側では、組になったもう一方の補助緯糸接結糸が下面側経糸の下側を通って、上面側層と走行面側層を連結する。
【0017】
また、本発明に使用される糸は用途、あるいは織物上での各糸の機能によって選択すればよく、例えば、モノフィラメントの他、マルチフィラメント、スパンヤーン、捲縮加工や嵩高加工等を施した一般的にテクスチャードヤーン、バルキーヤーン、ストレッチヤーンと称される加工糸、あるいはこれ等を撚り合わせる等して組み合わせた糸が使用できる。また、糸の断面形状も円形だけでなく四角形状や星型等の矩形状の糸や楕円形状、中空等の糸が使用できる。また、糸の材質としても、自由に選択でき、ポリエステル、ナイロン、ポリフェニレンサルファイド、ポリフッ化ビニリデン、ポリプロピレン、アラミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエチレンナフタレート、ポリテトラフオロエチレン、綿、ウール、金属等が使用できる。もちろん、共重合体やこれ等の材質に目的に応じて様々な物質をブレンドしたり含有させた糸を使用してもよい。
抄紙用ワイヤーとしては一般的には、上面側経糸、走行面側経糸、上面側緯糸には剛性があり、寸法安定性に優れるポリエステルモノフィラメントを用いるのが好ましい。また、経糸地糸接結糸としては上面側経糸同様ポリエステルモノフィラメントを用いるのが好ましい。上面側経糸と経糸地糸接結糸の糸の種類や線径等は同じであっても、異なるものであってもよく、織物の性質や製織性等から随時選択できる。しかし、上面側経糸と経糸地糸接結糸では役割が異なり、また経糸地糸接結糸は2本1組で経糸間に配置されることから、異なる糸を用いた方が好ましい。補助緯糸接結糸は、組織やその他の条件等によってポリエステル、またはポリアミドモノフィラメントを用いるのが好ましい。
また、耐摩耗性が要求される走行面側緯糸にはポリエステルモノフィラメントとナイロンモノフィラメントを交互に配置する等、交織するのが剛性を確保しつつ耐摩耗性を向上できるため好ましい。
【0018】
【実施例】
発明を実施例に基づき図面を参照して説明する。
図1、2、3、4、5、6は本発明の実施例の完全組織を示す意匠図である。
完全組織とは、織物組織の最小の繰り返し単位であって、この完全組織が上下左右につながって織物全体の組織が形成される。意匠図において、経糸、及び経糸地糸接結糸はアラビア数字、例えば1、2、3で示し、緯糸、及び補助緯糸はダッシュを付したアラビア数字、例えば1′、2′、3′で示す。そのうち奇数番号、例えば1′、3′、5′は上面側緯糸、走行面側緯糸であり、また、偶数番号、例えば2′、4′、6′は組になった補助緯糸接結糸である。×印は上面側経糸、または経糸地糸接結糸が上面側緯糸の上側に位置していることを示し、○印は走行面側経糸が走行面側緯糸の下側に位置していることを示し、△印は、経糸地糸接結糸が走行面側緯糸の下側に位置していることを示し、■印は補助緯糸接結糸が上面側経糸の上側を通過して上面側表面にクリンプを形成していることを示す。□印は補助緯糸接結糸が走行面側経糸の下にあることを示す。それ以外のところでは接結糸は上面側経糸と走行面側経糸の間にある。
本実施例では上面側緯糸と走行面側緯糸が意匠図上において、便宜上上下に重なって配置されるが、実際の織物ではずれて配置されることがある。図1〜図5は上面側表面を形成する経糸を全て経糸地糸接結糸とし、図6は経糸地糸接結糸の他に上面側経糸も併用した例である。
【0019】
実施例1
図1の意匠図において、奇数番号の1、3、5、7、9、11、13、15、17、19が2本1組で配置された経糸地糸接結糸であり、組になった経糸地糸接結糸の間に走行面側経糸2、4、6、8、10、12、14、16、18、20が配置されている。本実施例では上面側経糸の全てを経糸地糸接結糸とした例である。そして、1′、3′、5′、7′、9′、11′、13′、15′、17′、19′は緯糸であり、上面側緯糸、走行面側緯糸が上下に配置されている。2′、4′、6′、8′、10′、12′、14′、16′、18′、20′は補助緯糸接結糸であり、2本1組で配置されている。
上面側表面では2本1組の経糸地糸接結糸が組になって上面側緯糸と織り合わされて経糸1本分の平織組織を形成しており、緯糸間には補助緯糸接結糸が2組の経糸地糸接結糸の上側を通って織物表面に現われている。このような構造とすることで織物表面に部分的な凹みがなく、また緯糸リッチとなるため繊維支持性を向上することができる。
また、経糸地糸接結糸、及び補助緯糸接結糸は上面側層では織物表面を形成しているが、下層では走行面側層を織り合わせている。経糸地糸接結糸、補助緯糸接結糸は2本1組で配置されているため、経糸地糸接結糸では一方の地糸接結糸が上面側層で平織を形成している下側では、もう一方の経糸地糸接結糸が走行面側層を接結しており、補助緯糸接結糸でも一方の補助緯糸接結糸が織物表面を形成している下側では、もう一方の補助緯糸接結糸が走行面側層を接結している。このような構造としたことで接結力は向上し、内部摩耗の問題もなくなった。
【0020】
図1は本発明の実施例の一つであり、異なる組織の経糸地糸接結糸を2本1組で配置しており、2本1組の補助緯糸接結糸が組になって上面側表面に経糸4本分のクリンプを形成しているものである。
また、2本1組の経糸地糸接結糸が異なる組織であり、経糸地糸接結糸1の一方は上面側緯糸1′の上側を通り、1本の上面側緯糸3′と走行面側緯糸3′との間を通過し、次いで1本の上面側緯糸5′の上側を通り、3本の上面側緯糸7′、9′、11′と走行面側緯糸7′、9′、11′の間を通り、そして1本の走行面側緯糸13′の下側を通り、3本の上面側緯糸15′、17′、19′と走行面側緯糸15′、17′、19′の間を通る組織である。それと対になる経糸地糸接結糸は1本の上面側緯糸1′と下面側緯糸1′の間を通り、次いで1本の走行面側緯糸3′の下側を通り、2本の上面側緯糸5′、7′と走行面側緯糸5′、7′の間を通り、次いで1本の上面側緯糸9′の上側を通り、次いで1本の上面側緯糸11′と走行面側緯糸11′の間を通り、再び1本の上面側緯糸13′の上側を通り、1本の上面側緯糸15′と走行面側緯糸15′の間を通り、1本の上面側緯糸17′の上側を通り、1本の上面側緯糸19′と走行面側緯糸19′の間を通る組織である。このように、経糸地糸接結糸は適宜織物表面に現われて2本1組で平織組織を形成している。本実施例では上面側経糸の全てを経糸地糸接結糸としているため上面側層を形成する縦方向の糸は経糸地糸接結糸のみであり、均一な織り目とすることができ、接結力も非常に強いものとなる。また、異なる組織の経糸地糸接結糸の配置順序を換えることによって織物表面に形成される斜めマークをくずすことができるため、織物表面全体に均一な平織組織を形成することができる。
1本の経糸地糸接結糸が上面側層を形成しているところの下側では、もう一方の経糸地糸接結糸が走行面側層を接結している。この2種類の経糸地糸接結糸は組織が異なるものの上面側表面に現われてナックルを形成し、上緯糸と織り合わされて2本1組で経糸1本分の平織組織を形成する。その他の経糸地糸接結糸3、5、7、9、11、13、15、17、19も同様で、異なる組織の経糸地糸接結糸を組み合わせて織物表面に平織を形成しつつ、上面側層、走行面側層を織り合わせる組織とした。
また、横方向には上面側緯糸、走行面側緯糸が上下に配置されており、緯糸間には2本1組で補助緯糸接結糸が配置されている。上面側緯糸は上面側経糸と織り合わされて平織組織を形成している。
【0021】
補助緯糸接結糸は2本1組で緯糸間に配置されており、1本の補助緯糸接結糸は2組の経糸地糸接結糸の上側を通った後、1組の経糸地糸接結糸の下側を通り、再び2組の経糸地糸接結糸の上側を通る組織であり、組になって組の経糸地糸接結糸の上側を通った後、1組の経糸地糸接結糸の下側を通る/1の組織が織物表面に形成されることになる。具体的には2本1組の補助緯糸接結糸2’の一方は、2組の経糸地糸接結糸1、3の下側を通り、次いで2組の経糸地糸接結糸5、7の上側を通り、次いで1組の経糸地糸接結糸9の下側を通り、次いで2組の経糸地糸接結糸11、13の上側を通り、次いで3組の経糸地糸接結糸15、17、19の下側を通った後、1本の走行面側経糸20の下側を通る組織であり、それと対になった補助緯糸接結糸は、2組の経糸地糸接結糸1、3の上側を通り、3組の経糸地糸接結糸5、7、9の下側を通り、次いで1本の走行面側経糸10の下側を通り、次いで2組の経糸地糸接結糸11、13の下側を通り、次いで2組の経糸地糸接結糸15、17の上側を通り、次いで1組の経糸地糸接結糸19の下側を通る組織である。そして、2本の補助緯糸接結糸を組み合わせて、組の経糸地糸接結糸の上側を通った後、1組の経糸地糸接結糸の下側を通る/1組織とした本実施例のように補助緯糸接結糸を2本組み合わせてロングクリンプを形成することによって安定した織物を形成することができ、その上繊維支持性、接結力に優れた2層織物とすることができる。本実施例では、同じ組織の補助緯糸接結糸を組み合わせて配置したが、異なる組織の補助緯糸接結糸を適宜組み合わせて配置してもよい。
【0022】
また、走行面側組織については特に限定されないが、織物の走行によって生じる摩耗に耐え得る緯糸摩耗型組織とするとよい。例えば走行面側緯糸1′では4本の走行面側経糸の下側を通った後、1本の走行面側経糸の上側を通る走行面側に横方向のロングクリンプを形成した緯糸摩耗組織とした。
また、本実施例のように経糸地糸接結糸の走行面側ナックルを走行面側経糸の走行面側ナックルの隣りに配置した構造とすると走行面側経糸よりも線径の小さい経糸地糸接結糸の摩耗を軽減することができて好ましい。例えば走行面側緯糸1′では走行面側経糸8、そしてこれに隣接する経糸地糸接結糸7の一方の走行面側経糸ナックル、また走行面側経糸18と経糸地糸接結糸17の一方の走行面側ナックルでも同様であり、意匠図上では経糸地糸接結糸17の走行面側ナックルは走行面側経糸18のすぐ隣ではなく、1本の経糸地糸接結糸を挟んで走行面側ナックルを形成しているが、この場合でも経糸地糸接結糸17が組になった経糸地糸接結糸の下側に入り込もうと力が働き、走行面側経糸18に隣接するので同様に摩耗を軽減させる効果がある。その他の経糸地糸接結糸の走行面側ナックルでも同様の配置としているため小径の糸であっても摩耗を低減させる効果がある。
【0023】
実施例2
図2の実施例は組になった経糸地糸接結糸が同じ組織であり、組になった経糸地糸接結糸と上面側緯糸によって織物表面に平織を形成しており、緯糸間に配置された補助緯糸接結糸が2本1組になって、3組の経糸地糸接結糸の上側を通った後、1組の経糸地糸接結糸の下側を通る3/1組織を形成したものである。
経糸地糸接結糸、及び補助緯糸接結糸は上面側層では織物表面を形成しているが、その下側では上面側層と走行面側層を織り合わせている。これらの接結糸は2本1組で配置されているため、一方の経糸地糸接結糸が上面側層で平織している時、その下側ではもう一方の経糸地糸接結糸が走行面側層を接結しており、補助緯糸接結糸は一方の補助緯糸接結糸が上面側層で織物表面を形成している時、その下側でもう一方の補助緯糸接結糸が走行面側層を接結している。このような構造としたことで接結力は向上し、内部摩耗の問題もなくなった。
経糸地糸接結糸は同じ組織のものが2本1組で配置されており、1本の経糸地糸接結糸は1本の走行面側緯糸1′の下側を通り、次いで2本の上面側緯糸3′、5′と走行面側緯糸3′、5′の間を通り、次いで上面側緯糸7′の上側を通り、1本の上面側緯糸9′と走行面側緯糸9′の間を通り、次いで1本の上面側緯糸11′の上側を通り、2本の上面側緯糸13′、15′と走行面側緯糸13′、15′の間を通る組織である。
それと対になっている経糸地糸接結糸も同じ組織であり、1本の経糸地糸接結糸は1本の上面側緯糸1′と走行面側緯糸1′の間を通り、次いで1本の上面側緯糸3′の上側を通り、2本の上面側緯糸5′、7′と走行面側緯糸5′、7′の間を通り、次いで1本の走行面側緯糸9′の下側を通り、次いで2本の上面側緯糸11′、13′と走行面側緯糸11′、13′の間を通り、次いで上面側緯糸15′の上側を通る組織である。これ等の2本の経糸地糸接結糸を適宜組み合わせて織物表面に経糸1本分の平織組織を形成し、一方の経糸地糸接結糸が織物表面を形成しているところの下側で、もう一方の経糸地糸接結糸が走行面側層を織り合わせた構造とした。
【0024】
また、横方向には上面側緯糸、走行面側緯糸が上下に配置されており、その間には2本1組の補助緯糸接結糸が配置されている。上面側緯糸は上面側経糸と織りなして平織組織を形成する組織とした。
補助緯糸接結糸は2本1組で緯糸間に配置されており、1本の補助緯糸接結糸は3組の経糸地糸接結糸の上側を通った後、上面側層の下側で走行面側層を接結する組織であり、それ等が組になって3組の経糸地糸接結糸の上側を通った後、1組の経糸地糸接結糸の下側を通る3/1の組織が織物表面に形成されることになる。
具体的には、組になった補助緯糸接結糸2′の一方は、2組の経糸地糸接結糸1、3の上側を通り、次いで3組の経糸地糸接結糸5、7、9の下側を通り、次いで1本の走行面側経糸10の下側を通り、次いで2組の経糸地糸接結糸11、13の下側を通り、次いで1組の経糸地糸接結糸15の上側を通る組織であり、それと対になった補助緯糸接結糸は、1組の経糸地糸接結糸1の下側を通り、次いで1本の走行面側経糸2の下側を通り、2組の経糸地糸接結糸3、5の下側を通り、3組の経糸地糸接結糸7、9、11の上側を通り、次いで2組の経糸地糸接結糸13、15の下側を通る組織である。そして、これ等の補助緯糸接結糸を組み合わせて、3組の経糸地糸接結糸の上側を通った後、1組の経糸地糸接結糸の下側を通る3/1組織とした。組になった補助緯糸接結糸2′は1本の補助緯糸のように機能して、3組の経糸地糸接結糸13、1、3の上側を通った後、1組の経糸地糸接結糸5の下側を通り、再び3組の経糸地糸接結糸7、9、11の上側を通る3/1組織である。
このような構造とすることで表面性、繊維支持性、接結力に優れた2層織物とすることができる。
【0025】
また、走行面側組織については特に限定されないが、織物の走行によって生じる摩耗に耐え得る緯糸摩耗型組織とするとよい。例えば走行面側緯糸1′では3本の走行面側経糸の下側を通った後、1本の走行面側経糸の上側を通る走行面側に横方向のロングクリンプを形成した緯糸摩耗組織とした。
また他の実施例同様、経糸地糸接結糸の走行面側ナックルを走行面側経糸の走行面側ナックルの隣りに配置する構造とすると、走行面側経糸よりも線径の小さい経糸地糸接結糸の摩耗を軽減することができて好ましい。例えば走行面側緯糸1′では走行面側経糸16に隣接する経糸地糸接結糸1の走行面側経糸ナックル、また、走行面側経糸8に隣接する経糸地糸接結糸9の走行面側ナックルでも同様に摩耗を軽減させる効果がある。その他の経糸地糸接結糸の走行面側ナックルでも同様の配置としているため小径の糸であっても摩耗を低減させる効果がある。
【0026】
実施例3
図3の実施例は実施例2と同様に組になった経糸地糸接結糸が同じ組織であり、組になった経糸地糸接結糸と上面側緯糸によって織物表面に平織を形成しており、緯糸間に配置された補助緯糸接結糸が2本1組になって、2組の経糸地糸接結糸の上側を通った後、2組の経糸地糸接結糸の下側を通る2/2組織を形成したものである。2つの層を織り合わせる接結糸に織物表面の一部を形成する経糸地糸接結糸と補助緯糸接結糸を使用することで織物表面に部分的な凹みを形成することもなく、平織組織としたため表面性に優れ、緯糸間に補助緯糸が配置されているので繊維支持性もよく、縦方向と横方向から織物を接結しているため接結力にも優れるという効果がある。
補助緯糸接結糸2′の一方は、2組の経糸地糸接結糸1、3の上側を通り、次いで3組の経糸地糸接結糸5、7、9の下側を通り、次いで1本の走行面側経糸10の下側を通り、次いで3組の経糸地糸接結糸11、13、15の下側を通る組織であり、それと対になった補助緯糸接結糸は、1組の経糸地糸接結糸1の下側を通った後、1本の走行面側経糸2の下を通り、次いで3組の経糸地糸接結糸3、5、7の下側を通り、2組の経糸地糸接結糸9、11の上側を通り、次いで2組の経糸地糸接結糸13、15の下側を通る組織である。これ等の補助緯糸接結糸を組み合わせて、2組の経糸地糸接結糸の上側を通った後、2組の経糸地糸接結糸の下側を通る2/2組織とした。組になった補助緯糸接結糸2′では1本の補助緯糸のように機能して、2組の経糸地糸接結糸1、3の上側を通った後、2組の経糸地糸接結糸5、7の下側を通り、再び2組の経糸地糸接結糸9、11の上側を通った後、2組の経糸地糸接結糸13、15の下側を通る組織とした。
また、走行面側組織については特に限定されないが、織物の走行によって生じる摩耗に耐え得る緯糸摩耗型組織とした。
また、他の実施例同様、経糸地糸接結糸の走行面側ナックルを走行面側経糸の走行面側ナックルの隣りに配置する構造としているため小径の経糸地糸接結糸であっても摩耗を低減させる効果がある。
【0027】
実施例4
図4の実施例は実施例2と同様に組になった経糸地糸接結糸が同じ組織であり、組になった経糸地糸接結糸と上面側緯糸によって織物表面に平織を形成しており、緯糸間に配置された補助緯糸接結糸が2本1組になって、2組の経糸地糸接結糸の上側を通った後、1組の経糸地糸接結糸の下側を通る2/1組織を形成したものである。2つの層を織り合わせる接結糸に織物表面の一部を形成する経糸地糸接結糸と補助緯糸接結糸を使用することで織物表面に部分的な凹みを形成することもなく、平織組織としたため表面性に優れ、緯糸間に補助緯糸が配置されているので繊維支持性もよく、縦方向と横方向から織物を接結しているため接結力にも優れるという効果がある。
具体的には、2本1組の経糸地糸接結糸が同じ組織であり、経糸地糸接結糸1の一方は1本の上面側緯糸1′と走行面側緯糸1′の間を通り、続いて1本の上面側緯糸3′の上側を通り、1本の上面側緯糸5′と走行面側緯糸5′の間を通り、続いて1本の上面側緯糸7′の上側を通り、次いで3本の上面側緯糸9′、11′、13′と走行面側緯糸9′、11′、13′の間通り、そして1本の走行面側緯糸15′の下側を通り、次いで3本の上面側緯糸17′、19′、21′と走行面側緯糸17′、19′、21′の間を通り、次いで上面側緯糸23′の上側を通る組織である。
それと対になる経糸地糸接結糸は1本の上面側緯糸1′と走行面側緯糸1′の間を通り、1本の走行面側緯糸3′の下側を通り、3本の上面側緯糸5′、7′、9′と走行面側緯糸5′、7′、9′の間を通り、1本の上面側緯糸11′の上側を通り、1本の上面側緯糸13′と走行面側緯糸13′の間を通り、再び1本の上面側緯糸15′の上側を通り、1本の上面側緯糸17′と走行面側緯糸17′の間を通り、1本の上面側緯糸19′の上側を通り、2本の上面側緯糸21′、23′と走行面側緯糸21′、23′の間を通る組織である。このように、2本の経糸地糸接結糸は適宜織物表面に現われて平織組織を形成している。
【0028】
また緯糸間に2本1組で配置された補助緯糸接結糸の組織は、全体として2組の経糸地糸接結糸の上側を通った後、1組の経糸地糸接結糸の下側を通る組織であり、具体的には補助緯糸接結糸2′の一方は、2組の経糸地糸接結糸1、3の上側を通り、次いで1組の経糸地糸接結糸5の下側を通り、次いで2組の経糸地糸接結糸7、9の上側を通り、次いで4組の経糸地糸接結糸11、13、15、17の下側を通り、1本の走行面側経糸18の下側を通り、次いで3本の経糸地糸接結糸19、21、23の下側を通る組織であり、それと対になった補助緯糸接結糸は、3組の経糸地糸接結糸1、3、5の下側を通り、次いで1本の走行面側経糸6の下側を通り、次いで3本の経糸地糸接結糸7、9、11の下側を通り、次いで2組の経糸地糸接結糸13、15の上側を通り、1組の経糸地糸接結糸17の下側を通り、次いで2組の経糸地糸接結糸19、21の上側を通り、次いで1組の経糸地糸接結糸23の下側を通る組織である。
そして、これ等の補助緯糸接結糸を組み合わせて、2組の経糸地糸接結糸の上側を通った後、1組の経糸地糸接結糸の下側を通る2/1組織とした。組になった補助緯糸接結糸2′では1本の補助緯糸のように機能して、2組の経糸地糸接結糸1、3の上側を通った後、1組の経糸地糸接結糸5の下側を通り、再び2組の経糸地糸接結糸7、9の上側を通った後、1組の経糸地糸接結糸11の下側を通り、再び2組の経糸地糸接結糸13、15の上側を通った後、1組の経糸地糸接結糸17の下側を通り、再び2組の経糸地糸接結糸19、21の上側を通った後、1組の経糸地糸接結糸23の下側を通る組織である。
このような組織とすることで表面性、繊維支持性、接結力に優れた2層織物とすることができる。
【0029】
また、走行面側組織については特に限定されないが、織物の走行によって生じる摩耗に耐え得る緯糸摩耗型組織とした。
また、他の実施例同様、経糸地糸接結糸の走行面側ナックルを走行面側経糸の走行面側ナックルの隣りに配置する構造としているため小径の経糸地糸接結糸であっても摩耗を低減させる効果がある。
【0030】
実施例5
図5の実施例は実施例1と同様に組になった経糸地糸接結糸が異なる組織であり、組になった経糸地糸接結糸と上面側緯糸によって織物表面に平織を形成しており、緯糸間に配置された補助緯糸接結糸が2本1組になって、3組の経糸地糸接結糸の上側を通った後、2組の経糸地糸接結糸の下側を通る3/2組織を形成したものである。2つの層を織り合わせる接結糸に織物表面の一部を形成する経糸地糸接結糸と補助緯糸接結糸を使用することで織物表面に部分的な凹みを形成することもなく、平織組織としたため表面性に優れ、緯糸間に補助緯糸が配置されているので繊維支持性もよく、縦方向と横方向から織物を接結しているため接結力にも優れるという効果がある。
具体的には、2本1組の経糸地糸接結糸が異なる組織であり、経糸地糸接結糸1の一方は3本の上面側緯糸1′、3′、5′と走行面側緯糸1′、3′、5′の間を通り、続いて1本の走行面側緯糸7′の下側を通り、3本の上面側緯糸9′、11′、13′と走行面側緯糸9′、11′、13′の間を通り、続いて1本の上面側緯糸15′の上側を通り、次いで1本の上面側緯糸17′と走行面側緯糸17′の間を通り、そして1本の上面側緯糸19′の上側を通る組織である。
それと対になる経糸地糸接結糸は1本の上面側緯糸1′と走行面側緯糸1′の間を通り、1本の上面側緯糸3′の上側を通り、1本の上面側緯糸5′と走行面側緯糸5′の間を通り、1本の上面側緯糸7′の上側を通り、1本の上面側緯糸9′と走行面側緯糸9′の間を通り、1本の上面側緯糸11′の上側を通り、2本の上面側緯糸13′、15′と走行面側緯糸13′、15′の間を通り、1本の走行面側緯糸17′の下側を通り、1本の上面側緯糸19′と走行面側緯糸19′の間を通る組織である。このように、異なる組織の2つの経糸地糸接結糸が適宜織物表面に現われて2本1組で平織組織を形成している。
【0031】
また緯糸間に2本1組で配置された補助緯糸接結糸の組織は、全体として3組の経糸地糸接結糸の上側を通った後、2組の経糸地糸接結糸の下側を通る組織であり、具体的には補助緯糸接結糸2′の一方は、1組の経糸地糸接結糸1の下側を通り、次いで1本の走行面側経糸2の下側を通り、次いで4組の経糸地糸接結糸3、5、7、9の下側を通り、次いで3組の経糸地糸接結糸11、13、15の上側を通り、2組の経糸地糸接結糸17、19の下側を通る組織であり、それと対になった補助緯糸接結糸は、3組の経糸地糸接結糸1、3、5の上側を通り、次いで3組の経糸地糸接結糸7、9、11の下側を通り、次いで1本の走行面側経糸12の下側を通り、次いで4組の経糸地糸接結糸13、15、17、19の下側を通る組織である。
そして、これ等の補助緯糸接結糸を組み合わせて、3組の経糸地糸接結糸の上側を通った後、2組の経糸地糸接結糸の下側を通る3/2組織とした。組になった補助緯糸接結糸2′では1本の補助緯糸のように機能して、3組の経糸地糸接結糸1、3、5の上側を通った後、2組の経糸地糸接結糸7、9の下側を通り、再び3組の経糸地糸接結糸11、13、15の上側を通った後、2組の経糸地糸接結糸17、19の下側を通る組織とした。
このような組織とすることで繊維支持性、接結力に優れた2層織物とすることができる。
また、走行面側組織については特に限定されないが、織物の走行によって生じる摩耗に耐え得る緯糸摩耗型組織とした。
また、他の実施例同様、経糸地糸接結糸の走行面側ナックルを走行面側経糸の走行面側ナックルの隣りに配置する構造としているため小径の経糸地糸接結糸であっても摩耗を低減させる効果がある。
【0032】
実施例6
図6の実施例は実施例1と同様に組になった経糸地糸接結糸が異なる組織である。そして他の実施例と異なる点は上面側表面を形成する縦方向の糸に経糸地糸接結糸だけでなく、上面側経糸を配置した構造とした。1組の経糸地糸接結糸と上面側経糸を交互に配置し、上面側表面に平織を形成したものであり、補助緯糸接結糸は2本1組で緯糸間に配置されており、全体としては1組の補助緯糸接結糸は5本分の上面側経糸と経糸接結糸の上側を通った後、続いてもう1本の補助緯糸接結糸が4本分の上面側経糸と経糸接結糸の上側を通り、その後1本分の経糸接結糸の下側を通る組織であり、組になった2本の補助緯糸接結糸が間隙なく配置されているため、組になって9本分の上面側経糸と経糸地糸接結糸の上側を通った後、1本分の上面側経糸組の下側を通る9/1組の組織が織物表面に形成されることになる。2つの層を織り合わせる接結糸に織物表面の一部を形成する経糸地糸接結糸と補助緯糸接結糸を使用することで織物表面に部分的な凹みを形成することもなく、平織組織としたため表面性に優れ、緯糸間に補助緯糸が配置されているので繊維支持性もよく、縦方向と横方向から織物を接結しているため接結力にも優れるという効果がある。
【0033】
具体的には、2本1組の経糸地糸接結糸が異なる組織であり、経糸地糸接結糸1の一方は上面側緯糸1′の上側を通り、1本の上面側緯糸3′と走行面側緯糸3′の間を通過し、次いで1本の上面側緯糸5′の上側を通り、3本の上面側緯糸7′、9′、11′と走行面側緯糸7′、9′、11′の間を通り、そして1本の走行面側緯糸13′の下側を通り、3本の上面側緯糸15′、17′、19′と走行面側緯糸15′、17′、19′の間を通る組織である。それと対になる経糸地糸接結糸は1本の上面側緯糸1′と下面側緯糸1′の間を通り、次いで1本の走行面側緯糸3′の下側を通り、2本の上面側緯糸5′、7′と走行面側緯糸5′、7′の間を通り、次いで1本の上面側緯糸9′の上側を通り、次いで1本の上面側緯糸11′と走行面側緯糸11′の間を通り、再び1本の上面側緯糸13′の上側を通り、1本の上面側緯糸15′と走行面側緯糸15′の間を通り、1本の上面側緯糸17′の上側を通り、1本の上面側緯糸19′と走行面側緯糸19′の間を通る組織である。経糸地糸接結糸1は実施例1と同じ組織で配置も同じであるが、本実施例では実施例1に上面側経糸を配置したものであるため、それ以降の経糸地糸接結糸の配置は変更されている。つまり、上面側表面に平織を形成する経糸を上面側経糸と経糸地糸接結糸としたため必然的に経糸地糸接結糸の配置順序が変わったのである。以下に補助緯糸接結糸の組織について説明するが、便宜上上面側表面を形成する1組の経糸地糸接結糸を上面側経糸1本分として示す。
【0034】
緯糸間に2本1組で配置された1組の補助緯糸接結糸は、5本分の上面側経糸の上側を通った後、もう1本の補助緯糸接結糸が4本分の上面側経糸の上側を通り、その後1本分の上面側経糸の下側を通る組織であり、組になった2本の補助緯糸接結糸が間隙なく配置されているため、組になって9本分の上面側経糸の上側を通った後、1本分の上面側経糸の下側を通る9/1の組織が織物表面に形成されることになる。補助緯糸接結糸2′のうち一方は、4本の連続した経糸地糸接結糸1、上面側経糸2、経糸地糸接結糸3、上面側経糸4の下側を通り、次いで4本の連続した経糸地糸接結糸5、上面側経糸6、経糸地糸接結糸7、上面側経糸8の上側を通り、1組の経糸地糸接結糸9の下側を通り、次いで連続した5本の上面側経糸10、経糸地糸接結糸11、上面側経糸12、経糸地糸接結糸13、上面側経糸14の上側を通り、次いで5本の経糸地糸接結糸15、上面側経糸16、経糸地糸接結糸17、上面側経糸18、経糸地糸接結糸19の下側を通り、次いで1本の走行面側経糸20の下側を通る組織である。対になったもう一方の補助緯糸接結糸も同じ組織であり、連続した4本の経糸地糸接結糸1、上面側経糸2、経糸地糸接結糸3、上面側経糸4の上側を通り、次いで5本の連続した経糸地糸接結糸5、上面側経糸6、経糸地糸接結糸7、上面側経糸8、経糸地糸接結糸9の下側を通り、次いで1本の走行面側経糸10の下側を通り、次いで連続した4本の経糸地糸接結糸11、上面側経糸12、経糸地糸接結糸13、上面側経糸14の下側を通り、次いで4本の連続した経糸地糸接結糸15、上面側経糸16、経糸地糸接結糸17、上面側経糸18の上側を通り、次いで1組の経糸地糸接結糸19の下側を通り、次いで1本の上面側経糸20の上側を通る組織である。
【0035】
2本の補助緯糸接結糸を組み合わせた補助緯糸接結糸2′では、連続した9本の上面側経糸、経糸地糸接結糸20、1、2、3、4、5、6、7、8の上側を通った後、1組の経糸地糸接結糸9の下側を通り、再び連続した9本の地糸接結糸、経糸地糸接結糸10、11、12、13、14、15、16、17、18の上側を通った後、1組の経糸地糸接結糸19の下側を通る組織となる。
このような組織とすることで繊維支持性、接結力に優れた2層織物とすることができる。
また、走行面側組織については特に限定されないが、織物の走行によって生じる摩耗に耐え得る緯糸摩耗型組織とした。
また、他の実施例のように経糸地糸接結糸の走行面側ナックルを走行面側経糸の走行面側ナックルの隣りに配置する構造としているため小径の経糸地糸接結糸であっても摩耗を低減させる効果がある。
本実施例のように経糸地糸接結糸と上面側経糸、上面側緯糸によって織物表面を形成する構造としてもよく、実施例1、2、3、4、5のように経糸地糸接結糸と上面側緯糸によって織物表面を形成する構造ととしても良い。また、緯糸間に配置された補助緯糸接結糸の組織も、1本の補助緯糸接結糸が2本以上の上面側経糸の上側を通り、上面側層と走行面側層を接合する組織とすればよく、それ等を組み合わせて織物表面にロングクリンプを形成する構造としてもよい。1組の補助緯糸接結糸が形成するロングクリンプの長さは組み合わせ方によって、上面側経糸2本以上から全ての上面側経糸の上側を通過するクリンプを形成することも可能である。補助緯糸接結糸をロングクリンプとすることで繊維支持性を向上させることができるが、織物の通気度が低下することもあるため、織物に要求される特性によって適宜決定すればよい。
【0036】
【発明の効果】
本発明の工業用多層織物は上面側表面の一部を形成し且つ上面側層と走行面側層を織り合わせる経糸地糸接結糸を2本1組で配置し、それ等が交互に現われて経糸1本分の組織を形成し、また緯糸間に繊維支持性を向上させる効果のある補助緯糸接結糸を2本1組で配置し、それ等が交互に現われ補助緯糸1本分の組織を形成し、且つ上面側層と走行面側層を織り合わせた組織とし、このように経糸地糸接結糸と補助緯糸接結糸の両方によって接結した2層織物であるため接結力が非常に強く、織物表面にも部分的な凹みを発生させることもなく、また緯糸間に2本1組の補助緯糸接結糸を補助緯糸1本分のように機能させたため繊維支持性に優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1の完全組織を示す意匠図である。
【図2】本発明の実施例2の完全組織を示す意匠図である。
【図3】本発明の実施例3の完全組織を示す意匠図である。
【図4】本発明の実施例4の完全組織を示す意匠図である。
【図5】本発明の実施例5の完全組織を示す意匠図である。
【図6】本発明の実施例6の完全組織を示す意匠図である。
【符号の説明】
1 2本1組の経糸地糸接結糸
2 走行面側経糸
3 2本1組の経糸地糸接結糸
4 走行面側経糸
5 2本1組の経糸地糸接結糸
6 走行面側経糸
7 2本1組の経糸地糸接結糸
8 走行面側経糸
9 2本1組の経糸地糸接結糸
10 走行面側経糸
11 2本1組の経糸地糸接結糸
12 走行面側経糸
13 2本1組の経糸地糸接結糸
14 走行面側経糸
15 2本1組の経糸地糸接結糸
16 走行面側経糸
17 2本1組の経糸地糸接結糸
18 走行面側経糸
19 2本1組の経糸地糸接結糸
20 走行面側経糸
21 2本1組の経糸地糸接結糸
22 走行面側経糸
23 2本1組の経糸地糸接結糸
24 走行面側経糸
1′ 緯糸
2′ 2本1組の補助緯糸接結糸
3′ 緯糸
4′ 2本1組の補助緯糸接結糸
5′ 緯糸
6′ 2本1組の補助緯糸接結糸
7′ 緯糸
8′ 2本1組の補助緯糸接結糸
9′ 緯糸
10′ 2本1組の補助緯糸接結糸
11′ 緯糸
12′ 2本1組の補助緯糸接結糸
13′ 緯糸
14′ 2本1組の補助緯糸接結糸
15′ 緯糸
16′ 2本1組の補助緯糸接結糸
17′ 緯糸
18′ 2本1組の補助緯糸接結糸
19′ 緯糸
20′ 2本1組の補助緯糸接結糸
21′ 緯糸
22′ 2本1組の補助緯糸接結糸
23′ 緯糸
24′ 2本1組の補助緯糸接結糸

Claims (5)

  1. 少なくとも上面側層と走行面側層を備え、上面側層及び走行面側層を織りなす経糸地糸接結糸により上面側層と走行面側層とを連結してなる工業用多層織物において、連続する2本以上の上面側経糸の上側を通過して上面側表面にクリンプを形成する補助緯糸接結糸を上面側緯糸間に2本1組で配置し、該2本1組の補助緯糸接結糸が交互に上面側層に現われて上面側経糸と織りなし上面側表面に実質上補助緯糸1本分の組織を形成し、且つ経糸地糸接結糸を2本1組で配置し、該2本1組の経糸地糸接結糸が交互に上面側に現われて上面側緯糸と織りなし上面側表面に実質的に上面側経糸1本分の組織を形成することを特徴とする工業用多層織物。
  2. 上面側経糸と2本1組の経糸地糸接結糸とを交互に配置した、請求項に記載された工業用多層織物。
  3. 上面側層を平織組織とした、請求項1又は2に記載された工業用多層織物。
  4. 組を形成する2本の経糸地糸接結糸が同組織であり、それらが交互に上面側に現れて上面側緯糸と織りなし上面側表面に実質的に上面側経糸1本分の組織を形成する、請求項1ないしのいずれか1項に記載された工業用多層織物。
  5. 走行面側において、経糸地糸接結糸の少なくとも片側隣に下面側経糸が配置している工業用織物の、経糸地糸接結糸の片側隣に隣接する1本の走行面側経糸が走行面側緯糸の下側を通過する位置で、該経糸地糸接結糸が走行面側緯糸の下側を通過する組織である、請求項1ないしのいずれか1項に記載された工業用多層織物。
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