JP2003276231A - サーマルプリンタ及びサーマルプリンタの熱履歴パラメータ決定方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 所定用紙以外の用紙に対しても熱履歴制御し
つつ最適な印字を行う。 【解決手段】 標準の熱履歴時間パラメータと標準の熱
履歴パルス幅パラメータを初期値として設定し、この設
定したパラメータに基づいてサーマルヘッドを熱履歴制
御しつつ記録媒体にプレ印字する。プレ印字した印字状
態をイメージスキャナによって検出し、この検出した印
字状態のデータと予め設定された印字標準データとを比
較しその差を求める。検出した印字状態が標準状態内に
入っていればそのとき使用したパラメータを通常印字に
使用する最終的な熱履歴パラメータとして決定する。ま
た、検出した印字状態が標準状態内に入っていなけれ
ば、パラメータを変更して再度プレ印字を行い、これを
印字状態が標準状態内に入るまで繰り返し、通常印字に
使用する最終的な熱履歴パラメータを決定する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、サーマルプリンタ
及びサーマルプリンタの熱履歴パラメータ決定方法に関
する。

【０００２】

【従来の技術】サーマルプリンタはサーマルヘッドの各
発熱体を発熱させることで感熱紙に直接印字を行い、ま
た、熱転写インクリボンを使用して通常の用紙に印字を
行っている。その際、ヘッドを熱履歴制御して所定の用
紙に最適な印字ができるようにしている。従来のヘッド
に対する熱履歴制御は、ヘッド温度を検知して発熱体に
供給する通電パルスの時間幅等を制御してヘッド温度の
上昇による印字ムラの発生を防止するものであった。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかし、従来は所定の
用紙に対して最適な印字ができるように調整したもので
あり、所定の用紙以外の用紙、例えば、発色特性が異な
る用紙、紙質が落ちるリサイクル用紙、発色特性が低下
した古い用紙等に印字したときには、薄く掠れる現象が
生じたり、逆に濃くなりすぎて印字が潰れたりする問題
があった。

【０００４】本発明は、このような問題を解決するため
に為されたもので、所定の用紙以外の用紙に対しても熱
履歴制御しつつ最適な印字ができるサーマルプリンタ及
びサーマルプリンタの熱履歴パラメータ決定方法を提供
する。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明は、標準の熱履歴
パラメータを使用してサーマルヘッドを熱履歴制御しつ
つ記録媒体にプレ印字を行い、このプレ印字した記録媒
体の印字状態を画像として検出し、この検出した印字状
態のデータを予め設定した印字標準データと比較して印
字状態が標準状態内に入っているか否かを判断し、印字
状態が標準状態内に入っていないことを判断すると、使
用した熱履歴パラメータを予め設定した変更用の熱履歴
パラメータに従って変更し、変更した熱履歴パラメータ
を使用してサーマルヘッドを熱履歴制御しつつ記録媒体
にプレ印字を行い、これを印字状態が標準状態内に入る
まで繰り返し、印字状態が標準状態内に入っていること
を判断すると、そのとき使用した熱履歴パラメータを通
常印字に使用する最終的な熱履歴パラメータとして決定
することにある。

【０００６】

【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施の形態を図
面を参照して説明する。図１はサーマルプリンタの要部
構成を示すブロック図で、１はヘッド駆動部、２はこの
ヘッド駆動部１を制御する制御部である。

【０００７】前記ヘッド駆動部１は複数の発熱体を所定
の間隔を開けて配置したサーマルヘッド１１と、このサ
ーマルヘッド１１の各発熱体を印字データに従って通電
制御するヘッド駆動回路１２を設けている。各発熱体に
対する通電制御は通電パルスを供給することによって行
う。なお、サーマルヘッド１１は、ラインプリンタ用の
ヘッドであってもシリアルプリンタ用のヘッドであって
もよい。

【０００８】前記制御部２は、ＲＯＭ（リード・オンリ
ー・メモリ）２１、ＲＡＭ（ランダム・アクセス・メモ
リ）２２、ＣＰＵ（中央処理装置）によって構成される
比較・演算部２３を備えている。前記ＲＯＭ２１には、
標準の印字状態を印字標準データとして記憶した印字標
準データ記憶手段である印字標準データ記憶部２１１、
パラメータ記憶手段である熱履歴時間パラメータ記憶部
２１２、熱履歴パルス幅パラメータ記憶部２１３、及び
他のパラメータ記憶部２１４が形成されている。

【０００９】前記熱履歴時間パラメータ記憶部２１２に
は標準の熱履歴時間パラメータと変更用の熱履歴時間パ
ラメータが記憶され、前記熱履歴パルス幅パラメータ記
憶部２１３には標準の熱履歴パルス幅パラメータと変更
用の熱履歴パルス幅パラメータが記憶されている。３は
記憶媒体の印字状態を画像として検出する検出手段であ
るＣＣＤセンサなどのイメージセンサで、このイメージ
センサ３が検出した印字状態の画像を前記比較・演算部
２３に供給している。

【００１０】前記比較・演算部２３は、判断手段を構成
し、前記イメージセンサ３が検出した印字状態の画像か
ら得られるデータを前記ＲＡＭ２２に一旦格納した後、
読み出して前記印字標準データ記憶部２１１に記憶され
ている印字標準データとを比較する。そして、その差か
ら、検出した印字状態が標準状態内に入っているか否か
を判断する。

【００１１】前記制御部２は、ＲＯＭ２１に格納されて
いるプログラムデータに基づいて図２に示す熱履歴パラ
メータ決定処理を行うようになっている。先ず、Ｓ１に
て、熱履歴時間パラメータ記憶部２１２から標準の熱履
歴時間パラメータを読み出すとともに熱履歴パルス幅パ
ラメータ記憶部２１３から標準の熱履歴パルス幅パラメ
ータを読み出し、このパラメータを初期値として設定す
る。そして、Ｓ２にて、設定したパラメータに基づいて
ヘッド駆動回路１２を制御し、サーマルヘッド１１を熱
履歴制御しつつ記録媒体にプレ印字する（第１の印字制
御手段）。

【００１２】なお、プレ印字としては、太さの異なる何
種類かの線を印字する場合や濃度を段階的に変化した格
子模様を印字する場合など各種の印字が考えられる。前
記印字標準データ記憶部２１１に記憶されている印字標
準データとしては、プレ印字するデータと同じ内容のデ
ータが設定されている。

【００１３】続いて、Ｓ３にて、イメージセンサ３によ
り記録媒体に印字した状態を印字結果として読み取った
か否かをチェックする。読み取りが終了していれば、Ｓ
４にて、読み取った印字結果の濃度やドット幅等のデー
タを解析する。このデータ解析は、前記比較・演算部２
３によって検出した印字状態のデータと印字標準データ
とを比較し、その差を求めることである。

【００１４】続いて、Ｓ５にて、検出した印字状態が標
準状態内に入っているか否かを判断する。そして、検出
した印字状態が標準状態内に入っていないことを判断す
ると、Ｓ６にて、使用した熱履歴パラメータを、印字状
態のデータと印字標準データとの差に基づいて、熱履歴
時間パラメータ記憶部２１２の変更用の熱履歴時間パラ
メータと熱履歴パルス幅パラメータ記憶部２１３の変更
用の熱履歴パルス幅パラメータを使用して変更する（パ
ラメータ変更手段）。

【００１５】そして、変更した熱履歴時間パラメータと
熱履歴パルス幅パラメータを使用して、Ｓ２にて、設定
したパラメータに基づいてヘッド駆動回路１２を制御
し、サーマルヘッド１１を熱履歴制御しつつ記録媒体に
プレ印字する（第２の印字制御手段）。

【００１６】Ｓ５にて、検出した印字状態が標準状態内
に入っていることを判断すると、Ｓ７にて、そのとき使
用している熱履歴時間パラメータと熱履歴パルス幅パラ
メータを通常印字に使用する最終的な熱履歴パラメータ
として決定する。すなわち、通常印字に対する熱履歴の
制御が決定される。

【００１７】このような構成においては、熱履歴時間パ
ラメータ記憶部２１２からの標準の熱履歴時間パラメー
タと熱履歴パルス幅パラメータ記憶部２１３からの標準
の熱履歴パルス幅パラメータを初期値として設定し、こ
の設定したパラメータに基づいてヘッド駆動回路１２を
制御し、サーマルヘッド１１を熱履歴制御しつつ記録媒
体にプレ印字する。

【００１８】そして、記録媒体として、例えば、所定の
用紙を使用したときには、検出した印字状態が標準状態
内に入るので、標準の熱履歴時間パラメータと標準の熱
履歴パルス幅パラメータが通常印字に使用する最終的な
熱履歴パラメータとして決定される。

【００１９】これに対し、記録媒体として、発色特性が
異なる用紙、リサイクル用紙、発色特性が低下した古い
用紙等、所定の用紙以外の用紙を使用したときには、標
準の熱履歴時間パラメータと標準の熱履歴パルス幅パラ
メータによりサーマルヘッド１１を熱履歴制御してプレ
印字したときに、印字状態が標準状態内に入らないこと
が発生する。

【００２０】このときには、使用した標準の熱履歴時間
パラメータと標準の熱履歴パルス幅パラメータを、印字
状態のデータと印字標準データとの差に基づいて、変更
用の熱履歴時間パラメータと変更用の熱履歴パルス幅パ
ラメータを使用して変更する。そして、変更したパラメ
ータに基づいてヘッド駆動回路１２を制御し、サーマル
ヘッド１１を熱履歴制御しつつ記録媒体に再度プレ印字
する。

【００２１】そして、イメージセンサ３により記録媒体
に印字した状態を再度読み取り、印字状態のデータと印
字標準データとを比較しその差を求める。そして差が標
準状態の範囲内に入れば、そのとき使用した熱履歴時間
パラメータと熱履歴パルス幅パラメータを通常印字に使
用する最終的な熱履歴パラメータとして決定する。ま
た、今回も差が標準状態の範囲内に入らなければ、再度
印字状態のデータと印字標準データとの差に基づいて熱
履歴時間パラメータと熱履歴パルス幅パラメータを変更
し、この変更したパラメータに基づいてヘッド駆動回路
１２を制御し、サーマルヘッド１１を熱履歴制御しつつ
記録媒体に再々度プレ印字する。

【００２２】このようにして、印字状態のデータと印字
標準データとの差が標準状態の範囲内に入るまでパラメ
ータの変更を行い、検出した印字状態が標準状態の範囲
内に入ると、そのとき使用した熱履歴時間パラメータと
熱履歴パルス幅パラメータを通常印字に使用する最終的
な熱履歴パラメータとして決定する。

【００２３】このように、使用する記録媒体の種類が異
なってもプレ印字した濃度やドット幅等のデータの状態
が予め設定した標準の範囲内に入るまで熱履歴時間パラ
メータと熱履歴パルス幅パラメータを変更し、標準の範
囲内に入ると、そのときの熱履歴時間パラメータと熱履
歴パルス幅パラメータを最終的な熱履歴パラメータとし
て決定し、以降通常印字においてはこの決定した熱履歴
パラメータに従ってヘッド駆動回路１２を制御し、サー
マルヘッド１１を熱履歴制御しつつ記録媒体に印字する
ことになる。

【００２４】従って、使用する記録媒体の種類が所定の
用紙以外の多種に亙っても熱履歴制御しつつ常に最適な
印字ができる。なお、プレ印字は繰り返しても２回程度
で大抵は標準の範囲内に入るので、熱履歴パラメータ決
定に要する時間はそれほど長くなることはない。

【００２５】

【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
所定の用紙以外の用紙に対しても熱履歴制御しつつ最適
な印字ができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施の形態におけるサーマルプリン
タの要部構成を示すブロック図。

【図２】同実施の形態における制御部による熱履歴パラ
メータ決定処理を示す流れ図。

【符号の説明】

１…ヘッド駆動部 １１…サーマルヘッド ２…制御部 ２１１…印字標準データ記憶部 ２１２…熱履歴時間パラメータ記憶部 ２１３…熱履歴パルス幅パラメータ記憶部 ２３…比較・演算部 ３…イメージセンサ

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 標準の熱履歴パラメータ、変更用の各種
   熱履歴パラメータを記憶したパラメータ記憶手段と、こ
   のパラメータ記憶手段に記憶した標準の熱履歴パラメー
   タを使用してサーマルヘッドを熱履歴制御しつつ記録媒
   体にプレ印字を行う第１の印字制御手段と、変更した熱
   履歴パラメータを使用して前記サーマルヘッドを熱履歴
   制御しつつ記録媒体にプレ印字を行う第２の印字制御手
   段と、前記記録媒体の印字状態を画像として検出する検
   出手段と、標準の印字状態を印字標準データとして記憶
   した印字標準データ記憶手段と、前記各印字制御手段が
   印字した前記記録媒体の印字状態を前記検出手段にて検
   出し、この検出した印字状態のデータを前記印字標準デ
   ータ記憶手段に記憶した印字標準データと比較し、印字
   状態が標準状態内に入っているか否かを判断する判断手
   段と、この判断手段が、印字状態が標準状態内に入って
   いないことを判断すると、使用した熱履歴パラメータを
   前記パラメータ記憶手段に記憶されている変更用の熱履
   歴パラメータに従って変更するパラメータ変更手段とを
   具備し、 前記判断手段が、印字状態が標準状態内に入っているこ
   とを判断すると、そのとき使用した熱履歴パラメータを
   通常印字に使用する最終的な熱履歴パラメータとして決
   定することを特徴とするサーマルプリンタ。
2. 【請求項２】 標準の熱履歴パラメータを使用してサー
   マルヘッドを熱履歴制御しつつ記録媒体にプレ印字を行
   い、このプレ印字した記録媒体の印字状態を画像として
   検出し、この検出した印字状態のデータを予め設定した
   印字標準データと比較して印字状態が標準状態内に入っ
   ているか否かを判断し、印字状態が標準状態内に入って
   いないことを判断すると、使用した熱履歴パラメータを
   予め設定した変更用の熱履歴パラメータに従って変更
   し、変更した熱履歴パラメータを使用して前記サーマル
   ヘッドを熱履歴制御しつつ記録媒体にプレ印字を行い、
   これを印字状態が標準状態内に入るまで繰り返し、印字
   状態が標準状態内に入っていることを判断すると、その
   とき使用した熱履歴パラメータを通常印字に使用する最
   終的な熱履歴パラメータとして決定することを特徴とす
   るサーマルプリンタの熱履歴パラメータ決定方法。