JP2003277527A - 非スチレン含有樹脂フィルム - Google Patents

非スチレン含有樹脂フィルム

Info

Publication number
JP2003277527A
JP2003277527A JP2002182608A JP2002182608A JP2003277527A JP 2003277527 A JP2003277527 A JP 2003277527A JP 2002182608 A JP2002182608 A JP 2002182608A JP 2002182608 A JP2002182608 A JP 2002182608A JP 2003277527 A JP2003277527 A JP 2003277527A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
styrene
containing resin
film
resin film
film according
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2002182608A
Other languages
English (en)
Inventor
Hitoshi Sato
斉 佐藤
Yuji Karasawa
勇治 唐沢
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JNC Corp
JNC Petrochemical Corp
Original Assignee
Chisso Petrochemical Corp
Chisso Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Chisso Petrochemical Corp, Chisso Corp filed Critical Chisso Petrochemical Corp
Priority to JP2002182608A priority Critical patent/JP2003277527A/ja
Publication of JP2003277527A publication Critical patent/JP2003277527A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】ゴム弾性、加工安定性等の諸性質のバランスに
優れ、しかも環境適性や経済性にも優れた非スチレン含
有樹脂フィルムを提供する。 【解決手段】非スチレン含有樹脂(D)にスリップ剤
(E)を0.05〜0.50重量%配合してなる非スチ
レン含有樹脂組成物(G1)または、非スチレン含有樹
脂組成物(G1)にアンチブロッキング剤(F)を5〜
50重量%配合してなる非スチレン含有樹脂組成物(G
2)からなる単層フィルム、または該単層フィルムを少
なくとも1層含有する多層フィルムであって、JIS
K 6301に準じて測定した永久伸びが50%以下で
あることを特徴とする非スチレン含有樹脂フィルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はゴム弾性を有する非
スチレン含有樹脂フィルム(本発明においては、フィル
ムとシートを総称してフィルムという)に関する。詳し
くは、ポリオレフィン樹脂からなり、ゴム弾性及び加工
安定性等の諸性質のバランスに優れ、しかも環境適性や
経済性にも優れた、医療用絆創膏、医療用フィルム、介
護用フィルム、おむつ、伸縮テープ等の用途に好適な非
スチレン含有樹脂フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】絆創膏や貼付材等に用いられるゴム弾性
を有するフィルム用の樹脂としては、主にポリウレタン
エラストマーやポリ塩化ビニル樹脂が使用されている
が、ポリウレタンエラストマーは非常に高価であり、燃
焼時に有害ガスを発生する問題を有する。
【0003】また、ポリ塩化ビニル樹脂には従来から指
摘されているように可塑剤に起因する内分泌撹乱(環境
ホルモン)や燃焼時の有毒ガス発生の問題がある。それ
らの改善策としてメタロセン触媒を用いて重合されたポ
リエチレン等の使用が提案されているが、得られるフィ
ルムはゴム弾性が著しく低いという問題があった。
【0004】一方、ゴム弾性を付与させるためゴム弾性
素材としてポリスチレンエラストマーをポリオレフィン
樹脂に配合したり、エチレン−プロピレン−ジエン共重
合体の様な不飽和エラストマーを架橋する方法もある。
しかし、前者にはスチレン成分による内分泌撹乱問題や
著しい耐熱性の低下、燃焼時の有害ガス発生があり、後
者は架橋によりリサイクルが不可能である。更に、フィ
ルムに加工する場合、通常の加工機ではロール粘着が起
こりやすく、巻取り後のリワインド性ならびに薄膜時の
製膜安定性が著しく劣り、歩留まりや生産性が著しく低
下するため、特別な加工機が必要であった。
【0005】また、巻取り後のリワインド性やスリップ
性を向上させる手段として、フィルム表面にシリコンオ
イルや澱粉パウダー(ニッカリコ(商品名)等)等を塗
布または直接噴霧する方法等があるが、塗布装置または
噴霧装置の導入が必要となり経済性の低下や加工機が限
定される問題や、印刷や接着等の二次加工適性が低下す
る等の問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこのような従
来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、その
目的は、ゴム弾性、加工安定性等の諸性質のバランスに
優れ、しかも環境適性や経済性にも優れた非スチレン含
有樹脂フィルムを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、鋭意研究
の結果、非スチレン含有樹脂(D)にスリップ剤(E)
を0.05〜0.50重量%配合してなる非スチレン含
有樹脂組成物(G1)または、非スチレン含有樹脂組成
物(G1)にアンチブロッキング剤(F)が5〜50重
量%配合された非スチレン含有樹脂組成物(G2)から
なる単層フィルム、または該単層フィルムを少なくとも
1層含有する多層フィルムであって、JIS K 63
01に準じて測定した永久伸びが50%以下であること
を特徴とする非スチレン含有樹脂フィルムによって前記
課題が解決されることを見出しその知見に基づいて本発
明を完成させた。
【0008】本発明は下記構成を有する。 (1)非スチレン含有樹脂(D)にスリップ剤(E)を
0.05〜0.50重量%配合してなる非スチレン含有
樹脂組成物(G1)または、非スチレン含有樹脂組成物
(G1)にアンチブロッキング剤(F)を5〜50重量
%配合してなる非スチレン含有樹脂組成物(G2)から
なる単層フィルム、または該単層フィルムを少なくとも
1層含有する多層フィルムであって、JIS K 63
01に準じて測定した永久伸びが50%以下であること
を特徴とする非スチレン含有樹脂フィルム。
【0009】(2)多層フィルムがコア層とこのコア層
の少なくとも一方の面に形成されたスキン層とを有し、
1層のスキン層の厚さが3μm以上で、構成比(コア層
厚さ/合計スキン層厚さ)が20以下になるように積層
されてなることを特徴とする前記(1)項記載の非スチ
レン含有樹脂フィルム。
【0010】(3)多層フィルムのコア層が非スチレン
含有樹脂(D)または非スチレン含有樹脂組成物(G
1)からなり、スキン層が非スチレン含有樹脂組成物
(G2)からなることを特徴とする前記(2)項記載の
非スチレン含有樹脂フィルム。
【0011】(4)多層フィルムのコア層が非スチレン
含有樹脂(D)、非スチレン含有樹脂組成物(G1)及
び非スチレン含有樹脂組成物(G2)から選ばれる1種
からなり、スキン層がオレフィン重合体(H)からなる
ことを特徴とする前記(2)項記載の非スチレン含有樹
脂フィルム。
【0012】(5)非スチレン含有樹脂(D)が結晶オ
レフィン−エチレンブチレン−結晶オレフィンブロック
共重合体(A)または1−ブテン−α−オレフィン共重
合体(B)であることを特徴とする前記(1)〜(4)
項のいずれか1項記載の非スチレン含有樹脂フィルム。
【0013】(6)非スチレン含有樹脂(D)が結晶オ
レフィン−エチレンブチレン−結晶オレフィンブロック
共重合体(A)に、1−ブテン−α−オレフィン共重合
体(B)及び水添ポリブタジエン重合体(C)から選ば
れる少なくとも1種を配合してなることを特徴とする前
記(1)〜(5)項のいずれか1項記載の非スチレン含
有樹脂フィルム。
【0014】(7)オレフィン重合体(H)が4−メチ
ル−1−ペンテン重合体(I)、プロピレン重合体
(J)及びエチレン重合体(K)から選ばれる少なくと
も1種あることを特徴とする前記(4)項記載の非スチ
レン含有樹脂フィルム。
【0015】(8)スリップ剤(E)が高級脂肪酸アミ
ドから選ばれる少なくとも1つであることを特徴とする
前記(1)〜(7)項のいずれか1項記載の非スチレン
含有樹脂フィルム。
【0016】(9)アンチブロッキング剤(F)が平均
粒径0.5〜10μmのフィラーから選ばれる少なくと
も1つであることを特徴とする前記(1)〜(8)項の
いずれか1項記載の非スチレン含有樹脂フィルム。
【0017】(10)非スチレン含有樹脂フィルムが、
Tダイ法を用い、押出温度160〜350℃、冷却温度
80℃以下の製造条件で製造されたことを特徴とする前
記(1)〜(9)項のいずれか1項記載の非スチレン含
有樹脂フィルム。
【0018】(11)非スチレン含有樹脂フィルムが、
インフレーション法を用い、押出温度160〜350
℃、空冷または水冷の冷却方式の製造条件で製造された
ことを特徴とする前記(1)〜(9)項のいずれか1項
記載の非スチレン含有樹脂フィルム。
【0019】(12)非スチレン含有樹脂フィルムが、
カレンダー法を用い、カレンダーロール温度100〜2
50℃の製造条件で製造されたことを特徴とする前記
(1)〜(9)項のいずれか1項記載の非スチレン含有
樹脂フィルム。
【0020】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態を説明
する。本発明の非スチレン含有樹脂フィルムは、単層フ
ィルムの場合も多層フィルムの場合も、永久伸び(JI
S K 6301に準じて測定)が50%以下である。
永久伸びが50%以下であるので、フィルムが伸長した
時に適度な伸長回復性を発現し、被治療体等に良好にフ
ィットするため、医療用絆創膏等の用途に好適に使用で
きる。
【0021】本発明で用いられる非スチレン含有樹脂
(D)は、樹脂のモノマー成分または添加剤としてスチ
レン成分を含有せずゴム弾性を有するフィルム形成性の
樹脂から適宜選択可能であり、例えば結晶オレフィン−
エチレンブチレン−結晶オレフィンブロック共重合体
(A)、1−ブテン−α−オレフィン共重合体(B)が
挙げられる。
【0022】前記の非スチレン含有樹脂(D)は、単独
でフィルムに加工した場合、フィルムのゴム弾性は良好
であるにも拘わらず、その反面ロール剥離性、巻取り後
のリワインド性が著しく劣る問題点があるが、スリップ
剤(E)が0.05〜0.50重量%配合された非スチ
レン含有樹脂組成物(G1)または、非スチレン含有樹
脂組成物(G1)にアンチブロッキング剤(F)が5〜
50重量%配合された非スチレン含有樹脂組成物(G
2)としてフィルムの成形に用いたり、または多層化す
るによってこれら問題点が解消される。中でも、非スチ
レン含有樹脂(D)としては、結晶オレフィン−エチレ
ンブチレン−結晶オレフィンブロック共重合体(A)
に、1−ブテン−α−オレフィン共重合体(B)及び水
添ポリブタジエン重合体(C)から選ばれる少なくとも
1つを配合してなる樹脂配合物が、得られるフィルムの
ゴム弾性や加工安定性等の点から好適に用いられる。
尚、水添ポリブタジエン重合体(C)を単独でフィルム
に加工した場合は、フィルムの永久伸びが50%より大
きくなり、適度なゴム弾性が得られにくい。
【0023】上記の結晶オレフィン−エチレンブチレン
−結晶オレフィンブロック共重合体(A)に、1−ブテ
ン−α−オレフィン共重合体(B)及び水添ポリブタジ
エン重合体(C)から選ばれる少なくとも1つを配合し
てなる樹脂配合物としては、結晶オレフィン−エチレン
ブチレン−結晶オレフィンブロック共重合体(A)20
〜80重量%に,1−ブテン−α−オレフィン共重合体
(B)及び水添ポリブタジエン重合体(C)から選ばれ
る少なくとも1つを80〜20重量%の範囲で配合した
樹脂配合物が好ましく、特に好ましくは結晶オレフィン
−エチレンブチレン−結晶オレフィンブロック共重合体
(A)40〜60重量%に、1−ブテン−α−オレフィ
ン共重合体(B)及び水添ポリブタジエン重合体(C)
から選ばれる少なくとも1つを60〜40重量%配合し
た樹脂配合物である。
【0024】本発明で用いられる結晶オレフィン−エチ
レンブチレン−結晶オレフィンブロック共重合体(A)
のオレフィンブロックとしては、ポリエチレン、ポリプ
ロピレン、または1,3−ブタジエン、イソプレン、
2,3ジメチル−1,3−ブタジエン等の共役ジエンの
単独重合体または共重合体を水素添加したもの等を例示
することができる。エチレンブチレンブロックはブタジ
エン重合体を水素添加することで得られる。また、水素
添加による共役ジエンの単独重合体または共重合体、及
びブタジエン重合体内の二重結合の飽和率は、特に限定
されないが、良好な外観のフィルムが得られることから
70%以上が好ましく、80%以上が更に好ましく、9
0%以上が特に好ましい。具体的には、JSR(株)製
DYNARON 6200P(商品名)等を例示する
ことができる。
【0025】結晶オレフィン−エチレンブチレン−結晶
オレフィンブロック共重合体(A)のメルトフローレー
ト(JIS K 7210、230℃、荷重21.18
N)は特に限定されないが、フィルムの製膜加工性の点
より0.3〜30g/10minが好ましく、1〜15
g/10minが更に好ましい。
【0026】本発明で用いられる1−ブテン−α−オレ
フィン共重合体(B)においては、α−オレフィンは特
に限定されないが、エチレンやプロピレン、及び1−ペ
ンテン、1−ヘキセン、1−オクテン等の炭素数5〜1
2のα−オレフィン等が例示できる。これらは1つでも
2つ以上の併用でもよい。このうちエチレンが製造コス
トの点から好ましい。
【0027】本発明で用いられる1−ブテン−α−オレ
フィン共重合体(B)においては、ブテン量は特に限定
されないが、得られるフィルムの永久伸びや柔軟性の点
から、ブテン量は15重量%以上が好ましく、20重量
%以上が更に好ましく、30%重量以上が特に好まし
い。具体的にはJSR(株)製 EBM 3021P
(商品名)や三井化学(株)製 タフマー TX612
(商品名)等を例示することができる。
【0028】また、1−ブテン−α−オレフィン共重合
体(B)のメルトフローレート(JIS K 721
0、230℃、荷重21.18N)は、特に限定されな
いがフィルムの製膜加工性の点より0.3〜30g/1
0minが好ましく、1〜15g/10minが更に好
ましい。
【0029】本発明で用いられる水添ポリブタジエン重
合体(C)内の二重結合の飽和率は特に限定されない
が、良好な外観のフィルムが得られることから70%以
上が好ましく、80%以上が更に好ましく、90%以上
が特に好ましい。具体的には旭化成(株)製 L701
(商品名)等を例示することができる。
【0030】また、本発明で用いられる水添ポリブタジ
エン重合体(C)のメルトフローレート(JIS K
7210、230℃、荷重21.18N)は、特に限定
はされないがフィルムの製膜加工性の点から0.3〜3
0g/10minが好ましく、1〜15g/10min
が更に好ましい。
【0031】本発明の非スチレン含有樹脂フィルムに用
いられる非スチレン含有樹脂組成物(G1)は、非スチ
レン含有樹脂(D)にスリップ剤(E)を配合してな
る。スリップ剤(E)としては、高級脂肪酸アミド、低
級脂肪酸アミド、N−ステアリルステアリン酸アミド等
の置換アミド類、メチロールステアリン酸アミド等のメ
チロールアミド類、メチレンビスステリン酸アミド等の
ビスアミド類、ステアリン酸モノグリセライド等のグリ
セリンエステル類、ポリオキシエチレンノニルフェニル
エーテル等のエチレンオキサイド付加物等を例示するこ
とができるが、非スチレン含有樹脂フィルムのスリップ
性や粘着防止性の点で高級脂肪酸アミドが好適である。
高級脂肪酸アミドの脂肪酸の炭素数は12〜22個が好
ましく、オレイン酸アミドやエルカ酸アミドに代表され
る不飽和高級脂肪酸アミドが更に好ましい。
【0032】非スチレン含有樹脂組成物(G1)におけ
るスリップ剤(E)の配合量は0.05〜0.5重量%
であり、好ましくは、0.1〜0.3重量%である。配
合量が0.05重量%未満ではロール剥離性や巻取り後
のリワインド性に大きな効果が見られず、0.5重量%
を超える配合量ではフィルムの表面にスリップ剤が大量
に析出して外観を損ねる恐れがある。
【0033】本発明の非スチレン含有樹脂フィルムに用
いられる非スチレン含有樹脂組成物(G2)は、非スチ
レン含有樹脂組成物(G1)にアンチブロッキング剤
(F)を配合してなる。アンチブロッキング剤(F)と
してはコールターカウンター法により測定される平均粒
径が0.5〜10μm、好ましくは1〜5μmの無機フ
ィラーまたは有機フィラーが好適である。平均粒径が上
記の範囲内であれば得られるフィルムでフィッシュアイ
が発生せず良好なアンチブロッキング効果が得られる。
また、前記フィラーとして炭酸カルシウム、シリカ、ハ
イドロタルサイト、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネ
シウム、水酸化マグネシウム、タルク、マイカ、ゼオラ
イト、熱硬化性真球状シリコン樹脂、架橋ポリメチルメ
タアクリレート等を例示することができ、中でも、炭酸
カルシウムが好適に使用できる。
【0034】非スチレン含有樹脂組成物(G2)におけ
るアンチブロッキング剤(F)の配合量は5〜50重量
%であり、好ましくは10〜30重量%である。配合量
が5重量%未満ではアンチブロッキング剤の配合の効果
が少なく本発明の非スチレン含有樹脂組成物(G1)と
ロール剥離性や巻取り後のリワインド性に有意差が見ら
れない恐れがある。一方、配合量が50重量%を超える
場合はフィルムの物性の低下が著しく、更にダイのリッ
プ部に発生する目脂が多く連続安定生産ができない恐れ
がある。
【0035】非スチレン含有樹脂(D)から非スチレン
含有樹脂組成物(G1、G2)を得る方法については、
特に制限されず、公知の種々の方法を用いて行うことが
できる。例えば、ヘンシェルミキサー(商品名)等の高
速撹拌機付混合機及びリボンブレンダー並びにタンブラ
ーミキサー等の通常の混合装置を用いて、結晶オレフィ
ン−エチレンブチレン−結晶オレフィンブロック共重合
体(A)のペレットまたは粉末、1−ブテン−α−オレ
フィン共重合体(B)のペレットまたは粉末、水添ポリ
ブタジエン(C)のペレットまたは粉末、スリップ剤
(E)の粉末や液体または各種プラスチックに配合した
マスターバッチ、アンチブロッキング剤(F)の粉末ま
たは各種プラスチックに配合したマスターバッチ、及び
必要に応じて配合される添加剤を各々所定の配合量で混
合する方法が例示できる。更に、混合されたものを通常
の単軸押出機又は二軸押出機等を用いてペレット化する
方法が例示できる。
【0036】本発明の非スチレン含有樹脂フィルムは、
非スチレン含有樹脂組成物(G1)または非スチレン含
有樹脂組成物(G2)からなる単層フィルム、または該
単層フィルムを少なくとも1層含有する多層フィルムで
ある。多層フィルムとしてはコア層とこのコア層の少な
くとも一方の面に形成されたスキン層とを有し、1層の
スキン層の厚さが3μm以上で、構成比(コア層厚さ/
合計スキン層厚さ)が20以下になるように積層されて
なる多層フィルムが好ましい。多層フィルムの1層のス
キン層の厚さは好ましくは3μm以上であり、より好ま
しくは3〜500μm、更に好ましくは3〜100μm
である。スキン層が薄すぎると膜割れ等の外観不良を発
生する恐れがある。また、コア層とスキン層の構成比
(コア層厚さ/合計スキン層厚さ)は好ましくは20以
下であり、より好ましくは0.5〜20である。構成比
が大きすぎると経済的に不利になる恐れがある。
【0037】本発明の非スチレン含有樹脂多層フィルム
としては、コア層が非スチレン含有樹脂(D)または非
スチレン含有樹脂組成物(G1)からなり、スキン層が
非スチレン含有樹脂組成物(G2)からなる多層フィル
ム、コア層が非スチレン含有樹脂(D)、非スチレン含
有樹脂組成物(G1)及び非スチレン含有樹脂組成物
(G2)から選ばれる1種からなり、スキン層がオレフ
ィン重合体(H)からなる多層フィルムが例示される。
【0038】前記オレフィン重合体(H)としては、ス
チレン成分を含有せず、フィルムに加工した場合のロー
ル剥離性、巻取り時のリワインド性が好適であるフィル
ム成形性の樹脂から適宜選択可能であるが、4−メチル
−1−ペンテン重合体(I)、プロピレン重合体(J)
及びエチレン重合体(K)から選ばれる少なくとも1種
を配合してなる重合体が、フィルムに加工した場合の、
ロール剥離性、巻取り時のリワインド性に優れており環
境適性や経済的にも優れていることより好適に用いられ
る。
【0039】前記4−メチル−1−ペンテン重合体
(I)としては、4−メチル−1−ペンテンの単独重合
体、及び4−メチル−1−ペンテンを主モノマーとし、
これと炭素数が2〜24の4−メチル−1−ペンテン以
外のα−オレフィンをコモノマーとする共重合体が挙げ
られる。これら4−メチル−1−ペンテン以外のα−オ
レフィンは、1種単独でまたは2種以上組み合わせて用
いることができる。これらの中ではエチレン、プロピレ
ン、1−ブテン、1−ペンテンが好ましい。また、4−
メチル−1−ペンテン重合体(I)のメルトフローレー
ト(JISK 7210、230℃、荷重21.18
N)は、特に限定はされないがフィルムの製膜加工性の
点より0.3〜50g/10minが好ましく、1〜2
5g/10minが更に好ましい。
【0040】前記プロピレン重合体(J)としては、プ
ロピレンの単独重合体、及びプロピレンを主モノマーと
し、これとエチレンまたは炭素数が4〜10のα−オレ
フィンをコモノマーとする共重合体が挙げられる。これ
らエチレンまたは炭素数が4〜10のα−オレフィン
は、1種単独でまたは2種以上組み合わせて用いること
ができる。これらの中ではエチレン、1−ブテン、1−
オクテンが好ましい。具体的にはチッソ(株)製 XF
7700(商品名)等を例示することができる。また、
プロピレン重合体(J)のメルトフローレート(JIS
K 7210、230℃、荷重21.18N)は、特
に限定はされないがフィルムの製膜加工性の点より0.
3〜50g/10minが好ましく、1〜25g/10
minが更に好ましい。
【0041】前記エチレン重合体(K)としては、エチ
レンの単独重合体、及びエチレンを主モノマーとし、こ
れと炭素数が3〜10のα−オレフィンをコモノマーと
する共重合体が挙げられる。これらのα−オレフィン
は、1種単独でまたは2種以上組み合わせて用いること
ができる。これらの中ではプロピレン、1−ブテン、1
−オクテンが好ましい。具体的には東ソー(株)製 ペ
トロセン190(商品名)等を例示することができる。
また、エチレン重合体(K)のメルトフローレート(J
IS K 7210、190℃、荷重21.18N)
は、特に限定はされないがフィルムの製膜加工性の点よ
り0.3〜50g/10minが好ましく、1〜25g
/10minが更に好ましい。
【0042】尚、非スチレン含有樹脂(D)、非スチレ
ン含有樹脂組成物(G1、G2)及びオレフィン重合体
(H)には、本発明の目的を損なわない範囲で、通常ポ
リオレフィンに使用される公知の酸化防止剤、中和剤、
光安定剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、金属不活性剤等
の添加剤を配合することができる。
【0043】酸化防止剤としてはフェノール系酸化防止
剤、フォスファイト系酸化防止剤及びチオ系酸化防止剤
等が例示され、中和剤としてはステアリン酸カルシウム
やステアリン酸亜鉛等の高級脂肪酸塩類が例示され、光
安定剤及び紫外線吸収剤としてはヒンダードアミン類、
ニッケル錯化合物、ベンゾトリアゾール類、ベンゾフェ
ノン類等が例示され、金属不活性剤としてはトリアジン
類、フォスフォン類、エポキシ類、トリアゾール類、ヒ
ドラジド類、オキサミド類等が例示される。
【0044】非スチレン含有樹脂(D)、非スチレン含
有樹脂組成物(G1、G2)及びオレフィン重合体
(H)に上記添加剤を配合する方法は非スチレン含有樹
脂組成物(G1、G2)を得る場合と同じ方法が例示さ
れる。
【0045】本発明の非スチレン含有樹脂フィルムのう
ち、上記の非スチレン含有樹脂組成物(G1、G2)を
用いて単層フィルムを製造する方法は特に限定されず、
公知、公用の各種製膜方法すなわちTダイ法、インフレ
ーション法、カレンダー法等が例示される。
【0046】前記Tダイ法は、押出機、Tダイ、冷却ロ
ールまたは冷却水槽、ガイドロール、引取りロール、ト
リミングカッター、定尺切断カッター、巻き取り機等を
備えた装置(Tダイフィルム成形機)を用いてフラット
状フィルムを得る方法である。Tダイ法を用いて本発明
の非スチレン含有樹脂フィルムを製造する場合、樹脂の
押出温度は160〜350℃が好ましく、冷却温度は8
0℃以下が好ましい。押出温度がこの範囲であれば、T
ダイ出口の樹脂粘度も低く樹脂膜が均一に伸びるために
均一な厚さのフィルムが生産され、溶融樹脂の分解物の
影響によるチルロールの冷却能力低下に伴うフィルムの
透明性低下やネッキング現象の増大もなく、高い生産性
を維持することができる。また冷却温度(例えば、チル
ロール温度)が80℃以下であれば、冷却ロール等への
粘着がなくフィルムの透明性も良好である。
【0047】前記インフレーション法は、押出機、円形
ダイ、冷却リングまたは冷却水槽、ガイド板、ガイドロ
ール、引取りロール、トリミングカッター、定尺切断カ
ッター、巻き取り機等を備えた装置(インフレーション
成形機)を用いて円筒状フィルムを得る方法であり、更
に円筒状フィルムを切り開いてフラット状フィルムを得
る方法である。インフレーション法を用いて本発明の非
スチレン含有樹脂フィルムを製造する場合、樹脂の押出
温度は160〜350℃が好ましく、押出温度がこの範
囲であれば、円形ダイ出口の樹脂粘度も低く樹脂膜が均
一に伸びるために均一な厚さのフィルムが生産され、溶
融樹脂の分解物によるピンホールでバブルが破れる等の
トラブルもなく、高い生産性を維持することができる。
尚、インフレーション法の冷却方式は、直接水に接触す
る水冷法やスリットを持つ中空リング状構造の一部より
空気を流出して円形ダイより流出した樹脂を冷却する空
冷法等の冷却方式があり、冷却効率の良い水冷法が好ま
しい。
【0048】前記カレンダー法は、バンバリミキサー、
ミキシングロール、ウォーミングロール、押出機、カレ
ンダーロール、冷却ロール、トリミングカッター、マス
キング、定尺切断カッター、巻き取り機等からなるカレ
ンダー成形機を用いフラット状フィルムを得る方法であ
る。カレンダー法を用いて本発明の非スチレン含有樹脂
フィルムを製造する場合、カレンダー温度は100℃〜
250℃が好ましく、カレンダー温度がこの範囲であれ
ば、樹脂の溶融が十分で外観や二次加工性が優れるフィ
ルムが得られ、溶融粘度低下に伴うカレンダーロールへ
の粘着も生じない。
【0049】本発明の非スチレン含有樹脂フィルムのう
ち、非スチレン含有樹脂(D)及び非スチレン含有樹脂
組成物(G1、G2)及びオレフィン重合体(H)を用
いて多層フィルムを製造する方法は特に限定されず、公
知、公用の各種製膜方法が用いられる。例えば、コア層
とスキン層が積層された多層フィルムを製造する方法に
は、多層のTダイまたは円形ダイを用い2台以上の押出
機を用いる共押出法、押出ラミネート法、ドライラミネ
ート法等が例示される。特に共押出法が他法と比べ2次
工程を必要とせず経済的にも有利で好ましい。
【0050】本発明の非スチレン含有樹脂フィルムの厚
さは、特に限定はなく各種用途により最適な厚さを選択
できるが、通常は10〜1000μm、多くは30〜3
00μmの範囲である。
【0051】本発明の非スチレン含有樹脂フィルムの幅
は、特に限定はなく各種用途により最適な幅を選択でき
るが、通常は2mm〜16m、多くは4mm〜10mで
ある。中でも非スチレン含有樹脂フィルムが幅100m
m以下のテープ状であると絆創膏や包帯等に用いられる
伸縮テープや貼付剤等の基材に好適である。非スチレン
含有樹脂フィルムを100mm幅以下にスリットしてテ
ープ状にする場合は、特に限定されず公知公用の方法を
使用でき、レザーカット方式、シェアーカット方式、ス
コアカット方式、高周波カット方式、ウォータージェッ
トカット方式、レーザー光線カット方式等を例示でき、
中でも回転刃を装着したシェアーカット方式が本発明の
ゴム弾性を持つ非スチレン含有樹脂フィルムには好適で
ある。
【0052】本発明の非スチレン含有樹脂フィルムは、
印刷性、塗装性、金属蒸着性等を付与する目的で、通
常、工業的に採用されている方法によってコロナ放電処
理、火炎処理、プラズマ処理等の表面処理が可能であ
る。更に、合成繊維または天然繊維等で製造された布、
不織布、紙等や高分子材料で製造されたフィルム等と張
合わせて複合化することも可能である。尚、2層からな
る非スチレン含有樹脂フィルムを複合化する場合には、
コア層に張合わせてスキン層が表層となるようにすると
よい。
【0053】
【実施例】以下に、実施例及び比較例を用いて本発明を
具体的に説明するが本発明はこれらになんら限定される
ものではない。
【0054】実施例と比較例で用いられる樹脂類、スリ
ップ剤、アンチブロッキング剤の略号と性質は下記の通
りである。尚、MFRはメルトフローレートの略号であ
る。
【0055】樹脂類 A:結晶オレフィン−エチレンブチレン−結晶オレフィ
ンブロック共重合体、MFR(JIS K7210、2
30℃、21.18N)=2.5g/10min、JS
R(株)製 DYNARON6200P(商品名) B1:1−ブテン−α−オレフィン共重合体(重合にバ
ナジウム系触媒を使用)、MFR(JIS K721
0、190℃、21.18N)=1.3g/10m i
n、JSR(株)製 EBM3021P(商品名) B2:1−ブテン−α−オレフィン共重合体(重合にメ
タロセン系触媒を使用)、 MFR(JIS K721
0、190℃、21.18N)=1.2g/10m i
n、三井化学(株)製 タフマーTX−611(商品
名) C:水添ポリブタジェン共重合体、MFR(JIS K
7210、230℃、21.18N)=0.8g/10
min、旭化成(株)製 L701(商品名)SEB
S:ポリスチレンエラストマー、MFR(JIS K7
210、230℃、21.18N)=9.0g/10m
in、クレイトンポリマージャパン(株)製KRATO
N G1657(商品名) M−PE:ポリエチレン(重合にメタロセン系触媒使
用)、MFR(JIS K7210、190℃、21.
18N)=5.0g/10min、ダウ・ケミカル日本
(株)製 ENGAGE EG8200(商品名)
【0056】スリップ剤 E:オレイン酸アミド含有量10重量%のスリップ剤マ
スターバッチ、MFR(JIS K7210、230
℃、21.18N)=15g/10min、チッソ
(株)製 チッソポリプロSMB(商品名)
【0057】アンチブロッキング剤 F:平均粒径5μmの炭酸カルシウム含有量80重量%
のアンチブロッキング剤マスターバッチ 竹原化学工業
(株)製 MAX1180K(商品名)
【0058】次に実施例及び比較例で用いられる非スチ
レン含有樹脂フィルム等の評価方法を下記に説明する。 (a)永久伸び(単位;%):JIS K6301に準
じ、伸長速度200mm/min、伸長伸度300%、
伸長保持時間10min、伸長緩和時間10minの条
件で測定し、伸長前の長さ(L1)mmと伸長後の長さ
(L2)mmから、次式(式1)によってフィルムの永
久伸びを求める。 永久伸び=((L2−L1)/L1)×100 (式1) 永久伸びの値が小さいほど応力緩和後に戻り易いことを
示し、引張り時のゴム弾性が優れる。
【0059】(b)ヤング率(単位;MPa):幅10
mmの短冊状試験片を用いて、引張速度5mm/min
で伸長した時の伸長率1%時の応力より、フィルムのヤ
ング率を測定し柔軟性の基準とした。値が小さいほど引
張時の柔軟性が優れる。
【0060】(c)ブリード(単位;%):フィルムを
40℃の雰囲気下に7日間放置し、エタノールで洗浄前
後のヘーズ(JIS K 7105)の差を測定しブリ
ードの基準とした。値が小さいほど経時後のフィルムの
白濁感がない。
【0061】(d)目脂発生状況:フィルムの加工時に
ダイのリップ部周辺に堆積する目脂の量を目視で判断し
た。 ◎:目脂が殆ど発生せず、連続生産可能。 ○:やや目脂が発生するが、連続運転可能。 △:目脂の発生が確認されるが成長速度が小さく、連続
運転困難。 ×:目脂の発生が著しく、フィルムに移行し連続運転不
可。 ◎、○が生産使用可能レベルであり、△、×では生産不
可であり、フィルムとしての生産効率の目安とした。
【0062】(e)薄膜加工性(単位;μm):製膜加
工速度を4m/minとして押出樹脂量をコントロール
して50μmより薄膜化して安定して製膜できる肉厚限
界を測定した。薄膜化できるほど加工安定性が良好であ
り、生産効率の目安とした。
【0063】(f)ロール剥離性:フィルム加工時にお
けるチルロールやピンチロールへの粘着の有無を観察し
た。 ◎:ロールへ粘着がまったくみられず連続生産可能。 ○:一部ロールへ粘着するが容易に剥離し連続生産可
能。 △:ロールへ粘着し剥離するが連続生産に問題あり。 ×:ロールへ粘着してフィルム加工が不可能。 ◎、○が生産使用可能レベルであり△、×では連続生産
不可であり、フィルムとしての生産効率の目安とした。
【0064】(g)リワインド特性:フィルムを紙管に
100m巻取り、3日後に巻取りフィルムのリワインド
し易さを観察した。 ◎:フィルム同士の粘着がまったくみられずリワインド
可能。 ○:一部フィルム同士の粘着があるが容易に剥離しリワ
インド可能。 △:フィルム同士が粘着し、剥離するが不安定のためリ
ワインド困難。 ×:フィルム同士が粘着し、剥離時のフィルムの切断ま
たは伸びの発生や剥離跡が発生してリワインド不可能。 ◎、○がリワインド可能レベルであり△、×では連続リ
ワインドが不可であり、フィルムの製品としての二次加
工適性の目安とした。
【0065】(非スチレン含有樹脂組成物の調製)樹脂
類、スリップ剤マスターバッチ、及びアンチブロッキン
グ剤マスターバッチのペレットを、表1〜4に記載した
示した混合割合で、タンブラーミキサーを用いて各20
分間混合し、非スチレン含有樹脂配合物(D−1)、非
スチレン含有樹脂組成物(G1−1〜8、G2−1〜
6)及びオレフィン重合体(H−1〜3)を得た。
【0066】(Tダイ法単層フィルムの評価) 実施例1〜11、比較例1〜8 Tダイを備えた押出機((株)東洋精機製作所製 ラボ
プラストミル)を用い、上記の非スチレン含有樹脂配合
物、後述の表1〜4記載非スチレン含有樹脂組成物及び
他の樹脂類を、後述の表5〜8に記載されている押出温
度(ダイ温度)で溶融させながら押出し、表面温度30
℃の冷却ロ−ルで冷却固化して、製膜加工速度4m/m
inで薄膜加工性を評価した後、厚さ50μm、幅10
0mmのフィルムとし、長さ100mのフィルムをワイ
ンダーにて一定張力で紙管に巻取り、フィルムサンプル
を得た。フィルムサンプルを評価し、その結果を後述の
表5〜8に示した。
【0067】表5〜8から明らかなように、本発明の実
施例の非スチレン含有樹脂単層フィルムは、比較例1の
スチレン含有樹脂フィルムに比べ薄膜加工性、ロール剥
離性、リワインド適性に優れ、比較例2のポリエチレン
樹脂フィルムに比較してもロール剥離性やリワインド適
性が優れ、かつ良好なゴム弾性と柔軟性を兼ね備え、加
工性と物性のバランスが優れている。また、比較例4で
はスリップ剤配合量が多いためブリード過多となった。
比較例5ではスリップ剤を添加せずにアンチブロッキン
グ剤のみを配合しているが、実施例11と比較して製膜
加工時は問題無いがリワインド適性が著しく劣り二次加
工が困難である。比較例6では実施例10、11と比較
してアンチブロッキング剤配合量が多いためフィルムの
伸長適性が悪く300%までの伸長が不可であり強度不
良となり、更に目脂の発生が多く連続生産ができなかっ
た。比較例7では押出温度(ダイ温度)150℃で加工
したが温度が低すぎるため溶融樹脂の延展性が悪く50
μmの加工はできなかった。また、比較例8では押出温
度(ダイ温度)350℃で加工したが温度が高すぎるた
め樹脂の分解が発生し、実施例11と比較しロール剥離
性やリワインド特性が低下し更には永久伸びの低下が著
しい。
【0068】(インフレーション法単層フィルムの評
価) 実施例12、比較例9〜12 円形ダイを備えた押出機((株)山口製作所製 CYT
40)を用い、表1〜4記載の非スチレン含有樹脂組成
物及び他の樹脂類を、後述の表9に記載されている押出
温度(ダイ温度)で溶融させながら押出し、冷却水温2
0℃の冷却水で冷却固化して、製膜加工速度10m/m
inで薄膜加工性を評価した後、得られた厚さ50μ
m、折幅150mmの円筒状フィルムをスリッターを用
いて切り開き、長さ100mのフィルムをワインダーに
て一定張力で紙管に巻取り、フィルムサンプルを得た。
フィルムサンプルを評価し、その結果を後述の表9に示
した。
【0069】表9から明らかなように、本発明の実施例
12の非スチレン含有樹脂単層フィルムはスチレン含有
樹脂フィルムである比較例9に比べ加工安定性に優れ、
比較例10のポリエチレン樹脂フィルムに比較してもロ
ール剥離性やリワインド適性が優れ、かつ良好なゴム弾
性と柔軟性を兼ね備え、加工性と物性のバランスが優れ
ている。また、比較例11では押出温度(ダイ温度)を
150℃で加工したが温度が低すぎるため溶融樹脂の延
展性が悪く50μmの加工はできなかった。また、比較
例12では押出温度(ダイ温度)を350℃で加工した
が温度が高すぎるため溶融樹脂がドローダウンしてバブ
ルが形成できず加工できなかった。
【0070】(カレンダー法単層フィルムの評価) 実施例13、比較例13〜16 203mmφロールを4本備えた逆L型カレンダー成形
機を用い、表1〜4記載の非スチレン含有樹脂組成物及
び他の樹脂類を、後述の表10に記載されているカレン
ダー温度(ボトムロール温度)で混練成形し、表面温度
30℃の冷却ロ−ルで冷却固化して、製膜加工速度4m
/minで薄膜加工性を評価した後、厚さ50μm、幅
100mmのフィルムとし、長さ100mのフィルムを
ワインダーにて一定張力で紙管に巻取り、フィルムサン
プルを得た。フィルムサンプルを評価し、その結果を後
述の表10に示した。
【0071】表10から明らかなように、本発明の実施
例13の非スチレン含有樹脂単層フィルムは、スチレン
含有樹脂フィルムである比較例13に比べ加工安定性に
優れ、比較例14のポリエチレン樹脂フィルムに比較し
てもロール剥離性やリワインド適性が優れ、かつ良好な
ゴム弾性と柔軟性を兼ね備え、加工性と物性のバランス
が優れている。また、比較例15ではカレンダー温度
(ボトムロール温度)を80℃で加工したが温度が低す
ぎるため溶融状態が不均一になり、樹脂の延展性が悪く
50μmの加工はできなかった。また、比較例16では
カレンダー温度(ボトムロール温度)250℃で加工し
たが温度が高すぎるため樹脂の分解や樹脂の粘着が発生
して加工できなかった。
【0072】(多層フィルムの評価) 実施例14〜19、比較例17〜18 Tダイを備えた多層押出機(コア層用押出機口径65m
mφ1台、スキン層用押出機口径40mmφ2台)を用
い、表1〜4記載の非スチレン含有樹脂組成物及び他の
樹脂類を、後述の表11〜12に記載した多層構成比に
なるように各々の押出機より押出温度(ダイ温度)20
0℃で溶融させながら押出し、表面温度30℃の冷却ロ
−ルで冷却固化して、製膜加工速度4m/minで薄膜
加工性を評価した後、厚さ50μm、幅500mmのフ
ィルムとし、長100mのフィルムをワインダーにて一
定張力で紙管に巻取り、多層フィルムサンプルを得た。
フィルムサンプルを評価し、その結果を後述の表11〜
12に示した。
【0073】表11〜12から明らかなように、本発明
の実施例の非スチレン含有樹脂多層フィルムはスチレン
含有樹脂単層フィルムである比較例1に比べ薄膜加工
性、ロール剥離性、リワインド適性に優れ、比較例2の
ポリエチレン樹脂単層フィルムに比較してもロール剥離
性やリワインド適性が優れ、かつ良好なゴム弾性と柔軟
性を兼ね備えた加工性と物性のバランスが優れている。
また、比較例17〜18では実施例14〜19と比較し
て多層構成比のスキン層厚さを薄くしたため、スキン層
の厚さが不均一となり連続生産ができなかった。
【0074】(テープフィルムの評価) 実施例20〜24 実施例3、実施例11〜14で得られた非スチレン含有
樹脂フィルムを、回転刃を用いたシェアーカット方式に
て4mm幅にスリットして、紙管に25m巻取りテープ
フィルムサンプルを得た。フィルムサンプルを評価し、
その結果を後述の表13に示した。
【0075】表13から明らかなように、本発明の実施
例の非スチレン含有樹脂フィルムをスリットすることに
より好適なゴム弾性とリワインド適性を兼ね備えたテー
プフィルムとなった。
【0076】
【表1】
【0077】
【表2】
【0078】
【表3】
【0079】
【表4】
【0080】
【表5】
【0081】
【表6】
【0082】
【表7】 *比較例7は溶融樹脂の延展性不良より加工できず
【0083】
【表8】 *比較例6の永久伸びは300%伸張時に破断して測定
できず。 *比較例7は溶融樹脂の延展性不良より加工できず
【0084】
【表9】 *比較例9はバブルの安定性不良よりサージングが発生
し加工できず。 *比較例11は溶融樹脂の延展性不良より加工できず。 *比較例12は溶融樹脂がドローダウンしてバブルが形
成できず加工不可。
【0085】
【表10】 *比較例13は溶融樹脂がカレンダーロールに粘着して
加工できず。 *比較例15は樹脂が溶融せずカレンダー加工できず。 *比較例16は溶融樹脂がカレンダーロールに粘着して
加工できず。
【0086】
【表11】
【0087】
【表12】 *比較例17、18はフィルム加工不可
【0088】
【表13】
【0089】
【発明の効果】本発明の非スチレン含有樹脂フィルム
は、非スチレン含有樹脂や非スチレン含有樹脂にスリッ
プ剤または更にアンチブロッキング剤を配合した非スチ
レン含有樹脂組成物を用いることにより優れたゴム弾性
と柔軟性を持ち、加工適性とのバランスが良好な生産効
率の高いゴム弾性フィルムであり、しかも環境適性や経
済性にも優れた、医療用絆創膏、医療用フィルム、介護
用フィルム、おむつ等の用途に好適なフィルムである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 53/00 C08L 53/00 101/00 101/00 Fターム(参考) 4F071 AA12X AA14X AA15X AA20X AA21X AA33 AA67 AA75 AA76 AA78 AB17 AB21 AB26 AC06 AC09 AC10 AE05 AE17 AF20 AH19 BA01 BB04 BB06 BB09 BC01 4J002 AC112 BB171 BG064 BP021 BP031 CH023 CP034 DE077 DE237 DE287 DJ007 DJ017 DJ047 DJ057 EH056 EP016 EP026 FD030 FD040 FD173 FD174 FD176 FD177 GB01 GF00

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】非スチレン含有樹脂(D)にスリップ剤
    (E)を0.05〜0.50重量%配合してなる非スチ
    レン含有樹脂組成物(G1)または、非スチレン含有樹
    脂組成物(G1)にアンチブロッキング剤(F)を5〜
    50重量%配合してなる非スチレン含有樹脂組成物(G
    2)からなる単層フィルム、または該単層フィルムを少
    なくとも1層含有する多層フィルムであって、JIS
    K 6301に準じて測定した永久伸びが50%以下で
    あることを特徴とする非スチレン含有樹脂フィルム。
  2. 【請求項2】多層フィルムがコア層とこのコア層の少な
    くとも一方の面に形成されたスキン層とを有し、1層の
    スキン層の厚さが3μm以上で、構成比(コア層厚さ/
    合計スキン層厚さ)が20以下になるように積層されて
    なることを特徴とする請求項1記載の非スチレン含有樹
    脂フィルム。
  3. 【請求項3】多層フィルムのコア層が非スチレン含有樹
    脂(D)または非スチレン含有樹脂組成物(G1)から
    なり、スキン層が非スチレン含有樹脂組成物(G2)か
    らなることを特徴とする請求項2記載の非スチレン含有
    樹脂フィルム。
  4. 【請求項4】多層フィルムのコア層が非スチレン含有樹
    脂(D)、非スチレン含有樹脂組成物(G1)及び非ス
    チレン含有樹脂組成物(G2)から選ばれる1種からな
    り、スキン層がオレフィン重合体(H)からなることを
    特徴とする請求項2記載の非スチレン含有樹脂フィル
    ム。
  5. 【請求項5】非スチレン含有樹脂(D)が結晶オレフィ
    ン−エチレンブチレン−結晶オレフィンブロック共重合
    体(A)または1−ブテン−α−オレフィン共重合体
    (B)であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか
    1項記載の非スチレン含有樹脂フィルム。
  6. 【請求項6】非スチレン含有樹脂(D)が結晶オレフィ
    ン−エチレンブチレン−結晶オレフィンブロック共重合
    体(A)に、1−ブテン−α−オレフィン共重合体
    (B)及び水添ポリブタジエン重合体(C)から選ばれ
    る少なくとも1種を配合してなることを特徴とする請求
    項1〜5のいずれか1項記載の非スチレン含有樹脂フィ
    ルム。
  7. 【請求項7】オレフィン重合体(H)が4−メチル−1
    −ペンテン重合体(I)、プロピレン重合体(J)及び
    エチレン重合体(K)から選ばれる少なくとも1種ある
    ことを特徴とする請求項4記載の非スチレン含有樹脂フ
    ィルム。
  8. 【請求項8】スリップ剤(E)が高級脂肪酸アミドから
    選ばれる少なくとも1つであることを特徴とする請求項
    1〜7のいずれか1項記載の非スチレン含有樹脂フィル
    ム。
  9. 【請求項9】アンチブロッキング剤(F)が平均粒径
    0.5〜10μmのフィラーから選ばれる少なくとも1
    つであることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項
    記載の非スチレン含有樹脂フィルム。
  10. 【請求項10】非スチレン含有樹脂フィルムが、Tダイ
    法を用い、押出温度160〜350℃、冷却温度80℃
    以下の製造条件で製造されたことを特徴とする請求項1
    〜9のいずれか1項記載の非スチレン含有樹脂フィル
    ム。
  11. 【請求項11】非スチレン含有樹脂フィルムが、インフ
    レーション法を用い、押出温度160〜350℃、空冷
    または水冷の冷却方式の製造条件で製造されたことを特
    徴とする請求項1〜9のいずれか1項記載の非スチレン
    含有樹脂フィルム。
  12. 【請求項12】非スチレン含有樹脂フィルムが、カレン
    ダー法を用い、カレンダーロール温度100〜250℃
    の製造条件で製造されたことを特徴とする請求項1〜9
    のいずれか1項記載の非スチレン含有樹脂フィルム。
JP2002182608A 2002-01-21 2002-06-24 非スチレン含有樹脂フィルム Pending JP2003277527A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002182608A JP2003277527A (ja) 2002-01-21 2002-06-24 非スチレン含有樹脂フィルム

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002-11680 2002-01-21
JP2002011680 2002-01-21
JP2002182608A JP2003277527A (ja) 2002-01-21 2002-06-24 非スチレン含有樹脂フィルム

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003277527A true JP2003277527A (ja) 2003-10-02

Family

ID=29253041

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002182608A Pending JP2003277527A (ja) 2002-01-21 2002-06-24 非スチレン含有樹脂フィルム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003277527A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009114417A (ja) * 2007-11-09 2009-05-28 Bittner George 内分泌撹乱作用のない材料
CN107443850A (zh) * 2017-08-09 2017-12-08 连云港柏兴无纺布制品有限公司 一种复合材料及其应用

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009114417A (ja) * 2007-11-09 2009-05-28 Bittner George 内分泌撹乱作用のない材料
CN107443850A (zh) * 2017-08-09 2017-12-08 连云港柏兴无纺布制品有限公司 一种复合材料及其应用

Similar Documents

Publication Publication Date Title
HU215088B (hu) Hőre lágyuló, rugalmas filmek és eljárás ezek előállítására
US20100125114A1 (en) Propylene-Based Film Compositions
JP6859324B2 (ja) 延伸多孔性フィルム及びその製造方法
CN111417676B (zh) 延伸多孔性膜及其制造方法
JP3474677B2 (ja) 多孔性シート及びそれを用いた吸収性物品
JP2023113949A (ja) 組成物および弾性体
JPH11151782A (ja) 伸縮性複合フィルム、弾性ひも及び弾性糸
JP2003277527A (ja) 非スチレン含有樹脂フィルム
EP4122675A1 (en) Stretch film and method for producing same
KR100465176B1 (ko) 통기성필름의제조방법
JP2001261868A (ja) 多孔性フィルム及びその製造方法
JPH0858038A (ja) 積層体
JP3462303B2 (ja) 多孔性シート及びそれを用いた吸収性物品
JP3394605B2 (ja) フィルム成形用スチレン系熱可塑性エラストマー組成物
JP2015229721A (ja) 透湿性フィルム
JP2001294717A (ja) ポリオレフィン系樹脂組成物及び該組成物から得られるポリオレフィンフィルム
JP2015229719A (ja) 透湿性フィルム
JP2003011298A (ja) ストレッチ包装用フィルム
JP2003182007A (ja) 防曇性フィルム
JP6561408B2 (ja) 弾性フィルム
JP7404633B2 (ja) インフレーション成形用樹脂組成物およびそれからなるインフレーションフィルム
EP4253043A1 (en) Stretchable film
JP4608985B2 (ja) オレフィン樹脂製多層ラップフィルム
JP7167486B2 (ja) ポリプロピレン系積層フィルム
JP3474662B2 (ja) 多孔性シート及びそれを用いた吸収性物品