JP3474662B2 - 多孔性シート及びそれを用いた吸収性物品 - Google Patents

多孔性シート及びそれを用いた吸収性物品

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JP3474662B2
JP3474662B2 JP01629995A JP1629995A JP3474662B2 JP 3474662 B2 JP3474662 B2 JP 3474662B2 JP 01629995 A JP01629995 A JP 01629995A JP 1629995 A JP1629995 A JP 1629995A JP 3474662 B2 JP3474662 B2 JP 3474662B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、多孔性シート及びそれ
を用いた吸収性物品に関するものであり、詳しくは、引
張強度及び成形生産性に優れ、且つ透湿性及び耐水圧等
にも優れる多孔性シート及びそれを用いた吸収性物品に
関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来、
多孔性シートの製造方法としては、ポリエチレンやポリ
プロピレン等のオレフィン系樹脂中に40重量部以上の
無機充填材を溶融混練してシートを形成した後、一軸ま
たは二軸方向に延伸する方法が知られている。このよう
にして得られた多孔性シートは、通気性及び透湿性に優
れ結露現象を生じないため壁紙や包装紙等に好適に用い
られている。また、このような多孔性シートの優れた性
質に更に柔軟性を付与することにより、使い捨てオムツ
等の吸収性物品の裏面材等に使用することができ、この
ように多孔性シートに柔軟性を付与するためには、オレ
フィン系樹脂として線状低密度ポリエチレンを用いるこ
と等が提案されている。
【0003】一般に多用されている使い捨てオムツは、
尿等の排泄物を吸収する吸収体と、該吸収体の表面を覆
い肌に当てられる表面材と、上記吸収体を覆い液漏れを
防ぐ裏面材とからなり、これらは接着して一体化されて
いる。また、胴周部、脚周部からの濡れを防ぐ為に設け
られた伸縮機能及びオムツを装着した時に背側胴周部と
腹側胴周部とを止着するテープ等からなる止着機能を備
えている。そして、この止着テープは利便性から約25
mm幅のものが好ましく多用されているが、オムツの装
着ミス又は着用中の排尿点検等により、上記止着テープ
を剥がそうとすると、柔軟性を付与した上記の多孔性シ
ートを用いて形成した裏面材は強度不足で破れてしま
い、新しいオムツと交換せざるを得ないという問題があ
る。そこで、これを防止するために、オムツの腹側胴周
囲部の裏面材に、前もって幅広い保持用テープ(通称ラ
ンディングテープ)を貼り付けておき、装着時は止着テ
ープ(通称ファスニングテープ)をその上に貼ることに
より止着テープを繰り返し付け剥がしできるようになっ
ている。
【0004】しかしながら、ランディングテープを用い
ることは、オムツ構成部材や製造工程が多くなるとい
う欠点、ランディングテープはオムツ素材の中で最も
高価であるので、そのテープを幅広く(多量に)用いる
ことはコストアップになるという欠点、ランディング
テープを幅広で用いても着用者の体型によってはファス
ニングテープがランディングテープ以外の裏面材に貼り
付くことがあり、ファスニングテープの付け剥がしがで
きなくなる場合があるという欠点がある。
【0005】そこで、高強度の多孔性シートとして、特
開平5−98057号公報において、特定のポリオレフ
ィンに充填材と特定の可塑剤とラジカル発生剤とを配合
してインフレーション成形し、さらに引き取り方向に一
軸延伸する製法により得られる多孔性シートが提案され
ている。しかし、該多孔性シートは、通常のオレフィン
系樹脂に無機充填材を溶融混練して成形したシートを延
伸した多孔性シートの強度に比べ2倍弱は強度が向上す
るものの、この程度の強度では使い捨てオムツ等のラン
ディングテープを省くことはできない。更に、ラジカル
発生剤を使用しているので、成形品の溶融流動特性が成
形前組成物のそれと異なるので、通常の実生産工程で生
じる端部等の不用部分のリサイクル加工が困難であり、
生産性が低下するという問題がある。
【0006】また、特公平5−38011号公報では、
「特定の結晶性ポリマーと特定の(該ポリマーに混和性
である)化合物とを溶融ブレンドし、シート成形し、冷
却過程で相分離を起こさせ、そのシートを延伸すること
により微孔質シートを製造する方法」により得られる微
孔質シートが提案されている。かかる微孔質シートは通
常のオレフィン系樹脂に無機充填剤を溶融混練して成形
したシートを延伸した多孔性シートに比べて強度を2〜
3倍のものとすることができる。しかし、これでも未だ
ランディングテープを省ける程度の強度には至っていな
い。本発明者等の検討では、通常の製法による多孔性シ
ートの少なくとも4倍、好ましくは5倍の強度が必要で
あるという結果がでている。更にまた、上記裏面材に
は、肌に接触する吸収性物品の素材としてのソフトな感
触/風合いが要求されているが、上記微孔質シートで
は、要求される強度、透湿性を保持しながら良好な風合
いを得ることができない。また、該公報では、上記の特
定の結晶性ポリマーとして、ポリプロピレン、ポリエチ
レン、エチレンープロピレン共重合樹脂等を開示してい
るが、これらは利用できる樹脂を開示しているのみでエ
チレンとプロピレンの重量比、共重合形態(ランダム、
ブロック)等は全く開示されていない。
【0007】更に、かかる微孔質シートの処方では、使
用される化合物の揮発温度が低いので、シート成形時に
発煙による環境汚染や引火の危険性があるのみでなく、
揮発物がダイリップに付着して通称「目ヤニ」と呼ばれ
ている焼けが発生することが多く、成形を中断しての分
解掃除を頻発に行う必要があり、工業的な生産性に著し
く劣るという問題があった。
【0008】従って、本発明の目的は、通気性、透湿
性、及び耐水性を有し、更には、良好な風合いと高い強
度(引き裂き強度及び引張降伏点強度)とを有してお
り、工業的に安全に且つ高速で連続生産することのでき
る生産性に優れた多孔性シート及びそれを用いた吸収性
物品を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記の課
題を解決するために、鋭意検討した結果、特定の結晶性
ポリオレフィン樹脂と特定の揮発温度及び融点を有する
化合物とを特定量溶融混練して得られる多孔性シート
が、上記目的を達成し得ることを知見した。
【0010】本発明は、上記知見に基づいてなされたも
ので、結晶性ポリオレフィン樹脂55〜90重量部と常
圧での揮発温度が240℃以上で且つ融点が100℃以
下である化合物45〜10重量部とを含む樹脂組成物の
溶融混練物から成形したシートを、少なくとも一つの方
向に延伸してなる多孔性シートであって、上記結晶性ポ
リオレフィン樹脂は、エチレンとプロピレンとのブロッ
ク共重合樹脂と、ポリプロピレン樹脂及び/又はポリエ
チレン樹脂との混合物であり、該結晶性ポリオレフィン
におけるエチレンとプロピレンとのモノマー換算重量比
(エチレンの重量%/プロピレンの重量%)が4/96
〜40/60であることを特徴とする多孔性シートを提
供するものである。
【0011】また、本発明は、液透過性の表面材と、防
漏性の裏面材と、これら両面材の間に配置される吸収体
とからなる吸収性物品において、上記裏面材として、上
記の多孔性シートを用いることを特徴とする吸収性物品
を提供するものである。
【0012】以下、先ず、本発明の多孔性シートについ
て詳述する。本発明の多孔性シートは、樹脂組成物の溶
融混練物から成形したシートを、延伸処理してなる多孔
性シートであり、該樹脂組成物は、特定の結晶性ポリオ
レフィン樹脂と特定の化合物とを特定の配合割合で含
み、必要に応じて充填剤、安定剤、着色剤等を含む組成
物である。
【0013】本発明において上記樹脂組成物に用いられ
る上記特定の結晶性ポリオレフィン樹脂は、エチレンと
プロピレンとのブロック共重合樹脂と、ポリプロピレン
樹脂及び/又はポリエチレン樹脂との混合物である。即
ち、本発明において用いることができる上記結晶性ポリ
オレフィン樹脂は、下記の〜 の樹脂である。 上記
ブロック共重合樹脂とポリプロピレン樹脂との混合物。
上記ブロック共重合樹脂とポリエチレン樹脂との混合
物。 上記ブロック共重合樹脂とポリプロピレン樹脂と
ポリエチレン樹脂との混合物。
【0014】また、上記結晶性ポリオレフィン樹脂にお
けるエチレンとプロピレンとのモノマー換算重量比(エ
チレンの重量%/プロピレンの重量%)が4/96〜4
0/60であり、好ましくは8/92〜30/70であ
る。上記モノマー換算重量比が上記範囲内であることに
より、本発明の多孔性シートは、特に風合いと強度(引
き裂き強度、引っ張り降伏点強度)との観点から吸収性
物品の裏面材として用いるのに好適なシートとなる。ま
た、上記結晶性ポリオレフィンとしては、モノマー換算
重量比が上記の範囲内であれば、上記の樹脂又は共重合
樹脂(上記〜 の樹脂)を2種以上混合して用いても
よい。上記モノマー換算重量比のエチレン重量比が4
(重量%)未満であると、引き裂き強度が小さくなると
共に風合いが悪くなり、また、エチレン重量比が40
(重量%)を超えると、高い延伸倍率で延伸しなければ
所望の透湿度が得られず、このような所望の透湿度が得
られる延伸倍率で延伸してしまうと引き裂き強度が低下
する。
【0015】また、上記モノマー換算重量比が上記範囲
内の重合体であっても、ランダム共重合体の場合には、
多孔性シートにおいて、所望の透湿度が発現し難く、且
つ、引き裂き強度及び引張強度が低いので、ブロック共
重合体である必要がある。
【0016】上記結晶性ポリオレフィン樹脂として用い
る上記ブロック共重合樹脂、上記プロピレン樹脂及び上
記ポリエチレン樹脂は、それぞれのメルトインデックス
が3g/10分以下であるのが好ましく、0.2〜3g
/10分であるのが更に好ましく、0.2〜2g/10
分であるのが最も好ましい。上記メルトインデックスが
3g/10分を超えると、得られる多孔性シートの引き
裂き強度や、引っ張り強度が低下し、例えば使い捨てオ
ムツ等の吸収性物品の裏面材としての必要な強度を得る
ことが難しくなるので、上記範囲内とするのが好まし
い。また、この場合に所望の強度を得るべく多孔性シー
トの厚みを厚くしてもよいが、透湿性が低下すると共に
その製品のコストアップを招く。また、上記メルトイン
デックスが0.2g/10分未満であると、シート成形
時の押出成形で大きな動力を必要とする不都合が生じて
生産性が低下するので、上記範囲内とするのが好まし
い。
【0017】尚、本発明において、上記メルトインデッ
クスとはASTM D−1238に準処して、ポリプロ
ピレン樹脂及び上記ブロック共重合樹脂においては23
0℃、2.16Kgfの条件で、またポリエチレン樹脂
においては190℃、2.16Kgfの条件で測定した
値である。
【0018】本発明において、上記樹脂組成物に用いら
れる上記の特定の化合物は、常圧での揮発温度が240
℃以上、好ましくは250℃以上、更に好ましくは26
0℃以上であり、且つ融点が100℃以下、好ましくは
80℃以下、更に好ましくは60℃以下の化合物(以
下、単に「化合物」という)である。本発明において、
上記樹脂組成物の溶融混練物を成形する際におけるシー
ト成形温度は、好ましくは180〜250℃、更に好ま
しくは190℃〜240℃であるため、上記化合物の常
圧での揮発温度が240℃未満である場合には、成形時
に揮発物の発煙が生じ易くなる。そして、このような成
形時の揮発物の発煙は、環境汚染や引火の危険性がある
のみでなく、揮発物がダイリップに付着して通称「目ヤ
ニ」と呼ばれている焼け発生の原因となる。従って、上
記発煙が生じると、シート成形を一旦中断してダイリッ
プの分解掃除をたびたび行わねばならず、工業的な生産
性が著しく劣るという問題が生じる。また上記化合物の
融点が100℃以下に制限されるのは、成形されたシー
トを延伸処理する時、該化合物が延伸温度で軟化してい
るか又は溶融している方が、シートが容易に微多孔化す
るためである。
【0019】尚、本発明における「揮発温度」とは、熱
天秤を用い、窒素気流中(30ml/min)、昇温速度10
℃/min、サンプル10mgで揮発減量を測定し、加熱減量
曲線を描いた際の減量が1%である温度を意味する。
【0020】上記化合物としては、例えば、鉱物油又は
分子内にエステル結合を有する化合物等が挙げられる。
上記鉱物油としては、天然から採取され、低揮発分が除
去された芳香族/脂環族/脂肪族からなる炭化水素、及
びこれらに水素添加等をして芳香族を除去した脂環族/
脂肪族からなる炭化水素等が挙げられ、合成鉱油と呼ば
れるエチレン/α−オレフィンオリゴマー等も挙げられ
る。
【0021】上記の分子内にエステル結合を有する化合
物としては、脂肪族若しくは芳香族の一塩基若しくは
多塩基カルボン酸と、脂肪族、脂環族若しくは芳香族の
一価若しくは多価アルコールとを脱水縮合して得られる
エステル化合物;又は分子内にヒドロキシル基とカル
ボキシル基との両方を有する化合物を脱水縮合反応して
得られるエステル化合物(即ち、モノ又はポリエステル
化合物)等が挙げられる。上記脂肪族カルボン酸及び芳
香族カルボン酸としては、多塩基カルボン酸が好まし
い。芳香族多塩基カルボン酸としては、芳香族ジカルボ
ン酸、芳香族トリカルボン酸及び芳香族テトラカルボン
酸が好ましく、例えばフタル酸、トリメリット酸及びピ
ロメリット酸等が挙げられる。脂肪族多塩基カルボン酸
としては、脂肪族ジカルボン酸及び脂肪族トリカルボン
酸が好ましく、例えば、アジピン酸、セバチン酸及びク
エン酸等が挙げられる。また、アルコールとしては、一
価のアルキルアルコール等が好ましく、例えば、オクチ
ルアルコール、ラウリルアルコール、ステアリルアルコ
ール、オレイルアルコール等が挙げられる。
【0022】また、特に上記の分子内にエステル結合を
有する化合物としては、芳香族多塩基カルボン酸と一価
のアルキルアルコールとのエステル化合物(つまり、モ
ノ又はポリエステル化合物)、脂肪族多塩基カルボン酸
と一価のアルキルアルコールとのエステル化合物(つま
り、モノ又はポリエステル化合物)、又は多価アルコー
ル(特に好ましくは多価のアルキルアルコール)とモノ
カルボン酸(特に好ましくは脂肪族モノカルボン酸)と
のエステル化合物(つまり、モノ又はポリエステル化合
物)が好ましく用いられる。具体的には例えば、グリセ
リン、ジグリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタ
エリスルトール、ジペンタエリスリトート又はソルビタ
ン等の多価アルコールと、カプリン酸、ラウリン酸、パ
ルミチン酸、ステアリン酸又はオレイン酸等の脂肪族モ
ノカルボン酸とのエステル化合物等が好ましく挙げられ
る。
【0023】また、得られるエステル化合物がゲル化し
ない程度に少量のアジピン酸等ポリカルボン酸をエステ
ルの成分として加えてもよい。更に、環境汚染防止、安
全性の観点からは、脂肪族カルボン酸と脂肪族アルコー
ルとのポリエステル化合物が最も好ましい。また、上記
の分子内にエステル結合を有する化合物は、上記カルボ
ン酸の1種以上と上記アルコールの1種以上とから調製
することができる。また、該分子内にエステル結合を有
する化合物の調製方法には、特に制限はなく、従来公知
の如何なるエステル化方法も用いることができる。ま
た、上記の分子内にエステル結合を有する化合物はカル
ボン酸中のカルボキシル基及びアルコール中のヒドロキ
シル基のすべてが完全に反応していなくてもよく、カル
ボン酸中のカルボキシル基及び/又はアルコール中のヒ
ドロキシル基の一部が未反応のままである部分エステル
化化合物であってもよい。
【0024】上記化合物の具体例としては、鉱物油とし
ては石油各社から販売されている機械潤滑油、ゴム用プ
ロセスオイル、繊維用流動パラフィン等が挙げられ、分
子内にエステル結合を有する化合物としては、ジステア
リルフタレート、トリオクチルトリメリテート、テトラ
オクチルピロメリテート、ジステアリルアジペート、ジ
ステアリルセバテート、トリメチロールプロパントリラ
ウレート、ペンタエリスリトールテトラカプレート等を
挙げることができる。また、これらは結晶性ポリオレフ
ィン樹脂の溶解度パラメーターと数単位(上記結晶性ポ
リオレフィンの溶解度パラメーターと上記化合物の溶解
度パラメーターとの差が好ましくは2〜3)以内の組み
合わせから選ぶことができる。
【0025】本発明に用いる上記樹脂組成物における上
記結晶性ポリオレフィン樹脂と上記化合物との上記の特
定の配合割合は、結晶性ポリオレフィン樹脂55〜90
重量部に対し、化合物45〜10重量部であり、好まし
くは結晶性ポリオレフィン樹脂65〜80重量部に対し
化合物35〜20重量部である。上記化合物の配合割合
が45重量部を超えると、樹脂組成物のシート成形性が
劣り、且つ延伸処理して得られる多孔性シートが強度不
足となり、しかも長時間保存中に該多孔性シートから該
化合物がブリードアウトするため実用性に欠ける。ま
た、10重量部未満であると、延伸処理で所望の透湿度
を有する多孔性シートを得ることができない。
【0026】また、上記樹脂組成物には必要に応じて充
填剤を添加することができる。この際用いることができ
る充填剤は、シート成形温度において溶融しない粒状物
が好ましく、通常ゴムやプラスチック等に用いられる充
填剤、例えば、炭酸カルシウム、石膏、硫酸バリウム、
タルク、クレー、シリカ、酸化チタン、金属粉その他無
機物または無機質を主体とする有機物金属塩等が挙げら
れる。また、フェノール樹脂、エポキシ樹脂又はポリア
クリル酸ソーダ等の熱硬化性樹脂の粒状物や粉状物も使
用できる。また、該充填剤は、好ましくは20μm以
下、更に好ましくは5nm〜5μmの平均粒径を有する
粉粒体として用いることが望ましい。該平均粒径が20
μmを超えるとシートの引き裂き強度が低下し、5nm
未満であると実質的に延伸開孔性に寄与しないので、上
記範囲内の平均粒径を有するのが好ましい。また、成形
温度で溶融する充填剤は成形シート中での必要とされる
粒径に制御し難い。上記充填剤を添加することにより、
添加しない場合に比して低延伸倍率でシートを開孔させ
ることができ、所望の透湿度が得られるため、シート強
度特に引き裂き強度をより向上させることができ、上記
結晶性ポリオレフィン樹脂において、エチレン含量を多
くした場合に透湿度が低下するのを抑制するのに効果的
である。また、上記充填剤は、上記樹脂組成物100重
量部に対して、好ましくは1〜30重量部用いることが
できる。
【0027】更にまた、上記樹脂組成物には、核剤(結
晶造核剤)を添加するのが好ましい。既に市販の結晶性
ポリオレフィン樹脂には、高剛性、ハイサイクルグレー
ドとして核剤が配合されたものや、核剤として配合され
ていなくても実質的に核剤機能を有するものが配合され
ているものもあり、充填剤や顔料の一部もこの機能を有
する。これらの核剤や核剤機能を有するものが添加され
ていないグレード及び添加されてはいるが核剤の効果の
劣るグレードには必要に応じて核剤を添加することが好
ましい。この際、用いられる核剤は特に制限されず、当
業界で周知の核剤を用いることができ、例えば、プラス
チックス(工業調査会発行)Vol.43 No.11 113
〜116頁の「プラスチック配合剤の機能と効果=核
剤」欄に記載されている核剤を用いることができ、具体
的には、芳香族カルボン酸の金属塩〔アルミニウムヒド
ロキシジパラ−t−ブチルベンゾエート(Al−PTB
BA)〕等、ソルビトール系誘導体、有機リン酸塩〔リ
ン酸2,2−メチレンビス(4,6−ジ−t−ブチルフ
ェニル)ナトリウム(PTBPNa)〕等の高融点ポリ
マー核剤や、無機系核剤としてのタルク等が挙げられ
る。
【0028】また、上記樹脂組成物には必要により安定
剤、着色剤等を添加剤として添加することができる。安
定剤や、該着色剤としては、公知のものを特に制限され
ずに用いることができる。更に、必要に応じて本発明の
多孔性シートの基本物性に悪影響しない程度に少量の帯
電防止剤等の通常の樹脂物性改良剤を添加剤として用い
ることもできる。これらの添加剤は、樹脂組成物の全量
に対して、好ましくは0.01〜10重量%、更に好ま
しくは0.1〜5重量%添加することができる。
【0029】而して、本発明の多孔性シートは、上記樹
脂組成物の溶融混練物から成形したシートを、少なくと
も一つの方向に延伸してなる多孔性シートである。上記
の「成形」及び「延伸」については、下記の「製造方
法」の説明において詳述する。
【0030】そして、本発明の多孔性シートは、その透
湿度が好ましくは0.5〜4.0g/100cm2 ・H
rであり、更に好ましくは1.0〜2.5g/100c
2・Hrである。透湿度が0.5g/100cm2
Hr未満であると、吸収性物品の裏面材として用いた場
合にムレ防止等の効果が劣り、また逆に4.0g/10
0cm2 ・Hrを超えると、耐水圧が低下し、防漏性が
低下するので上記範囲内とするのが好ましい。また、該
多孔性シートを使い捨てオムツ等の吸収性物品の裏面材
に使用する場合には、該多孔性シートの耐水圧は、1.
5mAq以上、特に2.0mAq以上であるのが好まし
い。また、本発明の多孔性シートは、その引き裂き強度
が、好ましくは180gf/mm以上、更に好ましくは
250gf/mm以上、最も好ましくは330gf/m
m以上である。また、引張降伏点強度が好ましくは11
0kgf/cm2 以上、更に好ましくは120kgf/
cm2 以上、最も好ましくは130kgf/cm2 以上
である。
【0031】本発明の多孔性シートは、使い捨てオムツ
等の吸収性物品の裏面材として好適である他、織布、不
織布、紙等と貼り合わせて、防水、防寒、防菌、テン
ト、寝具用、包帯、ハップ材の基材等衣料用及び医療
用、鮮度保持、小動物、種子等の生命保持、腐敗防止用
包装材、果実等の熟成材、遮光材、濾過、拡散防止の分
離膜等の材料として用いることができる。
【0032】次に、本発明の多孔性シートの製造方法に
ついて説明する。本発明の多孔性シートを製造するに
は、先ず上記樹脂組成物の溶融混練物を成形してシート
とする。ここで、上記溶融混練物は、通常用いられる二
軸混練押出機による混練方法により、上記樹脂組成物を
混練することにより好ましく得られ、実生産に際しては
ホッパー部より上記結晶性ポリオレフィン樹脂及び必要
に応じて用いられる上記充填剤や上記添加剤を定量フィ
ーダーを用いて供給し、樹脂が可塑化している押出機の
混練部(中腹部)より上記化合物を定量ポンプで圧入す
る方法が好ましい。上記充填剤、上記添加剤の滑性が大
きい時は上記化合物に溶解または分散させて定量ポンプ
で圧入する方法が好ましい。また、上記化合物の融点が
常温以上のときは該化合物を融点以上に加熱して液状に
して注入するのが好ましい。上記成形を行いシートを得
るには、上記溶融混練物を二軸混練押出機の吐出部(先
端)に取り付けたギヤポンプを経てダイに供給するか、
又は二軸混練押出機と単軸押出機とをタンデムに組み合
わせ、該単軸押出機を経てダイに供給する方法により得
ることができる。
【0033】また、二軸混練押出機により、一旦、溶融
混練物(コンパウンド)をフィラメント状に押出した
後、カッティングして、ペレットを得、得られたペレッ
トを、ダイを取り付けた単軸押出機にて成形することも
できる。このように溶融混練物をペレット状とする場
合、通常のフィラメント状に押し出した溶融樹脂組成物
をそのまま冷却してカッティングするよりも、冷却した
フィラメントを約1.2〜1.5倍に延伸してからカッ
ティングすることが望ましい。この延伸を行うことによ
り、フィラメントの表面に化合物の一部がブリードする
ことがなく、次の単軸押出機への食い込みを良好にで
き、シート成形性を向上させることができる。また、上
記成形は、フラットダイ、サーキュラーダイのいずれを
用いて行っても良いが、シートの歩留りの観点からサー
キュラーダイを用いるのが好ましい。
【0034】更に、本発明の多孔性シートを得るために
は、溶融混練物の上記成形における冷却条件が重要であ
る。即ち、溶融樹脂組成物の冷却による結晶性ポリオレ
フィン樹脂の結晶生成(結晶の大きさ、好ましくは2〜
8μm)を制御する必要があり、例えば、著しい徐冷に
よる極大結晶の生成、及び著しい急冷による微細結晶の
生成は、次の延伸処理における均一な延伸を妨げ、得ら
れる多孔性シートの強度が弱かったり、透湿度が低くな
ってしまう場合があり好ましくない。好ましい冷却条件
は、樹脂組成物の溶融混練物の温度がダイ吐出時の温度
から結晶性ポリオレフィン樹脂の融解温度に迄冷却され
る時間が0.1〜3secであり、融解温度から更に1
00℃下がる時間が2〜20secであるのが望まし
い。例えば、融点168℃のエチレンとプロピレンとの
上記ブロック共重合樹脂を上記結晶性ポリオレフィン樹
脂として用いた樹脂組成物であれば溶融混練温度は22
0〜240℃であり、融解温度は158〜160℃であ
り、融解温度にまで冷却される時間は0.8〜2.0s
ec、更に100℃下がる時間は5〜20secとする
のが好ましい。
【0035】次いで、上記シートの延伸を行う。該延伸
は、縦方向(MD)に延伸する一軸延伸法、縦方向への
一軸延伸後引き続きテンター延伸機、エアーインフレッ
ション延伸機又はマンドレル延伸機等により横方向(T
D)に延伸する逐次二軸延伸法、又は縦方向及び横方向
に同時に延伸する同時二軸延伸法によって得られる。こ
れらの場合の延伸温度は、一般に常温以上で樹脂組成物
の融点より10℃以上、更には30℃以上低い温度であ
ることが好ましい。また、延伸倍率は一軸方向に少なく
とも1.1倍(元の長さ1.0に対し延伸後の長さ1.
1)以上、好ましくは1.2〜4倍、更に好ましくは
1.3〜3倍、即ち一軸延伸の場合は縦方向に、また二
軸延伸の場合は縦方向及び横方向にそれぞれ1.1〜4
倍とすることが力学的バランスや強度の保持、優れた透
湿性及び耐水圧を発現させるために好ましい。
【0036】次に、本発明の吸収性物品について、図1
を参照して詳細に説明する。尚、ここでは、使い捨てオ
ムツを例示して説明するが、この他に、失禁ブリーフや
生理用ナプキン等にも適用できる。本発明の吸収性物品
としての図1に示す使い捨てオムツ1は、液透過性の表
面材2と、防漏性の裏面材3と、これら両面材の間に配
置される吸収体(図示せず)とからなり、上記裏面材3
として、上記の本発明の多孔性シートを用いている。更
に詳細には、上記使い捨てオムツ1は、尿等の排泄物を
吸収する吸収体と、該吸収体の表面を覆い肌に当てられ
る表面材2と、上記吸収体を覆い液漏れを防ぐ裏面材3
とからなり、これらは接着して一体化されている。ま
た、胴周部5,5’、脚周部6からの漏れを防ぐために
設けられた弾性部材7及びオムツを装着した時に背側胴
周部5’と腹側胴周部5とを止着する止着テープ11を
備えている。この止着テープとしては、利便性から約2
5mm幅のものが好ましく多用されている。
【0037】而して、上記裏面材3には上述の本発明の
多孔性シートが用いられる。上記裏面材の厚さは、通
常、オムツに必要な柔軟性、オムツの組立加工時に必要
なシートの腰及び裏面材があることの安心感を付与する
点、並びにオムツに必要な柔軟性及びコスト面から、好
ましくは25〜55μm、更に好ましくは35〜45μ
mである。
【0038】上述の如く構成された本発明の吸収性物品
としての上記使い捨てオムツ1では通常、上述の構造の
使い捨てオムツにおいては、いわゆるランディングテー
プを省いてファスニングテープを直接裏面材に付け剥が
しするために必要な裏面材の強度は、引き裂き強度で使
用されるシート厚さにおいて10gf以上、好ましくは
14gf以上、特に好ましくは18gf以上である。従
って、例えば、厚さ55μmの裏面材で引き裂き強度1
0gfを得るためには182gf/mmの引き裂き強度
が必要となる。また、引張り降伏強度ではシート幅1c
m当たり600gf以上、好ましくは700gf以上、
特に好ましくは800gf以上である。従って、例え
ば、厚さ55μmで1cm当たり600gfを得るには
109kgf/cm2 以上の強度が裏面材に必要となる。
【0039】そして、本発明の吸収性物品としての上記
使い捨てオムツは、その裏面材として本発明の多孔性シ
ートを用いており、該多孔性シートの引き裂き強度は1
80gf/mm以上、引っ張り降伏点強度が110kg
f/cm2 以上であるので、十分な強度を有することに
なる。従って、本発明の吸収性物品においては、ランデ
ィングテープを使用する必要がなくなるのでオムツの装
着ミスが生じることがなく、また着用中に排尿点検のた
めに上記止着テープを剥がしても、裏面材が破れること
はない。また、裏面材の透湿度が上記範囲にあればムレ
等が生じず、快適な着用感が維持できる。尚、上記多孔
性シートは、その樹脂組成によって引張降伏点がはっき
り現れない場合もあるが、この場合は、100%伸張時
の引張応力が降伏点強度として採用される。
【0040】
【実施例】本発明を以下の実施例を用いて更に具体的に
説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されるもの
ではない。
【0041】〔実施例1〜及び比較例1〜3(多孔性
シートの実施例)〕 結晶性ポリオレフィン樹脂として下記樹脂〜、化合
物として下記化合物〜を、それぞれ〔表1〕に示す
組成とした樹脂組成物を用い、後述の成形方法に従って
成形して、シートを得た。尚、結晶性ポリオレフィン樹
脂におけるエチレンの重量%/プロピレンの重量%を
〔表1〕に、また、化合物の揮発温度及び融点を〔表
2〕に示す。
【0042】樹脂;密度0.91g/cm3 、メルト
インデックス0.4g/10分、融点169℃のホモポ
リプロピレン樹脂(チッソ石油化学製)。 樹脂;密度0.91g/cm3 , メルトインデックス
0.5g/10分、融点168℃で、エチレン含有量が
8重量%である、エチレンとプロピレンとのブロック共
重合樹脂(チッソ石油化学製)。 樹脂;密度0.92g/cm3 , メルトインデックス
0.3g/10分の低密度ポリエチレン樹脂(住友化学
工業製、商品名「スミカセンF101」) 化合物;トリメチロールプロパンとラウリン酸とのエ
ステル化物(酸価=0.24、OH価=3.8、;略称
TTL) 化合物;鉱物油(出光興産製、商品名「ダイアナプロ
セスオイルPW−90」、引火点=272℃、アニリン
点=127.7℃、アロマ系/ナフテン系/パラフィン
系=0/29/71;略称PW−90) 化合物;鉱物油(中央化成(株)製、商品名「流パラ
350S」、引火点220℃、アニリン点112℃、ア
ロマ系/ナフテン系/パラフィン系=0/34/66:
略称350S)
【0043】
【表1】
【0044】
【表2】
【0045】・成形方法:二軸混練押出機(φ45mm、
L/D=33.5)の先端(吐出口)にギヤポンプを挟
んでサーキュラーダイ(φ200mm)を接続した。そし
て、ダイからニップロールまでの間が4mの空冷インフ
レーション成形設備を用い、ホッパーから結晶性ポリオ
レフィン樹脂を供給し、そして二軸混練押出機の中腹
(混練)部に加熱液状化した化合物をギヤポンプで注入
した。また、この際の、樹脂組成物の供給速度は、27
0cm3 /minとした。設定温度は押出機のシリンダ
ーC1部(ホッパー側)を190℃、C2部を210
℃、C3〜C8部を240℃、ギヤポンプ部を230
℃、ダイを230℃とした。そして、エアーリングから
20℃の空気をバブルに吹き付け強制空冷しながら、シ
ート折り幅60cm引き取り速度8m/minで、厚さ
38〜40μmのシートを得た。
【0046】次いで、得られたシートを、下記延伸処理
方法に従って延伸し、多孔性シートを得た。 ・延伸処理方法:幅1mのロール延伸機を用い、上記シ
ートを成形方向に50℃で1.5倍に延伸し、続いてア
ニーリングで1.4倍(延伸前の1.4倍)とした。得
られたシートは全て35〜37μmであった。但し、実
施例5は1.8倍延伸し、アニーリングで1.7倍とし
た。
【0047】得られた多孔性シートについて、下記評価
基準に従って、それぞれ評価を行った。その結果を〔表
3〕に示す。
【0048】・多孔性シートの評価基準 (1)成形時の発煙;上記シート成形時の揮発物の発煙
状態を目視により次の基準で判定した。 ◎:発煙は全くなし。 ○:発煙少し。 △:発煙多い。 ×:発煙非常に多い。 (2)目ヤニ発生(蓄積)時間;上記シート成形でシー
ト表面に肉眼で観察出来るダイライン発生迄の時間を測
定した。
【0049】(3)シート成形性;目視により次の基準
により判定した。 ◎:バルブ安定、ダイライン無し。 ○:バルブ安定、ダイライン有り。 △:バルブ変動。 ×:成形不可。 (4)延伸性;上記延伸処理工程でシートを目視により
下記基準で評価した。 ◎:切断なし、均一に白化(尚、白化と延伸とは相関す
ることを本発明者らは、確認済みである)。 ○:切断なし、僅かに白化ムラあり。 △:切断なし、白化ムラ多い。 ×:切断。
【0050】(5)引き裂き強度;延伸方向(MD方
向)に30mm幅×60mm長さの試料片の長手方向の
一端における短片の中央から長片に平衡に内部へ向けて
30mmの切込みをいれる。次いで、試験片の切込みを
入れた片の両側が裏表になるように引っ張り試験機に取
り付け引っ張り速度300mm/分で引き裂き、平均応
力を求める。 (6)引張降伏点強度;10mm幅の試験用シートを作成
し、延伸方向と直角方向にテンシロン引張試験機で引っ
張り速度300mm/minにて引張り、応力/歪曲線を描
き、破断より前の応力のピーク点を測定した。 (7)透湿度;JIS Z0208に準拠して測定。 (8)耐水圧;JIS L1093B法に準拠して測定 (9)風合い;延伸処理工程で得たシートを指触感触に
より下記基準に従って評価した。 ◎:柔軟で風合い非常に良好 ○:柔軟で風合い良好 △:やや硬く風合いやや悪い ×:硬く風合い悪い
【0051】
【表3】
【0052】〔実施例及び比較例4〜5(吸収性
物品の実施例)〕 実施例1、実施例及び比較例1で得られた多孔性シー
ト、及び従来の線状低密度ポリエチレンと炭酸カルシウ
ムとからる多孔性シートを裏面材に用い、表面材、吸
収体、裏面材及び止着テープからなる図1に示す吸収性
物品としての使い捨てオムツ(ランディングテープ使用
せず)をそれぞれ製造した(順に実施例、実施例
比較例4及び比較例5とする)。この結果、実施例
は、比較例4及び5(比較例1のシート、及び従来
の裏面材を用いたオムツ)に比して止着テープ(ファス
ニングテープ)の付け剥がしが良好であった。特に比較
例5のオムツはファスニングテープが全く剥がれること
なく、全て裏面材が破れた。また、風合いにおいては実
施例のオムツは柔軟で最も優れた感触を呈した。
【0053】
【発明の効果】本発明の多孔性シートは、通気性、透湿
性、及び耐水性を有し、更には、良好な風合いと高い強
度(引き裂き強度及び引張降伏点強度)とを有してお
り、工業的に安全で且つ高速で連続生産することのでき
る生産性に優れたものである。また本発明の吸収性物品
は、ランディングテープを使用しなくてもファスニング
テープの付け剥がしが可能なので、利便性に優れると共
に経済的にも有利なものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の吸収性物品としての使い捨て
オムツの1例を示す斜視図である。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08J 9/00 C08L 53/00

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 結晶性ポリオレフィン樹脂55〜90重
    量部と常圧での揮発温度が240℃以上で且つ融点が1
    00℃以下である化合物45〜10重量部とを含む樹脂
    組成物の溶融混練物から成形したシートを、少なくとも
    一つの方向に延伸してなる多孔性シートであって、 上記結晶性ポリオレフィン樹脂は、エチレンとプロピレ
    ンとのブロック共重合樹脂と、ポリプロピレン樹脂及び
    /又はポリエチレン樹脂との混合物であり、該結晶性ポ
    リオレフィンにおけるエチレンとプロピレンとのモノマ
    ー換算重量比(エチレンの重量%/プロピレンの重量
    %)が4/96〜40/60であることを特徴とする多
    孔性シート。
  2. 【請求項2】 上記ポリエチレン樹脂が、低密度ポリエ
    チレンであることを特徴とする請求項1記載の多孔性シ
    ート。
  3. 【請求項3】 上記化合物が、鉱物油又は分子内にエス
    テル結合を有する化合物であることを特徴とする請求項
    又は2記載の多孔性シート。
  4. 【請求項4】 上記の分子内にエステル結合を有する化
    合物が、脂肪族カルボン酸と多価アルコールとのエステ
    ル化合物であることを特徴とする請求項記載の多孔性
    シート。
  5. 【請求項5】 透湿度が0.5〜4.0g/100cm
    2・Hrであることを特徴とする請求項1〜のいずれ
    か1項記載の多孔性シート。
  6. 【請求項6】 液透過性の表面材と、防漏性の裏面材
    と、これら両面材の間に配置される吸収体とからなる吸
    収性物品において、上記裏面材として、請求項1〜
    いずれか1項記載の多孔性シートを用いることを特徴と
    する吸収性物品。
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