JP2003276320A - インクジェット記録シート - Google Patents

インクジェット記録シート

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JP2003276320A
JP2003276320A JP2002087339A JP2002087339A JP2003276320A JP 2003276320 A JP2003276320 A JP 2003276320A JP 2002087339 A JP2002087339 A JP 2002087339A JP 2002087339 A JP2002087339 A JP 2002087339A JP 2003276320 A JP2003276320 A JP 2003276320A
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recording sheet
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oligosaccharide
receiving layer
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JP2002087339A
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English (en)
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Fumikazu Tatsuhashi
史一 辰橋
Nobuhiro Kubota
展弘 久保田
Minoru Tsuchida
実 土田
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Tomoegawa Co Ltd
Original Assignee
Tomoegawa Paper Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 印字濃度が高く鮮明で、耐光性および耐オゾ
ンガス性に優れたインクジェット記録シートを提供す
る。 【解決手段】 基材1上に、少なくともインク受容層2
を有するインクジェット記録シートにおいて、少なくと
も1つのオリゴ糖層3Aが基材及び/またはインク受容
層に接して設けられており、また、2価の金属塩がイン
ク受容層または基材に含有されていることが好ましい。
表面層として光沢度調整層が設けられていてもよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インクジェット記
録シートに関し、さらに詳しくは、印字濃度が高く、画
像が鮮明で、耐光性および耐オゾンガス性が良好であ
り、かつインク吸収速度が速く、高速印字にも十分対応
可能なインクジェット記録シートに関する。
【0002】
【従来の技術】インクジェットプリンタは、記録の鮮明
さ、音の静かさ、カラー化の容易さ等の特徴を有するた
め、近年その普及が益々増大している。インクジェット
プリンタにおいては、インクの乾燥によるジェットノズ
ルの詰まりを防止するために、乾燥し難いインクを使用
する必要がある。この特徴を有するインクとして、一般
には、結着剤、染料、溶媒、添加剤等を水に溶解または
分散させた水性インクが使用されている。しかしなが
ら、水性インクを使用して記録シート上に印字すると、
形成した文字や画像等は、耐光性、耐オゾンガス性、耐
湿性等の観点からみて、顔料系の油性インクによる印刷
物や銀塩写真の画像には及ばないのが現状である。
【0003】近年、インクジェットプリンタが安価に製
造されるようになり、その鮮鋭性や色彩性が身近なもの
となるに従い、インク吸収性および色再現性に対する要
求が高くなり、更なる印字濃度の向上や、より鮮明で鮮
やかな発色が望まれるようになっている。また、耐光
性、耐オゾンガス性等の保存性に関する要求も高く、か
つ厳しいものとなる傾向にある。したがって、これらの
諸特性を完全に確保することがインクジェット記録シー
トの必須条件となっているのが現状である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記のような現状に鑑
みて、インクジェット記録シートには種々の改良が検討
されている。例えば、特開平8−295075号公報、
特開平7−276791号公報に記載のものに代表され
るように、アミノ酸を添加することが提案され、色再現
性やインク吸収性に効果があるものとされている。ま
た、ポリフェノール等の添加剤を添加することも提案さ
れ、画像の耐光性向上に効果があるとされている。さら
に特開平5−124329号公報には、カチオン性ポリ
マー層を塗工することが提案されている。しかしなが
ら、これら提案された技術は、いずれも問題点を有して
いた。すなわち、アミノ酸を添加したものは、画像鮮明
性の低下、耐光性または耐湿性の低下等の弊害が生じ、
ポリフェノールを添加したものは、経時黄変等の弊害が
生じ、また、カチオン性ポリマー層を塗工したものは、
インク吸収性の低下や、印字濃度及び耐光性の低下等の
問題があり、印字濃度および画像鮮明性と、耐光性・耐
オゾンガス性等の保存性のすべての性質が改善されたイ
ンクジェット記録シートは知られていなかった。したが
って、本発明の目的は、印字濃度および画像鮮明性と、
耐光性および耐オゾンガス性等の保存性とが両立した、
優れた特性を有するインクジェット記録シートを提供す
ることにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、インクジ
ェット記録シートについて種々検討を重ねた結果、基材
上にインク吸収層等を積層させたインクジェット記録シ
ートに、さらにインク受容層とは別の層としてオリゴ糖
を含む層を設けることによって、極めて効果的に印字濃
度、画像鮮明性、画像の耐光性、耐オゾンガス性等の諸
特性が格段に向上することを見出し、本発明を完成する
に至った。
【0006】本発明のインクジェット記録シートは、基
材上に、少なくともインク受容層を有するものであっ
て、少なくとも1つのオリゴ糖層を基材及び/またはイ
ンク受容層に接して設けられていることを特徴とする。
【0007】本発明のインクジェット記録シートにおい
て、オリゴ糖層は、インク受容層に接するようにその上
下のいずれに設けてもよく、また、基体の裏面に設けて
もよい。また、インク受容層は複数層設けてもよい。ま
た、本発明のインクジェット記録シートは、表面層とし
て光沢度調整層を設けてもよい。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照して詳細に説明する。図1ないし図7は、本発明
のインクジェット記録シートの模式的断面図である。こ
れらの図において、1は基材、2はインク受容層、3
A,3B,3Cはオリゴ糖層、4は光沢度調整層であ
る。オリゴ糖層は、図1ではインク受容層の上に設けら
れており、図2ではインク受容層の下に設けられてお
り、図3では基体の裏面に設けられている。また、図4
〜7の場合は、複数層のオリゴ糖層が設けられた場合で
あって、図4ではインク受容層の上とインク受容層と基
体の間に設けられており、図5ではインク受容層の上と
基材の裏面に設けられており、図6では、インク受容層
と基体の間および基体の裏面に設けられており、図7で
は、インク受容層の上、インク受容層と基体の間および
基材の裏面に設けられている。なお、これら図面におい
ては、表面に光沢度調整層が設けられているが、本発明
においては、この光沢度調整層は設けなくてもよい。
【0009】次に、本発明のインクジェット記録シート
を構成する各層について説明する。 (1)基材 本発明において、基材としては、例えばLBKP、NB
KP等の化学パルプ、GP、PGW、RMP、TMP、
CTMP、CMP、CGP等の機械パルプ、DIP等の
古紙パルプ等の木材パルプ、またはポリエチレン繊維等
の合成繊維パルプを主成分とし、顔料、サイズ剤、定着
剤、歩留まり向上剤、紙力増強剤等を必要に応じて混合
し、長網抄紙機、丸網抄紙機、ツインワイヤ抄紙機等の
各種装置で製造された原紙、この原紙に、澱粉、ポリビ
ニルアルコール等をサイズプレスで塗布したもの、これ
らの原紙にコート層を設けたアート紙、コート紙、キャ
ストコート紙等の塗工紙が使用される。これらの原紙ま
たは塗工紙は、それをそのまま使用してもよいし、ま
た、平坦化をコントロールする目的で、マシンカレンダ
ー、TGカレンダー、ソフトカレンダー等のカレンダー
装置で処理してもよい。
【0010】また、基材としては、上記原紙上にポリオ
レフィン樹脂層を設けたもの、ポリエチレン、ポリプロ
ピレン、ポリエステル、ナイロン、レーヨン、ポリウレ
タン、これらの混合物等の合成樹脂のフィルム、これら
合成樹脂を繊維化して成型したシート等を使用してもよ
い。
【0011】さらにまた、後記する2価の金属塩をイン
ク受容層に配合する代わりに、基材に2価の金属塩を
0.1〜10g/m2程度塗工してもよく、または0.
5〜20重量%の範囲で内添してもよい。
【0012】(2)インク受容層 インク受容層は、顔料およびバインダー樹脂を主要成分
とし、2価の金属塩が含有されていることが好ましく、
必要に応じて、種々の添加剤が添加されて構成される。
また、インク受容層は単一の層のみならず、2層以上の
複数の層によって構成されていてもよい。
【0013】(A)顔料 顔料としては、一般に使用されている水に不溶または難
溶性の顔料を1種以上用いることができる。例えば、軽
質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、カオリン、タ
ルク、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、
酸化亜鉛、硫化亜鉛、炭酸亜鉛、サチンホワイト、ケイ
酸アルミニウム、珪藻土、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マ
グネシウム、合成非晶質シリカ、コロイダルシリカ、コ
ロイダルアルミナ、擬ベーマイト、水酸化アルミニウ
ム、アルミナ、リトポン、ゼオライト、加水ハロイサイ
ト、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウム等の白色無
機顔料、スチレン系プラスチックピグメント、アクリル
系プラスチックピグメント、ポリエチレン、尿素樹脂、
メラミン樹脂等の合成樹脂顔料等があげられる。
【0014】これらの中でも、インクジェットインクの
乾燥性や吸収性に優れていることから、多孔性の白色無
機顔料が好ましく、例えば、多孔性非晶質シリカ、多孔
質炭酸マグネシウム、多孔質アルミナ等があげられる。
本発明においては、これらの中でも、多孔性非晶質シリ
カが印刷品質と保存性の両方を満足するので好ましく、
特に比表面積200〜600m2/gの沈降タイプおよ
びゲルタイプの多孔性非晶質シリカを使用するのが好適
である。
【0015】(B)バインダー樹脂 バインダー樹脂としては、ポリビニルアルコールおよび
その酸変性やシリル変性等の変性物;例えばポリ酢酸ビ
ニル、酸化澱粉、エーテル化澱粉、カゼイン、ゼラチ
ン、大豆蛋白等;カルボキシメチルセルロース、ヒドロ
キシエチルセルロース等のセルロース誘導体;無水マレ
イン酸樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、メチルメ
タクリレート−ブタジエン共重合体等の共役ジエン系共
重合体ラテックス;アクリル酸エステルおよびメタクリ
ル酸エステルの単独重合体または共重合体等のアクリル
系重合体ラテックス;エチレン−酢酸ビニル共重合体等
のビニル系重合体ラテックス;これら各種重合体をカル
ボキシル基等の官能基含有単量体により変性した官能基
変性重合体ラテックス;メラミン樹脂、尿素樹脂等の熱
硬化性樹脂よりなる水性接着剤;ポリメチルメタクリレ
ート、ポリウレタン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、塩
化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルブチラー
ル、アルキッド樹脂等の合成樹脂系接着剤等があげら
れ、これらの樹脂は1種または2種以上混合して使用す
ることができる。
【0016】インク受容層におけるバインダー樹脂の顔
料に対する配合割合は、バインダー樹脂:顔料=1:1
〜1:15の範囲が好ましく、特に1:2〜1:10の
範囲が好ましい。
【0017】(C)2価の金属塩 本発明のインクジェット記録シートには、インク受容層
に2価の金属塩を含有させるのが好ましい。それにより
オリゴ糖層の耐光性、耐ガス性効果が相乗的に向上す
る。2価の金属塩としては、任意のものが選択可能であ
るが、例えば、亜鉛、マグネシウム、カルシウム、スト
ロンチウム、バリウム、ガリウム、インジウム、タリウ
ム、ゲルマニウム、錫、鉛、ビスマス等の典型金属元素
のハロゲン化物、硫酸塩、チオ硫酸塩、酢酸塩、燐酸
塩、塩素酸塩、硝酸塩、ヘキサフルオロシリル化物等が
あげられる。これらの中でも亜鉛、マグネシウム、カル
シウム塩化物、硫酸塩、酢酸塩が特に好ましく用いられ
る。これらの金属塩は、坪量換算では、金属塩の量とし
て、0.1〜10.0g/m2の範囲で含有させるのが
好ましい。
【0018】なお、1価の金属塩では、上記の相乗効果
はほとんど得ることができず、また、3価以上の金属塩
の場合は、効果は認められるが、シートが黄変する等の
別の問題を生じるので好ましくない。
【0019】(D)他の添加剤 インク受容層には、その他の添加剤として、カチオン性
染料定着剤、顔料分散剤、増粘剤、流動性改良剤、消泡
剤、抑泡剤、離型剤、発泡剤、浸透剤、着色剤、蛍光増
白剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、防腐剤、耐水化剤、
硬膜剤等を必要に応じて適宜配合することができる。
【0020】上記添加剤の中で、特にカチオン性染料定
着剤は、耐光性、耐オゾンガス性向上に効果を有するオ
リゴ糖層と相乗効果を奏することが認められるので好ま
しい。カチオン性染料定着剤としては、各種のカチオン
性ポリマーが使用され、例えば、ポリエチレンイミン
塩、ポリビニルアミン塩、アクリルアミド系共重合体
塩、2級アミンとエピハロヒドリンの縮合体塩等があげ
られる。カチオン性染料定着剤の配合量は、オリゴ糖に
対する固形分比として、カチオン性染料定着剤:オリゴ
糖=1:5〜3:1の範囲が好ましく、より好ましくは
1:3〜2:1の範囲である。
【0021】本発明において、インク受容層の組成は、
特に限定されるものではないが、耐光性、耐オゾンガス
性を初めとする諸特性を満足し、基材等への密着性、裁
断加工時の粉落ち等の生産上の問題を解決するために
は、固形分比率として、顔料20〜90重量%、バイン
ダー樹脂5〜50重量%、2価金属塩3〜30重量%の
範囲、特に、顔料30〜60重量%、バインダー樹脂2
0〜40重量%、2価金属塩5〜20重量%の範囲で配
合するのが好ましい。
【0022】インク受容層の形成は、層を形成するため
の材料を、水または適当な溶剤中に溶解または分散させ
て塗工液を調製し、ブレードコーター、ロールコータ
ー、エアーナイフコーター、バーコーター、ロッドコー
ター、サイズプレス等の種々の装置をオンマシンまたは
オフマシンで適宜使用して塗布すればよい。
【0023】塗工液の塗布量は、インク受容層の層構成
に応じて適宜コントロールすればよい。例えば、インク
受容層が一層構成の場合は、固形分として5〜30g/
2の範囲が好ましく、特に、5〜20g/m2の範囲が
より好ましい。また、二層構成、例えば基材上に第1の
インク受容層を形成し、その上に第2のインク受容層を
積層する場合には、第2のインク受容層は、5〜15g
/m2の範囲が好ましく、5〜10g/m2の範囲が特に
好ましい。本発明において、インク受容層の形成におけ
る塗工液の塗布量が、上記の範囲よりも少ないと、イン
ク吸収性や定着性が十分得られない場合があり、また多
くなると粉落ち等の問題が発生し、生産性の低下やコス
ト上昇を招くという問題がある。特に第2インク受容層
について、その塗布量が15g/m2を超えて多くなる
と、インクの通過が困難になってにじみを生じ、画面の
鮮明性が損なわれる場合がある。
【0024】本発明において、インク受容層が2層以上
の層構成を有している場合、上記2価金属塩は、いずれ
か一つのインク受容層に添加すればよいが、複数のイン
ク受容層に添加してもよい。複数のインク受容層に添加
する場合、層間の濃度勾配をより少なくするために、そ
の含有量を同一にするのが好ましい。また、インク受容
層を形成した後、マシンカレンダー、TGカレンダー、
スーパーカレンダー、ソフトカレンダー等のカレンダー
処理を行って仕上げてもよい。
【0025】(3)オリゴ糖層 本発明において、オリゴ糖層は、オリゴ糖のみより構成
されてもよいが、層形成を補助するためにバインダーを
含有するのが好ましい。オリゴ糖は、グルコース単位を
2〜10個有する重合度2〜10のものであって、本発
明においては特にグルコース重合度2〜5のオリゴ糖が
好ましい。オリゴ糖としては、例えばマルトース、マル
トトリオース、マルトテトラオース、マルトペンタオー
ス等のα−1,4グルコシド結合を有するマルトオリゴ
糖およびシクロデキストリン、例えば、イソマルトー
ス、イソマルトトリオース、イソマルトテトラオース、
イソマルトペンタオース等のα−1,6グルコシド結合
を有するイソマルトオリゴ糖、β−1,6グルコシド結
合を有するゲンチオオリゴ糖、α−1,3グルコシド結
合を有するニゲロオリゴ糖、α−1,4およびα−1,
6グルコシド結合を有するパノース、α−1,1グルコ
シド結合を有するトレハロース、およびグルコシルスク
ロース等をあげることができる、これらのオリゴ糖は、
澱粉をアミラーゼ等の澱粉分解酵素類で加水分解し、ま
たは糖転移酵素類を利用して調製することができ、ま
た、市販のものをそのまま、或いは適宜精製、混合して
使用することができる。なお、オリゴ糖を澱粉から調製
する場合、原料となる澱粉としては、米、トウモロコシ
等の穀類澱粉、馬鈴薯、キャッサバ等の芋類澱粉等から
任意に選択すればよい。
【0026】オリゴ糖層は、オリゴ糖の水溶液を用い、
塗布することによって形成することができるが、層形成
を補助するために、水溶性樹脂および水分散性樹脂を適
宜使用することができ、具体的には、前記のインク受容
層に使用される樹脂、例えば、ポリビニルアルコールお
よびその変性物、アクリル系重合体等のバインダーを添
加して形成するのが好ましい。オリゴ糖の塗布量は特に
制限されるものではないが、0.05〜10g/m2
範囲が好ましく、0.1〜5g/m2の範囲がより好ま
しく、0.5〜3g/m2の範囲が特に好ましい。オリ
ゴ糖の塗布量が0.05g/m2より低い場合には、画
像の耐オゾンガス性および耐光性等への効果が十分でな
く、また、10g/m2を超える量を塗布すると、耐水
性やインク吸収性が低下したり、塗膜強度が損なわれる
恐れがある。
【0027】また、バインダーを添加する場合、オリゴ
糖とバインダーの配合比は、固形分重量比で99:1〜
2:3の範囲が好ましく、50:1〜1:1の範囲がよ
り好ましく、10:1〜2:1の範囲が特に好ましい。
オリゴ糖とバインダーの合計重量を100とした場合の
オリゴ糖の比率が99重量%を超えると、バインダーの
被膜形成能が十分発揮されなく、また、40重量%より
少ないと、インク吸収性の悪化および画像鮮明性の低下
等の弊害が生じる。
【0028】本発明において、オリゴ糖層は、インクジ
ェット記録シートの層構成のいずれの位置に設けてもよ
い。即ち、前記図1〜3に示すように、インク受容層の
上または下、または基材の裏面に設けてもよい。また、
前記図4〜7に示すように、オリゴ糖層は複数層存在し
ていてもよい。なお、基材がオレフィン系樹脂ラミネー
ト紙や合成樹脂フィルムの場合は、図1および図2のよ
うに、インク受容層に隣接して設けられていることが好
ましい。
【0029】本発明のインクジェット記録シートは、イ
ンク受容層とオリゴ糖層のみを積層した構造でも、十分
な特性を有するが、表面層として光沢度調整層を設けて
もよい。光沢度調整層を設けることによって、任意の光
沢度に調製することが可能である。また、光沢度調整層
は、その組成を適宜選択することにより、印字部の光沢
度を非印字部の光沢度よりも高くしたり、逆に低くした
りすることができる。光沢度調整層は、具体的には、例
えば、顔料としてコロイダルシリカやアルミナを用い、
これにPVAやアクリル系樹脂等のバインダーを添加し
て形成される。
【0030】
【実施例】以下、本発明を実施例によって説明するが、
本発明はこれに限定されるものではない。 実施例1 基材として、坪量90g/m2の上質紙を使用し、その
一面に、下記のインク受容層形成成分を水に溶解、分散
させて調製した固形分濃度15%の塗工液を塗布し、乾
燥することによって、塗布量10.0g/m2(固形
分)のインク受容層を形成した。その上に、下記組成の
オリゴ糖層形成成分を水に溶解して調製した固形分濃度
10%の塗工液を塗布し、乾燥して、塗布量1.5g/
2(固形分)のオリゴ糖層を形成した。さらに形成さ
れたオリゴ糖層の上に、下記組成の光沢度調整層形成成
分を、水に溶解、分散させて調製した固形分濃度15%
の塗工液を塗布し、乾燥して、塗布量10.0g/m2
(固形分)の光沢度調整層を形成し、図1に示す層構成
のインクジェット記録シートを作製した。
【0031】実施例2〜34 実施例1におけるインク受容層に表1に示す金属塩を含
有させ、オリゴ糖層形成成分中のオリゴ糖として、表1
に示すものを用い、その塗布量を表1に示す塗布量とし
て、それぞれ図1〜7に記載の層構成を有するインクジ
ェット記録シートを作製した。なお、各実施例における
インク受容層および光沢度調整層についての塗布量は、
実施例1の場合と同様に、それぞれ10.0g/m2
あった。
【0032】 <インク受容層形成成分>(塗工液の固形分濃度:15%) ・バインダー樹脂 20.0重量% PVA(クラレ社製:PVA117) ・白色顔料 60.0重量% シリカ(トクヤマ社製:ファインシールX37B) ・カチオン性樹脂 10.0重量% (住友化学工業社製:スミレーズレジン1001) ・2価の金属塩 10.0重量% 塩化マグネシウム(試薬)
【0033】 <オリゴ糖層形成成分>(塗工液の固形分濃度:10%) ・オリゴ糖 80.0重量% マルトース ・バインダー樹脂 20.0重量% PVA(クラレ社製:PVA117)
【0034】 <光沢度調整層形成成分>(塗工液の固形分濃度:15%) ・バインダー樹脂 40.0重量% PVA(クラレ社製:PVA117) ・コロイダルシリカ 60.0重量% (日産化学工業社製:スノーテック30)
【0035】実施例1〜34についての層構成、金属
塩、オリゴ糖、オリゴ糖の塗布量を表1にまとめて示
す。
【表1】
【0036】比較例1 実施例1において、オリゴ糖層を形成しない以外は、同
様に操作してインクジェット記録シートを作製した。 比較例2 実施例1におけるオリゴ糖のマルトースの代わりに、単
糖類であるグルコースを用いた以外は、実施例1と同様
に操作してインクジェット記録シートを作製した。
【0037】比較例1および2についての層構成、金属
塩、糖および糖の塗布量を表2にまとめて示す。
【表2】
【0038】比較例3 実施例1において、オリゴ糖層を形成せず、かつ、イン
ク受容層形成成分を次の通りに代えた以外は、同様に操
作してインクジェット記録シートを作製した。 <インク受容層形成成分>(塗工液の固形分濃度:15%) ・バインダー樹脂 17.0重量% PVA(クラレ社製:PVA117) ・白色顔料 51.0重量% シリカ(トクヤマ社製:ファインシールX37B) ・カチオン性樹脂 8.5重量% (住友化学工業社製:スミレーズレジン1001) ・オリゴ糖 マルトース 15.0重量% ・2価の金属塩 8.5重量% 塩化マグネシウム(試薬)
【0039】評価方法 (1)耐光性 キセノンウエザオメーター(ATLAS社製、Ci−5
000)を使用し、ブラックパネル温度40℃、相対湿
度60%、340nm紫外線強度0.25W/m2で8
0KJ/m2の曝露試験を行った。分光光度計(GRE
TAG SPM50:グレタグマクベズ社製)を用いて
マゼンタの反射濃度を測定することにより、耐光性を評
価した。 濃度残存率 A:曝露後の濃度が曝露前の濃度の90%以上 B:曝露後の濃度が曝露前の濃度の80以上〜90%未満 C:曝露後の濃度が曝露前の濃度の80%未満
【0040】(2)耐オゾンガス性 簡易式オゾンガス発生器を使用し、オゾンガス濃度10
ppm、12時間の曝露試験を行った。分光光度計(G
RETAG SPM50:グレタグマクベズ社製)を用
いてシアンの反射濃度を測定することにより、耐オゾン
ガス性を評価した。 濃度残存率 A:曝露後の濃度が曝露前の濃度の85%以上 B:曝露後の濃度が曝露前の濃度の70以上〜85%未満 C:曝露後の濃度が曝露前の濃度の70%未満
【0041】(3)インク吸収性および(4)画像鮮明
性 高精細カラーデジタル標準画像データでISO/JIS
−SCID(JISX9201−1995に準拠)のN
1ポートレート画像を用い、インク吸収性および画像鮮
明性を目視評価した。 インク吸収性 A:滲みがみられず、良好 B:滲みが多少みられるが、画像は許容できる C:滲みが酷く、画像が不良である 画像鮮明性 A:画像が鮮明で鮮やかであり、優れている B:実用上問題がない C:画像がくすんだり、鮮やかさが足りない
【0042】それらの評価結果を表3に示す。
【表3】
【0043】表3に示される結果から、実施例1〜34
のインクジェット記録シートは、インク吸収性が十分
で、画像の鮮明性が高く、かつ耐光性、耐オゾンガス性
が良好であるのに対して、比較例1〜3のインクジェッ
ト記録シートは、いずれも耐オゾンガス性において少な
くとも十分ではないことが分かる。
【0044】
【発明の効果】本発明のインクジェット記録シートは、
上記の構成を有するから、印字濃度が高く鮮明で、耐光
性および耐オゾンガス性に優れている。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のインクジェット記録シートの一例の
層構成を示す模式図である。
【図2】 本発明のインクジェット記録シートの一例の
層構成を示す模式図である。
【図3】 本発明のインクジェット記録シートの一例の
層構成を示す模式図である。
【図4】 本発明のインクジェット記録シートの一例の
層構成を示す模式図である。
【図5】 本発明のインクジェット記録シートの一例の
層構成を示す模式図である。
【図6】 本発明のインクジェット記録シートの一例の
層構成を示す模式図である。
【図7】 本発明のインクジェット記録シートの一例の
層構成を示す模式図である。
【符号の説明】
1…基材、2…インク受容層、3A,3B,3C…オリ
ゴ糖層、4…光沢度調整層。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 土田 実 静岡県静岡市用宗巴町3番1号 株式会社 巴川製紙所洋紙事業部内 Fターム(参考) 2C056 EA13 FC06 2H086 BA01 BA13 BA15 BA17 BA24 BA31

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材上に、少なくともインク受容層を有
    するインクジェット記録シートにおいて、少なくとも1
    つのオリゴ糖層を基材及び/またはインク受容層に接し
    て設けられていることを特徴とするインクジェット記録
    シート。
  2. 【請求項2】 インク受容層に2価の金属塩が含有され
    ていることを特徴とする請求項1に記載のインクジェッ
    ト記録シート。
  3. 【請求項3】 基材上に、インク受容層及びオリゴ糖層
    が順次積層されたことを特徴とする請求項1または2に
    記載のインクジェット記録シート。
  4. 【請求項4】 基材上に、オリゴ糖層及びインク受容層
    が順次積層されたことを特徴とする請求項1または2に
    記載のインクジェット記録シート。
  5. 【請求項5】 オリゴ糖が、シクロデキストリン、マル
    トオリゴ糖、イソマルトオリゴ糖、ゲンチオオリゴ糖、
    ニゲロオリゴ糖、トレハロースおよびグルコシルスクロ
    ースから選択された少なくとも1種よりなることを特徴
    とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載のイン
    クジェット記録シート。
  6. 【請求項6】 オリゴ糖が、グルコース単位2〜5を含
    むものであることを特徴とする請求項1ないし請求項4
    のいずれかに記載のインクジェット記録シート。
  7. 【請求項7】 光沢度調整層を表面層として設けたこと
    を特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載
    のインクジェット記録シート。
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